JP6990644B2 - 塗料の塗布方法及び塗装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数個のノズルから塗料を吐出することで被塗布物に対して塗布を行う塗料の塗布方法、及びそのための塗装装置に関する。
自動車の車体には、その製作過程で塗装が施される。塗装は、一般的には、塗装ブースにおいて、ロボットの先端アームに設けられた複数個のノズルから車体に向けて塗料が吐出されることで実施される。車体はノズルに比して大面積であるので、特許文献1に記載されるように、先端アームが車体に沿って適宜移動することで、塗装が必要な領域(塗装領域)全体に塗料が塗布される。
特表2003-506210号公報
車体において、フロントフェンダやサイドフェンダは、ドアに比して小面積である。また、フロントフェンダやサイドフェンダでは、タイヤハウス近傍の部位は、他の部位に比して小面積である。このため、先端アームが移動する最中、複数個のノズルの中に、塗装領域外(例えば、空中)に位置するものが出現する。塗装領域外に位置したノズルから塗料を吐出することは、塗料の浪費となる。また、塗装ブース内に飛散した多量の塗料を頻繁に回収する必要、及び回収した塗料に対して再使用可能又は廃棄可能とする処理を施す必要が生じるので、煩雑であるとともに、コストの高騰を招く。
そこで、塗装領域外に位置したノズルでは、塗料の吐出を停止することが考えられる。しかしながら、この場合、吐出を停止するときや、該ノズルが塗装領域内に再到達して塗料の吐出を再開したときに、塗膜の厚みが大きくなる傾向がある。すなわち、厚みが均等な塗膜を得ることが困難となる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、塗料を浪費することを可及的に回避することが可能であり、しかも、塗膜の厚みを略均等にし得る塗料の塗布方法及び塗装装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、複数個のノズルを一体的に移動させながら前記複数個のノズルの少なくとも1つから塗料を吐出し、被塗布物に対して塗布を行う塗料の塗布方法において、
前記複数個のノズルが移動する最中、前記複数個のノズルの中で前記被塗布物の塗装領域の外となるノズルからの吐出を停止する吐出停止工程を有し、
前記吐出停止工程に先んじて、前記複数個のノズルの移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させ、
前記吐出停止工程の後、前記複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す塗料の塗布方法が提供される。
また、本発明の別の一実施形態によれば、被塗布物に対して塗料を塗布するための塗装装置において、
複数個のノズルと、
前記複数個のノズルを保持したノズル保持体と、
前記ノズル保持体を移動させる移動手段と、
前記複数個のノズルのそれぞれに塗料を個別に案内するための複数個の案内管と、
前記移動手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記複数個のノズルが前記ノズル保持体と一体的に移動する最中に前記複数個のノズルの中の少なくとも1個が前記被塗布物の塗装領域の外となるとき、該ノズルからの吐出を停止する一方、吐出の停止に先んじて、前記ノズル保持体の移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させる制御を行うとともに、
吐出が停止した後、前記複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す制御を行う塗装装置が提供される。
例えば、ノズルの速度が一定であるまま、又は、塗料の吐出量が一定であるまま、塗装領域外となったノズルからの塗料の吐出を一挙に停止すると、瞬間的に吐出量が大きくなる。このため、塗料の吐出停止直前に形成される塗膜の膜厚が、それまでに形成された塗膜に比して大きくなる。すなわち、塗膜の膜厚を略均等にすることが容易ではない。
これに対し、本発明では、複数個のノズルの中で塗装領域外となるものが出現するとき、当該ノズルから塗料の吐出を停止することに先んじて、ノズルの移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させる制御を行うとともに、吐出が停止した後、複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す制御を行うようにしている。このような制御を行うことにより、塗料の吐出を停止する前後で吐出量が瞬間的に変動することを回避することができる。従って、塗料の吐出停止前後に形成される塗膜の膜厚が、それまでに形成された塗膜と略同等となる。これにより、塗膜の膜厚の均等化を図ることができる。
しかも、塗装領域外となったノズルから塗料が吐出されないので、塗料が浪費されることが回避される。その結果として、塗装ブース内に飛散する塗料が少量となるので、塗料ブース内の塗料を回収する頻度や、回収した塗料に対して再使用可能又は廃棄可能とする処理を施す頻度が低減する。このため、後処理が簡素となるとともに、コストの低廉化を図ることができる。
同様の理由から、塗装領域の外となったノズルが塗装領域内に再到達したときに該ノズルからの塗料の吐出を再開することに先んじ、複数個のノズルの移動速度を低下させ、且つ複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させる制御を行い、吐出を再開した後には、複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す制御を行うことが好ましい。
すなわち、ノズルの速度が一定であるまま、又は、塗料の吐出量が一定であるまま、塗装領域内となったノズルから塗料を一挙に再吐出すると、瞬間的に吐出量が大きくなる。このため、塗料の再吐出開始直後に形成される塗膜の膜厚が、それまでに形成された塗膜に比して大きくなる。すなわち、塗膜の膜厚を略均等にすることが容易ではない。これに対し、上記のような制御を行うことにより、塗料の吐出停止時と同様に、塗膜の膜厚の均等化を図ることができる。
なお、塗料の吐出(塗布)の開始時には、前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を漸次的に増加することが好ましい。
また、塗布の終了時には、前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を漸次的に低減することが好ましい。このような制御を行うことにより、塗装の終了直前に形成される塗膜の膜厚を容易に調節することができる。
なお、ノズルからの塗料の吐出を停止したり、吐出を再開したりするためには、例えば、ノズルに対して供給される塗料が流通する案内管にバルブを設けるとともに、該バルブを閉じたり、又は開いたりする制御を行えばよい。
以上において、移動手段の好適な具体例としてはロボットが挙げられる。
本発明によれば、塗装領域外となるノズルが出現するとき、ノズル保持体の移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させる制御を行い、その後に当該ノズルから塗料の吐出を停止するとともに、吐出を停止した後、複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す制御を行うようにしている。このような制御を行うことにより、塗料の吐出を停止する際に吐出量が瞬間的に変動することが回避される。従って、塗料の吐出停止の際に形成される塗膜の膜厚が、それまでに形成された塗膜と略同等となる。これにより、塗膜の膜厚の均等化を図ることができる。
また、塗装領域外となったノズルでは塗料の吐出が停止される。このため、塗料が浪費されることが回避される。その結果、塗装ブース内に飛散する塗料が少量となるので、塗料ブース内の塗料を回収する頻度や、回収した塗料に対して再使用可能又は廃棄可能とする処理を施す頻度が低減する。以上により、後処理が簡素となるとともに、コストの低廉化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る塗装装置の全体概略斜視図である。 被塗装物である自動車の車体を構成する左フロントフェンダの概略正面図である。 塗料の供給系統を示す概略システム図である。 左フロントフェンダ上での塗布機構の移動経路を示した概略正面図である。 グラフ1~グラフ4は、それぞれ、塗装ノズルからの塗料の総吐出量、吐出に関与する塗装ノズルの各々における塗料の吐出量、ホルダ(ノズル保持部材)を含む塗布機構の移動速度、塗料を吐出する塗布ノズルの個数の経時変化を示したタイムチャートである。
以下、本発明に係る塗料の塗布方法につき、それを実施するための塗装装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、被塗布物として自動車の車体を例示する。
図1は、本実施の形態に係る塗装装置10の全体概略斜視図である。この塗装装置10は、移動手段としての多関節ロボット12と、塗布ノズル(後述する第1ノズル14a~第6ノズル14f)を含む塗布機構16とを備え、塗布ノズルから吐出した塗料を車体18に吹き付けて塗装を行う。塗装の際、多関節ロボット12及び塗布機構16は、制御手段である制御部20によって制御される。
被塗装物である車体18の左方には、フレームに対して左フロントドア22や左フロントフェンダ24等の部材が組み付けられる。この中、左フロントフェンダ24は、図2に示すように、タイヤハウス26が形成されているために前方から後方に向かうに従って面積が変化する。具体的には、フロントグリルに近接する前方側の部位が小面積、左フロントドア22に近接する後方側の部位が大面積である。
多関節ロボット12は、塗装ステーションのフロアに設置される基部30と、複数個の可動アーム32とを有する。各可動アーム32は、可動アーム32、32同士の間に設けられた可動軸34を中心として旋回ないし回動可能である。以下、最先端の可動アーム32を「先端アーム」と指称するとともに、その参照符号を32aとする。
複数個の塗布ノズルは、例えば、同一軸線上に配列される。なお、複数の行及び列を形成するように塗布ノズルを配列してもよい。本実施の形態では、図面及び説明を簡素化して理解を容易にするために6個の塗布ノズルを一行に配列した場合を例示する。すなわち、この場合、先端アーム32aにはホルダ36(ノズル保持体)が保持されるとともに、該ホルダ36に第1ノズル14a~第6ノズル14fが取り付けられる。
図3は、塗料の供給系統を示す概略システム図である。塗料を貯留した貯留タンク40には供給ライン42が接続されるとともに、該供給ライン42から第1分岐ライン44a~第6分岐ライン44f(いずれも案内管)が分岐する。供給ライン42には、貯留タンク40から塗料を送り出すための供給ポンプ46と、供給用バルブ48とが介装される。一方、第1分岐ライン44a~第6分岐ライン44fには、第1吐出用バルブ50a~第6吐出用バルブ50fがそれぞれ介装される。供給用バルブ48、第1吐出用バルブ50a~第6吐出用バルブ50fは、制御部20の制御によって個別に開閉することが可能である。第1分岐ライン44a~第6分岐ライン44fは、ホルダ36内に延在する。
供給ポンプ46は公知のギヤポンプからなり、制御部20の制御作用下に回転数が変更されることに伴い、貯留タンク40から第1ノズル14a~第6ノズル14fへの塗料の供給量が変化する。その結果として、第1ノズル14a~第6ノズル14fからの塗料の吐出量が変更される。
本実施の形態に係る塗装装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果につき、本実施の形態に係る塗料の塗布方法との関係で説明する。
制御部20には、車体18に対して塗料を塗布する(塗装を行う)間に多関節ロボット12の可動アーム32を如何に動作させるべきかのプログラムが格納されている。制御部20は、プログラムに従って各可動軸34を中心に可動アーム32を回動ないし旋回させる。換言すれば、予め施されたティーチングに従って多関節ロボット12が動作する。
例えば、左フロントフェンダ24に対して塗装を行う場合、多関節ロボット12は、先端アーム32aを含む可動アーム32を適宜動作させ、塗布機構16を構成する第1ノズル14a~第6ノズル14fの移動を開始する。第1ノズル14a~第6ノズル14fは、一定の規定速度に到達した状態で(図5のグラフ3参照)、はじめに、図4に示すように、左フロントフェンダ24よりも前方側であるA点に位置する。すなわち、第1ノズル14a~第6ノズル14fは、左フロントフェンダ24(塗装領域)の外に位置する。なお、先端アーム32a及びホルダ36は、第1ノズル14aが下方、第6ノズル14fが上方となり且つ第1ノズル14a~第6ノズル14fが鉛直方向に沿って並ぶような姿勢となる。
制御部20は、この移動の最中、又はその前後に供給ポンプ46を作動させるとともに、供給用バルブ48及び第2吐出用バルブ50b~第4吐出用バルブ50dを開状態とする。この時点では、制御部20は、供給ポンプ46の回転数を最低とし、塗料が第1ノズル14a~第6ノズル14fから吐出されないようにする。
先端アーム32aを含む可動アーム32の動作が継続されることにより、ホルダ36の一部が左フロントフェンダ24上に重なるように、塗布機構16が車体18の後方側のB点に向かって移動する。制御部20は、ホルダ36がB点に到達するまでに、供給ポンプ46の回転数を漸次的に上昇させ、第2ノズル14b~第4ノズル14dから塗料が吐出されるようにするとともに、図5中のグラフ2に示すように各塗布ノズルからの吐出量を徐々に増加させる。これに伴い、第2ノズル14b~第4ノズル14dからの塗料の総吐出量が徐々に増加する。なお、図5中のグラフ1~グラフ4の横軸は時間を示しており、そのスケールは同一である。従って、グラフ1~グラフ4に跨る縦線は、同一時間であることを意味する。
ホルダ36がB点に到達したとき、制御部20は、供給ポンプ46の回転数を一定とし、図5中のグラフ2に示すように、第2ノズル14b~第4ノズル14dからの塗料の吐出量を一定の規定量とする。この時点では、塗料は、第2ノズル14b~第4ノズル14dの3個から吐出され、第1ノズル14a、第5ノズル14e及び第6ノズル14fからは吐出されない。なお、図4においては、塗料が吐出されない塗布ノズルを、ハッチングを付さない四角形で表すとともに、塗料が吐出される塗布ノズルを、ハッチングを付した四角形で表している。
吐出された塗料が左フロントフェンダ24に塗着することにより、塗膜が形成される。すなわち、塗装がなされる。ここで、塗装を開始するときに供給ポンプ46の回転数を規定回転数まで一挙に上昇させると、第2ノズル14b~第4ノズル14dの各々から高圧且つ多量の塗料が一斉に吐出される。このため、塗膜の膜厚は、その最上流である形成開始箇所で大きく、下流側で小さくなる。従って、膜厚を一定とすることが容易ではない。これに対し、上記のように塗料の吐出量を漸次的に増加し、第2ノズル14b~第4ノズル14dが塗膜の形成を開始する箇所に到達したときに規定量の塗料が吐出されるような制御を行うと、高圧且つ多量の塗料が一斉に吐出されることが回避されるので、塗膜の形成開始箇所であっても、その膜厚を調節することが容易となる。
塗布機構16は、車体18の後方側への移動が継続されることでC点に向かう。C点では、第1ノズル14a~第6ノズル14fの全てが塗装領域上に位置し、各々から塗料が吐出される。すなわち、図5中のグラフ4に示すように、塗料が吐出される塗布ノズルの個数が増加する。
ここで、第1ノズル14a~第6ノズル14fがC点に到達することに先んじ、制御部20は、可動アーム32の移動速度、換言すれば、塗布機構16の移動速度を、図5中のグラフ3に示すように徐々に低減する。同時に、制御部20は、供給ポンプ46の回転数を低減し、第2ノズル14b~第4ノズル14dからの吐出量を徐々に低減する。
このように、塗布機構16は、第2ノズル14b~第4ノズル14dからの塗料の吐出量が漸次的に低減されるとともに、その移動速度が低減されながらC点に向かう。そして、塗布機構16がC点に到達したとき、第2ノズル14b~第4ノズル14dからの塗料の吐出量と、塗布機構16の移動速度がいずれも最低となる。
そして、塗布機構16がC点に到達したとき、制御部20は、供給ポンプ46の回転数を上昇させながら、第1吐出用バルブ50a、第5吐出用バルブ50e及び第6吐出用バルブ50fを開状態とする。これにより、塗料が第1ノズル14a~第6ノズル14fから吐出される。制御部20は、この際の吐出量が、C点から離間するにつれて徐々に増加するように制御する。すなわち、第2ノズル14b~第4ノズル14dからの塗料の吐出量が漸次的に規定量に戻されて一定となるとともに、第1ノズル14a、第5ノズル14e及び第6ノズル14fからの吐出量が漸次的に増加して規定量に達して一定となる。
また、制御部20は、塗布機構16の移動速度を、C点から離間するにつれて徐々に増加するように制御する。その結果、塗布機構16の移動速度が漸次的に規定速度に戻され、その後は該規定速度で一定となる。
第1ノズル14a~第6ノズル14fからの吐出量、及び移動速度が一定となった塗布機構16は、車体18の後方側であるD点に向かってさらに移動する。該D点では、図4に示すように第1ノズル14aがタイヤハウス26に差し掛かるので塗装領域の外となる。この場合、該第1ノズル14aが塗装領域の外となることに先んじ、制御部20は、塗布機構16の移動速度を、図5中のグラフ3に示すように徐々に低減するとともに、供給ポンプ46の回転数を低減することで第1ノズル14a~第6ノズル14fからの吐出量を徐々に低減する(グラフ1、2参照)。
すなわち、この場合、塗布機構16は、第1ノズル14a~第6ノズル14fからの塗料の吐出量が漸次的に低減されるとともに、その移動速度が低減されながらD点に向かう。塗布機構16がD点に到達したときには、第1ノズル14a~第6ノズル14fからの塗料の吐出量と、塗布機構16の移動速度が最低となる。
そして、塗布機構16がD点に到達したとき、制御部20は、供給ポンプ46の回転数を上昇させながら、第1吐出用バルブ50aのみを閉状態を開状態とする。これにより、第1ノズル14aからの塗料の吐出が停止される一方、第2ノズル14b~第6ノズル14fからの吐出が継続される。
塗布機構16がさらに移動してD点を通過すると、制御部20は、塗料の吐出量が徐々に増加するように制御する。すなわち、第2ノズル14b~第6ノズル14fからの塗料の吐出量が漸次的に規定量に戻されて一定となる。
また、制御部20は、塗布機構16の移動速度を、D点から離間するにつれて徐々に増加するように制御する。すなわち、塗布機構16の移動速度が漸次的に規定速度に戻されて該規定速度で一定となる。
第2ノズル14b~第6ノズル14fからの吐出量、及び移動速度が一定となった塗布機構16は、車体18の後方側であるE点に向かってさらに移動する。該E点では、図4に示すように第1ノズル14aが再度塗装領域の範囲内となる。この場合においても、制御部20は、塗布機構16の移動速度を、図5中のグラフ3に示すように徐々に低減するとともに、供給ポンプ46の回転数を低減することで第2ノズル14b~第6ノズル14fからの吐出量を徐々に低減する(グラフ1、2参照)。
すなわち、この場合も、塗布機構16は、第2ノズル14b~第6ノズル14fからの塗料の吐出量が漸次的に低減されるとともに、その移動速度が低減されながらE点に向かう。塗布機構16がE点に到達したときには、第2ノズル14b~第6ノズル14fからの塗料の吐出量と、塗布機構16の移動速度が最低となる。
そして、塗布機構16がE点に到達したとき、制御部20は、供給ポンプ46の回転数を上昇させながら、第1吐出用バルブ50aを開状態とする。これにより、第1ノズル14aからの塗料の吐出が再開される。勿論、第2ノズル14b~第6ノズル14fからの吐出は継続されている。
塗布機構16がさらに移動してE点を通過すると、制御部20は、第1ノズル14a~第6ノズル14fからの塗料の吐出量が漸次的に規定量に戻されて一定となるように制御する。また、制御部20は、塗布機構16の移動速度を、E点から離間するにつれて徐々に増加するように制御する。すなわち、塗布機構16の移動速度が漸次的に規定速度に戻されて該規定速度で一定となる。
塗布機構16がさらに車体18の後方側であるF点では、第1ノズル14a~第6ノズル14fの全てが塗装領域の外となる。制御部20は、塗布機構16がF点に到達した後、供給ポンプ46の回転数を低減することで第1ノズル14a~第6ノズル14fからの吐出量を徐々に低減する(グラフ1、2参照)。最終的に、第1ノズル14a~第6ノズル14fからの吐出がなされなくなり、塗料の吐出が停止される。その後、塗布機構16の移動も停止される。
塗装ノズルからの吐出を停止する際や、塗装ノズルからの吐出を再開する際に吐出量を一挙に変動させると、塗料の吐出量が瞬間的に大きくなり、このために塗膜の膜厚が局所的に大きくなる。従って、塗膜の膜厚を略均等にすることは容易ではない。
これに対し、本実施の形態では、塗料を吐出する塗布ノズルの個数が変化する際、それに先んじて吐出量を漸次的に低減するとともに、吐出量が最低となった時点で塗布ノズルの個数を変化させ、さらに、その直後に吐出量を元に戻すようにしている。制御部20の制御作用下にこのような制御を行うことにより、塗料の吐出を停止する前後で吐出量が瞬間的に変動することを回避することができる。
しかも、塗装ノズルからの塗料の吐出量が少ないときには、塗布機構16の移動速度を小さくするようにしている。このため、車体18の同一箇所に塗料が十分に付着するので、必要な膜厚の塗膜が形成される。すなわち、塗料を吐出する塗布ノズルの個数が変化する箇所であっても、形成される塗膜の膜厚を調節することが容易となる。
以上のようにして、左フロントフェンダ24に、膜厚が略均等な塗膜を形成することができる。勿論、車体18の他の部位も同様にして塗装を施すことが可能である。
そして、上記の塗布方法によれば、塗装領域外となった塗布ノズルでは塗料の吐出を停止するようにしているので、塗料が浪費されることが回避される。しかも、塗装ブース内に飛散する塗料が少量となるので、塗料ブース内の塗料を回収する頻度や、回収した塗料に対して再使用可能又は廃棄可能とする処理を施す頻度が低減する。このため、塗装後の後処理が簡素となるとともに、コストの低廉化を図ることができる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上記の実施の形態では、塗布機構16を、車体18の前方側から後方側に向かって移動させるようにしているが、これとは逆に、車体18の後方側から前方側に向かって移動させるようにしてもよい。
また、被塗布物は車体18に特に限定されるものではなく、塗装が可能な物体であればよい。
さらに、ホルダ36を含む塗布機構16の移動速度を漸次的に上昇又は低下する制御と、塗料の吐出量を漸次的に増大又は低減する制御は、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。
10…塗装装置 12…多関節ロボット
14a~14f…塗布ノズル 16…塗布機構
18…車体 20…制御部
24…左フロントフェンダ 26…タイヤハウス
32…可動アーム 32a…先端アーム
34…可動軸 36…ホルダ
40…貯留タンク 42…供給ライン
44a~44f…分岐ライン 46…供給ポンプ
48…供給用バルブ 50a~50f…吐出用バルブ

Claims (8)

  1. 複数個のノズルを一体的に移動させながら前記複数個のノズルの少なくとも1つから塗料を吐出し、被塗布物に対して塗布を行う塗料の塗布方法において、
    前記複数個のノズルが移動する最中、前記複数個のノズルの中で前記被塗布物の塗装領域の外となるノズルからの吐出を停止する吐出停止工程を有し、
    前記吐出停止工程に先んじて、前記複数個のノズルの移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させ、
    前記吐出停止工程の後、前記複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す塗料の塗布方法。
  2. 請求項1記載の塗布方法において、塗装領域の外となった前記ノズルが塗装領域内に再到達したときに該ノズルからの吐出を再開する吐出再開工程を有し、
    前記吐出再開工程に先んじて、前記複数個のノズルの移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させ、
    前記吐出再開工程の後、前記複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す塗料の塗布方法。
  3. 請求項1又は2記載の塗布方法において、塗布を開始する際に前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を漸次的に増加する塗料の塗布方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の塗布方法において、塗布を終了する際に前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を漸次的に低減する塗料の塗布方法。
  5. 被塗布物に対して塗料を塗布するための塗装装置において、
    複数個のノズルと、
    前記複数個のノズルを保持したノズル保持体と、
    前記ノズル保持体を移動させる移動手段と、
    前記複数個のノズルのそれぞれに塗料を個別に案内するための複数個の案内管と、
    前記移動手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記複数個のノズルが前記ノズル保持体と一体的に移動する最中に前記複数個のノズルの中の少なくとも1個が前記被塗布物の塗装領域の外となるとき、該ノズルからの吐出を停止する一方、吐出の停止に先んじて、前記ノズル保持体の移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させる制御を行うとともに、
    吐出が停止した後、前記複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す制御を行う塗装装置。
  6. 請求項5記載の塗装装置において、前記複数個の案内管のそれぞれに設けられて各案内管を個別に開閉する複数個のバルブをさらに備え、前記制御手段は、前記バルブを閉じる制御を行うことで、前記被塗布物の塗装領域の外となるノズルからの吐出を停止する塗装装置。
  7. 請求項5又は6記載の塗装装置において、塗装領域の外となった前記ノズルが塗装領域内に再到達して塗料の吐出を再開するとき、前記制御手段は、吐出の再開に先んじて、前記複数個のノズルの移動速度を低下させ、且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を低減させる制御を行うとともに
    吐出を再開した後、前記複数個のノズルの移動速度を元の速度に戻且つ前記複数個のノズルからの塗料の吐出量を元の吐出量に戻す制御を行う塗装装置。
  8. 請求項6に従属する請求項7記載の塗装装置において、前記制御手段は、前記バルブを開く制御を行うことで、前記被塗布物の塗装領域に再到達したノズルからの吐出を再開する塗装装置。
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