本願発明者が、図1に示したようなケーブルキャッチャー1000を用いて、ケーブル2100の敷設作業を行った時に、次のような問題点があることが見出された。まず、ケーブルキャッチャー1000は、伸長部1200で長くできるといっても、最大に長くした時の寸法は決まっているので、ケーブルキャッチャー1000の最大長さ以上でのケーブル2100の引き回しを行うことができない。すなわち、短〜中程度の長さのケーブルキャッチャー1000を持ち込んで、ケーブル2100の敷設(引き回し)を行おうとしても、実際の工事においてケーブルキャッチャー1000の長さが足りない場合がある。
そこで、そのような長さが足りない可能性を考慮して、市販されているものの中で最も長いケーブルキャッチャー1000を持ち込むとしたら、ケーブルキャッチャー1000が壊れる可能性が増してしまう。すなわち、典型的なケーブルキャッチャー1000はカーボン製であるので、屋根裏2000でケーブル2100を引き回すとよく壊れるのであるが、それが長くなればなるほど壊れる確率は増すことになる。そして、ケーブルキャッチャー1000は、カーボン製であるのでもともと比較的高額の通信工具なのであるが、そのケーブルキャッチャー1000は長ければ長いほど高額になり、その高額の(長い)ケーブルキャッチャー1000が頻繁に壊れると、敷設工事コストが上がってしまう。
また、ケーブルキャッチャー1000は、電気が流れるケーブル2100を取り扱うため、できるだけ絶縁材料であることが好ましい。すなわち、ケーブル2100の外周が絶縁材料で覆われていても、ケーブル2100の端部(または切断面)には導電体が露出していることがあるため、電気が通る可能性があるカーボン製ケーブルキャッチャー1000ではなく、絶縁材料から構成されたケーブルキャッチャーの方が敷設作業の観点からは望ましい。
さらに、ケーブルキャッチャー1000の強度は高い方が好ましい。ここでいう強度は、硬いという意味でなく、ケーブルキャッチャー1000が壊れ難いという意味であり、カーボン製のケーブルキャッチャー1000よりも壊れにくいケーブルキャッチャーが開発されるのが好ましい。加えて、そのような壊れにくいケーブルキャッチャーのコストは安い方が望ましい。すなわち、もし壊れにくいケーブルキャッチャーが高額(高コスト)のものであれば、壊れやすいケーブルキャッチャーが壊れたら、それを新品のものに交換して使用する方がコスト安になる可能性があるからである。
本願発明者は、カーボン製のケーブルキャッチャーの単なる改良でなく、キャッチャー本体部を比較的容易に長くすることができるとともに、壊れにくく、コストも安価なケーブルキャッチャーについて、実際の敷設作業の経験を活かしながら鋭意検討した結果、そのようなケーブルキャッチャーの構造に辿り着いた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、長く延長することが可能でありながら、壊れにくいケーブルキャッチャーを提供することにある。
本発明に係るケーブルキャッチャーは、ケーブルを捕捉可能なケーブルキャッチャーであり、パイプ部材から構成されたキャッチャー本体部と、前記キャッチャー本体部の先端部に形成された複数の突起部と、前記キャッチャー本体部の末端部に形成された係合部とを備えている。前記複数の突起部は、他の前記キャッチャー本体部の末端部に位置する端面開口に挿入され、かつ、当該末端部の前記係合部に固定されるものである。
ある好適な実施形態において、前記ケーブルキャッチャーは、第1のキャッチャー本体部と、第2のキャッチャー本体部とを備え、第2のキャッチャー本体部の前記先端部における前記複数の突起部は、前記第1のキャッチャー本体部の末端部に位置する端面開口に挿入されており、前記第2のキャッチャー本体部の前記複数の突起部と前記第1のキャッチャー本体部の係合部とが接続されることによって、前記第2のキャッチャー本体部と前記第1のキャッチャー本体部とは互いに連結されている。
ある好適な実施形態においては、前記第1のキャッチャー本体部の前記先端部には、前記ケーブルを捕捉するケーブル捕捉部が取り付けられており、前記第2のキャッチャー本体部の前記末端部には、第3のキャッチャー本体部の前記先端部が接続可能である。
ある好適な実施形態において、前記ケーブル捕捉部は、前記ケーブルに接触するケーブル接触部と、前記ケーブル接触部と前記第1のキャッチャー本体部とを接続する接続支持部とから構成されている。前記接続支持部には、前記キャッチャー本体部の先端部における複数の突起部に係合する係合部が形成されている。
ある好適な実施形態において、前記ケーブル捕捉部における前記ケーブル接触部は、前記接続支持部に対して回動自在な構成を有している。
ある好適な実施形態において、前記キャッチャー本体部の先端部には、少なくとも3つの前記突起部が形成されており、前記少なくとも3つの突起部のそれぞれは、前記キャッチャー本体部の前記先端部に位置する端面から延びており、前記突起部の一部には、前記他のキャッチャー本体部の前記係合部に係合する雄型係合部が形成されている。
ある好適な実施形態において、前記キャッチャー本体部の末端部における前記係合部は、前記他のキャッチャー本体部における前記雄型係合部に対応した雌型係合部であり、前記雌型係合部は、前記キャッチャー本体部を構成する前記パイプ部材を貫通する貫通孔を含んでいる。
ある好適な実施形態において、前記キャッチャー本体部の末端部には、前記係合部へと前記突起部を誘導するガイド部が形成されている。
ある好適な実施形態において、前記ガイド部は、前記パイプ部材の長手方向に延びる短冊状部材を含んでいる。
ある好適な実施形態において、前記キャッチャー本体部の末端部には、前記複数の突起部が挿入された際において当該複数の突起部のそれぞれを外側方向に押し広げる部材が形成されている。
ある好適な実施形態では、さらに、前記キャッチャー本体部同士の連結を解除する連結解除具を備えており、前記連結解除具は、前記貫通孔に挿入する突起部を含む円筒部材から構成されている。
ある好適な実施形態において、前記円筒部材は、半円筒部から構成されており、前記突起部は、前記半円筒部の内面に設けられている。前記半円筒部は、連結具によって接続されている。
本発明に係る組立方法は、ケーブルを捕捉可能なケーブルキャッチャーの組立方法であり、第1のキャッチャー本体部、および、第2のキャッチャー本体部を用意する工程と、前記第1のキャッチャー本体部に、第2のキャッチャー本体部を接続する工程とを含む。前記第1のキャッチャー本体部、および、前記第2のキャッチャー本体部は、それぞれ、パイプ部材から構成され、前記パイプ部材の先端部に形成された複数の突起部と、前記パイプ部材の末端部に形成された係合部とを備えている。前記接続する工程においては、前記第1のキャッチャー本体部の末端部に、前記第2のキャッチャー本体部の前記先端部を挿入するステップと、前記第2のキャッチャー本体部の前記先端部における前記複数の突起部を、前記第1のキャッチャー本体部の末端部に形成された係合部に嵌合するステップとを含む。
ある好適な実施形態では、さらに、前記第1のキャッチャー本体部の前記先端部に、前記ケーブルを捕捉するケーブル捕捉部を取り付ける工程と、前記第2のキャッチャー本体部の前記末端部に、前記パイプ部材から構成された第3のキャッチャー本体部の先端部を挿入する工程とを含む。
ある好適な実施形態では、さらに、前記第1のキャッチャー本体部と、前記第2のキャッチャー本体部との接続を外す工程を含み、前記接続を外す工程は、前記突起部と前記係合部の嵌合を解除することによって実行する。
ある好適な実施形態において、前記接続を外す工程は、前記係合部を押す突起部を備えた連結解除具を用いて実行される。
本発明に係る製造方法は、ケーブルを捕捉可能なケーブルキャッチャーの製造方法であり、前記ケーブルキャッチャーは、キャッチャー本体部から構成されており、前記キャッチャー本体部は、樹脂製パイプから構成されており、前記キャッチャー本体部の先端部には、複数の突起部が形成されており、前記複数の突起部は、前記樹脂製パイプのうちの前記先端部に対応する箇所の一部を削除し、次いで、当該削除後に残った部位の一部を凸型に加工することによって形成される。
ある好適な実施形態では、前記樹脂製パイプは、塩化ビニル製パイプであり、さらに、前記キャッチャー本体部の末端部には、前記複数の突起部と係合する係合部が形成されており、前記キャッチャー本体部の末端部における係合部は、前記塩化ビニル製パイプのうちの前記複数の突起部に対応する箇所に貫通孔を設けることによって形成される。
ある好適な実施形態において、さらに、前記キャッチャー本体部の末端部には、前記係合部へと前記突起部を誘導するガイド部が形成されており、前記ガイド部は、前記塩化ビニル製パイプの末端部に位置する端面開口から前記貫通孔の近傍へと延びる板状部材を、前記塩化ビニル製パイプの内面に設けることによって形成されている。
本発明に係るケーブル敷設構造体の製造方法は、ケーブルキャッチャーを用いたケーブル敷設構造体の製造方法であり、ケーブル敷設に求められる距離に対応して、前記ケーブルキャッチャーの長さを延長する工程と、前記ケーブルキャッチャーによってケーブルを捕捉して、前記ケーブルを敷設する工程とを含む。前記ケーブルキャッチャーの長さを延長する工程は、パイプ部材から構成されたキャッチャー本体部を連結することによって実行され、前記キャッチャー本体部は、前記キャッチャー本体部の先端部に形成された複数の突起部と、前記キャッチャー本体部の末端部に形成された係合部とを備えている。前記複数の突起部は、他の前記キャッチャー本体部の末端部に位置する端面開口に挿入され、かつ、当該末端部の前記係合部に固定されるものである。
ある好適な実施形態において、前記ケーブルは、電源線、電話線、光ファイバ線およびLANケーブルからなる群から選択される少なくとも一つのケーブルであり、前記パイプ部材は、絶縁性の樹脂製パイプであり、前記ケーブルキャッチャーの長さは、少なくとも4メートルである。
ある好適な実施形態において、前記絶縁性の樹脂製パイプは、塩化ビニル製パイプであり、前記パイプ部材の管内面には、前記パイプ部材の長手方向に沿って、当該パイプ部材の全長と実質的に同じ長さの板状部材が形成されており、前記板状部材は、前記複数の突起部を挿入する際のガイド部として機能する。
本発明のケーブルキャッチャーによれば、パイプ部材から構成されたキャッチャー本体部の先端部に複数の突起部が形成されており、キャッチャー本体部の末端部に係合部が形成されており、その複数の突起部は、他のキャッチャー本体部の末端部に位置する端面開口に挿入されて、当該末端部の係合部に固定することができるものである。したがって、長く延長できるとともに壊れにくいケーブルキャッチャーを実現することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映していない場合がある。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図3は、本発明の実施形態に係るケーブルキャッチャー100を構成するキャッチャー本体部10を模式的に示している。本実施形態のケーブルキャッチャー100は、ケーブルを捕捉可能な配線工具である。そして、本実施形態のケーブルキャッチャー100は、パイプ部材から構成されたキャッチャー本体部10を連結することによって構成されている。
本実施形態のキャッチャー本体部10の先端部20には、複数の突起部21(21A、21B、21C)が形成されている。また、キャッチャー本体部10の末端部30には、他のキャッチャー本体部10の突起部21と係合する係合部31が形成されている。別の言い方をすると、複数の突起部21(21A、21B、21C)は、他のキャッチャー本体部10の末端部30に位置する端面開口35に挿入されて、当該末端部30の係合部31に固定される。すなわち、本実施形態のケーブルキャッチャー100では、同一構造(または、同種の構造)のキャッチャー本体部10が互いに連結されて延長できるように構成されている。
図3に示した構成では、キャッチャー本体部10は、樹脂製の円筒部材(パイプ部材)から構成されている。そして、図示した例の円筒部材(10)は、ポリ塩化ビニル製のパイプ(塩ビ管)である。なお、キャッチャー本体部10は、塩ビ管の他、ポリエチレン管などの樹脂管から構成してもよい。また、キャッチャー本体部10の先端部20には、3本の突起部21(21A、21B、21C)が形成されている。それに対応して、キャッチャー本体部10の末端部30にも、3つの係合部31が形成されている。
突起部21(21A、21B、21C)は、キャッチャー本体部(パイプ部材)10の端面(先端端面)20tから延びている。そして、突起部21の一部(先端)には、雄型係合部22が形成されている。また、キャッチャー本体部10の末端部30における係合部31は、パイプ部材10を貫通する貫通孔から構成された雌型係合部であり、そして、雌型係合部31は、突起部21の雄型係合部22に対応して形成されている。さらに説明すると、突起部21の先端(雄型係合部)22は、他のキャッチャー本体部10の末端部30における末端端面30tの中央に位置する開口35に挿入されて、貫通孔からなる雌型係合部31に係合するまで挿入されて固定される。
図4は、本実施形態の突起部21の構成をわかりやすく模式的に示している斜視図である。図5は、突起部21を先端側から見た正面図である。本実施形態の構成において、突起部21に設けられた雄型係合部22には、先端が尖った最前頂点22aが形成されており、また、雄型係合部22の一部は、パイプ部材10の円環(20t)の外表面よりも、外側に出ている。雄型係合部22が最前頂点22aを有し、そして雄型係合部22の一部(係合箇所)が外側に出ている構造を有していることから、雄型係合部22は、他のキャッチャー本体部10における末端端面30tの開口35に挿入しやすく、そして、雄型係合部22の一部(係合箇所)が雌型係合部31に係合しやすくなっている。すなわち、雄型係合部22の前面(先端領域)は尖っているので(傾斜面があるので)、他のキャッチャー本体部10の末端部30における末端端面30tの内側にスムーズに入りやすく、そして、その末端部30のパイプ内を進行しやすい。さらには、雄型係合部22の一部(係合箇所)が外側に出ていることから、末端部30の管内を進行している時は弾力によって押さえつけられながら末端部30のパイプ内面を進みつつも、雌型係合部31の貫通孔のところに位置すると、外側に押し出るのでスムーズに嵌合する。言い換えると、特別な装置機構なしでも、パイプ内面で押さえつけられていた反発力を利用して、雄型係合部22を雌型係合部31に係合(嵌合)させることができる。
図6は、第1のキャッチャー本体部10Aの末端部30Aに、第2のキャッチャー本体部10Bの先端部20Bを挿入することによって、第1のキャッチャー本体部10Aと第2のキャッチャー本体部10Bとを互いに連結させた様子を示している。第2のキャッチャー本体部10Bにおける先端部20Bの雄型係合部22は、第1のキャッチャー本体部10Aにおける末端部30Aの雌型係合部31まで挿入されて、そして、雄型係合部22の一部は、雌型係合部31の貫通孔31aに嵌合する。これにより、第1のキャッチャー本体部10Aと第2のキャッチャー本体部10Bとが係合して、互いに連結して固定される。
また、図6に示すように、本実施形態のキャッチャー本体部10A、10Bは同一の直径を有しており、第2のキャッチャー本体部10Bの先端部20Bの端面20tと、第1のキャッチャー本体部10Aの末端部30Aの端面30tとが接合することによって、接合面50が形成される。また、キャッチャー本体部10A、10Bが同一の直径を有しているので、キャッチャー本体部10A、10Bの外表面は同一面(または、略同一面)で延びる。なお、図6では、第1のキャッチャー本体部10Aと第2のキャッチャー本体部10Bとの連結を説明したが、さらに、第3のキャッチャー本体部10(10C)、第4のキャッチャー本体部10(10D)の連結も可能である。加えて、キャッチャー本体部10(10A)の先端部20に、ケーブルを捕捉するケーブル捕捉部を取り付けるこができる。
本実施形態のケーブルキャッチャー100では、パイプ部材から構成されたキャッチャー本体部10の先端部20に複数の突起部21(21A〜21C)が形成されており、また、キャッチャー本体部10の末端部30に係合部31が形成されている。そして、複数の突起部21(21A〜21C)は、他のキャッチャー本体部10の末端部30に位置する端面開口35に挿入されて、当該末端部30の係合部31に固定することができる。したがって、本実施形態の構成では、同じ種類のキャッチャー本体部10を複数本用意しておければ、簡単に長く延長できる。例えば、図1に示したようなカーボン製のケーブルキャッチャー1000の場合、ある程度長く延ばすことができるものの、最初の設定された長さ以上に延ばすことができないので、長い距離の(または遠い場所の)ケーブルの敷設を行う場合は不便である。その不便さを解消すべく、非常に長いカーボン製のケーブルキャッチャー1000を使う場合は、その非常に長いカーボン製のケーブルキャッチャー1000は非常に高価になるとともに、非常に長いものは破損しやすいという欠点がある。一方、本実施形態のケーブルキャッチャー100では、比較的安価の、樹脂製のパイプ部材からなるキャッチャー本体部10を複数本用意しておき、それを連結させるだけで所望の長さを簡単に構築することができ便利である。
また、本実施形態のキャッチャー本体部10は、樹脂製のパイプ部材(例えば、塩ビ管)であるので、カーボン製のケーブルキャッチャー1000と比較して、壊れにくく、安価である。加えて、キャッチャー本体部10は樹脂製の絶縁材料から構成されているので、ケーブルを取り扱っても、電気はキャッチャー本体部10を流れることはない。特に、ケーブルの端部は導線が露出している場合があるので、ケーブルの露出導線から、カーボン製のケーブルキャッチャー1000を通じて電気が流れる可能性がある。特に、店舗などの工事においては、LANなどの信号線の配設とともに、電圧が高い電力線の引き回しを行うことがあり、通電した状態でケーブルを引き回す場合もあり得るので、カーボン製のケーブルキャッチャー1000よりも、本実施形態のキャッチャー本体部10で連結延長することができるケーブルキャッチャー100を用いて、ケーブルの敷設工事を行うことが好ましい。さらに、本実施形態のキャッチャー本体部10が塩ビ製のパイプ部材から構成されている場合は、安価であるとともに、強度と可撓性に優れ、絶縁材料であるとともに、比較的軽いので、経済的価値・技術的価値ともに高くて好ましい。
図7は、本実施形態のキャッチャー本体部10の末端部30の改変例を示している。図7に示した構成例では、キャッチャー本体部10の末端部30には、係合部(雌型係合部)31へと突起部21(雄型係合部22)を誘導するガイド部32が形成されている。本実施形態のガイド部32は、キャッチャー本体部(パイプ部材)10の内面に設けられており、ガイド部32と隣接するガイド部32と間の領域33は、雄型係合部22を進行させるための通路33aになり、そして、ガイド部32は雄型係合部22の誘導部材となる。図示したガイド部32は、円弧形状の縦長部材である。そのガイド部32は、雌型係合部31の貫通孔31aまで延びるようにパイプ内面に接着されて配置されている。
図8は、図7に示したキャッチャー本体部10Aの末端部30Aに、キャッチャー本体部10Bの先端部20Bを挿入する様子を示している。図8に示すように、キャッチャー本体部10Bの先端部20Bに位置している突起部21(21A〜21C)の先端に位置する雄型係合部22(22A〜22C)は、キャッチャー本体部10Aの末端部30Aに配置されたガイド部32で規定されたガイド領域33に挿入される。次いで、雄型係合部22(22A〜22C)は、ガイド領域(通路口)33から奥に延びた通路33aを通って、雌型係合部31の貫通孔31aまで押し込まれて、貫通孔31aに嵌合する。
通路口となるガイド領域33およびガイド通路33aは、雄型係合部22(22A〜22C)の寸法にあわせて規定される。言い換えると、ガイド領域33およびガイド通路33aの規定(幅など)にあわせて、ガイド部32の形状(寸法)・固定位置が決定される。雄型係合部22の寸法よりもガイド通路33aの寸法が小さいと、雄型係合部22が前に進まないので困るが、ガイド通路33aの寸法が若干大きくても、雄型係合部22は前に進んで貫通孔31aまで進んで、貫通孔31aで嵌合することができる。
本実施形態の突起部21および雄型係合部22は、パイプ部材からなるキャッチャー本体部10と一体的にから構成されている。この例では、突起部21および雄型係合部22とキャッチャー本体部10は樹脂材料から構成されており、図示した例では、塩化ビニル製パイプを加工して(加熱加工および/または切断加工)、キャッチャー本体部10から延びた突起部21および雄型係合部22を形成している。なお、キャッチャー本体部10を樹脂製パイプ(例えば、塩化ビニル管)から作製して、突起部21および雄型係合部22を他の樹脂材料または他の材料(例えば、鉄、アルミ、ステンレスのような金属材料)から構成してもよい。ただし、製造的な面やコスト的な面を含めると、突起部21および雄型係合部22を含めてキャッチャー本体部10を、1本の樹脂製パイプ(例えば、塩化ビニル管)から作り出すことが好ましい。
図9は、本実施形態のキャッチャー本体部10の末端部30の他の改変例を示している。図9に示した構成例では、図8に示したキャッチャー本体部10の末端部30に、突起部21(21A、21B、21C)を外側方向に押し広げる部材(押し広げ部材)40が形成されている。本実施形態の構成では、押し広げ部材40は、突起部21を外側に押し広げる斜面を有する立体形状を有している。図示した例では、押し広げ部材40は、略円錐形(先端を平坦に切断した円錐形状)を有する部材であり、キャッチャー本体部(塩化ビニル製パイプ)10の末端部30に位置する端面開口35の中央部に配置されている。
また、本実施形態の押し広げ部材40は、パイプ内面のうち雄型係合部22が通る進行通路33aを除く箇所で接続されて、パイプ内に固定されている。例えば、押し広げ部材40は、ガイド部32の箇所に接続して固定することができる。なお、ガイド部32を設けずに押し広げ部材40を配置することができるが、雄型係合部22を簡便に(またはスムーズに)雌型係合部31に係合させるために、ガイド部32(または、通路口33およびガイド通路33a)が存在している方が好ましい。
本実施形態の押し広げ部材40を設けることにより、キャッチャー本体部10同士を連結する際に、キャッチャー本体部10を進行させるだけで、図8に示したときの突起部21(21A、21B、21C)の先端に位置する雄型係合部22(22A、22B、22C)を外側に押し付けることができ、それゆえに、雄型係合部22をより安定して(よりスムーズに)雌型係合部31(31a)に入れることができる。特に、キャッチャー本体部10を何度も使用して(連結して)、キャッチャー本体部10の突起部21が若干変形する場合があり得るが、そのような変形があっても、押し広げ部材40が存在することによって、雄型係合部22を安定して雌型係合部31に嵌合させることができる。
なお、図示した押し広げ部材40は、先端が平坦な円錐形の立体形状を有しているが、この形状に限定されない。例えば、押し広げ部材40は、先端が尖った円錐形(または、略円錐形)の立体形状のものであっても構わないし、あるいは、雄型係合部22を外側(または貫通孔31a側)に押し広げることができる斜面を有している他の形状のものであってもよい。
図10は、本実施形態のキャッチャー本体部10の末端部30の別の改変例を示している。図10に示した構成例では、ガイド部32は、入り口付近(端面開口35の付近)ではガイド通路33aが比較的広くなるように構成されており、そして、貫通孔31aに向かって狭まっていくガイド通路31bを規定するように構成されている。図10に示した例のガイド通路33aの場合、図8に示したガイド通路33aものよりも広いので、雄型係合部22を挿入するのが容易である。そして、図10に示したガイド通路33aの奥には、当該ガイド通路33aよりも狭いガイド通路31bが設けられているので、そのガイド通路31bの誘導によって雄型係合部22は簡単に雌型係合部31(31a)に係合することができる。
図11は、本実施形態の先端部20に位置する雄型係合部22の改変例を示している。図3に示した雄型係合部22と比較して、図11に示した雄型係合部22には、最前部22a側に前方傾斜面22eがあり、そして、貫通孔31aに嵌合する嵌合頂点22tの公報に後方傾斜面22fが形成されている。図示した例の雄型係合部22の場合、雄型係合部22を前に移動させたて、前方傾斜面22eによってスムーズに嵌合頂点22tを雌型係合部31(31a)に挿入することができる。それに加えて、雄型係合部22を雌型係合部31(31a)から外す際に、雄型係合部22に後方傾斜面22fが形成されているので、嵌合頂点22tを押し込んだ後に雄型係合部22を後方に引けば、後方傾斜面22fの傾斜に沿って雄型係合部22を雌型係合部31(31a)からスムーズに外すことができる。したがって、図11に示した雄型係合部22の構造の場合、雄型係合部22を雌型係合部31(31a)に入れるのも、雌型係合部31(31a)から外すのも便利である。
図12は、本実施形態のキャッチャー本体部10の末端部30の更に別の改変例を示している。図12に示した構成例では、ガイド部32は、キャッチャー本体部(パイプ部材)10の長手方向に延びた短冊状部材となっている。図示した例では、ガイド部32は、細長の矩形部材であり、その細長の矩形部材32がキャッチャー本体部10の管内面に接着されている。この例のガイド部32は、キャッチャー本体部10を構成するパイプ部材の長手方向の全長(またはほぼ全長)にわたって延びており、ガイド部32と機能するとともに、キャッチャー本体部10の補強部材としても機能している。
図12に示した例では、ガイド部32の幅が細いため、ガイド通路33aの幅が広くなっているが、ガイド部32が存在していれば、(ガイド部32がない場合と比較して)作業者の手で、突起部21の先端に位置する雄型係合部22を調整して雌型係合部31に係合させることが容易となる。また、ガイド通路33aの幅が雄型係合部22の寸法(幅)よりも少しだけ広くなるように規定することができる細長矩形部材をガイド部32として、パイプ部材10の内面に配置することもできる。また、そのようなガイド部32は、パイプ部材10の全長にわたって配置するだけでなく、雄型係合部22と雌型係合部31とが係合する連結部(図6中の20B、30A)の強度を補強するために、雌型係合部31を含む末端部30の領域において選択的にガイド部32を形成することも可能である。
図13は、ケーブルを捕捉するためのケーブル捕捉部90の構成を模式的に示している。本実施形態のケーブル捕捉部90は、図3に示したキャッチャー本体部10の先端部20に接続することができる。図13に示したケーブル捕捉部90は、ケーブルに接触するケーブル接触部91と、キャッチャー本体部10に接続する接続支持部94とから構成されている。
接続支持部94は、キャッチャー本体部10の末端部30と同様の構造(例えば、図7に示した構造)をしている。したがって、キャッチャー本体部10の先端部20を、接続支持部94に挿入して固定することができる。図示した例では、接続支持部94には、キャッチャー本体部10の先端部20における複数の突起部21(21A、21B、21C)に係合する係合部31(貫通孔31a)が形成されている。接続支持部94の構造(末端部30に対応する構造)は、図7に示したものに限らず、それ以外の図9や図10に示したような構造にしても構わない。
本実施形態のケーブル捕捉部90は、樹脂製パイプ部材(例えば、塩ビ管)10Tから構成されている。ケーブル捕捉部90の先端に位置するケーブル接触部91は、樹脂製パイプ部材10Tを加工して形成されている。ケーブル接触部91は、ケーブルを引っ掛ける(補足する)開口部95が形成されるように湾曲して延びている。ケーブル接触部91の根本92は、接続支持部94に接続されている。本実施形態のケーブル接触部91と接続支持部94とは一体に形成されているが(具体的には、1本の樹脂製パイプ部材10Tから作製されているが)、ケーブル接触部91と接続支持部94とを別の部材から構成して、それらを連結したものにしてもよい。
また、図13に示したケーブル捕捉部90は、図14に示すケーブル捕捉部80に改変することができる。図14に示したケーブル捕捉部80は、ケーブル接触部81が接続支持部84に対して回動自在な構成(87)を有している。図示した例では、ケーブル接触部81は、ケーブルが通される開口部85を規定するように形成されている。ケーブル接触部81とともに開口部85を規定する根本部82は、連結軸83によって接続支持部84に接続されている。ケーブル接触部81の根本部82は、回動可能な構造(87)をしているので、開口部85にケーブルを通して引き回しても、ケーブル接触部81は連結軸83を中心にクルクル回るだけで、ケーブルが絡まることがないので便利である。なお、図14に示した接続支持部84は、図13に示した接続支持部94と同じ構成をしているが、他の構成のもの(例えば、図9や図10に示したような構造)にしても構わない。
図15は、本実施形態のケーブルキャッチャー100の構成を示している。図15に示したケーブルキャッチャー100では、複数本(3本)のキャッチャー本体部10(10A、10B、10C)が連結され、そして、先頭のキャッチャー本体部10にケーブル捕捉部90が取り付けられている。ケーブル捕捉部90では、ケーブル70を引っ掛けて引き回すことができる。なお、ケーブル捕捉部90は、図14に示した回動自在のケーブル捕捉部80に替えることも可能である。
本実施形態のケーブルキャッチャー100では、3本のキャッチャー本体部10による長さでは足りない場合、追加の1本(4本目)のキャッチャー本体部10を連結すればよい。それでも長さが足りないときは、さらに追加のキャッチャー本体部10を連結すればよい。本実施形態のケーブルキャッチャー100の長さ(長手方向長さ)の一例は、4メートル以上であるが、それ以下の場合でももちろん使用することは可能である。また、ケーブル70は、例えば、電源線、電話線、光ファイバ線、LANケーブルなどである。
本実施形態のケーブルキャッチャー100は、絶縁性の樹脂製パイプ(例えば、塩ビ管)から構成されているので、図1に示したカーボン製のケーブルキャッチャー1000と比較して、壊れにくく、安価である。すなわち、カーボン製のケーブルキャッチャー1000は長ければ長いほど便利であるが、長いほど壊れやすくなる。そして、カーボン製のケーブルキャッチャー1000は高価であるので、ケーブルキャッチャー1000が壊れると、ケーブル70の取付け作業効率の低下および取付け工事コストの上昇になるので好ましくない。一方、本実施形態のケーブルキャッチャー100の場合、安価で丈夫な樹脂製パイプのキャッチャー本体部10を何本も工事現場に持ち込んで、その場で適切な長さのケーブルキャッチャー100を構築することができるので、非常に便利であり、コスト的な面も含めて技術的な貢献度が大きい。
さらに述べると、本実施形態のケーブルキャッチャー100には、パイプ部材から構成されたキャッチャー本体部10の先端部20に複数の突起部21(21A〜21C)が形成されており、キャッチャー本体部10の末端部30に係合部31が形成されている。例えば図8に示すように、複数の突起部21(21A〜21C)は、他のキャッチャー本体部10(10A)の末端部30(30A)に位置する端面開口35に挿入されて、当該末端部30の係合部31(31a)に固定することができる。したがって、キャッチャー本体部10を連結することで簡便に長く延長できるとともに、長くても壊れにくいケーブルキャッチャーを実現することができる。さらには、たとえ壊れてもすぐに、その場で新たなキャッチャー本体部10に取り替えが可能である。
したがって、本実施形態のケーブルキャッチャー100を用いれば、ケーブル敷設に求められる距離に対応して、ケーブルキャッチャー100の長さを延長することができ、そして、ケーブルキャッチャー100によってケーブル70を捕捉して、ケーブル70を敷設することによって、ケーブル敷設構造体(例えば、電源・電話線・光ファイバ線・LANケーブルの敷設を実行した建物)を構築することができる。また、本実施形態のキャッチャー本体部10は絶縁材料から構成されているので、電圧が加わっている可能性があるケーブル70(例えば、電源線)を引き回して敷設する場合でも、安全性に優れていて便利である。加えて、キャッチャー本体部10同士の接続を外す場合は、突起部21(雄型係合部22)と係合部31(貫通孔31a)の嵌合を解除することで実行することができる。したがって、本実施形態のケーブルキャッチャー100の使用後の解体・分解も便利である。
本実施形態のキャッチャー本体部10同士の連結を解除する場合、図16に示すような連結解除具60を用いることができる。図16に示した連結解除具60は、円筒部材61から構成されており、この円筒部材61は、半分に割れた半円筒部61A、61Bから構成されている。そして、半円筒部61A、61Bは、連結具(例えば、蝶番のような部品)63によって接続されている。円筒部材61の内面62は、本実施形態のキャッチャー本体部10の外面を覆うように構成されている。また、円筒部材61の内面62には、キャッチャー本体部10における末端部30の雌型係合部31(31a)に嵌合された雄型係合部22を押して、雌型係合部31の貫通孔31aに挿入することができる突起部65が形成されている。図16に示した例では、4つの突起部65が形成されているが、これは、連結を解除するキャッチャー本体部10の貫通孔31aの数に対応している。図6または図7に示した構成の場合は3つの貫通孔31aが形成されているので、その場合は、連結解除具60の突起部65の数は3つになり、また各突起部65の位置も各貫通孔31aの位置に対応して設けられる。
図16に示した連結解除具60は、図17に示すように半円筒部61A・61Bを閉じることができる。具体的には、半円筒部61A・61Bの互いの端面66を接触させて接合面67を形成することで(すなわち、円筒部材61A・61Bを締めることで)、連結解除具60の突起部65を、図6に示した貫通孔31aに挿入することができる。すると、突起部65が、貫通孔31aに嵌合している雄型係合部22を押すことで、嵌合状態を解除することができる。このように、本実施形態の連結解除具60によれば、半円筒部61A・61Bを閉じるだけで、キャッチャー本体部10同士の連結を簡単に解除することができるので便利である。
図16に示した連結解除具60では、円筒部材61の端面68の近傍に(または、端面68に実質的に接するように)突起部65を形成したが、図18に示すように、円筒部材61の端面68から少し離して突起部65を設けてもよい。具体的には、図6に示したキャッチャー本体部10同士の接合面50から貫通孔31a(または雌型係合部31)の距離に対応させて、突起部65の位置を規定することが好ましい。なお、図18に示した連結解除具60では、複数の連結具63(63A、63B)で半円筒部61A・61Bを接続しているが、1つの連結具63によって接続するようにしてもよい。
また、図16から図18に示した連結解除具60は、半円筒部61A・61Bを連結具63で連結した構造を有していたが、図19に示すように、分離した半円筒部61A・61Bを、貫通孔31a(雌型係合部31)の箇所にあわせるようにして構わない。この場合でも、半円筒部61A・61Bの内面に形成された突起部65(図18では図示せず)を貫通孔31aに挿入して、雄型係合部22を押し込んで、キャッチャー本体部10(10A、10B)同士の連結を簡単に解除することができる。
図16から図19に示した連結解除部60における円筒部材61は、樹脂から構成することができ、好適には、キャッチャー本体部10を構成している樹脂(典型的には、塩ビ)から構成することできる。ただし、円筒部材61は、樹脂でなくても、他の材料(例えば、金属)から構成することも可能である。本実施形態の構成では、突起部65は、円筒部材61(61A,61B)と一体的に構成(一体成型)されているが、突起部65を円筒部材61の内面62に接着した構成にしても構わない。また、図19に示した構成において、半円筒部61A・61Bの端面66に磁性材料(例えば、永久磁石)を設けておいて、半円筒部61A・61Bの端面66同士が密着しやすいように(特に、S極とN極の組み合わせになるように)構成してもよい。
次に、図20を参照しながら、本実施形態に係るキャッチャー本体部10の製造方法について説明する。図20(a)から(c)は、キャッチャー本体部10の先端部20を作製する工程を説明するための工程図である。
まず、図20(a)に示すように、キャッチャー本体部(10)を作製するためのパイプ部材(絶縁性の樹脂管)10を用意する。図20(a)において、キャッチャー本体部10の先端部20となる部位が先端部位29であり、その先端部位29の開口部が先端開口25である。本実施形態のパイプ部材10は塩ビ管であり、内径(呼び径)が30mm〜75mm程度、厚さが3mm〜6mm程度のものを使用することができるが、その寸法は例示であり、これい以外のものを使用しても構わない。
次に、図20(b)に示すように、パイプ部材10の先端部位29の一部(29e)を除去することによって、先端部位29から、複数の突起部21(21A21B、21C)を作製する。本実施形態のパイプ部材10は、樹脂管(塩ビ管)であるので、金属製パイプ部材やカーボン製パイプ部材のものと比較して、切断加工を容易に実行することができる。
次に、図20(c)に示すように、突起部21(21A、21B、21C)の先端を加工して、雄型係合部22を形成することができる。雄型係合部22を形成するには、突起部21の先端を加熱して、雄型係合部22の形状になるように加工したらよい。このようにして、雄型係合部22を含む突起部21が作製される。
そして、雄型係合部22が形成された突起部21に対応するように、パイプ部材10の末端部30に対応する部位において係合部31を形成する。係合部31の形成は、図8に示すように雄型係合部22の挿入が完了した場所におけるパイプ部材10の箇所に貫通孔31aを形成することによって行われる。この貫通孔31aの位置に対応させてガイド部32に設けることができる。なお、ここで示したキャッチャー本体部10の製造方法は一例であり、他の手法でキャッチャー本体部10を作製しても構わない。図13に示したケーブル捕捉部90も、1本の樹脂管(塩ビ管)を加工することによって作製することが可能である。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。なお、図21に示すように、一方のキャッチャー本体部10の先端部120に雄ネジ121を形成して、他方のキャッチャー本体部10の末端部130に雌ネジ131を形成して、両者(10)を挿入して(矢印300)、相対的に回転(矢印310)させながら、キャッチャー本体部10同士をネジ留め連結することも可能である。ただし、この場合は、先端部120と末端部130との連結による強度を確保するのが比較的難しいとともに、突起部21と係合部31との嵌合でなく、回転(310)によるネジ留め固定をしている関係上、ケーブルの引き回し時において回転方向によってはキャッチャー本体部10が外れてしまうおそれがある。