JP2017203350A - 連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
直交集成板の性質を利用し、安定した強度を得られる連結構造を提供すること。
【解決手段】
直交集成板51、61は、木目方向の異なる中ラミナ54、64と側ラミナ55、65を貼り合わせてあり、中ラミナ54、64は一対の側ラミナ55、65で挟み込まれるものとする。そして連結構造は、二部材の間に挟み込む接合具11と、中ラミナ54、64に埋め込む耐力軸31と、側ラミナ55、65に差し込む補強具41と、を用いた形態で、接合具11の当接板16は、中ラミナ54、64と一対の側ラミナ55、65のいずれとも接触させる。また接合具11は、固定具27を介して耐力軸31に引き寄せるほか、当接板16からは、個々の側ラミナ55、65に向けて補強具41を差し込む。耐力軸31と補強具41を併用することで、木目方向の影響を受けることなく安定した強度を得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連結される二部材のうち、少なくとも一方には直交集成板を用いた連結構造に関する。
木造建築の骨格となる構造材は、安定した強度を有することが必要不可欠で、各種集成材を用いることも多い。また近年は、強度に優れた集成材である「直交集成板」も普及し始めている。直交集成板は、ラミナと称される板材を接着で積層したもので、隣接するラミナ同士は木目方向がほぼ90度異なり、強度の方向性を打ち消している。この直交集成板は、一般にCLTと呼ばれており、厚さが100mmを超えることも多く、その優れた特性から、木造建築の高層化などが期待されている。なお直交集成板は、文字通り板材として流通するが、所定の大きさに切断することで、柱や横架材など、棒状の部材としても使用できる。
木造建築において、直交集成板のような大断面の部材を据え付ける際は、各種金物を用いることが多い。各種金物を用いた連結構造については、これまでにも多数の特許文献が公開されているが、その中で本願発明と関連性のある技術の例として、後記特許文献が挙げられる。そのうち特許文献1では、柱と梁との取り付け部において、柱の室内側への突出を抑制できるほか、剛性も確保可能な連結構造が開示されている。
特許文献1の連結構造は、柱の側面と梁の端面との間に中間材を挟み込み、柱と中間材を外側ラグスクリューとネジ釘で一体化している点などを特徴とする。大径の外側ラグスクリューは、中間材の中央付近に配置し、小径のネジ釘は、中間材の外縁付近に配置することで、柱と中間材が強固に一体化する。外側ラグスクリューは強度に優れるが、その大きさにより多数を配置することは難しい。対してネジ釘は小径で、外側ラグスクリューの隙間を埋めるように配置可能で、このような併用により、部材の大断面化を抑制しながら、剛性を確保できる。
特許文献2では、柱の据え付け構造が開示されている。ここでは柱脚金物を用い、比較的細い柱を基礎コンクリートに据え付けることを想定しており、柱の下面中央には、大径の主ラグスクリューを埋め込み、さらに柱の四隅には、副ラグスクリューを埋め込み、ボルトやナットを介して主ラグスクリューや副ラグスクリューを柱脚金物に引き寄せる。副ラグスクリューは小径のため、柱の側面付近などにも配置可能で、その本数を増やすことで、比較的細い柱でも据え付け強度を向上できる。
これらの特許文献のように、各種の連結構造において、部材の中央に大径のラグスクリューを埋め込み、さらにその周囲に小径のネジ釘(特許文献2では副ラグスクリュー)を差し込むことで、引張荷重の伝達ルートが増大し、応力の集中を防止できる。特に小径のネジ釘は、あらゆる箇所に配置可能で、しかもその本数を増やすことも容易である。その結果、部材と金物類が面状に一体化し、剛性も向上する。
特開2012−167419号公報 特開2014−118718号公報
木材は、その木目方向によって強度に差がある。そのため、直交集成板を用いた連結構造において、直交集成板の内部にラグスクリューなどを埋め込む場合、ラミナの木目方向を考慮し、十分な強度を確保すべきである。ただし連結構造の形態は多様で、個々の連結構造毎に木目方向を考慮することは難しく、あらゆる条件において安定した強度を得られる連結構造が待ち望まれている。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、直交集成板の性質を利用し、安定した強度を得られる連結構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、連結される二部材のうち、少なくとも一方には直交集成板を用いた連結構造であって、前記直交集成板は、木目方向の異なる中ラミナと側ラミナを貼り合わせてあり、該中ラミナは一対の該側ラミナで挟み込まれており、連結される二部材の間に挟み込む接合具と、前記中ラミナに埋め込む棒状の耐力軸と、前記側ラミナに差し込むネジ釘状の補強具と、を用い、前記接合具には、前記直交集成板の表面に接触する当接板を備え、該当接板は、前記中ラミナおよびこれを挟み込む一対の前記側ラミナのいずれとも接触し、前記耐力軸は前記中ラミナに固着させ、ボルト等の固定具を介し、前記接合具を該耐力軸に引き寄せ、前記補強具は、前記当接板に設けた側孔を経て前記側ラミナに差し込み、前記接合具を該側ラミナに引き寄せ、該補強具は、一対の該側ラミナのいずれについても、少なくとも一本は差し込んであることを特徴とする連結構造である。
本発明は、一般にCLTと呼ばれる直交集成板を連結するためのものだが、あらゆる状況での使用を想定しており、二本の直交集成板同士を連結する場合のほか、一本の直交集成板を他の部材や基礎コンクリートに連結する場合もある。なお他の部材とは、直交集成板ではない各種木材や、鋼材を意味する。また連結構造の形態も様々で、連結される二部材(直交集成板や他の部材のほか、基礎コンクリートも含む)がL字状やT字状に配置される場合もあれば、棒状の二部材の端面同士を突き合わせ、これらを一直線につなぐ場合もある。
本発明で用いる直交集成板は、木造建築の構造材としての使用を想定しており、あらかじめ必要な大きさに切断してあり、従来の柱や横架材などと同様に用いる。また中ラミナや側ラミナは、直交集成板を構成する個々のラミナで、中ラミナと側ラミナは隣接配置され、双方の木目方向は概ね90度異なる。そして中ラミナは、直交集成板の表面に露出することがなく、必ず隣接する側ラミナで挟み込まれる。なおラミナは、最低でも三層(中ラミナを側ラミナで挟み込んだ形態)だが、実際は三層を超えることも多い。ただしその場合でも、本発明において、中ラミナと称するものは一枚だけとする。
接合具は、連結される二部材の間に挟み込まれる建築用金物であり、二部材が直に接触することはなく、接合具を挟んで連結される。そして接合具の形状は、連結される二部材の配置や特性に基づき、都度自在に決めて構わないが、直交集成板の表面に接触する当接板を有するものとする。なお当接板は、単に直交集成板の表面に接触すればよい訳ではなく、直交集成板の中ラミナと、これを挟み込む一対の側ラミナのいずれとも接触するよう、位置や大きさを調整する。
耐力軸は、中ラミナに埋め込む棒状の金属類で、中ラミナと強固に一体化させ、直交集成板に作用する荷重を受け止める役割を担い、その全体が中ラミナの内部に納まる大きさとする。耐力軸の具体例としては、ラグスクリューや異形棒鋼が挙げられる。ラグスクリューは、その側周面に螺旋状の凸条を形成してあり、これが中ラミナの内部に食い込むことで、双方が強固に一体化する。また異形棒鋼は、接着剤で中ラミナに固定する。なお耐力軸の一端面は、中ラミナの表面に露出し、これを接合具の当接板で覆い隠す。そのほか耐力軸は、一枚の当接板に対し、複数本用いることもある。
固定具は、接合具を耐力軸に引き寄せるボルトやナットである。耐力軸の一端面にメネジを設けてある場合、当接板からこのメネジに向けて固定具(ボルト)を差し込み、接合具を耐力軸に引き寄せる。また耐力軸の一端面からオネジが突出しているならば、これを当接板に差し込み、このオネジの先端に固定具(ナット)を螺合させる。このように接合具は、耐力軸と固定具を介して直交集成板と一体化させる。
補強具は、耐力軸を補助する役割を担い、耐力軸よりも小径のネジ釘状のもので、当接板から側ラミナに向けて差し込む。そのため当接板には、補強具を差し込むための側孔を設ける。なお通常は、当接板を直交集成板に接触させた後、側孔から補強具を差し込むが、施工上の都合で、あらかじめ補強具を直交集成板に差し込むこともある。その場合、側孔から補強具に向けてボルトを差し込むこともある。また、オネジが形成された補強具をあらかじめ差し込んだ場合、このオネジを側孔に差し込み、そこにナットを螺合させる。
補強具は、一対の側ラミナのいずれについても、最低でも一本は差し込むものとする。したがって接合具は、その当接板と接触する中ラミナおよび個々の側ラミナのいずれとも一体化する。補強具は、耐力軸よりも小径で、その使用本数を増やすことも容易である。そのため、個々の補強具が受け止め可能な荷重は限られていても、全体では大きな荷重を受け止めることができる。また補強具により、接合具と直交集成板との密着性が高まるため、曲げモーメントを受け止めることができ、剛性も向上する。
このように、中ラミナに耐力軸を埋め込み、側ラミナに補強具を差し込み、耐力軸と補強具を介して接合具を直交集成板に取り付けることで、個々のラミナの木目方向による強度の差を吸収でき、あらゆる条件において、安定した強度を得られる。またいずれかのラミナにヒビ割れが生じた場合でも、残りのラミナはその影響を受けないため、強度の低下も抑制され、安全上の問題を招くことがない。なお接合具において、直交集成板以外との連結箇所は、様々な従来技術をそのまま流用する。
請求項1記載の発明のように、直交集成板を用いた連結構造において、連結される二部材(直交集成板や他の部材のほか、基礎コンクリートも含む)の間には、接合具を挟み込み、接合具の当接板は、直交集成板の中ラミナおよび一対の側ラミナの全てに接触させ、さらに中ラミナに耐力軸を埋め込み、これを当接板と一体化するほか、当接板から個々の側ラミナに向けて補強具を差し込むことで、接合具は、中ラミナと個々の側ラミナを介して直交集成板と強固に一体化される。
補強具は比較的小径で、耐力軸よりも使用本数を増やすことが容易で、相応の荷重を受け止めることができる。そのため、ラミナの木目方向による強度の差を吸収でき、あらゆる条件において、安定した強度を得られ、個別の連結構造毎に木目方向を検討する必要がない。また接合具は、個々のラミナと一体化するため、仮にいずれかのラミナにヒビ割れが生じた場合でも、残りのラミナはその影響を受けないため、強度の低下も抑制され、安全上の問題を招くことがない。そのほか複数本の補強具を差し込むことで、接合具と直交集成板が面状に一体化し、剛性も向上する。
本発明による連結構造の具体例を示す斜視図で、棒状に切り出した二本の直交集成板の間に接合具を挟み込み、双方をL字状に連結することを想定している。 図1の直交集成板同士を連結した状態を示す斜視図である。 図1とは異なる連結構造を示す斜視図で、棒状の直交集成板を柱として用い、その下部を基礎コンクリートに据え付けることを想定している。 図3の直交集成板を基礎コンクリートに据え付けた状態を示す斜視図である。 接合具や耐力軸の具体例を示す斜視図で、図1と同様、二本の直交集成板をL字状に連結するが、直交集成板同士の交角を調整可能としてある。 図5の直交集成板同士を連結した状態を示す斜視図である。なお図の右上には、連結直前の横架材を描いてある。 接合具と補強具の具体例を示す斜視図で、耐力軸と補強具のいずれについてもラグスクリューを用いている。 図7の直交集成板同士を連結した状態を示す斜視図である。
図1は、本発明による連結構造の具体例を示しており、棒状に切り出した二本の直交集成板51、61の間に接合具11を挟み込み、双方をL字状に連結することを想定している。この図で柱となる直交集成板51は、ほぼ正方形断面で、地面から直立するように配置され、また横架材となる直交集成板61は、上下に長い矩形断面で、水平方向に伸び、その一端面が柱の側面と対向する。
いずれの直交集成板51、61とも三層構造で、中ラミナ54、64の両側を側ラミナ55、65で挟み込んである。さらに、中ラミナ54、64と側ラミナ55、65では、木目方向がほぼ90度異なり、強度の方向性を打ち消している。なお中ラミナ54、64は、水平方向に伸びる複数の板材を上下に積み重ねた構成で、柱側は三枚が積み重なり、横架材側は二枚が積み重なっている。また側ラミナ55、65は、上下方向に伸びる板材で構成され、横架材側については、この板材同士の境界が露出している。
接合具11は、平行に並ぶ二枚の当接板16を中間板17で結んだH形で、対向する直交集成板51、61の間に配置するが、強度を確保するため、同一の物を上下に二個配置してある。そして、接合具11を直交集成板51、61に取り付けるため、耐力軸31と補強具41を用いている。そのうち耐力軸31は、円柱状のラグスクリューで、双方の直交集成板51、61の中ラミナ54、64に加工した下穴53、63に埋め込む。また補強具41は、六角の頭部を有するネジ釘で、接合具11の当接板16から直交集成板51、61の側ラミナ55、65に向けて差し込む。
耐力軸31の側周面には、螺旋状に伸びる凸条35を形成してあり、これが下穴53、63の内周面に食い込むことで、耐力軸31が直交集成板51、61と一体化する。また耐力軸31の一端面には、工具を掛けるため六角形の頭部36を形成してあり、その中心にメネジ37を形成してある。なお耐力軸31は、いずれの直交集成板51、61とも、上下に四本を埋め込むが、その頭部36は、下穴53、63の入り口と段差なく並べ、接合具11とも接触できるようにする。
接合具11は、固定具27を介して耐力軸31に取り付ける。固定具27は単純なボルトで、接合具11の当接板16から耐力軸31のメネジ37に向けて差し込む。そのため当接板16の中央には、固定具27の軸部を通す中孔24を設けてある。また当接板16の左右両側には、補強具41の軸部を通す側孔23を設けてある。したがって一枚の当接板16は、二本の耐力軸31と四本の補強具41で固定される。補強具41は、耐力軸31と比較し、受け止め可能な荷重は小さいが、その本数を増やすことで、耐力軸31と同等の能力を発揮できる。
補強具41は比較的小径で、この図では、中ラミナ54、64のような下穴53、63を加工することなく、そのまま側ラミナ55、65に差し込んでいる。ただし補強具41を差し込むことで、側ラミナ55、65にヒビ割れを生じる恐れがあれば、何らかの対策を講じる。また補強具41を締め付ける際は、接合具11の側方からレンチなどの工具を差し入れる。なお施工時は、あらかじめ下穴53、63に耐力軸31を埋め込み、次にいずれか一方の直交集成板51、61に接合具11を接触させ、その当接板16に固定具27と補強具41を差し込み、接合具11を固定する。そして最後に、二本の直交集成板51、61を対向させ、残りの固定具27と補強具41を差し込む。
図2は、図1の直交集成板51、61同士を連結した状態を示す。接合具11は、二本の直交集成板51、61の間に挟み込まれ、双方を引き寄せている。また耐力軸31は中ラミナ54、64に埋め込まれ、その外側に補強具41が差し込まれており、耐力軸31と補強具41を併用することで、木目方向による強度の差を打ち消している。なお図の直交集成板51、61は、いずれも三層構造だが、実際にはより多層となることも多い。その場合においても、当接板16は、一枚の中ラミナ54、64と、これを挟み込む二枚の側ラミナ55、65のいずれとも接触させた上、中ラミナ54、64に耐力軸31を埋め込み、側ラミナ55、65に補強具41を差し込む。
図3は、図1とは異なる連結構造を示し、棒状の直交集成板51を柱として用い、その下部を基礎コンクリート71に据え付けることを想定している。この直交集成板51は直立しており、中央の中ラミナ54と、これを挟み込む一対の側ラミナ55で構成され、中ラミナ54には二本の耐力軸31を埋め込み、個々の側ラミナ55には二本の補強具42を差し込む。なお図3の接合具12は柱脚金物であり、底板18と当接板16との間を二枚の中間板17で結んだ箱形である。
基礎コンクリート71は地盤から立ち上がり、建築物を下から支えるが、その上面には四本のアンカーボルト72が突出しており、接合具12を地盤に引き寄せる。また接合具12の底板18は、基礎コンクリート71の上面に載るが、底板18にアンカーボルト72を差し込むため、アンカー孔25を設けてある。アンカー孔25は、寸法誤差を吸収するため、やや内径を広げてあり、接合具12を固定する際は、まずアンカーボルト72にワッシャ75を差し込み、次にナット74を螺合する。
図3で用いる耐力軸31は、図1と同様のラグスクリューで、中ラミナ54の下穴53に埋め込む。対して補強具42は、螺旋状に伸びる凸条45を有し、その一端に六角形の頭部46を形成してあり、さらにその先からオネジ47が突出した構成で、接合具12を直交集成板51に取り付ける前に、側ラミナ55に差し込む。なお補強具42を差し込む際は、あらかじめ側ラミナ55に細穴56を加工し、凸条45を細穴56の内周面に食い込ませる。ただしオネジ47と頭部46は、細穴56に埋め込むことなく、側ラミナ55の下面に突出させる。
接合具12の当接板16は、直交集成板51の下面を受け止めるが、その中央付近には耐力軸31と同心で中孔24を設けてあり、これに固定具27(ボルト)を差し込むことで、接合具12が直交集成板51に固定される。また当接板16の四隅には、補強具42と同心で側孔23を設けてある。側孔23には、補強具42のオネジ47と頭部46が入り込むが、オネジ47は側孔23の下に突出し、そこにナット48を螺合することで、接合具12が固定される。なお中間板17は、固定具27やナット48、74の締め付けを考慮し、ある程度の高さを確保してある。
図4は、図3の直交集成板51を基礎コンクリート71に据え付けた状態を示す。接合具12は、耐力軸31と補強具42を介して直交集成板51と一体化しており、さらに接合具12は、アンカーボルト72を介して基礎コンクリート71に引き寄せられ、直交集成板51は強固に据え付けられている。なお補強具42は比較的小径であるため、直交集成板51の四隅付近にも配置可能で、接合具12と直交集成板51が緩みなく密着する。
図5は、接合具13、14や耐力軸32の具体例を示し、図1と同様、二本の直交集成板51、61をL字状に連結するが、直交集成板51、61同士の交角を調整可能で、登り梁や筋交いなどの取り付けにも利用できる。また耐力軸32として、異形棒鋼を用いている。図5の接合具13、14は、当接板16の表面からクレビス22が突出した形状で、この二個を対向配置し、双方を支点ピン28で一体化する。なお一方の接合具13は、柱の側面に取り付け、他方の接合具14は、横架材の端面に取り付けるが、柱側のものはクレビス22が二枚で、横架材側のものはクレビス22が一枚である。
クレビス22の先部にはピン孔29を設けてあり、接合具14の一枚のクレビス22は、接合具13の二枚のクレビス22の間に挟み込み、全てのピン孔29を貫くように支点ピン28を差し込むと、二個の接合具13、14は、支点ピン28を中心として揺動自在に一体化され、二部材をあらゆる交角で連結できる。なおいずれの接合具13、14とも、当接板16には計八箇所の側孔23を設けてあり、そこから側ラミナ55、65に向けて補強具43を差し込む。この図の補強具43は、半球状の頭部を有し、ドライバーなどの工具で締め付ける。
耐力軸32は、側周面にリブ38が形成された異形棒鋼を所定の長さに切り出したもので、その一端面には、固定具27(ボルト)を螺合するメネジ37を形成してある。また耐力軸32は、中ラミナ54、64の下穴53、63に埋め込み、接着剤39で固定する。なおこの図の接合具13、14は、中央にクレビス22を有するため、固定具27を差し込む中孔24は、クレビス22の裾野付近に位置し、いずれの直交集成板51、61とも、耐力軸32は上下二箇所に埋め込む。そのほか施工に際しては、あらかじめ個々の直交集成板51、61に接合具13、14を取り付け、現地で支点ピン28を差し込む。
図6は、図5の直交集成板51、61同士を連結した状態を示す。なお図6の右上には、連結直前の直交集成板61(横架材)を描いてある。個々の直交集成板51、61に接合具13、14が取り付けられ、対向する接合具13、14が支点ピン28で一体化されている。そのため、直交集成板51、61同士の交角を自在に調整することができる。また補強具43は上下に隙間なく並び、強度を高めている。そのほか、補強具43は比較的小径で、直交集成板51、61の表面付近に差し込んだ場合でも、ヒビ割れなどが生じることはない。
図7は、接合具15と補強具44の具体例を示している。ここでは、中ラミナ54、64に埋め込む耐力軸31としてラグスクリューを用い、さらに側ラミナ55、65に埋め込む補強具44についても、耐力軸31とほぼ同形のラグスクリューを用いている。ただしこの補強具44は、側ラミナ55、65のヒビ割れを防ぐため、一回り小径としてあり、側ラミナ55、65に加工した細穴56、66に埋め込む。なお埋め込み作業を考慮し、細穴56、66の入り口付近は内径を拡大してある。
接合具15については、対向する直交集成板51、61に接触する一対の当接板16と、その間を結ぶ中間板17と、からなるコの字形のものを用いており、剛性を確保するため、二個を背中合わせに配置してある。なお個々の当接板16には、中孔24および側孔23を設けてあり、ここから耐力軸31および補強具44のメネジ37、49に向けて固定具27を差し込む。この接合具15では、必然的に中孔24と側孔23が横一線に並び、補強具44は、耐力軸31を挟み込むように配置する。
図8は、図7の直交集成板51、61同士を連結した状態を示す。この図の接合具15は、単独では剛性を得にくいものの、二個を隣接配置することで、必要な剛性が確保されている。また個々の当接板16は、耐力軸31を介して中ラミナ54、64と一体化しており、さらに補強具44を介して側ラミナ55、65とも一体化しており、中ラミナ54、64と側ラミナ55、65の強度の差を考慮する必要がない。
これまでの各図に描いた形態は、本発明による連結構造の一例を示したもので、当接板16を中ラミナ54、64と一対の側ラミナ55、65の全てに接触させ、さらに耐力軸31、32と補強具41、42、43、44を併用し、接合具11、12、13、14、15を直交集成板51、61に取り付けるならば、他の形態は自在である。そのため各図に描いた要素を適宜選択し、これらを現実的な範囲で自在に組み合わせることができる。
11 接合具
12 接合具(柱脚金物)
13 接合具(クレビスが二枚)
14 接合具(クレビスが一枚)
15 接合具(コの字形)
16 当接板
17 中間板
18 底板
22 クレビス
23 側孔
24 中孔
25 アンカー孔
27 固定具(ボルト)
28 支点ピン
29 ピン孔
31 耐力軸(ラグスクリュー)
32 耐力軸(異形棒鋼)
35 凸条
36 頭部
37 メネジ
38 リブ
39 接着剤
41 補強具(六角の頭部)
42 補強具(オネジあり)
43 補強具(半球状の頭部)
44 補強具(ラグスクリュー)
45 凸条
46 頭部
47 オネジ
48 ナット(補強具と螺合)
49 メネジ
51 直交集成板(柱)
53 下穴
54 中ラミナ
55 側ラミナ
56 細穴
61 直交集成板(横架材)
63 下穴
64 中ラミナ
65 側ラミナ
66 細穴
71 基礎コンクリート
72 アンカーボルト
74 ナット(アンカーボルトと螺合)
75 ワッシャ(アンカーボルトに差し込み)

Claims (1)

  1. 連結される二部材のうち、少なくとも一方には直交集成板(51、61)を用いた連結構造であって、
    前記直交集成板(51、61)は、木目方向の異なる中ラミナ(54、64)と側ラミナ(55、65)を貼り合わせてあり、該中ラミナ(54、64)は一対の該側ラミナ(55、65)で挟み込まれており、
    連結される二部材の間に挟み込む接合具(11乃至15)と、前記中ラミナ(54、64)に埋め込む棒状の耐力軸(31乃至32)と、前記側ラミナ(55、65)に差し込むネジ釘状の補強具(41乃至44)と、を用い、
    前記接合具(11乃至15)には、前記直交集成板(51、61)の表面に接触する当接板(16)を備え、該当接板(16)は、前記中ラミナ(54、64)およびこれを挟み込む一対の前記側ラミナ(55、65)のいずれとも接触し、
    前記耐力軸(31乃至32)は前記中ラミナ(54、64)に固着させ、ボルト等の固定具(27)を介し、前記接合具(11乃至15)を該耐力軸(31乃至32)に引き寄せ、
    前記補強具(41乃至44)は、前記当接板(16)に設けた側孔(23)を経て前記側ラミナ(55、65)に差し込み、前記接合具(11乃至15)を該側ラミナ(55、65)に引き寄せ、
    該補強具(41乃至44)は、一対の該側ラミナ(55、65)のいずれについても、少なくとも一本は差し込んであることを特徴とする連結構造。
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