JP6980279B2 - ワーク切断装置及びワーク切断装置用安全装置 - Google Patents

ワーク切断装置及びワーク切断装置用安全装置 Download PDF

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Description

本発明は、パネルソー等のワーク切断装置と、ワーク切断装置の安全性を担保するためにワーク切断装置に取り付けて使用することができるワーク切断装置用安全装置とに関する。
ワークを切断するためのワーク切断装置としては、ワークの種類等に応じた各種のものが知られている。
例えば、特許文献1の図4〜7等には、パネル状のワークを切断するワーク切断装置として、受板2と、丸鋸カバー13と、丸鋸11とを備えたパネルソーが記載されている。特許文献1のパネルソーは、受板2の前面と丸鋸カバー13の後面との隙間に切断対象の板材23(ワーク)を配し、丸鋸カバー13で板材23を受板2に押し付けた状態とした上で、丸鋸11を回転させながら上下方向に移動させることで、板材23を上下方向に切断するものとなっている。このように、板材23を丸鋸カバー13で受板2に押し付けた状態で切断することにより、切断時の板材23をガタつきにくくして、板材23を綺麗に切断することが可能となっている。
この種のパネルソーにおいては、特許文献1の図1等に示されるように、丸鋸11は、受板2の後側に配されるところ、この受板2には、丸鋸11を受板2の前面側に突出させるためのスリット3が上下方向に設けられている。受板2は、「定盤」等の名称で呼ばれることがあり、丸鋸カバー13は、「クランプ」等の名称で呼ばれることがある。本明細書においては、「定盤」を上位概念化して「ワーク支持部材」という名称で呼ぶことがあり、「クランプ」を上位概念化して「ワーク押付部材」という名称で呼ぶことがあり、「丸鋸」を上位概念化して「切断刃」という名称で呼ぶことがある。
しかし、特許文献1のパネルソーのように、板材23(ワーク)を丸鋸カバー13(ワーク押付部材)で受板2(ワーク支持部材)に押し付けた状態で切断するタイプのワーク切断装置においては、ワーク押付部材でワークを押し付ける際に、ワーク押付部材とワークとの隙間や、ワーク押付部材とワーク支持部材との隙間に、作業者の身体(手指等)が挟み込まれる可能性があり、これらの隙間に手指等が挟み込まれた状態のまま切断刃が駆動されることがあると、手指等の切断といった重大な事故を招く虞があった。このため、パネルソー等のワーク切断装置では、切断刃の駆動を非常停止するための非常停止ボタンが設けられる措置が採られていることが一般的である。
ところが、ワーク押付部材に手指等が挟まれた作業者は、慌ててしまうため、落ち着いて非常停止ボタンを押すことができるとは限らない。そもそも、作業者の態勢やワーク押付部材に挟み込まれた身体部位によっては、非常停止ボタンに手が届かないこともあり得る。また、ワーク押付部材に手指等が挟まれた作業者が非常停止ボタンを操作することができたとしても、手指等が挟まれてから非常停止ボタンを操作するまでには、どうしてもタイムラグが生じる。このため、近くに切断刃がある状態で手指等が挟みこまれたようなときには、非常停止ボタンが操作されるまでに生じるタイムラグの分、切断刃の非常停止が間に合わなくなるリスクが高くなる。
このような実状に鑑みてか、これまでには、特許文献2の第4図に示されるように、ワーク押付部材(同図における押え部材23)におけるワーク押付面側に、手指等の身体部位が挟み込まれたことを検出するための挟み込み検知手段(同図における検出スイッチ31)を設けたワーク切断装置も提案されている。これにより、ワーク押付部材に手指等が挟み込まれたときには、作業者の操作を要することなく、切断刃が駆動されない状態とすることが可能になる。また、上記のタイムラグを短縮することも可能になる。
しかし、特許文献2のワーク切断装置における検出スイッチ3のような、接点式の挟み込み検知手段は、耐久性に問題があることが多い。また、ワークにおける、ワーク押付部材によって押さえ付けられる部分に凹凸があるような場合には、手指等の身体部位が挟み込まれていないにもかかわらず、検出スイッチが反応して切断刃が駆動しなくなる可能性や、逆に、手指等の身体部位が挟み込まれているにもかかわらず、検出スイッチが反応せずに切断刃が駆動されてしまう可能性がある等、ワークの形態によっては、手指等の身体部位の検知の安定性を確保することが難しい。
特開平09−314501号公報 特開平03−128204号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、ワーク押付部材に身体部位が挟み込まれた際に、作業者の操作を要することなく自動的に切断刃が駆動されない状態とするだけでなく、手指等の身体部位の挟み込みを検知する部分の耐久性に優れ、手指等の身体部位の検知の安定性にも優れたワーク切断装置を提供するものである。また、ワーク切断装置の安全性を担保するためにワーク切断装置に取り付けて使用することができるワーク切断装置用安全装置を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
ワークを一側から支持するためのワーク支持部材と、
ワーク支持部材に支持されたワークを他側から押さえ付けるためのワーク押付部材と、
ワークにおける、ワーク押付部材によって押さえ付けられた部分の近傍を切断するための切断刃と、
切断刃を駆動するための切断刃駆動手段と
を備えたワーク切断装置であって、
ワーク支持部材におけるワーク支持面とワーク押付部材におけるワーク押付面との間の静電容量に関連する値(以下、「静電容量関連値」という。)を検知するための静電容量検知手段と、
静電容量検知手段が検知した静電容量関連値が所定の範囲を外れると、切断刃駆動手段を駆動不能とする切断刃駆動不能信号を切断刃駆動手段に対して出力する安全制御手段と
をさらに備えたことを特徴とするワーク切断装置
を提供することによって解決される。
本発明のワーク切断装置では、ワーク支持部材におけるワーク支持面とワーク押付部材におけるワーク押付面との間の静電容量関連値に基づいて、手指等の身体部位がワーク押付部材に挟み込まれたことを判別し、手指等の身体部位がワーク押付部材に挟み込まれたと判別されたときには、自動的に切断刃が駆動されない状態となるようになっており、切断刃が駆動されない状態となる契機として、作業者の操作が不要となっている。このため、手指等の身体部位がワーク押付部材に挟み込まれた作業者が慌てているような場合でも、切断刃が駆動しなくなるようになっている。したがって、本発明のワーク切断装置は、安全性により優れたものとなっている。
また、本発明のワーク切断装置は、ワーク押付部材での身体部位の挟み込みを、接点式の機構ではなく、無接点式の機構(静電容量検知手段)で検知するものとなっている。このため、本発明のワーク切断装置は、ワーク押付部材での身体部位の挟み込みを検知する部分の耐久性に優れたものとなっている。加えて、本発明のワーク切断装置は、ワークにおける、ワーク押付部材によって押さえ付けられる部分に凹凸があるような場合でも、ワーク押付部材での身体部位の挟み込みを安定して検知することができるものとなっている。
本発明のワーク切断装置において、静電容量検知手段の検知部は、ワーク支持部材におけるワーク支持面とワーク押付部材におけるワーク押付面との間の静電容量関連値を検知できるものであれば、特に限定されない。しかし、静電容量検知手段の検知部は、ワーク押付部材におけるワーク押付面側に設けられた導電性の硬質ゴム又は硬質エラストマとすることが好ましい。これにより、切断刃で切断される際のワークに生じ得る振動を静電容量検知手段の検知部で吸収して、ワークのガタツキを抑えるだけでなく、ワーク押付部材でワークを押さえつける際に静電容量検知手段の検知部にワークが食い付かないようにすることも可能になる。
本発明のワーク切断装置においては、ワーク押付部材がワーク支持部材に対してワークを押さえ付ける動作を開始した後、切断刃駆動手段が切断刃を駆動するよりも前の段階で、静電容量検知手段による静電容量関連値の検知と、安全制御手段による切断刃駆動不能信号の出力(静電容量検知手段が検知した静電容量関連値が前記所定の範囲を外れた場合に限る。)とが実行されるようにすることも好ましい。このように、切断刃が駆動されるよりも前のタイミングで身体部位の挟み込みの検知を行うことで、ワーク切断装置の安全性をさらに高めることが可能になる。
また、上記課題は、
ワークを一側から支持するためのワーク支持部材と、
ワーク支持部材に支持されたワークを他側から押さえ付けるためのワーク押付部材と、
ワークにおける、ワーク押付部材によって押さえ付けられた部分の近傍を切断するための切断刃と、
切断刃を駆動するための切断刃駆動手段と
を備えたワーク切断装置に取り付けられ、
ワーク押付部材に身体部位が挟み込まれたときに切断刃が駆動されないようにするワーク切断装置用安全装置であって、
ワーク支持部材におけるワーク支持面とワーク押付部材におけるワーク押付面との間の静電容量に関連する値(以下、「静電容量関連値」という。)を検知するための静電容量検知手段と、
静電容量検知手段が検知した静電容量関連値が所定の範囲を外れると、切断刃駆動手段を駆動不能とする切断刃駆動不能信号を切断刃駆動手段に対して出力する安全制御手段と
を備えたことを特徴とするワーク切断装置用安全装置
を提供することによっても解決される。
このワーク切断装置用安全装置は、上述した本発明のワーク切断装置で好適に採用することができるものとなっている。
以上のように、本発明によって、ワーク押付部材に身体部位が挟み込まれた際に、作業者の操作を要することなく自動的に切断刃が駆動されない状態とするだけでなく、手指等の身体部位の挟み込みを検知する部分の耐久性に優れ、手指等の身体部位の検知の安定性にも優れたワーク切断装置を提供することが可能になる。また、ワーク切断装置の安全性を担保するためにワーク切断装置に取り付けて使用することができるワーク切断装置用安全装置を提供することも可能になる。
本発明に係る構成を採用したパネルソー(ワーク切断装置)を示した図であって、ワークをワーク押付部材でワーク支持部材に対して押し付ける前の状態を示した斜視図である。 本発明に係る構成を採用したパネルソー(ワーク切断装置)を示した図であって、ワークをワーク押付部材でワーク支持部材に対して押し付け、切断刃を駆動してワークを切断している状態を示した斜視図である。 本発明に係る構成を採用したパネルソー(ワーク切断装置)を水平面で切断した断面図であって、(a)ワーク支持部材とワーク押付部材との隙間にワークを配する前の状態と、(b)ワーク支持部材とワーク押付部材との隙間にワークを配した状態と、(c)ワーク押付部材でワーク支持部材側に押し付けられたワークを切断刃で切断している状態とをそれぞれ示した図である。 本発明に係る構成を採用したパネルソー(ワーク切断装置)を水平面で切断した断面図であって、ワークとワーク押付部材との間に手指が挟み込まれた状態を示した図である。 本発明に係る構成を採用したパネルソー(ワーク切断装置)における、安全装置の電気回路の概要を示した回路図である。 本発明に係る構成を採用したパネルソー(ワーク切断装置)における、安全制御手段が実行する処理の一例を示したフロー図である。
本発明のワーク切断装置の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、パネルソーを例に挙げて本発明のワーク切断装置を説明する。しかし、これは飽くまで説明の便宜上であり、本発明のワーク切断装置の技術的範囲には、パネルソー以外のワーク切断装置も含まれる。
図1は、本発明に係る構成を採用したパネルソー10を示した図であって、ワーク20をクランプ12で定盤11に対して押し付ける前の状態を示した斜視図である。図2は、本発明に係る構成を採用したパネルソー10を示した図であって、ワーク20をクランプ12で定盤11に対して押し付け、丸鋸14aを駆動してワーク20を切断している状態を示した斜視図である。図3は、本発明に係る構成を採用したパネルソー10を水平面で切断した断面図であって、(a)定盤11とクランプ12との隙間にワーク20を配する前の状態と、(b)定盤11とクランプ12との隙間にワーク20を配した状態と、(c)クランプ12で定盤11側に押し付けられたワーク20を丸鋸14aで切断している状態とをそれぞれ示した図である。
本実施態様のパネルソー10は、図1及び図2に示すように、定盤11と、クランプ12と、クランプ支持部材13と、ワーク切断手段14と、操作ボックス15と、安全装置16とを備えたものとなっている。
定盤11は、図1に示すように、パネル状のワーク20を後面側(y軸方向正側)から支持するための板状の部材となっている。この定盤11は、上記の「ワーク支持部材」として設けたものである。定盤11は、通常、板状を為す。定盤11は、水平面に対して垂直となるように配してもよいが、本実施態様のパネルソー10においては、定盤11の上縁部(z軸方向正側の縁部)が下縁部(z軸方向負側の縁部)よりも後方(y軸方向正側)に控えた状態となるように定盤11を傾斜した状態で配している。これにより、ワーク20を定盤11の前面側に立てかけるのではなく、ワーク20を定盤11の前面に載せた状態で支持することができる。パネルソー10以外のワーク切断装置(例えばランニングソー)では、この定盤11が、水平に寝かされた状態で設けられることもある。
クランプ12は、定盤11に支持されたワーク20における切断対象箇所の近傍を前面側から押さえ付けるための部材となっている。このクランプ12は、上記の「ワーク押付部材」として設けたものである。このクランプ12によって、切断時のワーク20がガタつかないようにすることが可能となる。本実施態様のパネルソー10において、クランプ12は、図示省略の平行リンク機構等を介して、クランプ12よりも手前側に配されたクランプ支持部材13に対して前後方向(y軸方向)に移動可能な状態で支持された状態となっている。クランプ支持部材13も、クランプ12と同様、定盤11の下縁部近傍から上縁部近傍まで延在する長手状の部材となっている。クランプ12と定盤11との隙間にワーク20を配した状態で、クランプ12を定盤11に向かって後側に移動させると、ワーク20がクランプ12によって定盤11側に押さえ付けられた状態となる。
クランプ12は、ワーク20における切断対象箇所の近傍を定盤11側に押さえ付けることができるのであれば、その配置や形態を特に限定されない。本実施態様のパネルソー10において、クランプ12は、定盤11の左右方向(x軸方向)中間部付近に配されており、定盤11の下縁部付近から上縁部付近まで延在する長手状の部材となっている。本実施態様のパネルソー10において、クランプ12は、図3に示すように、その後面側(y軸方向正側)に凹溝を有している。この凹溝は、クランプ12の長手方向に沿って連続して設けられている。クランプ12の凹溝は、図3(c)に示すように、ワーク20を切断する丸鋸14a(切断刃)を収めるための部分となっている。また、この凹溝の内部に丸鋸14aを収めた状態でワーク20を切断することにより、切り屑がパネルソー10の前面側に飛散しないようにするだけでなく、切断時の騒音を抑えることが可能となっている。
ワーク切断手段14は、ワーク20を切断するためのものとなっており、丸鋸14a(チップソー)と丸鋸駆動モータ14bとを備えている。図1に示すように、丸鋸14aの回転軸14cは、軸受14dに支持されており、その一端部を第一プーリー14eに連結されている。一方、丸鋸駆動モータ14bの出力軸14fの一端部は、第二プーリー14gに連結されている。第一プーリー14eと第二プーリー14gとには、共通のVベルト14hが掛け回されている。これにより、丸鋸駆動モータ14bの回転力が丸鋸14aに伝達されるようになっている。
丸鋸14aは、上記の「切断刃」として設けたものであり、ワーク20における、ワーク押付部材12によって押さえ付けられた部分の近傍を切断するためのものとなっている。一方、丸鋸駆動モータ14bは、上記の「切断刃駆動手段」として設けたものであり、丸鋸14a(切断刃)を回転駆動(駆動)するためのものとなっている。ワーク切断手段14は、定盤11の後側に配されており、図示省略の移動機構によって、前後方向(y軸方向)と上下方向(z軸方向)とに移動させることができるようになっている。
すなわち、ワーク切断手段14は、ワーク20の切断を行わない場合には、図3(a),(b)に示すように、丸鋸14aが定盤11の後面側(y軸方向正側)に控えた状態となっているものの、ワーク20の切断を行う場合には、図3(c)に示すように、定盤11に設けられたスリット11aを介して丸鋸14aの一部が定盤11の前面側(y軸方向負側)に突き出る位置まで前方に移動されるようになっている。この図3(c)に示す状態で丸鋸14aを回転駆動しながらワーク切断手段14を上下方向に移動(通常、上側から下側に向かって下降)させると、ワーク20が上下方向に切断される。
操作ボックス15は、パネルソー10の起動や停止を行うための各種操作部(押ボタンやスイッチやダイヤルやレバー等)が設けられたものとなっている。上記のクランプ12の移動操作や、後述する切断刃14aの駆動操作や、パネルソー10の非常停止操作等も、この操作ボックス15に設け得られた操作部を操作することによって行われる。ただし、クランプ12の移動操作等は、床に設置されたフットペダル(図示省略)等、操作ボックス15以外の部分で行われることもある。また、操作ボックス15には、操作部だけでなく、パネルソー10の状態を表示するための表示部(発光ランプや液晶パネルやメーター等)が設けられることもある。操作ボックス15を設ける場所は、特に限定されないが、通常、操作の便宜を考慮して、クランプ支持部材13の近くとされる。本実施態様のパネルソー10において、操作ボックス15は、クランプ支持部材13の前面における下寄りの部分に取り付けている。
安全装置16は、クランプ12に手指等の身体部位が挟み込まれたときに丸鋸14aが駆動されないようにするためのものとなっている。この安全装置16は、上記の「ワーク切断装置用安全装置」として設けたものである。すなわち、本実施態様のパネルソー10は、上述したように、ワーク20を定盤11とクランプ12とで挟み込んだ状態で切断するものであるため、クランプ12を定盤11側に移動させる際には、図4に示すように、手指30等の身体部位がクランプ12に挟み込まれる虞がある。図4は、本発明に係る構成を採用したパネルソー10を水平面で切断した断面図であって、ワーク20とクランプ12との間に手指30が挟み込まれた状態を示した図である。
この図4に示す状態で丸鋸14aが前方(y軸方向負側)に移動し、回転駆動されながらスリット11aに沿って下降すると、手指30の切断等の重大な事故を招く虞がある。本実施態様のパネルソー10においては、既に述べたように、操作ボックス15(図1)に非常停止ボタンを設けているが、手指30等の身体部位をクランプ12で挟み込まれてしまった作業者は、慌ててしまい、操作ボックス15の非常停止ボタンを落ち着いて操作することができない可能性がある。また、そのときの体勢によっては、非常停止ボタンに手が届かない虞もある。この点、安全装置16は、手指30等の身体部位がクランプ12に挟み込まれたときに、自動的に丸鋸14aが駆動されない状態とすることで、作業者の安全性を確保するものとなっている。この安全装置16は、図1及び図2に示すように、静電容量検知手段16aと、安全制御手段16bとで構成されている。
静電容量検知手段16aは、定盤11における前面(ワーク支持面)とクランプ12における後面(ワーク押付面)との間の静電容量関連値を検知するためのものとなっている。静電容量検知手段16aが検知する静電容量関連値は、定盤11におけるワーク支持面とクランプ12におけるワーク押付面との間の静電容量(定盤11とクランプ12を電極と見立てれば、定盤11及びクランプ12は、擬似的なコンデンサとして取り扱うことができる。以下においては、定盤11とクランプ12を電極と見立てた擬似的なコンデンサを「擬似的なコンデンサ」と呼ぶことがある。)そのものである必要はなく、当該静電容量に対応する他の種類の測定値であってもよい。
図5は、本発明に係る構成を採用したパネルソー10における、安全装置16の電気回路の概要を示した回路図である。本実施態様のパネルソー10において、安全装置16は、図5に示すように、マイコンMCと、コンデンサCと、抵抗素子R2,R3,R4,R5,R6,R9,R10,R11と、トランジスタQ1,Q2,Q3と、リレーU1等で構成されている。
マイコンMCには、 Arduino LLC 社(アメリカ)及び Arduinо SRL 社(イタリア)が設計・製造を行う「Arduinо Unо (Rev3)」に、マイコンチップとしてAtmel社(アメリカ)製の「ATmega328P」を搭載したものを使用している。また、抵抗素子R2の抵抗値は100Ωとし、抵抗素子R3の抵抗値は1kΩとし、抵抗素子R4の抵抗値は1MΩとし、抵抗素子R5の抵抗値は220Ωとし、抵抗素子R6の抵抗値は1kΩとし、抵抗素子R9の抵抗値は10kΩとし、抵抗素子R10の抵抗値は1kΩとし、抵抗素子R11の抵抗値は100Ωとしている。さらに、リレーU1としては、一般的な電磁リレーを用いている。リレーU1の入力側(接点側)には、上述した非常停止ボタンが接続される。
また、コンデンサCは、電気素子として回路に設けられるものではなく、上述した擬似的なコンデンサ(定盤11とクランプ12を電極と見立てた擬似的なコンデンサ)に相当するものである。このため、定盤11におけるワーク支持面とクランプ12におけるワーク押付面との間に配される物体の有無や材質が変化すると、このコンデンサCの静電容量が変化する。
すなわち、定盤11とクランプ12との間にワーク20が挟み込まれている場合と、手指30等の身体部位が挟み込まれている場合とでは、上記の擬似的なコンデンサCの静電容量が変化する。擬似的なコンデンサCの静電容量が変化すると、その静電容量の変化に応じて、擬似的なコンデンサCの充電時間も変化する。したがって、擬似的なコンデンサCの充電時間を監視することによって、定盤11とクランプ12との間に手指30等の身体部位が挟み込まれているか否かを把握することが可能となる。本実施態様のパネルソー10においても、静電容量検知手段16aは、擬似的なコンデンサCの充電時間によって、定盤11とクランプ12との間に身体部位が挟まれているのか否かを検知するものとなっている。
静電容量検知手段16aの検知部(電極となる部分)は、通常、クランプ12におけるワーク押付面側に設けられた導電性部材とされる。ただし、静電容量検知手段16aの検知部を金属等とすると、クランプ12で押さえ付けられたワーク20がガタついたり、ワーク20が傷ついたりする虞がある。また逆に、静電容量検知手段16aの検知部を柔らかい素材で形成すると、ワーク20のガタツキや傷を防止することはできるものの、ワーク20に対するクランプ12の摩擦が大きくなり、静電容量検知手段16aの検知部にワーク20が食い付いた状態となりやすくなる。このため、本実施態様のパネルソー10では、静電容量検知手段16aの検知部を、導電性の硬質ゴム又は硬質エラストマによって構成している。
静電容量検知手段16aの検知部は、クランプ12の長手方向における一部の区間のみに設けてもよいが、この場合には、クランプ12における、手指30等の身体部位が挟み込まれた箇所によっては、クランプ12に身体部位が挟み込まれたことを検知できない虞がある。このため、本実施態様のパネルソー10では、静電容量検知手段16aの検知部を、クランプ12の長手方向における全区間に亘って設けている。これにより、クランプ12におけるどの箇所に身体部位が挟み込まれたとしても、そのことを検知することが可能になる。
安全制御手段16bは、静電容量検知手段16aが検知した静電容量関連値(本実施態様のパネルソー10においては擬似的なコンデンサCの充電時間)が所定の範囲を外れる(図6のステップS2)と、丸鋸駆動モータ14bに対して、丸鋸駆動不能信号(切断刃駆動不能信号)を出力する(図6のステップS3)ものとなっている。図6は、本発明に係る構成を採用したパネルソー10における、安全制御手段16bが実行する処理の一例を示したフロー図である。
丸鋸駆動モータ14bは、それが駆動されているときに上記の丸鋸駆動不能信号を受け取ると停止し、それが駆動されていないときに上記の丸鋸駆動不能信号を受け取るとその駆動が開始されない状態となる。これにより、手指30等の身体部位がクランプ12に挟み込まれたときに、作業者の操作を要することなく、丸鋸14aが駆動されない状態が自動的に発現するようになっている。
本実施態様のパネルソー10において、図6に示す一連の処理は、丸鋸14aの駆動が開始された後だけでなく、丸鋸駆動モータ14bが丸鋸14aを駆動するよりも前の段階で実行されるようになっている。これにより、作業者の安全性をより確実に担保することが可能となっている。本実施態様のパネルソー10において、安全制御手段16bは、図5におけるマイコンMCとなっており、図1及び図2に示すように、クランプ支持部材13の前面における上寄りの部分に取り付けている。
このように、本実施態様のパネルソー10は、クランプ12での身体部位の挟み込みを、定盤11とクランプ12とで構成される擬似的なコンデンサCの静電容量関連値の変化によって検知するものとなっている。このため、ワーク20における、クランプ12によって押さえ付けられる部分に凹凸があるような場合であっても、クランプ12での身体部位の挟み込みを安定して検知することができるようになっている。また、手指30等の挟み込みを検知する部分(検知部)の耐久性に優れたものとなっている。
10 パネルソー(ワーク切断装置)
11 定盤(ワーク支持部材)
11a スリット
12 クランプ(ワーク押付部材)
13 クランプ支持部材
14 ワーク切断手段
14a 丸鋸(切断刃)
14b 丸鋸駆動モータ(切断刃駆動手段)
14c 回転軸
14d 軸受
14e 第一プーリー
14f 出力軸
14g 第二プーリー
14h Vベルト
15 操作ボックス
16 安全装置(ワーク切断装置用安全装置)
20 ワーク
30 手指

Claims (4)

  1. ワークを一側から支持するためのワーク支持部材と、
    ワーク支持部材に支持されたワークを他側から押さえ付けるためのワーク押付部材と、
    ワークにおける、ワーク押付部材によって押さえ付けられた部分の近傍を切断するための切断刃と、
    切断刃を駆動するための切断刃駆動手段と
    を備えたワーク切断装置であって、
    ワーク支持部材におけるワーク支持面とワーク押付部材におけるワーク押付面とで構成される擬似的なコンデンサの充電時間を監視することによって当該擬似的なコンデンサの静電容量に関連する値(以下、「静電容量関連値」という。)を検知するための静電容量検知手段と、
    静電容量検知手段が検知した静電容量関連値が所定の範囲を外れると、切断刃駆動手段を駆動不能とする切断刃駆動不能信号を切断刃駆動手段に対して出力する安全制御手段と
    をさらに備えたことを特徴とするワーク切断装置。
  2. 静電容量検知手段の検知部が、ワーク押付部材におけるワーク押付面側に設けられた導電性の硬質ゴム又は硬質エラストマとされた請求項1記載のワーク切断装置。
  3. ワーク押付部材がワーク支持部材に対してワークを押さえ付ける動作を開始した後、切断刃駆動手段が切断刃を駆動するよりも前の段階で、静電容量検知手段による静電容量関連値の検知と、安全制御手段による切断刃駆動不能信号の出力(静電容量検知手段が検知した静電容量関連値が前記所定の範囲を外れた場合に限る。)とが実行されるようにした請求項1又は2記載のワーク切断装置。
  4. ワークを一側から支持するためのワーク支持部材と、
    ワーク支持部材に支持されたワークを他側から押さえ付けるためのワーク押付部材と、
    ワークにおける、ワーク押付部材によって押さえ付けられた部分の近傍を切断するための切断刃と、
    切断刃を駆動するための切断刃駆動手段と
    を備えたワーク切断装置に取り付けられ、
    ワーク押付部材に身体部位が挟み込まれたときに切断刃が駆動されないようにするワーク切断装置用安全装置であって、
    ワーク支持部材におけるワーク支持面とワーク押付部材におけるワーク押付面とで構成される擬似的なコンデンサの充電時間を監視することによって当該擬似的なコンデンサの静電容量に関連する値(以下、「静電容量関連値」という。)を検知するための静電容量検知手段と、
    静電容量検知手段が検知した静電容量関連値が所定の範囲を外れると、切断刃駆動手段を駆動不能とする切断刃駆動不能信号を切断刃駆動手段に対して出力する安全制御手段と
    を備えたことを特徴とするワーク切断装置用安全装置。
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