JP4614287B2 - クリップを用いた取付構造 - Google Patents

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本発明は、クリップを用いた取付構造に関し、特にクリップによる固定力や締結力を増大する場合にもクリップを使用状態から容易に取り外し可能にした取付構造に関する。
従来からクリップは、図9(特許文献1に開示のもの)に例示されるように、板部材1,2同士を締結したり物品側の板部材1をパネル等の板部材2に取り付けるときに使用される。ここで、板部材はパネルや物品側の板部などである。同図のクリップ10は雌部材10Aと雄部材10Bとで構成されている。雌部材10Aは鍔状部11及び筒体12を有している。筒体12は、先端が屈曲可能に形成された連結部分14で連結され、その上側が軸方向のスリットで周囲を分割した複数の弾性係止片部18により構成されている。符号19は係止片部18の内面に設けられた突出部19である。一方、雄部材10Bは、フランジ部(鍔状部)21及び軸部22を有している。軸部22は、雌部材10Aのボス穴13の内径よりも小さな外径で、先端側に径大になった係止部23を形成している。符号24は係止部23と鍔状部21との間に設けられた突起部である。該突起部24は、軸部22が雌部材10Aのボス穴13内に差し込まれると、筒部12の内面との間に圧接されて、雄部材10Bが雌部材10Aに仮止めされるようにする。
以上のクリップ10では、雄部材10Bを雌部材10A内に仮止めした状態で、板部材1,2の各取付孔3,4に挿入される。そして、雄部材10Bが押し込まれると、係止片部18同士が軸部22の突起部24により拡径され、板部材1の取付孔3の孔周縁に係止され、板部材1と板部材2とが結合される。すなわち、この取付構造では、雌部材10Aが雄部材10Bにより係止片部18を拡径されることで取付孔3に対し抜け止めされ、鍔状部11と係止片部18の拡径部との間に板部材1,2同士を挟み込んで締結したり板部材2を板部材1に取り付けるものである。
特許第3325121号公報
上記したような取付構造では、例えば、両部材の間にカム部などを設けておき、使用状態において、雄部材をドライバー等で回転することでカム部を介して雌部材から押し上げて簡単に取り外しできるようにしたものもある(例えば、特許第3251775号を参照)が、クリップが単品構成の場合はなかった。また、この取付構造では、雌部材側の係止片部を強制的に拡径した状態で使用されるため、塑性変形やクリープが生じ取付孔から外した後、再使用する場合に性能が低下したり使用不能になり易かった。また、拡径部が取付孔に対し常に圧接されているため取付孔の変形要因となったり、前記係止片部の拡径量を大きくして締結力や固定力を増大すると、雄部材の挿入力が極端に高くなり易かった。
本発明の取付構造は、以上のような課題を解消して、クリップを上側の板部材同士を予め仮止めするグロメットと共に構成しても、最下段の板部材に取付孔以外に簡単な加工を追加するだけで、使用状態から容易に取り外し可能にしたり、長期使用によっても塑性変形やクリープを生じないようにし、しかも挿入力を少し高くするだけで締結力等を増大できるようにすることを目的としている。
上記目的を達成するため本発明は次のように取付構造を工夫したものである。
請求項1の発明は、図6〜図8の形態を特定したもので、板部材同士を互いの取付孔に挿入するクリップを介し締結したり、上側の板部材を下側の板部材に対し互いの取付孔に挿入するクリップを介し取り付ける取付構造において、筒部及び該筒部の上端外周に突設された鍔部並びに爪部を有し、前記板部材のうち、最下段の板部材を除く上側の板部材同士を、当該板部材同士の取付孔に前記筒部を挿入して前記鍔部と爪部との間に挟持した状態で仮止するグロメットを備え、前記クリップは、前記筒部の孔を覆う吸盤状のフランジ部、及び前記フランジ部の下面に突設されて前記筒部に挿通される脚部、並びに前記脚部に設けられて前記筒部内を通って前記最下段の板部材の取付孔へ挿通する過程で縮径しかつ該取付孔から突出したときに弾性復元されて抜け止めする係合爪部を有しているとともに、前記板部材のうち、最下段の板部材は、裏面に設けられて、前記係合爪部の抜け止め状態から前記クリップの回転により前記係合爪部と対向し、かつ前記クリップの引き抜き方向の応力により前記係合爪部を縮径して前記取付孔から引き抜き可能にする解除用凹部を有していることを特徴としている。
以上の各発明は次のように具体化されることがより好ましい。
(ア)前記解除用凹部は、内底面が前記取付孔に近づくに従って次第に深くなる傾斜面になっている構成(請求項2)
(イ)前記最下段の板部材は、裏面に設けられて、前記係合爪部が前記取付孔から突出したときに係合する段差部を有し、前記フランジ部を押圧変形した状態で前記段差部から外れて前記クリップが回転可能となる構成(請求項3)
(ウ)前記クリップの脚部先端に突設されて脚部の外径線上より外に配設されている突起と、前記板部材の取付孔又は前記グロメットの取付孔に設けられて前記突起を挿通可能にする縦溝とからなる誤組付け防止手段を有している構成(請求項4)
(エ)前記フランジ部に設けられた工具用連結部を有し、前記クリップが前記連結部に接続される工具を介して回転操作される構成(請求項5)である。
請求項1の発明では、使用状態から、クリップを所定角だけ回転して、クリップ側の係合爪部を板部材側の解除用凹部と対向させた後、クリップを引っ張ると、係合爪部が凹部内で縮径されて取付孔から容易に引き抜き可能となる。また、クリップは、脚部を取付孔に挿入する過程で縮径しかつ取付孔から突出したときに弾性復元される係合爪部により抜け止めするため、長期使用後も塑性変形やクリープを生じなく、また挿入力を少し高くするだけで締結力や固定力を大きく増大でき、しかも最上段の板部材に対する吸盤形フランジ部の弾性圧接を利用してがたつきも吸収できる。加えて、請求項1の発明では、グロメットにより上側の板部材同士を予め仮止めしておくため板部材が多数になっても作業性を良好に維持でき、また、最下段(の板部材)の取付孔を除いて、他の取付孔をグロメットに形成しているため取付孔同士のずれや製造誤差をなくしてクリップの挿入性を良好にできる。
請求項2の発明では、解除用凹部の形状を特定したもので、クリップが引き抜き方向の応力を受けると、図8のように係合爪部が凹部の傾斜面に沿って次第に取付孔の中心側に移動し、該移動により係合爪部が縮径して取付孔内に入って簡単に引き抜かれる。また、請求項3の発明では、クリップが取付状態で係合爪部が段差部に係合しているため回転方向の応力を受けも回転不能となって不用意に係合解除されない。
請求項4の発明では、誤組付け防止手段により、突起を取付孔の逃げ部に合わせた状態で、クリップを取付孔に挿入すると、クリップを常に取付孔つまり板部材の同じ位置に配置可能にする。この作用は、例えば、逃げ部を請求項3の段差部に一致させて設けると、誤組付けを防止できることになる。また、請求項5の発明では、クリップを使用状態から外すとき、ドライバー等を連結部に接続してクリップを回転操作し、係合爪部を解除用凹部に合わせることを可能にする。
本発明の最適な形態として、クリップをグロメットと共に使用する第1形態(請求項1に対応する形態)について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、第1形態に用いられるクリップ、第1形態に用いられるグロメット、最下段の板部材の取付孔の順に述べた後、図6〜図8に示す第1形態の取付構造について詳述する。
(クリップ)形態のクリップ1は、図1及び図2に示されているように、板部材3,4,5同士を締結したり、上側の板部材3,4を下側の板部材5に取り付けるもので、フランジ部10及び脚部12を一体に形成した樹脂成形体からなる。なお、板部材3〜5は、自動車の構造部材として、板部材3はグリル、板部材4はバンパー、板部材5はH/Lリテーナの例であるが、これ以外であってもよい。一般化すると、板部材3〜5は物品やパネル等の板部を意味し、また、最下段の板部材5を除く上側の板部材3,4は第2形態のごとく一枚の板部材7で構成したり、3枚以上の構成でも差し支えない。
クリップ1のフランジ部10は、概略逆皿状又は吸盤状をなし、上面中央に設けられた回転工具連結用溝11を有している。溝11は、図7に示したようにドライバー8などを差し込んでクリップを回転操作可能にする箇所である。形状的には、例えば、溝形状に代えて専用工具で掴んでクリップを回転操作する凸形の掴み部でもよい。
また、脚部12は、フランジ部10から突設されており、先端(下方)に向けて、柱部13と、筒部14と、対向した一対の片部15とにより形成されている。柱部13は、フランジ部10の下面中央から突出されており、周囲四等分する位置にそれぞれ形成されかつ上下2段で、合計8個の略三角形の窪み13aを有している。筒部14は、柱部13と同じ外径で連続しており、一対の係合爪部16を形成している。各係合爪部16は、コ形スリット17により区画されており、下端が筒部14に一体化し、上に行くほど次第に外へ大きく張り出した傾斜片状となっている。そして、係合爪部16は、図7に示されるごとく、前記傾斜片状の上端面16aがグロメット2内や板部材7の取付孔7aを挿通する過程で縮径し、かつ最下段の板部材5の取付孔5aから突出したときに弾性復元されて抜け止めする部分として作用する。
各片部15は、筒部14の先端に突設されており、対応する係合爪部16のほぼ真下に位置しているとともに、先端外向きに突出した突起15aを有している。各突起15aは、脚部12の外径より外に突出され、下面が平坦面で、側部が上から下に行くほど張り出す傾斜面となっている。また、突起15aと突起15aとの間の距離は、係合爪部16の最大に突出した部分同士の間の距離より小さくなるよう設定されている。この突起15aは、後述するグロメット2の縦溝23、又は、第2形態の板部材7の取付孔7aに設けられる縦溝7bとにより本発明の誤組付け防止手段を構成している。
(グロメット)第1形態で使用するグロメット2は、図1及び図3に示されているように、筒部20及び筒部20の上端外周に突設された鍔部21並びに弾性爪部22を一体に形成している樹脂成形体からなり、板部材3,4同士を、該板部材の取付孔3a,4aに筒部20を挿入した状態で鍔部21と爪部22との間に挟持して仮止する。ここで、筒部20は、内径がクリップ1の柱部13や筒部14を挿通可能な形状に形成されているとともに、内周に設けられてクリップ1の突起15a,15aを鍔部21側の入り口から筒内を貫通可能にする一対の縦溝23を有している。各縦溝23には、筒内の上側縁を一段深くしたガイド部23aと、ガイド部23aの下側で上から下に行くほど筒内に張り出すテーパー面23bとを有し、脚部12が筒部20内に挿入されたとき、係合突起16がガイド部23aとテーパー面23bに沿って摺動されることで縮径し易くし、それによって脚部12が過大な抵抗を受けることなく筒部20内を通過されるようにしている。符号23cは筒部20のうち、ガイド部23aとテーパー面23bとの間に設けられた型抜き用の小開口である。
また、鍔部21は、概略矩形枠状になっているが、一辺側の板幅を他の辺に比べて広くいた部分21aを有している。これは、板部材3,4がグロメット2で仮止めされた状態で、最下段の板部材5に設けられた位置出し部6に配置する際に鍔部21の部分21aを位置出し部6の入り口側に合わせ、その状態から全体を位置出し部6の奥へ移動して位置決めする。弾性爪部22は、筒部20の周囲にあって、各縦溝23と略90度変位した箇所に対に設けられている。すなわち、各爪部22は、筒部20の対応部を2本の縦スリット25により片部24として区画し、該片部24の下外面に突出形成されている。この場合、片部24は、筒部20より少し短く形成されるとともに、先端側の内面をテーパー面24aに形成している。
(上側板部材の取付孔)前記した板部材4,5の取付孔4a,5aは筒部20を挿通する円形孔である。すなわち、取付孔7aは、内径がクリップ1の柱部13や筒部14を挿通可能な形状に形成されているとともに、内周に設けられてクリップ1の突起15a,15aを表面側から裏面側へ貫通可能にする一対の縦溝7bを有している。各縦溝7bには、孔内の上側縁を一段深くしたガイド部7eと、ガイド部7eの下側で上から下に行くほど孔内に張り出すテーパー面7fとを有し、脚部12が取付孔7a内に挿入されるとき、係合突起16がガイド部7eとテーパー面7fに沿って摺動されることで縮径し易くし、それによって脚部12が過大な抵抗を受けることなく取付孔7a内を通過されるようにしている。
(最下段の板部材の取付孔)最下段の板部材5は、図1及び図5に示されるように、この上に配置される板部材3,4をグロメット2を介して取付孔5aに対し位置決めする位置出し部6を有している。なお、板部材5は、図面上、位置出し部6の付近だけを描いたが、実際はリテーナやパネルなどとして構成されている。
位置出し部6は、板部材5の対応端側に設けられた概略凹所で区画されており、該凹所の底面50に取付孔5aを形成している。すなわち、位置出し部6は、板部材3,4の取付孔3a,4aから突出したグロメット2の筒部20先端を底面50に接した状態で余裕を持って移動しながらセンタリングする略ハ形の調整部6aと、調整部6aの奥に設けられて筒部20の先端側を正規位置、つまり筒部20と取付孔5aとの軸心を一致させる位置に拘束する嵌合部6bと、嵌合部6bの奥側に設けられている小凹所6cとを有している、また、取付孔5aを挟んだ両側で、取付孔5aの中心と小凹所6cの中間部とを通る線上には、小凸部6d,6dが設けられている。各小凸部6dは、グロメット2が筒部20先端を嵌合部6bに嵌合して位置決めした状態で、片部24の先端に形成される隙間内に入ることにより、板部材3,4がグロメット2を介して位置決めされた状態をずれない維持可能にする。
また、底面50には、一対の誘導部51が上面に設けられているとともに、一対の段差部53及び一対の解除用凹部54が下面(裏面と同じ)に設けられている。上面の誘導部51は、取付孔5aを挟んだ両側で、かつ各小凸部6dと略90度変位した位置に対向して設けられ、嵌合部6b側から取付孔5aに向かって次第に低くなる下向き傾斜面に形成されている。この形状は、クリップ1が板部材3,4を仮止めしているグロメット2を介して、又は、板部材7の取付孔7aを介して板部材5の取付孔5a側に挿入されてくると、突起15a,15aが下向き傾斜面の誘導作用により突起15a同士の間を狭めつつ取付孔5aを乗り越え易くしたり、係合爪部16が下向き傾斜面の誘導作用により弾性縮径されつつ取付孔5aを乗り越え易くする。
下面の段差部53は、上面側の誘導溝51,51に対応した位置に設けられた浅い窪みである。段差部53の形状は、各係合爪部16が弾性縮径されながら誘導部51から取付孔5aを乗り越えた後、元の形状に弾性復帰した状態で回転不能に係合する。これに対し、下面の解除用凹部54は、上面側の小凸部6d,6dに対応した位置に設けられて、内底面が取付孔5aに近づくに従って次第に深くなる傾斜面である。符号52は、その凹部54の傾斜面を形成することにより、削られて取付孔5aより外へ広く開口した箇所を示している。凹部54の形状は、係合爪部16の係合状態からクリップ1を押しながら回転操作することで、係合爪部16と対向し、かつクリップ1の引き抜き方向の応力により係合爪部16を縮径して取付孔5aから引き抜き可能にする。
(第1形態の取付構造)図6〜図8は以上のクリップ1及びグロメット2の使用例を示している。以下、本発明の取付構造をその使用例により明らかにする。なお、図6及び図7において各(a)と(b)は図5(a)のB−B線とC−C線に沿う断面図であり、各(c)は板部材5の裏面図である。図8(a)と(b)は図5(a)のC−C線に沿う断面図で、図8(c)は板部材5の裏面図である。
(イ)この取付構造では、上述したようにまず、板部材3,4同士をグロメット2により仮止めする。この操作では、図1に示されるように、板部材3と板部材4とが互いの取付孔3a,4aを一致するよう重ねられ、その状態から、グロメット2の筒部20を取付孔3a,4aに押し込む。すると、グロメット2は、両突起22が片部24を介して縮径されて取付孔内を通過し、取付孔4aから突出したときに弾性復元して抜け止めすることで、板部材3,4同士を鍔部21と突起22との間に挟んだ状態で仮止めする。
(ロ)次に、仮止めされた板部材3,4は板部材5に位置決め配置される。この操作では、両縦溝23と底面50の誘導部51,51とを同じ向きにしてから、板部材5の位置決め部6に対し取付孔4aから突出した筒部20の先端を底面50に接した状態で板部材3,4を小凹所6c側へ移動する。すると、グロメット側筒部20の先端がハ形の調整部6aでセンタリングされながら、嵌合部6bに嵌合される。これにより、板部材3,4は、図6に示されるように、板部材5に対し互いの取付孔3a,4a,5a或いはグロメット側筒部20と取付孔5aが同軸線上に並ぶよう位置決めされる。
(ハ)次に、板部材3,4を板部材5にクリップ1を介して取り付ける。この操作では、まず、クリップ側の突起15a,15aをグロメット側の各縦溝23に合わせると、図6に示されるように、各突起15aが対応する縦溝23に沿って下降し筒部20の下端から突出し、板部材5の誘導溝51の傾斜面に当たる。この状態から、クリップ1を下向きに押操作する。すると、クリップ1は、突起15a,15aが誘導部51の傾斜面に沿って中心側に移動し各片部24を介して間隔を狭めながら取付孔5aを通り抜ける。続いて、係合爪部16,16が各縦溝23のテーパー面23bに当たって縮径しながら筒部20から突出した後、誘導部51の傾斜面に当たって更に縮径しながら取付孔5aから突出されると、弾性復元されて段差部53に係合し抜け止めする。この係合状態では、フランジ部10が鍔部21に圧接され、かつ、フランジ部10と係合爪部16との間に鍔部21、板部材3、板部材4、板部材5が挟持されている。図7はこのようにして板部材3,4が板部材5に対し取り付けられた状態を示している。
(ニ)次に、板部材3,4を板部材5から外すためクリップ1の係合を解除する操作について説明する。この取付構造では、例えば、図7(b)に示されるように、ドライバーなどの工具8がクリップ側溝11に係合され、該工具8をクリップ1に押し付けながら略90度回転する。すると、クリップ1は、工具8で下方へ押圧されると、フランジ部10が吸盤状を押し潰すよう変形され、それに伴って若干量だけ下降するため係合爪部16が段差部53から浮き上がって係合解除して回転可能状態となる。そして、クリップ1を工具8により略90度回転すると、各係合爪部16が対応する解除用凹部54と対向する。フランジ部10に対する押圧を解放すると、フランジ部10が元の吸盤状に復元し、クリップ1はそのときの応力により若干量だけ押し上げられる。そこで、図8(a)に示されるように、鍔部21とフランジ部10との間にドライバーなどの工具9を差し込んでこじるようにして、図8(b)に示されるようにクリップ1を引き抜くようにする。すると、クリップ1は、係合爪部16が凹部54の傾斜面に沿って縮径されながら容易に引き抜かれることになる。
(ホ)以上の取付構造では、クリップ1が取付孔5aから突出したときに弾性復元される係合爪部16により抜け止めするため長期使用後も塑性変形やクリープを生じないこと、係合爪部16だと挿入力を少し高くするだけで締結力や固定力を大幅に増大できること、上段の板部材3やグロメット側鍔状部21に対する吸盤形フランジ部10の弾性圧接を利用してがたつきも吸収できること、係合爪部16が段差部53に係合するため回転不能となって不用意に係合解除されないこと、回転操作により係合爪部16を係合解除用凹部54に対向させるだけで容易に係合解除して引き抜き可能になること、板部材3,4同士をグロメット2で予め仮止めしておくため上側の板部材がより多くなっても作業性を良好に維持できることなどで優れている。
お、本発明のクリップ1は、請求項1で特定される技術要素を備えておればよく、細部は必要に応じて種々変更可能なものである。
第1形態のクリップ及びグロメット並びに各板部材を示す要部外観図である。 上記クリップ単品を示し、(a)は上面図、(b)は半断面した正面図、(c)は下面図、(d)は半断面した側面図である。 上記グロメット単品を示し、(a)は上面図、(b)は半断面した正面図、(c)は半断面した側面図である。 第2形態の最下段の板部材を除く他の板部材の取付孔を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。 最下段の板部材の取付孔を示し、(a)は上面図、(b)は下面図、(c)は(a)のB−B線矢視断面図、(d)は(a)のC−C線矢視断面図である。 第1形態においてクリップを取付孔に軽く挿入した状態であり、(a)と(b)は異なる角度で断面した図、(c)は最下段の板部材を下側より見た図である。 第1形態において上側板部材を最下段の板部材に取り付けた状態で、(a)と(b)は異なる角度で断面した図、(c)は最下段の板部材を下側より見た図である。 クリップを外す際の操作例を示し、(a)はクリップを図7(b)の位置で90度回転した図、(b)は更にクリップを引き抜き方向に押し上げた図、(c)は最下段の板部材を下側より見た図である。 特許文献1の取付構造を示す説明図である。
1…クリップ
2…グロメット(20は筒部、21は鍔部、22は爪部、23は縦溝、24は片部)
3,4…板部材(3a,4aは取付孔)
5…板部材(最下段の板部材で、6は位置出し部、5aは取付孔)
7…板部材(7aは取付孔、7bは縦溝、7fはテーパー面)
10…フランジ部(11は溝)
12…脚部(13は柱部、14は筒部、15は片部、15aは突起)
16…係合爪部
54…係合解除用凹部

Claims (5)

  1. 板部材同士を互いの取付孔に挿入するクリップを介し締結したり、上側の板部材を下側の板部材に対し互いの取付孔に挿入するクリップを介し取り付ける取付構造において、
    筒部及び該筒部の上端外周に突設された鍔部並びに爪部を有し、前記板部材のうち、最下段の板部材を除く上側の板部材同士を、当該板部材同士の取付孔に前記筒部を挿入して前記鍔部と爪部との間に挟持した状態で仮止するグロメットを備え、
    前記クリップは、前記筒部の孔を覆う吸盤状のフランジ部、及び前記フランジ部の下面に突設されて前記筒部に挿通される脚部、並びに前記脚部に設けられて前記筒部内を通って前記最下段の板部材の取付孔へ挿通する過程で縮径しかつ該取付孔から突出したときに弾性復元されて抜け止めする係合爪部を有しているとともに、
    前記板部材のうち、最下段の板部材は、裏面に設けられて、前記係合爪部の抜け止め状態から前記クリップの回転により前記係合爪部と対向し、かつ前記クリップの引き抜き方向の応力により前記係合爪部を縮径して前記取付孔から引き抜き可能にする解除用凹部を有していることを特徴とするクリップを用いた取付構造。
  2. 請求項1において、前記解除用凹部は、内底面が前記取付孔に近づくに従って次第に深くなる傾斜面になっていることを特徴とするクリップを用いた取付構造。
  3. 請求項1において、前記最下段の板部材は、裏面に設けられて、前記係合爪部が前記取付孔から突出したときに係合する段差部を有し、前記フランジ部を押圧変形した状態で前記段差部から外れて前記クリップが回転可能となることを特徴としているクリップを用いた取付構造。
  4. 請求項1において、前記クリップの脚部先端に突設されて脚部の外径線上より外に配設されている突起と、前記板部材の取付孔又は前記グロメットの取付孔に設けられて前記突起を挿通可能にする縦溝とからなる誤組付け防止手段を有していることを特徴とするクリップを用いた取付構造。
  5. 請求項1において、前記フランジ部に設けられた工具用連結部を有し、前記クリップが前記連結部に接続される工具を介して回転操作されることを特徴とするクリップを用いた取付構造。
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