図1は、本発明の一実施例としてのパチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図3は、振分装置40の概略構成図であり、図4は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。以下、第1種の遊技性と第2種の遊技性とを併せ持ったいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。なお、1種2種混合タイプのパチンコ機とは、基本的には、通常状態では、左打ちによる第1始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定を行ない、大当りが発生すると、大当り遊技を実行し(1種の遊技性)、大当りが発生して時短機能が作動すると(時短状態)、右打ちによる第2始動口への遊技球の入球が容易となり、当該第2始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定を行ない、小当りが発生すると、小当り遊技を実行し、当該小当り遊技において開放した大入賞口に遊技球が入球すると共に入球した遊技球が当該大入賞口の内部に設けられた特定領域を通過すると、大当り遊技を実行する(2種の遊技性)ものである。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図4参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図2に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出表示装置37と、演出表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物38と、センター役物38の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、センター役物38の下方に配置された常時開放の第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、センター役物38の右部に設けられた第1大入賞口25と、第2始動口24の左下方に配置された第2大入賞口26と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口28と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右一対の開閉羽根(開閉部材)24bと、開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図4参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉羽根24bが直立して遊技球の入球が困難な通常状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉羽根24bが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24a(図4参照)が取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
第1大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉羽根(開閉部材)25bと、開閉羽根25bを作動させる第1大入賞口ソレノイド25c(図4参照)と、を備える。この第1大入賞口25は、通常は、開閉羽根25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、大当り遊技が実行されるときに、第1大入賞口ソレノイド25cによって開閉羽根25bが右側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開放状態とされる。第1大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第1大入賞口スイッチ25a(図4参照)が取り付けられている。第1大入賞口25は、第1大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。大当り遊技は、第1大入賞口25を開閉するラウンド遊技を複数回に亘って繰り返すことにより実行される。
第2大入賞口26は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、スライド式の開閉板(開閉部材)26bと、開閉板26bを作動させる第2大入賞口ソレノイド26c(図4参照)と、を備える。この第2大入賞口26は、通常は、開閉板26bが盤面から突き出て遊技球の入球が不能な閉鎖状態(入球不能状態)とされている。また、第2大入賞口26は、特別図柄が小当り図柄で停止表示されて小当り遊技が実行されるときや、特別図柄が所定の小当り図柄で停止表示されて実行された小当り遊技にて遊技球が第2大入賞口26内の特定領域43を通過して大当り遊技(役物当り)が実行されるときに、第2大入賞口ソレノイド26cによって開閉板26bが盤面内に引き込まれることにより、遊技球の入球が可能な開放状態(入球可能状態)とされる。第2大入賞口26が閉鎖状態にあるときには、右打ちにより遊技球が第2大入賞口26に入球することなく開閉板26b上を右から左へと通過する。第2大入賞口26には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2大入賞口スイッチ26a(図4参照)が取り付けられている。第2大入賞口26は、第2大入賞口スイッチ26aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
第2大入賞口26の内部には、振分装置40が設けられている。振分装置40は、図3に示すように、第2大入賞口26に入球した遊技球を特定領域(V領域)43か非特定領域(外れ領域)44かのいずれかに振り分けるものであり、図示するように、第2大入賞口26に入球した遊技球が流出するワープ出口41と、ワープ出口41の真下に設けられた特定領域43と、特定領域43の両サイドに設けられた非特定領域44と、特定領域43の入口付近に配置された左右一対の振分羽根42と、振分羽根42を作動させる振分ソレノイド42c(図4参照)と、を備える。振分装置40は、振分羽根42が振分ソレノイド42cによって予め定められた開閉パターン(開放時間および閉鎖時間)で開閉を繰り返し、振分羽根42が閉鎖しているときには、ワープ出口41から流出した遊技球を振分羽根42によって非特定領域44へと誘導し、振分羽根42が開放しているときには、ワープ出口41から流出した遊技球を特定領域43へと誘導する。振分羽根42の開放時間や閉鎖時間を調整することにより、特定領域43への遊技球の入球確率を設定することができる。また、振分羽根42の開閉パターンと第2大入賞口26の開閉タイミングとの組み合わせによっても、特定領域43への遊技球の入球確率を設定することができる。なお、特定領域43には、特定領域43への遊技球の通過を検知するための特定領域通過スイッチ43a(図4参照)が設けられている。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24,第1大入賞口25および第2大入賞口26は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24,第1大入賞口25および第2大入賞口26は、可変式の入賞口であり、それぞれ、普通図柄が当選した場合,特別図柄が大当りで当選(図柄当り,図柄大当り)または特別図柄が小当りで当選して遊技球が特定領域43を通過(役物当り,役物大当り)した場合、特別図柄が小当りで当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が第1の停止表示態様(所定の大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行され、特別図柄が第2の停止表示態様(所定の小当り図柄)で停止表示されると、小当り遊技が実行される。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
なお、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、小当り遊技中に、第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。また、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、小当り遊技中に、第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、当りの場合に点灯し外れの場合に消灯する第1表示部と、当りの場合に消灯し外れの場合に点灯する第2表示部と、を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aが遊技球を検知したことに基づいて、第1表示部の点灯と第2表示部の点灯とを交互に繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、第1表示部および第2表示部の何れか一方を点灯し他方を消灯することにより普通図柄を停止表示する。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する演出図柄(疑似図柄)371L,371C,371Rの表示(図柄変動演出)の他、リーチ演出や予告演出等の様々な演出表示を行なう。図5は、演出表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371Rが表示され、表示画面の隅部(右上)には、キャラクタ図柄373が表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。また、3つの演出図柄371L,371C,371Rが特定の組み合わせ(例えば、343や787)で停止表示されると、小当りとなる。なお、キャラクタ図柄373は、予告演出に用いられ、表示態様(表情など)によって大当りや小当りが発生する可能性(当り信頼度)等を示唆する。
また、演出表示装置37の表示画面の隅部(左下)には、図5に示すように、保留図柄372も表示される。保留図柄372は、現在の遊技状態が通常状態のときには、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、現在の遊技状態が通常状態のときには、第1特別図柄の変動表示中等に第1始動口23に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。また、保留図柄372は、現在の遊技状態が時短状態のときには、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、遊技状態が時短状態のときには、特別図柄の変動表示中等に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図4に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出図柄制御装置91と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子板65が設けられており、外部接続端子板65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図4参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図4に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22aや第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23a、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口25への遊技球の入球を検知する第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口26への遊技球の入球を検知する第2大入賞口スイッチ26a、特定領域43への遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ43a、普通入賞口28への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ28a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。一方、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや第1大入賞口ソレノイド25c、第2大入賞口ソレノイド26c、振分ソレノイド42c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づく発射強度で遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止コマンドを入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出図柄制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出図柄制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出表示装置37に表示されるよう当該演出表示装置37の表示制御を行なう。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図6は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の大当り確率(図柄当りの確率)は、第1特別図柄,第2特別図柄ともに1/300であり、特別図柄の小当り確率は、第2特別図柄で1/3である。本実施例では、第1特別図柄の小当り確率は、0%であるから、第1特別図柄で小当りが当選することはない。勿論、第1特別図柄にも小当りが含まれていてもよい。小当り遊技が実行された場合に第2大入賞口26に入球した遊技球が特定領域43を通過する確率(V入賞率)は、約1/4である。
大当り(図柄当りまたは役物当り)が発生すると、大当り遊技が実行され、当該大当り遊技の終了後に第2始動口24へ遊技球を入球させるのに遊技者に有利となる時短状態が発生する。時短状態は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動回数が所定回数に達するまで継続する。時短状態の継続回数は、第1特別図柄の大当りを契機に大当り遊技が実行されて時短状態が発生した場合には、1回または15回となり、第2特別図柄の大当りまたは小当りを契機に大当り遊技が実行されて時短状態が発生した場合には、15回となる。なお、第2特別図柄の小当りを契機に大当り遊技が実行された場合には、大当り遊技終了後に時短状態が発生せず通常状態となる場合もある。
また、普通図柄の当り確率は、通常状態では、1/100であるが、時短状態では、99/100となる。また、普通図柄が当選したときの第2始動口24(普通電動役物)の開放パターンは、通常状態では、最大0.2秒間、1回開放されるが、時短状態では、最大3.0秒間、1回開放される。
こうした仕様のパチンコ機1において、左打ちにより第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当り(図柄当り)となり、第1大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。第1大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不能であり、右打ちすることにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。
通常状態において図柄当りにより大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後に時短状態へ移行すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高くなると共に普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常状態よりも延長される。したがって、遊技者は、右打ちして普通図柄作動ゲート22に遊技球を通過させることにより、第2始動口24を頻繁に開放させることができ、第2始動口24に遊技球を容易に入球させることができる。上述したように、本実施例では、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて変動表示される第2特別図柄には小当りが含まれ、小当り確率は高確率(実施例では、1/3)である。このため、時短状態においては、高確率で役物当りを発生させることができる。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作についてさらに詳細に説明する。図7は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、乱数更新処理(S110)と、入賞確認処理(S120)と、始動入賞処理(S130)と、普通図柄遊技処理(S140)と、普通図柄当り遊技処理(S150)と、特別図柄遊技処理(S160)と、小当り遊技処理(S170)と、大当り遊技処理(S180)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S110~S180の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。
[乱数更新処理]
S110の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる当否判定に用いる当否判定用乱数(特別図柄当否判定用乱数)や、当否判定の結果が大当りまたは小当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄または小当り図柄の決定に用いる当り図柄決定用乱数,当否判定の結果が外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、特別図柄の変動表示パターン(変動時間)の決定に用いる変動パターン決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S120)に進む。
[入賞確認処理]
S120の入賞確認処理は、各種センサ(ゲートスイッチ22aや第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口スイッチ26a、特定領域通過スイッチ43a、普通入賞口スイッチ28aなど)の状態を検出してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。そして、上述のスイッチのうち賞球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口スイッチ26a、普通入賞口スイッチ28a)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S130)に進む。
[始動入賞処理]
図8は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S130の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した当否判定用乱数や当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第1特別図柄保留数指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S208)、S210の処理に進む。第1特別図柄保留数指定コマンドには、演出表示装置37に保留図柄372を表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S204~S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S214)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S216)。ここで、S216で取得される判定用乱数としては、上述した当否判定用乱数や当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第2特別図柄保留数指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S218)、S220の処理に進む。第2特別図柄保留数指定コマンドには、演出表示装置37に保留図柄372を表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S210で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S214~S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S220)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S222)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S224)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S226)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S228)、始動入賞処理を終了する。S220で普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過していないと判定したり、S222で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、S224~S228の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S140)に進む。
[普通図柄遊技処理]
S140の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する。保留数が値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、保留数が値0よりも多いと判定したときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行なうと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(停止図柄)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過することに基づいて取得される普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、普通図柄当否判定用乱数がいずれかの当り値と一致したときには当りと判定し、普通図柄当否判定用乱数がいずれの当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。本実施例では、普通図柄の当り確率は通常状態では1/100であり、時短状態では99/100である。そして、当否判定の結果、当りと判定すると、普通図柄の停止図柄として当り図柄を決定し、外れと判定すると、普通図柄の停止図柄として外れ図柄を決定する。普通図柄の停止図柄を設定すると、普通図柄の変動時間(1秒や2秒など)を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過すると、決定した停止図柄で普通図柄を停止表示する。停止表示した普通図柄が外れ図柄のときには、外れとして、普通図柄遊技処理を終了する。一方、停止表示した普通図柄が当り図柄のときには、当りとして、第2始動口24の開放時間を設定し、第2始動口24の開放作動を開始して普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口24の開放時間は、通常状態では0.2秒に設定され、時短状態では3.0秒に設定される。もっとも、通常状態では、普通図柄が当り図柄で停止表示することは殆どないから第2始動口24が開放されることは殆どない。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄当り遊技処理(S150)に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
S150の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、第2始動口24が開放作動中であるか否かを判定する。第2始動口24が開放作動中でないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、第2始動口24が開放作動中であると判定すると、開放作動を開始してからの経過時間(開放時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間(0.2秒または3.0秒)に達しているか否か、規定数の遊技球が第2始動口24に入球しているか否かを判定する。開放時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口24に入球してもいないと判定すると、第2始動口24の開放作動を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放時間が設定時間に達していると判定したり、開放時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口24に入球していると判定すると、第2始動口24の開放作動を終了(第2始動口ソレノイド24cの駆動を終了)して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の特別図柄遊技処理(S160)に進む。
[特別図柄遊技処理]
図9および図10は、特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S160の特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否か、小当りフラグが値1であるか否かを判定する(S300)。大当りフラグおよび小当りフラグの少なくともいずれかが値1である、即ち大当り遊技中であるか小当り遊技中であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。なお、特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の小当り遊技処理(S170)に進む。一方、大当りフラグおよび小当りフラグがいずれも値1でない、すなわち大当り遊技中でも小当り遊技中でもないと判定すると、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S302)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかの確定図柄が表示中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中ではなく確定図柄の表示中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、第2特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行する(S310)。
一方、第2特別図柄の保留数が値0であると判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S312)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の複数の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S314)、第1特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行する(S316)。S312で第1特別図柄の保留数が値0であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。S306~S316では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0よりも多いときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(第2特図優先変動)。なお、第1特別図柄の変動表示を優先して行なうものとしてもよいし(第1特図優先変動)、特別図柄の変動表示を始動口(第1始動口23,第2始動口24)への遊技球の入球順に行なうものとしてもよい(入球順変動)。以下、S316の第1特別図柄の変動表示関連処理およびS310の第2特別図柄の変動表示関連処理の詳細について説明する。図11は、第1特別図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートであり、図12は、第2特別図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動表示関連処理では、まず、S314で取得した当否判定用乱数に基づいて第1特別図柄の当否判定処理を行なう(S400)。当否判定処理は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて取得される当否判定用乱数と当否判定テーブルに含まれる大当り値とを比較することにより行ない、当否判定用乱数がいずれかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、当否判定用乱数がいずれの大当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。当否判定処理を実行すると、当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S402)。
当否判定の結果が大当りであると判定すると、S314で取得した当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する(S404)。この処理は、当り図柄決定用乱数を用いて大当り遊技の内容(ラウンド数)が異なる複数の大当り図柄の中から一の図柄を選択することにより行なう。そして、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で停止表示するまでの第1特別図柄の変動時間(大当り変動パターン)を決定する(S406)。図13は、第1特別図柄の当り図柄決定テーブルの一例を示す説明図である。第1特別図柄の大当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図13に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。図13に示すように、第1特別図柄の大当り図柄として、7R大当り遊技を実行する特図1_時短大当り図柄Aと、4R大当り遊技を実行する特図1_時短大当り図柄Bと、10R大当り遊技を実行する特図1_時短大当り図柄Cとを有する。いずれの大当り遊技も第1大入賞口25を開放することにより行なわれる。特図1_時短大当り図柄Aの大当り遊技終了後は時短状態が設定され、図柄変動遊技が1回実行されると時短状態が終了する。特図1_時短大当り図柄B,Cの大当り遊技終了後も時短状態が設定され、図柄変動遊技が15回実行されると時短状態が終了する。また、特図1_時短大当り図柄A,B,Cは、それぞれ40%,50%,10%の割合で出現する。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了時まで保存される。これは、大当り遊技中は、遊技状態を設定する時短フラグの値をクリアする必要があることによる措置である。
S402で当否判定の結果が外れであると判定すると、S314で取得した外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S408)。そして、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で停止表示するまでの第1特別図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S410)。
変動パターンを決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始し(S412)、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する(S414)。また、特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアし、残存する保留に係る判定用乱数をシフトするシフト処理を行なう。そして、第1特別図柄変動指示コマンド(第1特図変動指示コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S416)、第1特別図柄変動表示関連処理を終了する。第1特図変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。なお、変動指示コマンドには、当否判定の結果や第1特別図柄の変動パターン(変動時間)、停止図柄(大当り図柄、外れ図柄)などが含まれる。
第2特別図柄変動表示関連処理では、まず、S308で取得した当否判定用乱数に基づいて第2特別図柄の当否判定処理を行なう(S450)。当否判定処理は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて取得される当否判定用乱数と当否判定テーブルに含まれる大当り値および小当り値とを比較することにより行ない、当否判定用乱数がいずれかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、当否判定用乱数がいずれかの小当り値と一致したときには小当りと判定し、当否判定用乱数がいずれの大当り値および小当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。上述したように、第1特別図柄では、小当りで当選することはないが、第2特別図柄では、高確率(1/3)で小当りに当選する。当否判定処理を実行すると、当否判定の結果が大当りであるか否か(S452)、小当りであるか否か(S454)、をそれぞれ判定する。
当否判定の結果が大当りであると判定すると、S308で取得した当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定し(S456)、第2特別図柄の変動時間(大当り変動パターン)を決定する(S458)。一方、当否判定の結果が小当りであると判定すると、S308で取得した当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定し(S460)、第2特別図柄の変動時間(小当り変動パターン)を決定する(S462)。また、当否判定の結果が外れであると判定すると、S308で取得した外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定し(S464)、第2特別図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S466)。図14は、第2特別図柄の当り図柄決定テーブルの一例を示す説明図である。第2特別図柄の大当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図14(a)に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行ない、第2特別図柄の小当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図14(b)に例示する小当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。図14(a)に示すように、第2特別図柄の大当り図柄として、第1大入賞口25を開放する4R大当り遊技を実行する特図2_時短大当り図柄を有し、特図2_時短大当り図柄の大当り遊技終了後は時短状態が設定され、図柄変動遊技が15回実行されると時短状態が終了する。この特図2_時短大当り図柄は100%の割合で出現する。また、図14(b)に示すように、第2特別図柄の小当り図柄として、特図2_小当り図柄Aと、特図2_小当り図柄Bとを有する。特図2_小当り図柄A,Bは、いずれも第2大入賞口26を最大開放時間(実施例では6秒)、1回開放することにより行なわれ、遊技球が特定領域43を通過すると役物当りが発生する。また、特図2_小当り図柄A,Bは、それぞれ80%,20%の割合で出現する。特図2_小当り図柄Aから発生(特図2_小当り図柄Aを経由)した役物当り(特図2_小当り図柄Aの役物当り)は、小当り遊技の1Rを含む2R大当り遊技であり、第2大入賞口26を1回開放する大当り遊技処理を行ない、大当り遊技終了後は時短状態が設定され、図柄変動遊技が15回実行されると時短状態が終了する。特図2_小当り図柄Bから発生した役物当り(特図2_小当り図柄Bの役物当り)は、小当り遊技の1Rを含む10R大当り遊技であり、第1大入賞口25を9回開放する大当り遊技処理を行ない、大当り遊技終了後は時短状態ではなく通常状態が設定される。
変動パターンを決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始し(S468)、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新する(S470)。そして、第2特別図柄変動指示コマンド(第2特図変動指示コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S472)、第2特別図柄変動表示関連処理を終了する。第2特図変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。なお、変動指示コマンドには、当否判定の結果や第2特別図柄の変動パターン(変動時間)、停止図柄(大当り図柄、小当り図柄または外れ図柄)などが含まれる。
図9および図10の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S302で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御装置60のCPU60aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S318)。変動時間はS406,S410,S458,S462,S466のいずれかで決定した特別図柄の変動パターンに応じて設定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行なうことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S320)、変動表示中の特別図柄を確定表示する(S322)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出を終了するように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。そして、確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定する(S324)。ここで、確定図柄の表示時間は、実施例では0.5秒に設定される。確定図柄の表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。確定図柄の表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄表示中と判定するため、再びS324で確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄の表示時間が経過していると判定すると、確定図柄の表示を終了し(S326)、確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S328)。
S328で確定図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技を開始するために、条件装置の作動を開始すると共に(S330)、役物連続作動装置の作動を開始して(S332)、大当りフラグに値1を設定する(S334)。大当り遊技中には、時短機能(開放延長機能)を停止させるために、時短フラグが値1のときには時短フラグを値0とする(S336,S338)。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S340)、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や時短フラグの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS170の小当り遊技処理に進む。
S328で確定図柄が大当り図柄でないと判定すると、確定図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S342)。確定図柄が小当り図柄であると判定すると、小当り遊技を開始するために、小当りフラグに値1を設定し(S344)、確定図柄が小当り図柄でないと判定すると、外れ図柄であるから、S344をスキップする。
次に、時短フラグが値1であるか否かを判定する(S346)。時短フラグが値1でなく値0、すなわち遊技状態が通常状態であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。一方、時短フラグが値1、すなわち遊技状態が時短状態であると判定すると、時短カウンタを値1だけデクリメントすると共に(S348)、時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S350)。ここで、時短カウンタは、時短状態が終了するまでの特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の残り変動回数を示すものである。時短カウンタが値0でないと判定すると、時短状態を維持しまま特別図柄遊技処理を終了し、時短カウンタが値0であると判定すると、時短状態を終了させるために、時短フラグに値0を設定する(S352)。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S340)、特別図柄遊技処理を終了する。
[小当り遊技処理]
図15および図16は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S170の小当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、小当りフラグが値1であるか否かを判定する(S500)。小当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技処理を終了すると、次のS180の大当り遊技処理に進む。一方、小当りフラグが値1であると判定すると、小当り開始インターバル中であるか否か(S502)、第2大入賞口26が開放中であるか否か(S504)、特定領域43が有効中であるか否か(S506)、小当り終了演出(小当りエンディング演出,所定の演出)中であるか否か(S508)、をそれぞれ判定する。なお、小当り終了演出は、小当り遊技終了時の小当りエンディング時間中に行なわれる演出であり、後述する小当り終了報知演出や疑似変動演出、役物当り発生報知演出などが該当する。S502~S508のいずれの判定も否定的な判定であれば、小当り開始インターバルを開始して(S510)、小当り遊技処理を一旦終了する。なお、小当り開始インターバルの開始に伴い小当り開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信する。小当り開始インターバルを開始すると、次に小当り遊技処理が実行されたときに、S502で小当り開始インターバル中であると判定するため、次に、小当り開始インターバル時間が経過したか否かを判定する(S512)。小当り開始インターバル時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当り開始インターバル時間が経過したと判定すると、第2大入賞口ソレノイド26cの駆動により第2大入賞口26を開放すると共に(S514)、特定領域43を有効化して(S516)、小当り遊技処理を終了する。第2大入賞口26を開放すると、次に小当り遊技処理が実行されたときに、S504で第2大入賞口26が開放中であると判定するため、次に第2大入賞口スイッチ26aからの検知信号に基づいて第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数(実施例では10個)に達しているか否か(S518)、第2大入賞口26の開放を開始してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(実施例では6秒)に達している否か(S520)、をそれぞれ判定する。なお、小当り遊技は、第2大入賞口26を1回だけ開放するものに限られず、通じて最大開放時間を限度に複数回開放するものでも構わない。第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、第2大入賞口26の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、第2大入賞口26の開放を維持したまま小当り遊技処理を一旦終了する。一方、第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても第2大入賞口26の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、第2大入賞口26を閉鎖して(S522)、小当り遊技処理を終了する。
第2大入賞口26を閉鎖すると、次に小当り遊技処理が実行されたときに、S504で第2大入賞口26が開放中でないと判定し、続くS506で特定領域43が有効中であると判定するため、特定領域通過スイッチ43aにより特定領域43を遊技球が通過したか否かを判定する(S528)。特定領域43を遊技球が通過しなかったと判定すると、特定領域43の有効期間が終了したか否かを判定する(S530)。有効期間が終了していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、有効期間が終了したと判定すると、特定領域43を無効化し(S544)、小当り遊技終了時処理を実行して(S546)、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技処理を終了すると、S180の大当り遊技処理に進む。一方、S528で特定領域43を遊技球が通過したと判定すると、小当りから役物当りが発生した場合であり、大当り遊技を実行するために、条件装置の作動を開始すると共に(S532)、役物連続作動装置の作動を開始する(S534)。続いて、大当りフラグに値1を設定し(S536)、時短フラグが値1であれば、時短フラグに値0を設定する(S538,S540)。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S542)、特定領域43を無効化し(S544)、小当り遊技終了時処理を実行して(S546)、小当り遊技処理を終了する。以下、S546の小当り遊技終了時処理の詳細について説明する。図17は、小当り遊技終了時処理の一例を示すフローチャートである。
図17の小当り遊技終了時処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否かを判定する(S550)。大当りフラグが値1でない、即ち小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過しなかったと判定すると、小当りエンディング時間としてエンディング時間Te1(第1エンディング時間)を設定する(S552)。また、S550で大当りフラグが値1である、即ち小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過したと判定すると、今回実行した小当り遊技の小当り図柄が特図2_小当り図柄Aであるか否かを判定する(S554)。特図2_小当り図柄Aであると判定すると、小当りエンディング時間としてエンディング時間Te2(第2エンディング時間)を設定し(S556)、特図2_小当り図柄Aでなく特図2_小当り図柄Bであると判定すると、小当りエンディング時間としてエンディング時間Te3(第3エンディング時間)を設定する(S558)。ここで、エンディング時間Te2とエンディング時間Te3は、いずれもエンディング時間Te1よりも長い時間に設定されている。また、エンディング時間Te2は、エンディング時間Te3よりも長い時間に設定されている。このため、本実施例では、エンディング時間は長い方からTe2,Te3,Te1の順となる。続いて、こうして設定したエンディング時間を含む小当り終了コマンド(小当りエンディングコマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S560)、小当り遊技終了時処理を終了する。小当り終了コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、エンディング時間に応じた小当り終了演出(小当りエンディング演出)を実行する。
小当り遊技終了時処理を実行すると、次に小当り遊技処理が実行されたときにS508で小当り終了演出中であると判定するため、小当りエンディング時間(小当り終了演出時間)が経過したか否かを判定する(S524)。小当りエンディング時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当りエンディング時間が経過したと判定すると、小当りフラグを値0として(S526)、小当り遊技処理を終了する。
[大当り遊技処理]
図18および図19は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S180の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否か(S600)、小当りフラグが値0であるか否か(S602)、をそれぞれ判定する。大当りフラグが値1でなく値0であると判定したり、小当りフラグが値0でなく値1であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値1で且つ小当りフラグが値0であると判定すると、大入賞口(本処理では第1大入賞口25または第2大入賞口26)が開放中であるか否かを判定する(S604)。大入賞口(第1大入賞口25または第2大入賞口26)が開放中でないと判定すると、大当り開始演出中であるか否か(S606)、大当り終了演出中であるか否か(S608)、開放間インターバル中であるか否か(S610)、をそれぞれ判定する。S604~S608のいずれも否定的な判定がなされると、大当り遊技開始処理を実行して(S612)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技開始処理は、大当り遊技開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信することにより行なう。大当り遊技開始処理を実行すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S606で大当り開始演出中であると判定するため、大当り開始演出時間が経過したか否かを判定する(S614)。なお、大当遊技開始演出時間は、大当りフラグが値1とされてから第1大入賞口25または第2大入賞口26が開放するまでの開放待ち時間である。大当り開始演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大当り開始演出時間が経過したと判定すると、今回の大当り遊技が特図2_小当り図柄Aの役物当りであるか否かを判定する(S616)。特図2_小当り図柄Aの役物当りでない、即ち図柄当り(特図1_時短大当り図柄A,B,C、特図2_時短大当り図柄)であるか特図2_小当り図柄Bの役物当りであると判定すると、第1大入賞口ソレノイド25cの駆動により第1大入賞口25を開放して(S618)、大当り遊技処理を終了する。また、特図2_小当り図柄Aの役物当りであると判定すると、第2大入賞口ソレノイド26cの駆動により第2大入賞口26を開放して(S620)、大当り遊技処理を終了する。即ち、特図2_小当り図柄Aの役物当りでは、小当り遊技を実行する場合と同様に第2大入賞口26を開放するから、擬似的な小当り開放態様で大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることになる。
大入賞口(本処理では第1大入賞口25または第2大入賞口26)を開放すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S604で大入賞口が開放中であると判定するため、第1大入賞口スイッチ25aまたは第2大入賞口スイッチ26aからの検知信号に基づいて大入賞口への遊技球の入球数が規定数(実施例では10個)に達したか否か(S622)、大入賞口を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(第1大入賞口25は28秒、第2大入賞口26は6秒)に達したか否か(S624)、をそれぞれ判定する。特図2_小当り図柄Aの役物当りで開放される第2大入賞口26の最大開放時間は、他の大当りで開放される第1大入賞口25の最大開放時間よりも短く、小当り遊技における第2大入賞口26の最大開放時間と同じ時間となっている。特図2_小当り図柄Aの役物当りは2R大当りであり、大当り遊技処理で実質1Rのラウンド遊技が行なわれる。そのラウンド遊技を、小当り遊技と同じ開放態様(開放回数、最大開放時間)で第2大入賞口26を開放して行なうのである。大入賞口への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、大入賞口の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても大入賞口の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、大入賞口を閉鎖し(S626)、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定する(S628)。大当り遊技のラウンド数は、本実施例では、第1特別図柄変動表示関連処理のS404または第2特別図柄変動表示関連処理のS456で決定された大当り図柄またはS460で設定された小当り図柄に応じて決定される。今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かの判定は、ラウンド遊技の繰り返し回数が決定された回数に達しているか否かを判定することにより行なわれる。今回のラウンド遊技が最終ラウンドでないと判定すると、開放間インターバルを発生させて(S630)、大当り遊技処理を終了する。開放間インターバルが発生すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S610で開放間インターバル中であると判定するため、開放間インターバル時間が経過したか否かを判定する(S632)。開放間インターバル時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、開放間インターバル時間が経過したと判定すると、今回の大当り遊技が特図2_小当り図柄Aの役物当りであるか否かに応じて、第1大入賞口25または第2大入賞口26のいずれかを開放して(S616~S620)、大当り遊技処理を終了する。なお、本実施例では、特図2_小当り図柄Aの役物当りは2R(大当り遊技処理では実質1R)であるから、S632で肯定的な判定をした後にS620で第2大入賞口26を開放することはない。
こうして開放間インターバルを挟んで大入賞口を開閉するラウンド遊技を繰り返した後、S628で今回のラウンド遊技が最終ラウンドであると判定すると、大当り遊技終了コマンドをサブ統合制御装置90に送信することにより大当り終了演出を開始して(S634)、大当り遊技処理を終了する。大当り終了演出を開始すると、次に大当り遊技処理が開始されたときに、S608で大当り終了演出中であると判定するため、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S636)。大当り終了演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り終了演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S638)、条件装置の作動を停止する(S640)。そして、今回の大当り遊技が特図2_小当り図柄Bの役物当りであるか否かを判定する(S642)。特図2_小当り図柄Bの役物当りでない、即ち特図2_小当り図柄Aの役物当りであるか図柄当りであると判定すると、時短フラグに値1を設定すると共に(S644)、時短カウンタ設定処理を行なう(S646)。時短カウンタ設定処理では、特図1_時短大当り図柄Aの大当り遊技終了時は時短カウンタに1回を設定し、特図1_時短大当り図柄B,Cや特図2_時短大当り図柄、特図2_小当り図柄Aの役物当りの大当り遊技終了時は時短カウンタに15回を設定する。なお、S642で特図2_小当り図柄Bの役物当りであると判定すると、S644,S646をスキップするため時短状態は設定されない。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信し(S648)、大当りフラグに値0を設定して(S650)、大当り遊技処理を終了する。
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90により実行される処理について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、変動指示コマンド、図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り開始コマンド、大当り終了コマンド、小当り開始コマンド、小当り終了コマンド、ラウンドコマンド、通過コマンドなどがある。図20は図柄変動演出処理の一例を示すフローチャートであり、図21は図柄変動演出処理における演出表示の一例を示す説明図である。また、図22は小当り遊技演出処理の一例を示すフローチャートであり、図23は大当り遊技演出処理の一例を示すフローチャートであり、図24~図26は当り遊技演出処理における演出表示の一例を示す説明図である。また、図27~図29は小当り遊技実行時のタイムチャートを示す説明図である。なお、図柄変動演出処理と小当り遊技演出処理と大当り遊技演出処理とは、サブ統合制御装置90により所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。また、図示は省略するが、サブ統合制御装置90は、受信した遊技状態指定コマンドに基づいて、通常状態と時短状態とで異なる演出モード(通常モード、時短モード)を設定する。
[図柄変動演出処理]
図20の図柄変動演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、図11の第1特別図柄変動表示関連処理のS416または図12の第2特別図柄変動表示関連処理のS472で主制御装置60により送信される変動指示コマンド(第1特別図柄変動指示コマンド、第2特別図柄変動指示コマンド)を受信したか否かを判定し(S700)、受信していないと判定すると、S720に進む。一方、変動指示コマンドを受信したと判定すると、今回の変動指示コマンドに含まれる当否判定結果が大当りであるか否か(S702)、小当りである否か(S704)、をそれぞれ判定する。大当りであると判定すると、演出図柄の停止図柄に大当り図柄を決定すると共に(S706)、演出図柄の変動パターンに大当り演出パターンを決定する(S708)。また、小当りであると判定すると、演出図柄の停止図柄に小当り図柄を決定すると共に(S710)、演出図柄の変動パターンに小当り演出パターンを決定する(S712)。また、大当りでも小当りでもなく外れであると判定すると、演出図柄の停止図柄に外れ図柄を決定すると共に(S714)、演出図柄の変動パターンに外れ演出パターンを決定する(S716)。こうして演出パターンや演出図柄の停止図柄を決定すると、演出表示装置37で演出図柄の変動演出を開始する(S718)。前述したように、変動指示コマンドには、大当り判定の結果や特別図柄の変動パターン(変動時間)、確定図柄などが含まれる。このため、現在の演出モード(遊技状態)および変動指示コマンドに含まれる特別図柄の確定図柄に対応する演出図柄の停止図柄を決定すると共に、現在の演出モードおよび特別図柄の変動パターンに対応する演出パターンを決定してから、演出表示装置37で演出図柄の変動表示を開始することになる。
演出図柄の変動演出を開始するか、S700で変動指示コマンドを受信していないと判定すると、特別図柄遊技処理のS320で主制御装置60により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定し(S720)、図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、図柄変動演出処理を終了する。図柄停止コマンドを受信したと判定すると、S706,S710,S714のいずれかで決定した停止図柄で演出図柄を停止表示して(S722)、図柄変動演出処理を終了する。
図21では図柄変動演出処理の演出表示の一例として、小当り図柄が停止表示される場合を示す。図示するように、3つの演出図柄371L,371C,371Rが上から下へスクロールして図柄変動演出が開始される(図21(a))。そして、3つの演出図柄371L,371C,371Rが、左の演出図柄371L、右の演出図柄371R、中の演出図柄371Cの順に小当り図柄(例えば343)で停止表示して小当りとなり(図21(b),(c))、小当り発生(チャンス発生)を報知して図柄変動演出が終了する。
[小当り遊技演出処理]
図22の小当り遊技演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、小当り遊技処理のS510で主制御装置60により送信される小当り開始コマンドを受信したか否かを判定する(S800)。小当り開始コマンドを受信したと判定すると、小当り開始演出(小当りオープニング演出)を実行する(S802,図24(a),図25(a))。小当り開始コマンドを受信していないと判定すると、S802をスキップする。小当り開始演出では、図24(a),図25(a)に示すように、小当りの開始と右打ちとを報知する演出が行なわれる。
次に、小当り遊技終了時処理のS560で主制御装置60により送信される小当り終了コマンドを受信したか否かを判定する(S804)。小当り終了コマンドを受信したと判定すると、小当り終了コマンドに含まれる今回のエンディング時間(ED時間)がエンディング時間Te1,Te2のいずれかであるか否かを判定する(S806)。エンディング時間Te1,Te2のいずれかであると判定すると、小当り遊技の終了を示す小当り終了報知演出を開始する(S808,図25(b))。このため、小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過しなかったためにエンディング時間Te1が設定された場合と、特図2_小当り図柄Aの小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過したためにエンディング時間Te2が設定された場合には、小当りが終了したことを報知することになる。一方、エンディング時間Te1,Te2のいずれでもなくエンディング時間Te3であると判定すると、特定領域43への遊技球の通過により特図2_小当り図柄Bから役物当りが発生した場合であり、役物当り発生報知演出(ボーナス獲得報知演出)を開始する(S810,図24(b),(c))。このため、特図2_小当り図柄Bの小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過したためにエンディング時間Te3が設定された場合には、役物当りが発生(ボーナスを獲得)したことを報知することになる。なお、特図2_小当り図柄Aの小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過したためにエンディング時間Te2が設定された場合も役物当りが実行されるが、この場合はS808で小当り終了報知演出が行なわれるため役物当り発生報知演出は行なわれない。
続いて、小当り終了報知演出中の所定タイミングであるか否かを判定する(S812)。この所定タイミングは、小当り終了報知を開始してからの経過時間に基づいて予め定められたタイミングである。所定タイミンであると判定すると、今回のエンディング時間がエンディング時間Te2であるか否かを判定する(S814)。エンディング時間Te2である、即ち特図2_小当り図柄Aの小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過した場合であると判定すると、小当り終了報知演出を終了して所定回数の疑似変動演出を開始する(S816,図26)。S812で小当り終了報知演出中の所定タイミングでないと判定したり、S814で今回のエンディング時間がエンディング時間Te2でないと判定すると、S816をスキップする。
そして、今回のエンディング時間がエンディング時間Te1であればそのエンディング時間Te1に到達したか否か(S818)、エンディング時間Te2であればそのエンディング時間Te2に到達したか否か(S820)、エンディング時間Te3であればそのエンディング時間Te3に到達したか否か(S822)、をそれぞれ判定する。これらの判定は、S808で小当り終了報知演出を開始してからの経過時間かS810で役物当り発生報知演出を開始してからの経過時間と、今回のエンディング時間とを比較することにより行なうことができる。S818、S820、S822で今回のエンディング時間に到達していないと判定すると、そのまま小当り遊技演出処理を終了する。
一方、S818でエンディング時間Te1に到達したと判定すると、S808で開始した小当り終了報知演出を終了して(S824)、小当り遊技演出処理を終了する。なお、エンディング時間Te2の場合もS808で小当り終了報知演出が開始されるが、その小当り終了報知演出はS812~S816で所定タイミングとなったときに終了して疑似変動演出が開始される。即ち、エンディング時間Te2の場合にはエンディング時間Te1の場合よりも小当り終了報知演出を早く終了して疑似変動演出を開始するように、S812の所定タイミングがエンディング時間Te1の到達よりも早いタイミング(短い時間)に定められている。また、S820でエンディング時間Te2に到達したと判定すると、S816で開始した疑似変動演出(所定回数目の疑似変動演出)で演出図柄を小当り図柄で停止表示することで疑似変動演出を終了して(S826)、小当り遊技演出処理を終了する。また、S822でエンディング時間Te3に到達したと判定すると、S810で開始した役物当り発生報知演出を終了して(S828)、小当り遊技演出処理を終了する。
S816で開始しS826で終了する疑似変動演出の一例を図26に示す。図示するように、まず3つの演出図柄371L,371C,371Rが上から下へスクロールして1回目の疑似変動演出が開始される(図26(a))。そして、3つの演出図柄371L,371C,371Rが、左の演出図柄371L、右の演出図柄371R、中の演出図柄371Cの順に外れ図柄(例えば353)で停止表示して外れとなり(図26(b),(c))、1回目の疑似変動演出が終了する。次に、3つの演出図柄371L,371C,371Rが再び上から下へスクロールして2回目の疑似変動演出が開始される(図26(d))。そして、3つの演出図柄371L,371C,371Rが、左の演出図柄371L、右の演出図柄371R、中の演出図柄371Cの順に小当り図柄(例えば343)で停止表示して小当りとなり(図26(e),(f))、小当りの連続的な発生(もう1回)を報知して2回目の疑似変動演出が終了する。このように、特図2_小当り図柄Aの小当りエンディング時間中に所定回数(ここでは2回)の疑似変動演出を行なって所定回数目に小当り図柄を停止表示させることで、小当りが連続的に発生したかのような印象を遊技者に与えることができる。また、本実施例では、2回の疑似変動演出を時短状態中の図柄変動演出と同様に行なう。この2回の疑似変動演出を行なう時間と、その前の小当り終了報知演出を行なう時間とを確保するように、エンディング時間Te2が定められている。
[大当り遊技演出処理]
図23の大当り遊技演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、大当り遊技処理のS612で主制御装置60により送信される大当り開始コマンドを受信したか否かを判定し(S900)、大当り開始コマンドを受信していないと判定するとS908に進む。大当り開始コマンドを受信したと判定すると、今回の大当りが特図2_小当り図柄Aの役物当りであるか否かを判定する(S902)。特図2_小当り図柄Aの役物当りでない、即ち図柄当りか特図2_小当り図柄Bの役物当りであると判定すると、右打ちの報知を伴う大当り開始演出(大当りオープニング演出)を行なう(S904,図24(d))。これにより、遊技者に大当り遊技の開始を報知する。なお、大当り遊技中には、演出表示装置37の表示画面に、ボーナス中(大当り中)や右打ちなどのメッセージ、現在のラウンド数などが表示される。ラウンド数の表示は、大当り遊技処理のS630で主制御装置60により送信されるラウンドコマンドに基づいて更新される。一方、S902で特図2_小当り図柄Aの役物当りであると判定すると、小当り開始演出(小当りオープニング演出)を行なう(S906,図25(a))。S906で小当り開始演出が行なわれることで、役物当りの大当り遊技(2R目)であるにも拘わらず小当り遊技が開始するように見せかけることができる。
そして、大当り遊技処理のS634で主制御装置60により送信される大当り終了コマンドを受信したか否かを判定し(S908)、大当り終了コマンドを受信していないと判定すると、大当り遊技演出処理を終了する。大当り終了コマンドを受信したと判定すると、今回の大当りが特図2_小当り図柄Aの役物当りであるか否かを判定する(S910)。特図2_小当り図柄Aの役物当りでない、即ち図柄当りか特図2_小当り図柄Bの役物当りであると判定すると、大当り終了演出(大当りエンディング演出)を行なう(S912)。これにより、遊技者に大当り遊技の終了を報知する。一方、S910で特図2_小当り図柄Aの役物当りであると判定すると、小当り終了報知演出を行なう(S914,図25(b))。S914で小当り終了報知演出が行なわれることで、役物当りの大当り遊技が終了するにも拘わらず小当り遊技が終了するように見せかけることができる。
ここで、図27~図29は小当り遊技実行時のタイムチャートの一例を示す説明図である。図27は特図2_小当り図柄Aまたは特図2_小当り図柄Bの小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過しなかった場合のタイムチャートの一例である。図示するように、小当り図柄を停止表示させる特別図柄遊技(小当り変動)が終了すると(時刻t1)、小当りフラグが値1となって小当り遊技が開始されると共に小当り開始演出(小当りOP演出)が開始される。小当り開始インターバル時間が経過すると、第2大入賞口26を開放して小当り遊技(1R)が行なわれる(時刻t2)。遊技球が特定領域43を通過することなく、第2大入賞口26に規定数の遊技球が入球するか最大開放時間が経過した時刻t3で第2大入賞口26が閉鎖されると共に、エンディング時間Te1が設定されて小当り終了報知演出が実行される。そして、エンディング時間Te1が経過した時刻t4で小当り終了報知演出が終了し、小当りフラグが値0となる。
図28は特図2_小当り図柄Aの小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過した場合のタイムチャートの一例である。図示するように、時刻t1で小当り変動が終了して小当りフラグが値1となると共に小当り開始演出が開始され、時刻t2で第2大入賞口26を開放して小当り遊技が行なわれる。第2大入賞口26に入球した遊技球が特定領域43を通過して時刻t3で第2大入賞口26が閉鎖されると、エンディング時間Te2が設定されて小当り終了報知演出が実行されると共に大当りフラグが値1となる。そして、小当り終了報知演出中に所定タイミングとなった時刻t14で小当り終了報知演出を終了して疑似変動演出が行なわれる。外れの変動演出と小当りの変動演出との2回の疑似変動演出が行なわれてエンディング時間Te2が経過した時刻t15で小当りフラグが値0となり、特図2_小当り図柄Aの役物当りの大当り遊技が開始される。また、特図2_小当り図柄Aの役物当りであるため、小当り開始演出が開始される。そして、時刻t16で第2大入賞口26を開放してラウンド遊技(2R)が開始される。疑似変動演出で小当り図柄が停止表示されて、小当り遊技と同じ開放態様で第2大入賞口26が開放されることで、小当り遊技が連続的に発生したように見せかけるから、小当りラッシュ状態が発生したかのような印象を遊技者に与えることができる。第2大入賞口26に規定数の遊技球が入球するか最大開放時間が経過した時刻t17で第2大入賞口26が閉鎖されると、大当りフラグが値0となると共に小当り終了報知演出を行ない、小当り終了報知演出を開始してから、大当り終了演出と同じ演出時間が経過した時刻t18で小当り終了報知演出が終了する。なお、小当り終了報知演出を開始してから所定タイミングとなったときに小当り終了報知演出を終了してもよいし、エンディング時間Te1と同じ時間が経過したときに小当り終了報知演出を終了してもよい。役物当りの終了時に小当り終了報知演出が行なわれることで、大当り遊技が実行されていたことを遊技者が気付きにくく、連続的に発生した小当り遊技が終了したように見せかけることができる。
図29は特図2_小当り図柄Bの小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過した場合のタイムチャートの一例である。図示するように、時刻t1で小当り変動が終了して小当りフラグが値1となると共に小当り開始演出が開始され、時刻t2で第2大入賞口26を開放して小当り遊技が行なわれる。第2大入賞口26に入球した遊技球が特定領域43を通過して時刻t3で第2大入賞口26が閉鎖されると、エンディング時間Te3が設定されて役物当り発生報知演出が実行されると共に大当りフラグが値1となる。そして、エンディング時間Te3が経過した時刻t24で小当りフラグが値0となり、特図2_小当り図柄Bの役物当りの大当り遊技が開始される。また、特図2_小当り図柄Bの役物当りであるため、大当り開始演出(大当りオープニング演出)が開始される。そして、時刻t25で第1大入賞口25を開放してラウンド遊技(2R)が開始される。以降の図示は省略するが、第1大入賞口25を開放するラウンド遊技が10Rまで繰り返されると、大当りフラグが値0となると共に大当り終了報知演出を行なって大当り遊技が終了する。
以上説明した実施例のパチンコ機1では、小当りエンディングの時間として、遊技球が特定領域43を通過しなかった場合にエンディング時間Te1を設定し、小当り遊技中に遊技球が特定領域43を通過した場合にエンディング時間Te1とは異なるエンディング時間Te2(Te3)を設定する。これにより、特定領域43への遊技球の通過有無により異なるエンディング時間を利用して、小当りエンディング中の演出を異ならせて演出効果を高めることが可能となる。
また、パチンコ機1では、エンディング時間Te2,Te3をエンディング時間Te1よりも長い時間に設定する。遊技球が特定領域43を通過してエンディング時間Te2が設定された場合には、遊技球が特定領域43を通過しなかった場合と同じ小当り終了報知演出を行ない、その後に別の演出(疑似変動演出)を行なうから、演出効果を一層高めることができる。また、遊技球が特定領域43を通過してエンディング時間Te3が設定された場合には、役物当り発生報知演出を行なうから、大当り発生への期待感を高めることができる。
また、パチンコ機1では、特図2_小当り図柄Aの役物当りの大当り遊技では、小当り遊技と同じ第2大入賞口26を小当り遊技と同じ開放態様で開放させて擬似的に小当り遊技を実行する。また、長いエンディング時間Te2を利用して、所定回数の疑似変動演出を行ない、所定回数目に小当り図柄を停止表示させる。このため、小当り図柄の停止表示により小当りが連続的に発生したかのような印象を遊技者に与えることができる。
ここで、例えば、特開2015-13042号公報には、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、大入賞口を開放する大当り遊技を実行し、小当り図柄で確定表示されると、大当り遊技よりも短い時間だけ大入賞口を開放する小当り遊技を実行し、特別図柄の大当り確率を低確率状態と高確率状態のいずれかに設定可能な確変機能を備える遊技機が開示されている。この遊技機では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に実行可能とすると共に第2特別図柄の小当り確率を第1特別図柄よりも高確率とし、低確率状態では、第1始動口への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の変動表示のみが実質的に行なわれるように第2特別図柄の変動時間を長くし、高確率状態では、第2特別図柄の変動時間を短くすることで小当り遊技が頻繁に実行される小当りラッシュ状態を発生させる。本実施例のパチンコ機1では、小当りエンディング中の疑似変動演出で小当り図柄を停止表示させて役物当りの開始時に小当り開始演出を行なうことにより、小当りが連続的に発生したように見せかけることができる。したがって、確変機能を備えない1種2種のパチンコ機1において、小当りラッシュ状態が発生したかのような印象を遊技者に与えることができるから、遊技興趣を一層向上させることができる。なお、疑似変動演出における1回の変動時間を、小当りラッシュ状態における1回の変動時間と同様な時間に設定してもよい。このようにすることで、小当りラッシュ状態が発生したかのような印象をより強く与えることができる。
実施例では、エンディング時間Te2をエンディング時間Te3よりも長くしたが、これに限られず、エンディング時間Te3がエンディング時間Te2よりも長くてもよい。即ち、遊技球が特定領域43を通過した場合のエンディング時間Te2,Te3は、遊技球が特定領域43を通過しなかった場合のエンディング時間Te1よりも長ければよく、エンディング時間Te2,Te3の長短は実施例の関係に限定されず、両者の時間が同じ時間であってもよい。
実施例では、エンディング時間Te1~Te3の3種類を有するものとしたが、これに限られず、少なくとも、遊技球が特定領域43を通過しなかった場合のエンディング時間Te1と遊技球が特定領域43を通過した場合のエンディング時間Te2との2種類を有するものであればよい。
実施例では、エンディング時間Te1よりもエンディング時間Te2(Te3)が長いものを例示したが、これに限られず、遊技球が特定領域43を通過しなかった場合のエンディング時間Te1と遊技球が特定領域43を通過した場合のエンディング時間Te2(Te3)とが異なる時間であればよい。即ち、遊技球が特定領域43を通過しなかった場合のエンディング時間Te1よりも遊技球が特定領域43を通過した場合のエンディング時間Te2(Te3)が短い時間であってもよい。また、エンディング時間Te2はエンディング時間Te1よりも長く、エンディング時間Te3はエンディング時間Te1よりも短いものなどとしてもよい。そのようにする場合、遊技球が特定領域43を通過して役物当りを開始する際には、大当り開始演出の実行を省略してもよいし、図柄当りの場合よりも短い時間の大当り開始演出を実行してもよい。
実施例では、エンディング時間Te2が設定された場合に、まずエンディング時間Te1が設定された場合と同じ小当り終了報知演出を行ない、その後に疑似変動演出を行なうものとしたが、これに限られるものではない。例えば、エンディング時間Te2が設定された場合に、小当り終了報知演出を行なうことなく疑似変動演出を行なってもよい。また、エンディング時間Te1が設定された場合に小当り終了報知演出のみを行なうものとしたが、これに限られず、小当り終了報知演出後に疑似変動演出を行なったり小当り終了報知演出を行なうことなく疑似変動演出を行なってもよく、その疑似変動演出で外れ図柄を停止表示させればよい。その場合の疑似変動演出の回数は、エンディング時間Te2が設定された場合の回数(所定回数)と異なる回数(例えば1回)などとすればよい。また、エンディング時間Te3が設定された場合に、小当り終了報知演出を行なわないものとしたが、これに限られず、まずエンディング時間Te1が設定された場合と同じ小当り終了報知演出を行ない、その後に役物当り発生報知演出を行なうものとしてもよい。
実施例では、疑似変動演出の所定回数として2回を例示したが、これに限られず、1回でもよいし3回以上の複数回であってもよく、エンディング時間Te2は所定回数の疑似変動演出の実行に必要な時間に設定されていればよい。また、エンディング時間Te2中に疑似変動演出を行なうものに限られず、別の演出を行なうものでもよい。
実施例では、特図2_小当り図柄Aの役物当りを2R大当り遊技(実質的に1R)としたが、これに限られず、3R以上の複数ラウンドの大当り遊技としてもよい。その場合、大当り遊技処理のS630で主制御装置60により送信されるラウンドコマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で小当り図柄を停止表示させる疑似変動演出と小当り開始演出とを行なうものとして、小当りが3以上の複数回にわたって連続的に発生しているように見せかけてもよい。
実施例では、特図2_小当り図柄Aの役物当りの終了時に小当り終了報知演出を行なうものとしたが、これに限られず、大当り終了演出(大当りエンディング演出)を行なうものとしてもよい。また、特図2_小当り図柄Aの役物当りでは、小当り遊技と同じ第2大入賞口26を同じ開放態様で開放するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、第2大入賞口26を用いるものの小当りとは異なる開放態様(開放時間)で開放したり、第2大入賞口26ではなく第1大入賞口25を用いたりしてもよい。即ち、小当り遊技で遊技球が特定領域43を通過した場合と、遊技球が特定領域43を通過しなかった場合とで、異なるエンディング時間Te1,Te2(Te3)を設定し、その異なるエンディング時間を利用してエンディング演出を行なうものであればよく、大入賞口の開放態様や開放する大入賞口が異なっていてもよい。
実施例では、大入賞口として、小当り遊技で用いる大入賞口(第2大入賞口26)と、大当り遊技で用いる大入賞口(第1大入賞口25)とを別々としたが、大当り遊技と小当り遊技とで内部に特定領域を有する一の大入賞口を共用してもよい。
実施例では、小当り遊技処理において第2大入賞口26を閉鎖した後に遊技球が特定領域43を通過したか否かを判定し、通過したと判定した場合に条件装置および役物連続作動装置の作動を開始したが、これに限られず、遊技球が特定領域43を通過したことを検知したタイミングで条件装置および役物連続作動装置の作動を直ちに開始してもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、第2始動口24が「始動口」に相当し、第2特別図柄変動表示関連処理のS450を実行する主制御装置60のCPU60aが「当否判定手段」に相当し、特定領域43(V領域)を有する第2大入賞口26が「大入賞口」に相当し、小当り遊技処理(小当り遊技終了時処理のS550~S558を除く)を実行する主制御装置60のCPU60aが「小当り遊技実行手段」に相当し、大当り遊技処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「大当り遊技実行手段」に相当し、小当り遊技演出処理と大当り遊技演出処理とを実行するサブ統合制御装置90のCPU90aと演出図柄制御装置91とが「演出実行手段」に相当し、小当り遊技終了時処理のS550~S558を実行する主制御装置60のCPU60aが「エンディング時間設定手段」に相当する。また、演出表示装置37が「演出表示装置」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。