JP6988246B2 - 成形物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂材料と繊維とを含む成形物の製造方法に関するものである。
熱可塑性樹脂(以下、単に樹脂という)を製品形状に形成する方法として射出成形法が一般的に知られている。射出成形法とは、樹脂のペレット状の原料を加熱、可塑化させて金型の成形空間(キャビティー)内に注入し、所望の形状を得る方法である(特許文献1参照)。近年、合成樹脂にガラス繊維あるいは炭素繊維などの無機質材を繊維状にして含有させるFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)を原料とした射出成形法が、主に機械的な強度を大幅に向上させてより高強度を求められる種々の製品の生産に応用されている。例えば、アルミニウムや鉄等の金属により作製されていた部品に替えて上記射出成型法で得られたFRP成形物が使用される場合もある。この場合、金属製の部品と比較して軽量化が図られるというメリットがある。例えば、複数の構成部品(基板)を積層して構成される液体噴射ヘッドにおいては、これらの構成部品の一部に上記射出成型法で得られたFRP成形物が用いられることにより、当該構成部品の強度を向上させつつ液体噴射ヘッド全体の軽量化が可能となる。
国際公開第2012/117975号
上記のように金属製の部品の代替品としてFRP成形物が使用される場合において、より高い寸法精度が求められる用途では、特に、温度変化による寸法変化をより低減させること、すなわち、線膨張係数(熱膨張率)をより小さくすることが課題となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、線膨張係数がより小さい成形物を得ることが可能な成形物の製造方法、成形物、液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の成形物の製造方法は、上記目的を達成するために提案されたものであり、
樹脂材料と繊維とを含む原料を成形空間に向けて射出して成形する成形物の製造方法であって、
前記成形物は、前記繊維が第1方向に配向している第1の部分と、前記第1方向に配向している前記繊維の割合が前記第1の部分より低い第2の部分と、を有し、
前記第1の部分が含む前記繊維の割合は、10〔vol%〕以上、33〔vol%〕以下であることを特徴とする。
本発明によれば、成形物における第1の部分に10〔vol%〕以上、33〔vol%〕以下の繊維を含ませることにより、より軽量で、なお且つ、第1方向においてより小さい線膨張係数の成形物が得られる。
上記方法において、前記成形空間に向けて射出する際に、長さが2〔mm〕以上の前記繊維を前記樹脂材料に含ませることが望ましい。
この方法によれば、長さが2〔mm〕以上の繊維を樹脂材料に含ませることにより、成形物の線膨張係数をより一層小さくすることが可能となる。
また、上記方法において、前記成形空間に向けて射出する際に、長さの平均値が2〔mm〕以上の前記繊維を前記樹脂材料に含ませることがより望ましい。
この方法によれば、長さの平均値が2〔mm〕以上の繊維を樹脂材料に混入させることにより、成形物の線膨張係数をさらに小さくすることが可能となる。
上記各方法において、前記樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と前記成形空間との間にある前記樹脂材料に前記繊維を混入させることが望ましい。
この方法によれば、樹脂材料供給部と成形空間との間にある樹脂材料に繊維を混入させることにより、予め繊維が混練された樹脂材料を用いる場合と比較して、繊維の長さをより長くすることが可能となる。
また、上記各方法において、前記成形空間は、前記成形物に対応する形状の第1成形空間と、当該第1成形空間と連通する第2成形空間と、を有し、
前記第2成形空間に射出された前記原料を前記第1成形空間に向けて押圧することが望ましい。
この方法によれば、第1方向に配向している繊維の割合が相対的に高い第1の部分を多く(厚く)成形させることができる。すなわち、第1の部分と比較して第1方向に配向している繊維の割合が低い第2の部分を減少させ、成形物における第1の部分の第2の部分に対する相対的な体積(領域)の割合を多くすることができる。そして、第1の部分を多く備えることで、線膨張係数がさらに一層小さい成形物を得ることができる。
また、本発明に係る成形物は、樹脂材料と繊維とを含む成形物であって、
前記成形物は、前記繊維が第1方向に配向している第1の部分と、前記第1方向に配向している前記繊維の割合が前記第1の部分より低い第2の部分と、を有し、
前記第1の部分が含む前記繊維の割合は、10〔vol%〕以上、33〔vol%〕以下であることを特徴とする。
この発明によれば、より軽量で、なお且つ、第1方向においてより小さい線膨張係数の成形物が得られる。
上記構成において、前記繊維の長さは2〔mm〕以上である構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、長さが2〔mm〕以上の繊維が樹脂材料に混入されていることにより、成形物の線膨張係数をより一層小さくすることが可能となる。
また、上記構成において、前記繊維の長さの平均値は2〔mm〕以上である構成を採用することがより望ましい。
この構成によれば、長さの平均値が2〔mm〕以上の繊維が樹脂材料に混入されていることにより、成形物の線膨張係数をさらに小さくすることが可能となる。
さらに、上記構成において、前記第1の部分の体積は、前記第2の部分の体積よりも大きい構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、繊維が第1方向に配向している第1の部分の体積が、この第1の部分と比較して第1方向に配向している繊維の割合が低い第2の部分の体積よりも大きいことで、線膨張係数がさらに一層小さい成形物を得ることができる。
また、本発明の液体噴射ヘッドは、複数の構成部品を積層して構成される液体噴射ヘッドであって、
前記複数の構成部品は、上記の何れかの構成の成形物を含むことを特徴とする。
本発明によれば、線膨張係数がより小さく且つより軽量の成形物を構成部品として備えることにより、液体噴射ヘッドの軽量化が図れると共に、温度変化による構成部材の反り等の不具合を抑制することができる。
そして、本発明の液体噴射装置は、上記構成の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする。
成形物の一例を説明する斜視図である。 図1におけるA面部に対応する射出成型用金型の断面図である。 図1におけるB面部に対応する射出成型用金型の断面図である。 射出成型用金型の動作を説明する断面図である。 射出成型用金型の動作を説明する断面図である。 射出成形機の一形態について説明する模式図である。 成形方法について説明するフローチャートである。 成形物の製造方法による製造工程について説明する工程図である。 成形物の製造方法による製造工程について説明する工程図である。 成形物の製造方法による製造工程について説明する工程図である。 成形物の製造方法による製造工程について説明する工程図である。 図10における領域Cの拡大図である。 図11における領域Dの拡大図である。 成形物の製造方法による製造工程について説明する工程図である。 成形物の配向層における混練繊維の体積比と、成形物の第1方向における線膨張係数との関係の一例について説明するグラフである。 液体噴射装置(プリンター)の一形態について説明する斜視図である。 液体噴射ヘッド(記録ヘッド)の一形態について説明する分解斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る射出成型用金型を用いて成型される製品の一例としての射出成形物1(以下、成形物1)を示す外観斜視図である。本実施形態における成形物1は、貫通孔2aを有する円筒形の第1継手部3と、貫通孔2bを有する円筒形の第2継手部4と、第1継手部3と第2継手部4とを接続する腕部5と、を備えている。この成形物1は、例えば他の部品と連結されるための連結ピン(図示せず)等が貫通孔2a,2bにそれぞれ挿通されて、他の部品に連結されることで使用される部分である。したがって、腕部5には、継手部3,4に掛かる負荷に対して十分に耐えうる強度が要求される。また、成形物1の長手方向における温度変化による寸法変化、すなわち、継手部3,4の間隔の変化を可及的に抑えることが要求される。本実施形態において、成形物1は、高強度のFRPを原料として成形される。
図2は、成形物1を成形するための射出成型用金型7(以下、金型7)を示す図であり、図1における成形物1のA面部に対応する断面図である。また、図3は、図1における成形物1のB面部に対応する金型7の断面図である。これらの図に示されるように、金型7は、第1金型8と、第2金型9と、を有する。第1金型8は、第1ベース金型10と、圧縮金型の一つとしての第1プレス金型11と、を備えている。同様に、第2金型9は、第2ベース金型12と、圧縮金型の一つとしての第2プレス金型13と、を備えている。後述するように、プレス金型11,13は、ベース金型10,12に形成された挿通孔20,23にそれぞれ挿入される。
第1ベース金型10は、第2ベース金型12に対向する第1合わせ面14を有している。同様に、第2ベース金型12は、第1ベース金型10の第1合わせ面14に対向する第2合わせ面15を有している。これらの合わせ面14,15は、互いに対向した状態で当接可能となっている。また、第1ベース金型10における第1合わせ面14側には、当該第1合わせ面14に開口した第1凹部17が形成されている。同様に、第2ベース金型10における第2合わせ面15側には、当該第2合わせ面15に開口した第2凹部18が形成されている。これらの第1ベース金型10の第1合わせ面14と第2ベース金型12の第2合わせ面15とが当接して第1凹部17と第2凹部18とが互いに連通すると、成形物1(図2における2点鎖線及びハッチングで示される部分)を成形するための第1成形空間16の一部が画成される。
第1ベース金型10には、第1プレス金型11が組み込まれる貫通孔としての第1挿通孔20が形成されている。そして第1プレス金型11の第1挿入部21は、第1挿通孔20の内壁面との間に僅かに隙間を形成した状態ではめ込まれている。第1挿入部21の第1成形空間16に対向する第1プレス面22は、第1ベース金型10の第1凹部17と共に第1成形空間16の一部を画成する。同様に、第2ベース金型12には、第2プレス金型13が組み込まれる貫通孔としての第2挿通孔23が形成されている。そして第2プレス金型13の第2挿入部24は、第2挿通孔23の内壁面との間に僅かに隙間を形成した状態ではめ込まれている。第2挿入部24の第1成形空間16に対向する第2プレス面25は、第2ベース金型12の第2凹部18と共に、第1成形空間16の一部を画成する。第1プレス面22及び第2プレス面25は、成形物1の腕部5の一部の面を成形する金型面となる。
金型7の一側(図2中、右側)には、第1成形空間16と連通して当該第1成形空間16内に射出原料を注入するための開口する材料注入口となるゲート27が形成されている。なお、ゲート27は第1ベース金型10と、第2ベース金型12と、に形成された凹部により構成されているが、これに限定されず、第1成形空間16に連通する開口であれば、位置、大きさ、形状は適宜設定される。
次に図4および図5を用いて第1プレス金型11及び第2プレス金型13の動作について説明する。図4は、図1におけるA面部に対応する断面図である。図5は、図1におけるB面部に対応する断面図である。なお、合わせ面14,15及びプレス面22,25に直交する方向を上下方向として説明する。各図には、上側の第1金型8と下側の第2金型9とが組付けられた状態で、射出成形機30(後述)の原料射出ノズルNから射出原料M(本発明における原料に相当)がゲート27を通じて注入される状態が示されている。この時、第1プレス金型11の第1プレス面22は、第1成形空間16を画成する位置P11から、第1成形空間16を拡大する方向(上方向)に移動量d1だけ移動した位置P12に配置される。これにより、金型7の内部に第2成形空間28の一部を構成する第1圧縮空間28aが形成される。
同様に、第2プレス金型13の第2プレス面25は、第1成形空間16を画成する位置P21から、第1成形空間16を拡大する方向(下方向)に移動量d2だけ移動した位置P22に配置される。これにより、第2成形空間28の一部を構成する第2圧縮空間28bが形成される。なお、第1プレス金型11の位置P11と位置P12との間の移動、および第2プレス金型13の位置P21と位置P22との間の移動は、図示しないプレス金型駆動装置によって行われる。すなわち、金型7において第1プレス金型11と、第2プレス金型13と、は、それぞれ第1成形空間16に連通する第2成形空間28として第1圧縮空間28aと第2圧縮空間28bと、を画成するように互いに離隔する方向に移動される。
図4および図5に示す状態の金型7に射出原料Mが充填された後、第1プレス金型11および第2プレス金型13は、それぞれ第1成形空間16を画成するように互いに近接する方向に移動される。すなわち、第1プレス面22が位置P12から位置P11に、第2プレス面25が位置P22から位置P21にそれぞれ移動される。これにより、第2成形空間28である第1圧縮空間28a及び第2圧縮空間28bに充填された射出原料Mが第1成形空間16まで圧縮されて、所謂インジェクションプレス成形される。
次に、上記の金型7を用いた成形物の製造方法(以下、単に成形方法という)、および、その成形方法によって得られる成形物について説明する。具体的には、上記金型7を射出成形機30に装着し、図1に示される成形物1を成形する。
ここで、従来のFRPによる射出成型方法においては、強化繊維を基材樹脂に混練し、ペレット状にした射出原料を加熱、注入する方法が一般的であった。この方法では、ペレット状にする段階で含有される強化繊維は混練時に切断されているので、ペレットの大きさよりも長い強化繊維を得ることができなかった。これに対し、本実施形態においては、強化繊維をロープ状にして、基材樹脂の加熱、注入時にブレンドしながら射出成形する、射出成形機30による成形によって、より長い強化繊維を含有させた成形物を得ることができる。以下、この点について説明する。
図6は、射出成形機30の一例を示す模式図である。同図に示されるように、射出成形機30では、内部に樹脂材料Mpを射出口まで送出するスクリュー31が挿通されるシリンダー32を備えている。このシリンダー32は、原料供給部33(本発明における樹脂材料供給部に相当)から金型7の内部の成形空間(成形空間37)までの原料供給経路の一部を構成している。スクリュー31の一端(シリンダー32の射出口側の端とは反対側の端)は、射出駆動装置36に接続されており、当該射出駆動装置36によって回転駆動される。上記シリンダー32に、ペレット状に成形された樹脂材料Mpが原料供給部33から所定の量が投入され、シリンダー32の周囲に配置されたヒーター34によって、シリンダー32内の樹脂材料Mpは加熱されて可塑化され、材料送出方向(図中矢印)へスクリュー31の回転によって送出される。シリンダー32の途中には、繊維供給部35が接続されており、当該繊維供給部35から強化繊維Mf(本発明における繊維に相当)が可塑化された樹脂材料Mpに混入されてスクリュー31によって混練される。
射出原料Mのベースである樹脂材料Mpは、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、アクリル(PMMA)樹脂、ポリカーボネートABS(PC−ABS)樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。本実施形態においては、樹脂材料MpとしてPPS樹脂が用いられる。また、強化繊維であるフィラーとしての強化繊維Mfは、連続したフィラメント、いわゆるフィラメントロービング繊維であり、例えば炭素繊維、あるいはガラス繊維の1種、あるいは、例えば炭素繊維とガラス繊維とを複合させた2種以上の繊維から構成される。2種以上の繊維を含有させる場合、第1のフィラーとして炭素繊維と、その他のフィラーとしてガラス繊維などの強化繊維と、を含有させることが好ましい。これにより、高強度の炭素繊維によって高強度のFRP成形物を得ることができる。この強化繊維Mfは、繊維供給部35から連続してシリンダー32内に供給することができる。供給された強化繊維Mfは、スクリュー31の送出駆動によってシリンダー32内で切断されつつ混練繊維mfとなって樹脂材料Mpと混練され射出原料Mとされ、金型7の成形空間に射出(注入)される。
このようなオンラインブレンドによって射出原料M内に強化繊維(混練繊維mf)を含有させる射出成形において、上記金型7を用いることにより、繊維が所定の方向(第1方向)に整列配向される領域を高い割合で形成させることができ、より高い強度を有する領域を有する成形物1を得ることができる。また、原料供給経路内の樹脂材料Mpに強化繊維を混入させることにより、予め繊維が混練されたペレット状の樹脂材料を用いる場合と比較して、最終的な成形物1に含まれる混練繊維mfの長さをより長くすることが可能となる。
図7は、本実施形態に係る成形方法について説明するフローチャートである。また、図8〜図11、及び図14は本実施形態に係る成形方法の製造工程を示す断面図である。さらに、図12および図13は、製造工程における成形物の状態を説明する部分拡大断面図である。
本実施形態に係る成形方法では、金型7は、上記の射出成形機30に取り付けられることで、成形物1の射出成形が行われる。射出成形機30に取り付けられた金型7は、図8に示されるように、第1合わせ面14と第2合わせ面15とが突き当たるまで、第1金型8及び第2金型9の何れか一方又は両方が互いに近接する方向に相対的に移動されて金型7が閉じられる(金型閉工程S1)。金型7が閉じられると、第1成形空間16と、第2成形空間28(第1圧縮空間28a及び第2圧縮空間28b)と、からなる成形空間37が画成される。
金型7が閉じられて成形空間37が構成されると、図9に示されるように、金型7のゲート27にシリンダー32(図6参照)の原料射出ノズルNが接続され、射出工程が行われる(射出工程S2)。この射出工程では、原料射出ノズルNから送出される射出原料Mがゲート27から成形空間37内に注入される。また、射出工程では、上述したように、ペレット状に成形された樹脂材料Mpがシリンダー32の周囲に配置されたヒーター34によって加熱されて可塑化されると共に、シリンダー32の途中に接続された繊維供給部35から強化繊維Mfが可塑化された樹脂材料Mpに混入されてスクリュー31によって混練される(繊維混入工程)。すなわち、原料供給部33と成形空間37との間にある樹脂材料Mpに強化繊維Mfが混入される。これにより、混練繊維mfと樹脂材料Mpとが混練された射出原料Mが成形空間37に注入されることになる。これにより、ペレットの粒径或は長さ以上の繊維長の混練繊維mfを得ることが可能となる。射出原料Mの射出は、図10に示されるように、成形空間37の全体に射出原料Mが充填されるまで実行される。
図12は、図10における領域Cの拡大図である。同図において、成形空間37内における射出原料Mの状態が模式図的に示されている。
図12に示されるように、成形空間37に加熱されて流動性が付与された射出原料Mが注入されると、ゲート27側から成形空間37を埋めるように流入してくる。成形空間37に注入された射出原料Mは、金型7の成形空間37において、射出原料Mの流動方向(図12における横方向であり、本発明における第1方向に相当)に交差する方向(図12における上下方向)において、混練繊維mfの配向の傾向が異なる複数の層が形成される。すなわち、金型7の成形空間37に面する金型面(第1プレス面22及び第2プレス面25)に近い位置には、スキン層Lsが形成される。スキン層Lsは、金型7の金型面に触れることによって射出原料Mが初めに冷却され、射出原料Mのベースである樹脂材料Mpが凝固し、形成される層である。また、成形空間37の上下方向における中央領域、すなわち成形空間37の金型面より離間した領域では、射出原料Mの冷却が遅く、また、原料射出ノズルNから高圧注入された射出原料Mの流路となって、凝固した領域のコア層Lc(本発明における第2の部分に相当)が形成される。そして、コア層Lcと、スキン層Lsと、の間には配向層Ld(本発明における第1の部分に相当)が形成される。
これらのスキン層Ls、配向層Ld、及びコア層Lcでは、それぞれ混練繊維mfの配合状態に特徴を有している。スキン層Lsでは、上述したように最初に射出原料Mが凝固し始める領域であり、混練繊維mfの含有割合は他の層と比較して著しく少ない層である。コア層Lcは、上述したように成形空間37内において、射出原料Mの高い温度が維持されながら、成形空間37内を流動する領域であることから、混練繊維mfの配向については規則性がない。すなわち、コア層Lcでは、第1方向に配向している混練繊維mfの割合が、以下で説明する配向層Ldと比較して低い。一方、配向層Ldでは、スキン層Lsとコア層Lcとの中間に位置し、混練繊維mfは射出原料Mの流動方向(すなわち、第1方向)に沿って配向される。すなわち、配向層Ldでは、第1方向に配向している混練繊維mfの割合が、他の層と比較して高い。ここで、混練繊維mfが第1方向に配向された状態とは、第1方向を0°として、当該第1方向に対して±45°以内の角度で混練繊維mfが配向している状態である。このように、第1方向に配向された混練繊維mfの割合が高い配向層Ldでは、混練繊維mfの持つ高い強度を十分に発揮させることができ、特に第1方向における線膨張係数を低減させることができる。この配向層Ldの領域を成形物1において高い割合で形成させる(すなわち、成形物1における配向層Ldの体積の割合を大きくする)ことが、成形物1の線膨張係数の低減に寄与することになる。
配向層Ldは、成形空間37の図示する上下方向の空間領域(以下、キャビティー高さという)に依存する。図4に示される第1プレス金型11の第1プレス面22の位置P12と第2プレス金型13の第2プレス面25の位置P22とによって規定されるキャビティー高さをT1、同じく第1プレス金型11の第1プレス面22の位置P11と第2プレス金型13の第2プレス面25の位置P21とによって規定されるキャビティー高さ(図1における成形物1の腕部5を形成するキャビティー高さ)をT2、そして成形物1の継手部3,4を形成する第1ベース金型10と第2ベース金型12とによって構成されるキャビティー高さをT3とする。本実施形態においては、T1>T3>T2の関係にキャビティー高さは設定されている。
キャビティー高さT1は、コア層Lcの厚さtc1、配向層Ldの厚さtd11,td12、及び、スキン層Lsの厚さts11,ts12に配分される。同様に、キャビティー高さT2は、コア層Lcの厚さtc2、配向層Ldの厚さtd21,td22、及び、スキン層Lsの厚さts21,ts22に配分される。そして、キャビティー高さT3は、コア層Lcの厚さtc3、配向層Ldの厚さtd31,td32、そしてスキン層Lsの厚さts31,ts32tと、に配分される。
スキン層Lsの厚さts11,ts12,ts21,ts22,ts31,ts32は、概ね同程度の厚さで成形される。一方、配向層Ldの厚さは、キャビティー高さの高い領域ほど厚く形成される。すなわち、上述したように、キャビティー高さの「T1>T3>T2」の関係から、配向層Ldの厚さは、「(td11+td12)>(td31+td32)>(td21+td22)」の関係となる。また、混練繊維mfの配向に規則性を有さないコア層Lcにおいても、キャビティー高さが高いほど厚く形成される。すなわち、「tc1>tc3>tc2」の関係を有して形成される。
成形物1においては、第1方向に配向している混練繊維mfの割合が高い配向層Ldの領域を多く形成させることで、混練繊維mfが備える高強度特性を成形物1の第1方向における線膨張係数の低減に寄与することが可能となる。そこで、本実施形態においては、図11に示されるように第1プレス金型11、および第2プレス金型13を駆動させて成形空間37を減少させる圧縮工程が行われる(圧縮工程S3)。この圧縮工程では、上述したように、第1プレス金型11および第2プレス金型13が、それぞれ第1成形空間16を画成するように互いに近接する方向に移動される。すなわち、第1プレス面22が位置P12から位置P11に、第2プレス面25が位置P22から位置P21にそれぞれ移動される。これにより、第2成形空間28である第1圧縮空間28a及び第2圧縮空間28bに充填された射出原料Mが第1成形空間16まで押圧されて圧縮される。
図13は、図12における領域Dの拡大図であり、圧縮工程後における第1成形空間16内における射出原料Mの状態を模式的に示したものである。
圧縮後においては、既に凝固しているスキン層Ls及び配向層Ldでは、その厚さは圧縮前の厚さと同程度に維持される。ここで、圧縮工程を経て形成されるスキン層Ls及び配向層Ldの厚さを、それぞれtsp1,tsp2及びtdp1,tdp2とすると、「tsp1≒ts11」、「tsp2≒ts12」、「tdp1≒td11」、「tdp2≒td12」となる。一方、コア層Lcでは、金型7の金型面より離間しており、射出原料Mの高温度の領域であることから、圧縮工程の段階で流動性が維持されている。このため、第1プレス金型11と第2プレス金型13とによって圧縮された第2成形空間28の領域は、コア層Lcの圧縮に転嫁される。すなわち、圧縮空間28a,28bの分だけコア層Lcが圧縮されてその体積が減少される。例えば、コア層Lcの体積を配向層Ldの体積の50%以下まで減少させることができる。
つまり、キャビティー高さT1(図12参照)部分が、圧縮工程においてキャビティー高さTp(図13参照)までに変化した際、第1プレス金型11と第2プレス金型13とが移動する量を圧縮量δとすると、「δ=T1−Tp」である。ここで、圧縮工程によって成形されるコア層Lcの厚みtcpは、「tcp=Tp−(tsp1+tsp2+tdp1+tdp2)」であるが、上述した通り、「tsp1≒ts11」、「tsp2≒ts12」、「tdp1≒td11」、「tdp2≒td12」の関係から、「tcp≒Tp−(ts11+ts12+td11+td12)」であることから、「tcp≒(T1−δ)−(ts11+ts12+td11+td12)」となる。ここで、「T1−(ts11+ts12+td11+td12)=tc」であることから、「tcp≒tc−δ」であると言える。すなわち、第1プレス金型11と第2プレス金型13とが第2成形空間28を圧縮する際の移動量である圧縮量δ分は、コア層Lcを圧縮することとなる。
なお、図示しないが、金型7には、圧縮工程によってコア層Lcが圧縮されることで生じる余剰材料、すなわち第2成形空間28の容積に相当する体積分の射出原料Mが排出される排出空間が形成されていることが好ましい。また、第2成形空間28が、射出工程における最終充填領域(最終充填位置)となるように、ゲート27の位置、数、方向を設定することが好ましい。このようにすることで、圧縮工程において第2成形空間28が圧縮される際に、第1成形空間16に対応するコア層Lcには、充填直後の射出原料Mが存在し、十分な流動性が得られる温度が保持され、第2成形空間28の圧縮を容易に実行することができる。また、ゲート27の位置や個数によっては、射出成形時の射出原料Mの流動方向、すなわち、第1方向を成形物1に複数持たせることができる。このため、製品(成形物1)について線膨張係数を低減させたい方向が複数ある場合にも本発明を適用することが可能となる。つまり、第1方向に配向している混練繊維mfの割合が相対的に高い配向層Ldを複数有する成形物1を得ることができる。
圧縮工程の後、図14に示されるように、第1金型8が第2金型9から離間させるように第1金型8が上方に移動される(金型開工程S4)。勿論、第1金型8及び第2金型9の両方が、互いに離間するように移動されてもよい。本実施形態において、成形物1は第2金型9に残留される。その後、成形物1が第2金型9から取り出される(離形工程S5)。成形物1の取出しは、例えば、第2金型9から成形物1を押し出すピンを備えた冶具等が用いられる。或は、第2金型9と成形物1との境界に圧縮空気を噴射させて成形物1を取り出すこともできる。なお、金型7(第2金型9)から取り出された成形物1は、ゲート除去、バリ除去などの仕上げ加工が施される。
以上のようにしてベース材料である樹脂材料Mpに混練繊維mfを混練して得られた成形物1においては、例えば、アルミニウム(以下、アルミ)や鉄といった金属材料を用いて作製された同形状の製品と比較してより軽量化が図れ、また、線膨張係数をより小さくすることが可能となる。特に、成形物1の長手方向(以下、第1方向)の線膨張係数を小さくするには、樹脂材料Mpに混練される混練繊維mfの量(体積比)、長さ、及び、配向が重要となる。
図15は、成形物1の配向層Ldにおける混練繊維mfの体積比と、成形物1の第1方向における線膨張係数との関係の一例について説明するグラフである。同図において、横軸は配向層Ldにおける混練繊維mfの体積比であり、縦軸は成形物1の第1方向における線膨張係数(×10−6〔℃〕)である。また、直線Lec1は、成形物1をアルミで成形した場合における線膨張係数(約23.9×10−6〔℃〕)を示し、直線Lec2は、成形物1を鉄で成形した場合における線膨張係数(約11.7×10−6〔℃〕)を示している。さらに、本例では、樹脂材料MpとしてはPPS樹脂が用いられている。同図に示されるように、樹脂材料Mpに混練される混練繊維mfの量(体積比)が多いほど、成形物1の線膨張係数が小さくなることがわかる。但し、混練繊維mfの量(体積比)が35〔vol%〕を超えると、樹脂材料Mpの比率が低下することにより成形が困難となる。特に、射出成形機30のスクリュー31の回転トルクが上がり、当該射出成形機30の故障に繋がるおそれがある。基本的に、樹脂材料Mpの材料として他の熱可塑性樹脂を使用した場合においても同様な傾向が得られる。このような観点から、樹脂材料Mpに混練される混練繊維mfの量(体積比)は、10〔vol%〕以上、33〔vol%〕以下の範囲であることが望ましい。これにより、アルミにより成形物1を成形した場合と比較して、より軽量(例えば、アルミの半分以下の比重)且つより小さい線膨張係数の成形物1が得られる。より望ましくは、混練繊維mfの量(体積比)は、24〔vol%〕以上、33〔vol%〕以下の範囲である。これにより、鉄により成形物1を成形した場合よりも小さい線膨張係数(11.7×10−6〔℃〕以下)の成形物1が得られる。すなわち、成形物1の第1方向における線膨張係数をさらに小さくすることが可能となる。このように、従来は金属製が一般的であった製品にも本発明に係る成形物1を採用することが可能となる。
また、混練繊維mfの長さは、できるだけ長いほど線膨張係数をより小さくすることができる。この点に関し、本実施形態における成形方法では、原料供給部33から金型7の成形空間37までの原料供給経路内(シリンダー32内)の樹脂材料Mpに強化繊維Mfを含有させるオンラインブレンドが採用されているので、成形物1に含有される混練繊維mfの長さをより長くすることができる。すなわち、例えば、強化繊維を基材樹脂に混練してペレット状にした原料を用いて成形する従来の方法では、成形物に含まれる繊維の長さの平均が0.5〔mm〕程度で、最大でもペレットの長さ以下(例えば1〔mm〕以下)であるのに対し、本実施形態における成形方法によれば、長さが2〔mm〕以上の混練繊維mfが成形物1に含まれる。これにより、成形物1の線膨張係数をより一層小さくすることが可能となる。本実施形態においては、最小で0.17〔mm〕、最大で約12〔mm〕の混練繊維mfが得られる。そして、混練繊維mfの長さの平均値が2〔mm〕以上であることが望ましい。これにより、成形物1の線膨張係数をさらに小さくすることが可能となる。
そして、本実施形態に係る成形方法では、成形物1における、より機械的強度を必要とする領域である腕部5を成形する方法として、金型内に射出注入された射出原料に圧縮成形の工程を組み入れる、所謂インジェクションプレス法を取り込んでいる。これにより、射出原料MであるFRPに混練されている強化繊維である混練繊維mfの配向に規則性の無い、すなわち、第1方向に配向している混練繊維mfの割合が相対的に低いコア層Lcを圧縮し、射出原料Mの流動方向である第1方向に配向している混練繊維mfの割合が相対的に高い配向層Ldの領域を相対的に増加させることができる。すなわち、成形物1における配向層Ldのコア層Lcに対する相対的な領域の割合を多くすることができる。そして、配向層Ldを多く備えることで、線膨張係数がさらに一層小さい成形物1を得ることができる。
次に、本発明に係る成形方法により成形された成形物を液体噴射装置の一種であるインクジェット式記録装置(以下、プリンター40)が搭載する液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド41)に適用した例について説明する。
図16は、プリンター40の一形態について説明する斜視図である。また、図17は、記録ヘッド41の一形態について説明する分解斜視図である。プリンター40は、記録紙等の記録媒体Sの表面に液体状のインクを噴射して画像等の記録を行う装置である。このプリンター40は、複数のヘッドユニット422を備える記録ヘッド41、記録媒体Sを搬送する搬送機構43、及び、ヘッドユニット42(図2参照)の各ノズル面に対向する位置に搬送された記録媒体Sを支持する媒体支持部6(プラテンとも呼ばれる)等を装置本体45の内部に備えている。
本実施形態における記録ヘッド41は、記録媒体Sの搬送方向に交差(本実施形態においては直交)する方向(第1方向)に長尺なラインヘッドである。この記録ヘッド41には、液体の一種であるインクを貯留した図示しないインクカートリッジの内部と連通する液体供給チューブ46が接続されている。インクカートリッジからのインクは、液体供給チューブ46を介して後述する流路部材47に供給される。なお、インクカートリッジを記録ヘッド41の上面に装着する構成を採用することもできる。また、記録ヘッド41には、制御部からの駆動信号等を記録ヘッドに供給するFFC等の図示しない外部配線が、ケーブル挿通口48を通じて後述する回路基板49のコネクター50に接続されるように構成されている。
記録ヘッド41は、各ヘッドユニット42へインクを供給する流路が内部に形成された流路部材47と、カバー部材51と、ホルダー部材52と、回路基板49と、ヘッドユニット42と、固定板53と、からなる各構成部材を積層した状態で備えている。
ホルダー部材52は、上記第1方向に長尺な略直方体上の部材であり、上記構成のFRPを材料として成形方法により射出成形された成形物の一種である。このホルダー部材52の下面側には、複数のヘッドユニット42が取り付けられる。より具体的には、ホルダー部材52の下面側には、ヘッドユニット42を収容可能な図示しない凹部が形成されており、固定板53に固定された複数のヘッドユニット42が凹部内に収容される。すなわち、ホルダー部材52の下面側の凹部の開口が固定板53によって封止され、当該凹部と固定板53とによって区画された空間内に各ヘッドユニット42が収容される。また、ホルダー部材52の上面側にも凹部が形成されており、当該凹部内には、制御部からの外部配線が接続されるコネクター50や電子部品や配線等が設けられた回路基板49が配置される。
ホルダー部材52には、複数のヘッドユニット42が当該第1方向に沿って互い違いに配置されている。ヘッドユニット42は、複数のノズルが形成されたノズルプレートや、ノズルに連通する流路が形成された流路基板や、ノズルからインクを噴射させるための駆動源(アクチュエーター)として機能する圧電素子等がユニット化されたヘッドチップである。
カバー部材51は、第1方向に長尺な直方体状の部材であり、例えば、合成樹脂から作製されている。このカバー部材51は、ホルダー部材52の上部開口を塞ぐ状態で、接着剤による接着、ネジ止め、又は溶着等の固定手法によりホルダー部材52に固定されている。このカバー部材51の内部には、ホルダー部材52の各ヘッドユニット42にインクを供給する供給流路55が設けられている。
固定板53は、平面視において第1方向に長尺な金属製の板材である。この固定板53は、ホルダー部材52の下面に接着等により固定される。固定板53には、各ヘッドユニット42のノズルが形成されたノズル面を露出させる開口部56が、ヘッドユニット42毎に設けられている。固定板53の上面(ホルダー部材52側の面)において開口部56の周縁部にヘッドユニット42がそれぞれ接着剤等により固定される。
本実施形態において、カバー部材51の上面には、合計4つの流路部材47が配置されている。各流路部材47の上面には、流路部材47の液体供給チューブ46に対応する流入口57が開口している。流入口57は、流路部材47の内部に形成された液体流路を介してカバー部材51の上面に開口した供給流路55と連通されている。この流路部材47は、液体供給チューブ46から供給されたインクについてヘッドユニット42側への供給圧力を調整すると共に、図示しないフィルターにより当該インクをろ過する機能を有している。そして、流路部材47から供給流路55を通じて各ヘッドユニット42にインクが供給される。
このように、複数の構成部品を積層して構成される記録ヘッド41の一部、すなわち、本例では、ホルダー部材52として、本発明に係る成形方法により射出成形された成形物を採用することにより、すなわち、線膨張係数がより小さく且つより軽量の成形物としてのホルダー部材52を構成部品として備えることにより、記録ヘッド41の軽量化が図れると共に、温度変化による構成部材の反り等の不具合を抑制することができる。特に、本例では、ホルダー部材52に複数のヘッドユニット42が取り付けられている構成であって、ホルダー部材52の第1方向(長手方向)の変形や反りが抑えられるので、温度変化による各ヘッドユニット42の相対位置のずれや、各ヘッドユニット42のノズル面の傾き等の不具合を低減することが可能となる。このため、より信頼性の高いプリンター40を提供することが可能となる。
なお、本発明に係る成形物は、上記に例示したものには限られず、金属製の部品の代替品としてFRP成形物が使用される場合において、より高い寸法精度が求められる用途に応用することが可能である。
1…成形物,2…貫通孔,3…第1継手部,4…第2継手部,5…腕部,7…射出成型用金型,8…第1金型,9…第2金型,10…第1ベース金型,11…第1プレス金型,12…第2ベース金型,13…第2プレス金型,14…第1合わせ面,15…第2合わせ面,16…第1成形空間,17…第1凹部,18…第2凹部,20…第1挿通孔,21…第1挿入部,22…第1プレス面,23…第2挿通孔,24…第2挿入部,25…第2プレス面,27…ゲート,30…射出成型機,31…スクリュー,32…シリンダー,33…原料供給部,34…ヒーター,35…繊維供給部,36…射出駆動装置,37…成形空間,40…プリンター,41…記録ヘッド,42…ヘッドユニット,43…搬送機構,44…媒体支持部,45…装置本体,46…液体供給チューブ,47…流路部材,48…ケーブル挿通口,49…回路基板,50…コネクター,51…カバー部材,52…ホルダー部材,53…固定板,54…凹部,55…供給流路,56…開口部,57…流入口

Claims (4)

  1. 樹脂材料と繊維とを含む原料を成形空間に向けて射出する射出成形機に取り付けられる射出成型用金型を用いた成形物の製造方法であって、
    前記射出成型用金型は、
    第1ベース金型と、
    前記第1ベース金型に対向する第2ベース金型と、
    前記第1ベース金型に形成された第1貫通孔に組み込まれ、前記第1貫通孔内を移動可能に構成された第1プレス金型と、
    前記第2ベース金型に形成された第2貫通孔に組み込まれ、前記第2貫通孔内を移動可能に構成された第2プレス金型と、を備え、
    前記第1ベース金型、前記第2ベース金型、前記第1プレス金型、及び、前記第2プレス金型によって区画された前記成形空間に前記原料を射出する射出工程と、
    前記成形空間の容積を減少させるように、前記第1プレス金型及び前記第2プレス金型を移動させて、充填された前記原料を圧縮する圧縮工程と、を含み、
    前記成形物は、前記繊維が第1方向に配向している第1の部分と、前記第1方向に配向している前記繊維の割合が前記第1の部分より低い第2の部分と、を有し、
    前記第1の部分が含む前記繊維の割合は、10〔vol%〕以上、33〔vol%〕以下であることを特徴とする成形物の製造方法。
  2. 前記射出工程において、長さが2〔mm〕以上の前記繊維を前記樹脂材料に含ませる工程を有することを特徴とする請求項1に記載の成形物の製造方法。
  3. 前記射出工程において、長さの平均値が2〔mm〕以上の前記繊維を前記樹脂材料に含ませる工程を有することを特徴とする請求項2に記載の成形物の製造方法。
  4. 前記射出工程において、前記樹脂材料を供給する樹脂材料供給部と前記成形空間との間にある前記樹脂材料に前記繊維を混入させる工程を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の成形物の製造方法。
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