図1は、本発明の一実施例としてのパチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図3は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。
本実施例では、始動口に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、当該特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプの遊技機に本発明を適用した例について説明する。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図3参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図2に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出図柄表示装置40と、演出図柄表示装置40の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物39と、センター役物39の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、センター役物39の下方に配置された常時開放の第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、第2始動口24の左下方に配置された第2大入賞口26と、第2大入賞口26の左下方に配置された第1大入賞口25と、遊技領域21の左下部にそれぞれ配置された常時開放の普通入賞口28と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤30には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、スライド式の開閉板(開閉部材)24bと、開閉板24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図3参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉板24bが盤面から突き出て遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉板24bが盤面内に引き込まれることにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24aが取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
第1大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、スライド式の開閉板(開閉部材)25bと、開閉板25bを作動させる第1大入賞口ソレノイド25c(図3参照)と、を備える。この第1大入賞口25は、通常は、開閉板25bが盤面から突き出て遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技(特別遊技)が実行されるときに、第1大入賞口ソレノイド25cによって開閉板25bが盤面内に引き込まれることにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。第1大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第1大入賞口スイッチ25aが取り付けられている。第1大入賞口25は、第1大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される(ラウンド遊技)。大当り遊技は、上述したラウンド遊技をインターバル時間を挟んで所定回数繰り返すことにより行なわれる。
第2大入賞口26は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、スライド式の開閉板(開閉部材)26bと、開閉板26bを作動させる第2大入賞口ソレノイド26c(図3参照)と、を備える。この第2大入賞口26は、通常は、開閉板26bが盤面から突き出て遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が小当り図柄で停止表示されて小当り遊技が実行されるときに、第2大入賞口ソレノイド26cによって開閉板26bが盤面内に引き込まれることにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。第2大入賞口26には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2大入賞口スイッチ26aが取り付けられている。第2大入賞口26は、第2大入賞口スイッチ26aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24,第1大入賞口25および第2大入賞口26は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24,第1大入賞口25,第2大入賞口26は、可変式の入賞口であり、それぞれ、普通図柄が当選した場合,特別図柄が大当りの場合,特別図柄が小当りの場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。第2始動口24,第1大入賞口25,第2大入賞口26は、上流側から第2始動口24,第2大入賞口26,第1大入賞口25の順に配置されており、上流側に配置された入賞口が閉鎖しているときに右打ちにより発射された遊技球が当該入賞口の開閉板の上を右から左へと通過して下流側の入賞口に向かい、上流側に配置された入賞口が開放しているときには右打ちにより発射された遊技球が当該入賞口に入球し、下流側の入賞口へは流下しないようになっている。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が第1の停止表示態様(所定の大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行され、特別図柄が第2の停止表示態様(所定の小当り図柄)で停止表示されると、小当り遊技が実行される。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
ここで、特別図柄の大当り図柄には、通常大当りとなる通常大当り図柄と、確変大当りとなる確変大当り図柄とが含まれる。通常大当りは、大当り遊技の終了後の遊技状態として、特別図柄の変動表示回数が所定回数(例えば50回)実行されるまで、特別図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常よりも延長される時短遊技状態(開放延長状態)が発生する当り態様である。なお、特別図柄の変動表示回数が所定回数に達すると、時短遊技状態(開放延長状態)は終了し、通常遊技状態となる。一方、確変大当りは、大当り遊技の終了後の遊技状態として、特別図柄の変動表示回数が所定回数(実施例では10,000回、すなわち実質的に次回まで)実行されるまで、特別図柄の大当り確率(特図当り確率)が通常確率よりも高確率に設定されると共に特別図柄の変動時間が短縮される確変遊技状態が発生する当り態様である。
なお、第1特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に、第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留表示装置33に表示される。一方、第2特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に、第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、当りの場合に点灯し外れの場合に消灯する第1表示部と、当りの場合に消灯し外れの場合に点灯する第2表示部と、を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられた普通図柄作動スイッチ22aが遊技球を検知したことに基づいて、第1表示部の点灯と第2表示部の点灯とを交互に繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、第1表示部および第2表示部の何れか一方を点灯し他方を消灯することにより普通図柄を停止表示する。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出図柄表示装置40は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する疑似図柄としての演出図柄41L,41C,41Rの表示の他、リーチ演出や予告演出、キャラクタ演出(キャラクタ43の表示)等の様々な演出表示を行なう。図4は、演出図柄表示装置40の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出図柄表示装置40の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等からなる左,中,右の3つの演出図柄41L,41C,41Rが表示される。3つの演出図柄41L,41C,41Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄41Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄41Rが左の演出図柄41Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄41Rが左の演出図柄41Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄41Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄41Cが左右の演出図柄41L,41Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄41Cが左右の演出図柄41L,41Rと一致したときには、大当りとなる。また、3つの演出図柄41L,41C,41Rが特定の組み合わせで停止表示されると、小当りとなる。
演出図柄41L,41C,41Rは、現在の遊技状態が通常遊技状態のときには、第1特別図柄の変動表示に対応して変動表示される。そして、演出図柄41L,41C,41Rは、第1特別図柄が外れ図柄で確定表示されるときには、通常外れまたはリーチ外れの組み合わせで確定表示され、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されるときには、大当りの組み合わせで確定表示される。一方、演出図柄41L,41C,41Rは、現在の遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態のときには、第2特別図柄の変動表示に対応して変動表示される。そして、演出図柄41L,41C,41Rは、第2特別図柄が外れ図柄で確定表示されるときには、通常外れまたはリーチ外れの組み合わせで確定表示され、第2特別図柄が大当り図柄で確定表示されるときには、大当りの組み合わせで確定表示され、第2特別図柄が小当り図柄で確定表示されるときには、小当りの組み合わせで確定表示される。
また、演出図柄表示装置40の表示画面内には、図4に示すように、第1判定図柄44および第2判定図柄45も表示される。第1判定図柄44および第2判定図柄45は、表示画面の隅(例えば、右隅)に各演出図柄41L,41C,41Rよりも小さく表示される。第1判定図柄44は、第1特別図柄の変動表示に対応して変動表示される。そして、第1判定図柄44は、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されるときには、大当り態様(例えば、「○」の表示)で確定表示され、第1特別図柄が外れ図柄で確定表示されるときには、外れ態様(例えば、「×」の表示)で確定表示される。一方、第2判定図柄45は、第2特別図柄の変動表示に対応して変動表示される。そして、第2判定図柄45は、第2特別図柄が大当り図柄で確定表示されるときには、大当り態様(例えば、「○」の表示)で確定表示され、第2特別図柄が外れ図柄または小当り図柄で確定表示されるときには、外れ態様(例えば、「×」の表示)で確定表示される。
更に、演出図柄表示装置40の表示画面内には、図4に示すように、保留図柄42も表示される。保留図柄42は、現在の遊技状態が通常遊技状態のときには、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態のときには、第1特別図柄の変動表示中に第1始動口23に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。また、保留図柄42は、現在の遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態のときには、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、遊技状態が確変遊技状態のときには、第2特別図柄の変動表示中に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。
また、演出図柄表示装置40の表示画面内には、遊技者が遊技球を発射すべき方向(発射方向)を示す発射方向表示部46も設けられている。発射方向表示部46は、遊技状態が左打ち(遊技球が第1遊技領域を流下するように遊技球を発射)を必要とする遊技状態(通常遊技状態)にある場合には、第1表示態様(例えば、「左打ち」の文字,左方向を指す矢印画像)で表示される。一方、発射方向表示部46は、遊技状態が右打ち(遊技球が第2遊技領域を流下するように遊技球を発射)を必要とする遊技状態(確変遊技状態または時短遊技状態)にある場合には、第2表示態様(例えば、「右打ち」の文字,右方向を指す矢印画像)で表示される。なお、発射方向表示部46は、遊技状態が変化するときに一定時間だけ表示するようにしてもよいし、常時表示するようにしてもよい。また、発射方向表示部46は、右打ちを必要とする遊技状態のときにだけ表示するようにしてもよい。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図3に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出図柄制御装置91と、図示しない電源基板と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子65が設けられており、外部接続端子65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図3参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図3に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御基板60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22a、第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23aや、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口25への遊技球の入球を検知する第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口26への遊技球の入球を検知する第2大入賞口スイッチ26a、普通入賞口28への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ28a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。一方、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや第1大入賞口ソレノイド25c、第2大入賞口ソレノイド26c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づいて遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止信号を入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出図柄表示制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出図柄表示制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出図柄表示装置40に表示されるよう当該演出図柄表示装置40の表示制御を行なう。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図5は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の大当り確率は、通常遊技状態と時短遊技状態では、第1特別図柄,第2特別図柄ともに1/319.9であり、確変遊技状態では、第1特別図柄,第2特別図柄ともに1/111.9である。大当りが発生した後に遊技状態が確変遊技状態に移行する確率は、第1特別図柄,第2特別図柄ともに50%であり、当該確変遊技状態は、特別図柄の変動表示の回数が10,000回に達するまで、すなわち実質的に次に大当りを引くまで継続する。また、第2特別図柄の当り図柄には、小当りも含まれており、小当りは、遊技状態に拘わらず、1/6の確率で発生する。なお、小当りが発生しても、その前後において遊技状態は変化しない。第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示は、共に4個まで保留され、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とは並行して行なわれる(同時変動)。なお、入賞口への遊技球の入賞により付与される賞球の数は、第1始動口23で4個,第2始動口24で1個,普通入賞口28で4個,第1大入賞口25で12個,第2大入賞口26で12個である。
また、普通図柄の当選確率は、遊技状態に拘わらず、100%であり、当選すると、第2始動口24が最大0.3秒間、1回開放される。なお、普通図柄の当選確率は、必ずしも100%である必要はないが、100%に近い確率とするのが好適である。普図の変動時間は、遊技状態に拘わらず、一定時間の1秒である。
こうした仕様のパチンコ機1において、左打ちにより第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当りとなり、第1大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。第1大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不能であり、右打ちすることにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。
通常遊技状態において確変大当りに当選し、大当り遊技の終了後に通常遊技状態から確変遊技状態へ移行すると、通常遊技状態に比して大当り確率が高くなると共に、第2特別図柄の平均変動時間が3秒と短くなる。したがって、遊技者は、右打ちして普通図柄作動ゲート22に遊技球を入球させると共に普通図柄の当選により第2始動口24が開放したときには当該第2始動口24に遊技球を入球させることで、第2特別図柄を頻繁に変動表示させることができる。そして、第2特別図柄は1/6の高確率で小当りが当選し、第2大入賞口26が開放するため、遊技者は右打ちを続けるだけで、第2大入賞口26に遊技球を入球させることができ、徐々に持ち球を増やすことができる。この遊技状態を小当りラッシュ状態とも呼ぶ。確変遊技状態は、本実施例では、実質的に次に大当りを引くまで継続し、確変遊技状態中に確変大当りに当選すると、大当り遊技の終了後の遊技状態は、確変遊技状態となり、確変遊技状態中に通常大当りに当選すると、大当り遊技の終了後の遊技状態は、時短遊技状態となる。したがって、確変遊技状態では、通常大当りに当選するまで、大当り遊技による賞球と小当りラッシュによる賞球とを継続的に獲得することができる。
通常大当りに当選し、大当り遊技終了後に時短遊技状態へ移行すると、大当り確率は通常遊技状態と同様に低確率であるものの、第2特別図柄の平均変動時間が確変遊技状態と同様に3秒と短くなるため、遊技者は、右打ちして普通図柄作動ゲート22に遊技球を入球させると共に普通図柄の当選により第2始動口24が開放したときには当該第2始動口24に遊技球を入球させることで、第2特別図柄を頻繁に変動表示させることができる。これにより、時短遊技状態中は持ち球をあまり減らすことなく大当りを引き戻すことも可能である。ここで、上述したように、時短遊技状態では、第2始動口24の開放時間が通常よりも長い開放延長状態が付与され、第2始動口24が開放中のときには、右打ちにより発射された遊技球は、当該第2始動口24に入球し、第2始動口24よりも下流側の入賞口(第1大入賞口25,第2大入賞口26)へは流下しないようになっている。したがって、時短遊技状態において、普通図柄の当選により第2始動口24が開放し、開放中の第2始動口24に遊技球が入球し、当該遊技球の入球に基づいて変動表示された第2特別図柄が小当り図柄で停止表示されて第2大入賞口26が開放しても、第2始動口24の開放延長によって第2大入賞口26へ向かって遊技球が流下するのが阻害されるため、小当りの当選により開放した第2大入賞口26に遊技球を入球させることは困難である(非小当りラッシュ状態)。
ここで、第2始動口24は、本実施例では、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過により遊技状態に拘わらず100%の確率で当選し、普通図柄が当りで停止表示されることにより開放されるから、通常遊技状態においても、遊技者は右打ちすることにより第2始動口24に入球させて第2特別図柄を変動させることが可能である。しかし、上述したように、通常遊技状態において、第2特別図柄の変動時間は10分と長く、第2特別図柄を頻繁に変動表示させることができないため、第1始動口23を狙って左打ちした方が第2始動口24を狙って右打ちするよりも、特別図柄の変動効率が高く、遊技者にとって有利である。なお、本実施例では、遊技状態が通常遊技状態であるにも拘わらず、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aが遊技球を検知(すなわち遊技者による右打ちを検知)すると、所定の警告(スピーカ14への警告音の出力や演出図柄表示装置40への警告メッセージの表示、発射方向表示部46による左打ちの指示表示など)が出力される。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作について更に詳細に説明する。図6は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、乱数更新処理(S110)と、入賞確認処理(S120)と、始動入賞処理(S130)と、普通図柄遊技処理(S140)と、普通図柄当り遊技処理(S150)と、第1特別図柄遊技処理(S160)と、第2特別図柄遊技処理(S170)と、大当り遊技(特別遊技)処理(S180)と、小当り遊技処理(S190)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S110~S190の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。
[乱数更新処理]
S110の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる大当り判定(当否判定)に用いる大当り判定用乱数(特別図柄当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄の決定に用いる大当り図柄決定用乱数,大当り判定の結果が外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、特別図柄の変動表示パターン(変動時間)の決定に用いる変動パターン決定用乱数、普通図柄動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S120)に進む。
[入賞確認処理]
S120の入賞確認処理は、各種センサ(ゲートスイッチ22aや第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口スイッチ26a、普通入賞口スイッチ28aなど)の状態を検出してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。そして、上述のスイッチのいずれかにより遊技球が検知された否かを判定し、検知されたと判定すると、入球コマンドをサブ統合制御装置90に送信する。また、上述のスイッチのうち賞球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口スイッチ26a、普通入賞口スイッチ28a)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S130)に進む。
[始動入賞処理]
図7は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S130の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数など第1特別図柄の変動表示遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、確変フラグおよび時短フラグが共に値0であるか否か、すなわち現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S208)。確変フラグおよび時短フラグが共に値0であると判定すると、S206で取得した判定用乱数に基づいて先読み判定処理を実行する(S210)。ここで、先読み判定処理は、S206で取得した判定用乱数(大当り判定用乱数)に基づいて第1特別図柄を変動表示する直前に行なわれる大当り判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう当否判定処理である。ここでの先読み判定処理は、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合を考えているから、低確率(1/319.9)の当選確率をもって行なわれる。先読み判定の結果は、後述する先読み演出に用いられる。先読み判定処理を実行すると、第1特別図柄の先読み判定コマンド(第1特図先読み判定コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S212)、第1特別図柄の保留発生コマンド(第1特図保留発生コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S214)、S216に進む。ここで、第1特図先読み判定コマンドには、S210の先読み判定の結果(大当りまたは外れ)に関する情報が含まれ、第1特図保留数指示コマンドには、第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。一方、S208において、確変フラグが値0でないと判定したり、時短フラグが値0でないと判定すると、S210,S212をスキップし、第1特図保留発生コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S214)、S216に進む。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定すると、S204~S214の処理をスキップしてS216に進む。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S216)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S218)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S220)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S222)。ここで、S222で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第2特別図柄の変動表示遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、確変フラグが値1で且つ時短フラグが値0であるか否か、すなわち現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定する(S224)。確変フラグが値1で且つ時短フラグが値0であると判定すると、S222で取得した判定用乱数に基づいて先読み判定処理を実行する(S226)。ここで、先読み判定処理は、S222で取得した判定用乱数(大当り判定用乱数)に基づいて第2特別図柄を変動表示する直前に行なわれる大当り判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう当否判定処理である。ここでの先読み判定処理は、現在の遊技状態が確変遊技状態である場合を考えているから、高確率(1/111.9)の当選確率をもって行なわれる。先読み判定処理を実行すると、第2特別図柄の先読み判定コマンド(第2特図先読み判定コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S228)、第2特別図柄の保留発生コマンド(第2特図保留発生コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S230)、S232に進む。ここで、第2特図先読み判定コマンドには、S226の先読み判定の結果(大当りまたは外れ)に関する情報が含まれ、第2特図保留数指示コマンドには、第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。一方、S224において確変フラグが値1でないと判定したり、時短フラグが値1でないと判定すると、S226,S228をスキップし、第2特図保留発生コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S230)、S232に進む。なお、S216で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S218で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定すると、S220~S230の処理をスキップして次のS232の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S232)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S234)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普通図柄表示装置36の表示を更新する(S236)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S238)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S240)、始動入賞処理を終了する。S232で普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過していないと判定したり、S234で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S236~240の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S140)に進む。
[普通図柄遊技処理]
S140の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する。保留数が値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、保留数が値0よりも多いと判定したときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行なうと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(停止図柄)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過することに基づいて取得される普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、普通図柄当否判定用乱数がいずれかの当り値と一致したときには当りと判定し、普通図柄当否判定用乱数がいずれの当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。本実施例では、遊技状態に拘わらず、普通図柄の当選確率は100%である。勿論、普通図柄の当選確率を100%よりも低い確率としてもよい。そして、当否判定の結果、当りと判定すると、普通図柄の停止図柄として当り図柄を決定し、外れと判定すると、普通図柄の停止図柄として外れ図柄を決定する。普通図柄の停止図柄を設定すると、普通図柄の変動時間(1秒)を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過すると、決定した停止図柄で普通図柄を停止表示する。停止表示した普通図柄が外れ図柄のときには、外れとして、普通図柄遊技処理を終了する。一方、停止表示した普通図柄が当り図柄のときには、当りとして、第2始動口24の開放時間を設定し、第2始動口24の開放作動を開始して普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口24の開放時間は、通常遊技状態または確変遊技状態のときには、0.3秒に設定され、時短遊技状態のときには、5秒に延長される。第2始動口24の開放作動は、上述したように、第2始動口ソレノイド24cを駆動制御することによって、開閉板24bを盤面内に引き込むことにより行なう。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄当り遊技処理(S150)に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
S150の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、第2始動口24が開放作動中であるか否かを判定する。第2始動口24が開放作動中でないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、第2始動口24が開放作動中であると判定すると、開放作動を開始してからの経過時間(開放時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間(実施例では通常遊技状態または確変遊技状態のときには0.3秒で時短遊技状態のときには5秒)に達しているか否か、規定数(実施例では9個)の遊技球が第2始動口24に入球しているか否かを判定する。開放時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口24に入球してもいないと判定すると、第2始動口24の開放作動を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放時間が設定時間に達していると判定したり、開放時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口24に入球していると判定すると、第2始動口24の開放作動を終了(第2始動口ソレノイド24cの駆動を終了)して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の第1特別図柄遊技処理(S160)に進む。
[第1特別図柄遊技処理]
図8および図9は、第1特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S140の第1特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、特別電動役物が作動中であるか否か、すなわち大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。特別電動役物が作動中であると判定すると、第1特別図柄遊技処理を終了する。本実施例では、第1特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って第2特別図柄遊技処理(S170)に進むが、第2特別図柄遊技処理においても後述するS400で特別電動役物が作動中と判定されて第2特別図柄遊技処理が終了するため、次の大当り遊技(特別遊技)処理(S180)に進む。なお、第2特別図柄遊技処理をスキップして大当り遊技処理に直接進むものとしてもよい。一方、特別電動役物が作動中でないと判定すると、第1特別図柄が変動表示中であるか否か(S302)、第1特別図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄が変動表示中ではなく確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、第1特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S308)、第2特別図柄が変動表示中であると判定すると、第2特別図柄が大当りであるか否かを判定する(S310)。第2特別図柄が変動表示中でないと判定したり、第2特別図柄が変動表示中であっても大当りでないと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数および変動パターン決定用乱数)のうち最も古いものを読み出し(S312)、読み出した大当り判定用乱数に基づいて当否判定処理を行なう(S314)。当否判定処理は、読み出した大当り判定用乱数と大当り判定用テーブルに含まれる大当り値とを比較することにより行ない、大当り判定用乱数が何れかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、一致しなかったときには外れと判定する。大当り判定用テーブルは、確変フラグが値0(通常遊技状態または時短遊技状態)のときには大当り値の少ない低確率用の大当り判定テーブルが用いられ、確変フラグが値1(確変遊技状態)のときには大当り値の多い高確率用の大当り判定テーブルが用いられる。
当否判定処理の結果が大当りであると判定すると(S316の「YES」)、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理を行なう(S318)。大当り図柄決定処理は、大当り遊技の内容(ラウンド数)と大当り遊技終了後の遊技状態とを決定するための処理であり、大当り図柄決定用乱数と図10に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第1特別図柄の大当り図柄は、図示するように、大当り遊技として12R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態とする特図1_12R通常大当り図柄と、大当り遊技として12R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態とする特図1_12R確変大当り図柄と、大当り遊技として16R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態とする特図1_16R確変大当り図柄と、を有する。特図1_12R通常大当り図柄,特図1_12R確変大当り図柄,特図1_16R確変大当り図柄は、それぞれ50%,40%,10%の割合で出現する。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで保存される。大当り図柄を決定すると、次に第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(大当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と大当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S320)。
一方、当否判定処理の結果が外れであると判定すると(S316の「NO」)、外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S322)。そして、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(外れ変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と外れ変動パターンテーブルとを用いて決定する(S324)。
図11は、第1特別図柄の変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。本実施例では、第1特別図柄の大当り変動パターンテーブルは、図11(a)に示すように、通常遊技状態,確変遊技状態および時短遊技状態のいずれにおいても、選択可能な変動パターンとして、第1特別図柄の変動時間が50秒の変動パターンA01と、第1特別図柄の変動時間が100秒の変動パターンA02と、を有する。通常遊技状態においては、変動パターンA01は、第1特別図柄の変動表示に対応した演出表示としてSPリーチ1が発生し、変動パターンA02は、第1特別図柄の変動表示に対応した演出表示としてSPリーチ2が発生する。一方、確変遊技状態と時短遊技状態においては、第1特別図柄の変動表示に対応した演出表示は行なわれない。なお、第1特別図柄の大当り変動パターンテーブルでは、変動パターンの選択率が高い方から順に、変動パターンA02,変動パターンA01である。
また、第1特別図柄の外れ変動パターンテーブルは、図11(b)に示すように、通常遊技状態において選択可能な変動パターンとして、第1特別図柄の変動時間が10秒または2秒の変動パターンA11と、第1特別図柄の変動時間が20秒の変動パターンA12と、上述した変動パターンA01およびA02と、を有し、確変遊技状態と時短遊技状態において選択可能な変動パターンとして、上述した変動パターンA11,A01およびA02を有する。通常遊技状態においては、変動パターンA11は、第1特別図柄の保留数が所定数(例えば3個)未満であれば、10秒が選択され、所定数以上であれば、2秒が選択され、第1特別図柄に対応した演出表示として通常変動が発生する。また、変動パターンA12は、第1特別図柄に対応した演出表示としてノーマルリーチが発生する。一方、確変遊技状態と時短遊技状態においては、第1特別図柄の変動表示に対応した演出表示は行なわれない。なお、第1特別図柄の外れ変動パターンテーブルでは、変動パターンの選択率が高い方から順に、変動パターンA11,変動パターンA12,変動パターンA01,変動パターンA02である。
ここで、大当り変動テーブルでは、変動パターンA11(通常変動)と変動パターンA12(ノーマルリーチ)が選択されることはないため、通常変動やノーマルリーチが出現しても、大当りとなることはない。また、大当り変動パターンテーブルでは変動パターンA02(SPリーチ2)の方が変動パターンA01(SPリーチ1)よりも選択率が高い一方、外れ変動パターンテーブルでは変動パターンA01の方が変動パターンA02よりも選択率が高いため、大当り信頼度は、変動パターンA02の方が変動パターンA01よりも高い。
S306で第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定した後、S308,S310で第2特別図柄が変動表示中で且つその第2特別図柄が大当りであると判定すると、当否判定を行なうことなく、第1特別図柄の確定図柄に外れ図柄を決定し(S322)、第1特別図柄の変動表示パターンとして外れ変動パターンを決定する(S324)。第1特別図柄と第2特別図柄は同時変動を許容しているから、両者で当り(大当り)が重複しないように、一方の特別図柄が大当りの場合には、他方の特別図柄を強制的に外れとする。本実施例では、第2特別図柄が小当りである場合には、通常通り当否判定を行なうものとした。これは、一方の小当りにより本来ならば大当りであった他方の判定内容を強制的に外れにするのは、遊技者にとって不利益を与えることになると考えられるためである。また、小当りはその前後で遊技状態の変更を伴うものではないため、大当りと小当りとを複合的に発生させても、遊技に大きな影響を与えないと考えられるためである。なお、第2特別図柄が小当りである場合も、大当りである場合と同様に、第1特別図柄を強制的に外れとしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄には小当りを含まないが、小当りを含む場合には、小当りの判定だけは行なうようにしてもよい。
こうして第1特別図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始し(S326)、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する(S328)。第1特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、第1特別図柄の変動表示開始コマンド(第1特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S330)、第1特別図柄遊技処理を終了する。変動開始コマンドには、大当り判定の結果や第1特別図柄の変動表示時間(変動パターン)、確定図柄(大当り図柄、外れ図柄)などが含まれる。
第1特別図柄の変動表示を開始すると、次に第1特別図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S302で第1特別図柄が変動表示中と判定するため、次に、S320,S324で決定した第1特別図柄の変動表示時間が経過したか否かを判定する(S332)。第1特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定すると、第1特別図柄遊技処理を一旦終了し、第1特別図柄の変動表示時間が経過したと判定すると、第1特別図柄の図柄停止コマンド(第1特図図柄停止コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S334)、変動表示中の第1特別図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S336)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S338)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、第1特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の確定図柄が表示された後に、第1特別図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS338で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了し(S340)、第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S342)。
第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であると判定すると、第2特別図柄が変動表示(同時変動)中であるか否かを判定し(S344)、第2特別図柄が変動表示中であれば、第2特別図柄の変動表示を外れ図柄の確定表示により終了させる(S346)。続いて、大当り遊技(特別遊技)を発生させるために、条件装置の作動を開始すると共に(S348)、役物連続作動装置の作動を開始する(S350)。条件装置が作動すると、特別電動役物も作動する。そして、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S352)、大当り遊技の内容や大当り遊技終了後の遊技状態などを含む遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信する(S354)。大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技開始演出(オープニング演出)を実行する。大当り遊技中には確変機能や時短機能を停止させるために、確変フラグが値1(ON)のときには確変フラグを値0(OFF)とし(S56,S358)、時短フラグが値1(ON)のときには時短フラグを値0(OFF)として(S360,S362)、第1特別図柄遊技処理を終了する。上述したように、第1特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って第2特別図柄遊技処理(S170)に進み、第2特別図柄遊技処理においてS400で特別電動役物が作動中と判定されて第2特別図柄遊技処理が終了するため、次の大当り遊技(特別遊技)処理(S180)に進んで大当り遊技が実行される。
一方、S346で大当り図柄でないと判定すると、確変フラグが値1(ON)であるか否かを判定し(S364)、確変フラグが値1でなく値0(OFF)であると判定すると、S374の処理に進む。確変フラグが値1であると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S366)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S368)。ここで、確変カウンタは、確変遊技状態を維持する特別図柄の残り変動回数を示すものであり、確変カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた値がセットされる。本実施例では、確変大当りで当選すると、値10,000がセットされるため、実質的に次に大当りを引くまで確変遊技状態が維持される。確変カウンタが値0でないと判定すると、確変遊技状態を維持したまま次のS374の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変遊技状態を終了させるために、確変フラグを値0とすると共に(S370)、遊技状態が確変遊技状態が終了したことを示す遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S372)、次のS374の処理に進む。
次に、時短フラグが値1(ON)であるか否かを判定し(S374)、時短フラグが値1でなく値0(OFF)であると判定すると、第1特別図柄遊技処理を終了する。時短フラグが値1であると判定すると、時短カウンタを値1だけデクリメントし(S376)、時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S378)。ここで、時短カウンタは、時短遊技状態を維持する特別図柄の残り変動回数を示すものであり、時短カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた値がセットされる。本実施例では、通常大当りで当選すると、値50がセットされるため、大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示回数が50回に達するまで、時短遊技状態が維持される。時短カウンタが値0でないと判定すると、時短遊技状態を維持したまま第1特別図柄遊技処理を終了し、時短カウンタが値0であると判定すると、時短遊技状態を終了させるために、時短フラグを値0とすると共に(S380)、時短遊技状態が終了したことを示す遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S382)、第1特別図柄遊技処理を終了する。
[第2特別図柄遊技処理]
図12および図13は、第2特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S150の第2特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、特別電動役物が作動中であるか否かを判定する(S400)。特別電動役物が作動中であると判定すると、第2特別図柄遊技処理を終了する。本実施例では、第2特別遊技処理を終了すると、次の大当り遊技(特別遊技)処理(S180)に進む。一方、特別電動役物が作動中でないと判定すると、第2特別図柄が変動表示中であるか否か(S402)、第2特別図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S404)、をそれぞれ判定する。第2特別図柄が変動表示中ではなく確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S406)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、第2特別図柄遊技処理を終了する。一方、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S408)、第1特別図柄が変動表示中であると判定すると、第1特別図柄が大当りであるか否かを判定する(S410)。第1特別図柄が変動表示中でないと判定したり、第1特別図柄が変動表示中であっても大当りでないと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数および変動パターン決定用乱数)のうち最も古いものを読み出し(S412)、読み出した大当り判定用乱数に基づいて当否判定処理を行なう(S414)。第2特別図柄には小当りが含まれているから、当否判定は、大当り判定用乱数と大当り判定用テーブルに含まれる大当り値とを比較する処理に加えて、当該大当り判定用乱数と当該大当り判定用テーブルに含まれる小当り値とを比較する処理も行なう。そして、大当り判定用乱数が大当り値と一致したときには大当りと判定し、大当り判定用乱数が小当り値と一致したときには小当りと判定し、大当り判定用乱数が大当り値と小当り値のいずれにも一致しなかったときには外れと判定する。上述したように、本実施例では、第2特別図柄の小当り確率は、1/6となっている。
当否判定処理の結果が大当りであると判定すると(S416の「YES」)、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理を行なう(S418)。第2特別図柄の大当り図柄決定処理は、図10に例示する第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルに代えて図14に例示する第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルを用いる点を除いてS318と同様に行なう。第2特別図柄の大当り図柄は、図示するように、大当り遊技として2R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態とする特図2_2R通常大当り図柄と、大当り遊技として16R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態とする特図2_16R確変大当り図柄と、を有する。特図2_2R通常大当り図柄は、第1大入賞口25を短時間(例えば2秒)だけ2回開放する大当り遊技が実行されるものであり、実質的に出玉のほとんどない大当りである。特図2_2R通常大当り図柄,特図2_16R確変大当り図柄は、それぞれ50%,50%の割合で出現する。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで保存される。大当り図柄を決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(大当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と大当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S420)。
一方、当否判定処理の結果が大当りでないと判定すると、小当りであるか否かを判定する(S422)。当否判定の結果が小当りであると判定すると、大当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定する(S424)。図15は、第2特別図柄の小当り図柄決定テーブルの一例を示す説明図である。第2特別図柄の小当り図柄は、極短時間(例えば、0.3秒)だけ第2大入賞口26を開放する特図2_小当り図柄Aと、第2大入賞口26を特図2_小当り図柄Aよりも長い時間(例えば、1.5秒)開放する特図2_小当り図柄Bと、を有する。特図2_小当り図柄A,特図2_小当り図柄Bは、それぞれ70%,30%の割合で出現する。小当り図柄を決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(小当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と小当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S426)。
S422で当否判定処理の結果が外れであると判定すると、外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S428)。そして、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(外れ変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と外れ変動パターンテーブルとを用いて決定する(S430)。
図16は、第2特別図柄の変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。本実施例では、第2特別図柄の大当り変動パターンテーブルは、図16(a)に示すように、通常遊技状態,確変遊技状態および時短遊技状態のいずれにおいても、選択可能な変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が150秒の変動パターンB01を有する。確変遊技状態と時短遊技状態においては、変動パターンB01は、第2特別図柄の変動表示に対応した演出表示としてSPリーチ3が発生する。一方、通常遊技状態においては、第2特別図柄の変動表示に対応した演出表示は行なわれない。
また、第2特別図柄の外れ変動パターンテーブルは、図16(b)に示すように、通常遊技状態において選択可能な変動パターンとして、第1特別図柄の変動時間が10分の変動パターンB11を有し、確変遊技状態と時短遊技状態において選択可能な変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が2秒の変動パターンB12と、上述した変動パターンB01と、を有する。確変遊技状態と時短遊技状態においては、変動パターンB12は、第2特別図柄に対応した演出表示として通常変動が発生する。また、変動パターンB01は、上述したように第2特別図柄に対応した演出表示としてSPリーチ3が発生する。一方、通常遊技状態においては、第2特別図柄の変動表示に対応した演出表示は行なわれない。
さらに、第2特別図柄の小当り変動テーブルは、図16(c)に示すように、通常遊技状態において選択可能な変動パターンとして、上述した変動パターンB11を有し、確変遊技状態(小当りラッシュ状態)と時短遊技状態において選択可能な変動パターンとして、上述した変動パターンB12を有する。確変遊技状態と時短遊技状態においては、変動パターンB12は、上述したように、第2特別図柄に対応した演出表示として通常変動が発生する。一方、通常遊技状態においては、上述したように、第2特別図柄の変動表示に対応した演出表示は行なわれない。
S406で第2特別図柄の保留数が値0よりも大きいと判定した後、S408,S410で第1特別図柄が変動表示中で且つその第1特別図柄が大当りであると判定すると、当否判定を行なうことなく、第2特別図柄の確定図柄に外れ図柄を決定して(S428)、外れ変動パターンを決定する(S430)。上述したように、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当りが重複しないように、一方の特別図柄が大当りの場合には、他方の特別図柄を強制的に外れとする。なお、第1特別図柄が大当りであっても、第2特別図柄の小当りの判定だけは行なうようにしてもよい。
こうして第2特別図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始し(S432)、第2特別図柄の変動表示開始コマンド(第2特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S434)、第2特別図柄遊技処理を終了する。変動開始コマンドには、当否判定の結果や第2特別図柄の変動表示時間(変動パターン)、確定図柄(大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄)などが含まれる。
第2特別図柄の変動表示を開始すると、次に第2特別図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S402で第2特別図柄が変動表示中と判定するため、次に、S420,S426,S430で決定した第2特別図柄の変動表示時間が経過したか否かを判定する(S436)。第2特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定すると、第2特別図柄遊技処理を一旦終了し、第2特別図柄の変動表示時間が経過したと判定すると、第2特別図柄の図柄停止コマンド(第2特図図柄停止コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S438)、変動表示中の第2特別図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S440)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S442)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、第2特別図柄遊技処理を一旦終了する。第2特別図柄の確定図柄が表示された後に、第2特別図柄遊技処理が実行されると、S404で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS442で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了し(S444)、第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S446)。
第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であると判定すると、第1特別図柄が変動表示(同時変動)中であるか否かを判定し(S448)、第1特別図柄が変動表示中であれば、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄の確定表示により終了させる(S450)。続いて、条件装置の作動を開始すると共に(S452)、役物連続作動装置の作動を開始する(S454)。条件装置が作動すると、特別電動役物も作動する。そして、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S456)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信する(S458)。大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技開始演出(オープニング演出)を実行する。また、第1特別図柄が大当りのときと同様に、確変フラグが値1(ON)のときには確変フラグを値0(OFF)とし(S460,S462)、時短フラグが値1(ON)のときには時短フラグを値0(OFF)として(S464,S466)、第2特別図柄遊技処理を終了する。第2特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS180の大当り遊技処理(特別遊技処理)に進む。
一方、S450で大当り図柄でないと判定すると、小当り図柄であるか否かを判定する(S468)。第2特別図柄の確定図柄が小当り図柄であると判定すると、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S470)、第1特別図柄が変動表示(同時変動)中であれば、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄の確定表示により終了させる(S472)。なお、変動表示中の第2特別図柄の当否判定結果が小当りであるときに第1特別図柄の当否判定を通常通り行なった場合には、小当り遊技が終了するまで第1特別図柄の変動表示時間の計測を中断してもよい。この場合、小当り遊技が終了すると、第1特別図柄の変動表示時間の計測が再開され、残りの変動時間が経過するまで第1特別図柄の変動表示が行われる。第1特別図柄が変動表示中でなければ、S472をスキップして次のS474に進む。そして、特別電動役物の作動を開始すると共に(S474)、小当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S476)、次のS478に進む。小当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、小当り遊技開始演出(オープニング演出)を実行する。S468で小当り図柄でないと判定すると、S470~S476をスキップしてS478に進む。
そして、図9の第1特別図柄遊技処理のS364~S382と同様に、確変フラグが値1であれば、確変カウンタを値1だけデクリメントし、確変カウンタが値0になると、確変フラグを値0として遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態にするS478~S486の処理や、時短フラグが値1であれば、時短カウンタを値1だけデクリメントし、時短カウンタが値0になると、時短フラグを値0として遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態にするS488~S496の処理を実行して、第2特別図柄遊技処理を終了する。なお、上述したように、確変カウンタには、確変大当りを契機に大当り遊技終了後に値10,000がセットされるから、確変遊技状態(小当りラッシュ状態)は実質的に次に大当りを引くまで継続する。一方、時短カウンタには、通常大当りを契機に大当り遊技終了後に値50がセットされるから、時短遊技状態は特別図柄の変動表示が50回実行されるまで継続する。
[大当り遊技処理]
図17および図18は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S180の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、役物連続作動装置が作動中(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S500)。役物連続作動装置が作動中でないと判定すると、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技処理を終了すると、次の小当り遊技処理(S190)に進む。一方、役物連続作動装置が作動中であると判定すると、ラウンド遊技中であるか否かを判定する(S502)。ラウンド遊技中でないと判定すると、オープニング演出(大当り遊技開始演出)中であるか否か(S504)、インターバル中であるか否か(S506)、をそれぞれ判定する。大当り遊技が開始された直後は、オープニング演出中であるから、S504で肯定的な判定がなされ、次に、オープニング演出時間(実施例では5秒)が経過したか否かを判定する(S508)。オープニング演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了する。S508でオープニング演出時間が経過したと判定すると、所定の開放パターンによって第1大入賞口25を開放するラウンド遊技を開始して(S510)、大当り遊技処理を一旦終了する。ラウンド遊技における第1大入賞口25の開放パターンは、短時間(実施例では2.0秒)の開放を複数回行なう開放パターンと、長時間(実施例28.0秒)を1回行なう開放パターンとがある。開放パターンは、大当り図柄に応じて決定される。図10に示すように、本実施例では、特図1_12R通常大当り図柄または特図1_12R確変大当り図柄で当選すると、1~8Rのラウンド遊技において、最大2.0秒間の開放を最大13回行ない、9R~12Rのラウンド遊技において、最大2.0秒間の開放を最大3回行なう。また、図10および図14に示すように、特図1_16R確変大当り図柄または特図2_16R確変大当り図柄で当選すると、1R,16Rのラウンド遊技において、最大2.0秒間の開放を最大13回行ない、2R~15Rのラウンド遊技において、最大28.0秒間の開放を1回行なう。また、図14に示すように、特図2_2R通常大当り図柄で当選すると、1R,2Rのラウンド遊技において、最大2.0秒間の開放を最大2回行なう。
ラウンド遊技を開始すると、次に大当り遊技処理を実行したときにS502でラウンド遊技中であると判定するため、第1大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて第1大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では10個)に達しているか否かを判定すると共に(S512)、ラウンド遊技を開始してからの第1大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間(実施例では28.0秒または2.0秒×ラウンド遊技中の最大開放回数)に達しているか否かを判定する(S514)。第1大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、第1大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、ラウンド遊技の実行を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、第1大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達する前に第1大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、第1大入賞口25を閉鎖してラウンド遊技を終了し(S516)、インターバル時間(実施例では2秒)を設定するインターバル処理を行なって(S518)、大当り遊技処理を終了する。ラウンド遊技を終了すると、次に大当り遊技処理が実行されたときには、S506でインターバル中であると判定し、インターバル時間が経過したか否かを判定する(S520)。インターバル時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、インターバル時間が経過したと判定すると、最終ラウンドが終了したか否かを判定する(S522)。最終ラウンドが終了していないと判定すると、再びラウンド遊技を開始する(S510)。
こうして第1大入賞口25の開放と閉鎖とを行なうラウンド遊技を、インターバル時間を挟んで所定回数(12R大当り遊技では12回、2R大当り遊技では2回、16R大当り遊技では16回)繰り返し、S520,S522において最終ラウンド終了後のインターバル時間(終了インターバル時間)が経過したと判定すると、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S524)、大当り遊技処理を一旦終了する。大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技終了演出(エンディング演出)を実行する。そして、次に大当り遊技が実行されたときに、S504,S506でオープニング中でなくインターバル中でもないと判定するため、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(S526)。エンディング演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、エンディング演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S528)、条件装置の作動を停止する(S530)。そして、今回の大当り図柄が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S532)。今回の大当り図柄が確変大当り図柄であると判定すると、確変遊技状態を発生させるために、確変カウンタに値10,000をセットすると共に(S534)、確変フラグに値1をセットして(S536)、S542に進む。一方、今回の大当り図柄が確変大当り図柄でなく通常大当り図柄であると判定すると、時短遊技状態を発生させるために、時短カウンタに値50をセットすると共に(S538)、時短フラグに値1をセットして(S540)、S542に進む。こうして大当り遊技終了後の遊技状態を設定すると、大当り遊技終了コマンドと遊技状態指定コマンドとをサブ統合制御装置90に送信して(S542,S544)、大当り遊技処理を終了する。ここで、遊技状態指定コマンドには、確変フラグの値や時短フラグの値が含まれる。
[小当り遊技処理]
図19は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S190の小当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、条件装置が作動中でなく特別電動役物が作動中であるか否か、すなわち小当り遊技中であるか否かを判定する(S600)。条件装置が作動中であったり、特別電動役物が作動中でないと判定すると、小当り遊技処理を終了する。一方、条件装置が作動中でなく特別電動役物が作動中であると判定すると、第2大入賞口26が開放中であるか否かを判定する(S602)。第2大入賞口26が開放中でないと判定すると、オープニング演出(小当り遊技開始演出)中であるか否かを判定する(S604)。小当り遊技が開始された直後は、小当り遊技開始演出中であるから、S604で肯定的な判定がなされ、オープニング演出時間が経過したか否かを判定する(S606)。オープニング演出時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、オープニング演出時間が経過したと判定すると、第2大入賞口ソレノイド26cの駆動により第2大入賞口26を開放して(S608)、小当り遊技処理を一旦終了する。
第2大入賞口26を開放すると、次に小当り遊技処理を実行したときにS602で第2大入賞口26が開放中と判定するため、第2大入賞口スイッチ26aからの検知信号に基づいて第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数(実施例では10個)に達しているか否かを判定すると共に(S610)、第2大入賞口26を開放してからの経過時間が最大開放時間に達しているか否かを判定する(S612)。第2大入賞口26の最大開放時間は、本実施例では、特図2_小当り図柄Aで当選すると、0.2秒であり、特図2_小当り図柄Bで当選すると、1.5秒である。なお、小当り遊技は、第2大入賞口26を1回だけ開放するものに限られず、通じて最大開放時間を限度に複数回開放するものでも構わない。第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、第2大入賞口26の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、第2大入賞口26の開放を維持したまま小当り遊技処理を一旦終了する。一方、第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達する前に第2大入賞口26の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、第2大入賞口26を閉鎖し(S614)、小当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S616)、小当り遊技処理を終了する。第2大入賞口26を閉鎖すると、次に小当り遊技処理が実行されたときには、S604でオープニング演出中でなくエンディング演出(小当り遊技終了演出)中であると判定するため、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(S618)。エンディング演出時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、エンディング演出時間が経過したと判定すると、小当り遊技を終了させる小当り遊技終了処理を実行して(S620)、小当り遊技処理を終了する。
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90の処理(特に、保留図柄表示処理や図柄変動演出処理、先読み演出処理)について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、第1特図先読み判定コマンドや第2特図先読み判定コマンド、第1特図保留発生コマンド、第2特図保留発生コマンド、第1特図変動開始コマンド、第2特図変動開始コマンド、第1特図図柄停止コマンド、第2特図図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り遊技開始演出コマンド、大当り遊技終了演出コマンド、小当り遊技開始演出コマンド、小当り遊技終了演出コマンドなどがある。
[保留図柄表示処理]
図20は、サブ統合制御装置90のCPU90aにより実行される保留図柄表示処理の一例を示すフローチャートである。保留図柄表示処理では、サブ統合制御装置90のCPUは、まず、図7の始動入賞処理のS214で主制御装置60により送信される第1特図保留発生コマンドを受信したか否かを判定する(S700)。第1特図保留発生コマンドを受信していないと判定すると、S708に進む。一方、第1特図保留発生コマンドを受信したと判定すると、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントする第1特図保留数更新処理を実行し(S702)、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S704)。この遊技状態の判定は、第1特別図柄遊技処理のS372,S382や第2特別図柄遊技処理のS486,S496、大当り遊技処理のS544において主制御装置60から送信される遊技状態指定コマンドに含まれる確変フラグの値や時短フラグの値を調べることで行なうことができる(以下、同じ)。本実施例では、確変フラグが値1で且つ時短フラグが値0のときには確変遊技状態(小当りラッシュ状態)であり、確変フラグが値0で且つ時短フラグが値1のときには時短遊技状態であり、確変フラグおよび時短フラグが共に値0のときには通常遊技状態である。現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定すると、第1特図保留図柄として保留図柄42(通常保留図柄)を1つ追加表示して(S706)、S708に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定すると、S706をスキップしてS708に進む。
そして、図8の第1特別図柄遊技処理のS330において主制御装置60により送信される第1特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S708)。第1特図変動開始コマンドを受信していないと判定すると、S716に進む。一方、第1特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントする第1特図保留数更新処理を実行し(S710)、第1特図保留図柄としての保留図柄42が表示中であるか否かを判定する(S712)。第1特図保留図柄としての保留図柄42が表示中であると判定すると、保留図柄42を1つ消去して(S714)、S716に進み、第1特図保留図柄としての保留図柄42が表示中でないと判定すると、S714をスキップしてS716に進む。
次に、図7の始動入賞処理のS230において主制御装置60により送信される第2特図保留発生コマンドを受信したか否かを判定する(S716)。第2特図保留発生コマンドを受信していないと判定すると、S724に進む。一方、第2特図保留発生コマンドを受信したと判定すると、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントする第2特図保留数更新処理を実行し(S718)、現在の遊技状態が確変遊技状態(小当りラッシュ状態)であるか否かを判定する(S720)。現在の遊技状態が確変遊技状態であると判定すると、第2特図保留図柄として保留図柄42(通常保留図柄)を1つ追加表示して(S722)、S724に進み、現在の遊技状態が確変遊技状態でなく通常遊技状態または時短遊技状態であると判定すると、S722をスキップしてS724に進む。
そして、図12の第2特別図柄遊技処理のS434において主制御装置60により送信される第2特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S724)。第2特図変動開始コマンドを受信していないと判定すると、本処理を終了する。一方、第2特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントする第2特図保留数更新処理を実行し(S726)、第2特図保留図柄としての保留図柄42が表示中であるか否かを判定する(S728)。第2特図保留図柄としての保留図柄42が表示中であると判定すると、保留図柄42を1つ消去して(S730)、本処理を終了し、第2特図保留図柄としての保留図柄42が表示中でないと判定すると、S730をスキップして本処理を終了する。
[図柄変動演出処理]
図21は、サブ統合制御装置90のCPU90aにより実行される図柄変動演出処理の一例を示すフローチャートである。図柄変動演出処理では、サブ統合制御装置90のCPUは、まず、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S800)。現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定すると、図8の第1特別図柄遊技処理のS330において主制御装置60により送信される第1特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S802)。第1特図変動開始コマンドを受信していないと判定すると、S808に進む。一方、第1特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、受信した第1特図変動開始コマンドに含まれる第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に基づいて演出パターンを決定し(S804)、決定した演出パターンに基づいて演出図柄41L,41C,41Rを変動表示させる図柄変動演出を開始して(S806)、S808に進む。S804の演出パターンの決定は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)と演出パターンとが関連付けられた第1特図用演出パターンテーブルを用いて第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応する演出パターンを導出することにより行なわれる。本実施例では、図11に示すように、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)として、変動パターンA11(10秒または2秒)が選択されている場合には、演出パターンとして通常変動が決定され、変動パターンA12(20秒)が選択されている場合には、演出パターンとしてノーマルリーチが決定され、変動パターンA01(50秒)が選択されている場合には、演出パターンとしてSPリーチ1が決定され、変動パターンA02(100秒)が選択されている場合には、演出パターンとしてSPリーチ2が決定される。そして、第1特別図柄遊技処理のS334で主制御装置60により送信される第1特図図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S808)。第1特図図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、本処理を終了し、第1特図図柄停止コマンドを受信したと判定すると、変動表示中の演出図柄41L,41C,41Rを停止表示させることにより図柄変動演出を終了して(S810)、本処理を終了する。このように、現在の遊技状態が通常遊技状態であるときには、第1特別図柄をメインとして遊技が進行し、当該第1特別図柄に対応して演出図柄41L,41C,41Rの変動表示が行なわれる。このため、通常遊技状態において、第2特別図柄変動開始コマンドを受信しても、第2特別図柄に対応する演出図柄41L,41C,41Rの変動表示は行なわれない。
S800において、現在の遊技状態が通常遊技状態でなく確変遊技状態または時短遊技状態であると判定すると、図12の第2特別図柄遊技処理のS434で主制御装置60により送信される第2特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S812)。第2特図変動開始コマンドを受信していないと判定すると、S818に進む。一方、第2特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、受信した第2特図変動開始コマンドに含まれる第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に基づいて演出パターンを決定し(S814)、決定した演出パターンに基づいて演出図柄41L,41C,41Rを変動表示させる図柄変動演出を開始して(S816)、S818に進む。S814の演出パターンの決定は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)と演出パターンとが関連付けられた第2特図用演出パターンテーブルを用いて第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応する演出パターンを導出することにより行なわれる。本実施例では、図16に示すように、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)として、変動パターンB12(2秒)が選択されている場合には、演出パターンとして通常変動が決定され、変動パターンB01(150秒)が選択されている場合には、演出パターンとしてSPリーチ3が決定される。そして、第2特別図柄遊技処理のS438で主制御装置60により送信される第2特図図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S818)。第2特図図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、本処理を終了し、第2特図図柄停止コマンドを受信したと判定すると、変動表示中の演出図柄41L,41C,41Rを停止表示させることにより図柄変動演出を終了して(S820)、本処理を終了する。このように、現在の遊技状態が通常遊技状態でなく確変遊技状態または時短遊技状態であるときには、第2特別図柄をメインとして遊技が進行し、当該第2特別図柄に対応して演出図柄41L,41C,41Rの変動表示が行なわれる。このため、確変遊技状態または時短遊技状態において、第1特別図柄変動開始コマンドを受信しても、第1特別図柄に対応する演出図柄41L,41C,41Rの変動表示は行なわれない。
[第1特別図柄先読み演出処理]
図22は、サブ統合制御装置90のCPU90aにより実行される図柄変動演出処理の一例を示すフローチャートである。第1特別図柄先読み演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S900)。現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定すると、本処理を終了する。一方、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定すると、図7の始動入賞処理のS212において主制御装置60により送信される第1特図先読み判定コマンドを受信したか否かを判定する(S902)。第1特図先読み判定コマンドを受信していないと判定すると、S912に進む。一方、第1特図先読み判定コマンドを受信したと判定すると、先読み演出を実行するか否かを判定する先読み演出実行可否判定処理を実行する(S904)。この処理は、例えば、所定の抽選を行ない、抽選の結果が当りであれば、先読み演出を実行すると判定し、抽選の結果が外れであれば、先読み演出を実行しないと判定することにより行なわれる。先読み演出を実行しないと判定すると、S912に進み、先読み演出を実行すると判定すると、先読み保留図柄を決定し(S908)、保留図柄42として決定した先読み保留図柄を表示して(S910)、S912に進む。ここで、先読み保留図柄の決定は、図23に示すように、大当り信頼度が異なる複数種類の先読み保留図柄の中から一の先読み保留図柄を選択することにより行なわれる。先読み保留図柄の選択は、第1特図先読み判定コマンドに含まれる大当り判定の結果が大当りである場合には高信頼度の先読み保留図柄が選択され易くなり、大当り判定の結果が外れである場合には低信頼度の先読み保留図柄が選択され易くなっている。なお、本実施例では、第1特図先読み判定コマンドを受信した直後のタイミングで先読み保留図柄を表示(先読み演出を実行)するものとしたが、第1特図先読み判定コマンドを受信してから所定時間が経過したタイミングで先読み保留図柄を表示してもよい。また、通常遊技状態において第1特別図柄の保留に対して表示される通常保留図柄を先読み保留図柄に変化させたり、表示中の先読み保留図柄を大当り信頼度が異なる別の先読み保留図柄に変化させる構成を採用することもできる。この場合、事前に保留図柄が変化するかどうかを煽る煽り演出(保留変化予告演出)を実行するものとしてもよい。
次に、先読み保留図柄が表示中であるか否かを判定する(S912)。先読み保留図柄が表示中でないと判定すると、本処理を終了する。一方、先読み保留図柄が表示中であると判定すると、図12の第2特別図柄遊技処理のS434において主制御装置60により送信される第2特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S914)。第2特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、第2特図変動開始コマンドに含まれる大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S916)。第2特図変動開始コマンドを受信していないと判定したり、第2特図変動開始コマンドを受信してもその大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、先読み保留図柄の表示を維持したまま、本処理を終了する。一方、第2特図変動開始コマンドを受信し、且つ、その大当り判定の結果が大当りであると判定すると、先読み保留図柄を通常保留図柄に変化させることで先読み演出を終了して(S918)、本処理を終了する。なお、上述したように通常遊技状態において第1特別図柄の保留に対して表示される保留図柄を変化させると共に事前に煽り演出(保留変化予告演出)を実行する構成を採用した場合、煽り演出の実行前または実行中に第2特別図柄の大当り変動が発生すると、煽り演出の実行を禁止するものとしてもよい。
図24は、先読み演出と先読み演出の終了の様子を示す説明図である。通常遊技状態(「通常モード」)においては、メインとなる第1特別図柄の保留が発生すると、演出図柄表示装置40にて保留図柄42が通常保留図柄で表示され、第1特図表示装置31にて第1特別図柄が変動表示されると共に演出図柄表示装置40にて第1特別図柄に対応した演出図柄41L,41C,41Rが変動表示される。通常遊技状態においては、第1特別図柄の保留が発生すると、発生した保留について大当りの先読み判定が行なわれ、先読み判定の結果に基づいて先読み演出として上記通常保留図柄に代えて先読み保留図柄が表示される(図24(a)参照)。本実施例のパチンコ機1は、同時変動タイプの遊技機として構成されているから、第1特別図柄の変動中に第2特別図柄の保留が発生すると、第2特図表示装置32にてメインでない第2特別図柄が変動表示されるが、第1特別図柄に対応した演出図柄41L,41C,41Rの変動表示が継続され、第2特別図柄に対応した演出図柄41L,41C,41Rの変動表示は行なわれない。このとき、第2特別図柄の1回の変動中に第1特別図柄の全ての保留が消化される場合がある。そして、第2特別図柄が大当りの当否判定結果に基づいて変動表示(大当り変動)が行なわれると、第1特別図柄の保留についての当否判定は強制的に外れとされる。このため、第1特別図柄の保留に対して大当り信頼度が高い先読み保留図柄が表示されていても、第2特別図柄の大当り変動の発生によって、当該先読み演出の対象となった保留が強制的に外れとされ、実際の図柄変動演出においてリーチすら発生しない場合がある。遊技者は、大当り信頼度が高い先読み保留図柄を見れば、大当りに対する大きな期待感を抱くのが通常であるから、こうした状況は遊技者に大きながっかり感を与え、遊技者の遊技意欲の減退を招くおそれがある。そこで、本実施例では、通常遊技状態において、第1特別図柄の保留を対象として先読み保留図柄が表示されている場合に、第2特別図柄の大当り変動が発生すると、当該先読み保留図柄を通常保留図柄に変化させ、先読み演出を終了する(図24(b)参照)。これにより、大当り信頼度が高い先読み保留図柄のままその対象保留に基づいて図柄変動が開始されないようにして、先読み保留図柄が示唆する大当り信頼度と実際の図柄変動演出とに齟齬が生じるのを防ぎ、上述した不都合を回避することができる。ここで、先読み演出を終了させることは、第2特別図柄の大当りが確定しているとも言えるため、このことを知っている遊技者にとっては、先読み演出の終了が大当りの確定を示唆する大当り確定演出として機能する(図24(c)参照)。ここで、本実施例では、通常遊技状態においては、第2特別図柄が変動表示されても、第2特別図柄に対応する演出図柄41L,41C,41Rの変動表示は行なわれないが、第2特別図柄に対応する演出表示として第2判定図柄45の表示は行なわれる。第2判定図柄45は、図24に示すように、遊技者に対して目立たないよう演出図柄表示装置40の表示画面の隅に演出図柄41L,41C,41Rよりも小さく表示される。なお、通常遊技状態において、第2特別図柄の変動開始時と変動停止時にのみ演出図柄41L,41C,41Rや第2判定図柄45を表示する等、遊技者に注目されないような表示態様で第2特別図柄に対応した演出表示を行なってもよい。なお、確変遊技状態と時短遊技状態においては、第1特別図柄が変動表示されても、第1特別図柄に対応する演出図柄41L,41C,41Rの変動表示は行なわれないが、第1特別図柄に対応する演出表示として上述した第2判定図柄45と同様の第1判定図柄44の表示は行なわれる。
以上説明した本実施例のパチンコ機1では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動可能で、第1特別図柄および第2特別図柄の一方の特別図柄について当りの当否判定結果に基づいて変動表示される当り変動が行なわれた場合に他方の特別図柄に係る当否判定を当りと判定しない。このパチンコ機1において、通常遊技状態において、第1特別図柄の保留が発生すると、発生した保留に係る当否判定の結果を先読み判定し、その先読み判定結果に基づいて先読み演出を行なう。そして、通常遊技状態において、第1特別図柄の保留を対象として先読み判定の結果に基づいて先読み演出が実行されている場合に、第2特別図柄の大当り変動が行なわれると、先読み演出を終了する。これにより、先読み対象の保留に対して行なわれる先読み演出が示唆する大当り信頼度と当該先読み対象の保留に対して実際に行なわれる図柄変動の種類とに齟齬が生じるのを防ぐことができる。例えば、先読み演出が示唆する当り信頼度がかなり高いにも拘わらず、実際の図柄変動においてリーチすら発生しない外れになるといった齟齬が生じるのを防ぐことができる。このため、外れが確定した先読み対象の保留に対して、遊技者に過剰な期待感を抱かせるのを回避することができ、先読み演出により遊技者にがっかり感を与えるのを防止して、遊技者の遊技意欲の減退を抑制することができる。また、第1特別図柄に係る保留に対する先読み演出を終了することで、第2特別図柄の変動が大当り変動であると判明するため、そのことを知っている遊技者によっては、先読み演出の終了によって当り予告となり、遊技者に従来にない驚きと喜びを与えることができる。
実施例では、通常遊技状態において、第1特別図柄の保留に対して先読み演出を実行し、先読み演出の実行中に第2特別図柄に大当り変動が発生した場合に、実行中の先読み演出を終了するものとした。しかし、確変遊技状態(小当りラッシュ状態)において、第2特別図柄の保留に対して先読み演出を実行し、先読み演出の実行中に第1特別図柄に大当り変動が発生した場合に、実行中の先読み演出を終了するものとしてもよい。図25は、サブ統合制御装置90のCPU90aにより実行される第2特別図柄先読み演出処理の一例を示すフローチャートである。
[第2特別図柄先読み演出処理]
第2特別図柄先読み演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、現在の遊技状態が確変遊技状態(小当りラッシュ状態)であるか否かを判定する(S950)。現在の遊技状態が確変遊技状態でなく通常遊技状態または時短遊技状態であると判定すると、本処理を終了する。一方、現在の遊技状態が確変遊技状態であると判定すると、図7の始動入賞処理のS228において主制御装置60により送信される第2特図先読み判定コマンドを受信したか否かを判定する(S952)。第2特図先読み判定コマンドを受信していないと判定すると、S962に進む。一方、第2特図先読み判定コマンドを受信したと判定すると、S904と同様に先読み演出を実行するか否かのの先読み演出実行可否判定処理を実行する(S954)。先読み演出を実行しないと判定すると、S962に進み、先読み演出を実行すると判定すると、先読み保留図柄を決定し(S958)、保留図柄として決定した先読み保留図柄を表示して(S960)、S962に進む。先読み保留図柄の決定についての詳細は、前述した。
次に、先読み保留図柄が表示中であるか否かを判定する(S962)。先読み保留図柄が表示中でないと判定すると、本処理を終了する。一方、先読み保留図柄が表示中であると判定すると、図8の第2特別図柄遊技処理のS330で主制御装置60により送信される第1特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S964)。第1特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、第1特図変動開始コマンドに含まれる大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S966)。第1特図変動開始コマンドを受信していないと判定したり、第1特図変動開始コマンドを受信してもその大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、先読み保留図柄の表示を維持したまま、本処理を終了する。一方、第1特図変動開始コマンドを受信し、且つ、その大当り判定の結果が大当りであると判定すると、先読み保留図柄を通常保留図柄に変化させることで先読み演出を終了して(S968)、本処理を終了する。この変形例によれば、確変遊技状態(小当りラッシュ状態)においても、通常遊技状態における実施例と同様の効果、すなわち、先読み演出により遊技者にがっかり感を与えるのを防止して、遊技者の遊技意欲の減退を抑制することができる効果や、先読み演出の終了によって当り予告となり遊技者に従来にない驚きと喜びを与えることができる効果を奏することができる。なお、この変形例においても、確変遊技状態(小当りラッシュ状態)において第2特別図柄の保留に対して表示される保留図柄を変化させると共に事前に煽り演出(保留変化予告演出)を実行する構成を採用することができ、この場合、煽り演出の実行前または実行中に第1特別図柄の大当り変動が発生すると、煽り演出の実行を禁止するものとしてもよい。
実施例やその変形例では、第1特別図柄および第2特別図柄の一方の特別図柄の保留に対して行なわれている先読み演出の終了タイミングとして、他方の特別図柄の大当り変動が開始されるタイミングとしたが、他方の特別図柄の大当り変動が開始されてから所定時間が経過したタイミングとする等、先読み演出の対象となった一方の特別図柄の保留についての当否判定が行なわれるタイミングよりも前(一方の特別図柄の変動表示が開始されるタイミングよりも前)であればよい。
実施例やその変形例では、先読み保留図柄を通常保留図柄に直接に変化させることで先読み演出を終了するものとしたが、所定の終了演出を経由して先読み保留図柄から通常保留図柄に変化させてもよい。終了演出によって、第1特別図柄および第2特別図柄の一方の特別図柄の保留に対して行なわれている先読み演出が終了することを遊技者に知らせて対象保留に対して遊技者に過剰な期待感を与えないようにすることができると共に、他方の特別図柄が大当りしていることを遊技者が把握し易くして遊技者に大きな喜びを与えることができる。また、先読み演出の終了は、先読み保留図柄を、当該先読み保留図柄とも通常保留図柄とも異なる専用の保留図柄に変化させることにより行なわれてもよい。こうすれば、専用の保留図柄の発生により、第2特別図柄の大当りが確定したことを遊技者に把握し易くすることができ、遊技者に大きな喜びを与えることができる。また、先読み演出の終了を、全ての保留図柄を消去することにより行なわれてもよい。これにより、先読み演出の対象となった保留に係る演出図柄41L,41C,41Rの変動表示が分かりづらくなるため、先読み演出が終了したことに対する遊技者の不信感を抑制することができる。この場合、全ての保留図柄を消去すると共に液晶表示装置40の表示画面を特別な画面に切り替える構成としてもよい。これにより、遊技者の意識を保留表示から特別な画面に向けることができると共に、特別な画面によって遊技者に第2特別図柄に対する大当りの発生を報知することができるため、遊技者に大きな驚きと喜びを与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。
実施例やその変形例では、第1特別図柄および第2特別図柄の一方の特別図柄の保留に係る先読み演出の実行中(先読み保留図柄の表示中)に他方の特別図柄の大当り変動が開始されると、一律に先読み演出を終了するものとしたが、これに限定されるものではなく、先読み演出の大当り信頼度が高い場合には先読み演出を終了するが、先読み演出の大当り信頼度が低い場合には遊技者に過剰な期待感を与えることはないため先読み演出を継続するものとしてもよい。また、先読み演出の大当り信頼度が高い場合には、先読み演出の大当り信頼度を高いものから低いものへと変更するものとしてもよい。
上述した実施例やその変形例では、先読み演出として、通常保留図柄に代えて先読み保留図柄を表示するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、複数の保留が記憶されている場合、先読み演出として、当該複数の保留のうち先読み演出の対象となる対象保留と当該対象保留よりも先に消化される保留とに基づく複数回の図柄変動に亘って連続して演出を行なういわゆる連続予告を実行する構成としてもよい。この場合、第1特別図柄および第2特別図柄の一方の特別図柄で先読み演出として行なわれる連続予告の途中で、他方の特別図柄に大当り変動が発生した場合、連続予告を中止する構成となる。この場合、連続予告を中止したときの図柄変動演出においては、連続予告を中止したことを遊技者に報知するため、通常とは異なる特別な演出に切り替わる構成としてもよい。
実施例では、確変遊技状態に移行すると、小当りラッシュを発生させるものとしたが、小当りラッシュを発生させなくてもよい。確変遊技状態において小当りラッシュを発生させない場合、時短遊技状態と同様に、第2始動口24に遊技球が入球し易くなるよう開放延長状態を付与するものとしてもよい。また、この場合、開放延長状態に代えて、普通図柄の変動時間を通常よりも短縮させたり、普通図柄の当選確率を通常よりも高くしたりしてもよい(電サポ状態)。
実施例では、大入賞口として、大当り遊技で用いる大入賞口(第1大入賞口25)と、小当り遊技で用いる大入賞口(第2大入賞口26)とをそれぞれ別々に備えるものとしたが、大当り遊技と小当り遊技とで単一の大入賞口を共用してもよい。
実施例では、いわゆるセブン機タイプの遊技機として構成されたが、これに限定されるものではなく、小当り遊技中に開放する第2大入賞口26の内部に特定領域を備え、小当り遊技中に第2大入賞口26に遊技球が入球し、入球した遊技球が当該特定領域を通過すると、大当り遊技に発展するいわゆる1種2種混合機として構成されてもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、第1始動口23が「第1始動口」に相当し、図8の第1特別図柄遊技処理のS314の処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「第1当否判定手段」に相当し、第1特別図柄遊技処理のS326の処理を実行する主制御装置60のCPU60aと第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31とが「第1特別図柄表示手段」に相当し、第2始動口24が「第2始動口」に相当し、図12の第2特別図柄遊技処理のS414の処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「第2当否判定手段」に相当し、第2特別図柄遊技処理のS432の処理を実行する主制御装置60のCPU60aと第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32とが「第2特別図柄表示手段」に相当し、図17および図18の大当り遊技処理や図19の小当り遊技処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「当り遊技実行手段」に相当し、図7の始動入賞処理のS200~S206の処理を実行する主制御装置60のCPU60aとRAM60cとが「第1保留記憶手段」に相当し、始動入賞処理のS216~S222の処理を実行する主制御装置60のCPU60aとRAM60cとが「第2保留記憶手段」に相当し、始動入賞処理のS208,S210,S224,S228の処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「先読み判定手段」に相当し、図22の第1特別図柄先読み演出処理のS900~S910の処理を実行するサブ統合制御装置90のCPU90aが「先読み演出実行手段」に相当し、第1特別図柄先読み演出処理のS912~S918の処理を実行するサブ統合制御装置90のCPU90aが「先読み演出終了手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。