JP2004316856A - クリップ及びクリップの製造方法 - Google Patents

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光司 荒川
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Abstract

【課題】繰り返しの再利用においても良好な操作性を確保する。
【解決手段】グロメット10と軸体20を含み、グロメット10は、先端中央部で屈曲し略V字形状に形成された脚片部11と、この脚片部11の両基端にそれぞれ形成されたフランジ部12,12と、脚片部11の対向する内側面中間部にそれぞれ突出形成された被押圧部13,13とを有する。そして、フランジ部12,12の対向する端縁と軸体20の中間部との間に切断される連結部30を形成し、さらにフランジ部12,12の対向する端縁に、相互に交差してかみ合い結合状態を保持する係止爪14及び係合溝15からなるフランジ係合部を形成した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の板部材を重ね合わせて相互に固定するためのクリップに関し、例えば、自動車等の車体パネルとトリムとの密着固定に好適なクリップ関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のクリップを開示する特許文献として、後述する特許文献1が知られている。同文献1に開示されたクリップは、その図33に示すように、V字形状をした弾性脚片部(16,16)の上端から外水平方向に半円形状係止片部(101,101)が延設されてなるグロメット(102)と、このグロメット(102)の内側に進退自在に挿入されるピン(103)と、該ピン(103)の軸部(104)と上記グロメット(102)とを連結する一対のヒンジ部(15,15)とが一体成形されている。
【0003】
半円形状係止片部(101,101)の対向する両端部とピン(103)の外周面とは、未使用状態において4本のブリッジ片(101b)で一体に連結されている。このように、未使用状態においては、ブリッジ片(101b)を介してグロメット(102)の半円形状係止片部(101,101)とピン(103)とが連結され、しかも、ピン(103)の軸部(104)がヒンジ部(15,15)によってグロメット(102)の弾性脚片部(16,16)に連結されているので、ピン(103)が横方向にぐらつくことなく、グロメット(102)を車体パネルやトリムのクリップ挿通孔へ挿通することができるという特徴を有している。
【0004】
ブリッジ片(101b)は、グロメット(102)を車体パネルやトリムのクリップ挿通孔へ挿通したときに、該グロメット(102)の弾性脚片部(16,16)が互いに近接する過程で発生する剪断力によって切断される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−330015(段落「0035」〜「0039」、図33)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のクリップは、グロメット(102)を車体パネルやトリムのクリップ挿通孔へ挿通した後、ピン(103)を押し込んで弾性脚片部(16,16)を拡開させることで固定状態が形成されるが、このときピン(103)の軸部(104)とグロメット(102)の弾性脚片部(16,16)とを連結するヒンジ部(15,15)も横方向へ拡開する。このヒンジ部(15,15)の拡開状態が長期間継続すると、該ヒンジ部(15,15)は永久変形してしまう。したがって、再利用の際して、車体パネルやトリムのクリップ挿通孔にグロメット(102)を挿通するとき、永久変形により拡開したままのヒンジ部(15,15)が障害となり、クリップ挿通孔への挿入作業を円滑に行うことができず、作業性が悪いという課題があった。
【0007】
さらに、いったんブリッジ片(101b)が破断されると、グロメット(102)の半円形状係止片部(101,101)が横方向へぐらついてしまうため、再利用に際しては、上記従来クリップの特徴である車体パネルやトリムのクリップ挿通孔への円滑な挿通作業を実現することはできなかった。
【0008】
しかも、ブリッジ片(101b)は、グロメット(102)を車体パネルやトリムのクリップ挿通孔へ挿通したとき生じる僅かな剪断力をもって破断させるために、結合力が弱く、搬送途中の衝撃などで該ブリッジ片(101b,101b)が破断するおそれもある。そして、いったんブリッジ片(101b,101b)が破断してしまうと、グロメット(102)の半円形状係止片部(101,101)に対する横方向へのぐらつきを防止できなくなり、この場合も車体パネルやトリムのクリップ挿通孔への円滑な挿通作業を実現することはできなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような事情に鑑み開発されたもので、請求項1の発明に係るクリップは、先端中央部で屈曲し略V字形状に形成された脚片部、この脚片部の両基端にそれぞれ形成されたフランジ部、および前記脚片部の対向する内側面中間部にそれぞれ突出形成された被押圧部を含むグロメットと、
前記脚片部の内側で軸方向に移動する棒状の軸体とを備え、
前記軸体を軸方向に押し込んだとき該軸体が前記被押圧部を押圧して前記脚片部の中間部を拡開させるクリップにおいて、
前記フランジ部の対向する端縁と前記軸体の中間部との間に切断される連結部を形成し、
前記フランジ部の対向する端縁に、相互に交差してかみ合い結合状態を保持する係止爪及び係合溝からなるフランジ係合部を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明に係るクリップは、請求項1の記載を前提として、前記軸体に、前記被押圧部と係合して前記軸体の引抜き方向の移動を規制する係止段部を形成したこと特徴とする。
【0012】
請求項3の発明に係るクリップは、請求項1または2の記載を前提として、前記脚片部の内側面であって前記被押圧部とフランジ部とに挟まれた部位に、前記軸体を軸方向に摺動案内するガイド部を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係るクリップの製造方法は、先端中央部で屈曲し略V字形状に形成された脚片部、この脚片部の両基端にそれぞれ形成されたフランジ部、および前記脚片部の対向する内側面中間部にそれぞれ突出形成された被押圧部を含むグロメットと、
前記脚片部の内側で軸方向に移動する棒状の軸体とを備え、
前記フランジ部の対向する端縁と前記軸体の中間部との間に連結部を形成し、
前記軸体を軸方向に押し込んだとき該軸体が前記被押圧部を押圧して前記脚片部の中間部を拡開させるクリップの製造方法において、
前記脚片部を縮径方向に引き寄せる段階と、
該引き寄せに伴い前記連結部が破断して前記グロメットと軸体とが別部材になる段階と、
前記各フランジ部の対向する端縁が前記軸体の周囲で結合して一体化する段階と、を含むことを特徴とする。
【0014】
上記請求項1の発明によれば、グロメットと軸体とが連結部で結合されているので、二分割しただけの一組の成形金型をもってこれらグロメットと軸体とを一体成形することができ、製造工程の簡素化による生産性の向上を図ることができる。
【0015】
連結部を破断した後は、グロメットと軸体とが別部材となるが、同時に各フランジ部の対向する端縁を軸体の周囲で結合して一体化させることができるので、軸体をグロメットから離脱させることなくまとめて取り扱うことができ、良好な作業性を確保することができる。
【0016】
本発明のクリップは、車体パネルやトリム等の被固定物に形成したクリップ挿通孔へグロメットの脚片部を挿通した後、軸体を押し込んで該脚片部を拡開させることにより、固定状態が形成される。このとき、各フランジ部は、対向する端縁が軸体の周囲で結合しているので、グロメットの脚片部が横方向へぐらつくことはなく、容易に固定作業を進めることができる。
【0017】
かかる本発明のクリップは、上記特許文献1に示されたクリップのようにヒンジ部(15)がなくとも、グロメットと軸体の一体性を保持できるため、再利用に際しても、永久変形したヒンジ部(15)のような障害物もなく、車体パネルやトリム等の被固定物に形成されたのクリップ挿入孔へ、グロメットを円滑に挿通でき、繰り返しの使用においても良好な操作性が保持される。
【0018】
さらに、係止爪及び係合溝からなるフランジ係合部のかみ合いをもって各フランジ部を結合させるので、強固な結合状態を安定して保持することができる。
【0019】
加えて、請求項2の発明によれば、係止段部によって軸体の意図しない引き抜きが防止され、被固定物の固定状体を長期にわたり確実に保持することが可能となる。
さらに、請求項3の発明によれば、軸体を押し込んで固定状体を形成する際、ガイド部が軸体の横ずれを防止して適正な押し込み方向へ案内するので、作業性がいっそう良好となる。
【0020】
請求項4の発明によれば、一組の成形金型をもってグロメットと軸体とを一体成形することができ、しかも脚片部を縮径方向に引き寄せるだけの簡単な作業で、各フランジ部の対向する端縁を軸体の周囲で結合して一体化させ、各部材要素を一体に取り扱うことが可能となり、搬送作業や現場での作業が容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のクリップは、グロメット10と軸体20とが連結部30において連結された一体成形品であり、樹脂成形によって製造される。
図3はグロメットと軸体とを分離させた状態を示しており、同図を参照して各部材の構成を説明すると、グロメット10は、先端中央部で屈曲し略V字形状に形成された脚片部11と、この脚片部11の両基端にそれぞれ形成されたフランジ部12,12と、脚片部11の対向する内側面中間部にそれぞれ突出形成された被押圧部13,13とを有しており、後述するガイド部16がフランジ部12から被押圧部13にかけて立設されている。
【0022】
脚片部11は、中間部が拡径方向へ弾力的に変形可能である。また、各フランジ部12,12は、対向する端縁が対称な段付き形状をしており、その突き出た側の端縁に係止爪14が形成してあり、一方、窪んだ側の端縁には係合溝15が形成してある。これら係止爪14と係合溝15とは、相互に交差してかみ合い各フランジ部12,12の端縁を強固に結合するフランジ係合部を形成している。
【0023】
ここで、係止爪14と係合溝15のかみ合いに関する構成を説明する。
軸体20の頭部21と対向する面をフランジ上面としてその反対側の面をフランジ下面とする。フランジ部12,12の対向する端縁において、係止爪14は、フランジ下面側に偏った部位から内側に基部14aが延出しており、かみ合い時、相手側のフランジ下面と対向する向き(図の上向き)に爪14bが突き出している。一方、係合溝15は、フランジ下面を削って形成された凹部15aの下面に形成してある。
【0024】
また、フランジ部12,12の対向する端縁において、係止爪14と隣接する部位には、フランジ上面側に偏った部位から内側に係合部17が延出しており、その下面は当接面17aを、一側面は当接面17bを、そして内側端面は当接面17cをそれぞれ形成している。さらに、相手側フランジ部12,12の端縁において、この係合部17と対応する部位には、フランジ上面を削って係合凹部18が形成されており、かみ合い時、係合部17がこの係合凹部18と係合する。ここで、係合凹部18の底面は当接面18aを、内側面は当接面18bを、そして奥側端面は当接面18cをそれぞれ形成している。
【0025】
さて、係止爪14と係合溝15とは、相互に上下方向(厚み方向)からかみ合う。同時に、係合部17と係合凹部18とが係合する。このとき、当接面17aと当接面18aとが、係止爪14と係合溝15とのかみ合い状態を保持するように、上下方向(厚み方向)に互いに当接する。その結果、係止爪14と係合溝15とのかみ合い状態が強固に保持されるとともに、各フランジ部12,12が上下方向(厚み方向)へずれることがない。
【0026】
また、係合部17と係合凹部18とが係合する状態においては、当接面17bと当接面18bとが互いに当接するとともに、当接面17cと当接面18cとが互いに当接し、これにより、フランジ部12,12の面内方向へのずれも防止される。
【0027】
軸体20は、一端(図では上端)に皿状の頭部21が形成され、他端部近くの両側面には横方向に膨出して押圧部22が形成されている。軸体20の他端である先端から押圧部22にかけては傾斜面23が形成されている。また、押圧部22の中間部分には係止段部22aが形成されており、この係止段部22aを境として基端寄りの部位は一段低くなっている。
【0028】
頭部21のフランジ部12と対向する面には、取り外し時にマイナスドライバのような先端部分が楔形状となっている平面をもった工具の挿入によって、頭部21とフランジ部12を引き離す力を発生できる形状をした取外溝19が形成されている。本実施の形態では、取外溝19の形状は略直方体であり、図5に示すように、取外溝19はフランジ部12の分割線12aを跨いでいる。このため、工具の先端を取外溝19に挿入すると、工具先端の平面は分割線12aを跨いで両フランジ部12,12を同時に押圧して頭部21を引き離す力が発生するため、工具がふらつくことなく安定して頭部21の引き離し作業を行える。
【0029】
図4は軸体の中間部位を切り欠いて示すクリップの平面図である。
連結部30は、図4に示すように、係止爪14の先端部側面と軸体20の中間部側面との間に形成され、これらの側面相互を連結している。この連結部30は、後述するように脚片部11の縮径方向(すなわち、軸体20に向かう方向)への引き寄せ動作に伴い破断する程度の強度を有している。
すなわち、グロメット10の脚片部11が縮径方向に引き寄せされると、連結部30には矢印A,Bで示す方向に剪断力が作用し、その剪断力をもって連結部30が破断する。続いて、該引き寄せ動作に伴い、各フランジ部12,12の対向する端縁が当接すると同時に、係止爪14と係合溝15とがかみ合い結合して各フランジ部12,12が一体化する。
【0030】
軸体20の横断面形状は略H形状を呈している。これは、材料の節約と過度に強度を与えないために、軸体20に対して肉抜きを行った結果であり、図1における軸体20の側面の溝20aがそれに当たる。
【0031】
図5及び図6はグロメットのフランジ部が一体化した状態を示しており、このとき軸体20は中間部がフランジ部12,12によって外嵌保持される。なお、軸体20は、フランジ部12,12によって外嵌保持されても軸方向には移動自在となっている。
そして、このとき軸体20の押圧部22は、脚片部11の内側であって、被押圧部13,13とフランジとの間に配置される。この被押圧部13,13からフランジ部12,12にかけては、各脚片部11の対称な一側縁から壁状のガイド部16,16が延出している。これらガイド部16,16は、軸体20の押圧部22を軸方向に摺動案内する。
【0032】
図2に示すように、フランジ部12,12どうしが係合した際に、係止爪14と係合溝15がかみ合う面はフランジ下面側になっており、当接面18aと17aが当接する面はフランジ上面側に偏っている。そして、これらかみ合い面と当接面は、ともにフランジ外周から連続して形成されているので、それぞれの面を形成する金型部材の間に隙間を設けて平行に配置することにより、両方の面を同時に成形することができる。
【0033】
また、図5に示すように、フランジ部12,12どうしを分割している分割線12aは、階段状を呈しているので、図4において、矢印C(軸体20の軸線方向と垂直な背面側)からは、図示右側のフランジ部12の分割線12aを構成する面をすべて臨むことができ、同様に矢印D(軸体20の軸線方向と垂直な正面側)からは図示左側の分割線12aを構成する面をすべて臨むことができるので、図4における上下方向(軸体20の軸線と垂直な前後方向)に金型を分割することによりフランジ部12,12を成形することができる。
【0034】
さらに、フランジ部12,12の分割線12aを構成する部分を除くクリップ全体は、図4において上下(軸体20の軸線と垂直な前後方向)に対称であるので、矢印Cと矢印Dからこれらを構成する面をすべて臨むことができ、しかもクリップ全体は軸体20の軸線に対し点対称となっている。
したがって、本願発明のクリップは、図4において上下に分割しただけの金型で成形が可能であり、金型構造が簡素で、製作費用も安価になり、クリップのコストダウンを図ることができる。
【0035】
また、図4に示すように、軸体20の軸線方向から見ると、係止爪14と係合部17の間に隙間aが設けられている。この隙間aがないと、矢印C及び矢印D方向に開閉する二分割金型により係止爪14と係合部17の境界を成形する際に、金型部材の先端稜部どうしを線で当接させなければならない。本願発明のクリップにおいては、図3で示したように、係止爪14の端面14dと係合部17の端面である当接面17bとの間に隙間aがあるので、係止爪14における係止爪形成面14cと端面14dからなる稜部と、係合部17における当接面17aと当接面17cからなる稜部を結んだ傾斜面を、それぞれ金型部材の先端部に設けることができるので、当接時に傾斜面どうしの面で当接させることができる。
【0036】
したがって、配置位置の微調整作業において誤って先端部分を強く当接させても線接触でなく面接触であるので圧力が分散され、金型部材が破損するおそれが少ないとともに、金型開閉に伴って軽い当接を繰り返す金型部材の先端部分では、線による当接に比較して面による当接は当接部分の損耗が少ないので、金型部材の寿命が延びて多くのクリップを成型でき、製品価格に占める金型費用の割合が小さくなってクリップのコストダウンを図ることができる。
【0037】
上述した構成のクリップは、図1及び図2に示した状態(すなわち、グロメット10と軸体20とが連結部30を介して一体化された状態)で工場出荷され、現場に搬送することができる。また、工場出荷前に図5及び図6に示した状態(すなわち、連結部30を破断するとともに各フランジ部12,12で軸体20を外嵌保持した状態)を形成して、現場へ搬送することもできる。いずれの場合であっても、グロメット10と軸体20とが分離することはなく、したがって各部品の数量管理が容易で現場での作業性も良好なものとなる。
【0038】
図5及び図6に示した状態で出荷されたクリップは、現場で、そのまま車体パネルやトリム等の被固定物に形成したクリップ挿通孔へ挿通固定することができる。すなわち、被固定物に形成したクリップ挿通孔へグロメット10の脚片部11を挿通した後、軸体20を図5,図6に示す下方へ押し込むと、脚片部11に形成した被押圧部13,13に、軸体20の先端からの押圧部22にかけて形成された傾斜面23が当接して、徐々に被押圧部13,13を拡径方向へ押し広げていく。そして、軸体20の押圧部22が脚片部11の被押圧部13,13を押圧するとき、脚片部11がもっとも拡開し、更に押圧すると被押圧部13,13は係止段部22aと当接する。そのとき、軸体20の頭部21がグロメット10のフランジ部12,12に接触し、それ以上は軸体20を押し込むことができなくなる。この状態では、軸体20の押圧部22に形成した係止段部22aが被押圧部13,13の頂部をのり越え、該係止段部22aと被押圧部13,13との間に係合状態が形成され、軸体20の意図しない引き抜きが阻止され、被固定物の固定状体が形成され、固定作業が終了する。
【0039】
一方、図1及び図2に示した状態(すなわち、グロメット10と軸体20とが連結部30を介して一体化された状態)から、被固定物の固定作業を行うこともできる(図7,図8参照)。
すなわち、図7(a)に示すように、被固定物100,101に形成したクリップ挿通孔102へ脚片部11の先端部分を配置し、脚片部11を内側へ引き寄せると、連結部30が破断して(図7(b))、フランジ部12,12に形成した係止爪14と係合溝15とがかみ合うと同時に、当接面17aと18a、17bと18b、17cと18cとが相互に当接する。続いて、被固定物100,101に形成したクリップ挿通孔102へグロメット10の脚片部11を挿通して、フランジ部12,12を被固定物100と当接させた後(図8(a))、頭部21とフランジ部12とが当接するように軸体20を押し込むと、図5及び図6に示した状態から固定作業をした場合と同様に脚片部11が拡開して、被固定物100,101の固定状態が形成される(図8(b))。
【0040】
いずれの方法であっても、軸体20の押し込み操作に際して、グロメット10の各フランジ部12,12は、係止爪14と係合溝15のかみ合い、および当接面17aと18a、17bと18b、17cと18cの当接によって強固に結合しているので、脚片部11がすべての方向へぐらつくことはなく、容易に固定作業を進めることができる。また、軸体20はガイド部16,16によって軸方向に摺動案内されるので、軸体20をグロメット10に押し込む際にもぐらつくことはない。
【0041】
また、本実施の形態に係るクリップは、次の手順で被固定物から取り外すことができる。すなわち、軸体20の頭部21に形成した取外溝19へ、先端部分が楔形状となっている平面をもった工具(例えば、マイナスドライバ)の先端部分を挿入し、フランジ部12,12を支点として梃子の原理をもって該工具の先端部分を押し上げる。すると、軸体20の頭部21が工具の先端部分により持ち上げられて、フランジ部12,12から引き離される。このとき、係止段部22aと被押圧部13,13との間の係合状態が解除され、軸体20を引き抜き可能となる。
【0042】
続いて、軸体20を引き抜くと、押圧部22とが被押圧部13,13から離間して、脚片部11が内側へ縮径し、さらに軸体20の押圧部22のエッジがフランジ部12,12に当接して、軸体20と一体にグロメット10も引き抜かれる。このとき、すでに内側へ縮径している脚片部11は、被固定物100,101に形成したクリップ挿通孔102から抵抗なく抜き出すことができる。
【0043】
被固定物から取り外したクリップを再利用する場合は、各フランジ部12,12の係止爪14と係合溝15をかみ合わせた状態(図5及び図6に示した状態)から、上述した手順で同様に被固定物を固定することができる。
本実施形態のクリップは、係止爪14と係合溝15のかみ合わせをもって一体化した各フランジ部12,12により軸体20を外嵌保持するので、既述した特許文献1に示されたクリップのようにヒンジ部(15)がなくとも、グロメット10と軸体20の一体性が保持される。したがって、再利用に際しても、永久変形したヒンジ部(15)のような障害物もなく、車体パネルやトリム等の被固定物に形成されたのクリップ挿入孔へ、グロメット10を円滑に挿通でき、繰り返しの使用においても良好な操作性が保持される。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、グロメットと軸体とが連結部で結合されているので、二分割しただけの一組の成形金型をもってこれらグロメットと軸体とを一体成形することができ、製造工程の簡素化による生産性の向上を図ることができる。
しかも、繰り返しの再利用においても良好な操作性が保持されるという、従来にない格別の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクリップの斜視図である。
【図2】同じく本発明の実施形態に係るクリップの正面図である。
【図3】グロメットと軸体とを分離させた状態を示す斜視図である。
【図4】軸体の中間部位を切り欠いて示すクリップの平面図である。
【図5】グロメットの各フランジ部が一体化した状態を示す斜視図である。
【図6】同じくグロメットの各フランジ部が一体化した状態を示す正面図である
【図7】被固定物を固定する手順の一例を示す一部断面正面図である。
【図8】図7に続く、被固定物を固定する手順の一例を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
10:グロメット
11:脚片部
12:フランジ部
12a:分割線
13:被押圧部
14:係止爪
15:係合溝
16:ガイド部
17:係合部
17a,17b,17c:当接面
18:係合凹部
18a,18b,18c:当接面
19:取外溝
20:軸体
21:頭部
22:押圧部
22a:係止段部
23:傾斜面
30:連結部

Claims (4)

  1. 先端中央部で屈曲し略V字形状に形成された脚片部、この脚片部の両基端にそれぞれ形成されたフランジ部、および前記脚片部の対向する内側面中間部にそれぞれ突出形成された被押圧部を含むグロメットと、
    前記脚片部の内側で軸方向に移動する棒状の軸体とを備え、
    前記軸体を軸方向に押し込んだとき該軸体が前記被押圧部を押圧して前記脚片部の中間部を拡開させるクリップにおいて、
    前記フランジ部の対向する端縁と前記軸体の中間部との間に切断される連結部を形成し、
    前記フランジ部の対向する端縁に、相互に交差してかみ合い結合状態を保持する係止爪及び係合溝からなるフランジ係合部を形成したことを特徴とするクリップ。
  2. 前記軸体に、前記被押圧部と係合して前記軸体の引抜き方向の移動を規制する係止段部を形成したこと特徴とする請求項1のクリップ。
  3. 前記脚片部の内側面であって前記被押圧部とフランジ部とに挟まれた部位に、前記軸体を軸方向に摺動案内するガイド部を形成したことを特徴とする請求項1または2記載のクリップ。
  4. 先端中央部で屈曲し略V字形状に形成された脚片部、この脚片部の両基端にそれぞれ形成されたフランジ部、および前記脚片部の対向する内側面中間部にそれぞれ突出形成された被押圧部を含むグロメットと、
    前記脚片部の内側で軸方向に移動する棒状の軸体とを備え、
    前記フランジ部の対向する端縁と前記軸体の中間部との間に連結部を形成し、
    前記軸体を軸方向に押し込んだとき該軸体が前記被押圧部を押圧して前記脚片部の中間部を拡開させるクリップの製造方法において、
    前記脚片部を縮径方向に引き寄せる段階と、
    該引き寄せに伴い前記連結部が破断して前記グロメットと軸体とが別部材になる段階と、
    前記各フランジ部の対向する端縁が前記軸体の周囲で結合して一体化する段階と、を含むことを特徴とするクリップの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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