図1は、本発明の一実施例としてのパチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図3は、振分装置40の概略構成図であり、図4は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。以下、第1種の遊技性と第2種の遊技性とを併せ持ったいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。なお、1種2種混合タイプのパチンコ機とは、通常状態(通常遊技状態)では、左打ちによる第1始動口への遊技球の入球に基づいて大当り(図柄大当り)か否かを抽選するいわゆる1種の遊技性で遊技を進行させ、大当りが発生して時短機能が作動すると(時短状態,特定遊技状態)、右打ちによる第2始動口への遊技球の入球が容易となり、当該第2始動口への遊技球の入球に基づいて大当り確率よりも高確率で小当りとなる抽選を行ない、小当りが発生すると、大入賞口を開放する小当り遊技を実行し、開放中の大入賞口に入球した遊技球が当該大入賞口内に設けられた特定領域を通過(役物大当り)すると、大当り遊技を実行する、いわゆる2種の遊技性で遊技を進行させるものである。なお、本実施例では、第1始動口への遊技球の入球に基づいて小当りも発生可能である。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図4参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図2に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出図柄表示装置37と、演出図柄表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物38と、センター役物38の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、センター役物38の下方に配置された常時開放の第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、センター役物38の右部に設けられた第1大入賞口25と、第2始動口24の左下方に配置された第2大入賞口26と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口28と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右一対の開閉羽根(開閉部材)24bと、開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図4参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉羽根24bが直立して遊技球の入球が困難な通常状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉羽根24bが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24a(図4参照)が取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
第1大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉羽根(開閉部材)25bと、開閉羽根25bを作動させる第1大入賞口ソレノイド25c(図4参照)と、を備える。この第1大入賞口25は、通常は、開閉羽根25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態(入球不能状態)とされており、大当り遊技が実行されるときに、第1大入賞口ソレノイド25cによって開閉羽根25bが右側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開放状態(入球可能状態)とされる。第1大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第1大入賞口スイッチ25a(図4参照)が取り付けられている。第1大入賞口25は、第1大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。大当り遊技は、第1大入賞口25を開閉するラウンド遊技を複数回に亘って繰り返すことにより実行される。
第2大入賞口26は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、スライド式の開閉板(開閉部材)26bと、開閉板26bを作動させる第2大入賞口ソレノイド26c(図4参照)と、を備える。この第2大入賞口26は、通常は、開閉板26bが盤面から突き出て遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が小当り図柄で停止表示されて小当り遊技が実行されるときに、第2大入賞口ソレノイド26cによって開閉板26bが盤面内に引き込まれることにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。第2大入賞口26が閉鎖状態にあるときには、右打ちにより遊技球が第2大入賞口26に入球することなく開閉板26b上を右から左へと通過する。第2大入賞口26には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2大入賞口スイッチ26a(図4参照)が取り付けられている。第2大入賞口26は、第2大入賞口スイッチ26aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
第2大入賞口26の内部には、振分装置40が設けられている。振分装置40は、図3に示すように、第2大入賞口26に入球した遊技球を特定領域(V領域)43か非特定領域(外れ領域)44かのいずれかに振り分けるものである。図示するように、振分装置40は、第2大入賞口26に入球した遊技球が流出するワープ出口41と、ワープ出口41の真下に設けられた特定領域43と、特定領域43の両サイドに設けられた非特定領域44と、特定領域43の入口付近に配置された左右一対の振分羽根42と、振分羽根42を作動させる振分ソレノイド42c(図4参照)と、を備える。振分装置40は、振分羽根42が振分ソレノイド42cによって予め定められた開閉パターン(開放時間および閉鎖時間)で開閉を繰り返し、振分羽根42が閉鎖しているときには、ワープ出口41から流出した遊技球を振分羽根42によって非特定領域44へと誘導し、振分羽根42が開放しているときには、ワープ出口41から流出した遊技球を特定領域43へと誘導する。振分羽根42の開放時間や閉鎖時間を調整することにより、特定領域43への遊技球の入球確率を設定することができる。また、振分羽根42の開閉パターンと第2大入賞口26の開閉タイミングとの組み合わせによっても、特定領域43への遊技球の入球確率を設定することができる。本実施例では、通常状態で第2大入賞口26に入球した遊技球が1/3の確率で特定領域43を通過し、時短状態で第2大入賞口26に入球した遊技球が1/1の確率で特定領域43を通過するように振分羽根42の開閉パターンが定められている。なお、特定領域43には、特定領域43への遊技球の通過を検知するための特定領域通過スイッチ43a(図4参照)が設けられている。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24,第1大入賞口25および第2大入賞口26は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24は、可変式の入賞口であり、普通図柄が当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。また、第1大入賞口25および第2大入賞口26も可変式の入賞口であり、特別図柄が大当りで当選(図柄大当り)または特別図柄が小当りで当選して遊技球が特定領域43を通過(役物大当り)した場合、特別図柄が小当りで当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が第1の停止表示態様(所定の大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行され、特別図柄が第2の停止表示態様(所定の小当り図柄)で停止表示されると、小当り遊技が実行される。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
なお、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、小当り遊技中に、第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。また、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、小当り遊技中に、第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、当りの場合に点灯し外れの場合に消灯する第1表示部と、当りの場合に消灯し外れの場合に点灯する第2表示部と、を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aが遊技球を検知したことに基づいて、第1表示部の点灯と第2表示部の点灯とを交互に繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、第1表示部および第2表示部の何れか一方を点灯し他方を消灯することにより普通図柄を停止表示する。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出図柄表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する演出図柄(疑似図柄)371L,371C,371Rの表示(図柄変動演出)の他、リーチ演出や予告演出、キャラクタ演出等の様々な演出表示を行なう。図5は、演出図柄表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出図柄表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371Rが表示され、表示画面の隅部(右上)には、キャラクタ図柄373が表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。また、3つの演出図柄371L,371C,371Rが特定の組み合わせ(大当りと同じ組合せを含む)で停止表示されると、小当りとなる。なお、キャラクタ図柄373は、図柄変動演出に伴うキャラクタ演出に用いられ、大当りや小当りが発生する可能性(信頼度)等を示唆する。
また、演出図柄表示装置37の表示画面の隅部(左下)には、図5に示すように、保留図柄372も表示される。保留図柄372は、現在の遊技状態が通常状態のときには、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、現在の遊技状態が通常状態のときには、第1特別図柄の変動表示中等に第1始動口23に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。また、保留図柄372は、現在の遊技状態が時短状態のときには、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、遊技状態が時短状態のときには、特別図柄の変動表示中等に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図4に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出図柄制御装置91と、図示しない電源基板と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子板65が設けられており、外部接続端子板65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図4に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22a、第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23aや、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口25への遊技球の入球を検知する第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口26への遊技球の入球を検知する第2大入賞口スイッチ26a、特定領域43への遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ43a、普通入賞口28への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ28a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。さらに、主制御装置60には、パチンコ機1の裏側に設けられた設定キースイッチ67やRAMクリアスイッチ68からの操作信号が入力され、設定キースイッチ67やRAMクリアスイッチ68を用いた設定内容をパチンコ機1の裏側に設けられた設定表示装置(性能表示装置)69に表示可能となっている。
設定キースイッチ67は、特別図柄の大当り確率などの各種設定を行なう際に操作されるスイッチである。また、RAMクリアスイッチ68はRAMクリアを実行するためのスイッチであり、遊技ホールの管理者は、RAMクリアスイッチ68を押下した状態で電源を投入することでRAMクリアを実行することができる。本実施例では、各種設定を行なう際の設定値の選択にもRAMクリアスイッチ68が用いられる。設定表示装置69は、7セグメント表示装置として構成されており、各種設定における設定値やパチンコ機1の性能、エラー発生時のエラーコードなどを表示する。ここで、本実施例では、特別図柄の大当り確率としてそれぞれ異なる確率が定められた6つの設定1~6の何れかを選択してセット可能な確率設定機能を有する。遊技ホールの管理者は、所定の鍵を設定キースイッチ67に挿入して回転させることで、設定値の変更が可能な状態とすると、現在の大当り確率の設定1~6に対応する「1」~「6」のいずれかの数字が設定表示装置69に表示される。また、設定表示装置69は、RAMクリアスイッチ68が押下される度に「1」~「6」の数字を順番に表示する。このため、管理者は、設定表示装置69に表示される数字が所望の設定値に対応する数字となるようにRAMクリアスイッチ68を押下して所望の設定値を選択し、設定キースイッチ67に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻すことにより、選択した設定値(設定1~6の何れか)を確定して特別図柄の大当り確率としてセットすることができる。なお、本実施例では、設定キースイッチ67およびRAMクリアスイッチ68を用いて設定値の選択およびセットを行なう構成としたが、例えば、回転つまみ等、外部から操作できるものであれば、他の如何なる操作手段を用いて設定値の選択やセットを行なう構成であってもよく、設定値を選択する専用のスイッチを設ける構成であってもよい。また、パチンコ機1は、設定値を設定表示装置69に表示するものとしたが、他の表示装置に表示してもよいし、音声により報知してもよい。また、設定1~6の6つに限られず、複数の設定値のうちから選択可能なものであれば幾つであっても構わない。
また、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや第1大入賞口ソレノイド25c、第2大入賞口ソレノイド26c、振分ソレノイド42c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。さらに、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づく発射強度で遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止コマンドを入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出図柄制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出図柄制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出図柄表示装置37に表示されるよう当該演出図柄表示装置37の表示制御を行なう。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図6は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の大当り確率(図柄大当りの確率)は、第1特別図柄と第2特別図柄で同じ確率となっており、設定1の1/300、設定2の1/290、設定3の1/280、設定4の1/270、設定5の1/260、設定6の1/250のいずれかが設定される。特別図柄の小当り確率は、第1特別図柄と第2特別図柄で同じ確率となっており、1/99である。小当り遊技が実行された場合の特定領域43への入球(通過)確率(V入賞率)は、上述したように、通常状態では1/3に設定され、時短状態では1/1に設定される。このため、時短状態で小当りが発生すると、実質的に役物大当りが確約される。
また、普通図柄の当り確率は、通常状態では、1/100であるが、時短状態では、99/100であり殆どが当りとなる。また、普通図柄が当選したときの第2始動口24(普通電動役物)の開放時間は、通常状態では、最大0.2秒間、1回開放されるが、時短状態では、2.0秒間、1回に延長される。
大当り遊技が実行されると、当該大当り遊技の終了後に第2始動口24への遊技球を入球させるのに有利となる時短状態が発生する。この時短状態は、通常状態よりも小当り遊技の実行頻度の高い状態といえる。時短状態は、大当り遊技になるか特別図柄の変動表示が所定回数実行されるまで継続し、所定回数実行されると通常状態に戻る。本実施例では、所定回数は99回である。なお、時短状態の終了条件は、図柄大当りした場合の大当り図柄や役物大当りした場合の小当り図柄などに応じて異なるものとしてもよい。
こうした仕様のパチンコ機1において、左打ち(第1遊技領域への遊技球の発射)により第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、図柄大当りとなり、第1大入賞口25を所定回数(所定ラウンド数)開放する大当り遊技が実行される。なお、所定回数は、大当り図柄に応じて定められる。第1大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不能であり、右打ち(第2遊技領域への遊技球の発射)することにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。なお、後述するように、第1特別図柄の大当り図柄のうち一部(特定)の大当り図柄では、第2大入賞口26を開放する場合がある。また、第1特別図柄が小当り図柄で停止表示されると、小当りとなり、第2大入賞口26を1回開放する小当り遊技が実行される。小当り遊技中に第2大入賞口26に入球した遊技球が、特定領域43を通過すると、役物大当りとなり、第1大入賞口25を所定回数開放する大当り遊技が実行される。
通常状態において図柄大当りや役物大当りにより大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後に時短状態へ移行すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高くなると共に普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常状態よりも延長される。したがって、遊技者は、右打ちすることにより、第2始動口24に容易に遊技球を入球させることができる。第2始動口24に遊技球が入球すると、第2特別図柄の変動表示が開始される。そして、第2特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、図柄大当りとなり、第1大入賞口25を所定回数開放する大当り遊技が実行される。また、第2特別図柄が小当り図柄で停止表示されると、小当りとなり、第2大入賞口26を1回開放する小当り遊技が実行される。小当り遊技中に第2大入賞口26に入球した遊技球が、特定領域43を通過すると役物大当りとなり、第1大入賞口25を所定回数開放する大当り遊技が実行される。上述したように、時短状態の小当り遊技中の特定領域43への入球確率は1/1であり、通常状態の小当り遊技中の特定領域43への入球確率(1/3)よりも高くなっている。このため、時短状態で第2特別図柄が小当り図柄で停止表示されると、実質的に役物大当りが確約されるから、高確率で役物大当りを発生させることができる。また、役物大当りが発生すると、大当り遊技終了後は時短状態になるため、小当り(役物大当り)を連続して獲得できるチャンスとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄が図柄大当りになると、大当り遊技終了後は通常状態となり時短状態が終了する。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作についてさらに詳細に説明する。図7は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、乱数更新処理(S110)と、入賞確認処理(S120)と、始動入賞処理(S130)と、普通図柄遊技処理(S140)と、普通図柄当り遊技処理(S150)と、特別図柄遊技処理(S160)と、小当り遊技処理(S170)と、大当り遊技処理(S180)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S110~S180の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。なお、S100の電源投入処理では初期状態から起動する際に、上述したように設定キースイッチ67およびRAMクリアスイッチ68を用いて選択された大当り確率の設定値などの各種設定値が読み出されて設定される。
[乱数更新処理]
S110の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる当否判定に用いる当否判定用乱数(特別図柄当否判定用乱数)や、当否判定の結果が大当りまたは小当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄または小当り図柄の決定に用いる当り図柄決定用乱数,当否判定の結果が外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、特別図柄の変動表示パターン(変動時間)の決定に用いる変動パターン決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S120)に進む。
[入賞確認処理]
S120の入賞確認処理は、各種センサ(ゲートスイッチ22aや第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口スイッチ26a、特定領域通過スイッチ43a、普通入賞口スイッチ28aなど)の状態を検出してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。そして、上述のスイッチのうち賞球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、第1大入賞口スイッチ25a、第2大入賞口スイッチ26a、普通入賞口スイッチ28a)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S130)に進む。
[始動入賞処理]
図8は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S130の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した当否判定用乱数や当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、第1特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S208)、S210の処理に進む。第1特別図柄保留数指示コマンドには、演出図柄表示装置37に保留図柄372を表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定すると、S204~S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S214)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S216)。ここで、S216で取得される判定用乱数としては、上述した当否判定用乱数や当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、第2特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S218)、S220の処理に進む。第2特別図柄保留数指示コマンドには、演出図柄表示装置37に保留図柄372を表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S210で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定すると、S214~S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S220)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S222)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S224)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S226)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S228)、始動入賞処理を終了する。S220で普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過していないと判定したり、S222で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S224~228の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S140)に進む。
[普通図柄遊技処理]
S140の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する。保留数が値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、保留数が値0よりも多いと判定したときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行なうと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(停止図柄)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過することに基づいて取得される普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、普通図柄当否判定用乱数がいずれかの当り値と一致したときには当りと判定し、普通図柄当否判定用乱数がいずれの当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。本実施例では、普通図柄の当り確率は通常状態では1/100であり、時短状態では99/100である。そして、当否判定の結果、当りと判定すると、普通図柄の停止図柄として当り図柄を決定し、外れと判定すると、普通図柄の停止図柄として外れ図柄を決定する。普通図柄の停止図柄を設定すると、普通図柄の変動時間(1秒や2秒など)を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過すると、決定した停止図柄で普通図柄を停止表示する。停止表示した普通図柄が外れ図柄のときには、外れとして、普通図柄遊技処理を終了する。一方、停止表示した普通図柄が当り図柄のときには、当りとして、第2始動口24の開放時間を設定し、第2始動口24の開放作動を開始して普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口24の開放時間は、通常状態では0.2秒に設定され、時短状態では2.0秒に設定される。もっとも、通常状態では、普通図柄が当り図柄で停止表示することは殆どないから第2始動口24が開放されることは殆どない。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄当り遊技処理(S140)に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
S150の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、第2始動口24が開放作動中であるか否かを判定する。第2始動口24が開放作動中でないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、第2始動口24が開放作動中であると判定すると、開放作動を開始してからの経過時間(開放時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間(0.2秒または2.0秒)に達しているか否か、規定数の遊技球が第2始動口24に入球しているか否かを判定する。開放時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口24に入球してもいないと判定すると、第2始動口24の開放作動を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放時間が設定時間に達していると判定したり、開放時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口24に入球していると判定すると、第2始動口24の開放作動を終了(第2始動口ソレノイド24cの駆動を終了)して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の特別図柄遊技処理(S160)に進む。
[特別図柄遊技処理]
図9および図10は、特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S160の特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1である(大当り遊技中である)か否か、小当りフラグが値1である(小当り遊技中である)か否かを判定する(S300)。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれかが値1である、すなわち大当り遊技中であるか小当り遊技中であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。なお、特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の小当り遊技処理(S170)に進む。一方、大当りフラグおよび小当りフラグがいずれも値1でない、すなわち大当り遊技中でも小当り遊技中でもないと判定すると、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S302)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかの確定図柄が表示中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中ではなく確定図柄の表示中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、第2特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行する(S310)。
一方、第2特別図柄の保留数が値0であると判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S312)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の複数の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S314)、第1特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行する(S316)。S312で第1特別図柄の保留数が値0であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。S306~S316では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0よりも多いときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(第2特図優先変動)。この場合、時短状態に移行し、第2特別図柄の保留記憶が発生すると、直ぐに当否判定の順番が回ってくるため、第1特別図柄の保留記憶が残存していても、その消化を待つ必要がない。なお、第1特別図柄の変動表示を優先して行なうものとしてもよいし(第1特図優先変動)、特別図柄の変動表示を始動口(第1始動口23,第2始動口24)への遊技球の入球順に行なうものとしてもよい(入球順変動)。以下、S310の第2特別図柄の変動表示関連処理およびS316の第1特別図柄の変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理は共通の処理が実行されるため、共通のフローチャートを用いて説明する。図11は、特別図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄変動表示関連処理では、まず、S308,S314で取得した当否判定用乱数に基づいて当否判定処理を行ない(S400)、当否判定処理の結果が大当りであるか否か(S402)、小当りであるか否か(S404)、を判定する。当否判定処理は、当否判定用乱数と当否判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、当否判定用乱数がいずれかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、当否判定用乱数がいずれかの小当り値と一致したときには小当りと判定し、当否判定用乱数がいずれの大当り値および小当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。上述したように、本実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄共に、設定1~設定6(1/300,1/290,1/280,1/270,1/260,1/250)のいずれかの大当り確率で大当りに当選し、1/99の小当り確率で小当りに当選する。
S402で当否判定処理の結果が大当りであると判定すると、S308またはS314で取得した大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する(S406)。この処理は、大当り図柄決定用乱数を用いて大当り遊技の内容(ラウンド数)や大当り遊技終了後の遊技状態(通常状態,時短状態)が異なる複数の大当り図柄の中から一の図柄を選択することにより行なう。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(大当り変動パターン)を決定する(S408)。図12は、大当り図柄決定テーブルの一例を示す説明図である。第1特別図柄の大当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図12(a)に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第1特別図柄の大当り図柄は、図示するように、16R大当り遊技を実行し大当り遊技終了後を時短状態とする特図1_時短大当り図柄と、2R大当り遊技を実行し大当り遊技終了後を通常状態とする特図1_通常大当り図柄Aと、4R大当り遊技を実行し大当り遊技終了後を通常状態とする特図1_通常大当り図柄Bと、を有する。特図1_時短大当り図柄,特図1_通常大当り図柄A,特図1_通常大当り図柄Bは、それぞれ40%,30%,30%の割合で出現する。第2特別図柄の大当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図12(b)に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第2特別図柄の大当り図柄は、図示するように、10R大当り遊技を実行し大当り遊技終了後を通常状態とする特図2_通常大当り図柄を有し、特図2_通常大当り図柄が100%の割合で出現する。
S404で当否判定処理の結果が小当りであると判定すると、S308またはS314で取得した当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定する(S410)。この処理は、当り図柄決定用乱数を用いて一の小当り図柄を選択することにより行なう。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した小当り図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(小当り変動パターン)を決定する(S412)。図13は、小当り図柄決定テーブルの一例を示す説明図である。第1特別図柄の小当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図13(a)に例示する小当り図柄決定テーブルとを用いて行なわれ、第2特別図柄の小当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図13(b)に例示する小当り図柄決定テーブルとを用いて行なわれる。本実施例では、いずれのテーブルも第2大入賞口26を6秒間1回開放する小当り遊技を実行する小当り図柄(特図1_小当り図柄,特図2_小当り図柄)を有し、その小当り図柄が100%の割合で出現する。また、役物大当り遊技では、第1大入賞口25を15回開放する15R大当り遊技を実行し、大当り遊技終了後を時短状態とする。
S402,S404で大当り判定の結果が外れであると判定すると、S308またはS314で取得した外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S414)。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S416)。
こうして変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始し(S418)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に特図保留数表示装置の表示を更新する(S420)。この処理は、第1特別図柄の変動表示を開始する際には、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する処理となり、第2特別図柄の変動表示を開始する際には、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新する処理となる。また、特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、変動指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S422)、変動表示関連処理を終了する。変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出図柄表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。変動指示コマンドには、当否判定の結果や特別図柄の変動パターン(変動時間)、確定図柄(大当り図柄、小当り図柄または外れ図柄)などが含まれる。
図9および図10の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S302で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御装置60のCPU60aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S318)。変動時間はS408,S412,S416のいずれかで決定した特別図柄の変動パターンに応じて設定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行なうことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S320)、変動表示中の特別図柄を確定表示する(S322)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出図柄表示装置37で図柄変動演出を終了するように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。そして、確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定する(S324)。ここで、確定図柄の表示時間は、本実施例では0.5秒に設定される。確定図柄の表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。確定図柄の表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄表示中と判定するため、再びS324で確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄の表示時間が経過していると判定すると、確定図柄の表示を終了し(S326)、確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S328)。
S328で確定図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技を開始するために、条件装置の作動を開始すると共に(S330)、役物連続作動装置の作動を開始し(S332)、大当りフラグに値1(ON)を設定する(S334)。大当り遊技中には、時短機能(開放延長機能)を停止させるために、時短フラグが値1(ON)のときには時短フラグを値0(OFF)とし(S336,S338)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S340)、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や時短フラグの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS170の小当り遊技処理に進む。
S328で確定図柄が大当り図柄でないと判定すると、確定図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S342)。確定図柄が小当り図柄であると判定すると、小当り遊技を開始するために、小当りフラグに値1(ON)を設定し(S344)、確定図柄が小当り図柄でないと判定すると、外れ図柄であるから、S344をスキップする。次に、時短フラグが値1(ON)であるか否か、すなわち現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S346)。時短フラグが値1でなく値0(OFF)であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。一方、時短フラグが値1であると判定すると、時短カウンタを値1だけデクリメントして(S348)、時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S350)。ここで、時短カウンタは、時短状態(開放延長状態)の終了条件が成立するまでの第1特別図柄および第2特別図柄の残り変動回数を示すものであり、本実施例では、値99が設定される。そして、時短カウンタが値0でないと判定すると、時短状態を維持しまま特別図柄遊技処理を終了し、時短カウンタが値0であると判定すると、時短状態を終了させるために、時短フラグに値0を設定する(S352)。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S354)、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、小当りフラグの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、S170の小当り遊技処理に進む。
[小当り遊技処理]
図14および図15は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S170の小当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、小当りフラグが値1(ON)であるか否かを判定する(S500)。小当りフラグが値1でなく値0(OFF)であると判定すると、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技処理を終了すると、次のS180の大当り遊技処理に進む。一方、小当りフラグが値1であると判定すると、小当り開始インターバル中であるか否か(S502)、第2大入賞口26が開放中であるか否か(S504)、特定領域43が有効中であるか否か(S506)、小当り終了演出が実行中であるか否か(S508)、をそれぞれ判定する。S502~S508のいずれの判定も否定的な判定であれば、小当り開始インターバルを開始して(S510)、小当り遊技処理を一旦終了する。なお、小当り開始インターバルの開始に伴い小当り開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信する。小当り開始コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、ボーナスチャンス演出を開始する。小当り開始インターバルを開始すると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、S502で小当り開始インターバル中であると判定されるため、次に、小当り開始インターバル時間が経過したか否かを判定する(S512)。小当り開始インターバル時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当り開始インターバル時間が経過したと判定すると、第2大入賞口ソレノイド26cの駆動により第2大入賞口26を開放すると共に(S514)、特定領域43を有効化して(S516)、小当り遊技処理を終了する。なお、上述したように、開放された第2大入賞口26に入球した遊技球が、通常状態では1/3の確率で特定領域43を通過し、時短状態では1/1の確率で特定領域43を通過するような開閉パターンで振分羽根42が作動する。第2大入賞口26を開放すると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、S504で第2大入賞口26が開放中であると判定されるため、次に第2大入賞口スイッチ26aからの検知信号に基づいて第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数(実施例では10個)に達しているか否か(S518)、第2大入賞口26を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(実施例では6秒)に達している否か(S520)、をそれぞれ判定する。なお、小当り遊技は、第2大入賞口26を1回だけ開放するものに限られず、通じて最大開放時間を限度に複数回開放するものでも構わない。第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、第2大入賞口26の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、第2大入賞口26の開放を維持したまま小当り遊技処理を一旦終了する。一方、第2大入賞口26への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても第2大入賞口26の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、第2大入賞口26を閉鎖して(S522)、小当り遊技処理を終了する。
第2大入賞口26を閉鎖すると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、S504で第2大入賞口26が開放中でないと判定され、続くS506で特定領域43が有効中であると判定されるため、特定領域通過スイッチ43aにより特定領域43を遊技球が通過したか否かを判定する(S528)。特定領域43を遊技球が通過しなかったと判定すると、特定領域43の有効期間が終了したか否かを判定する(S530)。有効期間が終了していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、有効期間が終了したと判定すると、特定領域43を遊技球が通過することなく小当り遊技を終了することを示す小当り終了コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S532)、小当り遊技処理を終了する。小当り終了コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、ボーナス獲得の失敗を報知することにより小当り終了演出を行なう。特定領域43の有効期間が終了して小当り終了演出が開始されると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、S506で特定領域43が有効中でないと判定され、続くS508で小当り終了演出中であると判定されるため、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S524)。小当り終了演出時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当り終了演出時間が経過したと判定すると、小当りフラグに値0を設定して(S526)、小当り遊技処理を終了する。
S528において、特定領域43を遊技球が通過したと判定すると、小当りから役物大当りとなった場合であり、大当り遊技を実行するために、役物連続作動装置の作動を開始して(S534)、特定領域43を遊技球が通過したことを示す通過コマンドをサブ統合制御装置90に送信する(S536)。通過コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、ボーナス獲得の成功を報知し役物大当りを開始するための演出を行なう。次に、第2大入賞口26が開放中であれば、第2大入賞口26を閉鎖し(S538,S540)、特定領域43を無効化する(S542)。続いて、大当りフラグに値1を設定し(S544)、時短フラグが値1であれば、時短フラグに値0を設定する(S546,S548)。そして、小当りフラグに値0を設定すると共に(S550)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S552)、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技処理を終了すると、S180の大当り遊技処理に進む。
[大当り遊技処理]
図16および図17は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S180の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1(ON)であるか否かを判定する(S600)。大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値1であると判定すると、大入賞口(第1大入賞口25または第2大入賞口26)が開放中であるか否かを判定する(S602)。大入賞口(第1大入賞口25または第2大入賞口26)が開放中でないと判定すると、大当り開始インターバル中であるか否か(S604)、大当り遊技終了演出中であるか否か(S606)、開放間インターバル中であるか否か(S608)、をそれぞれ判定する。本実施例では、特定大当り図柄(特図1_時短大当り図柄)の第1ラウンドでは第2大入賞口26が開放され、特定大当り図柄(特図1_時短大当り図柄)の他のラウンド(第2~第15ラウンド)や他の大当り図柄の各ラウンドでは第1大入賞口25が開放される。このため、特定大当り図柄(特図1_時短大当り図柄)の第1ラウンドは、小当り遊技と同様に第2大入賞口26が開放される(擬似的な小当り開放動作)から、大当り遊技か小当り遊技かを判別困難となる。S604~S608のいずれも否定的な判定がなされると、大当り開始インターバルを開始して(S610)、大当り遊技処理を終了する。大当り開始インターバルは、大当り開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信することにより行なう。大当り開始コマンドには、開始する大当り遊技が図柄大当りであるか役物大当りであるかや、図柄大当りの場合の大当り図柄の種類を含む。大当り開始インターバルを開始すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S604で大当り開始インターバル中であると判定されるため、大当り開始インターバル時間が経過したか否かを判定する(S612)。大当り開始インターバル時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り開始インターバル時間が経過したと判定すると、今回の大当り遊技が特定大当り図柄の第1ラウンドであるか否かを判定し(S614)、特定大当り図柄の第1ラウンド以外のラウンドであると判定すると、第1大入賞口ソレノイド25cの駆動により第1大入賞口25を開放して(S616)、大当り遊技処理を終了する。また、特定大当り図柄の第1ラウンドであると判定すると、第2大入賞口ソレノイド26cの駆動により第2大入賞口26を開放して(S618)、大当り遊技処理を終了する。また、大当り遊技処理において第2大入賞口26を開放した場合、例えば、1/1の確率で特定領域43を通過するような開閉パターンで振分羽根42を作動すればよい。即ち、第2大入賞口26に入球した遊技球が、特定領域43を確実に通過して役物大当りが発生するように見せかけるものとすればよい。
大入賞口(第1大入賞口25または第2大入賞口26)を開放すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S602で大入賞口が開放中であると判定されるため、第1大入賞口スイッチ25aまたは第2大入賞口スイッチ26aからの検知信号に基づいて大入賞口(第1大入賞口25または第2大入賞口26)への遊技球の入球数が規定数(実施例では10個)に達したか否か(S620)、大入賞口(第1大入賞口25または第2大入賞口26)を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間に達したか否か(S622)、をそれぞれ判定する。なお、実施例では、第1大入賞口25の最大開放時間は28秒であり、第2大入賞口26の最大開放時間は小当り遊技と同じ6秒である。大入賞口への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、大入賞口の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても大入賞口の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、開放中の大入賞口を閉鎖し(S624)、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定する(S626)。大当り遊技のラウンド数は、図柄大当りした場合の大当り図柄や小当りから役物大当りした場合の小当り図柄によって設定されるため、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かの判定は、ラウンド遊技の繰り返し回数が大当り図柄または小当り図柄に応じて定まる回数に達しているか否かを判定することにより行なわれる。今回のラウンド遊技が最終ラウンドでないと判定すると、開放間インターバルを発生させて(S628)、大当り遊技処理を終了する。開放間インターバルが発生すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S608で開放間インターバル中であると判定されるため、開放間インターバル時間が経過したか否かを判定する(S630)。開放間インターバル時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、開放間インターバル時間が経過したと判定すると、再度、今回の大当り遊技が特定大当り図柄の第1ラウンドであるか否かを判定し(S614)、特定大当り図柄の第1ラウンド以外のラウンドであると判定すると第1大入賞口25を開放して(S616)、大当り遊技処理を終了する。なお、大当り遊技処理で第2大入賞口26を開放するのは、特定大当り図柄の第1ラウンドのみであるから、2ラウンド目以降で第2大入賞口26を開放することはなく、第1大入賞口25を開放することになる。
こうして開放間インターバルを挟んで第1大入賞口25を開閉するラウンド遊技を繰り返した後、S626で今回のラウンド遊技が最終ラウンドであると判定すると、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S632)、大当り遊技処理を終了する。大当り終了コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、実行中の大当り遊技の種類に応じて後述する大当り終了演出やボーナス終了演出などの大当り遊技の終了演出を実行する。大当り遊技の終了演出を開始すると、次に大当り遊技処理が開始されたときに、S606で大当り遊技の終了演出中であると判定されるため、大当り遊技の終了演出時間が経過したか否かを判定する(S634)。大当り遊技の終了演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技の終了演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S636)、条件装置の作動を停止する(S638)。そして、今回の大当り遊技が役物大当りまたは図柄大当りのうち時短大当り(特定大当り図柄である特図1_時短大当り図柄)であるか否かを判定し(S640)、役物大当りまたは時短大当りであると判定すると、時短フラグに値1(ON)を設定すると共に(S642)、時短カウンタに値99を設定する時短カウンタ設定処理を実行する(S644)。なお、今回の大当り遊技が図柄大当りのうち通常大当りであると判定すると、S642,S644をスキップする。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信し(S646)、大当りフラグに値0を設定して(S648)、大当り遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグや時短フラグ、時短カウンタの値が含まれる。
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90により実行される処理について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、変動指示コマンド、図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り開始コマンド、大当り終了コマンド、小当り開始コマンド、小当り終了コマンド、ラウンドコマンド、通過コマンドなどがある。図18および図19は図柄変動演出処理の一例を示すフローチャートであり、図20~図22は図柄変動演出処理における演出表示の一例を示す説明図である。また、図23は小当り遊技演出処理の一例を示すフローチャートであり、図24および図25は大当り遊技演出処理の一例を示すフローチャートであり、図26は当り遊技演出処理における演出表示の一例を示す説明図である。また、図27は時短モードにおける演出表示の一例を示す説明図である。なお、図柄変動演出処理と小当り遊技演出処理と大当り遊技演出処理とは、サブ統合制御装置90により所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
[図柄変動演出処理]
図柄変動演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、特別図柄遊技処理のS422で主制御装置60により送信される変動指示コマンドを受信したか否かを判定する(S700)。変動指示コマンドを受信したと判定すると、現在の演出モードが通常モード中であるか否かを判定し(S702)、通常モード中でないと判定すると、S720に進む。なお、本実施例では、演出モードとして、遊技状態が通常状態の場合に設定される通常モードと、遊技状態が時短状態の場合に設定される時短モードとを有する。時短モードは、後述するように特定大当り図柄(特図1_時短大当り図柄)の大当り遊技や役物大当りの大当り遊技が終了した場合に設定される。また、図示は省略するが、時短モード中に発生した通常大当り(特図2_通常大当り図柄)の大当り遊技が終了した場合や時短カウンタが値0となって時短状態が終了した場合には通常モードが設定される。通常モード中であると判定すると、今回の変動指示コマンドに含まれる当否判定結果が大当りであるか否か(S704)、小当りである否か(S706)、をそれぞれ判定する。大当りであると判定すると、さらに特定大当り図柄(特図1_時短大当り図柄)であるか否かを判定し(S708)、特定大当り図柄でない、即ち特図1_通常大当り図柄A,Bのいずれかであると判定すると、演出図柄の変動パターンに再変動あり当り演出パターンを決定すると共に(S710)、演出図柄の停止図柄に当り図柄を決定する(S712)。一方、S706で小当りであると判定するか、S708で特定大当り図柄であると判定すると、演出図柄の変動パターンに再変動なし当り演出パターンを決定すると共に(S714)、演出図柄の停止図柄に当り図柄を決定する(S712)。また、特別図柄の抽選結果が大当りでも小当りでもなく外れであると判定すると、演出図柄の変動パターンに外れ演出パターンを決定すると共に(S716)、演出図柄の停止図柄に外れ図柄を決定する(S718)。なお、外れの場合に、再変動あり外れ演出パターンを決定することがあってもよい。
次に、現在の演出モードが時短モード中であるか否かを判定し(S720)、時短モード中でないと判定すると、S736に進む。時短モード中であると判定すると、今回の変動指示コマンドに含まれる当否判定結果が大当りであるか否か(S722)、小当りである否か(S724)、をそれぞれ判定する。大当りであると判定するか小当りであると判定すると、演出図柄の変動パターンに時短モードが継続するか否かを煽る演出を伴う時短継続煽り演出パターンを決定すると共に(S726)、演出図柄の停止図柄に当り図柄を決定する(S728)。一方、特別図柄の抽選結果が大当りでも小当りでもなく外れであると判定すると、演出図柄の変動パターンに外れ演出パターンを決定すると共に(S730)、演出図柄の停止図柄に外れ図柄を決定する(S732)。また、時短モード中に演出図柄表示装置37の表示画面に表示する時短残り回数表示を値1だけデクリメントして更新する(S734)。
こうして演出パターンや演出図柄の停止図柄を決定すると、演出図柄表示装置37で演出図柄の変動演出を開始する(S736)。演出図柄の変動演出を開始するか、S700で変動指示コマンドを受信していないと判定すると、演出図柄が再変動ありパターンで変動演出中であるか否かを判定する(S738)。再変動ありパターンで変動演出中であると判定すると、演出図柄の仮停止タイミングであるか否か(S740)、仮停止後の再変動タイミングであるか否か(S742)、をそれぞれ判定する。なお、仮停止タイミングは、特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応する図柄変動演出時間よりも数秒程度前のタイミングとして定められている。S740で仮停止タイミングであると判定すると、変動演出中の演出図柄を仮停止表示する(S744)。また、仮停止タイミングとなって演出図柄を仮停止表示した後に、S742で演出図柄の再変動タイミングであると判定すると、演出図柄の再変動を開始する(S746)。なお、S738で演出図柄が変動演出中でないと判定したり、変動演出中であっても再変動ありパターンでないと判定すると、S740~S746をスキップする。
そして、特別図柄遊技処理のS320で主制御装置60により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定し(S748)、図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、図柄変動演出処理を終了する。図柄停止コマンドを受信したと判定すると、現在の演出モードが通常モード中であるか否かを判定し(S750)、通常モード中でないと判定すると、S764に進む。通常モード中であると判定すると、今回の図柄変動演出における特別図柄の抽選結果が大当りであるか否か(S752)、小当りであるか否か(S754)、をそれぞれ判定する。大当りであると判定すると、さらに特定大当り図柄(特図1_時短大当り図柄)であるか否かを判定し(S756)、特定大当り図柄でない、即ち特図1_通常大当り図柄A,Bのいずれかであると判定すると、演出図柄を当り図柄で停止表示し大当りの発生を報知して(S758)、図柄変動演出処理を終了する。一方、S754で小当りであると判定するか、S756で特定大当り図柄であると判定すると、演出図柄を当り図柄で停止表示して(S760)、図柄変動演出処理を終了する。なお、S760では、大当りか否かを報知しない点でS758と異なる。また、特別図柄の抽選結果が大当りでも小当りでもなく外れであると判定すると、演出図柄を外れ図柄で停止表示して(S762)、図柄変動演出処理を終了する。
図20は、通常モード中に特別図柄が特定大当り図柄以外の大当り図柄、即ち特図1_通常大当り図柄A,Bのいずれかで停止表示される場合における、再変動あり演出パターンの図柄変動演出の様子である。図示するように、左右の演出図柄371L,371Rが同じ図柄となってリーチ演出に移行し(図20(a))、図柄変動演出処理のS740で仮停止タイミングとなったときにS744で中の演出図柄371Cと左右の演出図柄371L,371Rとを異なる図柄で仮停止表示して一旦外れ図柄を表示する(図20(b),(c))。その後、S742で再変動タイミングとなったときにS746で中の演出図柄371Cの再変動を開始して復活演出を行なう(図20(d))。そして、S748で図柄停止コマンドを受信するとS758で中の演出図柄371Cと左右の演出図柄371L,371Rとを同じ図柄で停止表示して当り図柄(例えば「555」)を表示すると共に大当り発生の旨を報知する(図20(e))。
図21は、通常モード中に特別図柄が特定大当り図柄で停止表示される場合と小当り図柄で停止表示される場合における、再変動なし当り演出パターンの図柄変動演出の様子である。図示するように、左右の演出図柄371L,371Rが同じ図柄となってリーチ演出に移行する(図21(a))。そして、S748で図柄停止コマンドを受信したときにS760で中の演出図柄371Cと左右の演出図柄371L,371Rとを同じ図柄で停止表示して当り図柄(例えば「555」)を表示する(図21(b),(c))。なお、当り図柄は、再変動あり演出パターンにおける当り図柄と異なる図柄としてもよい。このように、特別図柄が特定大当り図柄で停止表示される場合と、小当り図柄で停止表示される場合とにおいて、図柄変動演出の表示演出を同一の態様で行なうのである。このため、演出図柄の変動演出を見た遊技者に、特定大当り図柄に基づく大当りが発生したのか、小当りが発生したのかを判別困難とすることができる。なお、特定大当り図柄以外の大当り図柄の場合には、再変動(復活演出)後に当り図柄を停止表示すると共に大当り発生の旨を報知するから、特定大当り図柄および小当り以外の大当りが発生したことと、大当り遊技終了後に通常モードになること(時短モードにならないこと)を遊技者が把握することができる。
次に、現在の演出モードが時短モード中であるか否かを判定し(S764)、時短モード中でないと判定すると、図柄変動演出処理を終了する。時短モード中であると判定すると、今回の図柄変動演出における当否判定結果が大当りであるか否か(S766)、小当りであるか否か(S768)、をそれぞれ判定する。大当りであると判定すると、演出図柄を当り図柄で停止表示し(S770)、時短継続煽り演出の実行により時短モードの終了を報知して(S772)、図柄変動演出処理を終了する。一方、S768で小当りであると判定すると、演出図柄を当り図柄で停止表示し(S774)、時短継続煽り演出の実行により時短モードの継続を報知して(S776)、図柄変動演出処理を終了する。また、特別図柄の抽選結果が大当りでも小当りでもなく外れであると判定すると、演出図柄を外れ図柄で停止表示して(S778)、図柄変動演出処理を終了する。
図22は、時短モード中の時短継続煽り演出パターンの図柄変動演出の様子である。図示するように、S748で図柄停止コマンドを受信したときにS770,S774で中の演出図柄371Cと左右の演出図柄371L,371Rとを同じ図柄で停止表示して当り図柄(例えば「555」)を表示すると共に時短モードが終了するか継続するかを煽る煽り演出を開始する(図22(a),(b))。そして、特別図柄が特図2_通常大当り図柄で停止表示される場合の図柄変動演出では、S772で時短モードの終了を報知し(図22(c))、特別図柄が小当り図柄で停止表示される場合の図柄変動演出では、S776で時短モードの継続を報知する(図22(d))。このように、時短モード中は、大当りと小当りとで同じ変動演出を行なうと共に、時短継続煽り演出を行なって時短モードが終了するか継続するかを報知するのである。
[小当り遊技演出処理]
図23の小当り遊技演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、小当り遊技処理のS510で主制御装置60により送信される小当り開始コマンドを受信したか否かを判定する(S800)。小当り開始コマンドを受信したと判定すると、右打ちの報知を伴うボーナスチャンス演出を行ない(S802,図26(a))、小当り開始コマンドを受信していないと判定すると、S802をスキップする。次に、小当り遊技処理のS536で主制御装置60により送信される通過コマンドを受信したか否か(S804)、S532で主制御装置60により送信される小当り終了コマンドを受信したか否か(S806)、をそれぞれ判定し、これらのコマンドを受信していないと判定すると、小当り遊技演出処理を終了する。S804で通過コマンドを受信したと判定すると、ボーナス獲得(役物大当りの発生)に成功したことを演出図柄表示装置37の表示画面に表示するなどにより報知して(S808)、小当り遊技演出処理を終了する。また、S806で小当り終了コマンドを受信したと判定すると、残念ながらボーナス獲得に失敗し小当り遊技を終了することを表示画面に表示するなどにより報知して(S810)、小当り遊技演出処理を終了する。
[大当り遊技演出処理]
図24および図25の大当り遊技演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、大当り遊技処理のS610で主制御装置60により送信される大当り開始コマンドを受信したか否かを判定し(S900)、大当り開始コマンドを受信していないと判定するとS912に進む。大当り開始コマンドを受信したと判定すると、当該大当りの大当り図柄が特定大当り図柄であるか否か(S902)、当該大当りが役物大当りであるか否か(S904)、をそれぞれ判定する。S902で特定大当り図柄であると判定すると、右打ちの報知を伴うボーナスチャンス演出を行なう(S906,図26(a))。即ち、特定大当り図柄の大当り遊技を開始する際の大当り遊技演出では、小当り遊技を開始する際と同じ演出(ボーナスチャンス演出)を実行するのである。また、S904で役物大当りであると判定すると、ボーナスチャンスからボーナスが確定(遊技球が特定領域43を通過)したため右打ちの報知を伴うボーナス中演出を行なう(S908,図26(b))。また、S902,S904で特定大当り図柄でなく役物大当りでもない、即ち特図1_通常大当り図柄A,Bや特図2_通常大当り図柄のいずれかであると判定すると、右打ちの報知を伴う大当り遊技演出を行なう(S910,図26(c))。図26に示すように、ボーナスチャンス演出やボーナス中演出、大当り遊技演出では、演出図柄表示装置37の表示画面の隅部(右上)にキャラクタ図柄373が表示され、表示画面の中央に「ボーナスチャンス!」や「ボーナス中!」、右打ちのメッセージなどが表示される。また、ボーナス中演出や大当り遊技演出では、表示画面の隅部(左上)に現在のラウンドが表示されている。なお、大当り遊技演出において「大当り中」などが表示されてもよい。
次に、特定大当り図柄の大当り遊技の第1ラウンド中であるか否かを判定し(S912)、第1ラウンド中であると判定すると、所定条件が成立したか否かを判定する(S914)。所定条件が成立したと判定すると、小当り遊技演出処理のS808と同じくボーナス獲得の成功を報知する(S916)。所定条件は、例えば特定大当り図柄の大当り開始コマンドの受信から所定時間後のタイミングで成立する条件としてもよい。所定時間は、特定大当り図柄の大当り遊技の第1ラウンドで開放された第2大入賞口26に遊技球が入球し、特定領域43を通過することができる程度の時間に適宜定めるものとする。このため、遊技球が特定領域43を通過したためにボーナス獲得に成功したように見せかけることができる。なお、特定大当り図柄の大当り遊技の第1ラウンドにおいて第2大入賞口26に入球した遊技球が特定領域43を通過した場合に、主制御装置60からサブ統合制御装置90に通過コマンドを送信するものとし、通過コマンドを受信するか大当り開始コマンドの受信から所定時間後のタイミングのいずれかで所定条件が成立するものなどとしてもよい。
続いて、大当り遊技処理のS628で主制御装置60により送信されるラウンドコマンドを受信したか否かを判定する(S918)。ラウンドコマンドを受信したと判定すると、特定大当り図柄の大当り遊技の実行中であるか否かを判定し(S920)、特定大当り図柄であると判定すると、さらに第1ラウンドが終了したタイミングであるか否かを判定する(S922)。第1ラウンドが終了したタイミングであると判定すると、右打ちの報知を伴うボーナス中演出を行ない(S924,図26(b))、第1ラウンドが終了したタイミングでないと判定すると、S924をスキップする。このように、特定大当り図柄の大当り遊技では、第1ラウンドが終了したタイミングで、小当り遊技が終了して役物大当りが開始される場合と同様にボーナス中演出を実行するから、第2ラウンドの開始を役物大当りの開始のように見せかけることができる。続いて、ラウンドコマンドで指定されるラウンドから値1減らしてラウンド表示を行なう(S926)。このため、特定大当り図柄の大当り遊技では、第2ラウンドを第1ラウンドのように見せかけるなど、各ラウンドを値1ずつ少ないラウンドのように見せかけることができる。一方、S920で特定大当り図柄でない、即ち特図1_通常大当り図柄A,Bや特図2_通常大当り図柄、役物大当りのいずれかであると判定すると、ラウンドコマンドで指定されるラウンド通りにラウンド表示を行なう(S928)。したがって、特定大当り図柄の大当り遊技で第1大入賞口25を用いる各ラウンド(第2~第16ラウンド)のラウンド表示が、役物大当りの大当り遊技の各ラウンド(第1~第15ラウンド)のラウンド表示と同じ表示となるから、特定大当り図柄の大当り遊技の第2ラウンド以降を役物大当りのように見せかけることができる。
そして、大当り遊技処理のS632で主制御装置60により送信される大当り終了コマンドを受信したか否かを判定し(S930)、大当り終了コマンドを受信していないと判定すると、大当り遊技演出処理を終了する。大当り終了コマンドを受信したと判定すると、今回の大当り遊技が特定大当り図柄であるか否か(S932)、役物大当りであるか否か(S934)、をそれぞれ判定する。特定大当り図柄でなく役物大当りでもない、即ち特図1_通常大当り図柄A,Bや特図2_通常大当り図柄のいずれかであると判定すると、大当り遊技の終了を示す大当り終了演出を行なう(S936)。大当り終了演出が終了すると、左打ちの報知を伴って通常モードを開始して(S938)、大当り遊技演出処理を終了する。一方、S932で特定大当り図柄であると判定するか、S934で役物大当りであると判定すると、ボーナス終了を示すボーナス終了演出を行なう(S940)。ボーナス終了演出が終了すると、右打ちの報知と時短残り回数表示を伴って時短モードを開始して(S942)、大当り遊技演出処理を終了する。なお、S938の通常モードの開始やS942の時短モードの開始は、大当り遊技処理のS646で送信される遊技状態指定コマンドの受信に基づいて行なうものとしてもよい。図27に示すように、時短モードにおける演出表示では、演出図柄表示装置37の表示画面の隅部(右上)にキャラクタ図柄373が表示され、表示画面の中央に時短モードを示す「達吉RUSH!」が表示され、表示画面の上部に右打ちのメッセージなどが表示される。また、表示画面の隅部(右下)に時短残り回数が表示されると共に演出図柄の変動表示が行なわれる。なお、変動表示中にリーチ演出が開始されると、図22に示すように表示画面の中央で演出図柄の変動表示が行なわれる。
ここで、図28は特定大当り図柄以外の図柄大当りの大当り遊技が実行される場合のタイムチャートの一例を示す説明図である。図示するように、大当りフラグが値1(ON)になって大当り遊技が開始されると(時刻t11)、大当り遊技演出が開始され、第1大入賞口25を開放する第1ラウンド(時刻t12)、第2ラウンド(時刻t13)、第3ラウンド(時刻t14)などの各ラウンドが順に実行され、大当り遊技演出では表示画面で各ラウンドの報知が行なわれる。
図29は小当り遊技および役物大当りの大当り遊技が実行される場合のタイムチャートの一例を示す説明図である。図示するように、小当りフラグが値1(ON)になって小当り遊技が開始されると(時刻t21)、ボーナスチャンス演出が開始され、第2大入賞口26を開放する(時刻t22)。そして、遊技球が特定領域43を通過すると、第2大入賞口26を閉鎖して獲得成功を報知する(時刻t23)。また、小当りフラグを値0とすると共に大当りフラグを値1(ON)として役物大当りの大当り遊技が開始される。獲得成功を報知した後はボーナス中演出が開始され、第1大入賞口25を開放する第1ラウンド(時刻t24)、第2ラウンド(時刻t25)などの各ラウンドが順に実行され、ボーナス中演出では表示画面で各ラウンドの報知も行なわれる。
図30は特定大当り図柄の大当り遊技が実行される場合のタイムチャートの一例を示す説明図である。図示するように、大当りフラグが値1(ON)になって大当り遊技が開始されると(時刻t31)、ボーナスチャンス演出が開始され、第1ラウンドで第2大入賞口26を開放する(時刻t32)。そして、上述した所定条件(所定時間の経過や特定領域43の遊技球の通過)が成立すると、第2大入賞口26を閉鎖して獲得成功を報知する(時刻t33)。獲得成功を報知した後はボーナス中演出が開始され、第1大入賞口25を開放する第2ラウンド(時刻t34)、第3ラウンド(時刻t35)などの各ラウンドが順に実行される。一方、ボーナス中演出では表示画面で、時刻t34の第2ラウンドを第1ラウンドとして報知し、時刻t35の第3ラウンドを第2ラウンドとして報知するなど各ラウンドの報知も行なわれる。このように、特定大当り図柄の大当り遊技は、小当り遊技および役物大当りの大当り遊技と同じように実行されるから、遊技者に同じ当たり遊技であるかのような印象を与えることができる。なお、小当り遊技で第2大入賞口26を閉鎖してから役物大当りの第1ラウンドで第1大入賞口25を開放するまでの時間Ta(図29参照)と、特定大当り図柄の大当り遊技の第1ラウンドで第2大入賞口26を閉鎖してから第2ラウンドで第1大入賞口25を開放するまでの時間Tb(図30参照)とを同じ時間となるようにしてもよい。こうすれば、特定大当り図柄の大当り遊技と、小当り遊技および役物大当りの大当り遊技とをより判別しにくくすることができる。
以上説明した実施例のパチンコ機1によれば、通常モードで、第1特別図柄が特定大当り図柄で確定表示される場合と、第1特別図柄が小当り図柄で確定表示される場合とで、同一の再変動なし当り演出パターン(同一の演出態様)で演出図柄の変動表示を行なう。このため、大当り遊技と小当り遊技のいずれが実行されるかを判別困難とするから、大当り遊技と小当り遊技のいずれが実行されるかに遊技者の関心を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
また、小当り遊技は、第2大入賞口26を6秒間1回開放すること(所定の小当り態様)で実行し、特定大当り図柄の大当り遊技(第1大当り遊技)の第1ラウンドは、小当り遊技と同じく第2大入賞口26を6秒間1回開放すること、即ち擬似的な小当り開放動作で実行する。さらに、小当り遊技が開始される場合と、特定大当り図柄の大当り遊技が開始される場合とで、大当りを報知することなく演出図柄を同じ当り図柄で停止表示してから同一の演出態様のボーナスチャンス演出を行なう。このため、小当り遊技が開始されるのか特定大当り図柄の大当り遊技が開始されるのかを判別困難とすることができる。
また、小当り遊技にて遊技球が特定領域43を通過した場合の役物大当りの大当り遊技(第2大当り遊技)では第1大入賞口25を15回(15ラウンド)開放すること(所定の大当り態様)で実行し、特定大当り図柄の大当り遊技では、小当り遊技と同じく第2大入賞口26を開放して第1ラウンドを実行した以降は、第2ラウンドから第16ラウンドまで役物大当りと同じく第1大入賞口25を15回開放することで実行する。さらに、役物大当りの大当り遊技が実行される場合と、特定大当り図柄の大当り遊技の第1ラウンド終了以降とで、同一の演出態様のボーナス中演出を行なう。また、ボーナス獲得成功報知も同様に行なう。このため、役物大当りの大当り遊技と、特定大当り図柄の大当り遊技のいずれが実行中であるかを判別困難とすることができる。
また、時短モード中は、第2特別図柄が大当り図柄で確定表示される場合と、第2特別図柄が小当り図柄で確定表示される場合とで、同一の時短継続煽り演出パターンで演出図柄の変動表示を行なう。このため、時短モード中は、大当り遊技と小当り遊技のいずれが実行されるかだけでなく時短状態が継続するか否かについても遊技者の関心を高めることができる。
また、小当り遊技および役物大当りの大当り遊技と、特定大当り図柄の大当り遊技は、いずれも第2大入賞口26を1回開放して第1大入賞口25を15回開放することで、遊技者に同一の遊技利益(賞球)を付与可能である。また、いずれの大当り遊技も終了後に特別図柄の変動表示が99回(同一の所定回数)行なわれるまで時短状態が設定される。このため、大当り遊技の遊技利益や大当り遊技終了後の遊技状態からも、役物大当りの大当り遊技か、特定大当り図柄の大当り遊技かを遊技者に判別困難とすることができる。
ここで、上述したように、本実施例のパチンコ機1は確率設定機能を備え、大当り確率を複数段階(設定1~6)のいずれかに設定可能である。しかし、現行の規則では、大当り確率のみ複数段階の確率設定が可能だが小当り確率は不可であるため、大当り確率を設定変更しても小当り確率は変化せず、一定の確率(例えば1/99)のままである。1種2種混合タイプのパチンコ機では、小当りを発生させて当該小当り経由で役物大当りを発生させ、大当り遊技後に時短状態として小当りを発生させる、という流れを繰り返す遊技性がメインのものがある。このタイプでは、大当り確率が設定変更されても小当り確率が一定であるため、1種タイプのパチンコ機などに比して大当り確率の設定変更が遊技性に及ぼす影響が小さいものといえる。特に、本実施例では、通常状態で第1特別図柄の大当りが発生すると比較的高い確率(60%の割合)で出玉の少ない2R大当り図柄や4R大当り図柄が選択され、時短状態で第2特別図柄の大当りが発生すると大当り遊技終了後に通常状態に転落する。このため、パチンコ機1では、大当り確率が高確率に設定されても、必ずしも遊技者にメリットがあるとはいえず、確率設定機能を遊技興趣の向上に有効利用することが困難となる。そこで、本実施例では、特定大当り図柄の大当り遊技を、小当り遊技から役物大当りの大当り遊技が実行される場合と同じように構成することで、大当り確率の設定が変化することにより、恰も小当り確率の設定も変化して、小当りおよび役物大当りの発生率が変化するように見せかけるのである。これにより、1種2種混合タイプのパチンコ機1において、確率設定機能を有効に利用して遊技興趣を向上させることができる。
実施例では、小当り遊技および役物大当りの大当り遊技と、特定大当り図柄の大当り遊技とで、同一の遊技利益を付与可能としたが、これに限られず、例えば大当り遊技のラウンド数が数ラウンド(1ラウンド)異なるなど類似の遊技利益を付与可能としてもよい。また、いずれの大当り遊技も終了後に、継続期間が同じ(特別図柄の変動表示回数が99回)時短状態が設定されるものとしたが、これに限られず、例えば特別図柄の変動表示回数が数回程度異なるなど継続期間(継続回数)が類似の時短状態が設定されるものとしてもよい。なお、類似の遊技利益や類似の時短状態は、これらの例に限られず、遊技者がほぼ同じとの印象を受ける程度に似通ったものであればよい。また、当り遊技の遊技利益と、当り遊技後の遊技状態との両方を同一とするものに限られず、一方を同一とし他方を類似としてもよいし、両方を類似としてもよい。あるいは、当り遊技の遊技利益と、当り遊技後の遊技状態とが明らかに異なるものとしてもよい。例えば、各大当り遊技のラウンド数が明らかに異なるなど遊技利益の違いを明確にしたり、時短状態における特別図柄の変動表示回数が明らかに異なるなど時短状態の継続期間の違いを明確にしたりしてもよい。
実施例では、時短モード中に第2特別図柄が大当り図柄で確定表示される場合と小当り図柄で確定表示される場合とで、同一の演出パターン(時短継続煽り演出パターン)で演出図柄の変動表示を行なうものとしたが、これに限られず、演出の背景画像や演出図柄、キャラクタの色や大きさの一部が異なるなど類似の演出パターンとしてもよい。なお、類似の演出パターンは、これらの例に限られず、遊技者がほぼ同じとの印象を受ける程度に似通ったものであればよい。あるいは、演出の背景画像や演出図柄の種類、演出図柄のスクロール方向、キャラクタの種類が全く異なるなど違いの明確な演出パターンで演出図柄の変動表示を行なってもよい。なお、時短状態が継続するか否かを図柄変動演出にて報知するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、特図2_通常大当り図柄の大当り遊技で特定大当り図柄と同様に擬似的な小当り開放動作を行ない、その大当り遊技中に時短状態が継続するか否かを煽る演出を行なうものなどとしてもよい。その場合、図柄変動演出処理のS772,S776を省略すればよい。
実施例では、役物大当りの大当り遊技と、特定大当り図柄の大当り遊技の第2ラウンド以降とを、同一の開放パターンで実行し、同一の演出パターンのボーナス中演出を行なうものとしたが、開放パターンと演出パターンとの両方を同一とするものに限られず、一方を同一とし他方を類似としてもよい。例えば、各大当り遊技を類似の開放パターンとしてもよいし、類似の演出パターンとしてもよい。なお、類似の開放パターンや類似の演出パターンは、遊技者がほぼ同じとの印象を受ける程度に似通ったものであればよい。あるいは、各大当り遊技のラウンド数や開放時間が明らかに異なるなど開放パターンの違いを明確にしたり、演出の背景画像やキャラクタの種類が明らかに異なるなど演出パターンの違いを明確にしたりしてもよい。
実施例では、特定大当り図柄の大当り遊技の第1ラウンドを小当り遊技と同じ開放パターンで実行し、小当り遊技が開始される場合と特定大当り図柄の大当り遊技が開始される場合とで同一のボーナスチャンス演出を行なうものとしたが、開放パターンと演出パターンとの両方を同一とするものに限られず、一方を同一とし他方を類似としてもよい。あるいは、開放パターンと演出パターンとのうち一方あるいは両方が、明らかに異なるものとしてもよい。
実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄は、小当りおよび役物大当りの遊技内容が同じものとしたが、これに限られず、異なる遊技内容としてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄の小当り図柄の種類を1種類ずつとしたが、複数種類あってもよい。そのようにする場合、特定大当り図柄は、複数種類の小当り図柄のうち、いずれかの小当り図柄における小当りおよび役物大当りの遊技内容と同一または類似の開放パターンや演出パターンで大当り遊技を実行するものとすればよい。
実施例では、特定大当り図柄が第1特別図柄の大当り図柄のみに含まれるものとしたが、これに限られず、特定大当り図柄が第2特別図柄の大当り図柄のみに含まれるものとしてもよいし、特定大当り図柄が第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄に含まれるものとしてもよい。
実施例では、大入賞口として第1大入賞口25と第2大入賞口26との2つを備えるものとしたが、これに限られず、大入賞口を1つだけ備えるものとしてもよい。その場合、特定大当り図柄の大当り遊技では、小当り遊技と同じ開放パターンで大入賞口を開放してから、大当り遊技の開放パターンで大入賞口を開放すればよい。小当り遊技が大入賞口を1回開放する開放パターンの場合、小当り遊技と同じ開放パターンで大入賞口を1回開放することを大当り遊技の第1ラウンドとしてもよい。あるいは、小当り遊技と同じ開放パターンで大入賞口を1回開放することと、それに続く大入賞口の開放とを大当り遊技の第1ラウンドとしてもよい。即ち、擬似的な小当り開放動作のみを大当り遊技の第1ラウンドとしてもよいし、擬似的な小当り開放動作を含む大入賞口の開放動作を大当り遊技の第1ラウンドとしてもよい。
実施例では、特別図柄が特定大当り図柄または小当り図柄で確定表示される場合の演出パターンと、特別図柄が特定大当り図柄以外の大当り図柄で確定表示される場合の演出パターンとで、再変動(復活演出)の有無が異なるものとしたが、これに限られず、異なる演出パターンであればよい。例えば、演出の背景画像や演出図柄の種類、演出図柄のスクロール方向、キャラクタの種類が明らかに異なるなど違いの明確な演出パターンであればよい。あるいは、演出パターンが異なるものに限られず、演出図柄の当り図柄のみが異なるものや大当り報知の有無のみが異なるものとしてもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、第1始動口23が「第1始動口」に相当し、第2始動口24が「第2始動口」に相当し、第2大入賞口26が「大入賞口」に相当し、特定領域43(V領域)が「特定領域」に相当し、図11の特別図柄変動表示関連処理のS400の処理を実行する主制御装置60が「当否判定手段」に相当し、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32が「特別図柄表示手段」に相当し、図14および図15の小当り遊技処理を実行する主制御装置60が「小当り遊技実行手段」に相当し、図16および図17の大当り遊技処理を実行する主制御装置60が「大当り遊技実行手段」に相当し、図18および図19の図柄変動演出処理や図23の小当り遊技演出処理、図24および図25の大当り遊技演出処理を実行するサブ統合制御装置90と演出図柄制御装置91とが「演出表示手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。