(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」〜「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図6(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図6(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図6(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図6のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図7(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図7に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図7(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図7(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図7(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図8は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図8(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図8(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技機に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普通図柄抽選手段による抽選結果の情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。外れの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が外れである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、外れのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、外れであった場合、外れ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果が外れであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図6の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例)
実施例のぱちんこ遊技機500は、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
また、以下の説明では、演出の画像を演出表示装置60に表示する処理を、演出決定手段303の動作として説明するが、前述したように、実際には、サブCPU310により実現される演出決定手段303(サブメイン)が、制御CPU320により実現される演出制御手段304(サブサブ)に、表示すべき演出の画像に関するコマンドを送信し、演出制御手段304が表示制御回路326を制御して演出の画像を演出表示装置60に表示する。したがって、以下の説明において演出決定手段303を主体として説明される動作は、演出制御手段304又は表示制御回路346を主体として表現されてもよい。なお、以下の説明で、画像を表示する構成は、画像が示す情報を音声により出力する構成に適宜置き換え可能である。
実施例のぱちんこ遊技機500は、前提技術のぱちんこ遊技機100と同様に、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、1つの大入賞口を備える。また、実施例のぱちんこ遊技機500は、前提技術のぱちんこ遊技機100と同様に、第2特別図柄52(以下「特図2」とも呼ぶ。)の変動を、第1特別図柄51(以下「特図1」とも呼ぶ。)の変動より優先して実行する(特図2優先消化)。その一方、実施例のぱちんこ遊技機500は、小当りVの機能を備える点で前提技術のぱちんこ遊技機100と異なる。
実施例のぱちんこ遊技機500では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選の判定結果が大当りとなると大入賞口20が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第1の当否抽選または第2の当否抽選の判定結果が小当りと呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため大当りとは区別される。
小当り遊技が実行されている場合に、大入賞口へ入球した遊技球が大入賞口内のVゾーンと呼ばれる特定領域に入球すると、特別電動役物を連続作動させ大当り遊技を実行するための役物連続作動装置を作動させる条件装置が作動して、小当りから大当りへと昇格し、大入賞口が長時間開放される特別遊技が実行される。いわゆる小当りVが発生する。すなわち、特別遊技制御手段260は、特別図柄が大当りを示す態様で停止表示された場合、または、小当り遊技中に大入賞口20内に入球した遊技球が大入賞口20内部の特定領域を通過した場合に特別遊技を実行する。そのため、実施例における小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。
特別遊技が終了すると、所定の確率(実施例では100%)で変動時間短縮遊技(以下「時短」と呼ぶ。)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、特別遊技の終了後、新たな大当りが発生するか、または、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで継続される。実施例の時短は、第2始動入賞口への入球容易性を通常状態より高めた状態であり、前提技術における入球容易状態に対応するものであり、電チューサポートとも呼ばれる。時短は、(1)特別図柄の変動時間短縮、(2)普通図柄の確変、(3)普通図柄の変動時間短縮、(4)普通電動役物90の開放時間延長を含む。普通電動役物90は、第2始動口12への遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構である。
また後述するように、第2始動口12への入球を契機とする当否抽選では小当りに判定される確率が高く設定される。したがって、第2始動口12への入球容易性が高まる時短中には小当りが発生しやすく、小当りVの発生可能性も高まる。なお、小当りVと対比される大当りであり、図柄変動が大当りを示す態様で停止表示されたことを契機に特別遊技が開始される大当りを以下「図柄大当り」とも呼ぶ。通常状態(非時短状態)の通常遊技では第2始動口12への入球が困難であるため、まずは第1始動口11に入球させて、特図1の図柄大当りを獲得して時短に移行させる。そして、時短において第2始動口12に入球させて小当りVまたは図柄大当りを獲得し、その特別遊技終了後にも時短が継続することで小当りVおよび図柄大当りの連続を狙っていく遊技性となる。
図26は、実施例のぱちんこ遊技機500の主な遊技フローを示す。既述したように、通常時(通常状態の通常遊技時)は、第1始動口11へ入球させ、特図1による図柄大当りの獲得を狙う。特図1の図柄大当りは、いわゆる初当りといえ、時短9回が付与される15R大当り、時短9回が付与される4R大当り、時短1回が付与される4R大当りを含む。これら複数種類の大当りのいずれかが、大当り図柄の種類に基づいて割り当てられる。
時短9回が付与されるとは、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行し、その時短状態が、大当り(図柄大当りおよび小当りVの両方を含む)が発生した場合、または、通常遊技における特図2の変動が9回実行された場合に終了することを意味する。また、時短1回が付与されるとは、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行し、その時短状態が、大当りが発生した場合、または、通常遊技における特図2の変動が1回実行された場合に終了することを意味する。なお、ここで説明する時短終了条件は、遊技機の設計において、出玉を得るために好ましい遊技を行った場合を想定して記載されるものであり、詳細な終了条件については後述する。
時短9回が付与される大当りの場合、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行され、特図2の変動が9回実行される間と、その終了時に残存する保留4個分の図柄変動(典型的には特図2の4回の変動)が実行される間、ラッシュ演出が表示される。また、時短1回が付与される大当りの場合、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行され、特図2の変動が1回実行される間と、その終了時に存在する保留4個分の図柄変動(典型的には特図2の4回の変動)が実行される間、チャンス演出が表示される。時短中の図柄変動および保留4個分の図柄変動で大当りが発生しなければ、通常時に戻る。
時短中の図柄変動、または、時短終了後の4回の図柄変動では、特図2の変動結果が小当りとなったことを契機とする小当りV(特図2小当りV)、特図2図柄大当り、または特図1図柄大当りが発生しうる。特図2小当りVは、時短9回が付与される15R大当り、時短9回が付与される10R大当り、時短9回が付与される5R大当りのいずれかに振り分けられる。特図2図柄大当りは、時短9回が付与される5R大当りである。特図1図柄大当りは、時短9回が付与される15R大当り、時短9回が付与される4R大当りのいずれかに振り分けられる。これらの大当りが終了すると、時短状態の通常遊技(ラッシュ演出)へ戻り、時短中の図柄変動、または、時短終了後の4回の図柄変動にて再度の大当りの獲得を狙うことになる。
実施例のぱちんこ遊技機500は、通常状態の通常遊技において、普通図柄の当りに伴い普通電動役物90を長開放しうる。そして、普通電動役物90の長開放中、および、その間に保留された特図2の図柄変動中にもチャンス演出(普電開放演出)を表示させる。通常状態の通常遊技中に発生した特図2保留に係る変動演出においては、小当りV獲得の大きなチャンスであるため、同状態において実行される特図1の変動演出とは見た目に異なる特殊演出を実行するものである。この特図2保留の図柄変動中にも、特図2小当りV、特図2図柄大当り、または特図1図柄大当りが発生しうる。
図27は、実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。第1始動口11は、遊技領域81の中央下部であり、センター飾り64の下位置に設けられる。第1作動口31は、第1始動口11の上位置に設けられる。第1始動口11と第1作動口31は、第1の強度(実施例では相対的に弱い強度、言い換えれば左打ち)で発射された遊技球が入球可能または入球容易となる位置に設けられる。一方、第2始動口12、大入賞口20、第2作動口32は、第1の強度とは異なる強度(実施例では相対的に強い強度、言い換えれば右打ち)で発射された遊技球が入球可能または入球容易となる位置に設けられる。実施例では、左打ちされた遊技球は第2始動口12、大入賞口20、第2作動口32へ入球しないよう、かつ、右打ちされた遊技球は第1始動口11と第1作動口31へ入球しないよう、遊技領域81に遊技釘や風車が配置され、また遊技球の流路が設定される。
大入賞口20の内部には、遊技球が通過することにより小当り発展大当りが発生する特定領域が設けられており、特定領域通過検出装置504は、特定領域を遊技球が通過した場合にそのことを検出する。特定領域開閉ソレノイド506は、特定領域の状態を、遊技球が通過不可能な閉鎖状態と、遊技球が通過可能な開放状態との間で切り替える切替部材を制御する。特定領域開閉ソレノイド506は、開閉制御手段275の制御に応じて、当否抽選の結果(当否判定の結果とも言える)が小当りの場合、特定領域を開放状態とするよう切替部材を制御する。特定領域への入球を検出すると、特別遊技へ移行する旨の決定がなされる。特定領域への入球が未検出の場合、小当り遊技の終了後に通常遊技に戻る。
本実施例に係る特別遊技には、停止時の図柄が大当りとなることを契機に実行される第1特別遊技(図柄大当り)と、停止時の図柄が小当りとなった後に小当りが大当りに発展することを契機として実行される第2特別遊技(小当りV)とがある。第1特別遊技は、前提技術に示した特別遊技と同様であり、すなわち図柄大当りを契機とする。第2特別遊技は、小当り遊技中の特定領域の通過(V入球)を契機とした、条件装置の作動と役物連続作動装置の作動に伴う特別遊技である。
遊技領域81の外側右下位置には、遊技機500の遊技状態を示すための状態表示ランプ502が設けられる。状態表示ランプ502は、例えば、二つのランプによって構成され、第1のランプは時短状態(本実施例では普通電動役物の入球容易状態を伴う)であるか否かを示し、第2のランプは右打ちをすべき遊技状態(普通電動役物の入球容易状態や、特別電動役物の作動状態)であるか否かを示す。第1のランプは、時短状態の通常遊技である場合に点灯し、通常状態の通常遊技である場合に消灯する。第2のランプは、右打ちをすべき遊技状態である場合、つまり、時短状態、小当り遊技状態または特別遊技状態にある場合に点灯し、通常状態である場合に消灯する。したがって、状態表示ランプ502の第2のランプは、いわゆる右打ち表示灯として機能し、一定の表示態様にて右打ちをすべき遊技状態であるか否かを表示する。
実施例のぱちんこ遊技機500では、特図1の図柄大当りの確率と、特図2の図柄大当りの確率はともに1/319である。ぱちんこ遊技機500では、図柄大当りの確率は変動せず、常時一定である。また、特図1の小当り確率は0であり、特図2の小当り確率は1/10である。変形例として、特図1の小当り確率は0より大きくてもよい(例えば1/500)が、少なくとも特図2の小当り確率より小さい値に定められる。
また、小当り遊技において、開閉制御手段275は、大入賞口20を1.8秒以下の所定時間(例えば1.6秒)開放させるとともに、その間、大入賞口20内部の特定領域も開放状態になるよう制御する。大入賞口20は、スライド式アタッカータイプ(遊技球が大入賞口の蓋部材上を転動可能とし、蓋部材の開放時に入球可能となるタイプ)を採用することが好ましく、さらに大入賞口20上部もしくは大入賞口20近傍の流路は、例えばジグザグ形状にする等、複数個の遊技球が大入賞口20の入口(蓋部等)の近傍に滞留するように構成される。さらに大入賞口20の開放パターンは、0.124秒の開放を間に所定の閉鎖時間を挟むようにして13回繰り返すものとし、遊技者の発射が遅れた場合であっても遊技球を入球しうるように設計することが好ましい。これにより、小当り遊技において大入賞口20が短時間開放された場合に、大入賞口20への入球と小当りVを高確率で発生させることができる。言い換えれば、実施例のぱちんこ遊技機500は、小当りが発生すれば、ほぼ小当りVを獲得可能なよう構成される。
図28は、実施例のぱちんこ遊技機500における大当りの内訳を示す。特図1の図柄大当りは、時短9回の15R大当り、時短9回の4R大当り、時短1回の4R大当りを含み、振り分け確率は1%、49%、50%である。なお、時短中における時短1回の4R大当りは、時短9回の4R大当りと同じ制御になる。したがって、時短中の大当りでは、全て時短9回が付与される。特図2の図柄大当りは、時短9回の5R大当りとなる。特図2の小当りVは、時短9回の15R大当り、時短9回の10R大当り、時短9回の5R大当りを含み、振り分け確率は60%、10%、30%である。なお、本実施例では、最大の時短回数を9回としているものであるが、小当り確率1/10の抽選を9回実施可能であり、時短中における小当りないし図柄大当りに基づく大当り確率は約61%程度としているが、プレミア的な当りとして、時短100となる小当りVや図柄大当りを設けて、実質的に次回継続を保証(約99.9%の確率で時短中に次の小当り、図柄大当りが獲得可能)する場合を含んで、遊技者に当りを引けるという安心感を与える遊技状態を有してもよい。
1.時短および開放抽選(普通図柄抽選)に関連する構成:
開放抽選の結果は、外れ、第1当り、第2当りの3種類が設けられる。第1当りは、普通電動役物90の長時間開放を伴う当りであり、通常状態における当選確率は約1/590(特別図柄変動換算)である。第2当りは、普通電動役物90の短時間開放を伴う当りであり、通常状態における当選確率は約3/590である。時短状態では、第1当りの当選確率は約10/11であり、第2当りの当選確率は0である。
開閉制御手段275は、通常状態の通常遊技において、開放抽選が第1当り(当選確率1/590)となって普通図柄が第1当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間(以下「長開放時間」とも呼ぶ。)、普通電動役物90を開放させ、言い換えれば、第2始動口12への入球が可能または容易となるように普通電動役物90を開放状態に制御する。ここで、2つの遊技球が連続して発射される時間間隔(最短の時間間隔)は0.6秒〜0.8秒であってもよい。長開放時間は、6秒未満で、かつ、特図2(第2当否抽選値)の上限の保留個数(実施例では4個)の遊技球が発射される時間間隔以上の値であってもよい。また、長開放時間は、遊技球の発射を開始してから、特図2保留が0から4に増加するまでに要すると想定される時間以上の値でもよい。実施例における長開放時間は5.9秒である。
開閉制御手段275は、時短状態の通常遊技において、開放抽選が第1当り(当選確率は10/11)となって普通図柄が第1当りを示す態様で停止表示された場合も、上記の長開放時間、普通電動役物90を開放させる。なお、通常状態における普通電動役物90の長開放時間と、時短状態における普通電動役物90の長開放時間は異なってもよいが、いずれの時間も、複数個(好ましくは4個)の遊技球が発射される時間間隔以上の値に設定される。このように、通常状態の通常遊技において普通図柄の第1当りに伴い普通電動役物90を長時間開放させることで、通常状態においても特図2保留を複数個貯めるチャンスを遊技者へ提供でき、すなわち、小当りV獲得のチャンスを複数回遊技者へ提供できる。例えば、図26の遊技フローにおいて、通常時から普通図柄の当りを経て連荘状態へ移行するルートを提供できる。
なお、開放抽選の結果が第2当りの場合の普通電動役物90の開放時間(「短開放時間」)は、長開放時間より短い時間であり、第2始動口12への入球が最大で1個または2個可能な時間に定められてもよい。また、短開放時間は、第2始動口12への入球が実質的に困難な時間に定められてもよい。
普通電動役物90の作動終了条件は、普通電動役物90が所定時間開放されたこと、または、第2始動口12への入球数が特図2(ここでは第2当否抽選値)の保留個数の上限値(実施例では4個)に達したことである。開閉制御手段275は、(1)普通電動役物90を開放状態に制御してからの経過時間が、長開放時間(第1当りの場合)または短開放時間(第2当りの場合)に達したことと、(2)第2始動口12への入球数が4個に達したことの少なくとも一方が満たされた場合、普通電動役物90を閉鎖状態に制御する。言い換えれば、第2始動口12への入球が不可(変形例として困難)になるよう普通電動役物90の状態を切り替える。
大当り(時短)を経由しない通常遊技における普通電動役物90の長開放は、例外的な遊技フロー(確率1/590)である。上記の作動終了条件により、例外的な遊技フローである大当り(時短)を経由しない通常遊技における小当りVが過度に発生することを抑制でき、出玉率を設計の範囲内に安定させやすくなる。また、通常状態における普通電動役物90の長開放時に、特図2の変動回数が想定値の4回を超えてしまうことを防止し、特図2の4回変動を前提とした出玉率を実現し易くなる。
時短の終了条件は、(1)大当りまたは小当りが発生したこと、(2)特図2の変動回数が9回(時短9回付与の場合)または1回(時短1回付与の場合)に達したこと、(3)特図1の変動回数が7回に達したこと、(4)特図1と特図2の変動回数の合計が15回(時短9回付与の場合)または7回(時短1回付与の場合)に達したことのいずれかが成立した場合に満たされる。特定遊技制御手段270は、特別遊技終了後の通常遊技の遊技状態を時短に移行させ、時短中の特図1の変動回数と特図2の変動回数をそれぞれ個別に計数する。特定遊技制御手段270は、上記の終了条件が満たされた場合、時短を終了させる。上記(2)(3)(4)のいずれかが成立した場合、特定遊技制御手段270は、通常遊技の遊技状態を通常状態に戻す。
このように、特図1の変動回数と、特図2の変動回数のそれぞれを時短の終了条件とすることで、時短1回の価値を担保することができる。すなわち、特図1の変動が7回に達するまでには、長開放された第2始動口12への入球が期待でき、第2始動口12への入球が生じれば、特図1より特図2が優先して変動し、高確率で小当り(および小当りV)を獲得することができる。時短終了条件における特図1の変動回数7回は、特別遊技の終了時点で存在しうる特図1の保留個数上限値(4個)と、誤って左打ちをした場合に生じうる第1始動口11への入球に対する保険(3個)の合計である。
後述するように、時短中の特図1の変動は超短縮変動のみであるため、実施例では保険の個数を多くしている。変形例として、時短中の特図1の変動がより長ければ、保険の個数をより少なくしてもよい(例えば1個)。
特定遊技制御手段270は、特図1または特図2の変動により時短の終了条件が満たされた場合、当該変動における特図1または特図2の停止表示時(言い換えれば変動時間終了時)に時短を終了させ、遊技状態を通常状態に戻す。
ここで、時短における第2始動口12への入球を契機とした1回の図柄変動時間(すなわち特図2の1回の変動時間)は、開放抽選(言い換えれば普通図柄抽選)が連続して実行された場合に少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上の値に設定される。言い換えれば、第2変動パターン決定手段232は、時短中の特図2の変動パターンとして、少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上の変動時間が規定された変動パターンを選択する。例えば、変動パターンテーブルは、時短中の特図2の変動パターンとして、少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上の変動時間が規定された変動パターンが選択されるように構成されてもよい。
前提技術にも記載したように、例えば、時短における普通図柄の1回の変動時間は2秒であってもよい。この場合、少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間は、約10秒となる(普通図柄の2回の変動時間+普通電動役物の1回の作動時間)。実施例では、時短における特図2の1回の変動時間は、10秒以上の所定時間に設定される。変形例として、特図2の1回の変動時間は、普通図柄が第1当りの場合の長開放時間(実施例では5.9秒)より長い時間に設定されてもよい。
ここで、通常時における普通図柄の第1当りの場合、特図2は最大4回変動する。第2始動口12への入球数が特図2の保留個数の上限値(4個)に達すると、普通電動役物90の開放が終了するからである。一方で、時短1回4R大当り終了後の通常遊技では、特図2は時短1回分と時短終了後の4回分で最大5回変動する。時短において普通図柄の第1当りにより開放された普通電動役物90は、第2始動口12への入球数が特図2の保留個数の上限値(4個)に達すると一旦閉鎖される。しかし、特図2の変動時間は、普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上であるため、2回目の普通図柄の第1当りが発生して普通電動役物90が開放され、第2始動口12への更なる入球(典型的には特図2保留が1つ増加)が可能になるためである。
このように、実施例のぱちんこ遊技機500では、通常時の普通図柄当りに基づくチャンスよりも、時短1回付与の大当り経由のチャンスの方が遊技者にとって有利となる。時短が最小の1回であっても、通常時の普通図柄当り時よりも小当りV獲得の可能性を高くすることで、大当りを獲得しようとする遊技者の意識を高めることができ、また、大当りを獲得した遊技者に報いることができる。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、当否抽選結果が外れである特別図柄変動の停止表示時に時短が終了した場合、停止表示させた特別図柄を予め定められた特図固定時間だけ固定表示させる際の特図図柄固定時間を長くする。言い換えれば、保留された当否抽選値(典型的には第2当否抽選値)に基づく次の図柄変動を、時短終了から特別に長く設定した特図固定時間が経過するまで開始させない。第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、特別図柄の固定表示タイミングであるか否かを、(1)特定遊技制御手段270が時短を終了させたこと(大当り図柄、小当り図柄の停止により、時短が終了する場合を除く)を検出することにより判定する。変形例として、(2)時短における特別図柄(特図2)の変動回数を計数することにより判定してもよい。ただし、ぱちんこ遊技機500では、特図1と特図2のそれぞれに時短終了条件が独立して定められ、また、通常時に特図2変動を実行することがあるため、(1)の方法がより好適である。
実施例における当否抽選結果が外れである場合の時短終了時の特図固定時間は6秒である。したがって、時短終了直前に普通図柄が当りになった場合であっても、普通電動役物90の開放(5.9秒)は、特図固定時間の経過前に終了する。これにより、特図2保留が想定以上に増えること(状況として、上記6秒の特図固定時間が無い場合、普通電動役物の作動中に、特図2の変動が開始すると、特図2の保留の空きが1個できてしまうため、時短終了後に意図しない特図2の5変動目が可能になること)を抑制し、すなわち小当りVが設計範囲を超えて発生することを抑制できる。
演出決定手段303は、開放抽選の結果が外れまたは第2当りの場合に予告抽選を実行し、予告抽選の結果に応じて、第1当りが発生してチャンス状態(普通電動役物90の長開放)に突入することを期待させる内容の予告演出(「ガセ予告演出」とも呼ぶ。)を表示させる。例えば、演出決定手段303は、開放抽選の結果が外れまたは第2当りの場合に、所定確率にてガセ予告演出を表示させてもよい。なお、実施例では、特図の当否抽選の結果に基づいては上記のガセ予告演出を表示させない。
演出決定手段303は、通常状態の通常遊技における特図1の変動中に、普通図柄が第1当り(長開放)を示す態様で停止表示されると、特図1の変動に対応する演出(装飾図柄61の変動演出等)の実行状態に応じた態様で普電開放演出(後述の保留チャージ演出に対応)を表示させる。普電開放演出は、チャンス状態への突入を示唆する内容の予告演出(以下「突入演出」とも呼ぶ。)を含む。また、普電開放演出は、右打ちを促す内容の予告演出(以下「右打ちナビ」とも呼ぶ。)を含む。右打ちナビは、第2始動口12への入球を狙って遊技球を発射するよう促す内容であってもよく、特図2の保留を貯めるよう促す内容であってもよい。ここで、普通図柄の停止表示後すぐに普通電動役物が作動してしまうと、遊技者が「右打ちナビ」をみて右打ちを開始しても十分に保留を溜められない恐れがあるため、停止表示後に普通電動役物が開放状態となるまでの普通図柄固定時間や普通電動役物作動開始デモ時間などの時間を長めに設定しておき、その時間を利用して「右打ちナビ」演出を出すものとすることが好ましい。なお、普電開放演出の実行開始タイミングを普通図柄が第1当りを示す態様で停止表示されると、としているが、右打ちを実行しなければ普通電動役物(特図2始動口)に対して遊技球を入球させることが難しくなることから、停止表示前の所定のタイミングから実行可能としてもよい(例えば、普通図柄が第1当りとなる場合の普通図柄変動時間の残り5秒程度のタイミングで前述のガセ予告演出に対して成功パターンとなる普通図柄当選演出を実行し、残り5秒間で遊技者に右打ちすべき状況を理解させる右打ち誘導演出を行う)。
演出決定手段303は、通常時(非時短遊技中)の特図1の変動がリーチ未成立またはノーマルリーチ成立中であれば、その変動演出の表示とともに(例えば変動演出の上に重ねて)、突入演出を表示させ、かつ、右打ちナビを相対的に大きいサイズで表示させてもよい。一方、特図1の変動がスーパーリーチ成立中であれば、突入演出を表示させず、右打ちナビを相対的に小さいサイズで表示させてもよい。すなわち、演出決定手段303は、リーチ未成立またはノーマルリーチ<普電開放演出<スーパーリーチの優先度で表示させてもよい。なお、通常状態において特別図柄の変動が実行されていない間も、普通図柄の第1当りは成立しうる。したがって、変動演出が表示中でなくても普電開放演出は表示されうる。表示の優先度は、演出表示装置60に対する描画処理において、最前面に重ねて表示するものを高優先度として扱ったり、演出表示領域の大きさが大きいものを高優先度として扱ったり、それらの複合など、おおむね遊技者に優先的に視認させようとする表示態様であればどのようなものでもよい。
2.複数種類の変動パターンモードに関連する構成:
図29は、複数種類の変動パターンモードを示す。実施例のぱちんこ遊技機500は、特図1および特図2の変動パターンの選択傾向が異なる複数種類の変動パターンモードを備える。実施例では、変動パターンモードごとに異なる変動パターンテーブルを参照して特図1および特図2の変動パターンを決定することとする。以下、モードN時に参照する変動パターンテーブルをモードNテーブルと呼ぶ。
実施例のメイン基板200は、モード0テーブル〜モード7テーブルを記憶する。第1変動パターン決定手段231は、遊技状態に応じてモード0テーブル〜モード2テーブルのいずれかを選択し、選択した変動パターンテーブルを参照して特図1の変動パターンを決定する。第2変動パターン決定手段232は、遊技状態に応じてモード0テーブル、モード3テーブル〜モード7テーブルのいずれかを選択し、選択した変動パターンテーブルを参照して特図2の変動パターンを決定する。言い換えると、特別遊技の終了後は、特図1、特図2の変動パターンテーブルのモード状態をそれぞれの変動回数に応じて個別に切り替える仕様となっている。このようにすることで、特図1、特図2に対してそれぞれ設けられた時短終了条件の内、特に特図2の時短遊技最終変動など特殊な演出を出したい受容があるタイミングなどで参照すべきテーブルが、特図1の変動が実行されることでずれてしまうといった問題を解決できる。
第1変動パターン決定手段231は、時短1回の4R大当り後(特別遊技終了後)の特図1の7変動分、モード1テーブルを参照して変動パターンを選択し、その後、モード0テーブルを参照して特図1の変動パターンを選択する。また、第1変動パターン決定手段231は、時短9回の大当り(15R、10R、5R、4R)の場合、特別遊技終了後の特図1の7変動分、モード2テーブルを参照して変動パターンを選択し、その後、モード0テーブルを参照して特図1の変動パターンを選択する。特別遊技終了後の特図1の7変動は、時短終了条件となる特図1の変動回数に対応する。モード1テーブルとモード2テーブルはいずれも、超短縮変動(実施例では約3秒)の変動パターンを規定する。言い換えれば、モード1テーブルとモード2テーブルはいずれも超短縮変動が選択されるように設定される。
演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231によりモード1またはモード2の変動パターンが選択された場合、ラッシュ演出(時短遊技の演出モード)の準備中である旨を示す演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、ダミーのラウンド演出を表示する変動演出パターン(および予告演出パターン、以下同じ)を選択し、ダミーのラウンド演出を表示させてもよい。ダミーのラウンド演出は、現在特別遊技中であるかのように見せる内容でもよく、特別遊技の最終ラウンドが継続しているかのように見せる内容でもよい。なお、モード1テーブルおよびモード2テーブルにおける特図1の変動が当りである場合には、「超短縮変動」以外の「当り報知用演出変動(10秒)」等を選択可能としてもよい。これらモード1テーブル、モード2テーブルによって選択された特図1の変動に関する演出表示装置60上の装飾図柄表示は、表示領域の隅の部分などで目立たないように実行ように行うことが好ましいが、モード1テーブル、モード2テーブルの変動が5回目等である場合には、遊技者が遊技性を理解せず左打ちをしてしまっている恐れがあるため、専用の右打ち誘導演出を表示するものであってもよい。
変形例としてモード1とモード2の少なくとも一方を設けなくてもよい。モード1、モード2を設けた場合、特図2の変動により連荘が終了した時の左打ち時(特図1の7回変動により時短が終了したとき以外)に、特図1の変動が超短縮変動になる可能性があるからである。また、別の変形例として、モード1、モード2を設けた場合、特図1の超短縮変動に対応する専用演出を設け、演出決定手段303は、連荘状態終了後の特図1変動においてその専用演出を表示させてもよい。
第2変動パターン決定手段232は、時短1回の4R大当り後の特図2の1変動目に、モード3テーブルを参照して特図2の変動パターンを選択し、その後、モード0テーブルを参照して特図2の変動パターンを選択する。通常状態における特図2の変動は、小当りVを獲得するチャンスであるため、モード0における特図2の変動パターンは、チャンス演出用の変動パターンである。演出決定手段303は、第2変動パターン決定手段232によりチャンス演出用の変動パターンが選択された場合、チャンス演出を表示する変動演出パターンを選択し、チャンス演出を表示させる。
また、モード3テーブルは、チャンス演出用の変動パターンが選択されるよう設定される。チャンス演出は、保留チャージ演出を含む。保留チャージ演出は、特図2の保留を貯めることを促す内容の演出である。保留チャージ演出は、(1)第2始動口12を狙って遊技球を発射するように促す内容であってもよく、(2)右打ちを促す内容であってもよく、(3)右打ちをしない場合、不利益となることを示唆する内容であってもよい。演出決定手段303は、第2変動パターン決定手段232によりチャンス演出用の変動パターンが選択された場合、チャンス演出を表示する変動演出パターンを選択し、特図変動演出としてチャンス演出(保留チャージ演出を含む)を表示させる。
モード3テーブルの変動パターンは、時短における遊技球の新たな発射〜作動口通過〜開放抽選、普通図柄変動〜普通図柄当り〜普通電動役物90の開放に要すると想定される時間以上の変動時間を規定する。ここで、開放抽選に外れがある場合、保険として、上記の開放抽選、普通図柄変動を2変動分以上にした時間以上の変動時間が規定されることが好ましい。このように設計する理由としては、普通電動役物90の作動終了条件に、「4球(特図2保留可能数上限)の遊技球の入球があった場合」を含んでおり、モード3テーブルの変動が行われている間に少なくとも1回普通電動役物90を作動させなければ、特図2の保留を4つ溜めることができないためである。なお、モード3テーブルである場合における変動が、小当り、大当りである場合には、特別遊技後も時短遊技状態となるため、上記のような時間より短く、すぐに当りを報知する演出が表示ないし実行されるものを含んでいてもよい。
第2変動パターン決定手段232は、時短9回の大当りの場合、(1)モード4テーブルを1回参照、(2)モード5テーブルを1回参照、(3)モード6テーブルを7回参照、(4)モード7テーブルを4回参照し、時短中および時短終了後の保留4個分の、特図2の13変動分の変動パターンを選択する。
モード4テーブルは、時短における特図2初回変動の変動パターンとして、大当り終了デモ演出用の変動パターンを規定する。演出決定手段303は、第2変動パターン決定手段232により大当り終了デモ演出用の変動パターンが選択された場合、大当り終了デモを表示する変動演出パターンを選択し、大当り終了デモ演出を表示させる。大当り終了デモ演出は、大当りの終了を示す内容(現在の連荘回数や累計獲得出玉表示など)、時短への突入を示す内容、右打ちを促す内容、ラッシュ演出の演出モード選択画面(ノーマルタイプ、予告多めタイプ、一発告知タイプなどのキャラクタ選択)を含んでもよい。時短における特図2初回変動で大当り終了デモ演出を表示させるのは、右打ちを促して特図2保留を貯めさせるためである。別の効果として、特図2変動より先に実行された特図1変動を隠しやすくなり、また、遊技者から見た大当り終了から特図2変動開始までの時間を短縮しやすくなる。
演出決定手段303は、メイン基板200から大当り終了デモの実行を指示するコマンド(モード4テーブルの変動パターンを含む情報ではない)を受信した場合に、ラウンド演出(例えば特別遊技の最終ラウンドの演出)を継続してもよい。この場合、遊技者が最終ラウンドにて遊技球の発射を停止した場合、特図2保留が生起せず、いつまでも終了デモ(モード4テーブルによる特図2変動演出)へ移行しない可能性がある。そこで、演出決定手段303は、大当り終了デモの実行を指示するコマンドを受信してから所定時間経過後に、右打ちを促す内容の演出、言い換えれば、第2始動口12を狙った発射を促す内容の演出を表示させてもよい。特に初当り(非時短中の大当り)であり、ラッシュ演出に対応した時短9回の遊技状態へ移行する場合には、特図2の保留がない状況であることが多いため、初当り時に限り、実際のメイン基板200の大当り終了デモ時間において終了デモ演出を実行可能としてもよく、その際にはモード4テーブルを省略してモード6テーブルの回数を1回増やすようにする。また、モード4テーブルにおける変動が大当りや小当りである場合に、大当り終了デモに変えて(または加えて)、先の特別遊技のラウンド数(出玉数)に追加獲得されたラウンド数(出玉数)を報知し、2つの大当り、小当りが連続するような演出を報知するものを有してもよい。なお、先の大当り、小当りの開始デモの際にあらかじめ保留内にも当りが含まれることを報知する演出を実行することで、モード4テーブルの当り変動を違和感なく終了デモ演出から変更可能とすることもできるが、その際当該開始デモの演出においては、後続の当りの種別は非報知としておくことで、後続の当りの実際の変動の実行時に当り種別の報知演出を実行させることができ、大当り中においてもどれだけの出玉が追加されるかわからず期待感を膨らませて待機させることができる。
モード5テーブル〜モード7テーブルは、複数種類の演出(第1の煽り演出、第2の煽り演出、第3の煽り演出、・・・、通常演出等)を含んでもよく、各演出の選択確率に異なる値を設定したテーブルでもよい。変動パターンテーブルを分けることにより、演出の出現頻度を変えることができ、例えば、一度も煽り演出がなく連荘状態が終了してしまうことを回避しやすくなる。変形例として、時短9回付与時の2変動目〜時短抜け後の4変動は1つの変動パターンテーブルにて特図2の変動パターンを決定してもよい。また、モード5の変動時間>モード6の変動時間の場合、時短における最終変動の変動時間を長く確保して特図2の保留を上限まで貯めさせるために、モード5とモード6の順序を入れ替えてもよい。
実施例のぱちんこ遊技機500では、一般的なぱちんこ遊技機に多く見られる時短遊技終了タイミングでの遊技者に出玉を報知するための最終変動専用の変動パターンテーブルを設けない。本実施例での最終変動は時短終了後の特図2保留が0となる変動(主に時短終了後4変動目)であり、典型的には連荘状態における特図2の最終変動である。理由として、特図2の小当り確率は1/10と高確率であるため、それまでのラッシュ中の他の変動と差を設けないほうがよいからである。また、出玉表示専用の変動パターンテーブルを設けると、特図1変動で時短が終了した場合や、時短終了時点の特図2保留が3個しかなかった場合等のイレギュラーな状況で、通常時の普通図柄当りに伴う特図2変動中に、出玉報知演出が表示されてしまう(本来はチャンス演出)可能性がある。これを回避するためにも、出玉報知専用の変動パターンテーブルを設けないことが好ましい。
ここで出玉報知の構成を説明する。演出決定手段303は、(1)時短の終了契機となる特別図柄の変動が外れの結果で終了した場合、または、(2)時短終了後に残存する第2当否抽選値(すなわち特図2保留)に基づく変動が外れの結果で終了した場合に、それまでの出玉に関する演出(以下「出玉報知演出」)を所定時間表示させる。出玉報知演出の表示時間は例えば5秒であってもよい。上記(1)(2)は、演出決定手段303で制御すべき演出状態が時短用状態(ラッシュ演出)から通常時に戻る場合である。また、上記(1)は、時短の最終変動が終了した時点で特図2の保留が存在しなかった場合である。上記(1)または(2)の変動が大当り(小当りV含む)となった場合、出玉報知演出は、次の時短終了時まで実行されない。
出玉報知演出は、(1)特別遊技中の出玉、(2)小当り遊技の出玉、(3)時短中の出玉(特図2始動口や一般入賞口などの入賞口による賞球)について、(1)のみを報知する内容、(1)+(2)を報知する内容、(1)+(3)を報知する内容、または(1)+(2)+(3)を報知する内容であってもよい。報知される出玉は、1回以上の時短を挟んで1回以上の特別遊技が連続的に実行された場合に、この連荘期間における合計の出玉であってもよい。また、報知される出玉は、図26の初当りおよび連荘状態中の出玉の合計、言い換えれば、通常時における初当りの発生から連荘状態を経て再度通常時に戻るまでの出玉の合計であってもよい。
また、出玉は、ぱちんこ遊技機500から払い出された遊技球の個数(賞球数)であってもよく、払い出された遊技球の個数からアウトとなった遊技球の個数を差し引いた数(いわゆる純増数)でもよい。演出決定手段303は、払い出した遊技球の個数を払出制御基板155から取得し、また、アウト球の個数をアウト検出装置39から取得して出玉を計数してもよい。
演出決定手段303は、第1始動口11への入球に基づく当否判定の結果を示す特別図柄(すなわち特図1)が変動中の場合、その変動演出よりも視認性が高い態様で出玉報知演出を表示させる。具体的には、演出決定手段303は、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動画面を、装飾図柄61の停止表示時以外において一旦非表示とし、出玉報知演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動表示領域(停止表示領域)とは別の領域に出玉報知演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、出玉報知演出を表示させる際に、特図1変動を、通常より小さい画面(ワイプ等)、または、出玉報知演出の表示画面より小さい画面で表示させてもよい。
この態様によると、小当りの確率が比較的高い特図2に関する変動演出を、出玉報知演出で阻害することなく表示させ、また、様々な状況に応じて時短演出モード(ラッシュ演出)が終了した場合に、好適なタイミングおよび態様で出玉を報知することができる。なお、演出決定手段303は、時短終了後に、(1)特図1変動と特図2変動の両方が所定時間未実行である場合、または、(2)特図1の変動が開始された場合(ラッシュ演出終了後10分以上経過した場合を除く)に出玉報知タイミングと判定し、出玉報知演出を表示させてもよい。
3.チャンス演出に関連する構成:
演出決定手段303は、特図2の変動パターンモードがモード0のときの特図2変動中(言い換えれば、第2変動パターン決定手段232によりモード0の特図2変動パターンが選択された場合)、チャンス演出を表示させる。チャンス演出は、(1)図26の通常時に普通図柄が第1当りとなった場合、特図2保留生起時に表示される。また、(2)時短1回の4R大当り後で、時短終了後の残存保留(特図2保留)消化中に表示される。いずれの場合も特図2の4変動が想定される。
なお、上記(1)(2)のときと、時短9回の大当り後で、時短終了後の残存保留(特図2保留)消化中のときは、メイン基板200の遊技状態は同じ(通常状態)であるが、変動パターンモードが異なる(異なる変動パターンテーブルから異なる変動パターンが選択される)ため、前者と後者は異なる演出を表示する。前者はチャンス演出、後者はラッシュ演出である。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合、上記の保留チャージ演出を演出表示装置60に表示させる。演出決定手段303は、普通電動役物90が開放状態に制御される時間、保留チャージ演出を表示させてもよい。保留チャージ演出は、普通電動役物90の開放を報知する内容の演出(普電開放演出)を含んでもよい。また、保留チャージ演出は、チャンス演出への突入を予告する内容の演出(チャンス突入演出)を含んでもよい。
保留チャージ演出およびチャンス突入演出は、演出決定手段303が表示させる画像演出の中でも高い優先度(例として、エラー表示や、右打ち表示、停止表示時の装飾図柄、保留数表示等の遊技者の遊技に必要な情報より優先度が低く、変動中の他の予告演出などよりは優先度が高い)が設定される。ぱちんこ遊技機500では、小当りVの獲得有無が出玉に大きく影響し、小当りVの獲得には特図2保留を貯めることが重要だからである。ただし、特定の態様で作動した場合に大当り期待度が高確率(例えば70%程度)の役物(ここでは「特殊役物」と呼ぶ。)がぱちんこ遊技機500に設けられる場合、特殊役物による演出を保留チャージ演出およびチャンス突入演出よりも優先して実行してもよい。また、保留チャージ演出およびチャンス突入の表示中、特殊役物以外の役物(特殊役物より大当りの期待度が低い役物)を作動させる演出をキャンセルしてもよい。
演出決定手段303は、通常時における保留チャージ演出表示中に特図2変動が開始された場合、保留チャージ演出の表示終了後(普通電動役物90の作動終了後)に、特図2変動に対応する装飾図柄61の変動表示を開始させる。この場合、演出決定手段303は、特図2の変動パターンに対応する変動演出パターンに基づく装飾図柄61の変動を途中から開始させてもよい。また、演出決定手段303は、保留チャージ演出表示中、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動表示を、保留チャージ演出の表示領域とは異なる領域に通常より小さく表示させてもよく、保留チャージ演出の表示領域より小さい領域に表示させてもよい(ワイプ表示等)。
図29に関連して説明したように、時短1回の4R大当り終了後の時短中、特図2の1変動目には保留チャージ演出を表示する。演出決定手段303は、時短中、特図1の外れ変動に係る演出を表示しない(変動中であることは識別可能とするために、小さく装飾図柄61を表示する)。時短中の特図1変動は、即時消化目的で3秒固定であり、出玉に直結する重要な内容は表示されないからである。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合と、時短1回の4R大当り終了後の時短中、特図2の1変動目の場合の両方で保留チャージ演出を表示させる。ただし、前者は、普通電動役物90の開放中の演出であり、後者は、特図2変動中の演出という違いがある。普通電動役物90の開放中、特図1は様々なパターンで変動する可能性があるため、演出決定手段303は、保留チャージ演出を表示させるとともに、特図1の変動(外れ変動含む)に対応する装飾図柄61の変動演出を、保留チャージ演出より小さく表示させる(ワイプ表示等)。
通常状態における保留チャージ演出の表示優先度は、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動演出の状況により設定される。例えば、演出決定手段303は、特図1の変動パターンがスーパーリーチ等の重要度が高いものでなければ、保留チャージ演出を相対的に視認性が高い態様で表示させ、装飾図柄61の変動演出を相対的に視認性が低い態様で表示させてもよい。視認性が高い態様は、表示サイズが大きいこと、目立つ色彩(明度、彩度が高い等)であること、エフェクトが付加されること、他の演出よりも前面に描画されることのいずれかを含んでもよい。なお、特図1の変動パターンがスーパーリーチ等の重要度が高いものである場合、表示優先度を逆にし、保留チャージ演出を演出表示装置60の画面の隅等に小さく表示(単純に小さくするものではなく、表示を簡略化するなど形態が変わるものであってもよい)し、特図1変動に対応するスーパーリーチ演出を大きく表示させてもよい。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合と、時短1回の4R大当り終了後の時短中、特図2の1変動目の場合の両方で保留チャージ演出を表示させ、保留チャージ演出の終了後、特図2の変動演出としてチャンス演出を表示させる。演出決定手段303は、基本的に遊技者のボタン操作に基づいて、チャンス演出を進行させるが、ボタン非操作時に専用の演出も設けられる。例えば、遊技者がボタンを操作する場合、チャンス演出は、予告1、予告2、予告3等、複数の予告を経由してリーチ演出へ発展する。一方、遊技者がボタンを操作しない場合、チャンス演出は、予告1、予告2、予告3、予告4等、複数の予告を経由してリーチ演出へ発展するが、上記の予告4は、ボタン非操作時に専用の演出であり、ボタン操作時には表示されない。演出決定手段303は、ボタンの有効期間経過時に操作がなかった場合に予告4の演出抽選をしてもよいし、変動開始時にボタン操作があった場合となかった場合で実行する演出双方を抽選する仕様として、非操作で予告4が出現する示唆演出(例えば特殊ボタン画像表示やミニキャラアイコン表示)をボタン有効期間に実行可能としてもよい。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合と、時短中における特図2の1変動目の場合の両方で保留チャージ演出を表示させるが、保留チャージ演出の表示中に生起した特図2保留について、事前判定情報(実施例では事前当否判定情報)に基づいて、当りか外れかを検出(いわゆる先読み)する。演出決定手段303は、通常状態では、図柄大当りおよび小当りの有無を先読みする一方、時短状態では、小当りの有無のみを先読みする。時短状態における特図2の図柄大当りは、小当りVに比べて低利益だからである。
前提技術で記載したように、演出決定手段303は、演出表示装置60の画面下部に、特図1の保留個数および特図2の保留個数を示す保留ランプ画像を表示させる。演出決定手段303は、上記の先読み結果を保留変化として表示させる。例えば、演出決定手段303は、先読みの結果、ある特図2保留が小当り(または図柄大当り)の場合、その特図2保留に対応する保留ランプ画像を、通常態様から小当り(または図柄大当り)を示す特殊態様に変化させる。例えば、保留ランプ画像がプレゼント箱を示すものの場合、そのプレゼント箱の形状や色彩を変化させてもよい。
また、演出決定手段303は、特図1保留の先読みをさらに実行してもよい。演出決定手段303は、特図1保留の先読みを実行中、普通図柄の第1当りが発生した場合、それまでの先読み結果、および、それまで実行中の先読み演出をキャンセルして、保留チャージ演出を表示させてもよい。例外として、演出の傾向(登場するキャラクタの種類や世界観等)を変化させるような演出ゾーンの移行等、変動演出パターンの抽選モードを変化させる先読み演出はそのまま実行してもよい。
また、演出決定手段303は、特図1保留の先読みで図柄大当りを検出した場合でも、その大当り保留前の他の保留の変動にて大当りとなる場合、後続の大当り保留に対しては将来の大当りを報知する演出を実行しない。特図1の大当りが確定した状態で、普通図柄の第1当りから小当りVが発生した場合、時短中に特図2保留を貯めずに特図1大当りを消化して時短回数をリセットすることが可能になるからである。例えば、時短1回から9回へ変化させて新たな小当りVの可能性を高めるような攻略法が生じてしまうからである。
4.連荘状態に関連する構成:
連荘状態は、通常時の特図1大当りの50%で直移行し、また、通常時の普通図柄第1当り後の小当りVで直移行するモードである。連荘状態における時短時に、典型的には、時短9回+残り保留4回が実行され、小当り確率1/10の特図2抽選が合計13回実行される。時短9回中に小当りないし大当りを獲得する確率は約61%であり、残り保留4回で小当りないし大当りを獲得する確率は約34%であるため、当該連荘状態が継続する確率は約75%程度である。
演出決定手段303は、連荘状態の時短における特図2の初回変動時に、モード4の変動パターンに応じて、大当り終了デモと保留チャージ演出(右打ちナビ)を表示させる。演出決定手段303は、連荘状態の時短において特図2の初回変動前に特図1の変動が実行され(特図2保留が0の場合)、その特図1が大当りだった場合、特別遊技の最終ラウンド演出中(または終了デモ演出中)に、所定の役物(特殊役物等)を動作させ、大当りが延長したかのように見せる演出を出力してもよい。別の態様として、演出決定手段303は、大当りとなる特図1の変動中に、特別遊技のラウンド演出を一時停止させ、巻き戻して再生する等、特別遊技の見た目で大当りが延長したかのように見せてもよい。なお、モード4テーブルにおける特図2変動が小当りや大当りである場合にも同様の演出を実行可能である。
演出決定手段303は、連荘状態の時短中における特図2の変動演出としてラッシュ演出を表示させる。ラッシュ演出は、時短終了時点で特図2保留が最大限(4個)残存することを想定して設計されている。ぱちんこ遊技機500では、時短終了後の残り保留でも小当りVの期待度が高い(小当り確率1/10)ため、時短終了時点で特図2保留が4個貯まっていることが重要である。そのため、演出決定手段303は、連荘状態の時短における最終回(9回目)の特図2変動においても保留チャージ演出を表示させる。
時短の特図2最終変動での保留チャージ演出も、時短の特図2初回変動での保留チャージ演出と同様に、第2始動口12を狙った遊技球の発射を促す内容である。演出決定手段303は、時短の特図2最終変動での保留チャージ演出を、装飾図柄61の変動演出の隅に重ねて表示させてもよい。実施例では、時短における特図2変動は10秒以上であるため、最終変動のみ(初回変動は別途)保留チャージ演出を表示させることで十分であるが、最終変動において短時間の特図2変動が選択されうる仕様を採用する場合は、7変動目または8変動目から保留チャージ演出を表示させてもよい。
1種1種遊技機に慣れた遊技者は時短の長時間の変動中に止め打ちを行いやすいと想定されるが、少なくとも最終変動で保留チャージ演出を表示させることで、小当りVという非常に大きな利益を獲得する機会を遊技者が逃してしまうことを抑制できる。
実施例のぱちんこ遊技機500では、時短における特図2の最終変動(9変動目)は、図柄固定時間が長く設定される。図柄固定時間は、特別図柄の変動停止から、その停止表示が継続される時間であり、保留済の抽選値に基づく次の図柄変動の開始を遅延させる時間である。時短における特図2最終変動の図柄固定時間は、普通図柄の第1当りに伴う普通電動役物90の開放時間(6秒)以上に設定され、実施例では6秒とする。他の時点における図柄固定時間は、時短における特図2最終変動の図柄固定時間より短くてもよく、例えば1秒や0.5秒であってもよい。
一方で、既述したように、特定遊技制御手段270は、特図2変動により時短の終了条件が満たされた場合、ここでは特図2の変動回数が9回に達した場合に、特図2の停止表示時に時短を終了させる。言い換えれば、図柄固定時間移行前に時短を終了させる。したがって、時短の終了直前に普通図柄が第1当りとなった場合でも、普通電動役物90の長開放は図柄固定時間内に終了する。そして、特図図柄固定時間においては、時短状態が終了していることから、普通図柄が新たに変動を開始しても第1当りとなる確率は1/590と稀である。これにより、時短終了時点の特図2保留4個に対して+1の特図2保留が発生することを防止する。+1の特図2保留が発生すると、小当りの発生可能性が設計以上に高まる点で好ましくなく、また、ラッシュ演出の直後にチャンス演出が表示される点で好ましくないからである。なお、時短終了後において1/590で普通図柄が第1当りとなった場合には、通常時同様に普電開放演出である保留チャージ演出を実行してもよく、そのような場合には、ラッシュ演出用の4変動後追加で発生する特図2の変動は、モード0テーブルの変動である場合において、チャンス演出をラッシュ演出の後に連続して実行する。なお、演出データは増えてしまうが、モード0テーブルの変動パターンに対しても、ラッシュ演出用の変動演出パターンを設けることが可能である場合においては、演出決定手段303においてラッシュ演出との連続性を判定し、モード0テーブルの変動においてもラッシュ演出を継続させるように制御してもよい。
実施例のラッシュ演出は、時短終了前と時短終了後で同じ態様で表示される。例えば、演出決定手段303は、モード6の変動パターンと、モード7の変動パターンのいずれの場合も、演出決定手段303は、同一または類似する内容のラッシュ演出に対応する変動演出パターンを選択し、同一または類似する内容のラッシュ演出を表示させる。そのため、時短終了後(左打ちが有利な状態)であるにも関わらず、時短中(右打ちが有利な状態)であると遊技者が誤認する可能性がある。
演出決定手段303は、時短中、遊技者に右打ちするように促す内容の画像(「右打ち推奨画像」と呼ぶ。)を演出表示装置60に表示させる。演出決定手段303は、ラッシュ演出中の特図2の10変動目(すなわち時短終了後の特図2の1変動目)から、または、ラッシュ演出中の特図2の9変動目終了後の図柄固定時間から、右打ち推奨画像に代えて、遊技者に左打ちするように促す内容の画像(「左打ち推奨画像」と呼ぶ。)を表示させてもよい。
ただし、時短終了前と時短終了後で演出内容は同様であるため、左打ちを派手に推奨すると遊技者の混乱を招く可能性があり、また、連荘状態終了後には出玉報知演出を表示するため、事前に特図1保留を貯めさせることも望ましくない。そこで、演出決定手段303は、左打ち推奨画像を、右打ち推奨画像より目立たないよう小さく表示させてもよい。また、演出決定手段303は、左打ち推奨画像を、瞬間的または短時間表示させてもよく、一時的または所定時間おきに表示させてもよい。
また、演出決定手段303は、ラッシュ演出中の特図2の10変動目から、または、ラッシュ演出中の特図2の9変動目終了後の図柄固定時間から、右打ち推奨画像を非表示とし、左打ち推奨画像も非表示としてもよい。この場合、状態表示ランプ502の点灯態様のみで左打ちを推奨してもよい。なお、演出的に左打ち推奨画像を目立つように表示開始するタイミングとしては、出玉報知演出と同時や、出玉報知演出の後とすることが望ましい。この時、特図1の変動が実行されている場合には、遊技結果を報知するために装飾図柄が停止するタイミングと重ならないタイミングに合わせて左打ち推奨画像を表示させるようにするのが好ましい。
ラッシュ演出用の変動演出パターンは、(1)疑似変動演出4〜8回(最低4回)(2)予告演出、(3)リーチ演出(一部の変動演出パターンのみ)を含みうるものであり、(1)、(1)+(2)、(1)+(2)+(3)のいずれかで1回の特図2の変動に対応した変動演出が終了する。一般的に小当りVスペックにおける小当り高確率図柄(特図2)では、当否に関する先読み情報のみを事前に報知可能である。また、保留された抽選値について、当該抽選値に基づく図柄変動の実行時まで、図柄と変動パターンは不明である。一方、遊技者は、従来機種における図柄と変動パターンを含む連続先読み演出に慣れており、そのような先読み演出がないと違和感を抱く可能性がある。そこで、ぱちんこ遊技機500では、従来機種の先読み演出に外観上類似する疑似変動演出中の疑似先読み演出により期待度を表示する。疑似変動演出は、装飾図柄61の変動を所定の基準値未満の時間(0.5秒等)停止(仮停止)させ、その後、装飾図柄61の変動表示を再開することにより、実際には1回の変動であるが見た目上、複数回の変動がなされているように見せる内容である。疑似変動の仮停止や再変動に伴い、(2)予告演出や、(3)リーチ演出の実行期待度や実行内容を示唆する疑似先読み演出を行う。疑似先読み演出の一例としては、同様の種類(色、形態、キャラクタ等)にカテゴライズされる装飾図柄の組み合わせが連続して仮停止するチャンス目先読み、画面周囲に表示されるエフェクトパターンが仮停止、再変動毎に高期待度のものに遷移していくエフェクトステップアップ先読みなどがあげられる。
演出決定手段303は、次回の図柄変動に影響する本来の意味での先読み演出として、次回の図柄変動に対応する抽選値の事前当否判定情報に応じて、直前の特図2の変動に対応する装飾図柄変動演出の最終停止図柄としてゾーン移行図柄停止先読み演出を表示させてもよい。ゾーン移行図柄停止先読み演出は、次回の図柄変動を高期待演出モードで表示することを予告する内容である。また、演出決定手段303は、次回変動の当否が特図2の小当りの場合や外れの場合(ガセを実行)、今回の変動にてゾーン移行図柄停止先読み演出を表示させ、その一方、次回変動の当否が特図2の図柄大当りの場合、今回の変動にてゾーン移行図柄停止先読み演出を実行しなくてもよい(低利益であるため)。また、次回の変動が小当りである場合であっても、今回の変動が(3)リーチ演出まで発展する場合は、当該変動の結果(装飾図柄の停止態様)に注目しているため、ゾーン移行図柄を使用する先読み演出は抽選の対象外としてもよい。そのため、本先読み演出は、特図2の変動開始毎に次の保留の当否を判定して、当該開始することとなる変動の変動パターンの種別に応じて先読み抽選を実行するように制御する。なお反対に、リーチ変動であるにも関わず当該変動の最終停止図柄がゾーン移行図柄となる場合、次回の変動が当り確定となるよう報知する方法を採用してもよい。
演出決定手段303は、ラッシュ演出中、保留ランプ画像を非表示とする。保留ランプ画像により保留個数を報知してしまうと、上記の疑似変動演出の意義が損なわれるからである。一方、演出決定手段303は、ラッシュ演出中(時短中)、特図2の残り変動回数を表示させる。例えば、時短における特図2の2変動目(ラッシュ演出開始1変動目)には、特図2の残り変動回数が8回であるため、「8+えくすとら」と表示させ、特図2の2変動目には「7+えくすとら」と表示させる。「えくすとら」は、時短終了後の特図2残存保留による変動を示す。なお、演出決定手段303は、時短終了後に消化される特図2保留が実際に生起した場合、例えば、時短における特図2の6変動目以降に保留4が生起した場合に、「えくすとら」を表示させてもよい。なお、残り変動回数の表示は、今回の変動を含めた数でもよいし、今回の変動を除いた時短終了までの変動回数のいずれでもよい。また、残り回数表示は、「残りN回」と直接的に表現せず、「N日目/8日+えくすとら」といった、遠回しの表現を採用してもよい。この時、N日目(朝)、N日目(昼)、N日目(夜)や、N日目AM10:00、N日目PM2:00、N日目PM8:00といったような時間経過表示とともに上記(1)疑似変動期間、(2)予告演出期間、(3)リーチ演出期間と切り分けて表示してもよい。さらに、上記12時間表記の時間の分の部分(及び時の部分)を疑似変動毎に進行させ、あるタイミングでぞろ目「N日目PM5:55」となった場合などに当りの期待度が高い、ないし当り確定である旨を報知する方法を採用してもよい。
5.遊技待機デモに関連する構成:
演出決定手段303は、特図1または特図2の変動が所定の待機デモ移行時間なされない場合、演出表示装置60に所定の遊技待機デモの画像を表示させる。遊技待機デモは、ぱちんこ遊技機500の演出におけるテーマやモチーフ、ストーリー、概要等を示す動画であってもよい。
待機デモ移行時間は、普図保留手段242が普図抽選値を上限まで保留した場合の普通図柄の最長変動時間より長く設定される。実施例では、普図抽選値の保留個数の上限は4個であり、普通図柄が外れまたは第2当りの場合の1変動の最長変動時間(通常状態時)を10秒とし、第1当りの場合の1変動の最長時間を15秒(通常状態時)とする。この場合、普図抽選値が上限まで保留された場合であって、特別図柄の変動が実行されない状況下での普通図柄の第1当り(長開放)が最も遅く報知されることとなる最長時間は、45秒(10秒×保留3個+15秒×保留1個)になる。したがって、待機デモ移行時間は、45秒より長く設定され、例えば60秒に設定される。
既述したように、演出決定手段303は、通常状態の通常遊技において普通図柄の第1当りに伴い普通電動役物90が長時間開放される場合、第2始動口12を狙った遊技球の発射を促す内容の保留チャージ演出を表示させる。待機デモ移行時間が、普図抽選値が上限まで保留された場合の普通図柄の最長変動時間より長く設定されることにより、遊技待機デモの表示中に普通図柄が第1当りとなって普通電動役物90が長開放されることを回避でき、言い換えれば、遊技待機デモの表示中に保留チャージ演出が表示されることを回避できる。これにより、遊技者が保留チャージ演出に気付かずに、小当りVを獲得し得る機会を失ってしまうことを防止しやすくなる。また、一方で本実施例の遊技機では、普通図柄の第1当りが遊技性に大きな影響を当たれるため、普通図柄の変動表示も遊技が進行している状態として扱うことが好ましく、普通図柄の変動表示に基づく遊技の進行状態が遊技待機デモの表示により非遊技中であると誤認されてしまうことを防止する。
変形例として、演出決定手段303は、遊技領域81に設けられた複数の入賞口または入球口のいずれかへの遊技球の入球が、上記の待機デモ移行時間未検出であり、かつ、特図1または特図2が変動中でなければ、遊技待機デモの画像を表示させてもよい。複数の入賞口または入球口は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33を含む。入球の有無は、これらの入賞口と入球口のそれぞれに設けられたセンサ(第1始動入賞検出装置16、第2始動入賞検出装置17等)により検出されてもよい。この変形例においても上記実施例と同様の効果を奏する。
別の変形例として、ぱちんこ遊技機500は、第1始動口11と第1作動口31が上下に近接して設けられ、第1作動口31を通過した遊技球がほぼ確実に(もしくは100%)第1始動口11へ入球するように遊技領域81(遊技釘や風車等)が構成されてもよい。また、第1始動口11へ入球する遊技球は、第1作動口31を通過した遊技球に限定されるように遊技領域81が構成されてもよい。
この場合、
特別図柄(ここでは特図1)の保留4個消化に係る平均変動時間+待機デモ移行時間
> 普通図柄の保留4個の最大変動時間
になるよう待機デモ移行時間が設定されてもよい。例えば、普通図柄の保留4個の最大変動時間が45秒で、特別図柄の保留4個消化に係る平均変動時間が20秒の場合、待機デモ移行時間は25秒より長い時間(例えば30秒等)に設定されてもよい。この変形例においても上記実施例と同様の効果を奏する。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を挙げる。
変形例1を説明する。実施例においても一部既述したが、演出決定手段303は、通常状態の通常遊技において普通図柄の第1当りに伴い普通電動役物90が開放される場合に保留チャージ演出を表示させてもよい。そして、保留チャージ演出の表示中、演出決定手段303は、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を縮小表示(ワイプ表示)させてもよい。例えば、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を、保留チャージ演出より小さいサイズで表示させてもよい。また、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を、保留チャージ演出の非実行時の表示サイズより小さいサイズで表示させてもよい。
変形例1でも実施例と同様に、時短中の通常遊技における特図1の変動時間は、通常状態の通常遊技における特図1の平均変動時間より短い時間(実施例では3秒)に固定される。変形例1では、演出決定手段303は、特別遊技における最終ラウンドが終了してから、時短における特図2の初回変動終了までの間、大当り終了デモおよび保留チャージ演出を継続して表示させる。演出決定手段303は、時短中の通常遊技において保留チャージ演出を表示中、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を非表示とする。
なお、時短中、演出決定手段303は、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を非表示としつつ、変動演出の結果である停止態様のみ簡易図柄(通常の装飾図柄61より小さい図柄)により示してもよい。または、当りか外れかの結果のみを簡易図柄により示してもよい。また、時短中に特図1の図柄大当りが発生した場合、演出決定手段303は、その図柄大当りを実施例に記載の特殊役物の作動により報知してもよい。
このように、変形例1の演出決定手段303は、時短中における特図1の変動演出を、通常時の普通図柄第1当りに伴う普通電動役物90開放中より一層視認性を低下させて表示させる。このように、特図1の変動演出の重要性が相対的に低い場合に、当該変動演出を目立たない態様で表示させ、または、非表示とすることで、保留チャージ演出等、遊技者が利益を獲得するためにより重要な他の演出を強調して提示することができる。
第2始動口12に関する変形例2を説明する。図30は、始動口ユニット510の斜視図である。始動口ユニット510は、第1始動口11、第2始動口12、複数の一般入賞口33が一体化された部品である。始動口ユニット510は、センター飾り64の下位置に設けられる。すなわち、本変形例の第2始動口12は、遊技領域81の中央下部に設けられる。図31は、始動口ユニット510の上面図であり、下が前方である。
図32は、始動口ユニット510の断面図であり、具体的には、図31のA−A断面図である。左打ち流路512は、左打ちされた遊技球を左アウト口514へ導く流路である。右打ち流路516は、右打ちされた遊技球を右アウト口518へ導く流路である。右打ちされた遊技球であり、言い換えれば、センター飾り64の右側流路を流れた遊技球のみが右打ち流路516へ流入可能なよう、遊技領域81の遊技釘や風車等が設定される。
スライド板520は、普通電動役物90として機能し、この変形例では、右打ち流路516へ流入した遊技球を第2始動口12へ導く誘導部材として機能する。スライド板520が退避した状態では、右打ち流路516から右アウト口518へ遊技球(図32の遊技球524)が流入し、第2始動口12へは流入しない。阻止部材522は、スライド板520と連動し、スライド板520が退避状態の場合に、第2始動口12の入口を塞ぐように突出する。これにより、第2始動口12への入球を確実に阻止できる。また、阻止部材522は、スライド板520が突出状態の場合に退避状態となって、第2始動口12の入口を開放する。
普通図柄が当りとなった場合、実施例の開閉制御手段275は、普通電動役物90を開放状態へ制御したが、本変形例の開閉制御手段275は、スライド板520を突出状態に制御するとともに阻止部材522を退避状態に制御する。この結果、右アウト口518の入口が塞がれ、第2始動口12の入口が開放され、右打ち流路516を転動した遊技球が第2始動口12へ流入する。この始動口ユニット510によると、普通図柄当り時に第2始動口12への入球を可能にしつつ、それ以外の状況において第2始動口12への入球を確実に阻止することができる。
変形例3を説明する。演出決定手段303は、特図1の当り変動中(典型的には初当り時)に、普通図柄が第1当り(長開放)となった場合、保留チャージ演出(普電開放演出)を非表示としてもよい。大当り終了後の時短中の特図2変動において保留チャージ演出を表示させるためである。特図2保留を先に貯めさせた場合、特図2優先消化のため、連荘状態終了時に特図1保留が残りやすくなるが、連荘状態終了時には出玉報知演出を表示するため、特図1変動をなるべく実行しない方がよいからである。この構成によると、特図1変動中に、普通図柄の第1当りが停止表示され、それにもかかわらず保留チャージ演出が表示されない場合、特図1の図柄大当り確定となる。なお、連荘状態終了直後の通常時、特図1保留の先読みを禁則とした場合、出玉報知演出中には特図1変動に関する重要な演出が表示されにくいと言えるため、特図1の当り変動中に保留チャージ演出を表示させ、特図2保留を貯めさせてもよい。また、普通図柄が第1当りとなるタイミングが、特図1の当り変動中でなく、特図1の先読みにおいて当り確定報知(例えばプレミア保留表示であり、大当り後の時短回数は不定のもの)の実行中である場合においても、表示禁止とする禁則パターンを有していてもよい。このようにすることで、特図1の当り確定保留が消化される前に、特図2の小当りないし大当りからラッシュ状態へ移行した際に、特図1の当りを時短9回にすることができてしまうためである。
変形例4を説明する。連荘状態(時短+保留4個)がイレギュラーな形で終了した場合、具体的には、特図1の7回変動で時短が終了した場合または時短終了時点の特図2の保留が3個以下の場合、通常時の特図2の変動パターンモードがラッシュ演出用(モード3〜モード7)となりうる。この場合、通常時に普通図柄の第1当りが発生すると、その後の特図2変動ではラッシュ演出用の変動パターン、または、保留チャージ演出用の変動パターンが選択され、設計上、意図しない演出を表示してしまう可能性がある。
これに対処するため、演出決定手段303は、時短移行後または時短終了後に特図1が所定回数変動後(例えば時短移行後10回の特図1変動終了後)、通常状態の通常遊技でラッシュ演出用の変動パターンが選択された場合に、代替としてチャンス演出用の変動演出パターンを選択し、チャンス演出を表示させてもよい。または、演出決定手段303は、上記状況下で、ラッシュ演出を表示させつつ、イレギュラーな演出・表示である旨をテロップ等にて表示させてもよい。
変形例5を説明する。時短遊技は、前述したように特図1、特図2の変動のいずれでも終了することがあるため、例えば特図2の変動パターンテーブルがモード6の選択状態であるときに、特図1の変動に基づいて時短遊技が終了した場合、および、特図1がモード2であるときに特図2の変動に基づいて時短遊技が終了した場合、さらに小当りが当選して特定領域に入球しなかった場合に特図1および特図2の変動パターンテーブルのモードを「0」とするように制御してもよい。このようにすることで、通常状態において普通図柄の第1当りから発生した特図2保留でラッシュ用演出パターンが選択されることを防止できる。
変形例6を説明する。上記実施例のラッシュ演出は、時短9変動固定、かつ、1変動が比較的長時間(10秒以上)であるため、遊技者が止め打ち(発射停止)を行うことが想定される。そこで変形例では、連荘状態における時短回数を不定にし(例えば複数種類の中から当り図柄に応じて1回、3回、5回、9回、13回から決定する等)、1変動も比較的短時間(5秒程度)にしてもよい。このように、止め打ちをした場合に、特図2保留を貯めきれないリスクがある仕様とすることで止め打ちを抑制することができる。
変形例7を説明する。時短終了後の特図2の5回目の変動を創出しやすいよう構成してもよい。例えば、(1)普通電動役物90の開放終了条件を特図2の保留上限数+N(Nは正の整数)に設定してもよい。また、(2)時短終了時の図柄固定時間を通常時と同じ長さ、もしくは、通常時より短い長さに設定してもよい。また、(3)第2始動口12の入球センサ(第2始動入賞検出装置17)を第2始動口12の入口から離れた奥位置に配置し、時短終了後の特図2の4回目の変動終了後かつ固定時間終了後(次変動開始後)に、新たな特図2保留が生起しやすくしてもよい。また、上記(1)〜(3)を組み合わせてもよい。なお、変形例4の構成の場合、特図2の優先消化に代えて、特図1と特図2を並行して抽選してもよく、入賞順に抽選してもよい。
変形例8を説明する。演出決定手段303は、小当りに当選する図柄変動時(小当りV変動時、以下「今回変動」)において、残り保留にさらに別の小当りが存在することを先読みにより検出した場合、今回変動に伴う小当りVの大当り演出(例えば特別遊技演出)を、通常の大当り演出とは異なる内容の特殊大当り演出を表示させてもよい。特殊大当り演出は、2回の15R大当りが発生することが確定したことを報知する内容を含んでもよい。変形例7を採用する場合、特図2での小当りVを15R大当りのみとしてもよい。
また、実施例のように特図2での小当りVを複数種類の大当りに振り分ける場合も、今回変動に伴う小当りVが最大利益であることを大当り演出で報知し、大当り終了後も大当りが継続しているかのように見せる継続演出を表示させ、次回の小当りV時にエクストラ当りのように見せる大当り演出を表示させてもよい。この場合、次回の小当りVのラウンド数(エクストラ当りでの追加量)は、先の小当りV時には不明であって報知できないため、先の大当り終了後、継続演出の表示中であり、次回の小当りVに係る図柄変動開始時にエクストラ当りでの追加量(ラウンド数)を報知してもよい。
変形例9を説明する。ここでは演出の具体例を説明する。図33の(a)(b)は、通常時におけるチャンス演出(通常状態の通常遊技で普通図柄の長開放に伴い表示される演出であり、普電開放演出、突入演出、保留チャージ演出とも言える。)の例を示す。図33(a)は、特図1の変動演出がスーパーリーチ等、期待度が高い所定の内容でない場合のチャンス演出530の態様を示している。図33(a)のチャンス演出530では、右打ちを促す内容と、特図2の保留個数(図では2個)を示す特図2保留画像532が画面中央に大きく表示される。一方、チャンス演出530の表示前まで画面中央に大きく表示されていた特図1の変動演出536は、画面隅の小さい領域であるワイプ534に縮小して表示される。また、特図1および特図2の変動演出が実行していない状況下においても通常の待機画面をワイプ表示して、特図1の変動、特図2の変動が開始された場合でもチャンス演出が終了するまでワイプ画面にてそのまま変動演出を表示させる。
図33(b)は、特図1の変動演出がスーパーリーチ等、期待度が高い所定の内容である場合のチャンス演出530の表示態様を示している。同図では、キャラクタのバトル画像等のスーパーリーチオブジェクト538を含むスーパーリーチの変動演出536が画面中央に大きく表示される。一方、チャンス演出530は、画面隅のワイプ534に小さく表示される。通常時におけるチャンス演出の使い分けについて、図33(a)(b)に示したが、これらの使い分けの判断タイミングは、チャンス演出の開始タイミングにて実行されている変動演出の態様にて使い分けられており、例えば特図1の変動演出がスーパーリーチとなる変動において、スーパーリーチ移行前であれば、図33(a)に示すワイプ表示で変動演出を実行し、スーパーリーチ移行後もそのままワイプ画面での表示を継続する仕様(チャンス演出終了、すなわち普通電動役物90の作動終了時にスーパーリーチ画面に戻る仕様)となっている。なお、本例に限られず、スーパーリーチ等の高期待度演出に移行したタイミングで図33(a)の態様から図33(b)の態様へと変更する仕様としてもよい。なお、特図1の変動演出パターンとしてスーパーリーチ等の高期待度パターンが選択されているか否かに応じてチャンス演出の態様を変えることも可能であるが、そのように構成してしまうと、スーパーリーチ移行前の変動開始直後から高期待演出への移行が先に察知できてしまう仕様となってしまう。
図34は、時短遊技中におけるチャンス演出(例えば変動パターンモードがモード3の場合に表示される演出であり、保留チャージ演出とも言える。)の例を示す。時短遊技中のチャンス演出530でも、右打ちを促す内容と特図2保留画像532が表示される。一方、実施例で既述したように、時短遊技中に特図1の変動演出は非表示となり、特図2の時短遊技1変動目の変動演出としてチャンス演出を出現させる仕様となっている。そのため、ワイプ534による変動演出536の表示はなされない点で通常時のチャンス演出と異なる。特図2の変動演出としてチャンス演出を出す理由としては、特に時短1回の場合である際に、当否を報知するためだけの変動演出を実行してしまうと、保留を4つ溜めるという遊技性が十分に理解させることができず、遊技者に不利益を与えかねないためである。なお、特図2の時短1回目の変動が当りである場合の変動演出の際には、チャンス演出を非実行としてもよいし、チャンス演出の後に当否報知のための演出を実行するものであってもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「基準(選択基準)」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「基準(選択基準)」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
上記の実施例では、入球に基づく利益として遊技球(賞球)を払い出す形態のパチンコ機を例示したが、賞球払出に代わり、電子的な利益管理システムを利用して遊技球の発射・賞球付与管理を行ういわゆる封入式タイプのぱちんこ機にも応用できる。このような封入式タイプのぱちんこ機は、典型的には、所定個数の遊技球が遊技機内で循環しその循環する遊技球にて遊技を行い、賞球を払い出す代わりに遊技球の発射可能回数を増やすことで遊技者に利益を与える。例えば、遊技領域を転動した遊技球を受容し、遊技機外へ排出させずに再び遊技領域へ送出することで遊技機内で循環させる球循環手段と、遊技球の発射球数、受容球数、および払出賞球数に基づいて持ち玉を管理する球数管理手段と、管理された持ち玉の数を表示する持玉表示手段を備えてもよい。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
上述した実施例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様1−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させる弾球遊技機。
[態様1−2]
前記入球容易状態は、前記第2始動口への入球を契機とした1回の図柄変動が終了することを契機として終了し、
前記入球容易状態における前記第2始動口への入球を契機とした1回の図柄変動時間は、前記作動抽選が連続して実行された場合に少なくとも前記普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上に定められた態様1-1に記載の弾球遊技機。
[態様2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記作動制御手段は、前記入球変動機構の開放時間が前記所定時間に達した場合、または、前記第2始動口への入球数が前記第2抽選値の保留個数の上限値以下の所定個数に達した場合、前記入球変動機構の開放を終了させる弾球遊技機。
[態様3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記演出制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄の前記所定の当りに伴い前記入球変動機構が開放される場合、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させ、前記特殊演出の表示中、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す装飾図柄の変動演出を縮小表示させ、
前記入球容易状態の通常遊技において、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す特別図柄の変動時間は、前記通常状態の通常遊技における平均変動時間より短い時間に固定され、
前記演出制御手段は、前記入球容易状態の通常遊技において前記特殊演出を表示させ、前記特殊演出の表示中、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す装飾図柄の変動演出を非表示とする弾球遊技機。
[態様4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記入球容易状態は、前記第2始動口への入球を契機とした所定回数の図柄変動が終了することを契機として終了し、
前記演出制御手段は、前記入球容易状態における最終回の図柄変動中に、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させる弾球遊技機。
[態様5−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記演出制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄の前記所定の当りに伴い前記入球変動機構が開放される場合、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させ、
前記演出制御手段は、前記第1始動口への入球に基づく前記特別図柄の変動、または、前記第2始動口への入球に基づく前記特別図柄の変動が、所定の待機デモ移行時間なされない場合、前記演出表示装置に所定の待機デモを表示させ、
前記保留制御手段は、前記作動口への入球を契機として取得された前記作動抽選のための普図抽選値を、所定個数を上限に、前記作動抽選の結果を示す前記普通図柄の変動表示開始まで保留し、
前記待機デモ移行時間は、前記普図抽選値が上限まで保留された場合の前記普通図柄の最長変動時間より長く設定される弾球遊技機。
[態様5−2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記演出制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄の前記所定の当りに伴い前記入球変動機構が開放される場合、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させ、
前記演出制御手段は、前記遊技領域に設けられた複数の入賞口または入球口のいずれかへの遊技球の入球が、所定の待機デモ移行時間未検出であり、かつ、前記特別図柄が変動中でなければ、前記演出表示装置に所定の待機デモを表示させ、
前記保留制御手段は、前記作動口への入球を契機として取得された前記作動抽選のための普図抽選値を、所定個数を上限に、前記作動抽選の結果を示す前記普通図柄の変動表示開始まで保留し、
前記待機デモ移行時間は、前記普図抽選値が上限まで保留された場合の前記普通図柄の最長変動時間より長く設定される弾球遊技機。
[態様6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記入球容易状態は、前記第2始動口への入球を契機とした所定回数の図柄変動が終了することを契機として終了し、
前記演出制御手段は、前記入球容易状態の終了契機となる変動、または、前記入球容易状態の終了後に前記保留制御手段に残存する前記第2抽選値に基づく変動が外れの結果で終了した場合に、それまでの出玉に関する演出を前記演出表示装置に表示させ、
前記演出制御手段は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す特別図柄が変動中の場合、変動演出よりも視認性が高い態様で前記出玉に関する演出を表示させる弾球遊技機。