JP6142689B2 - シリカ複合粒子及びその製造方法 - Google Patents
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また、特許文献3及び4には、金属アルコキシド等の金属化合物で表面処理されたシリカ粒子が開示されている。
また、特許文献5乃至8には、シリカと酸化アルミニウム等とを複合化したシリカ複合粒子が開示されている。
請求項1に係る発明は、
酸化ケイ素と、含有率が0.001質量%以上3質量%以下のアルミニウムと、を含み、
平均粒径が30nm以上500nm以下であり、粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、平均円形度が0.5以上0.85以下であるシリカ複合粒子。
表面が、超臨界二酸化炭素中で疎水化処理剤により疎水化処理されている請求項1に記載のシリカ複合粒子。
アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、前記アルコールに対して、0.0005mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下の供給量で、テトラアルコキシシランとアルミニウム原子に酸素原子を介して有機基が結合しているアルミニウム化合物との混合液を供給すると共に、前記テトラアルコキシシラン及び前記アルミニウム化合物の1分間当たりの総供給量に対して、0.1mol/(mol・min)以上0.4mol/(mol・min)以下の供給量でアルカリ触媒を供給して、酸化ケイ素及びアルミニウムを含む粒子を生成する工程と、
を有するシリカ複合粒子の製造方法。
更に、前記酸化ケイ素及びアルミニウムを含む粒子の表面を、超臨界二酸化炭素中で疎水化処理剤により疎水化処理する工程を有する前段落に記載のシリカ複合粒子の製造方法。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、酸化ケイ素と、アルミニウムと、を含んで構成さており、アルミニウムの含有率(シリカ複合粒子全体に対する含有率)が0.001質量%以上3質量%以下である。
そして、本実施形態に係る複合粒子は、平均粒径が30nm以上500nm以下であり、粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、平均円形度が0.5以上0.85以下である。
この理由は、定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
このシリカ複合粒子は、適度な大きさで、粒度分布が狭いことにより、粒度分布が広い粒子群よりも粒子同士の密着度が低いため、粒子同士の摩擦が生じにくいと考えられる。その結果、シリカ複合粒子自体の流動性に優れると考えられる。
また、このシリカ複合粒子は、適度な大きさで、異形状であることにより、球状(平均円形度が0.85を超える形状)の場合に比べ、付着対象物に付着した際に、付着対象物への埋まり込みや、転がりによる偏在及び離脱が生じにくいと考えられる。それと共に、このシリカ複合粒子は、平均円形度が0.5未満の形状に比べ、機械的負荷による破壊が生じにくいと考えられる。
以上の機序により、本実施形態に係るシリカ複合粒子は、まず粒子の大きさ及び形状の点で、付着対象物に対する分散性に優れ、且つ、付着対象物の流動を妨げにくいと考えられる。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、酸化ケイ素(二酸化ケイ素、シリカ)と、アルミニウムとが混合した複合粒子であり、酸化ケイ素で構成された粒子中にアルミニウムが分散して存在する複合粒子であることが望ましい。
アルミニウムの含有率が0.001質量%未満では、静電気を逃がす除電効果が得られにくく、その結果、シリカ複合粒子が互いに凝集する場合がある。
一方、アルミニウムの含有率が3質量%超では、シリカ複合粒子を作製する際、アルミニウム化合物の反応が激しいことに起因して、過大な粗粉の発生や、粒度分布の拡大、形状の過剰な異形化が起こり易い。このシリカ複合粒子は、機械的負荷がかかった場合に欠損し易く、付着対象物の流動を妨げる要因となる。
上記の理由から、シリカ複合粒子全体に対するアルミニウムの含有率は、望ましくは0.01質量%以上2質量%以下であり、より望ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、平均粒径が30nm以上500nm以下である。
シリカ複合粒子の平均粒径が30nm未満では、シリカ複合粒子の形状が球状(平均円形度が0.85を超える形状)となり易く、シリカ複合粒子の平均円形度を0.5以上0.85以下とすることが難しい。また、平均粒径が30nm未満では、シリカ複合粒子の形状が異形状であっても、付着対象物に対するシリカ複合粒子の埋没を抑制することが難しく、付着対象物の流動を妨げ易い。
一方、シリカ複合粒子の平均粒径が500nm超では、シリカ複合粒子に機械的負荷がかかった場合に欠損しやすく、その結果、付着対象物の流動を妨げ易い。
上記の理由から、シリカ複合粒子の平均粒径は、望ましくは60nm以上500nm以下であり、より望ましくは100nm以上350nm以下であり、更に望ましくは100nm以上250nm以下である。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、粒度分布指標が1.1以上1.5以下である。
粒度分布指標が1.1未満であるシリカ複合粒子は製造が難しい。
一方、シリカ複合粒子の粒度分布指標が1.5超の場合、粗大粒子の発生や粒径のばらつきにより付着対象物への分散性が悪化し、また、粗大粒子の存在が増えるに伴い機械的負荷による欠損粒子が増えるため、付着対象物の流動を妨げ易い。
上記の理由から、シリカ複合粒子の粒度分布指標は、望ましくは1.25以上1.4以下である。
本実施形態に係るシリカ複合粒子は、平均円形度が0.5以上0.85以下である。
シリカ複合粒子の平均円形度が0.5未満では、シリカ複合粒子の長径/短径比が大きくなり、シリカ複合粒子に機械的負荷が加わった場合に応力集中が生じて欠損し易く、その結果、付着対象物の流動を妨げ易い。
一方、シリカ複合粒子の平均円形度が0.85超では、シリカ複合粒子の形状は球に近づく。そのため、付着対象物と混合する際の攪拌の機械的負荷などによってシリカ複合粒子が偏って付着したり、経時保存後にシリカ複合粒子が偏って付着したりして、付着対象物への分散性が悪化し、また、シリカ複合粒子の付着対象物からの脱離が生じ易い。
上記の理由から、シリカ複合粒子の平均円形度は、望ましくは0.6以上0.8以下である。
本実施形態に係るシリカ複合粒子の製造方法は、上記本実施形態に係るシリカ複合粒子を得るための製造方法の一例であり、具体的には、以下の通りである。
・アルカリ触媒溶液準備工程:アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程。
・粒子生成工程:アルカリ触媒溶液中に、アルコールに対して、0.0005mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下の供給量で、テトラアルコキシシランとアルミニウム原子に酸素原子を介して有機基が結合しているアルミニウム化合物との混合液を供給すると共に、前記テトラアルコキシシラン及び前記アルミニウム化合物の1分間当たりの総供給量に対して、0.1mol/(mol・min)以上0.4mol/(mol・min)以下の供給量でアルカリ触媒を供給して、酸化ケイ素及びアルミニウムを含む粒子を生成する工程。
以下、「テトラアルコキシシランとアルミニウム化合物との混合液」を「アルミニウム混合液」と称し、「テトラアルコキシシラン及びアルミニウム化合物」を「含アルミニウムシリカ化合物」と称して説明する。
本実施形態に係るシリカ複合粒子の製造方法では、上記手法により、粗大凝集物の発生が少なく、異形状のシリカ複合粒子が得られる。この理由は、定かではないが、以下の理由によるものと考えられる。
そして、アルミニウム混合液とアルカリ触媒との供給をそれぞれ続けていくと、含アルミニウムシリカ化合物の反応により、生成した核粒子が成長し、シリカ複合粒子が得られる。この両者の供給を上記範囲の供給量を維持しつつ行うことで、核粒子の分散を維持しつつも、核粒子表面における張力及び化学的親和性の部分的な偏りも維持されることから、2次凝集物等の粗大凝集物の生成を抑制しつつ、異形状の核粒子がその異形状を保ったまま粒子成長し、その結果、異形状のシリカ複合粒子が生成されると考えられる。
なお、シリカ複合粒子の平均粒径は、含アルミニウムシリカ化合物の総供給量に依存すると考えられる。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、この溶媒とアルカリ触媒とを混合して、アルカリ触媒溶液を準備する工程である。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコールが挙げられる。
アルカリ触媒の濃度が0.6mol/L未満であると、核粒子の成長過程における分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成されたりゲル状化したりして、シリカ複合粒子の粒度分布が広くなったり複数の分布ピークを示したりすることがある。
一方、アルカリ触媒の濃度が0.85mol/L超であると、生成した核粒子の安定性が過大となり、球状の核粒子が形成され、異形状の核粒子が得られにくく、その結果、平均円形度が0.85以下の異形状のシリカ複合粒子を得ることが難しい。
アルカリ触媒の濃度は、アルコール触媒溶液(アルコールを含む溶媒とアルカリ触媒との総量)に対する濃度である。
粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中に、アルミニウム混合液とアルカリ触媒とをそれぞれ前記供給量で供給し、アルカリ触媒溶液中で、含アルミニウムシリカ化合物を反応(加水分解反応、縮合反応)させて、酸化ケイ素及びアルミニウムを含む粒子(シリカ複合粒子)を生成する工程である。
この粒子生成工程では、アルミニウム混合液の供給初期に、含アルミニウムシリカ化合物の反応により、核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ複合粒子が生成する。
アルミニウム混合液において、アルミニウム化合物が少ないと、シリカ複合粒子中のアルミニウムの含有率が少なくなり、アルミニウム化合物が多いと、シリカ複合粒子中のアルミニウムの含有率が多くなる。
アルミニウム化合物が多過ぎると、アルミニウム化合物の反応が激しいことに起因して、過大な粗粉の発生や、粒度分布の拡大、形状の過剰な異形化が起こり易く、得られたシリカ複合粒子は、機械的負荷がかかった場合に欠損し易く、付着対象物の流動を妨げる要因となる。
これは、アルカリ触媒溶液を準備する工程で用いたアルコール1molに対して、1分間当たり0.0005mol以上0.01mol以下の供給量で、含アルミニウムシリカ化合物(テトラアルコキシシラン及びアルミニウム化合物の混合物)を供給することを意味し、上記の供給量はテトラアルコキシシランとアルミニウム化合物とを合わせた量である。
アルミニウム混合液の供給量が0.0005mol/(mol・min)未満であると、滴下されたテトラアルコキシシラン同士の接触確率を下げることにはなるが、アルミニウム混合液の総供給量を滴下し終わるまでに長時間を要し、生産効率が悪い。
アルミニウム混合液の供給量が0.01mol/(mol・min)超であると、滴下された含アルミニウムシリカ化合物と核粒子とが反応する前に、含アルミニウムシリカ化合物同士の反応を生じさせることになると考えられる。そのため、核粒子への含アルミニウムシリカ化合物供給の偏在化を助長し、粒子成長のばらつきをもたらすことから、粒径及び形状の分布幅が拡大することとなる。
上記の理由で、アルミニウム混合液の供給量は、望ましくは0.001mol/(mol・min)以上0.009mol/(mol・min)以下であり、より望ましくは0.002mol/(mol・min)以上0.008mol/(mol・min)以下であり、更に望ましくは0.003mol/(mol・min)以上0.007mol/(mol・min)以下である。
これは、含アルミニウムシリカ化合物(テトラアルコキシシラン及びアルミニウム化合物の混合物)の1分間当たりの総供給量の1mol当たりに対して、1分間当たり0.1mol以上0.4mol以下の供給量で、アルカリ触媒を供給することを意味する。
アルカリ触媒の供給量が0.1mol/(mol・min)未満であると、成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成されたりゲル状化したりして、シリカ複合粒子の粒度分布が広くなったり複数の分布ピークを示したりすることがある。
一方、アルカリ触媒の供給量が0.4mol/(mol・min)超であると、生成した核粒子の安定性が過大となり、核粒子生成段階で異形状の核粒子が生成されても、その核粒子成長段階で核粒子が球状に成長し、異形状のシリカ複合粒子を得ることが難しい。
上記の理由で、アルカリ触媒の供給量は、望ましくは0.14mol/(mol・min)以上0.35mol/(mol・min)以下であり、より望ましくは0.18mol/(mol・min)以上0.3mol/(mol・min)以上である。
乾燥されたシリカ複合粒子は、解砕、篩分により、粗大粒子や凝集物の除去を行うことがよい。解砕方法は、特に限定されないが、例えば、ジェットミル、振動ミル、ボールミル、ピンミル等の乾式粉砕装置により行う。篩分方法は、例えば、振動篩、風力篩分機等公知のものにより行う。
超臨界二酸化炭素とは、臨界点以上の温度及び圧力下においた状態の二酸化炭素であり、気体の拡散性と液体の溶解性との双方を示す二酸化炭素である。超臨界二酸化炭素は、界面張力が極めて低いという特性を有する。
疎水化処理剤によりシリカ複合粒子の表面を疎水化処理する工程を超臨界二酸化炭素中で行うと、疎水化処理剤は超臨界二酸化炭素に溶解した状態になり、界面張力が極めて低い超臨界二酸化炭素と共にシリカ複合粒子の表面の孔部の深くまで拡散して到達し易くなるものと考えられる。その結果、疎水化処理剤によって、シリカ複合粒子の表面のみならず孔部の奥深くまで疎水化処理がなされるものと考えられる。
したがって、超臨界二酸化炭素中で表面に疎水化処理が施されたシリカ複合粒子は、孔部の奥深くまで疎水化処理が施されていることから、吸着し保持する水の量が少なく、よって、疎水性の付着対象物(疎水性の樹脂、疎水性の溶媒など)に対する分散性に優れると考えられる。
以下、超臨界二酸化炭素中での疎水化処理工程について説明する。
本工程では、具合的には、例えば、密閉反応容器内にシリカ複合粒子を投入し、次いで疎水化処理剤を加える。その後、密閉反応容器内に、液化二酸化炭素を導入して加熱し、高圧ポンプにより密閉反応容器内を昇圧させ、二酸化炭素を超臨界状態とする。そして、超臨界二酸化炭素中で疎水化処理剤を反応させ、シリカ複合粒子の疎水化処理を行う。反応終了後は、密閉反応容器内を減圧し冷却する。
超臨界二酸化炭素の密度は、温度及び圧力により調整される。
疎水化処理の温度条件、つまり超臨界二酸化炭素の温度は、例えば、80℃以上300℃以下がよく、望ましくは100℃以上300℃以下であり、より望ましくは150℃以上250℃以下である。
疎水化処理の圧力条件、つまり超臨界二酸化炭素の圧力は、上記密度を満足する条件であればよいが、例えば、8MPa以上30MPa以下がよく、望ましくは10MPa以上25MPa以下であり、より望ましく15MPa以上20MPa以下である。
疎水化処理剤の使用量は、シリカ複合粒子に対し1質量%以上60質量%以下がよく、望ましくは5質量%以上40質量%以下であり、より望ましくは10質量%以上30質量%以下である。
これら疎水化処理剤の中も、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のトリメチル基を有する有機ケイ素化合物が好適である。
−アルカリ触媒溶液準備工程(アルカリ触媒溶液の調製)−
攪拌翼、滴下ノズル、及び温度計を有する容積2.5Lのガラス製反応容器にメタノール400部、10%アンモニア水(NH4OH)70部を入れ、攪拌混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液のアルカリ触媒の濃度(即ちNH3の濃度。NH3〔mol〕/(NH3+メタノール+水)〔L〕)は、0.71mol/Lであった。
テトラメトキシシラン(TMOS)197部に対して、アルミニウム化合物としてアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート(和光純薬工業社製)を3部添加して、アルミニウム化合物濃度1.5%のアルミニウム混合液を準備した。
また、アルカリ触媒として、触媒(NH3)濃度3.8%のアンモニア水(NH4OH)を準備した。
この際、アルミニウム混合液の1分間当たりの供給量は、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0018mol/(mol・min)とした。
3.8%アンモニア水の供給量は、含アルミニウムシリカ化合物(TMOS及びアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレートの混合物)の1分間当たりの総供給量に対して0.27mol/(mol・min)とした。
シリカ複合粒子懸濁液が収容された密閉反応容器内をヒーターにより80℃まで昇温後、二酸化炭素ポンプにより20MPaまで昇圧して、密閉反応容器内に超臨界二酸化炭素を流通させ(導入及び排出量170L/分/m3)、シリカ複合粒子懸濁液の溶媒除去を行い、シリカ複合粒子の粉末を得た。
表1に従って、アルカリ触媒溶液準備工程、粒子生成工程での各条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、表面が疎水化処理されたシリカ複合粒子を得た。
各実施例及び比較例において、アルミニウム混合液は、表1に記載にされたテトラメトキシシラン(TMOS)の総供給量とアルミニウム化合物の総供給量とに従って、TMOSにアルミニウム化合物を添加して準備した。
実施例19では、アルミニウム化合物として、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレートに代えて、アルミニウムトリスアセチルアセトネート(和光純薬工業社製)を用いて、表面が疎水化処理されたシリカ複合粒子を得た。
実施例20では、アルミニウム化合物として、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレートに代えて、アルミニウムn−プロポキシド(和光純薬工業社製)を用いて、表面が疎水化処理されたシリカ複合粒子を得た。
〔シリカ複合粒子の物性〕
各実施例及び各比較例のシリカ複合粒子について、既述の方法に従って、アルミニウム含有率、平均粒径、粒度分布指標、平均円形度を求めた。結果を表2に示す。
各実施例及び各比較例のシリカ複合粒子を樹脂粒子へ分散した際の樹脂粒子に対する分散性について評価した。
具体的には、シリカ複合粒子を温度25℃/湿度55%RHの環境下に17時間放置した後、粒径10μmの樹脂粒子(ポリエステル粒子、綜研化学社製)50gにシリカ複合粒子0.8gを添加し、振とう機を用いて5分間振とうして混合した後、SEMにより樹脂粒子表面の観察を行い、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
−評価基準−
A:シリカ複合粒子の凝集体が確認できず、且つ、シリカ複合粒子による樹脂粒子表面の被覆に偏りが認められない。
B:シリカ複合粒子の凝集体が確認できないが、シリカ複合粒子による樹脂粒子表面の被覆に偏りが認められる。
C:わずかにシリカ複合粒子の凝集体が確認でき、シリカ複合粒子による樹脂粒子表面の被覆に偏りが認められるが、実用上問題ない。
D:シリカ複合粒子の凝集体が散見され、且つ、シリカ複合粒子による樹脂粒子表面の被覆に明らかに偏りが認められる。
前記付着対象物に対する分散性の評価を行った樹脂粒子(ポリエステル樹脂粒子の表面をシリカ複合粒子が被覆した粒子)について、流動性を評価した。
具体的には、前記樹脂粒子10gを目開き105μm及び75μmの篩にそれぞれのせ、振幅1mmで90秒間振動させて、各篩上に残った樹脂粒子(残留分)の量を、下記の指標及び評価基準に基づいて評価した。下記の指標は、樹脂粒子の流動性をより明らかにするため、より目の粗い篩上の残留分を強調したものである。各櫛上の残留分の量は、篩の重さと残留分込みの篩の重さとを測定し、後者から前者を減じて算出した。A、B、及びCが実用上問題ない。結果を表2に示す。
指標=100×{(105μmの篩の残留分)×1.5+(75μmの篩の残留分)×0.5)}/(樹脂粒子の全量)
−評価基準−
A:指標が3未満である。
B:指標が3以上6未満である。
C:指標が6以上10未満である。
D:指標が10以上である。
Claims (2)
- 酸化ケイ素と、含有率が0.001質量%以上3質量%以下のアルミニウムと、を含み、
平均粒径が30nm以上500nm以下であり、粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、平均円形度が0.5以上0.85以下であるシリカ複合粒子。 - 表面が、超臨界二酸化炭素中で疎水化処理剤により疎水化処理されている請求項1に記載のシリカ複合粒子。
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