JP6988623B2 - シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法 - Google Patents

シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6988623B2
JP6988623B2 JP2018055113A JP2018055113A JP6988623B2 JP 6988623 B2 JP6988623 B2 JP 6988623B2 JP 2018055113 A JP2018055113 A JP 2018055113A JP 2018055113 A JP2018055113 A JP 2018055113A JP 6988623 B2 JP6988623 B2 JP 6988623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
less
silica composite
particles
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018055113A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019167260A (ja
Inventor
孝治 佐々木
駿介 野崎
優香 銭谷
紗知子 西岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2018055113A priority Critical patent/JP6988623B2/ja
Publication of JP2019167260A publication Critical patent/JP2019167260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6988623B2 publication Critical patent/JP6988623B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)

Description

本発明は、シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法に関する。
特許文献1には、シリカ微粒子にチタン、錫、ジルコニウム及びアルミニウムの一種以上の水酸化物あるいは酸化物を水系で被覆した基顔に、アルコキシシランを被覆した疎水性微粒子と、その製造方法とが開示されている。
特許文献2には、シリカ粒子が、アルミニウム原子に酸素原子を介して有機基が結合しているアルミニウム化合物により表面処理され、表面のアルミニウム被覆率が0.01原子%以上30原子%以下であり、平均粒径が30nm以上500nm以下であり、粒度分布指標が1.1以上1.5以下であるシリカ複合粒子と、その製造方法とが開示されている。
特許文献3には、酸化ケイ素と、含有率が0.001質量%以上3質量%以下のアルミニウムとを含み、平均粒径が30nm以上500nm以下であり、粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、平均円形度が0.5以上0.85以下であるシリカ複合粒子と、その製造方法とが開示されている。
特開2002−029730号公報 特開2014−234326号公報 特開2015−000844号公報
本開示の課題は、表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含み、表面のOH基が0.012mmol/m超であるシリカ複合粒子に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
[1]
表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含み、表面のOH基の個数が0.012mmol/m以下であるシリカ複合粒子。
[2]
表面のOH基の個数が0.006mmol/m以下である、[1]に記載のシリカ複合粒子。
[3]
前記Rが、炭素数4以上12以下の有機基を含む、[1]又は[2]に記載のシリカ複合粒子。
[4]
平均一次粒径が30nm以上300nm以下であり、一次粒子の粒径の変動係数が10%以下であり、一次粒子の平均円形度が0.85以上1.00以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子。
[5]
平均一次粒径が30nm以上150nm以下であり、一次粒子の粒径の変動係数が7%以下であり、一次粒子の平均円形度が0.90以上1.00以下である、[4]に記載のシリカ複合粒子。
[6]
前記シリカ複合粒子に含まれる炭素量が、前記シリカ複合粒子の質量に対して2質量%以上20質量%以下である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子。
[7]
前記シリカ複合粒子に含まれる炭素量が、前記シリカ複合粒子の質量に対して4質量%以上10質量%以下である、[6]に記載のシリカ複合粒子。
[8]
表面に存在するアルミニウムの比率が0.01原子%以上30原子%以下である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子。
[9]
表面に存在するアルミニウムの比率が0.05原子%以上20原子%以下である、[8]に記載のシリカ複合粒子。
[10]
表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは、炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含むシリカ複合粒子を製造する方法であって、
アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を含む懸濁液を準備する工程(1)と、
前記懸濁液のpHを4以上7未満の範囲に調整する工程(2)と、
pHを調整した後の前記懸濁液と、ケイ素原子に直接結合した炭素数3以上18以下の有機基とケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物とを混合して、前記アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を前記有機ケイ素化合物により表面処理し、前記シリカ複合粒子を含むシリカ複合粒子懸濁液を得る工程(3)と、
前記シリカ複合粒子懸濁液から溶媒を除去する工程(4)と、
を含むシリカ複合粒子の製造方法。
[11]
前記有機ケイ素化合物が、ケイ素原子に直接結合した炭素数4以上12以下の有機基とケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する化合物を含む、[10]に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
[12]
前記アルミニウム化合物が、アルミニウム原子に酸素原子を介して結合した有機基を有する化合物である、[10]又は[11]に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
[13]
前記工程(1)が、
シリカ粒子を含むシリカ粒子懸濁液を準備する工程(1−a)と、
前記シリカ粒子懸濁液とアルミニウム化合物とを混合して、前記シリカ粒子を前記アルミニウム化合物により表面処理する工程(1−b)と、
を含む、[10]〜[12]のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
[14]
前記工程(1−a)が、シリカ粒子をゾルゲル法により造粒して前記シリカ粒子懸濁液を得る工程である、[13]に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
[15]
前記工程(1−b)において使用する前記アルミニウム化合物の質量が、前記シリカ粒子懸濁液の固形分の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下である、[13]又は[14]に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
[16]
前記工程(3)において使用する前記有機ケイ素化合物の質量が、前記懸濁液の固形分の質量に対して1質量%以上30質量%以下である、[10]〜[15]のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
[17]
前記工程(1−b)における前記アルミニウム化合物の使用量と、前記工程(3)における前記有機ケイ素化合物の使用量との比(前者:後者、質量基準)が、1:1乃至1:3000の範囲である、[13]〜[16]のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
[1]、[2]又は[3]に係る発明によれば、表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含み、表面のOH基が0.012mmol/m超であるシリカ複合粒子に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子が提供される。
[4]又は[5]に係る発明によれば、一次粒子の粒径の変動係数が10%超又は平均円形度が0.85未満である場合に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子が提供される。
[6]又は[7]に係る発明によれば、シリカ複合粒子に含まれる炭素量が2質量%未満又は20質量%超である場合に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子が提供される。
[8]又は[9]に係る発明によれば、表面に存在するアルミニウムの比率が0.01原子%未満又は30原子%超である場合に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子が提供される。
[10]、[11]、[12]、[13]又は[14]に係る発明によれば、前記工程(2)を含まない製造方法に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子を製造する製造方法が提供される。
[15]に係る発明によれば、シリカ粒子懸濁液の固形分の質量に対するアルミニウム化合物の質量が0.01質量%未満又は10質量%超である場合に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子を製造する製造方法が提供される。
[16]に係る発明によれば、懸濁液の固形分の質量に対する有機ケイ素化合物の質量が1質量%未満又は30質量%超である場合に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子を製造する製造方法が提供される。
[17]に係る発明によれば、アルミニウム化合物の使用量と有機ケイ素化合物の使用量との比が前記範囲を外れる場合に比べて、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子を製造する製造方法が提供される。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、アクリル基とメタクリル基のどちらも含む事項又はどちらでもよい事項については、(メタ)アクリル基と記載する。(メタ)アクリル基を含む官能基についても同様である。
<シリカ複合粒子>
本開示は、表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含み、表面のOH基の個数が0.012mmol/m以下であるシリカ複合粒子(以下、単に「本実施形態に係るシリカ複合粒子」ともいう。)を提供する。
本実施形態に係るシリカ複合粒子によれば、シリカ複合粒子を主体とする膜であって透明性に優れる膜を形成しうる。その機構は、必ずしも明らかではないが、次のように推測される。
従来、シリカ粒子を主体とする膜を形成する方法としては、シリカ粒子とバインダ樹脂と溶媒とを含む成膜用組成物を調製し、この成膜用組成物を基板に塗布し、溶媒を乾燥させて膜化する方法が一般的である。シリカ粒子を主体とする膜であって透明性に優れる膜を形成するためには、成膜用組成物においてシリカ粒子の凝集が抑制されており、形成後の膜においてもシリカ粒子の凝集が抑制されていることが望まれる。これを実現する方策として、シリカ粒子を表面改質することによって、シリカ粒子どうしの凝集を抑制し、また、バインダ樹脂及び溶媒への分散性を高める方策が採られる。
表面改質されたシリカ粒子の一例として、シリカ粒子の表面に−Si−O−Al−O−Si−R’(R’は有機基)なる原子団を含むシリカ複合粒子が知られている。このシリカ複合粒子は、シリカ粒子をアルミニウム化合物で表面処理した後、ケイ素原子に直接結合した有機基R’を有するケイ素化合物でさらに表面処理する方法により製造される。R’が比較的炭素数の少ない有機基である場合は、ケイ素化合物の反応性が比較的高いので、表面に残留するOH基の個数を低減しやすい。一方、R’が比較的炭素数の多い有機基である場合は、嵩高い有機基が立体障害を起す故にケイ素化合物の反応性が比較的低く、表面に残留するOH基の個数を低減することが難しかった。
本発明者らは、上記の製造方法において、R’が比較的炭素数の多い有機基であっても、表面に残留するOH基の個数を低減し得ることを見出した。そして、表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含み、表面のOH基の個数が0.012mmol/m以下である、本実施形態に係るシリカ複合粒子を得られることを見出した。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、表面に比較的嵩高い有機基R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)を有し、且つ、表面のOH基の個数が0.012mmol/m以下であることにより、粒子どうしの凝集が発生しにくい。したがって、本実施形態に係るシリカ複合粒子は、成膜用樹脂組成物中に凝集が抑制された状態で含まれ、形成した膜においても凝集が抑制された状態で含まれると推測される。そして、形成した膜には、シリカ複合粒子が凝集が抑制された状態で含まれることになるので、シリカ複合粒子を主体とする膜を形成した場合に透明性に優れる膜が形成できると推測される。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、コーティング材料に好適に適用される。ただし、本実施形態に係るシリカ複合粒子の用途は、コーティング材料に限定されず、トナー、化粧品、研磨剤等の種々の分野に適用し得る。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、下記の特性を有することが好ましい。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、表面に−Si−O−Al−O−Si−Rなる原子団を含む。ここで、R(有機基)は、炭素数3以上18以下の有機基であり、炭素数4以上12以下の有機基がより好ましく、炭素数4以上10以下の有機基が更に好ましい。R(有機基)は、アルキレン鎖を含んでおり、アルキレン鎖によってケイ素原子に直接結合していることが好ましい。R(有機基)としては、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基(別名、(メタ)アクリロキシアルキル基)、エポキシ基、スチリル基、アミノアルキル基、イソシアネートアルキル基等が挙げられる。
Rの形態例として、炭素数3以上18以下のアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数4以上12以下のアルキル基がより好ましく、炭素数4以上10以下のアルキル基が更に好ましい。Rの具体例としては例えば、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
Rの別の形態例として、アルキレン鎖の炭素数1以上6以下の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基(別名、(メタ)アクリロキシアルキル基)が挙げられる。(メタ)アクリロイルオキシアルキル基としては、アルキレン鎖の炭素数2以上4以下の(メタ)アクリロイルオキシ基がより好ましく、アルキレン鎖の炭素数3の(メタ)アクリロイルオキシ基(つまり、3−(メタ)アクリロキシプロピル基)が更に好ましい。Rの具体例としては例えば、アクリロキシメチル基、2−アクリロキシエチル基、3−アクリロキシプロピル基、4−アクリロキシブチル基、メタクリロキシメチル基、2−メタクリロキシエチル基、3−メタクリロキシプロピル基、4−メタクリロキシブチル基等が挙げられる。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、シリカ複合粒子どうしの凝集を抑制する観点から、表面のOH基の個数が0.012mmol/m以下である。本実施形態に係るシリカ複合粒子表面のOH基の個数は、より好ましくは0.01mmol/m以下であり、更に好ましくは0.006mmol/m以下である。
シリカ複合粒子表面のOH基の個数(mmol/m)は、OH基をフッ素置換してXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析する誘導体化XPS法により求める。具体的には、以下の方法を適用する。
トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルジメチルクロロシラン(FOCS)をクロロホルムに溶解した1体積%FOCS溶液を準備する。温度23±0.5℃の環境下、1体積%FOCS溶液10mLに、シリカ複合粒子0.2gを1時間浸漬し、シリカ複合粒子表面のOH基をフッ素置換する。次いで、試料をクロロホルムで洗浄し、XPSによって粒子表面のフッ素を定量する。測定方法は、XPSであれば特に制限はないが、具体的には、X線光電子分光分析装置(JPS9000MX、日本電子(株))を用いて、該分析装置に付属する予備排気室内にて12時間の乾燥を行った上で、XPSを行う。X線源はMonochromated Al Kα線(1486.6eV、14kV、150W)を用い、X線の照射面積は約400μmφ、光電子の取出し角70°、パスエネルギー29.35eV、ステップ幅0.125eV、装置内圧力1×10−7Pa〜3×10−7Paの条件で測定を行う。
フッ素誘導体化後に検出されたフッ素原子数濃度×OH基原子量に対し、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルジメチルクロロシランのC、Si反応増加分を除去した全元素の原子数濃度(誘導体化反応に関係する元素を抽出)×原子量の合計で除算することで表面の(Si−OH・Al−OH)基の割合を算出する。SiOH/AlOH比は、XPSで検出されるSi/Al比に準ずる。例えば、Si:Al=2:1のとき、(SiOH・AlOH)原子量=(45×2/3+44×1/3)/2である。表面(Si−OH・Al−OH)基量(mmol/g)は、表面の(Si−OH・Al−OH)基割合に(Si−OH・Al−OH)原子量を乗算して算出する。シリカ複合粒子の表面積は、比表面積細孔分布測定装置(SA3100、ベックマン・コールター社)を用い、測定試料を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得る。表面Si−OH基量(mmol/g)をシリカ複合粒子の表面積(m/g)で除算し、表面OH基の個数(mmol/m)を得る。
本実施形態に係るシリカ複合粒子の平均一次粒径は、シリカ複合粒子を主体とする膜の透明性という光学特性の観点から、30nm以上300nm以下が好ましく、40nm以上200nm以下がより好ましく、50nm以上180nm以下が更に好ましい。
本実施形態に係るシリカ複合粒子の一次粒径の変動係数は、粒径の均一性を高める観点から、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。
本実施形態に係るシリカ複合粒子の一次粒子の平均円形度は、シリカ複合粒子を主体とする膜の透明性という光学特性の観点から、0.85以上1.00以下が好ましく、0.90以上1.00以下がより好ましく、0.95以上1.00以下が更に好ましい。
シリカ複合粒子の平均一次粒径、一次粒径の変動係数、一次粒子の平均円形度は、以下の方法によって求める。
シリカ複合粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮像し、画像解析によって、任意に選んだ一次粒子100個それぞれの円相当径(nm)と、円形度(=4π×(粒子像の面積)÷(粒子像の周囲長))とを求める。
平均一次粒径(nm)は、円相当径の分布における小径側から累積50%(50個目)の円相当径である。
一次粒径の変動係数は、粒子100個の円相当径の算術平均(nm)と標準偏差(nm)とを求め、標準偏差を算術平均で除算した値である。
平均円形度は、円形度の分布における小さい側から累積50%(50個目)の円形度である。
本実施形態に係るシリカ複合粒子に含まれる炭素量は、粗大粒子の発生を抑制する観点から、シリカ複合粒子の質量に対して、2質量%以上20質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましく、4質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
シリカ複合粒子に含まれる炭素量(質量%)は、以下の方法によって求める。
酸素循環燃焼方式元素分析装置SUMIGRAPH NCH−22F(住化分析センター社製)を用い、燃焼法にて、シリカ複合粒子の元素分析を行う。具体的には、シリカ複合粒子約40mgを石英ボート上に載せ、炉内温度830℃で330秒間加熱して元素分析を行い、炭素量を求める。検量線は、元素分析用標準試薬アセトアニリドを標準物質として作成する。
本実施形態に係るシリカ複合粒子の表面におけるアルミニウムの比率は、シリカ複合粒子の硬度の観点からは、0.01原子%以上が好ましく、0.05原子%以上がより好ましく、0.1原子%以上が更に好ましく、0.3原子%以上が更に好ましく、0.5原子%以上が更に好ましく、シリカ複合粒子を疎水化する観点からは、30原子%以下が好ましく、20原子%以下がより好ましく、10原子%以下が更に好ましく、5原子%以下が更に好ましく、3原子%以下が更に好ましい。
シリカ複合粒子表面のアルミニウムの比率(原子%)は、X線光電子分光分析(XPS)によって求める。測定方法は、XPSであれば特に制限はないが、具体的には、X線光電子分光分析装置(JPS9000MX、日本電子(株))を用いて、加速電圧10kV、電流値30mAの測定条件にて、Si原子とAl原子とを定量する。得られたSi原子量とAl原子量とから(Al原子量÷Si原子量×100)を算出し、これをアルミニウムの比率(原子%)とする。
<シリカ複合粒子の製造方法>
本開示は、表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含むシリカ複合粒子を製造する製造方法(以下、単に「本実施形態に係る製造方法」ともいう。)を提供する。
本実施形態に係る製造方法は、
アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を含む懸濁液を準備する工程(1)と、
前記懸濁液のpHを4以上7未満の範囲に調整する工程(2)と、
pHを調整した後の前記懸濁液と、ケイ素原子に直接結合した炭素数3以上18以下の有機基とケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物とを混合して、前記アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を前記有機ケイ素化合物により表面処理し、前記シリカ複合粒子を含むシリカ複合粒子懸濁液を得る工程(3)と、
前記シリカ複合粒子懸濁液から溶媒を除去する工程(4)と、
を含む。
本実施形態に係る製造方法は、つまり、アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を含む懸濁液のpHを4以上7未満の範囲に調整した後に、有機ケイ素化合物によりさらに表面処理してシリカ複合粒子を得る製造方法である。
本実施形態に係る製造方法によれば、透明性に優れる膜を形成しうるシリカ複合粒子が製造される。その機構は、必ずしも明らかではないが、次のように推測される。
従来、表面改質されたシリカ粒子を製造する製造方法として、シリカ粒子をアルミニウム化合物で表面処理した後、さらに有機ケイ素化合物で表面処理する製造方法が知られている。アルミニウム化合物で表面処理されたシリカ粒子は有機ケイ素化合物と効率よく反応するので、この製造方法によれば、シリカ粒子の表面に−Si−O−Al−O−Si−Rなる原子団が相対的に多く、未反応のOH基が相対的に少ないシリカ複合粒子を製造することができる。
上記の製造方法において、有機ケイ素化合物として、ケイ素原子に直接結合した炭素数3以上18以下の有機基とケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する化合物を用いれば、−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を表面に含むシリカ複合粒子が製造されるところ、当該有機ケイ素化合物は、嵩高い有機基が立体障害を起す故に反応性が低く、上記の製造方法によっても未反応のOH基が多めに残留する傾向があった。
本実施形態においては、シリカ粒子をアルミニウム化合物で表面処理した後に、懸濁液のpHを4以上7未満の範囲に調整する。懸濁液のpHが有機ケイ素化合物の反応に適したpHとなり、効率よく有機ケイ素化合物を反応させることができるので、−Si−O−Al−O−Si−Rなる原子団が相対的に多く、未反応のOH基が相対的に少ないシリカ複合粒子を製造することができると推測される。得られるシリカ複合粒子は、高度に表面改質され、互いの凝集が抑制されたシリカ複合粒子となる。
このシリカ複合粒子は、高度に表面改質されていることにより、成膜用樹脂組成物中に凝集が抑制された状態で含まれ、形成した膜においても凝集が抑制された状態で含まれると推測される。そして、形成した膜には、凝集が抑制された状態でシリカ複合粒子が含まれることになるので、シリカ複合粒子を主体とした膜を形成した場合に透明性に優れる膜が形成できると推測される。
以下、本実施形態に係る製造方法の工程を詳細に説明する。
[工程(1)]
工程(1)は、アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を含む懸濁液を準備する工程である。
本開示において、アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を、アルミニウム結合シリカ粒子ともいい、アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を含む懸濁液を、アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液ともいう。
アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液は、例えば、アルコールを含む溶媒と、アルミニウム結合シリカ粒子とを含む。アルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、アルコールとその他の溶媒との混合溶媒であってもよい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールが挙げられる。その他の溶媒としては、水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;などが挙げられる。混合溶媒の場合、アルコールの割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液の固形分濃度は、5質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましく、10質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
工程(1)は、例えば、
シリカ粒子を含むシリカ粒子懸濁液を準備する工程(1−a)と、
シリカ粒子懸濁液とアルミニウム化合物とを混合して、シリカ粒子をアルミニウム化合物により表面処理する工程(1−b)と、を含む。
工程(1−a)としては、例えば、(i)アルコールを含む溶媒とシリカ粒子とを混合してシリカ粒子懸濁液を準備する工程、(ii)シリカ粒子をゾルゲル法により造粒してシリカ粒子懸濁液を得る工程が挙げられる。(i)に用いるシリカ粒子としては、ゾルゲルシリカ粒子(ゾルゲル法により得られたシリカ粒子)、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフェームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子等が挙げられる。(i)に用いるアルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、アルコールとその他の溶媒との混合溶媒であってもよい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールが挙げられる。その他の溶媒としては、水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;などが挙げられる。混合溶媒の場合、アルコールの割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
工程(1−a)は、シリカ粒子をゾルゲル法により造粒してシリカ粒子懸濁液を得る工程であることが好ましい。工程(1−a)は、例えば、下記のゾルゲル法により実施される。
アルコールを含む溶媒中にアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程(アルカリ触媒溶液準備工程)と、
アルカリ触媒溶液中にテトラアルコキシシラン及びアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成させる工程(シリカ粒子生成工程)と、
を含むゾルゲル法。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、この溶媒とアルカリ触媒とを混合して、アルカリ触媒溶液を得る工程であることが好ましい。
アルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、アルコールとその他の溶媒との混合溶媒であってもよい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールが挙げられる。その他の溶媒としては、水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;などが挙げられる。混合溶媒の場合、アルコールの割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
アルカリ触媒は、テトラアルコキシシランの反応(加水分解反応と縮合反応)を促進させるための触媒であり、例えば、アンモニア、尿素、モノアミン、四級アンモニウム塩等の塩基性触媒が挙げられ、特にアンモニアが好ましい。
アルカリ触媒溶液におけるアルカリ触媒の濃度は、生成されるシリカ粒子の粒径の均一性及び円形度を高める観点から、0.5mol/L以上1.0mol/L以下が好ましく、0.6mol/L以上0.8mol/L以下がより好ましく、0.65mol/L以上0.75mol/L以下がより好ましい。
シリカ粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中にテトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給し、アルカリ触媒溶液中でテトラアルコキシシランを反応(加水分解反応と縮合反応)させて、シリカ粒子を生成する工程である。
シリカ粒子生成工程では、テトラアルコキシシランの供給初期にテトラアルコキシシランの反応により核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ粒子が生成する。
テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。反応速度の制御性又は生成するシリカ粒子の形状の均一性の観点から、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好ましい。
テトラアルコキシシランの供給量は、生産効率と、粒径及び形状の分布幅を狭くすることとのバランスから、アルカリ触媒溶液中のアルコールに対して、例えば、0.0005mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下が好ましい。これは、アルカリ触媒溶液を準備する工程で用いたアルコール1molに対して、1分間当たり0.0005mol以上0.01mol以下の供給量でテトラアルコキシシランを供給することを意味する。
テトラアルコキシシランの総供給量は、テトラアルコキシシランの種類又は反応条件にもよるが、例えば、反応液1Lに対し0.5mol以上5.0mol以下が好ましい。
アルカリ触媒溶液中に供給するアルカリ触媒としては、例えば、アンモニア、尿素、モノアミン、四級アンモニウム塩等の塩基性触媒が挙げられ、特にアンモニアが好ましい。テトラアルコキシシランと共に供給されるアルカリ触媒は、アルカリ触媒溶液中に予め含まれるアルカリ触媒と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよいが、同じ種類のものであることがよい。
アルカリ触媒の供給量は、生産効率と、粒径及び形状の分布幅を狭くすることとのバランスから、テトラアルコキシシランの1分間当たりの総供給量に対して、0.1mol/(mol・min)以上0.4mol/(mol・min)以下が好ましい。これは、テトラアルコキシシランの1分間当たりの供給量(mol)に対して、1分間当たり0.1mol以上0.4mol以下の供給量で、アルカリ触媒を供給することを意味する。
アルカリ触媒溶液中にテトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給する供給方式は、連続的に供給する方式であってもよいし、間欠的に供給する方式であってもよい。
シリカ粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液の温度(供給時の温度)は、5℃以上50℃以下が好ましく、15℃以上40℃以下がより好ましい。
シリカ粒子懸濁液に含まれるシリカ粒子の平均一次粒径は、シリカ複合粒子を主体とする膜の透明性という光学特性の観点から、30nm以上300nm以下が好ましく、40nm以上200nm以下がより好ましく、50nm以上180nm以下が更に好ましい。
シリカ粒子懸濁液に含まれるシリカ粒子の一次粒径の変動係数は、粒径の均一性を高める観点から、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。
シリカ粒子懸濁液に含まれるシリカ粒子の一次粒子の平均円形度は、シリカ複合粒子を主体とする膜の透明性という光学特性の観点から、0.85以上1.00以下が好ましく、0.90以上1.00以下がより好ましく、0.95以上1.00以下が更に好ましい。
シリカ粒子懸濁液に含まれるシリカ粒子の平均一次粒径、一次粒径の変動係数、一次粒子の平均円形度は、以下の方法によって求める。
懸濁液をよく攪拌した後、一部を採取し乾燥させ、乾燥粉末を得る。乾燥粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮像し、画像解析によって、任意に選んだ一次粒子100個それぞれの円相当径(nm)と、円形度(=4π×(粒子像の面積)÷(粒子像の周囲長))とを求める。
平均一次粒径(nm)は、円相当径の分布における小径側から累積50%(50個目)の円相当径である。
一次粒径の変動係数は、粒子100個の円相当径の算術平均(nm)と標準偏差(nm)とを求め、標準偏差を算術平均で除算した値である。
平均円形度は、円形度の分布における小さい側から累積50%(50個目)の円形度である。
工程(1−b)は、シリカ粒子懸濁液とアルミニウム化合物とを混合して、シリカ粒子をアルミニウム化合物により表面処理する工程である。
工程(1−b)を経ることによって、アルミニウム化合物の官能基(例えば、アルコキシ基等の有機基)とシリカ粒子表面のシラノール基とが反応し、アルミニウム結合シリカ粒子が生成する。
工程(1−b)は、例えば、シリカ粒子懸濁液にアルミニウム化合物を添加し、攪拌下において、例えば20℃以上80℃以下の温度範囲で反応させる方法により実施される。
アルミニウム化合物としては、アルミニウム原子に酸素原子を介して結合した有機基を有する化合物が好ましい。該化合物としては、例えば、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムn−プロポキシド、アルミニウムi−プロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムi−ブトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド類;アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等のキレート類;アルミニウムオキサイド2−エチルヘキサノエート、アルミニウムオキサイドラウレート等のアルミニウムオキサイドアシレート類;アセチルアセトナート等のβ−ジケトン類とアルミニウムの錯体;エチルアセトアセテート等のβ−ケトエステル類とアルミニウムの錯体;トリエタノールアミン等のアミン類とアルミニウムの錯体;酢酸、酪酸、乳酸、クエン酸等のカルボン酸類とアルミニウムの錯体;などが挙げられる。
アルミニウム化合物は、反応速度の制御性又は生成するアルミニウム結合シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の観点から、アルコキシ基を1個以上(好ましくは2個以上)有するアルミニウム化合物であることが好ましい。つまり、アルミニウム化合物は、アルコキシ基(酸素原子1個を介してアルミニウム原子に結合するアルキル基)がアルミニウム原子に1個以上(好ましくは2個以上)結合しているアルミニウム化合物であることが好ましい。アルコキシ基の炭素数は、反応速度の制御性又は生成するアルミニウム結合シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の観点から、8以下が好ましく、2以上4以下がより好ましい。
アルミニウム化合物の好ましい具体例としては、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等のキレート類が挙げられる。
工程(1−b)は、シリカ粒子懸濁液と、アルコール中にアルミニウム化合物が含まれるアルコール液とを混合することにより実施されることが好ましい。したがって、本実施形態に係る製造方法は、アルコール中にアルミニウム化合物が含まれるアルコール液を準備する工程をさらに含み、予め該工程を実施しておくことが好ましい。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールが挙げられる。
アルミニウム化合物がアルコキシ基を有する化合物である場合、反応速度の制御性又は生成するアルミニウム結合シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の観点から、アルコールは、アルミニウム化合物のアルコキシ基の炭素数よりも小さい炭素数(具体的には、例えば、炭素数差が2以上4以下)のアルコールであることが好ましい。
アルコールは、シリカ粒子懸濁液に含まれるアルコールと同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよいが、同じ種類であることがより好ましい。
アルコール中にアルミニウム化合物が含まれるアルコール液において、アルミニウム化合物濃度は0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
工程(1−b)において使用するアルミニウム化合物の総量は、反応速度の制御性又は生成するアルミニウム結合シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の観点から、シリカ粒子懸濁液の固形分に対して、0.01質量%以上50質量%以下が好ましく、0.01質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
アルミニウム化合物によるシリカ粒子の表面処理条件は、特に制限はなく、例えば、攪拌下において5℃以上50℃以下の温度範囲で、アルミニウム化合物を反応させることで行う。
アルカリ触媒を用いたゾルゲル法によって得られたシリカ粒子懸濁液のpHは、アルカリ性であり、このシリカ粒子懸濁液とアルミニウム化合物とを混合してシリカ粒子をアルミニウム化合物により表面処理すると、アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液もアルカリ性である。アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液のpHは、11前後であることが多い。
[工程(2)]
工程(2)は、アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液のpHを、4以上7未満の範囲に調整する工程である。
工程(2)によって、アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液のpHは、4以上7未満の範囲に調整される。前記pHは、4.5以上6.5以下の範囲がより好ましく、5以上6以下の範囲が更に好ましい。
工程(2)は、例えば、アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液に、pH調整剤を添加することにより行う。pH調整剤としては、塩酸、リン酸、硝酸、クエン酸、酢酸、蟻酸等が挙げられる。
本開示において懸濁液のpHは、温度23±0.5℃の環境下で測定する。
[工程(3)]
工程(3)は、アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液であってpHを調整した後の懸濁液と、有機ケイ素化合物とを混合して、アルミニウム結合シリカ粒子を有機ケイ素化合物により表面処理し、シリカ複合粒子を含むシリカ複合粒子懸濁液を得る工程である。
工程(3)においては、ケイ素原子に直接結合した炭素数3以上18以下の有機基とケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物を使用する。
工程(3)を経ることによって、有機ケイ素化合物の官能基とアルミニウム結合シリカ粒子表面のOH基とが反応し、表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含むシリカ複合粒子が生成する。
工程(3)は、例えば、pHを調整した後の懸濁液に有機ケイ素化合物を添加し、攪拌下において、例えば20℃以上80℃以下の温度範囲で反応させる方法により実施される。
工程(3)に用いる有機ケイ素化合物は、ケイ素原子に直接結合した炭素数3以上18以下の有機基と、ケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する化合物である。炭素数3以上18以下の有機基は、炭素数4以上12以下の有機基がより好ましく、炭素数4以上10以下の有機基が更に好ましい。炭素数3以上18以下の有機基は、アルキレン鎖を含んでおり、アルキレン鎖によってケイ素原子に直接結合していることが好ましい。有機基としては、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基(別名、(メタ)アクリロキシアルキル基)、エポキシ基、スチリル基、アミノアルキル基、イソシアネートアルキル基等が挙げられる。
工程(3)に用いる有機ケイ素化合物として、下記の一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006988623
一般式(1)において、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、Rは炭素数3以上18以下のアルキル基を表し、mは1以上3以下の整数を表し、nは0以上2以下の整数を表し、pは1以上3以下の整数を表し、但しm+n+p=4である。mが2又は3の場合、Rは全て同一でもよく、一部が異なっていてもよく、全て互いに異なっていてもよい。nが2の場合、Rは全て同一でもよく、互いに異なっていてもよい。pが2又は3の場合、Rは全て同一でもよく、一部が異なっていてもよく、全て互いに異なっていてもよい。
一般式(1)において、Rは、メチル基又はエチル基を表し、メチル基が好ましい。
一般式(1)において、mは、1以上3以下の整数を表し、2又は3がより好ましく、3が更に好ましい。
一般式(1)において、Rは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(1)において、nは、0以上2以下の整数を表し、0又は1がより好ましく、0が更に好ましい。
一般式(1)において、Rは、炭素数3以上18以下のアルキル基を表し、炭素数4以上12以下のアルキル基がより好ましく、炭素数4以上10以下のアルキル基が更に好ましい。Rとしては、例えば、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
Figure 0006988623
一般式(2)において、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは1以上3以下の整数を表し、nは0以上2以下の整数を表し、但しm+n=3であり、qは1以上6以下の整数を表す。mが2又は3の場合、Rは全て同一でもよく、一部が異なっていてもよく、全て互いに異なっていてもよい。nが2の場合、Rは全て同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
一般式(2)において、Rは、メチル基又はエチル基を表し、メチル基が好ましい。
一般式(2)において、mは、1以上3以下の整数を表し、2又は3がより好ましく、3が更に好ましい。
一般式(2)において、Rは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(2)において、nは、0以上2以下の整数を表し、0又は1がより好ましく、0が更に好ましい。
一般式(2)において、qは、1以上6以下の整数を表し、2以上4以下の整数がより好ましく、3が更に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、
プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等のアルキルトリメトキシシラン;
プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン等のアルキルトリエトキシシラン;が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、上記化合物のほかに、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン化合物;
p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン等のスチリル基を有するシラン化合物;
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基を有するシラン化合物;
3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートアルキル基を有するシラン化合物;なども挙げられる。
工程(3)において使用する有機ケイ素化合物の質量は、工程(3)に供する懸濁液の固形分に対して、表面処理効率の観点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、未反応の有機ケイ素化合物の残存量を低減する観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
工程(1−b)におけるアルミニウム化合物の使用量と、工程(3)における有機ケイ素化合物の使用量との比(前者:後者)は、質量基準で、1:1乃至1:3000が好ましく、1:5乃至1:1000がより好ましく、1:10乃至1:200が更に好ましく、1:20乃至1:100が更に好ましい。
[工程(4)]
工程(4)は、シリカ複合粒子懸濁液から溶媒を除去する工程である。工程(4)を経ることによって、シリカ複合粒子懸濁液からシリカ複合粒子の粉体が得られる。
工程(4)は、例えば、濾別、遠心分離又は減圧下の加熱により溶媒の少なくとも一部を除去した後、真空乾燥機、棚段乾燥機等により乾燥する方法;流動層乾燥機、スプレードライヤー等により懸濁液を直接乾燥する方法;などにより実施される。乾燥温度は、特に限定されないが、200℃以下が好ましい。200℃より高いと、残留OH基同士の縮合によって一次粒子同士が結合し粗大粒子が発生しやすいので、乾燥温度は200℃以下が好ましい。
シリカ複合粒子懸濁液から溶媒を除去する方法としては、超臨界二酸化炭素をシリカ複合粒子懸濁液に接触させて溶媒を除去する方法も挙げられる。具体的には、例えば、密閉反応容器にシリカ複合粒子懸濁液を投入後、液化二酸化炭素を導入して加熱し、高圧ポンプにより反応容器内を昇圧させ、二酸化炭素を超臨界状態とする。そして、密閉反応容器内の温度及び圧力を二酸化炭素の臨界点以上に維持しながら、密閉反応容器内に超臨界二酸化炭素を導入すると共に排出することで、シリカ複合粒子懸濁液に超臨界二酸化炭素を流通させる。シリカ複合粒子懸濁液の溶媒を同伴した超臨界二酸化炭素が、シリカ複合粒子懸濁液の外部(密閉反応容器内の外部)へと排出され、溶媒が除去される。
乾燥されたシリカ複合粒子に対しては、解砕又は篩分を行って、粗大粒子や凝集物の除去を行うことがよい。解砕は、例えば、ジェットミル、振動ミル、ボールミル、ピンミル等の乾式粉砕装置により行う。篩分は、例えば、振動篩、風力篩分機等により行う。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「%」はすべて質量基準である。
<シリカ複合粒子の製造>
[実施例1]
−アルカリ触媒溶液の準備−
金属製攪拌棒、滴下ノズル及び温度計を備えたガラス製反応容器にメタノール500質量部、10%アンモニア水(NHOH)75質量部を入れ、攪拌混合して、アルカリ触媒溶液を得た。
−ゾルゲル法によるシリカ粒子の造粒−
アルカリ触媒溶液の温度を25℃に調整し、アルカリ触媒溶液を窒素置換した。次いで、アルカリ触媒溶液を攪拌しながら、テトラメトキシシラン(TMOS)180質量部と、触媒(NH)濃度4.4%のアンモニア水(NHOH)144質量部とを、同時に滴下を開始して滴下し、シリカ粒子懸濁液を得た。この際、TMOSの流量は2.5g/min、アンモニア水の流量は2g/minとした。
−アルミニウム化合物を含むアルコール液の準備−
アルミニウム化合物(アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、和光純薬工業)の濃度が50%となるようにブタノールで希釈したアルコール液を作製した。
−アルミニウム化合物によるシリカ粒子の表面処理−
シリカ粒子懸濁液の温度を25℃に調整し、25℃に調整した前記アルコール液を添加した。この際、アルコール液の添加は、シリカ粒子懸濁液の固形分100質量部に対してアルミニウム化合物が1質量部となるように行った。次いで、30分間攪拌することにより、シリカ粒子の表面にアルミニウム化合物を反応させて表面処理を行い、アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液を得た。
−懸濁液のpH調製−
アルミニウム結合シリカ粒子懸濁液に1Nの塩酸を滴下し、pHを5に調整した。
−有機ケイ素化合物によるシリカ粒子の表面処理−
pH調整後のアルミニウム結合シリカ粒子懸濁液に、デシルトリメトキシシランを添加した。この際、懸濁液の固形分100質量部に対してデシルトリメトキシシランを10質量部添加した。次いで、50℃に昇温して5時間攪拌し、アルミニウム結合シリカ粒子の表面にデシルトリメトキシシランを反応させて表面処理を行い、シリカ複合粒子懸濁液を得た。
−溶媒の除去−
シリカ複合粒子懸濁液の溶媒を減圧留去し、シリカ複合粒子の粉体を得た。
[実施例2〜20、比較例1〜20、参考例1〜5]
表1〜表2に従って、材料、使用量又は処理条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、シリカ複合粒子の粉体を得た。
<シリカ複合粒子の性能評価>
[膜の透明性]
攪拌翼を備えた容器にブタノールを5質量部、多官能アクリレートであるKAYARAD PET30(日本化薬(株))を5質量部、及びシリカ複合粒子の粉体を5質量部入れ、攪拌混合して成膜用組成物を調製した。小サイズ用卓上ディップコーターDT−0303−S4(株式会社SDI)を用い、ディップ速度1.6mm/秒、浸漬時間5秒にて、成膜用組成物をスライドガラス表面に塗布し、乾燥させ、スライドガラス表面をシリカ複合粒子でコーティングした膜を形成した。分光光度計(U−4100、日立製作所)を用い、成膜したスライドガラスにおける波長550nmの光の透過率(%)を測定した。
[水の接触角]
成膜したスライドガラスを、温度25℃/相対湿度60%の環境に24時間以上放置して調湿した後、同じ温度及び湿度の環境下にて、膜の表面に注射器で2μLのイオン交換水の水滴を落とし、接触角計(協和界面科学社、型番CA−XP)を用いてθ/2法により30秒後の接触角を測定した。
[膜の耐擦性]
スライドガラスの成膜面に、スライドガラスと同じ大きさのキムワイプ(日本製紙クレシア)を重ね、キムワイプの上に50gの荷重をかけて長辺方向に50回往復させ、膜の表面を擦った。擦った後の膜について、先述と同じ方法にて水の接触角を測定した。擦る前の接触角から擦った後の接触角を減算し、接触角の差に基づき下記のとおり膜の耐擦性を分類した。
A:接触角の差が、0度。
B:接触角の差が、0度を超え、5度以下。
C:接触角の差が、5度を超え、10度以下。
D:接触角の差が、10度を超える。
各実施例及び各比較例の製造条件、特性及び評価結果を表1〜表2に示す。表1〜表2中の略称はそれぞれ下記の化合物を指し、「CV」は変動係数の意味である。
・ALCH:アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート
・ALCH-TR:アルミニウムトリスエチルアセトアセテート
・ALTAA:アルミニウムトリスアセチルアセトネート
・ALnP:アルミニウムn−プロポキシド
・ASBD:アルミニウムsec−ブトキシド(別名アルミニウムsec−ブチレート)
・DTMS:デシルトリメトキシシラン
・iBTMS:イソブチルトリメトキシシラン
・HTMS:ヘキシルトリメトキシシラン
・APTMS:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
・HMDS:1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン
Figure 0006988623
Figure 0006988623

Claims (17)

  1. 表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含み、表面のOH基の個数が0.012mmol/m以下であるシリカ複合粒子。
  2. 表面のOH基の個数が0.006mmol/m以下である、請求項1に記載のシリカ複合粒子。
  3. 前記Rが、炭素数4以上12以下の有機基を含む、請求項1又は請求項2に記載のシリカ複合粒子。
  4. 平均一次粒径が30nm以上300nm以下であり、一次粒子の粒径の変動係数が10%以下であり、一次粒子の平均円形度が0.85以上1.00以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子。
  5. 平均一次粒径が30nm以上150nm以下であり、一次粒子の粒径の変動係数が7%以下であり、一次粒子の平均円形度が0.90以上1.00以下である、請求項4に記載のシリカ複合粒子。
  6. 前記シリカ複合粒子に含まれる炭素量が、前記シリカ複合粒子の質量に対して2質量%以上20質量%以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子。
  7. 前記シリカ複合粒子に含まれる炭素量が、前記シリカ複合粒子の質量に対して4質量%以上10質量%以下である、請求項6に記載のシリカ複合粒子。
  8. 表面に存在するアルミニウムの比率が0.01原子%以上30原子%以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子。
  9. 表面に存在するアルミニウムの比率が0.05原子%以上20原子%以下である、請求項8に記載のシリカ複合粒子。
  10. 表面に−Si−O−Al−O−Si−R(Rは、炭素数3以上18以下の有機基)なる原子団を含むシリカ複合粒子を製造する方法であって、
    アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を含む懸濁液を準備する工程(1)と、
    前記懸濁液のpHを4以上7未満の範囲に調整する工程(2)と、
    pHを調整した後の前記懸濁液と、ケイ素原子に直接結合した炭素数3以上18以下の有機基とケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物とを混合して、前記アルミニウム化合物により表面処理されたシリカ粒子を前記有機ケイ素化合物により表面処理し、前記シリカ複合粒子を含むシリカ複合粒子懸濁液を得る工程(3)と、
    前記シリカ複合粒子懸濁液から溶媒を除去する工程(4)と、
    を含むシリカ複合粒子の製造方法。
  11. 前記有機ケイ素化合物が、ケイ素原子に直接結合した炭素数4以上12以下の有機基とケイ素原子に直接結合したアルコキシ基とを有する化合物を含む、請求項10に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
  12. 前記アルミニウム化合物が、アルミニウム原子に酸素原子を介して結合した有機基を有する化合物である、請求項10又は請求項11に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
  13. 前記工程(1)が、
    シリカ粒子を含むシリカ粒子懸濁液を準備する工程(1−a)と、
    前記シリカ粒子懸濁液とアルミニウム化合物とを混合して、前記シリカ粒子を前記アルミニウム化合物により表面処理する工程(1−b)と、
    を含む、請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
  14. 前記工程(1−a)が、シリカ粒子をゾルゲル法により造粒して前記シリカ粒子懸濁液を得る工程である、請求項13に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
  15. 前記工程(1−b)において使用する前記アルミニウム化合物の質量が、前記シリカ粒子懸濁液の固形分の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項13又は請求項14に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
  16. 前記工程(3)において使用する前記有機ケイ素化合物の質量が、前記懸濁液の固形分の質量に対して1質量%以上30質量%以下である、請求項10〜請求項15のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
  17. 前記工程(1−b)における前記アルミニウム化合物の使用量と、前記工程(3)における前記有機ケイ素化合物の使用量との比(前者:後者、質量基準)が、1:1乃至1:3000の範囲である、請求項13〜請求項16のいずれか1項に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
JP2018055113A 2018-03-22 2018-03-22 シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法 Active JP6988623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055113A JP6988623B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055113A JP6988623B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019167260A JP2019167260A (ja) 2019-10-03
JP6988623B2 true JP6988623B2 (ja) 2022-01-05

Family

ID=68106241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018055113A Active JP6988623B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6988623B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4674936B2 (ja) * 2000-07-17 2011-04-20 チタン工業株式会社 疎水性微粒子及びその応用
DE10145162A1 (de) * 2001-09-13 2003-04-10 Wacker Chemie Gmbh Kieselsäure mit geringem Gehalt an Kieselsäure-Silanolgruppen
JP4615952B2 (ja) * 2004-09-30 2011-01-19 株式会社トクヤマ 改質疎水化シリカ及びその製造方法
US20080070146A1 (en) * 2006-09-15 2008-03-20 Cabot Corporation Hydrophobic-treated metal oxide
KR101774067B1 (ko) * 2009-11-16 2017-09-01 닛키 쇼쿠바이카세이 가부시키가이샤 실리카·알루미나졸의 제조방법, 실리카·알루미나졸, 상기 졸을 포함하는 투명 피막형성용 도료 및 투명 피막 부착 기재
JP5719690B2 (ja) * 2011-05-24 2015-05-20 電気化学工業株式会社 球状シリカ粉末、及びそれ用いたスラリー、樹脂組成物
JP5999029B2 (ja) * 2013-06-03 2016-09-28 富士ゼロックス株式会社 シリカ複合粒子及びその製造方法
JP6142689B2 (ja) * 2013-06-18 2017-06-07 富士ゼロックス株式会社 シリカ複合粒子及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019167260A (ja) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2447211B1 (en) Method for producing silica-based fine particle-dispersed sol,silica-based fine particle-dispersed sol obtained thereby and applications thereof
JP5557662B2 (ja) コアシェル型無機酸化物微粒子の分散液、その製造方法および該分散液を含む塗料組成物
TWI428282B (zh) 金屬氧化物複合溶膠,塗佈組成物及光學構件
US9856361B2 (en) Surface-modified metal oxide particle dispersion liquid, method for producing same, surface-modified metal oxide particle-silicone resin composite composition, surface-modified metal oxide particle-silicone resin composite body, optical member and light emitting device
TWI411580B (zh) 氧化鋯一氧化錫之複合物溶膠、塗佈組成物及光學構件
KR20110086871A (ko) 고 굴절률 금속 산화 미립자를 포함하는 도료 조성물 및 그 도료 조성물을 기재 위에 도포하여 수득된 경화성 도막
JP2009155496A (ja) コアシェル構造を有する無機酸化物微粒子、該微粒子を含む分散ゾルおよび光学基材用塗布液
JP2021151944A (ja) シリカ粒子及びその製造方法
JP2018123043A (ja) シリカ系粒子分散液の製造方法、シリカ系粒子分散液、透明被膜形成用塗布液及び透明被膜付基材
JP5713668B2 (ja) ハードコート層膜形成用塗料組成物
JP6988623B2 (ja) シリカ複合粒子、及びシリカ複合粒子の製造方法
US20240092645A1 (en) Silica particle and method for producing the same
JP2014086526A (ja) 発光ダイオード
JP6080583B2 (ja) 表面改質無機複合酸化物微粒子、その製造方法、該微粒子を含む分散液、光学基材用塗布液、光学基材用塗膜および塗膜付基材
US11535756B2 (en) Method for producing silica composite particle
JP6988655B2 (ja) シリカ複合粒子の製造方法
WO2005088352A1 (ja) プラスチックレンズの製造方法
CN115124043A (zh) 二氧化硅颗粒及其制造方法
JP2019167276A (ja) シリカ複合粒子の製造方法
JP7003813B2 (ja) 表面改質シリカ粒子の製造方法、及び表面改質シリカ粒子
JP6278902B2 (ja) 連結型結晶性無機酸化物微粒子群を含む水および/または有機溶媒分散液、その製造方法、ならびに該連結型結晶性無機酸化物微粒子群を含む光学基材用塗布液
WO2023127687A1 (ja) 金属顔料組成物
EP3747831B1 (en) Composite oxide powder and method for production thereof
JP2021151938A (ja) シリカ複合粒子及びその製造方法
CN115124046A (zh) 二氧化硅粒子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6988623

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150