以下に、本発明に係る導電モジュールの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る導電モジュールの実施形態の1つを図1から図14に基づいて説明する。
図1から図9の符号1は、本実施形態の導電モジュールを示す。導電モジュール1は、電池モジュールBM(図10)に組み付けることによって、この電池モジュールBMと共に電池パックBPを構成する。電池パックBPとは、回転機を駆動源として備える車両(電気自動車やハイブリッド車等)に搭載されるものであり、その回転機に対する給電等に供される。尚、図3から図8の導電モジュール1は、その一部を抜粋したものである。
電池モジュールBMは、複数の電池セルBCを備える。その電池セルBCは、セル本体BC1と、2つの電極端子BC2と、を備える(図10)。それぞれの電極端子BC2は、外方に露出させた状態でセル本体BC1の何れかの場所に各々設けたものであって、一方が正極となり、他方が負極となる。それぞれの電極端子BC2は、例えば、セル本体BC1の外壁面に設けた板状のものであったり、セル本体BC1の外壁面から突出させた柱状の極柱であったりする。また、それぞれの電極端子BC2は、セル本体BC1が複数の外壁面を有する場合、その内の1つの外壁面に各々配置してもよく、それぞれ別の外壁面に配置してもよい。
電池モジュールBMにおいては、その正負それぞれの電極端子BC2を有する複数の電池セルBCが一方向に配列されている。この電池モジュールBMにおいては、それぞれの電池セルBCの一方の電極端子BC2と他方の電極端子BC2とが各々一列に並べられた状態で、それぞれの電池セルBCが配列されている。このため、この電池モジュールBMでは、一列に並べられた複数の電極端子BC2から成る電極端子群BC5が2箇所に設けられている(図10)。以下においては、特段の言及が無く「配列方向」と記した場合、その複数の電池セルBCの配列方向や電極端子群BC5毎の複数の電極端子BC2の配列方向のことを示すものとする。
それぞれの電極端子BC2には、導電性の端子接続部品40(図1から図9)が電気接続される。その端子接続部品40としては、電極端子群BC5におけるそれぞれの電極端子BC2の内の配列方向で隣り合うもの同士を電気接続させる端子接続部品40A(図1から図9)と、電池モジュールBMの所謂総正極及び総負極の内の何れか一方となる電極端子BC2に電気接続させる端子接続部品40B(図1、図2及び図9)と、電池モジュールBMの所謂総正極及び総負極の内の何れか他方となる電極端子BC2に電気接続させる端子接続部品40C(図1、図2及び図9)と、が設けられている。電池モジュールBMにおいては、それぞれの電極端子群BC5にて、それぞれの電極端子BC2の内の配列方向で隣り合うもの同士が端子接続部品40Aで電気接続されることによって、それぞれの電池セルBCが直列又は並列に繋がれる。また、この電池モジュールBMにおいては、その端子接続部品40Aで連結されない電極端子BC2が2つ存在しており、その内の一方が総正極となり、その内の他方が総負極となる。
端子接続部品40(40A,40B,40C)は、金属等の導電性材料で成形されている。この例示の端子接続部品40は、金属板を母材にして成形された所謂バスバであり、略矩形の平板状の主体41を有している(図3、図4及び図11)。この端子接続部品40においては、その主体41を電極端子BC2に対して物理的且つ電気的に接続させる。例えば、電極端子BC2が先に示した板状の場合には、電極端子BC2に対して主体41を溶接(レーザ溶接等)する。この場合、端子接続部品40Aについては、配列方向で隣り合うそれぞれの電極端子BC2に対して主体41を溶接する。また、電極端子BC2が先に示した極柱の場合には、その極柱そのものが雄螺子部を有しており、かつ、その電極端子BC2を挿通させる貫通孔が主体41に形成されている。この場合には、その貫通孔に挿通させた電極端子BC2の雄螺子部に雌螺子部材を螺合させることによって、その電極端子BC2に主体41を螺子止め固定する。この場合、端子接続部品40Aについては、配列方向で隣り合うそれぞれの電極端子BC2を各々に対応させた主体41の貫通孔に挿通させ、それぞれの電極端子BC2の雄螺子部毎に雌螺子部材を螺合させることによって、それぞれの電極端子BC2に主体41を螺子止め固定する。
電池モジュールBMにおいては、一方の電極端子群BC5において、複数の端子接続部品40Aと端子接続部品40Bとが配列方向に沿って配列され、他方の電極端子群BC5において、複数の端子接続部品40Aと端子接続部品40Cとが配列方向に沿って配列される。
例えば、本実施形態の電池セルBCは、セル本体BC1が方体を成している(図10)。故に、本実施形態の電池モジュールBMは、それぞれの電池セルBCによって仮想的に方体を成しており、複数の電池セルBCから成る集合体の6つの壁面を有している。また、本実施形態の電池セルBCは、そのセル本体BC1の1つの外壁面に2枚の板状の電極端子BC2を備えている(図10)。故に、本実施形態の電池モジュールBMにおいては、方体を成す6つの壁面の内の1つに2つの電極端子群BC5が設けられ、電極端子BC2に対して端子接続部品40(40A,40B,40C)が溶接される。例えば、この電池モジュールBMは、車両において、それぞれの電極端子BC2が車両上方を向くように搭載される。
導電モジュール1は、そのように構成されている電池モジュールBMに組み付けて、それぞれの電池セルBCに対して電気接続させる。この導電モジュール1は、複数本の電線10と、それぞれの電線10の収容を担う第1収容体20及び第2収容体30と、を備える(図1から図9)。導電モジュール1は、先に示した導電性の端子接続部品40(40A,40B,40C)を自らの構成部品として備えるものであってもよい。また、この導電モジュール1は、端子接続部品40(40A,40B,40C)が電池モジュールBMの構成部品となる場合、その端子接続部品40(40A,40B,40C)を自らの構成部品として備えぬものであってもよい。この例示では、端子接続部品40(40A,40B,40C)についても導電モジュール1の構成部品とする(図1から図9)。このため、この例示の導電モジュール1は、端子接続部品40(40A,40B,40C)の収容を担う第3収容体50を備える(図1から図9)。また、この導電モジュール1は、第1収容体20と第2収容体30の相対的な位置を変位させる可変手段60を備えている(図3から図8)。
導電モジュール1は、電極端子群BC5毎に1つずつ用意されるものであってもよい。つまり、一方の導電モジュール1には、一方の電極端子群BC5用の複数本の電線10と第1収容体20と第2収容体30と端子接続部品40(40A,40B)と第3収容体50と可変手段60とが設けられている。そして、他方の導電モジュール1には、他方の電極端子群BC5用の複数本の電線10と第1収容体20と第2収容体30と端子接続部品40(40A,40C)と第3収容体50と可変手段60とが設けられている。この導電モジュール1は、少なくとも第1収容体20と第2収容体30と可変手段60とが一体になって成形された1つの収容部品を備えていればよい。この場合の導電モジュール1は、例えば、第1収容体20、第2収容体30及び可変手段60が一体になって成形された1つの収容部品(第1収容部品)と、第3収容体50を有する別の収容部品(第2収容部品)と、を備えるものであってもよく、第1収容体20、第2収容体30、第3収容体50及び可変手段60が一体になって成形された1つの収容部品を備えるものであってもよい。また、この導電モジュール1は、少なくとも第1収容体20と第2収容体30とが各々別部品(第1収容部品、第2収容部品)として成形され、その別部品の第1収容体20と第2収容体30とが可変手段60を介して組み付けられたものであってもよい。この場合の導電モジュール1は、例えば、第1収容体20と第2収容体30と第3収容体50とが各々別部品(第1収容部品、第2収容部品、第3収容部品)として成形され、その内の第1収容体20と第2収容体30とが可変手段60を介して組み付けられたものであってもよく、別部品(第1収容部品、第2収容部品)として成形された第1収容体20及び第2収容体30が可変手段60を介して組み付けられたものと、第3収容体50を有する別の収容部品(第3収容部品)と、を備えるものであってもよく、第2収容体30及び第3収容体50が1つの収容部品(第2収容部品)として一体になって成形され、その第2収容部品の第2収容体30に可変手段60を介して別部品(第1収容部品)としての第1収容体20が組み付けられたものであってもよい。
また、導電モジュール1は、双方の電極端子群BC5用として1つ用意されるものであってもよい。つまり、この導電モジュール1は、一方の電極端子群BC5用の電線10、第1収容体20、第2収容体30、端子接続部品40(40A,40B)、第3収容体50及び可変手段60と、他方の電極端子群BC5用の電線10、第1収容体20、第2収容体30、端子接続部品40(40A,40C)、第3収容体50及び可変手段60と、を備えるものであってもよい。この導電モジュール1は、少なくとも一方の電極端子群BC5用の第1収容体20、第2収容体30及び可変手段60が一体になって成形された1つの収容部品と、少なくとも他方の電極端子群BC5用の第1収容体20、第2収容体30及び可変手段60が一体になって成形された1つの収容部品と、を備えていればよい。この場合の導電モジュール1は、例えば、第1収容体20、第2収容体30及び可変手段60が1つの部品として一体になって成形された電極端子群BC5毎の収容部品(第1収容部品)と、双方の電極端子群BC5用の第3収容体50が一体になって成形された別の収容部品(第2収容部品)と、を備える。また、この導電モジュール1は、各々別部品(第1収容部品、第2収容部品)として成形された第1収容体20と第2収容体30とが電極端子群BC5毎に可変手段60を介して組み付けられたものであってもよい。この場合の導電モジュール1は、例えば、電極端子群BC5毎の第1収容体20と第2収容体30と第3収容体50とが各々別部品として(第1収容部品、第2収容部品、第3収容部品)として成形され、その内の第1収容体20と第2収容体30とが電極端子群BC5毎に可変手段60を介して組み付けられたものであってもよい。また、この場合の導電モジュール1は、例えば、電極端子群BC5毎に1つの収容部品(第1収容部品)として成形された第1収容体20と、双方の電極端子群BC5用の第2収容体30が一体になって成形された別の収容部品(第2収容部品)と、双方の電極端子群BC5用の第3収容体50が一体になって成形された別の収容部品(第3収容部品)と、を備え、その第2収容部品のそれぞれの第2収容体30に可変手段60を介して別部品(第1収容部品)としての第1収容体20が各々組み付けられたものであってもよい。また、この場合の導電モジュール1は、例えば、双方の電極端子群BC5用の第2収容体30及び第3収容体50が1つの収容部品(第2収容部品)として一体になって成形され、その第2収容部品のそれぞれの第2収容体30に可変手段60を介して別部品(第1収容部品)としての第1収容体20が各々組み付けられたものであってもよい。
この例示の導電モジュール1は、双方の電極端子群BC5用の全ての第1収容体20、第2収容体30及び可変手段60が一体になって成形された第1収容部品1Aと、双方の電極端子群BC5用の全ての第3収容体50が一体になって成形された別の第2収容部品1Bと、を備えるものとして構成している(図1、図2及び図9)。その第1収容部品1Aと第2収容部品1Bは、保持機構等を介して互いに組み付けられて固定される。
以下においては、図示及び説明の便宜上、必要に応じて、一方の電極端子群BC5の一部分に着目して説明を行う。
ここで示す電線10は、導電性の芯線が絶縁性の被覆で覆われたものであり、屈曲させ得るよう柔軟性を持たせている。この電線10は、先に示した導電性の端子接続部品40(40A,40B,40C)毎に設け、電極端子群BC5毎に配列方向に沿って配策させる。
また、この電線10は、端子接続部品40(40A,40B,40C)の電線接続部42に対して一方の端末を電気的に接続させる(図3から図5)。例えば、この電線10は、その電線接続部42に対して、一方の端末を半田付け等で直接的に電気接続させてもよく、一方の端末に設けた端子金具15を介して間接的に電気接続させてもよい。この例示では、一方の端末に加締め等で圧着固定した端子金具15を介在させている(図1から図7)。
その電線接続部42は、端子接続部品40(40A,40B,40C)の主体41から突出させている。この例示の電線接続部42は、主体41の1つの辺部の一部から、この主体41の平面に沿って当該主体41から離れる方向で、かつ、その平面に対する交差方向に向けて突出させている。ここでは、2つの矩形の平板状の片部42a,42bから成るL字状に電線接続部42を形成している(図11)。その電線接続部42は、主体41の辺部の一部から当該主体41の平面に対する直交方向に向けて突出させた一方の片部42aと、その一方の片部42aの突出方向側の端部から主体41の平面に沿って当該主体41から離れる方向に向けて突出させた他方の片部42bと、を有する。この例示の電線接続部42においては、その他方の片部42bに貫通孔43が形成されている(図3及び図11)。端子接続部品40(40A,40B,40C)は、第3収容体50に収容された際に、その第3収容体50に設けたスタッドボルト71を貫通孔43に挿通させる(図3及び図4)。
端子金具15は、矩形の平板状の電気接続部15aに貫通孔15bを有している(図3から図5)。この端子金具15においては、その貫通孔15bにスタッドボルト71を挿通させることによって、電気接続部15aの平面を端子接続部品40(40A,40B,40C)の他方の片部42bの平面に接触させる。この端子金具15は、そのスタッドボルト71に雌螺子部材72を螺合させ、電気接続部15aを他方の片部42bに螺子止め固定させることによって、端子接続部品40(40A,40B,40C)に電気接続される。これにより、この導電モジュール1においては、電線10が端子接続部品40(40A,40B,40C)に電気接続される(図3から図7)。
この例示の導電モジュール1は、第1収容体20と第2収容体30とを電極端子群BC5毎に備える。第1収容体20と第2収容体30は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。第1収容体20は、一方又は他方の電極端子群BC5用のそれぞれの電線10を配列方向に沿わせて収容させる収容体である。第2収容体30は、一方又は他方の電極端子群BC5用のそれぞれの端子接続部品40の電線接続部42とそれぞれの電線10の一方の端末とを収容させる収容体である。この第1収容体20と第2収容体30は、可変手段60を介して、相対的な位置を作業位置と積層位置との間で変位させることができる。作業位置とは、第1収容体20へのそれぞれの電線10の収容作業が可能で、かつ、第2収容体30でのそれぞれの端子接続部品40の電線接続部42とそれぞれの電線10の一方の端末との電気接続作業が可能な位置のことである。一方、積層位置とは、その作業位置での各種作業を終えた後に変位させる位置のことであり、第1収容体20と第2収容体30のそれぞれの作業用開口を重ね合わせて第1収容体20と第2収容体30とを積層させた位置のことである。
第1収容体20は、配列方向に沿って延在させる。この第1収容体20には、それぞれの電線10を収容する電線収容室20aと、それぞれの電線10を電線収容室20aに収容させる際の挿入口20bと、が形成されている(図3から図7、図12及び図13)。
この第1収容体20は、挿入口20bに対向配置され、収容されたそれぞれの電線10を配列方向に沿って案内する底壁としての主ガイド壁21を有する(図3、図4、図12及び図13)。その主ガイド壁21は、矩形の平板状に形成し、配列方向に沿って延在させる。また、この第1収容体20は、その主ガイド壁21における配列方向に対する直交方向の一端から立設させ、その立設方向側の端部を挿入口20bの周縁部とし、収容されたそれぞれの電線10を配列方向に沿って案内する第1側壁としての第1副ガイド壁22を有する(図3、図4、図12及び図13)。また、この第1収容体20は、その主ガイド壁21における配列方向に対する直交方向の他端から立設させ、その立設方向側の端部を挿入口20bの周縁部とし、収容されたそれぞれの電線10を配列方向に沿って案内する第2側壁としての第2副ガイド壁23を有する(図3、図4、図12及び図13)。この第1収容体20においては、その主ガイド壁21と第1副ガイド壁22と第2副ガイド壁23とで囲まれた空間を電線収容室20aとして利用する。この第1収容体20において、主ガイド壁21は、電線収容室20aの底壁であり、その電線収容室20aの室内外を間仕切りする底壁となる。また、第1副ガイド壁22は、電線収容室20aの第1側壁であり、その電線収容室20aの室内外を間仕切りする第1主側壁となる。また、第2副ガイド壁23は、その電線収容室20aの第2側壁であり、電線収容室20aの室内外を間仕切りする第2主側壁となる。
この第1収容体20は、電線収容室20aに収容された電線10を電線収容室20aに止めることが可能な電線係止部24を有する(図3から図7、図12及び図13)。その電線係止部24は、更に、積層位置で端子接続部品40の電線接続部42と電線10の一方の端末との接続部分を覆うことが可能なものとして形成する。このため、この電線係止部24は、第1収容体20の挿入口20b側に配置する。この例示では、電線接続部42と電線10の一方の端末と端子金具15とスタッドボルト71と雌螺子部材72とを覆い隠すことができるものとして形成している。
この電線係止部24は、電線接続部42と電線10の一方の端末との接続部分毎に当該接続部分を覆うことが可能なもの(例えば、挿入口20bにおける接続部分との対向配置箇所を塞ぐことが可能なもの)として設けてもよく、全ての接続部分を一纏めに覆うことが可能なもの(例えば、挿入口20bの全体を塞ぐことが可能なもの)として設けてもよい。また、この電線係止部24は、第1副ガイド壁22又は第2副ガイド壁23に一体になって成形されたものであってもよく、第1収容体20とは別の部品として用意してもよい。この例示では、接続部分毎に電線係止部24を設けている。また、この例示の電線係止部24は、矩形の平板状で、かつ、第2副ガイド壁23における立設方向側の端部を固定端とした片持ち形状に形成する。更に、この電線係止部24は、挿入口20bから電線収容室20aへの電線10の収容作業が可能な収容作業位置(図5及び図6)と、その電線収容室20aに収容された電線10を電線収容室20aに止めることが可能な電線係止位置(図7)と、の間で挿入口20bに対して変位させるものとして形成する。この例示の電線係止部24は、その固定端側にヒンジ部24aを設け、そのヒンジ部24aを回動支点とした挿入口20bに対する収容作業位置と電線係止位置との間での相対回転が行えるものとして形成する(図12及び図13)。例えば、ヒンジ部24aとしては、所謂リビングヒンジを設ければよい。
第1収容体20は、この電線係止部24を電線係止位置のまま保持させる保持機構25を備える(図6、図8、図12及び図13)。その保持機構25は、電線係止部24の自由端側に設けた第1係止体25a(図6、図8、図12及び図13)と、第1副ガイド壁22に設け、第1係止体25aに係止させることによって電線係止部24を電線係止位置に保つ第2係止体25b(図8及び図13)と、を備える。
例えば、この保持機構25は、第1係止体25aと第2係止体25bの内の少なくとも一方が爪部を有し、その爪部を電線係止部24が係止位置で保たれるよう相手方に係止させるものとして構成する。この例示では、爪部25a1を第1係止体25aに設けている(図12及び図13)。一方、第2係止体25bは、第1副ガイド壁22に貫通孔又は切欠きとして形成し、電線係止部24が電線係止位置のときに電線収容室20a側から爪部25a1を挿入させることによって、電線係止部24が電線係止位置で保たれるように貫通孔又は切欠きの周壁で爪部25a1を係止させる(図8及び図13)。
この例示の第1係止体25aは、電線係止部24の自由端から垂設させた矩形の平板状で且つ片持ち形状の片部25a2を有しており、この片部25a2の自由端に爪部25a1を設けている(図12及び図13)。片部25a2は、電線係止部24が電線係止位置のときに、その外側の壁面を第1副ガイド壁22における電線収容室20a側の内壁面に対向配置させる。よって、爪部25a1は、その片部25a2における外側の壁面(第1副ガイド壁22の内壁面に対向配置される壁面)から突出させる。
ここで、第1副ガイド壁22の内壁面には、電線係止部24が電線係止位置のときに第1係止体25aを収容する収容体25cが設けられている(図6、図12及び図13)。その収容体25cは、電線収容室20aに収容された電線10と電線係止部24が電線係止位置のときの第1係止体25aとの接触を防ぐために設けられた部位であり、その電線10の保護機能を為している。この例示では、角筒状を成すように収容体25cが形成されている。
電線収容室20aに収容されている電線10は、一方の端末が第2収容体30側に案内されて当該第2収容体30の後述する接続部収容室30aに収容される。そこで、第1副ガイド壁22は、電線収容室20aと接続部収容室30aとの間で電線10を案内するガイド部26を電線10毎に有している(図3から図8、図12及び図13)。そのガイド部26は、第1副ガイド壁22に形成した切欠き部26aを少なくとも有している(図12及び図13)。この例示のガイド部26は、第1副ガイド壁22にて挿入口20b側から切り欠かれ且つ電線10を挿通させる切欠き部26aと、その切欠き部26aまで電線収容室20aの電線10を案内する一対のガイド壁部26bと、を有している(図12及び図13)。このガイド部26においては、その切欠き部26aと一対のガイド壁部26bの間の空間とで電線10のガイド経路を形成している。一対のガイド壁部26bは、電線収容室20aにて配列方向で互いに間隔を空けて対向配置させている。
この例示の第1収容体20は、そのガイド部26で案内されている電線10をガイド経路に止めるための電線係止部27を有している(図6、図7、図12及び図13)。その電線係止部27は、一対のガイド壁部26bの内の少なくとも一方の挿入口20b側に、その挿入口20b側からガイド経路を覆うことが可能なものとして形成する。この例示の電線係止部27は、一方のガイド壁部26bから他方のガイド壁部26bに向けて突出させる。また、この例示の電線係止部27は、その突出方向側の端部と他方のガイド壁部26bとの間に、電線10のガイド経路への挿入を可能にする隙間D1が設けられるように形成する(図12)。この例示の電線係止部27は、その隙間D1が電線10の直径よりも小さくなるように形成し、かつ、自らに可撓性を持たせることによって、電線10のガイド経路への挿入とガイド経路における電線10の係止とを両立させている。
第2収容体30は、それぞれの端子接続部品40の電線接続部42とそれぞれの電線10の一方の端末とを収容する接続部収容室30aと、それぞれの電線接続部42とそれぞれの電線10の一方の端末とを電気接続させる際の接続作業口30bと、が形成されている(図3から図7)。
この第2収容体30は、接続作業口30bに対向配置された底壁としての主壁31を有する(図3及び図4)。その主壁31は、矩形の平板状に形成し、配列方向に沿って延在させる。また、この第2収容体30は、その主壁31における配列方向に対する直交方向の一端から立設させ、その立設方向側の端部を接続作業口30bの周縁部とする第1側壁32を有する(図3及び図4)。また、この第2収容体30は、その主壁31における配列方向に対する直交方向の他端から立設させ、その立設方向側の端部を接続作業口30bの周縁部とする第2側壁33を有する(図3及び図4)。
例えば、この第2収容体30において、接続部収容室30aは、電線接続部42と電線10の一方の端末との接続部分毎に設けてもよく、全ての接続部分の収容が可能な1つの部屋として設けてもよい。また、接続作業口30bは、電線接続部42と電線10の一方の端末との接続部分毎に接続部収容室30aを設ける場合、その接続部分毎に設け、全ての接続部分の収容が可能なものとして接続部収容室30aを設ける場合、全ての接続部分に対する接続作業が可能な作業口として設ける。
この例示では、接続部収容室30aと接続作業口30bとを接続部分毎に設けている。そこで、この例示の第2収容体30は、接続部収容室30aと接続作業口30bとを接続部分毎に配列方向に沿って区画する複数の間仕切り壁34を有している(図3及び図4)。この例示では、主壁31をそれぞれの接続作業口30bに対向配置させるべく、その主壁31からそれぞれの間仕切り壁34を第1側壁32や第2側壁33と同じ向きに立設させている。この第2収容体30においては、主壁31と第1側壁32と第2側壁33と対向配置状態の2つの間仕切り壁34とで囲まれた空間が接続部収容室30aとして利用される。この第2収容体30において、主壁31は、接続部収容室30aの底壁であり、その接続部収容室30aの室内外を間仕切りする底壁となる。また、第1側壁32は、接続部収容室30aの第1側壁であり、その接続部収容室30aの室内外を間仕切りする第1主側壁となる。また、第2側壁33は、接続部収容室30aの第2側壁であり、その接続部収容室30aの室内外を間仕切りする第2主側壁となる。また、それぞれの間仕切り壁34は、各々、接続部収容室30aの第3側壁及び第4側壁であり、配列方向で隣り合う2つの接続部収容室30aを間仕切りする第1副側壁及び第2副側壁となる。この第2収容体30においては、第1側壁32と第2側壁33と対向配置状態の2つの間仕切り壁34のそれぞれの立設方向側の端部が接続作業口30bの周縁部として利用される。
ここで、この第2収容体30においては、接続作業口30bが、電線10の一方の端末を接続部収容室30aに収容させる際の挿入口を兼ねている。その接続作業口30bは、電線接続部42を接続部収容室30aに収容させる際の挿入口を兼ねるものであってもよい。しかしながら、この例示の第2収容体30においては、電線接続部42を挿入するための挿入口30cを主壁31に設けている(図3、図4、図12及び図13)。この第2収容体30においては、その挿入口30cから挿入された電線接続部42の他方の片部42bを主壁31の内壁面から突出させ、かつ、その他方の片部42bの貫通孔43に挿通されたスタッドボルト71を接続部収容室30aに収容させる。
その接続部収容室30aにおいては、第1収容体20のガイド部26から案内されてきた電線10の一方の端末が端子金具15と共に挿入口30cから収容されながら、その端子金具15の貫通孔15bにスタッドボルト71が差し込まれていく。そこで、第1側壁32は、接続部収容室30aと電線収容室20aとの間で電線10を案内するガイド部36を電線10毎に有している(図3から図8、図12及び図13)。そのガイド部36は、第1側壁32に形成した切欠き部36aを少なくとも有している(図12及び図13)。この例示のガイド部36は、第1側壁32にて接続作業口30b側から切り欠かれ且つ電線10を挿通させる切欠き部36aと、その切欠き部36aの電線10を接続部収容室30aまで案内する一対のガイド壁部36bと、を有している(図12及び図13)。このガイド部36においては、その切欠き部36aと一対のガイド壁部36bの間の空間とで電線10のガイド経路を形成している。一対のガイド壁部36bは、接続部収容室30aにて配列方向で互いに間隔を空けて対向配置させている。
この例示の第2収容体30は、そのガイド部36で案内されている電線10をガイド経路に止めるための電線係止部37を有している(図6、図7、図12及び図13)。その電線係止部37は、一対のガイド壁部36bの内の少なくとも一方の接続作業口30b側に、その接続作業口30b側からガイド経路を覆うことが可能なものとして形成する。この例示の電線係止部37は、一方のガイド壁部36bから他方のガイド壁部36bに向けて突出させる。また、この例示の電線係止部37は、その突出方向側の端部と他方のガイド壁部36bとの間に、電線係止部27と同様に、電線10のガイド経路への挿入を可能にする隙間D1が設けられるように形成する(図12)。この例示の電線係止部37は、その隙間D1が電線10の直径よりも小さくなるように形成し、かつ、自らに可撓性を持たせることによって、電線10のガイド経路への挿入とガイド経路における電線10の係止とを両立させている。
この導電モジュール1においては、後述するように、配列方向と積層方向とに対する直交方向で第1副ガイド壁22と第1側壁32とを対向配置させる。このため、それぞれのガイド部26,36は、その第1副ガイド壁22と第1側壁32の対向配置方向で対向配置させる。
この導電モジュール1においては、先に示したように、可変手段60を介して、その第1収容体20と第2収容体30との相対的な位置を作業位置と積層位置との間で変位させる。この例示の作業位置とは、挿入口20bからのそれぞれの電線10の電線収容室20aへの収容作業が可能で、かつ、それぞれの端子接続部品40の電線接続部42とそれぞれの電線10の一方の端末の接続作業口30bからの電気接続作業が可能な位置のことである。一方、この例示の積層位置とは、挿入口20bと接続作業口30bとを重ね合わせて第1収容体20と第2収容体30とを積層させた位置のことである。
可変手段60は、例えば、その作業位置と積層位置との間で第1収容体20と第2収容体30とを相対回転させるものとして形成する。このため、可変手段60は、第1収容体20と第2収容体30とを各々別の部品として成形するのであれば、第1収容体20と第2収容体30の内の一方に設けた回転軸と、その内の他方に設け、その回転軸を軸支する軸受と、を備える回転機構として構成してもよい。但し、この例示では、第1収容体20と第2収容体30とを1つの第1収容部品1Aとして成形している。このため、ここで示す可変手段60は、第1収容体20及び第2収容体30と共に、第1収容部品1Aの一部分として一体になって成形される。例えば、この可変手段60は、第1収容体20と第2収容体30とを繋ぐヒンジ体として形成する。この例示の可変手段60は、所謂リビングヒンジとして形成している。
ここで、作業位置での第1収容体20と第2収容体30は、積層位置における第1収容体20と第2収容体30の積層方向に見て、配列方向と積層方向とに対する直交方向に隙間D2を空けて並べて配置する(図3及び図4)。そこで、可変手段60は、その隙間D2に配置すればよい。作業位置は、そのように積層方向に見て第1収容体20と第2収容体30との間に隙間D2ができるのであれば、挿入口20bと接続作業口30bのそれぞれの開口方向(言うなれば、主ガイド壁21と主壁31のそれぞれの平面に対する直交方向)が交差していてもよく、それぞれの開口方向が同じ向きを向いていてもよい。ここで示す導電モジュール1においては、挿入口20bと接続作業口30bのそれぞれの開口方向を同じ向きとし、かつ、第1副ガイド壁22と第1側壁32とが配列方向とそれぞれの開口方向とに対する直交方向(つまり、配列方向と積層方向とに対する直交方向)で互いに隙間D2を空けて対向配置されるように、第1収容体20と第2収容体30とを配置している(図3及び図4)。ここでは、このような第1収容体20と第2収容体30との相対的な位置を作業位置とする。従って、この例示の可変手段60は、第1副ガイド壁22と第1側壁32との間に設けている。また、この例示の可変手段60は、第1副ガイド壁22と第1側壁32との間で複数箇所に設けている。
導電モジュール1は、第1収容体20と第2収容体30とを積層位置で互いに保持させる保持機構80Aを備える(図6、図7、図12及び図13)。その保持機構80Aは、かかる保持機能を為すものであれば、この技術分野で周知の如何様なものを用いてもよい。例えば、保持機構80Aとしては、ロック機構、結束バンドによる固定構造、貫通孔と当該貫通孔に嵌合される固定ピンとによる固定構造、螺子締結構造等が考えられる。
ここで、この導電モジュール1においては、積層位置のときに第1収容体20と第2収容体30との間で電線10が折り返されている。このため、電線10は、積層位置のときに、電線収容室20a側から主ガイド壁21の内壁面に対して折り返しに伴う反力を作用させたり、接続部収容室30a側から主壁31の内壁面に対して折り返しに伴う反力を作用させたりして、第1収容体20や第2収容体30を変形させてしまう可能性がある(図14)。そこで、保持機構80Aは、可能な限り、その電線10の折り返し部分に配置することが望ましい。つまり、保持機構80Aは、第2副ガイド壁23における第1副ガイド壁22のガイド部26との対向配置部分と、第2側壁33における第1側壁32のガイド部36との対向配置部分と、の間に設けることが望ましい。これにより、この導電モジュール1においては、積層位置のときに、主ガイド壁21の内壁面に対する折り返しに伴う電線10からの反力や主壁31の内壁面に対する折り返しに伴う電線10からの反力を保持機構80Aで受けることができるので、第1収容体20や第2収容体30の変形を抑えることができる。
具体的に、ここで示す保持機構80Aは、第2副ガイド壁23に設けた第1係止体81と、第2側壁33に設け、積層位置で第1係止体81に係止させることによって第1収容体20と第2収容体30とを積層位置に保つ第2係止体82と、を備える(図6、図7、図12及び図13)。その対となる第1係止体81と第2係止体82は、複数箇所に設けている。
例えば、第1係止体81と第2係止体82は、その内の少なくとも一方が爪部を有し、その爪部を第1収容体20と第2収容体30とが積層位置で保たれるよう相手方に係止させるものとして構成する。この例示では、爪部81aを第1係止体81に設けている(図13)。その第1係止体81は、第2副ガイド壁23の立設方向と同じ向きで、かつ、この第2副ガイド壁23における立設方向側の端部よりも突出させた片持ち形状の片部81bを有しており、この片部81bの自由端に爪部81aを設けている(図13)。一方、第2係止体82は、第2側壁33の内壁面に、第1収容体20と第2収容体30とが積層位置のときに片部81bを収容する収容体として形成されている(図12及び図13)。この例示では、角筒状を成すように第2係止体82が形成されている。爪部81aは、片部81bと共に第2係止体82の内方に挿入されていき、第1収容体20と第2収容体30とが積層位置となったときに第2係止体82の外方に飛び出して、その第2係止体82の筒軸方向における端面に係止される。
この保持機構80Aにおいては、第1係止体81を第1副ガイド壁22のガイド部26に対向配置させ、かつ、第2係止体82を第1側壁32のガイド部36に対向配置させることによって(図12及び図13)、積層位置のときに第1収容体20や第2収容体30の変形を抑える。
この導電モジュール1は、第1副ガイド壁22と第1側壁32との間にも保持機構80Bを設けている(図6から図8、図12及び図13)。その保持機構80Bは、かかる保持機能を為すものであれば、この技術分野で周知の如何様なものを用いてもよい。この保持機構80Bは、可能な限り、電線10の折り返し部分に配置することが望ましい。そこで、この保持機構80Bは、第1副ガイド壁22のガイド部26と第1側壁32のガイド部36とに隣接させて配置する。これにより、この導電モジュール1においては、積層位置のときに、先の保持機構(第1保持機構)80Aのみならず、この保持機構(第2保持機構)80Bでも、主ガイド壁21の内壁面に対する折り返しに伴う電線10からの反力や主壁31の内壁面に対する折り返しに伴う電線10からの反力を受けることができるので、第1収容体20や第2収容体30の変形を更に抑えることができる。
具体的に、ここで示す保持機構80Bは、第1副ガイド壁22でガイド部26に隣設させた第1係止体85(図6から図8、図12及び図13)と、第1側壁32でガイド部36に隣設させ、積層位置で第1係止体85に係止させることによって第1収容体20と第2収容体30とを積層位置に保つ第2係止体86(図8及び図13)と、を備える。その対となる第1係止体85と第2係止体86は、複数箇所に設けている。
例えば、第1係止体85と第2係止体86は、その内の少なくとも一方が爪部を有し、その爪部を第1収容体20と第2収容体30とが積層位置で保たれるよう相手方に係止させるものとして構成する。この例示では、爪部85aを第1係止体85に設けている(図8、図12及び図13)。その第1係止体85は、第1副ガイド壁22の立設方向と同じ向きで、かつ、この第2副ガイド壁23における立設方向側の端部よりも突出させた片持ち形状の片部85bを電線収容室20a側に有しており、この片部85bの自由端に爪部85aを設けている(図12及び図13)。一方、第2係止体86は、第1側壁32に貫通孔又は切欠きとして形成し、積層位置のときに接続部収容室30a側から爪部85aを挿入させることによって、第1収容体20と第2収容体30とが積層位置で保たれるように貫通孔又は切欠きの周壁で爪部85aを係止させる(図8及び図13)。
この例示の第1収容部品1Aは、以上示した第1収容体20と第2収容体30と可変手段60との組み合わせを電極端子群BC5毎に有しており、それぞれの第2収容体30における延在方向の一端同士と他端同士を各々連結体1aで繋いでいる(図1)。つまり、この第1収容部品1Aは、電極端子群BC5毎の第1収容体20、第2収容体30及び可変手段60とそれぞれの連結体1aとが合成樹脂等の絶縁性材料で一体になって成形されたものである。
この導電モジュール1においては、電極端子群BC5毎のそれぞれの電線10の他方の端末がコネクタCONN1に繋がれており、そのコネクタCONN1を介してそれぞれの電線10を電気接続対象物のコネクタCONN2に電気接続させる(図9)。その電気接続対象物としては、例えば、それぞれの電池セルBCの電池状態(電圧、電流、温度等)を監視するための電池監視ユニットが考えられる。この例示の導電モジュール1は、それぞれの電線10を介してそれぞれの電池セルBCを電池監視ユニットUbに電気接続させる(図1、図2及び図9)。
この例示の導電モジュール1は、第3収容体50を電極端子群BC5毎に備える。第3収容体50は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この第3収容体50は、配列方向に延在させ、端子接続部品40{(40A,40B(又は40C)}が収容される収容室51を端子接続部品40{(40A,40B(又は40C)}毎に有している(図3及び図4)。その収容室51には、端子接続部品40{(40A,40B(又は40C)}の主体41が収容される。この収容室51には、第3収容体50を電池モジュールBMに組み付けた際に電極端子BC2を収容室51に収容させる貫通孔52が形成されている(図3)。これにより、端子接続部品40{(40A,40B(又は40C)}は、主体41を収容室51に収容させることで、この主体41を電極端子BC2に接触させ且つ溶接させることができる。第2収容体30は、その収容室51に収容された主体41に積層させぬよう第3収容体50に保持機構等を介して組み付ける。
この例示の第2収容部品1Bは、その電極端子群BC5毎の第3収容体50を連結体1bで繋いでいる(図1)。つまり、この第2収容部品1Bは、電極端子群BC5毎の第3収容体50と連結体1bとが合成樹脂等の絶縁性材料で一体になって成形されたものである。この例示では、その連結体1bが電池監視ユニットUbの収容室として利用される。
尚、この導電モジュール1には、それぞれの電極端子群BC5における端子接続部品40(40A,40B,40C)の主体41と、電池監視ユニットUbと、コネクタCONN1,CONN2と、を覆い隠すことが可能なカバーCVが設けられている(図9)。
以上示した本実施形態の導電モジュール1においては、挿入口20bと接続作業口30bとを露出させた作業位置で、挿入口20bからそれぞれの電線10を電線収容室20aに収容し、かつ、その電線10毎に接続作業口30bから一方の端末を接続部収容室30aに収容して、電線10と端子接続部品40(40A,40B,40C)の電線接続部42との電気接続作業を接続作業口30bから実施することができる。この例示の導電モジュール1においては、その際に、電線10毎に、電線10の一方の端末を接続作業口30bから端子金具15と共に接続部収容室30aに収容しながら、その接続部収容室30aの室内に突出させているスタッドボルト71を端子金具15の貫通孔15bに挿通させる。そして、この例示の導電モジュール1においては、電線10毎に、そのスタッドボルト71に接続作業口30bから雌螺子部材72を螺合し、端子金具15の電気接続部15aと端子接続部品40(40A,40B,40C)の電線接続部42とを螺子止め固定することによって、電線10と電線接続部42とが電気的に接続される。
この導電モジュール1においては、それぞれの電線10を電線収容室20aに収容にした後、又は、それぞれの電線10とそれぞれの電線接続部42との電気接続作業を終えた後、ヒンジ部24aを回動支点にして収容作業位置の電線係止部24を電線係止位置まで回動させ、電線接続部42と電線10の一方の端末との接続部分を挿入口20b側から塞ぐ。しかる後、この導電モジュール1においては、可変手段60を回動支点にして作業位置の第1収容体20と第2収容体30とを積層位置まで相対回転させることで、その組付けを完了させることができる。
このように、本実施形態の導電モジュール1においては、それぞれの電線10を電線収容室20aに収容するだけでそれぞれの電線10の配索作業を終了させ、そのままの位置で、それぞれの電線10の一方の端末と端子接続部品40(40A,40B,40C)の電線接続部42の電気接続作業を実施することができる。よって、この導電モジュール1は、組付け作業性が良好なものとなっている。
また、本実施形態の導電モジュール1においては、その作業位置の第1収容体20と第2収容体30とを積層位置まで相対回転させる際に、それぞれの電線10が電線係止部24で電線収容室20aの室内に止められる。よって、この導電モジュール1は、第1収容体20と第2収容体30とを積層位置まで相対回転させる際に、電線収容室20aから飛び出した電線10の噛み込み等を懸念することなく、その相対回転作業を実施することができるので、この点からも、組付け作業性が良好なものとなっている。更に、本実施形態の導電モジュール1においては、それぞれの電線係止部27,37でも、それぞれの電線10の電線収容室20aからの飛び出し、それぞれの電線10の接続部収容室30aからの飛び出しを抑えることができる。よって、この導電モジュール1は、この点からも、組付け作業性が良好なものとなっている。
また、本実施形態の導電モジュール1においては、作業位置の第1収容体20と第2収容体30とを積層位置まで相対回転させるだけで、第1収容体20の挿入口20bと第2収容体30の接続作業口30bとを互いに重ね合わせて塞ぐことができる。よって、この導電モジュール1は、その挿入口20bと接続作業口30bを塞ぐためのカバーを別途用意して取り付ける必要がないので、この点からも、組付け作業性が良好なものとなっている。
一方、本実施形態の導電モジュール1は、作業位置の第1収容体20と第2収容体30とを変位させて積層させるので、変位前の第1収容体20又は第2収容体30が存在している場所の分だけ積層位置での体格の小型化を図ることができる。例えば、ここで示す導電モジュール1は、電池モジュールBMに組み付けられている状態において、作業位置で第2収容体30よりも外側に第1収容体20が配置されているが、その作業位置の第1収容体20を第2収容体30側に折り返して積層させるので、この作業位置の第1収容体20の体格の分だけ全体の体格の小型化を図ることができる。また、この導電モジュール1は、先に示したように、挿入口20bと接続作業口30bを塞ぐためのカバーを必要としないので、そのカバーの体格の分だけ全体の体格の小型化を図ることができる。
以上示したように、本実施形態の導電モジュール1は、良好な組付け作業性を確保しつつ体格の小型化を図ることができる。
更に、本実施形態の導電モジュール1においては、第1収容体20と第2収容体30との間での電線10の折り返し点となるガイド部26,36に隣設させて、保持機構80A、80Bを配置している。このため、この導電モジュール1おいては、積層位置のときに、主ガイド壁21の内壁面に対する折り返しに伴う電線10からの反力や主壁31の内壁面に対する折り返しに伴う電線10からの反力を保持機構80A,80Bで受けることができるので、積層位置での第1収容体20や第2収容体30の変形を抑えることができる。