JP6986006B2 - クリップ - Google Patents

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本発明は、ピンとグロメットからなるクリップに関し、特にパネル等の取付孔が小さい場合であっても高い軸力(この軸力は、取付孔に対する係合力ないしは引込力と称されることもある。以下同じ)が得られるようにしたクリップに関する。
図10は特許文献1のクリップを示している。このクリップは、本体(鍔)2及び本体2に突出された脚部(胴部)1並びに本体2から脚部1に貫通された挿入穴を有したグロメット(雌部材)と、頭部11及び頭部に突出された軸部12とを有したピン(雄部材)とからなり、ピンが脚部1の挿入穴に対し軸部12を途中まで挿入した同(a)の仮組付け状態から更なる押込みにより脚部1を拡開状態に切り換える。詳述すると、グロメットは、脚部1がスリット3で区画された複数の切割り片4にて構成され、各切割り片4の下端内向に突出された爪5と、本体の窪み6の内底面に設けられた段差付きの複数の鋸歯形カム7とを有している。ピンは、頭部11の下面に設けられて鋸歯形カム7に摺接する突起14と、軸部12の下端側外周に間隔を保って設けられて爪5を受入れる凹部15と、各凹部15の上側にあって突起14が鋸歯形カム7の下面に摺接しているときに各爪5が乗り上げて切割り片4を拡開した状態に維持する係止隆起16と、凹部15の周側を区画している仕切壁18とを有している。
以上のクリップは、ピン側の仕切壁18と、グロメット側のスリット3の向きを合わせて、軸部12を脚部1の挿入穴に押し込むと、仕切壁18がスリット3に入り、かつ各爪5が軸部側の凹部15に入ることにより両部材が同(a)の仮組付け状態になる。この状態で、本体2がパネルP1の上面に当接するまで脚部1を各パネルの取付孔に挿入した後、軸部12が脚部の挿入穴に更に押し込まれると、各切割り片の爪5が軸部側の係止隆起16を乗り越えて外方に拡開し、同図(b)のごとく本体2の下面との間に各パネルを重合状態に固定可能となる。
実公平6−45048号公報
上記文献1のクリップでは、パネル等の取付孔の孔径又は孔幅が小さくなると、脚部である切割り片の拡開寸法を大きくし高い軸力を付与し難くなる。これは、脚部ないしは切割り片の拡開寸法が専ら切割り片の下端内向に突出された爪の大きさに制約されるためである。そこで、本発明の目的は、パネル等の取付孔の孔径又は孔幅が小さい場合であっても、脚部の拡開を多少なりとも大きくしてより高い軸力が得られるようにすることにある。他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、図面を参照して特定すると、本体(10)及び該本体に突出された脚部(15)並びに前記本体から前記脚部に貫通された挿入穴(16)を有したグロメット(1)と、頭部(20)及び該頭部に突出された軸部(25)とを有したピン(2)とからなり、前記挿入穴(16)に対し前記軸部を途中まで挿入したピンとグロメットの仮組付け状態から前記ピンの更なる押入により前記脚部が拡開状態に切り換えられるクリップ(3)であって、前記脚部(15)に設けられて前記挿入穴に通じている凹部(18又は180)と、前記軸部(25)に設けられて前記凹部(18又は180)の開口下端に当接して前記脚部を外方へ拡開可能にする突部(27,28又は270)とを有し、前記突部を前記軸部の前後面に上下の位置をずらした態様で形成しており、また、前記突部が前記本体の内面に設けられた案内溝に沿って前記凹部内に配置された後、更なる押入により前記凹部の開口下端に当接した状態で前記脚部を拡開させるいることを特徴としている。
ここで、対象のクリップは、例えば、第1パネルに単一又は複数の第2パネルを取り付けたり、部材同士を重ね合わせた状態で結合したり、パネル等の被取付部材に装着する場合に好適なものであり、また、形態例のごとくグロメット又はピン側にフック等の機能部を有した態様も含まれる。工夫点は、特に、パネル等の脚部を挿入する取付孔の孔径又は孔幅が小さくなる場合にも、グロメット側脚部の拡開状態において取付孔に対する高い軸力を得られるようにしたものである。
すなわち、従来のクリップにおいて、グロメット側脚部とピン側軸部とは図10(特許文献1のクリップ)に例示されるごとく脚部に脚部拡開用の脚内側に突出した爪(先端側を内側に絞り込んだ形状)を設けておき、その爪が軸部に当たることで脚部を拡開方向へ変形可能にする。他の構成としては前記爪に代えて脚部の先端内側の肉厚を大きくした構成もある(例えば、特開平7−110021号公報)。
これに対し、本発明のクリップは、図3及び図4に例示されるごとく軸部に拡開用の突部を形成することで脚部の拡開度合いを大きく設定容易となり、それによってパネル等の取付孔に対する軸力を高くできる。この場合、軸部の突部は、脚部に設けられて挿入穴に通じている凹部の開口下端に当接し、その状態で脚部を拡開状態に維持可能となる。この拡開状態では、取付孔に対し脚部が最大まで拡開されると共にピンの移動が規制されることになる。加えて、このような構成では、脚部拡開用の突部をピンに設定するため、ピン側の成形型に比べ複雑になるグロメット用成形型を多少なりとも簡易化できる利点もある。
以上の本発明は、請求項2〜8で特定したように具体化されることがより好ましい。
(ア)図4に示されるごとく前記突部の下端又は前記凹部の開口下端側の一方に案内用の斜面を形成している構成である(請求項2)。この斜面は、下に行くほど挿入穴の中心ないしは脚部の軸芯に近づく形状である。
(イ)前記突部の下端及び前記凹部の開口下端側に案内用の斜面をそれぞれ形成している構成である(請求項3)。
(ウ)前記脚部は前記挿入穴の下穴を挟んで対向した少なくとも一対の脚片からなり、前記各脚片に前記凹部を形成している構成である(請求項4)
(エ)前記凹部は図1に例示されるごとく前記各脚片の厚み方向に貫通した貫通孔からなる構成である(請求項5)
(オ)前記凹部は図9に例示されるごとく前記各脚片の側面部の一部を切り欠いた段差からなる構成である(請求項6)。同様に、前記凹部は前記各脚片の両側面部の一部を切り欠いた段差からなる構成である(請求項7)
(カ)前記本体に設けられて前記挿入穴に露出している係止穴と、前記頭部に設けられた弾性爪部との係合により、前記脚部の拡開状態で前記グロメットに対する前記ピンの不用意な引き抜きを規制する規制手段4を有している構成である(請求項8)
請求項1の発明では、グロメット側の脚部に設けられて挿入穴に通じている凹部と、ピン側の軸部に設けられて凹部の開口下端に当接して脚部を外方向へ拡開可能にする突部とを有し、また、突部が本体の内面に設けられた案内溝に沿って凹部内に配置された後、更なる押入により凹部の開口下端に当接した状態で脚部を拡開させるため、パネル等の取付孔が小さい場合であっても、形態例のごとく突部を凹部の一部で逃がしながら(この点は取付孔の孔径又は孔幅に対する脚部の大きさを維持しつつ、突部を相対的に大きく形成可能となる)、最終的に凹部の開口下端に当接して脚部を拡開し、より高い軸力を付与できる。また、このような構成では、脚部拡開用の突部をピンの軸部に設けるため、相対的に複雑となるグロメットの成形型を多少なりとも単純化できるという利点もある。
加えて、請求項1の発明では、突部を上下の位置をずらして形成しているため、軸部の挿入穴への押入力が分散され、それにより脚部を拡開状態に切り換える際の軸部の押圧力を低減でき、作業性も改善できる。
請求項2の発明では、図4に示されるごとく突部の下端又は凹部の開口下端側の少なくとも一方に設けられた案内用の斜面により、軸部の挿入穴への押込みがスムースとなり、その結果、脚部の拡開操作を良好に行うことができる。
請求項3の発明では、突部の下端及び凹部の開口下端側の両方に案内用の斜面を有しているため、軸部の挿入穴への押入がよりスムースとなり、脚部の拡開操作を一層良好に行うことができる。
請求項4の発明では、脚部が挿入穴の下穴を挟んで対向した少なくとも一対の脚片からなり、各脚片に凹部を形成しているため、凹部及び突部の位置が簡明となり成形精度を向上し、それによって突部が凹部の開口下端に確実に当接可能となる。
請求項5の発明では、凹部が各脚片の厚み方向に貫通した貫通孔であるため、成形容易となりグロメット側の成形型を簡略化したり凹部の精度を向上できる。
請求項6の発明では、凹部が各脚片の側面部の一部を切り欠いた段差であるため、請求項5に比べグロメット側の成形型を一層簡略化できる。また、請求項7の発明では、凹部が各脚片の両側面部の一部を切り欠いた段差であるため、請求項5に比べより確実な拡開とグロメット側の成形型を更に一層簡略化したり凹部の精度をより向上できる。
請求項8の発明では、規制手段がグロメット側の本体内の係止穴と、ピン側の頭部の弾性爪部との係合により、グロメットに対するピンの不用意な引き抜きを規制する。この規制手段では、軸部側突部が本体側凹部の開口下端に当接して脚部を外方向へ拡開したときに、ピン側の弾性爪部が本体側係止穴に係合するが、その係合時に弾性爪部のクリック感が得られると共に、係止穴と爪部の係合が本体内であるため係合状態を確実に維持可能となる。

形態例のクリップ構成部材であるグロメットとピンを示す概略斜視図である。 上記ピンをグロメットに仮組付けした状態で示し、(a)は正面図、(b)は右側面図である。 上記ピンに対しグロメットを断面にした状態で示し、(a)は仮組み付けした状態での構成図、(b)は脚部の拡開状態での構成図である。 (a)は図3(a)の符号7で示す箇所の拡大図、(b)は図3(b)の符号8で示す箇所の拡大図である。 上記グロメット単品を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図である。 (a)はグロメットの右側面図、(b)は図5(b)のA−A線断面図、(c)は図5(b)のB−B線断面図である。 (a)はピンの上面図、(b)はその正面図、(c)はその背面図である。 (a)はピンの右側面図、(b)は図7(b)のC−C線断面図、(c)は図7(b)のD−D線断面図である。 上記脚部側の凹部及び軸部側の突部を変更した変形例を示す要部模式構成図である。 特許文献1の構造を示し、(a)及び(b)は文献1の図2と図3である。
以下、本発明の形態例を図面を参照して説明する。この説明では、クリップの構造を詳述した後、主な作動を明らかにする。なお、クリップの大きさは任意であるが、図面上は理解し易くするため拡大して示している。
(構造)形態例のクリップ3は、本体10及び本体10に突出された脚部15並びに本体10から脚部15に貫通された挿入穴16を有した樹脂製のグロメット1と、頭部20及び頭部20の下面に突出された軸部25とを有した樹脂製のピン2とからなり、挿入穴16に対し軸部25を途中まで挿入したピン2とグロメット1の仮組付け状態から、ピン2の更なる押入により脚部15が拡開状態に切り換えられる点で従来と同じ。
主な要部は、脚部15の挿入穴16に通じている凹部である貫通孔18と、軸部25に設けられて貫通孔18の開口下端18b(図4のごとく貫通孔18の内側にある開口下端18b)に当接して脚部15を外方向へ拡開可能にする突部27,28とを有している点、突部27,28の下端又は/及び貫通孔18の開口下端18b側に案内用の斜面27a,28a又は/及び18aを形成している点、軸部25が略板状をなし、該板状の前後面に突部27,28を上下の位置をずらした態様で形成している点、脚部15が挿入穴16を挟んで対向した一対の脚片17,17からなる点、軸部25に設けられた仮組付け用爪29及びその上側の爪29aを有している点と、グロメット1に対しピン2の不用意な引き抜きを規制する規制手段4を有している点とにある。以下、これらの構成を明らかにする。
まず、図1〜図6において、グロメットの本体10は、台座11と両側壁12,12及び引っ掛け用フック13とからなり、中央部に前後貫通した略矩形の開口14を有している。台座11は、内側が矩形の窪み部になっており、該窪み部の底壁11aから脚部15に向けて挿入穴16を貫通形成している。該窪み部は、内側に張り出した対向内側面11bと、各内側面11bの後面側の角部に設けられた係止穴11cと、前後内面に対向して設けられた縦方向の案内溝11dとを有している。
底壁11aの下面には、中央部に突出された脚部15と、脚部15を挟んだ左右に突出された差込片19,19と、各差込片19の外側に比較的深く窪んだ凹所11e,11eとが設けられている。フック13は、図3(b)から推察されるごとく同図のクリップ3を天地逆転した状態で袋や紐等の部材9を引っ掛ける箇所である。このフック13では、図6(b)のごとく後面が上記窪み部の真上部分と連通する段差13aに形成されている。段差13aは、後述するピンの軸部25を挿入穴16へ真っ直ぐに差込可能にする。
脚部15は、挿通穴16の下穴16aを挟んで対向した一対の脚片17からなる。各脚片17には、厚み方向に同軸線上に貫通した上下に長い矩形の貫通孔18が設けられている。各貫通孔18は対応する案内溝11dから延びた状態となっている。また、各脚片17のうち、各貫通孔18を区画している内側の開口下端側が下に行くに従って次第に中央よりないしは挿通穴16の軸芯側に傾いた斜面18aに形成されている。なお、前記下穴16aは脚片17同士の間の空間ないしは間隔である。
各差込片19は、脚部15を挟んで対向しており、パネルないしは被取付部材の矩形の取付孔に対し脚片17と共に挿入されることで、クリップ3を安定した固定状態に保つ。但し、差込片19は省略してもクリップ3が取付孔に回動不能に固定される。各凹所11eには、図5(c)のごとく脚部15よりでかつ後面側の角部を小穴11fにより前記窪み部に貫通している。この小穴11fは、前記係止穴11cを作る際の型抜き用の穴である。
これに対し、ピン2は、図3(b)のごとくグロメット1を貫通する長さとなっている。頭部20は、段差13a及び開口14にほぼ収まる略湾曲状の上部21と、上記窪み部に収まる下部22からなる。上部21には、前面に位置し上側に突出して段差13aに当接する小さな凸部21aと、下部22との境界部分を欠肉させた横溝21bとが設けられている。符号21cは上部21の両側面に設けられた欠肉用の空洞である。なお、横溝21b及び空洞21cは省略可能である。
下部22は、上部21に比べて上下寸法が上記台座11に対応して前面に比べ後面を長く形成しており、図7及び図8のごとく前面側の左右中間に設けられたガイド突起26と、後面の両側に設けられた弾性爪部24とを有している。
ガイド突起26は、案内溝11dに摺動自在に嵌合する箇所であり、軸部25の上側まで延び、傾斜部26aを介在して後述する突部27に接続されている。各弾性爪部24は、図8(a)のごとく対応側面の後側に設けられた窪み23aと、図7(c)のごとく後面に位置し対応側面の手前に設けられて窪み23aに連通した窪み23bとにより区画された弾性片であり、該弾性片の上下略中間に側方に向けて突出された爪を有している。この弾性爪部24は上記係止穴11cとで規制手段4を構成している。
軸部25は、上記脚片17同士の間の下穴16aに差し込まれる板厚に形成されていると共に、下側25aが少し薄く形成されている。また、軸部25は、前後面に設けられた脚片拡開用の突部27,28と、前面の下両側に設けられてグロメット1に対するピン2の仮組み付け用爪29及びその上側の爪29aとを有している。
突部27と28は、高さ寸法がほぼ等しい点と、下端部が下に行くほど次第に低くなる斜面27a,28aとなっている点で同じである。但し、両者は、突部27が軸部下端の少し手前まで延びているのに対し突部28が軸部下端まで延びている。また、突部27は、上部分が幅細に形成されて上記傾斜部26aに接続されている。符号27bはその幅細部である。突部28は軸部25の上下略中間から下端まで延びている。爪29と爪29aは階段状に設けられている。
(作動)以下、以上のクリップ3の主な作動を図2〜図4を参照し明らかにする。なお、図2〜図4において、この例では、符号6が自動車の室内側のインナーパネルであり、符号5がサンシェードである。また、このクリップ3は、サンシェード用フックとして設計されている。但し、このクリップ3は、フック13及びそれと関連する部分を省いて、取付用クリップとして構成できるものである。
(ア)クリップ3は、グロメット1とピン2が分離されていると扱い難いことから、通常は図3及び図4の各(a)のごとくピン2をグロメット1に仮組み付け状態ないしは仮止め状態で取り扱われたり組立工程に投入される。この操作では、図2のごとくピン2がグロメット1の挿入穴16に対し各案内溝11dに対応する突部27,28を嵌合した状態で下向きに押圧される。すると、ピン2は、軸部の下両側の爪29が挿入穴16の穴内面を圧接しながら底壁11aの下面側へ通過し、以後は爪29が底壁11aに引っ掛かるため簡単には引き抜かれない。換言すると、この構成では、ピン2が仮組み付け状態でグロメットの挿入穴16から引き抜き方向の加重を受けると、各爪29が底壁11aの下面に当たって抜け止めされる。なお、爪29aは、爪29との間に底壁11aを上下から挟み、それによりピン2の仮組み付け状態を確実に保たれるよう機能する。
(イ)図3(b)は以上のグロメット1に対するピン2の仮組み付け状態から、ピン2が更に同(a)の矢印方向へ押圧されて脚部15ないしは各脚片17が突部27,28により拡開状態に切り換えられた状態を示している。この場合、ピン2は、まず、突部27,28が対応する脚片17の貫通孔18に収まった後、ピン2が更に押圧されると、相対的に下側にある突部28の斜面28aが対応する右側脚片17の貫通孔18の開口下端18bに当接し、該脚片17を少しづつ拡開し、その後、突部28が貫通孔18の開口下端18bに当接することで該脚片17が拡開状態となる。また、開口下端18bに対し斜面28aから突部28の直線部に乗り上げると同時、ないしは乗り上げる少し手前で、突部27の斜面27aが対応する左側脚片17の貫通孔18の開口下端18bに当接し、該脚片17を少しづつ拡開し、その後、突部27が貫通孔18の開口下端18bに当接することで該脚片17が拡開状態となる。
(ウ)また、ピン2が図4(a)の状態から同(b)の拡開状態に切り換えられると同時に、上記規制手段4を構成している頭部両側の弾性爪部24が上記した台座11の内側の窪み部から対応する係止穴11cに係合する。この係合により、作業者は係合時のクリック感により、拡開完了を認識できると共に、ピン2はグロメット1に対し結合されて不用意に抜けなくなる。
換言すると、図3及び図4の各(b)は、ピン2がグロメット1に対し係合した拡開状態ないしは本止め状態である。この例では、クリップ3が車室内側のインナーパネルである第1パネル5にサンシェード等である第2パネル6を各パネルに設けられた取付孔5a,5bに挿通された状態で装着される。つまり、クリップ3は、各取付孔5a,6aに挿通した対のグロメット側の脚片15がピン軸部側の突部27,28で拡開されることで、各パネル5,6をグロメット側台座11と脚片17,17の拡開部との間に挟時した状態で装着される。この装着力ないしは挟時力は、軸部側突部27,28が脚片17,17に設けられた貫通孔18の開口下端18bに圧接し、その各脚片17に対する拡開力ないしは圧接力に比例する。また、この装着状態は、その脚片17の拡開力ないしは圧接力と、規制手段4である弾性爪部24と係止穴11cの係合力とにより維持される。弾性爪部24と係止穴11cの係合では、ピン側の弾性爪部24がグロメットの台座11内の窪み部内から横穴である係止穴11cに係合されるため外力の影響を受けず、弾性爪部24が係止穴11cに弾性係合された後は係合解除され難くなる。
(エ)以上のクリップ3では、軸部25に拡開用の突部27,28を形成することで脚部15ないしは対の脚片17の拡開度合いを大きく設定容易となり、それによってパネル等の取付孔5a,6aに対する高い軸力を得ることも可能となる。すなわち、軸部の突部27,28は、脚部15ないしは対の脚片17に設けられて挿入穴16の下穴16aに通じている貫通孔(凹部)18の開口下端18bに当接し、その状態で脚部15ないしは対の脚片17を拡開状態に維持可能となる。この拡開状態では、取付孔5a,6aに対し脚部15ないしは対の脚片17が最大まで拡開されると共にピン2の移動が規制される。この構造では、パネル等の取付孔5a,6aが小さい場合であっても、突部27,28を貫通孔(凹部)18の一部で逃がしながら、換言すると、取付孔5a,6aの孔径又は孔幅に対する脚部15ないしは対の脚片17が大きさを維持しつつ、突部27,28を相対的に大きく形成可能となり、最終的に貫通孔(凹部)18の開口下端18bに当接して脚部15ないしは対の脚片17を拡開し、より高い軸力を付与できる。また、このような構成では、脚部拡開用の突部27,28をピンの軸部25に設けるため、相対的に複雑となるグロメット1の成形型を多少なりとも単純化でき、コスト低減も図りやすいという利点もある。
(変形例)図9は以上のクリップを変形した一例を示している。この変形例では、上記したグロメット側脚部15の貫通孔ないしは凹部と、ピン側軸部25の突部の形成箇所などを変更している。この説明では、重複記載を極力避けるため上記形態と同じ部位ないしは作用的に同じ部位に同一符号を付し、変更点を明らかにする。
図9において、グロメット1の脚部15は、上記形態と同じく挿通穴16の下穴16aを挟んで対向した一対の脚片17からなる。各脚片17には、両側面部の一部を略L形に切り欠いた段差180が設けられている。この段差180には、段差の水平部が上記形態の開口下端18bに相当する開口下端180bとなっている。
一方、ピン2の軸部25は、上記形態と同じく脚片17同士の間の下穴16aに差し込まれる板厚に形成されていると共に、下側25aが少し薄く形成されている。そして、軸部25には、前後面にあって、両側に沿って脚片拡開用の突部270,280(図面上は突部270だけ図示され、突部280が見えないため省略されている)と、下両側面に設けられてグロメット1に対するピン2の仮組み付け用爪290及びその上側の爪290aとを有している。
なお、突部270と280は、形態例の突部27,28と同じく高さ寸法がほぼ等しい点と、下端部が下に行くほど次第に低くなる斜面270a,280aとなっている。両者は、突部270が軸部下端の少し手前まで延びているのに対し、不図示の突部280が軸部下端まで延びている。また、爪290と290aは形態例の爪29,29aに対応している。但し、形態例の爪29は底壁11aの挿通穴16を区画している下面のうち前後の下面部分に抜け止めされるのに対し、爪290は底壁11aの挿通穴16を区画している下面のうち左右の下面部分に抜け止めされる。
そして、変形例のクリップは、同図のグロメット1に対するピン2の仮組み付け状態から、ピン2が更に下向きに押圧操作されると、各脚片17が突部270,280により拡開状態に切り換えられる。この作動は形態例と同様である。すなわち、ピン2は、まず、突部270,280が対応する脚片17の段差180,180に収まった後、ピン2が更に押圧されると、相対的に下側にある不図示の突部280の斜面が対応する段差180の開口下端180bに当接し、該脚片17を少しづつ拡開し、その後、不図示の突部280が段差180の開口下端180bに当接することで該脚片17が拡開状態となる。
なお、以上のクリップは、各請求項で特定される構成を備えておればよく、細部はこの形態例や変形例を参考にして更に変更したり展開可能なものである。その一例として、脚部15の脚片17に設けた貫通孔18に代えて、脚片の内面に挿通穴16aに通じている凹部を設ける構成でもよい。この場合は、軸部25の突部27,28がその凹部の開口下縁に当接して脚部を外方向へ拡開可能にする。また、脚部15の脚片17は、一対ではなく二対の脚片又は3つの脚片でもよい。全体の形状は、グロメット側本体10の両側壁12及びフック13を省き、かつピン側頭部20の両側壁12及びフック13と嵌合する部分を省略する構成、つまり単純な取付用クリップに簡略化してもよい。更に、パネルや被取付部材の取付孔に対する差込片19を省略したり、取付孔を略矩形から楕円や円形に変更しても差し支えない。
1・・・・・・グロメット
2・・・・・・ピン
3・・・・・・クリップ
4・・・・・・規制手段(11cは係止穴、24は弾性爪部)
5・・・・・・第1パネル(5aは取付孔)
6・・・・・・第2パネル(6aは取付孔)
10・・・・・本体
11・・・・・台座(11aは窪み部の底壁、11dは案内溝)
12・・・・・側壁
13・・・・・フック
15・・・・・脚部(17は脚片)
16・・・・・挿通穴(16aは脚片同士の隙間を形成している下穴)
18・・・・・貫通孔(凹部に相当し、18aは斜面)
18b・・・・貫通孔の開口下端
19・・・・・差込片
20・・・・・頭部
25・・・・・軸部
27・・・・・突部(27aは斜面)
28・・・・・突部(28aは斜面)
29・・・・・爪
29a・・・・爪
180・・・・段差(凹部)
180b・・・段差の開口下端
270・・・・突部(270aは斜面)

Claims (8)

  1. 本体及び該本体に突出された脚部並びに前記本体から前記脚部に貫通された挿入穴を有したグロメットと、頭部及び該頭部に突出された軸部とを有したピンとからなり、前記挿入穴に対し前記軸部を途中まで挿入したピンとグロメットの仮組付け状態から前記ピンの更なる押入により前記脚部が拡開状態に切り換えられるクリップであって、
    前記脚部に設けられて前記挿入穴に通じている凹部と、前記軸部に設けられて前記凹部の開口下端に当接して前記脚部を外方へ拡開可能にする突部とを有し
    前記突部を前記軸部の前後面に上下の位置をずらした態様で形成しており、
    また、前記突部が前記本体の内面に設けられた案内溝に沿って前記凹部内に配置された後、更なる押入により前記凹部の開口下端に当接した状態で前記脚部を拡開させることを特徴とするクリップ。
  2. 前記突部の下端又は前記凹部の開口下端側の一方に案内用の斜面を形成していることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  3. 前記突部の下端及び前記凹部の開口下端側に案内用の斜面をそれぞれ形成していることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  4. 前記脚部は前記挿入穴の下穴を挟んで対向した少なくとも一対の脚片からなり、前記各脚片に前記凹部を形成していることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  5. 前記凹部は前記各脚片の厚み方向に貫通した貫通孔からなることを特徴とする請求項4に記載のクリップ。
  6. 前記凹部は前記各脚片の側面部の一部を切り欠いた段差からなることを特徴とする請求項4に記載のクリップ。
  7. 前記凹部は前記各脚片の両側面部の一部を切り欠いた段差からなることを特徴とする請求項4記載のクリップ。
  8. 前記本体内に設けられて前記挿入穴を区画している両内側面に開口している係止穴と、前記頭部の両側に設けられた弾性爪部との係合により、前記脚部の拡開状態で前記グロメットに対する前記ピンの不用意な引き抜きを規制する規制手段を有していることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のクリップ。
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