JP4013056B2 - 軸受負荷状態診断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、単列や複列の例えば、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、等といった転がり軸受の熱処理された鋼製回転軌道輪および鋼製固定軌道輪(即ち、内輪および外輪)の軌道面(『走行面』や『レース面』等とも称される。)、および熱処理された鋼製転動体(即ち、ころ又は玉)の転動面(『走行面』等とも称される。)の負荷状態を非破壊にて診断する軸受負荷状態診断方法に関し、特に鉄鋼設備に使用される圧延機用ロールネック用であって、所定時間使用された円筒ころ軸受又は円筒ころ軸受に適したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
転がり軸受(以下、単に『軸受』と称す。)は、例えば回転軸とハウジングとの間、即ち、一方の構成要素が他方の構成要素に対して回転するような当該構成要素間の摩擦を減少させるために軌道輪(即ち、内外輪)上の軌道面に沿って転動する転動体を有する。
【0003】
軸受は、疲労によって寿命に達して損傷に至るものが一般的には多い。しかし、過大な荷重が軸受に負荷されたり、軸受の取付け先(例えば、回転軸やハウジング)の精度の劣化によりミスアライメントが生じたりすると早期剥離や焼付き等の予期せぬトラブルを引き起こすことがある。
【0004】
このような予期せぬトラブルが生じた場合、原因の推定のために外輪や内輪の軌道面における転動体の走行跡を点検して負荷状態を判断したとしても、外観点検での判断であるため、十分な負荷状態観察ができない。
【0005】
一方、軸受の軌道面に沿って移動する光センサを用いて非破壊で当該軸受の軌道面を検査する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、軸受の疲労前に対する疲労後の残留オーステナイトの減少量をX線解析装置を用いて測定して、当該軸受の疲労度を測定する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、焼入れ鋼に切削加工または研削加工を施すことによって発生する加工変質層の深さを非破壊で検出する渦電流方式の非破壊検出方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
渦電流方式の非破壊検出方法には、コイルに励磁電流を流して測定対象金属内に渦電流を誘導し、その渦電流によって当該コイルに生じるインピーダンスの変化を検出する所謂渦電流センサが用いられる。当該渦電流センサを用いれば、熱処理された浸炭層の深さの測定、金属組織変化(例えば、残留オーステナイトの減少量)の測定、等も行なえることは知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−167790号公報(第2〜3頁、図1)
【特許文献2】
特公昭63−34423号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開平10−206395号公報(第2〜3頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に係る方法は、軸受の軌道面における表面欠陥を検査するための方法であるため、軌道輪内部や転動体内部の疲労による状態の変化を検出することには不向きである。
【0011】
また、特許文献2に係る方法は、軌道輪内部や転動体内部の疲労による状態の変化(即ち、残留オーステナイト量の変化)を検出できる点優れているが、測定対象となる軌道輪や転動体を研削して被測定面を露出させねばならないことから、非破壊検査には不向きである。
【0012】
一方、特許文献3に係る方法では、渦電流センサを用いて軸受の疲労による鋼中の残留オーステナイトの減少量を測定することのみによって、当該軸受の疲労度を直接診断したり、当該軸受の余寿命を判定したりすることは非常に困難である。
【0013】
その理由としては、渦電流は鋼中の残留オーステナイト量に比例し、そしてカーボン量に反比例するが、軸受には種々の鋼が採用され且つ、各鋼によって熱処理も異なり、鋼中のカーボン量は軸受の種類によって異なってくることから、残留オーステナイトの変化量とカーボン量との関係だけを捉えても定量的な疲労度の診断ができないからである。
【0014】
更に、軸受寿命との関係を捉える場合も、使用される設備固有の使用条件が複雑であり実用的ではないことが理由として挙げられる。
【0015】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸受に異常な負荷状態が生じた場合でも、渦電流センサを用いて軸受鋼中の疲労による残留オーステナイトの減少量を測定することで当該負荷状態の診断を行うことができる軸受負荷状態診断方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係る軸受負荷状態診断方法は、請求項1に記載したように、
コイルを備え、当該コイルに励磁電流を流して、鉄鋼設備で使用される圧延機用ロールネック用に使用される鋼製の円筒ころ軸受又は円錐ころ軸受に関してこれら軸受の内輪軌道面、外輪軌道面、またはころ転動面の表面に渦電流を誘導し、その渦電流によって前記コイルに生じるインピーダンスの変化を検出する渦電流センサを用いて、
前記内輪軌道面、前記外輪軌道面、またはころ転動面が負荷を受け所定時間使用されることによって生じる材料の疲労進行に伴う表面及びその近傍内部の残留オーステナイトの変化を測定し、
その測定結果から前記内輪軌道面、前記外輪軌道輪の軌道面、または前記転動体の転動面の疲労傾向を疲労傾向情報として把握し、一方
前記内輪軌道面、前記外輪軌道面、またはころ転動面の負荷状態における、ミスアライメントによる荷重分布、エッジロード分布、複列の軸受であった場合の各列間の荷重分担崩れ度合い、異常アキシャル荷重負荷分布、に係る疲労パターン情報を予め用意しておき、そして
前記疲労傾向情報と、前記疲労パターン情報と、を比較してそれら軸受の負荷状態を診断することを特徴としている。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、軸受の疲労傾向情報と疲労パターン情報とを比較してこれら軸受の負荷状態を診断するので、軸受の早期剥離等の損傷原因を究明したり、ユーザの設備上の問題を究明したり、その改善方法を見出したりする手段として利用できる。
よって、軸受使用現場での直接診断が可能となり、軸受事故に対する予防保全を行なうことが可能となる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明に係る好適な実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
はじめに、本発明に係る軸受負荷状態診断方法は、単列や複列の例えば、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、等といった軸受の回転軌道輪(例えば、内輪)の軌道面、固定軌道輪(回転軌道輪が例えば内輪の場合、外輪)の軌道面、および回転軌道輪と固定軌道輪との間で周方向に転動自在に配設された複数の転動体(即ち、ころ又は玉)の転動面、の疲労進行に伴う残留オーステナイト量の変化(即ち、減少量)を前述した渦電流センサを用いて測定する。
なお、本発明に係る軸受負荷状態診断方法を、前述した軸受のうち、円筒ころ軸受又は円錐ころ軸受が多用されて負荷状態の診断が重要となる請求項1の軸受、内輪の軌道面、外輪の起動面、ころ転動面に適用すると好適である。
【0020】
そして、その測定結果から軸受の各測定面の疲労傾向を把握し、当該把握した疲労傾向情報に軌道面と転動面との機械的な接触理論、即ち後述する疲労パターン情報と比較して軸受の負荷状態の診断を行う。
【0021】
図1は、本発明に係る軸受負荷状態診断の診断ステップ(S4)に至るまでの論理フローを示す図である。
【0022】
図1に示されるように、先ず、外輪および内輪の軌道面およびころの転動面の残留オーステナイトの変化量が渦電流センサで検出され且つ情報化される(即ち、ステップS1)。このとき、当該渦電流センサからは内部増幅・処理回路等を介して疲労度を無次元化した値が算出および生成され、これらの値を基に数値変化情報が形成される。
【0023】
一方、機械的な接触理論に基づく該当する軸受の負荷状態に対する疲労パターンの数値化されたデータテーブルが用意される(即ち、ステップS2)。そして、ステップS1からの情報とステップS2からの情報との突き合わせが実行される(即ち、ステップS3)。このとき、ステップS3にて該当する軸受の負荷状態に対する疲労パターン情報が前述のデータテーブルから選択される。
【0024】
そして、ステップS3で選択された疲労パターン情報(数値化されたもの)を基に、(1)上述のミスアライメントによる偏荷重分布、(2)エッジロード分布、(3)複列の軸受の各列間の荷重分担崩れ度合い、(4)異常アキシャル荷重負荷分布、等といった軸受の負荷状態の診断が為される(即ち、ステップS4)。
【0025】
尚、これらのステップにおける一連の情報処理ならびに診断はパーソナルコンピュータ等といったコンピュータにより実行できる。当該コンピュータは、前述のデータテーブルや軸受負荷状態診断を実行するための処理プログラムが記録されている記録媒体としてROM(即ち、Read Only Memory)と、処理プログラムのワーク領域を有し、渦電流センサの検出情報を記録可能な記録媒体としてRAM(即ち、Random Access Memory)と、ROMおよびRAMの記録情報に基づいて演算処理を実行し、最終的には軸受負荷状態診断結果を、数値、当該数値を表わすグラフ、等や、更には必要に応じて荷重負荷分布イメージとしてCRT(即ち、Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(即ち、Liquid Crystal Display)、プリンタ、等の画像表示装置に表示させるCPU(即ち、Central Processing Unit)と、を備えている。
【0026】
次に、各種軸受に応じた渦電流センサによる測定の仕方について図2(A)〜図2(D)を参照して説明する。基本的に渦電流センサは軸受負荷位置の軌道面に沿って走査させられ、図2(A)〜図2(D)に示されるように円周上の各位置や軸方向に移動させられて、疲労による残留オーステナイト量の変化分布を検出する。尚、図2(A)〜図2(D)には単列の軸受が示されているが、複列の軸受の場合も同様に各列測定する。
【0027】
図2(A)および図2(B)には円筒ころ軸受の場合の渦電流センサによる軌道面の走査例が示されている。図2(A)は軸の長手方向と平行な方向に切断した場合の内外輪の縦断面図であり、渦電流センサが内外輪の軌道面に沿って軸の長手方向と平行な方向に移動する例が示されている。また、図2(B)は、図2(A)のII(B)−II(B)矢視断面図であり、渦電流センサが外輪の軌道面(内周面)に沿って周方向に移動する例が示されている(尚、内輪の場合は、軌道面(外周面)に沿って移動することになる)。
【0028】
図2(C)および図2(D)には円錐ころ軸受の場合の渦電流センサによる軌道面の走査例が示されている。図2(C)は軸の長手方向と平行な方向に切断した場合の内外輪の縦断面図であり、渦電流センサが内外輪の軌道面に沿って軸の長手方向と平行な方向に移動する例が示されている。また、図2(D)は、図2(A)のII(D)−II(D)矢視断面図であり、渦電流センサが外輪の軌道面(内周面)に沿って周方向に移動する例が示されている(尚、内輪の場合は、軌道面(外周面)に沿って移動することになる)。
【0029】
(第1診断例)
次に、本発明に係る軸受負荷状態診断方法による第1診断例として、円筒ころ軸受のミスアライメントによる偏荷重分布の診断例を図3(A)〜図3(C)を参照して説明する。尚、第1診断例は図3(A)に示されるように外輪の軌道面を渦電流センサにより走査した場合の診断例であり、図3(A)中▲1▼は渦電流センサによる負荷圏の測定、そして▲2▼は渦電流センサによる非負荷圏(▲1▼の180°位置)の測定を示している。
【0030】
そして、その測定結果例、当該測定結果例に対応する前述のデータテーブルからの疲労パターン情報に基づいた負荷状態の推定、そして当該負荷状態の推定に基づいた判定が図3(B)および図3(C)には示されている。図3(B)では正常な負荷分布であることが判定された例が示され、そして図3(C)ではミスアライメントが作用した状態(即ち、異常負荷状態)であることが判定された例が示されている。尚、測定部位は、内輪またはころ転動面を測定しても同様な評価ができる。
【0031】
(第2診断例)
次に、本発明に係る軸受負荷状態診断方法による第2診断例として、複列円錐ころ軸受のミスアライメントによる偏荷重分布の診断例を図4(A)〜図4(C)を参照して説明する。尚、第2診断例は図4(A)に示されるように内外輪の軌道面を渦電流センサにより走査した場合の診断例であり、図4(A)中▲1▼は渦電流センサによるA列非負荷圏の測定、▲2▼は渦電流センサによるB列非負荷圏の測定、▲3▼は渦電流センサによるA列負荷圏(▲1▼の180°位置)の測定、そして▲4▼は渦電流センサによるB列負荷圏(▲2▼の180°位置)の測定を示している。
【0032】
そして、その測定結果例、当該測定結果例に対応する前述のデータテーブルからの疲労パターン情報に基づいた負荷状態の推定、そして当該負荷状態の推定に基づいた判定が図4(B)および図4(C)には示されている。図4(B)では正常な負荷分布であることが判定された例が示され、そして図4(C)ではミスアライメントが作用した状態(即ち、異常負荷状態)であることが判定された例が示されている。尚、測定部位は、ころ転動面を測定しても同様な評価ができる。
【0033】
(第3診断例)
次に、本発明に係る軸受負荷状態診断方法による第3診断例として、円筒ころ軸受の内輪軌道面のエッジロード分布の診断例を図5(A)および図5(B)を参照して説明する。尚、第3診断例は図5(A)に示されるように内輪の軌道面を渦電流センサにより走査した場合の診断例であり、特に図示しないが、正常な負荷分布の内輪Aの軌道面の渦電流センサによる測定(▲1▼)、そして負荷荷重が過大な内輪Bの軌道面の渦電流センサによる測定(▲2▼)が実施されている。
【0034】
そして、その測定結果例、当該測定結果例に対応する前述のデータテーブルからの疲労パターン情報に基づいた負荷状態の推定、そして当該負荷状態の推定に基づいた判定が図5(B)には示されている。図5(B)では正常な負荷分布であることが判定された例と負荷荷重が過大であることが判定された例の両方が示されている。尚、その他、円錐ころ軸受においても同様な測定により異常な負荷状態の有無を診断できる。また、測定部位は、外輪またはころ転動面を測定しても同様な評価ができる。
【0035】
(第4診断例)
次に、本発明に係る軸受負荷状態診断方法による第4診断例として、複列(本例では4列)の円筒ころ軸受の各列間の荷重分担崩れの診断例を図6(A)〜図6(C)を参照して説明する。尚、第4診断例は図6(A)に示されるように内輪または外輪の軌道面を渦電流センサにより走査した場合の診断例であり、図6(A)中、渦電流センサによるA列の内輪または外輪の軌道面の測定、渦電流センサによるB列の内輪または外輪の軌道面の測定、渦電流センサによるC列の内輪または外輪の軌道面の測定、そして渦電流センサによるD列の内輪または外輪の軌道面の測定が示されている。
【0036】
そして、その測定結果例、当該測定結果例に対応する前述のデータテーブルからの疲労パターン情報に基づいた負荷状態の推定、そして当該負荷状態の推定に基づいた判定が図6(B)および図6(C)には示されている。図6(B)では列荷重分担崩れが大きいことが判定された例が示され、そして図6(C)では略均等な荷重分担で異常が無いことが判定された例が示されている。尚、その他、複列の円錐ころ軸受においても同様な測定により異常な負荷状態の有無を診断できる。また、測定部位は、ころ転動面を測定しても同様な評価ができる。
【0037】
(第5診断例)
最後に、本発明に係る軸受負荷状態診断方法による第5診断例として、複列(本例では4列)の円錐ころ軸受の異常アキシャル荷重負荷分布の診断例を図7(A)〜図7(C)を参照して説明する。尚、第5診断例は図7(A)に示されるように外輪の軌道面を渦電流センサにより走査した場合の診断例であり、図7(A)中、渦電流センサによるA列の外輪の軌道面の測定、渦電流センサによるB列の外輪の軌道面の測定、渦電流センサによるC列の外輪の軌道面の測定、そして渦電流センサによるD列の外輪の軌道面の測定が示されている。
【0038】
そして、その測定結果例、当該測定結果例に対応する前述のデータテーブルからの疲労パターン情報に基づいた負荷状態の推定、そして当該負荷状態の推定に基づいた判定が図7(B)および図7(C)には示されている。図7(B)では異常なアキシャル荷重が作用していることが判定された例が示され、そして図7(C)では略均等な荷重分担で異常が無いことが判定された例が示されている。尚、その他、複列の円筒ころ軸受においても同様な測定により異常なアキシャル負荷状態を診断できる。また、測定部位は、内輪またはころ転動面を測定しても同様な評価ができる。
【0039】
尚、本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく、適宜、変形,改良,等が可能である。勿論、本発明の軸受負荷状態診断方法は、自動調心ころ軸受等のころ軸受や、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、等の玉軸受にも適用可能である。例えば、複列の自動調心ころ軸受の場合は、各列の走行面を測定して列間の負荷状態(例えば、過大な(即ち、異常な)アキシャル荷重負荷作用の有無)を診断することも可能である。また、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受の場合も同様に各レース面を測定して負荷状態(例えば、ミスアライメント作用の有無)を診断することもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、軸受の疲労傾向情報と疲労パターン情報とを比較してこれら軸受の負荷状態を診断するので、軸受の早期剥離等の損傷原因を究明したり、ユーザの設備上の問題を究明したり、その改善方法を見出したりする手段として利用できる。
よって、軸受使用現場での直接診断が可能となり、軸受事故に対する予防保全を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受負荷状態診断方法の診断ステップ(S4)に至るまでの論理フローを示す図である。
【図2】円筒ころ軸受の場合の渦電流センサによる軌道面の走査例を示す図である。
【図3】第1診断例を示す図である。
【図4】第2診断例を示す図である。
【図5】第3診断例を示す図である。
【図6】第4診断例を示す図である。
【図7】第5診断例を示す図である。
Claims (1)
- コイルを備え、当該コイルに励磁電流を流して、鉄鋼設備で使用される圧延機用ロールネック用に使用される鋼製の円筒ころ軸受又は円錐ころ軸受に関してこれら軸受の内輪軌道面、外輪軌道面、またはころ転動面の表面に渦電流を誘導し、その渦電流によって前記コイルに生じるインピーダンスの変化を検出する渦電流センサを用いて、
前記内輪軌道面、前記外輪軌道面、またはころ転動面が負荷を受け所定時間使用されることによって生じる材料の疲労進行に伴う表面及びその近傍内部の残留オーステナイトの変化を測定し、
その測定結果から前記内輪軌道面、前記外輪軌道輪の軌道面、または前記転動体の転動面の疲労傾向を疲労傾向情報として把握し、一方
前記内輪軌道面、前記外輪軌道面、またはころ転動面の負荷状態における、ミスアライメントによる荷重分布、エッジロード分布、複列の軸受であった場合の各列間の荷重分担崩れ度合い、異常アキシャル荷重負荷分布、に係る疲労パターン情報を予め用意しておき、そして
前記疲労傾向情報と、前記疲労パターン情報と、を比較してそれら軸受の負荷状態を診断する
ことを特徴とする軸受負荷状態診断方法。
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