JP6564830B2 - 格子子を用いた格子群体の組み立て方法およびそれにより製作されたオブジェ - Google Patents

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Description

本発明は、格子子を基本構成単位として、複数の格子子を互いに嵌合連結してゆくことによって格子群体を製作する格子子を用いた格子群体の組み立て方法およびそれにより製作される様々なオブジェ、立体構造物に関する。
従来技術として、例えば、縦部材と横部材とを千鳥状に交差させて組付けた千鳥格子が知られている。
図43は従来技術における千鳥格子の一部を簡単に示す図である。図43(a)は正面図となっている。図43(a)に示すように、従来技術の千鳥格子は、木製の正四角柱状の棒素材からなる縦部材31〜35と、同じく木製の正四角柱状の棒素材からなる横部材41〜45を交互に千鳥状に交差させて組付けられている。これらの各縦部材31〜35及び横部材41〜45は図43(a)に示すような形状を呈している。
まず、縦部材31,33,35を所定の間隔を隔てて並べ、その上から横部材41,43,45を縦部材31,33,35に交差させて所定の間隔を隔てて並べる。更に、その上から残りの縦部材32,34を先に並べた縦部材31,33,35の間に並べ、横部材41,43,45と交差させる。そして、この状態にした後、図43に示すように残りの横部材42,44を挿入して組付ける。つまり、この千鳥格子の各縦部材31〜35及び横部材41,43,45には、図43(b)に示すように、各々他の部材と交差する部位に表裏交互に厚さ方向に厚さの2/3の略コの字状の切欠部31a〜35a,41a,43a,45aが形成されており、この縦部材31〜35及び横部材41,43,45の各々交差する切欠部31a〜35a,41a,43a,45aを奥まで互いに当接させた状態で組み付けると、図43に示すような貫通孔が形成される。この貫通孔は縦部材31〜35の各切欠部31a〜35aによって形成されたものであり、横部材42,44が挿入可能な大きさである。この最後に組み付けられる横部材42,44には、図43に示すように、各縦部材31〜35と各々交差する部位に表裏交互に厚さ方向に厚さの1/3の略コの字状の切欠部42b,44bが形成されている。そこで、横部材42,44を貫通孔51に挿入し、縦部材31〜35の切欠部31a〜35aと横部材42,44の切欠部42b,44bとを所定の位置で交差させて当接させた状態で組み合わせることにより、図43(a)に示すような千鳥格子の組み付けが完了する。
従来技術の千鳥格子に対して改良型の千鳥格子も知られている。
図44は、特許第3067954号公報に記載された改良型の千鳥格子を示す図である。
これらの各縦部材1〜5及び横部材11〜15は図44に示すような形状を呈している。図44は本発明の一実施例である面腰千鳥格子の縦部材及び横部材を示す側面図である。つまり、各縦部材1〜5は、横部材11〜15と交差する部位に横部材11〜15に対して上下から各々1/4の厚みの略台形状の組込部1a〜5aが形成されている。また、横部材11〜15と交差する部位に組込部1a〜5aを除き表裏交互に厚さ方向に厚さの3/4の略コの字状の切欠部1b〜5bが形成されている。更に、縦部材1〜5の周囲の四隅に長さ方向に厚みの略1/4円周の溝状の凹部1c〜5cが形成されている。また、各横部材11〜15も上記縦部材1〜5と同様の形状を呈しており、同一形状の組込部11a〜15a、切欠部11b〜15b、及び凹部11c〜15cが形成されている。そして、各縦部材1〜5の組込部1a〜5aと横部材11〜15の組込部11a〜15aとが相互に食込んだ状態で面腰千鳥格子として組み付けられており、縦部材1〜5と横部材11〜15とで略平面状をなしている。
上記した従来技術の千鳥格子、改良型の千鳥格子は平面的な格子で3次元の立体的格子は作成できない。
従来技術において、3次元的な立体的格子を形成するものも知られている。
図45は、実用新案登録第3192392号公報に記載された3次元の立体的格子を示す図である。
実用新案登録第3192392号公報に記載された格子体は、棒状の格子を組み立てた基本構造となる立方体を形成し、見た目には、それら立方体を縦横二方向に10〜100組連続的な構造に形成したものとなっている。
しかし、実際には、長尺の棒状の格子片の格子点を多数組み合わせて、すべての立体空間内の格子点が相互に接続された3次元構造体を組み上げることは物理的に難しい。
そこで、実用新案登録第3192392号公報に記載された格子体は、格子点の一部は実際には長尺の棒状の格子片ではなく、連結していない短辺の棒状組子角棒を用いてつないでゆくものである。つまり、連続的に組み立てられたように見えるが、継目が目立たないように短辺の組子角棒を適宜取り付けながら、あたかもすべてが連続した立方体組み立て組子の状態に見えるようにしたものである。
図45に示すように、長尺の格子状基本組子ユニット間の格子表面側に凹溝のリブ部と反対側の格子裏面に掘り込み溝のリブ部を設け、該リブ部同志を相嵌合できる接続格子の短辺の組子角棒をはめ込んで形成し、結合一体化している。立体格子組子による機能性仕切り部材は、部屋内での仕切りの役目を果たす立体物として提供可能であり、障子、引戸、ドアー、欄干、扉、フェンス、パーティション、衝立、又は建具に使用できることが紹介されている。
特許第3067954号公報 実用新案登録第3192392号公報
上記した伝統的な千鳥格子では、実際には組み付けが難しいという問題があった。大きさが大きくなると、縦方向に格子点の数がm個、横方向に格子点の数がn個あれば、組み付ける格子点がm×n個あり、縦部材及び横部材を双方共に連続状態のままで単純な千鳥格子、いわゆる、面腰千鳥格子の場合には、簡単に組付けることができなかった。従来技術では湯で温めるなどの方法で木材の一部をしならせて組み付けやすくして組み付けてから乾燥させるなどの技術はあるが、基本的には、縦部材及び横部材を双方共に連続状態の一体物のままで交互に千鳥状に組込むことができなかった。
上記した特許文献1の改良型の千鳥格子では、縦部材及び横部材を双方共に連続状態のままで単純な千鳥格子、いわゆる、面腰千鳥格子の場合に組み付けが容易になるように一定の工夫はある。
第1の問題は立体的格子を形成できないことである。
上記した特許文献1の改良型の千鳥格子で製作できる造形物は、平面的なものにとどまり、立体的な造形物を制作することはできなかった。図44に示すように格子が形成され、中央の桝は空間が生じるがこの空間を貫くように高さ方向へ格子を展開させることはできない。
第2の問題は、構造強度の問題である。
上記した特許文献1の改良型の千鳥格子は、見た目には厚みのあるエンボスがつけられた構造であるが、各々の格子片は略台形状の盛り上げ形状が施されているだけであり、格子として組み合わされている箇所は細く、構造強度が弱いものである。つまり、格子として組み合わされる厚みは略1/4の厚みだけであり、その上に略3/4の厚みのエンボスとなる略台形状の盛り上げ形状が設けられているのみであり、実際の構造的強度は略1/4の厚みだけで奏されている。
上記した特許文献2の立体的千鳥格子では、構造的強度の問題があった。
特許文献2の立体的千鳥格子では、棒状の格子を組み立てた基本構造となる立方体を形成し、見た目には、それら立方体を縦横二方向に10〜100組連続的な構造に形成したものとなっている。
しかし、実際には立体的にすべてが連続しておらず、部分的に継手を介して接続されたものであり、構造的強度が小さいものである。実際には、リブ部同志を相嵌合できる接続格子の短辺の組子角棒をはめ込んで形成し、結合一体化している箇所が多数あるが、これら箇所は小さなリブ部で押し込んだだけで留められただけの構造的強度しかない。
上記した特許文献2の立体的千鳥格子は、障子、引戸、ドアー、欄干、扉、フェンス、パーティション、衝立、又は建具に使用できるとされているが、実際にはベースとなる欄干、扉、フェンスや建具などを通常の建材で製作し、その表面の化粧板部分に貼り付けるのみであり、実際にはベースとなる構造物の構造的強度に依存し、特許文献2の立体的千鳥格子自体は構造的強度が奏することができないものである。
上記課題を解決するため、本発明は、格子子を基本構成単位として、複数の格子子を互いに嵌合連結してゆくことによって格子群体を製作する格子子を用いた格子群体の組み立て方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の格子子を用いた格子群体の組み立て方法として、基本的な組み立て方法について述べる。
用いる基本部材である格子子は、ある大きさの四角柱体を基準とし、少なくとも3個以上の前記四角柱体がその高さの長さに相当する間隔を空けて同一方向の軸に沿って並べられた格子点体と、前記格子点体同士の対向空間を前記軸方向に連結する少なくとも2個以上の橋梁部を備えた格子子であり、これを基本構成物体とする。この格子子には橋梁部の形状に応じて少なくとも複数のタイプがある。
格子子の形状の特徴としては、軸が相互に直交するように3つの格子子の対向空間および橋梁部同士を三重に組み合わせて三重交差点が形成でき、三重交差点を形成した状態でそれらのうち少なくとも2つの橋梁部の形状が三重交差点内で相互に嵌合し合う形状であり、残りの1つの前記橋梁部の形状が回転可能に前記三重交差点を貫通するように組み合う形状となっている。
ここで、格子子を用いた格子群体の基本的な組み立て方法としては、三重交差点を形成する際に、三重交差点から3つの格子子それぞれの残余の格子点体および橋梁部がそれぞれの軸方向に沿って展開される展開枝として突出し得るように組み合わせてゆくものである。三重交差点を組むごとに外方に向けて展開枝を突出するように組み合わせて行けば、利用者の意思に応じて外方に向けて延々と展開してゆくことができ、任意の箇所で展開枝を外方に延ばすのをやめればその方向について格子群体の形状の外縁輪郭が形成できる。このように自由自在にオブジェクトの形状を作って行くことができる。
ここで、格子子を構成する格子点体である四角柱体の数は3個以上の任意の数があり得る。
四角柱体としては、立方体、直方体があり得る。直方体の場合、長辺が軸方向、短辺が高さ方向となるように配置されたものとなる。なお、端部に位置する直方体の長さが橋梁部と橋梁部の間に挟まれた直方体の長さに比べて同一または短いものであり、かつ、高さの長さに比べて同一または長いものとする。
格子子としては3つのタイプに分類できる。この3つのタイプは、橋梁部の形状で分類できる。四角柱体である格子点体同士の対向空間は、四角柱体の高さを一辺とする立方空間である。この立方空間を8つの小立方体空間を組み合わせた空間と見立てた場合の形状の別により3つに分類できる。
第1のタイプの格子子の橋梁部は円柱体であり、軸方向に並んだ一組の2つの小立方体空間に内接するように格子点体の中心から偏心しており、残りの6つの小立方体空間は橋梁部が通過しない空間(対向空間中の隙間の空間)となっているものである。
第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の橋梁部は、軸方向に沿って平面をなす一組の4つの小立方体空間内に凹凸形状をもって設けられ、残りの4つの小立方体空間は橋梁部が通過しない空間(対向空間中の隙間の空間)となっているものである。
三重交差点において、第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の橋梁部の凹凸形状同士が嵌合し合う形状となっている。
例えば、一例としては、第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の橋梁部の凹凸形状が、軸方向に沿って平面をなす一組の4つの小立方体空間のうち3つが橋梁部であり残りの1つが空間であるL字型となっているものである。
なお、第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の橋梁部は嵌合し合うものであれば同じ形状でも良く、異なる形状でも良い。
第1のタイプの格子子の橋梁部は、三重交差点における第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の対向空間中の橋梁部が通過しない空間(対向空間中の隙間の空間)が重複して形成された空間(隙間として残っている空間)を第1のタイプの格子子の橋梁部が回転可能に貫く構造である。
上記構成により、三重交差点において、第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の橋梁部の凹凸形状同士が嵌合し合って強固に接続されるとともに、この第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の組み合わせで隙間として残っている空間を第1のタイプの格子子の橋梁部が回転可能に貫く構造となっているので、3軸のいずれの方向にも強固に接続された構造となる。
なお、ここで、三重交差点において、第1のタイプ、第2のタイプ、第3のタイプの格子子の橋梁部同士を組み合わせる手順の工夫について説明する。
第1のタイプの格子子の橋梁部は、偏心している回転軸を持つ回転体となっている。そこで、1つの三重交差点から格子点体が3つそれぞれの軸方向に展開される構造に組み上げた状態から、第1のタイプの格子子をその偏心している回転軸を中心に回転した場合、その回転軌跡が得られるが、その回転軌跡の中に、第2のタイプの格子子の対向空間中の橋梁部が通過しない空間(対向空間中の隙間の空間)と重複して第2のタイプの格子子が第1のタイプの格子子の軸方向に移動可能となる状態と、第3のタイプの格子子の対向空間中の橋梁部が通過しない空間(対向空間中の隙間の空間)と重複して第3のタイプの格子子が第1のタイプの格子子の軸方向に移動可能となる状態が存在するように構成すれば良い。
例えば、先に第1のタイプの格子子と第2のタイプの格子子を組み上げる際に、第1のタイプの格子子の橋梁部である円柱体を、第2のタイプの格子子の対向空間中の橋梁部が通過しない空間(対向空間中の隙間の空間)に組むが、まだ回転可能であり、取り得る姿勢が多様にある。ここで、第2のタイプの格子子に対して第1のタイプの格子子の橋梁部を回転させ、回転軌跡のうち第3のタイプの格子子が第1のタイプの格子子の軸方向に移動可能となる状態で維持する。この状態において、第3のタイプの格子子を第1のタイプの格子子の軸方向から第3のタイプの格子子を押し込んでゆく。やがて第3のタイプの格子子は、第2のタイプの格子子に到達し、そのまま第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の橋梁部の凹凸形状同士が嵌合し合う。この状態で1つの三重交差点が形成され、3つの格子子の橋梁部が重畳し合う。この状態ではまだ第1のタイプの格子子が回動可能である。ここで、1つの三重交差点から格子点体が3つそれぞれの軸方向に展開される状態となるまで第1のタイプの格子子を回転させてゆき、組み上げた状態とする。
なお、上記例では、先に第2のタイプの格子子に対して第1のタイプの格子子を組み合わせたが、逆に、先に第3のタイプの格子子に対して第1のタイプの格子子を組み合わせる手順でも同様に可能である。つまり、第3のタイプの格子子に対して第1のタイプの格子子を組み合わせたのち、第1のタイプの格子子を回転させて、回転軌跡のうち、第2のタイプの格子子が第1のタイプの格子子の軸方向に移動な状態とし、そのまま第2のタイプの格子子を押し込んでゆく。やがて第2のタイプの格子子は、第3のタイプの格子子に到達し、そのまま第2のタイプおよび第3のタイプの格子子の橋梁部の凹凸形状同士が嵌合し合う。その後に、第1のタイプの格子子の橋梁部を回転させ、1つの三重交差点から格子点体が3つそれぞれの軸方向に展開される構造に組み上げた状態とすることができる。
上記構成により、3つの格子子の橋梁部を組み合わせて1つの三重交差点を形成することができる。
なお、本発明の格子群体に用いる格子体において、橋梁部は少なくとも2個以上存在し、三重交差点から3つの格子子それぞれの残余の格子点体および橋梁部がそれぞれの軸方向に沿って展開される展開枝として突出し得る構造となっているので、周辺に向けてどんどん自由に拡張してゆくことができ、立体的構造を自在に形成することができ、思い通りのオブジェクトを作り上げることができる。
上記のように、三重交差点を組み上げていく中、外部へ展開枝を突出させることで自由にオブジェクトを形成してゆくが、以下、如何に展開枝を確保しながら組み立ててゆくか、組み立て方法のバリエーションについて説明する。
第1の基本形の組み立て方法は、1つの三重交差点から3軸方向に展開枝がそれぞれ設けられている基本構成単位を第1の基本形とし、第1の基本形から突出している3つの展開枝の接続を繰り返して拡張してゆく組み立て方法である。
例えば、三重交差点を頂点として3軸方向の展開枝を下方に向けて一種の山型のように配置し、その基本構成単位である山型を横に並べ、その谷に位置する橋梁部同士を重ね合わせて、横方向に連綿とつなげつつ、それらを前後方向に並べ、谷に位置する橋梁部同士の組み合わせと前方向から後方に展開されている展開枝とつなげてゆけば、谷にあたる位置に三重交差点ができてゆく。
三重交差点を頂点とする第1の基本形が前後左右に連綿とつづく一種の波状のオブジェクトが形成できる。
次に、第2の基本形の組み立て方法は「三重交差点の2連体を基本に展開枝のある基本の組み立て方法」である。
第2の基本形の組み立て方法は、1つの三重交差点から突出した展開枝に新たな三重交差点を設けることにより2つの連続する三重交差点(三重交差点の2連体)を形成し、2つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせて、格子群体を作成する組み立て方法である。
例えば、2つの連続する三重交差点から同じ方向に平行に展開枝を突出させれば、階段状のオブジェクトが形成できる。
第3の基本形の組み立て方法は「井桁形で展開枝のある基本の組み立て方法」である。
第3の基本形の組み立て方法は、三重交差点から突出した展開枝に新たな三重交差点を設けることを繰り返して4つの三重交差点を形成し、各々の三重交差点が正方形の頂点となるよう配置された4つの三重交差点からなる井桁格子群体を形成し、井桁格子群体を構成する4つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する組み立て方法である。
例えば、井桁格子群体同士を上下に連綿とつなげたオブジェクトを形成することができる。
次に、第4の基本形の組み立て方法を説明する。
第4の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の1つから展開枝を突出させる組み立て方法」である。
「立方格子群体で展開枝のある基本形の組み立て方法」は、まず、三重交差点から突出した展開枝に新たな三重交差点を設けることを繰り返して8つの三重交差点を形成し、各々の三重交差点の中心点が立方格子の頂点となるよう配置された8つの三重交差点からなる立方格子群体を形成してゆくが、ここで、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち選択した任意の1つの三重交差点から展開枝を外方に向けてそれぞれの軸方向に突出するように組み合わせ(立方格子群体の第1の基本構成単位)、この展開枝に対して格子子を組み付けてゆけば、様々な格子群体を作成することができる。
なお、展開枝の突出は、立方格子群体の作成において、格子子として長短を混在させることで実現できる。例えば、立方格子群体の格子子として3個の格子点体と2個の橋梁部を備えた格子子をメインに用いつつ、1つまたは複数の格子子に替えて4個の格子点体と3個の橋梁部を備えた格子子を用いれば、その格子子が組み付けられた箇所には外方に展開枝が突出することとなる。
上記構成により、立方格子群体という基本単位を組み上げつつも、外方に展開枝を確保しておけば、外方に向けて次々と格子子を自在に組み付けてゆくことができる。
突出させる展開枝の数であるが、最小は任意に選んだその1つの三重交差点から1つの軸方向に1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はその三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。
次に、第5の基本形の組み立て方法を説明する。
第5の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の2頂点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
上記第5の基本形の組み立て方法は、任意の2点の選び方によって以下の下位概念のバリエーションがあり得る。
第5の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは「隣接する2頂点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
この第5の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち隣接し合う任意の2つについて展開枝が外方に向けて突出している。他の6つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第2の基本構成単位)に組む組み立て方法もあり、外方に向けた展開枝を設ける組み立て方法もあり、限定されない。
選択した2つの三重交差点から突出させる展開枝の数であるが、三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。最小はそれぞれの三重交差点から1つの軸方向に1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はそれぞれの三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。
この立方格子群体の第2の基本構成単位において外方に向けて突出している展開枝に対して格子子を組み付けてゆくと、格子群体を組み上げてゆくことができる。
次に、第5の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションは「立方格子群体の1つの立方面で対角にある2頂点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
この第2のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち、立方格子の1つの平面において対角にある任意の2つについて、展開枝が外方に向けて突出している。他の6つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第3の基本構成単位)に組む組み立て方法もあり、外方に向けた展開枝を設ける組み立て方法もあり、限定されない。
突出させる展開枝の数であるが、それら2つの三重交差点を形成している格子子の格子点群の数と橋梁部の数によって変わり得る。三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。最小はそれぞれの三重交差点から1つの軸方向に1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はそれぞれの三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。
例えば、この立方格子群体の第3の基本構成単位において外方に向けて突出している展開枝に対して格子子を組み付けてゆくと、格子群体を組み上げてゆくことができる。
次に、第5の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは「立方格子群体の中心を挟んで対角にある2頂点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
この第5の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち、立方格子の中心点を挟んで対角にある任意の2つについて展開枝が外方に向けて突出している。他の6つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第4の基本構成単位)に組む組み立て方法もあり、外方に向けた展開枝を設ける組み立て方法もあり、限定されない。
突出させる展開枝の数であるが、それら2つの三重交差点を形成している格子子の格子点群の数と橋梁部の数によって変わり得る。三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。最小はそれぞれの三重交差点から1つの軸方向に1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はそれぞれの三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。
例えば、この立方格子群体の第4の基本構成単位において外方に向けて突出している展開枝に対して格子子を組み付けてゆくと、格子群体を組み上げてゆくことができる。ここで、一方の三重交差点から外方に向けて構築した第1の格子群体と、他方の三重交差点から外方に向けて構築した第2の格子群体と考えると、第1の格子群体および第2の格子群体の間に斜めになった立方格子群体が1つ形成されるよう組み合わせてゆくと言える。これは立方格子群体が1つの頂点を起点に起立したいわゆるダイアモンド型の配置と言え、上方および下方にある第1の格子群体や第2の格子群体が同じく立方格子群体であれば、あたかも頂点を起点として起立した立方格子群体が連続するようになり、一種の柱状タイプのオブジェクトを組み上げることができる。
次に、第6の基本形の組み立て方法を説明する。
第6の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の3頂点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
上記第6の基本形の組み立て方法は、任意の3点の選び方によって以下の下位概念のバリエーションがあり得る。
第6の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは「立方格子群体の1つの立方面にある3頂点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
この第6の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち、1つの立方面にある任意の3頂点について展開枝が外方に向けて突出している。他の5つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第5の基本構成単位)に組む組み立て方法もあり、外方に向けた展開枝を設ける組み立て方法もあり、限定されない。
突出させる展開枝の数であるが、それら3つの三重交差点を形成している格子子の格子点群の数と橋梁部の数によって変わり得る。三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。最小はそれぞれの三重交差点から1つの軸方向に1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はそれぞれの三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。
次に、第6の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションは「立方格子群体の8つの頂点のうち隣接し合う2点と、それら2点のいずれにも隣接しない1点を選択し、それら3点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
この第6の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち隣接し合う2点とそれら2点のいずれにも隣接しない1点の3頂点について展開枝が外方に向けて突出している。他の5つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第6の基本構成単位)に組む組み立て方法もあり、外方に向けた展開枝を設ける組み立て方法もあり、限定されない。
突出させる展開枝の数であるが、それら3つの三重交差点を形成している格子子の格子点群の数と橋梁部の数によって変わり得る。三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。最小はそれぞれの三重交差点から1つの軸方向に1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はそれぞれの三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。
次に、第6の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは「立方格子群体の8つの頂点のうち、互いに隣接し合わない3点を選択し、それら3点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
この第6の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち互いに隣接し合わない3頂点について展開枝が外方に向けて突出している。他の5つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第7の基本構成単位)に組む組み立て方法もあり、外方に向けた展開枝を設ける組み立て方法もあり、限定されない。
突出させる展開枝の数であるが、それら3つの三重交差点を形成している格子子の格子点群の数と橋梁部の数によって変わり得る。三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。最小はそれぞれ3つの三重交差点から1つの軸方向に1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はそれぞれ3つの三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。
ここで、8つの頂点から互いに隣接し合わない3頂点を選択すると、それら3頂点のいずれも隣接する中心となる頂点が1つ存在する。この中心の頂点からみれば3軸方向にそれら3頂点が存在するので、その軸の延長方向に1本ずつ展開枝を突出させれば、あたかも中心の頂点の3軸方向に展開枝が伸びているような基本構成となる。
次に、第7の基本形の組み立て方法を説明する。
第7の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の4頂点から展開枝を突出させるタイプの基本単位の組み立て方法」である。
上記第7の基本形の組み立て方法は、任意の4点の選び方によって以下の下位概念のバリエーションがあり得る。
第7の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは「立方格子群体の立方格子の頂点のうち隣接し合わない任意の4頂点について、展開枝が外方に向けて突出させる組み立て方法である。他の4つについては外方に向けた展開枝が存在しないもの(第8の基本構成単位)に組む組み立て方法もあり、外方に向けた展開枝を設ける組み立て方法もあり、限定されない。
突出させる展開枝の数であるが、それら3つの三重交差点を形成している格子子の格子点群の数と橋梁部の数によって変わり得る。三重交差点を構成する3つの格子子の格子点体の数および橋梁部の数が他の格子子よりも多いものとすれば外方に展開枝が突出する。最小はそれぞれの三重交差点から1本の展開枝が突出したものとして組むことが可能であるし、最大はそれぞれの三重交差点から3軸方向に3本の展開枝が突出したものとして組むことが可能である。
第7の基本形の組み立て方法の他のバリエーションとしては、8つの頂点から任意の4頂点を選択すると、上記の第4の基本形の1頂点を選択した組み立て方法、上記の第5の基本形の2頂点を選択した組み立て方法、上記の第6の基本形の3頂点を選択した組み立て方法を重畳させたパターンに相当する。つまり、4頂点の選択は、1頂点+3頂点か、2頂点+2頂点と捉えれば、上記の立方格子群体の第1の基本構成単位から立方格子群体の第7の基本構成単位を重畳させたパターンとなるので、説明を省略する。
また、8頂点から5頂点を選択するもの、8頂点から6頂点を選択するもの、8頂点から7頂点を選択するもの、8頂点すべてを選択するものも、上記の立方格子群体の第1の基本構成単位から立方格子群体の第7の基本構成単位を重畳させたパターンとなるので、ここでは説明を省略する。
次に、第8の基本形の組み立て方法を説明する。
第8の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子を形成する8つの三重交差点のうち1つの三重交差点が形成されていない7点不完全立方格子群体とし、頂点となる7つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させる基本形の組み立て方法」である。
つまり、第8の基本形の組み立て方法は、7点不完全立方格子群体の7つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する組み立て方法である。
次に、第9の基本形の組み立て方法を説明する。
第9の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子を形成する8つの三重交差点のうち2つの三重交差点が形成されていない6点不完全立方格子群体とし、頂点となる6つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させる基本形の組み立て方法」である。
つまり、第9の基本形の組み立て方法は、6点不完全立方格子群体の6つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する組み立て方法である。
以上、様々な組み立て方法により様々な格子群体を製作できるが、周縁部においては、終端を形成する必要がある。そこで、複数ある格子点体のうち端部に位置する格子点体である立方体の一部が切削されて端部の化粧仕上げとして終端を形成することができる。
なお、格子子の格子点体が2個しかなく橋梁部が1つしかないものを終端格子子として備え、格子子を組み合わせて形成した格子体を中心構成物とし、その終端に終端格子子を適宜取り付けて周縁部の仕上げとすることも可能である。
本発明として、上記の格子子を基本構成としつつ、それら格子子を組み合わせた格子体により製作されたオブジェを提供することができる。
本発明にかかる格子子を組み合わせた格子体によれば、格子子を基本構成単位として、複数の格子子を互いに嵌合連結して三重交差点を形成でき、三重交差点からさらにそれぞれの軸方向に沿って展開される展開枝が突出しているので、3次元的に展開可能であり、格子子の組み合わせ方で様々なオブジェ、立体構造物を提供することができる。
四角柱体が立方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その1)のうちの第1のタイプの格子子110を示す図である。 四角柱体が立方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その1)のうちの第2のタイプの格子子120を示す図である。 四角柱体が立方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その1)のうちの第3のタイプの格子子130を示す図である。 四角柱体が立方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その2)のうちの第1のタイプの格子子110を示す図である。 四角柱体が立方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その2)のうちの第2のタイプの格子子120を示す図である。 四角柱体が立方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その2)のうちの第3のタイプの格子子130を示す図である。 第2のタイプの格子子120と第3のタイプの格子子130を組み合わせ、橋梁部122と橋梁部132を嵌合させる様子を示す図である。 第1のタイプの格子子110と第2のタイプの格子子120を組み合わせる様子を示す図である。 第3のタイプの格子子130を組み付けてゆく様子を示す図である。 第3のタイプの格子子130を組み付けて三重交差点を形成する様子を示す図である。 第1のタイプの格子子110を90度回転させて三重交差点を完成させる様子を示す図である。 本発明にかかる格子子を用いた格子群体の組み立て方法において形成してゆく基本形の幾つかの例を示した図である。 格子子のタイプを区別せずに1つのシンボルで表した図および三重交差点を形成した基本構成をシンボルで表した図である。 三重交差点から3軸方向に基本構成単位を平面方向に繰り返して拡張してゆき、波状オブジェクトを形成した例である。 波状オブジェクトの製作例の写真図である。 三重交差点を2つ連続させた基本構成単位(第2の基本形)およびそのシンボル図である。 階段オブジェクトの構成例をシンボルで示した図である。 階段オブジェクトの製作例の写真図である。 三重交差点を水平面内で4つ周回するように連続させた井桁の基本構成単位およびそのシンボル図である。 図19(b)に示すタイプの井桁を連綿とつなげてゆくシンボル図である。 井桁オブジェクトの製作例の写真図である。 立方格子群体を形成する8頂点のうちの1頂点から外方へ展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 立方格子群体を形成する8つの頂点のうち隣接する2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 立方格子群体を形成する8つの頂点のうち1つの立方面で対角にある2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 立方格子を形成する8つの三重交差点があり、立方格子群体の中心を挟んで対角にある2頂点の三重交差点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 図25に示す立方格子群体の第4の基本構成単位を連綿とつなげてゆくシンボル図である。 柱状オブジェクトの製作例の図である。 立方格子群体の1つの立方面にある3頂点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 立方格子群体の8つの頂点のうち隣接し合う2点と、それら2点のいずれにも隣接しない1点を選択し、それら3点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 立方格子群体の8つの頂点のうち、互いに隣接し合わない3点を選択し、それら3点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 図30に示す立方格子群体の第7の基本構成単位同士を連綿とつなげてゆく場合の組み立て方法をシンボル図で示したものである。 立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の4頂点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 第8の基本形の組み立て方法にかかる7点不完全立方格子群体の基本構成単位およびそのシンボル図である。 図33に示す7点不完全立方格子群体の基本構成単位同士を連綿とつなげてゆく場合の組み立て方法をシンボル図で示したものである。 7点不完全立方格子群体の基本構成単位同士を連結してゆくオブジェクトの製作例の図である。 第9の基本形の第1のバリエーションにかかる6点不完全立方格子群体から4本の展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 第9の基本形の第2のバリエーションにかかる6点不完全立方格子群体から6本の展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。 自由に組み付けていったオブジェクトの製作例の図である。 格子子の格子点体が2個しかなく橋梁部が1つしかないものを終端格子子140として備えた構成例を示す図である。 複数ある格子点体のうち端部の格子点体の一部が切削されたり他の形状が付加されたりして、端部の化粧仕上げとなっている例を示す図である。 四角柱体が直方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その1)を示す図である。 四角柱体が直方体であり、三重交差点を形成する格子子組の例(その2)を示す図である。 従来技術における格子体の構造を示す図である。 特許第3067954号公報に開示された従来技術における改良型の格子体の構造を示す図である。 実用新案登録第3192392号公報に開示された従来技術における立体的な格子体の構造を示す図である。
以下、本発明の格子子を組み合わせた格子群体の実施例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、3軸をX軸、Y軸、Z軸と呼ぶ場合、特に断りがない場合、X軸は図示で水平方向を指し、Y軸は図示で奥行き方向を指し、Z軸は図示で高さ方向を指す。
まず、本発明の格子子を組み合わせた三重交差点の作成にかかる格子子の組みとその組み立て方法を説明しておく。
三重交差点を形成する格子子の組みとして、ここでは2つの組みを挙げて説明する。
三重交差点を形成する格子子の組の例(その1)は、図1から図3に示す3種類の格子子からなる組である。
図1は、本発明の格子体100を構成する基本構成である第1のタイプの格子子110を示す図である。
図2は、本発明の格子体100を構成する基本構成である第2のタイプの格子子120を示す図である。
図3は、本発明の格子体100を構成する基本構成である第3のタイプの格子子130を示す図である。
ここで、図2と図3を見比べると分かるように、この構成例では、第2のタイプの格子子120と第3のタイプの格子子130は同じものである。第2のタイプの格子子120と第3のタイプの格子子130は、後述するように第1のタイプの橋梁部111が回転できる空間が確保されるように嵌合し合うことが条件であるので、そのように嵌合し合う関係にあれば、両者は必ずしも同じ形状でなくとも良い。この例では両者は同じ形状となっている。
次に、三重交差点を形成する格子子の組の例(その2)は、図4から図6に示す3種類の格子子からなる組である。
図4は、本発明の格子体100を構成する基本構成である第1のタイプの格子子110aを示す図である。
図5は、本発明の格子体100を構成する基本構成である第2のタイプの格子子120aを示す図である。
図6は、本発明の格子体100を構成する基本構成である第3のタイプの格子子130aを示す図である。
ここでも、図5と図6を見比べると分かるように、この構成例では、第2のタイプの格子子120aと第3のタイプの格子子130aは同じものである。上記と同様に、両者は必ずしも同じ形状でなくとも良いが、この例では両者は同じ形状となっている。
図1から図3に示した各々の格子子、図4から図6に示した各々の格子子の例は、構成する格子点体の数が3個の例となっている。格子点体の数は3個以上であれば任意の数があり得る。なお、各々の格子点体はすべて同じ大きさの立方体となっている。
次に、三重交差点を形成する格子子の組の例(その1)と三重交差点を形成する格子子の組の例(その2)の関係を述べておく。
この構成例では、上記の格子子の組の例(その1)と格子子の組の例(その2)において、図1の第1のタイプの格子子110と、図4の第1のタイプの格子子110aは同じものである。第1のタイプの格子子110(110a)は、第2の格子子120(120a)と第3の格子子130(130a)が嵌合し合った状態で回転し得る橋梁部111(111a)を備えたものであるので、ここでは両者とも円柱体であり、図1の第1のタイプの格子子110と、図4の第1のタイプの格子子110aは同じものとなっている。
図2の第2のタイプの格子子120と、図5の第2のタイプの格子子120aは対称形となっている。つまり、橋梁部122の切り欠きの位置と橋梁部122aの切り欠きの位置が逆になっている。
同様に、図3の第3のタイプの格子子130と、図6の第3のタイプの格子子130aも対称形となっている。つまり、橋梁部132の切り欠きの位置と橋梁部132aの切り欠きの位置が逆になっている。
結局、三重交差点を形成する格子子の組の例(その1)と三重交差点を形成する格子子の組の例(その2)は、橋梁部の切り欠きの位置の違いからその1とその2が派生しているが、三重交差点を形成する組み合わせ方は同様である。
以下、三重交差点を形成する格子子の組の例(その1)を例に三重交差点の組み方について説明することとし、三重交差点を形成する格子子の組の例(その2)は同様に考えれば良いのでここでの説明は省略する。
上記のように、3種類の格子子110、120、130は、橋梁部の形状の違いに応じて3つのタイプに分類される。
橋梁部の形状の3つのタイプは、橋梁部が結ぶ格子点体の間の対向空間を8つの小立方体空間からなる空間と見立てた場合の形状の別により3つに分類できる。
第1のタイプの格子子110は、図1に示すように、立方体である格子点111と橋梁部112が同一方向の軸に沿って並べられた構成となっている。ここで、橋梁部112が円柱体となっている。この例では、橋梁部112は、格子点体の立方体の辺の1/2を直径とした円柱体となっており、偏心している。つまり、小立方体空間で言えば、軸方向に並んだ一組の2つの小立方体空間で仕切られる空間に内接するように偏心して立設されている。残りの6つの小立方体空間は空間のままの非橋梁空間となっている。このように円柱体である橋梁部112が偏心しているため、第1のタイプの格子子110が橋梁部112を中心に回転すると、格子点体の立方体がその偏心している回転軸を中心とした回転軌跡を描きながら回転することとなる。
第2のタイプの格子子120は、図2に示すように、立方体である格子点121と橋梁部122が同一方向の軸に沿って並べられた構成となっており、橋梁部122がいわゆるL字状の凹凸形状となっている。橋梁部122は、軸方向に沿って平面をなす一組の4つの小立方体空間内のうち3つが橋梁部であり、残りの1つが空間であるL字型となっており、残りの4つの小立方体空間は橋梁部が通過しない空間(つまり対向空間における隙間の空間)である。
第3のタイプの格子子130は、図3に示すように、立方体である格子点131と橋梁部132が同一方向の軸に沿って並べられた構成となっており、橋梁部132がいわゆるL字状の凹凸形状となっている。この例では橋梁部132は第2のタイプの格子子120の橋梁部122と同様の形となっている。
この例では、第2のタイプの格子子120の橋梁部122、第3のタイプの格子子130の橋梁部132とも、同じL字状の凹凸形状となっているが、橋梁部122、橋梁部132とも、軸方向に沿って平面をなす一組の4つの小立方体空間内に凹凸形状をもって設けられ、残りの4つの小立方体空間は橋梁部が通過しない空間であれば良く、嵌合できるものであれば他の形状でも良い。
つまり、第2のタイプの格子子120の橋梁部122と第3のタイプの格子子130の橋梁部132が嵌合し合う形状であれば良く、一方が凸形状の部分に他方が凹形状で嵌合できるものであれば良い。
図7は、第2のタイプの格子子120と第3のタイプの格子子130を組み合わせ、それぞれの橋梁部122と橋梁部132を嵌合させる様子を示す図である。
図7の例では、第2のタイプの格子子120と第3のタイプの格子子130は同じ橋梁部の形状をもつものであり、両者は同一のものである。
図7(a)に示すように、例えば、第2のタイプの格子子120を図7(a)に示す姿勢(ここではX軸方向とする。)におき、第3のタイプの格子子130の天地を逆にした姿勢(ここではY軸方向とする。)とし、第2のタイプの格子子120に対して組み合わせてゆき、図7(b)に示すように橋梁部122と橋梁部132を嵌合する。橋梁部122と橋梁部132は同じL字状の形状となっているが天地が逆で90度ずれているので図7(b)に示すように嵌合させることができる。
図7(b)および図7(c)に示すように、第2のタイプの格子子120と第3のタイプの格子子130がX軸とY軸に配置され交差点で組み合されている。
まだ第1のタイプの格子子110が組み合わせられていないが、ここが「三重交差点」が形成される個所となる。
ここで、嵌合させた嵌合させた第2のタイプの格子子120の橋梁部122と第3のタイプの格子子130の橋梁部132との間に隙間ができている。図7(c)は上から見た平面図であるが、ハッチングが施されている部分には橋梁部が存在せず下方まで貫いた空間が形成されている。つまりこれが「三重交差点において、第2および第3のタイプの格子子の対向空間中の橋梁部が通過しない空間が重複して形成された空間」となる。これが第1のタイプの格子子110の橋梁部112である円柱体が貫通する空間として提供される。
図7の状態ではハッチングを施した空間は狭く、第1のタイプの格子子110の橋梁部112である円柱体は収まるが、第1のタイプの格子子110の格子点111である立方体は通過できず、このままでは第1のタイプの格子子110を組み合わせることができない。
そこで、実際の手順としては、先に第1のタイプの格子子110を組み込んでゆく。
図8は、第1のタイプの格子子110と第2のタイプの格子子120を組み合わせる様子を示す図である。説明の便宜上、第1のタイプの格子子110の3つの格子点にそれぞれ111a,b,cと符号をつけ、2つの橋梁部にも112a,bと符号をつけている。
図8(a)に示すように、例えば、第2のタイプの格子子120を図8(a)に示す姿勢(ここでは仮にX軸とする)におき、第1のタイプの格子子110の軸を90度ずらせて立てた姿勢(ここでは仮にZ軸とする)にして、第2のタイプの格子子120に対して組み合わせてゆき、図8(b)に示すように橋梁部122に対して橋梁部112aを添えるように沿わせる。この状態で第1のタイプの格子子110の橋梁部112aは円柱体であるので水平方向に回転できる状態である。
図8(c)は図8(b)を上から見た平面図である。図8(b)および図8(c)から分かるように、第2のタイプの格子子120の橋梁部122の上方に第1のタイプの格子子110の格子点111aである立方体が1つ突出し、下方は格子点111と橋梁部112が突出した状態となっている。
なお、この下方に突出した格子点111と橋梁部112が「展開枝」となり、三重交差点が形成されたあと下方のZ軸方向へ拡張してゆく機能をもたらす。
次に、第3のタイプの格子子130を組み付けてゆく。
図9は、第3のタイプの格子子130を組み付けてゆく様子を示す図である。ここでは、第1のタイプの格子子110がZ軸、第2のタイプの格子子120がX軸とすると、第3のタイプの格子子130をY軸に沿わせた姿勢で組み付けてゆく。この例で図9(a)に示すように、第3のタイプの格子子130の橋梁部132aを第1の格子体110の格子点111bに対して嵌合させてゆき、図9(b)に示すように、格子点131aと橋梁部132aと格子点131bにより格子点111bを囲むようにはまる。
図9(c)は図9(b)を上から見た平面図である。第3のタイプの格子子130は第2のタイプの格子子120より1段下にあるが、図7に示したように、橋梁体132aが第2のタイプの格子子120の橋梁体122aに向けて移動すれば、橋梁体122aにより橋梁体132aが受け入られる位置関係となっている。
次に、第3のタイプの格子子130を三重交差点に向けて移動してゆき、三重交差点を完成させる。
図10は、第3のタイプの格子子130を組み付けて三重交差点を形成する様子を示す図である。
第2のタイプの格子子120に対して第3のタイプの格子子130を下方から組み付け行くと、図7(b)に示したように、両者がそれぞれX軸とY軸に配置されて交差点で嵌合し合うことができる。図7と図10の違いは、第1のタイプの格子子110が先に三重交差点に組み付けられており、図7(c)のハッチングで示した空間に第1のタイプの格子子110の橋梁部112aが組みつけられており、ここに「三重交差点」が形成される。
なお、図10の状態ではZ軸方向に配置された第1のタイプの格子子110の位置が三重交差点の中心から左方向(X軸のマイナス方向)に偏心した状態である。そこで、第1のタイプの格子子110を90度回転させて三重交差点から3軸方向に格子点を展開した状態とする。
図11は第1のタイプの格子子110を90度回転させて三重交差点を完成させる様子を示す図である。図11に示すように、第1のタイプの格子子110は橋梁部111aが円柱体であり円柱体の軸を中心に回転可能となっている。
この第1のタイプの格子子110の回転軌跡において、図11(a)の状態は、第3のタイプの格子子130が第1のタイプの格子子110に沿ってZ軸下方に移動可能な状態である。この状態から時計回りに90度回転させると図11(b)の状態となるが、この際、第1のタイプの格子子110の格子点111aの下面、格子点111bの上面はそれぞれ、第2のタイプの格子子120の側面に接しながら滑るように移動する。
図11(b)の状態になれば、三重交差点においてX軸、Y軸、Z軸の3軸方向に格子点が配置された状態となる。なお、図11(b)に示すように、三重交差点においてX軸方向に第1のタイプの格子子110の残余部分である展開枝、Y軸方向に第2のタイプの格子子120の残余部分である展開枝、Z軸方向に第3のタイプの格子子130の残余部分である展開枝が展開されている。この展開枝に、他のタイプの格子子を組みつけてゆくことにより、新たに三重交差点を形成することができ、さらにその新たに形成された三重交差点から各軸の方向に新たな展開枝が形成される。このように、次々と周辺に向けて拡張可能となっており、自由自在に格子群体を作り上げて行くことができる。
この三重交差点を起点として、次々と外方に向けて他の格子子を組み付けてゆき、様々な格子群体を組み上げてゆく。
本発明にかかる格子子を用いた格子群体の組み立て方法は、外方に向けて展開枝を突出させて当該外方へ拡張する展開枝を確保したり、ある方向には展開枝を突出させず当該方向への展開を止めたりして、格子子を用いて格子群体を自在に組み立ててゆく方法である。
図12は、本発明にかかる格子子を用いた格子群体の組み立て方法において形成してゆく基本形の幾つかの例を示した図である。このように、基本形を意識して組み立てを行ってゆけば、比較的大きなオブジェクトもまとまり良く形成しやすくなる。なお、図12の基本形の例はごく一例であり他の基本形もあることは言うまでもない。
以下、本発明にかかる格子子を用いた格子群体の組み立て方法についてパターンを示しつつ説明する。
説明の便宜上、格子子および組み上げて行く格子群体をシンボルで表わす。図13は格子子のタイプを区別せずに1つのシンボルで表した図および三重交差点を形成した基本構成をシンボルで表した図である。
図13(a)の例の格子子は、いずれのタイプも格子点が3つで橋梁部が2つの場合の構成例であるので、格子子同士が組み合うのは橋梁部であるので、橋梁部が結合点となり得るものである。そこで、橋梁部を丸で示し、橋梁部同士のつながりを線分で表わすと1つの格子子は図13(a)のシンボルで示すことができる。ここで、三重交差点が未形成の橋梁部を〇丸で示し、三重交差点が形成された橋梁部を●丸で示すものとすると、3つの格子子を組み合わせて三重交差点を形成した状態では、結局、図13(b)に示すシンボル図で表すことができる。
このようなシンボルによって、本発明にかかる格子子を用いた格子群体の組み立て方法についてパターンを示しつつ説明する。
[波状オブジェクトの組み立て方法]
波状オブジェクトの組み立て方法は、1つの三重交差点から3軸方向に展開枝がそれぞれ設けられている基本構成単位を第1の基本形とし、第1の基本形から突出している3つの展開枝同士の接続を繰り返して拡張してゆく組み立て方法である。
図14は、1つの三重交差点から3軸方向に展開枝がそれぞれ設けられている基本構成単位(第1の基本形)の展開枝の接続を平面方向に繰り返して拡張してゆき、大きな格子群体(波状オブジェクト)を形成した例である。
図14(a)は、三重交差点から3軸方向に展開枝がそれぞれ設けられている基本構成単位(第1の基本形)およびそのシンボル図である。
図14(b)に示すように、三重交差点を頂点として3軸方向の展開枝を下方に向けて一種の山型のように配置し、その基本構成単位である山型を横に並べ、その谷に位置する橋梁部同士を重ね合わせて、横方向に連綿とつなげつつ、それらを前後方向に並べ、谷に位置する橋梁部同士の組み合わせと前方向から後方に展開されている展開枝とつなげてゆけば、図14(c)に示すように、谷にあたる位置に三重交差点ができてゆく。
図14(c)に示すように、頂点を構成する三重交差点が波状に拡がるとともに、谷を構成する三重交差点も波状に拡がっており、基本構成単位である山型が前後左右に連綿とつづく一種の波状のオブジェクトが形成できる。
図15は、波状オブジェクトの製作例の図である。図15(a)は波状オブジェクトの製作例を上面から写した図、図15(b)は波状オブジェクトの製作例を前方から写した図である。図15に示すように、三重交差点の頂点と三重交差点の谷があり、厚みは山型1つ分となっている。三重交差点の頂点と三重交差点の谷が前後左右に連綿と続いており、一種の波状の格子群体となっている。
なお、図15の波状オブジェクトの製作例は一部であってさらに拡張してゆくことができるし、途中で山型の基本構成単位に代えて格子体の展開枝の方向を変えて行けば上方へ折り曲げて上方に展開したり、斜め上方向に展開したりすることもできる。
[階段オブジェクトの組み立て方法]
階段オブジェクトの組み立て方法は、三重交差点を2つ連続させた2連体を基本構成単位(第2の基本形)とし、それぞれの三重交差点から平行に展開枝を突出させ、それを階段状に拡張してゆき、大きな階段状の格子群体(階段オブジェクト)を形成する方法である。
図16は、三重交差点を2つ連続させた基本構成単位(第2の基本形)およびそのシンボル図である。
つまり、図13に示した1つの三重交差点を持つ基本構成単位(第2の基本形)において第3のタイプの格子子130のY軸方向の展開枝について第1のタイプの格子子110と第3のタイプの格子子130を組み合わせて三重交差点をもう一つ設けたものを基本構成単位としたものである。
この図16に示す基本構成単位は、2つの平行した三重交差点からX軸方向とZ軸方向にそれぞれ展開枝が突出しており、一種の階段の1段のようになっている。この基本構成単位である階段の1段に対して上段、下段と展開枝を連綿につなげてゆけば図17に示すような階段状のオブジェクトが形成できる。
図18は、図17に示した階段オブジェクトの製作例の図である。図18(a)は階段オブジェクトの製作例を上面から写した図、図18(b)は階段オブジェクトの製作例を前方から写した図である。図18(a)に示すように、三重交差点が2つ連続しつつX軸方向に延びており、図18(b)に示すように、それらが階段状に連綿と続いており、一種の階段状の格子群体となっていることが分かる。
なお、図18のマトリクスオブジェクトの製作例は一部であってさらに拡張してゆくことができるし、途中で階段の基本構成単位に代えて格子体の展開枝の方向を変えて行けば上方へ折り曲げてZ軸方向に連続して展開したり、Y軸方向に展開したりすることもできる。
[井桁オブジェクトの組み立て方法]
次は、三重交差点を水平面内で4つ周回するように連続させたものを基本構成単位(第3の基本形)とし、それから上下Z軸方向に展開枝を突出させ、井桁の基本構成単位(第3の基本形)を連綿とつなげて、大きな格子群体(井桁オブジェクト)を形成した例である。
図19は、三重交差点を水平面内で4つ周回するように連続させた井桁の基本構成単位およびそのシンボル図である。
なお、この図19(a)は井桁の基本構成単位を説明するために挙げたものであり、本発明でいう外方へ突出した展開枝がない。そこで実際には図19(b)が井桁の基本構成単位となる。この図19(a)は図19(b)中の井桁の基本構成単位が分かりやすいように説明の便宜上挙げた図である。
図19(a)に示すように、4つの三重交差点が水平面内で周回する形状は理解されよう。この図19(a)に示すものは、展開枝がなく4つの三重交差点が水平面に配置されているだけなので、そのシンボルは図19(a)の右側のように表わすことができる。
ここで、Z軸上に配置された格子子の格子点が3つあるとすると上側か下側のいずれかに突出するが、ここでは、図19(b)に示すように、4つの三重交差点のうちハス向かいの2つは上側に突出し、残りのハス向かいの2つは下側に突出している。これを井桁の基本構成単位(第3の基本形)とする。図19(b)に示すものは、図19(a)と同様の4つの三重交差点が水平面に配置され、さらに上下に2つずつ展開枝が存在するので、そのシンボルは図19(b)の右側のように表わすことができる。
この図19(b)に示す井桁の基本構成単位(第3の基本形)は、Z軸方向にそれぞれ展開枝が突出しており、一種の井桁の面のようになっている。この基本構成単位である井桁の面に対して上段、下段と井桁の面を連綿につなげてゆけば井桁が連綿とつながったオブジェクトが形成できる。
図20は、図19(b)に示すタイプの井桁を連綿とつなげてゆくシンボル図である。図20に示すように、井桁の面が展開枝により上下前後左右に交互につながってゆく様子が分かる。このように、井桁オブジェクトが形成できる。
図21は井桁オブジェクトの製作例の図である。図21(a)は井桁オブジェクトの製作例を上面から写した図、図21(b)は井桁オブジェクトの製作例を前方から写した図である。実際に井桁が上下前後左右につながり、すべてが格子点である立方体で形成されているため、実際の組み上がったものは写真図ではすべての方向に立方体が密に詰まっているように見えるが、実際には井桁という単位が上側に2つの展開枝、下側に2つの展開枝で拡張されており、3つの格子点がつながった格子子のみで連綿とつなげて格子群体を形成するものとなっている。仮にすべての方向に立方体が密に詰まっているものは製作するオブジェクトの大きさに相当する長大な長さで多数の格子点が1つに連なる格子子を用いて構成することとなり、そのような長大な長さで多数の格子点が1つに連なる格子子同士を回転させたり嵌合させたりという作業は物理的に無理である。しかし、本発明の格子子は展開枝を上手に利用することにより、わずか3つの格子点がつながった格子子を部材として使用して、このような大きなオブジェクトを形成できる特徴がある。
なお、図21の井桁オブジェクトの製作例は一部であって、さらに拡張してゆくことができるし、途中で格子体の展開枝の方向を変えて行けば、連綿と連なるリズムを変えて特定軸の方向に連続して展開したりすることもできる。
[立方格子群体の任意の頂点から展開枝を突出させる組み立て方法]
次は、三重交差点から突出した展開枝に新たな三重交差点を設けることを繰り返して8つの三重交差点を形成し、各々の三重交差点が立方格子の頂点となるよう配置された8つの三重交差点からなる立方格子群体を基本構成単位とし、それから立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する組み立て方法である。
ここで、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち、展開枝を突出させるよう選択する三重交差点の数とその選択位置の関係から様々なバリエーションがある。以下、それらバリエーションを整理して具体例を挙げつつ説明する。
具体例としては、立方格子群体を基本構成単位として連綿とつなげて大きな格子群体を形成した例とするが、突出した展開枝に対して格子子を組み付けてゆく方法は自由度の高いものであり、かならずしも立方格子群体を連綿とつなげるものには限られない。
図22(a)は、三重交差点が8つあり立方格子を形成している状態の基本構成単位およびそのシンボル図である。三重交差点から突出した展開枝に新たな三重交差点を設けることを繰り返して8つの三重交差点を形成し、各々の三重交差点の中心点が立方格子の頂点となるよう配置された8つの三重交差点からなる立方格子群体である。
この図22(a)に示すものは、展開枝がなく8つの三重交差点が立方格子状に配置されているだけなので、そのシンボルは図22(a)の右側のように表わすことができる。
なお、この図22(a)は立方格子の基本構成単位を説明するために挙げたものであり、展開枝が外方へ突出しておらず本発明でいう展開枝がない。この図22(a)は立方格子群体の8頂点のうち選択した頂点から展開枝を突出させる基本構成単位が分かりやすいように説明の便宜上挙げた図である。
[立方格子群体の1頂点から展開枝を突出させる組み立て方法]
既に第1の基本形の組み立て方法から第3の基本形の組み立て方法として説明したので、ここでは第4の基本形の組み立て方法と名付けて説明する。
第4の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の1つから展開枝を突出させる組み立て方法」である。
図22(b)は立方格子群体を形成する8頂点のうちの1頂点から外方へ展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。この図22(b)の例では、格子子としては3つの格子点を備えた格子子、4つの格子点を備えた格子子が混在した構成となっており、1つの三重交差点からXYZ軸方向それぞれに3つ展開枝を突出させるものである。この基本構成単位のシンボルは、図22(b)の右側に示すように、8つの三重交差点のうち1つの三重交差点から、X軸、Y軸、Z軸方向に3つの展開枝が突出している。これを第4の基本形とする。
なお、図22(b)のシンボル図において、4つの格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図22(b)に示す第4の基本形において突出している展開枝に対して他の格子子を組み合わせゆけば、端部に立方格子群体が形成されたオブジェクトが形成できる。
[立方格子群体の2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法]
第5の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の2つから展開枝を突出させる組み立て方法」である。
上記第5の基本形の組み立て方法は、任意の2点の選び方によって複数のバリエーションがあり得る。
第5の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは「隣接する2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。
ここでは、格子子としては3つの格子点を備えたもの、4つの格子点を備えたもの、5つの格子子を備えたものが混在した構成として説明する。
図23は、立方格子群体を形成する8つの頂点のうち隣接する2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。格子子としては3つの格子点を備えた格子子、4つの格子点を備えた格子子が混在した構成となっている。他の6頂点については、ここでは外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第2の基本構成単位)とする組み立て方法とする。
この基本構成単位のシンボルは、図23の右側に示すように、8つの三重交差点のうち2つの三重交差点から、X軸、Y軸、Z軸方向に3つの展開枝が突出している。
なお、図23のシンボル図において、4つ以上の格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図23に示す第5の基本形の第1のバリエーションである立方格子群体の第2の基本構成単位において突出している展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば、オブジェクトの端部に立方格子群体が形成されたオブジェクトが形成できる。
次に、第5の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションは「立方格子群体の1つの立方面で対角にある2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。
この第2のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち、立方格子の1つの平面において対角にある任意の2つについて、展開枝が外方に向けて突出している。他の6つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第3の基本構成単位)として説明する。
ここでは、格子子としては3つの格子点を備えたもの、4つの格子点を備えたものが混在した構成として説明する。
図24は、立方格子群体を形成する8つの頂点のうち1つの立方面で対角にある2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。2頂点の三重交差点からXYZ軸方向それぞれに3つ展開枝を突出させた立方格子を基本構成単位であり、他の6頂点については、ここでは外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第3の基本構成単位)である。格子子としては3つの格子点を備えた格子子、4つの格子点を備えた格子子が混在した構成となっている。
この基本構成単位のシンボルは、図24の右側に示すように、8つの三重交差点のうち2つの三重交差点から、X軸、Y軸、Z軸方向に3つの展開枝が突出している。
なお、図24のシンボル図において、4つ以上の格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図24に示す第5の基本形の第2のバリエーションである立方格子群体の第2の基本構成単位において突出している展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば、オブジェクトの端部に立方格子群体が形成されたオブジェクトが形成できる。
[柱状オブジェクト]
次に、第5の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは「立方格子群体の中心を挟んで対角にある2頂点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。例えば、柱状のオブジェクトが形成できる。
この第5の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち、立方格子の中心点を挟んで対角にある任意の2つについて展開枝が外方に向けて突出している。他の6つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第4の基本構成単位)として説明する。
格子子としては3つの格子点を備えたもの、4つの格子点を備えたものが混在した構成となっている。
図25は、立方格子を形成する8つの三重交差点があり、立方格子群体の中心を挟んで対角にある2頂点の三重交差点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。この例では2頂点の三重交差点からXYZ軸方向それぞれに3つ展開枝を突出させた立方格子を基本構成単位となっている。他の6頂点については、ここでは外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第4の基本構成単位)である。
この基本構成単位のシンボルは、図25の右側に示すように、8つの三重交差点のうち2つの三重交差点から、X軸、Y軸、Z軸方向に3つの展開枝が突出している。なお、図25のシンボル図において、4つ以上の格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図25に示す第5の基本形の第3のバリエーションである立方格子群体の第4の基本構成単位において突出している展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば、オブジェクトの端部に立方格子群体が形成されたオブジェクトが形成できる。この立方格子群体の第4の基本構成単位を斜めにし、上下方向の展開枝に対してつなげてゆけば立方格子群体が斜めになって上下方向に連綿とつながった柱状のオブジェクトが形成できる。
図26は、図25に示す立方格子群体の第4の基本構成単位を連綿とつなげてゆくシンボル図である。図26に示すように、立方格子群体の第4の基本構成単位が展開枝により上下方向に交互につながってゆく様子が分かる。このように、柱状オブジェクトが形成できる。
図27は柱状オブジェクトの製作例の図である。図27(a)は柱状オブジェクトの製作例を上面から写した図、図27(b)は柱状オブジェクトの製作例を前方から写した図である。実際に立方格子群体の第4の基本構成単位が斜めになって上下方向につながって上下方向に展開されている。
なお、図27の柱状オブジェクトの製作例は一部であって、さらに拡張してゆくことができるし、途中で格子体の展開枝の方向を変えて行けば、連綿と連なるリズムを変えて特定軸の方向に連続して展開したりすることもできる。
次に、第6の基本形の組み立て方法の例を説明する。
第6の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の3頂点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。
上記第6の基本形の組み立て方法は、任意の3点の選び方によって以下の下位概念のバリエーションがあり得る。
第6の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは「立方格子群体の1つの立方面にある3頂点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。
この第1のバリエーションは、立方格子群体を構成する8つの三重交差点のうち、立方格子の1つの立方面にある任意の3頂点について、展開枝が外方に向けて突出している。他の5つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第5の基本構成単位)として説明する。
ここでは、格子子としては3つの格子点を備えたもの、4つの格子点を備えたもの、5つの格子点を備えたものが混在した構成として説明する。
図28は、立方格子群体の1つの立方面にある3頂点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。
この基本構成単位のシンボルは、図28の右側に示すように、8つの三重交差点のうち3つの三重交差点から、X軸、Y軸、Z軸方向に3つの展開枝が突出している。なお、図28のシンボル図において、4つ以上の格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図28に示す第6の基本形の第1のバリエーションである立方格子群体の第5の基本構成単位において突出している展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば、オブジェクトの端部に立方格子群体が形成されたオブジェクトが形成できる。
次に、第6の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションの例を示す。
第6の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションは「立方格子群体の8つの頂点のうち隣接し合う2点と、それら2点のいずれにも隣接しない1点を選択し、それら3点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。
この第6の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションは、立方格子群体の8つの頂点のうち隣接し合う2点と、それら2点のいずれにも隣接しない1点を選択し、それら3点から展開枝を突出させている。他の5つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第6の基本構成単位)として説明する。
ここでは、格子子としては3つの格子点を備えたもの、4つの格子点を備えたもの、5つの格子点を備えたものが混在した構成として説明する。
図29は、立方格子群体の8つの頂点のうち隣接し合う2点と、それら2点のいずれにも隣接しない1点を選択し、それら3点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。
この基本構成単位のシンボルは、図29の右側に示すように、8つの三重交差点のうち3つの三重交差点から、X軸、Y軸、Z軸方向に3つの展開枝が突出している。なお、図29のシンボル図において、4つ以上の格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図29に示す第6の基本形の第2のバリエーションである立方格子群体の第6の基本構成単位において突出している展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば、オブジェクトの端部に立方格子群体が形成されたオブジェクトが形成できる。
次に、第6の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションの例を示す。
第6の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは「立方格子群体の8つの頂点のうち、互いに隣接し合わない3点を選択し、それら3点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。
この第6の基本形の組み立て方法の第3のバリエーションは、立方格子群体の8つの頂点のうち互いに隣接し合わない3点を選択し、それら3点から展開枝を突出させている。他の5つについては、外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第7の基本構成単位)として説明する。ここでは、格子子としては3つの格子点を備えたもの、4つの格子点を備えたものが混在した構成として説明する。
図30は、立方格子群体の8つの頂点のうち、互いに隣接し合わない3点を選択し、それら3点から展開枝を突出させる組み立て方法を説明する図である。
図30の構成例では、立方格子を形成する8つの三重交差点のうちの1つを中心と見立てるとX軸、Y軸、Z軸方向に展開枝が突出しているものとなっている。
この立方格子群体の第7の基本構成単位のシンボルは、図30の右側に示すように、8つの三重交差点から、X軸、Y軸、Z軸方向に展開枝が突出している。なお、図30のシンボル図において、4つの格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図30に示す外方へ突出した展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば様々なオブジェクトが構築できる。
図31は、図30に示す立方格子群体の第7の基本構成単位同士を連綿とつなげてゆく場合の組み立て方法をシンボル図で示したものである。図31に示すように、立方格子群体の第7の基本構成単位が展開枝によりX軸Y軸Z軸に交互につながってゆく様子が分かる。図31の例では3つの立方格子群体の第7の基本構成単位が連結されて1つの周回構造を作っている。
なお、図31に示した立方格子群体の第7の基本構成単位同士を連結してゆくオブジェクトの組み立て例は一部であって、さらに拡張してゆくことができるし、途中で格子体の展開枝の方向を変えて行けば、連綿と連なるリズムを変えて特定軸の方向に連続して展開したりすることもできる。
次に、第7の基本形の組み立て方法を説明する。
第7の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の4頂点から展開枝を突出させる組み立て方法」である。
第7の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは「立方格子群体の立方格子の頂点のうち隣接し合わない任意の4頂点について、展開枝が外方に向けて突出させる組み立て方法である。他の4つについては外方に向けた展開枝が存在しないもの(立方格子群体の第8の基本構成単位)として説明する。ここでは、格子子としては3つの格子点を備えたもの、4つの格子点を備えたものが混在した構成として説明する。
図32は、立方格子群体の立方格子の頂点となる8つの三重交差点から選んだ任意の4頂点から展開枝を突出させる組み立て方法である。
図32の構成例では、立方格子を形成する8つの三重交差点のうちの1つを中心と見立てるとX軸、Y軸、Z軸方向に展開枝が突出しているものとなっている。なお、図32のシンボル図において、4つの格子点を備えた格子子は太線となっている。
この図32に示す外方へ突出した展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば様々なオブジェクトが構築できる。
次に、第8の基本形の組み立て方法を説明する。
第8の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子を形成する8つの三重交差点のうち1つの三重交差点が形成されていない7点不完全立方格子群体とし、頂点となる7つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させる基本形の組み立て方法」である。
つまり、第8の基本形の組み立て方法は、7点不完全立方格子群体を利用して外方へ組み立ててゆく方法である。
図33は、第8の基本形の組み立て方法にかかる7点不完全立方格子群体の基本構成単位およびそのシンボル図である。
図33の構成例では、三重交差点が組まれていない箇所を中心と見立てると、X軸、Y軸、Z軸方向に展開枝が突出しているものとなっている。3つの格子点を備えた格子子で構成されている。
この図33に示す外方へ突出した展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば様々なオブジェクトが構築できる。
図34は、図33に示す7点不完全立方格子群体の基本構成単位同士を連綿とつなげてゆく場合の組み立て方法をシンボル図で示したものである。図34に示すように、7点不完全立方格子群体の基本構成単位から突出した展開枝によりX軸Y軸Z軸方向に交互につながってゆく様子が分かる。図34の例では3つの7点不完全立方格子群体の基本構成単位が連結されて1つの周回構造を作っている。
なお、図34に示した7点不完全立方格子群体の基本構成単位同士を連結してゆくオブジェクトの組み立て例は一部であって、さらに拡張してゆくことができるし、途中で格子体の展開枝の方向を変えて行けば、連綿と連なるリズムを変えて特定軸の方向に連続して展開したりすることもできる。
図35は、7点不完全立方格子群体の基本構成単位同士を連結してゆくオブジェクトの製作例の図である。図35(a)はオブジェクトの製作例を上面から写した図、図35(b)はオブジェクトの製作例を前方から写した図である。
次に、第9の基本形の組み立て方法を説明する。
第9の基本形の組み立て方法は「立方格子群体の立方格子を形成する8つの三重交差点のうち2つの三重交差点が形成されていない6点不完全立方格子群体とし、頂点となる6つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させる基本形の組み立て方法」である。
つまり、第9の基本形の組み立て方法は、6点不完全立方格子群体を利用して外方へ組み立ててゆく方法である。
まず、第9の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションの例を示す。
第9の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションは「立方格子群体の立方格子を形成する8つの三重交差点のうち隣接し合う2つの三重交差点が形成されず、6点不完全立方格子群体となったものであり、頂点となる6つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させる基本形の組み立て方法」である。
図36は、第9の基本形の組み立て方法の第1のバリエーションの例であり、6点不完全立方格子群体から4本の展開枝が突出した組み立て方法を説明する図である。この基本構成単位のシンボルは、図36の右側に示すように、8つの三重交差点のうち2つは形成されず、Y軸、Z軸方向に展開枝が突出している。
この図36に示す基本構成単位同士の展開枝つなげてゆけば階段状に連綿とつながったオブジェクトが形成できる。
なお、この第9の基本形の第1のバリエーションの組み立て方法は、上記した第2の基本形の組み立て方法である「三重交差点の2連体を基本に展開枝のある基本の組み立て方法」において、2つの2連体同士を組み合わせた状態のことである。図16に示した2連体同士を連結すれば図36に示す形状のものが得られることは理解されよう。
次に、第9の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションの例を示す。
第9の基本形の組み立て方法の第2のバリエーションは「立方格子群体の立方格子を形成する8つの三重交差点のうち立方体の中心点を挟んで対象の2つの三重交差点が形成されず、6点不完全立方格子群体となったものであり、頂点となる6つの三重交差点のうち少なくとも1つの三重交差点から少なくとも1本の展開枝を外方に向けて突出させる基本形の組み立て方法」である。
図37は、第9の基本形の第2のバリエーションにかかる6点不完全立方格子群体から6本の展開枝を突出させる組み立て方法の基本構成単位およびそのシンボル図である。
図37の構成例では、図33と同様、三重交差点が組まれていない頂点を中心と見立てると、X軸、Y軸、Z軸方向に展開枝が突出しているものとなっている。図37では図中もっとも手前の角の頂点と図中もっとも奥の角の頂点が形成されておらず、それぞれの欠けた頂点を中心として、X軸、Y軸、Z軸方向に展開枝が突出しているものとなっている。
この図37に示す外方へ突出した展開枝に対して他の格子子を組み付けてゆけば様々なオブジェクトが構築できる。
なお、この第9の基本形の第2のバリエーションの組み立て方法は、上記した第1の基本形の組み立て方法である「1つの三重交差点から3軸方向に展開枝がそれぞれ設けられている基本構成単位に展開枝を突出させてゆく組み立て方法」において、2つの第1の基本形同士を組み合わせた状態のことである。図14に示した第1の基本形を2つ連結すれば図37に示す形状のものが得られることは理解されよう。
上記したように、第1の基本形の組み立て方法から第9の基本形の組み立て方法、さらに、自由に展開枝に対して格子子を組み付けてゆくことにより、多様な格子群体を形成することができることが理解されよう。
図38は自由に組み付けていったオブジェクトの製作例の図である。
なお、図38のオブジェクトの製作例は一部であって、さらに拡張してゆくことができるし、途中で格子体の展開枝の方向を変えて行けば、連綿と連なるリズムを変えて特定軸の方向に連続して展開したりすることもできる。
三重交差点から3軸方向に展開されている展開枝に対してさまざまに他の格子子を組み付けてゆき、周辺に自在に拡張展開してゆくものであるが、本実施例2は、最外周の端部において周縁仕上げがされた例である。
図39は、格子子の格子点体が2個しかなく橋梁部が1つしかないものを終端格子子140として備えた構成例である。
格子子を組み合わせて形成した格子群体を中心構成物とし、展開枝の終端に終端格子子140を適宜取り付けて周縁部の仕上げとすることができる。
図39(a)は、中心構成物としてシンプルな例であるが、図16に示した階段オブジェクトの基本構成単位である。
図39(b)は、図39(a)の格子群体を中心構成物とし、下方に突出した展開枝に対してそれ以上の展開枝が生じないように展開枝の終端に終端格子子140を適宜取り付けて周縁部の仕上げとしている。
図39(b)に示すように、下方に突出した2つの展開枝に対して、Y軸方向は一つの第3のタイプの格子子130を取り付け、X軸方向にはそれぞれの展開枝に対してそれぞれ終端格子子140を取り付けると形成された三重交差点から外方へ展開する展開枝がなくなり、周縁部の仕上げが形成される。
図40は、各々のタイプの格子子において複数ある格子点体のうち端部の格子点体の一部が切削されたり他の形状が付加されたりして、端部の化粧仕上げとなっているものである。ここでは先端が尖った化粧仕上げとなっている。
図40(a)に示すように、第1のタイプの格子子110Aは端部の格子点111Aの側面に先端が尖った化粧仕上げが施されている。同様に、第2のタイプの格子子120Aは端部の格子点121Aの側面に先端が尖った化粧仕上げが施されており、第3のタイプの格子子130Aは端部の格子点131Aの側面に先端が尖った化粧仕上げが施されている。
これらの格子子を使用して組み付けてゆけば、形成される格子群体において、格子点111A、格子点121A、格子点131Aが露出した部分は、最外周の端部において周縁仕上げとして提供できる。
図40(b)は、第1のタイプの格子子110Aを2つ、第2のタイプの格子子120Aを2つ、第3のタイプの格子子130Aを1つ用いて、図16に示した階段オブジェクトの基本構成単位を組んだ例である。
図40(b)に示すように、組み上げた状態において、端部の格子点111A、端部の格子点121A、端部の格子点131Aが面している部分は、端部の化粧仕上げとなっている。
以上、本発明の格子子を用いた格子群体の組み立て方法は、展開枝を設ける方向を調整しつつ格子子を組み付けてゆき思い通りの格子群体を形成でき、さらに、その端部に終端格子子140を組み付けたり、化粧仕上げが施された格子子を組付けたりして端部の化粧仕上げを行うことができる。
実施例3は、四角柱体が直方体の例である。直方体の長辺が軸方向、直方体の短辺が高さ方向となるように配置された例である。
四角柱体が直方体の場合も、実施例1で示した四角柱体が立方体の場合と同様、三重交差点を形成する格子子の組みとして2つのセットがある。
図41は、四角柱体が直方体であり、三重交差点を形成する格子子組の第1の例を示す図である。
この図41の格子子110−2、120−2、130−2からなる組は、図1から図3に示した格子子110、120、130の組に対応するものであり、四角柱体が直方体になっている以外は図1から図3の格子子の組と同様である。つまり、図41の橋梁部112−2と図1の橋梁部112は全く同じ形状であり、図41の橋梁部122−2と図2の橋梁部122は全く同じ形状であり、図41の橋梁部132−2と図3の橋梁部132は全く同じ形状であり、格子点体が直方体である以外は同じものとなっている。
図42は、四角柱体が直方体であり、三重交差点を形成する格子子組の第2の例を示す図である。
この図42の格子子110a−2、120a−2、130a−2からなる組は、
図4から図6に示した格子子110a、120a、130aの組に対応するものであり、四角柱体が直方体になっている以外は図4から図6の格子子の組と同様である。つまり、図42の橋梁部112a−2と、図1の橋梁部112aは全く同じ形状であり、図41の橋梁部122a−2と、図1の橋梁部122aは全く同じ形状であり、図41の橋梁部132a−2と、図1の橋梁部132aは全く同じ形状であり、格子点体が直方体である以外は同じものとなっている。
図41、図42いずれの例も、構成する格子点体の数が3個の例となっている。格子点体の数は3個以上であれば任意の数があり得る。
次に、格子点体を形成する直方体の大きさについて述べる。
図41、図42の例では、各々の格子点体はすべて同じ大きさの直方体となっている。このように格子点体となるすべての直方体が同じ大きさであれば問題なく、格子点体が立方体である場合の図7〜図40に示した組み立て方法が適用できる。
もし、格子点体を形成する直方体の大きさが異なる場合は、端部に位置する直方体の長さが、橋梁部と橋梁部の間に挟まれた直方体の長さに比べて同一または短いものであり、かつ、高さの長さに比べて同一または長いものとする。この条件であれば、格子点体を形成する直方体の大きさが異なっても図7〜図40に示した組み立て方法が適用できる。
以上、本発明の格子子を組み合わせた格子体の組み立て方法、その方法に用いる格子子、その方法により製作されるオブジェクトの構成例における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明の格子子を組み合わせた格子群体の組み立て方法は、格子子を用いて様々なオブジェを製作する組み立て方法として広く適用することができる。
100 格子子を組み合わせた格子群体
110 第1のタイプの格子子
111 格子点
112 橋梁部
120 第2のタイプの格子子
121 格子点
122 橋梁部
130 第3のタイプの格子子
131 格子点
132 橋梁部
140 終端格子子

Claims (23)

  1. ある大きさの四角柱体を基準とし、少なくとも3個以上の前記四角柱体がその高さの長さに相当する間隔を空けて同一方向の軸に沿って並べられた格子点体と、前記格子点体同士の対向空間を前記軸方向に連結する少なくとも2個以上の橋梁部を備えた格子子を基本構成物体とし、
    前記格子子が前記橋梁部の形状に応じて少なくとも複数のタイプがあり、
    それらの前記軸が相互に直交するように3つの前記格子子の前記対向空間および前記橋梁部同士を三重に組み合わせて三重交差点が形成でき、前記三重交差点を形成した状態でそれらのうち少なくとも2つの前記橋梁部の形状が前記三重交差点内で相互に嵌合し合う形状であり、残りの1つの前記橋梁部の形状が回転可能に前記三重交差点を貫通するように組み合う形状であり、
    前記橋梁部と前記格子点体が繰り返しに並んでいる部分で未だ三重交差点が形成されていない箇所を展開枝と定義した場合において、前記三重交差点を形成する際に、前記三重交差点を形成する前記3つの前記格子子のうち少なくとも1つから外方へ向けて前記展開枝がいずれかの前記軸方向に沿って突出し得るように組み付けてゆき、かつ、隣接する前記基本構成物体である前記格子子の端面同士が当接する当接面が形成されないように組み上げてゆくことでいずれかの前記軸方向に沿って外方へ展開し、少なくとも8個以上の三重交差点を含みつつ前記当接面のない連続した格子群体を形成することを特徴とする格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  2. 前記四角柱体が立方体であることを特徴とする請求項1に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  3. 前記四角柱体が直方体であり、前記軸方向が長辺、前記高さ方向が短辺となるように配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  4. 端部に位置する前記直方体の長さが前記橋梁部と前記橋梁部の間に挟まれた前記直方体の長さに比べて同一または短いものであり、かつ、前記高さの長さに比べて同一または長いものであることを特徴とする請求項3に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  5. 前記三重交差点の格子体を同一平面上でかつ前記展開枝の突出方向が揃うように並べ、任意の3つの前記三重交差点から突出しているそれぞれの展開枝同士によって三重交差点を形成することにより、連綿と前記三重交差点の格子体を前記同一平面上でかつ前記展開枝の突出方向が揃うように組み付けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  6. 前記格子子がすべて同一形状のものである請求項5に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  7. 前記三重交差点から突出した展開枝に新たな前記三重交差点を設けることを繰り返して4つの前記三重交差点を形成し、各々の前記三重交差点が正方形の頂点となるよう配置された4つの前記三重交差点からなる井桁格子群体を形成し、前記井桁格子群体を構成する4つの前記三重交差点のうち少なくとも1つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、前記複数の井桁格子群体を少なくとも2つ以上含み、いずれかの前記軸方向に並べて組み合わせて外方に展開されている格子群体を作成する請求項1から4のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  8. 前記格子群体を構成する各々の前記格子子において、前記格子点体の数および前記橋梁部の数が多いものと少ないものが混在するよう前記格子子を選択しつつ組み立ててゆく請求項7に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  9. 前記三重交差点から突出した展開枝に新たな前記三重交差点を設けることを繰り返して8つの前記三重交差点を形成し、各々の前記三重交差点が立方格子の頂点となるよう配置された8つの前記三重交差点からなる立方格子群体を形成し、前記立方格子群体を構成する8つの前記三重交差点のうち少なくとも1つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する請求項1から4のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  10. 前記立方格子群体を構成する各々の前記格子子において、前記格子点体の数および前記橋梁部の数が多いものと少ないものが混在するよう前記格子子を選択しつつ組み立ててゆく請求項9に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  11. 前記立方格子群体を構成する8つの前記三重交差点のうち隣り合わない任意の2つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する請求項9または10に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  12. 前記立方格子群体を構成する8つの前記三重交差点のうち隣り合わない任意の3つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する請求項9または10に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  13. 前記立方格子群体を構成する8つの前記三重交差点のうち隣り合わない任意の4つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する請求項9または10に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  14. 前記立方格子群体を構成する8つの前記三重交差点のうち隣り合う2つの前記三重交差点からなる組を2組選び、当該2組同士が隣り合わない関係にある任意の4つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する請求項9または10に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  15. 前記三重交差点から突出した展開枝に新たな前記三重交差点を設けることを繰り返して7つの前記三重交差点を形成し、各々の前記三重交差点が立方格子の8頂点のうちの7頂点となるよう配置された7点不完全立方格子群体とし、前記7点不完全立方格子群体を構成する7つの前記三重交差点のうち少なくとも1つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する請求項1から4のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  16. 前記7点不完全立方格子群体を構成する各々の前記格子子において、前記格子点体の数および前記橋梁部の数が多いものと少ないものが混在するよう前記格子子を選択しつつ組み立ててゆく請求項15に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  17. 前記三重交差点から突出した展開枝に新たな前記三重交差点を設けることを繰り返して6つの前記三重交差点を形成し、各々の前記三重交差点が立方格子の8頂点のうちの6頂点となるよう配置された6点不完全立方格子群体とし、前記6点不完全立方格子群体を構成する6つの前記三重交差点のうち少なくとも1つの前記三重交差点から少なくとも1本の前記展開枝を外方に向けて突出させるように組み合わせてゆき、格子群体を作成する請求項1から4のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  18. 前記6点不完全立方格子群体を構成する各々の前記格子子において、前記格子点体の数および前記橋梁部の数が多いものと少ないものが混在するよう前記格子子を選択しつつ組み立ててゆく請求項17に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  19. 前記橋梁部が形成されている前記対向空間を8つの小立方体空間を組み合わせた立方空間と見立てた場合に、前記格子子が3つのタイプがあり、
    第1のタイプの前記格子子の前記橋梁部は円柱体であり、前記軸方向に並んだ一組の2つの前記小立方体空間に内接するように前記格子点体の中心から偏心しており、残りの6つの前記小立方体空間は前記橋梁部が通過しない空間であり、
    第2のタイプおよび第3のタイプの前記格子子の前記橋梁部は、前記軸方向に沿って平面をなす一組の4つの前記小立方体空間内に凹凸形状をもって設けられ、残りの4つの前記小立方体空間は前記橋梁部が通過しない空間であり、
    前記第2および前記第3のタイプの前記格子子の前記橋梁部の前記凹凸形状同士が嵌合し合う形状であり、前記三重交差点において前記第2および前記第3のタイプの前記格子子の前記対向空間中の前記橋梁部が通過しない空間が重複して形成された空間を前記第1のタイプの前記格子子の前記橋梁部が回転可能に貫く構造であることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  20. 前記第2のタイプおよび前記第3のタイプの前記格子子の前記橋梁部の前記凹凸形状が、前記軸方向に沿って平面をなす一組の4つの前記小立方体空間のうち3つが前記橋梁部であり、残りの1つが空間であるL字型であることを特徴とする請求項19に記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  21. 前記軸が相互に直交するように3つの前記格子子の前記対向空間同士および前記橋梁部を三重に組み合わせて前記三重交差点を形成した状態において、前記第1のタイプの前記格子子をその偏心している前記回転軸を中心に回転した場合、その回転軌跡において、前記第2のタイプの前記格子子が前記第1のタイプの前記格子子の前記軸方向に移動可能となる状態と、前記第3のタイプの前記格子子が前記第1のタイプの前記格子子の前記軸方向に移動可能となる状態が存在する構造であることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法。
  22. 請求項1から21のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法に用いられる前記格子子。
  23. 請求項1から21のいずれかに記載の格子子を用いた格子群体の組み立て方法により製作されたオブジェ。
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