JP6988467B2 - 車両用前方照明装置、断線検出方法 - Google Patents
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Description
この技術では、対向車両や歩行者などが存在しない場合には、遠方まで且つ広範囲に高輝度の光を照射することによって、自車両の運転者が遠方の状況を容易に把握可能とする。その一方で、対向車両や歩行者などが検出された場合には、対向車両や歩行者などが存在する領域を担当する照明器の輝度を低下させ、あるいは照明器を消灯させることによって、対向車両の運転者や歩行者などに幻惑感を与える事態を回避することができる。
ここで、本発明の第1の車両用前方照明装置および本発明の第1の断線検出方法では、点灯タイミングから点灯後タイミングまでの禁止期間中に、閉状態となる(従って照明器を消灯させる)スイッチ素子が存在する場合には、そのスイッチ素子を閉状態とするタイミングを、禁止期間外に変更する。
ここで、本発明の第2の車両用前方照明装置および本発明の第2の断線検出方法でも、点灯タイミングから点灯後タイミングまでの禁止期間中に、閉状態となる(従って照明器を消灯させる)スイッチ素子が存在する場合には、そのスイッチ素子を閉状態とするタイミングを、禁止期間外に変更する。
ここで、本発明の第3の車両用前方照明装置および本発明の第3の断線検出方法では、点灯前タイミングから点灯後タイミングまでの禁止期間中に、閉状態となる(従って照明器を消灯させる)スイッチ素子が存在する場合には、そのスイッチ素子を閉状態とするタイミングを、禁止期間外に変更する。
これに対して、以上に示した本発明の車両用前方照明装置および断線検出方法では、何れも、電圧値(および、開状態としたスイッチ素子の個数)を検出する点灯後タイミングの前に設定された禁止期間内で、スイッチ素子が開状態から閉状態に切り換わることが無い。このため、誤った電圧値を検出して、断線の有無を誤検出してしまう事態を回避することが可能となる。
A.第1実施例 :
A−1.第1実施例の装置構成 :
図1(a)には、第1実施例の車両用前方照明装置100を搭載した車両1が示されている。図示されるように、車両1には、左右に1つずつ車両用前方照明装置100が搭載されており、それぞれの車両用前方照明装置100は、複数の発光ダイオード(以下、LED)が列状に配置されたLEDアレイ10と、LEDアレイ10を形成する個々のLEDの点灯動作を制御する制御モジュール20とを備えている。LEDアレイ10は、車両1の前方左右に搭載されたヘッドライト2の下方に1つずつ搭載されており、制御モジュール20は、LEDアレイ10よりも内側の車両1内部に搭載されている。
また、図1(b)に示すように、制御モジュール20は、車両1に搭載されたランプECU50に接続されており、ランプECU50からの指示に従って、LEDアレイ10を形成する個々のLEDの点灯動作を制御する。また、ランプECU50は、車両1に搭載された図示しない複数の制御ECUを接続する車内LAN3に接続されており、車内LAN3を介して他の制御ECUから受け取った情報に基づいて、ランプECU50に出力する指示内容を決定する。
尚、スイッチ素子SW1〜SW12には、いわゆるパワートランジスタと呼ばれるスイッチ素子が使用されている。周知のようにパワートランジスタは、3つの端子を備えており、そのうちの制御用端子をHi状態とすると、他の2つの端子間が導通状態となり、制御用端子をLow状態にすると、他の2つの端子間が切断状態となる。
また、スイッチ素子SW1〜SW12を特に区別する必要が無い場合は、単にスイッチ素子SWと表記し、LED1〜LED12を特に区別する必要が無い場合は、単にLEDと表記することがあるものとする。
更に、スイッチ素子SWを導通状態にすることを、スイッチ素子SWを閉状態にすると表記し、スイッチ素子SWを切断状態にすることを、スイッチ素子SWを開状態にすると表記することがあるものとする。
尚、これらの「部」は、制御モジュール20がLED1〜LED12を点灯動作させると共に、バイパス配線21a〜21mでの断線の有無を検出するために、車両用前方照明装置100の制御モジュール20が備える機能に着目して、制御モジュール20の内部を便宜的に分類した抽象的な概念である。従って、車両用前方照明装置100の制御モジュール20がこれらの「部」に物理的に区分されることを表すものではない。これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組合せることによって実現することもできる。
点灯スケジュール生成部23は、照明強度取得部22から照明強度を受け取って、LEDアレイ10のLED1〜LED12を互いに異なるタイミングで点灯させ、各々のLED1〜LED12の照明強度に応じたタイミングで消灯させる点灯スケジュールを生成する。
電流値検出部25は、LEDアレイ10と直列に接続されており、LEDアレイ10に流れる電流値を検出することができる。尚、LEDアレイ10の内部にはLED1〜LED12が直列に接続されているので、電流値検出部25で検出された電流値は、LED1〜LED12の各々を流れる電流値となる。
電圧値制御部26は、LEDアレイ10に電圧を印加すると共に、LEDアレイ10を流れる電流値を電流値検出部25から受け取って、電流値が所定の目標電流値となるように、LEDアレイ10に印加する電圧値を制御する。
また、スイッチ素子SWの個数は、点灯スケジュール生成部23(あるいは点灯制御部24)から取得し、電圧値は、電圧値制御部26から取得することができる。
尚、スイッチ素子SW1〜SW12の何れかの制御用端子がLow状態になると、対応するLEDが点灯することから、スイッチ素子SW1〜SW12の何れかの制御用端子がLow状態となるタイミングを、以下では「点灯タイミング」と呼ぶことにする。更に、点灯タイミングから変更時間が経過したタイミングを、以下では「点灯後タイミング」と呼ぶことにする。
断線有無判断部28は、検出部27からスイッチ素子SWの個数と電圧値とを受け取って、両者が整合するか否かを判断することによって、バイパス配線21a〜21mでの断線の有無を検出する。
このような第1実施例の車両用前方照明装置100では、バイパス配線21a〜21mでの断線の有無を簡単に且つ正確に検出することができる。以下では、このようなことが可能となる理由について説明するが、その準備として、車両用前方照明装置100がLED1〜LED12を点灯させる動作について説明する。
図3には、第1実施例の車両用前方照明装置100が、LED1〜LED12を点灯させ、あるいは消灯させる動作が示されている。尚、LEDアレイ10には、LED1〜LD12の12個のLEDが直列に接続されているが(図2参照)、図示が煩雑となることを避けるため、図3では、LED7〜LED12についての図示を省略している。そこで、図3の説明では、LEDアレイ10がLED1〜LED6の6個のLEDが直列に接続されているものと、これに伴ってスイッチ素子も、スイッチ素子SW1〜スイッチ素子SW6の6個が設けられているものとする。
次に、図3(b)に示したように、スイッチ素子SW2の制御用端子をHi状態にする。すると、スイッチ素子SW2が導通状態(すなわち、閉状態)となって、LED2をバイパスするバイパス回路21(すなわち、バイパス配線21b、スイッチ素子SW2、バイパス配線21c)が接続された状態となる。そして、一般にLEDの抵抗値は、バイパス回路21の抵抗値よりも大きいから、LED2を流れていた電流は、スイッチ素子SW2を経由するバイパス回路21を流れるようになり、その結果、LED2は消灯する。
また、スイッチ素子SW4およびスイッチ素子SW5の制御用端子をHi状態にすると、スイッチ素子SW4およびスイッチ素子SW5が閉状態となる。その結果、LED4およびLED5を流れていた電流が、スイッチ素子SW4およびスイッチ素子SW5を経由するバイパス回路21(すなわち、バイパス配線21d、スイッチ素子SW4、スイッチ素子SW5、バイパス配線21f)を流れるようになって、LED4およびLED5が消灯する。
図3(a)および図3(b)から明らかなように、点灯制御部24が、あるスイッチ素子の制御用端子をLow状態にすると、そのスイッチ素子SWに対応するLEDは点灯し、逆に、制御用端子をHi状態にすると、そのスイッチ素子SWに対応するLEDは消灯する。また、何れのLEDを点灯させているかに拘わらず、それぞれのLEDに流れる電流の電流値は、電流値検出部25で検出した電流値となる。
そこで、電圧値制御部26は、LEDの電流値を電流値検出部25で検出して、電流値が所定の目標電流値となるように、印加する電圧値を制御している。
また、こうしてLEDの電流値が一定の目標電流値となるように制御しているので、点灯しているLEDが前方を照明する強度(すなわち、照明強度)は同じとなってしまう。そこで、それぞれのLEDの照明強度を変更するために、次のような方法を採用している。
そこで、第1実施例の車両用前方照明装置100では、所定の点灯周期でLEDを定期的に点灯させた後、消灯するタイミングを変更することによって、LEDの照明強度を変更する。尚、点灯周期内で点灯している時間が「0」の状態が消灯した状態となり、点灯周期の間中、点灯している状態が最大の照明強度の状態となる。また、第1実施例の車両用前方照明装置100では、点灯周期が3msec程度の時間に設定されている。
図示したように、LED1はT1のタイミングで点灯し、LED2はT2のタイミングで点灯し、LED3はT3のタイミングで点灯する。LED4〜LED12についても同様に、T4〜T12のタイミングで順番に点灯していく。こうして順番に点灯したLED1〜LED12は、点灯してから所定時間(ここでは、点灯デューティー比が50%に設定されているので、点灯周期の半分の時間)が経過したタイミングで、順番に消灯していく。そして、LED1が点灯してから点灯周期の経過後に、再び、LED1が点灯し、続いて、LED2〜LED12が順番に点灯していく。
尚、本明細書中では、配光パターンに応じて決定されたLED1〜LED12を点灯および消灯させるタイミングを、「点灯スケジュール」と称するものとする。また、第1実施例では、LED1〜LED12を点灯させるタイミングは予め決まっているため、実際には消灯タイミングを専ら決定している。しかし、LED1〜LED12を点灯させるタイミングも、必要に応じて適宜、変更してもよい。
また、LED1〜LED12の点灯スケジュールを決定すると、点灯させるLEDの個数(以下、点灯個数)が時間の経過と共に変化する様子も決定される。図6(b)には、時間の経過に伴って、LEDの点灯個数が刻々と変化する様子が示されている。
図3を用いて前述したように、電流が流れる経路の抵抗値は、LEDの点灯個数に比例する。従って、図6に示した点灯スケジュールに従ってLED1〜LED12を点灯あるいは消灯させながら、電流値検出部25で検出した電流値が所定の目標電流値となるように、電圧値制御部26の電圧値を制御すると、電圧値はLEDの点灯個数に比例して変化する電圧値となる。
もっとも、LEDアレイ10のLED1〜LED12と、制御モジュール20のスイッチ素子SW1〜SW12とは、多数のバイパス配線21a〜21mによって接続されている。そして、何れかのバイパス配線21a〜21mで断線が発生すると、ランプECU50から指定された配光パターンで前方を照明することができなくなるので、断線が発生したら、そのことを速やかに検出可能としておく必要がある。
その一方で、前述したように、LEDアレイ10に搭載されるLEDの個数は増加する傾向にあり、LEDの個数が増加すると、バイパス配線の本数も増加するため、断線の検出は困難になる。そこで、第1実施例の車両用前方照明装置100は、LEDアレイ10に搭載されるLEDの個数が増加しても、バイパス配線での断線を速やかに且つ容易に検出可能とするために、以下のような方法を採用した。
図7には、バイパス配線で断線が発生したことによって、電流が流れる経路が変化する様子が例示されている。尚、前述したように、第1実施例のLEDアレイ10にはLED1〜LED12の12個のLEDが接続されているが、図示が煩雑となることを避けるために、図7においても図3と同様に、LED7〜LED12についての図示を省略している。このことに対応して、図7の説明でも、LEDアレイ10にはLED1〜LED6の6個のLEDが直列に接続されているものとし、これに伴ってスイッチ素子も、スイッチ素子SW1〜スイッチ素子SW6の6個が設けられているものとする。
ここで、バイパス配線21dで断線が生じたものとする。図7(a)に示したように、バイパス配線21dは、LED4に流れる電流をバイパスさせる経路となっているから、バイパス配線21dが断線すると、電流をバイパスさせることができなくなる。その結果、スイッチ素子SW4の制御用端子がHi状態となって、スイッチ素子SW4が閉状態(すなわち導通状態)となっているにも拘わらず、LED4に電流が流れて、LED4が点灯することになる。
図7(b)に示した太い実線は、このときに電流が流れる経路を表している。また、図中に示した×印は、バイパス配線21dで断線が生じたことを表している。更に、図中でLED4を囲って表示しているのは、スイッチ素子SW4が閉状態となっていることに対応して本来であれば消灯しているべきであるにも拘わらず、実際にはLED4が点灯していることを表している。
断線したバイパス配線21dが、LED3をバイパスする経路の一部となっていた場合にも同様なことが当て嵌まる。
また、図8(b)に示した場合とは逆に、断線したバイパス配線21dの上流側のスイッチ素子SW3および下流側のスイッチ素子SW4が何れも開状態となった場合は、そもそも電流がLED3およびLED4をバイパスすることはない。このため、バイパス配線21dが電流のバイパス経路の一部となることはないので、バイパス配線21dで断線が生じても、LED3およびLED4は点灯したままとなる。
従って、予め決定しておいた点灯スケジュールでLED1〜LED12を点灯および消灯させようとしても、断線したバイパス配線が存在していると、実際に点灯するLEDの個数(以下、実点灯個数)は、点灯スケジュールによって定まる点灯個数よりも多くなる。
従って、電圧値制御部26がLEDアレイ10に印加する電圧値が、点灯スケジュールによって定まるLEDの点灯個数の変動に応じて増減していれば、断線は生じていないが、点灯個数の変動と電圧値の増減とが整合しなくなった場合(例えば、点灯個数の変動に対して電圧値の増減が大きくなった場合)は、断線が生じたものと判断することができる。そこで、図9に例示した点灯スケジュールに従って、何れかのLEDが点灯される度に、LEDアレイ10に印加されている電圧値を検出して、点灯させようとしたLEDの個数と整合するか否かを判断する。
図10(b)には、T1の点灯タイミングで点灯個数が増加したことに伴って、電圧値が遅れて増加する様子が示されている。この電圧値の増加が余裕を持って安定すると考えて良い時間が、変更時間CTに設定されている。従って、点灯タイミングから変更時間CTが経過した後の点灯後タイミングで電圧値を検出しておけば、通常は、点灯個数に応じて変更された後の電圧値を検出することができる。
同様なことは、図10(a)中に黒塗りの矢印で示したAT5やAT11の点灯後タイミングでも当て嵌まる。そこで、第1実施例の車両用前方照明装置100では、図10(a)中で黒塗りの矢印で示したAT4、AT5、AT11の点灯後タイミングについては、LEDが消灯するタイミングを変更する。
そこで、図11(b)中に破線で示したように、LED9を消灯させるタイミングを、AT4の点灯後タイミングよりも後のタイミングに移動させる。あるいは、LED9を消灯させるタイミングを、T4の点灯タイミングよりも前のタイミングに移動させてもよい。更には、移動量の少ない側に移動させるようにしても良い。
点灯のタイミングを固定したままで消灯のタイミングを移動させると、LEDの点灯デューティー比が変わるので、そのLEDの照明強度が変化する。しかし、この照明強度の変化は点灯デューティー比にして高々1〜2%程度に過ぎないので、ランプECU50から指定された配光パターンが崩れるようなことはない。そして、点灯のタイミングを固定したままで良いので、消灯のタイミングを移動させる処理を簡単な処理で実現することができる。
これに対して、点灯するタイミングを移動させることによって、消灯するタイミングを移動させた場合には、LEDの点灯デューティー比が変わらないので、ランプECU50から指定された配光パターンを正確に実現することが可能となる。
第1実施例の車両用前方照明装置100は、以上の方法による断線の検出を、以下に説明する照明制御処理の中で実行する。
図12および図13には、第1実施例の車両用前方照明装置100がLEDアレイ10を用いて車両1の前方の領域を照明するために実行する照明制御処理のフローチャートが示されている。
図示されるように、照明制御処理を開始すると先ず初めに、LEDアレイ10を用いて照明を開始するか否かを判断する(S100)。本実施例では、ランプECU50が、車内LAN3から取得した情報に基づいて照明の要否を判断して、その結果を車両用前方照明装置100に出力するようになっている。従って、照明を開始する旨の指示をランプECU50から受け取っていない場合は、照明を開始しないと判断して(S100:no)、照明を開始する旨の指示を受け取るまで、同じ判断を繰り返しながら待機状態となる。
続いて、配光パターンに応じた点灯スケジュールを生成する(S102)。前述したように点灯スケジュールとは、LEDアレイ10を形成する複数のLEDについて、どのようなタイミングで点灯させ、どのようなタイミングで消灯させるかの予定を示すデータである。図6(a)に例示したように、配光パターンが、LED1およびLED2の点灯デューティー比は30%、LED3の点灯デューティー比は50%、LED4の点灯デューティー比は60%、LED5〜LED8の点灯デューティー比は80%、LED9およびLED10の点灯デューティー比は60%、LED11〜LED12の点灯デューティー比は50%というパターンであった場合には、図6(a)に示すような点灯スケジュールを生成する。
その結果、禁止期間中に消灯するLEDが存在していた場合は(S103:yes)、禁止期間中に消灯する予定のLEDについて、図11を用いて前述したように消灯するタイミングを変更することによって、点灯スケジュールを修正する(S104)。
これに対して、禁止期間中に消灯するLEDが存在していない場合は(S103:no)、点灯スケジュールの修正は行わない。
各スイッチ素子SWの駆動を開始してから、まだ点灯周期が経過していない場合は、S107では「no」と判断して、断線を検出するタイミング(すなわち、AT1〜AT12の何れかの点灯後タイミング)か否かを判断する(図13のS114)。点灯後タイミングは、T1〜T12の点灯タイミングから変更時間CTが経過したタイミングに設定されている(図10(b)を参照)。
このような操作が繰り返されている間も、図12のS105で開始された各スイッチ素子SWの駆動が、点灯スケジュールに従って継続されている。
仮に、断線が生じていなければ、こうして取得した点灯個数は、実際にLEDが点灯した個数(すなわち、実点灯個数)と一致するが、断線が生じている場合には、実点灯個数は、点灯スケジュールに基づいて得られた点灯個数よりも大きくなる(図9参照)。そして、電圧値制御部26がLEDアレイ10に印加する電圧値は実点灯個数によって決まるから、LEDアレイ10に印加されている電圧値と、点灯スケジュールによって得られた点灯個数とが整合するか否かを判断すれば、断線の有無を判断することが可能である。
図9を用いて前述したように、本実施例の車両用前方照明装置100では、バイパス配線21a〜21mの何れかで断線が生じると、点灯させるつもりのないLEDが点灯するので、LEDの実点灯個数は、点灯スケジュールに基づく点灯個数よりも大きくなる。その結果、LEDアレイ10の抵抗値が大きくなって、電圧値制御部26が印加する電圧値も大きくなる。
そこで、本実施例では、LEDの抵抗値のバラツキに応じて、予め適切な許容個数を決めておき、点灯スケジュールによって求めたLEDの点灯個数が、許容個数よりも大きかった場合は(S116:no)、誤検出を避けるために、断線の有無を判断しないこととしているのである。尚、本実施例の許容個数は9個に設定されている。
そして、点灯スケジュールに基づいて得られたLEDの点灯個数と、取得した電圧値とが整合するか否かを判断する(S118)。すなわち、LEDの点灯個数をN、LEDの平均的な抵抗値をR、抵抗値のバラツキをdR、LEDに流す目標電流値をIとすれば、LEDアレイ10に印加される電流値Vは、
N・(R−dR)・I < V < N・(R+dR)・I …(1)
の範囲内にある筈である。従って、S117で取得した電圧値が、(1)式を満たす範囲内にあった場合は、点灯個数と電圧値とが整合すると判断し(S118:yes)、電圧値が、(1)式を満たす範囲内になかった場合は、点灯個数と電圧値とが整合しないと判断する(S118:no)。
V < N・(R+dR)・I …(2)
を用いて、点灯個数と電圧値とが整合するか否かを判断しても良い。こうすれば、(1)式を用いた場合よりも迅速に判断することが可能となる。
これに対して、点灯個数と電圧値とが整合すると判断した場合は(S118:yes)、特に検出結果を出力することなく、そのまま図12のS106に戻って、照明を終了するか否かを判断する。
そして、このような操作を繰り返しているうちに、点灯周期が経過したら(図12のS107:yes)、ランプECU50から配光パターンを取得する(S108)。
そして、新たに取得した配光パターンが、既に取得している配光パターンから変更されているか否かを判断する(S109)。その結果、配光パターンに変更がない場合は(S109:no)、再び、点灯周期が経過してS107で「yes」と判断するまで、上述した一連の処理(図13のS114〜S119)を繰り返す。
そして、最終的に、照明を終了すると判断したら(図12のS106:yes)、図12および図13に示した第1実施例の照明制御処理を終了する。
また、断線の検出に際しては、LEDアレイ10中で点灯させようとしたLEDの点灯個数と、LEDアレイ10に印加する電圧値とが整合するか否かを判断すればよいので、簡単に且つ迅速に、断線の有無を検出することができる。
更に、点灯スケジュールを生成したら、禁止期間中に消灯するLEDが存在するか否かを確認して、禁止期間中に消灯するLEDが存在していた場合は、そのLEDを消灯するタイミングを変更している。このため、点灯個数の変化に伴って変化した後の電圧値を検出することができるので、誤った電圧値を検出して断線の有無をご判断することがない。
もちろん、点灯させようとするLEDの点灯個数が許容個数を超えていた場合には(図13のS116:no)、断線の有無を検出することはできないが、点灯させるLEDは時間の経過と共に刻々と変化し(図6参照)、更に、配光パターンによっても変化する。従って、ある程度の時間が経過すれば、やがては断線の有無を検出することが可能となる。
上述した第1実施例の車両用前方照明装置100では、AT1〜AT12の点灯後タイミングになる度に検出した電圧値と点灯個数とが整合するか否かに基づいて、断線の有無を判断した。
これに対して、点灯後タイミングで検出した電圧値および点灯個数と、前回に検出した電圧値および点灯個数との変化量に基づいて、断線の有無を判断しても良い。こうすれば、たとえ点灯個数が所定の許容個数を上回っているタイミングでも、断線の有無を検出することが可能となる。以下では、このような第2実施例について説明する。
図14には、上述した第2実施例の車両用前方照明装置150の大まかな内部構造が示されている。図示されるように、第2実施例の車両用前方照明装置150は、図2を用いて前述した第1実施例の車両用前方照明装置100に対して、制御モジュール20が制御モジュール30に変更されている。そして、第2実施例の制御モジュール30は、第1実施例の制御モジュール20が備えていた断線有無判断部28の代わりに、変化量取得部31と、断線有無判断部32とを備える点で異なっているが、その他の点については第1実施例の制御モジュール20と同様である。
断線有無判断部32は、変化量取得部31から点灯個数の変化量と、電圧値の変化量とを受け取って、両者が整合するか否かを判断することによって、バイパス配線21a〜21mでの断線の有無を検出する。
このような第2実施例の車両用前方照明装置150では、検出部27が電圧値を検出した時の点灯個数が所定の許容個数を超えていた場合でも、以下のような理由から、バイパス配線21a〜21mでの断線の有無を簡単に且つ正確に検出することができる。
図15(a)には、図9(b)が時間軸を拡大した状態で示されている。図中に示した太い実線は、点灯スケジュールによる点灯個数を表しており、図中に斜線を付した部分が、断線の影響で点灯個数が増加した部分を表している。また、図中の横軸に示したT1〜T12は、LED1〜LED12がそれぞれ点灯するタイミングである。更に、T1〜T12のタイミングから、前述した変更時間CT(図10(b)参照)が経過したAT1〜AT12の点灯後タイミングが、点灯個数および電圧値を検出するタイミングとなる。
もっとも、実際には、LEDの抵抗値Rにはバラツキが存在する。従って、点灯するLEDの個数が多くなると、LEDアレイ10に印加される電圧値のバラツキも大きくなって、実点灯個数を誤って見積もってしまう可能性がある。
例えば、AT2やAT3の点灯後タイミングのように、10個ものLEDを点灯させているタイミングで電圧値を検出すると、それらのLEDがたまたま抵抗値の大きなLEDであった場合には実点灯個数を多めに見積もってしまい、実際には断線が無いのに断線が有ると誤検出する可能性がある。また逆に、それらのLEDがたまたま抵抗値の大きなLEDであった場合には実点灯個数を少なめに見積もってしまい、実際には断線が有るのに断線が無いと誤検出する可能性がある。従って、点灯個数が多いタイミングでは、断線の有無を正しく検出することが困難となる。
図15(c)には、こうして得られた点灯個数の変化量および実点灯個数の変化量が示されている。例えば、AT1のタイミングとAT2のタイミングとの間では、点灯個数および実点灯個数の変化量は「+1」で一致しているが、AT2のタイミングとAT3のタイミングとの間では、点灯個数の変化量と実点灯個数の変化量とで不一致が生じている。同様に、AT3のタイミングとAT4のタイミングとの間や、AT8のタイミングとAT9のタイミングとの間や、AT11のタイミングとAT12のタイミングとの間でも、点灯個数の変化量と実点灯個数の変化量とで不一致が生じている。このように変化量の不一致が生じるのは、図15(b)に示したように、LEDの点灯個数と実点灯個数とが異なる部分が生じているためである。従って、LEDの点灯個数および実点灯個数を検出して、両者が一致するか否かを判断する代わりに、点灯個数の変化量と実点灯個数の変化量とが一致するか否かを判断しても、不一致となるか否かを判断しても同じことになる。
図16および図17には、第2実施例の車両用前方照明装置150がLEDアレイ10を用いて車両1の前方の領域を照明するために実行する照明制御処理のフローチャートが示されている。第2実施例の照明制御処理は、図12および図13を用いて前述した第1実施例の照明制御処理に対して、断線の有無を、点灯個数および電圧値の変化量に基づいて判断している点で異なるが、その他の点については同様である。そこで、以下では、第1実施例との相違点を中心として、第2実施例の照明制御処理について説明する。
そして、照明を開始すると判断したら(S200:yes)、配光パターンをランプECU50から取得して(S201)、配光パターンに応じた点灯スケジュールを生成する(S202)。
その結果、点灯後タイミングでない場合は(S214:no)、図16のS206に戻って、照明を終了するか否かを判断する。その結果、照明を終了しない場合は(S206:no)、点灯周期が経過したか否かを判断し(S207)、点灯周期が経過していない場合は(S207:no)、再び、断線を検出するタイミングである点灯後タイミングになったか否かを判断する(図17のS214)。
このような操作が繰り返されている間も、スイッチ素子SW1〜SW12は点灯スケジュールに従って駆動されている。
こうして、点灯個数の変化量を取得したら、今度は、LEDアレイ10に印加されている電圧値を取得する(S217)。そして、前回の点灯後タイミングで取得した電圧値からの変化量を取得する(S218)。
dN・(R−dR)・I < dV < dN・(R+dR)・I …(3)
の範囲内にある筈である。従って、S218で取得した電圧値の変化量が、(3)式を満たす範囲内にあった場合は、点灯個数の変化量と電圧値の変化量とが整合すると判断し(S219:yes)、(3)式を満たす範囲内になかった場合は、点灯個数の変化量と電圧値の変化量とが整合しないと判断する(S219:no)。
これに対して、点灯個数の変化量と電圧値の変化量とが整合すると判断した場合は(S219:yes)、特に検出結果を出力することなく、そのまま図16のS204に戻って、照明を終了するか否かを判断する。
そして、このような操作を繰り返しているうちに、点灯周期が経過したら(図16のS207:yes)、ランプECU50から配光パターンを取得する(S208)。
そして、新たに取得した配光パターンが、既に取得している配光パターンから変更されているか否かを判断して(S209)、配光パターンに変更がない場合は(S209:no)、再び、点灯周期が経過してS207で「yes」と判断するまで、上述した一連の処理(図17のS210〜S220)を繰り返す。
そして、最終的に、照明を終了すると判断したら(図16のS206:yes)、図16および図17に示した第2実施例の照明制御処理を終了する。
また、LEDの点灯個数とは異なり、点灯個数の変化量は大きな値となることが無いので、LEDの抵抗値Rのバラツキの影響で断線の有無を誤検出してしまう虞も生じない。
加えて、禁止期間(すなわち、点灯タイミングから点灯後タイミングまでの期間)に消灯するLEDが存在しないように点灯スケジュールを修正しているので、変化している途中の電圧値を検出してしまい、断線の有無を誤検出してしまう虞も生じない。
上述した第2実施例では、点灯タイミングから変更時間CTが経過して点灯後タイミングになる度に、点灯個数および電圧値を検出して、点灯個数および電圧値の変化量を取得するものとした。点灯後タイミングから、次の点灯後タイミングまでの間で、消灯するLEDが複数存在していた場合には、点灯個数の変化量は複数個となり、それに伴って電圧値の変化量も大きくなる。
これに対して、点灯タイミングの前後のタイミングで電圧値を検出して、電圧値の変化量を取得するようにしてもよい。こうすれば、取得した電圧値の変化量は、その点灯タイイングで1個のLEDを点灯させたことによる電圧値の増加量となる。従って、点灯タイミングの前後で取得した電圧値の変化量が、LED1個分に相当する電圧値の変化量と整合していれば、断線は生じていないと判断することができ、逆に、整合していない場合は、断線が生じていると判断することができる。
図18には、上述した第3実施例の車両用前方照明装置200の大まかな内部構造が示されている。図示されるように、第3実施例の車両用前方照明装置200は、図14を用いて前述した第2実施例の車両用前方照明装置150に対して、制御モジュール30が制御モジュール40に変更されている。そして、第3実施例の制御モジュール40は、第2実施例の制御モジュール30が備えていた検出部27や、変化量取得部31、断線有無判断部32の代わりに、点火後電圧検出部41と、点火前電圧検出部42と、断線有無判断部43とを備える点で異なっている。また、第3実施例の点灯スケジュール生成部23も、前述した第1実施例および第2実施例の点灯スケジュール生成部23と同様に、禁止期間中に消灯させる予定のLEDが存在する場合には、そのLEDを消灯させるタイミングを禁止期間外となるように変更するが、第3実施例の禁止期間は、第1実施例および第2実施例の禁止期間とは異なっている。しかし、その他の点については前述した第1実施例の制御モジュール20、あるいは第2実施例の制御モジュール30と同様である。
点火前電圧検出部42は、点灯タイミングよりも前に設定された点灯前タイミングで、LEDアレイ10に印加されている電圧値を検出する。尚、点火前電圧検出部42も電圧値は検出するが、点灯個数は検出しない。また、電圧値を検出するタイミングは、点灯スケジュール生成部23が生成した点灯スケジュールに基づいて取得する。
断線有無判断部43は、点火前電圧検出部42で検出した点灯前の電圧値から、点火後電圧検出部41で検出した点灯後の電圧値への変化量が、点灯するLEDが1個増えたことによる電圧値の変化量と整合するか否かを判断する。
ここで、第3実施例の点火後電圧検出部41および点火前電圧検出部42が電圧値を検出するタイミングは、次のようなタイミングに設定されている。
従って、第3実施例では、点灯前タイミングより変更時間CT前のタイミングから点灯後タイミングまでの期間が禁止期間となる。そして、点灯スケジュールを生成した後で、上述した禁止期間中に消灯することになっているLEDが存在するか否かを確認して、そのようなLEDが存在する場合には、そのLEDが消灯するタイミングを、禁止期間外となるように移動させる。
図20および図21には、第3実施例の車両用前方照明装置200がLEDアレイ10を用いて車両1の前方の領域を照明するために実行する照明制御処理のフローチャートが示されている。第3実施例の照明制御処理は、図16および図17を用いて前述した第2実施例の照明制御処理に対して、点灯タイミングの前後で電圧値を検出し、点灯タイミングの前後での電圧値の変化量が、LED1つ分の電圧値の変化量に相当するか否かに基づいて、断線の有無を判断している点で異なるが、その他の点については同様である。そこで、以下では、第2実施例との相違点を中心として、第3実施例の照明制御処理について説明する。
その結果、点灯前タイミングでない場合は(S314:no)、図20のS306に戻って、上述した一連の操作を繰り返す。このような操作を繰り返しているうちに、やがては点灯前タイミングと判断されるので(S314:yes)、LEDアレイ10に印加されている電圧値を検出して(S315)、今度は、点灯後タイミングになったか否かを判断する(S316)。その結果、点灯後タイミングになっていない場合(S316:no)でも、点灯前タイミングから、余裕時間dTおよび変更時間CTが経過したら点灯後タイミングになるので、S316の判断を繰り返すことによって、点灯後タイミングになるまで待機状態となる。そして、点灯後タイミングになったら(S316:yes)、再び、LEDアレイ10に印加されている電圧値を検出する(S317)。
(R−dR)・I < dV < (R+dR)・I …(4)
の範囲内にあるか否かを判断する。
筈である。従って、S218で取得した電圧値の変化量が、(4)式を満たす範囲内にあった場合は、点灯個数の変化量と電圧値の変化量とが整合すると判断し(S219:yes)、(4)式を満たす範囲内になかった場合は、点灯個数の変化量と電圧値の変化量とが整合しないと判断する(S219:no)。
これに対して、電圧値の変化量が(4)式を満たす範囲内にあった場合は(S319:yes)、特に検出結果を出力することなく、そのまま図20のS304に戻って、照明を終了するか否かを判断する。
そして、このような操作を繰り返しているうちに、点灯周期が経過したら(図20のS307:yes)、ランプECU50から配光パターンを取得する(S308)。
そして、新たに取得した配光パターンが、既に取得している配光パターンから変更されているか否かを判断して(S309)、配光パターンに変更がない場合は(S309:no)、再び、点灯周期が経過してS307で「yes」と判断するまで、上述した一連の処理(図21のS310〜S320)を繰り返す。
そして、最終的に、照明を終了すると判断したら(図20のS306:yes)、図20および図21に示した第3実施例の照明制御処理を終了する。
また、禁止期間に消灯するLEDが存在しないように点灯スケジュールを修正しているので、変化している途中の電圧値を検出してしまい、断線の有無を誤検出してしまう虞も生じない。
更に、第3実施例では、LED1〜LED12を個別に点灯させたことによる電圧値の変化を検出することができるので、断線が生じた位置に付いても特定することが可能となる。
20…制御モジュール、 21…バイパス回路、 22…照明強度取得部、
23…点灯スケジュール生成部、 24…点灯制御部、 25…電流値検出部、
26…電圧値制御部、 27…検出部、 28…断線有無判断部、
30…制御モジュール、 31…変化量取得部、 32…断線有無判断部、
40…制御モジュール、 41…点火後電圧検出部、 42…点火前電圧検出部、
43…断線有無判断部、 50…ランプECU、 100…車両用前方照明装置、
150…車両用前方照明装置、 200…車両用前方照明装置。
Claims (8)
- 複数の照明器(LED1〜LED12)を用いて車両(1)の前方の領域を分担して照明する車両用前方照明装置(100)であって、
前記複数の照明器が直列に接続された照明器アレイ(10)と、
前記複数の照明器の各々に対して設けられて、前記照明器に流れる電流をバイパスさせるバイパス回路(21)と、
複数の前記バイパス回路の各々に設けられて、前記バイパス回路を開閉するスイッチ素子(SW1〜SW12)と、
前記照明器アレイの前記照明器の各々についての照明強度に関する情報を取得する照明強度取得部(22)と、
前記照明強度に関する情報を取得すると、前記複数の照明器を互いに異なるタイミングで点灯させ、各々の前記照明器の前記照明強度に応じたタイミングで消灯させる点灯スケジュールを生成する点灯スケジュール生成部(23)と、
前記点灯スケジュールを受け取ると、点灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は開状態とし、消灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は閉状態とする動作を、前記点灯スケジュールに従って所定の点灯周期で繰り返す点灯制御部(24)と、
前記照明器アレイに流れる電流値を検出する電流値検出部(25)と、
前記照明器アレイに電圧を印加すると共に、前記照明器アレイに流れる電流値が所定の目標電流値となるように、印加する電圧値を制御する電圧値制御部(26)と、
何れかの前記スイッチ素子が前記開状態となる点灯タイミングから、前記電圧値制御部が前記電圧値の変更に要する時間よりも長い所定の変更時間が経過した点灯後タイミングで、前記閉状態の前記スイッチ素子の個数と、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値とを検出する検出部(27)と、
前記点灯後タイミングで検出した前記スイッチ素子の個数と前記電圧値とが整合するか否かを判断し、整合しない場合には、前記バイパス回路で断線が発生したものと判断する断線有無判断部(28)と
を備え、
前記点灯スケジュール生成部は、前記点灯タイミングから前記点灯後タイミングまでの禁止期間中に、前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを、前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする車両用前方照明装置。 - 複数の照明器(LED1〜LED12)を用いて車両(1)の前方の領域を分担して照明する車両用前方照明装置(100)であって、
前記複数の照明器が直列に接続された照明器アレイ(10)と、
前記複数の照明器の各々に対して設けられて、前記照明器に流れる電流をバイパスさせるバイパス回路(21)と、
複数の前記バイパス回路の各々に設けられて、前記バイパス回路を開閉するスイッチ素子(SW1〜SW12)と、
前記照明器アレイの前記照明器の各々についての照明強度に関する情報を取得する照明強度取得部(22)と、
前記照明強度に関する情報を取得すると、前記複数の照明器を互いに異なるタイミングで点灯させ、各々の前記照明器の前記照明強度に応じたタイミングで消灯させる点灯スケジュールを生成する点灯スケジュール生成部(23)と、
前記点灯スケジュールを受け取ると、点灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は開状態とし、消灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は閉状態とする動作を、前記点灯スケジュールに従って所定の点灯周期で繰り返す点灯制御部(24)と、
前記照明器アレイに流れる電流値を検出する電流値検出部(25)と、
前記照明器アレイに電圧を印加すると共に、前記照明器アレイに流れる電流値が所定の目標電流値となるように、印加する電圧値を制御する電圧値制御部(26)と、
何れかの前記スイッチ素子が前記開状態となる点灯タイミングから、前記電圧値制御部が前記電圧値の変更に要する時間よりも長い所定の変更時間が経過した点灯後タイミングで、前記閉状態の前記スイッチ素子の個数と、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値とを検出する検出部(27)と、
前記点灯後タイミングでの前記スイッチ素子の個数および前記電圧値が検出されると、前回の前記点火後タイミングで検出された前記スイッチ素子の個数および前記電圧値からの変化量を取得する変化量取得部(31)と、
前記個数の変化量と前記電圧値の変化量とが整合するか否かを判断し、整合しない場合には、前記バイパス回路で断線が発生したものと判断する断線有無判断部(32)と
を備え、
前記点灯スケジュール生成部は、前記点灯タイミングから前記点灯後タイミングまでの禁止期間中に、前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを、前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする車両用前方照明装置。 - 複数の照明器(LED1〜LED12)を用いて車両(1)の前方の領域を分担して照明する車両用前方照明装置(100)であって、
前記複数の照明器が直列に接続された照明器アレイ(10)と、
前記複数の照明器の各々に対して設けられて、前記照明器に流れる電流をバイパスさせるバイパス回路(21)と、
複数の前記バイパス回路の各々に設けられて、前記バイパス回路を開閉するスイッチ素子(SW1〜SW12)と、
前記照明器アレイの前記照明器の各々についての照明強度に関する情報を取得する照明強度取得部(22)と、
前記照明強度に関する情報を取得すると、前記複数の照明器を互いに異なるタイミングで点灯させ、各々の前記照明器の前記照明強度に応じたタイミングで消灯させる点灯スケジュールを生成する点灯スケジュール生成部(23)と、
前記点灯スケジュールを受け取ると、点灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は開状態とし、消灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は閉状態とする動作を、前記点灯スケジュールに従って所定の点灯周期で繰り返す点灯制御部(24)と、
前記照明器アレイに流れる電流値を検出する電流値検出部(25)と、
前記照明器アレイに電圧を印加すると共に、前記照明器アレイに流れる電流値が所定の目標電流値となるように、印加する電圧値を制御する電圧値制御部(26)と、
何れかの前記スイッチ素子が前記開状態となる点灯タイミングから、前記電圧値制御部が前記電圧値の変更に要する時間よりも長い所定の変更時間が経過した点灯後タイミングで、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値を検出する点灯後電圧値検出部(41)と、
前記点灯タイミングよりも所定の余裕時間前に設定された点灯前タイミングで、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値を検出する点灯前電圧値検出部(42)と、
前記点灯タイミングの前後で検出された前記電圧値の変化量が、点灯する前記照明器が1個増加したことによる変化量と整合するか否かを判断し、整合しない場合には、前記バイパス回路で断線が発生したものと判断する断線有無判断部(43)と
を備え、
前記点灯スケジュール生成部は、前記点灯前タイミングよりも前記変更時間前のタイミングから、前記点灯後タイミングまでの禁止期間中に、前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする車両用前方照明装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の車両用前方照明装置であって、
前記点灯スケジュール生成部は、前記禁止期間中に前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記開状態とするタイミングは変更することなく、前記スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする車両用前方照明装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の車両用前方照明装置であって、
前記点灯スケジュール生成部は、前記禁止期間中に前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記開状態とするタイミングを変更することによって、前記スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする車両用前方照明装置。 - 複数の照明器(LED1〜LED12)が直列に接続された照明器アレイ(10)を用いて、車両(1)の前方の領域を照明する車両用前方照明装置(100)に適用されて、前記複数の照明器を駆動する配線での断線の有無を検出する断線検出方法であって、
前記車両用前方照明装置は、
前記複数の照明器の各々に対して設けられて、前記照明器に流れる電流をバイパスさせるバイパス回路(21)と、
複数の前記バイパス回路の各々に設けられて、前記バイパス回路を開閉するスイッチ素子(SW1〜SW12)と、
点灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は開状態とし、消灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は閉状態とすることによって、前記照明器アレイの点灯態様を制御する点灯制御部(24)と
を備えた前記車両用前方照明装置であり、
前記照明器アレイの前記照明器の各々についての照明強度に関する情報を取得する工程(S101、S108)と、
前記照明強度に関する情報を取得すると、前記複数の照明器を互いに異なるタイミングで点灯させ、各々の前記照明器の前記照明強度に応じたタイミングで消灯させる点灯スケジュールを生成する工程(S102、S104、S110、S112)と、
前記照明器アレイに電圧を印加して、前記照明器アレイに流れる電流値を検出し、前記照明器アレイに流れる電流値が所定の目標電流値となるように、前記照明器アレイに印加する電圧値を制御する工程(S105、S113)と、
何れかの前記スイッチ素子が前記開状態となる点灯タイミングから、前記照明器アレイに印加する電圧値の変更に要する時間よりも長い所定の変更時間が経過した点灯後タイミングで、前記閉状態の前記スイッチ素子の個数と、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値とを検出する工程(S115、S117)と、
前記点灯後タイミングで検出した前記スイッチ素子の個数と前記電圧値とが整合するか否かを判断し、整合しない場合には、前記バイパス回路で断線が発生したものと判断する工程(S118、S119)と
を備え、
前記点灯スケジュールを生成する工程は、前記点灯タイミングから前記点灯後タイミングまでの禁止期間中に、前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを、前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする断線検出方法。 - 複数の照明器(LED1〜LED12)が直列に接続された照明器アレイ(10)を用いて、車両(1)の前方の領域を照明する車両用前方照明装置(100)に適用されて、前記複数の照明器を駆動する配線での断線の有無を検出する断線検出方法であって、
前記車両用前方照明装置は、
前記複数の照明器の各々に対して設けられて、前記照明器に流れる電流をバイパスさせるバイパス回路(21)と、
複数の前記バイパス回路の各々に設けられて、前記バイパス回路を開閉するスイッチ素子(SW1〜SW12)と、
点灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は開状態とし、消灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は閉状態とすることによって、前記照明器アレイの点灯態様を制御する点灯制御部(24)と
を備えた前記車両用前方照明装置であり、
前記照明器アレイの前記照明器の各々についての照明強度に関する情報を取得する工程(S201、S208)と、
前記照明強度に関する情報を取得すると、前記複数の照明器を互いに異なるタイミングで点灯させ、各々の前記照明器の前記照明強度に応じたタイミングで消灯させる点灯スケジュールを生成する工程(S202、S204、S210、S212)と、
前記照明器アレイに電圧を印加して、前記照明器アレイに流れる電流値を検出し、前記照明器アレイに流れる電流値が所定の目標電流値となるように、前記照明器アレイに印加する電圧値を制御する工程(S205、S213)と、
何れかの前記スイッチ素子が前記開状態となる点灯タイミングから、前記照明器アレイに印加する電圧値の変更に要する時間よりも長い所定の変更時間が経過した点灯後タイミングで、前記閉状態の前記スイッチ素子の個数と、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値とを検出する工程(S215、S217)と、
前記点灯後タイミングでの前記スイッチ素子の個数および前記電圧値が検出されると、前回の前記点火後タイミングで検出された前記スイッチ素子の個数および前記電圧値からの変化量を取得する工程(S216、S218)と、
前記個数の変化量と前記電圧値の変化量とが整合するか否かを判断し、整合しない場合には、前記バイパス回路で断線が発生したものと判断する工程(S219、S220)と
を備え、
前記点灯スケジュールを生成する工程は、前記点灯タイミングから前記点灯後タイミングまでの禁止期間中に、前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする断線検出方法。 - 複数の照明器(LED1〜LED12)が直列に接続された照明器アレイ(10)を用いて、車両(1)の前方の領域を照明する車両用前方照明装置(100)に適用されて、前記複数の照明器を駆動する配線での断線の有無を検出する断線検出方法であって、
前記車両用前方照明装置は、
前記複数の照明器の各々に対して設けられて、前記照明器に流れる電流をバイパスさせるバイパス回路(21)と、
複数の前記バイパス回路の各々に設けられて、前記バイパス回路を開閉するスイッチ素子(SW1〜SW12)と、
点灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は開状態とし、消灯させる前記照明器の前記スイッチ素子は閉状態とすることによって、前記照明器アレイの点灯態様を制御する点灯制御部(24)と
を備えた前記車両用前方照明装置であり、
前記照明器アレイの前記照明器の各々についての照明強度に関する情報を取得する工程(S301、S308)と、
前記照明強度に関する情報を取得すると、前記複数の照明器を互いに異なるタイミングで点灯させ、各々の前記照明器の前記照明強度に応じたタイミングで消灯させる点灯スケジュールを生成する工程(S302、S304、S310、S312)と、
前記照明器アレイに電圧を印加して、前記照明器アレイに流れる電流値を検出し、前記照明器アレイに流れる電流値が所定の目標電流値となるように、前記照明器アレイに印加する電圧値を制御する工程(S305、S313)と、
何れかの前記スイッチ素子が前記開状態となる点灯タイミングよりも所定の余裕時間前に設定された点灯前タイミングで、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値を検出する工程(S314、S315)と、
前記点灯タイミングから、前記照明器アレイに印加する電圧値の変更に要する時間よりも長い所定の変更時間が経過した点灯後タイミングで、前記照明器アレイに印加されている前記電圧値を検出する工程(S316、S317)と、
前記点灯タイミングの前後で検出された前記電圧値の変化量が、点灯する前記照明器が1個増加したことによる変化量と整合するか否かを判断し、整合しない場合には、前記バイパス回路で断線が発生したものと判断する工程(S319、S320)と
を備え、
前記点灯スケジュールを生成する工程は、前記点灯前タイミングよりも前記変更時間前のタイミングから、前記点灯後タイミングまでの禁止期間中に、前記閉状態となる前記スイッチ素子が存在する場合には、該スイッチ素子を前記閉状態とするタイミングを、前記禁止期間外に変更する
ことを特徴とする断線検出方法。
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