以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。また、以下、本実施形態による遊技機の説明において、遊技機に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後とする。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態(以降、「本実施形態」という)の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた内枠104と、内枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
内枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら内枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
(遊技機の詳細な構成)
次に、遊技機100の詳細な構成について図2および図3を用いて説明する。図2では、遊技盤108に設けられている第2始動口122、第2大入賞口128、釘131および風車133(いずれも後述する)の図示は省略されている。また、図2では、閉状態の第1大入賞口126(後述する)が図示され、図3では、開状態の第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128が図示されている。
図2は、遊技機100の正面図である。図2に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a,114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。図3に示すように、遊技盤108には、多数の釘131や1つの風車133が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。なお、図3では、遊技領域116に設けられた多数の釘131が白丸で図示され、多数の釘131のうちの1つの釘131のみに参照符号が付されている。
図2および図3に示すように、遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a,114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122(図2では不図示)が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、入賞口ごとに異なっていてもよい。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
第1始動口120は、遊技領域116の下部であって、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
また、図3に示すように、第2始動口122は、第1始動口120の右隣であって第2遊技領域116bに位置している。第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。第2始動口122は、可動片122aを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、第2始動口122は、可動片122aが開閉可能に設けられており、可動片122aが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の進入が不可能または困難となっている。これに対して、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122aが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122aが開状態になると、可動片122aが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、以下、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126aおよび開閉扉126bが開閉可能に設けられている。通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。また、開閉扉126aは、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖している時に下方に向かって下がった状態になっている(図2参照)。これにより、第1大入賞口126に遊技球が入球不可能な状態では、開閉扉126aと開閉扉126bとの間には、第2遊技領域116bを流下する遊技球が通過可能な空間が生じる。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放され、開閉扉126aが開閉扉126bに向かって傾斜した状態に立ち上がる(図3参照)。開閉扉126aの先端と開閉扉126bの先端との間には、遊技球の直径よりも長さの短い間隙が形成される。このため、開閉扉126aおよび開閉扉126bが受け皿として機能し、第2遊技領域116bを流下する遊技球は第1大入賞口126への入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128aが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128aが開放されて、開閉扉128aが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。大入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、大入賞口ごとに異なっていてもよい。
第1遊技領域116aには、第1始動口120の左側に2つの一般入賞口118が設けられている。また、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2始動口122との間に1つの一般入賞口118が設けられている。
図3に示すように、第1遊技領域116aには、2つの一般入賞口118を挟んで、遊技球を遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する2つの排出口130が設けられている。2つの排出口130の一方は、一般入賞口118の左上に隣接して設けられ、2つの排出口130の他方は、遊技領域116の最下部の中心部(第1始動口120の直下)に設けられている。また、第2遊技領域116bには、一般入賞口118の下方に1つの排出口130が設けられている。複数の排出口130により、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球が、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出される。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出に応じた動作を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の入力操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。本実施形態において、演出装置は、遊技の進行または演出操作装置208の入力操作に対応する動作を実行可能に構成されている。
演出表示装置(発光装置の一例)200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aと、演出表示部200aの光源であるバックライトおよび当該バックライトの制御部で構成されるバックライトユニット(不図示)とを備えている。遊技機100において演出表示装置200は、輝度制御値によって輝度(具体的には演出表示部200aの輝度)が制御される。輝度制御値は、例えばバックライトの明るさを調節して演出表示部200aの輝度を制御するための制御値である。本実施形態において、輝度制御値は遊技者によって調節可能に構成されている。本実施形態の遊技機は、例えば「1」~「7」の7段階で遊技者による輝度制御値の調節が可能となっている。輝度制御値が「1」から「7」へ上昇するにつれて、演出表示部200aは画像の表示時においてより高い輝度で発光する。輝度制御値の調節の詳細については後述する。
図3に示すように、演出表示装置200は、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。演出表示部200aには、図3に示すように演出図柄210a,210b,210cが変動表示され、これら各演出図柄210a,210b,210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a,210b,210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。演出照明装置204は例えばフルカラーLED等を有している。図2および図3には、一例として、遊技盤108の上部中央および第2遊技領域116bの下部のそれぞれに設けられた2つの演出照明装置204が図示されている。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。遊技機100において音声出力装置206は音量制御値によって音量が制御される。音量制御値は、音声出力装置206の有するスピーカから出力される音声の音量を制御するための制御値である。本実施形態において、音量制御値は遊技者によって調節可能に構成されている。本実施形態の遊技機は、例えば「1」~「7」の7段階で遊技者による音量制御値の調節が可能となっている。音量制御値が「1」から「7」へ上昇するにつれて音声出力装置206からはより大きな音声が出力される。音量制御値の調節の詳細については後述する。
本実施形態において、これらの演出装置は、複数の動作モード(例えば、演出操作装置208の入力操作に応じた動作を行うか否かに係るモード)によって制御される。動作モードの詳細は後述する。
図2に示すように演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける演出ボタン208aと、遊技者による入力操作(例えば、手前側に引く操作)を受け付ける演出レバー208bと、演出レバー208bの入力操作に伴って回転する回転部208cと、十字ボタン218との複数の操作手段を有している。演出ボタン208aおよび演出レバー208bは、遊技者が操作可能な操作装置に相当する。演出操作装置208は、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110(図1参照)よりも下方位置に設けられている。演出操作装置208は、操作有効期間(例えば待機中や所定演出の実行中等)に有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
遊技機100は、演出ボタン208aの右側に隣接して設けられた十字ボタン218を備えている。十字ボタン218は、遊技者の押下操作を受け付ける、上ボタン、下ボタン、左ボタンおよび右ボタンを備えた十字キーボタンで構成されている。十字ボタン218は、上下左右の4方向それぞれに対して押下操作が可能に構成されている。十字ボタン218は主に、操作有効期間内に演出ボタン208aが押下されたことに基づいて演出表示部200aに表示されるメニュー画面における選択操作等を行うために設けられている。このため本実施形態では、十字ボタン218は、演出操作装置208の有効化に合わせて有効化される。
また、遊技機100は、演出ボタン208aと十字ボタンとの間に設けられた調節ボタン209を備えている。調節ボタン209は、遊技者の押下操作を受け付ける音量調節ボタン(音量調節装置の一例)209aおよび光量調節ボタン(輝度調節装置の一例)209bとで構成されている。音量調節ボタン209aは、音声出力装置206から出力される音声の音量を調節するために設けられている。具体的には、音量調節ボタン209aの操作により、音量制御値が既定の範囲内(例えば1~7)で増減されて音声出力装置206から出力される音声の音量が調節される。また、光量調節ボタン209bは、例えば演出表示部200aの発光の強さを調節するために設けられている。具体的には、光量調節ボタン209bの操作により、輝度制御値が既定の範囲内(例えば1~7)で増減されて演出表示部200aの輝度が調節される。以下、調節ボタン209の各ボタン(音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209b)を押下して、音声出力装置206の音量や演出表示部200aの輝度を調節する操作を調節操作という。つまり、遊技機100は、遊技者による音量制御値の調節操作を受け付け可能な音量調節ボタン209a、および遊技者による輝度制御値の調節操作を受け付け可能な光量調節ボタン209bを備えている。
調節ボタン209の各ボタンも、演出操作装置208と同様に、所定の操作有効期間において有効化される。例えば音量調節ボタン209aが、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、音声出力装置206から出力される音声の音量が設定された値(音量制御値)に調節される。また例えば、光量調節ボタン209bが、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、演出表示部200aの輝度が設定された値(輝度制御値)に調節される。本実施形態において、遊技者による出力値の調整が可能な演出装置(音声出力装置206、演出表示装置200)は、複数の調節モード(例えば、調節ボタン209の調節操作に応じた動作を行うか否かに係るモード)によって制御される。調節モードの詳細は後述する。つまり、本実施形態において、音声出力装置206は、遊技の進行または音量調節ボタン209aの調節操作に対応する音量制御値に基づいて音量を調節する音量調節動作を実行可能である。また、演出表示装置200は、遊技の進行または光量調節ボタン209bの調節操作に対応する輝度制御値に基づいて演出表示部200aの輝度を調節する輝度調節動作を実行可能である。
なお、遊技機100は、光量調節ボタン209bの調節操作によって、演出照明装置204の光量を調節可能に構成されていてもよい。
演出操作装置208の後ろ側(遊技盤108側)には、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿132が設けられている。上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160~172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(遊技機裏面の構成)
図4は、裏カバー302を取り除いた状態の遊技機100の裏面図である。図4では、理解を容易にするため、主制御基板300に実装され且つ主制御基板ケース311で覆われた複数の構成要素のうちの性能表示器300dが図示されている。図5は、裏カバー302を取り付けた状態の遊技機100の裏面図である。
図4に示すように、遊技機100の裏面側には、主制御基板ケース311、遊技情報出力端子板312、賞球貯留タンク315、賞球払出流路317、副制御基板ケース319、払出球計数スイッチ316s、裏カバー302(図4では不図示、図5参照)、払出制御基板ケース313および内枠開放スイッチ145s等が設置されている。この他に遊技機100の裏側には、遊技機100の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)、電源プラグを備えた電源コード及び接続配線等(いずれも不図示)が設置されている。
遊技機100の裏面側中央には、遊技機100における遊技の基本動作を制御する主制御基板300が一部分を露出した状態で主制御基板ケース(ケース部材の一例)311に収容されて配置されている。主制御基板300の構成の詳細は後述する。主制御基板ケース311から露出した主制御基板300の一部分には、有利度合いが段階的に設定された設定値に関する操作に用いられる設定値操作部301が設けられている。設定値操作部301は、RAMクリアボタン305と、RAMクリアボタン305と隣り合わせて配置された設定キー差込口306とを有している。RAMクリアボタン305は、設定値に関する操作以外に、主制御基板300に設けられたメインRAM300c(図4では不図示)の初期化などにも用いられる。一方、設定キー差込口306は、設定値の変更および参照という設定値に関する操作のみに用いられる。設定値操作部301の詳細は後述する。また、主制御基板ケース311から露出した主制御基板300の一部分には、設定値操作部301以外に、主制御基板300に実装されたメインCPU300a(図4では不図示)などの電子部品に入力される所定信号や電力が供給される電子コネクタが設けられている。
主制御基板ケース311の上方には、副制御基板ケース319が配置されている。副制御基板ケース319は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する副制御基板330が一部分を露出した状態で副制御基板ケース319に収容されて配置されている。副制御基板ケース319から露出した副制御基板330の一部分には、副制御基板330に実装されたサブCPU330aなどの電子部品に入力される所定信号や電力が供給される電子コネクタなどが設けられている。
遊技情報出力端子板312は、遊技機100の外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続されている。遊技機100の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、エラー情報、大当たり情報、始動口情報等)は、遊技情報出力端子板312から外部の電子機器に向けて出力される。
賞球貯留タンク315は、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球の払出しが行われる際には、賞球貯留タンク315に蓄えられた遊技球は、賞球払出流路317を通って遊技機100の前面側の上皿132(図2参照)に導かれる。払出球計数スイッチ316sは、賞球払出流路317を通って払い出される遊技球数を検出する。
払出制御基板ケース313は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う払出制御基板310が収められたケース部材である。副制御基板330及び払出制御基板310の詳細は後述する。
払出制御基板ケース313の左下領域には、内枠開放スイッチ145sが設けられている。内枠開放スイッチ145sについては後述する。また、電源コード(不図示)は、例えば遊技店の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続される。これにより、遊技機100の動作に必要な電源(電力)が確保される。
図5に示すように、遊技機100は、主制御基板300(いずれも図5では不図示、図4参照)を主制御基板ケース311ごと覆って設けられた裏カバー(カバー部材の一例)302を備えている。さらに、裏カバー302は、副制御基板330(いずれも図5では不図示、図4参照)を副制御基板ケース319ごと覆って設けられている。裏カバー302は、主制御基板300および副制御基板330に容易に触れることができないように主制御基板ケース311および副制御基板ケース319を覆うカバー部材である。裏カバー302は、遊技機100の背面側に着脱可能に取り付けられている。
遊技機100は、設定値操作部301(図5では不図示、図4参照)が操作される場合に少なくとも、設定値操作部301を露出可能に覆う可動カバー(可動カバー部の一例)309を備えている。裏カバー302には、設定値操作部301を囲んで配置された開口部321が形成されている。可動カバー309は、開口部321が形成された場所に取り付けられている。これにより、可動カバー309は、設定値操作部301と対応する位置で裏カバー302に設けられる。可動カバー309は、左上角部に設けられた軸部392Lおよび右上角部に設けられた軸部392Rを回転軸として、回転可能に裏カバー302に取り付けられている。可動カバー309は、裏カバー302に形成された開口部321を覆うことができる大きさを有している。このため、可動カバー309は、閉じられた状態(閉状態)にあると、図5に示すように、設定値操作部301の後側に配置される。これにより、設定値操作部301に触れることができなくなる。一方、可動カバー309は、可動カバー309の軸部392L,392Rを回転軸として回転させられて開かれた状態(開状態)にあると、設定値操作部301の後側から退避される(図示は省略)。これにより、設定値操作部301は、裏カバー302の開口部321において露出されるので、設定値操作部301は、開口部321を介して操作可能になる。このため、作業者は、設定値操作部301に触れることができるので、設定値に関する操作を行うことができる。詳細は後述するが、設定値に関する操作には、設定値を変更するための操作と、設定値を確認するための操作がある。
(主制御基板の構成)
主制御基板300上の左上領域には、性能表示器300dが設けられている。本実施形態における性能表示器300dは、4つのデシマルポイント付きの7セグメントLED表示器で構成されている。具体的には、性能表示器300dは、4つの表示領域361,362,363,364を有している。表示領域361~364の7セグメントLED表示器を構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。表示領域361~364は、カウンタ値に対応する各セグメントを点灯制御することで数字およびアルファベットを表示できる。
したがって、性能表示器300dは、最大4つの英数字を表示することができる。4つの表示領域361,362,363,364を有する性能表示器300dは、後述する設定値や賞球数に基づく算出処理結果の値(例えば、ベース値等)を表示する。
性能表示器300dは、例えばベース値を確認する者(警察官等)が表示内容を誤認なく確認できれば、図4に示す位置に限られず、主制御基板300上における主制御基板300の他の構成と重なり合うことのない確認容易な位置に設けられていてもよい。主制御基板ケース103は、内部に収容した主制御基板300が外部から視認できるように透明の材料(例えばポリカーボネート)で形成されている。
性能表示器300dの下側には、メインIC300xが配置されている。メインIC300xは、例えばV5チップであって、メインCPU300a、メインROM300b及びメインRAM300c(図4では不図示、図6参照)を内蔵している。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板300上の左下端部には、RAMクリアボタン305が設けられている。主制御基板ケース103を封止した状態でRAMクリアボタン305が操作できるように、RAMクリアボタン305は主制御基板ケース103から外部に露出した状態で配置されている。RAMクリアボタン305が押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチ305s(図6参照)がRAMクリアボタン305の押圧操作を検出し、RAMクリア信号が出力される。RAMクリア信号は、例えば電源投入時において、メインCPU300aがメインRAM300cの初期化を行うか否かの判定等に用いられる。
(設定キー操作)
主制御基板300には、RAMクリアボタン305の他に設定キー差込口306が設けられている。設定キー差込口306は、後述する設定値の変更や設定値の参照に用いられる専用鍵(設定キー)を差し込むための差込口(鍵穴)である。本実施形態による遊技機100は、設定キーの操作とともにRAMクリアボタン305を押下することによって、設定値を1~6の6段階に設定可能に構成されている。詳しくは後述するが、遊技機100は、設定中の設定値に応じて遊技が進行するものであり、設定値ごとに有利度合いが異なっている。
設定キー差込口306は、シリンダを有するシリンダ錠で構成されている。また、設定キー差込口306のシリンダは、主制御基板ケース103を貫通した状態(シリンダの周囲が主制御基板ケース103によって囲まれた状態)で設けられている。したがって、主制御基板300が主制御基板ケース103に封止された状態のままで設定キー差込口306に設定キーを差し込んで回転操作をすることが可能である。
(制御手段の内部構成)
図6は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、メインCPU300aは、演算処理時において、メインRAM300cやメインCPU300aの内部レジスタ(不図示)をデータのワークエリアとして用いる。
ここで、メインCPU300aがワークエリアとして用いるメモリ領域のうち、メインRAM300cに割り当てられたメモリ領域(F000H~F3FFH)の用途例について図7を参照して説明する。
図7に示すように、本実施形態による遊技機100において、アドレスF000H~F1FFHの領域は、格納するデータの種類に応じて第一領域から第四領域の4つの領域に分けられる。第一領域は、設定値に関連する情報(設定値関連情報)および遊技状態に関する情報(遊技状態関連情報)を格納する領域である。第二領域は、メインCPU300aの初期化処理において電源復帰に係る誤り検出に用いられるチェックサム関連情報およびバックアップ関連情報を格納する領域である。第三領域は、エラー関連情報および第一通常遊技状態情報を格納する領域である。第4領域は、第二通常遊技情報を格納する領域およびスタックエリアとして用いられる領域である。
第一領域から第4領域を含むアドレスF000H~F1FFHの領域を、使用領域という。使用領域は、遊技機の進行に必須の情報(データ)を格納するメモリ領域であって、遊技規則によって使用容量が制限されている。
メインRAM300cにおいて、アドレスF300H~F3FFHの領域は、遊技の進行に必須でない情報の格納に用いる領域であって、使用外領域という。本例では、使用外領域には、性能表示器300dの表示制御等に係る情報(性能表示関連情報)が格納される。また、使用外領域には、試験信号の出力制御に係る情報が格納されてもよい。試験信号は、遊技機100の現在の内部状態(例えば、特別遊技管理フェーズ、普通遊技管理フェーズ、発射位置指定の状態、大役遊技の実行状況、遊技状態(高確率、低確率、時短、非時短)等)を即時的(リアルタイム)に主制御基板300の外部に通知するために出力される信号である。
また、図7に示すように、使用領域と使用外領域との間の領域(アドレスF200H~F2FFの領域)は、データの格納に用いられない未使用領域である。
このように、遊技機100において、メインRAM300cは、使用領域、使用外領域および未使用領域で構成されている。本例において、メインRAM300cには1バイトごとの領域にアドレス値が割り振られている。したがって、未使用領域として256バイトに相当する領域が割り当てられている。なお、未使用領域としては、少なくとも16バイト以上の領域が割り当てられていればよい。
図6に戻って、本実施形態の遊技機100が実行する遊技は主に、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、開閉扉126aを作動する開閉扉ソレノイド126c1と、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126c2と、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、遊技機100には、前枠開放スイッチ141s、アウト検出スイッチ143sおよび内枠開放スイッチ145sが接続されている。以下、内枠開放スイッチ145sと前枠開放スイッチ141sとを総称して開閉枠部材開放スイッチと称する場合がある。開閉枠部材開放スイッチは、内枠104や前枠106といった開閉枠部材が開放されていることを遊技機100に発生していることを検出するスイッチである。
前枠開放スイッチ141sは、前枠106が開放されていることを検出すると、主制御基板300に開放検出信号(オン信号)を出力する。また、内枠開放スイッチ145sは、内枠104が外枠102に対して開放されていることを検出すると、主制御基板300に開放検出信号(オン信号)を出力する。
また、図6には図示しないが、遊技機100には、開閉枠部材開放スイッチの他にも、遊技機100の各構成の異常または各構成に対する不正の可能性があることを検出する種々の異常検出スイッチが設けられていてもよい。例えば、遊技機100には、異常検出スイッチとして、電波を検出する電波検出スイッチ、磁気を検出する磁気検出スイッチ等が設けられていてもよい。
アウト検出スイッチ143sは、遊技領域116へ発射された遊技球が遊技機100の外部に排出されるときに通過する遊技球排出経路(不図示)を通過したことを検出すると、主制御基板300にアウト球検出信号(オン信号)を出力する。
一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128の何れかに入球した遊技球、並びに何れの入賞口にも入球せずに排出口130へ入球した遊技球が、上述の遊技機球排出経路を通過する。つまり、遊技領域116へ発射された後に集約されて外部へ排出される全ての遊技球が、遊技球排出経路においてアウト検出スイッチ143sによって検出される。
さらに、遊技盤108の背面には、設定キースイッチ180sおよびRAMクリア検出スイッチ305sが設けられている。設定キースイッチ180sは、上述の設定キーによってアクセスが可能に構成されている。設定キースイッチ180sは、設定キー差込口306に差し込まれた設定キーの回転操作を検出すると、回転操作の状態(回転状態)を示す設定キー回転検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力する。
また、RAMクリア検出スイッチ305sは、RAMクリアボタン305の押圧操作によってアクセス可能に構成されている。RAMクリア検出スイッチ305sは、RAMクリアボタン305の押下(押圧操作)を検出すると、押圧検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力する。
本実施形態による遊技機100は、設定キースイッチ180sにアクセス可能な設定キーおよびRAMクリアボタン305を用いることで、設定値の変更が可能となっている。
ここで、設定値の変更手順について説明する。
(設定値変更手順)
設定値に関する操作のうちの設定値を変更するための操作の手順について説明する。
まず、遊技機100の電源が未投入(電源断)の状態において、設定変更を行う作業者は、専用の鍵を用いて外枠102に対して内枠104を開放する。これにより、遊技機100の裏面に配置された主制御基板300等の構成要素が視認可能となる。
遊技機100の裏面には、上述のように設定キーを挿入するための設定キー差込口306と、RAMクリアボタン305とが設けられている(図4参照)。作業者は設定キー差込口306に設定キーを挿入し、設定キーを一の方向(例えば、時計回り方向)に回転操作(変更操作)する。変更操作により、例えば通常は縦向きである設定キー差込口306は、横向きになる。さらに、作業者は、RAMクリアボタン305を押下する。
次いで、作業者は、設定キーを回転操作し、かつRAMクリアボタン305を押下した状態で遊技機100に電源を投入する。
電源が投入されると、内枠104が外枠102に対して開放されていることが内枠開放スイッチ145sによって検出され、開放検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。また、電源投入によって設定キーが時計回りに回転される変更操作により設定キー差込口306が横向きになっていることが設定キースイッチ180sによって検出され、設定キー回転検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。さらに、電源投入によってRAMクリアボタンが押下されたことがRAMクリア検出スイッチ305sによって検出され、押圧検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。内枠開放スイッチ145s、設定キースイッチ180sおよびRAMクリア検出スイッチ305sによって、主制御基板300にオン信号が入力されたことに基づいて、遊技機100は設定値の変更(切替え)が可能な状態(設定変更状態)となる。
作業者は、設定変更状態においてRAMクリアボタン305を任意の回数だけ押下し、RAMクリア検出スイッチ305sにアクセスすることにより、複数段階(例えば6段階)のうちいずれかの段階に設定値を変更することができる。このとき、設定値は、例えば、性能表示器300dの表示領域361~364に表示される。
作業者は、設定値を任意の値に変更すると、変更操作時に時計回りに回転させた設定キーを、反時計回りに回転させて元の位置に戻す(復帰操作)。復帰操作により、変更操作によって横向きになっていた設定キー差込口306が縦向きに戻り、設定キーが元の位置に復帰したことが設定キースイッチ180sによって検出されると、当該検出を示す信号(オフ信号)が設定キースイッチ180sから主制御基板300に入力される。主制御基板300は、当該オフ信号の入力に基づいて設定値の変更を確定する。なお、設定キースイッチ180sは、回転操作の検出に基づいて、定期的に設定キー回転検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力し、復帰操作が検出されるまではオン信号の出力を継続し、復帰操作を検出すると主制御基板300への設定キー回転検出信号(オン信号)の出力を停止してもよい。この場合、主制御基板300は、当該オン信号の入力が停止したことに基づいて、設定値の変更を確定すればよい。
設定値の変更が確定し、作業者が設定キーを設定キー差込口306から抜き取ると、性能表示器300dに表示されていた設定値が消去され、設定値の表示が終了する(設定値が非表示となる)。最後に、作業者は、遊技機100の内枠104を閉じて専用の鍵によって施錠する。これにより、設定の変更作業が完了する。設定の変更作業が完了すると、通常の遊技が開始される。
詳細は後述するが、設定値が変更された場合、主制御基板300のメインCPU300aは、変更後の設定値をメインRAM300cの所定の領域(例えば、バックアップの対象となる使用領域のうち第一領域)に記憶する。これにより、遊技中において設定中の設定値を参照することができる。
このように、遊技機100は、電源投入時に設定キースイッチ180sにおいて設定キーの変更操作を検出(設定キーON)し、内枠開放スイッチ145sにおいて内枠104が解放されたこと(内枠開放状態)を検出し、かつRAMクリア検出スイッチ305sにおいてRAMクリアボタン305が押圧操作されたことを検出(RAMクリア押下状態)した場合に、設定変更状態(設定変更モード)となる。
設定変更状態では、特別遊技および普通遊技等の情報を表示する各表示器160~172の表示は行われず、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技ができない状態となる。なお、設定変更状態において、各表示器160~172は、消灯状態を維持してもよいし、または設定変更状態中において専用の(特定の)点灯パターンを維持して通常の表示とは異なる表示態様にしてもよい。
(設定確認状態)
以上、設定値の変更について説明したが、遊技機100では設定値を変更せずに現在設定中の設定値を確認することができる。
具体的には、上述の設定変更手順において設定キーを変更操作(時計回り方向に回転操作)した状態で、RAMクリアボタン305を押下せずに、遊技機100に電源を投入すると、現在設定中の設定値の確認が可能な状態(設定確認状態)となる。
つまり、遊技機100は、電源投入時に設定キースイッチ180sにおいて設定キーの変更操作を検出(設定キーON)し、内枠開放スイッチ145sにおいて内枠104画解放されたこと(内枠開放状態)を検出し、かつRAMクリア検出スイッチ305sにおいてRAMクリアボタン305が押圧操作されたことを検出していない(RAMクリア未押下状態)場合に、設定確認状態(設定確認モード)となる。
設定変更状態と同様に、設定確認状態では、各表示器160~172の表示は行われず、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技ができない状態となる。なお、設定確認状態において、各表示器160~172は、消灯状態を維持してもよいし、または設定確認中において専用の(特定の)点灯パターンを維持して通常の表示とは異なる表示態様にしてもよい。また、設定確認状態において、各表示器160~172は、専用の(特定の)点灯パターンを維持して設定変更状態とは異なる表示態様にしてもよい。
図6に示すように、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、遊技球の払い出しが払出検知スイッチ315sによって検出され、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。払出モータ314の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出検知スイッチ315sからの検知信号および払出球計数スイッチ316sからの計数信号が払出制御基板310に入力される。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。発射制御基板320は、操作ハンドル112に設けられ、操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330c、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370を備えている。サブCPU330a、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、それぞれ個別の回路で構成されていてもよい。また、サブCPU330a、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、少なくとも2つ以上が1つの回路で構成(例えば1パッケージ化または1チップ化)され、この回路の機能ブロックとして構成されていてもよい。
副制御基板330は、主制御基板300に対して、主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370の少なくとも1つに送信する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
画像制御部340は、演出表示装置200の演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。画像制御部340のROMには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
音声制御部350は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、照明制御部360は、副制御基板330から送信されるコマンドに基づいて、演出照明装置204を点灯させる点灯制御を行う。可動体制御部370は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、演出役物装置202を可動したり、演出操作装置208の演出ボタン208aを遊技者側に飛び出させて可動したりする動作制御を行う。また可動体制御部370は、演出役物装置202の可動状況(例えば可動位置等)を示す検出信号が入力されると、所定のコマンドあるいは制御信号を副制御基板330に送信する。
さらに、可動体制御部370は、演出ボタン208aが押下操作されたことを検出するボタン操作検出スイッチ208s1または演出操作装置208の演出レバー208bが入力操作されたことを検知するレバー操作検出スイッチ208s2、十字ボタン218が押下操作されたことを検知する十字ボタン操作検出スイッチ218sから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドあるいは制御信号を副制御基板330に送信する。また、可動体制御部370は、音量調節ボタン209aが押下操作されたことを検出する音量ボタン操作検出スイッチ209s1、光量調節ボタン209bが押下操作されたことを検出する光量ボタン操作検出スイッチ209s2から操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドあるいは制御信号を副制御基板330に送信する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、第1大入賞口126(または第2大入賞口128)が開放されるとともに第1大入賞口126(または第2大入賞口128)への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、この入球を契機に大役抽選に用いられる種々の乱数(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)の乱数値が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1~第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1~第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部~第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
次に、遊技機100における大役抽選に用いる大当たり判定テーブルについて図8および図9を用いて説明する。
図8は、低確時大当たり判定テーブルを説明する図であり、図9は高確時大当たり判定テーブルを説明する図である。遊技機100において、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~65535の比較数値範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態、および、設定中の設定値に応じて大当たり判定テーブル(大当たりの判定に用いる比較数値範囲)が選択され、当該選択された大当たり判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図8(a)から図8(f)に示す低確時大当たり判定テーブルが参照される。ここで、本実施形態では、有利度合いが段階的(本実施形態では6段階)に設定された設定値が設けられており、低確時大当たり判定テーブルは、設定値ごとに設けられている。遊技中は、設定値が6段階のうちのいずれかに設定されており、現在設定されている設定値に対応する低確時大当たり判定テーブルを参照して大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、設定値=1に設定されている場合には、図8(a)に示す低確時大当たり判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルaによれば、大当たり決定乱数が10001~10218であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/300となる。
設定値=2に設定されている場合には、図8(b)に示す低確時大当たり判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルbによれば、大当たり決定乱数が10001~10243であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/270となる。
設定値=3に設定されている場合には、図8(c)に示す低確時大当たり判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルcによれば、大当たり決定乱数が10001~10273であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/240となる。
設定値=4に設定されている場合には、図8(d)に示す低確時大当たり判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルdによれば、大当たり決定乱数が10001~10312であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/210となる。
設定値=5に設定されている場合には、図8(e)に示す低確時大当たり判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルeによれば、大当たり決定乱数が10001~10364であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/180となる。
設定値=6に設定されている場合には、図8(f)に示す低確時大当たり判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルfによれば、大当たり決定乱数が10001~10437であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/150となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図9(a)から図9(f)に示す高確時大当たり判定テーブルが参照される。ここで、本実施形態では、低確時大当たり判定テーブルと同様に高確時大当たり判定テーブルが設定値ごとに設けられている。このため、高確率遊技状態において、現在設定されている設定値に対応する高確時大当たり判定テーブル(大当たりの判定に用いる比較数値範囲)を参照して大当たりの判定が行われる。
高確率遊技状態において、設定値=1に設定されている場合には、図9(a)に示す高確時大当たり判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルaによれば、大当たり決定乱数が10001~10655であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/100となる。
設定値=2に設定されている場合には、図9(b)に示す高確時大当たり判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルbによれば、大当たり決定乱数が10001~10728であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/90となる。
設定値=3に設定されている場合には、図9(c)に示す高確時大当たり判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルcによれば、大当たり決定乱数が10001~10819であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/80となる。
設定値=4に設定されている場合には、図9(d)に示す高確時大当たり判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルdによれば、大当たり決定乱数が10001~10936であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/70となる。
設定値=5に設定されている場合には、図9(e)に示す高確時大当たり判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルeによれば、大当たり決定乱数が10001~11092であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/60となる。
設定値=6に設定されている場合には、図9(f)に示す高確時大当たり判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルfによれば、大当たり決定乱数が10001~11310であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/50となる。
以上のように、本実施形態による遊技機100は、低確率遊技状態および高確率状態のいずれに設定されている場合にも、設定中の設定値に応じて大役抽選が行われる。本実施形態において大役抽選は、上述の設定値に応じて大当たりの当選確率が異なっており、設定値が高い場合の方が低い場合に比べて大当たりに当選しやすくなっている。また、本実施形態では、大当たり判定テーブルにおける比較数値範囲(大当たり決定乱数と比較する数値範囲)の下限値は同一の値(10001)となっている。これにより遊技機100は、大役抽選時において大当たり判定に係る制御処理手順を効率化することができる。大当たり判定の制御処理手順については後述する。
また、遊技機100において、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率が高くなる。また、ここでは、大当たりの当選確率は、設定値ごとに異なる構成としたが、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかにおける大当たりの当選確率を、全設定値で共通としてもよい。
また、図8では設定値ごとに低確時大当たり判定テーブルが設けられている例を示しているが、例えば遊技機100の記憶領域(例えばメインROM300b)において低確時大当たり判定テーブルは、設定ごとに異なる比較数値範囲を規定する一のテーブルとして構成されてもよい。また、高確時大当たり判定テーブルも同様に、設定ごとに異なる比較数値範囲を規定する一のテーブルとして構成されてもよい。
また、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率が高くなる。ここでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率は、全設定値で共通としたが、高確率遊技状態における大当たりの当選確率を、設定値ごとに異ならせてもよい。この場合であっても、相対的に低い設定値において大当たりに当選する大当たり決定乱数の当選範囲が、相対的に高い設定値での大当たりに当選する大当たり決定乱数の当選範囲に含まれるように、大当たりに当選する大当たり決定乱数の当選範囲が設定されていればよい。
図10は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図10(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図10(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
図10(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、図10(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図11は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態に対応付けて設定される変動状態等に応じて1のテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されており、変動状態が通常1変動状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、図11(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、保留数が1個であれば、図11(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が2、3個であれば、図11(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図11において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
このように、本実施形態では、変動演出パターンを決定するためのテーブルが、設定されている遊技状態に加えて、変動状態に基づいて決定される。つまり、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
なお、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に参照されることはない。
図12は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図12(a)に示し、特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図12(b)に示し、特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図12(c)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図12(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図12(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図10において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図12~図14に「○○H」と記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図11に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図12(a)に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図12(b)および図12(c)に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図13は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と呼ぶ場合がある。
図14は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図14(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図14(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
図15は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大当たり図柄の種別ごとに複数設けられており、決定された大当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての大当たり図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A~Dが決定されると、図15に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行される。大役遊技は、第1大入賞口および第2大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数ごとの開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における第1大入賞口126および第2大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
図12に示すように、本実施形態による遊技機100において、大役抽選によって特別図柄A,Bが決定された場合には2回のラウンド遊技が実行され、特別図柄Cが決定された場合には8回のラウンド遊技が実行され、特別図柄Dが決定された場合には10回のラウンド遊技が実行される。1回のラウンド遊技は、第2大入賞口128に規定数(本例では8個)の遊技球が入球するか、予め設定された開放時間(本例では、29秒)が経過すると終了する。また、本実施形態による遊技機100では、第2大入賞口128へ入球した遊技球1個につき、所定数(本例では10個)の賞球が払い出される。このため、本例において1回のラウンド遊技では、最大で合計80個(=10個×規定数8)の賞球が払い出され、最大数(本例では10回)のラウンド遊技では、最大で合計800個(=80個×10ラウンド)の賞球が払い出される。このように、遊技者は、大当たりに基づく大役遊技において実行するラウンド数に応じた賞球を獲得することができる。
図16は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。図16に示すとおり、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄B~Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されるとともに、次に大当たりに当選するまでの期間、高確率遊技状態が継続されるように設定される。この場合、次に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、本実施形態による遊技機100において、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は大当たりに当選するまでの大役抽選結果の導出回数に応じて異なる。なお、遊技機100は、一の高確率遊技状態における予め定められた大役抽選結果の導出回数(例えば100回)を高確回数として設定してもよい。この場合、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が10000回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、大当たり図柄として特別図柄B~Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に遊技状態が時短遊技状態に設定されるとともに、次に大当たりに当選するまでの期間、時短遊技状態が継続されるように設定される。この場合、次に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は大当たりに当選するまでの大役抽選結果の導出回数に応じて異なる。なお、遊技機100は、一の時短遊技状態における予め定められた大役抽選結果の導出回数(例えば50回)を時短回数として設定してもよい。この場合、時短回数は一の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。また、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定される。したがって、本実施形態による遊技機100において特別図柄Aが決定された場合、遊技状態は遊技機100の初期状態と同様の通常遊技状態となる。
このように、本実施形態による遊技機100は、大当たり図柄の種別(当たり種別)に応じて、大役遊技後の遊技状態が設定される。また、遊技機100には、大役遊技におけるラウンド遊技の回数や大役遊技後に設定される遊技状態が異なる複数種類(本例では、4種類)の大当たり図柄の種別(特別図柄A~D)が用意されている。すなわち、遊技機100における大役抽選では、遊技利益(遊技者が獲得可能な賞球数、有利遊技状態の生起等)が異なる複数種類の当たり種別の中から一の当たり種別が決定される。以降、特別図柄Aによる大当たりの当たり種別を「通常大当たり」、特別図柄B~Dによる大当たりの当たり種別を「確変時短大当たり」と称する。
なお、遊技機100において、大当たり図柄の種別に応じて、遊技状態や高確回数、時短回数を設定してもよいし、大当たり図柄の種別と大当たり当選時の遊技状態との双方に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態および高確回数、時短回数を設定してもよい。
図17は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0~99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1~99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0~98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。このように、非時短遊技状態中は、普図抽選の当選確率が時短遊技状態中と比較して低確率の状態(普図低確率遊技状態)となり、時短遊技状態中は普図抽選の当選確率が非時短遊技状態中と比較して高確率の状態(普図高確率遊技状態)となる。
図18(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図18(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図17(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図18(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素のうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図19および図20は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
本実施形態による遊技機100において、電源投入時の状態(以降、「電源投入時モード」という)を4つに分けている。4つの電源投入時モードの判定には、設定キースイッチ180s、RAMクリア検出スイッチ305sおよび内枠開放スイッチを用いる。
4つの電源投入時モードの判定条件の一例は以下のとおりである。
電源投入時にRAMクリア検出スイッチ305sがオフ状態(RAMクリアボタン305の押圧操作を検出していない)、かつ設定キースイッチ180sがオフ状態(設定キーの変更操作を検出していない)または内枠開放スイッチ145sがオフ状態(内枠104の開放が検出されていない)の場合、通常復帰モードと判定する。通常復帰モードは、通常の遊技を開始し、かつメインRAM300cにおいて一部を除き電源断前にバックアップされた情報の維持を意図して電源投入されたことを示すモードである。
電源投入時にRAMクリア検出スイッチ305sがオン状態(RAMクリアボタン305の押圧操作を検出している)かつ設定キースイッチ180sまたは内枠開放スイッチ145sのいずれかがオフ状態の場合、RAMクリア復帰モードと判定する。RAMクリア復帰モードは、通常の遊技を開始し、かつメインRAM300cにおいて電源断前にバックアップされた情報の初期化(クリア)を意図して電源投入されたことを示すモードである。
また、上述したが、電源投入時に設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sがオン状態、かつRAMクリア検出スイッチ305sがオフ状態の場合、設定確認モードと判定する。設定確認モードは、通常の遊技を開始せずに、性能表示器300dにおける設定値を確認することを意図して電源投入されたことを示すモードである。
また、上述したが、電源投入時に設定キースイッチ180s、内枠開放スイッチ145sおよびRAMクリア検出スイッチ305sがいずれもオン状態の場合、設定変更モードと判定する。設定変更モードは、通常の遊技を開始せずに、RAMクリアボタン305の押下によって設定値を変更することを意図して電源投入されたことを示すモードである。
このように、電源投入時における設定キースイッチ180s、RAMクリア検出スイッチ305sおよび内枠開放スイッチの操作によって4つの電源投入モードを分けることができる。
(ステップS100-1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行い、ステップS100-3に処理を移す。また、電源投入時において、内枠開放スイッチ145s、RAMクリア検出スイッチ305sおよび設定キースイッチ180sからの入力信号の読み込みを行う。また、内部レジスタとして使用するレジスタ数節約のため、メインCPU300aは、内枠104が閉鎖状態(内枠開放スイッチ145sがオフ状態)である場合、設定変更キー回転信号(オン信号)が入力されても設定キースイッチ180sをオフ状態に読み換える。
(ステップS100-3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間(例えば、3.1秒間)を設定して、ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-3に処理を移し改めてウェイト処理時間を設定する。また、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-7に処理を移す。
(ステップS100-7)
メインCPU300aは、上記ステップS100-3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100-9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセス(読み書き)を許可するために必要な処理(例えば、RAMプロテクトの解除処理)を実行してステップS100-11に処理を移す。
(ステップS100-11)
メインCPU300aは、電源断前の遊技機の状態を確認してステップS100-13に処理を移す。遊技機の状態(遊技機状態)には、設定変更状態、設定確認状態、遊技可能状態および異常状態の4種類の状態がある。
設定変更状態は電源投入時モードが設定変更モードであって、上述のとおり設定値の変更が可能な状態である。
変更確認状態は電源投入時モードが設定確認モードであって、上述のとおり設定値の確認が可能な状態である。
また、遊技可能状態は電源投入時モードが通常復帰モードまたはRAMクリアモードであって、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技が可能な状態である。
異常状態はメインRAM300cにおいてバックアップ異常やリードライト異常、および設定値が予め定められた範囲(本例では1~6)に含まれない値である状態(設定値異常)等の所定の不具合が発生している状態を示す。電源投入時モードが、4種類(設定変更モード、設定確認モード、通常復帰モードまたはRAMクリアモード)のいずれのモードであっても、メインRAM300cに不具合が検出された場合は遊技機状態が異常状態に設定される。
また、遊技可能状態以外の遊技機状態(設定変更状態、設定確認状態、異常状態)は、通常の遊技が実行できない状態(遊技停止状態)に該当する。
本実施形態による遊技機100において、遊技機状態は遊技機状態フラグの値として保持されている。遊技機状態フラグは、メインRAM300cの使用領域(図7参照)のうち設定値関連情報および遊技状態関連情報が格納されている第一領域(アドレスF000H~F1FFH)に記憶されている。メインCPU300aは、メインRAM300cにおける使用領域の第一領域から遊技機状態フラグを既定の内部レジスタにロードして、電源断前の遊技機状態を確認する。
(ステップS100-13)
メインCPU300aは、バックアップフラグが有効であり、かつチェックサムが正常であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、電源断時においてセーブされたバックアップフラグの値をメインRAM300cの使用領域における第二領域からロードする。また、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。さらに、メインCPU300aは、ロードしたバックアップフラグの値が、バックアップが有効であることを示す値(本例では「A5H」)であるか否か判定し、また、算出したチェックサムが電源断時に保存されたチェックサムと一致しているかを判定する。メインCPU300aは、バックアップフラグの値が「A5H」であり、かつチェックサムが一致している場合にはステップS100-15に処理を移す。一方、メインCPU300aは、バックアップフラグの値が「A5H」でない、またはチェックサムが一致していない場合にはステップS100-29に処理を移す。
(ステップS100-15)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象の領域を示すアドレスを内部レジスタにセットして、ステップS100-17に処理を移す。本例では、メインRAM300cの使用領域のうち、図7に示す第二領域および第三領域に該当するアドレスがセットされる。
(ステップS100-17)
メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sがオン状態か否かを判定する。メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sからオン信号が入力されていて、RAMクリア検出スイッチ305sがオン状態である(RAMクリアボタン305が押下されている)と判定すると図20のステップS100-35に処理を移す。一方、メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sからオン信号が入力されていて、RAMクリア検出スイッチ305sがオン状態でない(RAMクリアボタン305が押下されていない)と判定するとステップS100-19に処理を移す。
(ステップS100-19)
メインCPU300aは、遊技機状態が遊技可能状態、または設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sからオン信号が入力されているか否かを判定する。メインCPU300aは、ステップS100-10でロードした遊技機状態フラグの値を参照し遊技可能状態であると判定した場合にステップS100-21に処理を移す。また、メインCPU300aは、遊技機状態が遊技可能状態でないと判定した場合でも、設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sからオン信号が入力されていると判定すると同様にステップS100-21に処理を移す。
一方、メインCPU300aは、遊技機状態が遊技可能状態でなく、かつ設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sからオン信号が入力されていないと判定した場合には、ステップS100-23に処理を移す。
(ステップS100-21)
メインCPU300aは、遊技機状態を設定確認状態に設定する。具体的には、メインCPU300aは、内部レジスタにロードした遊技機状態フラグの値を、設定確認状態を示す値に設定し、ステップS100-23に処理を移す。
(ステップS100-23)
メインCPU300aは、電源復帰時にクリアすべきクリア対象のデータ、すなわちステップS100-12でセットしたメインRAM300cのアドレスの領域のデータをクリアする初期化処理を行い、ステップS100-25に処理を移す。
(ステップS100-25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。ここで、電源復帰指定コマンドには、電源復帰時の遊技機状態を示す情報(遊技状態種別)が含まれる。具体的には、メインCPU300aは、内部レジスタにおける遊技機状態フラグの値に基づいて電源復帰指定コマンドを生成する。このため、ステップS100-21において遊技機状態が設定確認状態に設定された場合、本ステップで生成される電源復帰指定コマンドには、設定確認状態を示す内容の遊技機状態種別が含まれる。
(ステップS100-27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行うと、ステップS100-53(図20参照)に処理を移す。
(ステップS100-29)
メインCPU300aは、既定の内部レジスタ(Dレジスタ)にチェックサムが異常状態であること(バックアップ異常)を示すデータを格納し、ステップS100-31に処理を移す。
(ステップS100-31)
メインCPU300aは、メインRAM300cの使用外領域についてリードライトチェック処理を実行し、書き込み読み出し結果の一致性を確認する。メインRAM300cは、チェック結果を既定の内部レジスタに格納するとステップS100-33に処理を移す。
(ステップS100-33)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、RAM異常時にクリアすべきクリア対象の領域を示すアドレスを内部レジスタにセットしてステップS100-35に処理を移す。本例では、メインRAM300cのメモリ領域のうち、図7に示す使用領域および使用外領域に該当するアドレスがセットされる。つまり、バックアップ異常時には、メインRAM300cの全ての領域のデータがクリアされることとなる。
(ステップS100-35)
図20に示すようにメインCPU300aは、メインRAM300cの使用領域についてリードライトチェック処理を実行し、チェック結果を既定の内部レジスタに格納してステップS100-37に処理を移す。また、メインRAM300cは、ステップS100-15またはステップS100-33でセットしたメインRAM300cのアドレスの領域のデータをクリアする。
(ステップS100-37)
メインCPU300aは、ステップS100-35における使用領域のリードライトチェック処理の結果が正常であるか否かを判定する。メインCPU300aは、使用領域のリードライトチェック処理の結果が正常であると判定するとステップS100-39に処理を移す。一方、メインCPU300aは、使用領域のリードライトチェック処理の結果が正常でないと判定するとステップS100-45に処理を移す。
(ステップS100-39)
メインCPU300aは、内部レジスタにおいて遊技機状態として設定確認状態が設定されているか否かを判定する。メインCPU300aは、内部レジスタに設定確認状態を示す値が設定されており、内部レジスタにおいて遊技機状態が設定確認状態に設定されていると判定すると、ステップS100-41に処理を移す。一方、メインCPU300aは、内部レジスタに設定確認状態以外を示す値が内部レジスタに設定されており、内部レジスタにおいて遊技機状態が設定確認状態以外に設定されていると判定すると、ステップS100-43に処理を移す。
(ステップS100-41)
メインCPU300aは、遊技機状態に対応する値として遊技可能状態を示す値を内部レジスタに設定してステップS100-43に処理を移す。
(ステップS100-43)
メインCPU300aは、設定変更が可能な条件が満たされているか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、設定キースイッチ180s、内枠開放スイッチ145sおよびRAMクリア検出スイッチ305sからオン信号が入力されていると判定すると、設定変更が可能な条件が満たされていると判定してステップS100-47に処理を移す。一方、メインCPU300aは、設定キースイッチ180s、内枠開放スイッチ145sおよびRAMクリア検出スイッチ305sの少なくとも1つからオン信号が入力されていないと判定すると、設定変更が可能な条件が満たされていないと判定してステップS100-49に処理を移す。
(ステップS100-45)
メインCPU300aは、内部レジスタにロードした遊技機状態フラグの値に、遊技機状態を示す値として設定変更状態を示す値を設定し、ステップS100-49に処理を移す。
(ステップS100-47)
メインCPU300aは、内部レジスタにロードした遊技機状態フラグの値に、遊技機状態を示す値としてRAM異常が発生している異常状態(RAM異常状態)を示す値を設定し、ステップS100-49に処理を移す。
(ステップS100-49)
メインCPU300aは、内部レジスタに設定されている遊技機状態に対応する値を、メインRAM300cの使用領域の第一領域に記憶されている遊技機状態フラグにセーブしてステップS100-51に処理を移す。
(ステップS100-51)
メインCPU300aは、RAMクリア時の初期化処理を実行する。ここで、RAMクリア時とは、電源投入モードが設定変更モードまたはRAMクリアモードである場合(ステップS100-17のYES)、およびバックアップ異常が発生した場合(ステップS100-13のNOまたはステップS100-37のNO)に相当する。RAMクリア時の初期化処理においてメインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)、およびメインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行い、ステップS100-53に処理を移す。
ここで、RAMクリア指定コマンドには、RAMクリア時の遊技機状態を示す情報(遊技機状態種別)が含まれる。具体的には、メインCPU300aは、内部レジスタにおける遊技機状態フラグの値に基づいてRAMクリア指定コマンドを生成する。このため、例えばステップS100-45において遊技機状態が設定変更状態に設定された場合、本ステップで生成されるRAMクリア指定コマンドには、設定変更状態を示す遊技機状態種別が含まれる。また、ステップS100-47において遊技機状態が異常状態(RAM異常状態)に設定された場合、本ステップで生成されるRAMクリア指定コマンドには、異常状態を示す遊技機状態種別が含まれる。
(ステップS100-53)
メインCPU300aは、電源投入時の初期状態の演出制御に必要な各種演出コマンドを副制御基板330に送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(コマンドを送信バッファに格納)を実行する。本処理では、例えば、機種指定コマンド、電源投入時特フェーズ指定コマンド、発射位置指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特図1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特図2保留指定コマンド、特図1図柄確認指定コマンド、特図2図柄確認指定コマンド等が送信バッファにセットされる。なお、メインCPU300aは、演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットすることもできる。
また、本電源投入時サブコマンドセット処理において、メインCPU300aは、現在設定中の設定値を副制御基板330に伝達するための設定値指定コマンドも送信バッファに格納される。
また、メインCPU300aは、本処理において各種の入力ポートのスイッチ状態を初期化する処理も実行する。
例えば、電源復帰時において、メインCPU300aは、メインRAM300cの第一領域(図7参照)で保持されているバックアップ情報に基づいて、各演出コマンドの値を設定し、送信バッファにセットする。これらの演出コマンドが副制御基板330に対して送信されることにより、サブCPU330aは、前回の電源遮断時に実行中であった演出(例えば、変動演出や大役遊技の実行に伴う大当たり演出)を再開させることができる。なお、電源断時には副制御基板330のサブRAM330cはクリアされる。このため、電源復帰時における演出コマンドに基づいて再開される演出においては、演出表示部200aにおける表示態様や音声出力装置206での音声出力態様、演出照明装置204の点灯態様等が電源遮断時とは異なる態様となる場合がある。電源復帰時における演出制御については後述する。
メインCPU300aは、電源投入時サブコマンドセット処理を実行した後に、ステップS400-55に処理を移す。
(ステップS100-55)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期(本例では、4ミリ秒)を設定しステップS200に処理を移す。
(ステップS200)
メインCPU300aは、メインループ処理を開始する。メインループ処理の詳細は、後述する。
次に、主制御基板300におけるメインループ処理について説明する。図21は、メインループ処理を説明するフローチャートである。遊技機100は、電力供給が保たれている間は、主制御基板300においてメインループ処理を繰り返し実行する。
(ステップS200-1)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS200-3)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数-1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS200-5)
メインCPU300aは、シリアル通信受信割込み処理により保存した払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。なお、シリアル通信受信割込み処理は主コマンドの保存を行う割込み処理であるが、詳細な説明は省略する。
(ステップS200-7)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されている未送信のサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS200-9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS200-11)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS200-1からステップS200-11の順に処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図22は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、メインループ処理の割込み許可期間中(ステップS200-1とステップS200-11の処理の間)に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300-3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-7に処理を移す。
(ステップS300-7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させてメインループ処理に戻る。
(ステップS300-9)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300-11)
メインCPU300aは、バックアップ有効フラグにバックアップが有効であることを示す値(「A5H」)をセットするバックアップ有効設定処理を実行する。バックアップ有効フラグは、メインRAM300cの使用領域(図7参照)のうち第二領域に記憶されている。
(ステップS300-13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。メインCPU300aは、チェックサム設定処理において、メインRAM300cに割り当てられた全てのメモリ領域(使用領域および使用外領域)のチェックサムを、使用領域のうち第二領域に保存する。
(ステップS300-15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300-17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、電源断監視タイマをセットする電源断発生監視時間の設定処理を実行する。本実施形態による遊技機100は、電源断監視タイマにより所定の電源断発生監視時間(例えば10ミリ秒間)を計時する。
(ステップS300-19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-17に処理を移して新たに電源断発生監視時間の計時を開始し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-23に処理を移す。
(ステップS300-23)
メインCPU300aは、上記ステップS300-17でセットした電源断発生監視時間が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、電源断監視タイマのタイマカウンタの値を1減算し、減算後のタイマカウンタが示す値に基づいて電源断発生監視時間の経過を判定する。メインCPU300aは、電源断発生監視時間が経過したと判定するとステップS300-3に処理を移す。これにより、電源断発生監視時間が経過するまで電源断予告信号を検出していない(予告信号がオフ状態である)ことから、電源断時退避処理を終了してメインループ処理に戻る(ステップS300-5のYESからステップS300-7の流れ)。一方、メインCPU300aは、電源断発生監視時間が経過していないと判定するとステップS300-19に処理を移す。
なお、通常の電源断時には、電源断予告信号のチェックを繰り返して(ステップS300-17~ステップS300-21の処理をループして)、電圧低下による電源断を待機することになる。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図23は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400-1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400-3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。メインCPU300aは、割込みを許可するにあたり、割込みフラグの初期化を実行する。割込みフラグは、所定のタイマ割込み周期(本例では、4ms)でセット(値「1」を設定)されるフラグである。割込みフラグがセットされている期間はタイマ割込みの発生が許可されない期間であり、割込みフラグを初期化(値「0」を設定)することでタイマ割込みが許可される。
(ステップS400-5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172、および性能表示器300dを点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400-7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。ポート入力処理においてメインCPU300aは、例えば入力ポートに入力された各種スイッチ信号を読み込むと、当該信号を正論理に変換してメインRAM300cに保存する。また、各種スイッチ信号に関し、前回入力値と今回入力値とを元に、オン検出フラグ(オフ状態からオン状態への切り替わりの検出を示すフラグ)を生成して保存する。これにより、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確なスイッチ状態を把握することができる。
(ステップS400-9)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグをロードして、現在の遊技機状態を内部レジスタにセットする。
(ステップS400-11)
メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が遊技可能状態か否かを判定する。メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が遊技可能状態であると判定するとステップS400-15に処理を移す。一方、メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が遊技可能状態でないと判定するとステップS400-13に処理を移す。
(ステップS400-13)
メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が異常状態か否かを判定する。メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が異常状態であると判定するとステップS400-29に処理を移す。一方、メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が異常状態でないと判定するとステップS410に処理を移す。
(ステップS410)
メインCPU300aは、設定値関連処理を実行してステップS400-29に処理を移す。設定値関連処理は、設定値の確認または変更を行うための処理であって、遊技機状態が遊技可能状態および異常状態のいずれでもない(ステップS400-11のNOかつステップS400-13のNO)、すなわち設定変更状態または設定確認状態であることに基づいて実行される。本実施形態において、上述の設定変更手順の開始から終了までに実行される設定値の変更に係る操作(例えば、RAMクリアボタン305の押下)および、当該操作に基づく主制御基板300における制御処理を「設定変更処理」と称する場合がある。また、上述の設定確認手順の開始から終了までに実行される主制御基板300における制御処理を「設定確認処理」と称する場合がある。設定値関連処理については後述する。
(ステップS400-15)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400-17)
メインCPU300aは、上記ステップS200-3と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400-19)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400-21)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。エラー管理処理では、例えば磁気、電波等の監視や各種センサ、スイッチの検知状態のチェックを行い、異常や不具合といったエラーを検知する。さらにメインCPU300aは、エラー管理処理において、エラー発生時のサブコマンド(エラー発生コマンド)や当該エラーの解除時のサブコマンド(エラー解除コマンド)を設定(送信バッファにセット)する。
(ステップS400-23)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、各入賞口の検出スイッチに該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400-25)
メインCPU300aは、上記ステップS400-23でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400-27)
メインCPU300aは、遊技の進行状況(特別遊技や普通遊技の進行状況)に基づいて遊技球の発射位置を決定する発射位置指定管理処理を実行する。本処理においてメインCPU300aは、後述する特別遊技管理フェーズや普通遊技管理フェーズに基づいて、開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cや普通電動役物ソレノイド122cの通電状況、すなわち第1大入賞口126および第2大入賞口128や第2始動口122の可動片122bの開閉状況を判断し、発射位置(右打ち、又は左打ち)を決定する。なお、本処理は、特別遊技管理処理の中で実行してもよい。
(ステップS400-29)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部(例えば、遊技店に設置されているホールコンピュータ)へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。外部情報管理処理では、遊技機状態が遊技停止状態(設定変更状態、設定確認状態、異常状態のいずれか)である期間中も、継続的に外部情報を出力して遊技機100の状態を外部に報知するための処理が実行される。
(ステップS400-31)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。また、例えばLED表示設定処理において、メインCPU300aは、メインRAM300cの設定値バッファから設定値データをロードして、性能表示器300dに設定値を表示するための表示データを生成しコモン出力バッファにセットする。これにより、性能表示器300dの表示領域361~364において設定値の表示切替え等を行うことができる。なお、性能表示器300dにおける出球率(ベース)の点灯制御は、後述するステップS400-41の性能表示モニタ制御処理で行う。
(ステップS400-33)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400-35)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400-37)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理(割込みフラグのセット)を行う。
(ステップS400-39)
メインCPU300aは、試験信号出力処理を実行する。本処理において、メインCPU300aは、遊技機100の現在の内部状態を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力する。この試験信号により、例えば遊技機100の試験時等に、主制御基板300の外部でメインCPU300aの内部状態を確認することができる。
(ステップS400-41)
メインCPU300aは、性能表示モニタ制御処理を実行する。本処理においてメインCPU300aは、出玉率(ベース)に関する情報を性能表示器300dに表示するためのコモンデータを生成してコモン出力バッファにセットする。これにより、性能表示器300dの表示領域361~364においてベース値の表示切替等を行うことができる。また、メインCPU300aは性能表示モニタ制御処理において、性能表示器300dに表示するベース値に関する演算処理を行ってもよい。
(ステップS400-43)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS410の設定値関連処理、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図24は、主制御基板300における設定値関連処理を説明するフローチャートである。
(ステップS410-1)
メインCPU300aは、タイマ割込み処理(図23参照)のステップS400-9でロードした遊技機状態が設定変更状態か否かを判定する。メインCPU300aは、遊技機状態が設定変更状態であると判定するとステップS410-3に処理を移す。一方、メインCPU300aは、遊技機状態が設定変更状態でない、すなわち設定確認状態であると判定するとステップS410-15に処理を移す。
(ステップS410-3)
メインCPU300aは、メインRAM300cの第一領域(図7参照)から設定値バッファをロードし、現在の設定値に対応する設定値データを内部レジスタにセットする。設定値データは「0」~「5」の6つの数値データであって、この順に、6段階の設定値(設定1~設定6)に対応している。本実施形態による遊技機100は、設定値データ(数値「0」~「5」)によって設定値の管理を行っている。
(ステップS410-5)
メインCPU300aは、RAMクリアボタン305が押下されたか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sから入力信号(オン信号)が入力され、かつRAMクリア検出スイッチ305sのオン検出フラグがセット(値「1」が設定)されており入力信号の状態の切り替わりが検出されたと判定すると、オン検出フラグをクリア(値「0」を設定)してステップS410-7に処理を移す。一方、メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sのオン検出フラグがクリアされており、オフ状態からオン状態への切り替わりが検出されていないと判定するとステップS410-9に処理を移す。
(ステップS410-7)
メインCPU300aは、内部レジスタにセットされた設定値データを、現在の設定値データに1加算した値に更新する。例えば、ステップS410-3でロードした設定値データが「3」(設定4を示すデータ)であった場合、メインCPU300aは、本処理において内部レジスタの設定値データを「4」(設定5を示すデータ)に更新する。
(ステップS410-9)
メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データが設定比較値未満か否かを判定する。ここで、設定比較値は設定値データの最大値(設定値6に対応する設定値データ「5」)よりも1大きい数値(本例では「6」)である。メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データが設定比較値未満であると判定するとステップS410-13に処理を移す。一方、メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データが設定比較値以上であると判定するとステップS410-11に処理を移す。
(ステップS410-11)
メインCPU300aは、設定値データとして数値「0」を内部レジスタにセットする。これにより、例えば最大の設定値6に対応する設定値データ「5」から最小の設定値1に対応する設定値データ「0」への更新が可能となる。このようにして、遊技機100は、RAMクリアボタン305を押下するごとに、設定値を1~6(設定値データ「0」~「5」)に順次更新し、設定値6の次はまた設定値1まで戻るループ処理のように設定値の更新を行うことができる。なお、ステップS410-7の処理で更新した設定値データが「6」(設定比較値と同値)だった場合に、同ステップにおいて設定値データを「0」として更新してもよい。これにより、ステップS410-9、ステップS410-11の処理は不要となる。
(ステップS410-13)
メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データをメインRAM300cの設定値バッファにセーブする。これにより、設定値データがバックアップ対象として保持される。
(ステップS410-15)
メインCPU300aは、設定キー差込口306において設定キーが回転操作または復帰操作されたタイミングか否かを判定するためのオン検出フラグ(設定キースイッチ180sのオン検出フラグ)を確認する。
(ステップS410-17)
メインCPU300aは、設定キースイッチ180sからの入力信号(オン信号)の有無とオン検出フラグに基づいて、設定キー差込口306において設定キーが復帰操作されたタイミングか否かを判定する。メインCPU300aは、設定キースイッチ180sから入力信号が入力されず、かつオン検出フラグがセットされており、設定キースイッチ180sからの入力信号についてオン状態からオフ状態(入力信号なし)への切り替わりが検出されたと判定すると、オン検出フラグをクリア(値「0」を設定)してステップS410-19に処理を移す。一方、メインCPU300aは、設定キースイッチ180sから入力信号が入力されており、かつオン検出フラグがクリアされており、設定キースイッチ180sのオン状態が継続されていると判定すると、ステップS410-19以降の処理を実行せずに本処理を終了して、タイマ割込み処理(図23参照)に戻る。
(ステップS410-19)
メインCPU300aは、設定変更状態または設定確認状態を終了することを示すサブコマンドである設定関連終了指定コマンドをセットする。設定関連終了指定コマンドには、例えば設定変更状態および設定確認状態のうち何れの終了に基づいて設定値が確定したかという情報や、設定値に関する情報を含めることができる。
(ステップS410-21)
メインCPU300aは、サブコマンド群セット処理を実行する。サブコマンド群セット処理では、設定変更状態および設定確認状態が終了して通常の遊技が開始されることに伴って、上述の設定関連終了指定コマンド以外のサブコマンド(例えば演出の実行制御に係る種々のサブコマンド(例えば、機種コード指定コマンド、発射位置指定コマンド、特図1図柄確認指定コマンド、特図1保留指定コマンド、特図2保留指定コマンド、電源投入時特フェーズ指定コマンド、設定値指定コマンド等))が送信バッファにセットされる。
(ステップS410-23)
メインCPU300aは、メインRAM300cから設定関連終了時ラムセットテーブルのアドレスを取得して内部レジスタにセットする。
(ステップS410-25)
メインCPU300aは、設定関連終了時ラムセットテーブルに基づくラムセット処理を実行する。
(ステップS410-27)
メインCPU300aは、メインRAM300cの遊技機状態フラグに遊技可能状態を示す値をセットして、本処理を終了しタイマ割込み処理に戻る。これにより、遊技機状態が本処理開始時の状態(設定変更状態または設定確認状態)から通常の遊技が可能な遊技可能状態に変更される。
図25は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500-1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500-3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500-5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500-7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sおよび第2大入賞口検出スイッチ128sのいずれか一方から検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500-9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS500-9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタおよび大役中入球数カウンタを1加算して、当該スイッチ管理処理(ステップS500)を終了する。
図26は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510-1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510-3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510-5に処理を移す。
(ステップS510-5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510-7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510-9)
メインCPU300aは、上記ステップS510-1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510-7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510-11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図26は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520-1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520-3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図28は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530-1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530-3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530-5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530-7)
メインCPU300aは、上記ステップS530-5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530-9に処理を移す。
(ステップS530-9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図29は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535-1)
メインCPU300aは、上記ステップS520-1またはステップS530-1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535-3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535-5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535-7)
メインCPU300aは、上記ステップS535-3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535-23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535-9に処理を移す。
(ステップS535-9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535-11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535-13)
メインCPU300aは、上記ステップS535-5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400-13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS200-11で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535-11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535-15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535-13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理の詳細は後述する。
(ステップS535-17)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535-19)
メインCPU300aは、上記ステップS535-17でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535-21)
メインCPU300aは、上記ステップS535-15で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS535-23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535-25)
メインCPU300aは、上記ステップS535-23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535-27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535-27)
メインCPU300aは、各始動口において異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図30は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
(ステップS536-1)
メインCPU300aは、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、ロードした特別図柄確率状態フラグに基づいて、低確率遊技状態であるかを判定する。その結果、低確率遊技状態であると判定した場合にはステップS536-3に処理を移し、低確率遊技状態でないと判定した場合には当該取得時演出判定処理を終了する。
(ステップS536-3)
メインCPU300aは、設定中の設定値に基づいて、対応する大当たり決定乱数判定テーブル(図8(a)~図8(f)参照)のいずれかを選択する。そして、メインCPU300aは、選択したテーブルと、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりまたはハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。
(ステップS536-5)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS536-3の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりであった場合には、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(図7参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS536-3の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。
(ステップS536-7)
メインCPU300aは、ステップS536-5でセーブした特別図柄判定データに対応する先読み図柄種別指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536-9)
メインCPU300aは、詳しくは後述するように、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数が、複数の乱数識別範囲のうちのいずれの乱数識別範囲に含まれているかを示す乱数識別範囲指定コマンドを決定する。
(ステップS536-11)
メインCPU300aは、上記ステップS536-9で決定した乱数識別範囲指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536-13)
メインCPU300aは、上記ステップS536-3の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS536-15に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS536-17に処理を移す。
(ステップS536-15)
メインCPU300aは、保留種別に基づいて特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図12(b)参照)または特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図12(c)参照)をセットし、ステップS536-25に処理を移す。
(ステップS536-17)
メインCPU300aは、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数をロードする。
(ステップS536-19)
メインCPU300aは、上記ステップS536-17でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であるかを判定する。ここで、グループ種別は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを参照して決定されるが、このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、記憶されている保留数に応じて選択される。このとき、リーチグループ決定乱数は、0~10006の範囲から取得され、リーチグループ決定乱数の値が8500以上であれば、保留数に拘わらず、同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、リーチグループ決定乱数の値が8500未満であれば、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される。以下では、リーチグループ決定乱数のうち、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される0~8499の範囲の値を不定値とし、保留数に拘わらず同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される8500~10006の範囲の値を固定値と呼ぶ。上記ステップS536-17でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であると判定した場合にはステップS536-21に処理を移し、上記ステップS536-17でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)ではないと判定した場合にはステップS536-33に処理を移す。
(ステップS536-21)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値および保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(図11参照)をセットする。なお、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、ここでは、保留数が0のときに用いられるテーブルが選択される。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を仮決定する。
(ステップS536-23)
メインCPU300aは、上記ステップS536-21で仮決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(図12(a)参照)をセットし、ステップS536-21に処理を移す。
(ステップS536-25)
メインCPU300aは、上記ステップS536-15または上記ステップS536-23でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
(ステップS536-27)
メインCPU300aは、上記ステップS536-25で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536-29)
メインCPU300aは、上記ステップS536-25で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
(ステップS536-31)
メインCPU300aは、上記ステップS536-29で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
(ステップS536-33)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンド(先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンド=7FH)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
以上のように、上記の取得時演出判定処理によれば、記憶された保留が大当たりに当選する保留であった場合、および、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が固定値であった場合には、先読み指定コマンドとして、先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。一方、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が不定値であった場合には、先読み指定コマンドとして不定値コマンドが副制御基板330に送信されることとなる。
図31は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図31に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図32は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600-1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600-3)
メインCPU300aは、上記ステップS600-1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600-5)
メインCPU300aは、上記ステップS600-3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600-7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図33は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610-1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610-7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610-3に処理を移す。
(ステップS610-3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610-7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610-5に処理を移す。
(ステップS610-5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップS610-7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610-1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610-3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610-11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610-9の大役抽選結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610-9の大役抽選結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610-13)
メインCPU300aは、上記ステップS610-11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610-15)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610-17)
メインCPU300aは、上記ステップS610-9における大役抽選結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610-11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグにセーブする。また、ここでは、大当たり当選時に設定されている遊技状態が記憶される。
(ステップS610-19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610-21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610-7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS610-23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図34は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS611-1)
メインCPU300aは、上記ステップS610-9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS611-3に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS611-5に処理を移す。
(ステップS611-3)
メインCPU300aは、現在の変動状態、大当たり図柄の種別、保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611-5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップS611-7)
メインCPU300aは、現在の変動状態、上記ステップS611-5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610-7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS611-9)
メインCPU300aは、上記ステップS611-7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611-11)
メインCPU300aは、上記ステップS611-3または上記ステップS611-9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610-7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS611-13)
メインCPU300aは、上記ステップS611-11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS611-15)
メインCPU300aは、上記ステップS611-11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610-7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611-17)
メインCPU300aは、上記ステップS611-15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図35は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620-1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620-3)
メインCPU300aは、上記ステップS620-1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620-5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-9に処理を移す。
(ステップS620-5)
メインCPU300aは、上記ステップS610-15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620-7)
メインCPU300aは、上記ステップS620-5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620-15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-9に処理を移す。
(ステップS620-9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620-11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620-13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620-13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620-15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620-17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610-13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620-19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620-21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図36は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630-1)
メインCPU300aは、上記ステップS620-21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630-3に処理を移す。
(ステップS630-3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630-5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630-17に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630-9に処理を移す。
(ステップS630-9)
メインCPU300aは、変動状態を更新する変動状態更新処理を実行する。
(ステップS630-11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630-15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630-17)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630-19)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630-17でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630-21)
メインCPU300aは、上記ステップS630-17でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630-23)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630-25)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技が開始されることとなる。
図37は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS640-1)
メインCPU300aは、上記ステップS630-21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640-3に処理を移す。
(ステップS640-3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640-5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640-7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図38は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641-1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641-3に処理を移す。
(ステップS641-3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データと、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641-5)
メインCPU300aは、上記ステップS641-3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、または、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400-25およびステップS400-27において、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641-7)
メインCPU300aは、上記ステップS641-3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1大入賞口126および第2大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641-9)
メインCPU300aは、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641-5において、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641-11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641-11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図39は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS650-1)
メインCPU300aは、上記ステップS641-7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650-5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650-3に処理を移す。
(ステップS650-3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650-7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650-3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650-5)
メインCPU300aは、上記ステップS500-9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合には大入賞口入賞球数カウンタを0に戻して(初期化して)ステップS650-7に処理を移す。
(ステップS650-7)
メインCPU300aは、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して第1大入賞口126および第2大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650-9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650-11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS650-13)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図40は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS660-1)
メインCPU300aは、上記ステップS650-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660-3に処理を移す。
(ステップS660-3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660-9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660-5に処理を移す。
(ステップS660-5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
(ステップS660-7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660-9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660-11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
(ステップS660-13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図41は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS670-1)
メインCPU300aは、上記ステップS660-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670-3に処理を移す。
(ステップS670-3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄に基づいて、大役遊技終了後の遊技状態が設定される。具体的には、メインCPU300aは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄B~Dである場合には、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定(特別図柄確率状態フラグおよび普通図柄時短状態フラグに「1」をセット)する。特別図柄確率状態フラグは、セットされた値(「0」または「1」)によって遊技状態が低確率遊技状態(「0」)であるか高確率遊技状態(「1」)であるかを識別するためのフラグである。また、普通図柄時短状態フラグは、セットされた値(「0」または「1」)によって遊技状態が非時短遊技状態(「0」)であるか時短遊技状態(「1」)であるかを識別するためのフラグである。特別図柄確率状態フラグおよび普通図柄時短状態フラグは、例えばメインRAM300cの所定の記憶領域に記憶されている。また、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄Aである場合には、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定する(特別図柄確率状態フラグを「0」および普通図柄時短状態フラグを「0」にセット)。
(ステップS670-5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための大役後遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670-7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
(普通遊技)
既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
ここで、普通遊技制御モジュールの各処理について説明する。本実施形態では、主制御基板300における普通遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードし、ロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
主制御基板300における普通遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「00H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通図柄変動待ち処理を選択し、普図保留が「0」であるかを判定する。メインCPU300aは、普図保留が「0」であると判定した場合、普通図柄変動待ち処理を終了する。一方、メインCPU300aは、普図保留が「0」でないと判定した場合、普図保留記憶領域の第1記憶部に記憶されていた普図保留(当り決定乱数)について普図抽選を行う普通図柄当り判定処理、普図抽選の結果に対応し最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示す普通図柄停止図柄番号の設定処理、普通図柄変動時間を決定する普通図柄変動時間の決定処理、普通図柄の変動表示を開始するための普通図柄表示図柄カウンタの設定処理、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づく普通図柄指定コマンドの送信バッファへの設定処理などを実行する。また、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「01H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通図柄変動中処理を選択し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、普通図柄表示器168の点灯および消灯を繰り返すために、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値(普通図柄表示器168の消灯または点灯を示すカウンタ値)の更新設定処理を実行し、普通図柄変動待ち処理を終了する。普通図柄表示図柄カウンタが消灯を示すカウンタ値と点灯を示すカウンタ値とが交互に更新設定されることにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通図柄表示図柄カウンタに、普通図柄表示待ち処理において決定していた普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普図抽選の結果が報知されることとなる。また、メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間の設定処理や普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドの送信バッファへの設定処理などを実行し、さらに、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「02H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通図柄停止図柄表示処理を選択し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、普通図柄停止図柄表示処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定し、普図抽選の結果が当たりではない(ハズレである)と判定した場合、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新して普通図柄停止図柄表示処理を終了する。また、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定し、普図抽選の結果が当たりであると判定した場合、普通遊技タイマのタイマ値として普電開放前時間をセーブするとともに普通遊技管理フェーズを「03H」に更新して普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「03H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口開放前処理を選択し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。普通電動役物入賞口開閉切替処理において、メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122aの開閉回数)の上限値であると判定すると普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。一方、当メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が普通電動役物開閉切替回数の上限値でないと判定すると、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始または通電停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始または通電停止の制御がなされることとなる。
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第2始動口122の1回の最大開放時間となるタイマ値を普通遊技タイマにセーブする。メインCPU300aは、上述の普通電動役物ソレノイド通電制御処理において普通電動役物ソレノイド122cの通電開始制御処理を実行したと判定した場合、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新して普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。一方、メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始制御処理を実行していないと判定した場合、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を更新せずに普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新して、普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「04H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口開放制御処理を選択し、普通電動役物入賞開閉切替処理においてセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値であると判定した場合、後述する普通電動役物閉鎖処理を実行する。また、メインCPU300aは、当該カウンタ値が上限値でないと判定した場合、上述の普通電動役物入賞開閉切替処理を実行する。
一方、メインCPU300aは、普通電動役物入賞開閉切替処理においてセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、上述の第2始動口通過処理で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達し、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が第2始動口122に入球しているかを判定する。メインCPU300aは、入球数が規定数に到達していないと判定した場合、普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。一方、メインCPU300aは、入球数が規定数に到達していると判定した場合、第2始動口122を閉鎖状態とするために、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して普通電動役物閉鎖処理を実行し、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブするとともに、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新して普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「05H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を選択し、上述の普通電動役物入賞口開放制御処理でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合、普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブし、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新して普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「06H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を選択し、上述の普通電動役物入賞口閉鎖有効処理でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合、普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新して普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。
(演出決定テーブルの一例)
次に、演出表示部200aにおいて実行される変動演出の態様の決定方法について説明する。図42(a)は、前半変動演出決定テーブルを説明する図であり、図42(b)は、後半変動演出決定テーブルを説明する図である。本実施形態では、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて前半の変動演出(以下、「前半変動演出」と称する)の態様が決定され、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて後半変動演出(以下、「後半変動演出」と称する)の態様が決定される。具体的には、リーチ変動パターンの変動演出においては、所定の動画(リーチ発展演出)が再生表示されるまでの変動演出の態様(演出表示部200aに表示される画像パターン)が、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定され、動画(リーチ発展演出)の画像パターンが、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定される。したがって、例えば、後述するリーチ変動パターンの変動演出においては、演出図柄の変動表示の開始からリーチ演出までの変動演出の態様(例えば画像パターン)が変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定されており、リーチ発展演出の変動演出の態様(例えば動画)が変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されている。
なお、リーチなしパターンの変動演出は、前半変動演出が実行されないことを示す変動モード番号(変動モードコマンド)と、所定の変動パターン番号(変動パターンコマンド)とが決定された場合に実行される。例えば、前半変動演出が実行されないことを示す「00H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半変動演出の態様として「なし」が決定される。また、同時に受信した変動パターンコマンドに基づいて、開始から終了までの変動演出の態様が決定される。したがって、リーチなしパターンの変動演出の態様(画像パターン)は、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されることとなる。
図42(a)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動モードコマンド(変動モード番号)のそれぞれに、前半変動演出の態様が対応付けられた前半変動演出決定テーブルが記憶されている。この前半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、0~249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する前半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動モードコマンド(変動モード番号)に基づいて、前半変動演出の態様が決定される。
なお、図42(a)において、変動モード番号と前半変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、必ず、「なし」が決定され、変動モード番号=01Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、必ず、「リーチA」の変動演出が決定され、変動モード番号=02Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、必ず、「リーチB」の変動演出が決定され、変動モード番号=03Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、必ず、「リーチC」の変動演出が決定されることとなる。また、変動モード番号=04Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、「リーチC」および「リーチD」の何れかの変動演出がそれぞれ50%の確率で決定される。
ここで、前半変動演出の態様のうち「なし」は、前半変動演出を実行しないことを示しており、この「なし」が決定された場合には、後述する変動パターンコマンドに基づいて決定される後半変動演出のみが実行されることとなる。また、図42(a)において、前半変動演出の態様における「リーチA」や「リーチB」、「リーチC」、「リーチD」は、それぞれ、リーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまでの、演出表示部200aに表示される画像パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されている。
したがって、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行されることとなる。これに対して、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンド以外の変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行されることとなる。
また、図42(b)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動パターンコマンド(変動パターン番号)のそれぞれに、後半変動演出の態様が対応付けられた後半変動演出決定テーブルが記憶されている。この後半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動パターンコマンドを受信すると、0~249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する後半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動パターンコマンド(変動パターン番号)に基づいて、後半変動演出の態様が決定される。
なお、図42(b)において、変動パターン番号と後半変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、図42(a)と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動パターン番号=00Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半変動演出の態様として、必ず、「ハズレ4秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=01Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半変動演出の態様として、必ず、「ハズレ8秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=02Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半変動演出の態様として、必ず、「ハズレ12秒」の変動演出が実行されることとなる。
なお、「ハズレ4秒」、「ハズレ8秒」、「ハズレ12秒」の変動演出の態様は、演出図柄210a、210b、210cが、変動表示を開始してから、リーチ態様になることなく、それぞれ4秒、8秒、12秒で、ハズレを報知する態様で停止表示するものである。したがって、主制御基板300において、「00H」、「01H」、「02H」の変動パターン番号が決定される場合には、前半変動演出の態様として「なし」が決定されるように、必ず、「00H」の変動モード番号(変動モードコマンド)が決定されるように設計されている。
また、主制御基板300において、例えば、変動パターン番号=03Hが決定された場合には、後半変動演出の態様として、「パターン1」が決定される。例えば、変動パターン番号=04Hが決定された場合には、後半変動演出の態様として、「パターン1」および「パターン2」のいずれかが決定される。「パターン1」、「パターン2」は、リーチ発展演出における例えば動画の種類を示すものであり、演出表示部200aに表示される画像は異なるものの、その構成時間は、変動パターン番号=04Hに対応付けられた変動表示の時間と一致している。
上記のように、副制御基板330においては、設定されている演出モードに応じて、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルが選択され、当該選択したテーブルに基づいて、演出表示部200aに表示される変動演出の態様が決定される。
以下に、上記の演出を実行するための副制御基板330における処理について説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図43は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000-1)
サブCPU330aは、電源投入または主制御基板300のRAMクリアに応じた初期化処理を行う。具体的には、サブCPU330aは、主制御基板300から電源断から復帰したことを示す電源復帰指定コマンドまたはRAMクリア指定コマンドを受信すると、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行い、ステップS100-3に処理を移す。これにより、例えば停電等を原因とする電源断後に遊技機100に電源が投入された際に、電源断時において実行されていた各種演出の態様等の情報はクリアされる。
(ステップS1000-3)
サブCPU330aは、初期化処理時の遊技機状態が設定変更状態か否かを判定する。具体的には、サブPCU330aは、RAMクリア指定コマンドを受信しており、かつRAMクリアコマンドに設定変更状態を示す遊技機状態種別が含まれていると判定するとステップS100-5に処理を移す。一方、サブPCU330aは、RAMクリア指定コマンドを受信していないか、またはRAMクリア指定コマンドに含まれる遊技機状態種別が設定変更状態を示していないと判定すると、ステップS1000-7に処理を移す。
(ステップS1000-5)
サブCPU330aは、遊技機状態が設定変更状態であるか否かを示す設定変更状態フラグをオン状態に設定してステップS1000-11に処理を移す。設定変更状態フラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されており、オン状態である場合に遊技機状態が設定変更状態であることを示し、オフ状態である場合に設定変更状態でないことを示す。
(ステップS1000-7)
サブCPU330aは、初期化処理時の遊技機状態が設定確認状態か否かを判定する。具体的には、サブPCU330aは、電源復帰指定コマンドを受信しており、かつ電源復帰指定コマンドに設定確認状態を示す遊技機状態種別が含まれていると判定するとステップS100-9に処理を移す。一方サブCPU330aは、電源復帰指定コマンドを受信していないか、または電源復帰指定コマンドに含まれる遊技機状態種別が設定変確認状態を示していないと判定すると、ステップS1000-11に処理を移す。
(ステップS1000-9)
サブCPU330aは、遊技機状態が設定確認状態であるか否かを示す設定確認状態フラグをオン状態に設定してステップS1000-11に処理を移す。設定確認状態フラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されており、オン状態である場合に遊技機状態が設定確認状態であることを示し、オフ状態である場合に設定確認状態でないことを示す。
(ステップS1000-11)
サブCPU330aは、各演出装置において設定関連報知演出を開始するための設定関連報知開始コマンドを作成して、送信バッファにセットする。設定関連報知演出は、遊技機状態が設定変更状態または設定確認状態のいずれかであることを報知する演出である。また、設定関連報知開始コマンドには、遊技機状態が設定変更状態または設定確認状態のいずれであるかを示す情報(設定種別情報)が含まれている。設定関連報知開始コマンドは、割込み処理(後述するサブタイマ割込み処理)の開始に伴って、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360に送信される。これにより、演出表示部200a、音声出力装置206および演出照明装置204を用いて設定関連報知演出が実行され、遊技機状態が設定変更状態または設定確認状態のいずれかが生起されていることが報知される。設定関連報知演出の詳細は後述する。
(ステップS1000-13)
サブCPU330aは、演出装置の初期化処理を実行し、ステップS1000-15に処理を移す。演出装置の初期化処理は、遊技機100の電源投入時やRAMクリア時において演出装置を初期化するための処理である。当該初期化処理には、例えば演出役物装置202にイニシャル動作(例えば初期位置から所定位置まで可動し、再度初期位置に戻る動作)を行わせるイニシャル動作制御処理が含まれる。サブCPU330aは、イニシャル動作制御データを含んだコマンド(イニシャル動作コマンド)を作成し、送信バッファにセットする。送信バッファにセットされたイニシャル動作コマンドは、サブタイマ割込み処理の開始に伴って、可動体制御部370に送信される。可動体制御部370は、当該コマンドを受信するとイニシャル動作制御データに含まれる演出役物装置202用のモータ(不図示)のステップ数、加速度、駆動速度、回転方向などのデータを参照して、演出役物装置202イニシャル動作を実行させる。
なお、演出装置の初期化処理には、演出表示部200aの輝度および演出照明装置204の光量を既定値に設定する処理や、音声出力装置206の音量を既定値に設定する処理等が含まれてもよい。
(ステップS1000-15)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000-3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図44は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100-1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100-3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100-5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。なお本実施形態において、遊技機状態が設定変更状態および設定確認状態のいずれかである場合、通常の遊技は行われない。このため、設定変更状態中および設定確認状態中に主制御基板300からは送信されるコマンドは、設定値の変更、確認に関連するコマンドとなり、サブタイマ割込み処理において設定関連報知演出以外の演出の制御は行われない。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、遊技の待機中である客待ち状態において演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206といった各種演出装置を制御する客待ち中処理を実行する。客待ち中処理の詳細は後述する。
(ステップS1400)
サブCPU330aは、遊技機100において実行される変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。タイムスケジュール管理処理の詳細は後述する。
(ステップS1500)
サブCPU330aは、演出操作装置208(演出ボタン208a、演出レバー208bおよび十字ボタン218)の入力操作に係る状態(入力状態)の制御を行う入力状態制御処理を実行する。入力状態制御処理の詳細は後述する。
(ステップS1600)
サブCPU330aは、演出操作装置208を構成する演出ボタン208aに対する入力操作(押下操作)の検出に係る制御を行う演出ボタン検出制御処理を実行する。演出ボタン検出制御処理の詳細は後述する。
(ステップS1700)
サブCPU330aは、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作に係る状態(調節状態)の制御を行う調節状態制御処理を実行する。調節状態制御処理の詳細は後述する。
(ステップS1800)
サブCPU330aは、調節ボタン209に対する調節操作の検出に係る制御を行う調節ボタン検出制御処理を実行する。調節ボタン検出制御処理の詳細は後述する。
(ステップS1100-7)
サブCPU330aは、サブRAM330cの送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370のうちの指定した制御部へ送信する。
(ステップS1100-9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
(コマンド解析処理)
図45は、上記コマンド解析処理のうち、客待ちコマンドを受信した際に実行される客待ちコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、客待ちコマンドは、主制御基板300において、図33のステップS610-5でセットされた後、ステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210-1)
サブCPU330aは、まず、客待ち状態に移行してからの経過時間である客待ち時間を計時するための客待ちタイマのタイマ値(T)をリセットする。ここでリセットとは、例えばタイマ値(T)に「0」を設定することである。
(ステップS1210-3)
サブCPU330aは、客待ち状態であることを示す客待ち中フラグをオンして、当該客待ちコマンド受信処理を終了する。
図46は、上記コマンド解析処理のうち、変動コマンドを受信した際に実行される変動コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動コマンドは、主制御基板300において、図34のステップS611-13、ステップS611-17で送信バッファにセットされ、ステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220-1)
サブCPU330aは、変動コマンドを受信すると、ステップS1220-1においてサブCPU330aは、まず、客待ち中フラグがオンしているかを判定する。その結果、客待ち中フラグがオン状態であると判定した場合にはステップS1221に処理を移し、客待ち中フラグがオン状態でなくオフ状態であると判定した場合にはステップS1220-3に処理を移す。
(ステップS1221)
サブCPU330aは、客待ち状態を終了するための客待ち終了処理を実行してステップS1220-3に処理を移す。客待ち終了処理については後述する。
(ステップS1220-3)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析して、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン番号を記憶し、ステップS1220-5に処理を移す。
(ステップS1220-5)
サブCPU330aは、上記ステップS1000-3で更新された演出乱数(0~249)を取得し、当該取得した演出乱数と変動パターン番号とに基づいて、後半変動演出決定テーブル(図42(b)参照)を用いて後半の変動演出の実行パターン(演出態様)を決定、記憶し、ステップS1220-7に処理を移す。
(ステップS1220-7)
サブCPU330aは、受信した変動モードコマンドを解析して、変動モードコマンドに含まれる変動モード番号を記憶し、ステップS1220-9に処理を移す。
(ステップS1220-9)
サブCPU330aは、上記ステップS1000-3で更新された演出乱数(0~249)を取得し、当該取得した演出乱数と変動モード番号とに基づいて、前半変動演出決定テーブル(図42(a)参照)を用いて前半の変動演出の実行パターン(演出態様)を決定、記憶し、ステップS1220-11に処理を移す。
(ステップS1220-11)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいて変動演出のタイムテーブルのタイムデータをセットし、ステップS1220-13に処理を移す。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、上記のステップS1400のタイムスケジュール管理処理において、変動演出画像を演出表示部200aに表示する処理や、変動演出画像に対応する音声出力装置206の音声出力処理、演出照明装置204の点灯制御処理、演出役物装置202および演出操作装置208の可動制御処理等の演出実行制御がなされることとなる。当該演出実行制御時においてサブCPU330aは、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370のうち制御対象となる制御部に対して、制御内容を含む制御コマンドを送信する。
各制御部は、制御コマンドを受信すると、当該制御コマンドに基づく動作を行う。具体的には、音声制御部350は、制御コマンドを受信すると、受信した制御コマンドに対応する音声を音声出力装置206(すなわちスピーカ)から出力するための制御を実行する。照明制御部360は、制御コマンドを受信すると、受信した制御コマンドに対応する光を演出照明装置204等に設けられた光源で発光するための制御を実行する。可動体制御部370は、制御コマンドを受信すると、受信した制御コマンドに対応する動作で演出ボタン208aや演出役物装置202を可動するための制御を実行する。
(ステップS1220-13)
サブCPU330aは、変動演出に係る制御の開始を示す変動演出開始フラグをオン状態に設定して、変動コマンド受信処理を終了する。変動演出開始フラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されており、オン状態の場合に変動演出の制御が実行されていること(変動演出中であること)を示し、オフ状態の場合に変動演出の制御が実行されていないことを示す。なお変動演出開始フラグは、サブCPU330aが、特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを受信した場合にオフ状態に設定される。
図47は、客待ち状態が終了する場合に実行される客待ち終了処理を説明するフローチャートである。本実施形態において客待ち終了処理は、上記変動コマンド開始処理や後述する演出ボタン検出制御処理において実行される。
(ステップS1221-1)
サブCPU330aは、節電モード中か否かを判定する。節電モードは上述した演出装置の動作モードの一態様であって、演出装置の動作による遊技機100の電力消費を低減させる動作状態を示す。サブCPU330aは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶され、各演出装置が節電モード中であるか否かを示す節電モードフラグがオン状態である場合に、節電モード中であると判定してステップS1221-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、節電モードフラグがオフ状態である場合に節電モード中でないと判定してステップS1221-7に処理を移す。
(ステップS1221-3)
サブCPU330aは、各演出装置において節電モードを終了させるための節電モード終了処理を実行する。具体的には、サブCPU330aは、節電モード終了処理において、節電モード終了コマンドを作成して送信バッファにセットし、ステップS1221-5に処理を移す。節電モード終了コマンドには、例えば各演出装置の消費電力が最小限となる動作状態を終了させて、通常の動作状態に制御するための制御データが含まれている。送信バッファにセットされた節電モード終了コマンドは、ステップS1100-7の出力制御処理において画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370の各制御部に送信される。各制御部は、節電モード終了コマンドを受信すると、節電モード終了コマンドに含まれる制御データに基づいて、演出表示部200a、音声出力装置206、演出照明装置204および演出役物装置202のそれぞれを通常モードで制御する。通常モードでの動作状態については後述する。
(ステップS1221-5)
サブCPU330aは、節電モードフラグをオフ状態に設定して、ステップS1221-9に処理を移す。
(ステップS1221-7)
サブCPU330aは、客待ち中において節電モードの開始前において所定画像を表示するデモ演出を終了するための画像表終了処理を実行する。デモ演出については後述する。具体的には、サブCPU330aは、デモ演出終了処理において、デモ演出終了コマンドを作成して送信バッファにセットし、ステップS1221-9に処理を移す。送信バッファにセットされたデモ演出終了コマンドは、ステップS1100-7の出力制御処理において例えば画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360等の各制御部に送信される。画像制御部340は、デモ終了コマンドを受信すると、例えばデモ演出において演出表示部200aに表示していた所定画像を非表示とする。これにより、演出表示部200aにはデモ演出終了後に実行される演出等に係る画像が表示可能となる。また、音声制御部350および照明制御部360は、デモ演出中に出力していた音声や照明装置の発光を停止する。これにより、デモ演出後に実行される演出等に係る音声や発光態様が実行可能となる。
(ステップS1221-9)
サブCPU330aは、客待ち中コマンドをオフ状態に設定して、客待ち終了処理を終了し、呼び出し元の処理(例えば、変動コマンド受信処理(図46参照))に戻る。
客待ち状態終了処理においてサブCPU330aは、客待ち中フラグおよび節電モードフラグをオフ状態に設定する。節電モードフラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されており、各演出装置が節電モード中であるか否かを示すフラグである。節電モードフラグは、オン状態である場合に演出装置の動作状態が節電モードであることを示し、オフ状態である場合に演出装置の動作状態を示す動作モードが節電モードでないことを示す。節電モードについては後述する。さらに、客待ち終了処理においてサブCPU330aは、客待ち中において実行されるデモ演出を終了させるための客待ち中演出終了コマンドを作成して送信バッファにセットする。
図48は、上記コマンド解析処理のうち、大役遊技の開始を示すオープニング指定コマンドを受信した際に実行される大当たり時オープニング指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、オープニング指定コマンドは、主制御基板300において、図36のステップS630-23で送信バッファにセットされ、ステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。大当たり時オープニング指定コマンド受信処理では、大役遊技の開始時において、大当たり図柄の種別に基づいて大当たり演出の態様が決定される。
(ステップS1230-1)
ステップS1230-1においてサブCPU330aは、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じた大当たり演出態様を決定してステップS1230-3に処理を移す。サブCPU330aは、主制御基板300において、図33のステップS610-11の処理で送信バッファにセットされた図柄種別指定コマンドの受信時において当該コマンドから大当たり図柄の情報を取得し、サブRAM330cの所定の領域に記憶している。遊技機100では、大当たり図柄A~Dのそれぞれについて、演出表示部200aの表示態様や音声出力装置206における音声出力態様や、演出役物装置202の可動態様が異なる固有の大当たり演出が用意されている。サブCPU330aは、サブRAM330cに記憶されている大当たり図柄を読み込むと、大当たり図柄に対応する大当たり演出態様をサブROM330bで保持されている所定の大当たり演出決定テーブルから取得し、大当たり演出態様を決定する。
(ステップS1230-3)
ステップS1230-3においてサブCPU330aは、決定した大当たり演出態様に対応するタイムテーブルのタイムデータをセットしてステップS1230-5に処理を移す。ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、上記のステップS1400のタイムスケジュール管理処理において、大当たり図柄に対応する大当たり演出画像(動画像を含む)を演出表示部200aに表示する処理や、大当たり演出画像に対応する音声出力装置206の音声出力処理、演出照明装置204の点灯制御処理、演出役物装置202および演出操作装置208の可動制御処理等の演出実行制御がなされることとなる。また、詳しくは後述するが、本実施形態による遊技機100において、大当たり演出の本来の演出効果を発揮するため、大当たり演出中は遊技者が調節ボタン209の調節操作によって、音声出力装置206から出力される音声(例えばBGMやキャラクタのセリフ音声等)や演出表示部200aの輝度を調節することは規制(例えば、停止)されている。一方で、大当たり演出中には一時的に、調節操作が許容される期間(特定期間)が設けられている。本実施形態において、この特定期間もタイムデータに含まれていてもよい。これにより、特定期間の開始および終了をタイムスケジュール管理処理によって制御することができる。
(ステップS1230-5)
ステップS1230-5においてサブCPU330aは、大当たり演出に係る制御の開始を示す大当たり開始フラグをオン状態に設定して、大当たり時オープニング指定コマンド受信処理を終了する。大当たり開始フラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されており、オン状態の場合に大当たり演出の制御が実行されていること(大当たり演出中であること)を示し、オフ状態の場合に大当たり演出の制御が実行されていないことを示す。なお大当たり開始フラグは、サブCPU330aが、エンディング時間の終了時において主制御基板300から、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を示す大役後遊技状態変化指定コマンドを受信した場合にオフ状態に設定される。大役後遊技状態変化設定変更状態指定コマンドは、図41のステップS670-5において送信バッファにセットされると、ステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
図49は、上記コマンド解析処理のうち、設定変更状態または設定確認状態を終了することを示す設定関連終了指定コマンドを受信した際に実行される設定関連終了指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、設定関連終了指定コマンドは、主制御基板300において、図24のステップS410-19で送信バッファにセットされ、ステップS200-7のサブコマンド送信処理によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1240-1)
サブCPU330aは、設定変更状態の終了タイミングか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、受信した設定関連終了指定コマンドを解析し、設定変更状態および設定確認状態のいずれの終了タイミングであるかを判定する。サブCPU330aは、設定関連終了指定コマンドの解析に基づいて設定変更状態の終了タイミングであると判定すると、ステップS1240-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、設定関連終了指定コマンドの解析に基づいて設定変更状態の終了タイミングでなく、設定確認処理の終了タイミングであると判定すると、ステップS1240-3に処理を移す。
(ステップS1240-3)
サブCPU330aは、設定変更状態フラグをオフ状態に設定し、ステップS1240-7に処理を移す。
(ステップS1240-5)
サブCPU330aは、設定確認状態フラグをオフ状態に設定し、ステップS1240-7に処理を移す。
(ステップS1240-7)
サブCPU330aは、設定変更状態または設定確認状態の終了に基づいて設定関連報知演出を終了することを示す設定関連報知終了コマンドを送信バッファにセットしてステップS1240-9に処理を移す。設定関連報知終了コマンドは、ステップS1100-7の出力制御処理において画像制御部340、音声制御部350および照明制御部360の各演出装置に送信される。各演出装置は、設定示唆終了コマンドを受信すると、設定関連報知演出に係る動作を終了する。
(ステップS1240-9)
サブCPU330aは、演出装置の初期化処理を実行して、設定関連終了指定コマンド受信処理を終了する。本ステップにおける演出装置の初期化処理は、サブCPU初期化処理(図43参照)のステップS1000-13における初期化処理と同等の処理である。
(客待ち中処理)
図50は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(図44参照)において実行される客待ち中処理(ステップS1300)の一例を説明するフローチャートである。客待ち中処理は、遊技の待機中(客待ち状態中)において、演出表示部200aに所定の画像を表示するデモ演出の実行や遊技機100の電力消費を低減させるための節電モードでの演出装置の動作を制御するための処理である。節電モードは、演出装置の動作状態を制御するための動作モードの一態様である。
本実施形態による遊技機100において、遊技機状態が設定変更状態または設定確認状態の場合、メインCPU300aは客待ちコマンドは特別図柄変動待ち処理(図33参照)を実行しない。このため、設定変更処理が実行中である設定変更状態では、客待ちコマンドが副制御基板330に送信されることはない。したがって、設定変更処理の実行中において演出装置が節電モードで制御されることはない。また、設定確認処理の実行中である設定確認状態においても同様に、演出装置が節電モードで制御されることはない。
(ステップS1300-1)
サブCPU330aは、客待ち中であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、客待ち中フラグがオン状態である場合に客待ち中であると判定してステップS1300-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、客待ち中フラグがオフ状態である場合に客待ち中で内と判定して客待ち中処理を終了し、サブタイマ割込み処理に戻る。
(ステップS1300-3)
サブCPU330aは、節電モード中であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されており各演出装置が節電モード中であるか否かを示す節電モードフラグを参照し、節電モードフラグがオン状態である場合に節電モード中であると判定して客待ち中処理を終了し、サブタイマ割込み処理(図44参照)に戻る。一方、サブCPU330aは、節電モードフラグがオフ状態である場合に節電モード中でないと判定してステップS1300-5に処理を移す。
(ステップS1300-5)
サブCPU330aは、客待ちタイマのタイマ値(T)をインクリメント(本例では、1加算)して、ステップS1300-7に処理を移す。
(ステップS1300-7)
サブCPU330aは、節電モードの開始タイミングか否かを判定する。本実施形態による遊技機100は、客待ち状態が開始されてから所定期間後に節電モードによる演出装置の制御を開始するように構成されている。サブCPU330aは、例えば客待ちタイマのタイマ値(T)を参照し、客待ち状態の開始から所定時間(客待ち満了時間)が経過している場合に、節電モードの開始タイミングであると判定してステップS1300-11に処理を移す。一方、サブCPU330aは、客待ち状態の開始から客待ち満了時間が経過していない場合に、節電モードの開始タイミングでないと判定してステップS1300-9に処理を移す。
(ステップS1300-9)
サブCPU330aは、節電モード開始処理を実行して、ステップS1300-11に処理を移す。具体的にはサブCPU330aは、節電モード開始処理において、演出装置の動作状態を節電モードで制御を開始するための節電モード開始コマンドを作成して、送信バッファにセットする。節電モード開始コマンドには、例えば各演出装置を消費電力が最小限となる動作状態に制御するための制御データが含まれている。節電モード開始コマンドは、ステップS1100-7の出力制御処理において各制御部(画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370)に送信される。各制御部は、節電モード開始コマンドを受信すると、節電モード開始コマンドに含まれる制御データに基づいて、演出表示部200a、音声出力装置206、演出照明装置204および演出役物装置202のそれぞれを節電モードで制御する。節電モード中における演出装置の動作状態については後述する。
(ステップS1300-11)
サブCPU330aは、節電モードフラグをオン状態に設定して客待ち中処理を終了し、サブタイマ割込み処理(図44参照)に戻る。
(ステップS1300-13)
サブCPU330aは、ステップS1300-7の処理において節電モードの開始タイミングでないと判定したことに基づいて、デモ演出を開始するためのデモ演出開始処理を実行し、客待ち中処理を終了してサブタイマ割込み処理に戻る。デモ演出は、例えば演出表示部200aに遊技の待機中であることを示す所定のデモ画像(例えば遊技機100の機種の紹介や、キャラクタを示すデモ画像)を表示する態様の演出である。なお、デモ演出において、遊技機100は、音声出力装置206からの所定音声やBGM等の出力、演出照明装置204の所定態様での発光等を行ってもよい。
サブCPU330aは、例えばデモ演出開始処理においてデモ画像の表示を開始することを示すデモ画像表示開始コマンドを作成し、送信バッファにセットする。デモ画像表示開始コマンドは、ステップS1100-7の出力制御処理において画像制御部340に送信される。画像制御部340は、デモ画像表示開始コマンドを受信すると、演出表示部200aに所定のデモ画像を表示する。これにより、客待ち中において、デモ画像が表示されるデモ演出が開始される。デモ演出は、客待ち状態の開始から所定時間経過後に節電モードが開始されるまで繰り返し実行される。
次に、サブタイマ割込み処理(図44参照)におけるタイムスケジュール管理処理(ステップS1400)について説明する。図51は、タイムスケジュール管理処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
(ステップS1400-1)
サブCPU330aは、まず、変動時間計時タイマのカウンタ値を加算し、変動演出の実行時間を更新する。
(ステップS1400-3)
サブCPU330aは、変動演出の実行中においてセットされるタイムテーブルを参照し、現在の変動演出の実行時間に応じて、各種のコマンドを送信バッファにセットしたり、各種のフラグをON/OFFしたりする制御処理を実行し、タイムスケジュール管理処理を終了してサブタイマ割込み処理に戻る。
例えば、サブCPU330aは、タイムスケジュール管理処理のステップS1400-3において、タイムテーブルを参照し、変動演出に合わせて実行される種々の演出の制御を行う。当該演出には、例えば、操作演出(遊技者に演出操作装置208の各構成の少なくとも1つの入力操作を促し、当該入力操作に基づいて演出装置を動作させる演出)や、所定の予告演出が含まれる。例えば操作演出の制御を行う場合、サブCPU330aは、タイムテーブルを参照し、操作演出の開始タイミングであると判定すると、操作演出の実行有無を示す操作演出フラグをオン状態に設定する。また、サブCPU330aは、タイムテーブルを参照し、操作演出の終了タイミングであると判定すると、操作演出開始フラグをオフ状態に設定する。これにより、サブCPU330aは、操作演出フラグがオン状態の期間(操作演出実行期間)におて、操作演出に係る制御を実行することができる。
また、例えば、サブCPU330aは、タイムスケジュール管理処理のステップS1400-3において、タイムテーブルを参照し、大当たり演出中において演出装置(本例では、音声出力装置206、演出表示装置200)の調節操作を許容する期間である特定期間の開始、終了の制御を行う。具体的には、サブCPU330aは、タイムテーブルを参照し、特定期間の開始タイミングであると判定すると、特定期間の開始を示す特定期間開始フラグをオン状態に設定する。また、サブCPU330aは、タイムテーブルを参照し、特定期間の終了タイミングであると判定すると、特定期間終了フラグをオフ状態に設定する。これにより、サブCPU330aは、特定期間開始フラグがオン状態の期間(特定期間)におて、調節ボタン209の調節操作による、音声出力装置206および演出表示装置200の出力(音量及び輝度)の調節制御を行うことができる。
次に、サブタイマ割込み処理(図44参照)における入力状態制御処理(ステップS1500)について説明する。図52は、入力状態制御処理の流れの一例を説明するフローチャートである。入力状態制御処理は、演出操作装置208の各構成(演出ボタン208a、演出レバー208bおよび十字ボタン218)の入力操作の受付可否を示す入力状態を、主制御基板300が決定した遊技機状態や副制御基板330における演出の実行制御の状態に基づいて制御する処理である。
(ステップS1500-1)
サブCPU330aは、現在の遊技機状態が設定変更状態か否かを判定する。サブCPU330aは、設定変更状態フラグがオン状態である場合に、現在の遊技機状態が設定変更状態であると判定してステップS1500-7に処理を移す。一方、サブCPU330aは、設定変更状態フラグがオフ状態である場合に、現時点の遊技状態が設定変更状態でないと判定してステップS1500-3に処理を移す。
(ステップS1500-3)
サブCPU330aは、遊技機100においてエラーが発生しているか否かを判定する。例えばサブCPU330aは、主制御基板300からエラーの発生を示すエラー発生コマンドを受信し、かつエラー解除コマンドを受信していない場合にエラー発生中であると判定してステップS1500-7に処理を移す。エラー発生コマンドは、主制御基板300のステップS400-21(図23参照)において送信バッファにセットされた後、ステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。一方サブCPU330aは、エラー発生コマンドを受信していないか、またはエラー解除コマンドを受信しておりエラー発生中でないと判定すると、ステップS1500-5に処理を移す。エラー発生コマンドは、主制御基板300のステップS400-21(図23参照)において送信バッファにセットされた後、エラー発生コマンドと同様に副制御基板330に送信される。
なお、サブCPU330aは、エラー発生コマンドを受信すると、演出表示装置200、演出照明装置204および音声出力装置206等の演出装置を用いてエラーの報知(特定態様の報知の一例)を行うエラー報知演出の制御を実行する。エラー報知演出は、例えば通常の演出態様とは異なる態様で演出装置を動作させることによってエラー(異常状態)の発生を報知する演出である。エラー報知演出は、エラー解除コマンドを受信してエラーが解除されると終了する。したがって、本例においてエラーの発生中は、エラー報知演出の実行中に相当する。また、エラー報知演出は、エラーの発生から所定時間後に終了してもよい。
(ステップS1500-5)
サブCPU330aは、変動演出の実行中か否かを判定する。例えばサブCPU330aは、変動演出開始フラグがオン状態であり、変動演出に係る制御が開始されていると判定するとステップS1500-7に処理を移す。一方、サブCPU330aは、変動演出開始フラグがオフ状態であり、変動演出に係る制御が開始されていないと判定するとステップS1500-9に処理を移す。
(ステップS1500-7)
サブCPU330aは、第一入力許可フラグをオフ状態に設定して入力状態制御処理を終了する。第一入力許可フラグは、オン状態の場合に演出操作装置208の各構成(演出ボタン208a、演出レバー208bおよび十字ボタン218)の入力状態が遊技者等による入力操作の受付が許可(許容)されている状態(入力可能状態)であることを示し、オフ状態の場合に当該入力状態が遊技者等による入力操作の受付けが規制されている状態(入力規制状態)であることを示す。なお、第一許可フラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されている。本例において入力規制状態は、原則として入力操作の受付を停止している状態を示す。本ステップにおいて第一許可フラグがオフ状態に設定されることで、以降、演出操作装置208の各構成の入力状態は、入力規制状態に設定される。
(ステップS1500-9)
サブCPU330aは、第一入力許可フラグをオン状態に設定して入力状態制御処理を終了する。これにより、以降、演出操作装置208の各構成の入力状態は、入力可能状態に設定される。
このように、本実施形態において、遊技機状態が設定変更状態である場合(ステップS1500-1のYES)、演出操作装置208の入力状態は入力規制状態となり、入力操作の受付けが規制(本例では停止)される。また、本実施形態による遊技機100において、遊技機状態が設定変更状態以外(ステップS1500-3のYESまたはステップS1500-5のYES)の場合も、演出操作装置208の入力状態は入力規制状態となる。
具体的には、上述の入力状態制御処理(図52参照)において演出操作装置208は、所定条件(入力規制条件)が成立している場合に、遊技者等による入力操作の受付けが規制される入力規制状態に設定され、上述の入力規制条件が成立していない場合に、遊技者等による入力操作の受付けが許可される入力可能状態に設定される。また、この入力状態制御処理は、サブタイマ割込み処理ごとに実行される。このため、入力規制条件が不成立となった(解除された)場合には、速やかに、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態に移行される。また同様に、入力規制条件が成立した場合には、速やかに、演出操作装置208の入力状態が入力規制状態に移行される。
図52に示すように、入力規制条件には、遊技機状態が設定変更状態であること(第一条件)、エラー発生中であること(第二条件)、または変動演出中であること(第三条件)が含まれ、これら3つの条件のうち少なくとも1つが成立している場合(ステップS1500-1~S1500-5のいずれかがYESとなる場合)に、演出操作装置208は入力規制状態となる(ステップS1500-7)。つまり本実施形態において、遊技機100には複数(本例では第一条件、第二条件および第三条件の3つ)の入力規制条件が設定され、サブCPU330aは、複数の入力規制条件のうち少なくとも1つが成立することに基づいて、演出操作装置208の入力状態を入力規制状態とする。なお、本発明において、入力規制条件は上記の3つに限られない。入力規制条件には、設定変更状態であること(第一条件)が含まれていればよく、入力規制条件は3つ以上であってもよいし、3つ以下であってもよい。
ここで、上述の3つの入力規制条件のうち、上述の第一条件が成立している場合、つまり遊技機100が設定変更処理の実行中(設定変更状態)である場合における入力規制状態を、特殊入力規制状態という。これに対し、上述の第一条件が不成立であり、かつ上述の第二条件(エラー発生中であること)または第三条件(変動演出中であること)が成立している場合における演出操作装置208の入力規制状態を、通常入力規制状態という。
特殊入力規制状態は、設定キーを用いた上述の設定変更処理に伴って設定される入力状態であるため、電源復帰や主制御基板300におけるラムクリア時において設定される。つまり、特殊入力規制状態は、通常の遊技中や遊技の待機中(遊技機状態が遊技可能状態である場合)には設定されることはない。
一方、通常入力規制状態は、通常の遊技中においてエラーの発生(第二条件の成立)や変動演出の開始(第三条件の成立)に伴って設定され、設定変更処理の実行中(設定変更状態)において設定されることはない。また、通常入力規制状態は、上述の第一条件、第二条件および第三条件すべてが不成立となった場合に終了し、以降、遊技中において再び第二条件または第三条件が成立した場合に再度設定される。つまり、通常入力規制状態と入力可能状態とは、遊技中において可逆的に移行可能となっている。これに対し、本実施器携帯における特殊入力規制状態は、設定変更処理の終了後の所定タイミング(例えば入力状態制御処理の実行タイミング)において終了し、以降、再び設定変更処理が実行されない限りは、入力可能状態または通常入力規制状態から特殊入力規制状態に移行することはない。
また、通常入力規制状態では、演出操作装置208の入力操作の受付けが限定的に許可される状態(限定許可状態)が発生し得る。限定許可状態は、入力規制状態中において時間的、または機能的に限定された状態において、演出操作装置208の入力操作が受付可能となる状態を示す。本例では、変動演出に合わせて実行される操作演出の実行中において、限定許可状態が生起される。これに対し、特殊入力規制状態では限定許可状態は発生しない。つまり、特殊入力規制状態では常に入力操作の受付が規制された状態となる。
また、本実施形態において上述の3つの入力規制条件のうち何れも成立していない場合(ステップS1500-1~5のNO)、演出操作装置208の入力状態は、入力可能状態となる(ステップS1500-9)。入力可能状態では演出操作装置208への入力操作が受け付けられるため、サブCPU330aは演出操作装置208の入力操作に応じて演出装置を動作させるといった制御を行うことができる。遊技機100において、入力可能状態および限定許可状態である期間が、演出操作装置208の操作有効期間に該当する。
本実施形態において、設定変更状態(設定変更処理の実行中)の場合以外に設定され得る、特殊入力規制状態以外の入力状態(入力可能状態または通常入力規制状態)を総称して「通常入力状態」という。
本実施形態においてサブCPU330aは、入力状態制御処理において設定した演出操作装置208の入力状態にしたがって、演出操作装置208に対する入力操作の検出制御を行う。これにより、遊技機100において、演出操作装置208の入力状態に基づく入力制御が行われる。
次に、入力状態に基づく演出操作装置208の入力検出制御処理の一例として、サブタイマ割込み処理(図44参照)における演出ボタン検出制御処理(ステップS1600)について説明する。図53は、演出ボタン検出制御処理の流れの一例を説明するフローチャートである。演出ボタン検出制御処理は、演出操作装置208のうち演出ボタン208aに係る入力検出制御処理である。
(ステップS1600-1)
サブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態か否かを判定する。サブCPU330aは、第一許可フラグがオン状態であって演出操作装置208の入力状態が入力可能状態であると判定すると、ステップS1600-7に処理を移す。一方、サブCPU330aは、第一許可フラグがオフ状態であって演出操作装置208の入力状態が入力規制状態であると判定すると、ステップS1600-3に処理を移す。
(ステップS1600-3)
サブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が、入力規制状態のうち特殊入力規制状態か否かを判定する。サブCPU330aは、第一許可フラグがオフ状態かつ設定変更状態フラグがオン状態であって特殊入力規制状態であると判定すると、ステップS1600-5以降の処理を実行せずに、演出ボタン検出制御処理を終了してサブタイマ割込み処理に戻る。一方、サブCPU330aは、第一許可フラグがオフ状態かつ設定変更状態フラグがオフ状態であって通常入力規制状態であると判定すると、ステップS1600-5に処理を移す。
(ステップS1600-5)
サブCPU330aは、操作演出の実行中か否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、操作演出開始フラグがオン状態であって操作演出の実行中であると判定すると、ステップS1600-7に処理を移す。一方、サブCPU330aは、操作演出開始フラグがオフ状態であって操作演出の実行中でないと判定すると、ステップS1600-7以降の処理を実行せずに演出ボタン検出制御処理を終了して、サブタイマ割込み処理に戻る。詳しくは後述するが、本実施形態において操作演出の実行中は、演出操作装置208の入力状態が、入力規制状態であっても限定的に入力操作が受け付られる限定許可状態となる。
(ステップS1600-7)
サブCPU330aは、演出ボタン208aが入力操作(本例では押下操作)されたか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、ボタン操作検出スイッチs1から検出信号が入力されている場合に演出ボタン208aが入力操作されたと判定してステップS1600-9に処理を移す。一方、サブCPU330aは、ボタン操作検出スイッチs1から検出信号が入力されていない場合に演出ボタン208aが入力操作されていないと判定して演出ボタン検出制御処理を終了し、ステップS1600-9以降の処理を実行せずにサブタイマ割込み処理(図44参照)に戻る。このように、本実施形態において、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態または限定許可状態であることに基づいて、演出操作装置208(本例では、演出ボタン208a)に対する入力操作の検出が実行される。つまり、本ステップS1600-7の処理は、演出ボタン208aの操作検出処理に相当する。
(ステップS1600-9)
サブCPU330aは、客待ち中か否かを判定する。サブCPU330aは、客待ち中フラグがオン状態であって現在が客待ち中であると判定すると、ステップS1600-11に処理を移す。一方、サブCPU330aは、客待ち中フラグがオフ状態であって現在が客待ち中でないと判定すると、ステップS1600-11を実行せずにステップS1610に処理を移す。
(ステップS1600-11)
サブCPU330aは、客待ち終了処理を実行する。ここで実行する客待ち終了処理は、変動コマンド受信処理(図46)のステップS1221で実行される客待ち終了処理(図47)と同様であるため、説明は省略する。
(ステップS1610)
サブCPU330aは、演出ボタン208aの入力操作(押下操作)に基づく各演出装置の動作を制御するための入力時動作制御処理を実行して演出ボタン検出制御処理を終了し、サブタイマ割込み処理に戻る。
以上のように、本実施形態においてサブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態に基づいて演出ボタン208aに対する入力操作の検出有無の制御を行う。また、演出ボタン検出制御処理においてサブCPU330aは、入力操作の検出に対応する動作の可否に係る動作モードによって演出装置の動作制御を行う。ここで、演出装置の動作モードには、入力状態が特殊規制状態中、すなわち設定変更処理が実行されている状態において演出操作装置208の入力操作に基づく動作を規制する特殊モードと、特殊規制状態中以外、すなわち設定変更処理が実行されていない状態において当該入力操作に基づく動作を許容可能な通常モードとが含まれる。
つまり、本実施形態による遊技機100において、演出装置は、設定変更処理が実行されている場合に演出操作装置208の入力操作に基づく動作を規制する特殊モードと、設定変更処理が実行されていない場合に当該入力操作に基づく動作を許容可能な通常モードとを含む動作モードに基づいて動作が制御される。
具体的には、サブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が特殊入力規制状態である場合(ステップS1600-1のNO→ステップS1600-3のYES)に、演出ボタン208aの入力操作(押下操作)の検出処理(ステップS1600-7)を実行せず、さらに当該入力操作に基づく演出装置の動作制御も行わない。この一連の制御が、特殊モードによる演出装置の動作制御に該当する。つまり本実施形態において特殊モードは、特殊入力規制状態に基づく動作モードである。演出装置は、特殊モードに基づいて制御されることで、演出操作装置208(例えば演出ボタン208a)の入力操作(例えば押下操作)に基づく動作が規制される。
またサブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が特殊入力規制状態でない場合(ステップS1600-1のYESまたはステップS1600-3のNO)に、通常モードによる演出装置の制御を行う。ここで、通常モードによる演出装置の制御には、通常許可パターンと通常規制パターンとがある。サブCPU330aは、入力状態が入力可能状態である場合(ステップS1600-1のYES)、または入力状態が限定許可状態である場合(ステップS1600-1のNO→ステップS1600-3のNO→ステップS1600-5のYES)に、演出ボタン208aの入力操作(押下操作)の検出処理(ステップS1600-7)を実行し、演出ボタン208aの入力操作が行われた場合に当該入力操作に基づく演出装置の動作制御を行う(ステップS1600-7のYESからステップS1610の流れ)。この一連の制御が、通常許可パターンの通常モードによる演出装置の動作制御に該当する。
つまり本実施形態において通常許可パターンの通常モードは、入力可能状態、または通常入力規制状態における限定許可状態に基づく動作モードである。演出装置は、通常許可パターンの通常モードで制御されることで、例えば演出ボタン208aの入力操作(押下操作)に基づく動作が許容される。
また、サブCPU330aは、入力状態が通常入力規制状態かつ限定許可状態でない場合(ステップS1600-1のNO→ステップS1600-3のNO→ステップS1600-5のNO)に、特殊モードと同様に演出ボタン208aの入力操作(押下操作)検出処理(ステップS1600-7)を実行せず、さらに当該入力操作に基づく演出装置の動作制御も行わない。この一連の制御が、通常規制パターンの通常モードによる演出装置の動作制御に該当する。
このように、本実施形態において、遊技機状態が設定変更状態か否かに応じて、演出操作装置208(本例では、演出ボタン208a)の検出制御の流れに基づく動作モードの種別(特殊モードまたは通常モード)が異なる。本実施形態による遊技機100において、演出装置の動作モードのうち通常モードには、通常許可パターンと通常規制パターンとがあり、当該2つのパターンは可逆的に移行可能である。つまり演出装置は、通常モード中において演出操作装置208の入力操作に基づく動作が許容される通常許可パターンから、当該入力操作に基づく動作が規制される通常規制パターンに移行する場合がある。また逆に、演出装置は、通常規制パターンから通常許可パターンに移行する場合もある。
一方、遊技機100は、通常モードと特殊モードとに可逆的に移行することはない。具体的には、遊技機100は、設定変更処理の実行に基づいて動作モードが特殊モードとなる。また設定変更処理の終了以降の所定タイミング(例えば、入力状態制御処理(図52参照))において、動作モードは通常モードとなる。つまり、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて動作モードが特殊モードから通常モードに移行する。また、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、動作モードは通常モードから特殊モードに移行しない。また本実施形態において、演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)の動作モードには上述の節電モードも含まれる。節電モードは、上述のように客待ち状態が発生した場合に設定され得るモードであり、通常許可パターンおよび通常規制パターンとは別の、通常モードの一態様である。
なお、本例では、演出操作装置208に対する入力操作の検出制御処理の一例として、演出ボタン208検出制御処理について説明したが、演出操作装置208を構成する他の構成(演出レバー208bおよび十字ボタン218)についても、演出ボタン208aと同様にして入力操作の検出制御処理が実行される。つまり、演出レバー208bおよび十字ボタン218それぞれの検出制御処理においても、演出ボタン208aと同様に入力状態に基づく動作モードで演出装置の動作制御が行われる。このため、演出レバー208bおよび十字ボタン218の各構成に係る入力操作の検出制御処理の説明は割愛する。
また本実施形態において、例えば特殊モードおよび通常規制パターンでの通常モードにおける、演出操作装置208の入力操作に基づく演出装置の動作の規制とは、演出操作装置208の入力に対応する動作を演出装置に行わせないことを示す。なお、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機100は、通常規制パターンでの通常モードにおける入力操作に基づく演出装置の動作の規制として、演出操作装置208の入力操作に対応する演出装置の動作を限定してもよい。この場合、遊技機100は、演出装置の動作の規制時として、例えば種々の演出装置のうち一部の演出装置(例えば演出表示装置200)について、演出ボタン208aの入力操作に基づく動作を規制し、他の演出装置については演出ボタン208aの入力操作に基づく動作を許容するように構成してもよい。
次に、演出操作装置208の入力操作に基づいて演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)の動作を制御するための入力時演出動作制御処理(ステップS1610)について説明する。図54は、入力時演出動作制御処理の流れの一例を説明するフローチャートである。本実施形態において、入力時演出動作制御処理は、通常モードに基づいて演出装置の動作を制御する処理である。したがって、入力時演出動作制御処理は、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態または限定許可状態である場合に実行される。
(ステップS1610-1)
サブCPU330aは、遊技機状態が設定確認状態か否かを判定する。サブCPU330aは、設定確認状態フラグがオン状態であると判定すると、ステップS1610-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、設定変更状態フラグがオフ状態であると判定すると、ステップ1610-5に処理を移す。
(ステップ1610-3)
サブCPU330aは、設定確認状態中に演出ボタン208aが押下されたことに基づいて、演出表示部200aに管理者メニュー画面(不図示)を表示する管理者メニュー表示処理を実行し、入力時演出動作制御処理を終了して演出ボタン検出制御処理(図53)に戻る。管理者メニュー画面は、設定確認状態中において遊技店の従業員が利用可能なメニュー画面であり、遊技機の時刻設定や、設定値の変更履歴の閲覧等が可能となっている。サブCPU330aは管理者メニュー表示処理において、管理者メニュー表示コマンドを作成し、送信バッファにセットする。管理者メニュー表示コマンドは、送信バッファにセットされた後、ステップS1100-7の出力制御処理において画像制御部340に送信される。画像制御部340は、管理者メニュー表示コマンドを受信すると、管理者メニュー画面に該当する画像を演出表示部200aに表示する制御を行う。
なお、サブCPU330aは、例えば誤操作による管理者メニューの表示を防ぐため、演出ボタン208aが所定時間(例えば5秒間)継続して入力操作(長押し操作)された場合に管理者メニューを表示する制御を行ってもよい。この場合、サブCPU330aは、例えば所定のタイマ(管理者メニュータイマ)を用いて演出ボタン208aの入力操作の継続時間を計時してもよい。サブCPU330aは、管理者メニュー表示処理において管理者メニュータイマのタイマ値を参照し、演出ボタン208aの入力操作が所定時間継続されたと判定した場合に、管理者メニュー表示コマンドを作成すればよい。
(ステップS1610-5)
サブCPU330aは、操作演出中か否かを判定する。サブCPU330aは、操作演出開始フラグがオン状態である場合に、操作演出中であると判定してステップS1610-7に処理を移す。一方、サブCPU330aは、操作演出開始フラグがオフ状態である場合に、操作演出中でないと判定してステップS1610-9に処理を移す。
(ステップS1610-7)
サブCPU330aは、操作演出中に演出ボタン208aが入力操作されたことに基づいて、演出ボタン操作コマンドを作成して送信バッファにセットすると、入力時演出動作制御処理を終了して演出ボタン検出制御処理(図53)に戻る。演出ボタン操作コマンドは、送信バッファにセットされた後、ステップS1100-7の出力制御処理において各制御部(画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370)に送信される。例えば、画像制御部340は、操作演出中に演出ボタン操作コマンドを受信すると、演出ボタン208aの入力操作に応じた画像を演出表示部200aに表示する。また、例えば音声制御部350は演出ボタン操作コマンドの受信に基づいて演出ボタン208aの入力操作に応じた音声やBGMを音声出力装置206から出力してもよいし、照明制御部360は演出ボタン操作コマンドの受信に基づいて演出ボタン208aの入力操作に応じた態様(例えば発光色)で演出照明装置204を発光させてもよい。また、可動体制御部370は、演出ボタン操作コマンドの受信に基づいて演出ボタン208aの入力操作に応じた動作態様で演出役物装置202を動作させてもよい。なお、サブCPU330aは、操作演出の態様に応じて、各制御部のうちの一部のみ(例えば、画像制御部340のみ又は可動体制御部370以外等)に演出ボタン操作コマンドを送信してもよい。
このように、本実施形態による遊技機100は、演出装置の動作モードが通常規制パターンでの通常モードである場合に、特定の演出(例えば操作演出)に対応する演出ボタン208aの入力操作を受け付けて、当該入力操作に基づく演出装置の演出動作を実行可能に構成されている。なお、本発明はこれに限られず、遊技機100は、操作演出以外の所定の演出の実行中において演出操作装置208の入力状態を限定許可状態として、入力操作に基づく演出装置の演出動作を実行可能に構成されてもよい。また、遊技機100は、動作モードが通常規制パターンでの通常モードである場合に、操作演出とは異なる特定の演出(例えば演出表示部200aでの動画像(アニメーション画像等)の再生を伴う演出等)の実行中における演出操作装置208の入力操作を受け付けず、当該入力操作に基づく演出装置の動作を規制してもよい。
(ステップS1610-9)
サブCPU330aは、操作演出中以外に演出ボタン208aが入力操作されたことに基づいて、演出表示部200aに実機カスタム画面(不図示)を表示する実機カスタム表示処理を実行し、入力時演出動作制御処理を終了して演出ボタン検出制御処理に戻る。実機カスタム画面は、遊技中や遊技の待機中において遊技者が利用可能なメニュー画面である。実機カスタム画面では、所定の演出(例えば特1保留および特2保留(保留情報)に基づく先読み演出)の態様や、出現頻度、演出内に登場するキャラクタの種類等が選択できる。また、実機カスタムにおいて、演出役物装置202の可動態様や、所定の演出に合わせた送風機構(不図示)からの送風の有無等も選択できる。つまり実機カスタムは、例えば遊技者が遊技中の遊技機の演出態様をカスタマイズするためのメニューである。
サブCPU330aは実機カスタム表示処理において、実機カスタム表示コマンドを作成し、送信バッファにセットする。実機カスタム表示コマンドは、送信バッファにセットされた後、ステップS1100-7の出力制御処理において画像制御部340に送信される。画像制御部340は、実機カスタム表示コマンドを受信すると、実機カスタム画面に該当する画像を演出表示部200aに表示する制御を行う。
(入力状態および動作モードの遷移の一例)
次に、図43から図54を参照しつつ、図55を用いて本実施形態における演出操作装置208の入力状態および演出装置の動作モードの遷移の一例を説明する。図55は、演出操作装置208の入力状態および演出装置の動作モードの遷移を時系列で説明するタイムチャートである。具体的には、図55の1段目に示す時間軸は、時刻t0から所定期間経過後の時刻t8までの期間における時間の経過を、左から右に向かって図示している。また、図55の2段目には、遊技機100の遊技機状態の遷移を時系列で示している。また、図55の3段目には、変動演出の実行状況の遷移を時系列で示している。また、図55の4段目には、遊技機100におけるエラー発生状況の遷移を時系列で示している。つまり、図55の2段目から4段目には、演出操作装置208の入力状態の決定に係る入力規制条件の成立状況が図示されている。また、図55の5段目は、当該入力規制条件の成立状況に応じた入力状態の遷移を時系列で示している。また、図55の6段目は、当該入力状態に応じた演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)の動作モードの遷移を時系列で示している。
本例では、電源投入モードが設定変更モード(設定値を変更することを意図して電源投入された際のモード)である場合の、演出操作装置208の入力状態および演出装置の動作モードの遷移を時系列で説明する。
図55の2段目に示すように、時刻t0における電源投入時において、遊技機状態は設定変更状態であり、図55の3段目に示すように変動演出は実行されていない(不実行)。また、時刻t0において遊技機100ではエラーの発生は検知されていない(エラー無し)。 つまり、時刻t0において入力規制条件のうち第一条件が成立している。したが
って、図55の5段目に示すように、時刻t0において演出操作装置208の入力状態は特殊入力規制状態に設定され、これに伴って、図55の6段目に示すように演出装置の動作モードは特殊モードとなっている。
以下、図55に示す時刻t0における入力状態および動作モードの決定に関連する制御の流れを説明する。例えば時刻t0において、遊技店の従業員は設定変更モード(内枠104を開放、設定キーを変更操作、かつRAMクリアボタン305(図4参照)を押下した状態)で遊技機100に電源を投入する。これにより、メインCPU300aは、CPU初期化処理(図19、図20参照)においてRAMクリア時の初期化処理を実行し、設定変更状態を示す遊技機状態種別を含むRAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納する(ステップS100-17のYES→ステップS100-43のYES→ステップS100-51の流れ)。これにより、メインループ処理(図21参照)のステップS200-7において、副制御基板330にRAMクリア指定コマンドが送信される。
次いで、サブCPU330aはRAMクリア指定コマンドを受信し、サブCPU初期化処理(図43参照)を実行する。具体的には、サブCPU330aは、初期設定処理を実行し(ステップS1000-1)、設定変更状態を示す遊技機状態種別を含むRAMクリア指定コマンドを受信していると判定し(ステップS1000-3のYES)、設定変更状態フラグをオン状態に設定する(ステップS1000-5)。これにより、サブCPU330aは、設定変更状態に応じた制御を実行可能となる。さらに、サブCPU330aは設定変更状態を示す設定種別情報を含む設定関連報知コマンドを作成して送信バッファにセットする。設定関連報知コマンドは、時刻t0における電源投入後の最初のサブタイマ割込み処理(図44参照)のステップS1100-7において各制御部に送信される。これにより、設定変更状態が生起されていることを報知する設定関連報知演出(設定変更状態報知演出)が実行される。設定変更状態報知演出の詳細は後述する。
また、時刻t0において遊技機100の遊技機状態は設定変更状態であるため、主制御基板300からは遊技に関するコマンドは送信されない。したがって、サブCPU330aは、特別図柄の変動表示の開始を示す変動コマンド(変動モードコマンド、変動パターンコマンド)を受信していない。このため、時刻t0以降の最初のサブタイマ割込み処理においてサブCPU330aは、コマンド解析処理(ステップS1200)における変動コマンド受信処理(図46参照)を実行しない。これにより、図55の3段目に示すように、時刻t0では変動演出の実行制御は開始されない。
また、時刻t0において、メインCPU300aは、設定変更状態であることからタイマ割込み処理(図23参照)において、エラーの判定等を行うエラー管理処理(ステップS400-21)を実行していない(ステップS410→ステップS400-29の流れ)。したがって、図55の4段目に示すように、時刻t0ではエラーの発生は検知されず、演出装置を用いたエラーの報知(エラー報知演出)も行われていない。
また、時刻t0以降の最初のサブタイマ割込み処理中の入力状態制御処理(図52参照)において、サブCPU330aは、設定変更状態であると判定し(ステップS1500-1のYES)、第一入力許可フラグをオフ状態に設定する(ステップS1500-7)。これにより、図55の2段目に示すように時刻t0において遊技機状態が設定変更状態(設定変更処理中)であること、すなわち入力規制条件の第一条件が成立していることに基づいて、演出操作装置208の入力状態が入力規制状態のうちの特殊入力規制状態に設定される(図55の5段目参照)。
次いで、演出操作装置検出制御処理のうち演出ボタン検出制御処理(図53参照)において、サブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が特殊入力規制状態であると判定し(ステップS1600-1のNO→ステップS1600-3のYES)、演出ボタン208aの操作検出処理(ステップS1600-7)を実行せずに演出ボタン検出制御処理を終了する。これにより、時刻t0において、入力状態が特殊入力規制状態であること、すなわち設定変更状態であることに基づいて、演出装置の動作モードは特殊モードとなる(図55の6段目参照)。つまり、サブCPU330aは、少なくとも設定変更状態(設定変更処理の実行中)である期間において、演出操作装置208の入力操作に対応する動作を規制する特殊モードで演出装置の動作制御を行う。
設定変更状態に基づく特殊モードによる演出装置の動作制御では、演出操作装置208の入力操作に対応する動作が規制されるため、上述の演出ボタン208aの操作検出処理(ステップS1600-7)のように入力操作を検出するための処理が実行されない。これにより、遊技機100は設定値の変更処理が可能な状態において、設定変更に係る入力(例えば、RAMクリアボタン305の押下による設定値入力)以外の不要な入力操作を防止して入力誤り等が発生するおそれを低減することができる。したがって、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図ることができる。
ここで、図56を用いて時刻t0で開始される設定変更状態報知演出の一例について説明する。図56は、設定変更状態の発生を報知する設定変更状態報知演出の態様の一例を示す図である。例えば、画像制御部340は、サブCPU初期化処理(図43参照)において作成された設定関連報知コマンドを受信すると、設定種別情報に基づいて設定変更状態が生起されていることを報知する文字列画像(設定変更報知画像)を演出表示部200aに表示する。本例では図56に示すように、設定変更報知画像の一例として「設定変更中です」という文字列画像が表示されている。なお、例えば画像制御部340は、設定変更状態報知演出時において、演出表示部200aの背景色を黒色(暗色)とし、白色で設定変更報知画像を表示する。なお、図56では、演出表示部200aにおける黒色の背景色を、下地とする点状網掛けによって図示している。後述の図57、図59においても同様である。
また、音声制御部350は、設定関連報知コマンドを受信すると、設定変更状態が生起されていることを報知する警告音(例えば、ブザー音)を出力する。さらに、照明制御部360は、設定関連報知コマンドを受信すると演出照明装置204および前枠106(図2参照)において遊技盤108の露出部を囲むように設置された枠照明装置(不図示)を所定の発光色(例えば赤色)で点灯させる。なお、照明制御部360は、設定変更状態報知演出時において、演出照明装置204を消灯し、枠照明装置のみを点灯してもよい。このように、遊技機100は、設定変更状態において設定変更状態報知演出を実行することで、設定変更処理が実行されていることを明確に報知することができる。
図55に戻って、時刻t0から所定時間経過後の時刻t1において、設定変更状態が終了し、遊技機状態が遊技可能状態に遷移する。以下、時刻t1における入力状態および動作モードの決定に関連する制御の流れを説明する。
具体的には、時刻t1において遊技店の従業員が設定キーの復帰操作を行い、設定変更処理が終了している。このため、時刻t1での設定値関連処理(図24参照)において、メインCPU300aは、設定キーの復帰操作(設定キースイッチ180sからの入力信号のオン状態からオフ状態への切り替わり)を検出したことに基づいて、設定変更状態を終了することを示す設定関連終了指定コマンドを送信バッファにセットし、遊技機状態フラグに遊技可能状態を示す値をセットする(ステップS410-17のNO→ステップS410-19→ステップS410-27の流れ)。このように、設定キーの復帰操作(特定操作の一例)が行われたこと、具体的にはメインCPU300a(設定変更手段の一例)が設定キーの復帰操作を検出したことに基づいて、設定変更状態(設定変更処理を実行可能な状態の一例)が終了し、これに伴って遊技機状態が通常の遊技を実施可能な遊技可能状態に移行する。
時刻t1において送信バッファにセットされた設定関連終了指定コマンドは、時刻t2において実行されるメインループ処理(図21参照)中のステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。つまり、主制御基板300において設定変更状態が終了してから、設定関連終了指定コマンドを受信することでサブCPU330aが設定変更状態の終了を認識するまでには、時間的な間隔が生じる。なお、時刻t1から時刻t2までの期間における時間経過はごくわずか(数ミリ秒程度)であるが、図55の1段目では理解を容易にするため、時刻t1と時刻t2との間に所定間隔を設けて図示している。
本例において、時刻t1から時刻t2までの所定期間を遊技機状態移行期間という。図55の2段目では、遊技機状態が遊技可能状態に移行していることが副制御基板330に伝達されていない遊技機状態移行期間を斜線で示している。遊技機状態移行期間において、サブCPU330aは、遊技機状態の変更を認識していない。したがって、図55の5段目に示すように、時刻t1において入力状態は時刻t0と同様に特殊入力規制状態に維持される。同様に、図55の6段目に示すように時刻t1において動作モードは、特殊モードに維持される。
遊技機状態移行期間が終了した時刻t2において、副制御基板330に設定関連終了指定コマンドが送信されている。以下、時刻t2における入力状態および動作モードの決定に関連する制御の流れを説明する。サブCPU330aは、設定関連終了指定コマンドを受信したことに基づいて設定関連終了指定受信処理(図49参照)を実行する。具体的には、サブCPU330aは設定関連終了指定コマンドの解析により設定変更状態の終了タイミングであると判定し(ステップS1240-1のYES)、設定変更状態フラグをオフ状態に設定し(ステップS1240-3)、設定関連報知終了コマンドを作成して送信バッファにセットし(ステップS1240-7)、演出装置の初期化処理を行う(ステップS1240-9)。これにより、時刻t2において設定変更状態報知演出(図56参照)が終了する。
また、時刻t2において、遊技者による遊技が行われていないため変動演出に係る制御は実行されていない(図55の3段目参照)。また、時刻t2において、遊技機100にはエラーが発生しておらず、メインCPU300aは、タイマ割込み処理(図23参照)におけるエラー管理処理(ステップS400-21)においてエラーを検知していない(図55の4段目参照)。このため、時刻t2では演出装置を用いたエラーの報知(エラー報知演出)も行われていない。これより、時刻t2における入力状態制御処理(図52参照)においてサブCPU330aは、遊技状態が設定変更状態でないと判定し(ステップS1500-1のNO)、エラー発生中でないと判定し(ステップS1500-3のNO)、変動演出に係る制御が開始されていないと判定し(ステップS1500-5NO)、第一入力許可フラグをオン状態に設定する。こうして、図55の2段目に示すように時刻t2において遊技機状態が遊技可能状態である(設定変更処理中でない)こと、エラーが発生していないこと、および変動演出が実行中でないこと、すなわち3つの入力規制条件の全てが不成立であることに基づいて、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態に設定される。
また、時刻t2における演出ボタン検出制御処理(図53参照)においてサブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態であると判定し(ステップS1600-1のYES)、演出ボタン208aが入力操作(押下操作)されたか否かを判定する操作検出処理を実行する(ステップS1600-7)。これにより、時刻t2において入力状態が入力可能状態となったことに基づいて、演出装置の動作モードは、通常許可パターンによる通常モードとなる(図55の6段目参照)。つまり、サブCPU330aは、少なくとも遊技可能状態である(設定変更処理中でない)期間において、演出操作装置208の入力操作に対応する動作を許容する通常モードで演出装置の動作制御を行う。なお、本例において時刻t2では、演出ボタン208aは押下操作されていない。したがって、サブCPU330aは、演出ボタン検出制御処理において、演出ボタン208aが入力操作されていないと判定し(ステップS1600-7のNO)、演出ボタン検出制御処理を終了する。
このように、本実施形態による遊技機100において演出操作装置208の入力状態は、時刻t0における設定変更処理の実行に基づいて特殊入力規制状態となり、時刻t1における設定変更処理の終了後、遊技機状態移行期間の終了タイミングである時刻t2において、特殊入力規制状態から入力可能状態に移行する。また、遊技機100において演出装置の動作モードは、時刻t0における設定変更処理の実行に基づいて、特殊モードとなり、時刻t1における設定変更処理の終了後における遊技機状態移行期間の終了タイミングである時刻t2(設定変更処理の終了以降の所定タイミングの一例)において、特殊モードから、通常許可パターンでの通常モードに移行する。つまり、演出装置の動作モードは、演出操作装置208の入力状態の移行に従って移行する。また、上述したように、本実施形態において遊技機状態移行期間は極めて短い。このため、実質的には主制御基板300において設定キーの復帰操作が検出され設定変更状態が終了した直後に、副制御基板330において設定関連終了指定コマンドが受信されて設定変更状態に基づく制御が終了して遊技可能状態に基づく制御が開始される。つまり、演出装置の動作モードは、主制御基板300において設定変更状態が終了した直後のタイミングで特殊モードから通常許可パターンでの通常モードに移行する。
また、上述のように、遊技機状態移行期間は、メインCPU300aが設定キーの復帰操作を検出し、設定変更状態を終了する際に設定関連終了指定コマンドが送信されることで生じる。つまり、演出操作装置208の入力状態は、設定キーの復帰操作が行われない限り(具体的には、メインCPU300aが設定キーの復帰操作を検出しない限り)は、特殊入力規制状態に維持される。また、同様に、演出装置の動作モードは、設定キーの復帰操作が行われない限り(メインCPU300aが設定キーの復帰操作を検出しない限り)は、特殊モードに維持される。
また、時刻t2から時刻t3までの期間の所定タイミングにおいて、サブCPU330aは、主制御基板300から客待ちコマンドを受信している。客待ちコマンドは、特別図柄変動待ち処理(図33参照)において、特1保留および特2保留のいずれも記憶されていないことに基づいて送信バッファにセットされる(ステップS610-5)。客待ちコマンドを受信すると、客待ちコマンド受信処理(図45)においてサブCPU330aは、客待ちタイマをリセットし(ステップS1210-1)、客待ち中フラグをオン状態にセットする(ステップS1210-3)。さらに、客待ち中処理(図50参照)においてサブCPU330aは、客待ち中であると判定し(ステップS1300-1のYES)、演出装置が節電モード中でないと判定し(ステップS1300-3のNO)、客待ちタイマのタイマ値を1加算し(ステップS1300-5)、客待ち状態の開始から客待ち満了時間が経過していないと判定し(ステップS1300-NO)、デモ演出を開始するためのデモ演出開始処理を実行する(ステップS1300-13)。これにより、例えば演出表示部200aにおいて、所定のデモ画像が表示されるデモ演出が開始される。
なお、時刻t2から所定時間後のデモ演出開始時において、遊技機状態は遊技可能状態に維持されており設定変更状態ではなく(ステップS1500-1のNO)、エラーも発生しておらず(ステップS1500-3のNO)、変動演出も実行されていない(ステップS1500-5のNO)。つまり、3つの入力規制条件の全てが不成立であり、第一入力許可フラグはオン状態に設定される(ステップS1500-9)。したがって、デモ演出開始時において演出操作装置208の入力状態は入力可能状態に維持され、演出装置の動作モードは通常許可パターンでの通常モードに維持されている。
時刻t2後のデモ演出開始時から所定時間が経過した時刻t3において、遊技機状態は遊技可能状態に維持されており設定変更状態ではなく(ステップS1500-1のNO)、遊技機100においてエラーも発生しておらず(ステップS1500-3のNO)、変動演出も実行されていない(ステップS1500-5のNO)。つまり、デモ演出開始時と同様に入力規制条件のうち3つの条件の全てが不成立であり、第一入力許可フラグはオン状態に設定される(ステップS1500-9)。したがって、時刻t3において演出操作装置208の入力状態は入力可能状態に維持され(図55の5段目参照)、これに伴って、時刻t3において演出装置の動作モードは通常許可パターンでの通常モードに維持されている(図55の6段目参照)。
また、時刻t3では、時刻t2後のデモ演出開始時から所定時間が経過したことで、客待ち満了時間に到達している。したがって、時刻t3における客待ち中処理(図50参照)において、サブCPU330aは、客待ち満了時間が経過して節電モードの開始タイミングであると判定し(ステップS1300-7のYES)、節電モード開始処理を実行する(ステップS1300-9)。
サブCPU330aは、ステップS1300-9の節電モード開始処理において、節電モード開始コマンドを送信バッファにセットする。各制御部は、節電モード開始コマンドを受信すると、各演出装置における消費電力を低減させる節電モードでの制御を行う。これに伴って時刻t3において演出装置の動作モードは、消費電力を低減する動作態様で動作する節電モードとなる(図55の6段目参照)。これにより、時刻t3において演出装置の動作モードは、通常許可パターンでの通常モードと、節電モードとが並行した状態となる。つまり、節電モードと通常許可パターンでの通常モードとの並行状態においてサブCPU330aは、消費電力を低減させ、かつ演出操作装置208の入力操作に基づく動作を許容するように演出装置の動作制御を行う。
このように、本実施形態による遊技機100において遊技機状態が遊技可能状態である場合、演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)は、節電モードに移行可能であって、節電モードに基づく動作制御が行われ得る。一方、遊技機状態が設定変更状態または設定確認状態である場合、副制御基板330には客待ちコマンドが送信されず、客待ち中となることはない。したがって演出装置は、設定変更状態(設定変更処理の実行中)において節電モードには移行しない。また演出装置は、設定確認状態でも同様に、節電モードには移行しない。サブCPU330aは、客待ち中処理(図50参照)において節電モードフラグをオン状態に設定すると(ステップS1300-11)、客待ち中処理を終了してサブタイマ割込み処理(図44参照)に戻る。
ここで、図57を用いて、節電モードにおける各演出装置の態様の一例を説明する。
本例において、例えば画像制御部340は、節電モード開始コマンドを受信すると演出表示部200aの背景色を黒色(暗色)とし、白色で節電モードであることを報知する画像(節電報知画像)を表示する。ここで、節電モードにおいては、演出表示装置200のバックライト(不図示)の明るさを最低限度まで低減させてもよい。このとき、輝度制御値を遊技者が設定可能な最小値よりもさらに小さい値(下限値)としてもよいし、輝度制御値の設定とは別の制御によって演出表示部200aの輝度を一時的に節電モード用の輝度(極めて低い輝度)に設定してもよい。本例では、図57に示すように節電報知画像の一例として、文字列画像「節電中です」が表示されている。また、節電モードにおいて画像制御部340は、節電報知画像と合わせて、節電モードからの復帰方法を示す補助メッセージ画像を表示する。本例では、補助メッセージ画像の一例として、文字列画像「演出ボタンを押すと復帰します」が表示されている。
上述のように、節電モードにおいては、演出装置(本例では演出表示装置200)の動作モードとして通常許可パターンでの通常モードによる制御も並行して行われる。したがって、節電モードにおいて演出ボタン208aが押下操作されると、演出ボタン検出制御処理(図53参照)のステップS1600-7において演出ボタン208aの押下操作が検出され、ステップS1600-11において客待ち終了処理が実行されて節電モードが終了する。
このようにして、節電モード中において演出表示装置200の動作に係る消費電力は、例えばデモ演出中におけるデモ画像の表示時や、変動演出および大当たり演出時よりも低減される。また、節電モードにおいて画像制御部340は、演出表示部200aの輝度を最小値に設定してもよい。この場合も、背景色が黒色且つ節電報知画像が白色であれば節電報知画像および補助メッセージ画像を十分に視認することができる。また、画像制御部340は、節電モードにおいて、演出表示装置200を構成する液晶表示装置のバックライトを消灯する制御を行ってもよい。
また、例えば音声制御部350は、節電モード開始コマンドを受信すると、デモ演出時において出力していた音声を停止する制御(消音制御)を行う。これにより、節電モード中において、音声出力装置206の動作(音声出力)に係る消費電力が低減される。また、例えば照明制御部360は、演出照明装置204および不図示の枠照明装置の少なくとも一部を消灯する制御を行う。これにより、節電モード中において演出照明装置204および枠照明装置の発光による輝度が抑制されることにより、演出照明装置204および枠照明装置の動作(発光)に係る消費電力が低減される。なお遊技機100は、節電モード中において演出照明装置204および不図示の枠照明装置を全て消灯するように構成されてもよい。また、例えば可動体制御部370は、演出役物装置202および演出ボタン208aを初期位置に戻して可動を停止させる制御を行う。これにより、演出役物装置202に係る消費電力が低減される。なお、デモ演出において演出役物装置202および演出ボタン208aが可動していない場合には、可動体制御部370は、節電モード開始コマンドを契機とする制御を行わなくてもよい。
このように、節電モードに基づく演出装置の制御により、各演出装置の動作は電力消費を低減する態様となる。これにより、遊技機100は、遊技の待機中において消費電力を低減させ、ひいては遊技店において遊技機の稼働コストを低減させることができる。
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4において、遊技店に来店した遊技者が節電モード中の遊技機100において、演出ボタン208aを押下したとする。これにより、図55の6段目に示すように、演出装置の動作モードとして節電モードと通常許可パターンでの通常モードの並行状態が終了し、通常許可パターンでの通常モードのみが維持される。
具体的には、時刻t4における演出ボタン検出制御処理(図53参照)においてサブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態であると判定し(ステップS1600-1のYES)、演出ボタン208aが入力操作されたと判定し(ステップS1600-7のYES)、現在が客待ち中であると判定し(ステップS1600-9のYES)、客待ち終了処理を実行する(ステップS1600-11)。ここで、演出ボタン検出制御処理で実行する客待ち終了処理は、ステップS1221の客待ち処理(図47参照)と同様である。そこで、時刻t4における客待ち終了処理においてサブCPU330aは、節電モード中であると判定し(ステップS1221-1のYES)、節電モード終了コマンドを作成して送信バッファにセットし(ステップS1221-3)、客待ち中フラグをオフ状態に設定する(ステップS1221-9)。
各制御部は、節電モード終了コマンドを受信すると、各演出装置(演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)の節電モードでの制御を終了し、通常モード単体での制御に復帰する。これにより、各演出装置は節電モードでの動作態様(図57参照)を終了し、通常モードでの既定の動作態様(デフォルト動作態様)に復帰する。なお、通常モードでのデフォルト動作態様として、例えば演出表示装置200の演出表示部200aには、演出図柄210a,210b,210cが既定の停止表示態様で表示される。また、音声出力装置206からは例えばデフォルト動作態様に対応する所定の音声やBGMが出力されてもよいし、演出照明装置204は、デフォルト動作態様に対応する点灯態様で点灯していてもよい。また、演出役物装置202のデフォルト動作態様に対応する可動態様は、初期位置での待機している態様でもよいし、所定位置まで可動している態様でもよい。
なお、遊技機100において、演出装置の節電モードが終了した場合、終了直後に通常モードにおけるデフォルト態様での動作に移行してもよいし、デモ演出を介してデフォルト態様に移行してもよい。
また時刻t4では、時刻t3と同様に上述の入力規制条件のうち3つの条件すべてが不成立となっている。このため、時刻t4において演出操作装置208の入力状態は入力可能状態に維持され(図55の5段目参照)、これに伴って、時刻t4において、演出装置の動作モードは通常許可パターンでの通常モードに維持されている(図55の6段目参照)。
図55に示すように、時刻t2から時刻t4の終了時(時刻t5)までの期間において、演出装置の動作モードは、単なる通常許可パターンでの通常モードから当該通常モードと節電モードとが並行した状態に移行し、再度、単なる通常許可パターンでの通常モードに復帰するように移行する。つまり、節電モードと通常モードとの並行状態と、通常モード単体での状態とは可逆的に遷移可能である。一方、上述のように、設定変更状態では演出装置の動作モードは節電モードに移行しない、したがって、演出装置の動作モードは、特殊モードから節電モードに移行せず、同様に節電モードから特殊モードにも移行しない。
時刻t4以降において、遊技者は遊技機100において遊技球を発射させる遊技を開始し、時刻t5において、例えば第1始動口120に遊技球が入球したとする。これにより、図55の3段目に示すように、変動演出が開始される。また、変動演出の開始に伴い、演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態に移行し(図55の5段目参照)、これに対応して、演出装置の動作モードが通常規制パターンによる通常モードに移行する(図55の6段目参照)。
具体的には、時刻t5においてメインCPU300aは、特別図柄変動待ち処理(図33参照)において、第1始動口120への入球に基づいて大役抽選を行い(ステップS610-3のYES→ステップS610-9の流れ)、特別図柄変動番号決定処理(ステップS611)を実行する。メインCPU300aは、特別図柄変動番号決定処理(図34参照)において大役抽選結果(本例では、ハズレ)に基づく変動モードコマンドを送信バッファにセットし(ステップS611-13)、大役抽選結果に基づく変動パターンコマンドを送信バッファにセットする(ステップS611-17)。変動コマンド(変動モードコマンド、変動パターンコマンド)はステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
変動コマンドを受信したことに基づいて、サブCPU330aは変動コマンド受信処理(図46)を実行する。具体的にはサブCPU330aは、客待ち中フラグがオン状態でなくオフ状態であると判定し(ステップS1220-1のNO)、変動パターンコマンドに基づいて後半の変動演出の実行パターン(演出態様)を決定し(ステップS1220-3→ステップS1220-5の流れ)、変動モードコマンドに基づいて前半の変動演出の実行パターン(演出態様)を決定し(ステップS1220-7→ステップS1220-9の流れ)、変動演出のタイムテーブルのタイムデータをセットし(ステップS1220-11)、変動演出開始フラグをオン状態に設定する(ステップS1220-13)。これにより、図55の3段目に示すように、時刻t5において変動演出に係る制御が実行される。
また、変動演出に係る制御が開始されたことで、入力規制条件の第三条件(変動演出中であること)が成立する。また、時刻t5において、時刻t4と同様に遊技機100にはエラーが発生していない。このため、サブCPU330aは、エラー発生コマンドを受信しておらず、演出装置によるエラー報知も行われない。したがって、時刻t5での入力状態制御処理(図53)においてサブCPU330aは、変動演出に係る制御が開始されていると判定し(ステップS1500-5のYES)、第一入力許可フラグをオフ状態に設定する(ステップS1500-7)。このように、遊技機状態が遊技可能状態であり、かつエラーの報知が行われておらず、さらに変動演出が開始されることにしたがって、第一入力許可フラグがオフ状態となる。このため、時刻t5において演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態に設定される(図55の5段目参照)。
また、時刻t5における演出ボタン検出制御処理(図53)において、サブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態であると判定し(ステップS1600-1のNO→ステップS1600-3のNO)、さらに時刻t5に開始された変動演出において操作演出が実行されておらず、限定許可状態でないと判定し(ステップS1600-5のNO)、演出ボタン208aの操作検出処理(ステップ1600-7)を実行せずに当該演出ボタン検出制御処理を終了する。これにより、演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態に設定されたことに伴い、演出装置の動作モードが通常モードにおける通常許可パターンから、通常規制パターンに移行する(図55の6段目参照)。本例において、変動演出が開始されること(第三条件が成立すること)は、通常規制パターンの通常モードへの移行契機の一例である。このように、本実施形態において、演出装置の動作モードは、通常モード中において所定の移行契機が発生することにより、演出操作装置208(本例では、演出ボタン208a)の入力操作に基づく演出装置の動作を規制可能な通常規制パターンに移行する場合がある。
図55の2段目に示すように、時刻t5から所定時間後の時刻t6において、大役抽選結果がハズレであることを示す変動演出が終了する。具体的には、主制御基板300から特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドが送信され、サブCPU330aは、変動演出開始フラグをオフ状態に設定する。また時刻t6において、遊技機100にはエラーが発生していない(副制御基板330にエラー発生コマンドが送信されていない)とする。これにより、時刻t6において時刻t2~t4と同様に、演出操作装置208の入力状態の決定に係る3つの入力規制条件が全て不成立となる(図55の2~4段目)。これにより、時刻t6において、演出操作装置208の入力状態は通常入力規制状態から入力可能状態に復帰する(図55の5段目参照)。また、時刻t6において入力状態が入力可能状態となったことに伴い、演出装置の動作モードは通常規制パターンの通常モードから通常許可パターンの通常モードに復帰する(図55の6段目参照)。
このように、通常モードにおける通常規制パターンは、入力状態が通常入力規制状態から入力可能状態に移行すること、すなわち入力規制条件のうち第一条件から第三条件の全てが不成立となることに基づいて終了する。ここで、第二条件が不成立の場合(エラーが発生していない場合)に、第三条件が成立状態から不成立状態になること、すなわち変動演出が終了することは、通常規制パターン終了条件(特定状態終了条件の一例)に相当する。つまり、通常モードにおける通常規制パターンは、上述の移行契機(例えば、変動演出の開始)と異なる終了契機(変動演出の終了)によって終了する。換言すれば、変動演出の開始に伴って開始された通常規制パターンの通常モードは、変動演出の実行時間の経過によって終了する。したがって、通常規制パターン終了条件には、所定時間(本例では、変動演出の実行時間)の経過も含まれる。サブCPU330aは、通常規制パターンの終了を、終了契機の到来によって判定してもよいし、所定時間の経過によって判定してもよいし、終了契機の到来と所定時間の経過との両方を組み合わせて判定してもよい。
つまり、通常規制パターンは、遊技機100においてエラーが発生しておらず演出装置においてエラーの報知が実行されていない場合(ステップS1500-3のNO)に、通常規制パターン終了条件が成立したことに基づいて終了する。また、通常規制パターン終了後の、通常許可パターンでの通常モードでは、操作検出処理(ステップS1600-7)が実行されることにより、演出装置において演出操作装置208(本例では、演出ボタン208a)の入力操作(押下操作)に基づく動作が許容されることとなる。
図55の4段目に示すように、時刻t6から所定時間経過後の時刻t7において、遊技機100にエラーが発生したとする。これに伴って、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態から通常入力規制状態に移行し、演出装置の動作モードは通常許可パターンの通常モードから通常規制パターンでの通常モードに移行する。つまり、エラーが発生していること(第二条件が成立していること)は、通常規制パターンの通常モードへの移行契機の一例である。
具体的には、時刻t6において、例えば下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態となり、満タンコマンドが主制御基板300に送信されたとする。これにより、メインCPU300aは、タイマ割込み処理(図23参照)におけるエラー管理処理(ステップS400-21)においてエラー(本例では、下皿満タンエラー)を検知し、エラー発生コマンドを送信バッファにセットする。エラー発生コマンドはステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
エラー発生コマンドを受信したことに基づいて、サブCPU330aは、コマンド解析処理(ステップS1200)におけるエラーコマンド受信処理(不図示)を実行し、時刻t7において演出装置におけるエラーの報知(エラー報知演出)を開始する。このとき、例えばサブCPU330aは、エラー報知演出開始コマンドを作成して送信バッファにセットする。エラー報知演出開始コマンドを受信した各制御部は、当該コマンドに含まれる制御データに基づいて、演出装置をエラー報知態様で動作させる。
また、エラー発生コマンドを受信しエラー報知演出に係る制御が開始されたことで、入力規制条件の第二条件(エラー発生中であること)が成立する。したがって、時刻t7での入力状態制御処理(図53参照)においてサブCPU330aは、エラー発生中でありエラーの報知が実行されている(ステップS1500-3のYES)と判定し、第一入力許可フラグをオフ状態に設定する(ステップS1500-7)。このように、遊技機状態が遊技可能状態であり、かつエラーの報知が行われていることにしたがって、第一入力許可フラグがオフ状態となる。このため、時刻t7において演出操作装置208の入力状態が、時刻t5と同様に通常入力規制状態に設定される(図55の5段目参照)。
また、時刻t7における演出ボタン検出制御処理(図53)において、サブCPU330aは、時刻t5と同様に、演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態に設定されたことに伴い、演出装置の動作モードが通常モードにおける通常許可パターンから、通常規制パターンに移行する(図55の6段目参照)。
また、図55の2段目に示すように、時刻t7から所定時間後の時刻t8において、時刻t7において発生したエラー(本例では、下皿満タンエラー)が解除される。具体的には、時刻t7においてメインCPU300aは、タイマ割込み処理(図23参照)におけるエラー管理処理(ステップS400-21)において、下皿134の満タン状態が解除されたと判断しエラー解除コマンドを送信バッファにセットする。エラー発生コマンドはステップS200-7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
エラー解除コマンドを受信したことに基づいて、サブCPU330aは、コマンド解析処理(ステップS1200)におけるエラーコマンド受信処理(不図示)を実行し、時刻t7において開始されたエラーの報知(エラー報知演出)を終了する。例えばサブCPU330aは、エラー報知演出終了コマンドを作成して送信バッファにセットする。エラー報知演出終了コマンドを受信した各制御部は、当該コマンドに含まれる制御データに基づいて、演出装置にエラー報知態様での動作を終了させる。
また、時刻t7から所定時間経過後の時刻t8においてエラー解除コマンドを受信しエラー報知演出に係る制御が終了されたことで、入力規制条件の第二条件(エラー発生中であること)が不成立となる。また、時刻t8では、遊技機状態は遊技可能状態に維持され、かつ変動演出に係る制御は開始されていない。これにより、時刻t8において、時刻t2~t4および時刻t6と同様に、演出操作装置208の入力状態の決定に係る3つの入力規制条件が全て不成立となる(図55の2~4段目)。れにより、時刻t8において、演出操作装置208の入力状態は通常入力規制状態から入力可能状態に復帰する(図55の5段目参照)。また、時刻t8において入力状態が入力可能状態となったことに伴い、演出装置の動作モードは通常規制パターンの通常モードから通常許可パターンの通常モードに復帰する(図55の6段目参照)。これにより、演出装置において演出操作装置208(本例では、演出ボタン208a)の入力操作(押下操作)に基づく動作が許容されることとなる。
このように、時刻t8において、時刻t6と同様に、通常モードにおける通常規制パターンは、入力状態が通常入力規制状態から入力可能状態に移行すること、すなわち入力規制条件のうち第一条件から第三条件の全てが不成立となることに基づいて終了する。ここで、第二条件が成立状態から不成立状態(エラーが解除される)こと、かつ第三条件が不成立(変動演出中でない)ことは、通常規制パターン終了条件の一例に相当する。つまり、通常モードにおける通常規制パターンは、上述の移行契機(本例では、エラーの発生)と異なる終了契機(本例ではエラーの解除)によって終了する。
なお、本発明において、通常規制パターン終了条件には、遊技球が遊技領域116(図2参照)上の所定領域を通過することが含まれてもよい。これにより、遊技機100は、演出操作装置208の入力状態の決定に係る入力規制条件と関連なく、通常規制パターンの通常モードを終了することができる。所定領域は、例えば遊技球の通過が普通図柄の抽選契機となるゲート124であってもよい。また、遊技機100において遊技球の通過が大役遊技を構成するラウンド遊技の開始契機(第1大入賞口および第2大入賞口128の作動契機)となる特定領域(不図示)が設けられている場合、当該特定領域が通常規制パターン終了条件に係る所定領域であってもよい。また、遊技機100においてゲート124が特定領域を兼ねていてもよい。
また、時刻t8から所定時間経過後の時刻t9において、再度変動演出が開始される。時刻t9においては、遊技機状態は遊技可能状態であり、遊技機100にはエラーが発生していない。このため、時刻t9において、変動演出が開始されることにしたがって、演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態に設定される(図55の5段目参照)。また、時刻t9において、演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態に設定されたことに伴い、演出装置の動作モードが通常モードにおける通常許可パターンから、通常規制パターンに移行する(図55の6段目参照)。
ここで、例えば時刻t9から所定時間経過後の変動演出中において、遊技者に演出ボタン208aの操作を促す操作演出が実行されたとする。具体的には、このとき、タイムスケジュール管理処理(図51参照)のステップS1400-3において、操作演出開始フラグがオン状態に設定されているとする。
この場合、サブCPU330aは、演出ボタン検出制御処理(図53)において、演出操作装置208の入力状態が通常入力規制状態であると判定し(ステップS1600-1のNO→ステップS1600-3のNO)、さらに時刻t5に開始された変動演出において操作演出が実行中であって入力状態が限定許可状態であると判定し(ステップS1600-5のYES)、演出ボタン208aの操作検出処理(ステップ1600-7)を実行する。このように、本実施形態においてサブCPU330aは、例えば操作演出の実行中の場合に演出操作装置208の入力状態が限定許可状態であると判定し、演出操作装置208(本例では、演出ボタン208a)の入力を操作演出の実行時間内に限定して受付可能とする。なお、操作演出の実行に伴う限定許可状態は、操作演出の実行が終了し、タイムスケジュール管理処理(図51参照)のステップS1400-3において、操作演出開始フラグがオフ状態に設定されることで終了し、入力状態は通常入力規制状態に復帰する。
また、図55に示すように、時刻t9から開始された変動演出が時刻t10において終了する。このとき時刻t6と同様に、遊技機100においてエラーが発生していないとする。これにより、時刻t10において演出操作装置208の入力状態は、時刻t2から時刻t4および時刻t6,t8と同様に入力可能状態となる。またこれに伴って、時刻t10において演出装置の動作モードは、時刻t2から時刻t4および時刻t6,t8と同様に通常許可パターンでの通常モードとなる。
このように、演出操作装置208の入力状態は、設定変更処理の実行に基づいて特殊入力規制状態となり、設定変更処理の終了以降の所定タイミング(本例では、時刻t2での遊技状態移行期間の終了タイミング)において特殊入力規制状態から特殊入力規制状態以外の通常状態(入力可能状態または通常入力規制状態)に移行し、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、すなわち遊技機状態が遊技可能状態に維持される限りは、通常状態から特殊入力規制状態に移行しない。
また、入力状態に基づいて制御される演出装置の動作モードは、設定変更処理の実行に基づいて特殊モードとなり、設定変更処理の終了以降の所定タイミング(本例では、時刻t2での遊技状態移行期間の終了タイミング)において特殊モードから通常モードに移行し、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、すなわち遊技機状態が遊技可能状態に維持される限りは、通常モードから特殊モードに移行しない。
つまり、本実施形態による遊技機100において、演出操作装置208の入力状態は、遊技機状態が遊技可能状態に維持される限り、3つの入力規制条件の成立状態に基づいて、入力可能状態または通常入力規制状態に繰り返し移行する。また、遊技機状態が遊技可能状態に維持される限り、演出装置の動作モードは、通常モードにおける通常許可パターンでまたは通常規制パターンに繰り返し移行する。また、客待ち中には通常許可パターンでの通常モードと節電モードとが並行した状態となり得る。
図55を用いて説明したように、本実施形態による遊技機100において、演出装置は、設定変更処理が実行可能な設定変更状態において、入力操作に基づく動作が規制される特殊モードで制御され、設定変更処理が実行可能でない状態(設定確認状態または遊技可能状態)において、入力操作に基づく動作を許容可能な通常モードに基づいて制御される。また、動作モードは、設定変更処理の実行に基づいて特殊モードとなる。また動作モードは、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、特殊モードから移行して通常モード(通常許可パターンまたは通常規制パターン)になる。また動作モードは、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限りは、通常モードから特殊モードに移行しない。つまり、遊技機100は、設定変更処理の実行中(設定値の変更操作時)に演出装置の動作モードが特殊モードとなることにより、不要な入力操作を防止して入力誤り等が発生するおそれを低減することができる。したがって、遊技機100は、設定値の変更操作が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図ることができる。
次に、図58を用いて本実施形態における演出操作装置208の入力状態および演出装置の動作モードの遷移の他の例を説明する。図58は、図55と同様に演出操作装置208の入力状態および演出装置の動作モードの遷移を時系列で説明するタイムチャートである。なお、図58は、時刻t0から時刻t1において遊技状態が設定確認状態であること、すなわち電源投入モードが設定確認モード(設定値を確認することを意図して電源投入された際のモード)である点で、図55と異なる。つまり、図58に示す演出操作装置208の入力状態および演出装置の動作モードの遷移の状態は、時刻t0から遊技機状態移行期間が終了する時刻t2についてのみ、図55に示す例と異なっている。
図58の2段目に示すように、時刻t0における電源投入時において、遊技機状態は設定確認状態であり、図58の3段目に示すように変動演出は実行されていない(不実行)。また、時刻t0において遊技機100ではエラーの発生は検知されていない(エラー無し)。 つまり、時刻t0において3つの入力規制条件はすべて不成立となっている。し
たがって、図58の5段目に示すように、時刻t0において演出操作装置208の入力状態は入力可能状態に設定され、これに伴って、図58の6段目に示すように演出装置の動作モードは通所許可パターンでの通常モードとなっている。
以下、図58に示す設定確認状態での時刻t0における入力状態および動作モードの決定に関連する制御の流れを説明する。例えば時刻t0において、遊技店の従業員は設定確認モード(内枠104を開放、設定キーを変更操作、かつRAMクリアボタン305(図4参照)を押下していない状態)で遊技機100に電源を投入する。これにより、メインCPU300aは、CPU初期化処理(図19、図20参照)において副制御基板へのサブコマンド送信処理(ステップS100-25)を実行し、設定確認状態を示す電源復帰指定コマンドを送信バッファにセットする。これにより、メインループ処理(図21参照)のステップS200-7において、副制御基板330に電源復帰指定コマンドが送信される。
次いで、サブCPU330aは電源復帰指定コマンドを受信し、サブCPU初期化処理(図43参照)を実行する。具体的には、サブCPU330aは、初期設定処理を実行し(ステップS1000-1)、設定確認状態を示す遊技機状態種別を含む電源復帰指定コマンドを受信していると判定し(ステップS1000-3のNO→ステップS100-7のYES)、設定確認状態フラグをオン状態に設定する(ステップS1000-9)。これにより、サブCPU330aは、設定確認状態に応じた制御を実行可能となる。
さらに、サブCPU330aは設定確認状態を示す設定種別情報を含む設定関連報知コマンドを作成して送信バッファにセットする。設定関連報知コマンドは、時刻t0における電源投入後の最初のサブタイマ割込み処理(図44参照)のステップS1100-7において各制御部に送信される。これにより、設定確認状態が生起されていることを報知する設定関連報知演出(設定確認状態報知演出)が実行される。設定確認状態報知演出の詳細は後述する。
また、設定確認状態での時刻t0では遊技機100において、設定変更状態での時刻t0(図55参照)と同様に、主制御基板300からは遊技に関するコマンドは送信されない。したがって、設定確認状態での時刻t0では変動演出の実行制御は開始されない(図58の3段目参照)。また、図58に示す設定確認状態での時刻t0において、メインCPU300aは、設定変更状態中と同様に、エラー管理処理(ステップS400-21)を実行していない。したがって、図58の4段目に示すように、設定確認状態での時刻t0ではエラーの発生は検知されず、演出装置を用いたエラーの報知も行われていない。
したがって、設定確認状態での時刻t0以降の、最初のサブタイマ割込み処理中の入力状態制御処理(図52参照)において、サブCPU330aは3つの入力規制条件はすべて不成立であると判定し(ステップS1500-1のNO→ステップS1500-3のNO→ステップS1500-5のNOの流れ)、第一入力許可フラグをオン状態に設定する(ステップS1500-9)。これにより、図58の5段目に示すように設定確認状態での時刻t0において、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態に設定される。
次いで、設定確認状態での時刻t0における演出ボタン検出制御処理(図53参照)においてサブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態であると判定し(ステップS1600-1のYES)、演出ボタン208aが入力操作(押下操作)されたか否かを判定する操作検出処理を実行する(ステップS1600-7)。これにより、設定確認状態での時刻t0において入力状態が入力可能状態となったことに基づいて、演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)の動作モードは、通常許可パターンによる通常モードとなる(図58の6段目参照)。
つまり、サブCPU330aは、少なくとも設定確認状態(設定確認処理の実行中)である期間において、演出操作装置208の入力操作に対応する動作を規制する特殊モードではなく、通常モード(本例では通常許可パターン)で演出装置の動作制御を行う。
ここで、図59を用いて設定確認中の時刻t0で開始される設定確認状態報知演出の一例について説明する。図59は、設定確認状態の発生を報知する設定確認状態報知演出の態様の一例を示す図である。例えば、画像制御部340は、サブCPU初期化処理(図43参照)において作成された設定関連報知コマンドを受信すると、設定種別情報に基づいて設定確認状態が生起されていることを報知する文字列画像(設定確認報知画像)を演出表示部200aに表示する。図59に示すように、本例では図59に示すように、設定確認報知画像の一例として「設定確認中です」という文字列画像が表示されている。また、設定確認状態報知演出の制御において画像制御部340は、設定確認報知画像と合わせて、管理者メニューの表示方法を示すメニュー表示メッセージ画像を表示する。本例では、メニュー表示メッセージ画像の一例として、演出ボタン208aの長押しによって管理者メニューを表示可能であることを報知する文字列画像「演出ボタン長押しで管理者メニューに突入します」が表示されている。
上述のように、設定確認処理の実行中(設定確認状態)においては、演出装置は通常許可パターンでの通常モードで制御されている。例えば設定確認状態での時刻t0から所定時間経過後であって、設定確認状態が維持されているタイミングで、遊技店の従業員が演出ボタン208aを所定時間(例えば5秒)以上長押し操作したとする。この場合、演出ボタン検出制御処理(図53参照)においてサブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態であると判定し(ステップS1600-1のYES)、演出ボタン208aが入力操作(押下操作)されたか否かを判定する操作検出処理を実行して演出ボタン208aが入力操作されたと判定し(ステップS1600-7のYES)、客待ち中でないと判定し(ステップS1600-9のNO)、入力時演出動作制御処理を実行する(ステップS1610)。
さらに、入力時動作制御処理(図54)において、サブCPU330aは、設定確認状態フラグがオン状態であって遊技機状態が設定確認状態であると判定し(ステップS1610-1のYES)、管理者メニュー表示処理を実行する(ステップS1610-3)。管理者メニュー表示処理において、サブCPU330aは、管理者メニュータイマを用いて演出ボタン208aの入力操作の継続時間を計時しており、演出ボタン208aの入力操作が所定時間継続されたと判定した場合に、管理者メニュー表示コマンドを作成して送信バッファにセットする。画像制御部340は、管理者メニュー表示コマンドを受信すると、管理者メニュー画面に該当する画像を演出表示部200aに表示する制御を行う。これにより、遊技機の時刻設定や、設定値の変更履歴の閲覧等が可能な管理者メニューが演出表示部200aに表示される。
図59に戻って、例えば画像制御部340は、設定確認状態報知演出時において、設定変更状態報知演出(図56参照)と同様に、演出表示部200aの背景色を黒色(暗色)とし、白色で設定確認報知画像およびメニュー表示メッセージ画像を表示する。また、音声制御部350は、設定関連報知コマンドを受信すると、設定確認状態が生起されていることを報知する警告音(例えば、ブザー音)を出力する。さらに、照明制御部360は、設定関連報知コマンドを受信すると演出照明装置204および枠照明装置(不図示)を所定の発光色(例えば赤色)で点灯させる。また、照明制御部360は、演出ボタン208aの上表面に不図示の照明装置(ボタン照明装置)が設けられている場合には、ボタン照明装置を所定の発光色(例えば、緑色)で点灯してもよい。なお、照明制御部360は、設定確認状態報知演出時において、演出照明装置204を消灯し、ボタン照明装置および枠照明装置のみを点灯してもよい。このように、遊技機100は、設定確認状態において設定確認状態報知演出を実行することで、設定確認処理が実行されていることを明確に報知することができる。
図58に戻って、設定確認状態での時刻t0から所定時間経過後の時刻t1において、設定確認状態が終了し、遊技機状態が遊技可能状態に遷移する。以下、時刻t1における入力状態および動作モードの決定に関連する制御の流れを説明する。
具体的には、図58に示す時刻t1において遊技店の従業員が設定キーの復帰操作を行い、設定確認処理が終了している。このため、時刻t1での設定値関連処理(図24参照)において、メインCPU300aは、設定キーの復帰操作(設定キースイッチ180sからの入力信号のオン状態からオフ状態への切り替わり)を検出したことに基づいて、設定確認状態を終了することを示す設定関連終了指定コマンドを送信バッファにセットし、遊技機状態フラグに遊技可能状態を示す値をセットする(ステップS410-17のNO→ステップS410-19→ステップS410-27の流れ)。このように、メインCPU300a(設定変更手段の一例)が設定キーの復帰操作を検出したことに基づいて、設定確認処理を実行可能な設定確認状態が終了する。また、これに伴って遊技機状態が遊技可能状態に移行する。
図58に示す時刻t1において送信バッファにセットされた設定関連終了指定コマンドは、設定変更の終了時の時刻t1からt2(図55参照)と同様に、遊技機状態移行期間の終了タイミングである時刻t2において副制御基板330に受信される。これにより、図58に示す時刻t2において、遊技機状態が遊技可能状態に移行していることが副制御基板330に伝達される。なお、図58の2段目においても図55と同様に、遊技機状態移行期間を斜線で示している。
なお、図58に示す時刻t0から所定時間後の時刻t1においても、遊技機状態は設定変更状態ではなく(ステップS1500-1のNO)、エラーも発生しておらず(ステップS1500-3のNO)、変動演出も実行されていない(ステップS1500-5のNO)。つまり、3つの入力規制条件の全てが不成立であり、第一入力許可フラグはオン状態に設定される(ステップS1500-9)。したがって、図58に示す時刻t1において演出操作装置208の入力状態は入力可能状態に維持され、演出装置の動作モードは通常許可パターンでの通常モードに維持されている。
また、遊技機状態移行期間が終了した時刻t2においても時刻t1と同様に、3つの入力規制条件の全てが不成立であり、第一入力許可フラグはオン状態に設定される(ステップS1500-9)。したがって、図58に示す時刻t1において演出操作装置208の入力状態は入力可能状態に維持され、演出装置の動作モードは通常許可パターンでの通常モードに維持される。図58に示すように、電源投入時において遊技機状態が設定変更状態でない場合には、時刻t0から遊技機状態移行期間が終了する時刻t2の期間、および時刻t2以降の期間も、演出操作装置208の入力状態が特殊入力規制状態に設定されることはない。したがって、演出装置の動作モードが特殊モードとなることもない。なお、図58に示す時刻t2以降の演出操作装置208の入力状態および演出装置の動作モードの遷移態様は、図55に示す時刻t2以降の遷移態様と同様であるため、説明は省略する。
このように、演出操作装置208の入力状態は、設定確認処理の実行に基づいて入力可能状態となり、設定確認処理の終了以降の所定タイミング(本例では、時刻t2での遊技状態移行期間の終了タイミング)においても特殊入力規制状態以外の通常状態(入力可能状態または通常入力規制状態)に維持され、設定確認処理の終了以降に電源断および電源投入に伴う設定変更処理が実行されない限り、すなわち遊技機状態が遊技可能状態に維持される限りは、通常状態から特殊入力規制状態に移行しない。
また、演出装置の動作モードは、設定確認処理の実行に基づいて通常許可パターンでの通常モードとなり、設定確認処理の終了以降も通常モード(通常許可パターンまたは通常規制パターン)に維持され、設定確認処理の終了以降に電源断および電源投入に伴う設定変更処理が実行されない限り、通常モードから特殊モードに移行しない。つまり、遊技機100は、設定変更処理(設定値の変更操作)が実行されない場合に演出装置の動作モードが特殊モードにならないことにより、演出操作装置(本例では演出ボタン208a)の入力操作(押下操作)を受け付けて、各種メニュー画面の表示や、操作演出における入力操作に基づく演出動作を実行することができる。
これにより、遊技機100は、遊技者に対して遊技中の遊技機に関する情報の閲覧、設定サービス(実機カスタム)を提供することや、変動演出中においてゲーム性を向上することができ、ひいては遊技の興趣の向上を図ることができる。また、遊技機100は、遊技店の従業員に対して情報閲覧や設定機能(管理者メニュー)を提供することができ、遊技機の管理に関する利便性を向上することができる。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100において、演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)は、設定変更処理が実行されている状態において演出操作装置208の入力操作に基づく動作を規制する特殊モードと、設定変更処理が実行されていない状態において入力操作に基づく動作を許容可能な通常モードとを含む動作モードに基づいて動作が制御される。また、設定変更処理の実行に基づいて、動作モードは特殊モードとなり、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、動作モードは通常モードとなり、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、動作モードは通常モードから特殊モードに移行しない。これにより、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図ることができる。また、遊技機100は、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて特殊モードから通常モードに移行することで、設定値の入力精度の向上と、演出操作装置208の入力操作によるサービス性やゲーム性の向上とを両立することができる。
(調節ボタンの調節状態および調節モードの制御)
次に、サブタイマ割込み処理(図44参照)における調節状態制御処理(ステップS1700)について説明する。図60は、調節状態制御処理の流れの一例を説明するフローチャートである。調節状態制御処理は、調節ボタン209の各構成(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作の受付可否を示す調節状態を、主制御基板300が決定した遊技機状態や副制御基板330における演出の実行制御の状態等に基づいて制御する処理である。
(ステップS1700-1)
サブCPU330aは、入力状態制御処理(図52参照)のステップS1500-1と同様にして現在の遊技機状態が設定変更状態か否かを判定する。サブCPU330aは、設定変更状態フラグがオン状態であって遊技機状態が設定変更状態であると判定するとステップS1700-9に処理を移す。一方、サブCPU330aは、設定変更状態フラグがオフ状態であって遊技状態が設定変更状態でないと判定するとステップS1700-3に処理を移す。
(ステップS1700-3)
サブCPU330aは、入力状態制御処理のステップS1500-3と同様にして、遊技機100においてエラーが発生しているか否かを判定する。サブCPU330aは、エラー発生中であると判定するとステップS1700-9に処理を移す。一方サブCPU330aは、エラー発生中でないと判定すると、ステップS1700-5に処理を移す。
(ステップS1700-5)
サブCPU330aは、大役遊技に伴う大当たり演出の実行中か否かを判定する。例えばサブCPU330aは、大当たり演出開始フラグがオン状態であり、大当たり演出に係る制御が開始されていると判定するとステップS1700-9に処理を移す。一方、サブCPU330aは、大当たり演出開始フラグがオフ状態であり、大当たり演出に係る制御が開始されていないと判定するとステップS1700-7に処理を移す。
(ステップS1700-7)
サブCPU330aは、節電モード中か否かを判定する。例えばサブCPU330aは、節電モードフラグがオン状態であり、節電モード中であると判定するとステップS1700-9に処理を移す。一方、サブCPU330aは、節電モードフラグがオフ状態であり、節電モード中でないと判定するとステップS1700-11に処理を移す。
(ステップS1700-9)
サブCPU330aは、第二入力許可フラグをオフ状態に設定して調節状態制御処理を終了する。第二入力許可フラグは、オン状態の場合に調節ボタン209の各構成(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態が遊技者等による調節操作の受付が許可(許容)されている状態(調節可能状態)であることを示し、オフ状態の場合に当該調節状態が遊技者等による調節操作の受付けが規制されている状態(調節規制状態)であることを示す。なお、第二入力許可フラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶されている。本例において調節規制状態は、原則として調節操作の受付を停止している状態を示す。本ステップにおいて第二入力許可フラグがオフ状態に設定されることで、以降、音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209bのそれぞれは、調節規制状態に設定される。
(ステップS1700-11)
サブCPU330aは、第二入力許可フラグをオン状態に設定して調節状態制御処理を終了する。これにより、以降、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態は、調節可能状態に設定される。
このように、本実施形態において、遊技機状態が設定変更状態である場合(ステップS1700-1のYES)、調節ボタン209の調節状態は調節規制状態となり、調節操作の受付けが規制(本例では停止)される。また、本実施形態による遊技機100において、遊技機状態が設定変更状態以外(ステップS1700-3のYES、ステップS1700-5のYESまたはステップS1700-7のYES)の場合も、調節ボタン209の調節状態は調節規制状態となる。
具体的には、上述の調節状態制御処理(図60参照)において調節ボタン209は、所定条件(調節規制条件)が成立している場合に、遊技者等による調節操作の受付けが規制される調節規制状態に設定され、上述の調節規制条件が成立していない場合に、遊技者等による調節操作の受付けが許可される調節可能状態に設定される。また、この調節状態制御処理は、サブタイマ割込み処理ごとに実行される。このため、調節規制条件が不成立となった(解除された)場合には、速やかに、調節ボタン209の入力状態が調節可能状態に移行される。また同様に、調節規制条件が成立した場合には、速やかに、調節ボタン209の調節状態が調節規制状態に移行される。
図60に示すように、調節規制条件には、遊技機状態が設定変更状態であること(第一調節規制条件)、エラー発生中であること(第二調節規制条件)、大当たり演出中であること(第三調節規制条件)または節電モード中であること(第四調節規制条件)が含まれ、これら4つの条件のうち少なくとも1つが成立している場合(ステップS1700-1~S1700-7のいずれかがYESとなる場合)に、調節ボタン209は調節規制状態となる(ステップS1700-9)。つまり本実施形態において、遊技機100には複数(本例では第一調節規制条件、第二調節規制条件、第三調節規制条件および第四調節規制条件の4つ)の調節規制条件が設定され、サブCPU330aは、複数の調節規制条件のうち少なくとも1つが成立することに基づいて、調節ボタン209の調節状態を調節規制状態とする。なお、本発明において、調節規制条件は上記の4つに限られない。調節規制条件には、設定変更状態であること(第一調節規制条件)が含まれていればよく、調節規制条件は4つ以上であってもよいし、4つ未満でもよい。例えば、調節規制条件には、第一調節規制条件の他に、第二調節規制条件から第四調節規制条件のうちの1つまたは2つが含まれていてもよい。
また、本実施形態において、第一調節規制条件および第二調節規制条件は、上述の演出操作装置208の入力状態に係る3つの入力規制条件のうちの第一条件および第二条件と同一内容となっている。したがって、遊技機100において、演出操作装置208と調節ボタン209とは、同一の事象(遊技機状態が遊技変更状態であること、またはエラー発生中であること)に基づいて操作(入力操作、調節操作)を受け付けない規制状態(入力規制状態、調節規制状態)になる場合がある。
ここで、上述の4つの調節規制条件のうち、上述の第一調節規制条件が成立している場合、つまり遊技機100が設定変更処理の実行中(設定変更状態)である場合における調節規制状態を、特殊調節規制状態という。これに対し、上述の第一調節規制条件が不成立であり、かつ上述の第二調節規制条件(エラー発生中であること)、第三調節規制条件(大当たり演出中であること)または第四条件(節電モード中であること)が成立している場合における調節ボタン209の調節規制状態を、通常調節規制状態という。
特殊調節規制状態は、設定キーを用いた上述の設定変更処理に伴って設定される調節状態であるため、電源復帰や主制御基板300におけるラムクリア時において設定される。つまり、特殊調節規制状態は、通常の遊技中や遊技の待機中(遊技機状態が遊技可能状態である場合)には設定されることはない。
また、エラー発生中、大当たり演出中または節電モード中に設定され得る通常調節規制状態では、調節ボタン209の調節操作の受付が限定的に許可される状態(限定調節許可状態)が発生し得る。限定調節許可状態は、通常調節規制状態中において時間的、または機能的に限定された状態において、調節ボタン209の調節操作が受付可能となる状態を示す。本例では、例えば大当たり演出の実行中の特定期間において限定調節許可状態が生起される。これに対し、特殊調節規制状態では限定調節許可状態は発生しない。つまり、特殊調節規制状態では常に調節操作の受付が規制された状態となる。
また、本実施形態において上述の4つの調節規制条件のうち何れも成立していない場合(ステップS1700-1~7のNO)、第二入力許可フラグがオン状態に設定されることに基づいて調節ボタン209の調節状態は調節可能状態となる(ステップS1700-11)。調節可能状態では調節ボタン209への調節操作が受け付けられるため、サブCPU330aは、調節ボタン209の調節操作に応じて音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作を制御することができる。遊技機100において、調節可能状態および限定調節許可状態である期間が、調節ボタン209の操作有効期間に該当する。
本実施形態において、設定変更状態(設定変更処理の実行中)の場合以外に設定され得る、特殊調節規制状態以外の調節状態(調節可能状態または通常調節規制状態)を総称して「通常調節状態」という。
本実施形態においてサブCPU330aは、調節状態制御処理において設定した調節ボタン209の調節状態にしたがって、調節ボタン209に対する調節操作の検出制御を行う。これにより、遊技機100において、調節ボタン209の調節状態に基づく制御設定値(本例では音量制御値、輝度制御値)の入力制御が行われる。
次に、調節状態に基づく調節ボタン209の調節検出制御処理の一例として、サブタイマ割込み処理(図44参照)における調節ボタン検出制御処理(ステップS1800)について説明する。図61は、調節ボタン検出制御処理の流れの一例を説明するフローチャートである。調節ボタン検出制御処理は、調節ボタン209を構成する音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bに対する調節操作の検出制御処理である。
(ステップS1800-1)
サブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が調節可能状態か否かを判定する。サブCPU330aは、第二入力許可フラグがオン状態であって調節ボタン209の調節状態が調節可能状態であると判定すると、ステップS1800-7に処理を移す。一方、サブCPU330aは、第二入力許可フラグがオフ状態であって調節ボタン209の調節状態が調節規制状態であると判定すると、ステップS1800-3に処理を移す。
(ステップS1800-3)
サブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が、調節規制状態のうち特殊調節規制状態か否かを判定する。サブCPU330aは、第二入力許可フラグがオフ状態かつ設定変更状態フラグがオン状態であって特殊調節規制状態であると判定すると、ステップS1800-5以降の処理を実行せずに、調節ボタン検出制御処理を終了してサブタイマ割込み処理(図44参照)に戻る。一方、サブCPU330aは、第二入力許可フラグがオフ状態かつ設定変更状態フラグがオフ状態であって通常調節規制状態であると判定すると、ステップS1800-5に処理を移す。
(ステップS1800-5)
サブCPU330aは、調節状態が限定調節許可状態か否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは現在が大当たり演出の実行中における特定期間か否かを判定する。サブCPU330aは、特定期間開始フラグがオン状態であって現在が特定期間内である場合に限定許可調節状態であると判定し、ステップS1800-7に処理を移す。一方、サブCPU330aは、特定期間開始フラグがオフ状態であって特定期間内でない場合に限定許可調節状態でないと判定し、ステップS1800-7以降の処理を実行せずに調節ボタン検出制御処理を終了して、サブタイマ割込み処理に戻る。このように、本実施形態による遊技機100は、例えば大当たり演出中の特定期間内において、調節ボタン209の調節状態が調節規制状態であっても限定的に調節操作が許可される限定調節許可状態となる。
なお、本例では、通常調節規制状態中において限定調節許可状態が生起される特定期間を、大当たり演出の実行中の所定期間としているが、本発明はこれに限られない。例えば特定期間は、エラーの発生中においてエラー報知演出中に設けられてもよいし、節電モード中に設けられてもよい。また例えば、エラー報知演出中にエラー中特定期間を設けるか否かは、エラーの種類に応じて異なっていてもよい。
(ステップS1800-7)
サブCPU330aは、調節ボタン209が調節操作(本例では押下操作)されたか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、音量ボタン操作検出スイッチ209s1または光量ボタン操作検出スイッチ209s2から検出信号が入力されている場合に調節ボタン209が調節操作されたと判定してステップS1800-9に処理を移す。
一方、サブCPU330aは、音量ボタン操作検出スイッチ209s1および光量ボタン操作検出スイッチ209s2のいずれからも検出信号が入力されていない場合に、調節ボタン209が調節操作されていないと判定して調節ボタン検出制御処理を終了し、ステップS1800-9以降の処理を実行せずにサブタイマ割込み処理に戻る。このように、本実施形態では、調節ボタン209の調節状態が調節可能状態または限定調節許可状態であることに基づいて、調節ボタン209(本例では、音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209b)に対する調節操作の検出が実行される。つまり、本ステップS1800-7の処理は、調節ボタン209の操作検出処理に相当する。
(ステップS1800-9)
サブCPU330aは、デモ演出中か否かを判定する。サブCPU330aは、客待ち中フラグがオン状態であって現在がデモ演出中であると判定すると、ステップS1800-11に処理を移す。一方、サブCPU330aは、客待ち中フラグがオフ状態であって現在がデモ演出中でないと判定すると、ステップS1800-11を実行せずにステップS1810に処理を移す。なお、上述のように、本実施形態において節電モード中は通常調節規制状態であるため、本ステップS1800-9の処理は実行されない。したがって、本ステップにおいて節電モード中か否かの判定は不要である。
(ステップS1800-11)
サブCPU330aは、デモ演出終了処理を実行する。ここで実行するデモ演出終了処理は、客待ち終了処理(図47)のステップS1221-7およびステップS1221-9と同様の処理であるため、説明は省略する。
(ステップS1810)
サブCPU330aは、調節ボタン209の調節操作(押下操作)に基づく音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作(音量調節動作、輝度調節動作)を制御するための調節時動作制御処理を実行して調節ボタン検出制御処理を終了し、サブタイマ割込み処理(図44)に戻る。詳しくは後述するが、調節時動作制御処理においてサブCPU330aは、ステップS1800-7において入力が検出された検出信号に基づいて、音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作を制御する。
以上のように、本実施形態においてサブCPU330aは、上述の調節状態制御処理(図60参照)で設定した調節状態に基づいて、調節ボタン209を構成する音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209bに対する調節操作の検出有無の制御を行う。また、上述の調節ボタン検出制御処理においてサブCPU330aは、調節操作の検出に対応する調節動作の可否に係る調節モードによって音声出力装置206、演出表示装置200の動作制御を行う。ここで、音声出力装置206から出力する音量に関する調節モードを音量調節モードとし、演出表示装置200における演出表示部200aの輝度に関する調節モードを輝度調節モードとする。また、単に「調節モード」という場合は、音量調節モードおよび輝度調節モードの総称を示す。
音声出力装置206の音量調節モードには、調節状態が特殊調節規制状態である状態、すなわち設定変更処理が実行されている状態において音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づく音量調節動作(音量制御値に基づいて出力する音声の音量を調節する動作)を規制する特殊調節モードと、特殊調節規制状態でない状態、すなわち設定変更処理が実行されていない状態において当該音量調節操作に基づく音量調節動作を許容可能な通常調節モードとが含まれる。
つまり、本実施形態による遊技機100において、音声出力装置206は、音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づく音量調節動作が規制される特殊調節モードと、設定変更処理が実行されていない場合に当該音量調節操作に基づく音量調節動作が許容される通常モードとを含む音量調節モードに基づいて音量の調節動作が制御される。また、音声出力装置206は、設定変更処理が実行されている場合に、複数の音量調節モードのうち特殊調節モードに滞在する。
また、同様に、演出表示装置200の輝度調節モードには、調節状態が特殊調節規制状態である状態、すなわち設定変更処理が実行されている状態において光量調節ボタン209bの調節操作に基づく輝度調節動作(輝度制御値に基づいて演出表示部200aの輝度(バックライトの明るさ)を調節する動作)を規制する特殊調節モードと、特殊調節規制状態でない状態、すなわち設定変更処理が実行されていない状態において当該輝度調節操作に基づく輝度調節動作を許容可能な通常調節モードとが含まれる。
つまり、本実施形態による遊技機100において、演出表示装置200は、光量調節ボタン209bの輝度調節操作に基づく輝度調節動作が規制される特殊調節モードと、特殊調節規制状態でない場合、すなわち設定変更処理が実行されていない場合に当該輝度調節操作に基づく輝度調節動作が許容される通常モードとを含む輝度調節モードに基づいて輝度の調節動作が制御される。また、演出表示装置200は、設定変更処理が実行されている場合に、複数の輝度調節モードのうち特殊調節モードに滞在する。
具体的には、サブCPU330aは、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態が特殊調節規制状態である場合(ステップS1800-1のNO→ステップS1800-3のYES)に、音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの調節操作(押下操作)の検出処理(ステップS1800-7)を実行せず、さらに当該調節操作に基づく音声出力装置206、演出表示装置200の調節時動作制御処理(ステップS1810)も行わない。この一連の制御が、特殊調節モードによる音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作制御に該当する。つまり本実施形態において特殊調節モードは、特殊調節規制状態に基づく調節モードである。音声出力装置206、演出表示装置200は、特殊調節モードに基づいて調節動作が制御されることで、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作(例えば押下操作)に基づく調節動作が規制される。
またサブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が特殊調節規制状態でない場合(ステップS1800-1のYESまたはステップS1800-3のNO)に、通常調節モードによる音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作制御を行う。ここで、通常調節モードによる音声出力装置206、演出表示装置の調節動作制御には、通常調節許可パターンと通常調節規制パターンとがある。サブCPU330aは、調節状態が調節可能状態である場合(ステップS1800-1のYES)、または調節状態が限定調節許可状態である場合(ステップS1800-1のNO→ステップS1800-3のNO→ステップS1800-5のYES)に、調節ボタン209の調節操作(押下操作)の検出処理(ステップS1800-7)を実行し、音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの調節操作(音量調節操作、輝度調節操作)が行われた場合に当該調節操作に基づく音声出力装置206、演出表示装置200の調節時動作制御を行う(ステップS1800-7のYESからステップS1810の流れ)。この一連の制御が、通常調節許可パターンの通常調節モードによる音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作制御に該当する。
つまり本実施形態において通常調節許可パターンの通常調節モードは、調節可能状態、または通常調節規制状態における限定調節許可状態に基づく調節モードである。音声出力装置206は、音量調節モードのうち、通常調節許可パターンの通常調節モードで制御されることで、例えば音量調節ボタン209aの音量調節操作(押下操作)に基づく音量調節動作が許容される。また同様に、演出表示装置200は、輝度調節モードのうち、通常調節許可パターンの通常モードで制御されることで、例えば光量調節ボタン209bの輝度調節操作(押下操作)に基づく輝度調節動作が許容される。
また、サブCPU330aは、調節状態が通常調節規制状態かつ限定調節許可状態でない場合(ステップS1800-1のNO→ステップS1800-3のNO→ステップS1800-5のNO)に、特殊調節モードと同様に調節ボタン209の調節操作(押下操作)の検出処理(ステップS1800-7)を実行せず、さらに当該調節操作に基づく音声出力装置206、演出表示装置200の調節時動作制御処理(ステップS1810)も行わない。この一連の制御が、通常調節規制パターンの通常調節モードによる音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作制御に該当する。
このように、本実施形態において、遊技機状態が設定変更状態か否かに応じて、調節ボタン209の検出制御の流れに基づく調節モードの種別(特殊調節モードまたは通常調節モード)が異なる。本実施形態による遊技機100において、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)の種別のうち、通常調節モードには、通常調節許可パターンと通常調節規制パターンとがあり、当該2つのパターンは可逆的に移行可能である。
つまり音声出力装置206は、音量調節モードにおける通常調節モード中において、音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づく音量調節動作が許容される通常調節許可パターンから、当該音量調節操作に基づく音量調節動作が規制される通常調節規制パターンに移行する場合がある。また逆に、音声出力装置206は、音量調節モードにおける通常調節モード中において通常調節規制パターンから通常調節許可パターンに移行する場合もある。
また、同様に、演出表示装置200は、輝度調節モードにおける通常調節モード中において、光量調節ボタン209bの輝度調節操作に基づく輝度調節動作が許容される通常調節許可パターンから、当該輝度調節操作に基づく輝度調節動作が規制される通常調節規制パターンに移行する場合がある。また逆に、演出表示装置200は、輝度調節モードにおける通常調節モード中において通常調節規制パターンから通常調節許可パターンに移行する場合もある。
一方、遊技機100において調節モードは、通常調節モードと特殊調節モードとに可逆的に移行することはない。具体的には、遊技機100において音声出力装置206は、設定変更処理の実行に基づいて、音量調節モードが特殊調節モードとなる。また設定変更処理の終了以降の所定タイミング(例えば、設定変更処理終了後の最初の調節状態制御処理(図60参照)の実行時)において、音量調節モードは通常調節モードとなる。つまり、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、音量調節モードは特殊調節モードから通常調節モードに移行する。また、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、音量調節モードは通常調節モードから特殊調節モードに移行しない。
同様に、遊技機100において演出表示装置200は、設定変更処理の実行に基づいて、輝度調節モードが特殊調節モードとなる。また、設定変更処理の終了以降の所定タイミング(例えば、設定変更処理終了後の最初の調節状態制御処理の実行時)において、輝度調節モードは通常調節モードとなる。つまり、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、輝度調節モードは特殊調節モードから通常調節モードに移行する。また、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、輝度調節モードは通常調節モードから特殊調節モードに移行しない。
また本実施形態において、上述のように演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)の動作モードには、演出装置の電力消費を低減させる節電モードが含まれる。
節電モードにおいて、音声出力装置206は、例えば音声が出力されない消音状態に設定され、電力消費が低減される状態(節電状態の一例)となる。上述のように遊技機100は、設定変更処理の実行中に節電モードには移行しない。したがって、音声出力装置206は設定変更処理の実行中において、節電モードに伴う節電状態には移行しない。なお、音声出力装置206の音量調節モードは、節電モード中(調節規制条件の第四条件の成立中)は、通常調節規制パターンの通常調節モードとなっている。
また同様に、節電モードにおいて演出表示装置200は、例えば演出表示部200aの輝度が抑制されることにより、電力消費が低減される状態(節電状態の一例)となる。節電モード中は、例えば演出表示部200aの輝度(バックライトの輝度)が最低限度まで低減されてもよい。遊技機100は、設定変更処理の実行中に節電モードには移行しないため、演出表示装置200は設定変更処理の実行中において、節電モードに伴う節電状態には移行しない。なお、演出表示装置200の輝度調節モードは、節電モード中(調節規制条件の第四条件の成立中)は、通常調節規制パターンの通常調節モードとなっている。
また本実施形態において、例えば特殊調節モードおよび通常調節規制パターンでの通常調節モードにおける、調節ボタン209の調節操作に基づく音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作(音量調節動作、輝度調節動作)の規制とは、調節ボタン209の調節操作に対応する調節動作を音声出力装置206および演出表示装置200に行わせないことを示す。なお、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機100は、通常調節規制パターンでの通常調節モードにおける調節操作に基づく音声出力装置206および演出表示装置200の調節動作の規制として、調節ボタン209の調節操作に対応する調節動作を限定してもよい。この場合、遊技機100は、音声出力装置206における音量調節操作に基づく音量調節動作の規制時において、例えば、設定可能な音量制御値を限定(例えば音量制御値「5」「6」「7」の範囲のみ設定可能等)してもよい。また、同様に遊技機100は、演出表示装置200における輝度調節操作に基づく輝度調節動作の規制時において、例えば、設定可能な輝度制御値を限定(例えば輝度制御値「5」「6」「7」の範囲のみ設定可能等)してもよい。
次に、調節ボタン209の調節操作に基づいて、音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作を制御するための調節時動作制御処理(ステップS1810)について説明する。図62は、調節時動作制御処理の流れの一例を説明するフローチャートである。本実施形態において、調節時動作制御処理は、調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)のうち通常調節許可パターンの通常調節モードに基づいて音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作(音量調節動作、輝度調節動作)を制御する処理である。したがって、調節時動作制御処理は、音声出力装置206、演出表示装置200の調節状態が調節可能状態または限定調節許可状態である場合に実行される。
(ステップS1810-1)
サブCPU330aは、音量調節ボタン209aが押下(調節操作)されたか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、調節ボタン検出制御処理(図61参照)のステップS1800-7で検出された検出信号が音量ボタン操作検出スイッチ209s1から入力された検出信号であると判定すると、音量調節ボタン209aにおいて音量調節操作が実行されたと判定してステップS1810-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、ステップS1800-7で検出された検出信号が音量ボタン操作検出スイッチ209s1ではなく光量ボタン操作検出スイッチ209s2から入力された検出信号であると判定すると、ステップS1810-5に処理を移す。
(ステップS1810-3)
サブCPU330aは、音量調節ボタン209aが押下(調節操作)されたことに基づいて音量調節処理を実行する。音量調節処理は、音声出力装置206に音量調節動作を行わせて音量を調節する処理である。音量調節処理においてサブCPU330aは、音量調節コマンドを作成し、送信バッファにセットする。音量調節コマンドには、音量調節ボタン209aの音量調節操作の態様(どのように操作されたか)に基づく音量増減情報が含まれる。本実施形態において、音量調節ボタン209aには、押下操作可能な操作領域として、上領域と下領域とが設けられている。サブCPU330aは、音量ボタン操作検出スイッチ209s1から入力された検出信号を解析し、音量調節ボタン209aの上領域が押下操作されたと判定すると、音量制御値を現在の音量制御値より1段階大きい値(例えば「4」→「5」)に設定することを示す音量増減情報を含む音量調節コマンドを作成する。また、サブCPU330aは、当該検出信号を解析し、音量調節ボタン209aの下領域が押下操作されたと判定すると、音量制御値を現在の音量制御値より1段階小さい値(例えば「7」→「6」)に設定することを示す音量増減情報を含む音量調節コマンドを作成する。
音量調節コマンドは、ステップS1100-7の出力制御処理において音声制御部350に送信される。音声制御部350は、音量調節コマンドに含まれる音量増減情報に基づいて、音声出力装置206の音量を示す音量制御値を設定する。これにより、音声出力装置206において、音量調節ボタン209aの調節操作に対応する音量制御値に基づいて音量を調節する音量調節動作が実行される。なお、例えば、現在設定中の音量制御値が最大値(例えば「7」)である場合に、音量制御値を現在の音量制御値より1段階大きい値とする音量増減情報を含む音量調節コマンドを受信した場合、音声制御部350は、音量制御値を最大値に維持すればよい。また、逆に、現在設定中の音量制御値が最小値(例えば「1」)である場合に、音量制御値を現在の音量制御値より1段階小さい値とする音量増減情報を含む音量調節コマンドを受信した場合、音声制御部350は、音量制御値を最小値に維持すればよい。
また、音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づいて、演出表示部200aに現在の音量制御値を示す棒状の音量表示画像(音量バー画像)を表示してもよい。例えば、音量バー画像は、音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づいて、現在の音量制御値を示す本数で表示されてもよい。この場合、例えば現在の音量制御値が「3」であれば、3本の音量バー画像が表示される。また、音量バー画像は、表示態様(例えば表示色)によって、現在の音量制御値を示してもよい。この場合、音量調節操作時において演出表示部200aには例えば音量制御値の最大数と同じ本数(本例では7本)の音量バー画像が左右方向に並んで表示され、7本の音量バー画像のうち、初期設定(デフォルト)の表示色(例えば白色)と異なる表示色(例えば「赤色」)で表示されている本数によって、音量制御値を示してもよい。より詳細には、7本の音量バー画像は例えば左から右に向かって音量制御値「1」から「7」を昇順で示しており、現在の音量制御値が「2」である場合、7本の音量バー画像のうち左端から2本を赤色で表示し、残りの5本を白色(デフォルト表示色)で表示してもよい。
音量調節操作時において演出表示部200aに音量表示画像を表示する場合、サブCPU330aが作成した音量調節コマンドを画像制御部340にも送信すればよい。またこの場合、音量調節コマンドには、音量増減情報として新たに設定される音量制御値が含まれていればよい。これにより、画像制御部340は、音量調節操作に伴う音量調節処理(ステップS1810-3)に基づいて、新たに設定される音量制御値に対応する音量表示画像(例えば、音量バー画像)を演出表示部200aに表示させることができる。
(ステップS1810-5)
サブCPU330aは、光量調節ボタン209bが押下(調節操作)されたことに基づいて輝度調節処理を実行する。輝度調節処理は、演出表示装置200に輝度調節動作を行わせて演出表示部200aの輝度を調節する処理である。輝度調節処理においてサブCPU330aは、輝度調節処理において輝度調節コマンドを作成し、送信バッファにセットする。輝度調節コマンドには、光量調節ボタン209bの輝度調節操作の態様(どのように操作されたか)に基づく輝度増減情報が含まれる。本実施形態において、光量調節ボタン209bには、音量調節ボタン209aと同様に、押下操作可能な操作領域として上領域と下領域とが設けられている。サブCPU330aは、光量ボタン操作検出スイッチ209s2から入力された検出信号を解析し、光量調節ボタン209bの上領域が押下操作されたと判定すると、輝度制御値を現在の輝度制御値より1段階大きい値(例えば「4」→「5」)に設定することを示す輝度増減情報を含む輝度調節コマンドを作成する。また、サブCPU330aは、当該検出信号を解析し、光量調節ボタン209bの下領域が押下操作されたと判定すると、輝度制御値を現在の輝度制御値より1段階小さい値(例えば「7」→「6」)に設定することを示す輝度増減情報を含む輝度調節コマンドを作成する。
輝度調節コマンドは、ステップS1100-7の出力制御処理において画像制御部340に送信される。画像制御部340は、輝度調節コマンドを解析し、輝度増減情報に基づく制御信号を演出表示装置200のバックライトユニット(不図示)の制御部に出力する。これにより、演出表示装置200が有するバックライトの明るさが制御信号に基づいて調節され、演出表示装置200において、光量調節ボタン209bの輝度調節操作に対応する輝度制御値に基づいて演出表示部200aの輝度を調節する輝度調節動作が実行される。なお、例えば、現在設定中の輝度制御値が最大値(例えば「7」)である場合に、輝度制御値を現在の輝度制御値より1段階大きい値とする輝度増減情報を含む輝度調節コマンドを受信した場合、画像制御部340は、輝度制御値を維持する旨の制御信号をバックライトユニットの制御部に送信すればよい。また、現在設定中の輝度制御値が最小値(例えば「1」)である場合に、輝度制御値を現在の輝度制御値より1段階小さい値とする輝度増減情報を含む輝度調節コマンドを受信した場合も同様に、画像制御部340は、輝度制御値を維持する旨の制御信号をバックライトユニットの制御部に送信すればよい。
また、光量調節ボタン209bの輝度調節操作に基づいて、演出表示部200aに現在の輝度制御値を示す棒状の輝度制御画像(光量バー画像)を表示してもよい。例えば、光量バー画像は、光量調節ボタン209bの輝度調節操作に基づいて、現在の輝度制御値を示す本数で表示されてもよい。この場合、例えば現在の輝度制御値が「3」であれば、3本の光量バー画像が表示される。また、光量バー画像は、上述の音量バー画像と同様に、表示態様(例えば表示色)によって、現在の輝度制御値を示してもよい。この場合、例えば設定可能な輝度制御値の数値範囲を示す7本の光量バー画像は、左から右に向かって輝度制御値「1」から「7」を昇順で示しており、現在の輝度制御値が「2」である場合、7本の光量バー画像のうち左端から2本をデフォルト表示色以外の色(例えば赤色)で表示し、残りの5本をデフォルト表示色(例えば白色)で表示してもよい。
輝度調節操作時において演出表示部200aに輝度制御画像を表示する場合、輝度調節コマンドには、輝度増減情報として新たに設定される輝度制御値が含まれていればよい。これにより、画像制御部340は、輝度調節操作に伴う輝度調節処理(ステップS1810-5)に基づいて、新たに設定される輝度制御値に対応する輝度表示画像(例えば、光量バー画像)を演出表示部200aに表示させることができる。
(調節状態および調節モードの遷移の一例)
次に、図60から図62を参照しつつ、図63を用いて本実施形態における調節ボタン209の調節状態および音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)の遷移の一例を説明する。
図63は、調節ボタン209の調節状態および音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)の遷移を時系列で説明するタイムチャートである。具体的には、図63の1段目に示す時間軸は、時刻t20から所定期間経過後の時刻29までの期間における時間の経過を、左から右に向かって図示している。また、図63の2段目には、遊技機100の遊技機状態の遷移を時系列で示している。また、図63の3段目には、変動演出の実行状況の遷移を時系列で示し、4段目には大当たり演出の実行状況の遷移を時系列で示している。また、図63の5段目には、遊技機100におけるエラー発生状況の遷移を時系列で示しており、6段目には演出装置の動作モードにおける節電モードの設定状況の遷移を時系列で示している。
つまり、図63の2段目、および4段目から6段目には、調節ボタン209の調節状態の決定に係る調節規制条件の成立状況が図示されている。また、図63の7段目は、当該調節規制条件の成立状況に応じた調節状態の遷移を時系列で示している。また、図63の8段目は、当該調節状態に応じた音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードの遷移を時系列で示している。
本例では、電源投入モードが設定変更モードである場合の、調節ボタン209の調節状態および音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードの遷移を時系列で説明する。
図63の2段目に示すように、時刻t20における電源投入時において、遊技機状態は設定変更状態であり、図63の3段目、4段目に示すように変動演出および大当たり演出は実行されていない(不実行)。また時刻t20においては、図63の5段目に示すように遊技機100ではエラーの発生は検知されておらず(エラー無し)、図63の6段目に示すように演出装置の動作モードは節電モード中ではない。つまり、時刻t20において調節規制条件のうち第一調節規制条件(設定変更状態であること)のみが成立している。したがって、図63の7段目に示すように、時刻t20において調節ボタン209の調節状態は特殊調節規制状態に設定され、これに伴って、図63の8段目に示すように音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは特殊調節モードとなっている。
以下、図63に示す時刻t20における調節状態および調節モードの決定に関連する制御の流れを説明する。例えば、時刻t20において、遊技店の従業員は設定変更モード(内枠104を開放、設定キーを変更操作、かつRAMクリアボタン305(図4参照)を押下した状態)で遊技機100に電源を投入する。これにより、メインCPU300aは、図55に示す時刻t0と同様に、設定変更状態を示す遊技機状態種別を含むRAMクリア指定コマンドを副制御基板330に送信する。これによりサブCPU330aは、図55に示す時刻t0と同様にサブCPU初期化処理(図43参照)を実行する。このため、時刻t20において設定変更状態フラグがオン状態に設定され(ステップS1000-5)、設定変更状態を示す設定関連報知開始コマンドが送信バッファにセットされ(ステップS1000-11)、設定変更状態報知演出(図56参照)が実行される。
時刻t20において遊技機100の遊技機状態は設定変更状態であるため、主制御基板300からは遊技に関するコマンドは送信されない。したがって、時刻t20以降の最初のサブタイマ割込み処理においてサブCPU330aは、図55に示す時刻t0と同様に、コマンド解析処理(ステップS1200)における変動コマンド受信処理(図46参照)および大当たり時オープニング指定コマンド受信処理(図48参照)を実行しない。これにより、図63の3段目、4段目に示すように、時刻t20では変動演出および大当たり演出の実行制御は開始されない。
また、時刻t20において、メインCPU300aは、設定変更状態であることからタイマ割込み処理(図23参照)において、図55に示す時刻t0と同様にエラーの判定等を行うエラー管理処理(ステップS400-21)を実行していない。したがって、図63の5段目に示すように、時刻t20ではエラーの発生は検知されず、演出装置を用いたエラーの報知(エラー報知演出)も行われていない。また時刻t20では遊技機状態が設定変更状態であることから、図55に示す時刻t0と同様にメインCPU300aは特別図柄変動待ち処理(図33参照)を実行していない(ステップS410→ステップS400-29の流れ)。したがって、図63の6段目に示すように、時刻t20では、客待ちコマンドは送信されず、客待ち中処理(図50)も実行されないため、演出装置の動作モードとして節電モードは設定されない。このように、時刻t20において4つの調節規制条件のうち第二調節規制条件から第四調節規制条件は成立していない。
このため、時刻t20以降の最初のサブタイマ割込み処理中の調節状態制御処理(図60参照)において、サブCPU330aは、設定変更状態であると判定し(ステップS1700-1のYES)、第二入力許可フラグをオフ状態に設定する(ステップS1700-9)。これにより、時刻t20において遊技機状態が設定変更状態(設定変更処理中)であること、すなわち調節規制条件のうち第一調節規制条件が成立していることに基づいて、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態が調節規制状態のうちの特殊調節規制状態に設定される(図63の7段目参照)。
次いで、調節ボタン検出制御処理(図61参照)において、サブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が特殊調節規制状態であると判定し(ステップS1800-1のNO→ステップS1800-3のYES)、調節ボタン209の操作検出処理(ステップS1800-7)を実行せずに調節ボタン検出制御処理を終了する。これにより、時刻t20において、調節状態が特殊調節規制状態であること、すなわち設定変更状態であることに基づいて、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは特殊調節モードとなる(図63の8段目参照)。つまり、サブCPU330aは、少なくとも設定変更状態(設定変更処理の実行中)である期間において、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作(音量調節操作、輝度調節操作)に対応する調節動作(音量調節動作、輝度調節動作)を規制する特殊調節モードで、音声出力装置206および演出表示装置200の調節動作制御を行う。
設定変更状態に基づく特殊調節モードによる音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作制御では、調節ボタン209の調節操作に対応する調節動作が規制されるため、上述の調節ボタン操作検出処理(ステップS1800-7)のように調節操作を検出するための処理が実行されない。これにより、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定変更に係る入力(例えば、RAMクリアボタン305の押下による設定値入力)以外の不要な入力操作を防止して入力誤り等が発生するおそれを低減することができる。したがって、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図ることができる。
また、図63の1段目に示すように、時刻t20から所定時間経過後の時刻t21において、設定変更状態が終了し、遊技機状態が遊技可能状態に遷移する。具体的には、時刻t21において、遊技店の従業員が設定キーの復帰操作を行い、設定変更処理が終了している。これにより、時刻t21において、設定値関連処理(図24参照)が実行され、図55に示す時刻t1と同様にメインCPU300a(設定変更手段の一例)が設定キーの復帰操作(特定操作の一例)を検出したことに基づいて、設定変更状態(設定変更処理を実行可能な状態の一例)が終了し、これに伴って遊技機状態が通常の遊技を実施可能な遊技可能状態に移行する。
図63に示す時刻t21から時刻t22の期間は、図55に示す時刻t1から時刻t2と同様の遊技機状態移行期間である。つまり、時刻t21において送信バッファにセットされた設定関連終了指定コマンドは、遊技機状態移行期間を経た時刻t22において、副制御基板330に受信される。このため、図63の7段目に示すように、時刻t21において調節状態は時刻t20と同様に特殊調節規制状態に維持され、図63の8段目に示すように調節モードは、特殊調節モードに維持される。なお、図55に示す時刻t1から時刻t2の期間と同様に、時刻t21から時刻t22の期間はごくわずか(数ミリ秒程度)である。
遊技機状態移行期間が終了した時刻t22において、副制御基板330に設定関連終了指定コマンドが送信されると、サブCPU330aは、設定関連終了指定コマンドを受信したことに基づいて、図55に示す時刻t2と同様に設定関連終了指定コマンド受信処理(図49参照)を実行して設定変更状態フラグをオフ状態に設定し(ステップS1240-3)、設定関連報知終了コマンドを作成して送信バッファにセットする(ステップS1240-7)。これにより、時刻t22において設定変更状態報知演出(図56参照)が終了する。
また、時刻t22において、遊技者による遊技が行われていないため変動演出および大当たり演出に係る制御は実行されていない(図63の3段目、4段目参照)。また、時刻t22において、遊技機100にはエラーが発生しておらず、メインCPU300aは、タイマ割込み処理(図23参照)におけるエラー管理処理(ステップS400-21)においてエラーを検知していない(図63の5段目参照)。このため、時刻t22では演出装置を用いたエラーの報知(エラー報知演出)も行われていない。また、時刻t22では、タイマ割込み処理における特別図柄変動待ち処理(図33参照)が実行されておらず、客待ちコマンドも送信されていない。このため、サブCPU330aは、演出装置の動作モードを節電モードに設定していない(図63の6段目参照)。
このように、時刻t22において、4つの調節規制条件が何れも成立していない。これより、時刻t22における調節状態制御処理(図60参照)においてサブCPU330aは、遊技状態が設定変更状態でないと判定し(ステップS1700-1のNO)、エラー発生中でないと判定し(ステップS1700-3のNO)、大当たり演出に係る制御が開始されていないと判定し(ステップS1700-5のNO)、節電モード中でないと判定して(ステップS1700-7のNO)、第二入力許可フラグをオン状態に設定する。こうして、図63の7段目に示すように、時刻t22において調節ボタン209の調節状態が調節可能状態に設定される。
また、時刻t22における調節ボタン検出制御処理(図61参照)においてサブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が入力可能状態であると判定し(ステップS1800-1のYES)、調節ボタン209が調節操作(押下操作)されたか否かを判定する操作検出処理を実行する(ステップS1800-7)。これにより、時刻t22において調節状態が調節可能状態となったことに基づいて、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)は、通常調節許可パターンによる通常調節モードとなる(図63の8段目参照)。つまり、サブCPU330aは、少なくとも遊技可能状態である(設定変更処理中でない)期間において、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作(音量調節操作、輝度調節操作)に対応する調節動作(音量調節動作、輝度調節動作)を許容する通常調節モードで音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作制御を行う。
なお、本例において時刻t22では、音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bはいずれも押下操作(調節操作)されていない。したがって、サブCPU330aは、調節ボタン検出制御処理において、調節ボタン209が調節操作されていないと判定し(ステップS1800-7のNO)、調節ボタン検出制御処理を終了する。
このように、本実施形態による遊技機100において調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態は、時刻t20における設定変更処理の実行に基づいて特殊調節規制状態となり、時刻t21における設定変更処理の終了後の所定タイミング(本例では、遊技機状態移行期間の終了タイミング)である時刻t22において、特殊調節規制状態から調節可能状態に移行する。
また、遊技機100において音声出力装置206の音量調節モードは、時刻t20における設定変更処理の実行に基づいて、特殊調節モードとなり、時刻t21における設定変更処理の終了後における遊技機状態移行期間の終了タイミングである時刻t22(設定変更処理の終了以降の所定タイミングの一例)において、特殊調節モードから、通常調節許可パターンでの通常調節モードに移行する。
同様に、遊技機100において演出表示装置200の輝度調節モードは、時刻t20における設定変更処理の実行に基づいて、特殊調節モードとなり、時刻t21における設定変更処理の終了後における遊技機状態移行期間の終了タイミングである時刻t22(設定変更処理の終了以降の所定タイミングの一例)において、特殊調節モードから、通常調節許可パターンでの通常調節モードに移行する。つまり、音声出力装置206および演出表示装置200の調節モードは、調節ボタン209の調節状態の移行に従って移行する。
また、上述のように、遊技機状態移行期間は、メインCPU300aが設定キーの復帰操作を検出し、設定変更状態を終了する際に設定関連終了指定コマンドが送信されることで生じる。つまり、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態は、設定変更キーの復帰操作が行われない限り(メインCPU300aが設定キーの復帰操作を検出しない限り)は、特殊調節規制状態に維持される。また、同様に、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)は、設定変更キーの復帰操作が行われない限り(メインCPU300aが設定キーの復帰操作を検出しない限り)は、特殊調節モードに維持される。
また、時刻t22から時刻t23までの期間の所定タイミングにおいて、サブCPU330aは、主制御基板300から客待ちコマンドを受信している。これにより、サブCPU330aは、客待ちコマンド受信処理(図45参照)において客待ちタイマをリセットし(ステップS1210-1)、客待ち中フラグをオン状態にセットする(ステップS1210-3)。さらに、客待ち中処理(図50参照)においてサブCPU330aは、現在が客待ち中であると判定して客待ちタイマのタイマ値を1加算し(ステップS1300-1のYESからステップS1300-5の流れ)、客待ち満了時間が経過しておらず節電モードの開始タイミングでないと判定し(ステップS1300-7のNO)、画像生じ処理を実行してデモ演出を開始する(ステップS1300-13)。これにより、例えば演出表示部200aにおいて、所定のデモ画像が表示されるデモ演出が開始される。
なお、時刻t22から所定時間後のデモ演出開始時において、遊技機状態は遊技可能状態に維持されており設定変更状態ではなく(ステップS1700-1のNO)、エラーも発生しておらず(ステップS1700-3のNO)、大当たり演出も実行されておらず(ステップS1700-5のNO)、節電モード中でもない(ステップS1700-7のNO)。つまり、4つの調節規制条件の全てが不成立であり、第二入力許可フラグはオン状態に設定される(ステップS1700-11)。したがって、デモ演出開始時において調節ボタン209の調節状態は調節可能状態に維持され、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは通常調節許可パターンでの通常調節モードに維持されている。
時刻t22後のデモ演出開始時から所定時間が経過した時刻t23において、デモ演出開始時から所定時間が経過したことで、客待ち満了時間に到達している。このため、図63の6段目に示すように、遊技機100において、図55に示す時刻t3と同様に動作モードとして節電モードが設定される。つまり時刻t23において、図55に示す時刻t3と同様に、演出装置は節電モード中の状態(図57参照)となり、動作モードは通常許可パターンでの通常モードと、節電モードとが並行した状態となる。
また、動作モードとして節電モードが設定されたことで、調節規制条件の第四条件(節電モード中であること)が成立する。また、時刻t23において、時刻t22と同様に遊技機100にはエラーが発生しておらず演出装置によるエラー報知も行われない。さらに、時刻t23では大当たり演出も実行されていない。このため、サブCPU330aは、時刻t23での調節状態制御処理(図60)において、節電モード中であると判定し(ステップS1800-1のNO→ステップS1800-3のNO→ステップS1800-5のNO→ステップS1800-7のYES)、第二入力許可フラグをオフ状態に設定する(ステップS1800-9)。このように、遊技機状態が遊技可能状態であり、かつエラーの報知が行われておらず、さらに大当たり演出も実行されていない場合に節電モードが開始されることにしたがって、第二入力許可フラグがオフ状態となる。このため、時刻t23において調節ボタン209の調節状態が通常調節規制状態に設定される(図63の7段目参照)。
また、時刻t23における調節ボタン検出制御処理(図61)において、サブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が通常調節規制状態であると判定し(ステップS1800-1のNO→ステップS1800-3のNO)、さらに時刻t23において大当たり演出が実行されておらず特定期間が発生していないため、限定調節許可状態でないと判定し(ステップS1800-5のNO)、音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの操作検出処理(ステップ1800-7)を実行せずに当該調節ボタン検出制御処理を終了する。これにより、調節ボタン209の調節状態が通常調節規制状態に設定されたことに伴い、音声出力装置206の音量調節モードおよび演出表示装置200の輝度調節モードが通常調節モードにおける通常調節許可パターンから、通常調節規制パターンに移行する(図63の8段目参照)。
本例において、節電モードが開始されること(第四条件が成立すること)は、通常調節規制パターンの通常調節モードへの移行契機の一例である。このように、本実施形態において、音声出力装置206の音声調節モードは、通常調節モード中において所定の移行契機が発生することにより、音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づく音声出力装置206の音量調節動作を規制可能な通常調節規制パターンに移行する場合がある。また同様に、本実施形態において、演出表示装置200の輝度調節モードは、通常調節モード中において所定の移行契機が発生することにより、光量調節ボタン209bの輝度調節操作に基づく演出表示装置200の輝度調節動作を規制可能な通常調節規制パターンに移行する場合がある。
図63に示すように、時刻t23から所定時間経過後の時刻t24において、遊技店に来店した遊技者が節電モード中の遊技機100において、演出ボタン208aを押下したとする。これにより、図55に示す時刻t4と同様に、演出装置の動作モードにおける節電モードが終了する(図63の6段目参照)。このため、時刻t24では上述の調節規制条件のうち、4つ全てが不成立となっている。
したがって、時刻t24において、時刻t22と同様に、調節ボタン209の調節状態が調節可能状態に設定され(図63の7段目参照)、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)は通常調節許可パターンによる通常調節モードに移行する(図63の8段目参照)。
時刻t24以降において、遊技者は、遊技機100において遊技球を発射させる遊技を開始し、時刻t25において、例えば第1始動口120に遊技球が入球したとする。これにより、図55に示す時刻t5と同様に、大役抽選結果(本例では、大当たり)を報知する変動演出が開始される(図63の3段目参照)。変動演出の実行有無は、調節ボタン209の調節状態に係る調節規制条件には関連していない。したがって、時刻t25においても時刻t24と同様に、調節状態は調節可能状態に維持され(図63の7段目参照)、これに対応して、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードも通常調節許可パターンによる通常モードに維持される(図63の8段目参照)。
また上述のように、変動演出の実行中においては、調節ボタン209の調節状態は調節許可状態であり、音声出力装置206は通常調節許可パターンでの通常調節モードで制御されている。例えば、変動演出の開始時の時刻t25から所定時間経過後であって、変動演出実行中の所定タイミングで、遊技者が音量調節ボタン209aの上領域を押下する音量調節操作を行ったとする。
この場合、調節ボタン検出制御処理(図61参照)において、サブCPU330aは調節ボタン209の調節状態が調節可能状態であると判定し(ステップS1800-1のYES)、音量調節ボタン209aが押下操作されたと判定し(ステップS1800-7)、デモ演出中でないと判定し(ステップS1800-9のNO)、調節時動作制御処理を実行する(ステップS1810)。さらに調節時動作制御処理(図62参照)において、サブCPU330aは、音量調節ボタン209aの上領域が押下操作されたと判定し(ステップS1810-1のYES)、音量調節処理を実行する(ステップS1810-3)。本例の音量調節処理では、音量制御値が音量調節操作時の値よりも1段階大きい値に調節される(例えば音量制御値「4」→「5」)。このように、遊技者は音声出力装置206が通常調節許可パターンでの通常調節モードで制御されている場合(例えば変動演出中)に、音声出力装置206から出力される音声(例えば、変動演出中におけるBGMや演出用音声等)の音量を所望の音量に変更することができる。
また、例えば、変動演出の開始時の時刻t25から所定時間経過後であって、変動演出実行中の所定タイミングで、遊技者が光量調節ボタン209bの下領域を押下する音量調節操作を行ったとする。この場合、調節ボタン検出制御処理において、サブCPU330aは光量調節ボタン209bが押下操作されたと判定し(ステップS1800-1のYES→ステップS1800-7の流れ)、調節時動作制御処理を実行する(ステップS1800-9のNO→ステップS1810の流れ)。さらに調節時動作制御処理において、サブCPU330aは、光量調節ボタン209bの下領域が押下操作されたと判定し(ステップS1810-1のNO)、輝度調節処理を実行する(ステップS1810-5)。本例の輝度調節処理では、輝度制御値が輝度調節操作時の値よりも1段階小さい値に調節される(例えば音量制御値「6」→「5」)。このように、遊技者は演出表示装置200が通常調節許可パターンでの通常調節モードで制御されている場合(例えば変動演出中)に、演出表示装置200の演出表示部200aの発光する輝度を所望の輝度に変更することができる。
時刻t25から所定時間経過後の時刻t26において大役抽選結果が大当たりであることを報知して変動演出が終了すると、続いて大役遊技に伴う大当たり演出が開始される(図63の3段目および4段目参照)。また、時刻t26において遊技機100には、エラーは発生しておらず(図63の5段目参照)、節電モード中でもない(図63の6段目)。つまり、時刻t26において上述の調節規制条件のうち、第三調節規制条件が成立している。これにより、時刻t26において調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態は通常調節規制状態に移行し(図63の7段目参照)、これに伴って音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは通常調節規制パターンによる通常モードに移行する(図63の8段目参照)。
具体的には、時刻t26においてメインCPU300aは、特別図柄の変動時間が終了したことに基づいてステップS620-19で特図停止指定コマンドを送信バッファにセットし(図35参照)し、特別図柄が停止表示されたことを副制御基板330に伝達する。また、続いてメインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであることに基づいて、ステップS630-23(図36参照)において大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
サブCPU330aは、特図停止指定コマンドを受信すると変動演出開始フラグをオフ状態に設定する。これにより、変動演出に係る制御が終了する。またサブCPU330aは、オープニング指定コマンドを受信すると、大当たり時オープニング指定コマンド受信処理(図48参照)を実行する。このとき、サブCPU330aは、変動演出の開始時に送信された図柄種別指定コマンドに含まれる大当たり図柄の種別(本例では、「特別図柄B」)に応じた大当たり演出態様を決定し(ステップS1230-1)、決定した大当たり演出態様に対応するタイムテーブルのタイムデータをセットし(ステップS1230-3)、大当たり開始フラグをオン状態に設定する(ステップS1230-5)。これにより、時刻t26において、変動演出に係る制御が終了するとともに、大当たり演出に係る制御が開始される。
また、時刻t26での調節状態制御処理(図60参照)において、サブCPU330aは、大当たり演出中であると判定して(ステップS1700-1のNO→ステップS1700-3のNO→ステップS1700-5のYESの流れ)、第二入力許可フラグをオフ状態に設定する(ステップS1700-9)。これにより、時刻t26において、調節ボタン209の調節状態が通常調節規制状態に移行する(図63の7段目参照)。このように、本例において、大当たりが開始されること(第三条件が成立すること)は、通常規制パターンの通常モードへの移行契機の一例である。つまり、遊技機100において調節モードは特定の演出(本例では大当たり演出)の実行中において通常調節規制パターンでの通常調節モードとなり、音声出力装置206および演出表示装置200の調節動作が制限されることとなる。なお、本発明において、例えば通常調節規制パターンでの通常調節モードでは、特定の演出(例えば大当たり演出)の実行中において音声出力装置206の音量調節動作のみ許容し、演出表示装置200の輝度調節動作を規制してもよい。また、逆に特定の演出の実行中において、演出表示装置200の輝度調節動作のみ許容し、音声出力装置206の音量調節動作を規制してもよい。
ここで、例えば時刻t26から所定時間経過後の大当たり演出中において、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作による、音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作が限定的に許可される期間である特定期間が開始されたとする。具体的には、このとき、タイムスケジュール管理処理(図51参照)のステップS1400-3において、特定期間開始フラグがオン状態に設定される。
この場合、サブCPU330aは、調節ボタン検出制御処理(図61)において、調節ボタン209の調節状態が通常調節規制状態であると判定し(ステップS1800-1のNO→ステップS1800-3のNO)、さらに時刻t26に開始された大当たり演出中において特定期間が開始されており調節状態が限定調節許可状態であると判定し(ステップS1800-5のYES)、音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの操作検出処理(ステップ1800-7)を実行する。このように、本実施形態においてサブCPU330aは、例えば大当たり演出中に特定期間が開始された場合に調節ボタン209の調節状態が限定調節許可状態であると判定し、調節ボタン209の調節操作を特定期間内に限定して受付可能とする。なお、特定期間の開始に伴う限定調節許可状態は、特定期間が終了し、タイムスケジュール管理処理(図51参照)のステップS1400-3において、特定期間開始フラグがオフ状態に設定されることで終了し、調節状態は通常調節規制状態に復帰する。
図63の4段目に示すように、時刻t26から開始された大当たり演出は時刻t27において終了する。具体的には、主制御基板300から大役遊技の終了後に設定される遊技状態を示す大役後遊技状態変化指定コマンドが送信され(ステップS670-5)、サブCPU330aは、大当たり開始フラグをオフ状態に設定する。また時刻t27において、遊技機100にはエラーが発生しておらず(図63の5段目参照)、節電モードも開始されていないとする(図63の6段目参照)。これにより、時刻t27において時刻t22、時刻t24と同様に、調節ボタン209の調節状態の決定に係る4つの調節規制条件が全て不成立となる(図63の2段目、4~6段目)。これにより、時刻t27において、調節ボタン209の調節状態は通常調節規制状態から調節可能状態に移行(復帰)する(図63の7段目参照)。また、時刻t27において調節状態が調節可能状態となったことに伴い、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは通常調節規制パターンの通常モードから通常調節許可パターンの通常モードに移行(復帰)する(図63の8段目参照)。
このように、通常調節モードにおける通常調節規制パターンは、調節状態が通常調節規制状態から調節可能状態に移行すること、すなわち調節規制条件のうち第一調節条件から第四調節条件の全てが不成立となることに基づいて終了する。ここで、第一調節条件が成立していない通常調節規制状態において、第二調節条件が不成立の場合(エラーが発生していない場合)に、第三調節条件または第四調節条件が成立状態から不成立状態になること、すなわち大当たり演出が終了すること、または節電モードが解除されることは、通常調節規制パターン終了条件(特定調節状態終了条件の一例)に相当する。つまり、通常調節モードにおける通常調節規制パターンは、上述の移行契機(例えば、大当たり演出の開始、節電モードの開始)と異なる終了契機(大当たり演出の終了、節電モードの解除)によって終了する。また、大当たり演出の開始に伴って開始された通常調節規制パターンの通常モードは、大当たり演出の実行時間の経過によって終了する。
したがって、通常調節規制パターン終了条件には、所定時間(本例では、大当たり演出の実行時間)の経過も含まれる。サブCPU330aは、通常調節規制パターンの終了を、調節規制条件の種類に応じて、終了契機の到来によって判定してもよいし、所定時間の経過によって判定してもよいし、終了契機の到来と所定時間の経過との両方を組み合わせて判定してもよい。
つまり、通常調節規制パターンは、遊技機100においてエラーが発生しておらず演出装置においてエラーの報知が実行されていない場合(ステップS1700-3のNO)に、通常調節規制パターン終了条件が成立したことに基づいて終了する。また、通常調節規制パターン終了後の、通常調節許可パターンでの通常調節モードでは、調節ボタン検出制御処理(図61参照)において音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの操作検出処理(ステップS1800-7)が実行されることにより、音声出力装置206、演出表示装置200において調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作(押下操作)に基づく調節動作が許容されることとなる。
図63の5段目に示すように、時刻t27から所定時間経過後の時刻t28において、図55に示す時刻t7と同様に遊技機100にエラー(例えば下皿満タンエラー)が発生したとする。これに伴って、調節ボタン209の調節状態が調節可能状態から通常調節規制状態に移行し(図63の7段目参照)、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは通常調節許可パターンの通常調節モードから通常調節規制パターンでの通常調節モードに移行する(図63の8段目参照)。つまり、エラーが発生していること(第二調節規制条件が成立していること)は、通常調節規制パターンの通常モードへの移行契機の一例である。
時刻t28において、図55に示す時刻t7と同様にエラー発生コマンドを受信しエラー報知演出に係る制御が開始されたことで、調節規制条件の第二条件(エラー発生中であること)が成立する。したがって、時刻t28での調節状態制御処理(図60参照)においてサブCPU330aは、エラー発生中でありエラーの報知が実行されている(ステップS1700-3のYES)と判定し、第二入力許可フラグをオフ状態に設定する(ステップS1700-9)。このように、遊技機状態が遊技可能状態であり、かつエラーの報知が行われていることにしたがって、第二入力許可フラグがオフ状態となる。このため、時刻t28において調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態が、時刻t23、時刻t26と同様に通常調節規制状態に設定される(図63の7段目参照)。
また、時刻t28における調節ボタン検出制御処理(図61)において、サブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が通常調節規制状態に設定されたことに伴い、時刻t23および時刻t26と同様に、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)が通常調節モードにおける通常調節許可パターンから、通常調節規制パターンに移行する(図63の8段目参照)。
また、図63の5段目に示すように、時刻t28から所定時間後の時刻t29において、時刻t28において発生したエラー(本例では、下皿満タンエラー)が解除される。エラーが解除されたことに基づいて、サブCPU330aは、図55に示す時刻t8と同様に時刻t28において開始されたエラーの報知(エラー報知演出)を終了する。
このように、時刻t29においてエラー報知演出に係る制御が終了されたことで、調節規制条件の第二調節規制条件(エラー発生中であること)が不成立となる図63の5段目参照)。また、時刻t29では、遊技機状態は遊技可能状態に維持され、かつ大当たり演出に係る制御は開始されておらず、節電モード中でもない(図63の2、4、6段目参照)。これにより、時刻t22、時刻t24および時刻t27と同様に、時刻t29において調節ボタン209の調節状態の決定に係る4つの調節規制条件が全て不成立となる(図63の2段目および4~6段目)。したがって、時刻t29において、調節ボタン209の調節状態は通常調節規制状態から調節可能状態に移行(復帰)する(図63の7段目参照)。
また、時刻t29において調節状態が調節可能状態となったことに伴い、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは通常調節規制パターンの通常調節モードから通常調節許可パターンの通常調節モードに移行(復帰)する(図63の8段目参照)。これにより、音声出力装置206において音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づく音量調節動作が許容され、演出表示装置200において光量調節ボタン209bの輝度調節操作に基づく輝度調節動作が許容されることとなる。
このように、時刻t22、時刻t24および時刻t27と同様に、通常調節モードにおける通常調節規制パターンは、時刻t29において調節状態が通常調節規制状態から調節可能状態に移行すること、すなわち調節規制条件のうち第一調節規制条件から第四調節規制条件の全てが不成立となることに基づいて終了する。ここで、第二調節規制条件が成立状態から不成立状態(エラーが解除される)こと、かつ第三調節規制条件、第四調節規制条件が不成立(大当たり演出中でない、かつ節電モード中でない)ことは、通常調節規制パターン終了条件の一例に相当する。つまり、通常調節モードにおける通常調節規制パターンは、上述の移行契機(本例では、エラーの発生)と異なる終了契機(本例ではエラーの解除)によって終了する。
なお、本発明において、通常調節規制パターン終了条件には、遊技球が遊技領域116(図2参照)上の所定領域を通過することが含まれてもよい。これにより、遊技機100は、調節ボタン209の調節状態の決定に係る調節規制条件と関連なく、通常調節規制パターンの通常調節モードを終了することができる。所定領域は、例えばゲート124であってもよい。また、遊技機100において上述の特定領域(不図示)が設けられている場合、当該特定領域が通常調節規制パターン終了条件に係る所定領域であってもよい。また、遊技機100においてゲート124が特定領域を兼ねていてもよい。
図63の7段目に示すように、例えば時刻t20から時刻t29の期間において調節ボタン209の調節状態は、設定変更処理の実行に基づいて特殊調節規制状態となり、設定変更処理の終了以降の所定タイミング(本例では、時刻t22での遊技状態移行期間の終了タイミング)において特殊調節規制状態から特殊調節規制状態以外の通常状態(調節可能状態または通常調節規制状態)に移行し、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、すなわち遊技機状態が遊技可能状態に維持される限りは、通常状態から特殊調節規制状態に移行しない。
また、調節状態に基づいて制御される音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは、設定変更処理の実行に基づいて特殊調節モードとなり、設定変更処理の終了以降の所定タイミング(本例では、時刻t22での遊技状態移行期間の終了タイミング)において特殊調節モードから通常調節モードに移行し、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、すなわち遊技機状態が遊技可能状態に維持される限りは、通常調節モードから特殊調節モードに移行しない。
つまり、本実施形態による遊技機100において、調節ボタン209を構成する音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの調節状態は、遊技機状態が遊技可能状態に維持される限り、4つの調節規制条件の成立状態に基づいて、調節可能状態または通常調節規制状態に繰り返し移行する。また、遊技機状態が遊技可能状態に維持される限り、音声出力装置206の音量調節モードおよび演出表示装置200の輝度調節モードは、調節ボタン209の調節状態に応じて、通常調節モードにおける通常調節許可パターンまたは通常調節規制パターンに繰り返し移行する。
以上、説明したように、本実施形態による遊技機100において、音声出力装置206は、遊技の進行または音量調節ボタン(音量調節装置の一例)209aの音量調節操作に対応する音量制御値に基づいて音量を調節する音量調節動作を実行可能である。また、音声出力装置206は、設定変更処理が実行可能な設定変更状態において、音量調節操作に基づく音量調節動作が規制される特殊調節モードで制御され、設定変更処理が実行可能でない状態(設定確認状態または遊技可能状態)において、音量調節操作に基づく動作を許容可能な通常調節モードに基づいて制御される。また、音量調節モードは、設定変更処理の実行に基づいて特殊調節モードとなる。また音量調節モードは、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、特殊調節モードから移行して通常調節モード(通常調節許可パターンまたは通常調節規制パターン)となる。また音量調節モードは、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限りは、通常調節モードから特殊調節モードに移行しない。
また、同様に、本実施形態による遊技機100において、演出表示装置200は、遊技の進行または光量調節ボタン(輝度調節装置の一例)209bの輝度調節操作に対応する輝度制御値に基づいて輝度を調節する輝度調節動作を実行可能である。また、演出表示装置200は、設定変更処理が実行可能な設定変更状態において、輝度調節操作に基づく輝度調節動作が規制される特殊調節モードで制御され、設定変更処理が実行可能でない状態(設定確認状態または遊技可能状態)において、輝度調節操作に基づく動作を許容可能な通常調節モードに基づいて制御される。また、輝度調節モードは、設定変更処理の実行に基づいて特殊調節モードとなる。また輝度調節モードは、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、特殊調節モードから移行して通常調節モード(通常調節許可パターンまたは通常調節規制パターン)となる。また輝度調節モードは、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限りは、通常調節モードから特殊調節モードに移行しない。
つまり、遊技機100は、設定変更処理の実行中(設定値の変更操作時)に音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードが特殊調節モードとなることにより、不要な入力操作(本例では、音量制御値、輝度制御値の入力操作である調節操作)を防止して入力誤り等が発生するおそれを低減することができる。したがって、遊技機100は、設定値の変更操作が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図ることができる。
また、図63では電源投入時において遊技状態が設定変更状態であり、遊技機状態移行期間を経て遊技可能状態に遷移した場合における、調節ボタン209の調節状態および音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードの遷移の一例について説明した。これに対し、電源投入時において遊技機状態が設定確認状態である場合、遊技機状態移行期間を経て遊技可能状態に遷移するまでの調節状態および調節モードの遷移の態様が図63に示す例と異なる。
具体的には、図64に示すように、時刻t20の電源投入時において遊技機状態が設定確認状態である場合、時刻t21において主制御基板300において設定確認処理の終了に基づいて遊技機状態が遊技可能状態に遷移し、時刻t22において遊技機状態移行期間が終了して、副制御基板330に遊技機状態が遊技可能状態に遷移したことが伝達されるとする。本例では、時刻t20から時刻t22の期間において、遊技機状態は設定確認状態であり、エラーの発生は検知されておらず、大当たり演出は実行されず(不実行)、節電モード中でもない(図64の2段目、および4~6段目参照)。つまり、4つの調節規制条件はすべて不成立となっている。
したがって、本例では図64の7段目に示すように、時刻t20から時刻t22の期間においても、調節ボタン209の調節状態は調節可能状態に設定され、これに伴って、図64の8段目に示すように音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは通常調節許可パターンでの通常調節モードとなっている。つまり、サブCPU330aは、設定確認状態(設定確認処理の実行中)である期間において、調節ボタン209の調節操作に対応する調節動作を規制する特殊調節モードではなく、通常調節モード(本例では通常調節許可パターン)で音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作制御を行う。なお、本例においても図58に示す時刻t0から時刻t2と同様に、電源投入直後から設定確認状態の終了が副制御基板330に伝達されるまでの期間(時刻t20から時刻t22までの期間)において、設定確認状態報知演出(図59参照)が実行される。
図64に示すように調節ボタン209の調節状態は、設定確認処理の実行、つまり設定変更処理が実行されていないことに基づいて調節可能状態となり、設定確認処理の終了以降の所定タイミング(本例では、時刻t22での遊技状態移行期間の終了タイミング)においても特殊調節規制状態以外の通常調節状態(調節可能状態または通常調節規制状態)に維持され、設定確認処理の終了以降に電源断および電源投入に伴う設定変更処理が実行されない限り、すなわち遊技機状態が遊技可能状態に維持される限りは、通常調節状態から特殊調節規制状態に移行しない。
また、音声出力装置206および演出表示装置200の調節モードは、設定確認処理の実行(設定変更処理が実行されていないこと)に基づいて通常調節許可パターンでの通常調節モードとなり、設定確認処理の終了以降も通常調節モード(通常調節常許可パターンまたは通常調節規制パターン)に維持され、設定確認処理の終了以降に電源断および電源投入に伴う設定変更処理が実行されない限り、通常調節モードから特殊調節モードに移行しない。つまり、遊技機100は、設定変更処理(設定値の変更操作)が実行されない場合に音声出力装置206および演出表示装置200の動作モードが特殊調節モードにならないことにより、調節ボタン209(本例では音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節操作(押下操作)を受け付けて、当該調節操作に基づく音声出力装置206、演出表示装置200の調節動作を実行することができる。
これにより、遊技機100は、遊技者に対して所望する遊技環境(本例では、音声出力装置206から出力される音声の音量、演出表示装置200の演出表示部200aの輝度)を提供することができ、ひいては遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100において、音声出力装置206は、遊技の進行または音量調節ボタン209aの音量調節操作に対応する音量制御値に基づいて音量を調節する音量調節動作を実行可能であり、設定変更処理が実行されている状態において音量調節操作に基づく音量調節動作を規制する特殊調節モードと、設定変更処理が実行されていない状態において音量調節操作に基づく音量調節動作を許容可能な通常調節モードとを含む音量調節モードに基づいて制御される。また、設定変更処理の実行に基づいて、音量調節モードは特殊調節モードとなり、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、音量調節モードは通常調節モードとなり、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、音量調節モードは通常調節モードから特殊調節モードに移行しない。これにより、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図ることができる。また、遊技機100は、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて音量調節モードが特殊調節モードから通常調節モードに移行することで、設定値の入力精度の向上と、音量調節ボタン209aの音量調節操作による遊技環境(例えば、遊技中に音声出力装置206のスピーカから出力される音声の音量の状態)の向上とを両立することができる。
さらに、本実施形態による遊技機100において、演出表示装置200は、遊技の進行または光量調節ボタン209bの輝度調節操作に対応する輝度制御値に基づいて輝度を調節する輝度調節動作を実行可能であり、設定変更処理が実行されている状態において輝度調節操作に基づく輝度調節動作を規制する特殊調節モードと、設定変更処理が実行されていない状態において輝度調節操作に基づく輝度調節動作を許容可能な通常調節モードとを含む輝度調節モードに基づいて制御される。また、設定変更処理の実行に基づいて、輝度調節モードは特殊調節モードとなり、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて、輝度調節モードは通常調節モードとなり、設定変更処理の終了以降に再び設定変更処理が実行されない限り、輝度調節モードは通常調節モードから前記特殊調節モードに移行しない。これにより、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図ることができる。また、遊技機100は、設定変更処理の終了以降の所定タイミングにおいて輝度調節モードが特殊調節モードから通常調節モードに移行することで、設定値の入力精度の向上と、光量調節ボタン209bの輝度調節操作による遊技環境(例えば、遊技中における演出表示部200aの輝度の状態)の向上とを両立することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態(以降「本実施形態」という)について説明する。
第2実施形態に係る遊技機の基本構成は、上記第1実施形態に係る遊技機100と同一である。したがって、本実施形態では、第2実施形態に係る遊技機100の構成のうち、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
(第2実施形態における入力状態制御処理および演出ボタン制御処理の一例)
本実施形態による遊技機100では、サブタイマ割込み処理(図44参照)の入力状態制御処理(ステップS1500)および演出ボタン検出制御処理(ステップS1600)の流れが第1実施形態による遊技機100と異なっている。
具体的には、本実施形態による遊技機100において、サブCPU330aは、入力状態制御処理(図52参照)において遊技機状態が設定変更状態でないと判定すると(ステップS1500-1のNO)、第一許可フラグをオン状態に設定する(ステップS1500-9)。つまり、入力状態制御処理において、エラー発生中か否かの判定(ステップS1500-3)および変動演出中か否かの判定(ステップS1500-5)を行わない。
これにより、本実施形態において、サブCPU330aは、第1実施形態における3つの入力規制条件のうち第一条件のみが成立している場合、すなわち設定変更状態である場合のみ演出操作装置208の入力状態を入力規制状態(特殊入力規制状態)とし、設定変更状態でない場合は、常に当該入力状態を入力可能状態とする。これにより、本実施形態による遊技機100は、上記第1実施形態のように入力状態が通常入力規制状態となることはなく、これに伴って、限定許可状態となることもない。このため、遊技機100における演出操作装置208の入力状態は、特殊入力規制状態または入力可能状態のいずれかとなる。したがって、遊技機100は、設定変更状態の場合以外は常に、演出操作装置208における入力操作の受付が可能になる。
また、本実施形態による遊技機100においてサブCPU330aは、入力状態に通常入力規制状態が含まれないことから、演出ボタン検出制御処理(図53参照)の実行時に、演出操作装置208が通常入力規制状態か否かを判定する処理を行わない。具体的には、サブCPU330aは、演出操作装置208の入力状態が入力可能状態ではないと判定すると(ステップS1600-1のNO)、入力状態は特殊入力規制状態であると判定して演出ボタン検出制御処理を終了し、設定変更状態フラグを参照して特殊入力規制状態か否かを判定する処理(ステップS1600-3)および限定許可状態か否かを判定する処理(ステップS1600-5)を実行しない。
つまり本実施形態において、演出装置の動作モードは、通常許可パターンの通常モードまたは特殊モードのいずれかとなり、通常規制パターンでの通常モードになることはない。したがって、サブCPU330aは、通常許可パターンの通常モードまたは特殊モードのいずれかで演出装置を制御する。このように、本実施形態による遊技機100において演出装置は、動作モードが通常モードの場合に、演出操作装置208の入力操作に基づく動作が規制されることはない。これにより、遊技機100は、遊技機状態が設定変更状態であることに基づく特殊モードで演出装置が制御されている期間以外は、常に、演出装置において入力操作に基づく動作を実行させることができる。このため、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図りつつ、サービス性やゲーム性をより向上させることができる。
(第2実施形態における調節状態制御処理および調節ボタン制御処理の一例)
また、本実施形態による遊技機100では、サブタイマ割込み処理(図44参照)の調節状態制御処理(ステップS1700)および調節ボタン検出制御処理(ステップS1800)の流れが第1実施形態による遊技機100と異なっている。
具体的には、本実施形態による遊技機100において、サブCPU330aは、調節状態制御処理(図60参照)において遊技機状態が設定変更状態でないと判定すると(ステップS1700-1のNO)、第二入力許可フラグをオン状態に設定する(ステップS1700-11)。つまり、入力状態制御処理において、エラー発生中か否かの判定(ステップS1700-3)、大当たり演出中か否かの判定(ステップS1800-5)および節電モード中か否かの判定(ステップS1800-7)を行わない。
これにより、本実施形態において、サブCPU330aは、第1実施形態における4つの調節規制条件のうち第一調節規制条件のみが成立している場合、すなわち設定変更状態である場合のみ調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態を調節規制状態(特殊調節規制状態)とし、設定変更状態でない場合は、常に当該調節状態を調節可能状態とする。これにより、本実施形態による遊技機100は、上記第1実施形態のように調節状態が通常調節規制状態となることはなく、これに伴って、限定調節許可状態となることもない。このため、遊技機100における調節ボタン209の調節状態は、特殊調節規制状態または調節可能状態のいずれかとなる。したがって、遊技機100は、設定変更状態の場合以外は常に、調節ボタン209における調節操作の受付が可能になる。
また、本実施形態による遊技機100においてサブCPU330aは、調節状態に通常調節規制状態が含まれないことから、調節ボタン検出制御処理(図61参照)の実行時に、調節ボタン209が通常調節規制状態か否かを判定する処理を行わない。具体的には、サブCPU330aは、調節ボタン209の調節状態が調節可能状態ではないと判定すると(ステップS1800-1のNO)、調節状態は特殊調節規制状態であると判定して演出ボタン検出制御処理を終了し、設定変更状態フラグを参照して特殊調節規制状態か否かを判定する処理(ステップS1800-3)および限定調節許可状態か否かを判定する処理(ステップS1800-5)を実行しない。
つまり本実施形態において、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードは、通常許可パターンの通常モードまたは特殊モードのいずれかとなり、通常規制パターンでの通常モードになることはない。したがって、サブCPU330aは、通常許可パターンの通常モードまたは特殊モードのいずれかで音声出力装置206、演出表示装置200の調整動作を制御する。
このように、本実施形態による遊技機100において音声出力装置206は、音量調節モードが通常調節モードの場合に、音量調節ボタン209aの音量調節操作に基づく動作が規制されることはない。これにより、遊技機100は、遊技機状態が設定変更状態であることに基づく特殊モードで音声出力装置206の音量調節動作が制御されている期間以外は、常に、音声出力装置206において音量調節操作に基づく音量調節動作を実行することができる。
また、演出表示装置200は、輝度調節モードが通常調節モードの場合に、光量調節ボタン209bの輝度調節操作に基づく動作が規制されることはない。これにより、遊技機100は、遊技機状態が設定変更状態であることに基づく特殊モードで演出表示部200aの輝度調節動作が制御されている期間以外は、常に、演出表示装置200において輝度調節操作に基づく輝度調節動作を実行することができる。
このため、遊技機100は、設定値の変更処理が可能な状態において、設定値の入力精度の向上を図りつつ、遊技者が所望する遊技環境を適切に提供することができる。
(第1実施形態および第2実施形態の変形例)
本発明は、上記実施形態(第1実施形態および第2実施形態)に限らず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、遊技機状態移行期間(図55参照)は、主制御基板300における遊技機状態の移行を、副制御基板330が認識するまでの間隔であるとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、設定変更状態の終了に伴う遊技機状態移行期間は、主制御基板300が送信バッファにセットしたサブコマンドが副制御基板330に受信されるまでの期間よりも長い期間であってもよい。具体的には、遊技機状態が設定変更状態から遊技可能状態に移行する際の遊技機状態移行期間は、演出操作装置208の入力操作に基づいて演出装置(演出表示装置200、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206)が所定動作を実行可能な長さの期間であってもよい。
ここで、遊技機状態移行期間における演出装置の所定動作とは、例えば管理者メニュー画面の表示であってもよい。設定変更状態の終了に伴う遊技機状態移行期間は例えば、20秒間程度であって、当該期間内に演出ボタン208aが押下操作(本例では、長押し操作)されたことに基づいて、演出表示部200aに管理者メニュー画面が表示されてもよい。またこの場合、サブCPU330aは、設定関連終了指定コマンドを受信すると、特殊入力規制状態と合わせて設定確認状態報知演出(図59参照)と同様のメニュー表示メッセージ画像を演出表示部200aに表示してもよい。
また、上記実施形態において、演出ボタン208aの押下によって管理者メニュー画面および実機カスタム画面を表示可能としたが、本発明はこれに限られず、例えば演出ボタン208a以外の演出操作装置208の構成(演出レバー208b、十字ボタン218)の入力操作によって管理者メニュー画面および実機カスタム画面を表示可能としてもよい。
また遊技機100において、遊技店の従業員が利用可能なメニュー画面は管理者メニュー画面に限られない。例えば、遊技機100は演出表示装置200の演出表示部200aにおいて、メニュー画面としてスタッフメニュー画面を表示可能に構成されていてもよい。スタッフメニュー画面は、遊技店の従業員が利用可能なメニュー画面であり遊技機の時刻設定等が可能であるものの、変更履歴の閲覧が許可されていない点で管理者メニューと異なる。遊技機100において、スタッフメニュー画面は、設定キーの変更操作を行わずにRAMクリアボタン305(図4参照)を押下したことによるRAMクリア処理(通常RAMクリア処理)が行われる場合に表示可能なメニュー画面である。
例えば、スタッフメニュー画面は、RAMクリアボタン305の押下後から所定時間(例えば20秒間)に亘って表示可能に構成されていればよい。スタッフメニュー画面は、RAMクリアボタン305の押下に基づいて演出表示部200aに表示されてもよいし、管理者メニューと同様に、上述の所定時間内に演出ボタン208aが長押し操作されることで表示されてもよい。また、通常RAMクリア処理時には、通常RAMクリア処理が行われていることを報知する通常RAMクリア報知演出が実行されてもよい。通常RAMクリア報知演出では、例えば「RAMクリア中です」のように通常RAMクリア処理が行われていることを報知する文字列画像(RAMクリア報知画像)が演出表示部200aに表示される。また、通常RAMクリア報知演出においては、設定確認状態報知演出と同様に、スタッフメニューを表示可能であることを報知する文字列画像「演出ボタン長押しでスタッフメニューに突入します」が演出表示部200aに表示されてもよい。
また、遊技機100は、設定変更状態の終了に伴う遊技機状態移行期間(例えば、20秒間)において、管理者メニュー画面ではなくスタッフメニュー画面を表示してもよい。この場合、スタッフメニューは、通常RAMクリア処理時と、設定変更状態の終了後のRAMクリア報知中との二つのタイミングで利用可能となる。なお、設定変更状態の終了に伴う遊技機状態移行期間においてスタッフメニューを利用可能とする場合には、当該遊技機状態移行期間中にRAMクリア報知画像を表示する通常RAMクリア報知演出を実行してもよい。また、遊技機100において設定変更状態の終了後は直ちに遊技機状態が遊技可能状態となり、当該遊技機状態移行期間は、通常RAMクリア報知演出を継続しつつも通常の遊技が可能な状態であってもよい。
また、上記実施形態において遊技機状態が設定変更状態(設定変更処理の実行中)である場合に、演出装置の動作モードが特殊モードになるとしたが、本発明はこれに限られない。例えば遊技機100は、特定のエラー(例えば、設定値を不正な値に改ざんされた可能性を検知したエラー)が発生している場合や当該特定のエラーを報知するエラー報知演出が実行されている場合に、演出操作装置208の入力状態が特殊入力規制状態となってもよい。これにより、遊技機100は、当該特定のエラーの発生中や報知中に、動作モードが特殊モードとなるように構成されてもよい。また遊技機100は、電源断および電源投入に伴う設定変更処理が実行されない場合(設定変更状態でない場合)においても、入力状態が通常入力状態(入力可能状態、通常入力規制状態)から特殊入力状態に移行可能に構成されてもよい。例えば遊技機100において、遊技機状態が遊技可能状態の際に前述の特定のエラーが発生した場合、入力状態は通常入力状態から特殊入力状態に移行し、これに伴って動作モードが通常モード(通常許可パターンまたは通常規制パターン)から特殊モードに移行してもよい。つまり遊技機100は、演出装置の動作モードとして演出操作装置208の入力操作に基づく動作が規制される特殊モードと、演出操作装置208の入力操作に基づく動作が許容可能な通常モードとを有し、遊技機状態や遊技の進行状況、エラーの発生状況(例えば発生しているエラーの種類)等に基づいて、動作モードが特殊モードまたは通常モードのいずれかに設定されるように構成されていればよい。
また、上記実施形態において入力状態が通常入力規制状態である場合、演出操作装置208の入力操作の受け付けが限定的に許可される限定許可状態が発生し得るとしたが、本発明はこれに限られない。例えば遊技機100は通常入力規制状態において限定許可状態が生起されない構成であってもよい。また通常入力規制状態は、演出操作装置208からの入力操作の受け付けに対する規制の度合が、常に特殊入力規制状態よりも緩和された状態であってもよい。例えば、通常入力規制状態は、演出操作装置208のうち一部の構成(例えば演出ボタン208a、演出レバー208b、十字ボタン218のうちいずれか)に対する入力操作のみを受け付け可能であり、残余の構成に対する入力操作を受け付けない状態であってもよい。これにより通常入力規制状態は、限定許可状態が発生しない場合も、特殊入力規制状態とは違って演出操作装置208の入力操作の受け付けを限定的に許容可能な状態となる。またこの場合、通常入力規制状態に伴って動作モードが通常規制パターンの通常モードとなることで、演出装置は演出操作装置208のうち一部の構成の入力操作に基づく動作が可能となる。
また、上記実施形態では、調節ボタン209は、音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209bで構成されるとしたが、本発明はこれに限られない。たとえば、調節ボタン209は、音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209bのいずれか一方のみであってもよい。また、調節ボタン209は、音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209bの2つの調節ボタンに他の調節ボタンを加えた3つ以上の調節ボタンで構成されてもよいし、当該2つの調節ボタンのいずれか一方に他の調節ボタンを加えた2つ以上の調節ボタンで構成されてもよい。
例えば、遊技機100において調節ボタン209には、演出に用いる送風機構の風量を調節可能な風量調節ボタンが設けられていてもよい。これにより、遊技者は送風機構を用いた演出時において送風機構の風量を調節することができる。この場合、風量調節ボタンの調節状態は音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bと同様に制御すればよい。また、送風機構の調節モード(風量調節モード)は、風量調節ボタンの調節状態に基づいて、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードと同様に制御すればよい。
また、上記実施形態では、音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bを含む調節ボタン209を一単位として、調節操作を受け付けるか否かの調節状態を設定しているが、これに限られない。例えば、調節ボタン209を構成する音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの調節状態を制御してもよい。この場合、遊技機100には音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209bのそれぞれについて調節状態制御処理(図60参照)を個別に実装し、各調節ボタンに対応する調節状態制御処理ごとに調節規制条件が異なっていてもよい。音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bの調節状態が個別に制御可能となることにより、サブCPU330aは、音声出力装置206および演出表示装置200の調節動作を、それぞれ異なる調節モードによって制御することができる。例えば、サブCPU330aは、音量調節ボタン209aが入力可能状態であることに基づいて音声出力装置206の音量調節動作を通常許可パターンによる通常モードで制御し、光量調節ボタン209bが通常入力規制状態であることに基づいて、演出表示装置200の輝度調節動作を通常調節規制パターンによる通常モードで制御してもよい。
また遊技機100は、音量調節ボタン209aおよび光量調節ボタン209bの調節状態を個別の調節状態制御処理で制御することにより、例えばエラーの発生中において、エラー報知演出に用いられていない演出装置(例えば音声出力装置206または演出表示装置200)を通常調節許可パターンでの通常モードとすることができる。
また上記実施形態では、光量調節ボタン209bは、演出表示部200aの輝度を調節する輝度調節操作に用いる構成としているが、本発明はこれに限られない。遊技機100は、光量調節ボタン209bの輝度調節操作によって、演出表示部200aの輝度以外にも、演出照明装置204や枠照明装置(不図示)を構成するLEDの輝度を調節可能に構成されてもよい。ここで、演出表示部200aを有する演出表示装置200、演出照明装置204および不図示の枠照明装置といった発光可能な部材を総称して、「発光部材(発光装置の一例)」という。つまり遊技機100は、輝度制御値によって発光部材の輝度を制御可能に構成されてもよい。
この場合、輝度制御値を調節することにより、遊技機100における発光部材全体としての輝度が調節される。例えば、光量調節ボタン209bの輝度調節操作によって、発光部材を構成する複数の部材のうち発光させる部材の数を増減させてもよい。例えば、光量調節ボタン209bの上領域を押下操作するごとに発光部材の構成部材のうち発光させる部材の数を増加させ、輝度制御値を最大値に調節した場合には発光部材を構成する全ての部材(例えば演出表示装置200、演出照明装置204および枠照明装置)を発光させてもよい。また、光量調節ボタン209bの下領域の押下操作をするごとに、発光部材の構成部材のうち発光させる部材を減少させてもよい。ただし、輝度制御値を最小値に調節した場合も、演出表示装置200の演出表示部200aは、輝度が低減されつつも発光した状態に維持される。また例えば、光量調節ボタン209bの上領域を押下操作するごとに発光部材の構成部材のうち例えば演出照明装置204および枠照明装置を構成するLEDの輝度を上昇させ、光量調節ボタン209bの下領域の押下操作をするごとに演出照明装置204および枠照明装置を構成するLEDの輝度を低下させてもよい。このとき、演出照明装置204および枠照明装置のLEDの輝度の増減と合わせて演出表示装置200の演出表示部200aの輝度を増減してもよいし、演出照明装置204および枠照明装置のLEDの輝度のみを増減させ演出表示部200aの輝度は増減させない(固定する)ようにしてもよい。
またこの場合、演出装置の動作モードが節電モードの場合には、発光部材を構成する各部材の輝度を最低限度まで低減させて発光部材全体の輝度を抑制することで、発光部材を節電状態とすればよい。これにより、遊技機100において発光部材における電力消費が低減される。
また発光部材の輝度を調節する場合、調節可能状態において光量調節ボタン209bが調節操作(押下操作)されたことに基づいて、ステップS1810-5の輝度調節処理(図62参照)において作成した輝度調節コマンドを照明制御部360にも送信すればよい。これにより、演出表示部200aの輝度が調節されることに伴って、演出照明装置204や枠照明装置といった種々の照明装置の明るさも調節することができる。つまり、遊技者は、遊技機100に設けられた発光部材の明るさを、所望の明るさに調節することができる。これにより、遊技機100は、遊技者の要望に応じた遊技環境を適宜提供することができる。なお、発光部材は演出表示装置200や演出照明装置204、枠照明装置に限られず、遊技機100に搭載可能であって、制御信号やコマンド等によって明るさを調節することができる部材であればよい。例えば遊技機100において、演出ボタン208aの上表面にボタン照明装置が設けられている場合には、輝度制御値によって輝度を調節可能な発光部材にボタン照明装置を含めてもよい。
また、遊技機100は、発光部材の輝度をそれぞれ別個に設定可能に構成されてもよい。つまり、遊技機100は、演出表示部200aの輝度および種々の照明装置のLEDの輝度のそれぞれを個別に設定可能に構成されていてもよい。この場合、遊技機100には、例えば照明装置(演出照明装置204や枠照明装置)の輝度を、演出表示部200aの輝度と別個に調節可能な照明光量調節ボタンが設けられていればよい。またこの場合、照明光量調節ボタンの押下時において、演出表示部200aに、現在の照明装置の輝度制御値を示す棒状の輝度表示画像(照明光量バー画像)を表示してもよい。
また、上記実施形態において遊技機状態が設定変更状態(設定変更処理の実行中)である場合に、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モード(音量調節モード、輝度調節モード)が特殊調節モードになるとしたが、本発明はこれに限られない。例えば遊技機100は、特定のエラー(例えば、設定値を不正な値に改ざんされた可能性を検知したエラー)が発生している場合や当該特定のエラーを報知するエラー報知演出が実行されている場合に、調節ボタン209(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209b)の調節状態が特殊調節規制状態となってもよい。これにより遊技機100は、当該特定のエラーの発生中や報知中に、調節モードが特殊調節モードとなるように構成されてもよい。また遊技機100は、電源断および電源投入に伴う設定変更処理が実行されない場合(設定変更状態でない場合)においても、調節状態が通常調節状態(調節可能状態、通常調節規制状態)から特殊調節状態に移行可能に構成されてもよい。例えば遊技機100において、遊技機状態が遊技可能状態の際に前述の特定のエラーが発生した場合、調節状態は通常調節状態から特殊調節状態に移行し、これに伴って調節モードが通常調節モード(通常調節許可パターンまたは通常調節規制パターン)から特殊調節モードに移行してもよい。つまり、遊技機100は、音声出力装置206、演出表示装置200の調節モードとして、調節ボタン209の調節操作に基づく調節動作(音量調節動作、輝度調節動作)が規制される特殊調節モードと、調節ボタン209の調節操作に基づく調節動作が許容可能な通常調節モードとを有し、遊技機状態や遊技の進行状況、エラーの発生状況(例えば発生しているエラーの種類)等に基づいて、調節モードが特殊調節モード、通常調節モードのいずれかに設定されるように構成されていればよい。
また、上記実施形態において調節状態が通常調節規制状態である場合、調節ボタン209の調節操作の受け付けが限定的に許可される限定調節許可状態が発生し得るとしたが、本発明はこれに限られない。例えば遊技機100は通常調節規制状態において限定調節許可状態が生起されない構成であってもよい。また通常調節規制状態は、調節ボタン209からの調節操作の受付けに対する規制の度合が、常に特殊調節規制状態よりも緩和された状態であってもよい。例えば、通常調節規制状態は、調節ボタン209のうち一部の構成(音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bのうちいずれか)に対する調節操作のみを受付け可能であり、残余の構成に対する調節操作を受付けない状態であってもよい。これにより通常調節規制状態は、限定調節許可状態が発生しない場合も、特殊調節規制状態とは違って調節ボタン209の調節操作の受け付けを限定的に許容可能となる。またこの場合、通常調節規制状態に伴って調節モードが通常調節規制パターンの通常調節モードとなることで、音声出力装置206および演出表示装置200のうちの一方(例えば、音声出力装置206)が調節ボタン209のうち一部の構成(例えば音量調節ボタン209a)の調節操作に基づく調節動作(本例では音量調節動作)が可能となる。
また上記実施形態において、調節操作に用いられる装置(調節装置)の一例として音量調節ボタン209a、光量調節ボタン209bで構成される調節ボタン209を例示したが、遊技機100において、調節操作に用いる調節装置(音量調節装置、輝度調節装置)の形態はボタンに限られない。遊技機100において調節装置は、ジョグダイヤル式の操作部や、タッチパネル、レバー等、遊技者による調節操作が可能な構成であればその形態は特に限定されるものではない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態(以降「本実施形態」という)について説明する。
以下、第1実施形態および第2実施形態と異なる事項を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と共通する事項については同一の符号を付与して、重複する説明は適宜省略する。
(第3実施形態による遊技機の構成)
図65は、本実施形態による遊技機500における遊技盤508の正面図である。本実施形態において、遊技盤508には、第2遊技領域116bの中央下領域に大入賞口125、第2始動口123および作動口119を含んで構成される大入賞口ユニット129が配置されている。
第2始動口123は、上記第1実施形態における第2始動口122と異なり、大入賞口ユニット129の構成要素として形成されている。また、第2始動口123内には、上述の第2始動口122と同様に第2始動領域が設けられている。本実施形態において、第1始動口120または第2始動口123に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。本実施形態において各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技または小当たり遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口123に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
図65に示すように、大入賞口ユニット129において、第2始動口123は、作動口119の上方に位置している。また遊技領域116において第2始動口123は、第2遊技領域116bの下流側(中央下領域)であって、第1遊技領域116aに配置された第1始動口120よりも右上方に位置している。本実施形態において第2始動口123は、第2遊技領域116bを流下して大入賞口ユニット129に進入した遊技球のみが入球可能である。なお、これに限られず第2始動口123は、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されていてもよい。
第2始動口123は、可動片123bを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口123への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。可動片123bは、例えば図示しないソレノイドを用いた機構の働きにより前後にスライド可能に設けられた薄板状の部材であって、遊技球を第2始動口123に導く球通路(誘導通路)を形成可能である。具体的には、可動片123bが後方にスライドして遊技盤508の背面側(後方)に収容された状態(収容状態)にあるときには、誘導通路が形成されない。このため、第2始動口123への遊技球の進入が不可能または困難となっている。この誘導通路が形成されていない状態を第2始動口123における入球制限状態という。
これに対して、第2遊技領域116bの最下流に設けられた作動口119に遊技球が入球して後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、図65に示すように可動片123bが所定時間、遊技盤108の前面側に突出した状態(突出状態)に制御される。可動片123bが閉状態になると、可動片123b上に遊技球が通過可能な誘導通路が形成され、第2始動口123への遊技球の入球が容易となる。この誘導通路が形成されている状態を第2始動口123における入球許容状態という。
第2遊技領域116bにおいて第2始動口123の右上方には、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能な大入賞口125が設けられている。大入賞口125は、大入賞口ユニット129における第2始動口123の上方に位置している。なお、大入賞口125は、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されてもよい。
大入賞口125には、開閉扉125bが前後にスライド可能に設けられている。開閉扉125bは、第2始動口123の可動片123bと同様に、ソレノイド等を用いた機構(不図示)の働きにより、遊技盤108の盤面に対して前後方向にスライドして開閉動作するようになっている。図65に示すように、開閉扉125bが遊技盤508の盤面から前方に突出した突出状態となって閉位置(閉鎖状態)にあると、大入賞口125は、遊技球の入球が困難な状態となる。一方、開閉扉125bが遊技盤108の後方にスライドして遊技盤508の盤面の背面側に収容された収容状態となって開位置(開放状態)にあると、大入賞口125は、開閉扉125bが閉鎖状態の場合と比較して、遊技球の入球が困難ではない(容易又は可能な)状態となる。これにより、遊技機500は、大入賞口125への入賞という事象を発生させることができる。通常、開閉扉125bが大入賞口125を閉鎖して、大入賞口125への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技または小当たり遊技が実行されると、開閉扉125bが開放状態となって、遊技球は大入賞口125への入球が可能となる。大入賞口125に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2遊技領域116bにおいて大入賞口125内の下方には、特別領域180が設けられている。特別領域180は、大入賞口ユニット129において大入賞口125の下方に位置している。特別領域180には、薄板状の振分可動片181bが開閉可能に設けられている。振分可動片181bは開閉扉125bと同様に、前後方向にスライドすることにより特別領域180を開閉可能に構成されている。これにより、振分可動片181bは、大入賞口125に入球した遊技球の流下経路を、特別領域180を通過する経路と、後述する大入賞口内排出領域135を通過する経路とに振り分ける機能を有する。
図65に示すように、振分可動片181bが開閉扉125bと同様に突出状態となり特別領域180の上方を覆う閉位置(閉鎖状態)にあると、特別領域180は、遊技球の入球が困難(ほぼ不可能)な状態となる。一方、振分可動片181bが開閉扉125bと同様に収容状態となって開位置(開放状態)にあると、特別領域180は、振分可動片181bが閉鎖状態の場合と比較して、遊技球の入球が困難ではない(容易又は可能な)状態となる。これにより、遊技機500は、遊技球による特別領域180の通過という事象を発生させることができる。通常、振分可動片181bは特別領域180を閉鎖しており(図65参照)、特別領域180への遊技球の入球が不可能となっている。また大役遊技中においても、振分可動片181bは閉鎖状態に維持される。
これに対して、前述の小当たり遊技が実行されると、本実施形態では大入賞口125の開閉扉125bが開放状態となることに伴って振分可動片181bが開放状態となり、特別領域180が開放される。このため、小当たり遊技中において大入賞口125に入球した遊技球は、特別領域180を通過可能となる。そして、遊技機500は、小当たり遊技中に特別領域180を遊技球が通過すると、大役遊技の実行が決定され、大役遊技が開始されるように構成されている。なお、本実施形態において小当たり遊技と大役遊技とを総称して「当たり遊技」と称する場合がある。
また、第2遊技領域116bにおいて、大入賞口125内の下方には、特別領域180の右側に隣接して大入賞口内排出領域135が設けられている。大入賞口内排出領域135は、大入賞口ユニット129において大入賞口125の下方に位置しており、特別領域180に隣接している。大入賞口内排出領域135は、大入賞口125には入球したものの、特別領域180に入球しなかった遊技球が通過する領域として構成されている。本実施形態による遊技機500において、小当たり遊技中において振分可動片181bが開位置にあり、特別領域180が開放状態である場合、大入賞口125に入球した遊技球は、極めて高確率で特別領域180を通過可能である。一方、大役遊技中において大入賞口125に入球した遊技球は、特別領域180が振分可動片181bによって閉鎖されているため、例えば閉位置にある振分可動片181b上を経て大入賞口内排出領域135を通過する経路を辿る。このようにして、振分可動片181bが開位置から閉位置、または閉位置から開位置に変位することにより、大入賞口125に入球した遊技球の流下経路が振り分けられる。
また、大入賞口ユニット129において大入賞口125内の最下部には大入賞口内排出口136が設けられている。特別領域180または大入賞口内排出領域135を通過した遊技球は、大入賞口125内をさらに流下して、大入賞口内排出口136において大入賞口ユニット129内から遊技盤508の背面側に排出される。
図65に示すように、大入賞口ユニット129の最下方には、作動口119が設けられている。詳細な説明は省略するが、作動口119に遊技球が入球すると、普図抽選が行われる。つまり、本実施形態において作動口119は、遊技盤508に設けられた遊技領域116を、遊技中に流下する遊技球の入球によって普図抽選の実行契機を発生させる。普図抽選に当選すると、第2始動口123の可動片123bが突出状態となって所定期間だけ第2始動口が入球許容状態となり、第2始動口123に遊技球が進入しやすい状態となる。これにより、遊技者は大役抽選の権利を獲得しやすくなる。なお、本実施形態による遊技機500の遊技領域116には、作動口119に加えて、上記第1実施形態による遊技機100と同様に普図抽選の実行契機を発生させるゲート124(図2参照)が設けられていてもよい。この場合ゲート124は、例えば第2遊技領域116bの任意の箇所に設けられていればよい。
作動口119への入球の容易性は、第2始動口123の可動片123bの状態によって異なる。具体的には、可動片123bが突出状態であって可動片123b上に第2始動口123への誘導通路が形成されている場合、遊技球は第2始動口123方向へ流下するため、作動口119には到達しない。一方、可動片123bが収容状態であって可動片123b上に誘導通路が形成されていない場合、遊技球は第2始動口123方向へは流下せずに誘導通路の形成領域となる間隙を落下して、大入賞口125内を作動口119方向へ流下する。これにより、本実施形態による遊技機500は、遊技球の作動口119への遊技球の入球という事象を発生させることができる。また、大入賞口ユニット129には、作動口119の直上に間隙が設けられており、この間隙において遊技盤508の一部が露出している。図65に示すように、遊技盤508において作動口119の上領域には複数の釘131が設けられている。当該複数の釘131によって遊技球の流下経路は、作動口119に向かう経路と、大入賞口ユニット129において作動口119の右上領域に設けられた大入賞口排出口137に向かう経路とに振り分けられている。
なお、本実施形態による遊技機500では、作動口119の上方に到達した遊技球は、高い確率で作動口119に入球する。遊技機500は、第2遊技領域116b側を狙って遊技を行う状態(右打ち状態)の場合、極めて高い確率で普図抽選に当選するように構成されている。このため、第2始動口123の可動片123bは、右打ち状態の場合にほぼ突出状態を維持した状態となる。これにより、大役遊技および小当たり遊技が実行されていない場合に、第2遊技領域116bを流下して大入賞口ユニット129に到達した遊技球は、入球許容状態に維持された第2始動口123に容易に入球する。可動片が収容状態となって第2始動口123が入球制限状態である場合には、右打ちされた遊技球は高確率で作動口119に入球する。第2始動口123および作動口119に遊技球が入球すると、遊技者に同数(例えば1個)の賞球が付与されるようになっている。このため、右打ち状態の場合には、遊技球が第2始動口123に入球しなくても作動口119に入球することによって、遊技者の持ち球が減りにくくなっている。
上述のように、第2始動口123および作動口119は、大入賞口125とユニット化されて大入賞口ユニット129を構成している。大入賞口ユニット129が遊技盤108の第2遊技領域116bに取り付けられることにより、大入賞口125、第2始動口123および作動口119が遊技盤108に取り付けられる。なお、本発明はこれに限られず、第2始動口123および作動口119は、大入賞口125それぞれ別個の部材として、それぞれ遊技領域116(例えば、第2遊技領域116b)に取り付けられていてもよい。
本実施形態による遊技機500にも、上記第1実施形態と同様に、演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206が設けられている。また、遊技者の入力操作を受け付ける演出操作装置208(図2参照)も設けられている。
図65に示すように、本実施形態において演出役物装置202は、演出表示部200aの前面側と遊技盤508の背面側との間に配置されている。演出役物装置202は、通常、遊技盤508背面側において初期位置に配置されている。演出役物装置202は、アクチュエータの駆動により、遊技盤508の背面側の左右側部から演出表示部200aの前面中央領域の可動位置まで各構成部材が移動し、例えば演出表示部200aの前面で各構成部材が合体して、遊技者に当たり(大当たりまたは小当たり)の期待感を付与する。
また、図65に示すように、本実施形態において遊技盤508には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、図柄表示部10が設けられている。図柄表示部10には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172(いずれも図65では不図示、図66参照)が設けられている。
また、本実施形態による遊技機500は、有利度合いを異にする複数段階の設定値に基づいて遊技の進行を行う構成ではない。このため、上記第1実施形態と異なり、本実施形態による遊技機500の裏面側には、RAMクリアボタン305は設けられているものの、設定キー差込口306(図4参照)は設けられていない。
(第3実施形態における制御手段の内部構成)
図66は、本実施形態における遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。以下、制御手段の内部構成について、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
図66に示すように、本実施形態において主制御基板300には、第2始動口123に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ123s、作動口119に遊技球が入球したことを検出する作動口検出スイッチ119s、大入賞口125に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ125s、大入賞口内排出領域135を遊技球が通過したことを検出する大入賞口排出スイッチ135sおよび大入賞口125内の特別領域180に遊技球が進入したことを検出する特別領域検出スイッチ181sが接続されている。これらの各検出スイッチからは、主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口123の可動片123bを作動する普通電動役物ソレノイド123cと、大入賞口125を開閉する開閉扉125bを作動する大入賞口ソレノイド125cと、特別領域180を開閉する振分可動片181bを作動する特別領域ソレノイド180cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口123、大入賞口125および特別領域180の開閉制御がなされるようになっている。
上述のように、本実施形態による遊技機500は、設定値に基づく遊技の進行を行わない。このため、遊技機500には、上記第1実施形態の遊技機100において設定値関連の制御に用いられている構成(例えば設定キースイッチ180sは)設けられていない。さらに、遊技機500において主制御基板300は設定値および当該設定値の変更、確認処理に係る制御を行わない。したがって、副制御基板330においても、設定値の変更処理や確認処理に応じた制御は行われない。
ただし本発明はこれに限られず、本実施形態による遊技機500は、上記第1実施形態および第2実施形態による遊技機100と同様に、設定値に基づいて遊技の進行を行う構成であってもよい。この場合、遊技機500には設定キー差込口306および設定キースイッチ180sが設けられ、主制御基板300が設定値および当該設定値の変更、確認処理に係る制御を実行可能に構成されていればよい。これにより、副制御基板330においても設定値の変更処理や確認処理に応じた制御が可能となる。
また本実施形態において、主制御基板300のメインRAM300cの特図保留記憶領域は、上記第1実施形態と同様に第1特図保留記憶領域として4つの記憶部(第1~第4記憶部)を有しており、特1保留数(X1)は4つに設定されている。一方、本実施形態において特図保留記憶領域は、上記第1実施形態と異なり、第2特図保留記憶領域として1つの記憶部(第1記憶部)を有している。つまり本実施形態において特2保留数(X2)は1つに設定されている。したがって、例えば、第2始動口123に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に1つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口123への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
また本実施形態において、特1保留と特2保留の両方が記憶されている場合、特1保留についての大役抽選よりも優先して、特2保留についての大役抽選が実行される。
(第3実施形態による遊技機における遊技)
次に、本実施形態の遊技機500における遊技に関し、上記第1実施形態と異なる部分について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機500は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、非時短遊技状態というのは、第2始動口123の可動片123bが開状態になりにくく、第2始動口123に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片123bが開状態になりやすく、第2始動口123に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機500の初期状態は、非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
本実施形態による遊技機500では、大役抽選において大当たりに当選すると、大入賞口125が開放されるとともに大入賞口125への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。また本実施形態では、大役抽選において小当たりに当選した場合、大入賞口125が開放される小当たり遊技が実行され、さらに大入賞口125内の特別領域180が大入賞口125の開閉に合わせて開閉される。
遊技機500は、小当たり遊技中において特別領域180に遊技球が進入すると、小当たり遊技の終了後に大入賞口125が開放される大役遊技が実行されるように構成されている。つまり、遊技機500は、小当たり遊技に続いて大役遊技を実行することで、遊技者により多くの賞球を獲得させることができ、かつ変化に富んだ遊技を提供することができる。このように、本実施形態による遊技機500における複数の当たり(大当たりおよび小当たり)は、遊技利益が異なるように設定されている。以下では、大役抽選方法について説明する。
図67は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。本実施形態において第1始動口120、第2始動口123に遊技球が入球すると、0~65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
本実施形態において特1保留について大役抽選を開始する場合には、図67(a)に示すように、大当たり決定乱数判定テーブル(特1用)が参照される。この大当たり決定乱数判定テーブル(特1用)によれば、大当たり決定乱数が10001~10205であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/319となる。
また本実施形態において特2保留について大役抽選を開始する場合には、図67(b)に示すように、大当たり決定乱数判定テーブル(特2用)が参照される。この大当たり決定乱数判定テーブル(特2用)によれば、大当たり決定乱数が10001~10205であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が0~10000、10206~65535であった場合に小当たりと判定する。したがって特2保留についての大役抽選における大当たり確率は、図67(a)に示す大当たり決定乱数判定テーブル(特1用)を用いた特1保留についての大役抽選と同様に約1/319であり、小当たり確率は約1/1となる。
このように、本実施形態による遊技機500は、第2始動口123に遊技球が入球した場合には、大役抽選において大当たりに当選しなかったとしても小当たりに当選するように構成されている。一方で、遊技機500は、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、大役抽選において大当たりに当選しない、すなわち大当たり決定乱数が、大当たり判定テーブル(特1用)の比較数値範囲に含まれない場合に、大役抽選においてハズレと判定される。
なお本例では、図67(b)に示すように、特2保留についての大役抽選時には、一の大当たり決定乱数判定テーブル(大当たり決定乱数判定テーブル(特2用))を用いて大役抽選における大当たり判定と小当たりの判定とを実行するとしたが、本発明はこれに限られない。例えば遊技機500は、大当たり決定乱数判定テーブルとは別個のテーブル(例えば、「小当たり判定テーブル」)を用いて、小当たりの判定を行ってもよい。この場合小当たり判定テーブルには、小当たりに該当する大当たり決定乱数の比較数値範囲であって、大当たりに該当する比較数値範囲と重複しない数値範囲が格納されていればよい。
また遊技機500において、例えば大当たり判定テーブル(特1用)は、第1始動口120に遊技球が入球した場合、つまり特1保留についての大役抽選において、小当たりに当選可能に構成されていてもよい。この場合、第2始動口123に遊技球が入球した場合の方が第1始動口120に遊技球が入球した場合よりも、小当たりの当選確率が高く設定されていてもよいし、逆に、第1始動口120に遊技球が入球した場合の方が第2始動口123に遊技球が入球した場合よりも、小当たりの当選確率が高く設定されていてもよい。
また、特1保留についての大役抽選において小当たりに当選可能である場合、特1保留に基づく小当たり時には、特2保留に基づく小当たり時と同様に特別領域180が開放されるように構成されてもよい。この場合、特1保留に基づく小当たり時においても、特別領域180を遊技球が通過することに基づいて大役遊技が実行可能となる。また、特1保留に基づく小当たり時には、特2保留に基づく小当たり時とは異なり、特別領域180が開放されず、大役遊技が実行されない構成であってもよい。
図68は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口123に遊技球が入球すると、0~99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図68(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブル(大当たり図柄)が選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図68(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブル(大当たり図柄)が選択される。また、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図68(c)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブル(小当たり図柄)が選択される。以下では、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄とよぶ。また、大当たり図柄と小当たり図柄とを総称して「当たり図柄」と称する場合がある。
図68(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル(大当たり図柄)、図68(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブル(大当たり図柄)によれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。また、図68(c)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブル(小当たり図柄)、およびによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(小当たり図柄)が決定される。一方、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合は、上記第1実施形態と同様に、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄X(特1保留の場合)または特別図柄Y(特2保留の場合)が決定される。
本実施形態において、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、上記第1実施形態と同様に、リーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図69(a)に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。本実施形態において、リーチグループ決定乱数判定テーブル(図12参照)およびハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(図69(a)参照)は上記第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
一方、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図69(b)、図69(c)および図69(d)に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(特1用、特2用)または小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルと、リーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。図69(b)および図69(c)に示す特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルおよび特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルについては上記第1実施形態と同様であるため説明は省略する。
本実施形態では上記第1実施形態と異なり、図69(d)に示すように特2用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが設けられている。本実施形態において、特2保留についての大役抽選の結果が「小当たり」であった場合には、図69(d)に示すように特2用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、当該テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。なお、特1保留につての大役抽選において小当たりに当選可能とする場合には、特2用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルと同様に、特1用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルを設ければよい。
本実施形態において第1始動口120または第2始動口123に遊技球が入球すると、上記第1実施形態と同様に、0~238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。本実施形態において、変動パターン乱数判定テーブルおよび、変動モード番号および変動パターン番号に基づいて変動演出の時間を決定する変動時間決定テーブルについては、上記第1実施形態(図13、図14参照)と同様であるため説明は省略する。
図70および図71は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、図70に示す特別電動役物作動ラムセットテーブル(大役遊技)を参照して、大入賞口ソレノイド125cが通電制御され、小当たり遊技中は、図71に示す特別電動役物作動ラムセットテーブル(小当たり遊技)を参照して、大入賞口ソレノイド125cが通電制御される。
図70に示すように、遊技機500では、大役抽選において大当たり図柄である特別図柄E~Hが決定されると、特別電動役物作動ラムセットテーブル(大役遊技)を参照して大役遊技が実行される。本実施形態において大役遊技は、大入賞口125が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。図70に示す特別電動役物作動ラムセットテーブル(大役遊技)によれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口125の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口125の開放回数ごとの大入賞口ソレノイド125cの通電時間、すなわち、大入賞口125の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口125への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口125の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
図70に示すように、本実施形態による遊技機500において、大役抽選によって特別図柄E~Hが決定された場合には上記第1実施形態において特別図柄Dが決定された場合と同様に、大役遊技として10回のラウンド遊技が実行される。また、大役抽選によって特別図柄a,bが決定された場合、小当たり遊技の実行中に遊技球が特別領域180を通過したことに基づいて、10回のラウンド遊技による大役遊技が実行される。本実施形態において、1回のラウンド遊技は、大入賞口125に規定数(本例では10個)の遊技球が入球するか、予め設定された開放時間(本例では、29秒)が経過すると終了する。また、本実施形態による遊技機500では、大入賞口125へ入球した遊技球1個につき、所定数(本例では10個)の賞球が払い出される。このため、本例において1回のラウンド遊技では、最大で合計100個(=10個×規定数10個)の賞球が払い出され、最大数(本例では10回)のラウンド遊技では、最大で合計1000個(=10個×10ラウンド)の賞球が払い出される。このように、遊技者は、大当たりに基づく大役遊技において実行するラウンド数に応じた賞球を獲得することができる。なお、1回のラウンド遊技における賞球数はこれに限られず例えば、大入賞口125へ入球した際の賞球数は、遊技球1個につき最大で12~15個であってもよい。
遊技機500において、大役抽選において小当たり図柄である特別図柄aが決定されると、図71に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブル(小当たり遊技)を参照して小当たり遊技が実行される。小当たり遊技は、大入賞口125が所定回数開閉される1回の遊技で構成される。この特別電動役物作動ラムセットテーブル(小当たり遊技)によれば、オープニング時間(本例では小当たり遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1回の小当たり遊技中の大入賞口125の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口125の開放回数ごとの大入賞口ソレノイド125cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口125の開放時間)、規定数(1回の小当たり遊技における大入賞口125への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)、エンディング時間(小当たり遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別に対応して、図示のように予め記憶されている。
図71に示すように、特2保留によって小当たりに当選し、小当たり図柄として特別図柄a,bが決定された場合には、大入賞口125が12回開閉される小当たり遊技が実行される。より具体的には、特別図柄a,bが決定された場合の小当たり遊技では、大入賞口125が0.1秒×12回開放される。なお、第1大入賞口126の2回の開放の間の休止時間である小当たり中インターバル時間は、0.84秒に設定されている。本例の小当たり遊技においては、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けることにより、小当たり遊技中において高い確率で大入賞口125に入球させることが可能となる。
なお、本例では小当たり図柄a,bに対応する小当たり遊技の態様(大入賞口125の開閉回数やソレノイド通電時間、規定数、インターバル時間等)が同等となっているが、本発明はこれに限られず、小当たり図柄a,bのそれぞれにおいて、小当たり遊技の態様が異なっていてもよい。この場合、小当たり図柄の種別に応じて、異なるラムセットテーブルが設けられていてもよい。また、小当たり図柄の種別に応じて、小当たり遊技時における大入賞口125への入球の容易性が異なっていてもよい。
図72は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。図72に示すとおり、特別図柄E,Gが決定された場合には、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定される。また、特別図柄aが決定された場合には、小当たり遊技の実行に続いて実行される大役遊技後の終了後に非時短遊技状態に設定される。なお、本実施形態において、小当たり遊技中に遊技球が特別領域180を通過せず大役遊技が実行されない場合、小当たり遊技の終了後に非時短遊技状態に設定される。
また、特別図柄F,Hが決定された場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は1回に設定される。これは、大役遊技後に大役抽選結果が1回確定するまでの間、時短遊技状態が継続することを意味している。また、特別図柄bが決定された場合には、小当たり遊技の実行に続いて実行される大役遊技後の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに時短回数が1回に設定される。なお、本実施形態において、小当たり遊技中に遊技球が特別領域180を通過せず大役遊技が実行されない場合、小当たり遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに時短回数が1回に設定される。以降、特別図柄E,Gによる大当たりの当たり種別を「通常大当たり」、特別図柄F,Hによる大当たりの当たり種別を「時短大当たり」と称する。また、特別図柄aによる小当たりの当たり種別を「通常小当たり」、特別図柄bによる小当たりの当たり種別を「時短小当たり」と称する。また、通常小当たりと通常大当たりとを総称して「通常当たり」と称し、時短小当たりと時短大当たりとを総称して「時短当たり」と称する場合がある。
本実施形態において、遊技状態が時短遊技状態に設定された場合に、当該時短遊技状態において時短当たりの大役抽選結果が導出されることなく、大役抽選結果が1回導出されると、非時短遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
なお、遊技機500において、当たり図柄(大当たり図柄、小当たり図柄)の種別に応じて、遊技状態や時短回数を設定してもよいし、当たり図柄の種別と当たり(大当たり、小当たり)当選時の遊技状態との双方に応じて、大役遊技の終了後の時短回数を設定してもよい。
次に、普図抽選方法について説明する。本実施形態において遊技球が作動口119を通過すると、0~99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。普図抽選に係る当たり決定乱数判定テーブルについては、上記第1実施形態(図17参照)と同様であるため詳しい説明は省略する。なお、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球が作動口119を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。本実施形態では、作動口119を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
遊技機500では、普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口123の可動片123bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口123の可動片123bが閉状態に維持される。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、非時短遊技状態中は、普図抽選の当選確率が時短遊技状態中と比較して低確率である普図低確率遊技状態となり、時短遊技状態中は普図抽選の当選確率が非時短遊技状態中と比較して高確率である普図高確率遊技状態となる。
図73(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図73(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。図73(a)に示す普通図柄変動時間データテーブルは、上記第1実施形態における普通図柄変動時間データテーブル(図18(a)参照)と同様であるため、説明は割愛する。作動口119への遊技球の入球に基づく普図抽選により当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合、第2始動口123の可動片123bが、図73(b)に示す開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられているが、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図73(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口123が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口123の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口123の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口123の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド123cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口123の開放時間)、規定数(第2始動口123の全開放中における第2始動口123への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口123の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口123の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口123の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、本実施形態による遊技機500は、上記第1実施形態と同様に、時短遊技状態においては非時短遊技状態よりも第2始動口123に遊技球が入球しやすくなっている。つまり、時短遊技状態においては、作動口119を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口123が頻繁に開放状態となる。また本実施形態では作動口119に遊技球が入球すると、遊技者に同数(例えば1個)の賞球が付与されるようになっている。このため、遊技者は持ち球の減少を懸念することなく、大役抽選の機会に集中することができる。
なお、第2始動口123の開閉条件は、上記第1実施形態における第2始動口122の開閉条件と同様に、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。本実施形態では、この3つの要素のうち全ての要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口123に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。本例において、非時短遊技状態における第2始動口123の開放回数は1回としているが、非時短遊技状態での当該開放回数は、時短遊技状態と同様に2回であってもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口123に遊技球が容易に入球するようにすればよい。
このように、本実施形態において、時短遊技状態は、非時短遊技状態と比較して第2始動口123の始動領域(第2始動領域)に遊技球が進入し易い状態である。これにより、本実施形態による遊技機500における時短遊技状態は、非時短遊技状態と比較して大役抽選の機会が生じやすい状態となっている。また、本実施形態において、第2始動口123への入球によって記憶される特2保留についての大役抽選では、大当たりまたは小当たりの何れかに当選可能である(図67(b)参照)。これにより、本実施形態による遊技機500における時短遊技状態は、非時短遊技状態と比較して大役抽選において当たり(大当たり、小当たり)が導出され易い状態となっている。
(連荘に関する構成)
上述のように本実施形態において時短遊技状態中は、第2始動口123への遊技球の入球が非常に容易であることから、特2保留数(X2)を上限(本例では、1個)まで記憶させることが容易となっている。さらに、特2保留についての大役抽選結果は大当たりまたは小当たりのいずれかである。したがって、本実施形態では時短遊技中において、連続して当たり(大当たりまたは小当たり)に当選する事象、すなわち連荘を発生させることが容易である。つまり時短遊技状態中の期間は、連荘を発生させ易い期間となる。本実施形態における時短遊技状態は、高確率で連荘を発生させることができるため、遊技者にとって非常に有利な状態である。
ここで、本実施形態における連荘の進行の一例について、連荘発生以降の遊技状態の遷移と対応づけて説明する。例えば、時短遊技状態中において一の遊技球が第2始動口123に入球して特2保留(先行特2保留)として記憶され、これに伴って変動演出が開始されたとする。さらに、時短遊技状態における先行特2保留での変動演出中に、さらに一の遊技球が第2始動口に入球して後続の特2保留(後続特2保留)として第2特図保留記憶領域の第1記憶部に記憶されたとする。これにより、連続して複数回(本例では2回)の当たりに当選すること、すなわち連荘が発生することが決定される。
上述のように本実施形態では、時短回数は1回となっている(図72参照)。このため、連荘に係る2個の特2保留のうち先行特2保留について大役抽選が実行されて先行特2保留が消化されると、時短遊技状態が終了して当該大役抽選結果に基づいて新たな遊技状態が設定される。つまり、先行特2保留の後に記憶された特2保留である後続特2保留については、新たに設定された遊技状態において大役抽選が実行(消化)される。
例えば、先行特2保留に係る大役抽選結果が時短当たり(時短大当たり、時短小当たり)である場合、新たに生起される時短遊技状態において後続特2保留が消化される。また、上記先行の特2保留に係る大役抽選結果が通常当たり(通常大当たり、通常小当たり)である場合、新たに生起される非時短遊技状態において後続特2保留が消化される。
このように本実施形態では、連荘に係る複数の大役抽選が異なる遊技状態において実行され得る。ここで、連荘が発生している期間のうち後続特2保留の消化(大役抽選)に係る期間を「残り保留消化期間」という。残り保留消化期間は、例えば後続特2保留についての大役抽選の開始から、当該大役抽選の結果を報知する変動演出の終了時(図柄確定時間の終了時)までの期間に相当する。なお、当該大役抽選結果に基づく大役遊技、または小当たり遊技および特別領域180の遊技球の通過に基づく大役遊技の実行期間を残り保留消化期間に含めてもよい。
先行保留についての大役抽選結果が時短当たりである場合、つまり残り保留消化期間において遊技状態が時短遊技状態となる場合、当該残り保留消化期間中には高確率で新たに1つの特2保留が記憶され、連荘が継続することが決定される。つまり連荘回数がさらに1回増加することとなる。さらに、残り保留消化期間での後続保留の大役抽選結果が時短当たりである場合には、新たに生起される時短遊技状態においても、高確率で連荘回数を更に1回増加させることが可能である。このように、時短当たりに連続して当選し、時短遊技状態が連続して生起される場合、連荘回数を一ずつ増加させることができる。
一方、先行保留についての大役抽選結果が通常当たりである場合、つまり残り保留消化期間において遊技状態が非時短遊技状態となる場合、当該残り保留消化期間中に第2始動口123に遊技球を入球させることは困難であり、新たな特2保留が記憶される確率は非常に低い。したがって、残り保留消化期間が非時短遊技状態中である場合、連荘が継続するか否かは後続特2保留についての大役抽選結果に応じて決定される。
例えば、非時短遊技状態における後続特2保留についての大役抽選結果が時短当たりであったとする。この場合、当該時短当たりに基づいて新たに生起される時短遊技状態では、高確率で新たに2つの特2保留が記憶されるため連荘回数を2回増加させることができる。つまり、非時短遊技状態中の残り保留消化期間では新たな特2保留が記憶されないものの、後続保留によって時短当たりに当選した場合には連荘を継続させることができる。
これに対し、例えば非時短遊技状態における、後続保留についての大役抽選結果が通常当たりであったとする。この場合、当該通常当たりに基づいて新たに生起される非時短遊技状態においても新たな特2保留が記憶される確率は非常に低く、連荘回数を増加させて連荘を継続することは困難となる。これにより、連荘発生後に非時短遊技状態が連続して生起された場合に連荘は終了する。このように、本実施形態による遊技機500では、後続保留によって時短大当たりに当選しなかった場合、通常当たり(通常大当たり、通常小当たり)が連続(連荘)した場合に、さらなる連荘の継続が困難となり、連荘が終了する。
本実施形態では、特2保留についての大役抽選では大当たりに当選しない場合にはほぼ確実に小当たりに当選可能であること(図67(b)参照)、時短回数が1回であること(図72参照)および特2保留数(X2)の最大値が1であること、の3つの要素の組み合わせによって、発生時の連荘回数が2回となる連荘を時短遊技状態中に高確率で生起させることができる。連荘回数は、連荘の進行状況、例えば連荘発生後に当選した当たり種別の状況に応じて増加可能である。このように、本実施形態による遊技機500は、複雑で変化に富んだゲーム性を提供し、遊技者の遊技に対する関心を高めることができる。
以下に、本実施形態による遊技機500の遊技性を実現するための、主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図74は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(SA100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(SA100)を行う。
(ステップSA100-1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
ステップSA100-3からステップSA100-9の処理は、上記第1実施形態におけるCPU初期化処理(図19)のステップS100-3からステップS100-9の処理と同様であるため、説明は割愛する。
(ステップSA100-11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップSA100-13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップSA100-19に処理を移す。
(ステップSA100-13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップSA100-15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップSA100-17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップSA100-19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップSA100-21)
メインCPU300aは、上記ステップSA100-19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップSA100-13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップSA100-23に処理を移す。
(ステップSA100-23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップSA100-25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップSA100-27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップSA100-29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
(ステップSA100-31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップSA100-33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップSA100-35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数-1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップSA100-37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップSA100-39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップSA100-41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップSA100-43)
メインCPU300aは、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップSA100-33から処理を繰り返す。
本実施形態における主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理)については、上記第1実施形態における処理(図22参照)と同様であるため、説明は省略する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図75は、本実施形態での主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。上記第1実施形態による遊技機100と同様に、本実施形態による遊技機500において、主制御基板300に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により所定周期(例えば4ミリ秒(4ms))でクロックパルスが発生すると、メインCPU300aは、CPU初期化処理(ステップSA100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理を実行する。
本実施形態において、タイマ割込み処理(SA400)のステップSA400-1からステップSA400-7の各処理は上記第1実施形態におけるタイマ割込み処理(図23)のステップS400-1からステップS4007の処理と同様であり、ステップSA400-9からステップSA400-13の各処理は上記第1実施形態におけるタイマ割込み処理のステップS400-15からステップS400-19の処理と同様であるため説明は省略する。
(ステップSA500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ123s、作動口検出スイッチ119s、大入賞口検出スイッチ125sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップSA600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理は、上記第1実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
(ステップSA700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、本実施形態における普通遊技管理処理は、普通遊技に係る入球口が可動片123bを有する第2始動口123であることを除いて上記第1実施形態と同様である。このため普通遊技管理処理の詳細な説明は省略する。
(ステップSA400-15)
上記第1実施形態におけるステップS400-21の処理と同様に、メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップSA400-17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、作動口検出スイッチ119s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ123s、大入賞口検出スイッチ125sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
また、メインCPU300aは、大入賞口125への遊技球の入球が適正になされたものであることを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットする。
ステップSA400-19からステップSA400-25の処理は、上記第1実施形態におけるステップS400-25からステップS400-31(図22参照)と同様であるため説明は省略する。
(ステップS400-25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド123c、大入賞口ソレノイド125cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
ステップSA400-27からステップSA400-31の処理は、上記第1実施形態におけるステップS400-35からステップS400-43(図22参照)と同様であるため説明は省略する。なお上述のように、本実施形態による遊技機500は、遊技の進行に設定値を用いない構成である。このため、本実施形態においてメインCPU300aは、ステップSA400-25のLED表示設定処理で性能表示器300dに設定値を表示する処理は行わない。
以下に、上記した本実施形態におけるタイマ割込み処理のうち、ステップSA500のスイッチ管理処理、ステップSA600の特別遊技管理処理中の各処理について、主に上記第1実施形態と異なる部分を説明する。
図76は、本実施形態での主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップSA500)を説明するフローチャートである。
(ステップSA500-1)
メインCPU300aは、作動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、作動口119を遊技球が通過して作動口検出スイッチ119sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、作動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップSA510に処理を移し、作動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップSA500-3に処理を移す。
(ステップSA510)
メインCPU300aは、作動口119への遊技球の入球に基づいて作動口通過処理を実行する。なお、この作動口通過処理は、遊技球が作動口119へ入球したことを実行契機とする点を除いて上記第1実施形態におけるゲート通過処理(図26)と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
(ステップSA500-3)
メインCPU300aは、上記第1実施形態におけるステップS500-3と同様に、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか否か判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップSA520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップSA500-5に処理を移す。
(ステップSA520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理は、上記第1実施形態におけるステップS520と同様である。このため詳細な説明は省略する。
(ステップSA500-5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口123に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ123sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップSA530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップSA500-7に処理を移す。
(ステップSA530)
メインCPU300aは、第2始動口123への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理は、上記第1実施形態におけるステップS530と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(ステップSA500-7)
メインCPU300aは、特別領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特別領域180に遊技球が進入して特別領域検出スイッチ181sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特別領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、特別領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップSA500-9に処理を移す。
(ステップSA540)
メインCPU300aは、特別領域180への遊技球の進入に基づいて特別領域通過処理を実行する。なお、この特別領域通過処理の詳細については後述する。
(ステップSA500-9)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、大入賞口125に遊技球が入球して大入賞口検出スイッチ125sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップSA500-11に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップSA500-11)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、大入賞口125への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、大入賞口125への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタおよび大役中入球数カウンタを1加算し、さらに大入賞口125に適正に遊技球が入球したことを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットして、当該スイッチ管理処理(ステップSA500)を終了する。
図77は、主制御基板300における特別領域通過処理(ステップSA540)を説明するフローチャートである。
(ステップSA540-1)
メインCPU300aは、小当たり遊技中か否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、小当たり遊技中か否かを示す小当たりフラグを参照し、参照した小当たりフラグに基づいて、小当たり遊技球であるか否かを判定する。小当たりフラグは、例えばメインRAM300cの所定の記憶領域(使用領域のうちのいずれか)に記憶されている。メインCPU300aは、小当たりフラグがオン状態であって小当たり遊技中であると判定すると、ステップSA540-3に処理を移す。一方、メインCPU300aは、小当たりフラグがオフ状態であって小当たり遊技中でないと判定すると、ステップSA540-5に処理を移す。
(ステップSA540-3)
メインCPU300aは、小当たり遊技中に特別領域180に遊技球が進入したことを示す特別領域進入フラグをオン状態に設定し、当該特別領域通過処理を終了する。特別領域進入フラグは、メインRAM300cにおける所定の記憶領域(使用領域中のいずれか)に記憶されている。
(ステップSA540-5)
メインCPU300aは、小当たりフラグがオンでないと判定した場合に進むステップSA540-5において、特別領域180への遊技球の進入が適切でない旨を報知するためのエラー処理を実行して当該特別領域通過処理を終了する。具体的には、メインCPU300aは、エラー処理として、上述の報知を行うためのエラーコマンドを副制御基板330に送信する。これによりエラーコマンドに基づいて、副制御基板330において、演出表示装置200や音声出力装置206、不図示の演出照明装置等の演出装置を用いたエラーの報知処理(エラー報知演出)が行われる。
図78は、本実施形態において、第1始動口通過処理(ステップSA520)および第2始動口通過処理において実行される取得時演出判定処理(ステップSA536)を説明するフローチャートである。以下、本実施形態における当該取得時演出判定処理の制御について、上記第1実施形態における取得時演出判定処理(図30参照)の制御と異なる箇所を主に説明する。
(ステップSA536-1)
メインCPU300aは、ステップS535-1でロードした特別図柄識別値に対応する大当たり決定乱数判定テーブル(図67(a)または図67(b)参照)のいずれかを選択する。そして、メインCPU300aは、選択したテーブルと、上記ステップSA535-13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりまたはハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。以下、この特別図柄当たり仮判定処理を、「仮大役抽選」と称する場合がある。
(ステップSA536-3)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップSA536-1の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりであった場合には、特別図柄乱数取得処理(図29参照)の上記ステップSA535-13で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(図68参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップSA536-3の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。
(ステップSA536-5)
メインCPU300aは、ステップS536-3でセーブした特別図柄判定データに対応する先読み図柄種別指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップSA536-7)
メインCPU300aは、詳しくは後述するように、上記ステップS535-13(図29参照)で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数が、複数の乱数識別範囲のうちのいずれの乱数識別範囲に含まれているかを示す乱数識別範囲指定コマンドを決定する。
(ステップSA536-9)
メインCPU300aは、上記ステップSA536-7で決定した乱数識別範囲指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップSA536-11)
メインCPU300aは、上記ステップSA536-3の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップSA536-13に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップSA536-15に処理を移す。
(ステップSA536-13)
メインCPU300aは、保留種別に基づいて特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図69(b)参照)または特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図69(c)参照)をセットし、ステップSA536-23に処理を移す。
ステップSA536-15からステップSA536-19の処理は、上記第1実施形態における取得時演出判定処理のステップS536-17からステップS536-21の処理と同様であるため、説明は省略する。なお、ステップSA536-17において、メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であると判定した場合にはステップSA536-19に処理を移し、リーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)ではないと判定した場合にはステップSA536-31に処理を移す。
(ステップSA536-21)
メインCPU300aは、上記ステップSA536-21で仮決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(図69(a)参照)をセットし、ステップS536-23に処理を移す。
(ステップSA536-23)
メインCPU300aは、上記ステップSA536-13または上記ステップSA536-21でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
(ステップSA536-25)
メインCPU300aは、上記ステップSA536-23で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップSA536-27)
メインCPU300aは、上記ステップSA536-23で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
(ステップSA536-29)
メインCPU300aは、上記ステップS536-27で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
(ステップS536-31)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンド(先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンド=7FH)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
本実施形態における特別遊技管理フェーズの種類および特別遊技管理処理は、上記第1実施形態における特別遊技管理フェーズ(図31参照)および特別遊技管理処理(図32参照)と同様であるため、説明は省略する。
図79は、本実施形態の主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップSA610-1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップSA610-7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップSA610-3に処理を移す。
(ステップSA610-3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップSA610-7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップSA610-5に処理を移す。
(ステップSA610-5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップSA610-7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610-1において、特別図柄2保留球数が「1」であると判定した場合には、第1記憶部に記憶されている特2保留を、処理対象となる第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610-3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップSA610-8)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別をロードするとともに、保留種別に応じた大当たり決定乱数判定テーブル(図67(a)、図67(b)参照)を選択して大当たりか否かの判定を行い、その判定結果を記憶する特別図柄大当たり判定処理を実行する。
(ステップSA610-9)
メインCPU300aは、特別図柄大当たり判定処理の結果が大当たりか否かを判定する。メインCPU300aは、特別図柄大当たり判定処理の結果が大当たりであると判定するとステップSA610-11の処理に移る。一方、メインCPU300aは、特別図柄大当たり判定処理の結果が大当たりでないと判定するとステップSA610-10の処理に移る。
(ステップSA610-10)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、をロードするとともに、上記ステップSA610-7の特別図柄大当たり判定処理で用いた大当たり決定乱数判定テーブルを用いて小当たりに当選しているか否かを判定してその判定結果を記憶する特別図柄小当たり判定処理を実行する。本実施形態において、ステップSA610-8の特別図柄大当たり判定処理および本ステップSA610-10の特別図柄小当たり判定処理を総称して大役抽選という。大役抽選により、大当たり、小当たりおよびハズレのいずれかの大役抽選結果が導出される。なお、特別図柄小当たり判定処理には、小当たりに該当する大当たり決定乱数の比較数値範囲を格納した小当たり判定テーブルを用いてもよい。また、本実施形態において、特1保留に対応する大当たり決定乱数判定テーブルには、小当たりに該当する比較数値範囲が格納されていない。このため、保留種別が特1保留である場合には、特別図柄小当たり判定処理において小当たりと判定されることはない。
(ステップSA610-11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップSA610-9およびステップSA610-10の大役抽選結果(特別図柄大当たり判定処理および特別図柄小当たり判定処理の結果)が大当たりまたは小当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄または小当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップSA610-9の大役抽選結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップSA610-13)
メインCPU300aは、上記ステップSA610-11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップSA611)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップSA610-15)
メインCPU300aは、上記ステップSA611で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップSA610-17)
メインCPU300aは、上記ステップSA610-9およびステップSA610-10における大役抽選結果が大当たりまたは小当たりであるか否かを判定し、大当たりまたは小当たりであった場合には、上記ステップSA610-11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄または小当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、特別図柄に対応する遊技状態を判定し、その判定結果を特別図柄状態予備フラグにセーブする。また、ここでは、大当たり当選時に設定されている遊技状態が記憶される。
(ステップSA610-19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップSA610-21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップSA610-7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップSA610-23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図80は、本実施形態の主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップSA611-1)
メインCPU300aは、上記ステップSA610-9およびステップSA610-10における大役抽選の結果が大当たり又は小当たりであるかを判定する。その結果、大当たり又は小当たりであると判定した場合にはステップSA611-3に処理を移し、大当たり又は小当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップSA611-5に処理を移す。
(ステップSA611-3)
メインCPU300aは、大当たり図柄の種別、保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル、または小当たり図柄の種別、保留種別に対応する小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップSA611-5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップSA611-7)
メインCPU300aは、現在の変動状態、上記ステップSA611-5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップSA610-7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップSA611-9)
メインCPU300aは、上記ステップSA611-7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップSA611-11)
メインCPU300aは、上記ステップSA611-3または上記ステップSA611-9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップSA610-7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップSA611-13)
メインCPU300aは、上記ステップSA611-11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップSA611-15)
メインCPU300aは、上記ステップSA611-11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップSA610-7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップSA611-17)
メインCPU300aは、上記ステップSA611-15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図81は、本実施形態の主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップSA630-1)
メインCPU300aは、ステップS620-21(図35参照)でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップAS630-3に処理を移す。
(ステップSA630-3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップSA630-5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果がハズレであるかを判定する。その結果、ハズレであると判定した場合にはステップSA630-12に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップSA630-7に処理を移す。
(ステップSA630-7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための普通図柄時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する普通図柄時短状態フラグをセットする。これにより、特別図柄が時短遊技状態である場合に、大当たりまたは小当たりに当選することなく時短回数に相当する所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップSA630-9)
メインCPU300aは、変動状態を更新する変動状態更新処理を実行する。
(ステップSA630-11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップSA630-12)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップSA630-17に処理を移し、大当たりでなく小当たりであると判定した場合にはステップSA630-13に処理を移す。
(ステップSA630-13)
メインCPU300aは、小当たり遊技が開始されることに基づいて、小当たりフラグをオン状態に設定し、ステップS630-17に処理を移す。
(ステップSA630-15)
メインCPU300aは、大役抽選結果がハズレであること(ステップSA630-5のYES)に基づいて特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップSA630-17)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップSA630-19)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップSA630-17でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技または小当たり遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップSA630-21)
メインCPU300aは、上記ステップSA630-17でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップSA630-23)
メインCPU300aは、大役遊技または小当たり遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップSA630-25)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
図82は、本実施形態の主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップSA640-1)
メインCPU300aは、上記ステップSA630-21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640-3に処理を移す。
(ステップSA640-3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップSA640-5)
メインCPU300aは、大入賞口125の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップSA641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップSA640-7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図83は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップSA641-1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップSA641-3に処理を移す。
(ステップSA641-3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、大入賞口ソレノイド125cを通電制御するためのソレノイド制御データと、大入賞口ソレノイド125cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップSA641-5)
メインCPU300aは、上記ステップSA641-3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、大入賞口ソレノイド125cの通電を開始するか、または、大入賞口ソレノイド125cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップSA400-33およびステップSA400-35において、第1大入賞口ソレノイド126cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップSA641-7)
メインCPU300aは、上記ステップSA641-3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口125の1回の最大開放時間となる。
(ステップSA641-9)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド125cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップSA641-5において、大入賞口ソレノイド125cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップSA641-11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップSA641-11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップSA641-13)
メインCPU300aは、小当たり遊技の開始時か否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が1であり、かつ小当たりフラグがオン状態である場合に小当たり遊技の開始時であると判定して、ステップSA641-15に処理を移す。一方、メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が1でない又は小当たりフラグがオン状態でない場合に小当たり遊技の開始時でないと判定して、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップSA641-15)
メインCPU300aは、小当たり遊技の開始時であると判定されたことに基づいて、特別領域180の開閉部材180bの通電を開始して、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。特別領域180の開閉部材180bは、小当たり遊技の開始時において通電が開始されて開状態となると、小当たり遊技の終了時(本例では、エンディング時間の終了時)まで開状態が維持される。
図84は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップSA650-1)
メインCPU300aは、上記ステップSA641-7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップSA650-5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップSA650-3に処理を移す。
(ステップSA650-3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であると判定した場合にはステップSA650-7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップSA641に処理を移す。
(ステップSA641)
上記ステップS650-3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上述したステップS641の大入賞口開閉切替え処理を実行する。
(ステップSA650-5)
メインCPU300aは、上記ステップSA500-11で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口125に1ラウンド中(1回の開放中)の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合には大入賞口入賞球数カウンタを0に戻して(初期化して)ステップSA650-7に処理を移す。
(ステップSA650-7)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド125cの通電を停止して大入賞口125を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口125が閉鎖状態となる。
(ステップSA650-9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップSA650-11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップSA650-13)
メインCPU300aは、大入賞口125が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
本実施形態の主制御基板300において特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される大入賞口閉鎖有効処理は、上記第1実施形態における大入賞口閉鎖有効処理(図40参照)と同様であるため、説明は省略する。
図85は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップSA670-1)
メインCPU300aは、上記ステップS660-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではなく、エンディング時間中であると判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。一方、メインCPU300aは、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であってエンディング時間が終了したと判定した場合にはステップSA670-3に処理を移す。
(ステップSA670-3)
メインCPU300aは、小当たり遊技の終了時か否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、エンディング時間の終了時であり且つ小当たりフラグがオン状態である場合に、小当たり遊技の終了時であると判定してステップSA670-11に処理を移す。一方、メインCPU300aは、エンディング時間の終了時に小当たりフラグがオフ状態である場合に、小当たり遊技の終了時でないと判定してステップSA670-5に処理を移す。
(ステップSA670-5)
メインCPU300aは、特別領域180の開閉部材180aの通電を停止して開閉部材180aを閉状態にするための特別領域閉鎖処理を実行する。これにより、小当たり遊技のエンディング時間が終了したこと、つまり小当たり遊技が終了したことに基づいて特別領域180が閉鎖される。
(ステップSA670-7)
メインCPU300aは、小当たり遊技の終了に基づいて小当たりフラグをオフ状態に設定する。
(ステップSA670-9)
メインCPU300aは、小当たり遊技中において遊技球の特別領域180への進入が検出されたか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、特別領域進入フラグを参照し、特別領域進入フラグがオン状態である場合に遊技球が特別領域180に進入したと判定してステップSA670-17に処理を移す。一方、メインCPU300aは、特別領域進入フラグがオフ状態である場合に遊技球が特別領域180に進入していないと判定してステップSA670-11に処理を移す。
(ステップSA670-11)
メインCPU300aは、大役遊技または小当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。本実施形態では、小当たり遊技中に遊技球の特別領域180の通過が検出されなかった場合、小当たり遊技の終了時において遊技状態の設定に係る処理を行う。ここでは、大役遊技または小当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄、小当たり図柄)に基づいて、大役遊技または小当たり遊技終了後の遊技状態が設定される。具体的には、メインCPU300aは、大役遊技または小当たり遊技の実行契機となった当たり図柄が特別図柄F,H,bである場合には、時短遊技状態に設定(普通図柄時短状態フラグに「1」をセット)する。普通図柄時短状態フラグは、セットされた値(「0」または「1」)によって遊技状態が非時短遊技状態(「0」)であるか時短遊技状態(「1」)であるかを識別するためのフラグである。普通図柄時短状態フラグは、例えばメインRAM300cの所定の記憶領域に記憶されている。また、大役遊技または小当たり遊技の実行契機となった当たり図柄が特別図柄E,G,aである場合には、非時短遊技状態に設定する(普通図柄時短状態フラグを「0」にセット)。
(ステップSA670-13)
メインCPU300aは、大役遊技または小当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップSA670-15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
(ステップSA670-17)
メインCPU300aは、大役遊技再開処理を実行する。大役遊技再開処理は、小当たり遊技中における遊技球の特別領域180への進入に基づいて、大入賞口125を開閉する大役遊技を開始するための処理である。大役遊技再開処理では、特別図柄停止図柄表示処理(図81参照)におけるステップSA630-17からステップSA630-25までの処理を実行する。具体的には、大役遊技再開処理においてメインCPU300aは、終了した小当たり遊技に対応する小当たり図柄に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。次いで、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(ラウンド数)をセットし、特別遊技タイマにオープニング時間をセーブする。さらに、メインCPU300aは、遊技球が特別領域180を通過したことに基づく大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットし、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。これにより、大入賞口終了ウェイト処理後に、再度、特別遊技管理フェーズが「03H」に設定されて、特別領域180への遊技球の入球に基づく大役遊技が実行される。なお、本実施形態において、オープニング指定コマンドには、開始される大役遊技が特別領域180への遊技球の入球に基づくものであることを示す情報が含まれていてもよい。
(ステップSA670-19)
メインCPU300aは、特別領域進入フラグをオフ状態に設定して、当該小当たり遊技終了制御処理を終了する。
(普通遊技)
既に説明したとおり、本実施形態では、作動口119への遊技球の入球を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行される。主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を上記第1実施形態と同様に普通遊技管理フェーズによって管理している。本実施形態における当該普通遊技制御モジュールは、普通遊技に係る入球口が、普通電動役物ソレノイド123cにより開閉される可動片123bを有する第2始動口123である点を除いて上記第1実施形態と同様である。このため、普通遊技制御モジュールの説明は省略する。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、大役抽選の抽選結果を報知する変動演出について説明する。
(演出図柄)
図86は、演出図柄210a、210b、210cを説明する図である。上記したように、主制御基板300では、大役抽選が行われると、変動モード番号および変動パターン番号が決定され、変動コマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330では、受信した変動コマンドに基づいて変動演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンで変動演出を実行制御する。
変動演出の実行パターンは多数設けられているが、いずれも、演出表示部200aに、3つの図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示された後に、いずれかの演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示され、演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選の結果が報知される点で共通している。
図86(a)に示すように、本例において図柄構成群210Aは、1~9の数字が記された9種類の演出図柄210aで構成されている。また、図柄構成群210B、210Cも、図柄構成群210Aと同様、それぞれ9種類の演出図柄210b、210cで構成されている。
詳しくは後述するが、変動演出では、演出表示部200aにおいて、図柄構成群210A、210B、210Cが同時に上方から下方に向けてスクロール表示された後に、最終的にいずれか1つの演出図柄210a、210b、210cが、演出表示部200aに停止表示されたり、あるいは、スクロール表示されることなく、いずれか1つの演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示されたりする。
そして、大役抽選によって大当たりまたは小当たりに当選した場合には、図86(b)に示すように、当たり図柄(大当たり図柄、小当たり図柄)として、特別図柄E~H,a,bが決定される。大当たりまたは小当たりに当選した場合、つまり、大当たりまたは小当たりの当選を報知する変動演出では、最終的に、演出表示部200aにおいて、一直線上に同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示される。
本実施形態において、非時短遊技状態を生起する通常当たりに対応する特別図柄E,G,aが決定された場合には、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数の数字が記された演出図柄210a、210b、210c(以下、単に「偶数図柄」と呼ぶ)が停止表示される。一方、時短遊技状態を生起する時短当たりに対応する特別図柄F,H,bが決定された場合には、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数の数字が記された演出図柄210a、210b、210c(以下、単に「奇数図柄」と呼ぶ)が停止表示される。
また、大役抽選の結果がハズレであった場合、つまり、ハズレ図柄が決定された場合には、演出表示部200aにおいて、最終的に、全て同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示されることはない。なお、本実施形態において図柄構成群210A~210Cは、1~9の数字が記された演出図柄210a、210b、210cで構成されるが、本発明において演出図柄に記される数値は1~9に限られない。例えば、図柄構成群210A~210Cは、1~7の数字が記された演出図柄210a、210b、210cで構成されていてもよい。
本実施形態による遊技機500は、図柄構成群210A~210Cの各演出図柄(演出図柄210a,210b,210c)において数字とともにキャラクタや記号等の装飾画像を表示することで、図柄構成群210A~Cのそれぞれを構成する各演出図柄を遊技者が容易に識別することができるように構成されてもよい。また、遊技機500は、各演出図柄の表示態様が変化可能に構成されてもよい。ここで、演出図柄の表示態様とは、例えば演出図柄210a,210b,210cの表示色(数字の表示色)や装飾画像の態様を示す。遊技機500は、演出図柄の表示態様を変化させることにより、例えば変動演出において、遊技の展開や当たりの期待度(当たりが報知される可能性)等を遊技者に報知(示唆)する種々の報知演出を行うことができる。
(演出モード)
本実施形態では、遊技中における演出(例えば変動演出)の態様を分類して制御、管理するための演出モードが複数設けられている。副制御基板330においてサブCPU330aは、複数の演出モードのうち設定中の演出モードに従って演出を実行可能である。つまり、遊技機500において、これら複数の演出モードの中から、主制御基板300で設定されている遊技状態等に応じて、いずれかの演出モードが設定され、副制御基板330のサブCPU330aは、当該設定されている演出モードに対応する変動演出の態様を決定する。
具体的には、演出表示部200aに表示される背景画像や、演出図柄210a、210b、210cの表示態様(例えば変動表示態様や停止表示態様)等の変動演出態様が、演出モードごとに設けられている。そして、設定されている演出モードを参照して、当該設定中の演出モードに対応する変動演出態様が決定される。したがって、例えば演出モードが遊技状態と対応付けられている場合、演出表示部200aには主制御基板300において設定されている遊技状態に応じた演出モードに応じて、異なる画像が表示されることとなる。このため、遊技者は、演出表示部200aに表示される画像等の演出態様によって、現在の遊技状態、例えば、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを把握することが可能となる。なお、演出モードに従って決定される演出態様には、演出表示部200aの表示態様以外に、演出照明装置204の点灯態様や、音声出力装置206から出力される音声(BGM等)、演出役物装置202の可動態様が含まれてもよい。本実施形態による遊技機500では、例えば遊技状態(時短遊技状態、非時短遊技状態)に対応する演出モードが複数種類用意されている。なお、以降、演出モードを単に「モード」と称する場合がある。
(有利度モードの一例)
ここで、本実施形態における演出モードのうち、遊技状態に応じた有利度を報知するための演出モードとして複数種類の有利度モードが設けられている。ここで、図87を用いて遊技状態と有利度モードにおける各モードとの対応について説明する。図87は、有利度モードと遊技状態との対応関係を、一覧形式で示す図である。図87に示すように、本実施形態において遊技状態に対応する有利度モード(遊技モードの一例)として、時短モード(第3の遊技モードの一例)、非時短特定モード(第2の遊技モードの一例)および非時短復帰モード(第1の遊技モードの一例)がある。
まず、本実施形態における遊技状態と有利度との対応について説明する。
本実施形態による遊技機500では、遊技状態に応じて有利度が異なるように構成されている。つまり、遊技状態は有利度を表す状態でもある。ここで、有利度とは、例えば遊技者にとって有利な当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の実行や連荘の発生(継続)の可能性を示す。上述したように、時短遊技状態が設定されると、第2始動口123の始動領域(第2始動領域)への遊技球の進入が容易となる。
このため、特2保留による大役抽選の機会が生じやすい状態となっている。また、本実施形態において、第2始動口123への入球に基づく特2保留についての大役抽選では、大当たりまたは小当たりのいずれかに当選可能である(図67(b)参照)。このため、本実施形態による遊技機500における時短遊技状態は、非時短遊技状態と比較して大役抽選において当たり(大当たり、小当たり)が導出され易い状態となっている。このため、時短遊技状態においては、高確率で新たな特2保留が記憶されて連荘が発生(継続)する。つまり、時短遊技状態は、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の実行や連荘の発生(継続)の可能性が高く、有利度が高い状態である。
一方、非時短遊技状態については、連荘発生後における残り保留消化期間(連荘における後続保留についての大役抽選に係る期間)が発生しているか否かに応じて有利度が異なる。ここで理解を容易にするため、有利度を示す場合において、残り保留消化期間が生じている非時短遊技状態を「特定非時短遊技状態」と称し、残り保留消化期間が生じていない通常の非時短遊技状態と区別する。なお、特定非時短遊技状態は、残り保留消化期間が生じていることで通常の非時短遊技状態と比べて有利な状態であることを示す便宜上の遊技状態であって、主制御基板300における特別遊技の制御に係る遊技状態ではない。
ここで、残り保留消化期間が発生している特定非時短遊技状態とは、連荘の発生中において1回目の通常当たり後に生起された非時短遊技状態に相当する。上述のように、本実施形態において、連荘の発生後に複数回(本例では、2回)連続して通常当たりに当選すると、連荘が終了することとなる。つまり、1回目の通常当たり後における特定非時短遊技状態では、残り保留による大役抽選結果によって導出される当たりの種別(時短当たりまたは通常当たり)に基づいて連荘が継続するか否かが分岐する。つまり、特定非時短遊技状態は、有利度が分岐する状態でもある。
特定非時短遊技状態および通常の非時短遊技状態は、特別遊技の制御に係る遊技状態としてはいずれも非時短遊技状態であって普図低確率遊技状態に相当する。このため、第2始動口123への遊技球の進入が困難であって、新たな特2保留に基づく大役抽選によって当たり導出され易い状態ではない。つまり、特定非時短遊技状態は、通常の非時短遊技状態と比較して第2始動口123の始動領域(第2始動領域)への遊技球の進入が容易な状態ではない。
したがって、新たな特2保留の記憶により連荘を発生(継続)させることが困難である点において、特定非時短遊技状態および通常の非時短遊技状態は、時短遊技状態よりも有利度が低い状態である。つまり、特定非時短遊技状態と通常の非時短遊技状態とは、連荘発生(継続)に関する有利度は同等である。
ただし、特定非時短遊技状態では、非時短遊技状態における例外として、時短遊技状態中に記憶された後続特2保留による大役抽選が、残り保留消化期間において実行される。このため、非時短遊技状態ではほぼ確実に当たりに当選して当たり遊技が実行される。また、特定非時短遊技状態では、後続特2保留による大役抽選の結果が時短当たりである場合に、連荘を新たに発生させることが容易な時短遊技状態を生起可能である。一方、通常の非時短遊技状態では特2保留についての大役抽選が実行される確率は低いため、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行される確率も低くなっている。したがって、非常に高確率で当たりに当選し、当該当たりが時短当たりの場合に時短遊技状態を新たに生起可能である点において、特定非時短遊技状態は、通常の非時短遊技状態よりも有利度が高くなっている。
したがって、特定非時短遊技状態は、第2始動口123への遊技球の進入容易性関しては通常の非時短遊技状態と同等であり、後続特2保留に基づく当たり当選による当たり遊技の実行確率については通常の非時短遊技状態よりも有利な状態であるといえる。つまり、特定非時短遊技状態は、通常の非時短遊技状態と同等または通常の非時短遊技状態よりも有利な状態である。
このように、本実施形態による遊技機500は、遊技状態と残り保留消化期間の発生有無に基づいて遊技者にとっての有利度が異なるように構成されている。本実施形態において、遊技状態に対応する有利度は、例えば遊技中において遊技者に有利度を報知する場合(例えば報知演出等の実行時)に用いられる。したがって、遊技状態および残り保留消化期間の発生有無に基づく各遊技状態の有利度の判定は、主制御基板300から送信された各主コマンド等に基づいて、副制御基板330において行われる。
図87に示すように、有利度モードのうち時短モードは、時短遊技状態に対応するモードである。したがって、時短モードは、遊技状態が時短遊技状態であって第2始動口123の始動領域(第2始動領域)への遊技球の進入が容易な状態に相当する。また、時短モードは、遊技状態が時短遊技状態であって特2保留による大役抽選によって当り(大当たり、小当たり)が導出され易い状態に相当する。つまり、時短モードは、有利度が高い状態において設定される演出モードである。演出モードが時短モードである場合、時短モードに対応付けられた演出態様(背景画像や演出図柄210a、210b、210cの変動表示態様、停止表示態様等)での変動演出が実行される。これにより、遊技機500は、例えば演出表示部200aに表示された画像等により、現在が時短遊技状態であって有利度が高い状態であることを遊技者に報知することができる。
また、図87に示すように、有利度モードのうち非時短特定モードは、特定非時短遊技状態に対応するモードである。したがって、非時短特定モードは、遊技状態が特定非時短遊技状態であって連荘期間において有利度が分岐する状態において設定される演出モードである。また、特定非時短遊技状態は、特別遊技に係る遊技状態が非時短遊技状態であるため、第2始動口123の始動領域(第2始動領域)への遊技球の進入が容易な状態ではない。このため、特定非時短遊技状態は、上述のように新たに記憶された特2保留による大役抽選において当たりが導出され易い状態ではない。ただし、時短遊技状態中に記憶された後続特2保留についての大役抽選が実行されるため、当該大役抽選結果として当たりが導出されることとなる。演出モードが非時短特定モードである場合、変動演出において非時短特定モードに対応付けられた変動演出態様が実行される。これにより、遊技機500は、例えば演出表示部200aに表示された画像等により、特定非時短遊技状態であって有利度が分岐する状態であることを遊技者に報知することができる。
また、図87に示すように、有利度モードのうち非時短復帰モードは、通常の非時短遊技状態に対応する演出モードである。より具体的には、本実施形態において残り保留消化期間が終了して遊技状態が非時短遊技状態のうちの特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態に復帰した場合に非時短復帰モードが設定される。通常の非時短遊技状態は、特別遊技に係る遊技状態が非時短遊技状態であるため、第2始動口123の始動領域(第2始動領域)への遊技球の進入が容易な状態ではない。このため、通常の非時短遊技状態は上述のように新たに記憶された特2保留による大役抽選において当たりが導出され易い状態ではない。また、残り保留消化期間が終了しているため、時短遊技状態中に記憶された特2保留も存在しない。したがって、非時短復帰モードは、連荘中に通常当たりに連続して当選することで連荘が終了し、連荘の継続が困難となった状態、すなわち有利度が低くなった状態において設定される演出モードである。演出モードが非時短復帰モードである場合、非時短復帰モードに対応付けられた変動演出態様が実行される。これにより、遊技機500は、例えば演出表示部200aに表示された画像等により、特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態に復帰した状態であって有利度が低くなっていることを遊技者に報知することができる。
本実施形態において、時短遊技状態の生起からの所定期間を連荘期間という。時短遊技状態中には、第2始動口123への入球を狙って右打ちが行われることが常態である。したがって、時短遊技状態が生起されている場合、通常、特2保留が特2保留数(X2)の最大値(本例では1個)まで記憶されて連荘が発生(既に発生している場合は継続)すると想定される。主制御基板300での右打ち報知表示器172の点灯制御に応じて、演出表示部200aにおいて遊技者に右打ちを促すメッセージ等を表示する右打ち示唆演出を実行してもよい。
例えば、連荘期間は、有利度に係る遊技状態が通常の非時短遊技状態に復帰した後の最初の変動演出が終了することによって終了する。本実施形態における有利度モードは、連荘期間において設定され得る演出モードである。図示は省略するが、連荘期間以外の期間においては、非時短遊技状態に対応する演出モードとして非時短通常モードが設定される。なお、非時短通常モードは複数種類容易されていてもよい。この場合、例えば通常の非時短遊技状態における変動演出の開始時において、複数の非時短通常モードから抽選によって一の設定対象のモードを決定してもよい。
本実施形態において連荘の開始後は、特2保留についての大役抽選結果における当たりの種別(時短当たり、通常当たり)に応じて連荘の継続状況が異なり、有利度や遊技の展開といったゲーム性が変化に富んだ複雑なものとなる。このため、遊技者がゲーム性を十分に理解していない場合、有利な状態であるにも関わらず遊技に対する期待感が向上されなかったり、遊技者が遊技を中断したりする事象が起こり得る。この場合、遊技者は、本来得られるはずの利益(例えば、当たり遊技の実行による賞球等)や、遊技の楽しさを十分に得られないことになる。そこで、本実施形態による遊技機500は、遊技者の連荘に係るゲーム性の理解を促進するため、連荘期間における有利度モードの設定中において有利度に応じた演出態様(演出図柄の表示態様パターンや、背景画像等)による有利度報知演出を行う。これにより、遊技機500は、現在の遊技における有利度を適切に遊技者に伝達して遊技展開の理解を容易にし、連荘に係る利益の損失を防止することができる。さらに、遊技機500は、今後の遊技の展開への期待や遊技の継続意欲を向上させることができる。
図87に示すように、本実施形態において各遊技状態(非時短遊技状態における内部的な有利度を示す特定非時短遊技状態を含む)と有利度モードの各モードとは、1対1で対応するよう構成される。このため、本実施形態による遊技機500は、各有利度モードに対応する演出態様の実行によって遊技者に現状の有利度を明確に報知可能である。したがって、遊技機500は、遊技者による連荘に関するゲーム性の理解を促進させることができる。
ここで、本実施形態における有利度モードの各種別間における有利度の高低について説明する。ここで、各種別間における有利度とは、有利度モードの各種別において報知可能な有利度を示す。図87に示すように、時短モードは、時短遊技状態中であって連荘の発生が容易である場合に設定されるモードであるため、3種類の有利度モードの各種別のうち、有利度が最も高いモードに相当する。
また、図87に示すように、非時短特定モードおよび非時短復帰モードはいずれも、変動演出の開始時において特別遊技の制御に係る遊技状態が非時短遊技状態である場合に設定されるモードである。このため、非時短復帰モードおよび非時短特定モードは、新たに記憶された特2保留による大役抽選において当たりが導出され易い状態ではなく、連荘発生(継続)が困難である場合に設定される演出モードである点において、非時短特定モードと非時短復帰モードとは有利度が同等である。また、特定非時短遊技状態に対応する非時短特定モードは、通常の非時短遊技状態に対応する非時短復帰モードと比較して、第2始動口123の始動領域(第2始動領域)への遊技球の進入が容易な状態ではない。
一方、非時短特定モードは、残り保留消化期間において後続特2保留の大役抽選が実行される状態(特定非時短遊技状態)に対応して設定される。つまり、非時短特定モードが設定されている場合、非時短遊技状態において例外的に、特2保留についての大役抽選が実行されて非常に高確率で当たり(時短当たり、通常当たり)が導出される(図67(b)参照)。これに対し、非時短復帰モードは、非時短遊技状態のうち通常の非時短遊技状態である場合に設定される。つまり、非時短復帰モードが設定されている場合、残り保留期間が終了して後続特2保留が消化済みであり、大役抽選(例えば特1保留による大役抽選)が実行されるとしても、当たり(時短当たり、通常当たり)が導出される確率は、非時短特定モードに比べて非常に低くなっている(図67(a)参照)。
したがって、非時短特定モードは、特定非時短遊技状態に対応しているため、非常に高確率で当たりに当選する場合に設定される点、時短当たりに当選した場合には時短遊技状態が生起されて時短モードに移行可能である点において、非時短復帰モードよりも有利度が高いモードにも相当する。つまり、非時短特定モードは、報知可能な有利度が非時短復帰モードと同等または報知可能な有利度が非時短復帰モードよりも高い(有利な)状態である。
このように、本実施形態による遊技機500には、遊技者にとっての有利度に関する複数(本例では3つ)の有利度モードが設けられている。また、本実施形態において、複数の有利度モードには、非時短復帰モードと、報知される有利度が非時短復帰モードと同等または報知される有利度が非時短復帰モードよりも高い非時短特定モードと、報知される有利度が非時短特定モードより高い時短モードとが含まれる。
本実施形態において、副制御基板330では、例えば当たり遊技の実行後に主制御基板300において新たな遊技状態が生起されることに伴って、連荘有利度モードの設定に関する制御が実行される。当該制御では、遊技状態の生起状況と残り保留消化期間の発生状況との組み合わせによる所定条件に応じて、有利度モードの設定制御を行う。これにより、遊技状態の遷移や連荘の進行状況に応じて、設定中の有利度モードを適切に遷移させることができる。当該制御についての詳細は、後述する。
次に、有利度モードの設定中の演出(本例では有利度報知演出)として演出表示部200aに表示される演出図柄の表示態様について、図88を用いて説明する。図88は、有利度モードに含まれる各モード(時短モード、非時短特定モードおよび非時短復帰モード)と、演出図柄210a,210b,210c(図86(a)参照)の表示態様(本例では、表示色)との対応関係を、一覧形式で説明する図である。
図88の上から1行目において「有利度モード」欄には、左から有利度モードの各種別、すなわち時短モード、非時短特定モード、および非時短復帰モードがこの順に記載されている。図88の上から2行目において「奇数図柄表示色」欄には、奇数図柄(「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の表示色として「金」および「緑」の2つの表示態様が記載されている。また、図88の上から3行目において「偶数図柄表示色」欄には、偶数図柄(「2」、「4」、「6」、「8」)の表示色として「赤」、「緑」の2つの表示態様が記載されている。
図88に示すように、有利度モードのうち時短モードには、奇数図柄の表示態様として表示色「金」が対応付けられ、偶数図柄の表示態様として表示色「赤」が対応付けられている。また、有利度モードのうち非時短特定モードには、奇数図柄の表示態様として表示色「金」が対応付けられ、偶数図柄の表示態様として表示色「緑」が対応付けられている。また、有利度モードのうち、非時短復帰モードには、奇数図柄または偶数図柄に関わらず演出図柄の表示態様として表示色「緑」が対応付けられている。なお、図88に示す表示色は、一例であって、本発明において有利度モードの各モードに対応する演出図柄の表示色はこれに限られない。例えば、非時短復帰モードにおいても、奇数図柄の表示態様として表示色「金」が対応付けられていてもよい。
上述のように本実施形態では、変動演出終了時において時短当たり(特別図柄F,H,bによる当たり)が報知される場合、演出表示部200aにおいて同一数値の奇数図柄が停止表示される。したがって、有利度モードのうち時短モードの設定中において時短当たりが報知される場合、演出表示部200aには、同一数値の奇数図柄が表示色「金」の停止表示態様(以下、「金図柄揃い態様」と称する)で表示される。有利度モードのうち非時短特定モードの設定中も同様である。
つまり、本実施形態において、時短モード中および非時短特定モード中は、演出図柄の表示色に係る停止表示態様(報知態様の一例)が金図柄揃い態様(第3の報知態様の一例)であることにより、時短遊技状態が生起されて有利度が高い状態(例えば連荘発生(継続)が容易な状態)に移行することが遊技者に報知される。具体的には、時短遊技状態の生起により高確率で新たな特2保留が記憶されて連荘回数を増加可能であることが報知される。なお、時短当たりで増加可能な連荘回数は、遊技状態によって異なっている。例えば、時短モード中(時短遊技状態中)であれば新たに生起される時短遊技状態において連荘回数が1回増加される。また、非時短特定モード中(特定非時短遊技状態中)であれば、新たに生起される時短遊技状態において連荘回数が2回増加される。
また、停止表示態様のうち金図柄揃い態様は、有利度モードが時短モードに移行する可能性(例えば、移行確率)を報知する停止表示態様に相当する。本例では、時短遊技状態が生起されることに伴い、有利度モードは時短モードに移行する。このため、金図柄揃い態様は、当該態様での演出図柄の停止表示実行後に有利度モードが時短モードに移行すること、すなわち時短モードへの移行確率が100%であることを報知する停止表示態様である。なお、本発明はこれに限られず、例えば金図柄揃いの停止表示態様は、時短モードへの移行確率が50%以上であることを示すものであってもよい。また、厳密には時短モード中における金図柄揃い態様は、有利度モードが時短モードに維持されることを示す。
また、本実施形態では、変動演出終了時において通常当たり(特別図柄E,G,aによる当たり)が報知される場合、演出表示部200aにおいて同一数値の偶数図柄が停止表示される。したがって、有利度モードのうち時短モードの設定中、つまり時短遊技状態中において通常当たりが報知される場合、演出表示部200aには、同一数値の偶数図柄が表示色「赤」の停止表示態様(以下、「赤図柄揃い態様」と称する)で表示される。
つまり、本実施形態において、時短モード中は、演出図柄の停止表示態様(報知態様の一例)が赤図柄揃い態様(第2の報知態様の一例)であることにより、連荘期間開始後の通常当たりに基づいて非時短遊技状態が生起され、かつ残り保留消化期間が発生すること、つまり特定非時短遊技状態となることが遊技者に報知される。つまり、赤図柄揃い態様により、有利度が高い状態(本例では時短遊技状態)から有利度が分岐する状態(本例では特定非時短遊技状態)に移行することが遊技者に報知される。また、特定非時短遊技状態に移行した場合、後続特2保留についての大役抽選が実行されるため、当たりに当選することが確実である。したがって、時短モード中における赤図柄揃い態様が実行されることにより、少なくとも、さらに1回は当たりに当選可能であることが遊技者に報知される。
また、停止表示態様のうち赤図柄揃い態様は、遊技状態の移行に伴い有利度モードが時短モードから非時短特定モードに移行する可能性を報知する停止表示態様に相当する。本例では、特定非時短遊技状態の発生に伴い、有利度モードは非時短特定モードに移行する。このため、赤図柄揃い態様は、非時短特定モードへの移行確率が100%であることを報知する停止表示態様である。つまり、赤図柄揃い態様は、当該態様での演出図柄の停止表示実行後に、有利度モードが非時短特定モードに移行する割合が時短モードに移行する割合より高いことを報知する。さらに、赤図柄揃い態様は、当該態様での演出図柄の停止表示実行後に、有利度モードが非時短特定モードに移行する割合が非時短復帰モードに移行する割合より高いことを報知する。なお、本発明はこれに限られず、例えば赤図柄揃いの停止表示態様は、非時短特定モードへの移行確率が50%以上であることを示すものであってもよい。
このように、本実施形態において、時短モード中は、変動演出において演出図柄210a,210b,210cが金図柄揃い、または赤図柄揃いのいずれかで停止表示される。
また本実施形態では、有利度モードのうち非時短特定モードの設定中、つまり特定非時短遊技状態中において通常当たりが報知される場合、演出表示部200aには、同一数値の偶数図柄が表示色「緑」の停止表示態様(以下、「緑図柄揃い態様」と称する)で表示される。
つまり、本実施形態において、非時短特定モード中は、演出図柄の停止表示態様(報知態様の一例)が緑図柄揃い態様(第1の報知態様の一例)であることにより、通常当たりに基づいて非時短遊技状態が生起され、かつ連荘期間中に連続して通常当たりに当選したことにより残り保留消化期間が終了すること、すなわち特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態に移行することが遊技者に報知される。つまり、緑図柄揃い態様によって、有利度が分岐している状態(特定非時短遊技状態)から有利度が低い状態(本例では連荘の発生が困難な通常の非時短遊技状態)に移行することが遊技者に報知される。また、停止表示態様のうち緑図柄揃い態様は、有利度モードが非時短特定モードから非時短復帰モードに移行する可能性を報知する停止表示態様に相当する。
本例では、通常の非時短遊技状態の発生に伴い、有利度モードは非時短復帰モードに移行する。このため、緑図柄揃い態様は、非時短復帰モードへの移行確率が100%であることを報知する停止表示態様である。つまり、緑図柄揃い態様は、当該態様での演出図柄の停止表示実行後に、有利度モードが非時短復帰モードに移行する割合が時短モードに移行する割合より高いことを報知する。さらに、緑図柄揃い態様は、当該態様での演出図柄の停止表示実行後に、有利度モードが非時短復帰モードに移行する割合が非時短特定モードに移行する割合より高いことを報知する。なお、本発明はこれに限られず、例えば緑図柄揃いの停止表示態様は、非時短復帰モードへの移行確率が50%以上であることを示すものであってもよい。
このように、本実施形態において、非時短特定モード中は、変動演出において演出図柄210a,210b,210cが金図柄揃い、または緑図柄揃いのいずれかで停止表示される。
また、本実施形態では、有利度モードのうち非時短復帰モードの設定中、つまり特定非時短遊技状態の終了に伴って復帰した通常の非時短遊技状態において、大役抽選結果(当たり又はハズレ)が報知される場合、演出表示部200aには、例えば奇数図柄、偶数図柄に関わらず表示色が「緑」の停止表示態様(緑図柄停止態様)によって演出図柄210a,210b,210cが停止表示される。これにより、連荘期間が終了して通常の非時短遊技状態が継続されることが遊技者に報知される。また、緑図柄停止態様が実行されることで、有利度モードが終了して、演出モードが非時短通常モードに移行することが遊技者に報知される。つまり本実施形態では、表示色「緑」の演出図柄による停止表示態様が連続して実行されることで、連荘期間が終了することが報知される。なお、非時短復帰モードにおける演出図柄の停止表示態様は緑図柄停止態様に限られない。例えば非時短復帰モードにおいて奇数図柄の表示態様が表示色「金」であってもよく、特定非時短遊技状態から復帰した通常の非時短遊技状態中において時短当たりが報知される場合に、演出表示部200aにおいて同一数値の奇数図柄が金図柄揃い態様で表示されてもよい。
演出モードが非時短通常モードに移行した場合、大役抽選結果を報知する停止表示態様は、奇数図柄、偶数図柄に関わらず、通常表示色(例えば「白」)によって演出図柄210a,210b,210cが停止表示される通常図柄停止態様となる。
このように、本実施形態による遊技機500において、複数の停止表示態様には、非時短復帰モードに移行する可能性を報知する緑図柄揃い態様と、非時短特定モードに移行する可能性を報知する赤図柄揃い態様と、時短モードに移行する可能性を報知する金図柄揃い態様とが含まれている。
本例では、演出モードとして時短モード、非時短特定モードおよび非時短復帰モードのいずれかが設定されている有利度モード中における停止表示態様(金図柄揃い態様、赤図柄揃い態様、緑図柄揃い態様)は、有利度モードにおける各モード(時短モード、非時短特定モード、非時短復モード)と1対1で対応している。このため、遊技者に対して停止表示態様の実行後に設定される有利度モードの種別を明確に報知することができる。これにより、遊技機500は、遊技者に対して連荘期間中におけるゲーム性を適切に伝達して、当該ゲーム性の理解を促進することができる。
また、図88に示すように、時短モード中において奇数図柄の表示態様が表示色「金」、偶数図柄の表示態様が表示色「赤」であるため、時短モードの設定中における変動演出では、演出図柄210a,210b,210c(図86(a)参照)のうち奇数図柄が表示色「金」で変動表示され、偶数図柄が表示色「赤」で変動表示される。ここで、時短モードの設定中における変動表示の態様を「時短モード変動表示態様」と称する。時短モード変動表示態様による変動演出が実行されることにより、現状の遊技状態が時短遊技状態であることが遊技者に報知される。
上述のように、時短モード中は変動演出によって報知される大役抽選結果が、金図柄揃い態様による時短当たりか、赤図柄揃い態様による通常当たりのいずれかとなる。つまり、時短モード中は、変動演出における大役抽選結果の報知後に、当たり当選が確実かつ連荘回数を1回増加可能な状態(時短遊技状態)または当たり当選が確実な状態(特定非時短遊技状態)の何れかに移行することとなる。したがって、金図柄(奇数図柄)及び赤図柄(偶数図柄)による時短モード変動表示態様が実行されることで、現在が時短遊技状態中であって変動演出後の遊技展開が遊技者にとって有利なものであることが報知される。
また、図88に示すように、非時短特定モード中において奇数図柄の表示態様が表示色「金」、偶数図柄の表示態様が表示色「緑」であるため、非時短特定モードの設定中における変動演出では、演出図柄210a,210b,210cのうち奇数図柄が表示色「金」で変動表示され、偶数図柄が表示色「緑」で変動表示される。ここで、非時短特定モードの設定中における変動表示の態様を「非時短特定モード変動表示態様」と称する。非時短特定モード変動表示態様による変動演出が実行されることにより、特定非時短遊技状態が発生していることが遊技者に報知される。
上述のように、非時短特定モード中は変動演出によって報知される大役抽選結果が、金図柄揃い態様による時短当たりか、緑図柄揃い態様による通常当たりのいずれかとなる。
つまり、非時短特定モード中は、変動演出における大役抽選結果の報知後に、当たり当選が確実かつ連荘回数を2回増加可能な状態(時短遊技状態)、または連荘の発生が困難な状態(通常の非時短遊技状態)の何れかに移行することとなる。このため、金図柄(奇数図柄)及び緑図柄(偶数図柄)による非時短特定モード変動表示態様が実行されることで、現在が特定非時短遊技状態であって、大役抽選結果(時短当たりまたは通常当たり)に応じて変動演出後の遊技展開が分岐する状態であることが報知される。
また、図88に示すように非時短復帰モード中において奇数図柄および偶数図柄の表示態様がいずれも表示色「緑」であるため、非時短復帰モード設定中における変動演出では、演出図柄210a,210b,210cがいずれも表示色「緑」で変動表示される。ここで、非時短復帰モードの設定中における変動表示の態様を「非時短復帰モード変動表示態様」と称する。非時短復帰モード変動表示態様による変動演出が実行されることにより、特定非時短遊技状態が終了し、遊技状態が通常の非時短遊技状態に復帰したことが遊技者に報知される。上述のように、非時短復帰モードは連荘期間の終了を示すモードであって、再度時短当たりに当選するまでは、変動演出によって報知される大役抽選結果が当たりとなる確率が時短モードまたは特定非時短遊技状態よりも低下した状態が継続される。このため、非時短復帰モード変動表示態様が実行されることで、連荘期間が終了することにともない、有利度が低い状態に遷移したことが遊技者に報知される。
このように、本実施形態による遊技機500において、有利度モード中の複数の変動表示態様には、実行後の遊技展開が遊技者にとって有利である可能性を報知する時短モード変動表示態様(金図柄および赤図柄)と、実行後の遊技展開が遊技者にとって有利となるか否かが大役抽選結果に応じて分岐する可能性を報知する非時短特定モード変動表示態様(金図柄および緑図柄)と、時短モード変動表示態様および非時短特定モード変動表示態様と比較して実行後の遊技展開が遊技者にとって有利でない可能性を報知する非時短復帰モード変動表示態様とが含まれる。
図89は、有利度モードの設定中に演出表示部200aに表示される背景画像の一例を説明する図である。本実施形態において有利度モードのうち時短モードが設定されている間は、図89(a)に示すように、演出表示部200aに「稲妻」、「御神輿」および「提灯」を含む態様(「祭り開始」態様)の背景画像が表示される。時短モード中の変動演出では、この「祭り開始」態様の背景画像に重畳して上記の演出図柄210a、210b、210cが時短モード変動表示態様(奇数図柄が表示色「金」、偶数図柄が表示色「赤」)で表示される。
同様に、有利度モードのうち非時短特定モードが設定されている間は、図89(b)に示すように、演出表示部200aに「花火」と「提灯」とを含む態様(「祭り中」態様)の背景画像が表示される。非時短特定モード中の変動演出中では、この「祭り中」態様の背景画像に重畳して上記の演出図柄210a、210b、210cが非時短特定モード変動表示態様(奇数図柄が表示色「金」、偶数図柄が表示色「緑」)で表示される。
同様に、有利度モードのうち非時短復帰モードが設定されている間は、図89(c)に示すように、演出表示部200aに「稲妻」と「提灯」とを含む態様(「祭り終了」態様)の背景画像が表示される。非時短復帰モード中の変動演出では、この「祭り終了」態様の背景画像に重畳して上記の演出図柄210a、210b、210cが非時短復帰モード変動表示態様(奇数図柄および偶数図柄が表示色「緑」)で表示される。
このように本実施形態では、有利度モードの各モードに対応した背景画像が用意されている。有利度モードの各モード(時短モード、非時短特定モード、非時短通常モード)と背景画像(図89(a)~図89(c))は1対1で対応づけられている。したがって、遊技機500は、有利度モードの設定中において、演出表示部200aに表示されている背景画像によって、現在設定されている有利度モードを遊技者に報知可能となっている。
このように、本実施形態による遊技機500には、連荘期間中において遊技の有利度を示す演出モードとして複数種類の有利度モードが設けられており、副制御基板330では時短遊技状態の場合に有利度モードのうち時短モードによって変動演出態様(演出図柄の変動表示態様、停止表示態様および背景画像等)が制御、管理される。また、非時短遊技状態において特定非時短遊技状態が発生している場合に、副制御基板330では有利度モードのうち非時短特定モードによって変動演出態様が制御、管理される。さらに、特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態に復帰した場合に、副制御基板330では有利度モードのうち非時短復帰モードによって変動演出態様が制御、管理される。
(有利度報知演出の一例)
次に、本実施形態における有利度報知演出の一例について、図90を用いて説明する。遊技機500の副制御基板330では、変動演出の一態様として、連荘期間中に有利度を報知する有利度報知演出が実行される。したがって、図90では、連荘期間中の変動演出の流れとともに連茶報知演出の態様を説明する。図90において、図90(a)から図90(c)は、時短モード中の変動演出の態様を示す図であり、図90(d)から図90(f)は、非時短特定モード中の変動演出の態様を示す図であり、図90(g)は、非時短復帰モード中の変動演出の態様を示す図である。
図90(a)は、時短モード変動表示態様の一例を示す図である。遊技機500において変動演出が開始されると、所定時間(例えば12.5秒間)に亘って演出図柄210a,210b,210cが高速で図中の上側から下側に向かって順次回転移動(スクロール)する演出図柄の変動表示が実行される。図90(a)では、演出表示部200aの表示画面内のほぼ中央における太矢印によって演出図柄の高速での変動表示を図示している。
本実施形態において時短モードが設定されている場合、演出図柄210a,210b、210cのうち奇数図柄が表示色「金」、偶数図柄が表示色「赤」で変動表示される時短モード変動表示態様が実行される。図90(a)において、変動表示中の演出図柄210a,210b、210cのうち偶数図柄の表示色「赤」を破線状の網掛けで模式的に表している。また、図90(a)において変動表示中の演出図柄210a,210b,210cのうち奇数図柄の表示色「金」を斜め太線状の網掛けで模式的に表している。
なお、演出図柄210a,210b,210が高速スクロール表示中である場合、各演出図柄の数値の視認は困難であるとしても、各演出図柄の表示色は視認可能である、このため、高速での変動表示中であっても演出図柄の表示態様(本例では、表示色)によって有利度を報知することができる。
図90(a)に示すように、時短モード変動表示態様が実行されることにより、遊技者に現在が時短モード中、すなわち時短遊技状態中であって変動演出後の遊技展開が遊技者にとって有利なものであることが報知される。このため、遊技者は期待感をもちつつ今後の遊技展開を心配せずに遊技を楽しむことができる。また、図90(a)に示すように時短モード変動表示態様は、時短モードに対応する「祭り開始」態様の背景画像(図89(a)参照)に重畳して実行される。このため、「祭り開始」態様の背景画像によっても、時短モード中であることが報知され、遊技者はより明確に現在の演出モードを認識して有利度を把握することができる。
また、時短モードでの変動演出中には、遊技状態が時短遊技状態であることから遊技者が遊技球の右打ちを行い、特2保留数(X2)が最大値(本例では、1個)まで記憶されることが想定される。本例においても、図90(a)に示す変動演出中の任意の時点において、特2保留数(X2)が最大値まで記憶されているとする。なお時短モード中には、上述の右打ち示唆演出を合わせて実行してもよい。
図90(b)は、図90(a)に示す時短モード中の変動演出の終了時における停止表示態様の一例を示す図である。本例では、時短当たり(時短大当たり、時短小当たり)が報知される場合の演出表示部200aの表示態様の一例を示している。本例では、時短モード中の変動演出の終了時において、大役抽選結果として時短大当たりが報知されたとする。この場合、図90(b)に示すように、演出図柄210a,210b,210cが同一数値の奇数図柄(本例では「7」「7」「7」)による金図柄揃い態様で、「祭り開始」態様の背景画像に重畳して所定時間(例えば0.5秒間)停止表示される。これにより、時短モードにおいて13秒間(停止表示の期間含む)に亘る変動演出が終了する。停止表示態様が金図柄揃い態様であることにより、遊技者に有利度モードが時短モードに維持されること、つまり時短遊技状態が生起されて有利度が高い状態(例えば連荘発生(継続)が容易な状態)に移行することが報知される。
金図柄揃い態様で演出図柄が停止表示されたことにより、遊技者は演出モードが有利度モードのうち時短特定モードに維持されることを把握することができる。これにより、再度当たりに当選することの期待感および連荘回数を増加(本例では、1回増加)可能であることへ期待感の相乗効果によって、遊技者の遊技の継続意欲を大幅に向上させることができる。
「金図柄揃い」態様によって時短当たりが報知されると、当たり遊技(本例では、時短大当たりに基づく大当たり遊技)の実行後において、新たに時短遊技状態(時短回数1回)が生起される。したがって、例えば先行の時短モードにおける変動演出中に記憶された特2保留が第1記憶部から読み出されることに応じて、再度、図90(a)に示す時短モード変動表示態様での変動演出が開始される。
図90(c)は、図90(a)に示す時短モード中の変動演出の終了時における停止表示態様の一例を示す図である。本例では、通常当たり(通常大当たり、通常小当たり)が報知される場合の演出表示部200aの表示態様の一例を示している。本例では、時短モード中の変動演出において、大役抽選結果として通常小当たりが報知されたとする。この場合、図90(c)に示すように、演出図柄210a,210b,210cが同一数値の偶数図柄(本例では「2」「2」「2」)による「赤図柄揃い」態様で、「祭り開始」態様の背景画像に重畳して停止表示される。停止表示態様が「赤図柄揃い」態様であることにより、有利度モードが非時短特定モードに移行することが報知される。すなわち、時短モードでの変動演出中に記憶された特2保留(残り保留)によって少なくともさらに1回は当たりに当選可能であることが遊技者に報知される。
また本例では、通常当たりにより遊技状態として非時短遊技状態が生起され、かつ残り保留の消化期間の発生により特定非時短遊技状態に遷移する。このため、赤図柄揃い態様による停止表示態様によって、有利度が高い時短遊技状態から有利度が分岐する状態に移行することが遊技者に報知される。このため、遊技者は演出モードが有利度モードのうち非時短特定モードに移行することを把握することができる。これにより、遊技機500は、再度当たりに当選することへの遊技者の期待感を維持しつつ、今後の遊技展開に対する緊張感を与えて遊技の継続意欲を向上させることができる。
図90(d)は、非時短特定モード変動表示態様の一例を示す図である。図90(d)に示すように、本実施形態において非時短特定モードが設定されている場合、演出図柄210a,210b、210cのうち奇数図柄が表示色「金」、偶数図柄が表示色「緑」で変動表示される非時短特定モード変動表示態様が実行される。図90(d)において、変動表示中の演出図柄210a,210b,210cのうち奇数図柄の表示色「金」を図90(a)と同様に斜め太線状の網掛けで模式的に表している。また、変動表示中の演出図柄210a,210b,210cのうち偶数図柄の表示色「緑」を白地に黒色の点状網掛けで模式的に表している。
非時短特定モード変動表示態様が実行されることにより、遊技者に現在が非時短特定モード中、すなわち特定非時短遊技状態中であって大役抽選結果(時短当たりまたは通常当たり)に応じて変動演出後の遊技展開が分岐する状態であることが報知される。このため、遊技者は緊張感を持って遊技に集中することができる。また、図90(d)に示すよう非時短特定モード変動表示態様は、非時短特定モードに対応する「祭り中」態様の背景画像(図89(b)参照)に重畳して実行される。このため、「祭り中」態様の背景画像によっても、非時短特定モード中であることが報知され、遊技者はより明確に現在の演出モードを認識して有利度を把握することができる。なお、詳しくは後述するが、時短遊技状態が終了して特定非時短遊技が発生すること、すなわち設定中の演出モードが時短モードから非時短特定モードに変更されることに応じて、背景画像の態様が時短モードに対応する「祭り開始」態様から、「祭り中」態様に変更される。
また、非時短特定モード中は、遊技状態が非時短遊技状態であることから、第2始動口123への遊技球の入球が困難な状態であって特2保留が新たに記憶される確率は時短遊技状態中と比べると非常に低くなっている。したがって、非時短特定モード中において通常、特2保留数は0個である。本例においても、図90(d)に示す変動演出中に特2保留数(X2)が増加しておらず、特2保留数が0個であるものとする。
図90(e)は、図90(d)に示す非時短特定モード中の変動演出の終了時における停止表示態様の一例を示す図である。本例では、時短当たり(時短大当たり、時短小当たり)が報知される場合の演出表示部200aの表示態様の一例を示している。本例では、非時短特定モード中の変動演出において、大役抽選結果として時短大当たりが報知されたとする。この場合、図90(e)に示すように、演出図柄210a,210b,210cが同一数値の奇数図柄(本例では「7」「7」「7」)による「金図柄揃い」態様で、「祭り中」態様の背景画像に重畳して停止表示される。停止表示態様が「金図柄揃い」態様であることにより、遊技者に有利度モードが非時短特定モードから時短モードに移行されること、つまり時短の当たりによって新たに時短遊技状態が生起されて、有利度が高い状態(例えば連荘発生(継続)が容易な状態)に移行することが報知される。
非時短特定モード中において金図柄揃い態様で演出図柄が停止表示されることにより、遊技者は、演出モードが非時短特定モードから時短特定モードに移行されることを把握することができる。これにより、遊技機500は、一旦は非時短遊技状態が生起されたものの、時短状態が生起されることで再び当たり当選が確実な状態となることへの満足感、および連荘回数を増加(本例では、2回増加)可能であることへ期待感の相乗効果によって、遊技者の遊技の継続意欲を大幅に向上させることができる。
「金図柄揃い」態様によって時短当たりが報知されると、当たり遊技(本例では、時短大当たりに基づく大当たり遊技)の実行後において、新たに時短遊技状態(時短回数1回)が生起される。時短遊技状態中は、上述のように新たな特2保留が高確率で、特2保留数(X2)の最大値(1個)まで記憶される。したがって、新たに記憶された特2保留が第1記憶部から読み出されることに応じて、再度、図90(a)に示す時短モード変動表示態様による変動演出が開始される。
図90(f)は、図90(d)に示す非時短特定モード中の変動演出の終了時における停止表示態様の一例を示す図である。本例では、通常当たり(通常大当たり、通常小当たり)が報知される場合の演出表示部200aの表示態様の一例を示している。本例では、非時短特定モード中の変動演出において、大役抽選結果として通常大当たりが報知されたとする。この場合、図90(f)に示すように、演出図柄210a,210b,210cが同一数値の偶数図柄(本例では「6」「6」「6」)による「緑図柄揃い」態様で、「祭り開中」態様の背景画像に重畳して停止表示される。停止表示態様が緑図柄揃い態様であることにより、遊技者に有利度モードが非時短復帰モードに移行することが報知される。すなわち、非時短特定モード中において停止表示態様が「緑図柄揃い」態様で通常当たり(本例では、通常大当たり)が報知される場合、連荘期間中に連続して通常当たりに当選したことに基づいて特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態に復帰することを示す。
また、非時短特定モード中の変動演出(図90(d)参照)において、時短モードでの変動演出(図90(a)参照)の実行中に記憶された特2保留(残り保留)も消化されて残り保留消化期間が終了している。したがって、緑図柄揃い態様の停止表示態様によって、有利度モードが非時短特定モードから非時短復帰モードに移行して、有利度が分岐している状態から有利度が低い状態(たとえば、連荘の発生が困難な状態)に移行することが遊技者に報知される。このため、遊技者は演出モードが有利度モードのうち非時短復帰モードに移行することを把握し、連荘が困難な状態に移行することを認識することができる。
図90(g)は、非時短復帰モード変動表示態様の一例を示す図である。図90(g)に示すように、本実施形態において非時短復帰モードが設定されている場合、演出図柄210a,210b、210cのうち奇数図柄および偶数図柄がいずれも表示色「緑」で変動表示される非時短復帰モード変動表示態様が実行される。図90(g)において、変動表示中の演出図柄210a,210b,210cが奇数図柄および偶数図柄のいずれも表示色「緑」である状態を、図90(d)と同様に白地に黒色の点状網掛けで模式的に表している。
図90(g)に示すように非時短復帰モード変動表示態様が実行されることにより、現在が通常の非時短遊技状態に遷移した状態であって、連荘期間が終了して通常の非時短遊技状態が継続され、有利度が低い状態となったことが遊技者に報知される。このため、遊技者は、演出モードが有利度モードのうち非時短復帰モードに移行したことを把握し、連荘が困難な状態となって連荘期間が終了することを認識することができる。また、図90(g)に示すよう非時短復帰モード変動表示態様は、非時短復帰モードに対応する「祭り終了」態様の背景画像(図89(c)参照)に重畳して実行される。このため、「祭り終了」態様の背景画像によっても、非時短復帰モード中であることが報知され、遊技者はより明確に現在の演出モードを認識して連荘期間が終了することを把握することができる。したがって、遊技者は、新たに時短当たりに当選することを目指し、第1始動口120への入球を狙った左打ちの遊技を開始することができる。
また、図示は省略するが、非時短復帰モードでの変動表示が終了して大役抽選結果(当たり、ハズレ)が緑図柄態様で停止表示されると、連荘期間の終了に伴って有利度モードが終了し、演出モードとして非時短通常モードが設定されることが報知される。
本実施形態において、非時短通常モードでは、変動演出において演出図柄210a,210b,210cは表示色「白」で表示される。つまり、非時短通常モード変動表示態様では、演出図柄210a,210b,210cは表示色「白」で変動表示される。つまり、非時短復帰モードと非時短通常モードとでは、少なくとも変動演出における変動表示態様および停止表示態様(ここでは、演出図柄の表示色)が異なっている。このため非時短復帰モード中においても、遊技機500は、非時短通常モードとの変動演出の態様の違いによって、遊技者に今後の遊技への期待感を持たせることができる。したがって、遊技機500は、非時短復帰モードに対応する態様での変動演出の実行により、通常の非時短遊技状態に移行したことに伴って、遊技者が即座に遊技を中断してしまうことを防止することができる。
なお、詳しくは後述するが、設定中の演出モードが非時短特定モードから非時短復帰モードに変更されることに応じて、背景画像の態様が非時短特定モードに対応する「祭り中」態様から、「祭り終了」態様に変更される。
このように、本実施形態において連荘期間中には、大役抽選結果に応じて生起される遊技状態によって遊技展開が異なり、遊技状態の遷移に応じて有利度も遷移する。そこで、遊技機500は、図90(a)~図90(g)に示すように、連荘期間中において遊技状態に応じて有利度モードが遷移し、遊技状態に応じた有利度を示す変動演出態様を実行する。これにより、遊技機500は、遊技者が直感的にゲーム性や有利度を理解することを可能とすることができる。さらに、遊技機500は、遊技者が連荘に係る利益を十分に獲得することを可能にするとともに、遊技者に変化に富んだゲーム性による遊技の楽しさを実感させることができる。
(有利度モードに対応する演出決定テーブルの一例)
次に、演出表示部200aにおいて実行される変動演出の態様の決定方法について図91から図93を用いて説明する。
ここでは、有利度モードにおける3種類の演出モード(時短モード、非時短特定モードおよび非時短復帰モード)のそれぞれに対応する演出決定テーブルを用いて、変動演出の態様の決定方法を説明する。本実施形態では副制御基板330において、変動演出の開始時に3種類の有利度モードのうち設定中のモードに対応する変動演出の態様が決定される。なお、本例では、有利度モードの設定中において、変動演出態様のうち少なくとも変動表示態様が演出決定テーブルを用いて決定される。有利度モードの設定中において、変動表示態様のうち停止表示態様については、別途、後述する図柄種別指定コマンド受信処理において決定されるものとする。
図91(a)は、前半変動演出決定テーブル(時短モード用)の一例を説明する図であり、図91(b)は、後半変動演出決定テーブル(時短モード用)の一例を説明する図である。図91に示す演出決定テーブルは、時短遊技状態中において時短モードに対応する変動演出の変動表示態様の決定に用いられる。図91(a)および図91(b)に示す時短モードに対応する前半変導出態様および後半変動演出態様は、いずれも演出図柄210a,210b,210cの変動表示態様が時短モード変動表示態様(図90(a)参照)であること、すなわち、奇数図柄が表示色「金」、偶数図柄が表示色「赤」で変動表示される点において、共通している。その他の点については、各前半変動演出態様、後半変動演出態様において異なる箇所(演出図柄の変動表示に合わせて表示されるキャラクタや、当該変動表示に合わせて実行される演出の違い等)があってもよい。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて前半の変動演出(以下、「前半変動演出」という)の態様が決定され、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて後半の変動演出(以下、「後半変動演出」という)の態様が決定される。具体的には、リーチ変動パターンの変動演出においては、リーチ態様が形成されて所定のリーチ演出が開始されるまでの変動演出の態様(演出表示部200aに表示される画像パターン)が、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定され、リーチ演出の画像パターン(例えば、動画像パターン)が、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定される。なお、図91においては、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルの一部のみを抽出して示している。図92および図93も同様である。
また、リーチなしパターンの変動演出は、前半変動演出が実行されないことを示す変動モード番号(変動モードコマンド)と、所定の変動パターン番号(変動パターンコマンド)とが決定された場合に実行される。例えば、前半変動演出が実行されないことを示す「00H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半変動演出の態様として「なし」が決定される。また、同時に受信した変動パターンコマンドに基づいて、開始から終了までの変動演出の態様が決定される。したがって、リーチなしパターンの変動演出の態様(画像パターン)は、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されることとなる。
図91(a)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動モードコマンド(変動モード番号)のそれぞれに、前半変動演出の態様が対応付けられた前半変動演出決定テーブルが記憶されている。この前半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、0~249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する前半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動モードコマンド(変動モード番号)に基づいて、前半変動演出の態様が決定される。
なお、図91(a)において、変動モード番号と前半変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上記第1実施形態における前半変動演出決定テーブル(図42(a)参照)と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する前半変動演出の態様として、必ず、「なし」が決定され、変動モード番号=01Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する前半変動演出の態様として、必ず、「リーチE」の変動演出が決定され、変動モード番号=02Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する前半変動演出の態様として、必ず、「リーチF」の変動演出が決定されることとなる。また、変動モード番号=03Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する前半変動演出の態様として、必ず、「リーチG」の変動演出が決定されることとなる。
ここで、前半変動演出の態様のうち「なし」は、前半変動演出を実行しないことを示しており、この「なし」が決定された場合には、時短モードに対応する変動演出として後述する変動パターンコマンドに基づいて決定される後半変動演出のみが実行されることとなる。また、図91(a)において、時短モードに対応する前半変動演出の態様における「リーチE」や「リーチF」および「リーチG」は、それぞれ、リーチ変動パターンの変動演出において演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまでの期間に、演出表示部200aに表示される画像パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されている。
したがって、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行されることとなる。これに対して、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンド以外の変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行されることとなる。
また、図91(b)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動パターンコマンド(変動パターン番号)のそれぞれに、後半変動演出の態様が対応付けられた後半変動演出決定テーブルが記憶されている。この後半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動パターンコマンドを受信すると、0~249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する後半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動パターンコマンド(変動パターン番号)に基づいて、後半変動演出の態様が決定される。
なお、図91(b)において、変動パターン番号と後半変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、図91(a)と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動パターン番号=00Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する後半変動演出の態様として、必ず、「リーチなし6秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=01Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する後半変動演出の態様として、必ず、「リーチなし13秒」の変動演出が実行されることとなる。
なお、「リーチなし6秒」、「リーチなし13秒」の変動演出の態様は、演出図柄210a、210b、210cが、変動表示を開始してから、リーチ態様になることなく、それぞれ6秒、13秒で、大役抽選結果を報知する態様で停止表示するものである。したがって、主制御基板300において、「00H」、「01H」、「02H」の変動パターン番号が決定される場合には、前半変動演出の態様として「なし」が決定されるように、必ず、「00H」の変動モード番号(変動モードコマンド)が決定されるように設計されている。
また、主制御基板300において、例えば、変動パターン番号=02Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する後半変動演出の態様として、「パターン10」が決定され、変動パターン番号=03Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する後半変動演出の態様として、「パターン20」が決定され、変動パターン番号=04Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、時短モードに対応する後半変動演出の態様として、「パターン10」および「パターン20」のいずれかが決定される。「パターン10」、「パターン20」は、例えばリーチ演出における動画(リーチ動画)の種類を示すものであり、演出表示部200aに表示される画像は異なるものの、その構成時間は、「03H」、「04H」の変動パターン番号に対応付けられた変動表示の時間と一致している。本実施形態において「03H」、「04H」の変動パターン番号に対応付けられた変動表示の時間は同一(例えば、30秒間)である。
次に、遊技機500において非時短特定モードに対応する変動演出態様の決定に用いられる演出決定テーブルについて図92を用いて説明する。図92(a)は、前半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用)の一例を説明する図であり、図92(b)は、後半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用)の一例を説明する図である。図92に示す演出決定テーブルを用いた変動演出態様の決定方法は、図91に示す時短モード用の演出決定テーブルを用いる場合と同様である。このため、詳しい説明は省略する。
図92(a)および図92(b)に示す非時短特定モードに対応する前半変導出態様および後半変動演出態様は、いずれも演出図柄210a,210b,210cの変動表示態様が非時短特定モード変動表示態様(図90(d)参照)であること、すなわち、奇数図柄が表示色「金」、偶数図柄が表示色「緑」で変動表示される点において、共通している。その他の点については、各前半変動演出態様、後半変動演出態様において異なる箇所(演出図柄の変動表示に合わせて表示されるキャラクタや、当該変動表示に合わせて実行される演出の違い等)があってもよい。
前半変動演出態様の決定に、図92(a)に示す前半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用)を用いる場合、前半変動演出の態様として、「なし」に加えて「リーチH」「リーチI」「リーチJ」のいずれかが決定される点が、前半変動演出決定テーブル(演出モード1用)と異なる。「リーチH」、「リーチI」および「リーチJ」の前半変動演出態様は非時短特定モードに対応するものであって、時短モードにおける「リーチE」「リーチF」「リーチG」のいずれの前半変動演出態様とも異なる画像パターンとなっている。
また、図92(b)に示す後半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用)では、図91(b)に示す後半変動演出決定テーブル(時短モード用)と同様に、非時短特定モードに対応するリーチなし変動演出の後半変動演出として、「リーチなし6秒」、「リーチなし13秒」のいずれかが決定されることとなる。
また、後半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用)は、リーチ変動演出における後半変動演出の態様として、リーチ演出態様「パターン30」「パターン40」のいずれかが決定される点が、後半変動演出決定テーブル(時短モード用)と異なる。「パターン30」および「パターン40」は、非時短特定モードにおける「パターン10」および「パターン20」のいずれのリーチ動画とも異なる動画である。
次に、遊技機500において非時短復帰モードに対応する変動演出態様の決定に用いられる演出決定テーブルについて、図93を用いて説明する。図93(a)は、前半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用)の一例を説明する図であり、図93(b)は、後半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用)の一例を説明する図である。図93に示す演出決定テーブルを用いた変動演出の態様の決定方法は、図91に示す時短モード用の演出決定テーブルを用いる場合と同様である。このため、詳しい説明は省略する。
図93(a)および図93(b)に示す非時短復帰モードに対応する前半変導出態様および後半変動演出態様は、いずれも演出図柄210a,210b,210cの変動表示態様が非時短復帰モード変動表示態様(図90(g)参照)であること、すなわち、奇数図柄および偶数図柄がいずれも表示色「緑」で変動表示される点において、共通している。その他の点については、各前半変動演出態様、後半変動演出態様において異なる箇所(演出図柄の変動表示に合わせて表示されるキャラクタや、当該変動表示に合わせて実行される演出の違い等)があってもよい。
前半変動演出態様の決定に、図93(a)に示す前半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用)を用いる場合、前半変動演出の態様として、「なし」に加えて「リーチK」「リーチL」「リーチM」のいずれかが決定される点が、前半変動演出決定テーブル(時短モード用)および前半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用)と異なる。「リーチK」、「リーチL」および「リーチM」の前半変動演出態様は、非時短復帰モードに対応するリーチ変動演出の前半変動演出態様であって、時短モードおよび非時短特定モードにおけるいずれの前半変動演出態様とも異なる画像パターンとなっている。
また、図93(b)に示すように、後半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用)を用いた場合、非時短復帰モードに対応するリーチなし変動演出の後半変動演出として、時短モード、非時短特定モードと同様に、「リーチなし6秒」、「リーチなし13秒」のいずれかが決定されることとなる。
また、後半変動演出決定テーブル(時短復帰モード用)は、リーチ変動演出における後半変動演出の態様として、リーチ演出態様「パターン50」「パターン60」のいずれかが決定される点が、時短モードおよび非時短特定モードと異なる。「パターン50」および「パターン60」は、時短モードおよび非時短特定モードにおけるいずれのリーチ動画とも異なる動画である。
以上、図91から図93を用いて有利度モードの設定中における変動演出態様の決定方法について説明した。なお、図示は省略するが、本実施形態においてサブROM330bには、これらの演出決定テーブルの他に、前半変動演出決定テーブル(非時短通常モード用)、後半変動演出決定テーブル(非時短通常モード用)も保持されている。演出モードが有利度モード以外のモード(例えば、非時短通常モード)に設定されている場合は、前半変動演出決定テーブル(非時短通常モード用)、後半変動演出決定テーブル(非時短通常モード用)を用いて、前半変動演出態様および後半変動演出態様を決定すればよい。
以下に、上記の変動演出を実行するために副制御基板330においてサブCPU330aが行う制御処理について説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図94は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(SA1000)を説明するフローチャートである。
(ステップSA1000-1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップSA1000-3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000-3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図95は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(SA1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップSA1100-1)
サブCPU330aは、上記第1実施形態におけるステップS1100-1と同様に、レジスタを退避する。
(ステップSA1100-3)
サブCPU330aは、上記第1実施形態におけるステップS110-3と同様に、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップSA1100-5)
サブCPU330aは、上記第1実施形態におけるステップS110-5と同様に、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップSA1200)
サブCPU330aは、上記第1実施形態におけるステップS1200と同様に、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。なお、詳しくは後述するが、本実施形態におけるコマンド解析処理を構成する各処理は、上記第1実施形態と異なる制御が含まれる。
(ステップSA1300)
サブCPU330aは、記第1実施形態におけるステップS1300と同様に、変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。ここでは、サブCPU330aは、タイムテーブルにセットされたデータに応じて、演出情報をサブRAM330cから取得して各演出用デバイスに出力したり、各種のフラグをオン、オフしたりすることで、変動演出の開始時に決定した態様で演出を実行することとなる。
(ステップSA1100-7)
サブCPU330aは、上記第1実施形態におけるステップS1100-7と同様に、サブRAM330cの送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370のうちの指定した制御部へ送信する。
(ステップSA1100-9)
サブCPU330aは、上記第1実施形態におけるステップS1100-9と同様に、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
(遊技状態変化指定コマンド受信処理)
図96は、上記コマンド解析処理のうち、遊技状態変化指定コマンドを受信した際に実行される遊技状態変化指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、遊技状態変化指定コマンドは、主制御基板300において、当たり遊技(小当たり遊技、大役遊技)後に主制御基板300において新たに設定される遊技状態を、副制御基板330に伝達するためのコマンドである。遊技状態変化指定コマンドは大入賞口終了ウェイト処理(図85参照)のステップS670-13において送信バッファにセットされた後、ステップSA100-39のサブコマンド送信処理(図74参照)によって副制御基板330に送信される。遊技状態変化指定コマンド受信処理においてサブCPU330aは、遊技状態の遷移に応じた有利度モードを演出モードとして設定する。
(ステップSA1210-1)
サブCPU330aは、遊技状態変化指定コマンドを解析して新たに生起される遊技状態が時短遊技状態か否かを判定する。サブCPU330aは、新たに設定される遊技状態が時短遊技状態であると判定すると、ステップSA1210-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、新たに設定される遊技状態が時短遊技状態ではなく非時短遊技状態であると判定すると、ステップSA1210-7に処理を移す。
(ステップSA1210-3)
サブCPU330aは、演出モードとして時短モードを設定してステップSA1210-5に処理を移す。具体的にはサブCPU330aは、サブRAM330cの所定の記憶領域において、演出モード情報として時短モードが設定中であることを示す情報(時短モード設定情報)を記憶する。これにより、以降は時短モードに対応する演出制御が実行される。このように、本実施形態において時短遊技状態の生起タイミングである(ステップSA1210-1のYES)という条件(時短モード設定条件)が成立する場合、演出モードとして有利度モードのうち時短モードが設定される。
(ステップSA1210-5)
サブCPU330aは、演出モードとして有利度モード(時短モード、非時短特定モードおよび非時短復帰モード)のいずれかが設定中であることを示す有利度モードフラグをオン状態に設定してステップSA1210-19に処理を移す。有利度モードフラグは、サブRAM330cの所定の記憶領域に保持されており、オン状態によって有利度モードが設定中であることを示し、オフ状態によって有利度モード以外の演出モードが設定中であることを示す。
(ステップSA1210-7)
サブCPU330aは、演出モードとして有利度モードのいずれかが設定中であるかを判定する。具体的には、サブCPU330aは、有利度モードフラグを参照し、有利度モードフラグがオン状態の場合に有利度モードのいずれかが設定中であると判定してステップSA1210-9に処理を移す。一方、サブCPU330aは、有利度モードフラグがオフ状態の場合に有利度モードの設定中でなく、有利度モード以外の演出モードの設定中であると判定して、本遊技状態変化指定コマンド受信処理を終了し、サブタイマ割込み処理(図95)に処理を戻す。
(ステップSA1210-9)
サブCPU330aは、有利度モードのうち時短モードが設定中か否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定領域に記憶されている演出モード情報を参照し、演出モード情報として時短モード設定情報が記憶されている場合に時短モードが設定中であると判定してステップS1210-11に処理を移す。一方、サブCPU330aは、演出モード情報に時短モード設定情報が設定されていない場合に時短モードが設定中でないと判定してステップS1210-15に処理を移す。
(ステップSA1210-11)
サブCPU330aは、特2保留数が1以上であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、上記ステップSA610-21において送信バッファにセットされ、上記ステップSA100-39のサブコマンド送信処理において送信される特図2保留指定コマンドを参照して特2保留数を判定する。サブCPU330aは、最新の特図2保留指定コマンドに含まれる特2保留数が1以上であると判定すると、ステップSA1210-13に処理を移す。一方、サブCPU330aは、最新の特図2保留指定コマンドに含まれる特2保留数が1以上でない、つまり0であると判定すると、ステップSA1210-17に処理を移す。
(ステップSA1210-13)
サブCPU330aは、特定非時短遊技状態が発生していることに基づいて、有利度モードのうち非時短特定モードを演出モードとして設定する。本実施形態では、非時短遊技状態が生起されるタイミングであること(ステップSA1210-1のNO)、有利度モードのうち時短モードが設定されていること(ステップSA1210-9のYES)および特2保留数が1以上であること(ステップSA1210-11のYES)という3つの条件(非時短特定モード設定条件)が成立する場合に、特定非時短遊技状態が発生していると判定し、演出モードとして有利度モードのうち非時短特定モードを設定する。非時短遊技状態が生起されるタイミングであることは、通常当たりに当選したことを示している。時短モードが設定されていることは、直近の遊技状態が時短遊技状態であったことを示している。また、非時短状態の生起時において特2保留数が1以上であることは、後続特2保留が消化される残り保留消化期間が発生することを示す。したがって、非時短特定モード条件の成立によって特定非時短遊技状態の発生を認識することができる。
サブCPU330aは、サブRAM330cの所定領域において演出モード情報として非時短特定モードが設定中であることを示す情報(非時短特定モード設定情報)を記憶すると、ステップSA1210-19に処理を移す。
(SA1210-15)
サブCPU330aは、有利度モードのうち非時短特定モードが設定中か否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定領域に記憶されている演出モード情報を参照し、演出モード情報として非時短特定モード設定情報が記憶されている場合に非時短特定モードが設定中であると判定してステップS1210-17に処理を移す。一方、サブCPU330aは、演出モード情報として非時短特定モード設定情報が記憶されていない場合に非時短特定モードが設定中でないと判定して本遊技状態変化指定コマンド受信処理を終了し、サブタイマ割込み処理(図95)に処理を戻す。
(SA1210-17)
サブCPU330aは、有利度モードのうち非時短復帰モードを演出モードとして設定する。本実施形態では、非時短遊技状態が生起されるタイミングであること(ステップSA1210-1のNO)、有利度モードのうち非時短特定モードが設定されていること(ステップSA1210-9のNO→ステップSA1210-15のYES)の2つの条件(非時短復帰モード設定条件)が成立する場合に、非時短遊技状態における特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態が発生するタイミングであると判定する。有利度モードの設定中に非時短遊技状態が生起されるタイミングとなることは、通常当たりに当選したことを示している。また、演出モードとして非時短特定モードが設定されていることは、連荘期間中においてすでに通常当たりに当選して特定非時短遊技状態が発生していることを示す。つまり、当該2つの非時短復帰モード設定条件が成立している状態は、連荘期間中において連続して通常当たりに当選したことを示す。したがって、非時短特定モード条件の成立によって特定非時短遊技状態の発生を認識することができる。
サブCPU330aは、サブRAM330cの所定領域において演出モード情報として非時短復帰モードが設定中であることを示す情報(非時短復帰モード設定情報)を記憶すると、ステップSA1210-19に処理を移す。
(SA1210-19)
サブCPU330aは、設定中の有利度モードに対応する背景画像を演出表示部200aに表示させるための背景画像表示処理を実行する。具体的には、サブCPU330aは、背景画像表示処理において、有利度モードのうち現在設定されているモードに対応した背景画像の表示を開始することを示す背景画像表示開始コマンドを作成し、送信バッファにセットする。設定中の有利度モードが時短モードである場合、背景画像表示開始コマンドには、表示対象の背景画像が「祭り開始」態様(図89(a)参照)であることを示す制御データが含まれる。また、設定中の有利度モードが非時短特定モードである場合、背景画像表示開始コマンドには、表示対象の背景画像が「祭り中」態様(図89(b)参照)であることを示す制御データが含まれる。また、設定中の有利度モードが非時短復帰モードである場合、背景画像表示開始コマンドには、表示対象の背景画像が「祭り終了」態様(図89(c)参照)であることを示す制御データが含まれる。
背景画像表示開始コマンドは、ステップSA1100-7の出力制御処理において画像制御部340に送信される。画像制御部340は、背景画像表示開始コマンドを受信すると、演出表示部200aに、背景画像表示開始コマンドに含まれる制御データに対応した背景画像を表示する。これにより、有利度モードにおける各モードの設定に伴って背景画像が設定中の有利度モードに対応する態様に変更される。
このように、本実施形態において、サブCPU330a(遊技モード移行手段の一例)は、遊技状態の遷移に伴って所定条件(時短モード設定条件、非時短特定モード設定条件、非時短復帰モード設定条件)の成立状態を判定し、当該所定条件の成立状態に応じて、設定中の有利度モードを移行可能である。
具体的には、サブCPU330aは、時短モード設定条件、非時短特定モード設定条件および非時短復帰モード設定条件のいずれが成立しているかを判定することで、遊技状態の生起状況や残り保留消化期間の発生有無の状況に応じて、有利度モードのうち時短モード、非時短特定モードおよび非時短復帰モードのいずれかを設定する。これにより、遊技機500は、連荘期間における遊技展開に応じた有利度を適切に報知可能な有利度モードを設定することができる。また、サブCPU330aは、遊技状態の遷移タイミング、つまり技状態変化指定コマンドの受信タイミングにおいて各有利度モードに対応する態様の背景画像の表示制御を実行する。これにより、遊技機500は、遊技状態の遷移に伴って速やかに有利度モードの移行を報知することができる。
(図柄種別指定コマンド受信処理)
図97は、上記コマンド解析処理のうち、図柄種別指定コマンドを受信した際に実行される図柄種別指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、図柄種別指定コマンドは、主制御基板300において、大役抽選結果を示す特別図柄の種別を副制御基板330に伝達するためのコマンドである。図柄種別指定コマンドは、特別図柄変動待ち処理(図79参照)のステップSA610-11において送信バッファにセットされた後、ステップSA100-39のサブコマンド送信処理(図74参照)によって副制御基板330に送信される。図柄種別指定コマンド受信処理においてサブCPU330aは、設定中の有利度モードに対応する演出図柄の停止表示態様を決定する。
(ステップSA1220-1)
サブCPU330aは、有利度モードの設定中か否かを判定する。サブCPU330aは、有利度モードフラグを参照し、有利度モードフラグがオン状態である場合に有利度モードの設定中であると判定してステップSA1220-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、有利度モードフラグがオフ状態であって有利度モードの設定中でないと判定すると、演出図柄が通常表示色「白」で停止表示して大役抽選結果を示す白図柄停止態様を決定する。
具体的には、サブCPU330aは、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データが時短当たりを示す当たり図柄の種別(特別図柄F,H,b)を示す場合には、同一数値の奇数図柄(図86(b)参照)が表示色「白」で停止表示される停止表示態様を決定する。また、サブCPU330aは、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データが通常当たりを示す当たり図柄の種別(特別図柄E,G,a)を示す場合には、同一数値の偶数図柄(図86(b)参照)が表示色「白」で停止表示される停止表示態様を決定する。また、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データがハズレ図柄を示す場合には、それぞれ異なる数字を記した演出図柄210a,210b,210cが表示色「白」で停止表示される停止表示態様を決定する。これにより、有利度モード以外の演出モード、例えば非時短通常モードが設定中の場合に、白図柄停止態様によって演出図柄が停止表示される。
(ステップSA1220-3)
サブCPU330aは、時短モード中または非時短特定モード中において時短当たりに当選しているかを判定する。具体的には、サブCPU330aは、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データが時短当たりを示す当たり図柄の種別(特別図柄F,H,b)である場合に、時短当たりに当選していると判定する。さらに、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定領域に記憶されている演出モード情報を参照し、演出モード情報として時短モード設定情報または非時短特定モード設定情報が記憶されている場合に、時短モードまたは非時短特定モードが設定中であると判定する。サブCPU330aは、時短モード中または非時短特定モード中において時短当たりに当選していると判定すると、ステップSA1220-5に処理を移す。一方、サブCPU330aは、演出モード情報として、時短モード設定情報または非時短特定モード設定情報が記憶されていない、または図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データが時短当たりを示す当たり図柄の種別でないと判定すると、ステップSA1220-7に処理を移す。
(ステップSA1220-5)
サブCPU330aは、同一数値の奇数図柄(図86(b)参照)が表示色「金」で停止表示される金図柄揃い態様を停止表示態様として決定してステップSA1220-17に処理を移す。例えば、サブCPU330aは、特別図柄F,Hによる時短大当たりの場合には、演出図柄210a,210b,210cが「777」、「999」のいずれかによって金図柄揃い態様で停止表示される停止表示態様を決定する。また、例えばサブCPU330aは、特別図柄bによる時短小当たりの場合には、演出図柄210a,210b,210cが「111」、「333」、「555」のいずれかによって金図柄揃い態様で停止表示される停止表示態様を決定する。
(ステップSA1220-7)
サブCPU330aは、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データが通常当たりを示す当たり図柄の種別(特別図柄E,G,a)か否かを判定し、通常当たりを示す当たり図柄の種別であると判定すると、ステップSA1220-9に処理を移す。一方、サブCPU330aは、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データが通常当たりを示す当たり図柄の種別でないと判定すると、ステップSA1220-15に処理を移す。
(ステップSA1220-9)
サブCPU330aは、有利度モードのうち時短モードが設定中か否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定領域に記憶されている演出モード情報を参照し、時短モード設定情報が設定されている場合に時短モードが設定中であると判定してステップS1220-11に処理を移す。一方、サブCPU330aは、演出モード情報に時短モード設定情報が設定されていない場合に時短モードが設定中でないと判定してステップS1220-13に処理を移す。
(ステップSA1220-11)
サブCPU330aは、時短モード中において通常当たりを報知する停止表示態様として、同一数値の偶数図柄(図86(b)参照)が表示色「赤」で停止表示される赤図柄揃い態様を決定してステップSA1220-17に処理を移す。例えば、サブCPU330aは、特別図柄E,Gによる通常大当たりの場合には、演出図柄210a,210b,210cが「666」、「888」のいずれかで赤図柄揃い態様によって停止表示される停止表示態様を決定する。また、例えばサブCPU330aは、特別図柄aによる通常小当たりの場合には、演出図柄210a,210b,210cが「222」、「444」のいずれかで赤図柄揃い態様によって停止表示される停止表示態様を決定する。
(ステップSA1220-13)
サブCPU330aは、非時短特定モード中において通常当たりを報知する停止表示態様として、同一数値の偶数図柄が表示色「緑」で停止表示される緑図柄揃い態様を決定してステップSA1220-17に処理を移す。例えば、サブCPU330aは、特別図柄E,Gによる通常大当たりの場合には、演出図柄210a,210b,210cが「666」、「888」のいずれかで緑図柄揃い態様によって停止表示される停止表示態様を決定する。また、例えばサブCPU330aは、特別図柄aによる通常小当たりの場合には、演出図柄210a,210b,210cが「222」、「444」のいずれかで緑図柄揃い態様によって停止表示される停止表示態様を決定する。本実施形態において、有利度モードのうち、時短モード以外(非時短特定モード、非時短復帰モード)の設定中においては、通常当たりを緑図柄揃い態様の停止表示態様で報知する。したがって、時短モード中以外において通常当たりに当選した場合に緑図柄揃い態様の停止表示態様を決定することで、非時短特定モード中または非時短復帰モード中における緑図柄揃い態様での通常当たりの報知に対応可能である。なお、変動演出1回分の期間において設定される非時短復帰モードの設定中には、通常当たりに当選する確率は非常に低いため、通常は非時短特定モードにおける通常当たりが緑図柄揃い態様で報知される。
(ステップSA1220-15)
サブCPU330aは、有利度モードの設定中において、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄判定データがハズレ図柄を示す種別であると判定すると、それぞれ異なる数字を記した演出図柄210a,210b,210cが表示色「緑」で停止表示される停止表示態様(緑図柄停止態様)を決定する。本実施形態において、有利度モードのうち、時短モードおよび非時短特定モードのいずれかの設定中には、大役抽選結果としてハズレが導出されることはない。したがって、有利度モードの設定中にハズレが導出されていること(ステップSA1220-7のNO)に基づいて、緑図柄停止態様の停止表示態様を決定することで、非時短復帰モード中における大役抽選結果のうちハズレの報知を、緑図柄停止態様で実行することができる。
(ステップSA1220-17)
サブCPU330aは、決定した停止表示態様をサブRAM330cの所定記憶領域に記憶して図柄種別指定コマンド受信処理を終了し、サブタイマ割込み処理(図95参照)に処理を戻す。具体的には、サブCPU330aは、ステップSA1220-5、SA1220-11、SA1220-13およびSA1220-15で決定した有利度モードの設定中における停止表示態様を、サブRAM330cの所定記憶領域において有利度モード停止表示情報として記憶する。また、サブCPU330aは、ステップSA1220-1において、有利度モードの設定中でないことに基づいて白図柄停止態様をサブRAM330cの所定の記憶領域において通常モード停止表示態様として記憶する。詳しくは後述するが、ここで記憶した停止表示態様は、変動演出の開始時において演出表示部200aにおいて当該停止表示態様を表示するための制御データとして画像制御部340に送信される。
このように、本実施形態において、サブCPU(遊技モード報知手段の一例)330aは、設定中の有利度モードと、図柄種別指定コマンドに含まれる特別図柄の種別に基づいて変動演出において大役抽選結果を報知するための、演出図柄の停止表示態様を決定する。つまり、サブCPU330aは、所定条件(時短モード設定条件、非時短特定モード設定条件、非時短復帰モード設定条件)の成立状態に応じて決定された有利度モードの設定状態に応じて、有利度モードの移行の可能性を報知することが可能な、複数の演出図柄停止表示態様(例えば金図柄揃い態様、赤図柄揃い態様、緑図柄揃い態様)を実行可能である。つまり、有利度モードに応じた演出図柄停止表示態様は、当該所定条件の成立状態に応じて有利度モードの移行の可能性を報知する。これらの演出図柄停止表示態様のそれぞれは、サブCPU330aにおいて設定中の有利度モードに応じて実行が決定されると、演出表示装置200における演出表示部(遊技モード報知手段の一例)200aにおいて表示(実行)される。
これにより、遊技機500は、今後の遊技における有利度の移行状況、すなわち有利度モードの移行先を適切に報知することができる。具体的には、サブCPU330aは、有利度モードのうち時短モードまたは非時短特定モードの設定中において、時短当たりに対応する特別図柄の種別を含む図柄種別指定コマンドを受信した場合、停止表示態様を金図柄揃い態様に決定する(ステップSA1220-1のYES→ステップSA1220-3のYES→SA1220-5の流れ)。これにより、時短モード中または非時短特定モード中の変動演出において時短当たりを報知する場合に金図柄揃い態様を実行することができる(図90(b)、図90(e)参照)。
また、サブCPU330aは、時短モード中において通常当たりに対応する特別図柄の種別を含む図柄種別指定コマンドを受信した場合、停止表示態様を赤図柄揃い態様に決定する(ステップSA1220-1のNO→ステップSA1220-7のYES→SA1220-9のYES→SA1220-11の流れ)。これにより、時短モード中の変動演出において通常当たりを報知する場合に赤図柄揃い態様を実行することができる(図90(c)参照)。
また、サブCPU330aは、非時短特定モード中において通常当たりに対応する特別図柄の種別を含む図柄種別指定コマンドを受信した場合、停止表示態様を緑図柄揃い態様に決定する(ステップSA1220-1のNO→ステップSA1220-7のYES→SA1220-9のNO→SA1220-13の流れ)。これにより、非時短特定モード中の変動演出において通常当たりを報知する場合に緑図柄揃い態様を実行することができる(図90(f)参照)。
また、サブCPU330aは、非時短復帰モード中において、通常当たりに対応する特別図柄の種別を含む図柄種別指定コマンドを受信した場合、停止表示態様を緑図柄揃い態様に決定する(ステップSA1220-1のNO→ステップSA1220-7のYES→SA1220-9のNO→SA1220-13の流れ)。
また、サブCPU330aは、有利度モードのいずれかの設定中においてハズレに対応する特別図柄の種別を含む図柄種別指定コマンドを受信した場合、停止表示態様を緑図柄停止態様に決定する(ステップSA1220-1のNO→ステップSA1220-7のNO→SA1220-15の流れ)。これにより、有利度モードの設定中においてハズレが導出され得る非時短復帰モード中の変動演出において、大役抽選結果(ハズレ)を報知する場合に緑図柄停止態様を実行することができる(図示省略)。さらに、サブCPU330aは、有利度モードのいずれかの設定中において時短当たりに対応する特別図柄の種別を含む図柄種別指定コマンドを受信した場合も同様に停止表示態様を緑図柄停止態様に決定する。ここで、緑図柄停止態様には緑図柄揃い態様も含まれる。これにより、有利度モードの設定中において時短当たりを報知する非時短復帰モード中の変動演出において、時短当たりを報知する場合に緑図柄停止態様を実行することができる。つまり、非時短復帰モード中には、大役抽選結果に関わらず、演出図柄が緑図柄停止態様(緑図柄揃い態様を含む)で停止表示される。
本実施形態において遊技機500では、有利度モードのうち非時短復帰モードが設定されている場合に、緑図柄停止態様(緑図柄揃い態様を含む)での停止表示態様が実行可能に構成されている。また、本実施形態において遊技機500では、有利度モードのうち非時短復帰モードが設定されている場合に、金図柄揃い態様での停止表示態様が実行不可能に構成されている。また、遊技機500では、有利度モードのうち非時短復帰モードが設定されている場合に、赤図柄揃い態様での停止表示態様が実行不可能に構成されている。
また、本実施形態において遊技機500では、有利度モードのうち非時短特定モードが設定されている場合に、金図柄揃い態様での停止表示態様が実行可能に構成されている。また、遊技機500では、有利度モードのうち非時短特定モードが設定されている場合に、緑図柄揃い態様での停止表示態様が実行可能に構成されている。また、本実施形態において遊技機500では、有利度モードのうち非時短特定モードが設定されている場合に、赤図柄揃い態様での停止表示態様が実行不可能に構成されている。
また、本実施形態において遊技機500では、有利度モードのうち時短モードが設定されている場合に、金図柄揃い態様での停止表示態様が実行可能に構成されている。また、遊技機500では、有利度モードのうち時短モードが設定されている場合に、赤図柄揃い態様での停止表示態様が実行可能に構成されている。また、本実施形態において遊技機500では、有利度モードのうち時短モードが設定されている場合に、緑図柄揃い態様での停止表示態様が実行不可能に構成されている。
遊技機500では、遊技状態に対応する有利度モードと大役抽選結果に応じた演出図柄の停止表示態様とを対応付けることで、有利度モードの移行先、および移行先の有利度モードが示す有利度(今後の遊技展開における有利度の状態)を、遊技者に対して明確に報知することができる。
(変動コマンド受信処理)
図98は、上記コマンド解析処理のうち、変動コマンド(変動モードコマンドおよび変動パターンコマンド)を受信した際に実行される変動コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動コマンドは、主制御基板300において、図32のステップSA611-13、ステップSA611-17で送信バッファにセットされた後、ステップSA100-39のサブコマンド送信処理(図74参照)によって副制御基板330に送信される。変動コマンド受信処理においてサブCPU330aは、設定中の有利度モードに対応する演出図柄の変動表示態様を決定する。
(ステップSA1230-1)
サブCPU330aは、現在が有利度モードでの演出制御の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定の記憶領域の保持されている有利度モード終了フラグを参照して、有利度モードでの演出制御の終了タイミングであるか否かを判定する。有利度モード終了フラグはオン状態である場合に有利度モードでの演出制御の終了タイミングであることを示し、オフ状態である場合に有利度モードでの演出制御の終了タイミングでないことを示す。サブCPU330aは、有利度モード終了フラグがオン状態であって有利度モードでの演出制御の終了タイミングであると判定すると、有利度モード終了フラグをオフ状態に設定してステップSA1230-3に処理を移す。一方、サブCPU330aは、有利度モード終了フラグがオフ状態であって有利度モードでの演出制御の終了タイミングでないと判定すると、ステップSA1230-5に処理を移す。
(ステップSA1230-3)
サブCPU330aは、演出モードとして非時短通常モードを設定してステップSA1230-5に処理を移す。具体的には、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定の記憶領域において、演出モード情報を更新して、非時短通常モードが設定中であることを示す情報(非時短通常モード設定情報)記憶する。これにより、以降は非時短通常モードに対応する演出制御が実行される。
(ステップSA1230-5)
サブCPU330aは、現在設定中の演出モードに対応する演出決定テーブルをサブROM330bから読み出してステップSA1230-7に処理を移す。具体的には、サブCPU330aは、サブRAM330cの所定の記憶領域における演出モード情報を参照し、記憶されている内容に応じた演出決定テーブルを読み出す。例えば、演出モード情報に時短モード設定情報が記憶されている場合、サブCPU330aは、サブROM330bから時短モードに対応する演出決定テーブル(前半変動演出決定テーブル(時短モード用))(図91(a)参照)、後半変動演出決定テーブル(時短モード用)(図91(b)参照))を読み出す。また、演出モード情報に非時短特定モード設定情報が記憶されている場合、サブCPU330aは、サブROM330bから非時短特定モードに対応する演出決定テーブル(前半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用(図92(a)参照))、後半変動演出決定テーブル(非時短特定モード用)(図92(b)参照))を読み出す。
また、演出モード情報に非時短復帰モード設定情報が記憶されている場合、サブCPU330aは、サブROM330bから非時短復帰モードに対応する演出決定テーブル(前半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用(図93(a)参照))、後半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用)(図93(b)参照))を読み出す。さらに、演出モード情報に非時短通常モード設定情報が記憶されている場合、サブCPU330aは、サブROM330bから非時短通常モードに対応する不図示の演出決定テーブル(前半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用)、後半変動演出決定テーブル(非時短復帰モード用)を読み出す。
(ステップSA1230-7)
サブCPU330aは、受信した変動モードコマンドを解析して、変動モードコマンドに含まれる変動モード番号を記憶し、ステップSA1230-9に処理を移す。
(ステップSA1230-9)
サブCPU330aは、上記ステップSA1000-3で更新された演出乱数(0~249)を取得し、当該取得した演出乱数と変動モード番号とに基づいて、ステップSA1230-5で読み出した各演出モード用の前半変動演出決定テーブルを用いて、設定中の演出モードに対応する前半の変動演出の実行パターン(演出態様)を決定、記憶し、ステップSA1230-11に処理を移す。
(ステップSA1230-11)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析して、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン番号を記憶し、ステップSA1230-13に処理を移す。
(ステップSA1230-13)
サブCPU330aは、上記ステップS1230-9で取得した演出乱数(0~249)と変動パターン番号とに基づいて、ステップSA1230-5で読み出した各演出モード用の後半変動演出決定テーブルを用いて、設定中の演出モードに対応する後半の変動演出の実行パターン(演出態様)を決定、記憶し、ステップSA1230-15に処理を移す。
(ステップSA1230-15)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいて変動演出のタイムテーブルのタイムデータをセットして変動コマンド受信処理を終了し、サブタイマ割込み処理に戻る。ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、上記のステップS1300のタイムスケジュール管理処理において、設定中の演出モードに応じた変動表示態様を演出表示部200aに表示する処理や、変動表示態様に対応する音声出力装置206の音声出力処理、演出照明装置204の点灯制御処理、演出役物装置202および演出操作装置208の可動制御処理等の演出実行制御がなされることとなる。
変動演出実行制御時においてサブCPU330aは、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370のうち制御対象となる制御部に対して、制御内容を含む制御コマンドを送信する。
例えば、サブCPU330aは、上記ステップSA1230-9およびステップSA1230-13で決定した変動演出態様(前半変動演出態様および後半変動演出態様)に基づいて、各演出モードに対応する変動表示態様を実行するためのコマンド(変動表示態様指定コマンド)を作成し、画像制御部340に送信する。例えば、サブCPU330aは、時短モードに対応する演出決定テーブル(図91(a)、図91(b)参照)を用いて変動演出態様を決定した場合、時短モード変動表示態様(図90(a)参照)を実行することを示す変動表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。
また、サブCPU330aは、非時短特定モードに対応する演出決定テーブル(図92(a)、図92(b)参照)を用いて変動演出態様を決定した場合、非時短特定モード変動表示態様(図90(d)参照)を実行することを示す変動表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。また、サブCPU330aは、非時短復帰モードに対応する演出決定テーブル(図93(a)、図93(b)参照)を用いて変動演出態様を決定した場合、非時短復帰モード変動表示態様(図90(g)参照)を実行することを示す変動表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。また、サブCPU330aは、非時短通常モードに対応する演出決定テーブル(不図示)を用いて変動演出態様を決定した場合、非時短通常モード変動表示態様(不図示)を実行することを示す変動表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。
画像制御部340は、変動表示態様指定コマンドを受信すると、演出表示部200aにおいて当該コマンドが指定する変動表示態様を実行(表示)する。具体的には、画像制御部340は、時短モード変動表示態様を指定する変動表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り開始」態様(図89(a)参照)の背景画像に重畳して時短モード変動表示態様(奇数図柄表示色「金」、偶数図柄表示色「赤」)による演出図柄210a,210b,210cの変動表示を開始する。これにより、現在が時短モード中であって、遊技状態が時短遊技状態であり、連荘が発生して連続して当たりに当選する確率の高い状態、すなわち有利度が高い状態であることが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、非時短特定モード変動表示態様を指定する変動表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り中」態様(図89(b)参照)の背景画像に重畳して非時短特定モード変動表示態様(奇数図柄表示色「金」、偶数図柄表示色「緑」)による演出図柄210a,210b,210cの変動表示を開始する。これにより、現在が非時短特定モード中であって、遊技状態が特定非時短遊技状態であり、大役抽選結果に応じて今後の遊技展開での有利度が分岐する状態であることが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、非時短復帰モード変動表示態様を指定する変動表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り終了」態様(図89(c)参照)の背景画像に重畳して非時短復帰モード変動表示態様(奇数図柄表示色「緑」、偶数図柄表示色「緑」)による演出図柄210a,210b,210cの変動表示を開始する。これにより、現在が非時短復帰モード中であって、遊技状態が特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態に移行しており、連荘期間が終了する状態、すなわち有利度モードが終了する状態であることが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、非時短通常モード変動表示態様を指定する変動表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて有利度モード中とは異なる態様の背景画像(通常態様の背景画像(不図示))に重畳して非時短通常モード変動表示態様(例えば奇数図柄表示色「白」、偶数図柄表示色「白」)による演出図柄210a,210b,210cの変動表示を開始する。これにより、有利度モードが終了したことで現在が非時短通常モード中であって、連荘期間が終了した通常の非時短遊技状態であることが遊技者に報知される。
また、例えば、サブCPU330aは、変動演出の開始時において、図柄種別指定コマンド受信処理(図97参照)のステップSA1220-17で記憶された演出図柄の停止表示態様に基づいて、各演出モードに対応する演出図柄の停止表示を実行するためのコマンド(停止表示態様指定コマンド)を作成し、画像制御部340に送信する。例えば、サブCPU330aは、時短モード中または非時短特定モード中に時短当たりを報知するための停止表示態様として金図柄揃い態様(図90(b)、図90(e)参照)を決定した場合、金図柄揃い態様を実行することを示す停止表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。
また、サブCPU330aは、時短モード中に通常当たりを報知するための停止表示態様として赤図柄揃い態様(図90(c)参照)を決定した場合、赤図柄揃い態様を実行することを示す停止表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。また、サブCPU330aは、非時短特定モード中に通常当たりを報知するための停止表示態様として緑図柄揃い態様(図90(f)参照)を決定した場合、緑図柄揃い態様を実行することを示す停止表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。
また、サブCPU330aは、非時短復帰モード中における大役抽選結果(当たり、ハズレ)を報知するための停止表示態様として緑図柄停止態様(不図示)を決定した場合、緑図柄停止態様を実行することを示す停止表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。また、サブCPU330aは、非時短通常モード中における大役抽選結果(当たり、ハズレ)を報知するための停止表示態様として通常モード停止表示態様(不図示)を決定した場合、通常モード停止表示態様を実行することを示す停止表示態様指定コマンドを画像制御部340に送信する。
画像制御部340は、停止表示態様指定コマンドを受信すると、演出表示部200aにおいて当該コマンドが指定する演出図柄の停止表示態様を実行(表示)する。具体的には、画像制御部340は、時短モード中において金図柄揃い態様を指定する停止表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り開始」態様(図89(a)参照)の背景画像に重畳して、演出図柄210a,210b,210cを金図柄揃い態様で停止表示する。したがって、時短モード中において時短当たりに当選した場合、「祭り開始」態様の背景画像に重畳して、同一数値の奇数図柄が表示色「金」で停止表示される。これにより、有利度モードが時短モードに再度移行する(維持される)こと、すなわち遊技状態として再度時短遊技状態が生起され、連荘回数を増加させて連荘を継続可能な状態に移行して有利度が高い状態が維持されることが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、時短モード中において赤図柄揃い態様を指定する停止表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り中」態様(図89(b)参照)の背景画像に重畳して、演出図柄210a,210b,210cを赤図柄揃い態様で停止表示する。したがって、時短モード中において通常当たりに当選した場合、「祭り開始」態様の背景画像に重畳して、同一数値の偶数図柄が表示色「赤」で停止表示される。これにより、有利度モードが非時短特定モードに移行すること、すなわち遊技状態として特定非時短遊技状態が発生し、有利度が分岐する状態に移行することが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、非時短特定モード中において金図柄揃い態様を指定する停止表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り中」態様(図89(b)参照)の背景画像に重畳して、演出図柄210a,210b,210cを金図柄揃い態様で停止表示する。したがって、非時短特定モード中において時短当たりに当選した場合、「祭り中」態様の背景画像に重畳して、同一数値の奇数図柄が表示色「金」で停止表示される。これにより、有利度モードが非時短特定モードから時短モードに移行すること、すなわち遊技状態として時短遊技状態が発生し、有利度が高い状態に移行(復帰)することが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、非時短特定モード中において緑図柄揃い態様を指定する停止表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り中」態様(図89(b)参照)の背景画像に重畳して、演出図柄210a,210b,210cを緑図柄揃い態様で停止表示する。したがって、非時短特定モード中において通常当たりに当選した場合、「祭り中」態様の背景画像に重畳して、同一数値の偶数図柄が表示色「緑」で停止表示される。これにより、有利度モードが非時短特定モードから非時短復帰モードに移行すること、すなわち遊技状態が特定非時短遊技状態から通常の非時短遊技状態に遷移し、連荘期間が終了することが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、非時短復帰モード中において緑図柄停止態様を指定する停止表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて「祭り終了」態様(図89(c)参照)の背景画像に重畳して、演出図柄210a,210b,210cを緑図柄停止態様で停止表示する。したがって、非時短復帰モード中において大役抽選結果を報知する場合、「祭り終了」態様の背景画像に重畳して、演出図柄がいずれも表示色「緑」で停止表示される。これにより、有利度モードが非時短復帰モードから非時短通常モードに移行すること、すなわち連荘期間が終了することが遊技者に報知される。
また、画像制御部340は、非時短通常モード中において通常モード停止表示態様を指定する停止表示態様指定コマンドを受信した場合、演出表示部200aにおいて通常態様の背景画像(不図示))に重畳して、演出図柄210a,210b,210cを白図柄停止態様で停止表示する。したがって、非時短通常モード中において大役抽選結果を報知する場合、通常態様の背景画像に重畳して、演出図柄がいずれも表示色「白」で停止表示される。これにより、有利度モード終了して演出モードが非時短復帰モードから非時短通常モードに移行すること、すなわち連荘期間が終了したことが遊技者に報知される。
なお、確率は低いものの例えば特1保留についての大役抽選によって、非時短復帰モード中および非時短通常モード中においても当たりに当選可能である(図67(a))。例えば、非時短復帰モード中または非時短通常モード中において時短当たりに当選した場合、大役遊技(または小当たり遊技)の実行後に、演出表示部200aにおいて背景画像として時短モードに対応する「祭り開始」態様の画像が表示される(ステップSA1210-1のYES→ステップSA1210-3→ステップSA1210-5→ステップSA1210-19の流れ)。これにより、遊技機500は、時短モードが新たに設定されたことへの驚きと期待感を遊技者に与えることができる。
本実施形態におけるサブタイマ割込み処理(図95参照)におけるタイムスケジュール管理処理(ステップSA1400)については、上記第1実施形態におけるタイムスケジュール管理処理(図51参照)と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態におけるタイムスケジュール管理処理では、例えばタイムスケジュール管理処理のステップS1400-3において、時短復帰モード中における変動演出が終了するタイミング、即ち変動演出の実行期間が終了するタイミングにおいて、有利度モードフラグをオフ状態に設定するとともに、有利度モード終了フラグをオン状態に設定する。これにより、時短復帰モード終了後の変動演出開始時において、演出モードを非時短通常モードに設定することができる(ステップSA1230-1のYES→ステップSA1230-3の流れ)。
以上、説明したように本実施形態による遊技機500は、遊技者にとっての有利度を表す複数の有利度モードが設けられ、所定条件(例えば時短モード設定条件、非時短特定モード設定条件、非時短復帰モード設定条件)の成立状態に応じて、設定中の有利度モードを移行可能であって、当該所定条件の成立状態に応じて、有利度モードの移行の可能性を報知する複数の停止表示態様(例えば金図柄揃い態様、赤図柄揃い態様、緑図柄揃い態様)を実行可能なサブCPU330aを備えている。また、複数の有利度モードには、非時短復帰モードと、有利度が非時短復帰モードと同等または有利度が非時短復帰モードよりも高い非時短特定モードと、有利度が非時短特定モードより高い時短モードとが含まれる。さらに、複数の停止表示態様には、非時短復帰モードに移行する可能性を報知する緑図柄揃い態様と、非時短特定モードに移行する可能性を報知する赤図柄揃い態様と、時短モードに移行する可能性を報知する金図柄揃い態様とが含まれている。また、有利度モードのうち非時短特定モードが設定されている場合、金図柄揃い態様が実行可能であり、有利度モードのうち時短特定モードが設定されている場合、緑図柄揃い態様が実行不可能である。
これにより、遊技機500は、例えばゲーム性が複雑な連荘期間中において、現在の遊技における有利度を適切に遊技者に伝達して遊技展開の理解を容易にし、連荘に係る利益の損失を防止することができる。さらに遊技機500は、今後の遊技の展開への期待や遊技の継続意欲を向上させることができ、ひいては遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態による遊技機500において、非時短特定モードは、非時短復帰モードと比較して第2始動口123への遊技球の進入が容易な状態ではない。
(第3実施形態の変形例)
本発明は、上記実施形態(ここでは、第3実施形態)に限らず、種々の変形が可能である。例えば上記第3実施形態において、有利度モードの移行先を示す演出図柄の表示態様は、停止表示態様における演出図柄の表示色であるとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機500において、有利度モードの移行先を示す演出図柄の表示態様は、演出図柄の停止表示態様において演出図柄とともに表示される装飾画像(キャラクタや記号等)の態様であってもよい。例えば、有利度モードの移行先と装飾画像とが対応付けられていることで、遊技機500は、有利度モードの移行先を報知することができる。
例えば、上記第3実施形態では、各遊技状態(非時短遊技状態における内部的な有利度を示す特定非時短遊技状態を含む)と有利度モードの各モードとは、1対1で対応するよう構成されるとしたが、本発明による遊技機500はこれに限られない。例えば、有利度モードの各モードは、遊技状態に応じて、選択率が異なるように構成されていてもよい。例えば、非時短特定モードは、遊技状態が特定非時短状態の場合に、50%以上の確率で選択され、遊技状態が特定非時短状態から通常の非時短遊技状態に遷移する場合に、50%未満の確率で選択されてもよい。この場合、非時短特定モードは、報知する有利度が非時短復帰モードと同等または報知する有利度が非時短復帰モードより高いモードとなる。
また、時短モードは、遊技状態が時短状態の場合に、50%以上の確率で選択され、遊技状態が非時短特定状態の場合に、50%未満の確率で選択されてもよい。この場合、時短モードは、報知する有利度が非時短特定モードと同等または報知する有利度が非時短特定モードより高いモードとなる。
つまり、有利度モードには、非時短復帰モードと、有利度が非時短復帰モードと同等または有利度が非時短復帰モードよりも高い非時短特定モードと、有利度が非時短特定モードと同等または非時短特定モードよりも高い時短モードとが含まれてもよい。
また、上記第3実施形態では、大役抽選結果に応じた有利度モードの移行先と、演出図柄の停止表示態様の表示色とは、原則として1対1で対応するよう構成されるとしたが、本発明による遊技機500はこれに限られない。例えば、非時短特定モード中において、通常当たりに当選して非時短復帰モードに移行する場合に、50%以上の確率で同一数値の偶数図柄による緑図柄揃い態様が停止表示態様として選択され、50%未満の確率で同一数値の偶数図柄による金図柄揃い態様が停止表示態様として選択されてもよい。この場合、緑図柄揃い態様は、時短復帰モードに移行する割合が時短モードに移行する割合と同等または同等より高いことを報知する停止表態様である。
また、例えば、時短モード中において、通常当たりに当選して非時短特定モードに移行する場合に、50%以上の確率で同一数値の偶数図柄による赤図柄揃い態様が停止表示態様として選択され、50%未満の確率で同一数値の偶数図柄による金図柄揃い態様が停止表示態様として選択されてもよい。この場合、赤図柄揃い態様は、時短特定モードに移行する割合が時短モードに移行する割合と同等または同等より高いことを報知する停止表態様である。
また、上述の場合も時短モード中または非時短特定モード中において時短当たりに当選して時短モードに移行する場合は、必ず、同一数値の奇数図柄による金図柄揃い態様が停止表示態様として選択されてもよい。これにより、金図柄揃い態様は有利度が高い状態に移行することを示す停止表示態様であることが明確となり、ゲーム性の理解を容易にすることができる。なお、有利度モードが時短モードに移行する場合、非常に低い確率で、同一数値の奇数図柄による緑図柄揃い態様が停止表示態様として選択されてもよい。この場合、緑図柄揃い態様の実行後に、時短モードが設定されることで、遊技者に驚きと期待感を与えることができる。
このように、遊技機500は、遊技者にとっての有利度を表す複数の有利度モードが設けられ、所定条件(例えば時短モード設定条件、非時短特定モード設定条件、非時短復帰モード設定条件)の成立状態に応じて、設定中の有利度モードを移行可能であって、当該所定条件の成立状態に応じて、有利度モードの移行の可能性を報知する複数の停止表示態様(例えば金図柄揃い態様、赤図柄揃い態様、緑図柄揃い態様)を実行可能なサブCPU330aを備えている。また、複数の前記遊技モードには、非時短復帰モードと、有利度が非時短復帰モードと同等または有利度が非時短復帰モードよりも高い非時短特定モードと、有利度が非時短特定モードと同等または非時短特定モードよりも高い時短モードとが含まれてもよい。また、複数の停止表示態様には、非時短復帰モードに移行する割合が時短モードに移行する割合と同等または同等より高いことを報知する緑図柄揃い態様と、非時短特定モードに移行する割合が時短モードに移行する割合と同等または同等より高いことを報知する赤図柄揃い態様と、時短モードに移行することを報知する金図柄揃い態様とが含まれてもよい。さらに、有利度モードのうち非時短特定モードが設定されている場合、金図柄揃い態様が実行可能であり、有利度モードのうち時短特定モードが設定されている場合、緑図柄揃い態様が実行不可能であってもよい。
また例えば、上記第3実施形態では、特別遊技の制御に係る遊技状態として時短遊技状態と非時短遊技状態とが設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技状態には、大役抽選において大入賞口125が開放される大役遊技または小当たり遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態である低確率遊技状態、および大役抽選において大入賞口125が開放される大役遊技または小当たり遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である高確率遊技状態が含まれてもよい。この場合、例えば遊技状態と保留種別(特1保留、特2保留)との組み合わせに対応する大当たり決定乱数判定テーブル、当たり図柄乱数判定テーブル等を設ければよい。
この場合、サブCPU330aは、遊技状態変化指定コマンド受信処理において、上記高確率遊技状態が生起された場合に、有利度の高い状態を示す有利度モードとして高確率モード(第3のモードの一例)を決定すればよい。また、サブCPU330aは、遊技状態変化指定コマンド受信処理において、上記低確率遊技状態が生起された場合に、有利度の低い状態を示す有利度モードとして低確率モード(第1のモードの一例)を決定すればよい。ここで、有利度の高い状態を示す有利度モードを総称して、高有利度モード(第3のモードの一例)という。また、利度の低い状態を示す有利度モードを総称して低有利度モード(第1のモードの一例)という。
また、遊技機500において遊技状態が4種類(時短遊技状態、非時短遊技状態、高確率遊技状態、低確率遊技状態)である場合、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行するように構成されていてもよい。この場合、例えば時短遊技状態かつ高確率遊技状態が生起される場合、高有利度モードとして時短高確率モードを決定すればよい。また、例えば非時短遊技状態かつ低確率遊技状態が生起される場合、低有利度モードとして非時短低確率モードを決定すればよい。
遊技機500において遊技状態が上記4種類である場合も、低有利度モードに含まれる各モード(例えば非時短復帰モード、低確率モード、非時短低確率モード)は、非時短特定モードに比べて大役抽選において当たりが導出され易い状態ではない。また、遊技機500において遊技状態が上記4種類である場合、高有利度モードに含まれる各モード(例えば、時短モード、高確率モード、時短高確率モード)は、大役抽選において当たりが導出され易い状態または第2始動口123への遊技球の進入が容易な状態のうち少なくともいずれか一方の状態である。例えば、高確率モードは、大役抽選において当たりが導出され易い状態に相当する。また、時短モードは、第2始動口123への遊技球の進入が容易な状態に相当する。また、時短高確率モードは、大役抽選において当たりが導出され易く、且つ第2始動口123への遊技球の進入が容易な状態に相当する。
なお、上記の遊技性、すなわち、遊技の進行条件や各種制御方法は一例にすぎず、例えば、大役遊技の実行可否を決定する大役抽選を開始するための始動条件や、大役遊技の種別、数、内容等、遊技者に付与する遊技利益の内容は、本発明の目的を実現可能な範囲で適宜設計可能である。
なお、上記第1および第2実施形態において、設定値に基づいて特別遊技を制御するメインCPU300aが遊技制御手段の一例に相当する。設定値関連処理(図24)を実行するメインCPU300aが設定変更手段の一例に相当する。