JP6989764B2 - インプリント装置、インプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

インプリント装置、インプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 平成29年4月5日,6日,7日、東京ビッグサイトで開催された第27回ファインテックジャパンで公開
本発明は、モールドに形成されている転写パターンを被転写体に転写するインプリント装置、インプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法に関する。
モールドを被転写体の樹脂に押しつけ、モールド上に形成された転写パターンを樹脂に転写するインプリント装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特許第5488766号公報
モールドに形成された転写パターンを樹脂に転写する際に、樹脂に気泡が残存していると、所望の転写パターンを樹脂に転写できないという問題がある。
本発明の目的は、樹脂に気泡が残存することを防止できるインプリント装置、インプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によるインプリント装置は、モールドに形成された所定パターンが転写されるレジストが形成された基板を保持する基板保持テーブルと、前記基板保持テーブルの内部に形成されたガス供給流路と、前記ガス供給流路と前記基板保持テーブルの外部空間とを連通し前記基板が設置される前記基板保持テーブルの基板設置面を開口して形成されたガス噴出孔とを備え、前記ガス供給流路は、前記ガス噴出孔から前記基板保持テーブルの内部に向けて設けられた噴出側部位を有しており、前記噴出側部位は、前記基板保持テーブルの中央側から側壁側に向かって傾斜して設けられていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様によるインプリント装置の運転方法は、レジストが形成された基板を保持する基板保持テーブルの内部に形成されたガス供給流路と前記基板保持テーブルの外部空間とを連通し前記基板が設置される前記基板保持テーブルの基板設置面を開口して形成されたガス噴出孔から、前記ガス供給流路を流通するガスを噴出して前記レジストを覆うガス雰囲気を形成する工程と、前記ガス雰囲気においてモールドに形成された所定パターンを前記レジストに転写する工程と、を備え、前記ガス供給流路は、前記ガス噴出孔から前記基板保持テーブルの内部に向けて設けられた噴出側部位を有しており、前記噴出側部位は、前記基板保持テーブルの中央側から側壁側に向かって傾斜して設けられていることを特徴とする。
さらに、上記目的を達成するために、本発明の一態様によるデバイスの製造方法は、上記本発明の一態様によるインプリント装置の運転方法を用いてデバイスを製造することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、樹脂に気泡が残存することを防止できる。
本発明の一実施形態によるインプリント装置1の概略構成を示す外観模式図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置1に備えられたステージ装置3の概略構成を示す外観模式図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置1に備えられたモールド装置7の概略構成を示す分解模式図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置1に備えられたモールドホルダ71の概略構成を示す模式図であり、図4(a)はモールドホルダ71の平面模式図であり、図4(b)はモールドホルダ71の部分断面模式図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置1に備えられたプレス機5の概略構成を説明する模式図であり、図5(a)はプレス機5に設けられた柱状部材51近傍の正面模式図であり、図5(b)は柱状部材51近傍の右側面模式図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置1を説明する図であって、モールド72をプレス機5の柱状部材51で押し下げた状態を説明する模式図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置の運転方法を説明する図であって、図7(a)は、インプリント工程におけるモールド72と基板21との平行度の調整方法を説明する図であり、図7(b)は、比較例としての押圧部561が曲面状の端部を有している場合のモールド72と基板21との平行度の調整方法を説明する図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置1に備えられた基板保持テーブル2の概略構成を示す模式図であり、図8(a)は基板保持テーブル2の平面模式図であり、図8(b)は図8(a)中に示すB-B線で切断した基板保持テーブル2の断面模式図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置の運転方法を説明する図であって、インプリント工程を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態によるインプリント装置の運転方法を説明する図であって、気泡除去工程を示す図である。
本発明の一実施形態によるインプリント装置、インプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法について、図1から図10を用いて説明する。以下、本実施形態によるインプリント装置の概略構成について図1から図8を用いて説明した後、インプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法について図1から図8を参照しつつ図9及び図10を用いて説明する。
(インプリント装置の全体構成)
図1に示すように、本実施形態によるインプリント装置1は、所定パターンが形成されたモールド72を保持するモールドホルダ71を有するモールド装置7と、所定パターンが転写されるレジスト(樹脂の一例)210が形成された基板21を保持する基板保持テーブル2とを備えている。また、インプリント装置1は、基板保持テーブル2をモールドホルダ71に対して移動可能に支持するステージ装置3と、ステージ装置3の一部とモールドホルダ71とを固定する固定部9a,9b,9cとを備えている。また、インプリント装置1は、所定パターンをレジスト210に転写する際にモールドを押圧するプレス機5と、モールド72と基板21との位置合わせ時に用いられる顕微鏡6とを備えている。さらに、インプリント装置1は、レジスト210を硬化するための光(本実施形態では紫外線)を照射する光源8と、所定パターンをレジスト210に転写する際にレジスト210を覆うガス雰囲気を形成するガス供給機4及び気流発生装置10とを備えている。
モールド装置7は門型構造を有している。ステージ装置3は、モールド装置7の内側の空間に配置されている。つまり、ステージ装置3は、正面及び底面を除いて、右側面、左側面、背面及び上面(平面)のそれぞれの一部をモールド装置7に囲まれて配置されている。
モールド装置7に設けられたモールドホルダ71は、ステージ装置3の上面側、すなわち上方に配置されている。ステージ装置3は、モールドホルダ71に対向させて基板保持テーブル2を支持している。これにより、モールドホルダ71に保持されるモールド72と、基板保持テーブル2に保持される基板21とが対向して配置される。さらに、モールド72に形成された所定パターン(後述する転写パターン)と、基板21上に形成されたレジスト210とが対向して配置される。
プレス機5は、モールドホルダ71の上方に配置されている。プレス機5は、モールド72の所定パターンをレジスト210に転写する際にモールド72に圧力を加える柱状部材51と、柱状部材51が取り付けられる筐体52と、筐体52に取り付けられ筐体52の上方に延在する支柱部54とを有している。筐体52は、支柱部54や後述する顕微鏡6などを配置できるように内側に所定の空間が設けられた形状を有している。筐体52は、例えば円筒形状や箱型形状を有していてよい。さらに、プレス機5は、柱状部材51、筐体52及び支柱部54を一体に上下動させるモータ部53を有している。詳細な構成の説明は省略するが、柱状部材51は、モータ部53を駆動することにより、筐体52及び支柱部54と一体になってモールドホルダ71に近付く方向と、モールドホルダ71から遠ざかる方向とに移動できるようになっている。
顕微鏡6は、柱状部材51の上方に設けられている。顕微鏡6は、基板21及びモールド72のそれぞれに形成されたアライメントマークを観察できるようになっている。また、顕微鏡6は、柱状部材51の上方から基板21及びモールド72にそれぞれ形成されたモアレパターンで生じるモアレ縞を観察できるようになっている。顕微鏡6には、不図示の撮像装置が設けられており、アライメントマークやモアレ縞を撮像できるようになっている。また、顕微鏡6及び撮像装置は、不図示のXYZステージに固定され、モールド72や基板21に対して相対的に移動できるようになっている。
ガス供給機4は、ガスを供給するガス供給部41と、ガス供給部41で生成されたガスが流通する配管42とを有している。配管42は、基板保持テーブル2に接続されている。ガス供給機4は、配管42を通してガス供給部41で生成したガスを基板保持テーブル2に供給するようになっている。モールド72に形成された所定パターンを基板21上に形成されたレジスト210に転写する際に、ガス噴出孔25からガスを噴出し、ガス雰囲気を形成することにより、レジスト210は、ガス供給機4から供給されたガスによって形成されるガス雰囲気に覆われる。ガス供給機4によるガス置換は、開放空間下でのガス置換を可能にする。
気流発生装置10は、基板保持テーブル2に向けられた気流噴出口110を有している。気流発生装置10は、気流噴出口110から気体を噴出してレジスト210周辺に一方向の気流を発生するようになっている。この気流は、通常の開放空間で使用されているインプリント装置1において、レジスト210の周囲をクリーンルーム化する機能を発揮する。気流発生中にガス供給機4からガスを供給すると、前記気流によりガス雰囲気形成速度が速くなる。これにより、モールド72に形成された所定パターンをレジスト210に転写する際に、レジスト210は、より速くガス雰囲気に覆われる。このように、気流発生装置10は、ガス供給機4が基板保持テーブル2に供給するガスの拡散を補助するようになっている。また、ガス供給機4及び気流発生装置10は、開放空間下でのガス置換を可能にする。
図示は省略するが、インプリント装置1は、ステージ装置3、ガス供給機4、プレス機5、顕微鏡6、モールド装置7及び光源8を制御する制御装置(例えばパーソナルコンピュータ)、顕微鏡6で観察されたアライメントマークや撮像装置で撮像された画像などを表示する表示装置を備えている。
(ステージ装置の構成)
次に、本実施形態によるインプリント装置1に備えられたステージ装置3の概略構成について図1を参照しつつ図2を用いて説明する。図2では、理解を容易にするため、ステージ装置3が支持する基板保持テーブル2及び基板保持テーブル2に保持される基板21が併せて図示されている。また、図2には、ステージ装置3が移動可能な方向を示すxyz座標が図示されている。
図2に示すように、ステージ装置3は、モールド72(図1参照)に形成された所定パターンが転写されるレジスト210が形成された基板21を保持する微動ステージ(第一ステージの一例)32と、微動ステージ32を保持する粗動ステージ(第二ステージの一例)31とを有している。
粗動ステージ31は、微動ステージ32をx方向及びy方向にモールドホルダ71(図1参照)に対して相対的に移動可能なXY方向移動部311と、xy座標平面に直交するz軸回りに微動ステージ32をモールドホルダ71(図1参照)に対して相対的に回転可能なθ方向移動部312とを有している。粗動ステージ31は、±5μm以上のアライメント精度で基板21とモールド72との位置補正ができるようになっている。
粗動ステージ31は、微動ステージ32を移動可能に保持するフレーム313を有している。フレーム313は、θ方向移動部312に固定されている。θ方向移動部312は、XY方向移動部311の移動に伴ってx方向及びy方向に移動するようになっている。このため、フレーム313は、XY方向移動部311の移動に伴ってモールドホルダ71に対してx方向及びy方向に相対的に移動でき、θ方向移動部312の回転動作に伴ってモールドホルダ71に対して相対的に回転できる。
粗動ステージ31は、微動ステージ32を移動可能に保持している。より具体的には、微動ステージ32は、フレーム313に対して移動可能に粗動ステージ31に保持されている。これにより、微動ステージ32は、XY方向移動部311の移動に伴ってモールドホルダ71に対してx方向及びy方向に移動でき、θ方向移動部312の回転動作に伴ってモールドホルダ71に対して相対的に回転できる。さらに、微動ステージ32は、粗動ステージ31とは独立して、モールドホルダ71に対して相対的に、x方向及びy方向に移動でき、z軸回りに回転できるようになっている。
ステージ装置3は、微動ステージ32の上面に基板保持テーブル2を設置する設置面32sを有している。ステージ装置3は、基板保持テーブル2を設置面32sに着脱可能に設置できるようになっている。基板保持テーブル2は、インプリント装置1の使用時に設置面32sに固定される。これにより、ステージ装置3は、粗動ステージ31及び微動ステージ32のそれぞれの移動・回転とともに、基板保持テーブル2をモールドホルダ71に対して相対的に移動したり回転したりできる。
図1に示すように、インプリント装置1は、モールドホルダ71と粗動ステージ31とを固定する3個の固定部9a,9b,9cを備えている。固定部9aは、電磁石91aと、電磁石91aに対向して配置されたダイセットガイド92aとを有している。固定部9bは、電磁石91bと、電磁石91bに対向して配置されたダイセットガイド92bとを有している。固定部9cは、電磁石(不図示)と、この電磁石に対向して配置されたダイセットガイド92cを有している。以下、説明の便宜上、ダイセットガイド92cに対向して配置された電磁石を「電磁石91c」と称する。
ダイセットガイド92a,92b,92cは、ステージ装置3に近付く方向及びステージ装置3から離れる方向に移動可能にモールドホルダ71に取り付けられている。ダイセットガイド92a,92b,92cは、通常状態では、不図示の弾性部材の付勢力によって、図1に示すように頭部がモールドホルダ71から離れた状態で保持されている。ダイセットガイド92a,92b,92cは磁性材料で形成されている。ダイセットガイド92a,92b,92cには、電磁石91a,91b,91cとの接触部にパーマロイが用いられてもよい。パーマロイは、透磁率が相対的に高いため、この接触部にパーマロイが用いられると、電磁石91a,91b,91cの作動時にダイセットガイド92a,92b,92cとの接触力が向上し、かつ周囲への磁気影響も遮断される。電磁石91a,91b,91cに通電すると、ダイセットガイド92a,92b,92cは、電磁石91a,91b,91cが発生する磁力に引き寄せられて、ダイセットガイド92a,92b,92cの先端が電磁石91a,91b,91cにくっついた状態で保持される。電磁石91a,91b,91cは、フレーム313に取り付けられて固定されている。このため、ダイセットガイド92a,92b,92cの先端が電磁石91a,91b,91cにくっつくことにより、モールドホルダ71は、フレーム313を介して粗動ステージ31に固定される。
インプリント装置1は、3個の固定部9a,9b,9cを備え、3個の固定部9a,9b,9cは、三角形状に配置されている。このため、固定部9a,9b,9cは、モールドホルダ71に3方向から力を加えて粗動ステージ31に固定できる。これにより、粗動ステージ31に振動やその他の外力が加わって粗動ステージ31が動いたとしても、モールドホルダ71は、粗動ステージ31の動きに同調して動く。その結果、基板21とモールド72との相対位置は動かないため、基板21上のレジスト210に対するモールド72の転写パターンの位置ずれを防止できる。
(モールド装置の構成)
次に、本実施形態によるインプリント装置1に備えられたモールド装置7の概略構成について図1を参照しつつ図3及び図4を用いて説明する。図3中の上方にはモールドホルダ71及びモールド72が図示され、図3中の下方には、モールドホルダ71の位置を制御する位置制御装置73a,73b,73cが図示されている。
図3に示すように、モールド装置7は、転写パターン(所定パターンの一例)721が形成されたモールド72を保持するモールドホルダ71と、モールドホルダ71の位置を制御する位置制御装置73a,73b,73cを有している。位置制御装置73a,73b,73cは、モールドホルダ71の高さ方向の位置を主に制御するようになっている。位置制御装置73a,73b,73cは、三角形状に配置されている。
位置制御装置73aは、モールドホルダ71が取り付けられる被取付部731aと、被取付部731aを支持する支持部732aと、インプリント装置1の制御装置(不図示)で制御され被取付部731a及び支持部732aを上下動する駆動部733aとを有している。駆動部733aは例えばアクチュエータで構成されている。
位置制御装置73bは、モールドホルダ71が取り付けられる被取付部731bと、被取付部731bを支持する支持部732bと、インプリント装置1の制御装置(不図示)で制御され被取付部731b及び支持部732bを上下動する駆動部733bとを有している。駆動部733bは例えばアクチュエータで構成されている。
位置制御装置73cは、モールドホルダ71が取り付けられる被取付部731cと、被取付部731cを支持する支持部732cと、インプリント装置1の制御装置(不図示)で制御され被取付部731c及び支持部732cを上下動する駆動部733cとを有している。駆動部733cは例えばアクチュエータで構成されている。
図3に示すように、モールドホルダ71は、モールド72に形成された転写パターン721を下方に向けて保持するように構成されたモールド保持部711を有している。モールド72は、石英などで形成されている。転写パターン721には、集積回路の回路パターンなどが描画されている。転写パターン721は、基板21に形成されたレジスト210に転写する型となる。ここで、モールドホルダ71の概略構成について図4を用いて説明する。
図4(a)に示すように、モールドホルダ71は、三角形状に形成された本体部713と、本体部713に形成されたモールド保持部711と、本体部713の角部に設けられ位置制御装置73a,73b,73cに取り付ける取付部712a,712b,712cとを有している。
モールド保持部711は、本体部713のほぼ中央に設けられている。モールド保持部711は、円形状に形成され本体部713を開口して形成された開口部711aと、開口部711aの内壁の下部に形成された円環状の突出部711bとを有している。
図4(b)に示すように、モールド72は、転写パターン721を下方に配置された基板21(図1参照に向けてモールド72の外周端部を突出部711bに引っ掛けられ、突出部711bとリング状の固定治具714とでこの外周端部が挟まれて本体部713に配置される。固定治具714は、突出部711bに複数箇所でねじ止めされ、モールド72を本体部713に固定するようになっている。モールド72は、固定治具714を取り除くことにより、本体部713から取り除くことができる。このように、モールドホルダ71は、モールド72を取り替え可能である。
図4(a)に戻って、取付部712a,712b,712cは、本体部713の中心から放射状に延在して設けられている。取付部712aは、モールドホルダ71の被取付部731a(図3参照)に着脱自在に取り付けられる。取付部712bは、モールドホルダ71の被取付部731b(図3参照)に着脱自在に取り付けられる。取付部712cは、モールドホルダ71の被取付部731c(図3参照)に着脱自在に取り付けられる。
(プレス機の構成)
次に、本実施形態によるインプリント装置1に備えられたプレス機5の概略構成について図1及び図4を参照しつつ図5を用いて説明する。図5には、柱状部材51が移動可能な方向を示すxyz座標が図示されている。また、図5(b)では、柱状部材51のみ図5(a)中に示すA-A線で切断した切断面が示されている。また、図5(b)には、光源8が併せて図示されている。
図5(a)に示すように、インプリント装置1に備えられたプレス機5は、モールドホルダ71に設けられた開口部711a(図4参照)を通過可能で平坦な端部をモールド72の側に有する柱状部材51を有し、モールドホルダ71とは分離して設けられている(図1参照)。プレス機5は、筐体52と、柱状部材51の位置を制御する姿勢制御部55a,55b,55cとを有している。
柱状部材51は、モールド72に接触して圧力を加える押圧部511と、押圧部511を支持する支持部512とを有している。押圧部511は、支持部512に固定されている。押圧部511は、例えば円柱状に形成されている。押圧部511の外径は、モールドホルダ71の開口部711aの内径(より厳密には突出部711bの内径)よりも短く形成されている。このため、押圧部511は、開口部711aを通過可能な大きさを有し、開口部711aを通って転写パターン721の形成面の裏面側からモールド72を押圧できるようになっている。また、押圧部511は、モールド72に対面される端部に平らに形成された平坦面511sを有している。
プレス機5は、柱状部材51を取り替え可能に構成されている。また、モールド装置7は、モールドホルダ71を取り替え可能に構成されている。さらに、モールドホルダ71は、モールド72を取り替え可能に構成されている。このため、インプリント装置1は、モールドホルダ71に形成された開口部711aの面積よりも小さく、かつ転写パターン721の形成領域の面積よりも大きい面積の平坦面511sを有する押圧部511が設けられた柱状部材51を選択して使用することができる。そこで、柱状部材51、モールドホルダ71の開口部711a及び転写パターンの形成領域の面積を適宜選択することにより、図6に示すように、プレス機5に備えられた柱状部材51を用いてモールド72の背面側を押圧するだけで、モールド72を撓ませることができる。
その結果、インプリント装置1は、モールド72を撓ませる特別な工程を実行することなく、転写パターン721をレジスト210に転写する工程の流れの中でモールド72を撓ませて転写パターン721とレジスト210とを最初に点接触させ、両者を徐々に面接触させることができる。これにより、インプリント装置1は、モールド72を基板21に押し付ける初期状態においてレジスト210内に気体が封入されるのを防止できる。このため、インプリント装置1は、レジスト210に気泡が残存することを防止でき、所望のパターンをレジスト210に転写できる。
柱状部材51の長手方向にモールドホルダ71を見た場合、柱状部材51の端部(より具体的には、押圧部511の端部)は、モールドホルダ71の開口部711aの中心点に重なるように配置されている。
姿勢制御部55aは、筐体52に設けられ柱状部材51の長手方向に伸縮可能なアクチュエータ551aと、柱状部材51に設けられアクチュエータ551aから受ける圧力を検知する圧力検知部552aと、筐体52と柱状部材51との間に設けられた弾性体553aとで構成されている。
姿勢制御部55bは、筐体52に設けられ柱状部材51の長手方向に伸縮可能なアクチュエータ551bと、柱状部材51に設けられアクチュエータ551bから受ける圧力を検知する圧力検知部552bと、筐体52と柱状部材51との間に設けられた弾性体553bとで構成されている。
姿勢制御部55cは、筐体52に設けられ柱状部材51の長手方向に伸縮可能なアクチュエータ551cと、柱状部材51に設けられアクチュエータ551cから受ける圧力を検知する圧力検知部552cと、筐体52と柱状部材51との間に設けられた弾性体553cとで構成されている。
姿勢制御部55a,55b,55cは、柱状部材51の周りに3個配置されている。姿勢制御部55a,55b,55cは、柱状部材51の周りにほぼ等間隔(約120°間隔)に配置されている。本実施形態では、姿勢制御部55a,55b,55cは、3個設けられているが、インプリント装置1において姿勢制御部は少なくとも3個配置されていればよく、4個以上設けられていてもよい。
アクチュエータ551a,551b,551cは、例えばピエゾ素子で構成されている。アクチュエータ551a,551b,551cは、筐体52に取り付けられている。アクチュエータ551a,551b,551cは、上下方向(z軸方向)に伸縮できるように構成されている。アクチュエータ551a,551b,551cは、インプリント装置1の制御装置によって独立して制御されるようになっている。
圧力検知部552a,552b,552cは、例えばロードセルで構成されている。圧力検知部552a,552b,552cは、柱状部材51に取り付けられている。より具体的には、圧力検知部552a,552b,552cは、支持部512の側壁から突出して形成された突起部512a,512b,512cに配置されている。圧力検知部552aは、アクチュエータ551aに対向して配置された突起部512aに配置されている。圧力検知部552bは、アクチュエータ551bに対向して配置された突起部512bに配置されている。圧力検知部552cは、アクチュエータ551cに対向して配置された突起部512cに配置されている。これにより、圧力検知部552aはアクチュエータ551aに接触して設けられ、圧力検知部552bはアクチュエータ551bに接触して設けられ、圧力検知部552cはアクチュエータ551cに接触して設けられる。
圧力検知部552a,552b,552cが配置された面とは反対側の突起部512a,512b,512cの面と、筐体52の下方側の面との間に、弾性体553a,553b,553cが張り渡されて設けられている。弾性体553a,553b,553cは、例えば板ばねで構成されている。図5(a)に示すように、弾性体553aは、一端部が筐体52にねじ554aでねじ止めされ、他端部が突起部512aにねじ555aでねじ止めされている。弾性体553bは、一端部が筐体52にねじ554bでねじ止めされ、他端部が突起部512bにねじ555bでねじ止めされている。図5(b)に示すように、弾性体553cは、一端部が筐体52にねじ554cでねじ止めされ、他端部が突起部512cにねじ555cでねじ止めされている。
これにより、支持部512は、弾性体553a,553b,553cを介して筐体52に連結される。アクチュエータ551a,551b,551cは、筐体52と突起部512a,512b,512cとの間に取り付けられている。アクチュエータ551a,551b,551cは、制御装置から入力される制御信号によって伸縮して支持部512をz方向に押し引きする。制御装置は、圧力検知部552a,552b,552cが検知する圧力に基づいて、柱状部材51がモールド72の裏面に倣うようにアクチュエータ551a,551b,551cを個別に制御する。
図7(a)に示すように、モールド72と基板21(図7(a)ではレジスト210は不図示)との平行度を調整する際に、例えば矢印Y1の方向に力を加えたとする。柱状部材51の押圧部511は平坦面511sを有しているため、押圧部511とモールド72とが面で接触してモールド72に矢印Y1の方向に力を加えることができる。これにより、柱状部材51はモールド72と基板21との平行度を調整できる。
一方、図7(b)に示すように、押圧部561が曲面状の端部を有している場合、矢印Y1の方向に力を加えると、押圧部561がモールド72の背面上を矢印Y2の方向に滑ってしまう。その結果、押圧部561は、モールド72に矢印Y1の方向に力を加えることができず、モールド72と基板21との平行度を調整できない。
このように、インプリント装置1は、平坦な端部を有する柱状部材51を備えているため、柱状部材51からモールド72に効率よく力を加えることができるので、モールド72と基板21との平行度の調整の高効率化を図ることができる。
図5(b)に戻って、光源8は、柱状部材51の支持部512に着脱自在に取り付けられるようになっている。光源8は、例えば紫外線UVを発光する発光部81と、発光部81から出射された紫外線UVをモールド72側に反射する反射部82とを有している。光源8は、例えばレジスト210(図5(b)では不図示)を硬化する際に、押圧部511上に設けられた支持部512の空間に挿入され、レジスト210に紫外線を照射するようになっている。
(基板保持テーブルの構成)
次に、本実施形態によるインプリント装置1に備えられた基板保持テーブル2の概略構成について図1及び図4を参照しつつ図8を用いて説明する。
図8に示すように、インプリント装置1は、モールド72に形成された転写パターン(図4(b)参照)が転写されるレジスト210が形成された基板21を保持する基板保持テーブル2を備えている。また、インプリント装置1は、基板保持テーブル2の内部に形成されたガス供給流路24と、ガス供給流路24と基板保持テーブル2の外部空間とを連通し基板21が設置される基板保持テーブル2の基板設置面22を開口して形成されたガス噴出孔25とを備えている。さらに、インプリント装置1は、基板保持テーブル2の側壁に設けられ配管42(図1参照)が接続されるガス吸入口26を備えている。
図8(b)に示すように、ガス供給流路24は、ガス吸入口26から基板設置面22にほぼ平行に延在する吸入側部位241と、基板設置面22にほぼ直交して延在する中間部位242と、基板設置面22に対して傾斜する噴出側部位243とを有している。図8(a)に示すように、吸入側部位241は、ガス吸入口26から基板保持テーブル2の中央に向かって所定位置までほぼ一定の幅で延在し、この所定位置からガス噴出孔25とほぼ同じ幅まで徐々に広がりながら延在する形状を有している。噴出側部位243は、基板設置面22に対してガス噴出孔25から基板保持テーブル2の内部に向かって傾斜して設けられている。噴出側部位243は、基板保持テーブル2の中央側から側壁側に向かって傾斜している。
図8に示すように、基板保持テーブル2は、基板21を保持する面に基板保持領域27を有している。ガス噴出孔25は、基板保持領域27と重ならないように1か所設けられている。本実施形態では、基板21を保持する面は、基板設置面22である。このため、基板保持領域27とガス噴出孔25とは同一平面上に設けられている。しかしながら、基板保持領域27とガス噴出孔25とは、必ずしも同一平面上に設けられている必要はない。例えば、基板保持領域27は、基板設置面22に対して凹状に形成されていたり凸状に形成されていたりしてもよい。
インプリント装置1に備えられた気流発生装置10(図1参照)は、一方向の気流を発生させることができるようになっている。ガス噴出孔25は、ガス供給流路24と基板保持領域27との間に1個所だけ設けられており、基板保持領域27を挟んで複数個所設けられていない。また、ガス噴出孔25は、基板保持領域27と気流発生装置10の気流噴出口110との間に設けられている。これにより、ガス供給流路24を流通したガスは、気流発生装置10から基板保持領域27に向かう一方向の気流によって加速されて基板保持領域27に向かって噴出される。このように、ガス噴出孔25は、気流発生装置10によって発生する気流に逆らわない方向でガスを基板21に供給できるように形成されている。
レジスト210と転写パターン721とが接触した状態では、基板保持テーブル2とモールドホルダ71との間隙が極めて短くなる。このため、ガス噴出孔25から噴出され気流発生装置10から噴射された気流によって加速された気体は、基板保持テーブル2とモールドホルダ71との間隙にガス雰囲気を形成して基板21とレジスト210を覆うことになる。ガス供給機4は、例えばペンタフルオロプロパン(PFP)ガスを生成するため、基板21及びレジスト210は、PFPガスで形成されたガス雰囲気に覆われる。PFPガスはレジスト210に溶け込んでレジスト210内に形成された気泡を除去することができる。これにより、レジスト210に気泡が残存することが防止される。
本実施形態では、ガス噴出孔25は、1つの開口部を有しているが、これに限られず、複数の開口部を有していてもよい。例えば、ガス噴出孔25は、スリット状を有していたり、格子状に配置された複数の開口部を有していたり、網目状部材で塞がれて複数の開口部を有していたりしてもよい。
図8(a)に示すように、基板保持テーブル2は、基板保持領域27の周囲に設けられ基板21を基板保持テーブル2に固定する基板固定部23a,23b,23cを有している。基板固定部23a,23b,23cは、円形状を有し、三角形状に配置されている。基板固定部23a,23b,23cは、基板21の側壁に接触して3方向から基板21を挟んで基板保持テーブル2に固定するようになっている。基板固定部23a,23b,23cの中心と、基板保持領域27の中心とはずらして設けられているので、基板固定部23a,23b,23cを基板設置面22の面内方向で回転させることにより、基板固定部23a,23b,23cは、基板保持領域27に配置された基板21の側壁に近付いたり遠ざかったりできる。これにより、基板保持テーブル2は、基板21を基板固定部23a,23b,23cで容易に固定したり解除したりできる。
基板保持テーブル2は、基板21の側壁を利用して基板21を基板設置面22に固定することにより、基板21とモールド72とを位置合わせするために微動ステージ32をxy座標面内で移動させた際に、レジスト210の粘性抵抗によって基板21がxy座標面内で動いてしまうのを防止するようになっている。
図示は省略するが、基板保持テーブル2は、基板保持領域27に設けられた吸引口で吸引することにより、基板21の裏面を基板設置面22に固定できるようになっている。基板保持テーブル2は、基板21の側壁及び裏面を利用して基板21を基板設置面22に固定することにより、転写パターン721をレジスト210に転写した後に、モールド72をレジスト210から剥がす際に、モールド72に引っ張られて基板21が基板保持テーブル2から外れてしまうのを防止するようになっている。
図8(b)に示すように、インプリント装置1は、基板保持テーブル2の側からモールドホルダ71の側に向かって基板21を突き上げる突上部28を備えている。インプリント装置1は、プレス機5によってモールド72を撓ませる方向とは逆方向に基板21を撓ませることができる。このため、インプリント装置1は、モールド72の転写パターン721と基板21上のレジスト210とを接触するときに、転写パターン721とレジスト210とを最初に点接触させることができる。これにより、インプリント装置1は、レジスト210に気泡が封入されるのを防止できる。
(インプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法)
次に、本実施形態によるインプリント装置の運転方法及びデバイスの製造方法について、図1から図8を参照しつつ図9及び図10を用いて説明する。
まず、図1及び図9(a)に示すように、転写パターン(所定パターンの一例)721が形成されたモールド72を保持するモールドホルダ71(図4参照)を、転写パターン721が転写されるレジスト210が形成された基板21を保持する微動ステージ32に近付けてレジスト210とモールド72とを対向して配置する。このとき、基板21は基板保持テーブル2に保持されているため、モールド72が保持されたモールドホルダ71と、転写パターンが転写されるレジスト210が形成された基板21が保持された基板保持テーブル2とが対向して配置される。
次に、図9(b)に示すように、平坦な端部をモールド72の側に有する柱状部材51を有しモールドホルダ71とは分離して設けられたプレス機5(図1参照)をモールドホルダ71に近付ける。
次に、図9(c)に示すように、転写パターン721が形成された領域のモールド72の背面側から柱状部材51の端部を押し当てて基板保持テーブル2(図9では不図示、図8参照)の側に転写パターン721の少なくとも一部が突出するようにモールド72を撓ませる。図9(a)から図9(c)に示す工程がプレス機5の移動かつモールド撓み工程である。
次に、図10に示すように、レジスト210が形成された基板21を保持する基板保持テーブル2の内部に形成されたガス供給流路24と基板保持テーブル2の外部空間とを連通し基板21が設置される基板保持テーブル2の基板設置面22を開口して形成されたガス噴出孔25から、ガス供給流路24を流通するガスを噴出する。ガス噴出孔25から噴出したガスは、レジスト210を覆うガス雰囲気GAを形成する。なお、前記ガス噴出工程は、気流発生装置10の気流噴出口110(図1参照)から噴出されて発生する気流AFの雰囲気下で行うことも可能である。これにより、ガス噴出孔25から噴出したガスは、レジスト210を覆うガス雰囲気GAをより速く形成する。
図9に戻って、次に、図9(d)に示すように、モールド72を撓ませた状態でプレス機9及びモールドホルダ71を基板保持テーブル2に近付けて、基板保持テーブル2の側に突出する転写パターン721の頂部と基板21の上に形成されたレジスト210と接触させる。これにより、転写パターン721とレジスト210とは、互いに接触する過程において、最初に点接触する。
次に、図9(e)に示すように、モールドホルダ71を基板保持テーブル2の側にさらに移動させて転写パターン721の全面とレジスト210とを接触させる。図9(d)及び図9(e)に示す工程が、モールド・レジスト接触工程である。
次に、図9(f)に示すように、モールドホルダ71を基板保持テーブル2の側にさらに移動させる。これにより、モールド72は撓んだ状態からほぼ平坦な状態に移行する。図9(f)に示す工程がモールド72の撓み解消工程である。
次に、柱状部材51の長手方向に伸縮可能なアクチュエータ551a,551b,551cと、柱状部材51に設けられアクチュエータ551a,551b,551cから受ける圧力を検知する圧力検知部552a,552b,552cと、筐体52と柱状部材51との間に設けられた弾性体553a,553b,553cとで構成された姿勢制御部55a,55b,55c(図5参照)を少なくとも3個(本実施形態では3個)用いて、モールド72と基板21との平行度を調整する。
次に、ガス雰囲気GAにおいてモールド72に形成された転写パターン721をレジスト210に転写する。図10に示すように、転写パターン721をレジスト210に転写する際に、レジスト210は、ガス雰囲気GAに覆われている。これにより、レジスト210の内部に生じている気泡が除去される。
上述のとおり、モールドホルダ71を微動ステージ32へ近付け、転写パターン721にレジスト210を接触させ、モールド72と基板21との平行度を調整した後、微動ステージ32を保持する粗動ステージ31をモールドホルダ71に対して相対的に移動させてモールド72と基板21とを位置合わせする。粗動ステージ31を用いてモールド72と基板21とを位置合わせする第一位置合わせ工程では、モールド72に形成されたアライメントマークと基板21に形成されたアライメントマークとを顕微鏡6で観察しながら、粗動ステージ31を制御してモールド72と基板21とを位置合わせする。
次に、モールドホルダ71と粗動ステージ31とを固定部9a,9b,9cを用いて固定する。上述のとおり、固定部9a,9b,9cは電磁石91a,91b,91cとダイセットガイド92a,92b,92cから構成されている(図1参照)。電磁石91a,91b,91cは、粗動ステージ31に設けられて微動ステージ32を移動可能に保持するフレーム313に配置されている。電磁石91a,91b,91cへ通電して磁力を発生させ、電磁石91a,91b,91cとダイセットガイド92a,92b,92cとを磁力により固定することでモールドホルダ71を粗動ステージ31の構成要素であるフレーム313に固定する。これにより、粗動ステージ31とモールドホルダ71の振動系が共通化され、粗動ステージ31に振動やその他の外力が加わって粗動ステージ31が動いても、モールドホルダ71も粗動ステージと31と同じように動く。このため、粗動ステージ31に所定の外力が加わっても、第一位置合わせ構成において位置合わせした基板21とモールド72とが位置ずれしてしまうことを防止できる。
モールドホルダ71と粗動ステージ31とを固定部9a,9b,9cを用いて固定した後に、微動ステージ32をモールドホルダ71に対して相対的に移動させてモールド72と基板21とを位置合わせする。微動ステージ32を用いてモールド72と基板21とを位置合わせする第二位置合わせ工程では、モールド72に形成されたモアレマークと基板21に形成されたモアレマークとが干渉して発生するモアレ縞の撮像画像に基づいて、微動ステージ32を制御してモールド72と基板21とを位置合わせする。微動ステージ32を用いる位置合わせ精度は、粗動ステージ31を用いる位置合わせ精度よりも高い。このため、第二位置合わせ工程では、第一位置合わせ工程よりも微少な位置合わせができる。
次に、光源8で発光した紫外線をレジスト210に照射してレジスト210を硬化する。次に、レジスト210からモールド72を剥離することにより、レジスト210に転写パターン721が転写された微細パターンが完成する。
インプリント装置1は、モールドホルダ71及び基板保持テーブル2が着脱自在に構成されている。また、モールドホルダ71はモールド72が着脱自在に構成され、基板保持テーブル2は基板21が着脱自在に構成されている。このため、複数の異なる回路パターンがそれぞれ形成された複数の転写パターンを準備しておき、本実施形態によるインプリント装置の運転方法によってこの複数の転写パターンを基板21上に順次形成することにより、所望の動作が可能な電子デバイス(例えば集積回路)を製造することができる。
以上説明したように、本実施形態によるインプリント装置1は、モールドホルダ71と粗動ステージ31とを固定する固定部9a,9b,9cを備えている。これにより、本実施形態によるインプリント装置1、インプリント装置1の運転方法及びデバイスの製造方法によれば、レジスト210に対する転写パターン721の位置ずれを防止することができる。
また、本実施形態によるインプリント装置1は、モールドホルダ71に形成された開口部711aを通過可能で平坦な端部をモールド72の側に有する柱状部材51を有し、モールドホルダ71とは分離して設けられたプレス機9を備えている。これにより、本実施形態によるインプリント装置1、インプリント装置1の運転方法及びデバイスの製造方法によれば、モールド72と基板21との平行度が確保され、レジスト210気泡が残存することを防止できる。
また、本実施形態によるインプリント装置1は、基板保持テーブル2の内部に形成されたガス供給流路24と、ガス供給流路24と基板保持テーブル2の外部空間とを連通し基板21が設置される基板保持テーブル2の基板設置面22を開口して形成されたガス噴出孔25とを備えている。これにより、本実施形態によるインプリント装置1、インプリント装置1の運転方法及びデバイスの製造方法によれば、レジスト210に気泡が残存することを防止できる。
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施形態によるインプリント装置の運転方法では、転写パターン721とレジスト210とを接触させる際にモールド72のみを撓ませているが、本発明はこれに限られない。例えば、転写パターン721とレジスト210とを接触させる際に、基板21がモールドホルダ71の側に突出するようにレジスト210とともに基板21を撓ませてもよい。さらに、モールドホルダ71を基板保持テーブル2の側にさらに移動させるとともに、基板21の突き上げを解除して、転写パターン721の全面とレジスト210の全面とを接触させてもよい。
上記実施形態によるインプリント装置1は、固定部9a,9b,9cを備えているが、本発明はこれに限られない。インプリント装置1は、固定部9a,9b,9cを備えていなくてもよい。
上記実施形態によるインプリント装置1は、ステージ装置3が粗動ステージ31および微動ステージ32を備え、2段階の位置合わせができるように構成されているが、本発明はこれに限られない。インプリント装置1は、粗動ステージ及び微動ステージに分離されていないステージ装置を備えていてもよい。
上記実施形態によるインプリント装置1は、柱状部材51を有するプレス機5を備え、転写パターン721をレジスト210に転写する際にモールド72を撓ませて転写パターン721とレジスト210とを最初に点接触させるように構成されているが、本発明はこれに限られない。インプリント装置1は、柱状部材51を有さないプレス機を備え、転写パターン721をレジスト210に転写する際にモールド72を撓ませずに転写パターン721とレジスト210とを最初から面接触させるように構成されていてもよい。
本発明は、レジストに蛍光レジストを用い、第二位置合わせ工程において、蛍光モアレ縞に基づいて、モールド72と基板21とを位置合わせしてもよい。インプリント装置1では、第二位置合わせ工程を実施する際に、粗動ステージ31とモールドホルダ71とが固定されて一体化されているため、蛍光モアレ縞を用いた位置合わせを適用し易い。
1 インプリント装置
2 基板保持テーブル
3 ステージ装置
4 ガス供給機
5 プレス機
6 顕微鏡
7 モールド装置
8 光源
9 プレス機
9a,9b,9c 固定部
10 気流発生装置
21 基板
22 基板設置面
23a,23b,23c 基板固定部
24 ガス供給流路
25 ガス噴出孔
26 ガス吸入口
27 基板保持領域
28 突上部
31 粗動ステージ
32 微動ステージ
32s 設置面
41 ガス供給部
42 配管
51 柱状部材
52 筐体
53 モータ部
54 支柱部
55a,55b,55c 姿勢制御部
71 モールドホルダ
72 モールド
73a,73b,73c 位置制御装置
81 発光部
82 反射部
91a,91b 電磁石
92a,92b,92c ダイセットガイド
110 気流噴出口
210 レジスト
241 吸入側部位
242 中間部位
243 噴出側部位
311 XY方向移動部
312 θ方向移動部
313 フレーム
511,561 押圧部
511s 平坦面
512 支持部
512a,512b,512c 突起部
551a,551b,551c アクチュエータ
552a,552b,552c 圧力検知部
553a,553b,553c 弾性体
711 モールド保持部
711a 開口部
711b 突出部
712a,712b,712c 取付部
713 本体部
714 固定治具
721 転写パターン
731a,731b,731c 被取付部
732a,732b,732c 支持部
733a,733b,733c 駆動部
G 気流
GA ガス雰囲気
UV 紫外線

Claims (10)

  1. モールドに形成された所定パターンが転写されるレジストが形成された基板を保持する基板保持テーブルと、
    前記基板保持テーブルの内部に形成されたガス供給流路と、
    前記ガス供給流路と前記基板保持テーブルの外部空間とを連通し前記基板が設置される前記基板保持テーブルの基板設置面を開口して形成されたガス噴出孔とを備え
    前記ガス供給流路は、前記ガス噴出孔から前記基板保持テーブルの内部に向けて設けられた噴出側部位を有しており、前記噴出側部位は、前記基板保持テーブルの中央側から側壁側に向かって傾斜して設けられてい
    インプリント装置。
  2. 前記基板保持テーブルは基板を保持する面に基板保持領域を有し、
    前記ガス噴出孔は、前記基板保持領域と重ならないように1か所設けられている
    請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記インプリント装置は、一方向の気流を発生させる気流発生装置を備え、
    前記ガス噴出孔は、前記気流発生装置によって発生する気流に逆らわない方向でガスを供給できるように形成されている、
    請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記ガス噴出孔は、複数の開口部を有する
    請求項1から3までのいずれか一項に記載のインプリント装置。
  5. 前記ガス噴出孔は、1つの開口部を有する
    請求項1から3までのいずれか一項に記載のインプリント装置。
  6. 前記ガス供給流路は、前記基板設置面に対して前記ガス噴出孔から前記内部に向かって傾斜して設けられている
    請求項1から5までのいずれか一項に記載のインプリント装置。
  7. レジストが形成された基板を保持する基板保持テーブルの内部に形成されたガス供給流路と前記基板保持テーブルの外部空間とを連通し前記基板が設置される前記基板保持テーブルの基板設置面を開口して形成されたガス噴出孔から、前記ガス供給流路を流通するガスを噴出して前記レジストを覆うガス雰囲気を形成する工程と
    前記ガス雰囲気においてモールドに形成された所定パターンを前記レジストに転写する工程と、を備え、
    前記ガス供給流路は、前記ガス噴出孔から前記基板保持テーブルの内部に向けて設けられた噴出側部位を有しており、前記噴出側部位は、前記基板保持テーブルの中央側から側壁側に向かって傾斜して設けられている
    インプリント装置の運転方法。
  8. 前記ガス噴出孔から前記基板に向かって流れる気流を発生させて、前記ガス雰囲気を形成する
    請求項7に記載のインプリント装置の運転方法。
  9. 前記所定パターンを前記レジストに接触させる前に、前記ガス雰囲気を形成する
    請求項7又は8に記載のインプリント装置の運転方法。
  10. 請求項7から9までのいずれか一項に記載のインプリント装置の運転方法を用いてデバイスを製造する
    デバイスの製造方法。
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