JP2003301850A - ころ軸受 - Google Patents

ころ軸受

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JP2003301850A
JP2003301850A JP2002108283A JP2002108283A JP2003301850A JP 2003301850 A JP2003301850 A JP 2003301850A JP 2002108283 A JP2002108283 A JP 2002108283A JP 2002108283 A JP2002108283 A JP 2002108283A JP 2003301850 A JP2003301850 A JP 2003301850A
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bearing
life
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inner ring
less
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JP2002108283A
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Akihiro Kiuchi
昭広 木内
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NSK Ltd
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Publication date
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    • G01N2291/0226Oils, e.g. engine oils
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
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    • G01N2291/2696Wheels, Gears, Bearings

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  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ころと内、外輪との間にすべりが生じ易く、
且つ、異物が侵入しない潤滑状態が良好な環境下での転
がり疲れ寿命の延長を図る。 【解決手段】 内輪31と外輪32との間に複数のころ
33が周方向に沿って配設された自動調心ころ軸受30
であって、内輪31および外輪32のうちの少なくとも
一方の軌道輪のファイバーフローところ33との接する
角度θが1 5 °以下であり、且つ、軌道面全周×最大せ
ん断応力深さ=被検体積とした場合に、該被検体積内に
存在する非金属介在物等の欠陥の平方根長さが0 .3 m
m以下であることが非破壊検査により検証されている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には異物が
混入しない環境下で使用され、玉軸受などに比べて負荷
容量が高く、転動体としてのころと内、外輪の間にすべ
りが生じ易いころ軸受に関し、特に風力発電機用軸受な
どの高負荷、高剛性が要求される軸受に好適なころ軸受
に関する。 【0002】 【従来の技術】転がり軸受は、特に異物が侵入しない潤
滑状態が良好な環境下では、軌道輪表面および表面直下
に存在する非金属介在物が転がり疲れ寿命に大きな影響
を及ぼすことは良く知られている。このため、従来はA
STM STP1327 P252に記載されている様
に、鋼中の大型介在物の存在確率を下げるため、鋼中の
含有酸素量を低下させることで、長寿命化を図ってき
た。 【0003】しかし、近年では含有酸素量の限定のみで
は長寿命化との相関がつかない場合が出てきており、よ
り清浄度の定量化を可能とした方法を利用して軸受の長
寿命化に結び付けている。例えば、特開平6−1458
33号公報、特開平3−56640号公報、特開平5−
117804号公報および特開平6−192790号公
報等に記載されるように、顕微鏡観察により鋼材の一定
面積中に存在するA12 3 を主体とした酸化物系介在
物やTi系介在物などの硬い介在物の個数を規定するこ
とで、長寿命を狙った技術がある。 【0004】これらの技術は、ある鋼材ロットの代表サ
ンプルを検査することで、その鋼材ロットにて製作され
た軸受の長寿命化を狙ったものである。具体的な軸受の
使用例に目を向けると、例えば風力発電機においては通
常、球面ころ軸受、円錐ころ軸受、円筒ころ軸受などの
ころ軸受が使用されている。これらのころ軸受は、転動
体となるころが、内、外輪の軌道面に対して外周面にお
いて線状に接触するため、転動体に玉を用いる玉軸受に
比べて、負荷容量が高く剛性が大であり、且つ、すべり
軸受に比べて焼きつきに対する信頼性が高く、長寿命と
いう特徴を有している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たころ軸受は容易に負荷容量を上げることが可能なもの
の、線接触のため点接触である玉軸受に比べ、挙動が複
雑になりやすく、例えばころと内輪、または外輪との間
で滑りが生じる問題があり、この滑りを伴った場合に、
異物が侵入しない潤滑状態が良好な環境下での転がり疲
れ寿命についてはまだ不明な点が多く、研究課題となっ
ている。 【0006】また、風力発電機に使用されるころ軸受に
ついては、軸受が破損した場合、発電機から軸受を外し
て交換する必要が生じて多大な損害を被ることになるた
め、発電機のメンテナンス上の観点から、軸受には長寿
命化が求められる。従って、これらの軸受でははくりに
直接結びつくような軌道面の内部欠陥を無くすることが
求められている。 【0007】特に、複列の自動調心ころ軸受は、元来、
転動体であるころが接触角を有して傾斜しており、これ
に加えて更に半径方向(ラジアル)および軸方向(アキ
シヤル)の両方の負荷を受ける構造をもつことから、こ
ろが斜めになったまま転がったり、振れたまま転がった
りする挙動が起こり、ころが滑りやすい。従って、寿命
についてはすべりの少ない使用環境下で使用される軸受
に比べ短くなる問題があり、しかも、潤滑条件が悪くな
ると、上記すべり挙動の傾向が増して摩擦が増大し、軌
道面の早期はくりや軸受の発熱を招くなどし、はくりの
起点が内部の大きな欠陥(大型介在物)からより表面近
傍の小さな欠陥(大型介在物)でも起点となることにな
り、寿命がさらに短くなる問題がある。 【0008】更に、軸受の転走面に対する材料のファイ
バーフローと寿命の関係について、一般的には材料のフ
ァイバーフローが軸受の軸方向に平行に延びた形が寿命
には良いとされ、軸受を製造する際の素材取りには工夫
がされており、これまで定性的には軸受の転走面に対す
る材料のファイバーフローの角度と寿命との関係は示さ
れた例はあるが、寿命に有害な介在物の長さと寿命の影
響について研究された例はない。 【0009】本発明はこのような技術的背景に鑑みてな
されたものであり、ころと内、外輪との間にすべりが生
じ易く、且つ、異物が侵入しない潤滑状態が良好な環境
下での転がり疲れ寿命の延長を図ることができるころ軸
受を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】ころ軸受は、潤滑状態が
管理された環境下で使用される場合、転がり疲労を受け
ることで、軌道面上または軌道面直下(内部)に存在す
る大型の非金属介在物が起点となってはくりすることが
考えられる。このため、軸受に使用される鋼材の清浄度
を向上させたり、軌道面上の介在物については全数磁粉
探傷や漏洩磁束により検査を実施してきたが、軌道面直
下(内部)の介在物については従来検出する方法が無か
ったため、検査を行ってなかった。 【0011】そこで、本発明者らは、特開平11−33
7530号公報で軸受の軌道面直下の大型非金属介在物
を検出する方法について開示し、軸受軌道面の大型介在
物を検出し、内部欠陥を保証可能な方法を提案してき
た。この方法は、超音波探傷法を利用することで、軸受
軌道面に存在する大きさ数十ミクロン〜数百ミクロン程
度の大型介在物を検出可能とする方法である。 【0012】また、本発明者らは、特開2000−13
0447号公報などで、鉄鋼用軸受や鉄道車両用軸受に
代表されるころ軸受について、軌道面全面×ころがり接
触応力を受ける深さである転動体平均直径の2%深さの
体積中に存在する大型介在物を限定することで、短寿命
品をなくすることが出来る技術を提案している。その
後、本発明者らが鋭意研究を行った結果、上記説明のよ
うに、特にすべりを伴う環境下で使用されるころ軸受の
場合は、特開2000−130447号公報に開示され
た発明に比べて介在物の限定条件が厳しくなると共に、
軸受の転走面に対する材料のファイバーフローと寿命の
関係についても、すべりを伴う上記使用環境には長寿命
を得るための限定条件があることを見出し、本発明を完
成するに至った。 【0013】即ち、本発明は、上記目的を達成するため
に、内輪と外輪との間に複数のころが周方向に沿って配
設されたころ軸受であって、前記内輪および前記外輪の
うちの少なくとも一方の軌道輪のファイバーフローと前
記ころとの接する角度θが15 °以下であり、且つ、軌
道面全周×最大せん断応力深さ=被検体積とした場合
に、該被検体積内に存在する欠陥の平方根長さが0 .3
mm以下であることが非破壊検査により検証されている
ことを特徴とする。 【0014】従来、一般的な使用環境下で、軸受の寿命
に影響を及ぼす内部欠陥の長さとして、特開2000−
130447号公報に該長さを0 .5 mm以下とするこ
とで長寿命が得られることを提案してきたが、すべりが
伴う環境下の場合、それより厳しく0 .3 mm以下とす
ることで長寿命効果が得られることが判った。これは、
すべりが介在物周りの応力集中度を上げていることが原
因と推定されると共に、潤滑状態が厳しくなるため、よ
り最大せん断応力位置より浅い個所にも過大な応力が発
生し、はくりに至る頻度を向上させているのが原因と推
定される。 【0015】さらに、すべりを伴う環境下では、従来あ
まり影響が少なかった軸受の転走面に対する材料のファ
イバーフローの角度θ(軌道輪のファイバーフローとこ
ろとの接する角度θ)が寿命に影響を及ぼすことが判っ
た。その角度θは15°以下とすることで長寿命効果が
認められ、さらに10°以下とすることで、さらに効果
的があることが確認された。但し、このθの数値限定は
上述した内部欠陥の平方根長さと関係があり、平方根長
さが0 .3 mm以下でないと長寿命効果が得られないこ
とも確認された。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の
一例である複列の自動調心ころ軸受を説明するための要
部断面図、図2は軌道輪の転走面に対する材料のファイ
バーフローの角度θ(軌道輪のファイバーフローところ
との接する角度θ)の定義を説明するための説明図、図
3は超音波探傷検査装置の概略図、図4は内輪の軸線と
材料のファイバーフローが平行な状態を示す図、図5は
非金属介在物の平方根長さと軸受寿命との関係を示すグ
ラフ図、図6はファイバーフロー角度と軸受寿命比との
関係を示すグラフ図である。なお、この実施の形態で
は、ころ軸受として複列の自動調心ころ軸受(以下、自
動調心ころ軸受という)を例に採る。 【0017】この自動調心ころ軸受30は、図1に示す
ように、内輪31の2列の軌道溝31a,31bと外輪
32の軌道面32aとの間に二列のころ33が保持器3
4を介して周方向に転動可能に介装されている。そし
て、この実施の形態では、内輪31および外輪32のう
ちの少なくとも一方の軌道輪のファイバーフローところ
33との接する角度θが1 5 °以下、好ましくは10°
以下であり、且つ、軌道面全周×最大せん断応力深さ=
被検体積とした場合に、該被検体積内に存在する非金属
介在物、地傷、開口クラック等の欠陥の平方根長さが0
.3 mm以下であることが超音波探傷検査装置等によ
る非破壊検査により検証されており、これにより、ころ
33と内、外輪31,32との間にすべりが生じ易く、
且つ、異物が侵入しない潤滑状態が良好な環境下での転
がり疲れ寿命の延長を図ることができるようにしてい
る。 【0018】ここで、欠陥の平方根長さとは、欠陥の形
状が線状である場合(線状欠陥)は、その長さLと幅D
との積の平方根(L×D)1/2 を平方根長さとし、欠陥
の形状が粒状、球状又は塊状である場合(非線状欠陥)
は、その最大径(長軸径)D 1 と最小径(短軸径)D2
との積の平方根(D1 ×D2 1/2 を平方根長さとす
る。 【0019】また、軌道輪のファイバーフローところ3
3との接する角度θとは、軌道輪の転走面に対する材料
のファイバーフローの角度θと同義であり、図2で内輪
31を例に採って説明すると、このθは複列の2つの軌
道溝31a,31bによって2つ(θ1 ,θ2 )でき、
軸心Oから軌道溝範囲の内端と外端を結ぶ範囲の中点g
1 ,g2 の軌道溝表面上の接線とファイバーフローとの
なす角度でθ2 (θ1)を定義する。なお、小さい方θ
1 と大きい方θ2 があるが、大きい方の角度θ 2 に寿命
は支配されるため、内輪31の場合はθ2 を用い、後述
する図6および表2についてもこの角度θ2 を用いて整
理した。 【0020】また、円すいころ軸受や円筒ころ軸受の場
合のファイバーフローとのなす角度は、上記の自動調心
ころ軸受のように球面とはなっておらず、軌道溝表面上
の接線は軌道面そのものとなる。従って、この場合は、
ファイバーフローの角度は、軌道輪の軸線を含む断面に
おいて軌道面とのなす角度で定義される。次に、図3を
参照して、特開平11−337530号公報に開示され
た超音波探傷検査装置を説明すると、この装置は、少な
くとも軸受リング(内輪、外輪)の最大せん断応力位置
よりも深い表面下2mmまでを入射角10〜30°、好
ましくは25〜30°の斜角探傷法で探傷し、更に、該
斜角探傷法による探傷範囲よりも深い範囲を入射角0〜
10°、好ましくは0〜5°の垂直探傷法を用いて探傷
して前記軸受リングの全断面を探傷するものであり、図
3において符号1は超音波伝達媒体としての水が貯留さ
れた水槽、該水槽1内には軸受リング2としての自動調
心ころ軸受の内輪(又は外輪)、及び超音波探傷用探触
子3がそれぞれ水に浸漬された状態で配置されている。 【0021】なお、超音波探傷用探触子3から軸受リン
グに送信する超音波は周波数30MHz以下とされてい
る。軸受リング2は水槽1内に水平方向に互いに離間配
置された二個のプーリ4に載置されており、各プーリ4
及び回転駆動用モータ5のモータ軸に固定されたプーリ
6にはベルト7が正三角形状に巻き掛けられている。 【0022】回転駆動用モータ5はモータ駆動用制御ア
ンプ8を介して制御装置9によって制御されるようにな
っており、回転駆動用モータ5の駆動により各プーリ4
に載置された軸受リング2が所定の速度で回転するよう
になっている。なお、制御装置9は、CRT等の表示手
段を備えたパーソナルコンピュータ等で構成されてい
る。 【0023】超音波探傷用探触子3は軸受リング2の軸
方向に沿って移動可能に配置されたリニアガイド装置1
0のXYステージ12に探触子取付具13を介して取り
付けられており、取付状態においては軸受リング2の内
周面に対向配置されている。超音波探傷用探触子3は超
音波探傷装置14からの電圧信号に応じて超音波パルス
を軸受リング2の内周面に向けて送信すると共にその反
射エコーを受信し、これを電圧信号に変換して超音波探
傷装置14に送信する。 【0024】超音波探傷装置14は制御装置9からの指
令に基づいて超音波探傷用探触子3に電圧信号からなる
指令信号を送信するとともに、送信した信号と受信した
信号とを基にして得られた探傷情報を制御装置9に送信
し、制御装置9がこれをCRT上に表示する。リニアガ
イド装置10はリニアガイド用コントローラ16によっ
て制御される図示しないサーボモータを介して超音波探
傷用探触子3を軸受リング2の軸方向に移動させるよう
になっている。 【0025】リニアガイド用コントローラ16は軸受リ
ング2の外周面に設置されたロータリエンコーダ15に
よって軸受リング2が一回転(360°)したことが検
知されると、制御装置9からの指令に基づいてサーボモ
ータを制御して超音波探傷用探触子3を軸受リング2の
軸方向に所定寸法移動させる。これにより、軸受リング
2の全断面の探傷がなされるようになっている。 【0026】 【実施例】(実施例1)自動調心ころ軸受(呼び番22
211)を用いて、軸受軌道面に存在する非金属介在物
の平方根長さおよび深さと軸受寿命との関係の評価を行
った。非金属介在物の評価は図3の超音波探傷検査装置
にて検査を行った。 【0027】非金属介在物と軸受寿命の相関を調査する
にあたり、通常の鋼を使用すると非金属介在物の発生頻
度が低いため、効果的に所定の非金属介在物を選別する
目的で、あえて清浄度の劣る鋼(鋼種:SUJ2)を溶
解し、試験用素材として使用した。そして、清浄度の劣
るSUJ2を素材として、自動調心ころ軸受の内輪を製
作し、熱処理、研削後、超音波探傷にて非金属介在物の
有無(非金属介在物の平方根長さおよび深さ)を調査し
て表1に示すNo.1〜No.9の自動調心ころ軸受を
それぞれ製作した。なお、自動調心ころ軸受の外輪およ
びころについては、通常の清浄度の優れる流通材(SU
J2)を使用し、内輪と同様の手順にて製作した。ま
た、外輪およびころは、予め超音波探傷により、大きな
非金属介在物が検出されなかったものを選別し使用し
た。 【0028】本実施例で製作した自動調心ころ軸受(内
輪、外輪、ころ)の素材取り方向は、何れも材料のファ
イバーフローの方向が軸受の軸方向と平行になる角度で
行った。図4に内輪(内輪外径65mm、内径55m
m、幅25mm)とファイバーフローの位置関係を示
す。超音波探傷の条件は以下の通りとした。 【0029】探触子:焦点型探触子およびフラット型探
触子(振動子径6 .5 mm) 周波数:5MHz〜10MHz 入射角:19°,27°(屈折角:45°,90°) 実施例に用いるNo.1〜No.9の自動調心ころ軸受
の選定に先立ち、予備探傷検査により幾つかの欠陥軸受
を検出し、欠陥部の超音波反射エコーの検出範囲(大き
さ)およびビーム路程(超音波の時間軸)の情報と、そ
の欠陥部を切断検査して検出した実欠陥(非金属介在
物)の大きさおよび深さより、双方の相関関係を予め調
査しておき、本実施例の非金属介在物を有する自動調心
ころ軸受の選定(大きさ、深さ推定)に供した。 【0030】次に、軸受寿命試験は異物が混入しないよ
うに管理された潤滑油を使用し、潤滑油が軸受中に十分
行きわたる構造を持った回転試験機を用いて行った。試
験条件を以下に示す。 軸受:自動調心ころ軸受 呼び番22211 試験荷重:ラジアル荷重35000N、アキシャル荷重
7000N 軸受回転速度:1500min-1 潤滑油:VG68相当鉱物油 寿命試験の打ち切り時間は、JISB1518による転
がり軸受の計算寿命が143hrのため、倍を超える3
00hrとした。また、はくりが発生した場合、超音波
による非金属介在物の発見位置とはくり位置の相関をみ
るため、超音波検査後、欠陥位置の軸方向に延長した端
面に印をつけ、検証を行った。 【0031】表1および図5に寿命試験を行った結果を
示す。 【0032】 【表1】 【0033】表1および図5から明らかなように、非金
属介在物の平方根長さを0 .5 mm以下(No.1〜N
o.5)とすることである程度長寿命なことが判り、さ
らに平方根長さを0 .3 mm以下(No.1〜No.
3)とすることで、300hrを越えてもはくりせず、
中断となった。従って、好ましくは非金属介在物の平方
根長さを0 .3 mm以下とすることで更に長寿命となる
ことが判る。 【0034】一方、非金属介在物の平方根長さが0 .5
mmを越えるものは(No.6〜No.8)計算寿命以
下ではくりするなど短寿命な結果となった。また、これ
らは何れも非金属介在物の存在深さが最大せん断応力位
置(Z0)より浅い軸受の実施例であるが、Z0より深
い位置に存在する場合、非金属介在物の平方根長さが0
.5 mmを大きく越える0.75mmの例であって
も、300hrを超えるまではくりは発生せず、長寿命
であった。 【0035】以上の結果から、使用中に滑り等が生じる
場合がある自動調心ころ軸受について、軌道面表面およ
びZ0以内と表面近傍に介在物が存在した場合の寿命特
性を評価した結果、非金属介在物の平方根長さを0 .5
mm以下、好ましくは0 .3mm以下と保証すること
で、安定的に長寿命化が図れることが判った。 (実施例2)次に、自動調心ころ軸受(呼び番2221
1)を用いて、内輪のファイバーフローところとの接す
る角度θと、軌道面に存在する非金属介在物の平方根長
さおよび寿命の関係の評価を行った。非金属介在物の評
価は、実施例1と同様に、図3の超音波探傷検査装置に
て検査を行った。 【0036】内輪のファイバーフローところとの接する
角度θとは、上述したように、軸受を製造する際、素材
となる鋼材より軌道面に対するファイバーフローの角度
θが任意の角度になるように、図2を参照して、内輪の
軸線と素材(円柱材)の軸線とのなす角度αを種々変化
させて素形リングを削り出し、その後、実施例1と同様
の工程にてθ=0〜90°の内輪を製作して表2に示す
No.10〜No.18の自動調心ころ軸受を製作し
た。尚、この場合の内輪の素材も上記実施例1と同様
に、非金属介在物の発生頻度の観点からあえて清浄度の
劣る鋼材を溶解し、それを用いた。また、外輪およびこ
ろについても、実施例1と同様に、通常の清浄度の優れ
る流通材を用いて、一般的な方法で製作し、転走面に対
する材料のファイバーフローの角度は軸受の軸方向と平
行とした。 【0037】超音波探傷の条件は以下の通りとした。 探触子:焦点型探触子およびフラット型探触子(振動子
径6 .5 mm) 周波数:5MHz〜10MHz 入射角:19°,27°(屈折角:45°,90°) 実施例に用いるNo.10〜No.18の自動調心ころ
軸受の選定に先立ち、予備探傷検査により幾つかの欠陥
軸受を検出し、欠陥部の超音波反射エコーの検出範囲
(大きさ)およびビーム路程(超音波の時間軸)の情報
と、その欠陥部を切断検査して検出した実欠陥(非金属
介在物)の大きさ、深さより、双方の相関関係を予め調
査しておき、本実施例の非金属介在物有りの自動調心こ
ろ軸受の選定(大きさ、深さ推定)に供した。また、超
音波の入射方向は常にファイバーフローに対して直角に
なるように変更して探傷を行った。 【0038】次に、実施例1と同様の回転試験機を用い
て軸受の寿命試験を行った。試験条件を以下に示す。 軸受:自動調心ころ軸受 呼び番22211 試験荷重:ラジアル荷重35000N、アキシャル荷重
7000N 軸受回転速度:1500min-1 潤滑油:VG68相当鉱物油 寿命試験の評価方法は、UT試験において各々のファイ
バーフロー毎で非金属介在物の平方根長さ0 .1 〜0 .
3 mm範囲かつその深さがいずれも最大せん断応力位置
(Z0)以内の軸受内輪(No.10〜No.17)を
10個ずつ選別し、各種類毎にワイブル関数分布に基づ
くL10寿命を調査した。そして、内輪のファイバーフ
ローところとの接する角度θ(以下、ファイバーフロー
角度θという)が0°(直角)の時のL10寿命を1
(No.10)として、θを変える毎のL10寿命を寿
命比として評価した。 【0039】表2および図6に寿命試験を行った結果を
示す。 【0040】 【表2】 【0041】表2および図6から明らかなように、ファ
イバーフロー角度θを15°以下(No.10〜No.
13)とすることで、寿命比に大きさ差が見られないこ
とが判る。さらにファイバーフロー角度θを10°以下
とすることでθ=0°の場合との寿命差が5%以下にな
ることが判った。従って、ファイバーフロー角度θを1
0°以下とすることが好ましい。 【0042】一方、ファイバーフロー角度θが15°を
越え20°以上になるとθ=0°の場合との寿命差が3
0%以上となり、短寿命傾向になることを示している。
また、ファイバーフロー角度θを45°とした場合で
も、非金属介在物の存在深さがZ0を越える例では寿命
比が0.98と殆ど影響を及ぼさないことが判る。 【0043】以上の結果から、自動調心ころ軸受におい
て、内、外輪のうちの少なくとも一方の軌道輪のファイ
バーフローところとの接する角度が15°以下であり、
軌道面全周×最大せん断応力深さの被検体積内に存在す
る非金属介在物の平方根長さが0 .3mm以下であるこ
とが、非破壊検査により検証されている軸受とすること
で、長寿命軸受となることが判る。 【0044】 【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、ころと内、外輪との間にすべりが生じ易く、
且つ、異物が侵入しない潤滑状態が良好な環境下での転
がり疲れ寿命の延長を図ることができるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態の一例である複列の自動調
心ころ軸受を説明するための要部断面図である。 【図2】軌道輪の転走面に対する材料のファイバーフロ
ーの角度θの定義を説明するための説明図である。 【図3】超音波探傷検査装置の概略図である。 【図4】内輪の軸線と材料のファイバーフローが平行な
状態を示す図である。 【図5】非金属介在物の平方根長さと軸受寿命との関係
を示すグラフ図である。 【図6】ファイバーフロー角度と軸受寿命比との関係を
示すグラフ図である。 【符号の説明】 30…自動調心ころ軸受 31…内輪 32…外輪 33…ころ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 内輪と外輪との間に複数のころが周方向
    に沿って配設されたころ軸受であって、前記内輪および
    前記外輪のうちの少なくとも一方の軌道輪のファイバー
    フローと前記ころとの接する角度θが1 5 °以下であ
    り、且つ、軌道面全周×最大せん断応力深さ=被検体積
    とした場合に、該被検体積内に存在する欠陥の平方根長
    さが0 .3 mm以下であることが非破壊検査により検証
    されていることを特徴とするころ軸受。
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