以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
実施形態1では、本発明に係る格子体が組み込まれた建具の一例として、図1に示すように、室内の通路や出入口を開閉するように設けられ、向こう側が見える状態で向こう側とこちら側とを仕切る框戸1に適用した例について説明する。なお、以下の説明では、図1の紙面上の上、下、左、右を、それぞれ「上」、「下」、「左」、「右」として説明し、図1の紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
−框戸の構成−
図1及び図2に示すように、框戸1は、矩形枠状の枠体5と、該枠体5内に組み込まれた格子体10とを備えている。なお、図示を省略しているが、本実施形態1では、框戸1は、玄関空間と居室に繋がる廊下との間に設けられている。
〈枠体〉
枠体5は、一対の縦框部材2,2と一対の横框部材(上框部材3及び下框部材4)とを備えている。一対の横框部材3,4は、一対の縦框部材2,2の上端部と下端部との間にそれぞれ架け渡されて接合されている。一対の縦框部材2,2と一対の横框部材3,4とは、図示しないダボを介して接合されると共に、接着剤で接着固定されている。なお、一対の縦框部材2,2と上框部材3及び下框部材4との接合構造は、ダボを介した接合に限られず、一方に雄実、他方に雌実が形成されて接合されるものであってもよく、雇い実を介して接合されるものであってもよい。
一対の縦框部材2,2は、左右対称形状に形成され、平行に並設されている。図2に示すように、一対の縦框部材2,2の内端面(互いに対向する面)には、上下方向に延びる嵌合溝2aが形成されている。嵌合溝2aは、縦框部材2を直方体形状に形成した後、内端面の一部を切欠くことによって形成されている。嵌合溝2aは、断面矩形状に形成され、桟11及び枠材13の側端部が嵌まり込む大きさ及び位置に形成されている。なお、詳細については後述するが、本実施形態1では、図1において右側の縦框部材2の嵌合溝2aには、格子体10の右端の桟11の右端部と一対の枠材13,13の右端部が嵌め込まれて固定され、図1において左側の縦框部材2の嵌合溝2aには、格子体10の左端の桟11の左端部と一対の枠材13,13の左端部が嵌め込まれて固定される。
上框部材3と下框部材4とは、上下対称形状に形成され、平行に並設されている。上框部材3と下框部材4の内端面(互いに対向する面)には、左右方向の一端から他端まで延びる嵌合溝3a,4aがそれぞれ形成されている。嵌合溝3a,4aは、上框部材3及び下框部材4を直方体形状に形成した後、内端面の一部を切欠くことによって形成されている。嵌合溝3a,4aは、断面矩形状に形成され、後述する格子体10の対応する枠材13が嵌まり込む大きさ及び位置に形成されている。なお、詳細については後述するが、本実施形態1では、上框部材3の嵌合溝3aには、格子体10の上側の枠材13が嵌め込まれて固定され、下框部材4の嵌合溝4aには、格子体10の下側の枠材13が嵌め込まれて固定される。
〈格子体〉
図4に示すように、格子体10は、一対の枠材13,13と、一対の枠材13,13間に架け渡されて各枠材13に垂直に延びる10本の桟11,…,11と、10本の桟11,…,11のうちの互いに隣り合ういずれか2本の桟11,11の間に挟み込まれて該2本の桟11,11に固定された18個の駒12,…,12とを備えている。
本実施形態1では、一対の枠材13,13は、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aに嵌まり込む大きさの角材によって構成されている。なお、本実施形態1では、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aは、同一寸法に形成されているため、一対の枠材13,13も同一寸法の角材によって構成されている。上述のように、格子体10において上方の枠材13は、一対の縦框部材2,2の嵌合溝2a,2aと上框部材3の嵌合溝3aとに嵌め込まれて固定されている。一方、格子体10において下方の枠材13は、一対の縦框部材2,2の嵌合溝2a,2aと下框部材4の嵌合溝4aとに嵌め込まれて固定されている。
各桟11は、横断面の一辺の長さが上框部材3及び下框部材4の厚さ(前後方向の長さ)よりも小さい角材によって構成されている。各桟11は、上端面を上側の枠材13の下端面に当接させた状態で、該上側の枠材13に上方から打ち込んだビス9で固定されている。また、各桟11は、下端面を下側の枠材13の上端面に当接させた状態で、該下側の枠材13に下方から打ち込んだビス9で固定されている。複数の桟11,…,11のうち、駒12が固定される桟11には、駒12の後述するダボ12bが嵌まるダボ穴11xが形成されている。ダボ穴11xは、1つの駒12に対し、両側の各桟11に2つずつ設けられている。
各駒12は、断面矩形状のブロック状の本体部12aと、4つのダボ12b,…,12bとを有している。4つのダボ12b,…,12bは、円柱形状に形成され、本体部12aの両側面に2つずつ設けられている。各ダボ12bは、本体部12aと一体に形成されていてもよく、別体に形成されて本体部12aに取り付けられるものであってもよい。また、駒12の形状は、上述のものに限定されず、隣り合う2本の桟11,11に架け渡されて固定されるものであれば、いかなる形状であってもよい。駒12は、例えば、両端面が2本の桟11,11の対向面に接する円柱形状に形成されていてもよい。
以上のように、実施形態1では、一対の枠材13,13と、10本の桟11,…,11と、18個の駒12,…,12とによって格子体10が構成されている。
また、本実施形態1では、一対の枠材13,13の間に設けられる10本の桟11,…,11と18個の駒12,…,12とは、枠材13の延伸方向に並ぶ4つの格子ユニット(第1〜第4格子ユニット)21〜24を構成している。言い換えると、本実施形態1では、格子体10は、一対の枠材13,13と、枠材13の延伸方向に並ぶ第1〜第4格子ユニット21〜24とで構成されている。
図5に示すように、第1〜第4格子ユニット21〜24は、基本ユニット20の全部又は一部分によってそれぞれ構成されている。
基本ユニット20は、一対の枠材13,13に固定されてそれぞれ桟11となる3本の桟部材11a〜11cと、6個の駒12,…,12とで構成されている。6個の駒12,…,12は、3本の桟部材11a〜11cの隣り合う2本の桟部材の間(11a−11b間、11b−11c間)に、それぞれ3つずつ設けられている。各2本の桟部材の間に設けられる3つの駒12,12,12は、異なる間隔で配置されている。また、桟部材11a,11b間に設けられる3つの駒12,12,12と、桟部材11b,11c間に設けられる3つの駒12は、異なる高さ位置に設けられている。各駒12は、該駒12が固定される2本の桟部材の間に挟み込まれ、ダボ12bを介して2本の桟部材に接着固定されている。そのため、桟部材11a,11cには、桟部材11bとの各対向面に、3つの駒12,12,12を取り付けるための6つのダボ穴11x,11x,11xが、異なる高さ位置に設けられている。また、桟部材11bには、桟部材11a及び桟部材11cとの各対向面に、それぞれ3つの駒12,12,12を取り付けるための6つのダボ穴11x,11x,11xが、異なる高さ位置に設けられている。
以上により、基本ユニット20は、ダボ穴11xの形成位置が異なる3本の桟部材11a,11b,11cと、同一部材からなる6個の駒12とで形成される。
また、実施形態1では、このように構成される基本ユニット20の全部又は一部分をそのまま又は反転させることによって、4種類の格子ユニット(第1〜第4格子ユニット21〜24)が形成されている。
第1格子ユニット21は、基本ユニット20の一部分で構成されている。具体的には、第1格子ユニット21は、基本ユニット20を上下方向(桟11の長さ方向)に反転させた反転ユニット20’の左側の一部分(2本の桟部材11a,11bの間に3個の駒12,12,12を組付けたもの)で構成されている。なお、基本ユニット20では、3本の桟部材11a〜11cが等間隔に配置されているため、反転ユニット20’は、基本ユニット20を、縦方向に半回転させる、又は基本ユニット20を横方向に半回転させて上下を逆転させることによって構成することができる。
第2格子ユニット22は、基本ユニット20で構成されている。
第3格子ユニット23は、基本ユニット20を上下方向(桟11の長さ方向)に反転させた反転ユニット20’によって構成されている。
第4格子ユニット24は、基本ユニット20の一部分で構成されている。具体的には、第1格子ユニット21は、基本ユニット20の右側の一部分(2本の桟部材11b,11cの間に3個の駒12,12,12を組付けたもの)で構成されている。
以上のように、実施形態1では、1つの基本ユニット20の全部又は一部分をそのまま又は反転させて4種類の格子ユニット(第1〜第4格子ユニット21〜24)を形成し、これらを一対の枠材13,13の間に組み込むことによって格子体10を構成している。
−框戸の組み立て方法−
まず、格子体10を組み立てる。具体的には、上述のようにして基本ユニット20の全部又は一部分によって構成した第1〜第4格子ユニット21〜24を、一対の枠材13,13間の所定の位置に配置し、一対の枠材13,13にビス9でそれぞれ固定することによって格子体10を形成する。
次に、格子体10に上框部材3及び下框部材4を取り付ける。具体的には、上框部材3の嵌合溝3aに接着剤を塗布して格子体10の上側の枠材13を嵌め込み、接着剤を固化させる。また、下框部材4の嵌合溝4aに接着剤を塗布して格子体10の下側の枠材13を嵌め込み、接着剤を固化させる。これにより、格子体10の上下に上框部材3及び下框部材4が取り付けられる。
上框部材3及び下框部材4の取付後、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体に、一対の縦框部材2,2を取り付ける。具体的には、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体の両側方に、一対の縦框部材2,2を配置する。そして、各縦框部材2の嵌合溝2aに接着剤を塗布し、格子体10の最も端に設けられた桟11(第1格子ユニット21の桟部材11a、第4格子ユニット24の桟部材11c)と、一対の枠材13,13の左右端部とを嵌め込み、接着剤を固化させる。また、同時に、各縦框部材2のダボ穴に接着剤を塗布して上框部材3及び下框部材4に固定したダボを嵌め込み、接着剤を固化させる。これにより、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体に、一対の縦框部材2,2が取り付けられる。
本実施形態1では、以上のようにして格子体10が組み込まれた框戸1が組み立てられる。
−格子模様の変更例−
以上のように、本実施形態1では、框戸1の格子体10が、一対の枠材13,13と、枠材13の延伸方向に並ぶ第1〜第4格子ユニット21〜24とで構成されている。また、第1〜第4格子ユニット21〜24は、基本ユニット20の全部又は一部分を、そのまま又は反転させて用いることによってそれぞれ異なる格子模様に形成されるものである。そのため、実施形態1の格子体10の第1〜第4格子ユニット21〜24の配置順序を入れ替えるだけで、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を構成することができる。
また、実施形態1の格子体10において、基本ユニット20の全部又は一部分を縦方向に半回転(上下方向に反転)させて用いていたものを、横方向に半回転(左右方向に反転)させて用いることによっても、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を構成することができる。
その他、基本ユニット20の構成、例えば、隣り合う2本の桟部材間(桟部材11a−11b間,桟部材11b−11c間)に設けられる駒12の配置間隔を変更することによっても、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を構成することができる。
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、格子体10が、一対の枠材13,13間に架け渡された複数の桟11,…,11の間に、駒12を挟み込むことによって形成されている。格子体10をこのように構成することにより、同じ材料を用いて駒12の位置を変更するだけで容易に異なる格子模様の格子体10を構成することができる。つまり、同じ材料で異なる格子模様を容易に形成可能な格子体10を提供することができる。
また、本実施形態1では、駒12をダボ12bで固定することとしているため、ダボ穴11xの位置を変更するだけで容易に異なる格子模様の格子体10を構成することができる。
また、本実施形態1では、複数(3本)の桟部材11a,11b,11cと隣り合う2本の桟部材の間(桟部材11a−11b間,桟部材11b−11c間)に固定された少なくとも1つの駒12とで基本ユニット20を構成し、一対の枠材13,13の間に、基本ユニット20の全部又は一部分で構成される格子ユニット21〜24を枠材13の延伸方向に複数(4つ)並べることで、格子体10が形成されている。このような構成により、一対の枠材13,13の間に、基本ユニット20の全部又は一部分で構成される複数種類の格子ユニット21〜24を並べるだけで容易に意匠性に優れた格子体10を形成することができる。また、一対の枠材13,13の間に設けられる複数種類の格子ユニット21〜24の配置順序を変更するだけで、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を容易に構成することができる。
また、実施形態1では、格子体10には、基本ユニット20と、該基本ユニット20を桟11の長さ方向又は幅方向に反転させた反転ユニット20’とが格子ユニット21〜24として含まれている。このように基本ユニット20を反転させた反転ユニット20’を、基本ユニット20と組み合わせて格子体10に組み込むことにより、1つの基本ユニット20を用いて容易に異なる格子模様の格子体10を構成することができる。
また、実施形態1では、同じ材料で複数種類の格子模様を容易に形成可能な上記格子体10を、框戸1に適用することとしている。そのため、実施形態1によれば、同じ材料で格子模様の異なる複数種類の框戸1を容易に構成することができる。
また、実施形態1では、框戸1は、玄関空間と居室又は居室に繋がる廊下との間に設けられている。そのため、玄関空間と居室又は廊下とを向こう側が見える状態で仕切ることができると共に、玄関空間に上記框戸1を設けることにより、ペットの玄関空間への侵入を規制することができるため、ペットの脱走やテリトリーの拡大を抑制することができる。
《発明の実施形態2》
図6〜図9に示すように、実施形態2は、実施形態1の框戸1の一部の構成を変更したものである。具体的には、実施形態2の框戸1は、実施形態1の框戸1と同様に、枠体5と格子体10とを備えるが、枠体5と格子体10の一部の構成が実施形態1と異なる。なお、実施形態2においても、框戸1は、玄関空間と居室に繋がる廊下との間に設けられている。
〈枠体〉
実施形態2においても、枠体5は、一対の縦框部材2,2と一対の横框部材(上框部材3及び下框部材4)とを備えている。また、実施形態2においても、一対の縦框部材2,2と一対の横框部材3,4とは、図示しないダボを介して接合されると共に、接着剤で接着固定されている。
実施形態2では、一対の縦框部材2,2は、内端部に嵌合溝2aが形成されていない。実施形態2では、一対の縦框部材2,2は、格子体10の桟11及び枠材13とは接合されず、上框部材3及び下框部材4とのみ接合される。左側の縦框部材2の内端面には、最も左側の桟11との間に挟み込まれる3個の駒12,…,12を固定するための6個のダボ穴11x,…,11xが形成されている。なお、一対の縦框部材2,2と上框部材3及び下框部材4との接合構造は、ダボを介した接合に限られず、一方に雄実、他方に雌実が形成されて接合されるものであってもよく、雇い実を介して接合されるものであってもよい。一対の縦框部材2,2のその他の構成は、実施形態1と同様に構成されている。
また、実施形態2においても、上框部材3と下框部材4とは、上下対称形状に形成され、平行に並設されている。上框部材3と下框部材4の内端面(互いに対向する面)には、左右方向の一端から他端まで延びる嵌合溝3a,4aがそれぞれ形成されている。嵌合溝3a,4aは、上框部材3及び下框部材4を直方体形状に形成した後、内端面の一部を切欠くことによって形成されている。嵌合溝3a,4aは、断面矩形状に形成され、後述する格子体10の対応する枠材13が嵌まり込む大きさ及び位置に形成されている。なお、詳細については後述するが、本実施形態2においても、上框部材3の嵌合溝3aには、格子体10の上側の枠材13が嵌め込まれて固定され、下框部材4の嵌合溝4aには、格子体10の下側の枠材13が嵌め込まれて固定される。
〈格子体〉
図7に示すように、格子体10は、一対の枠材13,13と、一対の枠材13,13間に架け渡されて各枠材13に垂直に延びる9本の桟11,…,11と、複数の桟11,…,11のうちの互いに隣り合ういずれか2本の桟11,11の間に挟み込まれて該2本の桟11,11に固定された12個の駒12,…,12とを備えている。なお、実施形態2では、左側の縦框部材2と最も左側の桟11との間にも3個の駒12,…,12が設けられており、格子体10は、計15個の駒12,…,12を備えている。
本実施形態2においても、一対の枠材13,13は、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aに嵌まり込む大きさの角材によって構成されている。本実施形態2では、格子体10において上方の枠材13は、上框部材3の嵌合溝3aのみに嵌め込まれて固定され、下方の枠材13は、下框部材4の嵌合溝4aのみに嵌め込まれて固定されている。各桟11は、ダボ穴11xの形成位置が異なるだけで実施形態1の桟11と同様に構成されている。各駒12は、実施形態1の駒12と同様に構成されている。
以上のように、実施形態2では、一対の枠材13,13と、9本の桟11,…,11と、15個の駒12,…,12とによって格子体10が構成されている。
また、本実施形態2では、一対の枠材13,13の間に設けられる複数の桟11,…,11と複数の駒12,…,12とは、枠材13の延伸方向に並ぶ5つの格子ユニット(第1〜第5格子ユニット)31〜35を構成している。言い換えると、本実施形態2では、格子体10は、一対の枠材13,13と、枠材13の延伸方向に並ぶ第1〜第5格子ユニット31〜35とで構成されている。
図7〜図9に示すように、第1〜第5格子ユニット31〜35は、基本ユニット30の一部分によってそれぞれ構成されている。
図8の左側に示すように、基本ユニット30は、一対の枠材13,13に固定されてそれぞれ桟11となる2本の桟部材11a,11bと、2本の桟部材11a,11bの間に挟み込まれ、ダボ12bを介して2本の桟部材11a,11bに接着固定された3つの駒12,12,12とで構成されている。3つの駒12,12,12は、異なる間隔で配置されている。2本の桟部材11a,11bは、互いの対向面の同じ高さ位置に、3つの駒12,12,12を取り付けるための6つのダボ穴11x,…,11xが形成されている。つまり、2本の桟部材11a,11bは、1種類の部材で構成することができる。
以上により、実施形態2では、基本ユニット30は、同一部材からなる2本の桟部材11a,11bと、同一部材からなる3個の駒12とで形成される。
また、実施形態2では、第1〜第5格子ユニット31〜35は、基本ユニット30の一部分、具体的には、図8に示すように、基本ユニット30の2本の桟部材11a,11bの両端部を異なる位置で切断することによって形成される2種類のユニット(第1及び第2ユニット30a,30b)の全部又は一部分によってそれぞれ構成されている。
図8に示すように、第1ユニット30aは、基本ユニット30の2本の桟部材11a,11bの両端部を、所定の第1位置C1で切断したものであり、第2ユニット30bは、基本ユニット30の2本の桟部材11a,11bの両端部を、第1位置C1と異なる所定の第2位置C2で切断したものである。本実施形態2では、第2位置C2は、第1位置C1よりも所定高さだけ上方の位置である。
実施形態2では、このようにして、基本ユニット30の2本の桟部材11a,11bの両端部を異なる位置C1,C2で切断することによって2種類の格子ユニット(第1及び第2ユニット30a,30b)を形成し、第1及び第2ユニット30a,30bの全部又は一部分をそのまま又は反転させて用いることにより、第1〜第5格子ユニット31〜35を形成している。つまり、実施形態2においても、1つの基本ユニット30から5種類の格子ユニット(第1〜第5格子ユニット31〜35)を形成している。
図8及び図9に示すように、第1格子ユニット31は、第1ユニット30aの右側の一部分(桟部材11bに3個の駒12,12,12を組付けたもの)で構成されている。
第2格子ユニット32は、第1ユニット30aを、上下方向(桟11の長さ方向)に反転させた第1反転ユニット30a’によって構成されている。第1反転ユニット30a’は、上記第1ユニット30aを、縦方向に半回転させる、又は上記第1ユニット30a横方向に半回転させて上下を逆転させることによって構成することができる。
第3格子ユニット33は、第1ユニット30aで構成されている。
第4格子ユニット34は、第2ユニット30bを上下方向(桟11の長さ方向)に反転させた第2反転ユニット30b’によって構成されている。第2反転ユニット30b’は、第2ユニット30bを縦方向に半回転させる、又は第2ユニット30bを横方向に半回転させて上下を逆転させることによって構成することができる。
第5格子ユニット35は、第2ユニット30bで構成されている。
以上のように、実施形態2においても、1つの基本ユニット30から5種類の格子ユニット(第1〜第5格子ユニット31〜35)を形成し、これらを一対の枠材13,13の間に組み込むことによって格子体10を構成している。
−框戸の組み立て方法−
まず、格子体10を組み立てる。具体的には、上述のようにして基本ユニット20の全部又は一部分によって構成した第1〜第5格子ユニット31〜35を、一対の枠材13,13間の所定の位置に配置し、一対の枠材13,13にビス9でそれぞれ固定することによって格子体10を形成する。
次に、格子体10に上框部材3及び下框部材4を取り付ける。具体的には、上框部材3の嵌合溝3aに接着剤を塗布して格子体10の上側の枠材13を嵌め込み、接着剤を固化させる。また、下框部材4の嵌合溝4aに接着剤を塗布して格子体10の下側の枠材13を嵌め込み、接着剤を固化させる。これにより、格子体10の上下に上框部材3及び下框部材4が取り付けられる。
上框部材3及び下框部材4の取付後、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体に、一対の縦框部材2,2を取り付ける。具体的には、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体の両側方に、一対の縦框部材2,2を配置する。そして、各縦框部材2のダボ穴に接着剤を塗布して上框部材3及び下框部材4に固定したダボを嵌め込み、接着剤を固化させる。また、同時に、左側の縦框部材2の内端面に形成された駒12用の6個のダボ穴11x,…,11xに接着剤を塗布して駒12に固定されたダボ12bを嵌め込み、接着剤を固化させる。これにより、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体に、一対の縦框部材2,2が取り付けられる。
本実施形態2では、以上のようにして格子体10が組み込まれた框戸1が組み立てられる。
−格子模様の変更例−
以上のように、本実施形態2では、框戸1の格子体10が、一対の枠材13,13と、枠材13の延伸方向に並ぶ第1〜第5格子ユニット31〜35とで構成されている。また、第1〜第5格子ユニット31〜35は、基本ユニット30の2本の桟部材11a,11bの両端部を異なる位置C1,C2で切断することによって形成した2種類の格子ユニット(第1及び第2ユニット30a,30b)の全部又は一部分を、そのまま又は反転させて用いることによってそれぞれ異なる格子模様に形成されるものである。そのため、実施形態2の格子体10の第1〜第5格子ユニット31〜35の配置順序を入れ替えるだけで、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を構成することができる。
また、実施形態2の格子体10において、第1及び第2ユニット30a,30bの全部又は一部分を縦方向に半回転(上下方向に反転)させて用いていたものを、横方向に半回転(左右方向に反転)させて用いることによっても、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を構成することができる。
その他、基本ユニット30の構成、例えば、隣り合う2本の桟部材11a,11b間に設けられる駒12の配置間隔を変更することによっても、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を構成することができる。
−実施形態2の効果−
実施形態2においても、実施形態1と同様の構成により、同様の効果を奏することができる。つまり、実施形態2においても、同じ材料で異なる格子模様を容易に形成可能な格子体10を提供することができる。また、本実施形態2においても、ダボ穴11xの位置を変更するだけで容易に異なる格子模様の格子体10を構成することができる。さらに、実施形態2においても、一対の枠材13,13の間に、基本ユニット20の一部分で構成される複数種類の格子ユニット31〜35を並べるだけで容易に意匠性に優れた格子体10を形成することができる。また、一対の枠材13,13の間に設けられる複数種類の格子ユニット31〜35の配置順序を変更するだけで、同じ材料を用いて格子模様の異なる複数種類の格子体10を容易に構成することができる。
また、実施形態2では、格子体10には、基本ユニット30の桟部材11a,11bの両端部を第1位置C1で切断した第1ユニット30aと、基本ユニット30の桟部材11a,11bの両端部を第2位置C2で切断した第2ユニット30bとが格子ユニット31〜35として含まれている。このように基本ユニット20の桟部材11a,11bの両端部を異なる位置C1,C2で切断することによって2種類の格子ユニット(第1及び第2ユニット30a,30b)を形成し、これらを組み合わせて格子体10に組み込むことにより、1つの基本ユニット30を用いて容易に異なる格子模様の格子体10を構成することができる。
また、実施形態2では、格子体10には、第1ユニット30aが第1及び第3格子ユニット31,33として含まれ、第2ユニット30bが第5格子ユニット35として含まれる他、第1ユニット30aを反転させた第1反転ユニット30a’が第2格子ユニット32として含まれ、さらに第2ユニット30bを反転させた第2反転ユニット30b’が、第4格子ユニット34として含まれている。このように第1及び第2ユニット30a,30bを反転させた第1及び第2反転ユニット30a’,30b’を、第1及び第2ユニット30a,30bと組み合わせて格子体10に組み込むことにより、1つの基本ユニット30を用いて容易に異なる格子模様の格子体10を構成することができる。
また、実施形態2によっても、同じ材料で複数種類の格子模様を容易に形成可能な上記格子体10を、框戸1に適用することとしている。そのため、実施形態2によっても、同じ材料で格子模様の異なる複数種類の框戸1を容易に構成することができる。
また、実施形態2によっても、框戸1を、玄関空間と居室又は居室に繋がる廊下との間に設けることにより、玄関空間と居室又は廊下とを向こう側が見える状態で仕切ることができると共に、ペットの脱走やテリトリーの拡大を抑制することができる。
《発明の実施形態3》
図10〜図14に示すように、実施形態3は、実施形態1の框戸1の一部の構成を変更したものである。
具体的には、実施形態3では、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aに、格子体10の枠材13,13だけでなく複数の桟11,…,11の端部も嵌め込まれている。また、実施形態3では、框戸1の各構成要素(縦框部材2,上框部材3,下框部材4,枠材13,桟11,駒12)が、芯材41,43,44,46,48と、表面材42,45,47,49とで構成されている。さらに、実施形態3では、嵌合溝3a,4aが、表面材42の2つの折り返し部42c,42cと芯材43とで区画形成されている。
なお、実施形態3においても、框戸1は、玄関空間と居室に繋がる廊下との間に設けられている。
〈枠体〉
実施形態3においても、枠体5は、一対の縦框部材2,2と一対の横框部材(上框部材3及び下框部材4)とを備えている。また、実施形態3においても、一対の縦框部材2,2と一対の横框部材3,4とは、図示しないダボを介して接合されると共に、接着剤で接着固定されている。
実施形態3においても、図10に示すように、一対の縦框部材2,2は、左右対称形状に形成され、平行に並設されている。一方、実施形態3では、図11に示すように、一対の縦框部材2,2は、それぞれ芯材41と表面材42とを有している。本実施形態3では、芯材41は、単板積層材(LVL)で構成されている。また、表面材42は、薄板状の基材42aと、該基材42aの一方の面に貼り付けられた化粧材42bとを有している。本実施形態3では、基材42aは、中密度繊維板(MDF)で構成され、化粧材42bは、化粧シートで構成されている。
実施形態3においても、一対の縦框部材2,2の内端面(互いに対向する面)には、上下方向に延びる嵌合溝2aが形成されている。嵌合溝2aは、実施形態1と同様に、縦框部材2の芯材41を直方体形状に形成した後、内端面の一部を切欠くことによって形成されている。本実施形態3においても、図10において右側の縦框部材2の嵌合溝2aには、格子体10の右端の桟11の右端部と一対の枠材13,13の右端部が嵌め込まれて固定され、図10において左側の縦框部材2の嵌合溝2aには、格子体10の左端の桟11の左端部と一対の枠材13,13の左端部が嵌め込まれて固定される。
実施形態3では、図11に示すように、一対の縦框部材2,2では、表面材42は、芯材41の周囲側面を覆うように芯材41に巻き付けられている。具体的には、表面材42は、芯材41の前面と後面と左側面と右側面とを覆うように、化粧材42bが基材42aよりも外側に位置する(露出する)ように芯材41に巻き付けられて接着剤で固定されている。なお、一対の縦框部材2,2の嵌合溝2aの溝側面には、表面材42は貼り付けられていない。このような構成により、一対の縦框部材2,2の周囲側面は、化粧材42bで覆われることとなる。
また、実施形態3においても、図10に示すように、上框部材3と下框部材4とは、上下対称形状に形成され、平行に並設されている。一方、実施形態3では、図12に示すように、上框部材3と下框部材4とは、それぞれ芯材43と表面材42とを有している。本実施形態3では、芯材43は、縦框部材2の芯材41と同様に、単板積層材(LVL)で構成されている。また、表面材42は、縦框部材2の表面材42と同様の基材42aと化粧材42bとで構成されている。
上框部材3と下框部材4の内端面(互いに対向する面)には、左右方向の一端から他端まで延びる嵌合溝3a,4aがそれぞれ形成されている。図12に示すように、嵌合溝3a,4aは、断面矩形状に形成され、後述する格子体10の対応する枠材13と複数の桟11の各端部が嵌まり込む大きさ及び位置に形成されている。なお、詳細については後述するが、嵌合溝3a,4aは、芯材43の内端面よりも内側に突出する表面材42の2つの折り返し部42c、42cの間に区画形成されている。本実施形態3では、上框部材3の嵌合溝3aには、格子体10の上側の枠材13と複数の桟11の各上端部が嵌め込まれて固定され、下框部材4の嵌合溝4aには、格子体10の下側の枠材13と複数の桟11の各下端部が嵌め込まれて固定される。
上框部材3と下框部材4では、芯材43の前面と後面とが、それぞれ表面材42で覆われている。具体的には、表面材42は、化粧材42bが基材42aよりも外側に位置する(露出する)ように芯材43の前面と後面とにそれぞれ接着剤で固定されている。
また、上框部材3と下框部材4では、芯材43の前面及び後面をそれぞれ覆う2つの表面材42,42は、芯材43の内端面(上框部材3では下端面、下框部材4では上端面)よりも内側(上框部材3では下側、下框部材4では上側)に突出し、化粧材42bが露出するように折り返された折り返し部42c,42cをそれぞれ有している。芯材43の前面を覆う表面材42の折り返し部42cは、該表面材42の内端部を後面側へ2つ折り(U字状)に折り返され、化粧材42bの内側で当接する基材42a,42aどうしが接着剤で固定されることによって形成されている。一方、芯材43の後面を覆う表面材42の折り返し部42cは、該表面材42の内端部を前面側へ2つ折りに折り返され、化粧材42bの内側で当接する基材42a,42aどうしが接着剤で固定されることによって形成されている。
上框部材3と下框部材4では、このようにして2つの表面材42,42の内端部を折り返して接着することによって芯材43の内端面よりも内側に突出するように形成された2つの折り返し部42c,42cと芯材43とによって、2つの折り返し部42c,42cの間に嵌合溝3a,4aが区画形成されている。このような化粧材42bが露出するように折り返された2つの折り返し部42c,42cと芯材43とで嵌合溝3a,4aを区画形成することにより、嵌合溝3a,4aの溝側面が化粧材42bで覆われることとなる。
〈格子体〉
図10に示すように、実施形態3においても、格子体10は、一対の枠材13,13と、一対の枠材13,13間に架け渡されて各枠材13に垂直に延びる10本の桟11,…,11と、10本の桟11,…,11のうちの互いに隣り合ういずれか2本の桟11,11の間に挟み込まれて該2本の桟11,11に固定された18個の駒12,…,12とを備えている。
図10及び図12に示すように、本実施形態3においても、一対の枠材13,13は、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aに嵌まり込む形状及び大きさに形成され、上方の枠材13は、一対の縦框部材2,2の嵌合溝2a,2aと上框部材3の嵌合溝3aとに嵌め込まれて固定され、下方の枠材13は、一対の縦框部材2,2の嵌合溝2a,2aと下框部材4の嵌合溝4aとに嵌め込まれて固定されている。
実施形態3においても、図12に示すように、一対の枠材13,13は、上下対称形状に形成され、平行に並設されている。一方、実施形態3では、図12に示すように、一対の枠材13,13は、それぞれ枠用芯材44と枠用表面材45とを有している。本実施形態3では、枠用芯材44は、各框部材2〜4の芯材41,43と同様に、単板積層材(LVL)で構成されている。また、枠用表面材45は、各框部材2〜4の表面材42の基材42aと同様の基材45aと、各框部材2〜4の表面材42の化粧材42bと同様の化粧材45bとで構成されている。
一対の枠材13,13では、枠用表面材45は、枠用芯材44の内端面(上方の枠材13では下端面、下方の枠材13では上端面)と該内端面に隣接する2つの側面とを一体的に覆うように枠用芯材44に巻き付けられている。具体的には、枠用表面材45は、枠用芯材44の前面、内端面、後面を順に一体的に覆うように、化粧材45bが基材45aよりも外側に位置する(露出する)ように枠用芯材44に巻き付けられて接着剤で固定されている。なお、一対の枠材13,13の外端面(上方の枠材13では上端面、下方の枠材13では下端面)には、枠用表面材45は貼り付けられていない。このような構成により、一対の枠材13,13の内端面、前面及び後面は、各框部材2〜4の化粧材42bと同様の化粧材45bで覆われることとなる。
実施形態3においても、各桟11は、一辺の長さが各枠材13の厚さ(前後方向の長さ)に等しい断面矩形状(本実施形態3では正方形状)に形成されている。各桟11は、上端面を上側の枠材13の下端面に当接させた状態で、該上側の枠材13に上方から打ち込んだビス9で固定されている。また、各桟11は、下端面を下側の枠材13の上端面に当接させた状態で、該下側の枠材13に下方から打ち込んだビス9で固定されている。
実施形態3においても、図10に示すように、複数の桟11,…,11は、一対の枠材13,13に対して垂直に、互いに平行に配設されている。一方、実施形態3では、図11及び図12に示すように、各桟11は、桟用芯材46と桟用表面材47とを有している。本実施形態3では、桟用芯材46は、各框部材2〜4の芯材41,43と同様に、単板積層材(LVL)で構成されている。また、桟用表面材47は、各框部材2〜4の表面材42の基材42aと同様の基材47aと、各框部材2〜4の表面材42の化粧材42bと同様の化粧材47bとで構成されている。
実施形態3においても、複数の桟11,…,11のうち、駒12が固定される桟11には、駒12のダボ12bが嵌まるダボ穴11xが形成されている。ダボ穴11xは、1つの駒12に対し、両側の各桟11に2つずつ設けられている。実施形態3では、ダボ穴11xは、各桟11の桟用芯材46及び桟用表面材47の一部を切欠くことによって形成されている。
図11及び図12に示すように、各桟11では、桟用表面材47は、桟用芯材46の周囲側面を覆うように桟用芯材46に巻き付けられている。具体的には、桟用表面材47は、桟用芯材46の前面と後面と左側面と右側面とを覆うように、化粧材47bが基材47aよりも外側に位置する(露出する)ように桟用芯材46に巻き付けられて接着剤で固定されている。なお、桟用芯材46の長手方向の両端面(上端面及び下端面)には、桟用表面材47は貼り付けられていない。このような構成により、各桟11の周囲側面は、化粧材47bで覆われることとなる。
実施形態3においても、各駒12は、断面矩形状のブロック状の本体部12aと、4つのダボ12b,…,12bとを有している。4つのダボ12b,…,12bは、円柱形状に形成され、本体部12aの両側面に2つずつ設けられている。一方、実施形態3では、図11に示すように、各駒12は、駒用芯材48と駒用表面材49とを有している。本実施形態3では、駒用芯材48は、各框部材2〜4の芯材41,43と同様に、単板積層材(LVL)で構成されている。また、駒用表面材49は、各框部材2〜4の表面材42の基材42aと同様の基材49aと、各框部材2〜4の表面材42の化粧材42bと同様の化粧材49bとで構成されている。
各駒12では、駒用表面材49は、駒用芯材48の周囲側面を覆うように駒用芯材48に巻き付けられている。具体的には、駒用表面材49は、駒用芯材48の前面と後面と上下の側面とを覆うように、化粧材49bが基材49aよりも外側に位置する(露出する)ように駒用芯材48に巻き付けられて接着剤で固定されている。なお、駒用芯材48の桟11と当接する両端面(左端面及び右端面)には、駒用表面材49は貼り付けられていない。このような構成により、各駒12の周囲側面は、化粧材49bで覆われることとなる。
以上のように、実施形態3では、格子体10の各構成要素(枠材13,桟11,駒12)の露出面は、全て各框部材2〜4の化粧材42bと同様の化粧材45b,47b,49bで覆われている。
また、本実施形態3においても、一対の枠材13,13の間に設けられる10本の桟11,…,11と18個の駒12,…,12とは、枠材13の延伸方向に並ぶ4つの格子ユニット(第1〜第4格子ユニット)21〜24を構成している。なお、第1〜第4格子ユニット21〜24の構成は、実施形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
−框戸の製造方法−
まず、枠体5の各構成要素(縦框部材2,上框部材3,下框部材4)と格子体10の各構成要素(枠材13,桟11,駒12)とを準備する。
具体的には、各框部材2〜4の芯材41,43の表面に、表面材42を接着剤で貼り付けて一対の縦框部材2,2と上框部材3と下框部材4とを形成する。
各縦框部材2は、芯材41の周囲側面が表面材42の化粧材42bで覆われるように、表面材42を折り曲げながら芯材41に巻き付けて接着剤で貼り付けることによって形成する。なお、表面材42の芯材41の角部に対応する部分には、基材42aに表面材42がL字状に折り曲げられるように切欠き溝が形成されている。この切欠き溝は、後述する枠材13の枠用表面材45の基材45aに形成される切欠き溝G2と同形状に形成されている。切欠き溝G2の形状については後述する。
一方、上框部材3と下框部材4では、芯材43の前面と後面とが表面材42の化粧材42bで覆われるように、芯材43の前面と後面のそれぞれに表面材42の基材42aを接着剤で貼り付ける。このとき、表面材42の内端部が、芯材43の内端面よりも枠体5の内側に突出するように、表面材42を芯材43に貼り付ける。そして、図13に示すように、表面材42の内端部の基材42aに接着剤を塗布して該内端部を化粧材42bが基材42aよりも外側に位置する(露出する)ように折り返して接着することにより、芯材43の内端面よりも内側に突出する折り返し部42c,42cを形成する。
なお、図13に示すように、表面材42の折り曲げ部分には、基材42aに表面材42が2つ折りに折り返されるように切欠き溝G1が形成されている。切欠き溝G1は、左右方向に延びる断面V字形状の溝からなり、連続して2つ形成することにより、表面材42が2つ折りに折り返される。
このようにして、上框部材3と下框部材4では、2つの表面材42,42の内端部を折り返して接着することによって芯材43の内端面よりも内側に突出する2つの折り返し部42c,42cを形成することにより、2つの折り返し部42c,42cの間に嵌合溝3a,4aが区画形成される。
一方、各芯材44,46,48の表面に、各表面材45,47,49を接着剤で貼り付けて一対の枠材13,13と、10本の桟11,…,11と、18個の駒12,…,12とを形成する。
図14に示すように、各枠材13は、枠用芯材44の前面、内端面及び後面が枠用表面材45の化粧材45bで覆われるように、枠用表面材45を折り曲げながら枠用芯材44に巻き付けて接着剤で貼り付ける。なお、枠用表面材45の枠用芯材44の各角部に対応する部分には、基材45aに枠用表面材45がL字状に折り曲げられるように切欠き溝G2が形成されている。切欠き溝G2は、左右方向に延びる先端(化粧材45b側)が断面M字形状で基端側が断面V字形状の溝である。このような形状の切欠き溝G2を基材45aに形成することにより、枠用表面材45が枠用芯材44の角部に沿ってL字状に折り曲げられる。
各桟11は、桟用芯材46の周囲側面(前面と後面と左側面と右側面)が桟用表面材47の化粧材47bで覆われるように、桟用表面材47を折り曲げながら桟用芯材46に巻き付けて接着剤で貼り付ける。なお、桟用表面材47の桟用芯材46の各角部に対応する部分には、基材47aに桟用表面材47がL字状に折り曲げられるように切欠き溝が形成されている。この切欠き溝は、枠材13の枠用表面材45の基材45aに形成される切欠き溝G2と同形状に形成されている。
各駒12は、駒用芯材48の周囲側面(前面と後面と上面と下面)が駒用表面材49の化粧材49bで覆われるように、駒用表面材49を折り曲げながら駒用芯材48に巻き付けて接着剤で貼り付ける。なお、駒用表面材49の駒用芯材48の各角部に対応する部分には、基材49aに駒用表面材49がL字状に折り曲げられるように切欠き溝が形成されている。この切欠き溝は、枠材13の枠用表面材45の基材45aに形成される切欠き溝G2と同形状に形成されている。
以上のようにして、各芯材41,43,44,46,48の表面に、表面材42,45,47,49を接着剤で貼り付けることにより、枠体5の各構成要素(縦框部材2,上框部材3,下框部材4)と格子体10の各構成要素(枠材13,桟11,駒12)とを形成する。
次に、格子体10を組み立てる。具体的には、上述のようにして基本ユニット20の全部又は一部分によって構成した第1〜第4格子ユニット21〜24を、一対の枠材13,13間の所定の位置に配置し、一対の枠材13,13にビス9でそれぞれ固定することによって格子体10を形成する。
次に、格子体10に上框部材3及び下框部材4を取り付ける。具体的には、上框部材3の嵌合溝3aに接着剤を塗布して格子体10の上側の枠材13と複数の桟11の各上端部を嵌め込み、接着剤を固化させる。また、下框部材4の嵌合溝4aに接着剤を塗布して格子体10の下側の枠材13と複数の桟11の各下端部を嵌め込み、接着剤を固化させる。これにより、格子体10の上下に上框部材3及び下框部材4が取り付けられる。
上框部材3及び下框部材4の取付後、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体に、一対の縦框部材2,2を取り付ける。具体的には、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体の両側方に、一対の縦框部材2,2を配置する。そして、各縦框部材2の嵌合溝2aに接着剤を塗布し、格子体10の最も端に設けられた桟11(第1格子ユニット21の桟部材11a、第4格子ユニット24の桟部材11c)と、一対の枠材13,13の左右端部とを嵌め込み、接着剤を固化させる。また、同時に、各縦框部材2のダボ穴に接着剤を塗布して上框部材3及び下框部材4に固定したダボを嵌め込み、接着剤を固化させる。これにより、格子体10、上框部材3及び下框部材4の組立体に、一対の縦框部材2,2が取り付けられる。
本実施形態3では、以上のようにして格子体10が組み込まれた框戸1が製造される。
−格子体と框部材との接続部分の構造−
上述のように、上記框戸1では、格子体10の複数の桟11,…,11の長手方向の端部(上端部及び下端部)が、該桟11の端部が固定される枠材13と共に、上框部材3と下框部材4の嵌合溝3a,4aに嵌め込まれている。また、各桟11は、枠材13と厚さが等しい矩形状の断面を有し、嵌合溝3a,4aは、枠材13が嵌まり込む断面矩形状に形成されている。このように、断面矩形状の桟11の端部を断面矩形状の嵌合溝3a,4aに嵌め込むことにより、桟11の端部が上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aの溝側壁によって挟持される。そのため、上記框戸1では、いずれの桟11に外力が作用しても、いずれの桟11も枠材13と共に框部材3,4に挟持されているため枠材13に対して回転することがない。よって、格子体10が歪まない。
また、上記框戸1では、格子体10の枠材13と桟11との接合部分が嵌合溝3a,4a内に配置されるため、枠材13と桟11との間に隙間が生じていても、該隙間は嵌合溝3a,4a内に位置することとなり、框戸1の正面側又は裏面側から見えない。
ところで、上記框戸1のように、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aに、枠材13だけでなく複数の桟11,…,11の端部も嵌め込む構成では、嵌合溝3a,4a内の桟11が配置されない箇所において嵌合溝3a,4aの溝側面が露出してしまう。
しかしながら、上記框戸1では、嵌合溝3a,4aの溝側面が化粧材42bで覆われるように上框部材3及び下框部材4が構成されている。そのため、上記框戸1では、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aに複数の桟11,…,11の端部も嵌め込む構成としても、嵌合溝3a,4a内で芯材41の地肌が露出して意匠性が低下することがない。
また、上記框戸1では、上框部材3及び下框部材4の芯材43の前面と後面とをそれぞれ覆う2枚の表面材42,42を、芯材43の内端面よりも内側まで延ばし、芯材43の内端面よりも内側において化粧材42bが基材42aよりも外側に位置する(露出する)ように折り返すことにより、嵌合溝3a,4aの溝側壁となる折り返し部42c,42cを形成している。つまり、上記框戸1では、上框部材3及び下框部材4の芯材43の内端面に嵌合溝3a,4aとなる切欠きを形成してその溝側面に化粧材42bを貼り付ける等の作業を行うことなく、2枚の表面材42,42の内端部を折り返して貼り付ける容易な作業によって、溝側面が化粧材42bで覆われた意匠性に優れた嵌合溝3a,4aが形成されている。
また、上記框戸1では、各枠材13を、角材からなる枠用芯材44と、該枠用芯材44の前面と内端面と後面とが、各框部材2〜4の表面材42と同様の枠用表面材45で一体的に覆われている。各枠材13の内端面の桟11が配置されない箇所は、嵌合溝3a,4a内において露出するが、上述の構成により、各枠材13の内端面は、枠用表面材45の化粧材45bによって前端角部から後端角部に亘って切れ目なく覆われるため、枠用芯材44の地肌が露出しない。このように、嵌合溝3a,4aの溝側面、各枠材13の内端面、各桟11の周囲側面が、同種の化粧材42b,45b,47bでそれぞれ覆われることにより、嵌合溝3a,4aの内部の露出面の全てが、芯材43,44,46が露出することなく化粧材42b,45b,47bで覆われることとなる。
−実施形態3の効果−
本実施形態3によっても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態3では、格子体10の複数の桟11,…,11の長手方向の端部が、枠材13と共に対向する一対の框部材3,4の嵌合溝3a,4aに嵌め込まれている。各嵌合溝3a,4aは、枠材13が嵌まり込む断面矩形状に形成されている。このように、断面矩形状の桟11の端部を断面矩形状の嵌合溝3a,4aに嵌め込むことにより、桟11の端部が框部材3,4の嵌合溝3a,4aの溝側壁によって挟持される。そのため、上記框戸1によれば、桟11に外力が作用しても、桟11が枠材13に対して回転することがなく、格子体10が歪むおそれがない。従って、本実施形態3によれば、格子体10が組み込まれた框戸1において、外力が作用した際に格子体10が歪むのを抑制することができる。
また、本実施形態3では、格子体10の枠材13と桟11との接合部分が嵌合溝3a,4a内に配置される。よって、枠材13と桟11との間に隙間が生じていても、該隙間を隠すことができる。従って、框戸1の意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態3では、各嵌合溝3a,4aの側面が、框部材2〜4の前面及び後面を覆う化粧材42bと同じ化粧材45bで覆われている。上述のように、框部材3,4の嵌合溝3a,4aに、枠材13だけでなく桟11の端部も嵌め込む構成では、嵌合溝3a,4a内の桟11が配置されない箇所において嵌合溝3a,4aの側面が露出する。そのため、上述のように、各嵌合溝3a,4aの側面を化粧材45bで覆うことにより、框部材3,4の芯材43の地肌が露出しなくなる。従って、框戸1の意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態3では、各框部材2〜4が、芯材41,43と、該芯材41,43の少なくとも前面及び後面を覆う表面材42とを備え、前面及び後面が表面材42の化粧材42bで覆われるように構成されている。また、上記框戸1では、嵌合溝3a,4aが形成された一対の框部材3,4の芯材43の前面と後面とをそれぞれ覆う2枚の表面材42,42を、芯材43の内端面よりも内側まで延ばし、芯材43の内端面よりも内側において化粧材42b,42bが基材42aよりも外側に位置する(露出する)ように折り返すことにより、嵌合溝3a,4aの溝側壁となる折り返し部42c,42cを形成している。つまり、2枚の表面材42,42の内端部を折り返した2つの折り返し部42c,42cと芯材43とで嵌合溝3a,4aを区画形成している。また、各折り返し部42c,42cを、各表面材42の内端部を化粧材42bが基材42aよりも外側に位置する(露出する)ように折り返すことによって形成することにより、2つの折り返し部42c,42cの間に区画形成される嵌合溝3a,4aの溝側面が、化粧材42bで覆われることとなる。このような構成により、芯材43を切欠いて嵌合溝3a,4aを形成し、その溝側面に化粧材42bを貼り付ける場合に比べて、溝側面が化粧材42bで覆われた嵌合溝3a,4aを容易に形成することができる。
また、本実施形態3では、枠材13を、角材からなる枠用芯材44と、該枠用芯材44の前面と内端面と後面とを、各框部材2〜4の表面材42と同様に基材45aと化粧材45bとを有する枠用表面材45で一体的に覆う構成としている。このような構成により、各枠材13の内端面の桟11が配置されない箇所は、嵌合溝3a,4a内において露出するが、上述の構成により、各枠材13の内端面は、枠用表面材45の化粧材45bによって前端角部から後端角部に亘って切れ目なく覆われるため、枠用芯材44の地肌が露出しない。従って、容易な構成により、框戸1の意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態3では、格子体10は、一対の枠材13,13と、複数の桟11,…,11と、複数の駒12,…,12とで構成されている。このような格子体10では、それぞれ交差して接合される複数の縦桟と複数の横桟とを有する格子体に比べ、桟11が枠材13と駒12とにしか接合されないため、桟11に外力が作用した際に桟11が回転し易く、格子体10が歪み易い。しかしながら、本実施形態3によれば、桟11の長手方向の端部が嵌合溝3a,4aに嵌め込まれる上記構成により、桟11の回転を抑制することができるため、格子体10が歪むのを抑制することができる。
また、本実施形態3では、桟11が上下方向に延びる構成となり、左右方向に延びる構成よりも桟11が長くなり、桟11が回転することによる格子体10の歪みが大きくなる。しかしながら、本実施形態3によれば、桟11の長手方向の端部が嵌合溝3a,4aに嵌め込まれる上記構成により、桟11の回転を抑制することができるため、格子体10が大きく歪むのを抑制することができる。
《発明の実施形態4》
実施形態4は、本発明に係る格子体10を、建具ではなく、仕切り壁50に適用したものである。
実施形態4では、図15示すように、仕切り壁50は、室内の壁Wに垂直に、天井Cと床Fとの間に亘るように設置されている。実施形態4では、仕切り壁50の全部が、格子体10で構成されている。格子体10の構成は、実施形態1と同様である。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、単一の基本ユニット20,30から格子模様の異なる複数種類の格子ユニット21〜24,31〜35を形成し、これらを組み合わせて格子体10を構成することとしていたが、本発明に係る格子体10は、これに限られない。格子体10は、複数の基本ユニット20,30から複数種類の格子ユニットを形成し、これらを組み合わせて用いるものであってもよく、複数種類の格子ユニットを個別に形成し、これらを組み合わせて用いるものであってもよい。また、格子ユニットを形成して組み合わせるのではなく、一対の枠材13,13間に複数の桟11,…,11を架け渡し、互いに隣り合ういずれか2本の桟11,11の間にランダムに複数の駒12,…,12を設けることにより、格子体10を形成してもよい。いずれの場合であっても、桟11と駒12とで格子体10を構成することにより、同じ材料を用いて複数種類の格子模様の格子体10を容易に形成することができる。
また、上記各実施形態では、各駒12は、本体部12aの両側面に円柱形状のダボ12bが2つずつ設けられ、該ダボ12bを桟11の側面に形成されたダボ穴11xに嵌め込んで接着剤で固定することにより、2本の桟11,11に接着固定されていた。しかしながら、駒12の桟11への固定方法はこれに限られない。例えば、図16に示すように、ダボ12bを、外形が凸レンズ形状で薄板状の所謂ビスケットダボで構成してもよい。この場合、駒12の本体部12aの両側面にビスケットダボ12bが嵌まる溝を形成し、駒12が取り付けられる桟11の側面に長手方向に延びる溝11yを形成する。各駒12の本体部12aの両側面の溝にビスケットダボ12bの縦半分を埋め込んで接着剤で固定し、ビスケットダボ12bの残りの縦半分を桟11の溝11yに嵌め込んで接着剤で固定することにより、各駒12は、ビスケットダボ12bを介して2本の桟11,11間に架け渡されて固定される。このような形態によれば、ダボ穴11xの位置を変更することなく、駒12の位置を容易に変更することができる。
また、上記各実施形態では、駒12は、断面矩形状のブロック状の本体部12aと、複数のダボ12b,…,12bとで構成されていたが、本発明に係る駒は、これに限られない。駒12は、例えば、板状片によって構成されていてもよい。この場合、駒12が取り付けられる桟11の側面に長手方向に延びる溝を形成する。板状片からなる各駒12の両側端部を対応する桟11の溝に嵌め込んで接着剤で固定することにより、各駒12は、2本の桟11,11間に架け渡されて固定される。このような形態によっても、ダボ穴11xの位置を変更することなく、駒12の位置を容易に変更することができる。なお、板状片によって構成する駒12の外形状は、矩形状、円形状等、両端部が溝に嵌め込まれて接着固定できるものであればいかなる形状であってもよい。また、駒12の材質は、いかなる材質であってもよく、例えば、アクリル板等を用いてもよい。
また、上記各実施形態において、各駒12は、4つのダボ12b,…,12bで2本の桟11に固定されていたが、2つのダボ12b,12bで固定することとしてもよい。具体的には、各駒12の本体部12aの両側面に、ダボ12bを1つずつ互いに異なる高さ位置に設ける。このように、各駒12に設けられる2つのダボ12b,12bの高さを変えることにより、2つのダボ12b,12bで各駒12を桟11に固定することとしても駒12の回転を防止することができる。
上記実施形態1,2では、本発明に係る建具の一例として、枠体5と格子体10とを備えた框戸1について説明したが、建具は框戸1に限られず、枠体5を備えず、全部が格子体10で構成されたものであってもよい。全部が格子体10で構成された建具であっても、実施形態1,2と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態1〜3では、框戸1は、玄関空間と居室又は居室に繋がる廊下との間に設けられていたが、框戸1は、窓等の開口部の室内側に設けることとしてもよい。このような位置に設ける場合、ペットの脱走を抑制することができる。
また、上記実施形態4では、仕切り壁50の全部を格子体10で構成する例について説明したが、仕切り壁50の一部を格子体10で構成することも勿論可能であり、その場合、実施形態3と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態1〜3の框戸1の枠体5の構成は、上述の構成に限られず、格子体10を内側に固定できるものであれば、いかなる構成であってもよい。
また、上記実施形態1〜3では、上框部材3と下框部材4の内端面に嵌合溝3a,4aが形成され、格子体10の複数の桟11,…,11が上下に延びる縦桟で構成されていたが、本発明に係る建具は、これに限られない。本発明に係る建具は、一対の縦框部材2,2の内端面に嵌合溝が形成され、複数の桟11,…,11が横桟で構成され、枠材13が縦框部材2,2の内端面に形成された嵌合溝に嵌め込まれるものであってもよい。
また、上記実施形態3では、框戸1の枠体5の各構成要素(縦框部材2,上框部材3,下框部材4)と格子体10の各構成要素(枠材13,桟11,駒12)とを、露出面が化粧材42b,45b,47b,49bで覆われるように、芯材41,43,44,46,48と表面材42,45,47,49とを備えるように構成していた。しかしながら、本発明に係る框戸は、各構成要素が無垢材で構成されたものであってもよい。また、本発明に係る框戸は、各構成要素が、表面材42,45,47,49の代わりに塗装層が設けられた芯材41,43,44,46,48で構成されるものであってもよい。
また、上記実施形態3では、折り返し部42cは、表面材42を芯材43に貼り付けた後に形成されていたが、折り返し部42cは、表面材42を芯材43に貼り付ける前に形成してもよい。つまり、予め、端部を折り返して貼り付けて折り返し部42cを形成した表面材42を、折り返し部42cが、芯材43の内端面よりも内側に位置するように配置して芯材43の前面及び後面に貼り付けてもよい。
また、実施形態1から実施形態3へ変更した点を、実施形態2の框戸1に適用することも勿論可能である。つまり、実施形態2の框戸1において、上框部材3及び下框部材4の嵌合溝3a,4aに、格子体10の枠材13,13だけでなく複数の桟11,…,11の端部も嵌め込み、框戸1の各構成要素(縦框部材2,上框部材3,下框部材4,枠材13,桟11,駒12)を、芯材41,43,44,46,48と、表面材42,45,47,49とで構成し、さらに、嵌合溝3a,4aを、表面材42の2つの折り返し部42c,42cと芯材43とで区画形成するように構成することも可能である。