JP6842716B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
また、この種の遊技機として、大当り遊技状態を実行した後に、大当りの獲得に有利な状態(例えば、大当り確率を通常の確率よりも向上された高確率の状態等)に移行させるものも存在している。
所定の設定操作に基づいて、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、何れかの設定値に設定可能な設定手段を具備する遊技機であって、
始動口に遊技球が入球することに基づいて、当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りになることに基づいて、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果が小当りになることに基づいて、小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果に関する演出を実行する演出手段と、
を具備し、
遊技状態として、少なくとも通常状態と、前記当否判定を該通常状態よりも遊技者にとって有利な状態で行う有利状態とを備えると共に、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率は前記設定値の種別に応じて異なる値に変更され、前記当否判定の結果が小当りとなる確率は前記設定値の種別によらず一定であり、前記当否判定の結果が小当りとなる確率は大当りとなる確率及び外れとなる確率よりも高くされ、
前記演出手段は、前記当否判定の結果が外れとなる場合に、前記当否判定の結果が大当りとなる場合及び小当りとなる場合とは異なる特別な演出を実行し、
前記当否判定の結果が所定の複数回数連続して、外れとならない場合において、前記設定値の種別を示唆する演出が実行されることを特徴とする。
また、小当り確率は均一で大当り確率が設定値によって異なることでそれに自然と変化する外れ確率により設定示唆の材料とすることができるため、特にそれ用のプログラム(設定示唆の材料を導出するための特別なプログラム)を必要としない。従って、プログラム容量を増やすことなく、設定判別のヒントを与えることが可能である。
なお、本発明において、小当り確率は「大当り及び外れ確率の合算(合算確率)」より高確率であることが望ましい。
更に、請求項1の発明によると、外れが所定回数続くことで設定示唆をするため、稀に設定が低設定でも外れを発生しない状況が生じてしまった場合に高設定と確信して、打ち続けてしまい遊技者に多大な損害を与えてしまうことを防ぐことが可能である。
また、本発明において始動口として、1種の始動口(1態様の特別図柄に対応する始動口)のみを備えてもよいし、2種の始動口(異なる態様の特別図柄に対応する始動口)を備えてもよい(後述する第2開示発明を参照)。
更に、本発明の「有利状態」としては、(a)当否判定の結果が大当りとなる確率を通常確率から、該通常確率よりも高い高確率に変動させる大当り確率変動手段、及び、当否判定の単位時間当りの実行頻度を高くする当否判定頻度向上手段のうち、少なくとも一方が作動する状態等を指す。なお、当否判定頻度向上手段としては、「第2始動口の開放時間を延長する開放延長手段(時短手段)」を例示できる(詳細を後述する)。
請求項1に記載の遊技機において、
前記有利状態として、前記当否判定の結果が大当りとなる確率を通常確率から、該通常確率よりも高い高確率に変動させる大当り確率変動状態を少なくとも備え、
前記通常確率及び前記高確率は前記設定値の種別に応じてそれぞれ異なると共に、
前記設定値の種別が何れであっても、前記大当り確率変動状態において、前記通常確率を基準とした前記高確率の確率上昇比率が略均一とされることを特徴とする。
請求項1の発明又は第1開示発明の遊技機において、
前記始動口として第1始動口と第2始動口とを備え、前記当否判定として該第1始動口に遊技球が入球することに基づいて実行する第1当否判定と、該第2始動口に遊技球が入球することに基づいて実行する第2当否判定とを備え、
少なくとも該第2当否判定において前記当否判定の結果が大当り、小当り若しくは外れとなると共に、
前記第1始動口に遊技球が入球することに基づいて、特別図柄の一態様を構成する第1特別図柄の変動表示を実行した後、前記第1当否判定の結果を示す停止図柄を、確定表示させる第1特別図柄表示手段と、
前記第2始動口に遊技球が入球することに基づいて、特別図柄の他態様を構成する第2特別図柄の変動表示を実行した後、前記第2当否判定の結果を示す停止図柄を、確定表示させる第2特別図柄表示手段と、
前記第1特別図柄表示手段及び前記第2特別図柄表示手段に示す特別図柄の変動表示の実行時間を決定する変動時間決定手段と、
を備え、
前記第2特別図柄の変動表示の平均的な実行時間は、前記遊技状態が前記通常状態であれば長く、前記有利状態であれば短くなることを特徴とする。
ここで、有利状態としては、例えば、(a)大当り確率変動手段を備えるが、開放延長手段を備えない場合には大当り確率変動手段が作動する状態、(b)大当り確率変動手段及び開放延長手段を備える場合には、大当り確率変動手段が作動する状態及び開放延長手段の少なくとも一方が作動する状態を指す。
第2開示発明の遊技機において、
前記演出手段が実行する演出には、前記当否判定を実行することに基づいて所定の演出表示装置で演出図柄を用いた変動を開始し、該演出図柄に関する停止図柄の表示を経て終了する演出表示を少なくとも含み、前記特別な演出には特別な演出表示が少なくとも含まれると共に、
該特別な演出表示において前記当否判定の結果が外れであることを示す停止図柄を表示する際に発生させる停止音は、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す停止図柄を表示する際に発生させる停止音及び前記当否判定の結果が小当りであることを示す停止図柄を表示する際に発生させる停止音と異なることを特徴とする。
第2開示発明又は第3開示発明の遊技機において、
前記第2当否判定の結果が外れとならない頻度を計測する非外れ頻度計測手段と、
前記非外れ頻度計測手段の計測値に基づいて、前記第2当否判定の結果が外れとならない頻度が所定頻度になることに基づいて、前記演出手段による演出内容を他の内容に変化させる演出内容変化手段と、
を備えることを特徴とする。
関連発明1の遊技機は、
前記第2開示発明又は前記第3開示発明の遊技機において、
前記第2当否判定の結果が連続して外れとならない回数を計数する非外れ連続回数計数手段(非外れ頻度計測手段の一具体例)と、
前記非外れ連続回数計数手段の計数値により、前記演出手段による演出内容を他の内容に変化させる演出内容変化手段と、
を備えることを特徴とする。
また、関連発明2の遊技機は、
関連発明1の遊技機において、
前記有利状態の開始(例えば、大当り確率変動手段の作動開始)に基づいて前記演出手段による演出内容を初期内容に設定可能な演出内容初期化手段と、
前記第2当否判定の結果が外れとなると、前記非外れ連続回数計数手段を初期化し、前記演出手段による演出内容を初期内容に戻す演出内容返還手段と
を備えることを特徴とする。
関連発明1によると、所謂小当りラッシュ中において、第2当否判定の結果が連続して外れとならない回数をカウント(計数)し、当該回数(非外れの連続回数)により、演出内容が変化する。従って、非外れの連続発生回数に基づいて出現する演出内容に基づいて設定を判断可能となるため、外れ回数(換言すると、非外れ回数)をわざわざカウントしなくても、演出内容が変化していく割合により、その時点の設定値の有利度を判断することが可能となる。
前記第2開示発明又は前記第3開示発明の遊技機において、
前記第2当否判定の累積実行回数を計数する累積実行回数計数手段と、
前記第2当否判定の結果が外れとならない回数を計数する非外れ回数計測手段と、
前記累積実行回数計数手段の計数値が所定値になると、前記累積実行回数と、前記非外れ回数計測手段が計測した外れとならない回数とに基づいて、前記第2当否判定の結果が外れとならない割合を算出する非外れ割合算出手段と、
前記非外れ割合算出手段が算出する割合が、特定割合になると(或いは、特定割合を超えると)、前記演出手段による演出内容を他の内容に変化させる演出内容変化手段と、
を備えることを特徴とする。
また、関連発明4の遊技機は、
関連発明3の遊技機において、
前記演出内容初期手段と、
前記第2当否判定の結果が所定回数、外れとなると、前記非外れ割合算出手段を初期化し、前記演出手段による演出内容を初期内容に戻す演出内容返還手段と
をことを特徴とする。
なお、第4開示発明(関連発明1、関連発明2)において、外れとならない場合としては、(a)第2当否判定の結果が小当りとなる場合に限定してもよいし、(b)第2当否判定の結果が小当りとなる場合の他に、再度の小当りラッシュ状態実行(所謂、小当りラッシュの連チャン)の実行契機となる大当りとなる場合を含んでもよい。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
センターケース5の右方には、遊技球が通過(入球)可能な普図(以下、普通図柄ともいう)の普通図柄作動ゲート17が設けられている。普通図柄作動ゲート17は遊技球が入球して通過することにより普通図柄の当否抽選が実行される起因となるものである。
第2始動口69は普通図柄の抽選に当選すると普通電動役物12が作動して所定の時間開放される。なお、普電役物12は通常、第2始動口69を塞ぐようにその上部に突出しており、作動時に後退して第2始動口69を開放する。また、普電役物12は非作動時において下流側に設けられた大入賞口14へ遊技球を案内するように流下路の一部をなす。
普通電動役物12及び第2始動口69の下流位置に設けられた大入賞口14は開閉扉の開放作動により遊技球が入球可能となっている。
実施例1のパチンコ機50は、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定が同時に可能な構成となっている。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動可能な構成となっている。
従って、通常状態(低確率遊技状態で、しかも非開放延長状態)において第2特別図柄の変動表示を開始させても、第1特別図柄の変動表示を実行可能であるため、第1特別図柄の変動表示に伴い、円滑な遊技を進行させることができる。
なお、本実施例の性能表示装置48では、遊技性能の表示を行うと共に、併せて、パチンコ機50の設定変更や設定確認時における段階設定値(以下、単に「設定」、或いは、「設定値」、「設定情報」等とも呼称する場合がある。また本実施例では、より具体的に、所謂、設定1〜設定3を示す値を指す場合もある。)の表示も行うよう構成されている。
また、主制御装置80は、図示のように、設定キーSW47の直下にRAM(RWM)クリアスイッチ46を備える。RAMクリアスイッチ46は、該RAMクリアスイッチ46を押下しつつ、電源スイッチ86をONして電源投入することで、RAMクリアを実行するためのスイッチである。
なお、本実施例のRAMクリアスイッチ46は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。RAMクリアスイッチ46の機能については後述する。
ここで、本パチンコ機50の電源について説明する。パチンコ機50は、外部に設けられたAC電源から供給される電力を、電源基板85により変換して直流電圧を生成する。そして、パチンコ機50は、電源基板85に設けられた電源スイッチ86が操作されることでパチンコ機50を構成する各部位に電力を供給する。パチンコ機50は、コンデンサ等から構成されたバックアップ電源生成路(バックアップ用電源回路とも呼称する)によりバックアップ電源(バックアップ用電源とも呼称する)を生成する。バックアップ電源は、AC電源からの電力供給中に、コンデンサに直流電圧の電力を蓄え、停電時には主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力を供給する。これにより、パチンコ機50への電力供給が停止した後も、一定時間にわたり電力供給が停止した直前の主制御装置80のRAMの内容(例えば、第1特図始動口11、第2特図始動口69、大入賞口14、一般入賞口31〜34への入賞により払出させることとなった賞球の数の合計、パチンコ機50の遊技状態)を保持する構成である。
一方、本実施例の電源基板85が生成するバックアップ電源は、サブ統合制御装置83へ供給されない。このため、パチンコ機50への電力供給が停止した後は、サブ統合制御装置83のRAMに保持されている記憶はクリアされる。
バックアップ電源を含む電源基板85に関しては、後で図7(a)を参照して詳述する。
また、図4のこのブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
また、本実施例では、段階設定値(所謂、設定1〜設定3を示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。具体的には、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
この実施例においては、後述する各処理を実行するために、内蔵ROM301に、第1特別図柄用変動パターン301a,第1特別図柄用図柄データ301b,第1特別図柄用判定テーブル301c,第2特別図柄用変動パターン301d,第2特別図柄用図柄データ301e,第2特別図柄用判定テーブル301fがそれぞれ書き込まれている。
より詳述すると、第1始動口11(第1特別図柄に対応する始動口11)への入賞に起因して、後述する「特別図柄の始動入賞確認処理(図18を参照)」の、第1抽出乱数保留記憶処理(S304)にて、抽出したハードウェア乱数を第1特別図柄用保留記憶領域302aに記憶し、第2特図始動口69(第1特別図柄に対応する始動口69)への入賞に起因して、同じく「特別図柄の始動入賞確認処理(図18を参照)」の、第2抽出乱数保留記憶処理(S316)にて、抽出したハードウェア乱数を第2特別図柄用保留記憶領域302bに記憶するように、構成されている。
本実施例の電源基板85は、電源回路410、停電検出回路405、バックアップ用電源回路460、受電回路430、および電源スイッチ86を備える。
また、本実施例で停電検出信号470を主制御装置80と払出制御装置81に送信する構成としたが、必ずしもこの構成である必要は無い。主制御装置80のみに送信し、主制御装置80が払出制御装置81に停電用のコマンドを送信しても良いし、その逆の構成なども考えられる。
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定が、第2始動口69への入球に起因して第2特別図柄の当否判定が実行され、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定を同時に実行可能な構成となっている。当否判定に応じて、決定された変動時間に基づいて第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第1又は第2特別図柄の変動時間を経過して、第1又は第2特別図柄表示装置10にて第1又は第2特別図柄の確定図柄が表示されると、演出図柄表示装置6に特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対応する演出図柄が確定表示して特別図柄の当否判定の結果を報知する。なお、本実施例では、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、一方の特別図柄が変動中であっても、他方の特別図柄も変動可能な構成となっている。
第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技(特別遊技)が実行される。
そして、確定表示された大当り図柄が確変大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態を、特定遊技状態(高確率遊技状態で、しかも非開放延長の状態)に設定する。この特定遊技状態(高確遊技状態且つ非開放延長状態)は、次回の大当りを生ずるまで継続する。ここで、確変大当り図柄とは確定表示されると、大当り遊技の終了後、当該パチンコ機50の遊技状態を高確率遊技状態に設定することになる大当り図柄である。
なお、本実施例と異なり、確定表示された大当り図柄が確変図柄である場合の大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態として、高確遊技状態で、しかも非開放延長の状態(非時短状態)の他に、高確遊技状態で、しかも開放延長の状態(時短状態)を設けてもよい。
本実施例のパチンコ機50は、所謂「確変機」であり、高確率状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率は、通常確率状態(大当り判定確率が通常確率)における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率の約1.8倍となっている。また、本パチンコ機50は、大当り確率の異なる3種類の段階設定値(所謂設定)を設定備え、最も大当り確率の低い「設定1」から、最も大当り確率の高い「設定3」を備えている。
ここで、大当り判定用乱数とは、前述の主制御装置80内のMPU(Micro Processing Unit)に設けられた乱数発生器(図6に示す乱数生成回路350)で生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数はMPUに周期的に入力されるクロック信号に基づいて、カウンタの値を1ずつ更新させることにより生成される。このハードウェア乱数の乱数生成に関する更新速度は、所謂ソフトウェア乱数の更新速度よりも速くされている。
つまり、ハードウェア乱数を生成するカウンタは、所謂ループカウンタであり、その値は微少時間毎に更新され、最大値(55986)を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、乱数発生器は、更新される数値の初期値を固定値とせず、当該MPUがリセットされる毎に異なる値がセットされる回路構成を備えてもよい。
そして、このカウンタの値は、第1始動口11若しくは第2始動口69に遊技球が入球したことを契機に「大当り判定用乱数」として取得される。なお、第1始動口11に遊技球が入球することに基づき、大当り判定用乱数を取得したときに第1特別図柄が変動中である場合には、この乱数が第1特別図柄に関する保留記憶(以下、第1保留記憶ということがある)として最大4個まで記憶される。また、第2始動口69に遊技球が入球することに基づき、大当り判定用乱数を取得したときに第2特別図柄が変動中である場合には、この乱数が第2特別図柄に関する保留記憶(以下、第2保留記憶ということがある)として最大4個まで記憶される。
つまり、段階設定値が1〜3の何れであっても、遊技状態が通常確率状態から高確率状態になると、大当りに対応する整数の範囲が広くなるため、大当り確率が向上する。そして、以下に示すように、パチンコ機50の段階設定値を示す数値が2、3に上昇すると、通常確率状態及び高確率状態の双方において、大当り値の範囲が広くなり、大当り確率が高くなっている。
更に、パチンコ機50の段階設定値が3、遊技状態が通常確率状態である場合、取得した乱数が55987個の整数の範囲のうち、所定の560個の整数の範囲であると大当り値とされ、大当り確率が約「1/100.0」(「560/55987」)とされている。また、パチンコ機50の段階設定値が3、遊技状態が高確率状態である場合、取得した乱数が55987個の整数の範囲のうち、所定の1024個の整数の範囲であると大当り値とされ、大当り確率が約「1/54.7」(「1024/55987」)とされている。
以上のように、本実施例では各設定において、確変時(確率変動時)の大当り確率は、通常時(通常確率)の大当り確率の1.8倍となるように構成されている。
また、実施例1のパチンコ機50では、大当り遊技の終了後に高確率状態に突入する確率は50%である。
そして、第2当否判定においては、第2始動口69に遊技球が入球することを契機に取得した乱数が55987個の整数の範囲のうち、大当り値を除いた整数から選択される54510個の整数の範囲が小当り値(取得した乱数が小当り判定される値)とされている。このため、第2当否判定の結果が小当りとなる確率(小当り確率)は約「1/1.03」(「54510/55987」)に設定されており、第2当否判定では、特に高い確率で小当り(第2当否判定を行うとほぼ小当り)と判定される。
また、小当り確率は、その時点の段階設定値に係わらず一定とされている。
なお、第1特別図柄の当否判定においても小当りと判定されることがあってもよいが、かかる場合、第1特別図柄の当否判定での小当り確率(例えば、1/2)よりも第2特別図柄の当否判定での小当り確率(例えば、1/1.03)が高くされる。
ここで、本実施例では、第1当否判定で小当りを発生しないため、第1始動口11に遊技球が入球することを契機に取得した乱数が55987個の整数の範囲の整数のうち、大当り値を除いた整数が外れ値(取得した乱数が外れと判定される値)となる。
具体的には、図10(b)に示すように、パチンコ機50の段階設定値が1、遊技状態が通常確率状態である場合、取得した乱数が55707個の整数であると外れ値とされ、外れ確率が約「1/1.005」(「55707/55987」)とされている。また、パチンコ機50の段階設定値が1、遊技状態が高確率状態である場合、取得した乱数が55457個の整数であると外れ値とされ、外れ確率が約「1/1.010」(「55457/55987」)とされている。
そして、「段階設定値2」である場合には「段階設定値1」よりも外れ値の数が多くなり、「段階設定値3」である場合には「段階設定値2」よりも外れ値の数が多くなっている。
このため、「段階設定値2」の外れ確率は、遊技状態が通常確率状態で約「1/1.007」、高確率状態で約「1/1.012」とされている。
更に、「段階設定値3」の外れ確率が通常確率状態で約「1/1.010」、高確率状態で約「1/1.019」とされている。
このように、第1特別図柄の当否判定の外れ確率は、段階設定値が異なっても大差はなく、略一定である。
つまり、図10(c)に示すように、パチンコ機50の段階設定値が1、遊技状態が通常確率状態である場合、取得した乱数が1477個の整数であると外れ値とされ、外れ確率が約「1/37.91」(「1477/55987」)」とされている。また、パチンコ機50の段階設定値が1、遊技状態が高確率状態である場合、取得した乱数が965個の整数であると外れ値とされ、外れ確率が約「1/58.02」(「965/55987」)とされている。
また、「段階設定値2」においては、遊技状態が通常確率状態である場合、取得した乱数が1103個の整数であると外れ値とされ、外れ確率が約「1/50.76」(「1103/55987」)とされている。更に、段階設定値が2、遊技状態が高確率状態である場合、取得した乱数が793個の整数であると外れ値とされ、外れ確率が約「1/70.60」(「798/55987」)とされている。
このように、第2当否判定の外れ確率は、設定が遊技者にとって有利になる(大当り値が増加する)に従い、外れ確率が大きく変化している。具体的には、外れ確率は、設定2の場合は設定1の場合の0.8倍となり、設定3の場合は設定1の場合の0.5倍となっている。
蓋し、本実施例において第2当否判定では、設定が何れであるかに係わらず一定確率で小当りを発生し、小当りの発生比率が高いため、大当り確率の高低差に基づいて、外れ確率が大きく変動している。
また、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口69)への規定入賞数は9個となっている。
普通電動役物12の開放時間は、特別図柄に関する大当り確率が通常確率であるか、高確率であるかを問わず、0.3秒を1回である。但し、本実施例と異なり、大当り確率が高確率である場合には、通常確率である場合に比べて普通電動役物12の開放時間が長くされたり、逆に短くされたりしてもよい。
第1当否判定の結果として大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は2種類存在する。一方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率状態)へ移行するが、時短状態には移行しない。この確変遊技状態(高確率状態)は、当否判定の実行回数が10000回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
また、他方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態にも、時短状態にも移行しない。
何れの大当り遊技も、所謂「8R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を8回行う。そして、第1当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分られる。
また、他方の大当り遊技が、第2当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態にも、時短状態にも移行しない。
第2当否判定の結果が大当りとなり、確変大当り図柄が確定表示されることに基づいて実行される大当り遊技も、「8R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を8回行う。また、第2当否判定の結果が大当りとなり、通常大当り図柄が確定表示されることに基づいて実行される大当り遊技は、「2R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を2回行う。
また、第2当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分られる。
即ち、図11(c)に示すように、小当り図柄として小当り図柄aが確定表示されると、大入賞口14を0.3秒で1回開放する小当り遊技aを実行する。また、小当り図柄bが確定表示されると、大入賞口14を0.3秒で2回開放する小当り遊技bを実行する。更に、小当り図柄cが確定表示されると、大入賞口14を1.4秒で1回開放し、所定のインターバル(1.2秒)を挟み、大入賞口14を0.1秒で1回開放する小当り遊技cを実行する。また、小当り図柄dが確定表示されると、大入賞口14を1.5秒で1回開放する小当り遊技dを実行する。
但し、本実施例と異なり、小当り遊技の態様を少なくしたり、逆に多くたりしてもよい。例えば、小当りラッシュで確実に少数の賞球を連続的に得られるように、小当り遊技の態様を大入賞口14への入球可能性が高い、小当り遊技dのみとしてもよい。
本実施例のパチンコ機50の遊技状態が通常状態(通常確率状態及び非開放延長状態)である場合には、第1始動口11を狙って遊技球を発射させ、第1特別図柄の当否判定にて大当りを狙っていく。その後、第1特別図柄の当否判定で大当りと判定され、第1特別図柄で大当り図柄A(確変大当り図柄)が確定表示されると、大当り図柄Aに基づく大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後に特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)に移行する。
また、特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)では、小当り図柄の変動時間は、普通電動役物12が開放されてから次に開放させるまでにある程度の間隔があるため、小当りを発生された遊技球に後続する遊技球が、普通電動役物12に到達するまでに、普通電動役物12が閉鎖状態になる可能性も高く、当該後続する遊技球を大入賞口14に到達させることが可能となる。
また、上記特定状態の他に、「高確率遊技状態及び開放延長状態」である第2特定状態を設けてもよい。そして、大当り遊技終了後の遊技状態が第2特定状態に移行すると、小当りを発生された遊技球に後続する遊技球が、普通電動役物12に到達したとき、普通電動役物12が閉鎖状態になる可能性を低くし、当該後続する遊技球を大入賞口14に到達し難くしてもよい。
また、段階設定値の上記変更や確認に際し、現状の段階設定値を視認可能に表示する段階設定値の表示手段を備えている。
また、段階設定値の表示手段として、本実施例では、上述した、遊技性能を表示する性能表示装置48によって兼用することで実現している。なお、段階設定値の表示手段として、段階設定値専用の表示装置を備えるようにしても良い。
さらに、段階設定値を任意の値に変更する際に、操作の都度、段階設定値を変更する操作手段として、RAMクリアSW46によって兼用することで実現している。なお、段階設定値を変更する操作手段として、専用の操作手段を備えるようにしても良い。
このように本実施例では、複数種類の段階設定値を備えて、該複数種類の段階設定値の内の何れか任意の段階設定値に変更すること、また現状の段階設定値を確認すること、そして現状の段階設定値を視覚的に確認すること等、が可能な構成となっている。
すなわち、本処理の判定値として、段階設定値が1すなわち設定1に対して0、設定2に対して1、設定3に対して2が設定される。さらに、「段階設定値最大値」として、2が設定されている。これにより、本来予定されている設定1〜3までの何れかの設定に対応した判定値(0〜1)がセットされていれば、「段階設定値最大値」である3未満であると判定される。一方、3以上の何らかの判定値がセットされている場合には、何らかの不正行為によって、予定されていない段階設定値が設定されている危険性や、或いは何らかの原因によってデータが破壊している危険性が有るとして、「RWM異常」と判定する根拠となる。本実施例では、このような構成により、適正な段階設定値が設定されているかを監視する。なお、後述するが、段階設定値に対応した上記判定値は、「段階設定値記憶領域」に保存(設定)される。「段階設定値記憶領域」は、RWMクリア処理によっても消去されることのない記憶領域である。
設定状態フラグは、パチンコ機50が遷移する状態を示すフラグであって、遷移する各状態に応じ、設定状態フラグにセットされるフラグ値は異なる値がセットされる。すなわち、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態では0、「設定確認」状態では1、「設定変更」状態では2、そして、「遊技停止」状態では3、がセットされる。なお、設定状態フラグが0である場合とは、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態の何れか、すなわち、通常遊技が可能な状態である。
なお、この「通常遊技が可能な状態」とは、遊技者が通常の遊技を実行可能な状態であり、パチンコ機50の遊技状態が、「非時短状態且つ通常確率遊技状態」であるか、「非時短状態且つ高確率遊技状態」であるか等を問わず、遊技者が当該パチンコ機50を用いて遊技を実行可能な状態を指す。この「通常遊技が可能な状態」を、「通常遊技実行可能状態」と称することがある。
先ずは、パチンコ機50の通常遊技(通常遊技実行可能状態)に係る基本的な制御処理等について、図12〜図35を参照して以下、説明する。
本実施例のパチンコ機50に電源投入されると、主制御装置80は本処理を開始すると、主制御装置80は先ず、S0において、スタックポインタをスタックアドレスに設定して、S5に処理を移行する。
主制御装置80は、S5において、割込みベクタテーブルの割込みベクタアドレスを、対応するレジスタに設定して、S10に処理を移行する。割込みベクタアドレスは、アドレス空間(メモリ空間)の中で、後述する割込(INT)処理のプログラムに係る開始番地を指定するためのものである。
主制御装置80は、S10において、内蔵レジスタを設定して、S15に処理を移行する。
主制御装置80が実行するS0からS10は、パチンコ機50に電源投入されると、主制御装置80が以降の処理の準備として最初に実行する、CPU初期設定処理である。
主制御装置80は、S20において、先に読み込んだ入力ポートレジスタの値に基づき、停電検出信号470がOFF(出力停止した)か否かを判定し、肯定判定であれば(S20:yes)、S25に処理を移行し、否定判定であれば(S20:no)、S15に処理を移行する。
本ステップで肯定判定となるまで、S15の入力ポートレジスタのリード処理を繰り返し実行する。停電検出信号470は、電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下するとONと見做され、所定電圧以上に上昇するとOFFと見做されることとなる、停電検出回路405(図7(a)参照)が生成した信号である。つまり、S20において、停電検出信号470がOFFである、ということは、電圧が電源投入後に立ち上がって安定した状態となったことを意味する。
主制御装置80は、S20にて肯定判定となると、S25において、RWM(RAMとも呼称する)への書き込みを許可し、S30に処理を移行する。
主制御装置80は、S35において、S30で取得したチェックサムが異常か否かを判定し、肯定判定であれば(S35:yes)、S55に処理を移行し、否定判定であれば(S35:no)、S40に処理を移行する。
本ステップでは、設定されている段階設定値が異常な値となっていないか、つまり例えば、不当な利得を得ようとする不正行為者によって、正規ではない段階設定値が仕込まれていないか、を判定する。
本ステップでは、先の電断時において、パチンコ機50の状態に係るデータのバックアップが完了したことを示すバックアップフラグが設定されているか否か、つまり電断時の情報のバックアップが問題無く行われたか否か、を判定する。
なお後に、割込(INT)処理(図13)の停電検出信号監視処理(S105)にて詳述するが、設定状態フラグが3すなわち、「遊技停止」状態にあるときに電断となった場合に限っては、バックアップフラグが設定されず、チェックサムの算出および保存も行われないよう構成されている。したがって、電断前の状態が「遊技停止」状態であったときは、本ステップS45又は上記S35の何れかで否定判定(RWM異常と判定)されてS55に移行することとなる。
本実施例では、S35、S40、S45で「RWM異常」であると判定されなかったときに、設定状態フラグに係るデータを保存処理する。例えば、電断前の状態が、「設定変更」状態であった場合には、これを示す設定状態フラグに係る情報を汎用レジスタにセットしておくことで、後述するRWMクリア処理(S60)の影響を受けることなく、後に実行する初期設定処理(S65)にて電断前が設定変更状態であったことの判別が可能となっている。つまり、設定変更状態にて電断となって、再度電源投入する際にRWMクリアSW46がONされていたとしても、「設定変更」状態を示す設定状態フラグに係る情報が汎用レジスタに維持されているので、確実に「設定変更」状態への復帰が可能なように構成されている。
本実施例では、チェックサムが異常な場合、設定されている段階設定値が「段階設定値最大値」未満ではない場合、およびバックアップフラグが設定されていない場合、の何れかであると判定されたときに、「RWM異常」であるとして処理される。
本ステップは、上述したS35、S40、およびS45の何れの判定処理においても、RWM異常ではないと判定された場合に移行する処理である。よって、たとえ前記3種類の判定ステップにて異常ではないと判定されたとしても、RWMクリアSW46がON状態であれば、次のS60にてRWMクリア処理を行ってからS65に移行するように、また、RWMクリアSW46がOFF状態であれば、RWMクリア処理を行うことなくS65に移行するように構成されている。
本実施例では、該RWMクリア処理にて、上述したように、段階設定値に関する領域を除くRWM領域をクリアする。これにより、後述する設定状態確認処理(図16)の設定変更処理(S254)にて新しい値に設定変更された段階設定値は、RWMクリア処理が実行されたとしても消去されることなく、設定変更された段階設定値が維持される。しかし、少なくとも、後述する初期設定処理(図14および図15)や設定状態確認処理(図16)にて、電断前にセットされた設定状態フラグは消去される。
但し、RWMクリア処理(S60)の前に、上記S47において汎用レジスタに設定状態フラグの値をセットした場合は、後で参照可能に保持される。上記S47において設定状態フラグの値をセットするための汎用レジスタは、当該RWMクリア処理(S60)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する初期設定処理(図14)のS202は、汎用レジスタへS47にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
また、上記S55において「RWM異常」であることを示す結果をセットするための汎用レジスタも、当該RWMクリア処理(S60)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する初期設定処理(図14)のS200は、汎用レジスタへS55にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
このように、本実施例では、RWMクリア処理(S60)が実行されても、段階設定値に関する領域、設定状態フラグの値がセットされた汎用レジスタ、および「RWM異常」の結果がセットされた汎用レジスタは、消去されることなく状態が維持される。
したがって、後述する初期設定処理(図15)にてS230またはS232の何れかで否定判定となれば設定状態フラグに3が設定されることになる。該設定状態フラグに3が設定された状態で電断となると、上述したようにバックアップフラグが設定されない。これにより、次に電源投入された際に再度、起動処理を開始すると、たとえS35およびS40で「RWM異常」ではないと判定されても、S45では必ず「RWM異常」と判定されるよう構成されている。つまり、一旦「RWM異常」と判定された場合に、本実施例では、後述する遷移条件(4)(図17参照)を満たした状態で電源投入しない限り、「遊技停止」状態(設定状態フラグに3が設定された状態)から抜け出すことが不能な特徴を備えている。
さらに本実施例では、S47で、設定状態フラグの値を汎用レジスタにセットするので、RWMクリア処理(S60)が実行されたか否かに拘らず、該汎用レジスタにセットされた値を参照すれば、電断前に設定されていた設定状態フラグの値を確認することが可能となっている。
初期設定処理は、電断前の状態(特に電断時の「遊技停止」状態)、電源投入時の入力値(設定キーSW47とRWMクリアSW46の状態)から、何れの状態に遷移(移行)するかを設定する処理である。本実施例では、電源投入時に遷移することが出来る状態として、「設定変更」状態、「設定確認」状態、「遊技停止」状態、「RWMクリア」状態、および「バックアップ復帰」状態、の何れかの状態(後述する図17参照)となっている。なお、「RWMクリア」状態、および「バックアップ復帰」状態は、何れも通常遊技が可能な「通常遊技実行可能状態」である。初期設定処理については、後で図14〜図15を参照して詳述する。
本ステップでは、以降の割込(INT)処理の実行に備えて、対応するタイマ割込みレジスタを設定する。
主制御装置80は、S75において、タイマ割込みを禁止し、S80に処理を移行する。
よって、設定状態フラグが0でない場合、すなわち「設定確認」状態、「設定変更」状態、そして、「遊技停止」状態では、続くS85〜S95の処理は行わない。すなわち、S90の性能表示用集計除算処理は、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態といった通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)においてのみ実行され、「設定確認」状態、「設定変更」状態、および「遊技停止」状態では実行されない処理である。
性能表示用集計除算処理は、後述するパチンコ機50の性能を、性能表示装置48にて表示するために、データを集計して結果を算出する処理である。
以上が本実施例の起動処理である。
割込(INT)処理は、上述したように、起動処理(図12)のS97でタイマ割込みを許可し、S75でタイマ割込みを禁止するまでの間に、実行される処理である。
主制御装置80は本処理を開始すると先ず、S100において、各種タイマやウォッチドッグタイマ(WDT)の設定を行い、S105に処理を移行する。
本ステップでは、各種タイマの設定や、ウォッチドッグタイマのクリアおよびリスタートを実行する。
本ステップでは、停電検出回路405(図7(a)参照)が電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下したことを条件に停電検出信号470がON(出力)したか否かを監視することで、停電の発生を監視する。なお、該ステップにて、停電の発生を検知した場合には、図示しない電断時の処理を実行する。
すなわち、「遊技停止」状態(設定状態フラグが3)中であれば、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。また、「遊技停止」状態中でなければ、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。
つまり、上述したように、電断時には、設定状態フラグが3でないか否か、すなわち「遊技停止」状態でないか否かを確認する。設定状態フラグが3でない場合には、バックアップフラグを設定する。しかし、設定状態フラグが3の場合には、バックアップフラグを設定せず、さらにチェックサムの算出および保存も実行しない。
また、「設定変更」状態(設定状態フラグが2)中であれば、上述したように、「遊技停止」状態中ではないため、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。この際に、設定状態フラグのフラグ値である2も保存維持され、再度電源投入された際には、起動処理(図12)のS47にて該フラグ値を参照して汎用レジスタにセットすることが可能となっている。
本ステップでは、上述した起動処理(図12)の初期設定処理(S65)において設定された設定状態フラグが0か否か、すなわち「RWMクリア」状態または「バックアップ復帰」状態の内の何れかの状態であるか否か、を判定する。
本ステップでは、各種タイマの更新を実行する。
主制御装置80は、S120において、入力判定処理を実行し、S125に処理を移行する。
本ステップでは、入力データを入力ポートより入力し、始動口スイッチやカウントスイッチの監視処理、および異常入賞の監視処理を実行する。
すなわち、第1始動口11の入球(入賞)確認、第2始動口69の入球(入賞)確認、大入賞口14の入球(入賞)確認、普図作動ゲート17の遊技球の通過の確認、一般入賞口31〜34の入球(入賞)確認、及び主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
本ステップでは、特別図柄及び特別電動役物の状態を更新する。特図と特電の制御を行うため、第1特図始動口SW503と第2特図始動口SW504への入球検出処理を行い、特別図柄の表示制御処理や、大当り遊技に係る特別電動役物の制御処理等を実行する。
なお、後述する特図始動入賞確認処理(図18)、特図当否判定処理(図19〜図24)、特別遊技処理(大当り遊技処理、小当り遊技処理、図25〜図29)は、特図特電処理のモジュールである。
後述する特図始動入賞確認処理(図18)では、遊技球が第1始動口11、第2始動口69に入賞すると、「大当り判定用乱数」、「特別図柄に関する図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数)」、「特別図柄に関する変動パターン決定用乱数」、など複数の乱数が取得される。しかし、第1始動口11の入球に基づく第1特別図柄の保留記憶、第2始動口69の入球に基づく第2特別図柄の保留記憶は、最大数がそれぞれ4個までとされており、保留記憶が満タンであるときに遊技球が第1始動口11又は第2特図始動口69に入球しても、賞球が払出されるだけで、保留記憶されない構成になっている。
本ステップでは、普通図柄及び普通電動役物の状態を更新する。普図と普電の制御を行うため、普図作動SW17aへの入球検出処理を行い、普通図柄の表示制御処理や、当り遊技に係る普通電動役物の制御処理等を実行する。
普図作動ゲート17に入賞すると、「当り判定用乱数」、「普通図柄決定用乱数」、および「普通図柄に関する変動パターン決定用乱数」、など複数の乱数が取得される。
主制御装置80は、S135において、遊技状態設定処理を実行し、S140に処理を移行する。
本ステップでは、遊技の状態を更新する。普電作動中状態や、特電作動中状態等のクリア処理を実行することで遊技状態の更新を行う。
本ステップでは、各種入賞口への入球に基づき発生した賞球について、払出制御装置41に賞球コマンドを送信する。
主制御装置80は、S145において、エラー監視処理を実行し、S150に処理を移行する。
本ステップでは、電波エラーや、振動エラー等の各エラーの監視を行う。
主制御装置80は、S150において、情報出力処理を実行し、S155に処理を移行する。
本ステップでは、各種情報の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、外部端子板への出力を行う。
本ステップでは、ソレノイドデータ等の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、ソレノイドへの出力を行う。遊技の進行に応じて主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14b、普電役物ソレノイド12b等に対して各々出力処理を実行する。
また、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく、外部接続端子板38からセキュリティ信号を出力する処理を、本実施例ではS155にて、併せて実行する。
S165のステップでは、性能表示装置48の制御処理や試射試験データの出力処理等として、領域外処理を行う。すなわち、起動処理(図12)の性能表示用集計除算処理(S90)にて算出した結果に基づき、性能表示装置48を用いた表示制御のためのデータや試射試験データを、RWMの領域外にて作成する処理を行う。
本ステップでは、LEDデータ設定テーブルを取得して、LEDのコモン(LEDセグメントに係る8bit単位の表示領域)毎の発光制御を行うためのセグメントデータの作成処理を行う。すなわち、上記領域外処理(S165)で、RWMの領域外にて作成したデータを、RWMの領域内に移動して、後述するLED出力処理(S180)にて出力するためのセグメントデータを設定する。
本ステップでは、上述した起動処理(図12)の初期設定処理(S65)において設定された設定状態フラグが3か否かを判定する。設定状態フラグが3の場合は、S195を実行せず即時、S180に移行し、設定状態フラグが3ではない場合すなわち、1又は2の場合は、S195を介してS180に移行する。
本ステップは、設定確認および設定変更を行うための処理である。すなわち、設定変更時或いは設定確認時において、入力値(設定キーSW47や、RWMクリアSW46に係る検出信号)に基づいて、段階設定値の変更や、「設定変更」状態および「設定確認」状態の終了に係る処理を行う。
設定状態確認処理については、後で図16を参照して詳述する。
本ステップでは、性能表示装置48や、各種LED等に係る、発光制御のための情報を出力する。
すなわち、性能表示装置48を用いた性能表示または段階設定値に関する発光制御のための情報や、遊技盤2の表面側右下(図2参照)に集約して設けられた、第1特別図柄表示装置9、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄表示装置10、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、および普通図柄保留数表示装置等のLEDの発光制御のための情報の、出力を行う。
以上が本実施例の割込(INT)処理である。
先ず、本実施例の初期設定処理について、図14を参照して説明する。
本ステップでは、上述した起動処理(図12参照)のS55にて「RWM異常」であると判定された場合に、その結果をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。すなわち、電源投入時に、S35、S40、またはS45の何れかのステップで「RWM異常」と判定されたか否かを判定する。
本ステップでは、上述した起動処理(図12参照)のS47にて設定状態フラグの値をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。該汎用レジスタに格納されたデータは、起動処理におけるS60のRWMクリア処理にて、RWMが初期化されても、消去されることなく保存維持されているため、該汎用レジスタに格納されたデータを判定することで、電断前の設定状態フラグの値が2か否かの判定が可能となっている。肯定判定であれば、S212を経てS214に移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(5)を満たしているか、を判定する(図17参照)ものである。
このように構成されることで、「設定変更」状態中に電断が発生した場合、つまり設定キーSW47をOFFすることで「設定変更」状態を終了する前に電断が発生した場合、電源が投入されると必ず再度、「設定変更」状態に遷移する。これにより、電源投入時のRWMクリアSW46の状態(ON/OFF)に関係無く、強制的に「設定変更」状態に遷移させることで、「RWMクリア」状態や「バックアップ復帰」状態といった「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」への遷移を防止する。
主制御装置80は、S206において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S206:yes)、S212に処理を移行し、否定判定であれば(S206:no)、S208に処理を移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(2)または(4)の何れを満たしているか、を判定する(図17参照)。
設定変更報知処理は、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
なお、本実施例のS212において、設定状態フラグの値として2が維持されている場合には、設定状態フラグに2を設定する処理を非実行として、S214に移行し、設定状態フラグに2以外の値が設定されている、または、何も設定されていない場合には、2を設定するよう構成されている。但し、この構成に限定することなく、既に2が設定されていても、再度、2を改めて上書きして設定するよう構成しても良い。
RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また起動処理(図12)のRWMクリア処理(S60)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
主制御装置80は、S220において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S220:yes)、S226に処理を移行し、否定判定であれば(S220:no)、S222に処理を移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(1)または(3)の何れを満たしているか、を判定する(図17参照)。
設定確認報知処理は、「設定確認」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
主制御装置80は、S222において、設定状態フラグに0を設定し、続くS224において、バックアップ復帰報知処理を実行し、本処理を終了する。
バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、またバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
本ステップでは、後述する遷移条件(4)を満たす可能性が有るか否か、を判定する(図17参照)。
なお、本ステップは、今回の電源投入で初めてRWM異常と判定された場合だけではなく、電断前にRWM異常で「遊技停止」状態となり、電断時にバックアップフラグが設定されなかったことに因り、今回の電源投入時にも連続してRWM異常と判定された場合にも、移行される処理である(起動処理(図12)のS45、および割込(INT)処理(図13)の停電検出信号監視処理(S105)を参照)。
本ステップでは、後述する遷移条件(4)を満たすか否か、を判定する(図17参照)。S230およびS232の両ステップで、共に肯定判定となった場合は、遷移条件(4)を満たすこととなる。
主制御装置80は、S234において、設定状態フラグに2を設定し、続くS236において、設定変更報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定変更報知処理は、S214と同じく、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
本ステップでは、既に設定状態フラグに3が設定されている場合には、本ステップを行わないよう構成される。但し、これに限らず、再設定するようにしても良い。
遊技停止促進処理は、RWM異常である旨の報知および、遊技者に遊技の即時停止を促し、且つ、ホール従業員に適切な対処を促す報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
このように、電源投入時に遷移条件(4)を満たしていない限り、「遊技停止」状態(設定状態フラグ=3の状態)から脱却することは不能に構成されている。つまり、遷移条件(7)、(8)、および(9)のループから抜けることが出来ないようになっている。
なお、一旦上記ループに入ってしまうと、電源投入時に遷移条件(1)、(2)、または(3)を満たしていても、該ループからは抜けることが出来ない。つまり、遷移条件(1)および(3)は、何れもRWMクリアSW46がOFFであるので、S230で否定判定となってS238に移行し、遷移条件(2)は、設定キーSW47がOFFであるので、S232で否定判定となってS238に移行する。よって、該ループから抜けるためには、電源投入時に遷移条件(4)(RWMクリアSW46と設定キーSW47が共にON)を満たす必要があるように構成されている。
このように、パチンコ機50は、電源投入されるとその都度、初期設定処理にて設定状態フラグに何れかの値を設定することで、何れの状態に遷移するかを初期設定する。
以上が本実施例の初期設定処理である。
主制御装置80は本処理を開始すると先ず、S250において、設定状態フラグが2か否かを判定し、肯定判定であれば(S250:yes)、S252に処理を移行し、否定判定であれば(S250:no)、S270に処理を移行する。
本処理には、上述した割込(INT)処理のS110およびS190によって、設定状態フラグが1または2の場合にしか移行しない。したがって、本ステップでは、設定状態フラグが2(「設定変更」状態)であるか、或いは1(「設定確認」状態)であるかを判定する。
なお、図示しないが、否定判定で(S250:no)、S270に処理を移行するまでの間に、主制御装置80は、性能表示装置48にて現在の段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の設定処理を行う。
本ステップでは、設定SWと兼用して設けられたRWMクリアSW46に係る検出信号が発生したか否かを判定する。
先ず、本実施例のパチンコ機50において、上述したように、現状の段階設定値に係る情報は、起動処理(図12)のRWMクリア処理(S60)が実行されても消去されることのないRWM領域内の段階設定値に固有の領域(段階設定値記憶領域)に記憶保存されている。
本ステップでは、設定状態フラグが2の状態において、設定SW(RWMクリアSW46にて兼用)に係る検出信号が発生すると、上記した段階設定値記憶領域にストアされている現在の段階設定値を、新しい段階設定値に書き換える処理を行う。段階設定値は、現状が設定1から設定3までの何れかである場合は、大当り抽選確率が1段階だけ高い段階設定値を新しい段階設定値として書き換え、現状が設定3の場合には、最も大当り抽選確率の低い設定1を新しい段階設定値として書き換える処理が行われる。よって、本実施例では、RWMクリアSW46を押下する毎に、設定3までは1段階ずつレベルアップし、設定3にて押下すると設定1にレベルダウンするループとなっている。これに限定せず、逆に、設定1までは1段階ずつレベルダウンし、設定1にて押下すると設定3にレベルアップするループとしても良い。
なお、本ステップによって、主制御装置80は、RWMクリアSW46が押下される毎に、性能表示装置48にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
本ステップでは、上述した起動処理(図12)のS40と同様の処理を行う。つまり、適正な段階設定値が設定されているか否かを監視する。
本ステップでは、段階設定値記憶領域の段階設定値を書き換えた結果、予定されていない不適正な段階設定値が設定されているとS256にて判定された場合に、最も大当り確率の低い設定1に対応した段階設定値である0に書き換える処理を行う。これにより、例えば不正行為者が不当に利得を得ようとして、何らかの予定されていない段階設定値を設定したとしても、本ステップにて最も利得が少ない設定に書き換えられるので、不正行為を未然に防止できる。また、不正行為を未然に防止しつつ、予定された正規の段階設定値に書き換えるので、当該パチンコ機50を遊技可能な状態とすることができる。つまり、当該パチンコ機50に対して、仮に不正な設定値の書き換えが行われる害を被ったとしても、稼働率を低下させることなく、不正行為を未然に防止できる。
なお、本ステップにても、性能表示装置48にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
本ステップでは、S254またはS258で、段階設定値を新たに書き換えて更新した内容を示す段階設定値更新コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理を行う。
なお、該コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、更新された段階設定値を示すデータを所定の段階設定値バッファに格納し、該格納したデータを参照することで、所謂「設定報知(示唆)演出」等を行う際に、段階設定値に応じて、バリエーション豊富な演出を実行可能となっている。
本ステップでは、ホール従業員等が設定キーSW47をONからOFFにすることで、設定変更を終了したか、否かを判定する。
なお、本実施例において、新たな段階設定値への確定は、上述したS254およびS258にて既に完了している。本ステップでは、設定キーSW47がOFFされたか否かに基づいて、単に設定変更の状態を終了するか否かを判定するための処理である。また、このような本実施例の構成に限定せず、例えば、S254およびS258にて変更することとなった新たな段階設定値を、上記段階設定値記憶領域とは別個設けられた所定の段階設定値用バッファに記憶して未確定の状態で維持しておき、本ステップにて設定キーSW47がOFFされたことに基づいて、「設定変更」状態を終了させる処理と併せて、段階設定値用バッファに記憶している新たな段階設定値を参照して該段階設定値にて、段階設定値記憶領域の段階設定値を確定する処理を実行する構成としても良い。
この2ステップでは、上述した初期設定処理(図14)のS208およびS210と同様の処理を行う。RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また起動処理(図12)におけるRWMクリア処理(S60)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
本ステップでは、ホール従業員等が設定キーSW47をONからOFFにすることで、設定確認を終了したか、否かを判定する。
この2ステップでは、上述した初期設定処理(図14)のS222およびS224と同様の処理を行う。バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、また起動処理(図12)におけるバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
本実施例の、上記S250にて否定判定(S250:no)となりS270に処理を移行するまでの間や、S254、およびS258において、実行される表示データ(セグメントデータ)を更新或いは設定する処理は、割込(INT)処理におけるセグメントデータ設定処理(S175)と同様の処理である。
以上が本実施例の設定状態確認処理である。
図18に示す「特図始動入賞確認処理(特別図柄の始動入賞確認処理)」は、第1始動口11、第2始動口69に遊技球が入球したときに抽出される当否判定に用いる乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に記憶する。そして第1始動口11、第2始動口69への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理となる。
「特別図柄の始動入賞確認処理」は、先ず、第1始動口SW503により第1始動口11への入球を検出したか否かを判定する(S300)。入球が無ければ(S300:no)、S312の処理へ移行する。第1始動口11への入球が有れば(S300:yes)、S302の処理において主制御装置80に記憶されている第1特別図柄の保留記憶(以下、第1保留記憶若しくは第1保留ともいう)の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S302:yes)、S312の処理へ移行する。
その後、第1特別図柄の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第1特別図柄の保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S310)。
図略ではあるが、記憶された第1特別図柄の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置83へ送信することが望ましい。
その後、第2特別図柄の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第2特図保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S322)。その後、リターンする。
図略ではあるが、記憶された第2特別図柄の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置83へ送信することが望ましい。
先ず、図19に示すように、第1特別図柄当否判定処理において、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを判定する(S330)。S330において否定判定で(S300:no)、第1特別図柄が変動中であるか否かを判定し(S332)、否定判定で(S332:no)、確定図柄を表示中であるか否かを判定し(S334)、否定判定で(S334:no)、第1保留記憶(上記、図18のS304による保留記憶)があるか否かを判定し(S336)、肯定判定の場合には(S336:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S338)、図20のS340に進む。
なお、特別電動役物が作動中である場合(S330:yes)には、そのまま第1特別図柄当否判定処理を終了(リターン)する。また、第1保留記憶が無い場合には(S336:no)、そのまま第1特別図柄当否判定処理を終了(リターン)し、第2特別図柄当否判定処理へ移行する。
S340において肯定判定の場合には(S340:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S344)、S348に移行する。
一方、S340において、確変フラグが「0」である場合には(S340:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し(S346)、S348に移行する。
そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行い(S356)、S364へ移行する。大当り設定処理とは決定した大当り図柄(図11(a)を参照)によって、大当り後の遊技状態(高確率状態であるか、開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間(以下、大当り開始インターバル時間ともいう)、大入賞口14の開放パターン、大当り開放インターバル時間、大当りのエンディング時間(以下、大当り終了インターバル時間ともいう)、ラウンド数、ラウンド遊技間のインターバル時間等)を取得する処理である。
図11(a)を用いて前述のように、大当り図柄A、大当り図柄Bが選択されても、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28.0秒の開放又は10カウント)を8回行う。但し、大当り図柄Aに基づく大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)に移行する。また、大当り図柄Bに基づく大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、通常確率遊技状態で、しかも非開放延長状態である。
先ず、第1特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)において、大当りと判定された場合について説明する。主制御装置80は、第1特別図柄の当否判定で大当りと判定された場合には、その時点(変動を開始する際)の遊技状態が、特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)であっても、通常状態(低確率遊技状態及び非開放延長状態)であっても、第1特別図柄の変動時間を0.6秒〜60秒に決定する(図7(b)を参照)。
先ず、特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)において、外れと判定された場合について説明する。主制御装置80は特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)において、第1特別図柄の当否判定で外れと判定された場合には、第1特別図柄の変動時間を0.6秒〜60秒に決定する。また、主制御装置80は「通常確率状態で非開放延長状態」において、第1特別図柄の当否判定で外れと判定された場合には、第1特別図柄の変動時間を0.6秒〜180秒に決定する。
また、特別電動役物が作動中である場合(S370:yes)、又は第2保留記憶が無い場合には(S376:no)、そのまま第2特別図柄当否判定処理を終了(リターン)し、大当り遊技処理へ移行する。
一方、S380において、確変フラグが「0」である場合には(S380:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し(S384)、S386に移行する。
図11(b)を用いて前述のように、大当り図柄Cが選択されると、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28.0秒の開放又は10カウント)を8回行う。また、大当り図柄Dが選択されると、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大2秒の開放又は10カウント)を2回行う。
そして、大当り図柄Cに基づく大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、特定状態(高確率状態及び非開放延長状態)に移行し、大当り図柄Dに基づく大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、通常確率状態で、しかも非開放延長状態である。
先ず、高確率遊技状態及び非開放延長状態において、大当りと判定された場合について説明する。主制御装置80は、特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)において、大当りと判定された場合には、その時点(変動を開始する際)の遊技状態が、特定状態(高確率状態及び非開放延長状態)であっても、通常状態(通常確率状態及び非開放延長状態)であっても、第1特別図柄の変動時間を0.6秒〜60秒に決定する(図7(b)を参照)
ここで、小当り図柄a〜小当り図柄dは、何れも25%の確率で選択される。
本実施例の小当り設定処理(S404)は、小当り図柄a〜小当り図柄d(図11(c)を参照)によって、小当り遊技にかかる情報(小当りのオープニング時間(以下、小当り開始インターバル時間ともいう)、の開放パターン、小当りのエンディング時間(以下、小当り終了インターバル時間ともいう))を取得する。
また、S398において、主制御装置80は、パチンコ機50の遊技状態及び小当り図柄決定用乱数に基づいて、小当り図柄として、小当り図柄a〜小当り図柄dの何れかが選択される(図11(c)を参照)。
そして、小当り遊技dが小当り遊技中に大入賞口14に遊技球が入球する可能性が最も高く、小当り遊技cが小当り遊技中に大入賞口14に遊技球が入球する可能性が次に高くなっている。そして、小当り遊技bは小当り遊技cよりも小当り遊技中に大入賞口14に遊技球が入球する可能性が低く、小当り遊技aは小当り遊技cよりも小当り遊技中に大入賞口14に遊技球が入球する可能性が最も低くなっている。
但し、前述のように、選択された小当り図柄に係わらず、大入賞口14に遊技球が入球する可能性が高い、小当り遊技dを実行し、小当りラッシュを効果的に行うこととしてもよい。
図7(b)に示すように、特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)において、小当りと判定された場合について説明する。特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)において、主制御装置80は小当りと判定した場合には、第2特別図柄の変動時間を1秒に決定する。
通常状態(通常確率遊技状態及び非開放延長状態)において、小当りと判定された場合について説明する。通常状態(通常確率遊技状態及び非開放延長状態)において、主制御装置80は小当りと判定した場合には、第2特別図柄の変動時間を10分に決定する。
図7(c)に示すように、特定状態(高確率状態及び非開放延長状態)において外れと判定された場合について説明する。特定状態(高確率状態及び非開放延長状態)において、主制御装置80は外れと判定した場合には、第2特別図柄の変動時間を0.6秒〜1.5秒に決定する。
つまり、第1特別図柄の変動が進行している場合には、S354若しくはS360によって特定された変動時間が経過したか否か(第1特別図柄に対応する変動残り時間タイマが「0」になったか否か)を判定する(S430)。また、第2特別図柄の変動が進行している場合には、S392、S400、又はS408によって特定された変動時間が経過したか否か(第2特別図柄に対応する変動残り時間タイマが「0」になったか否か)を判定する(S430)。
ここで、S436では、対応した特別図柄(以下、一方の特別図柄という)、つまり、第1特別図柄若しくは第2特別図柄のうち、S430で肯定判定された特別図柄の確定図柄表示処理(S436)を実行する。
そして、S438では、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定し、肯定判定されると(S438:yes)、図21のS370に移行(第2特別図柄の当否判定処理に移行)し、否定判定されると(S438:no)、大当り遊技処理に移行する。
S440において、主制御装置80は、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定し、確定図柄の表示時間が終了となった場合には(S440:yes)、確定図柄の表示を終了し(S444)、S446に移行する。また、確定図柄の表示時間が終了となっていない場合には(S440:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。
ここで、他方の特別図柄の変動終了処理(S450)では、他方の特別図柄が変動中であるか否かを確認し、他方の特別図柄が変動中であれば、他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で停止させる。
そして、他方の特別図柄が変動中であれば、他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で停止させた後、S454の処理に移行し、他方の特別図柄が変動中でなければ、そのままS454の処理に移行する。なお、他方の特別図柄の変動終了処理(S450)で、当該他方の特別図柄の変動を強制的に停止させる際には、当該他方の特別図柄が、外れ図柄で停止されることを特定するコマンドが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されると共に、停止フラグの値が「1」にされる。
S458において、主制御装置80は、時短フラグが「1」にセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S458:yes)、時短フラグを「0」にし(S460)、S462へ移行する。また、否定判定の場合には(S458:no)、そのままS462へ移行する。
また、時短フラグが「0」である場合(S478:no)、又は時短回数が0ではないとき(S480:no)は、そのままS484に移行する。
なお、本パチンコ機50は、遊技状態が開放延長状態(時短状態)に移行することがないため、S478では一律に否定判定される。
本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
S486において、主制御装置80は確定表示された第2特別図柄が小当り図柄か否かを判定し、S486で肯定判定される場合(確定表示された第2特別図柄が小当り図柄である場合)には(S486:yes)、S488に移行し、否定判定される場合には(S486:no)、そのまま大当り遊技処理へ移行する。
ここで、主制御装置80はS488を行うと、他方の特別図柄(第1特別図柄)の変動を中断する旨のコマンド(変動中断コマンド)と、変動中断時の他方の特別図柄(第1特別図柄)の変動の残り時間(第1特別図柄の変動の残り時間を示す変動残り時間タイマの値)を特定するコマンドをサブ統合制御装置83に送信してもよい。
小当り遊技開始処理(S496)では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。
まず、図25に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S506)。ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S508:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S508)。これも否定判定の場合は(S508:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S510)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S510:yes)、大入賞口開放処理(S512)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、図28に示す小当り遊技処理に移行する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合には(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
また、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
そして、S536において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S536:yes)、確変回数を設定し(S538)、確変フラグを1に設定する(S540)。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。なお、確変回数は10000回に設定される。
なお、遊技状態が開放延長状態(時短状態)に移行するパチンコ機50では、S544において肯定判定されることがある。かかる場合、S544で肯定判定されるケースにおいて、S544の肯定判定に続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する(S548)とを行った後、S550に移行する。また、時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。更に、開放延長状態(時短状態)に移行するパチンコ機50では、時短回数は確変回数と同じ数としてもよい。また、大当り遊技実行後に高確率かつ時短状態に移行する場合には、確変回数と時短回数を第1回数に設定し、大当り遊技実行後に通常確率かつ時短状態に移行する場合には、時短回数を第1回数よりも少ない第1回数に設定してもよい。
S554において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS556において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
先ず、S600において、主制御装置80は、特別電動役物が作動中であるか判定し、作動中であれば(S600:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S602)、否定判定の場合には(S602:no)、小当り遊技間のインターバル中であるか判定し(S604)、小当り遊技間のインターバル中でない場合には(S604:no)、小当り遊技の終了演出であるか否か判定し(S606)、小当り遊技の終了演出中ではない場合には(S606:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過したか否かを判定し(S608)、肯定判定の場合には(S608:yes)、大入賞口14を開放させ(S610)、小当り遊技処理を終了(リターン)する。
なお、S600において、特別電動役物が作動していない場合(S600:no)、又はS608において、小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S608:no)には、そのまま小当り遊技処理を終了(リターン)する。
図28のS604で小当りインターバル中であると判定された場合は(S604:yes)、図29のS630に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S630:yes)、S632へ移行する。また、否定判定の場合には(S630:no)、小当り遊技処理を終了(リターン)する。
S632において、主制御装置80は、大入賞口14が規定数(ここでは1回若しくは2回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S632:yes)は、小当り終了演出処理(S634)を行なって小当り遊技処理を終了する。
S648において、主制御装置80は、中断フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S648:yes)、中断フラグを「0」にし(S650)、小当り遊技処理を終了する。
また、小当り終了演出時間を経過していない場合には(S640:no)、又は中断フラグが「0」である場合には(S648:no)、小当り遊技処理を終了(リターン)する。
図30に示す普通図柄始動入賞確認処理(普図始動入賞確認処理)は、普通図柄作動ゲート17への入球があるか否かを判定し(S700)、入球があれば(S700:yes)、普通図柄の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S702)。否定判定の場合には(S702:no)、S704の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数(普図決定用乱数)などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリ(内蔵RAMに設けられた普図用の保留記憶処理であって、図4では図示を省略)に記憶される(最大4つ)。そして、普通図柄保留数表示装置の表示制御、演出図柄表示装置82やサブ統合制御装置83への普通図柄保留数コマンド送信処理を行い(S706)、本処理を終了(リターン)する。
なお、本実施例と異なり、遊技状態が時短状態(開放延長状態)に移行し得るパチンコ機50においては、S720において時短フラグが「1」であるか否かを判定することとしてもよい。この場合、時短フラグが「1」であるか、「0」であるかを問わずに当り確率が等しくされてもよいし(例えば、共に「100/100」若しくは「95/100」)としてもよいし、時短フラグが「1」である場合には、時短フラグが「0」である場合に比べて普通図柄の当り確率を高くしてもよい。ここで、確変フラグが1であると、通常、普通図柄確率変動機能が作動する遊技状態となる。
その後、普通図柄当り設定処理を行し(S736)、S740に移行する。一方、普通図柄が当りでなければ(S730:no)、外れの変動パターンを決定し(S738)、S740に移行する。
また、S734の処理においては、普通図柄の変動時間を1.50秒に特定する変動パターン1が「4/7」の割合、1.10秒に特定する変動パターン2が「2/7」の割合、1.00秒に特定する変動パターン3が「1/7」の割合にそれぞれ決定される。
そして、遊技状態が高確率状態であるとき、右打ちを行い、右遊技領域(右打ち領域)3Rで遊技球を略連続的に流下させ、普通図柄作動ゲート17に遊技球を高頻度に通過させた場合、普通電動役物12(第2始動口69)が短時間であることも相まって、遊技球が第2始動口69に入球するケースと、普通電動役物12をスルーして大入賞口14側に流下するケースとがランダム且つ頻繁に生じし、本パチンコ機50は所謂「小当りラッシュの状態(小当り遊技を頻繁に発生させて賞球を増やしていく状態)」を実現可能となる。
しかも、遊技状態が高確率状態であるとき、第2当否判定で小当りと判定される頻度が高い(1/1.03)と共に、小当りと判定されたときの「第2特別図柄の変動時間が短く(1秒)とされている。よって、普通図柄作動ゲート17を通過して第2始動口69に入球して小当りを発生される一の遊技球と、閉鎖状態の普通電動役物12を通過し、大入賞口14の方向に流下方向に流下する他の遊技球(一の遊技球に後続する他の遊技球)が頻繁に発生する。
従って、遊技状態が高確率状態であるとき、右打ちを行うと、「小当りラッシュの状態)を実現可能となる。
なお、本実施例では、パチンコ機50の遊技状態(通常確率状態であるか、高確率状態であるか)に係わらず、普通電動役物12(第2始動口69)の開放パターンが一定であるが、遊技状態によって異なっていてもよい。例えば、遊技状態として開放延長状態(時短状態)に移行し得るパチンコ機50では、遊技状態が開放延長状態であるか、非開放延長状態であるかによって開放パターンが異なってもよい。
より具体的には、普通図柄当り遊技設定処理(S736)にて設定される開放パターンが、遊技状態が非開放延長状態である場合、普通電動役物12の開放時間が短い第1開放パターン(開放時間は0.5秒とする開放パターン)が設定され、非開放延長状態である場合、普通電動役物12の開放時間が長い第2開放パターン(開放時間は3秒とする開放パターン)が設定される。そして、パチンコ機50の遊技状態が特定状態(高確率遊技状態及び非開放延長状態)である場合に、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球して通過することを契機に普通図柄の抽選が行われる場合、第1開放パターンが設定された普通図柄の当り遊技が行われる。この場合、普通電動役物12の開放時間は0.5秒と短時間開放に設定されている。従って、第2開放パターンが設定された普通図柄の当り遊技が行われる場合よりも、普通電動役物12の閉鎖状態が長くなり、その後発射され、普通図柄作動ゲート17を入球し通過した遊技球は、普通電動役物12及び第2始動口69を素通り(通過)し、大入賞口14に達することが可能となるため、小当り遊技を頻繁に発生させて賞球を増やしていくことが可能となる。
普通電動役物12が開放中でなければ(S762:no)、普通図柄当り終了演出中か判定し(S764)、普通図柄当り終了演出中でなければ(S764:no)、普通図柄当り開始演出時間が経過したか確認し(S766)、普通図柄当り開始演出時間が経過していれば(S766:yes)、普通電動役物開放処理(S768)へ移行し、終了となる。
本実施例の普通電動役物開放処理(S768)は、上述したS736で設定した普通電動役物12の開放パターンに基づいて普通電動役物12を開放する(閉鎖状態から開放状態とする)。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御したりする。
左打ち用の画面6a及び右打ち用の画面6aでは、演出図柄等を用いた表示演出が実行される。これの画面6aには、図36(a)及び(b)に示すように、演出図柄の主変動表示領域6Hと、演出図柄の補助変動表示領域6L、6Rと、第1保留記憶数表示領域6Aと、第2保留記憶数表示領域6Bが出現する。なお、補助変動表示領域6L、6Rは、主変動表示領域6Hに比べて小さなサイズで出現する。
なお、本実施例では、演出図柄の変動を主変動表示領域6H及び補助変動表示領域6L、6Rの各々において3桁の構成図柄を表示して行うが、構成図柄の数は特に問わず、1個であってもよいし、3以外の複数であってもよいし、スクロール方向が横方向であってもよい。
以下、主変動表示領域6Hにおいて、左側に表示され構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
また、第1保留記憶数表示領域6Aは、画面6aの左側縁側に出現し、第1保留記憶の記憶数を表示される保留図柄(赤色)a1の個数で表示する。また、第2保留記憶数表示領域6Bは、画面6aの右側縁側に出現し、第2保留記憶の記憶数を表示される保留図柄(青色)b1の個数で表示する。なお、図36では、保留記憶数表示領域6A、6Bに保留図柄が表示されていることを「黒丸」で示し、表示されていないことを「白丸」で示している。なお、通常確率状態では、遊技者が左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射する傾向が高いため、第1保留記憶は貯まるが、第2保留記憶は貯まり難くなっている。
また、右打ち用の画面6aでは、第2特別図柄に対応する演出図柄を主変動表示領域6Hで表示し、第1特別図柄に対応する補助変動表示領域6Lで画面6aの左下の隅に簡易な状態で表示する。そして、右打ち用の画面6aでは、遊技者に右打ちをすることを示唆する右打ち表示RHがなされる
また、左打ち用の画面6a及び右打ち用の画面6aには、「遊技状態を示唆するキャラクタ若しくはコメント」、「変動中の表示結果(小当りの連続回数、外れ回数等)」等を示す遊技情報が表示される。
本処理は、演出図柄表示装置6の画面6aを前述の左打ち用の画面6aに設定するか、右打ち用の画面6aに設定か否かを選択するためのものである。
本処理を開始すると、左打ち用の画面6aを表示中か否かを判定する(S1000)。ここで、左打ち用の画面6aを表示中の場合、左打ち遊技フラグの値が「1」、右打ち遊技フラグの値を「0」となっている。
また、S1005で否定判定されると(S1005:no)、S1008に移行し、遊技状態が高確率状態に移行したか否かを判定する(S1008)。つまり、サブ統合制御装置83が、前述の状態指定コマンド(図27のS556を参照)であって、遊技状態が高確率状態に移行することを示すものを受信すると、S1008で肯定判定される。
そして、S1010の処理を実行すると、右打ち遊技フラグの値を「1」にし、左打ち遊技フラグの値を「0」にする処理を行い(S1015)、演出態様設定処理をリターンする。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1050)。そして、否定判定されると(S1050;no)、そのまま演出開処理を終了し、肯定判定されると(S1050;yes)、S1055の処理に移行し、演出態様を振り分ける際に使用する振分乱数を取得する。
ここで、右打ち中処理を実行した後(S1080)と、右打ち中処理(S1070)について説明する。
左打ち遊技中処理を開始すると、受信した変動開始コマンド(図38のS1050)に含まれるデータ(当否を示す情報)に基づいて、演出開始の契機となった特別図柄の当否判定の結果が、大当りであるか否かを判定する(S1100)。そして、S1100で肯定判定される場合には(S1100;yes)、大当りが確変図柄を確定表示させることになる大当り(以下、確変大当りという)であるか否かを、受信した変動開始コマンドに含まれるデータ(当否を示す情報)に基づいて判定する(S1105)。
なお、前述のように、左打ち遊技中処理において、第1特別図柄の当否判定で、確変大当りを発生した場合には、主変動表示領域6Hと補助変動表示領域6L、6Rとを切り換え、主変動表示領域6Hで第1特別図柄に対応する演出図柄を表示し、補助変動表示領域(6L若しくは6R)で第2特別図柄に対応する演出図柄を表示することが望ましい。また、ラッシュ開始演出は、画面6aの主変動表示領域6H及び補助変動表示領域(6L若しくは6R)を避けた領域で行っても、主変動表示領域6H及び補助変動表示領域(6L若しくは6R)の背景画像として行ってもよい。
そして、演出図柄の停止図柄(例えば、偶数のゾロ目図柄)を設定する処理を行い(S1130)、左打ち遊技中処理をリターンする。
右打ち遊技中処理を開始すると、受信した変動開始コマンド(図38のS1050)に含まれるデータ(当否を示す情報)に基づいて、演出開始の契機となった特別図柄の当否判定の結果が、大当りであるか否かを判定する(S1200)。そして、S1200で肯定判定される場合には(S1200;yes)、当該大当りが確変大当りであるか否かを判定する(S1205)。
よって、実施例1に示すように、第1計数カウンタ、第2計数カウンタ及び第3計数カウンタが、大当りを発生する間(大当り間)において計数される回数とてもよい。また、確変大当りの所謂連チャンを生ずる場合(小当りラッシュ状態が大当り遊技を挟み、複数回連続する場合)には、変形例1に示すように、連続する小当りラッシュ状態において、複数回の確変大当りを跨いで、第1計数カウンタ、第2計数カウンタ及び第3計数カウンタを計数してもよい。
なお、実施例1においては、第1計数カウンタを小当りの連続回数を計数する計数手段としたが、変形例1においては、第1計数カウンタを「外れを連続して発生しない回数を計数する計数手段」として、確変大当りを根拠に第1計数カウンタが「+1」される。
続く1266では、第1回数カウンタの値が示唆値(例えば、17)になったか否かを判定する(S1266)。そして、S1266の処理で肯定判定されると(S1266:yes)、示唆フラグを「1」にする処理を行い(S1268)、S1272に移行する。
ここで、S1268の示唆フラグは、S1050において開始コマンドを受信することに基づいて開始される演出において、段階設定値の示唆を実行することが決定されたことを示すフラグであり、値に「1」に設定されると、開始される演出表示が、段階設定値の設定示唆を含むものとなる。
この場合、変更フラグに「1」が設定されていると、演出内容(例えば、背景画像)を前回の演出(前回の演出表示)と変更された演出内容に設定し、続いて変更フラグに「0」を設定する。
また、示唆フラグに「1」が設定されていると、段階設定値の示唆を伴う演出内容に設定し、続いて示唆フラグに「0」を設定する。
なお、S1272では画面6aに、開始される演出表示において、小当りラッシュに移行した後に実行された当否判定の累積回数と、小当りの連続発生回数を示す数値を表示することが決定される。
そして、小当りの連続回数が変更値になる度に演出内容(例えば、画面6aに表示される背景画像)が変更されるため、遊技者は小当りの連続回数を一々数えなくても、外れの出現率(つまり、その時点の段階設定値)を判断することができる。
更に、示唆フラグに「1」が設定された状態で、S1272において設定された演出パターンは、開始される演出表示において段階設定値の示唆を含むことを内容とする演出表示を特定する。このため、その時点の段階設定値が高くない場合において、希に連続して外れを生じない状況が生じても、段階設定値が示唆されるため、遊技者が高設定と勘違いし、遊技を継続してしまい、多大な損害を負うことを防止できる。
ここで、S1292の返還フラグは、S1050において開始コマンドを受信することに基づいて開始される演出において、演出内容(例えば、演出画像)が既に初期内容から変更されている場合に、当該初期内容(例えば、初期演出画像)に戻すことを示すフラグである。
そして、S1292に続いて演出図柄の停止図柄(例えば、小当り図柄以外のバラケ目図柄で構成される外れ図柄)を設定する処理を行い(S1295)、右打ち遊技中処理をリターンする。但し、受信した変動開始コマンドが第1特別図柄に対応するものである場合には、当該外れ用の演出が補助変動表示領域6Lにおいて実行され、第2特別図柄に対応するものである場合には、当該外れ用の演出が主変動表示領域6Hで実行される。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図23のS436の処理を参照)。
そして、S1504の処理で否定判定される場合には(S1504:no)、そのまま演出停止処理を終了する。一方、肯定判定される場合には(S1504:yes)、当該演出表示が大当り図柄で停止したか否かを判定し(S1506)、肯定判定されると(S1506:yes)、当該他方の演出表示を外れ図柄で停止する処理を行った後(S1508)、演出停止処理を終了する。
このS1508の処理では、第2特別図柄に対応する演出表示を大当り図柄で確定表示した場合(S1502)、第1特別図柄に対応する演出表示を外れ図柄で停止表示する(S1508)。また、第1特別図柄に対応する演出表示を大当り図柄で確定表示した場合(S1502)、第2特別図柄に対応する演出表示を外れ図柄で停止表示する(S1508)。
なお、第2特別図柄に対応する演出表示を小当り図柄で確定表示されることがあるが、第1特別図柄に対応する演出表示が小当り図柄で確定表示されることはない。
また、停止音は完全に停止させたときに鳴る音に限定されず、停止前の仮停止状態時に発生させるようにしてもよい。例えば、変動開始コマンド(変動パターン)に基づいて、演出表示の実行時間を特定でき、その実行時間を経過する直前に仮停止を行い、実行時間を経過すると確定表示を行うものとする。この場合、仮停止時に発生する仮停止音に差異を生じさせてもよい。
図44は、小当りラッシュ中の演出表示の具体例を示している。また、小当りラッシュ中には、演出表示装置6において、右打ち用の画面6aが出現する。
図44は、小当りラッシュ中に外れを発生する場合と、小当りを発生する場合を示している。つまり、図44(a)に示すように、小当りラッシュ中において主変動表示領域6Hで小当り図柄が確定表示される可能性を有する演出表示が開始されると、画面6aで敵キャラクタK2と、味方キャラクタK1とがにらみ合う、バトルの準備演出が表示される。
そして、小当りを発生する場合には、図44(d)に示すように、味方キャラクタK1が敵キャラクタK2を攻撃し、勝利する演出が表示される。また、主変動表示領域6Hに小当り図柄(左から右に向かって、偶数を昇順に並べて構成される演出図柄)が表示され、小当りを発生時の画面6aに小当りの連続発生回数H1と、小当りラッシュ中の当否判定の累積変動回数H2が表示される。
このように、外れを発生する際に味方キャラクタK1が敗北する演出は、味方キャラクタK1が敵キャラクタK2に大敗する演出であり、目立つ演出(遊技者の注意をひく演出)である。
よって、外れ演出の出現頻度に基づき、その時点の設定を容易かつ確実に予測することができる。
このように、実施例1のパチンコ機50では、「設定の高低に基づいて大当りの発生し易さを判別するだけの従来の設定判別」とは異なる特徴的な設定判別を行うことができる。
このように、図44に示す演出例は、当否判定結果が「小当りであるか、外れであるか」に関する演出例であるが、当該演出例を「小当りであるか、外れであるか、大当りであるか」に関する演出例とすることもできる。例えば、「リーチ」を経てバトル演出を行い、「味方キャラクタが勝利すると大当り」、「引き分けであると小当り」、「敵キャラクタが勝利すると外れ」をそれぞれ報知することとしてもよい。
大当りを発生する可能性がある場合にも、図45(a)に示すように、バトルの準備演出を実行する。この場合、大当りの発生可能性がある場合の演出表示に登場する敵キャラクタK22は、小当りの発生可能性がある場合の演出表示に登場する敵キャラクタK2と異なるため、遊技者は、登場する敵キャラクタ(K22、K2)の種類によって大当りを発生する可能性があるのか、小当りを発生する可能性があるのかを即座に識別することができる。
図45(c)に示すように、主変動表示領域6Hに通常大当り図柄が確定表示される場合には、リーチ表示を行って通常大当り図柄が確定表示されるまでの間に、敵キャラクタK22がバトルに勝利し、味方キャラクタK1がバトルが敗北する表示がなされる。そして、小当りラッシュの終了する旨のコメントK31が表示され、小当りラッシュの終了が示唆される。この場合、通常大当り図柄が確定表示されるまでに実行した当否判定の累積回数に関する表示H2と、外れ回数に関する表示H3が実行されると、当該回数(外れの発生比率)によって設定判別を行うことができる。
この場合、確変大当り図柄が確定表示されるまでに実行した当否判定の累積回数に関する表示H2と、外れ回数に関する表示H3が実行されてもよい。
また、小当りの連続発生回数が「5回」になると、図46(b)に示すように、敵キャラクタK2が他の敵キャラクタK4に変更される。更に、小当りの連続発生回数が「10回」になると、図46(c)に示すように、敵キャラクタK4に仲間K5が加わる。
図示を省略するが、小当りの連続発生回数が「15回」、「20回」…と増えていくと、敵キャラクタが種類や数が変化する。
このように、本実施例では、小当りの連続発生回数(つまり、外れとならない回数)が5回増加する毎に演出図柄の背景画像(例えば、登場するキャラクタ、風景)が変更される。そして、外れを発生すると、背景画像の初期画像(第1の背景画像)に戻される。
また、本実施例では、小当りラッシュ中において外れとならない(小当りとなる連続回数)に基づいて背景画像(演出内容)を変化させたが、小当りラッシュ中において外れとならない比率に基づいて背景画像(演出内容)を変化させてもよい。つまり、小当りラッシュ中の当否判定の累積回数に対する小当り回数(外れとならない回数)の割合割合が特定割合を超えると、背景画像を変更を変更し、外れ回数が特定回数となると、背景画像を初期画像に戻してもよい。具体的には、小当り比率が50%になると山の風景6Tから海中の風景6Uに変化させ、比率が60%、70%、80%、90%となるとその他の風景に順次変化させてもよい。但し、外れ回数が5回になると、初期画像に戻されることとしてもよい。
同様に、小当りラッシュ中の当否判定の累積回数に対する外れ回数の割合が、特定割合を超えると背景画像を変更し、小回数が特定回数となると、背景画像を初期画像に戻してもよい。
また、本実施例では、大当りの発生に伴い外れ回数等をリセットし(図40(a)を参照)、変形例1では、大当りが発生しても小当りラッシュが終了するまで継続してカウントを継続するようにした(図40(b)を参照)。
図47は、段階設定値の示唆演出の実行タイミングの直前になると、画面6aにネコのキャラクタ7Cが出現し、キャラクタ7Cのセリフとして設定示唆の予定がある旨の表示7Eが実行される。そして、ネコのキャラクタ7Cが他のキャラクタ(7J、7T等)に変更され、他のキャラクタ(7J、7T等)のセリフとして段階設定値が示唆される。具体的には、その時点の段階設定値に応じて異なるキャラクタ(7J、7T等)が出現し、「段階設定値」を示す値が示唆される。ここで、トラのキャラクタ7Tは最高設定(段階設定値3)を示すキャラクタであり、クマのキャラクタは中間設定(段階設定値2)を示すキャラクタ、ウサギのキャラクタ7Jは最低設定(段階設定値1)を示すキャラクタである。何れのキャラクタが出現しても、そのセリフと、肉球(71T、71J等)に表示された数値によって段階設定値が示唆される。
また、小当りラッシュ機において、当否判定の結果が外れになることに基づいて特別な演出を実行するため、当否判定の結果が外れとなる回数をカウントし易く、設定判別をするのに参考にする際に間違えてカウントして、正確な判別が出来ないということを抑えることが可能となる。
また、小当り確率は均一で大当り確率が設定値によって異なることで自然と変化するハズレ確率により設定示唆の材料とすることができるため、特にそれようにプログラムを必要とすることがない。従って、プログラム容量を増やすことなく実行させることが可能である。
更に、外れ図柄が確定表示される際の停止音を、大当り図柄が確定表示される際の停止音及び小当り図柄が確定表示される際の停止音とは異なる音としているため、特別図柄の当否判定が外れとなったことを明確に示すことができる。よって、当否判定の結果を示す表示(後述する特別図柄表示装置の表示内容、演出表示装置の画面の表示)により、当否判定結果の判別が難しくても、容易に判断可能である。特に、小当りラッシュ中において第2当否判定の結果が外れ場合の停止音を、第1当否判定の結果が外れの場合の停止音と異なった音とし、小当りラッシュ中に、第2当否判定の結果で外れを生じたことを強調し、第2当否判定の結果で外れの停止音の視聴回数の多少に基づいて、設定判別を行い易くしてもよい。
本発明に示す構成であれば、設定により遊技性を異ならせることが可能となるが、設定値の示唆は射幸心を高めることになるため、本来、好ましくない。しかし、上述のように、小当りラッシュに関し、設定が高ければ有利であるわけではないため、設定値の示唆によって射幸心を高めることにはならない。
そして、設定により遊技性が変化するものになるため、遊技者が好みの設定の台(パチンコ機50)で遊技を実行できるように、ある程度明確に設定判別することが望ましい。よって、本実施例に示すように、「外れにならない回数」のカウント間違いをし辛い構成にすることは特に好適である。
更に、本実施例のパチンコ機50では、設定が低い方が小当りラッシュが続くが、その反面、設定が高くなる程、スペック的には甘く(大当りを発生させ易く)、なっているという、特異な遊技性を備える。
実施例2では、図48〜50を用いて、本発明の所謂「1種2種混合機タイプ」への適用例を簡単に説明する。
実施例1のパチンコ機5は、始動口11、69と、大入賞口14とを具備し、始動口11、69への入賞に基づいて当否判定を実行し、当否判定の結果が大当りとなると、大入賞口14を所定の大当り態様で開放状態に変化させ、始動口69への入賞に基づいて当否判定を行い、当否判定の結果が小当りとなると、大入賞口14を所定の小当り態様で開放状態に変化させる小当り遊技を実行する「1種タイプのパチン機50」であった。
これに対して、実施例2では、「1種タイプのパチンコ機50」の特色に加え、2種のタイプのパチンコ機50の特色を備える所謂「1種2種タイプのパチンコ機50」である。
そして、センターケース5の右方には、ゲート17と、第2始動口69とが上下に配置されている。また、第2始動口69は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材69Vに阻害され、第2始動口69に入球できない構成となっている。
第2始動口69の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、3個の一般入賞口31〜33を備える。
また、主に左打ち領域3Lを流下する遊技球が、第1始動口11に入球することとなっている。
開放延長機能未作動時(非開放延長状態)において、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物(第2始動口69)は、0.2秒の開放動作を1回行うよう設定されている。
一方、開放延長機能作動時(開放延長状態)において、普通図柄の1回の当りに対して、普通電動役物(第2始動口12)は2秒の開放動作を1回行うよう設定されている。
また、ゲート17を通過した遊技球は開放延長状態では第2始動口69に入賞し易く、非開放延長状態では第2始動口69に入賞困難(実質的に不可能)とされている。
具体的に説明すると、第1当否判定の外れ確率は、段階設定値1で約「1/1.010」、「段階設定値2」で約「1/1.012」、階設定値3で約「1/1.019」とされており、第1特別図柄の当否判定の外れ確率は、段階設定値が異なっても大差はなく、略一定である。
一方、第2当否判定の外れ確率は、段階設定値が1で約「1/58.02」、「段階設定値2」で約「1/70.60」、「段階設定値3」で約「1/123.59」とされており、第2当否判定の外れ確率は、設定が遊技者にとって有利な設定になるに従い、外れ確率が大きく変化している。
また、実施例2のパチンコ機50では、所定の条件の下で、第2始動口69に遊技球が入賞すると、小当り確率「1/1.03」で小当りを発生する。そして、小当りを発生すると、大入賞口14が1.8秒の開放動作を1回行うことを内容とする小当り遊技を実行する。実施例2のパチンコ機50も、実施例1のパチンコ機50と同様に、第2始動口69に入球すると、高頻度で小当りを発生し、第1始動口11に入球しても、小当りを発生しない。
また、「役物大当り遊技」は、大入賞口14が28.0秒の開放動作を、所定のインターバルを挟み、複数回(計8回)行うことを内容とする大当り遊技である。
なお、本実施例では、「図柄大当り遊技」と「役物大当り遊技」とを同一の大入賞口(第1大入賞口14)を開放状態として行うが、「図柄大当り遊技」を行う大入賞口と「役物大当り遊技」を行う大入賞口が異なっていてもよい。
また、実施例2のパチンコ機50では、「図柄大当り遊技」を実行した後の遊技状態と、「役物大当り遊技」を実行した後に「100%」の割合で開放延長機能が作動する。
また、第2特別図柄の当否判定(第2当否判定)では小当りと判定されることがあるが、第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)では小当りと判定されることはない。そして、第2当否判定の結果が小当りとなる確率(小当り確率)は約「1/1.03」(「54510/55987」)に設定されている。また、小当り確率は、その時点の段階設定値に係わらず一定とされている。
実施例2のパチンコ機50においても、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過することに基づいて普通図柄の当否判定と、普通図柄の変動表示が行われる。また、普通図柄の保留記憶は、4個を上限に記憶される。また、開放延長状態では非開放延長状態よりも、普通図柄の当否判定の当り確率が高くされ、普通図柄の変動時間が短くなる。そして、普通図柄の変動表示を終了し、普通図柄の当否判定の結果が当りであることを示す当り図柄が停止表示されると、第2始動口69を開放状態に変化される普通図柄遊技が実行される。
そして、開放延長状態では非開放延長状態よりも第2始動口69の開放時間が長くなる。
第1始動口11に入球することに基づいて第1当否判定が実行され、第2始動口69に入球することに基づいて第2当否判定が実行される(SA11、SA12)。そして、第1当否判定若しくは第2当否判定が実行されると、特別図柄の停止図柄(結果図柄)、特別図柄の変動時間が決定される(SA12)。
第1当否判定若しくは第2当否判定の結果が大当りの場合(SA13:yes)、特別図柄を大当り図柄で確定表示した後(SA14)、図柄大当り遊技が実行される(SA15)。
また、第2当否判定の結果が小当りの場合(SA13:no、SA16:yes)、特別図柄を小当り図柄で確定表示した後(SA17)、小当り遊技が実行される(SA18)。
そして、図柄大当り遊技若しくは役物大当り遊技が実行されると、パチンコ機50の遊技状態は開放延長状態に移行し、以後、特別図柄の変動表示を100回行うか、次回の大当りを発生するまで継続する。
更に、開放延長状態で小当りが連続して14回発生すると、段階設定値を示唆する演出が実行される。
また、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
Claims (1)
- 所定の設定操作に基づいて、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、何れかの設定値に設定可能な設定手段を具備する遊技機であって、
始動口に遊技球が入球することに基づいて、当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りになることに基づいて、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果が小当りになることに基づいて、小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果に関する演出を実行する演出手段と、
を具備し、
遊技状態として、少なくとも通常状態と、前記当否判定を該通常状態よりも遊技者にとって有利な状態で行う有利状態とを備えると共に、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率は前記設定値の種別に応じて異なる値に変更され、前記当否判定の結果が小当りとなる確率は前記設定値の種別によらず一定であり、前記当否判定の結果が小当りとなる確率は大当りとなる確率及び外れとなる確率よりも高くされ、
前記演出手段は、前記当否判定の結果が外れとなる場合に、前記当否判定の結果が大当りとなる場合及び小当りとなる場合とは異なる特別な演出を実行し、
前記当否判定の結果が所定の複数回数連続して、外れとならない場合において、前記設定値の種別を示唆する演出が実行されることを特徴とする遊技機。
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