JP2008101684A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】水混入潤滑下で使用されても長寿命な転がり軸受を提供する。
【解決手段】車輪支持用転がり軸受は、外周面に軌道面1aを有する二つの内輪1,1と、軌道面1a,1aに対向する複列の軌道面2a,2aを内周面に有する外輪2と、対向する両軌道面1a,2aの間に転動自在に配置される複数の玉3と、から構成されている。内輪1及び外輪2は、軌道面1a,2aのうち、接触角が初期接触角の−5°以上+5°以下である場合に玉3と接触する部分に存在する表面孔及び酸化物系非金属介在物の最大長さLが、それぞれ80μm以下となっている。また、内輪1及び外輪2は、鋼製の円柱状素材を鍛造で成形して得たものである。そして、軌道面1a,2aのうち前記部分は、円柱状素材の外周側の円筒状部分で形成されており、この円筒状部分は、円柱状素材の径方向中心から半径の40%外側の位置よりも外側の部分である。
【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受に係り、特に、ワークロール用転がり軸受や車輪支持用転がり軸受のように、潤滑剤に水が混入され易い環境下で用いられる転がり軸受に関する。
一般に、転がり軸受においては、潤滑剤に水が混入されると転がり疲れ寿命が大幅に低下することが知られている。
潤滑剤に水が混入した状況(以降は「水混入潤滑下」と記す)での転がり疲れ寿命の低下は、以下に示す理由で生じることが知られている。すなわち、転動体と転がり接触する軌道面は、転動体からの荷重を受けて深さ方向に弾性変形し、その接触箇所近傍には引張り応力が作用する。ここで、引張り応力が作用する軌道面に酸化物系非金属介在物と水が存在すると、酸化物系非金属介在物の周囲に空隙が生じるとともに、その空隙に水が侵入して、金属素地の腐食溶解が起こる。これにより、酸化物系非金属介在物に作用する応力が大きくなり、この介在物を起点とする亀裂(クラック)が進展して、応力腐食割れが生じるため、転がり疲れ寿命が低下する。
よって、鉄鋼材料の圧延機に用いられるワークロール用軸受や、自動車等に用いられる車輪支持用転がり軸受(ハブ軸受)のように、水混入潤滑下で使用される転がり軸受では、接触ゴムシール等の密封部材を装着して、潤滑剤が封入された軸受内部への水の侵入を防止する対策が採られている。あるいは、亀裂の起点となる酸化物系非金属介在物を減少させて、応力腐食割れを発生し難くする対策も取られている。
特許文献1では、少なくとも固定側の軌道輪において、仕上げ加工が施された後の軌道面に存在する酸化物系非金属介在物の最大長さの平均値を100μm以下にすることが提案されている。
特開2000−110841号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、水混入潤滑下での転がり疲れ寿命を向上させるという点で更なる改善の余地がある。
一方、近年においては、装置の軽量化を目的として、軸受取付部の周辺部品を、薄肉化する場合や、鋼よりも剛性の低いアルミニウム合金製とする場合があるが、これにより軸受の組み付けが正しく行われなかったり、経時変化が生じたりする場合がある。その結果、前述した密封部材を用いても、密封部材の取付部に隙間が生じて、軸受内部への水の侵入を十分に防止できず、最悪の場合には軌道面に早期剥離が生じる場合がある。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、水混入潤滑下で使用されても長寿命な転がり軸受を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の転がり軸受は、互いに対向配置される軌道面を有する内輪及び外輪と、前記対向する両軌道面の間に転動自在に配置される複数の転動体と、を備えた転がり軸受において、前記内輪及び前記外輪の少なくとも一方が、下記の3つの条件を満足することを特徴とする。
条件A:前記軌道面のうち、接触角が初期接触角の−5°以上+5°以下である場合に前記転動体と接触する部分に存在する表面孔及び酸化物系非金属介在物の最大長さLが、それぞれ80μm以下である。
条件B:鋼製の円柱状素材を鍛造で成形して得たものである。
条件C:前記軌道面のうち前記部分は、前記円柱状素材の外周側の円筒状部分で形成されており、この円筒状部分は、前記円柱状素材の径方向中心から半径の40%外側の位置よりも外側の部分である。
また、本発明に係る請求項2の転がり軸受は、請求項1に記載の転がり軸受において、前記表面孔及び前記酸化物系非金属介在物については、その最大長さLと最大深さDとの比L/Dが2.0以上であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3の転がり軸受は、請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受において、前記内輪及び前記外輪のうち少なくとも前記外輪が複列の軌道面を有するとともに、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する車輪支持用転がり軸受として用いられることを特徴とする。
本発明者らは、潤滑剤に水が混入された場合に生じる応力腐食割れの原因について鋭意検討を重ねた結果、以下の(1)〜(3)に示す点を見出した。
(1)応力腐食割れは、前述した特許文献1で許容範囲とされた最大長さの平均値が100μm以下の酸化物系非金属介在物を起点としても生じる。
(2)応力腐食割れの生じ易さは、存在する酸化物系非金属介在物の最大長さのみではなく、酸化物系非金属介在物が存在している深さにも影響される。つまり、軌道面から深い位置まで酸化物系非金属介在物が存在する程、介在物に作用する応力もよりいっそう集中し、応力腐食割れが生じ易い。
(3)応力腐食割れは、表面に酸化物系非金属介在物が存在することだけでなく、この酸化物系非金属介在物の脱落痕や、研削・超仕上げ加工で除去できなかった旋削痕や、研削加工時の表面の剥離により表面に形成される孔を起点としても生じる。
本発明によれば、内輪及び外輪の少なくとも一方において、その軌道面のうち接触角が初期接触角の−5°以上+5°以下である場合に転動体と接触する部分に、表面孔及び酸化物系非金属介在物(欠陥)を存在させないこと、或いは、存在したとしてもその最大長さLを80μm以下とすることにより、応力腐食割れを生じ難くできる。よって、本発明の転がり軸受は、水混入潤滑下で使用されても転がり疲れ寿命が優れている。
軌道面に存在する酸化物系非金属介在物の数を低減し最大長さLを小さくする手段としては、鋼中の酸素量を特殊溶解法等によって極端に低下させた素材を用いて軌道輪を製造する方法があるが、コスト等の面で問題がある。本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、鍛造方法を改良することによって、通常の酸素量の素材を用いても、軌道面に存在する酸化物系非金属介在物の数を低減し且つ最大長さLを小さくできることを見出した。すなわち、素材のうち清浄度が良好な部分で軌道面を形成するように鍛造を行えば、軌道面に存在する酸化物系非金属介在物の数を低減し且つ最大長さLを小さくできることを見出した。
一般的な量産鋼では、素材の中心に近い部位は製鋼時の凝固過程において冷却速度が遅いため、介在物が残存しやすい。したがって、軌道輪の素材として鋼製の円柱状素材を用い、清浄度が低い中心部で軌道面が形成されないようにし、清浄度が高い外周部(円筒状部分)で軌道面が形成されるように鍛造すれば、軌道面に存在する酸化物系非金属介在物の数を低減し且つ最大長さLを小さくすることができる。
清浄度が低い中心部は、円柱状素材の径方向中心から半径の40%以内の円柱状部分であるので、円柱状素材の径方向中心から半径の40%外側の位置よりも外側の部分(すなわち、半径の40%超過の円筒状部分)のみで軌道面が形成されるように鍛造すればよい。酸化物系非金属介在物の最大長さLの小ささや数の少なさの安定性を考えると、円柱状素材の径方向中心から半径の40%外側の位置よりも外側で且つ半径の85%外側の位置から内側の部分(すなわち、半径の40%超過85%以下の円筒状部分)がより好ましく、円柱状素材の径方向中心から半径の45%外側の位置から外側で且つ半径の75%外側の位置から内側の部分(すなわち、半径の45%以上75%以下の円筒状部分)がより好ましい。
このとき、前記表面孔及び前記酸化物系非金属介在物については、その最大長さLと最大深さDとの比L/Dが2.0以上であることが好ましい。そうすれば、応力腐食割れをより生じ難くできるので、本発明の転がり軸受は、水混入潤滑下で使用されても転がり疲れ寿命がより優れている。
また、本発明の転がり軸受において、軌道面のうちどの部分について前述した欠陥(表面孔及び酸化物系非金属介在物)に関する限定を行うかを規定することにより、少なくとも外輪に複列の軌道面を有し、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する車輪支持用転がり軸受として用いた場合であっても、転がり疲れ寿命を向上できる。
なお、本発明の転がり軸受は、その製造工程において、内輪及び外輪の少なくとも一方について、その軌道面に仕上げ加工を施した後に超音波探傷検査等の非破壊検査を行って、その軌道面の特定の部分に欠陥が存在しないもの、或いは、存在する欠陥が前述した許容範囲内に限定されたものを選別することによって得ることができる。前述したように、軌道面の前記特定の部分が円柱状素材の前記円筒状部分のみで形成されるように鍛造したので、非破壊検査で発生する不良品を減少させることができる。
例えば、超音波探傷検査を用いて、軌道面の特定の部分に存在する欠陥を検出するためには、周波数10MHz以上20MHz未満の横波を用いて、入射角30°以上40°以下で斜角探傷検査を行うことが好ましい。通常、横波を用いた場合には、欠陥の検出限界は波長の1/2であることから、本発明のように最大80μmの欠陥を検出するためには、理論上は周波数20MHz以上の横波を用いる必要がある。しかしながら、仕上げ加工が施された軌道面は、表面粗さがRa(算術平均粗さ)で0.3μm以下になっている場合がほとんどであるため、周波数が20MHz未満の横波を用いて斜角探傷検査を行った場合でもノイズが生じず、最大長さ50μmの欠陥まで検出することができる。
また、本発明において「表面孔」とは、酸化物系非金属介在物の脱落痕や、研削加工,超仕上げ加工で除去できなかった旋削痕や、研削加工時の表面の剥離により表面に形成される孔を指す。
さらに、本発明において「酸化物系非金属介在物」とは、例えば、Al2 3 ,SiO2 ,MgO,CaOの単体又はこれらのうち2種以上が複合したものを指す。
さらに、本発明において「最大長さ」とは、図1の(a)及び(b)に示すように、表面孔10Aや酸化物系非金属介在物10Bの軌道面aに平行な方向の長さのうち最大なものを指し、「最大深さ」とは、表面孔10Aや酸化物系非金属介在物10Bの軌道面aに垂直な方向の長さのうち最大なものを指す。
このため、予め酸化物系非金属介在物の反射エコー強度を測定した後に、破壊検査により酸化物系非金属介在物の実際の最大長さLと最大深さDとを求めて、酸化物系非金属介在物の寸法(最大長さL、最大深さD)と反射エコー強度との関係を示す検量線を作成し、この検量線を用いて、得られた反射エコー強度から、酸化物系非金属介在物の最大長さL及び最大深さDを算出することが好ましい。
また、前述した許容範囲から外れる表面孔10Aが存在すると、この表面孔10Aに水が侵入して金属素地が腐食し、表面孔10Aの内周面に応力集中が作用することで亀裂kが生じ易くなる(図1の(a)を参照)。
さらに、前述した許容範囲外の酸化物系非金属介在物10Bが存在すると、前述したように酸化物非金属介在物10Bの周囲に生じた空隙bに水が侵入することで亀裂kが生じ易くなる(図1の(b)を参照)。また、前述した許容範囲外の酸化物系非金属介在物10Bが存在する場合に、軌道面aから介在物10Bが少しづつ脱落し、軌道面aから介在物10Bが完全に脱落して表面孔10Aと同じ状態になると、急速に亀裂kが生じ易くなる。
本発明の転がり軸受は、水混入潤滑下で使用されても長寿命である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明に係る転がり軸受の一実施形態である車輪支持用転がり軸受の構造を示す断面図である。この車輪支持用転がり軸受は、外周面に軌道面1aを有する二つの内輪1,1と、軌道面1a,1aに対向する複列の軌道面2a,2aを内周面に有する外輪2と、対向する両軌道面1a,2aの間に転動自在に配置される複数の玉(転動体)3と、玉3を転動自在に保持する保持器4,4と、から構成されている。
この車輪支持用転がり軸受の内輪1は車軸5を内嵌するハブ6に固定され、外輪2は車体側の懸架装置7に固定されている。そして、ハブ6に一体成形された車輪取付用フランジ6aに車輪(図示せず)を取り付けることにより、車輪を懸架装置7に対して回転自在に支持している。
この内輪1及び外輪2は、以下に示す手順で製造した。まず、高炭素クロム軸受鋼2種(SUJ2)製の円柱状素材を、熱間鍛造で所定形状に加工した。このとき、円柱状素材の直径,長さ,熱間鍛造時の目抜き位置,厚み等を調節することにより、軌道面1a,2aのうち、接触角が初期接触角の−5°以上+5°以下である場合に玉3と接触する部分に出現する円柱状素材の部位を調整した。すなわち、軌道面1a,2aのうち前記部分が、円柱状素材の外周側の円筒状部分で形成されるようにした。この円筒状部分は、円柱状素材の径方向中心から半径の40%外側の位置よりも外側の部分である。そして、得られた内輪及び外輪に、焼入れ及び焼戻しを施した。
次に、製造した全ての内輪及び外輪について超音波探傷検査を行い、その軌道面のうち前記部分に存在する欠陥(表面孔及び酸化物系非金属介在物)を調査した。そして、超音波探傷検査を行った内輪及び外輪の中から、その軌道面の前記部分に欠陥が存在しないもの、或いは、上記部分に存在する欠陥の最大長さLが80μm以下のものを選別した。なお、その欠陥の最大長さLと最大深さDとの比L/Dは、2.0以上であることがより好ましい。
また、玉3は、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後に、焼入れ及び焼戻しを施して作製した。
このような本実施形態の車輪支持用転がり軸受は、水混入潤滑下で使用された場合であっても転がり疲れ寿命が長い。
なお、本実施形態では、車輪取付用フランジ6aが内輪1や外輪2と別体に設けられた、所謂第一世代の車輪支持用転がり軸受に本発明を適用した場合について説明したが、車輪支持用転がり軸受の構成はこれに限定されるものではない。例えば、車輪取付用フランジ又は懸架装置取付用フランジが外輪と一体に設けられた、所謂第二世代の車輪支持用転がり軸受に適用してもよいし、車輪取付用フランジ及び懸架装置取付用フランジがそれぞれ内輪及び外輪のいずれかと一体に設けられた、所謂第三世代の車輪支持用転がり軸受に適用してもよい。本発明を第二世代又は第三世代の車輪支持用転がり軸受に適用する場合には、円柱状素材を中炭素鋼(例えばS53C)製とすることが好ましい。
以下に、本発明の効果を検証した結果について詳細に説明する。本実施例では、転がり軸受の外輪を以下に示す手順で作製した。まず、日本精工株式会社製の呼び番号48BWD02の車輪支持用転がり軸受(内径:48mm,外径:86mm,幅:40mm,初期接触角:40°)用の外輪を、SUJ2製の円柱状素材を熱間鍛造で成形することにより作製した。このとき、前述したように円柱状素材の直径,長さ,熱間鍛造時の目抜き位置,厚み等を調節した。
次に、この複列の軌道面を有する外輪を、放電加工により軸方向に二分割することで、単列の軌道面を有する外輪を作製した。そして、外輪の軌道面のうち、玉との接触角が35°以上45°以下である場合に玉と接触する部分(長径が1.10mmの楕円状の接触部分)に研磨加工を施して、その部分の表面粗さ(算術平均粗さ)Raを0.3μm以下に仕上げた。
次に、前記部分に切削加工を施して、各種表面孔(酸化物系非金属介在物の脱落痕や、研削加工,超仕上げ加工で除去できなかった旋削痕や、研削加工時の表面の剥離により表面に形成される孔)を形成した。このようにして得られた外輪について、超音波探傷検査装置を用いて以下の条件で超音波探傷検査(非破壊検査)を行った。
すなわち、超音波探傷用探触子として、周波数が100MHzで、入射角が30°以上40°以下で、振動子径が6mmの焦点型斜角探触子を用いた。そして、外輪の軌道面において、前述の研磨加工を施した部分(玉との接触角が35°以上45°以下である場合に玉と接触する部分)を探傷検査して、その部分に存在する表面孔の最大長さLと最大深さDを測定した。得られた測定結果を、表1に示す。
Figure 2008101684
次に、この外輪と、前述した呼び番号48BWD02の車輪支持用転がり軸受用のSUJ2製内輪及びSUJ2製玉とを用いて、転がり軸受を組み立てて、水混入潤滑下での寿命試験を行った。
この寿命試験においては、まず、図3に示すように、内輪31の内周面に回転軸34を取り付けた状態の転がり軸受を容器35内に設置した。そして、この容器35内に、5質量%の水が混入された潤滑油(VG10)36を入れて、この潤滑油36内に転がり軸受全体が浸漬するようにした。次に、回転軸34の上からアキシャル荷重Pa(8820N)を付与した状態で、回転軸34を回転速度1000min-1で回転させた。このとき、転がり軸受に生じる振動を振動計で常時測定した。なお、図3の符号32は外輪であり、符号33は玉である。
この寿命試験では、振動計の測定値が一定値を超えるまでの転がり軸受の回転時間を寿命とし、ワイブル分布関数に基づくL10寿命を算出した。寿命試験の結果を表1に示す。なお、表1のL10寿命の数値は、比較例1のL10寿命を1とした場合の相対値で示してある。
また、外輪は円柱状素材を熱間鍛造で成形することにより作製されたものであり、外輪の軌道面のうち前記部分は、円柱状素材の外周側の円筒状部分で形成されているが、この円筒状部分が、円柱状素材の径方向中心から半径の何%外側の位置よりも外側の部分であるかを測定した。この円筒状部分とその内側の中心部との境界が、円柱状素材の径方向中心から半径の何%外側の位置であるかを、表1に記載した。なお、この境界の位置は、寿命試験が終了した後の外輪を破断し、その断面を光学顕微鏡で観察することにより測定した。
表1に示すように、軌道面の特定の部分に存在する表面孔を、最大長さLが80μm以下で、且つ、前記境界の位置が円柱状素材の径方向中心から半径の40%超過外側である外輪を用いた実施例1〜9は、比較例1〜3と比べて長寿命であった。また、前述した表面孔の最大長さLと最大深さDとの比L/Dが2.0以上である実施例1〜7は、より長寿命であった。
なお、本実施例においては、外輪をSUJ2で構成した場合を示したが、外輪の素材はSUJ2に限定されるものではなく、S53C,SAE1070等のような炭素の含有量が0.48質量%以上1.2質量%以下の中炭素鋼や高炭素鋼で外輪を構成した場合も、同様の結果が得られる。
また、本実施例においては、本発明を外輪に適用した場合について示したが、内輪及び外輪の少なくとも一方に本発明を適用すれば、本発明の効果を得ることができる。
本発明において検出する欠陥について示す図であり、(a)は欠陥として検出する表面孔を示す説明図、(b)は欠陥として検出する酸化物系非金属介在物を示す説明図である。 本発明に係る転がり軸受の一実施形態である車輪支持用転がり軸受の構造を示す断面図である。 寿命試験装置の構造を説明する概略構成図である。
符号の説明
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 玉(転動体)
10A 表面孔(欠陥)
10B 酸化物系非金属介在物(欠陥)

Claims (3)

  1. 互いに対向配置される軌道面を有する内輪及び外輪と、前記対向する両軌道面の間に転動自在に配置される複数の転動体と、を備えた転がり軸受において、前記内輪及び前記外輪の少なくとも一方が、下記の3つの条件を満足することを特徴とする転がり軸受。
    条件A:前記軌道面のうち、接触角が初期接触角の−5°以上+5°以下である場合に前記転動体と接触する部分に存在する表面孔及び酸化物系非金属介在物の最大長さLが、それぞれ80μm以下である。
    条件B:鋼製の円柱状素材を鍛造で成形して得たものである。
    条件C:前記軌道面のうち前記部分は、前記円柱状素材の外周側の円筒状部分で形成されており、この円筒状部分は、前記円柱状素材の径方向中心から半径の40%外側の位置よりも外側の部分である。
  2. 前記表面孔及び前記酸化物系非金属介在物については、その最大長さLと最大深さDとの比L/Dが2.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記内輪及び前記外輪のうち少なくとも前記外輪が複列の軌道面を有するとともに、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する車輪支持用転がり軸受として用いられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103912587A (zh) * 2014-04-12 2014-07-09 山东浩信机械有限公司 用于商用车的轮端总成
CN113119059A (zh) * 2021-04-01 2021-07-16 武汉工程大学 基于等百分比特性的麦克纳姆轮底盘操纵特性优化方法

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