JP2009072945A - ヘッド位置検出機構、ヘッドユニット組立装置、ヘッドユニットの組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のノズルを有する吐出ヘッドの支持体に対する位置を精度よく入手可能なヘッド位置検出機構、これを備えたヘッドユニット組立装置、ヘッドユニットの組立方法を提供すること。
【解決手段】ヘッドユニット組立装置100は、複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズル内の液状体のメニスカスを撮像する撮像機構104と、撮像されたメニスカスの情報から離間した少なくとも2つのノズルの位置を演算すると共に、離間した少なくとも2つのノズルの支持体に対する基準位置との差を演算する演算部とを有するヘッド位置検出機構150と、吐出ヘッド30を所定の平面内において移動させるヘッド位置調整機構102と、複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルの検出された位置が、離間した少なくとも2つのノズルの支持体に対する基準位置と合致するようにヘッド位置調整機構102を制御する制御部140とを備えた。
【選択図】図5
【解決手段】ヘッドユニット組立装置100は、複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズル内の液状体のメニスカスを撮像する撮像機構104と、撮像されたメニスカスの情報から離間した少なくとも2つのノズルの位置を演算すると共に、離間した少なくとも2つのノズルの支持体に対する基準位置との差を演算する演算部とを有するヘッド位置検出機構150と、吐出ヘッド30を所定の平面内において移動させるヘッド位置調整機構102と、複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルの検出された位置が、離間した少なくとも2つのノズルの支持体に対する基準位置と合致するようにヘッド位置調整機構102を制御する制御部140とを備えた。
【選択図】図5
Description
本発明は、液状体を吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドの支持体に対する位置を検出するためのヘッド位置検出機構、ヘッドユニット組立装置、ヘッドユニットの組立方法に関する。
ヘッドユニット組立装置としては、サブキャリッジに仮止めされたヘッド部の、水平方向の位置を調整するヘッド部位置調整手段と、ヘッド部の画像を取得する画像取得手段と、取得したヘッド部の画像に基づいて当該ヘッド部に設けられた対象物の位置を検出し、検出した対象物の位置が予め記憶してある目標位置に一致するように、ヘッド部位置調整手段を制御する制御手段とを備えたインクジェットヘッド組立装置が知られている(特許文献1)。
上記インクジェットヘッド組立装置では、ヘッド部に設けられたノズル孔を上記対象物として、その位置を検出することにより、ヘッド部の水平方向の位置を調整している。これにより、複数のヘッド部を一つのサブキャリッジ上に精度よく配置し、実質的に多数のノズルを備えた長尺のインクジェットヘッドの組み立てを可能としている。
しかしながら、上記インクジェットヘッド組立装置では、画像取得手段によりヘッド部の画像を取得する際に、ノズル孔が設けられたヘッド部の材質やその表面処理状態によって、対象物であるノズル孔が認識し難いという課題があった。
また、検出された対象物の位置が予め記憶してある目標位置に一致するように、ヘッド部位置調整手段を制御してインクジェットヘッドを組み立てしても、実際にインクジェットヘッドを駆動して液状体を吐出してみると、必ずしも高精度な液状体の着弾位置が得られないという課題があった。その原因としては、複数のノズルの位置バラツキやノズル孔の形状に起因する液状体の飛行曲がりなどが挙げられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例のヘッド位置検出機構は、複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドの支持体に対する位置を検出するヘッド位置検出機構であって、前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズル内の前記液状体のメニスカスを撮像する撮像機構と、撮像された前記液状体のメニスカスの情報から前記離間した少なくとも2つのノズルの位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、撮像機構は、ノズル内の液状体のメニスカスを撮像するので、ノズル孔を撮像する場合に比べて、ノズル孔が形成された表面の状態に影響されずに、ノズル孔の形状を特定し易い。したがって、撮像機構により、正確なノズル孔の画像を入手することができる。すなわち、正確な吐出ヘッドの位置情報を入手可能なヘッド位置検出機構を提供することができる。
[適用例2]上記適用例のヘッド位置検出機構において、前記吐出ヘッドは、前記ノズルごとに前記液状体を吐出するための駆動手段を有し、前記液状体のメニスカスを振動させる駆動波形を前記駆動手段に印加するノズル駆動部をさらに備え、前記撮像機構は、振動させた前記液状体のメニスカスを撮像することが好ましい。
この構成によれば、液状体のメニスカスを振動させた状態で撮像するので、ノズル内での液状体の乾燥による目詰まりが防止できる。且つ、液状体のメニスカスの振動によりノズル孔の形状がより特定し易くなる。したがって、安定的に、且つより正確に吐出ヘッドの支持体に対する位置情報を入手できる。
この構成によれば、液状体のメニスカスを振動させた状態で撮像するので、ノズル内での液状体の乾燥による目詰まりが防止できる。且つ、液状体のメニスカスの振動によりノズル孔の形状がより特定し易くなる。したがって、安定的に、且つより正確に吐出ヘッドの支持体に対する位置情報を入手できる。
[適用例3]本適用例の他のヘッド位置検出機構は、複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドの支持体に対する位置を検出するヘッド位置検出機構であって、前記吐出ヘッドは、前記ノズルごとに前記液状体を吐出するための駆動手段を有し、前記ノズルから前記液状体を液滴として吐出する駆動波形を前記駆動手段に印加するノズル駆動部と、前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルから吐出された前記液滴をそれぞれ検出する液滴検出部と、検出された前記液滴の位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ノズルから吐出された液滴の位置を基にして、離間した少なくとも2つのノズルの支持体に対する基準位置との差を演算するので、実際に液状体を吐出した場合の着弾バラツキを考慮した吐出ヘッドの位置情報を入手することができる。
[適用例4]上記適用例のヘッド位置検出機構において、前記液滴検出部は、吐出された飛行中の前記液滴を、前記液滴の吐出方向に対して直交すると共に、互いに異なる方向から撮像する少なくとも2つの撮像光学系からなるとしてもよい。
この構成によれば、少なくとも2つの撮像光学系からなる液滴検出部によって、吐出された液滴の正確な位置を検出することができる。
この構成によれば、少なくとも2つの撮像光学系からなる液滴検出部によって、吐出された液滴の正確な位置を検出することができる。
[適用例5]上記適用例のヘッド位置検出機構において、前記撮像光学系は、光源と、前記光源の光軸上に設けられた受光部とを備え、前記光源は、前記液滴の吐出に同期して間歇的に発光することを特徴とする。
この構成によれば、吐出された飛行中の液滴を、静止画情報として入手することができるので、液滴の位置を正確に特定することができる。
この構成によれば、吐出された飛行中の液滴を、静止画情報として入手することができるので、液滴の位置を正確に特定することができる。
[適用例6]本適用例のヘッドユニット組立装置は、複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組み立てを行うヘッドユニット組立装置であって、上記適用例のヘッド位置検出機構と、吐出ヘッドを所定の平面内において移動させるヘッド位置調整機構と、前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルの検出された位置が、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置と合致するように前記ヘッド位置調整機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ノズル孔の形状を正確に捉えて、正確な吐出ヘッドの位置情報を入手可能なヘッド位置検出機構を備えているので、支持体に対して高精度に吐出ヘッドを位置決めしてヘッドユニットを組み立てすることが可能なヘッドユニット組立装置を提供することができる。
[適用例7]本適用例の他のヘッドユニット組立装置は、複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組み立てを行うヘッドユニット組立装置であって、上記適用例のヘッド位置検出機構と、吐出ヘッドを所定の平面内において移動させるヘッド位置調整機構と、前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルから吐出され検出された前記液滴の位置が、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置と合致するように前記ヘッド位置調整機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ノズルから吐出された液滴の位置を正確に捉えて、実際に液状体を吐出した場合のバラツキを考慮した吐出ヘッドの位置情報を入手可能なヘッド位置検出機構を備えているので、支持体に対して高精度に、且つ的確に吐出ヘッドを位置決めしてヘッドユニットを組み立てすることが可能なヘッドユニット組立装置を提供することができる。
[適用例8]上記適用例のヘッドユニット組立装置において、前記制御部は、検出された前記液滴の情報から、吐出不具合の有無を判定して、吐出不具合が有る場合には、異常を知らせる制御信号を生成するとしてもよい。
この構成によれば、ノズルの目詰まりや飛行曲がりなどの吐出不具合を、検出された液滴の情報から得られるので、異常を察知して、組み立てを中止するなどの処置が可能となる。すなわち、不適当な組立精度でヘッドユニットが組み立てられることを防止して、高い生産性を確保してヘッドユニットの組み立てができる。
この構成によれば、ノズルの目詰まりや飛行曲がりなどの吐出不具合を、検出された液滴の情報から得られるので、異常を察知して、組み立てを中止するなどの処置が可能となる。すなわち、不適当な組立精度でヘッドユニットが組み立てられることを防止して、高い生産性を確保してヘッドユニットの組み立てができる。
[適用例9]本適用例のヘッドユニットの組立方法は、複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組立方法であって、前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズル内の前記液状体のメニスカスを撮像する撮像工程と、撮像された前記液状体のメニスカスの情報から前記離間した少なくとも2つのノズルの位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算工程と、前記基準位置との差に基づいて、前記支持体に対して前記吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、撮像工程では、ノズル内の液状体のメニスカスを撮像するので、ノズル孔を撮像する場合に比べて、ノズル孔が形成された表面の状態に影響されずに、ノズル孔の形状を容易に特定することができる。したがって、位置決め工程では、正確なノズル孔の画像情報に基づいて、支持体に対して吐出ヘッドを正確に位置決めすることができる。
[適用例10]上記適用例のヘッドユニットの組立方法において、前記撮像工程では、振動させた前記液状体のメニスカスを撮像することを特徴とする。
この方法によれば、液状体のメニスカスを振動させることにより、ノズル内の液状体の乾燥による目詰まりを防止することができる。また、液状体のメニスカスの振動によりノズル孔の形状がより特定し易くなる。したがって、支持体に対して、安定的に、且つより正確に吐出ヘッドを位置決めすることができる。
この方法によれば、液状体のメニスカスを振動させることにより、ノズル内の液状体の乾燥による目詰まりを防止することができる。また、液状体のメニスカスの振動によりノズル孔の形状がより特定し易くなる。したがって、支持体に対して、安定的に、且つより正確に吐出ヘッドを位置決めすることができる。
[適用例11]本適用例の他のヘッドユニットの組立方法は、複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組立方法であって、前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルから吐出された前記液状体の液滴をそれぞれ検出する検出工程と、検出された前記液滴の位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算工程と、前記基準位置との差に基づいて、前記支持体に対して前記吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、検出工程では、ノズルから吐出された液滴を検出し、これに基づいて、演算工程では、液滴の位置が演算される。したがって、ノズル孔の位置に基づいて吐出ヘッドを位置決めする場合に比べて、実際に液状体を吐出した場合の着弾バラツキを考慮して、支持体に対して吐出ヘッドを位置決めすることができる。
[適用例12]上記適用例のヘッドユニットの組立方法において、前記検出工程では、吐出された飛行中の前記液滴を、前記液滴の吐出方向に対して直交すると共に、互いに異なる少なくとも2つの方向から撮像して前記液滴の位置を検出するとしてもよい。
この方法によれば、液滴の吐出方向に対して直交すると共に、互いに異なる少なくとも2つの方向から撮像するので、飛行中の液滴の位置を正確に検出することができる。
この方法によれば、液滴の吐出方向に対して直交すると共に、互いに異なる少なくとも2つの方向から撮像するので、飛行中の液滴の位置を正確に検出することができる。
[適用例13]また、上記適用例のヘッドユニットの組立方法において、検出された前記液滴の情報から、前記液滴の吐出不具合が有るか否か判定する工程をさらに備えることが望ましい。
この方法によれば、検出された液滴の情報から、液滴の吐出不具合が有るか否か判定して、吐出不具合が有れば、ヘッドユニットの組み立てを中止するなどの処置が可能となる。すなわち、不適当な組立精度でヘッドユニットが組み立てられることを防止して、高い生産性を確保してヘッドユニットを組み立てることができる。
この方法によれば、検出された液滴の情報から、液滴の吐出不具合が有るか否か判定して、吐出不具合が有れば、ヘッドユニットの組み立てを中止するなどの処置が可能となる。すなわち、不適当な組立精度でヘッドユニットが組み立てられることを防止して、高い生産性を確保してヘッドユニットを組み立てることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、説明に用いる図は、適宜拡大または縮小されている。
(実施形態1)
<液滴吐出装置>
まず、液状体を吐出描画可能な液滴吐出装置について、図1を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の要部構成を示す概略斜視図である。
<液滴吐出装置>
まず、液状体を吐出描画可能な液滴吐出装置について、図1を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の要部構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、液滴吐出装置300は、直線的に設けられた一対のガイドレール301と、ガイドレール301の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(図示せず)により主走査方向(Y方向)に移動する移動台303を備えている。また、ガイドレール301の上方においてガイドレール301に直交するように直線的に設けられた一対のガイドレール302と、ガイドレール302の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(図示せず)により副走査方向(X方向)に移動する移動台304を備えている。
移動台303上には、吐出対象物となるワークWを載置するためのステージ305と、移動台303に対向する対象物の位置を撮像可能なカメラ306とが設けられている。ステージ305はワークWを吸着固定できる構成となっており、また、回転機構307によってワークW内の基準軸を主走査方向、副走査方向に正確に合わせることができるようになっている。
移動台304は、回転機構308を介して吊り下げ式に取り付けられたキャリッジ309を備えている。また、キャリッジ309は、液状体の吐出面10aをワークW側に向けたヘッドユニット10、ヘッドユニット10に液状体を供給する液状体供給機構(図示せず)、ヘッドユニット10に吐出駆動用の電気信号(駆動波形)を供給する駆動用回路基板(図示せず)などを備えている。
ヘッドユニット10は、吐出面10aをワークWに対向させた状態で、ワークWに対して相対的に、主走査方向および副走査方向に移動(走査)される。また、ヘッドユニット10の走査に同期した適切な制御の下で、吐出面10a側に設けられた吐出ヘッド30(図2参照)から微小な液滴(液状体)が吐出される。これにより、液滴吐出装置300は、ワークW上の所望の位置に微少量単位で液状体を配置することができる。なお、液状体には、水や有機溶媒などの液体、およびこれらの溶液、液体中に固体微粒子を分散させたものなどを、用途に応じて採用することができる。
図2(a)は、吐出ヘッドを示す概略斜視図である。図2(a)に示すように、吐出ヘッド30は、所謂2連のものであり、2連の接続針35を有する液状体の導入部36と、導入部36に積層されたヘッド基板34と、ヘッド基板34上に配置され内部に液状体のヘッド内流路が形成されたヘッド本体32とを備えている。接続針35は、前述した液状体供給機構に配管を経由して接続され、液状体をヘッド内流路に供給する。ヘッド基板34には、フレキシブルフラットケーブル(図示省略)を介して前述の駆動用回路基板に接続される2連のコネクタ33が設けられている。
ヘッド本体32は、圧電素子などで構成されたキャビティを有する加圧部38と、ノズル面37aに2つのノズル列41A,41Bが相互に平行に形成されたノズルプレート37とを有している。また、一対のねじ孔40(片方のねじ孔は作図の関係で隠れている)が設けられた額縁状のフランジ部39を有している。
図2(b)はノズルの配置を示す概略平面図である。図2(b)に示すように、2つのノズル列41A,41Bは、それぞれ複数(180個)のノズル31がピッチP1でほぼ等間隔に並べられており、互いにピッチP1の半分のピッチP2ずれた状態でノズルプレート37に配設されている。この場合、ノズル径はおよそ28μm、ピッチP1はおよそ140μmである。よって、ノズル列41A,41Bに直交する方向から見ると360個のノズル31がおよそ70μmのノズルピッチで配列した状態となっている。
吐出ヘッド30は、駆動用回路基板から電気信号としての駆動波形が圧電素子に印加されると加圧部38のキャビティの体積変動が起こり、これによるポンプ作用でキャビティに充填された液状体が加圧され、ノズル31から液状体を液滴として吐出することができる。
なお、液状体をノズル31から液滴として吐出する駆動手段としては、圧電素子に限らず、静電アクチュエータなどの電気機械変換素子、ヒータなどの電気熱変換素子を用いることができる。
図3は、ヘッドユニットの構造を示す概略斜視図である。図3に示すように、本実施形態のヘッドユニット10は、支持体としてのベースプレート11に、主ヘッド保持部材50、副ヘッド保持部材60を介して吐出ヘッド30が取り付けられた構成となっている。
ベースプレート11は、長方形の板状部材であり、キャリッジ309(図1参照)への取り付けに用いる貫通孔12と、ヘッドユニット組立装置100(図4参照)への載置の時に位置決め孔としての役割を果たす貫通孔13a,13bを有している。なお、貫通孔13aは丸孔、貫通孔13bは長孔として形成されている。
ベースプレート11には、吐出ヘッド30を挟んで、一対の標識部材71,72が取り付けられている。この標識部材71,72は、ロッド状に形成した金属部材の端面71a,72aを鏡面に研磨した上で、端面71a,72aの中央に穿孔(図示省略)を設けたものである。また、標識部材71,72は、その端面71a,72aが吐出ヘッド30のノズル面37aとほぼ同一平面を形成するような高さとされている。
端面71a,72aにおける穿孔の中心はヘッドユニット10の基準点として、また、基準点(穿孔)どうしを結ぶ軸はヘッドユニット10の基準軸a1として、カメラなどの光学的手段を用いて認識される。この基準点および基準軸a1は、液滴吐出装置300(図1参照)におけるヘッドユニット10の位置、姿勢の特定に用いられるだけでなく、後述するヘッドユニット10の組立方法において、吐出ヘッド30の位置を特定するための基準としても用いられるものであり、吐出位置の精度を決める要素として非常に重要なものである。
このように、標識部材71,72は、液滴吐出装置300における吐出位置の精度を決める上で重要な役割を果たすものであるため、部材自体の形状、取り付け位置、姿勢などに関して、高い安定性を有することが要求される。このため、本実施形態では、熱的安定性の高い超鋼で標識部材71,72が形成されており、また、標識部材71,72への直接的な干渉による精度の狂いを防ぐため、端面71a,72a以外の部分がカバー部材74で覆われるようになっている。なお、超鋼製の標識部材71,72は、その硬さのためにベースプレート11に打ち込み式に固定することができず、保持部材73とその内部に設けられたOリングを介して固定されるようになっている。
液滴吐出装置300において、この基準点および基準軸a1の認識は、カメラ306による標識部材71,72の撮像により行われる。液滴吐出装置300は、回転機構308の駆動により、ヘッドユニット10の基準軸a1が主走査方向に一致するような状態に調整された上で動作する。またこの動作の際、ヘッドユニット10の走査位置は、ヘッドユニット10の基準点の位置に基づいて認識されるようになっている。
<ヘッドユニット組立装置>
次に、ヘッドユニット10の組み立てに用いるヘッドユニット組立装置の構成について図4、図5を参照して説明する。
図4は、実施形態1のヘッドユニット組立装置の外観構成を示す斜視図である。図5は、実施形態1のヘッドユニット組立装置の機能ブロック図である。
次に、ヘッドユニット10の組み立てに用いるヘッドユニット組立装置の構成について図4、図5を参照して説明する。
図4は、実施形態1のヘッドユニット組立装置の外観構成を示す斜視図である。図5は、実施形態1のヘッドユニット組立装置の機能ブロック図である。
図4に示すように、本実施形態のヘッドユニット組立装置100は、適度な遊びを有した状態でベースプレート11(図3参照)に取り付けられた吐出ヘッド30(図2参照)を、精度良く位置決めして接着固定(仮固定)するためのものであり、ユニット載置台110と、ユニット移動機構101と、ヘッド位置調整機構102と、撮像機構104と、仮固定のための接着剤注入機構103(図5参照)と、各機構を統括的に制御する制御部140(図5参照)とを備えている。
ユニット載置台110は、ベースプレート11を載置するための基台であり、ベースプレート11の両端下面を支持するための支持面111と、ベースプレート11を位置決め孔としての貫通孔13a,13b(図3参照)において係止するための固定ピン112a,112bとを備えている。
ユニット移動機構101は、ユニット載置台110の移動を行うための機構であり、基台130上に直線的に設けられた一対のガイドレール105と、ガイドレール105の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(図示せず)によりX軸方向に沿って移動するX軸移動台106を備えている。また、ガイドレール105と直交するようにX軸移動台106上に直線的に設けられた一対のガイドレール107と、ガイドレール107の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(図示せず)によりY軸方向に沿って移動するY軸移動台108を備えている。
さらに、Y軸移動台108上において、ユニット載置台110をXY平面に直交する回転軸(θ軸)を中心として回転可能に支持する回転機構109を備えている。ヘッドユニット10の組み立ては、ユニット載置台110のθ軸まわりの回転により、ユニット載置台110に載置したヘッドユニット10の基準軸a1(図3参照)の方向をY軸方向に合わせた状態で行われる。
ヘッド位置調整機構102は、ベースプレート11上の吐出ヘッド30(図2参照)を移動させるためのものである。ヘッド位置調整機構102は、吐出ヘッド30が固定された副ヘッド保持部材60(図3参照)に係合させるための一対の調整ピン121と、一対の調整ピン121を介して、吐出ヘッド30をXY軸方向(並進)およびθ軸方向(回転)の自由度で移動させるための機構(図示省略)とを備えている。なお、ヘッド位置調整機構102に係るX軸、Y軸、θ軸の移動の方向は、ユニット移動機構101に係るX軸、Y軸、θ軸の方向と一致するように構成されている。すなわち、ヘッド位置調整機構102は、ユニット移動機構101により、位置決めされた支持体としてのベースプレート11の所定の平面内において、吐出ヘッド30の位置を調整するものである。
撮像機構104は、ヘッドユニット10における標識部材71,72の端面71a,72a(図3参照)、および吐出ヘッド30のノズル面37a(図2参照)を撮像するためのものである。撮像機構104は、それぞれ対をなす鏡筒部131A,131Bと、CCDなどの撮像素子を有する撮像部132A,132Bと、照明装置133A,133Bとを備えている。鏡筒部131A,131BはX軸方向に並設されており、ノズル面37aの撮像の際、ノズル列41A(またはノズル列41B、図2参照)の両端のノズル31の近傍を、同時に撮像することができるようになっている。
図5に示すように、ヘッドユニット組立装置100の制御部140は、インターフェイス(I/F)144を介して接続された演算部としてのCPU141と、各種制御プログラムが格納されたROM142と、記憶部としてのRAM143とを備えている。また、インターフェイス(I/F)144には、ユニット移動機構101、ヘッド位置調整機構102、接着剤注入機構103、撮像機構104、吐出ヘッド30を駆動するヘッド駆動部114が、それぞれ電気的に接続されている。
制御部140は、ユニット移動機構101を制御して、ユニット載置台110に載置されたヘッドユニット10(ベースプレート11)を、X軸、Y軸、θ軸の自由度で移動させる。また、ヘッド位置調整機構102を制御して、ベースプレート11に仮装着された吐出ヘッド30を、X軸、Y軸、θ軸の自由度で移動させる。
CPU141は、ユニット載置台110の位置データと撮像機構104で取得された画像データとに基づいて、ベースプレート11に対する吐出ヘッド30の位置を演算する。また、求められた吐出ヘッド30の位置とRAM143に格納されている吐出ヘッド30のベースプレート11に対する設計上の基準位置とを比較して、その差を演算する。
ヘッド駆動部114は、吐出ヘッド30に電気的に接続され、圧電素子に駆動波形を印加する。この場合、ヘッド駆動部114は、ノズル31から液状体を液滴として吐出可能な第1駆動波形と、ノズル31内の液状体のメニスカスを液滴が吐出されない程度に振動させる第2駆動波形とのうちいずれかを、吐出ヘッド30の圧電素子に印加することが可能な構成となっている。第1駆動波形と第2駆動波形の選択は、制御部140が制御プログラムに応じて制御信号をヘッド駆動部114に送出して行われる。第1駆動波形と第2駆動波形は、ヘッド駆動部114に記憶部を設けて、これに予め格納しておく。または、ヘッド駆動部114に駆動波形生成部を設けて、これにより生成してもよい。
本実施形態では、撮像機構104により、ノズル面37aの撮像を行う際に、ヘッド駆動部114が圧電素子に第2駆動波形を印加して、ノズル31内のメニスカスを振動させる。撮像機構104は、振動させたメニスカスを撮像することにより、当該ノズル31の画像を入手する。
すなわち、撮像機構104、ヘッド駆動部114、制御部140は、本発明の適用例におけるヘッド位置検出機構150を構成している。
<ヘッドユニットの組立方法>
次に、ヘッドユニット10の組立方法について、図6〜図9を参照して詳しく説明する。図6は実施形態1のヘッドユニットの組立方法を示すフローチャート、図7は実施形態1のヘッドユニットの組立方法を示す概略斜視図、図8(a)および(b)はノズル内のメニスカスの状態を示す概略断面図、図9は吐出ヘッドの取り付け位置を規定する方法を示す平面図である。
次に、ヘッドユニット10の組立方法について、図6〜図9を参照して詳しく説明する。図6は実施形態1のヘッドユニットの組立方法を示すフローチャート、図7は実施形態1のヘッドユニットの組立方法を示す概略斜視図、図8(a)および(b)はノズル内のメニスカスの状態を示す概略断面図、図9は吐出ヘッドの取り付け位置を規定する方法を示す平面図である。
図6に示すように、本実施形態のヘッドユニット10の組立方法は、ヘッド仮装着工程(ステップS1)と、ヘッドユニット載置工程(ステップS2)と、ヘッドユニット基準軸合わせ工程(ステップS3)と、撮像工程(ステップS4)と、演算工程(ステップS5)と、ヘッド位置決め工程(ステップS6)と、ヘッド仮固定工程(ステップS7)と、ヘッド本固定工程(ステップS8)とを備えている。
図6のステップS1は、ヘッド仮装着工程である。ステップS1では、図7に示すように、支持体としてのベースプレート11の開口部18において、ノズル面37aが上方に向けて配置されるように、主ヘッド保持部材50、副ヘッド保持部材60を介して吐出ヘッド30を仮装着する。
主ヘッド保持部材50は、吐出ヘッド30のフランジ部39よりも大きめの外周寸法を有する長方形の開口部51を有する板状の部材である。その長手方向(X軸方向)の寸法は、ベースプレート11における開口部18の長手方向(X軸方向)の寸法に比べて十分長くなっている。また、主ヘッド保持部材50は、開口部51の長手方向(X軸方向)の両脇に設けられた2つのねじ孔52と、端部に設けられた4つの貫通孔53とを有している。
副ヘッド保持部材60は、吐出ヘッド30のヘッド本体32よりもやや大きめの外周寸法を有する長方形の開口部61を中央部に有する板状の部材である。その長手方向(X軸方向)の寸法は、主ヘッド保持部材50における開口部51の長手方向(X軸方向)の寸法に比べて十分長くなっている。また、副ヘッド保持部材60は、開口部61を挟んで対称的な配置でそれぞれ対をなすように設けられた、貫通孔62a,62b、貫通孔63a,63b、貫通孔64a,64b、貫通孔65a,65bを有している。なお、貫通孔64aは丸孔として、貫通孔64bは長孔として形成されている。
吐出ヘッド30は、貫通孔65a,65bを貫通してフランジ部39のねじ孔40と螺合するねじ15により、開口部61からヘッド本体32が突出した状態で、主ヘッド保持部材50を介して副ヘッド保持部材60に固定される。また、副ヘッド保持部材60は、貫通孔62a,62bを貫通してねじ孔52と螺合するねじ16により、開口部51上に架設されるような状態で主ヘッド保持部材50に半固定される。ここで、半固定という言い方をしたが、これはねじ16を緩く締めた状態のことを指している。これにより、吐出ヘッド30は、フランジ部39の外縁と開口部51の内縁との間に隙間(遊び)を有した状態で、主ヘッド保持部材50に対して保持される。主ヘッド保持部材50は、貫通孔53を貫通して開口部18の脇に設けられたねじ孔14と螺合するねじ17により、開口部18上に架設されるような状態でベースプレート11に固定される。そして、ステップS2へ進む。
図6のステップS2は、ヘッドユニット載置工程である。ステップS2では、吐出ヘッド30が仮装着されたヘッドユニット10をユニット載置台110に載置する。詳しくは、吐出ヘッド30のノズル面37aが上方に向くように、ベースプレート11の貫通孔13a,13bにユニット載置台110の固定ピン112a,112bを貫通させて、ヘッドユニット10を支持面111上に載置する。これにより、支持体としてのベースプレート11がヘッドユニット組立装置100におけるXY平面内に精度よく配置される。そして、ステップS3へ進む。
図6のステップS3は、ヘッドユニット基準軸合わせ工程である。ステップS3では、制御部140は、ユニット移動機構101によりユニット載置台110に載置されたヘッドユニット10を撮像機構104の直下まで移動させる。続いて、撮像機構104でヘッドユニット10に設けられた標識部材71,72の位置認識を行う。詳しくは、撮像機構104に対してヘッドユニット10をY軸方向に相対移動させ、標識部材71,72に設けられた穿孔を撮像部132A,132Bのいずれか一方により、それぞれ撮像して位置認識を行う。そして、この位置認識の結果からY軸に対する基準軸a1の傾き(角度)をCPU141により算出し、当該傾きを補正するように回転機構109を駆動して、ヘッドユニット10の基準軸a1を、ヘッドユニット組立装置100のY軸に合致させる。そして、ステップS4へ進む。
図6のステップS4は、撮像工程である。ステップS4では、吐出ヘッド30の複数のノズル31のうち、離間した少なくとも2つのノズル31を、撮像部132A,132Bにより撮像する。吐出ヘッド30の位置情報を正確に入手するために、できる限り離れた2つの対象物を撮像することが好ましい。そこで、ノズル列41Aの両端に位置するノズル31を撮像する。直径がおよそ28μmのノズル31の位置を求めようとする場合、ノズル面37aの表面状態やノズル孔の加工状態によって、ノズル31の画像を正確に捉えることができないおそれがある。本実施形態では、吐出ヘッド30に液状体を充填し、ノズル31内の液状体のメニスカスを撮像することにより、ノズル31の位置を特定する。さらには、ヘッド駆動部114により圧電素子に第2駆動波形を印加して、メニスカスを振動させた状態で撮像する。
図8(a)に示すように、圧電素子を駆動しない状態では、メニスカス80は、表面張力によりノズル面37aからノズル31内に引き込まれて、わずかに窪んで湾曲した状態となっている。照明装置133A,133Bから落射した光は、湾曲したメニスカス80の表面で反射するため、平坦なノズル面37aで反射した光との間で、輝度変化が生じ、ノズル31の輪郭を際立たせる。このまま撮像してもよいが、ノズル面37aおよびノズル31の出口付近に、撥液処理が施される場合がある。この撥液処理の状態によっては、ノズル31ごとにメニスカスの湾曲状態が変化するおそれがある。また、撮像部132A,132Bがカラー対応の撮像素子を備えている場合、ノズル面37aの色と液状体の色とを識別できないおそれがある。そこで、図8(b)に示すように、圧電素子に第2駆動波形を印加すると、メニスカス80は、ノズル面37aから突出した状態に変化する。第2駆動波形を周期的に圧電素子に印加すれば、同図(a)と同図(b)の状態にメニスカスが振動する。このようにすれば、ノズル31の輪郭がより際立つので、結果的にノズル31の画像を正確に入手することができる。そして、ステップS5へ進む。
図6のステップS5は、演算工程である。ステップS5では、制御部140は、撮像機構104から入手したノズル31の画像情報に基づいて、撮像されたノズル31の中心位置を演算することで、基準軸a1あるいは標識部材71,72からの相対的なノズル31の位置を求めることができる。そして、RAM143に格納された吐出ヘッド30のベースプレート11に対する設計上の基準位置、言い換えれば、ノズル列41Aの両端のノズル31の基準軸a1あるいは標識部材71,72に対する設計上の基準位置との差を演算する。
より具体的には、図9に示すように、吐出ヘッド30の位置情報は、ノズル列41Aの両端のノズル31の中点に相当する基準点C2のXY軸成分(並進方向成分)と、両端のノズル31を結ぶ軸に相当する基準軸a2のθ軸成分(回転成分)とで構成されている。また、このXY軸成分およびθ軸成分は、それぞれヘッドユニット10の基準点(標識部材71,72の穿孔の位置)および基準軸a1に対する値として取得されるようになっている。
ここで、吐出ヘッド30の位置情報をノズル31の位置に基づいて規定するようにしたのは、ノズル31の位置が液状体の吐出位置の精度を直接的に決める要素の1つであるからである。
また、本実施形態ではノズル列41Aの両端のノズル31の中点を基準点C2として選んでいるが、基準点の選び方はこのような方法に限定されるものではない。例えば、特定のノズル31の中心点を基準点としてもよいし、着目するノズル31の位置精度のバラツキに鑑みて、2つ以上の多数のノズル31(ノズル列41Bのノズルを含んでもよい)の重心点を基準点としてもよい。
また、ノズル列41Aの両端のノズル31を結ぶ軸を、ノズル列41A(41B)内の配列方向を規定する軸と擬制して基準軸a2としているが、基準軸の選び方はこのような方法に限定されるものではない。例えば、着目するノズル31の位置精度のバラツキに鑑みて、2つ以上の多数のノズル31の位置から配列方向を規定する軸を算出するようにしてもよい。
撮像により得られた基準点C2と、設計上の基準位置としての基準点C3とのXY軸成分の差ΔX1,ΔY1、および、撮像により得られた基準軸a2と、設計上の基準位置としての基準軸a3(Y軸方向に一致)とのθ軸成分の差Δθが、演算によって求められる。
ヘッドユニット組立装置100において、吐出ヘッド30のベースプレート11に対する設計上の基準位置(上記基準点C3、上記基準軸a3)については、ヘッドユニット10の組み立てを行う前に、あるいは定期的に、校正することが好ましい。例えば、吐出ヘッド30におけるノズル列41Aの両端のノズル31に対応するマーカーを記したガラスプレートからなる原板をユニット載置台110に載置し、ステップS4、ステップS5と同じ方法で基準点C3の座標を基準位置として取得する。これにより、ヘッドユニット組立装置100の機械的な精度変化の影響をあまり受けることなく、吐出ヘッド30の位置を規定することができるようになる。そして、ステップS6へ進む。
図6のステップS6は、ヘッド位置決め工程である。ステップS6では、制御部140は、ステップS5にて求められたき基準位置との差(ΔX1,ΔY1,Δθ)に基づいて、ヘッド位置調整機構102を駆動制御し、調整ピン121により、副ヘッド保持部材60の貫通孔64a,64bを力点として、吐出ヘッド30をXY軸方向およびθ軸方向に移動させる。すなわち、ベースプレート11に対して吐出ヘッド30を位置決めする。
ところで、一対の調整ピン121により吐出ヘッド30を回転移動する場合、ノズル面37aにおける機械的な回転中心C1(図7および図9参照)の位置は、正確に特定できるものではない。回転中心C1は、吐出ヘッド30内の部品の組み立てバラツキ、吐出ヘッド30と副ヘッド保持部材60との取り付けバラツキ、一対の調整ピン121と貫通孔64a,64bとの係合状態のバラツキなどによって変動するからである。
したがって、θ軸方向に回転移動を行った際の基準点C2のXY軸方向の移動量を正確に把握することはできず、これに起因して、基準位置との差を補償するためのヘッド位置調整機構102の移動量を正確に計算することができないおそれがある。また、調整ピン121および副ヘッド保持部材60を介して行う吐出ヘッド30の移動には、機械的な精度バラツキが存在するため、ヘッド位置調整機構102の移動量と実際の吐出ヘッド30の移動量との間に誤差が生じるおそれがある。ゆえに、ステップS4〜ステップS6を繰り返して行うことが望ましい。複数回繰り返すことにより、誤差の影響を少なくすることができる。そして、ステップS7へ進む。
図6のステップS7は、ヘッド仮固定工程である。ステップS7では、制御部140は、接着剤注入機構103(図5参照)を駆動制御して、副ヘッド保持部材60の貫通孔63a,63bに瞬間接着剤を注入する。これにより、貫通孔63a,63bの周りにおいて、副ヘッド保持部材60の下面と主ヘッド保持部材50の上面とが接合(仮固定)される。この仮固定は、後のヘッド本固定工程において、ねじ16を本締めする際の反作用などによって、吐出ヘッド30の取り付け位置がずれてしまうのを防ぐために行われるものである。そして、ステップS8へ進む。
図6のステップS8は、ヘッド本固定工程である。ステップS8では、ねじ16を本締めして、副ヘッド保持部材60と主ヘッド保持部材50とを固定することにより、吐出ヘッド30をベースプレート11に対して実質的に固定する。
このようなヘッドユニット10の組立方法によれば、吐出ヘッド30が支持体としてのベースプレート11に精度よく位置決めされ、固定されたヘッドユニット10を提供することができる。
上記実施形態1の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態1のヘッドユニット組立装置100およびこれを用いたヘッドユニット10の組立方法によれば、ノズル列41Aの両端のノズル31において、振動させた液状体のメニスカスを撮像して、当該ノズル31の位置を特定するヘッド位置検出機構150を用いている。したがって、当該ノズル31を直接撮像して位置を特定する場合に比べて、精度よく当該ノズル31の位置を特定することができる。ゆえに、当該ノズル31の位置情報に基づいて、ヘッドユニット10を精度よく組み立てすることができる。
(1)上記実施形態1のヘッドユニット組立装置100およびこれを用いたヘッドユニット10の組立方法によれば、ノズル列41Aの両端のノズル31において、振動させた液状体のメニスカスを撮像して、当該ノズル31の位置を特定するヘッド位置検出機構150を用いている。したがって、当該ノズル31を直接撮像して位置を特定する場合に比べて、精度よく当該ノズル31の位置を特定することができる。ゆえに、当該ノズル31の位置情報に基づいて、ヘッドユニット10を精度よく組み立てすることができる。
(2)上記液滴吐出装置300において、ヘッドユニット10は、実施形態1のヘッドユニット組立装置100を用いたヘッドユニット10の組立方法により組み立てられ、キャリッジ309に取り付けられている。したがって、上記液滴吐出装置300は、高い位置精度で液状体を所望の位置に吐出することができる。
(実施形態2)
次に、他のヘッド位置検出機構、これを備えた他のヘッドユニット組立装置、このヘッドユニット組立装置を用いたヘッドユニットの組立方法について説明する。
次に、他のヘッド位置検出機構、これを備えた他のヘッドユニット組立装置、このヘッドユニット組立装置を用いたヘッドユニットの組立方法について説明する。
<他のヘッドユニット組立装置>
図10は実施形態2のヘッドユニット組立装置の構成を示す概略図、図11(a)は実施形態2のヘッド位置検出機構を示す概略側面図、同図(b)は概略平面図である。説明にあたっては、実施形態1と異なる構成について主に説明する。なお、実施形態1と同様な構成については、同じ符番を用いている。
図10は実施形態2のヘッドユニット組立装置の構成を示す概略図、図11(a)は実施形態2のヘッド位置検出機構を示す概略側面図、同図(b)は概略平面図である。説明にあたっては、実施形態1と異なる構成について主に説明する。なお、実施形態1と同様な構成については、同じ符番を用いている。
図10に示すように、本実施形態のヘッドユニット組立装置200は、支持体としてのベースプレート11に吐出ヘッド30が仮装着されたヘッドユニット20の吐出ヘッド30の位置を検出するヘッド位置検出機構210と、ベースプレート11に対して吐出ヘッド30を所定の平面内において移動させるヘッド位置調整機構220と、これらの機構を統括的に制御する制御部230とを備えている。ヘッド位置検出機構210は、ヘッドユニット20の吐出面20a側に配置され、吐出ヘッド30から吐出された液滴Dを検出して、その位置を特定可能な構成となっている。
ヘッドユニット20は、ベースプレート11の開口部18にノズル面37aが図面上で下方に向くように吐出ヘッド30を保持する主ヘッド保持部材90aと、副ヘッド保持部材90bとを備えている。
主ヘッド保持部材90aおよび副ヘッド保持部材90bの構成は、実施形態1の主ヘッド保持部材50および副ヘッド保持部材60と同様な構造を有している。ただし、主ヘッド保持部材90aおよび副ヘッド保持部材90bによって、吐出面20aに対して反対側の表面20bに吐出ヘッド30の導入部36を固定する構成となっている。吐出面20aに設けられる標識部材71,72の構成は、ヘッドユニット10と同様である。
ヘッド位置調整機構220は、主ヘッド保持部材90aに副ヘッド保持部材90bを介して遊びを有して仮装着された吐出ヘッド30を、副ヘッド保持部材90bを所定の平面内(X軸、Y軸、θ軸)において移動させる構成、例えば、実施形態1と同様な調整ピン、回転機構を有している。
ヘッド位置検出機構210は、ノズル31から液状体を液滴Dとして吐出する駆動波形を駆動手段としての圧電素子に印加するノズル駆動部(図示省略)と、複数のノズル31のうち、離間した少なくとも2つのノズル31から吐出された液滴Dをそれぞれ検出する液滴検出部211(図11参照)と、検出された液滴Dの位置を演算すると共に、離間した少なくとも2つのノズル31のベースプレート11に対する基準位置との差を演算する演算部(図示省略)とを、備えている。例えば、演算部は、CPUであり、制御部230に備える構成としてもよい。
制御部230は、離間した少なくとも2つのノズル31から吐出され検出された液滴Dの位置が、当該ノズル31のベースプレート11に対する基準位置と合致するようにヘッド位置調整機構220を制御して、ベースプレート11に対して吐出ヘッド30を位置決めする。
副ヘッド保持部材90bを主ヘッド保持部材90aを介してベースプレート11に仮固定する構成としては、実施形態1と同様に瞬間接着剤を注入する接着剤注入機構103を採用することができる。
図11(a)に示すように、ヘッド位置検出機構210は、吐出ヘッド30のノズル31から吐出された液滴Dを検出する液滴検出部211を有している。液滴検出部211は、光源201と、光源201の光軸201a上に設けられた受光部202とを備えている。受光部202にはCCDなどの撮像素子が組み込まれている。
光源201は、ハロゲンランプ、ナトリウムランプなどの高輝度ランプや、LEDランプなどを、検出する液状体の物性(例えば、光透過性、光反射性など)によって選択して、採用することができる。また、液滴Dの吐出に同期して間歇的に発光可能な構成となっている。これにより、飛行中の液滴Dの画像を静止画として入手することができる。また、発光間隔を短くして発光させれば、飛行中の液滴Dの軌道d1を画像として入手することも可能である。
また、図11(b)に示すように、このような液滴検出部211は、移動台204上に2組設けられており、各液滴検出部211は、吐出された飛行中の液滴Dを、液滴Dの吐出方向(同図(a)参照)に対して直交すると共に、互いに異なる方向から撮像できるように配置されている。言い換えれば、光軸201aが互いに交差するように、移動台204上に各液滴検出部211が配置されている。なお、液滴検出部211は、撮像光学系であり、実際には、吐出された液滴Dに焦点を合わせて撮像する必要がある。よって、2つの光軸201aは、2つの撮像光学系の被写界深度の範囲内で交わるように、光源201と受光部202とが移動台204に配置されている。すなわち、ヘッド位置検出機構210は、所謂三角測量法により液滴Dの位置を特定するものである。
移動台204は、X軸方向、Y軸方向に移動可能であり、且つθ軸を回転軸として回転可能な状態に構成されている。また、移動台204上には、光源201と受光部202との間に、吐出された液滴Dを受ける吸収体を備えた液滴受け部205と、ヘッドユニット20の吐出面20aに設けられた標識部材71,72を望むことが可能な位置に設けられた撮像素子206A,206Bとを備えている。
制御部230は、移動台204を吐出ヘッド30の直下に移動させ、ノズル列41Aの両端のノズル31から吐出された液滴Dをそれぞれ撮像するように、ヘッド位置検出機構210を制御する。また、ヘッド位置検出機構210から得られた液滴Dの画像情報に基づいて、液滴Dの位置を演算すると共に、両端のノズル31のベースプレート11に対する基準位置との差を演算する。演算結果に基づいて、ヘッド位置調整機構220を駆動制御して、ベースプレート11に対して吐出ヘッド30を位置決めする。詳しい位置決め方法は、後述するヘッドユニット20の組立方法において説明する。
<他のヘッドユニットの組立方法>
次に、実施形態2のヘッドユニット20の組立方法について、図12〜図13を参照して説明する。図12は実施形態2のヘッドユニットの組立方法を示すフローチャート、図13(a)〜(c)は液滴の撮像状態を示す概略図である。
次に、実施形態2のヘッドユニット20の組立方法について、図12〜図13を参照して説明する。図12は実施形態2のヘッドユニットの組立方法を示すフローチャート、図13(a)〜(c)は液滴の撮像状態を示す概略図である。
図12に示すように、実施形態2のヘッドユニット20の組立方法は、ヘッド仮装着工程(ステップS11)と、ヘッドユニット基準軸合わせ工程(ステップS12)と、吐出された液滴Dの位置を検出する検出工程としての撮像工程(ステップS13)とを備えている。また、撮像結果から液滴Dの吐出不具合が有るか否か判定する判定工程(ステップS14)と、吐出不具合が有る場合には、異常として通報する異常通報工程(ステップS15)とを備えている。さらに、演算工程(ステップS16)と、ヘッド位置決め工程(ステップS17)と、ヘッド仮固定工程(ステップS18)と、ヘッド本固定工程(ステップS19)とを備えている。
図12のステップS11は、ヘッド仮装着工程である。ステップS11では、副ヘッド保持部材90bに固定された吐出ヘッド30が、主ヘッド保持部材90aに対して遊びを有した状態で装着された主ヘッド保持部材90aを、ベースプレート11に固定する。そして、ステップS12へ進む。
図12のステップS12は、ヘッドユニット基準軸合わせ工程である。ステップS12では、支持台などに固定されたヘッドユニット20の標識部材71,72を、ヘッド位置検出機構210の移動台204に設けられた2つの撮像素子206A,206Bによって観察し、基準軸a1がヘッドユニット組立装置200のY軸方向と合致するように、移動台204をθ軸方向に回転させる。これにより、各液滴検出部211の光源201と受光部202のヘッドユニット組立装置200における相対的なX,Y座標が決まる。すなわち、基準軸a1あるいは標識部材71,72の基準点(穿孔)に対する2つの光軸201aの交点の相対的な位置(X,Y座標)が決まる。そして、ステップS13へ進む。
図12のステップS13は、撮像工程である。ステップS13では、制御部230は、移動台204を吐出ヘッド30の直下に移動させる。詳しくは、図11(b)に示すように、ノズル列41Aの一方の端のノズル31から吐出された液滴Dを観測可能な位置に、移動台204を移動させる。そして、液滴Dの吐出に同期して光源201を発光させることにより、図13(a)に示すように、一方の端のノズル31から吐出された飛行中の液滴Dを静止画として撮像する。撮像は、異なる2方向から行われるので、X軸とY軸によって規定された平面内のおける液滴Dの位置を特定することができる。ベースプレート11に対する基準位置に位置したノズル31から正常に液滴Dが吐出されれば、仮想の軌道d1上に液滴Dが位置した画像が入手される。実際には、吐出ヘッド30がベースプレート11に仮装着された状態であるため、図13(b)に示すように、仮想の軌道d1からずれた状態となる。続いて、ノズル列41Aの他方の端のノズル31から吐出された液滴Dを観測可能な位置に、移動台204を移動させる。同様にして、他方の端のノズル31から吐出された液滴Dを静止画として撮像する。そして、ステップS14へ進む。
図12のステップS14は、判定工程である。ステップS14では、撮像結果(液滴Dの検出結果)から吐出不具合が有るか否か、すわなち、液滴Dが正常に吐出されたか否かを判定する。ヘッド駆動部(図示省略)が圧電素子に駆動波形を印加するタイミングに同期して、吐出された液滴Dを撮像しようとしても、例えば、図13(c)に示すように、ノズル31が目詰まりを起こしていれば、液滴Dは吐出されない。あるいは、極微量の液状体しか吐出されない。また、飛行曲がりが生じていれば、撮像範囲を外れてしまう。このような場合には、液滴Dの位置情報を入手できないので、制御部230は、吐出不具合が有るとして、ステップS15へ進み、異常を知らせる。異常を通報する方法としては、ヘッドユニット組立装置200にブザーなどを設けてアラーム音を鳴らす、ランプを設けて点灯させるなどの方法が挙げられる。液滴Dが、撮像範囲内に予め決められた大きさの範囲で撮像されていれば、吐出不具合がないとして、ステップS16へ進む。
図12のステップS16は、演算工程である。ステップS16では、ステップS13で得られた液滴Dの画像情報を基に、液滴Dの位置を演算する。続いて、演算された液滴Dの位置と、ベースプレート11に対する当該ノズル31の基準位置との差を演算する。実質的には、図13(b)に示すように、仮想の軌道d1の位置(X,Y座標)との差(ΔX2、ΔY2)を演算する。このような演算は、ノズル列41Aの両端のノズル31から吐出されたそれぞれの液滴Dについて行われる。そして、ステップS17へ進む。
図12のステップS17は、ヘッド位置決め工程である。ステップS17では、ステップS16で得られた2つの液滴Dの位置情報、すなわち、基準位置との差(ΔX2,ΔY2)に基づいて、制御部230は、ヘッド位置調整機構220を駆動制御して、ベースプレート11に対する吐出ヘッド30の位置決めを行う。上記2つの液滴Dの位置情報におけるΔX2,ΔY2が入手できれば、これを両端のノズル31の位置として見立てると、図9に示したΔX1,ΔY1,Δθを求めることができ、実施形態1のステップS6と同様な方法で吐出ヘッド30の位置決めができる。そして、ステップS18へ進む。
図12のステップS18は、ヘッド仮固定工程である。ステップS18では、実施形態1のステップS7と同様にして、瞬間接着剤を注入することにより、副ヘッド保持部材90bを主ヘッド保持部材90aを介してベースプレート11に仮固定する。そして、ステップS19へ進む。
図12のステップS19は、ヘッド本固定工程である。ステップS19では、実施形態1のステップS8と同様にして、吐出ヘッド30の本固定を行うので、詳細の説明を省略する。
このようなヘッドユニット20の組立方法によれば、ノズル列41Aの両端のノズル31から吐出されたそれぞれの液滴Dの位置を検出することにより、ベースプレート11に対して吐出ヘッド30を位置決めして固定する。したがって、ヘッドユニット20の組み立てを、実際の液滴Dの吐出状態を反映させて、精度よく行うことが可能である。
なお、実施形態1でも触れたように、ヘッドユニット組立装置200の機械的な精度を考慮して、ステップS12のヘッドユニット基準軸合わせは、組み立て前、または定期的に校正することが望ましい。
また、ステップS13〜ステップS17を複数回繰り返すことが好ましい。図14は、複数回に渡って検出された液滴Dの位置を示すグラフである。液滴Dの位置は、両端のノズル31における吐出状態、例えば、吐出環境下での液状体の粘度(温度)や圧電素子に印加される駆動波形などの変動要因により、バラツキが生じるおそれがある。このようなバラツキは、一般的に正規分布となり、図14に示すように、所定の円内に収まる。したがって、このバラツキを示す円の中心座標(x1,y1)を液滴Dの位置として適用する。この中心座標(x1,y1)を基準位置(0,0)となるように吐出ヘッド30を位置決めする。これにより上記吐出状態のバラツキの影響を考慮して、高精度で位置決めすることが可能である。
上記実施形態2の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態2のヘッドユニット組立装置200およびこれを用いたヘッドユニット20の組立方法によれば、ノズル列41Aの両端のノズル31から吐出されたそれぞれの液滴Dの位置を特定するヘッド位置検出機構210を用いている。したがって、当該ノズル31を直接撮像して位置を特定する場合に比べて、実際に液状体を液滴Dとして吐出する際の吐出状態のバラツキを考慮して、吐出ヘッド30の位置を特定することができる。ゆえに、吐出ヘッド30の位置情報に基づいて、ヘッドユニット20を精度よく組み立てすることができる。
(1)上記実施形態2のヘッドユニット組立装置200およびこれを用いたヘッドユニット20の組立方法によれば、ノズル列41Aの両端のノズル31から吐出されたそれぞれの液滴Dの位置を特定するヘッド位置検出機構210を用いている。したがって、当該ノズル31を直接撮像して位置を特定する場合に比べて、実際に液状体を液滴Dとして吐出する際の吐出状態のバラツキを考慮して、吐出ヘッド30の位置を特定することができる。ゆえに、吐出ヘッド30の位置情報に基づいて、ヘッドユニット20を精度よく組み立てすることができる。
(2)上記液滴吐出装置300において、ヘッドユニット20は、実施形態2のヘッドユニット組立装置200を用いたヘッドユニット20の組立方法により組み立てられ、キャリッジ309に取り付けられている。したがって、上記液滴吐出装置300は、実際の液状体の吐出状態を考慮した高い位置精度で液状体を所望の位置に吐出することができる。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記実施形態1および実施形態2において、ベースプレート11に取り付けられる吐出ヘッド30は、1つに限定されない。複数の吐出ヘッド30をベースプレート11に取り付ける場合にも、ヘッドユニット組立装置100,200およびこれらの装置を用いたヘッドユニットの組立方法を適用することができる。
(変形例2)上記実施形態1および実施形態2において、吐出ヘッド30の配置方向は、ノズル列41A,41BがX軸方向と並行する方向に限定されない。例えば、X軸と交差するように傾けて、ベースプレート11に配置する場合にも、ヘッドユニット組立装置100,200およびこれらの装置を用いたヘッドユニットの組立方法を適用することができる。
(変形例3)上記実施形態1のヘッドユニット組立装置100および上記実施形態2のヘッドユニット組立装置200において、ベースプレート11に対して吐出ヘッド30の位置決めを行うヘッド位置調整機構102,220は、一対の調整ピン121を用いた構成に限定されない。例えば、X軸、Y軸、θ軸の3つの可動軸を有するロボットアームを用いて、吐出ヘッド30を直接把持して位置決めする構成としてもよい。
(変形例4)上記実施形態2のヘッドユニット組立装置200において、液滴検出部211の構成は、これに限定されない。例えば、光源201としてレーザ光源を用い、液滴Dに照射されたレーザ光の反射光を受光する受光部を備えることにより、液滴Dの位置を計測する構成を採用することもできる。これにより、液滴Dの位置検出を行う光学系をより簡単な構成とすることができる。
(変形例5)上記実施形態1のヘッドユニット組立装置100および上記実施形態2のヘッドユニット組立装置200の構成は、これに限定されない。例えば、画像を表示するモニタ(表示部)を装備して、画像情報を見ながら吐出ヘッド30の組み立てを行うようにしてもよい。
(変形例6)上記実施形態1のヘッドユニット10の組立方法および実施形態2のヘッドユニット20の組立方法において、吐出ヘッド30の位置を規定する対象は、ノズル列41Aの両端のノズル31に限定されない。例えば、実際の液状体の吐出に寄与する複数のノズル31を対象として、そのメニスカスや吐出された液滴Dを撮像してもよい。より現実的な吐出ヘッド30の位置決めを行うことができる。
(変形例7)上記実施形態1のヘッドユニット10および実施形態2のヘッドユニット20の組立方法において、吐出ヘッド30を仮固定する方法は、瞬間接着剤を用いることに限定されない。例えば、紫外線硬化型の接着剤を塗布して、硬化させることにより仮固定してもよい。これによれば、予め接着剤を塗布してから吐出ヘッド30の位置決めを行い、後から紫外線を照射して仮固定することができる。ゆえに、接着剤が接着部に馴染む時間を効率的に確保することができる。
10…ヘッドユニット、11…支持体としてのベースプレート、20…ヘッドユニット、30…吐出ヘッド、31…ノズル、80…液状体のメニスカス、100…ヘッドユニット組立装置、102…ヘッド位置調整機構、104…撮像機構、114…ヘッド駆動部、140…制御部、141…演算部としてのCPU、150…ヘッド位置検出機構、200…ヘッドユニット組立装置、201…光源、202…受光部、210…ヘッド位置検出機構、211…液滴検出部、220…ヘッド位置調整機構、230…制御部。
Claims (13)
- 複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドの支持体に対する位置を検出するヘッド位置検出機構であって、
前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズル内の前記液状体のメニスカスを撮像する撮像機構と、
撮像された前記液状体のメニスカスの情報から前記離間した少なくとも2つのノズルの位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算部と、を備えたことを特徴とするヘッド位置検出機構。 - 前記吐出ヘッドは、前記ノズルごとに前記液状体を吐出するための駆動手段を有し、
前記液状体のメニスカスを振動させる駆動波形を前記駆動手段に印加するノズル駆動部をさらに備え、
前記撮像機構は、振動させた前記液状体のメニスカスを撮像することを特徴とする請求項1に記載のヘッド位置検出機構。 - 複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドの支持体に対する位置を検出するヘッド位置検出機構であって、
前記吐出ヘッドは、前記ノズルごとに前記液状体を吐出するための駆動手段を有し、
前記ノズルから前記液状体を液滴として吐出する駆動波形を前記駆動手段に印加するノズル駆動部と、
前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルから吐出された前記液滴をそれぞれ検出する液滴検出部と、
検出された前記液滴の位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算部と、を備えたことを特徴とするヘッド位置検出機構。 - 前記液滴検出部は、吐出された飛行中の前記液滴を、前記液滴の吐出方向に対して直交すると共に、互いに異なる方向から撮像する少なくとも2つの撮像光学系からなることを特徴とする請求項3に記載のヘッド位置検出機構。
- 前記撮像光学系は、光源と、前記光源の光軸上に設けられた受光部とを備え、
前記光源は、前記液滴の吐出に同期して間歇的に発光することを特徴とする請求項4に記載のヘッド位置検出機構。 - 複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組み立てを行うヘッドユニット組立装置であって、
請求項1または2に記載のヘッド位置検出機構と、
吐出ヘッドを所定の平面内において移動させるヘッド位置調整機構と、
前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルの検出された位置が、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置と合致するように前記ヘッド位置調整機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とするヘッドユニット組立装置。 - 複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組み立てを行うヘッドユニット組立装置であって、
請求項3乃至5のいずれか一項に記載のヘッド位置検出機構と、
吐出ヘッドを所定の平面内において移動させるヘッド位置調整機構と、
前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルから吐出され検出された前記液滴の位置が、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置と合致するように前記ヘッド位置調整機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とするヘッドユニット組立装置。 - 前記制御部は、検出された前記液滴の情報から、吐出不具合の有無を判定して、吐出不具合が有る場合には、異常を知らせる制御信号を生成することを特徴とする請求項7に記載のヘッドユニット組立装置。
- 複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組立方法であって、
前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズル内の前記液状体のメニスカスを撮像する撮像工程と、
撮像された前記液状体のメニスカスの情報から前記離間した少なくとも2つのノズルの位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算工程と、
前記基準位置との差に基づいて、前記支持体に対して前記吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、を備えたことを特徴とするヘッドユニットの組立方法。 - 前記撮像工程では、振動させた前記液状体のメニスカスを撮像することを特徴とする請求項9に記載のヘッドユニットの組立方法。
- 複数のノズルから液状体を吐出する吐出ヘッドと支持体とを少なくとも含むヘッドユニットの組立方法であって、
前記複数のノズルのうち、離間した少なくとも2つのノズルから吐出された前記液状体の液滴をそれぞれ検出する検出工程と、
検出された前記液滴の位置を演算すると共に、前記離間した少なくとも2つのノズルの前記支持体に対する基準位置との差を演算する演算工程と、
前記基準位置との差に基づいて、前記支持体に対して前記吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、を備えたことを特徴とするヘッドユニットの組立方法。 - 前記検出工程では、吐出された飛行中の前記液滴を、前記液滴の吐出方向に対して直交すると共に、互いに異なる少なくとも2つの方向から撮像して前記液滴の位置を検出することを特徴とする請求項11に記載のヘッドユニットの組立方法。
- 検出された前記液滴の情報から、前記液滴の吐出不具合が有るか否か判定する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項11または12に記載のヘッドユニットの組立方法。
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