JP2850329B2 - 樹脂ホイール - Google Patents

樹脂ホイール

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JP2850329B2
JP2850329B2 JP63207667A JP20766788A JP2850329B2 JP 2850329 B2 JP2850329 B2 JP 2850329B2 JP 63207667 A JP63207667 A JP 63207667A JP 20766788 A JP20766788 A JP 20766788A JP 2850329 B2 JP2850329 B2 JP 2850329B2
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    • B60B5/02Wheels, spokes, disc bodies, rims, hubs, wholly or predominantly made of non-metallic material made of synthetic material

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は樹脂ホイールに係り、特に衝撃強度,曲げ強
度,剛性,耐熱性,耐疲労性,耐クリープ性等の機械的
特性の均一性(ユニフォーミティ)に優れると共に、量
産性も良好な各種自動車用樹脂ホイールとして好適な樹
脂ホイールに関する。
[従来の技術] 従来、自動車用ホイールは、一般にスチール又は軽合
金(アルミ合金,マグネシウム合金)で製造されてい
る。
スチール製ホイールは、プレス又はロール成形により
製造されているが、成形寸法のバラツキが多く、特にリ
ムのヒードシート部の真円度に狂いが生じ易いという欠
点があり、また、重量が重いため重量の点でも自動車部
品の軽量化の面で好ましいものではない。
これに対して、軽合金製ホイールは成形寸法が安定し
ており、重量の点でもスチール製ホイールの1/3と大幅
に軽量化がなされているものの、スチール製ホイールに
比し材料コストが3〜5倍と非常に高価なものであると
いう欠点がある。
ところで、近年重視されている省エネルギーの観点か
ら、自動車部品の軽量化は極めて重要な要件となるが、
とりわけ、ホイールのようなバネ下部材は、燃費の改
善,機動性の向上の点から、より一層の軽量化が望まれ
ている。
このような背景のもとに、最近になって、軽量性,成
形安定性を満足し、かつ低コストなものとして、樹脂製
ホイールが提案された。樹脂製ホイールは、樹脂に短繊
維又は長繊維の強化繊維を混合したFRPを主材料として
成形されたもので、金属製ホイールに比し軽量で成形寸
法の安定性に優れる上に、生産性も良好で製品のコスト
ダウンが図れ、しかも彩色等のデザイン性の面において
も極めて優れるものと期待がよせられる。
このような樹脂製ホイールに要求される特性として
は、 破壊防止の面から、衝撃強度が高いこと。
ホイールからのタイヤの脱離防止の面から、、クリ
ープが小さいこと。
ブレーキドラムの熱に対して耐熱性に優れること。
ユニフォーミティに優れること。即ち、ホイールは
自動車にとって重要な部品の一つであるため、成形品に
不均一部や欠陥部があるものは、ホイールとして使用す
ることはできない。
量産性が可能であること。
等が挙げられる。
従来、樹脂製ホイールの製造法としては、圧縮成形
法,射出成形法,フィラメントワインディング法,ハン
ドレイアップ法等が提案されている。これらのうち、圧
縮成形法によるものは、汎用のFRP製造技術をそのまま
利用したものであって、不飽和ポリエステル,エポキシ
等の熱硬化性樹脂というガラス繊維等よりなるFRPをプ
レス成形してホイールとするものである(特開昭61−13
5801号)射出成形法によるものは、主として短繊維強化
熱可塑樹脂を射出成形してホイールとするものである
(特開昭60−38203号)。フィラメントワインディング
法によるものは、樹脂を含浸したロービングをドラムに
所定の方向に巻きつけて硬化させてホイールとするもの
である(特開昭55−15339号)。ハンドレイアップ法
は、補強繊維を予めホイールに近い形状に賦形してお
き、これにローラー等で樹脂を含浸させる方法である
(特開昭56−123号)。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来法のうち、圧縮成形により製造されたホイー
ルは、成形時の繊維損傷が比較的軽微であるため、剛
性,強度等の点で優れる。しかも、用いる樹脂も熱硬化
樹脂が主体であるため、耐熱性,耐クリープ性も良好で
ある。しかしながら、複雑形状物(例えば、肉厚変化が
著しいもの)の成形には不向きであり、また成形サイク
ルも長いことから生産性が悪いという欠点がある。
これに対し、射出成形法は極めて生産性が高く、生産
コストの点で優れているが、一般に射出成形品は圧縮成
形品に比べ強度が1/3〜1/5と低いという欠点がある。こ
れは、樹脂の混練りや流動時における繊維の破損,流動
によって生じる繊維及び分子の配向,樹脂合流点でのウ
ェルドラインの発生などにより、成形品を構成する材料
の物性が不均一化ないし劣化され、強度が低下すること
に起因する。更に、射出成形法では材料の流動性を上げ
るために圧縮成形に用いる材料(BMC,SMC等)に比べ、
補強繊維長さが極めて短く、通常1mm以下であることも
製品の強度,剛性が十分に満たされない原因となってい
る。
一方、フィラメントワインディング法は、長繊維を所
定の方向に配向できるため、強度,剛性の点では優れた
ホーイルが期待できるが、成形サイクルが極めて長く、
生産性に劣るという欠点がある。
ハンドレイアップ法は、フィラメントワインディング
法と同様に成形サイクルが長い上に、極めて労働集約的
な方法であることから、製品品質にバラツキが生じ易
く、生産性は非常に劣るという欠点がある。
本発明は、上記従来の問題点を、成形材料及び成形法
を改良することにより解決し、曲げ強度,剛性,衝撃強
度,耐熱性,耐疲労性,耐クリープ性等に優れ、ホイー
ル全体に亘って均質な物性を保有し、しかも低コストで
大量生産が可能な樹脂ホイールを提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明の樹脂ホイールは、ホイールを構成するリム,
ディスク,ハブの少くとも一つを繊維補強合成樹脂を用
いて射出圧縮成形即ち、金型を少し開いておくか、もし
くは、弱い型締力で金型を閉じておき、繊維を含有した
樹脂材料を該金型内に射出した後、型締力を増加させて
圧縮成形してなる樹脂ホイールであって、補強繊維の繊
維長が2mm以下であることを特徴とする。
[作 用] 本発明の樹脂ホイールは合成樹脂に繊維長2mm以下の
補強繊維を配合した繊維補強合成樹脂よりなるため、衝
撃強度,曲げ強度,剛性,耐熱性,耐疲労性,耐クリー
プ性等の機械的特性に著しく優れる。また、射出圧縮成
形により成形されるため、ユニフォーミティにも優れ、
量産性も著しく高い。
本発明で採用する射出圧縮成形法によれば、補強繊維
の切断を極力押え、繊維配向,ウェルドの発生を低減し
かつ成形品の場所によるばらつきを押えて、圧縮成形品
に近い強度物性を有する成形品を、射出成形法と同等の
生産性で製造することができる。射出圧縮成形法とは、
前もって金型を少し開いておくか、もしくは、弱い型締
力で金型を閉じておき、そこへ材料を射出した後型締力
を増加させて圧縮成形する方法である。このような成形
法によれば射出時の流動抵抗が減少するために繊維破断
が減少し、しかも圧縮工程においてキャビティ全体に均
一な圧力がかかるため流れ方向に圧力勾配が発生せず、
圧力方向に直角に繊維配向がおこる。そのため等方,等
質な成形品が得られ、残留応力低下に基く反りや成形収
縮が少なく、成形品の強度や剛性も向上する。
即ち、射出成形では、ゲートが冷却固化するまで保圧
の影響を受け、ゲートシール後に等比容の冷却が起こる
ため、キャビティ内圧は冷却するにつれ低くなる。その
ため、ヒケや反りが発生し易くなる。これに対し、射出
圧縮成形ではゲートシール後に圧縮をかけキャビティを
縮小するため、キャビティ内に高い圧力が発生し、その
後等比容冷却を行うためヒケや反り、ボイドが少く、寸
法精度の良い、高密度化された成形品が得られる。また
射出成形では、保圧時にも溶融材料の動きが残るため、
ゲート付近に配向が起こり易い。特に、L/t(Lは成形
品のゲートからの最長の距離,tは成形品肉厚)の大きい
製品ほど配向が現れ易い。一方、射出圧縮成形では、金
型を少し開いておくか、もしくは弱い型締力で金型を閉
じておき、この状態で材料を射出するため流動抵抗が小
さくその分圧力勾配も緩和され、繊維や分子の配向も生
じ難い。従って、偏肉厚の大きい製品や大型製品でも反
りの発生を抑えることができ、極めて高品質や成形品を
得ることができる。また、粘度の高い樹脂や繊維含有量
の多い樹脂材料を用いる場合、通常の射出成形では流れ
抵抗が大きく成形困難であるが、射出圧縮成形では流路
を一時的に拡張するため、この問題も解決されることか
ら、使用可能な樹脂の種類や繊維含有量の範囲も拡大で
きるという利点もある。
[実施例] 以下に本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。
第1図は本発明の樹脂ホイールの一実施例を示す断面
図であり、1はリム部,2はディスク部,3はハブ部であ
る。本発明の樹脂ホイールは、これらリム部1,ディスク
部2,ハブ部3の少なくとも1つの部分を、繊維長2mm以
上の補強繊維で補強された繊維補強合成樹脂を用いて射
出圧縮成形により成形してなるものである。
本発明で用いる合成樹脂としては、射出成形可能な樹
脂であればいずれの合成樹脂であっても良く、各種の熱
硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等が挙げられる。
具体的には、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹
脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエ
ステル樹脂,ポリウレタン樹脂,フタル酸ジアリル樹
脂,アルキド樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂あるいは
これらの変性物等を用いることができる。これらのう
ち、不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂,フ
ェノール樹脂,エポキシ樹脂等が好ましく、とりわけ、
ビニルエステル樹脂,不飽和ポリエステル樹脂が望まし
い。これらの熱硬化性樹脂は1種を単独で用いても2種
以上の混合物として用いても良い。
また、熱可塑性樹脂としては、各種ポリアミド樹脂,
具体的には、ナイロン6,6・6,4・6,6・10,10,11,12等、
ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリフェニレン
スルフィド(PPS),アセタール樹脂(POM),ポリカー
ボネート(PC),ポリエチレンテレフタレート(PE
T),ポリプロピレン(PP),ポリエーテルスルホン(P
ES),ポリスルホン(PSF),ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK),ポリフェニレンオキサイド(PPO),ポ
リアミドイミド(PAI),ポリイミド(PI),ポリエス
テル,各種液晶ポリマー等を用いることができる。これ
らのうち、各種ポリアミド樹脂,PBT,PPS,POM,PC,PES,P
I,PAI,PEEK,ポリエステル,各種液晶ポリマー等が好ま
しい。これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で用いても2
種以上の混合物として用いても良い。
これらの合成樹脂には、耐候性,耐熱性,耐摩耗性,
流動性,熱膨張性,難燃性,耐薬品性などを改良する目
的で各種の充填剤,老化防止剤,架橋剤,オイル,可塑
剤,オリゴマー,エラストマーなどの必要量を混合する
ことも可能である。
本発明において、上記合成樹脂に配合する補強繊維と
しては、ガラス,カーボン,グラファイト,アラミド,
ポリエチレン,セラミック(SiC,Al2O3など),金属
(ボロン,ステンレスなど)等の繊維が挙げられ、その
繊維長が2mm以上のものを用いる。このような補強繊維
の直径は、あまりに小さいと十分な補強効果が得られ
ず、逆にあまりに大きいと射出圧縮成形が困難となり、
成形性が悪くなる。このため、補強繊維の直径は0.1〜1
00μm、特に0.5〜50μmの範囲とするのが好ましい。
また繊維長は2mm以上、特に8〜15mmであることが好ま
しい。
このような補強繊維の配合量が少な過ぎると十分な補
強効果が得られず、逆に多過ぎるとマトリックス樹脂が
不足して成形性が悪くなる。このため、補強繊維の配合
量は成形材料に対する配合割合で5〜70体積%とするの
が好ましく、特に10〜60体積%とするのが好ましい。
ところで、射出成形可能な熱硬化性樹脂材料は、通
常、プリミックスと呼ばれ、マトリックス樹脂の他に充
填剤,離型剤,着色剤触媒等を混練し、均一に分散した
混合物に更に増粘剤を混合したものを、ポリエチレンフ
ィルム上に塗布し、補強繊維に圧着含浸してシート状に
したものである。このようなプリミックスは、室温ない
し、加温下で熟成して射出材料とする。
一方、射出成形可能な熱可塑性樹脂材料の製造方法と
しては、例えば、ボビンから繰り出した補強繊維のロー
ビングを、低粘度の熱可塑性樹脂の溶融物中を通して引
き出し、各モノフィラメント表面を樹脂でぬらし、次い
で冷却管を通過させることによって、フィラメントを引
き抜き方向に整列、固化させる。この連続した熱可塑性
樹脂含浸ロービングを所定の長さに切断してやればその
切断長さの繊維長さを補強繊維を有する粒状材料が得ら
れる(特開昭57−181852号参照)。
通常の繊維補強熱可塑樹脂に含有される繊維の繊維長
は1mm以下であり、殆どの場合、繊維長0.2〜0.5mm程度
のものを用いるため、補強効果は長繊維を用いるものに
比べはるかに劣っている。本発明の樹脂ホイールでは、
熱可塑性樹脂に長さ2mm以上、好ましくは10mm以上の補
強繊維を配合するため、極めて優れた補強効果が得られ
る。
本発明において、好ましい成形材料としては、連続繊
維と熱可塑性樹脂を用い、これを引抜き成形法で成形し
た直径2.5〜3mmの棒状体を例えば10mm長に切断した粒状
体が挙げられる。この場合、上述の如く、含有される補
強繊維長さは切断長さで任意に調整できる。また、引抜
き成形で成形されるため長繊維にもかかわらず繊維間へ
の樹脂含浸性は十分である。また、この種の長繊維強化
樹脂は、上述の如く、通常の短繊維強化樹脂に比べ機械
物性は著しく向上するにもかかわらず、成形性,加工性
は損なわれることは殆どなく、同程度の成形性,加工性
を得ることができる。
本発明においては、このような射出成形材料を用い、
射出圧縮成形法によりホイールを構成するリム,ディス
ク,ハブの少なくとも一つを成形する。射出圧縮成形法
には大きく分けてマイクロモールド朴,ローリンクス
法,サンドイッチプレス法,二段直圧法がある。
マイクロモールド法はキャビティーの一部又は全部を
動くようにしておき、キャビティー部を開いて射出し、
金型に組込んだ油圧シリンダーで圧縮する方法である。
この方法は大きな油圧シリンダーを取付けることが不可
能であることから、大きな圧縮力は得られないが、必要
な所を必要量だけ圧縮することができるという利点があ
る。圧縮の方法には、2段型締方式によって型締力を利
用する方法と、別の動力源を利用する方法とがある。い
ずれも一定型締力で型締めしておいてコアを動かすもの
であるが、この操作を適当に制御することにより、残留
応力,ヒケを共に少なくすることができる。
ローリンクス法は射出散のキャビティー内圧上昇分で
キャビティー容積を増大させ、その後型締力を利用して
全面的に圧縮する方法である。金型構造はパート面を少
し開いても材料が流出しないようになっており一般の圧
縮成形金型とほぼ同じである。
サンドイッチプレス法はトグルを伸ばし切らない状態
で樹脂を射出し保圧工程以後にトルグを完全に伸ばして
圧縮する方法である。
二段直圧法はまず低圧で型締し、樹脂圧でパーティン
グ面をやや開いた後高圧で圧縮する方法である。
射出圧縮成形法としては、次の方法も有効である。即
ち、溶融した樹脂を射出シリンダー又は押出機でプレス
間に設置された上下の金型内に注入し、樹脂の供給が終
了する前又は終了した後金型が型閉めされる成形方法で
ある。この場合、第7図に示す如く、溶融樹脂30を上金
型31a及び下金型31bよりなる金型31内(本例では下金型
31b内)に掘込まれた流入溝32を通して射出シリンダー3
3より注入する方法と、第8図に示す如く、溶融樹脂30
を開いた金型31a、31b間に金型の外から挿入された挿入
筒34及びノズル35を通して射出シリンダー33より注入す
る方法がある。上記のいずれの方法も本発明に好適であ
るが、樹脂の保温、金型の移動距離などを考えると前者
(第7図に示す方法)がより望ましい。また、この第7
図に示す射出圧縮成形法では、上下の金型を完全には開
かない状態に保ち、内部のガス抜き真空化及び不活性ガ
スによる置換も可能であるという利点もある。
本発明の樹脂ホイールを射出圧縮法で成形する場合、
目的に応じて上記いずれの方法を採用しても良いが、上
記いずれの方法においても圧縮工程ではキャビティー内
に高圧が発生し、しかも金型が摺動するため、わずかの
金型変形で寸法不良や焼付等の欠陥が発生する可能性が
ある。また、補強繊維を含む樹脂を使用する場合は金型
の摩耗が激しい。このため、金型の構成材料には十分な
剛性と硬度が必要とされる。
更に、製品品質を向上させるために、次のような機構
を金型に付与することもできる。
型内真空引き機構 これは予め型内の空気を排出した後、材料を射出・充
填するもので高速充填が可能となり、型内に付着してい
る異物を排除するという効果も期待できる。この場合、
型内の真空後は10torr以下であれば十分な効果を得るこ
とができる。
型内ガス抜き機構 の真空引き機構と類似の手法であって、射出成形材
料から放出されるガスやキャビティー内のエアを強制的
に排出することにより、成形品の焼けを防止し、特にウ
ェルド強度の改善には著しい効果がある。
金型局部加熱機構 ウェルド強度改善には局部加熱も有効である。ウェル
ド生成が予想される金型箇所にヒーター又は高周波加熱
用コイルを埋め込んでおき、局部的に高温にしておく
と、溶融したままの状態で樹脂が互いに接触,合体する
ため、ウェルド部の強度低下は最小限に抑えられる。
型内打抜き機構 これは金型内に組み込まれたパンチシリンダを用いて
圧縮・冷却工程中に所定の部分を打抜くもので、滑らか
な切り口を得ることができる上に、打抜き精度の向上な
どの点で有利である。特に、ホイールにおいてはハブ
穴,ボルト穴,飾り穴(風穴),バルブ穴などを設ける
ために、通常の射出成形だけではこれらの穴の周囲に必
ずウェルドラインが生成し、強度低下の最大要因となっ
ている。射出・圧縮成形法を用いればある程度のウェル
ド強度低下を防げるが根本的な改善策とは言い難い。こ
れに対し射出圧縮成形法に加えて各種穴部に相当する部
分に穴の断面形状をした打抜き棒を備えた打抜き機構を
金型に組込んでおき、圧縮工程において、樹脂が完全に
固化する以前の柔軟な状態にあるときを見計らって、打
抜き機構を作動させ、所定の形状の穴を打抜くことによ
り、ウェルドラインは完全に排除することができる。
第2図は、このような型内打抜き機構を備える成形機
の構成を示す分解斜視図である。図示の例はホイール4
の全体を射出圧縮成形するための成形機を示し、成形モ
ールド5a,5b,5c及び5dのうち、成形モールド5dにホイー
ル4の各穴4a,4b,4cを打抜くための打抜き刃6a,6b,6cが
取り付けられている。7は打抜き刃の作動用の油圧シリ
ンダーである。この油圧シリンダー7は、打抜き刃の数
だけ設けそれぞれ作動させるようにしても良く、1台の
油圧シリンダーにて全ての打抜き刃を作動させるように
しても良い。
ところで、自動車用ホイールにはその使用中に様々な
力が作用する。第1図に示すリム部1にはタイヤ空気圧
に加えて車体を支えるための垂直荷重が、また溝に落ち
たり、突起物や縁堤に乗り上げたりした時には衝撃力が
加わる。一方、ディスク部2には垂直荷重の他に、カー
ブを切った時に加わる曲げモーメント、また跳ねた石や
岩などによる衝撃力が作用する。このように、ホイール
は極めて苛酷な条件下で使用される。
一方、近年、社会環境的な要請から省エネルギーがさ
けばれ、前述の如く、自動車部材にも軽量化が望まれて
いる。特にバネ下部材はその効果が大きく、また機動性
の点からも軽量化が要求されている。
このようなことから、ホイールには、更に強度向上の
ための補強構造や、軽量化構造を組合せることが好まし
い。これらの構造を導入する部位はホイール全体でも、
リム部のみ、ディスク部のみ又はハブ部のみでも良く、
その他必要な部位に適宜用いることができる。
補強構造としては、例えば第3図に示す如く、ある種
の補強層、具体的には補強繊維の配合量を増した層、又
は補強部材等を、ホイール本体10の中間層Aとして、あ
るいは表面層B又はCとして導入した構造等を採用する
ことができる。
この場合、補強層に用いる材料としては、ガラス,カ
ーボン,グラファイト,アラミド,セラミック(SiC,Al
2,O3など),金属(ボロン,ステンレスなど)などが挙
げられ、それらの形態としては、ロービングなどの一方
向長繊維,クロス,編組,より線,網,及びこれらを配
列して樹脂で固めた線状又は板状物(FRP),三次元織
物などが最適である。
一方、軽量化構造としては、第4図に示す如く、ホイ
ール本体10の材料力学で示すところの低応力部分である
断面中央部に中空部11を形成した中空構造、又は、第5
図に示す如く、該部分に超軽量物12を充填した構造を採
用することができる。この場合、充填する超軽量物とし
ては、ハニカム,波形体、凹凸形体,有孔板,網状体,
発泡体,線又は棒状体,粉粒体等の軽量な高強度体が好
ましい。
上述した補強構造及び軽量化構造はそれぞれ単独で採
用することもできるし、両者を組合せて採用することも
できる。例えば、第4図に示す中空部を壁面を、前記補
強層で構成することもできる。
ホイール内に補強層や超軽量物を充填配置する場合に
は、所定形状の充填物を予め成形し、これを金型の所定
位置に設置して射出成形するインサート成形が有利であ
る。
ところで、通常、ホイールはハブボルトを介して、ブ
レーキドラム又はブレーキディスクに隣接する円板に取
付けられる。そのためハブボルト穴周辺にはブレーキ発
熱の影響を直接受けることになり、長期の使用中には樹
脂の軟化、クリープに伴い、応力緩和が発生し、ハブナ
ットの緩みが生じてくる。この問題を解決するために、
例えば第6図(a)(ハブ部近傍の断面図)、(b)
(第6図(a)のB部の拡大図)及び(c)(第6図
(b)のC−C線に沿う断面図)に示す如く、ハブボル
ト21の穴22部に高剛性,高強度,耐熱性を兼ね備えた部
材20を嵌合しハブナット22を締め付け力はこの嵌合物を
介してブレーキドラム24に伝達される構造とするのが好
ましい。(図中、25はタイヤである。)この場合、嵌合
する部材20の材料としては、金属,耐熱性プラスチッ
ク,及びそれらのFRP,炭素繊維強化炭素コンポジット,
セラミックなどが最適である。このようにな部材20をホ
イールハブ部に嵌合、固着させるには、該部材20を予め
別途成形し、これを金型の所定の位置に配置した後射出
成形するインサート成形が最適である。
また、ブレーキドラムからの熱を遮断するためにハブ
部のブレーキドラム側の面に断熱材をインサート成形す
る方法が考えられる。この場合、断熱材としては耐熱性
プラスチック、セラミックス又は無機材料やその補強物
からなる板状体、アスベスト等で構成されるスレート板
などが挙げられるが、断熱性と強度を備えたものであれ
ばいずれも使用可能である。
なお、射出圧縮成形法による樹脂ホイールの場合、別
の機能を持ったデバイスをホイール中に埋め込んで一体
成形することができるという利点もある。例えば、タイ
ヤのパンク警報装置等の異常警報装置をホイール中に埋
め込んで一体成形することによって、ホイールとタイヤ
とで一体としての安全な自動車足回り部品が提供され
る。また、ホイールのリム部にリブを立てるなどのフェ
ールセーフ機構をホイールと一体化して成形することも
容易である。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の樹脂製ホイールは、 軽量で強度、特に曲げ強度,耐衝撃強度,剛性,耐
熱性,耐疲労性,耐クリープ性等の特性に優れる。
ユニフォーミティに優れ、製品品質のバラツキを殆
どない。
量産性に優れ、製品のコストダウンが図れる。
軽量化構造,補強構造を容易に採用することができ
る。
等の効果を有する。本発明によれば、極めて実用性の高
い樹脂ホイールが提供される。
このような本発明の樹脂製ホイールは、乗用車、バ
ス、トラックなどの狭義の自動車用ホイールとしてはも
ちろん、鉄道車輌、地下鉄用車輌、リニアモーターカー
車輌、航空機、自動二輪、自転車、ゴルフや遊園地用な
どのレジャー用ゴーカートなどの広義の自動車用ホイー
ルとしても適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の樹脂ホイールの一実施例を示す断面
図、第2図は本発明の樹脂ホイールの製造に好適な射出
圧縮成形機の打抜き機構を説明する斜視図、第3図、第
4図及び第5図は各々本発明の他の例を示す断面図であ
る。第6図(a)は本発明の別の実施例を示すハブ部近
傍の断面図、第6図(b)は第6図(a)のB部の拡大
図、第6図(c)は第6図(b)のC−C線に沿う断面
図、第7図及び第8図は各々射出圧縮成形法の一実施例
を示す断面図である。 1……リム部、2……ディスク部、 3……ハブ部、10……ホイール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−135801(JP,A) 特開 昭61−95907(JP,A) 特開 昭60−38434(JP,A) 特開 昭60−124226(JP,A) 特開 昭60−38203(JP,A) 特開 昭55−113553(JP,A) 特開 昭60−229723(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60B 5/02 B29C 45/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホイールを構成するリム,ディスク,ハブ
    の少なくとも一つを繊維補強合成樹脂を用いて射出圧縮
    成形即ち、金型を少し開いておくか、もしくは、弱い型
    締力で金型を閉じておき、繊維を含有した樹脂材料を該
    金型内に射出した後、型締力を増加させて圧縮成形して
    なる樹脂ホイールであって、補強繊維の繊維長が2mm以
    上であることを特徴とする樹脂ホイール。
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