JP2018110239A - インプリント装置、インプリント方法、および物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 重ね合わせ精度を向上することができるインプリント装置及びインプリント方法を提供すること。【解決手段】 基板を吸着して保持する基板保持部と、ショット領域に熱を与えることによりショット領域を変形させる変形部を有するインプリント装置において、パターンの形成に伴い、ショット領域の形状と型のパターン部の形状との差に関する情報と、基板を複数の領域に分けたときにショット領域が位置する基板上の領域に関する情報に基づいてショット領域に熱を与える。【選択図】 図6
Description
本発明は、インプリント装置、インプリント方法、および物品の製造方法に関する。
半導体デバイス等の製造のために基板上に微細なパターンを形成するための装置として、インプリント装置が知られている。インプリント装置は、基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。
インプリント法において、高い重ね合わせ精度を実現するためには、パターン部の形状と、基板上の、パターンを形成すべき領域の形状との形状差を低減することが必要である。特許文献1は、加熱用の光を基板に照射して局所領域を加熱変形させて、パターンを形成すべき領域の形状を補正する方法を開示している。基板が保持機構により吸着保持されている場合に基板保持面と基板との間にはたらく静止摩擦力によって基板が熱変形しづらくなることに鑑み、制御部が、保持機構の吸着圧に基づいて光の照射量を補正する技術を開示している。
しかし、基板や基板保持面の面外方向(鉛直方向)への歪みに起因して、基板と基板保持面との接触状態が基板上の位置に応じて異なる場合がある。このとき、同じ吸着圧で吸着保持している領域内であっても、加熱変形のしやすさに分布(ムラ)が生じてしまう。これにより、基板上の位置によっては重ね合わせ誤差が許容範囲よりも大きくなる恐れがある。すなわち、重ね合わせ精度が低下する恐れがある。
本発明は、重ね合わせ精度を向上することができるインプリント装置及びインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明は、型とインプリント材を用いて基板上のショット領域にパターンを形成するインプリント装置であって、前記基板を吸着して保持する基板保持部と、前記ショット領域に熱を与えることにより前記ショット領域を変形させる変形部を有し、前記パターンの形成に伴い、前記変形部は、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報と、前記基板を複数の領域に分けたときに前記ショット領域が位置する前記基板上の領域に関する情報に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とする。
本発明のインプリント装置およびインプリント方法は、重ね合わせ精度を向上することができる。
[第1実施形態]
(装置構成)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるインプリント装置1の構成を示す図である。鉛直方向の軸をZ軸、当該Z軸に垂直な平面内で互いに直交する2軸をX軸及びY軸としている。インプリント装置1は、基板2上に塗布された光硬化性のインプリント材3と、モールド4(型)とを接触させた状態でインプリント材3を硬化させ、硬化したインプリント材3とモールド4とを引き離して、基板2上にインプリント材3のパターンを形成する。
(装置構成)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるインプリント装置1の構成を示す図である。鉛直方向の軸をZ軸、当該Z軸に垂直な平面内で互いに直交する2軸をX軸及びY軸としている。インプリント装置1は、基板2上に塗布された光硬化性のインプリント材3と、モールド4(型)とを接触させた状態でインプリント材3を硬化させ、硬化したインプリント材3とモールド4とを引き離して、基板2上にインプリント材3のパターンを形成する。
インプリント装置1は、基板ステージ5を載置するベース定盤6と、保持機構7を固定するブリッジ定盤8と、ベース定盤6から鉛直方向に延設され、ブリッジ定盤8を支持するための支柱9とを備えている。照射部10は、硬化に用いられる紫外線11を水平方向に出射する。紫外線11は、光学素子(例えばダイクロイックミラー)12aで鉛直下方に反射され、モールド4を介して基板上に照射される。
モールド4は、外周が矩形形状であり、その中心部には凹凸パターンが形成されたパターン部4aを有している。1回の押印動作で、基板2上には、パターン部4aのサイズと同じ大きさのパターン領域(被処理領域)31にインプリント材3のパターンが形成される。
本実施形態では、パターン領域31はショット領域(被処理領域)と同じ大きさとする。ショット領域とは既にパターンを形成し終えた下地層の単位領域であり、1つのショット領域のサイズは、例えば、26mm×33mm程度である。1つのショット領域にはユーザが希望するチップサイズのパターンを1つまたは複数形成することが可能である。
モールド4はさらに、パターン部4aの周囲において外周が円形状のキャビティ(凹部)4bを有している。透過部材13は、紫外線11や加熱光を透過し、開口領域の一部とキャビティ4bとで囲まれる空間14を密閉空間するために配置されている。パターン部4aをインプリント材3に押し付ける際に、圧力調整装置(不図示)により空間の圧力を調整することで、パターン部4aが下に凸となるように変形させることができる。これにより、パターン部4aにインプリント材3が充填される際にパターン部4aの凹部に気泡が混入することを防止できる。
インプリントに使用するインプリント材3が光硬化性である場合には、モールド4は硬化させるための照射光が透過可能な材料でなければならない。さらに、後述の加熱機構((第1の)変形部)15から射出される加熱光を透過する材料でなければならない。例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類を用いてもよい。モールドの材料は、サファイアや窒化ガリウム、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレンなどの樹脂でもよい。あるいはこれらの任意の積層材でもよい。
保持機構7は、真空吸着力や静電気力によりモールド4を引き付けて保持するモールドチャック16と、モールドチャック16と共にモールド4を移動させる駆動機構17と、モールド4を変形させる変形機構(第2の変形部)18とを有する。モールドチャック16及び駆動機構17は、照射部10からの紫外線11が基板2に到達するように、中心部に開口領域19を有している。
変形機構18は、モールド4に対して水平方向に外力を与えることにより、モールド4を所望の形状に変形させる。これにより、基板2側のパターン領域31(図4に図示)の形状とパターン部4aの形状の差を低減させて、形成されるパターンの重ね合わせ精度を向上させることができる。
駆動機構17は、モールド4をZ軸方向に移動させる。これにより、モールド4とインプリント材3とを接触させる動作(押印)、またはモールド4とインプリント材3とを引き離す動作(離型)を行う。駆動機構17に採用するアクチュエータとして、例えば、リニアモータ又はエアシリンダがある。駆動機構17は、粗動駆動系や微動駆動系など、複数の駆動系から構成されていてもよい。また、Z軸方向だけでなく、モールドをX軸方向及びY軸方向、及び各軸周りの回転方向への動かすための駆動機構を備えていてもよい。これにより、モールド4の高精度な位置決めが可能となる。
基板ステージ5は、基板2を保持面20aに引き付けて基板2を保持する基板保持部であるチャック20と、チャック20と共に基板2を移動させる駆動機構21とを有する。「引き付けて保持する」とはチャック20に対して基板の重力方向と同じ向きに、基板2の重力以外の力を加えている状態をいう。真空吸着力のほか、静電気力や機械的な基板2の押さえつけにより生じる力で基板2を保持してもよい。基準マーク27は、基板ステージ5上に設けられており、モールド4をアライメントする際に利用される。
パターン領域31に対してパターン部4aの転写パターンを形成する形成手段は、少なくとも押印、インプリント材3の効果、離型等とを制御する手段を有する。本実施形態において形成手段は、少なくとも駆動機構17、照射部10を含む。パターンの形成は、後述の加熱機構15が、制御部25の作成した照度プロファイルに基づいてパターン領域31を変形させている間に行う。
図2はチャック20まわりの拡大図である。チャック20の基板保持側には、ピン形状の複数の支持材20bと、支持材20bを囲む1つの環状部材20cが設けられている。支持材20bと環状部材20c上に基板2が載置される。さらにチャック20には図2に示すように複数の孔20dが設けられている。これらの孔に通じる共通の配管20eは真空ポンプ20fに接続されており、真空ポンプ20fが環状部材20cで囲まれた領域内を排気することで、ほぼ一様な吸着圧で基板2を引き付けることができる。
支持材20bと環状部材20cの先端部により仮想的に張られる面を、保持面20aとしている。なお、配管20cが異なる真空ポンプ20fに接続されていて、分割された領域ごとに吸着圧を調整できる機構を有していてもよい。離型時に一部の領域の吸着圧を下げるように調整することで剥離時に生じるパターン欠陥を低減してもよい。
図1の説明に戻る。駆動機構21は基板2をXY平面内で移動させる。これにより、モールド4と基板2上の下地パターンであるパターン領域31との位置合わせを行う。駆動機構21に採用するアクチュエータとして、例えば、リニアモータ又はエアシリンダがある。駆動機構21は、粗動駆動系や微動駆動系など、複数の駆動系を備えていてもよい。また、X軸方向及びY軸方向だけでなく、基板2をZ軸方向、及び各軸周りの回転方向への動かすための駆動機構を備えていてもよい。これにより、基板2の高精度な位置決めが可能となる。
半導体プロセスの過程によってパターン領域31の形状は、倍率成分、平行四辺形成分、台形成分等の変形成分を組み合わせてわずかに変形している。本実施形態の加熱機構15は、光の照度を制御してパターン領域31に照度プロファイルに対応する熱量を与える。パターン領域31を加熱して、所望の形状に近づくように変形させることにより、パターン領域31の形状とパターン部4aの形状との差を低減することができる。
図3は、加熱機構(加熱部)15の構成を示す図である。光源61は、加熱光を出射する。加熱光の波長は未硬化のインプリント材3が硬化せず、かつ基板2で熱として吸収される波長が好ましい。例えば、400nm〜2000nmである。加熱光は光ファイバ62や光学系63を介してDMD(Digital Micro−mirror Device)64に入射し、DMD64で選択的に反射された加熱光だけが基板2上に照射される。
加熱光の光路には、照射部10から射出される紫外線11を反射し、加熱光を透過する光学素子12aが配置されている。さらに加熱光の光路には、インプリント材3の充填を観察するためのモニタ23の光源から射出される光を反射し、加熱光のほとんどを透過する光学素子(例えばダイクロイックミラー)12bが配置されている。
光源61には、例えば、高出力半導体レーザが用いられる。光学系63には、光源61から射出された光を集光させる集光光学系(不図示)、集光光学系からの光の強度を均一化してDMD64を照明するための均一照明光学系(不図示)を含む。均一照明光学系は、例えばマイクロレンズアレイ(MLA)(不図示)等の光学素子を含む。
DMD64は、加熱光を反射する複数のマイクロミラー(不図示)を含む。照射制御部66は、各マイクロミラーを、マイクロミラーの配列面に対して−12度(ON状態)、あるいは+12度(OFF状態)の角度で傾けることができる。
ON状態のマイクロミラーで反射された加熱光は、DMD64と基板2とを光学系に共役関係にする投影光学系65により基板2上に結像される。OFF状態のマイクロミラーで反射された光は、基板2に到達しない方向に反射される。本実施例では、全ての、ON状態のマイクロミラーから反射された加熱光が基板上に投影される領域のサイズは、理想的なパターン領域31のサイズと同サイズである。ただし、必ずしも同じサイズにする必要はなく、理想的なパターン領域31のサイズよりも加熱光が基板投影される領域のサイズを大きくしてもよい。
加熱機構15が、1つのパターン領域31内で、加熱光を照射する領域と照射しない領域との分布を生じさせることにより、パターン領域31を局所的に変形させることができる。
照射制御部66はCPUを有し、後述する制御部(作成部、取得部)25から指示された照度プロファイル(熱量分布を示す熱量分布データ)に基づいて、各マイクロミラーのON状態又はOFF状態の切り替えを選択的に制御する。
照度プロファイルは、例えば、各マイクロミラーのON状態及びOFF状態の状態によって時間的及び空間的な熱量分布を示すプロファイルである。ON状態及びOFF状態の時間に関する情報と、ON状態及びOFF状態の分布により形成されるパターン領域31内の位置に応じた照度分布とを含んでいる。ON状態のマイクロミラーが多いほど、また、加熱光の照射時間が長いほど基板2上のパターン領域31に対して大きな熱量を与えることができる。
図4(a)〜(d)に照度プロファイルとパターン領域31の形状との関係一例を示す。図4(a)のようにパターン領域31が1方向(X方向)にのみ台形成分を含んで歪んでいるものとする。パターン部4aとの形状差低減のために上辺を膨張させて矩形30に近づける必要があるとする。この場合、図4(b)に示す照度プロファイルのように、上辺に付近に与える照射量が多くなるように、照度分布及び照射時間が設定される。すなわち、Y方向にのみ照射量分布32を形成し、X方向には照射量を一様とする。
図4(b)に示す照射量分布32に基づいて加熱光が照射された場合、パターン領域31には図4(c)に示す温度分布33が形成され、図4(d)に示す変位分布34でパターン領域31の形状が変化する。これにより、図4(e)に示すように、パターン領域31の形状を補正することができる。パターン領域31が等方的な倍率成分のみを有する場合は、パターン領域31内に均一な温度分布が形成される照度プロファイルであればよい。
DMD64と同じように、パターン領域31に対して分布をもたせて変形させることができる素子であれば、DMD64以外の素子を使用してもよい。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)でもよい。
図1を用いたインプリント装置1の説明に戻る。塗布部22は、基板2上のパターン領域31に未硬化状態のインプリント材3を塗布する。一度に、一回の押印動作で必要となる分のインプリント材3だけを塗布する。そのため、基板ステージ5は、押印動作を終えるごとに、押印位置と塗布部22の下方位置との間で基板2を往復移動させる。
モニタ23は、光を用いて、モールド4のパターン部4aにインプリント材3が充填される様子を観察する。これにより、パターン部4aへの異物の挟まり、あるいはインプリント材3の未充填箇所を特定することができる。
アライメント系(検出部)22は、少なくとも、パターン領域31に設けられた複数のマーク36aを検出する。本実施形態では、パターン領域31の周辺に設けられたマーク36a、パターン部4aに設けられたマーク36bとを同時に検出する。マーク36a、36bの検出は、モールド4と基板2上のインプリント材3とを接触させる前後において行う。
なお、モールド4とインプリント材3とを接触させる前と後のそれぞれで、位置合わせに用いるマークを変更してもよい。
マーク36aは、複数のマーク36aが検出されることによりパターン領域31の形状が把握できるものであればよい。パターン領域31内に形成されていてもよいし、上述のようにパターン領域31に隣接するスクライブライン上に形成されていてもよい。アライメント系24は複数のスコープを含んでおり、複数のマーク36a、36bの検出を同期して行う。
アライメント系24の検出結果に基づいて、後述の制御部25は、マーク36a、36bのX軸方向、Y軸方向、ωZ方向への位置ずれ(シフト成分)を求める。さらに、パターン領域31の倍率成分の形状変化量を検出している。さらに、加熱機構15が基板2を加熱変形させる前後のマーク36aの位置変化に基づいてパターン領域31の形状変化量(被処理領域の変形に関する第2情報、加熱変形のしやすさに関する第2情報)を求めることができる。
制御部25は、照射部10、加熱機構15、モニタ23、保持機構7、基板ステージ5、塗布部22、アライメント系24、記憶部26と回線を介して接続されており、前述の制御対象物を統括的に制御する。基板2上の複数のパターン領域31に対して、押印動作を繰り返して順次パターンを形成する。
制御部25は、記憶部26に格納されている後述の図6、図7のフローチャートに示すプログラムを、制御部25と接続されている前述の制御対象物を制御することで実行する。また、制御部25は、制御対象物の制御に必要な変数を記憶部26から読み出し、あるいは記憶部26に書き込みをする。
制御部25は、インプリント装置1の他の構成要素と共通の筐体内に設置されてもよいし、筐体外に設置されてもよい。また、制御部25は、制御対象物毎に異なる制御基板の集合体であってもよい。
制御部25は、第1情報と第2情報とを取得する取得部としての機能を有する。第1情報とは、パターン領域31とパターン部4aとの形状の差に基づいて定まる情報であり、第2情報とは、チャック20が基板2を引き付けたまま加熱機構15によりパターン領域31を試し変形して得られるパターン領域31の変形量に関する情報である。さらに、当該第1情報と当該第2情報とに基づいてパターン形成時に用いる照度プロファイルを作成する作成部としての機能を有する。
特に本実施形態に係る第1情報は、アライメント系24によるマーク36a、36bの検出結果に基づいて得られたパターン部4aの形状とパターン領域31の形状との差に基づいて定まる標準照度プロファイルである。標準照度プロファイルを、パターン領域31とモールド4のパターン部4aとの形状の差に基づいて定まる第1情報、パターン領域31とモールド4のパターン部4aとの形状の差に基づいて仮作成された仮熱量分布データともいう。
また、本実施形態に係る第2情報とは、標準照度プロファイルを補正するための補正値(補正係数)である。加熱機構15が標準照度プロファイルを補正して得られる照度プロファイルに基づいてパターン領域31を加熱することで、パターン領域31をパターン領域31の形状とパターン部4aの形状との差が低減するように変形する。
「標準照度プロファイル」とは、モールド4とパターン領域31の形状の差と、チャック20が基板2を吸着していない状態(あるいは均一に吸着している状態)における、単位熱量あたりの基板2の変形量とに基づいて定まる照度プロファイルである。すなわち、同形状のパターン領域31であれば、同じ標準照度プロファイルが割り当てられる。
制御部25による標準照度プロファイルの作成方法について説明する。図5(a)に示すようにパターン領域31の領域に照度分布を付加した光を照射するために、格子で区切られた9×11個の区画A1〜A99を有している。それぞれの区画で独立した照度を設定することで、照度分布を形成することが出来る。また、図5(b)に示す11×13個の格子点G1〜G143は、パターン領域31の内部の各位置を示している。この格子点に重ね合わせ検査用のマークが配置されている。
行列dXがパターン部4aの形状とパターン領域31との各格子点Gにおける位置ずれ量を示す行列、行列Axは各区画の単位制御量あたりの各格子点Gの変位量を示す行列、行列Cは、各区画に対する制御量とし、dX−Ax*Cを算出する。算出結果は、各格子点Gにおける形状補正の残差を示す行列である。
制御部25は、当該行列の各要素の二乗和が最小となる行列Cを計算する。なお、行列Ax、行列Cは、変形機構18がモールド4に加える力と加熱機構15がパターン領域31の各区画に対応する位置に与える熱量とを制御量として含んでいる。これにより、モールド4に加える力と各区画に対して与える熱量とが算出される。
記憶部26は、図6、図7のフローチャートに示すプログラム、単位熱量あたりの基板2の変形量を記憶している。記憶部26は、パターン形成のための一連の動作中に、アライメント系24による検出結果、後述の熱変形計測において取得される、標準照度プロファイルを補正するためのパターン領域31の位置とパターン領域31毎の形状変化量を記憶する。さらに、制御部25が求めたパターン領域31毎の照度プロファイルの補正量を記憶する。
(インプリント方法)
次に、本実施形態にかかるインプリント方法について説明する。本実施形態は、パターン領域31ごとに必要となる照度プロファイルが異なる実施形態であって、パターン形成動作のうち押印前(型とインプリント材を接触させる前)に熱変形計測を行う実施形態である。
次に、本実施形態にかかるインプリント方法について説明する。本実施形態は、パターン領域31ごとに必要となる照度プロファイルが異なる実施形態であって、パターン形成動作のうち押印前(型とインプリント材を接触させる前)に熱変形計測を行う実施形態である。
なお、以下の説明において、「パターン形成動作」とは、1つのパターン領域31に対してインプリント材3を塗布し終えてから、押印工程および硬化工程を経て、型をインプリント材3から引き剥がす離型工程までの間の動作のことをいう。「熱変形計測」とは、チャック20が基板2を吸着している(引き付けている)状態のまま基板2を加熱変形させた場合のパターン領域31の形状変形量を計測する動作のことをいう。
図6は同一ロット内の全ての基板2にパターンを形成するまでの流れを示すフローチャートである。ロットとは、同じパターンが形成され、かつ同じ条件で同じ処理工程(エッチング等)を経た複数枚の基板2の集合体をいう。通常1ロットあたり、25枚とすることが多い。フローチャートの開始時点では、インプリント装置1にはモールド4も基板2も搭載されていない状態とする。
まず、制御部25は、モールドチャック16にモールド4を吸着保持させる(S100)。S100の後で、あるいは同時に、制御部25は、チャック20に基板2を吸着保持させる(S101)。次に、吸着した状態を維持しながら、制御部25は加熱機構15を用いて基板2を加熱し変形(試し変形)させて、アライメント系24を制御してパターン領域31の熱変形計測を行う(S200)。本工程における試し変形の工程では、標準照度プロファイルで変形させた状態であるためインプリント材3の硬化工程は行わない。
S200の計測工程により、制御部25は、標準照度プロファイルを補正するための補正値(被処理領域の変形に関する第2情報)を、パターン領域31ごとに求める。S200の工程については後で詳述する。
制御部25は、基板ステージ5を制御してインプリント材3の塗布位置まで基板2を駆動させ、塗布部22に最初に押印対象となるパターン領域31にインプリント材3を塗布させる(S102)。制御部25は基板ステージ5を制御して基板2をモールド4と対向する位置(以下、押印位置という)まで移動させる(S103)。制御部25は、保持機構7を制御してモールド4を下降させ、インプリント材3に押印する(S104)。
アライメント系24は、マーク36a、36bを検出し(S105)、基板ステージ5を微小に駆動させて、モールド4と基板2を相対的に位置合わせする。制御部25は、S105における検出結果に基づいてパターン部4aとパターン領域31との差を求める。これにより、制御部25は、変形機構18によるモールド4の形状補正のための条件と、およびパターン領域31の形状補正のための標準照度プロファイルとを求める。
さらに標準照度プロファイルとS200の工程で得られた標準照度プロファイルを補正するための補正値とを用いて、パターン領域31の加熱変形に必要な照度プロファイルを設定する(S106)。
続いて、制御部25は加熱機構15を制御して、S106の工程で設定した照度プロファイルにしたがって、パターン領域31内を加熱する。(S107)。これにより、パターン領域の温度は局所的に最大で1度程度上昇する。加熱により基板2が局所的に変形し、パターン領域が所望の形状となる。S106の後で、あるいは同時に、制御部25はモールド4の変形機構18を制御して、モールド4を所望の形状に機械的に変形させる(S108)。なお、S200の工程でもパターン領域31を加熱させているが、S200の工程で生じた変形は数秒程度で元に戻った状態となる。
S107及びS108の工程において、制御部25は、アライメント系24に、マーク36a、マーク36bを同時に検出させる。検出結果から、制御部25は、パターン領域31の形状とパターン部4aの形状残差が許容範囲内かどうかを判断する(S109)。制御部25は、形状残差が許容範囲内ではない(NO)と判断した場合は、S108に戻りモールド4の形状補正をさらに行う。
制御部25は、形状残差が許容範囲である(YES)と判断した場合は、露光工程として、照射部10を制御してパターン領域31に紫外線11を照射する(S110)。紫外線11の照射によりインプリント材3が硬化し、インプリント材3が硬化し終えたタイミングでモールド4をインプリント材3から引き剥がすことで基板2上にパターンが形成される(S111)。
制御部25は、同一基板内で、引き続きパターンを形成すべきパターン領域31の有無を判断する(S112)。制御部25が、該当するパターン領域31が無い(S112でNO)と判断した場合は、チャック20上の基板2を搬送機構(不図示)により搬出する(S114)。
制御部25が、該当するパターン領域31がある(S112でYES)と判断した場合は、S102〜S112までの工程を繰り返す。S114で基板2を搬出後は、同じモールド4を用いて処理すべき基板2の有無を判断し(S115)、処理すべき基板2が有る(S115でYES)と判断した場合はS101〜S114までの工程を繰り返す。
(熱変形計測について)
次に、図7〜図10を用いてS200の熱変形計測工程について説明する。図7は、S200における基板2の熱変形計測の流れを示すフローチャートである。制御部25が本フローチャートに示すプログラムを実行する。
次に、図7〜図10を用いてS200の熱変形計測工程について説明する。図7は、S200における基板2の熱変形計測の流れを示すフローチャートである。制御部25が本フローチャートに示すプログラムを実行する。
当該プログラムの開始前に、基板2に形成されている全パターン領域31のうち、代表的な複数のパターン領域(以下、代表パターン領域という)35(35a〜35h)が選択されている。基板2の中心を通り、X軸方向に配置されている8つの代表パターン領域35a〜35h(図9参照)が選択されて、予め記憶部26に記憶されているものとする。
S200の熱変形計測工程では、まず、制御部25が、チャック20に保持されている基板2が、計測対象の基板2かどうかを判断する(S201)。計測対象の基板2ではない(S201でNO)と判断した場合は、制御部25は、S209の工程に進み、記憶部26に記憶されている標準照度プロファイルの補正値を読み込んで、S200の工程を終了する。
計測対象の基板2である(S201でYES)と判断した場合は、制御部25はアライメント系24に代表パターン領域35aの位置を示すマーク36aを検出させる。つづいてパターン領域35aを均一の照射量で加熱して変形させる(S202)。
制御部25は、アライメント系24に代表パターン領域35aの位置を示すマーク36aを検出させる(S203)。検出するマーク36aは、少なくとも、パターン領域の4隅の位置を示す4つのマーク36aである。4つのマーク36aを計測することで、パターン領域31の倍率成分の歪みを計測する。
加熱終了後(S204)、S205の加熱前後のアライメント系24における検出結果に基づいて、制御部25が変形量を求める。制御部25は、基板2上における代表パターン領域35aの位置と共に当該変形量を記憶部26に保存する(S205)(取得工程)。次に計測対象となる代表パターン領域があるかどうかを判断する(S206)。制御部25が、次の代表パターン領域が有る(S205でYES)と判断した場合は、代表パターン領域35a〜35h計測が終わるまでS202〜S206の工程を繰り返す。
最後に、各パターン領域31の照度プロファイルの補正値を求める(S207)。
代表パターン領域35a〜35hのそれぞれに関するS206で保存した変形量の一例を図8(B)に示す。縦軸は、熱変形量である。熱変形量とは、加熱前のX軸方向に並ぶ2つのマーク36a間距離に対する、加熱後のマーク36a間距離を比で表した値である。図8(B)は、吸着圧が−30kPaの場合と、比較例としての0kPaの場合とを図示している。
図8(B)に示すように、チャック20における吸着圧が0kPaの場合に比べて、吸着圧が−30kPaの場合のほうが熱変形量のばらつきが大きい。また、吸着圧が−30kPaの場合は、を基板2の周辺側にある代表パターン領域35a、35h等に比べて、基板2の中心側にある代表パターン領域35d、35e等は熱変形量が大きい。
チャック20の吸着力が、基板2の熱変形を妨げる方向に摩擦力としてはたらくため、吸着圧の差に起因する熱変形量の違いが生じている。さらに、保持面20aの平面度や基板2の反りやうねりによって、パターン領域35a〜35hの位置に応じて熱変形量に分布が生じている。これは位置に応じて、保持面20aと基板2との接触圧が均一にならないことにより、熱変形を妨げる方向にはたらく摩擦力に分布が生じるからである。あるいは基板2に与えられた熱量のチャック20への逃げ度合いに分布が生じていること等が影響している。
最後に制御部25は、取得したパターン領域35a〜35hのそれぞれの位置と、パターン領域35a〜35hのそれぞれの変形量とに基づいて、全てのパターン領域31に対応する標準照度プロファイルの補正値αnを求める(S208)。
具体的には、代表パターン領域35a〜35hにおける変形量を関数近似して内挿することにより、全パターン領域31の位置と、それぞれのパターン領域31の位置に対応する熱変形量を示す分布を作成する。標準照度プロファイルの補正値αn(α1〜α8)は、所定の方法により規格化された値とする。例えば、あるパターン領域31の変形量を「1」とし、他のパターン領域31の変形量を、「1」と定めた変形量に基づいて規格化してもよい。
補正値αnは、加熱による変形のしやすさに関する情報であればよい。すなわち、前述の規格化された値に限らず、加熱による変形量の値そのものであったり、それらの変形量を与えた熱量で除した、単位熱量あたりの変形量も含む。単位熱量あたりの変形量を規格化した値も含む。また、関数近似により得られる、位置に応じた補正量の分布は離散的な値でも連続的な値でもよい。以上で熱変形計測工程S200を終了する。
熱変形計測により得た、補正値αnを用いて、前述の通り制御部25は各パターン領域31に必要な照度プロファイルを設定する(図6のS106)。所望の変形量と実際の変形量との差に応じて、当該差が小さくなるような照度プロファイルを、それぞれのパターン領域31について設定する。
S105のアライメント計測で得られた標準照度プロファイルに、S208の工程で取得した補正値αnを乗じた熱量分布をパターン領域31ごとに設定してもよい。なお、標準照度プロファイルに補正値αnを乗じる、とは、標準照度プロファイルが示す熱量分布の各区画に割り当てられた熱量に対してαnを乗じることである。代表パターン領域35aに関する標準照度プロファイルがS1である場合は、代表パターン領域35aに関する照度プロファイルはα1×S1とする。同様に、表パターン領域35b〜35hについて、それぞれαn・Sn(n=2〜8)とする。
本実施形態は、パターンの形成動作前に代表パターン領域35を加熱して単位熱量あたりの変形のしやすさを求めている。そして、パターン形成動作中に必要となる標準照度プロファイルの補正値を、パターン領域31ごとに求めている。これにより、チャック20と基板2との接触度合いなどに起因して生じる基板2上の位置に応じて異なる加熱変形のしやすさを加味しながらパターン形成動作を行うことができる。よって、それぞれのパターン領域31における重ね合わせ誤差を低減し、基板全体において重ね合わせ精度を向上することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態にかかるインプリント装置1の構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態とは、S200の熱変形計測において計測する代表パターン領域35の選択方法が異なる。熱変形計測に先立ち、インプリント装置1では、基板2をどのような領域ごとに、単位熱量当たりの変形量が同一となるのかという傾向が計測されているものとする。
本発明の第2実施形態にかかるインプリント装置1の構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態とは、S200の熱変形計測において計測する代表パターン領域35の選択方法が異なる。熱変形計測に先立ち、インプリント装置1では、基板2をどのような領域ごとに、単位熱量当たりの変形量が同一となるのかという傾向が計測されているものとする。
第1実施形態では、代表パターン領域35と同じX位置のパターン領域31が、代表パターン領域35と同じように変形するという仮定により選択されたものである。本実施形態では図10(A)の領域A、領域B、領域Cにおいて、1領域あたり1つのパターン領域ずつ代表パターン領域35として選択する。同一領域内では単位熱量当たりの変形量がほぼ同一であると仮定している。代表パターン領域35での計測結果に基づいて、パターン領域31の位置と照度プロファイルの補正値の分布を求める。
第2実施形態の変形例を図10(B)〜(D)に示す。図10(B)は、単位熱量当たりの変形量が同一である領域を、同心円状に、基板外周側から、領域A、領域B、領域Cと設定している。基板2の熱変形のしやすさが同心円状に傾向をもつ場合には、基板2の中心からの距離が異なる位置に在るパターン領域を熱変形計測する対象の代表パターン領域35として選択することとよい。図10(C)は、単位熱量当たりの変形量が同一である領域を、中心角が90度ずつである領域A、領域B、領域C、領域Dの4領域に設定している。
図10(D)は基板2上を、パターン領域が基板2内に収まるフルフィールドと、パターン領域が基板2からはみ出るパーシャルフィールド(基板2の外周部にかかるパターン領域)とに分けた場合の代表パターン領域35の選択方法を示している。フルフィールドからは、基板2中央のパターン領域を代表パターン領域35としている。パーシャルフィールドは、基板2からのはみ出し方が異なるパターン領域を、それぞれ代表パターン領域35としている。
このように基板2上に3つ以上のパターン領域31があり、アライメント系24がこれらのパターン領域31のうちの少なくとも2つの代表パターン領域35に対応するマーク36aを検出する。検出結果から、その他のパターン領域31の位置に応じた照度プロファイルの補正値(補正値の分布)を求めることができる。第1実施形態と同様、それぞれのパターン領域31における重ね合わせ誤差を低減し、重ね合わせ精度を向上することができる。さらに、全パターン領域31について熱変形計測する場合に比べて、熱変形計測に要する時間を低減することができる。
なお、代表パターン領域35に必要な照度プロファイルの補正値を、同一領域内にそのまま適用しても構わない。また、図10(A)〜(D)に示した実施形態のうち、同一領域内から複数個のパターン領域を代表パターン領域35として選択してもよい。同一領域内から複数個のパターン領域の熱変形量を計測した場合は、これらの平均値を代表パターン領域35の熱変形量として取り扱えばよい。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態は、押印した状態(型とインプリント材とを接触させた後)で熱変形計測を行う実施形態である。第1実施形態のインプリント装置1とは、記憶部26が、図7のフローチャートに示すプログラムのかわりに、図11のフローチャートに示すプログラムを記憶している点で異なる。
本発明の第3実施形態は、押印した状態(型とインプリント材とを接触させた後)で熱変形計測を行う実施形態である。第1実施形態のインプリント装置1とは、記憶部26が、図7のフローチャートに示すプログラムのかわりに、図11のフローチャートに示すプログラムを記憶している点で異なる。
さらに、記憶部26は、基準となる単位熱量当たりの基板2の変形量(加熱変形のしやすさが位置に応じて変わらないと仮定した場合の加熱変形のしやすさ)を記憶している。変形量は、例えば、基板2の熱伝導率と付与熱量から算出される変形量である。あるいは、1つの代表的なパターン領域31の単位熱量当たり変形量である。
図11のフローチャートにおけるS300〜S305の工程は、図6のフローチャートにおけるS101〜S105の工程と同様である。制御部25は、塗布工程(S302)前には熱変形計測を行わずに、押印した状態でのアライメント計測によってマーク36a、36bを検出した後で(S305)、基板2を加熱して熱変形計測を実行する(S400)。S400における計測により、照度プロファイルを補正するための補正値を求める。
S400の工程について図12のフローチャートを用いて説明する。モールド4をインプリント材3に接触させた状態のまま、加熱機構15はパターン領域31の全面を均一の照射量で加熱して変形させる(S401)。制御部25は、アライメント系24にマーク36aを検出させる(S402)。検出するマーク36aは、少なくとも、パターン領域31の4隅の位置を示す4つのマーク36aである。
加熱終了後(S403)、アライメント系24における検出結果に基づいて、制御部25が変形量を求める。制御部25は、求めた変形量を、パターン領域31の位置と共に記憶部26に保存する(S404)。最後に制御部25はパターン形成動作においてパターン領域31の加熱形状補正時に必要となる、照度プロファイルの補正値を求める(S405)。
図11の説明に戻る。制御部25は、標準照度プロファイルとS400の工程で得られた照度プロファイルを補正するための補正値とを用いて、パターン領域の加熱変形に必要な照度プロファイルを設定する(S306)。S306で求めた照度プロファイルに基づいて、加熱機構15は、パターン領域31に所望の温度分布を与えて、パターン領域31の形状を補正する(S307)。
S400からS307までの工程の時間が短く、S307で与えた熱の影響が基板2に残存している場合がある。かかる場合に、スループットの低下が許容範囲であれば、熱変形量を計測後基板2の温度が定常状態になるまで待ってからS307の形状補正を行うとよい。
スループットの低下が許容されない場合は、制御部25は、S306において、基板2に残存している熱量を加味して照度プロファイルを設定する。あるいは、制御部25が残存熱の影響を加味せずに求めた照度プロファイルに対して、残存熱の影響をオフセットとして、加熱機構15が、光源61の照度変更による補正や照度プロファイルの補正をしてもよい。
以下、S308〜S315の各工程は、第1実施形態のS108〜S115の工程と同じであるため説明を省略する。
本実施形態も、パターン形成動作時に必要なパターン領域31の標準照度プロファイルの補正値を、熱変形計測をして求めている。この計測結果から、パターン領域31ごとの照度プロファイルを補正することにより、各パターン領域31における重ね合わせ誤差を低減し、重ね合わせ精度を向上することができる。
第1実施形態では、基板2の搬入後に基板2を一度押印位置に移動させる必要があったが、本実施形態の場合は基板2の搬入後すぐに基板2を塗布部22と対向する位置に移動させることができる。そのため、基板ステージ5の移動時間分を短縮して、スループットを向上させることができる。パターン部4aへのインプリント材3の充填後に加熱変形を実行すれば、加熱光がモニタ23の視野に入ることによる観察の妨げも生じないという利点もある。
記憶部26には、基準となる単位熱量あたりの基板2の変形量が記憶されていない場合は、1つ目にパターンを形成した際のS400の工程で得られた熱変形量を基準として他のS405で必要となる照度プロファイルの補正値を求めればよい。S400の計測工程は代表パターン領域35のみで実行してもよい。前述の第1、第2実施形態のように、単位熱量当たりの変形量が同一となる領域を仮定した場合は、分割した領域内に同じ補正値を適用することで、熱変形計測に要する時間を短縮することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、量産用の基板2に対して順次パターンを形成していく量産工程前(例えば、図6や図11のフローチャートに示す処理の実行前)に、全てのパターン領域31に関するパターン部4aとパターン領域31の形状差を事前に計測する。各パターン領域31に必要な標準照度プロファイルの設定を、量産工程前にする。与える標準照度プロファイルと標準照度プロファイルによる基板2の形状変化の関係を、重ね合わせ検査装置も使用しつつ求めておく。複数の基板2を用いた場合は、これらの形状変化の平均値の算出も行う。
第4実施形態は、量産用の基板2に対して順次パターンを形成していく量産工程前(例えば、図6や図11のフローチャートに示す処理の実行前)に、全てのパターン領域31に関するパターン部4aとパターン領域31の形状差を事前に計測する。各パターン領域31に必要な標準照度プロファイルの設定を、量産工程前にする。与える標準照度プロファイルと標準照度プロファイルによる基板2の形状変化の関係を、重ね合わせ検査装置も使用しつつ求めておく。複数の基板2を用いた場合は、これらの形状変化の平均値の算出も行う。
第4実施形態は、このような標準照度プロファイルを求める工程と同時に、あるいはその前後に、熱変形計測を行う。熱変形計測の方法はS200やS400の説明と同様である。これにより、例えば、図6のフローチャートにおいて、S101の後かつS102の前に、全パターン領域31に必要な照度プロファイルを設定できる。
本実施形態も、パターン形成動作中に必要となる標準照度プロファイルの補正値をパターン領域31ごとに求めている。パターン領域31における重ね合わせ精度の向上、およびパターン領域31ごとの重ね合わせ誤差を低減し、基板全体での重ね合わせ精度を向上することができる。また、押印動作が始まるまでに、照度プロファイルを求める時間を十分に確保することができる。
[第5実施形態]
第5実施形態は、1つのパターン領域31あたり、複数の照度プロファイルの補正値を求める実施形態である。本実施形態のインプリント方法は、第1実施形態の図6、図7に示すフローチャートとほぼ同様である。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
第5実施形態は、1つのパターン領域31あたり、複数の照度プロファイルの補正値を求める実施形態である。本実施形態のインプリント方法は、第1実施形態の図6、図7に示すフローチャートとほぼ同様である。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
第5実施形態では、1つのパターン領域31あたり図13に示す6つのマーク36aの位置を計測する。本実施形態において、アライメント系24は、全てのマーク36aを同時に検出できるように6つの検出スコープ(1つのパターン領域の形状に関するマークの数に対応する数の検出部)を有している。あるいは、複数回にわけて6つのマーク36aを検出する。このようにして得られた検出結果に基づいて、パターン領域31の倍率成分だけでなく、弓型や樽型の高次成分(高次の歪み成分)に対する変形量を求めることが出来る。
制御部25は、図13に示すパターン領域31内を4つの領域に仮想的に分割した場合の分割領域40ごとの熱変形量を求め、記憶部26に記憶させる。制御部25は、標準照度プロファイルAnと標準照度プロファイルの補正値α1〜α4を分割領域40ごとに求めて記憶部26に記憶させる。
所望の変形量に対して変形量が小さい(加熱変形しにくい)分割領域40には付与する熱量を大きくすればよい。例えば、照度が大きくなるように照度プロファイルを補正する。変形量が大きい(加熱変形しやすい)分割領域40には付与する熱量が小さくすればよい。例えば、照度が小さくなるように照度プロファイルを補正する。このようにそれぞれの分割領域40に対する照度プロファイル(αn・An)を設定する。
これにより、各分割領域40における加熱変形のしづらさのばらつきを加味して熱変形させることができる。弓型や樽型の高次成分(高次の歪み成分)に対する変形量を加味して照度プロファイルを設定するため、パターン形成を行う際に第1実施形態よりもさらに精度良く基板2を変形させることができる。これにより、パターン領域31ごとの重ね合わせ誤差を低減し、重ね合わせ精度を向上することができる。
なお、熱変形計測を行うパターン領域31の選択方法に関して第2実施形態を適用してもよいし、熱変形計測を行うタイミングに関して第3実施形態又は第4実施形態を適用してもよい。分割領域40の数は1つのパターン領域31あたり2つ以上であればよい。同等の熱変形量を生じるパターン領域31同士(隣り合うパターン領域同士)の、それぞれの分割領域40を2つ(一部の分割領域)ずつ組み合わせて、1つのパターン領域31に対応する補正値αnを求めてもよい。
[第6実施形態]
第6実施形態にかかるインプリント装置1の構成は第1実施形態と同じである。本実施形態では、量産用の基板2にパターンを形成していく工程の前に、チャック20に標準基板を吸着させた状態のまま加熱機構15を用いて標準基板内のパターン領域31を加熱変形させて、標準照度プロファイル31の補正値を求める。このようにして取得した補正値を、標準基板とは異なる、量産用の基板2に適用させる。パターン領域31間での単位熱量当たりの変形のしやすさのばらつきが、チャック20の形状に大きく依存している場合に有利な実施形態である。
第6実施形態にかかるインプリント装置1の構成は第1実施形態と同じである。本実施形態では、量産用の基板2にパターンを形成していく工程の前に、チャック20に標準基板を吸着させた状態のまま加熱機構15を用いて標準基板内のパターン領域31を加熱変形させて、標準照度プロファイル31の補正値を求める。このようにして取得した補正値を、標準基板とは異なる、量産用の基板2に適用させる。パターン領域31間での単位熱量当たりの変形のしやすさのばらつきが、チャック20の形状に大きく依存している場合に有利な実施形態である。
標準基板とは、パターン形成動作時に使用する基板2と同じ材質の基板であって、規則的な配列でマーク36aが形成されている基板である。すなわち、プロセスなどに起因してパターン領域31の形状が歪んでいない基板である。標準基板を用いて熱変形計測をすることで、チャック20と基板2の接触状態の違いに起因する熱変形のしやすさを加味して照度プロファイルを設定し、基板2上にパターンを形成することができる。
本実施形態は、異なるロットの基板2であっても、チャック20と対面する位置が同じ位置のパターン領域31には共通の照度プロファイルの補正値を適用する。熱変形計測は、チャックを交換するごとに行えば済むため、他の実施形態に比べてスループットを向上させることができる。
[第7実施形態]
第7実施形態に係るインプリント装置1におけるチャック20まわりの正面図を図14(a)に、+Z方向から見た図を図14(b)に示す。インプリント装置1は真空ポンプ(制御系)20fを4つ有し、それぞれの真空ポンプ20fが、チャック20の分割領域E〜Hごとに基板2の吸着圧(引き付け力)を制御する。チャック20は分割領域E〜Hの境界として存在する部材20gを有する。
第7実施形態に係るインプリント装置1におけるチャック20まわりの正面図を図14(a)に、+Z方向から見た図を図14(b)に示す。インプリント装置1は真空ポンプ(制御系)20fを4つ有し、それぞれの真空ポンプ20fが、チャック20の分割領域E〜Hごとに基板2の吸着圧(引き付け力)を制御する。チャック20は分割領域E〜Hの境界として存在する部材20gを有する。
制御部25は、共通の真空ポンプ20fで吸着する1つの分割領域上の異なる位置に対応する複数の補正量αを取得する。例えば、分割領域Fの中で少なくとも2つのパターン領域31で熱変形計測を行い、当該2つのパターン領域31のそれぞれに対応する補正量αを取得する。
それぞれの分割領域の摩擦力の傾向が既知である場合は、当該摩擦力に応じて真空ポンプ20fが吸着力を制御してもよい。例えば、所定の分割領域において摩擦力が大きくなりやすい領域が既知である場合は、当該所定の分割領域の吸着圧を低くした状態で、熱変形計測およびパターン形成動作を行ってもよい。摩擦力を低減し、補正量αを小さくすることができる。
基板2の面外方向(Z軸方向)の形状に応じて基板2とチャック20との間の摩擦力は異なる。制御部25は、熱変形計測前に面外方向の形状が既知である場合は、面外方向の形状に応じて標準照度プロファイルを作成しておいてもよい。
[第8実施形態]
図15は本実施形態にかかるインプリント方法のフローチャートを示す図であり、S501〜S513までは、図6に示すフローチャートのS100〜S113の工程と同様であるため説明を省略する。S514では、インプリント装置1から回収した基板を重ね合わせ検査装置(以下、検査装置という)に搬入し、当該重ね合わせ検査装置がパターン領域31とS510によって形成されたパターンとの位置ずれ量を算出する。
図15は本実施形態にかかるインプリント方法のフローチャートを示す図であり、S501〜S513までは、図6に示すフローチャートのS100〜S113の工程と同様であるため説明を省略する。S514では、インプリント装置1から回収した基板を重ね合わせ検査装置(以下、検査装置という)に搬入し、当該重ね合わせ検査装置がパターン領域31とS510によって形成されたパターンとの位置ずれ量を算出する。
制御部25は検査装置から得られた位置ずれ量に基づいて、補正後照度プロファイルをさらに補正する補正量を決定する、(S515)。あるいは、制御部25は検査装置から得られた位置ずれ量に基づいて、標準照度プロファイルを再作成してもよい。そして、制御部25は照度プロファイルを再設定(再作成)する(S506)。S506で設定した照度プロファイルを用いて、同じプロセスを経た同じ位置のパターン領域に対してパターンを形成する。
図16(a)は標準照度プロファイルが示す熱量分布、図16(b)は熱変形計測によって標準照度プロファイルを補正して得られた照度プロファイルが示す熱量分布である。さらに、図16(c)は検査装置による検査結果をフィードバックして得られた照度プロファイルが示す熱量分布の一例である。各区画A1〜A99に対して与える熱量を熱量1〜熱量4で表している。
図16(d)は図16(a)に基づいてパターン領域31を変形させたとき、すなわち前述の各実施形態のいずれをも実施しなかった場合のパターン領域31の形状を示す図である。図16(e)は図16(f)に基づいてパターン領域31を変形させたとき、すなわち第1〜第7実施形態のいずれかを適用した場合の形状を示す図である。図16(g)は図16(h)に基づいてパターン領域31を変形させたとき、すなわち第8実施形態を適用した場合の形状を示す図である。
図17(a)〜(c)は図16(a)〜(c)の熱量分布に対応する照度プロファイルでそれぞれパターン領域31を変形させたときの補正残差を示す図である。例えば、図17(a)では、格子点G1は補正残差がほとんどないことを示している。一方で、格子点G11の+X方向への変形がΔx足りなかったこと、格子点G11のY軸方向への変形がΔy足りなかったことを示している。
図17(a)〜(c)に示すように、前述の各実施形態を適用した図17(b)のほうが図17(a)よりも補正残差を低減することができる。さらに、第8実施形態を適用した図17(c)のほうが補正残差を低減することができる。よって、前述の各実施形態を適用しなかった場合に比べて、パターン領域31とパターン部4aとの重ね合わせ精度を向上させることができる。
[その他の実施形態]
インプリント材3の塗布後に熱変形量を計測する場合は、光源から出射される光の強度を制御したり加熱光の照射時間を制御することにより、パターン領域31に与える熱量を制御する。あるいは、塗布前に熱変形量を計測する場合とは異なる標準照度プロファイルや照度プロファイルを作成する。インプリント材3を介して計測する(加熱光がインプリント材3を通過する)ことや、型と基板2のギャップの違いがパターン領域の変形量に与える影響を加味することを考慮するためである。
インプリント材3の塗布後に熱変形量を計測する場合は、光源から出射される光の強度を制御したり加熱光の照射時間を制御することにより、パターン領域31に与える熱量を制御する。あるいは、塗布前に熱変形量を計測する場合とは異なる標準照度プロファイルや照度プロファイルを作成する。インプリント材3を介して計測する(加熱光がインプリント材3を通過する)ことや、型と基板2のギャップの違いがパターン領域の変形量に与える影響を加味することを考慮するためである。
これにより、より精度良く重ね合わせ精度を向上させることができる。なお、光照射以外の方法によりパターン領域31に熱を与えてもよい。例えば、複数のヒータを用いて、それぞれのヒータのON/OFF、あるいは加熱量を制御しながらパターン領域31に熱を与えてもよい。
既知のモールドの設計値に対するパターン領域31の形状を比較した結果に基づいて第1情報である標準照度プロファイルを取得しても良い。第1情報は、熱量分布を示す標準照度プロファイルにかぎられない。第1情報はマーク36a、36bの位置でもよい。したがって、制御部25は、マーク36a、36bの位置情報と、基板上の各位置における第2情報とに基づいて、それぞれの位置で必要となる照度プロファイルを、標準照度プロファイルを介さずに直接求めてもよい。
第2情報の取得方法は、マーク36aの計測に限らない。第2情報を、例えば、パターン領域31の形状を画像認識させて観察することで得られる形状変化量から求めてもよい。
標準照度プロファイルは、それぞれのパターン領域31に共通であっても、パターン領域31毎に異なるものであってもよい。また、パターン領域31が、1つのショット領域である場合を例に説明したがこれに限られない。例えば、パターン領域31は、複数のショット領域相当のサイズであってもよい。
インプリント材には、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターにより基板上に膜状に付与される。或いは液体噴射ヘッドにより、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。ただし、熱硬化性のインプリント材を選択する場合は、その硬化温度が、形状補正のための加熱によって変動する基板の温度範囲に入らない材料であることが好ましい。
[物品の製造方法]
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。
物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。
電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。
型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 インプリント装置
2 基板
3 インプリント材
4a パターン部
15 加熱機構(加熱部)
20 チャック(基板保持部)
25 制御部(取得部、作成部)
31 パターン領域(被処理領域)
36a、36b マーク
2 基板
3 インプリント材
4a パターン部
15 加熱機構(加熱部)
20 チャック(基板保持部)
25 制御部(取得部、作成部)
31 パターン領域(被処理領域)
36a、36b マーク
Claims (16)
- 型とインプリント材を用いて基板上のショット領域にパターンを形成するインプリント装置であって、
前記基板を吸着して保持する基板保持部と、
前記ショット領域に熱を与えることにより前記ショット領域を変形させる変形部を有し、
前記パターンの形成に伴い、前記変形部は、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報と、前記基板を複数の領域に分けたときに前記ショット領域が位置する前記基板上の領域に関する情報に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とするインプリント装置。 - 前記変形部は、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報から取得された熱量分布データと、前記ショット領域が位置する前記基板上の領域に関する情報から取得された前記熱量分布データの補正値に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
- 前記熱量分布データの補正値は、前記基板上の領域ごとに決定されることを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
- 前記熱量分布データを作成する作成部を有し、
前記変形部は前記作成部が作成した前記熱量分布データに基づいて前記ショット領域を変形させることを特徴とする請求項2または3に記載のインプリント装置。 - 前記変形部は光を出射する光源を有し、前記光の照度を制御して前記熱量分布データに対応する熱量を前記ショット領域に与えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
- 前記変形部は第1の変形部であって、
前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差が低減するように前記型のパターン部を変形させる第2の変形部を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 型とインプリント材を用いて基板上のショット領域にパターンを形成するインプリント装置であって、
前記基板を吸着して保持する基板保持部と、
前記ショット領域に熱を与えることにより前記ショット領域を変形させる変形部を有し、
前記パターンの形成に伴い、前記変形部は、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報と、前記ショット領域の前記基板上の位置における前記基板保持部の吸着圧に関する情報に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とするインプリント装置。 - 前記変形部は、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報から取得された熱量分布データと、前記ショット領域の前記基板上の位置における前記基板保持部の吸着圧に関する情報から取得された前記熱量分布データの補正値に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。
- 前記熱量分布データを作成する作成部を有し、
前記変形部は前記作成部が作成した前記熱量分布データに基づいて前記ショット領域を変形させることを特徴とする請求項8に記載のインプリント装置。 - 前記変形部は光を出射する光源を有し、前記光の照度を制御して前記熱量分布データに対応する熱量を前記ショット領域に与えることを特徴とする請求項8または9に記載のインプリント装置。
- 前記変形部は第1の変形部であって、
前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差が低減するように前記型のパターン部を変形させる第2の変形部を更に有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 型とインプリント材とを用いて基板上のショット領域にパターンを形成するインプリント方法であって、
前記ショット領域に熱を与えることにより前記ショット領域を変形させる変形工程と、
前記ショット領域にパターンを形成する形成工程を含み、
前記変形工程において、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報と、前記基板を複数の領域に分けたときに前記ショット領域が位置する前記基板上の領域に関する情報に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とするインプリント方法。 - 前記変形工程において、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報から取得された熱量分布データと、前記ショット領域が位置する前記基板上の領域に関する情報から取得された前記熱量分布データの補正値に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とする請求項12に記載のインプリント方法。
- 型とインプリント材とを用いて基板上のショット領域にパターンを形成するインプリント方法であって、
前記ショット領域に熱を与えることにより前記ショット領域を変形させる変形工程と、
前記ショット領域にパターンを形成する形成工程を含み、
前記変形工程において、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報と、前記ショット領域の前記基板上の位置における前記基板保持部の吸着圧に関する情報に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とするインプリント方法。 - 前記変形工程において、前記ショット領域の形状と前記型のパターン部の形状との差に関する情報から取得された熱量分布データと、前記ショット領域の前記基板上の位置における前記基板保持部の吸着圧に関する情報から取得された前記熱量分布データの補正値に基づいて前記ショット領域に熱を与えることを特徴とする請求項14に記載のインプリント方法。
- 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて、前記基板上にパターンを形成する工程と、
物品の製造のために前記工程で前記パターンの形成された基板を加工する工程と、を有することを特徴とする物品の製造方法。
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