JP6980815B2 - 粘着剤層付偏光板 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、上記無機カチオン塩はリチウム塩である。
1つの実施形態においては、上記無機カチオン塩のアニオン部を構成するアニオンは、下記一般式(1)〜(4)
(1):(CnF2n+1SO2)2N− (nは1〜10の整数)、
(2):CF2(CmF2mSO2)2N− (mは1〜10の整数)、
(3):−O3S(CF2)lSO3 − (lは1〜10の整数)、
(4):(CpF2p+1SO2)N−(CqF2q+1SO2)、(p、qは1〜10の整数)、
で表わされるアニオンから選択される。
1つの実施形態においては、上記無機カチオン塩の含有量は、上記粘着剤層のベースポリマー100重量部に対して0.01重量部〜5重量部である。
1つの実施形態においては、上記導電剤は有機カチオン塩をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記有機カチオン塩の含有量は、上記粘着剤層のベースポリマー100重量部に対して0.1重量部〜10重量部である。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みは3μm以下である。
図1は、本発明の1つの実施形態による粘着剤層付偏光板の概略断面図である。図示例の粘着剤層付偏光板100は、偏光子10と、偏光子10の一方の側に配置された保護フィルム20と、偏光子の他方の側に配置された粘着剤層30と、を有する。粘着剤層30は、代表的には画像表示装置側の最外層となる。本発明の実施形態においては、偏光子のヨウ素含有量は10重量%〜25重量%である。さらに、粘着剤層は導電剤を含み、導電剤は無機カチオン塩を含む。
B−1.偏光子の構成および特性
偏光子は、代表的には、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムで構成されている。PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%未満であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子を得ることができる。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
B−2−1.製造方法の概略
偏光子は、PVA系樹脂フィルムを、少なくとも延伸および染色することを含む製造方法により製造され得る。代表的には、当該製造方法は、PVA系樹脂フィルムを準備する工程、延伸工程、膨潤工程、染色工程、架橋工程、洗浄工程、および乾燥工程を含む。PVA系樹脂フィルムが供される各工程は、任意の適切な順序およびタイミングで行われ得る。したがって、各工程を上記の順序で行ってもよく、上記とは異なる順序で行ってもよい。必要に応じて、1つの工程を複数回行ってもよい。さらに、上記以外の工程(例えば、不溶化工程)を任意の適切なタイミングで行ってもよい。なお、PVA系樹脂フィルムが基材上に形成されたPVA系樹脂層である場合、基材とPVA系樹脂層との積層体が上記の工程に供される。
延伸工程において、PVA系樹脂フィルムは、代表的には3倍〜7倍に一軸延伸される。延伸方向は、フィルムの長手方向(MD方向)であってもよく、フィルムの幅方向(TD方向)であってもよい。延伸方法は、乾式延伸であってもよく、湿式延伸であってもよく、これらを組み合せてもよい。また、架橋工程、膨潤工程、染色工程等を行う際にPVA系樹脂フィルムを延伸してもよい。なお、延伸方向は、得られる偏光子の吸収軸方向に対応し得る。
膨潤工程は、通常、染色工程の前に行われる。膨潤工程は、例えば、PVA系樹脂フィルムを膨潤浴に浸漬することにより行われる。膨潤浴としては、通常、蒸留水、純水等の水が用いられる。膨潤浴は、水以外の任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、アルコール等の溶媒、界面活性剤等の添加剤、ヨウ化物等が挙げられる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。好ましくは、ヨウ化カリウムが用いられる。膨潤浴の温度は、例えば、20℃〜45℃である。また、浸漬時間は、例えば、10秒〜300秒である。
染色工程は、PVA系樹脂フィルムを二色性物質で染色する工程である。好ましくは二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法、PVA系樹脂フィルムに当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂フィルムに噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
架橋工程においては、通常、架橋剤としてホウ素化合物が用いられる。ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられる。好ましくは、ホウ酸である。架橋工程においては、ホウ素化合物は、通常、水溶液の形態で用いられる。
洗浄工程は、代表的には、架橋工程以降に行われ得る。洗浄工程は、代表的には、PVA系樹脂フィルムを洗浄液に浸漬させることにより行われる。洗浄液の代表例としては、純水が挙げられる。純水にヨウ化カリウムを添加してもよい。
乾燥工程は、任意の適切な方法により行うことができる。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等が挙げられる。加熱乾燥が好ましく用いられる。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は、例えば、30℃〜100℃である。また、乾燥時間は、例えば、20秒〜10分間である。
保護フィルム(および、存在する場合には別の保護フィルム)としては、任意の適切な樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムの形成材料としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいう。
本発明の実施形態による粘着剤層付偏光板は、代表的には上記のとおり、偏光子の一方の側に保護フィルムが配置され、偏光子の他方の側に粘着剤層が配置されている。すなわち、この実施形態においては、偏光子の当該他方の側には保護フィルムを配置することなく、粘着剤層が偏光子に直接配置されている。
粘着剤層を構成する粘着剤組成物は、ベースポリマーと導電剤とを含む。
ベースポリマーの代表例としては、(メタ)アクリル系ポリマー((メタ)アクリル系樹脂)が挙げられる。(メタ)アクリル系ポリマーは、代表的には、アルキル(メタ)アクリレート由来のモノマー単位を主成分として含有する。アルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルである。アルキルエステルを形成するアルキル基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソミリスチル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル系ポリマーに含まれるアルキル基の平均炭素数は、好ましくは3〜9である。
導電剤は、上記のとおり無機カチオン塩を含む。無機カチオン塩は、具体的には、無機カチオン−アニオン塩である。無機カチオン塩のカチオン部を構成するカチオンとしては、代表的には、アルカリ金属イオンが挙げられる。具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。好ましくは、リチウムイオンである。したがって、好ましい無機カチオン塩は、リチウム塩である。
(1):(CnF2n+1SO2)2N− (nは1〜10の整数)、
(2):CF2(CmF2mSO2)2N− (mは1〜10の整数)、
(3):−O3S(CF2)lSO3 − (lは1〜10の整数)、
(4):(CpF2p+1SO2)N−(CqF2q+1SO2)、(p、qは1〜10の整数)、
で表わされるアニオンが挙げられる。フッ素含有アニオンが好ましく、フッ素含有イミドアニオンがより好ましい。
(1):(CnF2n+1SO2)2N− (nは1〜10の整数)、
(2):CF2(CmF2mSO2)2N− (mは1〜10の整数)、
(4):(CpF2p+1SO2)N−(CqF2q+1SO2)、(p、qは1〜10の整数)、
で表わされるアニオンが挙げられる。好ましくは、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−等の一般式(1)で表わされる(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドであり、より好ましくは、(CF3SO2)2N−で表わされるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。したがって、本発明の実施形態において用いられ得る好ましい無機カチオン塩は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
粘着剤組成物は、シランカップリング剤をさらに含んでいてもよい。シランカップリング剤を用いることにより、耐久性を向上させることができる。シランカップリング剤としては、任意の適切な官能基を有するものを用いることができる。具体的には、官能基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロキシ基、アセトアセチル基、イソシアネート基、スチリル基、ポリスルフィド基等が挙げられる。具体的には、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基含有シランカップリング剤;γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のポリスルフィド基含有シランカップリング剤などが挙げられる。
粘着剤組成物(結果として、粘着剤層)は、任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤の具体例としては、架橋剤、シランカップリング剤、リワーク向上剤、酸化防止剤、帯電防止剤、架橋遅延剤、乳化剤、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、粒子状、箔状物が挙げられる。添加剤の数、種類、添加量および組み合わせ等は、目的に応じて適切に設定され得る。
粘着剤層の厚みは、好ましくは10μm〜200μmであり、より好ましくは10μm〜100μmである。粘着剤層の厚みがこのような範囲であれば、無機カチオン塩による耐湿性向上効果が顕著なものとなり得る。
実施例および比較例で得られた粘着剤層付偏光板の偏光子について、蛍光X線分析装置(リガク社製、商品名「ZSX−PRIMUS II」、測定径:ψ20mm)を用いて蛍光X線強度(kcps)を測定した。一方、当該偏光子の厚み(μm)を、分光膜厚計(大塚電子社製、商品名「MCPD−3000」)を用いて測定した。得られた蛍光X線強度と厚みから下記式を用いてヨウ素含有量(重量%)を求めた。
(ヨウ素濃度)=20.5×(蛍光X線強度)/(フィルム厚み)
なお、ヨウ素含有量を算出する際の係数は測定装置によって異なるが、当該係数は適切な検量線を用いて求めることができる。
(2)単体透過率変化量ΔTs
実施例および比較例で得られた粘着剤層付偏光板を、粘着剤層を介して厚み1.3mmの無アルカリガラスに貼り合わせ、試験サンプルとした。この試験サンプルを65℃、90%RHの条件で500時間加湿した(加湿試験)。試験前の単体透過率Ts0、加湿試験後の単体透過率Ts500を、それぞれ、積分球付き紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、製品名:V7100)を用いて測定した。加湿前の単体透過率Ts0および加湿試験後の単体透過率Ts500から、下記式を用いて単体透過率変化量ΔTsを求めた。
ΔTs(%)=Ts500−Ts0
(3)偏光度変化量ΔP
実施例および比較例で得られた粘着剤層付偏光板について、積分球付き紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、製品名:V7100)を用いて単体透過率Ts、平行透過率Tpおよび直交透過率Tcをそれぞれ測定した。これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。得られたTpおよびTcから、下記式により偏光度Pを求めた。
偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
さらに、下記式を用いて偏光度変化量ΔPを求めた。
ΔP(%)=P500−P0
ここで、P0は加湿前の偏光度であり、P500は65℃、90%RHの環境下に500時間置いた後の偏光度である。
(4)色相変化Δab
実施例および比較例で得られた粘着剤層付偏光板について、積分球付き紫外可視分光光度計(日本分光製 V−7100)を用いてa値およびb値を測定した。これをa0値およびb0値とした。さらに、65℃、90%RHの条件で500時間加湿した後のa500値およびb500値を求めた。これらの値から下記式を用いて色相変化量Δabを求めた。
Δab={(a500−a0)2+(b500−b0)2}1/2
(5)表面抵抗値
実施例および比較例で得られた粘着剤層付偏光板のセパレーターフィルムを剥がした後、粘着剤表面の表面抵抗値(Ω・□)を三菱化学アナリテック社製MCP−HT450を用いて測定した(初期)。また、粘着剤層付偏光板を、65℃、90%RHの条件で48時間加湿した後、粘着剤表面の表面抵抗値を同様に測定した(加湿試験後)。なお、加湿試験は、65℃、90%RHの恒温恒湿機に粘着剤層付偏光板を投入することにより行った。
(粘着剤組成物のベースポリマーの調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99部およびアクリル酸4−ヒドロキシブチル1部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、上記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて固形分濃度を30%に調整した。このようにして、重量平均分子量140万のアクリル系ポリマー(A−1)(ベースポリマー)の溶液を調製した。
上記アクリル系ポリマー(A−1)溶液の固形分100部に対して、導電剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(三菱マテリアル電子化成社製)1.0部およびエチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成工業製)0.7部、架橋剤としてトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製:タケネートD110N)0.095部およびジベンゾイルパーオキサイド0.3部、シランカップリング剤としてオルガノシラン(綜研化学社製:A100)0.2部およびチオール基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製:X41−1810)0.2部、リワーク向上剤(カネカ社製、サイリルSAT10)0.03部、ならびに酸化防止剤(BASF社製、Irganox1010)0.3部を配合して、粘着剤組成物(溶液)を調製した。
熱可塑性樹脂基材として、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、テンター延伸機を用いて、140℃で積層体の長手方向と直交する方向に4.5倍空中延伸した(延伸処理)。
次いで、積層体を液温25℃の染色浴(ヨウ素濃度1.4重量%およびヨウ化カリウム濃度9.8重量%の水溶液)に12秒間浸漬させ、染色した(染色処理)。
次いで、積層体を液温25℃の洗浄浴(純水)に6秒間浸漬させた(第1洗浄処理)。
次いで、液温60℃の架橋浴(ホウ素濃度1重量%およびヨウ化カリウム濃度1重量%の水溶液)に16秒間浸漬させた(架橋処理)。
次いで、積層体を液温25℃の洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度1重量%の水溶液)に3秒間浸漬させた(第2洗浄処理)。
次いで、積層体を60℃のオーブンで21秒間乾燥させた(乾燥処理)。
このようにして、厚み1.2μmのPVA系樹脂層(偏光子)を有する積層体(偏光板)を得た。得られた偏光板における偏光子のヨウ素含有量は20.9重量%、単体透過率は40.3%であった。
上記粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレーター)の表面にファウンテンコーターで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、セパレーター表面に厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層を上記偏光板の偏光子表面に転写し、粘着剤層付偏光板を得た。
シランカップリング剤として0.2部のA100のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
導電剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド1.0部のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
導電剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド1.0部のみを用いたこと、および、シランカップリング剤として0.2部のA100のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
導電剤としてエチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.7部のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
導電剤としてエチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.7部のみを用いたこと、および、シランカップリング剤として0.2部のA100のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
導電剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
20 保護フィルム
30 粘着剤層
100 粘着剤層付偏光板
Claims (7)
- 偏光子と、該偏光子の一方の側に配置された保護フィルムと、該偏光子の他方の側に配置された粘着剤層と、を有し、
該偏光子のヨウ素含有量が15重量%〜25重量%であり、
該粘着剤層が導電剤を含み、
該導電剤が無機カチオン塩を含む、
粘着剤層付偏光板。 - 前記無機カチオン塩がリチウム塩である、請求項1に記載の粘着剤層付偏光板。
- 前記無機カチオン塩のアニオン部を構成するアニオンが、下記一般式(1)〜(4)
(1):(CnF2n+1SO2)2N− (nは1〜10の整数)、
(2):CF2(CmF2mSO2)2N− (mは1〜10の整数)、
(3):−O3S(CF2)lSO3 − (lは1〜10の整数)、
(4):(CpF2p+1SO2)N−(CqF2q+1SO2)、(p、qは1〜10の整数)、
で表わされるアニオンから選択される、請求項1または2に記載の粘着剤層付偏光板。 - 前記無機カチオン塩の含有量が、前記粘着剤層のベースポリマー100重量部に対して0.01重量部〜5重量部である、請求項1から3のいずれかに記載の粘着剤層付偏光板。
- 前記導電剤が有機カチオン塩をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の粘着剤層付偏光板。
- 前記有機カチオン塩の含有量が、前記粘着剤層のベースポリマー100重量部に対して0.1重量部〜10重量部である、請求項5に記載の粘着剤層付偏光板。
- 前記偏光子の厚みが3μm以下である、請求項1から6のいずれかに記載の粘着剤層付偏光板。
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