JP6984116B2 - 金属部品の研磨量取得方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使用後の金属部品の表面を研磨して再使用する際に適用することができる研磨量取得方法に関する。
多段圧延装置のバックアップロール(例えば、特許文献1参照)は、使用に伴って表面に傷や転動疲労、熱による変色等が生じるため、所定の稼働時間が経過した後に研磨加工を行い、表面に生じた傷等の影響層を除去することによってバックアップロールを回復させ、再使用することが行われている。このような再使用は、バックアップロールの外径が所定の限界値(最小値)に達するまで行われる。
特開2009−195928号公報
従来、バックアップロールの表面の傷等を除去するためにどの程度の研磨量で加工するかはユーザー側の判断に委ねられていた。例えば、ユーザーが独自に定めた一定の量で研磨を行う方法や、バックアップロールの外観等に応じてその都度設定した任意の量で研磨を行う方法等が採られていた。そのため、ユーザーによって研磨量に大きなばらつきが生じ、必要以上に研磨してしまうことによって早期に外径が限界値に達したり、研磨量が不足することによって十分に回復できない可能性があった。また、多段圧延装置の種類や稼働環境、バックアップロールを構成する複数の分割ロールの使用箇所等に応じて受ける荷重は異なるため、圧延による影響層はバックアップロール毎に異なるものである。
本発明は、以上のような実情に鑑み、使用後の金属部品の表面の状態を評価して最適な研磨量を取得することができる金属部品の研磨量取得方法を提供することを目的とする。
本発明の金属部品の研磨量取得方法は、金属部品の表面にX線を照射することによって非破壊にて取得される所定の情報をパラメータとして測定し、このパラメータを用いて前記金属部品の表面の研磨量を取得する方法であって、(a)使用後の金属部品の表面にX線を照射することによって使用後パラメータを測定する工程、(b)使用前の前記金属部品についての使用前パラメータに対する前記使用後パラメータの変化量を求める工程、(c)前記使用前パラメータに対する前記使用後パラメータの変化量と当該変化量に対応する研磨量の実績値との関係を示す実績研磨量情報を用いて、前記工程(b)で求めた変化量に対応する実績値を求め、当該実績値よりも少ない値の研磨量を取得する工程、(d)取得された研磨量で前記金属部品の表面を研磨した後に、前記金属部品の表面にX線を照射することによって研磨後パラメータを測定する工程、及び(e)前記使用後パラメータと前記研磨後パラメータとの関係性に基づいて、前記研磨後パラメータを前記使用前パラメータに近づかせる研磨量を取得する工程、を含み、前記工程(d)で測定した前記研磨後パラメータが前記使用前パラメータと同等の値になるまで前記工程(d)及び前記工程(e)を繰り返し行い、二度目以降の前記工程(e)では前記使用後パラメータ及び全ての前記研磨後パラメータと、これらパラメータを測定する直前に取得された研磨量と、を用いて線形関係又は非線形関係を含む前記関係性を解析し、前記パラメータの回復傾向を把握して前記研磨量を取得することを特徴とする。
上記の研磨量取得方法によれば、金属部品の表面にX線を照射することによって非接触・非破壊で測定した所定のパラメータを用いて定量的に金属部品の研磨量を取得することができる。そのため、ユーザーの判断に委ねた従来方法と比較して、より適切な研磨を行うことができ、金属部品の表面の状態を好適に回復させることができる。
前記パラメータは、回折X線の半価幅であることが好ましい。
回折X線の半価幅は、金属部品の表面の傷や疲労等の状態を適切に反映する。そのため、パラメータとして半価幅を用いることによってより適切な研磨量を取得することができる。
前記パラメータは、回折X線により求められる残留応力であってもよい。
金属部品の表面に生じている残留応力、特に引張応力は割れ等の発生原因となる。そのため、当該残留応力をパラメータとして用い、このパラメータに基づいて研磨量を取得することによって研磨により使用前の残留応力に戻す(回復する)ことが可能となる。
前記金属部品は、回転輪として外部の部品に転がり接触する転がり軸受の外輪であってもよい。
本発明によれば、使用後の金属部品の表面の状態を評価して最適な研磨量を取得することができる。
実施形態に係る金属部品を備えた多段圧延装置の概略側面図である。 バックアップロールを示す概略正面図である。 分割ロールの一部を拡大して示す断面図である。 支持面の回復作業を行うための装置構成を示すブロック図である。 X線回折装置によって半価幅を測定する箇所を示す外輪の断面図である。 半価幅と研磨量との関係を説明するグラフである。 半価幅と、実績研磨量及び実際の研磨量との関係を説明するグラフである。 支持面の回復作業の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る金属部品を備えた多段圧延装置の概略側面図である。
[多段圧延装置の構造]
多段圧延装置10は、1−2−3−4ロール配列を有する20段クラスタ圧延装置とされている。薄板材などの被圧延材Wは、上下一対の圧延ロール11の間を図1の左右方向に通され、圧延される。
上下一対の圧延ロール11は、4本(上下各2本)の第1中間ロール12によって支持されている。4本の第1中間ロール12は、6本(上下各3本)の第2中間ロール13によって支持されている。そして、6本の第2中間ロール13は、8本(上下各4本)のバックアップロール14によって支持されている。
図2は、バックアップロール14を示す概略正面図である。
バックアップロール14は、軸方向に並べられた複数の分割ロール15と、複数の分割ロール15を同心状に取り付けるシャフト16とを備えている。シャフト16は、図1に示すように、多段圧延装置10のハウジング17に取り付けられたサドル18に固定されている。本実施形態では、6個の分割ロール15が軸方向に所定の間隔をあけて配置され、6個の分割ロール15の各間及び軸方向両端の分割ロール15の軸方向外側にサドル18が配置されている。
図3は、分割ロール15の一部を拡大して示す断面図である。
分割ロール15は、転がり軸受により構成されている。具体的に、分割ロール15は、内輪20と、外輪21と、複数の転動体22と、保持器23とを備えた円筒ころ軸受により構成されている。内輪20は、軸受鋼や機械構造用鋼等を用いて円筒状に形成され、シャフト16の外周面に嵌合されることによってシャフト16に固定されている。内輪20の外周面には、軌道面20aが形成されている。
外輪21は、軸受鋼や機械構造用鋼等を用いて円筒状に形成され、内輪20の径方向外側に間隔をあけて内輪20と同心状に配置されている。外輪21の内周面には、軌道面21aが形成されている。
転動体22は、内輪20の軌道面20aと外輪21の軌道面21aとの間に周方向に間隔をあけて複列(2列)に配置され、各軌道面20a、21a上を転動する。
保持器23は、内輪20と外輪21との径方向の間に配置され、転動体22の周方向の間隔を保持している。
分割ロール15の外輪21は、シャフト16の軸心回りに回転する回転輪とされている。そして、外輪21は、外周面21bが第2中間ロール13(図1参照)に接することによって回転する。つまり、外輪21は、第2中間ロール13に転がり接触する。外輪21の外周面21bは、第2中間ロール13を支持する支持面を構成している。
多段圧延装置10の稼働に伴って、分割ロール15の支持面21bは傷や転動疲労を受ける。そのため、所定の期間稼働した後、多段圧延装置10からバックアップロール14を取り外し、外輪21の支持面21bを研磨することによって圧延による影響層を除去し、分割ロール15を新品と同等の状態に回復させることが行われている。このような回復作業を行うことによって、バックアップロール14を再び圧延のために使用することができ、第2中間ロール13の支持機能を十分に発揮させることができる。
[分割ロールの回復作業]
分割ロール15の支持面21bを回復させるための作業は、次のような作業からなる。
(A)支持面21bの状態を測定する作業
(B)支持面21bの状態に基づいて研磨量を取得する作業
(C)支持面21bを研磨する作業
図4は、各作業(A)〜(C)を行うための装置構成を示すブロック図である。作業(A)は、X線回折装置31を用いて行われる。作業(B)は、処理装置32を用いて行われる。作業(C)は、研磨装置33を用いて行われる。図4において、点線矢印は、回復対象(研磨対象)となる外輪21の流れを示しており、実線矢印は、回復作業に用いられるデータ(X線回折データ、研磨量データ)の流れを示している。
<作業(A)の詳細>
本実施形態では、支持面21bの状態として、X線回折法による半価幅(半値幅)が測定される。この半価幅は、支持面21bにX線を照射することによって得られる回折パターンの幅のうち、ピーク強度の半分の強度値における幅をいう。この半価幅は、焼入れされた鉄鋼部品の場合、初期値として大きな値を示し、傷や転動疲労等の影響を受けると値が小さくなる。したがって、半価幅は、支持面21bの損傷等の程度を知るためのパラメータとすることができる。
また、本実施形態では、以下に示すような半価幅の測定を行う。
(1)分割ロール15を使用する前の予備測定
(2)分割ロール15を使用した後の一次測定
(3)支持面21bを研磨した後の二次測定
(予備測定)
予備測定は、分割ロール15を使用する前、すなわち分割ロール15(外輪21)を製造してからバックアップロール14として圧延装置10に組み込まれるまでの間に行われる。予備測定は、製造された全ての分割ロール15について行ってもよいし、同一の製造ロットに含まれる1又は複数の分割ロール15について行ってもよい。前者の場合、個々の分割ロール15について半価幅が管理される。後者の場合、製造ロット毎に分割ロール15の半価幅が管理される。予備測定された半価幅は、処理装置32の記憶部に記憶され、管理される。なお、以下の説明においては、予備測定された半価幅のことを「使用前半価幅」ともいう。
(一次測定)
一次測定は、多段圧延装置10を稼働することによって分割ロール15を使用した後に行われる。例えば多段圧延装置10を所定期間稼働した後、メンテナンスのためにバックアップロール14を分解し、分割ロール15の外輪21を回復させる作業を行う前に、半価幅の一次測定が行われる。このとき測定される半価幅は、通常、分割ロール15を使用する前の新品の状態と比較して小さい値となる。
なお、以下の説明においては、一次測定された半価幅のことを「使用後半価幅」ともいう。
一次測定された使用後半価幅と、予備測定された使用前半価幅とは、上記作業(B)において、分割ロール15の外輪21を回復させる作業を行う際の最初の研磨量(一次研磨量)を設定するために用いられる。
(二次測定)
二次測定は、支持面21bの状態を回復させるため支持面21bを研磨した後に行われる。また、二次測定は、複数回の研磨を行った場合には、各回の研磨の後に行われる。二次測定された半価幅は、研磨による支持面21bの回復状態を確認するため、及び上記工程(B)において次の(追加の)研磨量を取得するために測定される。なお、以下の説明においては、二次測定された半価幅のことを「研磨後半価幅」ともいう。
(測定箇所)
図5は、X線回折装置31によって半価幅を測定する箇所を示す外輪の断面図である。本実施形態では、図5(a)に示すように、外輪21の支持面(外周面)21bのうち、幅方向(軸方向)中央(α)と、幅方向両端におけるクラウニング部(β)と、幅方向中央(α)とクラウニング部(β)との間の直線部分(γ)との5箇所における半価幅が測定される。このように軸方向の複数箇所で半価幅を測定するのは、軸方向の位置によって荷重のかかり方に偏りがあり、傷等の程度が異なるからである。
また、半価幅は、図5(b)に示すように、外輪21の支持面21bにおける周方向の1位相(δ)において測定される。本実施形態では、外輪21の外周面21bにおける特定の1位相(δ)で半価幅が測定される。例えば、外輪21の側面に施された刻印21c(メーカー名を記す刻印等)を目印として特定される1位相とすることができる。ただし、外輪21の外周面21bは、周方向のどの位相においても同一の半価幅であると推定することができるため、任意の1位相を測定箇所に設定してもよい。
(半価幅と研磨量との関係)
図6は、半価幅と研磨量との関係を説明するグラフである。
図6において、使用前の支持面21bの半価幅を(a)、使用後の支持面21bの半価幅を(b)で示す。分割ロール15を使用することによって、半価幅は(a)から(b)に減少している。そのため、支持面21bの半価幅を再び(a)にまで回復させるために研磨が行われる。このとき、研磨量が不足していると半価幅は(a)には到らず、十分に回復できない。また、半価幅が(a)に到達してから更に研磨したとしても半価幅はほとんど上昇せず、過研磨となって支持面21bの外径が無駄に消費され、早期に限界値に達してしまう。したがって、過不足なく研磨量を設定することが重要となる。次に説明する作業(B)は、過不足のない最適な研磨量を求めるために行われる。
なお、作業(A)に用いるX線回折装置31は、可搬型のものを用いることができ、その後の研磨量取得作業(B)で用いる処理装置32や、研磨作業(C)で用いる研磨装置33の近傍に設置することが作業効率の点で好ましい。
<作業(B)の詳細>
作業(A)において測定された半価幅は、専ら支持面21bの研磨量を取得するために用いられる。この研磨量は、回復作業を行う際に最初に行われる研磨加工の一次研磨量と、2回目以降の研磨加工の二次(追加)研磨量とからなる。
各研磨量を取得する処理装置32には、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。処理装置32は、CPU等のプロセッサにより構成される演算部、メモリー等の記憶部、情報の入出力を行うための入出力部等を備えている。記憶部には、一次研磨量を取得するために参照されるデータベースDBが記憶されている。処理装置32は、X線回折装置31に一体的に備わったものであってもよい。
(一次研磨量)
一次研磨量は、記憶部に予め記憶されたデータベース(実績研磨量情報)DBを参照して取得される。このデータベースDBは、使用前後の支持面21bの半価幅の変化量と、この変化量に対応する研磨量の実績値との関係を示す情報を蓄積したものである。処理装置32は、予備測定された使用前半価幅と一次測定された使用後半価幅とから、使用前後の半価幅の変化量を求め、この変化量に対応する実績研磨量をデータベースDBを参照することによって取得する。なお、データベースDBを構成する実績値は、実際に圧延装置10で使用された分割ロール15を回復させたときの研磨量、又はデータベース作成のための供試体を用いて取得した研磨量を適用することができる。
図7は、半価幅と実績研磨量及び実際の研磨量との関係を説明するグラフである。
図7において、使用前半価幅は(a)、使用後半価幅は(b)で示されている。そして、データベースDBを参照することによって使用前後の半価幅の変化量((a)−(b))から実績研磨量が求められる。
使用に伴う支持面21bの半価幅の変化は、多段圧延装置10の種類や稼働環境、バックアップロール14における分割ロール15の使用箇所等に応じて変化するため、データベースDBに蓄積された実績研磨量が全ての分割ロール15に最適であるとは限らない。そのため、実績研磨量で支持面21bを研磨したとしても過研磨となる可能性がある。したがって、本実施形態では、実績研磨量よりも少ない値を一次研磨量とすることによって過研磨を防止する。例えば、処理装置32は、図7に示すように、実績研磨量の半分の値を一次研磨量に設定する。
(二次研磨量)
一次研磨量は、実績研磨量よりも少ない値であるため、一次研磨量で研磨を行ったとしても、支持面21bの研磨後半価幅は、使用前半価幅に到っていない可能性が高い。そのため、処理装置32は、追加の研磨加工のための二次研磨量を求める。二次研磨量は、一次測定による使用後半価幅と二次測定による研磨後半価幅との関係性(半価幅の回復傾向)を解析して求められる。例えば、図7に示すように、一次研磨量で研磨した後に二次測定された研磨後半価幅(c)は、使用後研磨幅(b)との間で線形関係にあると考えられる。そのため、二次研磨量は、そのような関係性を考慮して設定される。具体的に、処理装置32は、当該関係性を考慮して、使用前半価幅(a)に到達すると考えられる研磨量(解析研磨量)を求め、その研磨量よりも少ない(例えば、半分の)研磨量を二次研磨量として設定する。
支持面21bが二次研磨量で研磨された後、再び、X線回折装置31によって支持面21bの半価幅(研磨後半価幅)が二次測定される。この段階で、1つの使用後半価幅と、2つの研磨後半価幅とが取得されていることになる。処理装置32は、これら3つの半価幅の関係性(線形関係又は非線形関係)を解析し、支持面21bの回復傾向を把握してさらなる二次研磨量を設定する。このように、解析に用いる半価幅の数が増えることによってより正確に回復傾向を把握することができる。
以上の二次測定は、研磨後半価幅(c)が使用前半価幅(a)に到達するまで繰り返し行われる。
なお、図5を参照して説明したように、半価幅の測定は、支持面21bの幅方向の複数箇所で行われるが、半価幅の値は、通常、測定箇所によって異なっている。そのため、上記のように研磨量を設定する際には、最も小さい半価幅、すなわち傷等の影響層が最も深いと考えられる半価幅を採用する。これにより、支持面21bの幅方向全体の状態を回復することができる。
<作業(C)の詳細>
研磨装置33は、作業(B)によって設定された一次研磨量、二次研磨量で支持面21bを研磨する。研磨装置33は、円筒状の部品を研磨するのに適した従来公知の装置を用いることができる。また、一次研磨量又は二次研磨量の入力により数値制御されるNC研磨装置を用いることがより好適である。
[回復作業における全体プロセス]
図8は、支持面21bの回復作業の流れを示すフローチャートである。以下、図8を参照して、主にX線回折装置31及び処理装置32による全体の作業の流れを説明する。
まず、多段圧延装置10に組み込まれる前の分割ロール15について、X線回折装置31によって支持面21bの半価幅(使用前半価幅)が測定される(ステップS1)。測定された使用前半価幅の情報は、処理装置32の記憶部に記憶され、管理される(ステップS11)。
その後、多段圧延装置10にバックアップロール14として分割ロール15が組み込まれ、圧延作業が行われる。多段圧延装置10が所定の期間稼働された後、メンテナンスのためバックアップロール14が分解され、分割ロール15の外輪21がX線回折装置31に供される。
次いで、X線回折装置31によって使用後の分割ロール15の支持面21bの半価幅(使用後半価幅)が測定される(ステップS2)。測定された使用後半価幅は、処理装置32に送信され記憶部に記憶される(ステップS12)。
処理装置32は、使用前半価幅と使用後半価幅との差である変化量を算出し(ステップS13)、さらに、データベースDBを参照して一次研磨量を設定する(ステップS14)。一次研磨量は、前述したように、使用前後の半価幅の変化量からデータベースDBを参照して取得される実績研磨量よりも少ない値(例えば、半分の値)が採用される。設定された一次研磨量の情報は研磨装置33に送られ、研磨装置33において一次研磨が行われる。
次いで、X線回折装置31によって、一次研磨された支持面21bの半価幅(研磨後半価幅)が測定される(ステップS3)。この研磨後半価幅は、処理装置32に送信され、記憶部に記憶される(ステップS15)。
処理装置32は、研磨後半価幅と使用前半価幅とを比較し、追加の研磨が必要であるか否かを判断(追加研磨の要否確認)する(ステップS16)。研磨後半価幅が使用前半価幅と同等であった場合には、追加の研磨は不要であるので回復作業を終了する。
処理装置32は、追加の研磨が必要であると判断すると、使用後半価幅と研磨後半価幅とから研磨の前後における半価幅の変化(回復傾向)を解析する(ステップS17)。そして、処理装置32は、その回復傾向に基づいて二次研磨量を求める(ステップS18)。
その後、二次研磨量の情報は研磨装置33に送られ、研磨装置33によって二次研磨が行われる。そして、再び二次測定(ステップS3)〜二次研磨量の設定(ステップS18)の工程(図8において1点鎖線で囲まれた工程)が繰り返し行われ、支持面21bが使用前の新品同等の状態にまで回復される。
なお、支持面21bを新品同等の状態に回復させるまでの全体の研磨量(一次研磨量及び二次研磨量の合計)は、使用前半価幅と使用後半価幅との変化量データとともに、データベースDBに蓄積してもよい。
[本実施形態の作用効果]
以上のように本実施形態では、分割ロール15の支持面21bの状態を表す半価幅を用いて定量的に研磨量を求め、その研磨量に基づいて使用前と同等の状態にまで支持面21bを回復させている。そのため、過不足のない適切な研磨を行うことができ、分割ロール15の外径が早期に限界値に達したり回復が不十分となったりすることを防止することができ、最適な再使用が可能となる。
また、支持面21bの状態を反映する回折X線の半価幅を用いることによって、非接触・非破壊で支持面21bの状態を適切に把握することができ、測定に伴って新たな傷等が発生するのを防止することができる。
なお、支持面21bを過研磨を防止するためには、任意の微小量での研磨と半価幅の測定とを繰り返し行うことも考えられるが、この場合、研磨作業と測定作業との繰り返し頻度が非常に多くなり、非効率的である。本実施形態では、研磨量の過去の実績値や、研磨による半価幅の回復傾向に基づいて研磨量を設定しているため、研磨作業と測定作業との繰り返し頻度を可及的に少なくし、効率のよい回復作業を行うことができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されることなく特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において変更することが可能である。例えば、以下のような実施形態を採用することができる。
(1)上記実施形態においては、支持面21bの状態を示すパラメータとして、回折X線の半価幅を用いていた。他の実施形態として、半価幅に加えて回折X線によって求められる残留応力をパラメータとして用いることができる。回折X線によって残留応力を測定可能であることは従来公知であり、支持面21bに発生している引張応力又は圧縮応力を測定することによって、これらを加味した研磨量を採用することができる。特に、支持面21bに生じた引張応力は、微細な傷を起点とした割れ等の発生原因となる。そのため、回折X線により引張応力が測定された場合には、半価幅のみに基づいて取得された一次研磨量又は二次研磨量よりも大きな値を研磨量として設定することによって、研磨によって使用前の残留応力に戻す(回復する)ことが可能である。その結果、支持面21bでの破損や割れ等を未然に防止することができる。
(2)上記実施形態においては、多段圧延装置10のバックアップロール14に適用される分割ロール15を対象として支持面21bの状態を回復させることについて説明したが、これに限定されるものではなく、あらゆる金属部品の表面の状態を回復させるために適用することができる。また、金属部品の表面の状態として、回折X線の半価幅や回折X線により求められる残留応力に限らず、残留オーステナイト等のその他のパラメータを用いてもよい。ここで、例えば回折X線の半価幅と残留オーステナイトとのパラメータを同時に用いることによって、より精度の高い研磨量を取得することが可能となる。
10:多段圧延装置、15:分割ロール(転がり軸受)、21:外輪(金属部品)、21b:外周面(支持面)、31:X線回折装置、32:処理装置、33:研磨装置、DB:データベース(実績研磨量情報)

Claims (4)

  1. 金属部品の表面にX線を照射することによって非破壊にて取得される所定の情報をパラメータとして測定し、このパラメータを用いて前記金属部品の表面の研磨量を取得する方法であって、
    (a)使用後の金属部品の表面にX線を照射することによって使用後パラメータを測定する工程、
    (b)使用前の前記金属部品についての使用前パラメータに対する前記使用後パラメータの変化量を求める工程、
    (c)前記使用前パラメータに対する前記使用後パラメータの変化量と当該変化量に対応する研磨量の実績値との関係を示す実績研磨量情報を用いて、前記工程(b)で求めた変化量に対応する実績値を求め、当該実績値よりも少ない値の研磨量を取得する工程、
    (d)取得された研磨量で前記金属部品の表面を研磨した後に、前記金属部品の表面にX線を照射することによって研磨後パラメータを測定する工程、及び
    (e)前記使用後パラメータと前記研磨後パラメータとの関係性に基づいて、前記研磨後パラメータを前記使用前パラメータに近づかせる研磨量を取得する工程、
    を含み、
    前記工程(d)で測定した前記研磨後パラメータが前記使用前パラメータと同等の値になるまで前記工程(d)及び前記工程(e)を繰り返し行い、二度目以降の前記工程(e)では前記使用後パラメータ及び全ての前記研磨後パラメータと、これらパラメータを測定する直前に取得された研磨量と、を用いて線形関係又は非線形関係を含む前記関係性を解析し、前記パラメータの回復傾向を把握して前記研磨量を取得することを特徴とする、金属部品の研磨量取得方法。
  2. 前記パラメータが、回折X線の半価幅である、請求項1に記載の金属部品の研磨量取得方法。
  3. 前記パラメータが、回折X線により求められる残留応力である、請求項2に記載の金属部品の研磨量取得方法。
  4. 前記金属部品は、回転輪として外部の部品に転がり接触する転がり軸受の外輪である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属部品の研磨量取得方法。
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