JP6988624B2 - ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 - Google Patents
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Description
チョコラルスキー法によるニオブ酸リチウム単結晶の育成方法において、
原料融液から切り離された育成後のニオブ酸リチウム単結晶を室温近傍まで冷却する冷却過程で、上記ニオブ酸リチウム単結晶を、900℃以上1100℃以下の範囲内の一定の保持温度(T)において、下記数式(1)で求められる保持時間[t(時間)]を下限とし、保持時間[20時間]を上限として保持した後、下記数式(2)で求められる冷却速度[v(℃/h)]を下限とし、冷却速度[250℃/h]を上限として室温近傍まで冷却することを特徴とするものである。
保持時間[t(時間)]=0.00035(T)2−0.77(T)+425 (1)
冷却速度[v(℃/h)]=0.001(T)2−1.4(T)+480 (2)
収率を悪化させる主要因であるマイクロボイドの発生を抑制することが可能となり、この結果、高品質のニオブ酸リチウム単結晶を高収率で安定的に育成できるため生産性が向上し、生産コストを大幅に低減できる効果を有する。
はじめに、図1を用いて、Cz法による単結晶育成装置10の構成例、および、単結晶育成方法の概要について説明する。
「ポーリング処理」後の検査で検出される散乱体は、以下の3種類に大別される。
1) マルチドメイン 発生率1%未満
2) マイクロボイドの集合体(以下、モヤと呼ぶ) 発生率〜20%
3) 異物 発生率0.1%未満
これ等のことから、「モヤ」の生成原因として以下のことが推察される。
上記仮説に基づくと、「モヤ」の発生を抑制するには、結晶内に過飽和状態で取込まれていると考えられるガス成分の濃度を下げることが有効である。
原料融液から切り離された育成後のLN単結晶を室温近傍まで冷却する冷却過程で、上記LN単結晶を、900℃以上1100℃以下の範囲内の一定の保持温度(T)において、下記数式(1)で求められる保持時間[t(時間)]を下限とし、保持時間[20時間]を上限として保持した後、下記数式(2)で求められる冷却速度[v(℃/h)]を下限とし、冷却速度[250℃/h]を上限として室温近傍まで冷却することを特徴とするものである。
保持時間[t(時間)]=0.00035(T)2−0.77(T)+425 (1)
冷却速度[v(℃/h)]=0.001(T)2−1.4(T)+480 (2)
図1に示す高周波誘導加熱式単結晶育成装置を用いてCz法によるLN結晶の育成を行った。まず、Pt製坩堝12内に原料18としてLN粉をチャージし、原料18を融解させた後、種結晶1の先端部を坩堝12内の原料融液に浸し、回転させながら引上げることで直径4インチ、直胴部長120mmのLN単結晶を育成した。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1100℃、保持時間が2時間の条件で温度保持操作を行った後、冷却速度[150℃/h]の条件で1100℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が900℃、保持時間が16時間の条件で温度保持操作を行った後、冷却速度[30℃/h]の条件で900℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1000℃、保持時間が5時間の条件で実施例1と同様の温度保持操作を行った後、実施例1に係る冷却速度[80℃/h]を冷却速度[250℃/h]の条件に変更して1000℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1100℃、保持時間が2時間の条件で実施例2と同様の温度保持操作を行った後、実施例2の冷却速度[150℃/h]を冷却速度[250℃/h]の条件に変更して1100℃から室温までの冷却を行った以外は実施例2と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が900℃、保持時間が16時間の条件で実施例3と同様の温度保持操作を行った後、実施例3に係る冷却速度[30℃/h]を冷却速度[250℃/h]の条件に変更して900℃から室温までの冷却を行った以外は実施例3と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1000℃、保持時間が3時間の条件で温度保持操作を行った後、冷却速度[250℃/h]の条件で1000℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1100℃、保持時間が1時間の条件で温度保持操作を行った後、冷却速度[250℃/h]の条件で1100℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が900℃、保持時間が10時間の条件で温度保持操作を行った後、冷却速度[250℃/h]の条件で900℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)を1200℃、保持時間を2時間の条件で温度保持操作を行った後、冷却速度[200℃/h]の条件で1200℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)を800℃、保持時間を20時間の条件で温度保持操作を行った後、冷却速度[100℃/h]の条件で800℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、育成したLN単結晶を融液から切り離し、該結晶を室温近傍まで冷却する冷却過程において、温度保持を設けない図5に示す従来の冷却プロファイル条件(冷却速度:250℃/h)により30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1000℃、保持時間が5時間の条件で実施例1と同様の温度保持操作を行った後、実施例1に係る冷却速度[80℃/h]を冷却速度[40℃/h]の条件に変更して1000℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1100℃、保持時間が2時間の条件で実施例2と同様の温度保持操作を行った後、実施例2の冷却速度[150℃/h]を冷却速度[90℃/h]の条件に変更して1100℃から室温までの冷却を行った以外は実施例2と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が900℃、保持時間が16時間の条件で実施例3と同様の温度保持操作を行った後、実施例3の冷却速度[30℃/h]を冷却速度[15℃/h]の条件に変更して900℃から室温までの冷却を行った以外は実施例3と同様の条件で結晶育成を行い、30本の単結晶を得た。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1000℃、保持時間が5時間の条件で実施例1と同様の温度保持操作を行った後、実施例1に係る冷却速度[80℃/h]を冷却速度[300℃/h]の条件に変更して1000℃から室温までの冷却を行った以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行ったが、育成炉から取り出した結晶30本の内、11本でクラックが発生していた。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が1100℃、保持時間が2時間の条件で実施例2と同様の温度保持操作を行った後、実施例2の冷却速度[150℃/h]を冷却速度[300℃/h]の条件に変更して1100℃から室温までの冷却を行った以外は実施例2と同様の条件で結晶育成を行ったが、育成炉から取り出した結晶30本の内、14本でクラックが発生していた。
図4に示す冷却プロファイルにおいて、保持温度(T)が900℃、保持時間が16時間の条件で実施例3と同様の温度保持操作を行った後、実施例3に係る冷却速度[30℃/h]を冷却速度[300℃/h]の条件に変更して900℃から室温までの冷却を行った以外は実施例3と同様の条件で結晶育成を行ったが、育成炉から取り出した結晶30本の内、9本でクラックが発生していた。
図6のグラフ図において、実施例1、実施例2、実施例3の各点「〇」をつないで形成された曲線は、
保持時間[t(時間)]=0.00035(T)2−0.77(T)+425 (1)
なる関係式で表されることが確認された。
冷却速度[v(℃/h)]=0.001(T)2−1.4(T)+480 (2)
なる関係式で表されることが確認された。
10 単結晶育成装置
11 チャンバー
12 坩堝
13 坩堝台
14、19 耐火物
15 ワークコイル
16 シード棒
17 シードホルダ
18 単結晶育成原料
Claims (1)
- チョコラルスキー法によるニオブ酸リチウム単結晶の育成方法において、
原料融液から切り離された育成後のニオブ酸リチウム単結晶を室温近傍まで冷却する冷却過程で、上記ニオブ酸リチウム単結晶を、900℃以上1100℃以下の範囲内の一定の保持温度(T)において、下記数式(1)で求められる保持時間[t(時間)]を下限とし、保持時間[20時間]を上限として保持した後、下記数式(2)で求められる冷却速度[v(℃/h)]を下限とし、冷却速度[250℃/h]を上限として室温近傍まで冷却することを特徴とするニオブ酸リチウム単結晶の育成方法。
保持時間[t(時間)]=0.00035(T)2−0.77(T)+425 (1)
冷却速度[v(℃/h)]=0.001(T)2−1.4(T)+480 (2)
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JP2018056360A JP6988624B2 (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
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---|---|---|---|
JP2018056360A JP6988624B2 (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
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JP2018056360A Active JP6988624B2 (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
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