A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、本実施形態における静電チャック100のXY平面(上面)構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材10およびベース部材20を備える。セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが上記配列方向に対向するように配置される。
セラミックス部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する板状部材であり、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。セラミックス部材10の直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、セラミックス部材10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。セラミックス部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、セラミックス部材10における下側の主たる表面である下面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」といい、図3に示すように、面方向の内、吸着面S1の中心点CPを中心とする円周方向を「円周方向CD」といい、面方向の内、円周方向CDに直交する方向を「径方向RD」という。
図2に示すように、セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示しない)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材10の吸着面S1に吸着固定される。
セラミックス部材10の内部には、また、それぞれ導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成された、ヒータ電極層50と、ヒータ電極層50への給電のためのドライバ51および各種ビア53,54とが配置されている。本実施形態では、ヒータ電極層50はチャック電極40より下側に配置され、ドライバ51はヒータ電極層50より下側に配置されている。これらの構成については、後に詳述する。
ベース部材20は、例えばセラミックス部材10と同径の、または、セラミックス部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。ベース部材20の上面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当し、ベース部材20の下面S4は、特許請求の範囲における第4の表面に相当する。
ベース部材20は、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接着部30によって、セラミックス部材10に接合されている。接着部30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接着部30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接着部30を介したベース部材20とセラミックス部材10との間の伝熱(熱引き)によりセラミックス部材10が冷却され、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
A−2.ヒータ電極層50およびヒータ電極層50への給電のための構成:
次に、ヒータ電極層50の構成およびヒータ電極層50への給電のための構成について詳述する。上述したように、セラミックス部材10には、ヒータ電極層50と、ヒータ電極層50への給電のためのドライバ51および各種ビア53,54とが配置されている。また、静電チャック100には、ヒータ電極層50への給電のための他の構成(後述する端子用孔Htに収容された給電端子80等)が設けられている。図4は、ヒータ電極層50およびヒータ電極層50への給電のための構成を模式的に示す説明図である。図4の上段には、セラミックス部材10に配置されたヒータ電極層50の一部のXZ断面構成が模式的に示されており、図4の下段には、セラミックス部材10に配置されたドライバ51の一部のXY平面構成が模式的に示されている。
ここで、図3に示すように、本実施形態の静電チャック100では、セラミックス部材10に、面方向(Z軸方向に直交する方向)に並ぶ複数の仮想的な領域であるセグメントSE(図3において一点鎖線で示す)が設定されている。より詳細には、Z軸方向視で、セラミックス部材10が、吸着面S1の中心点CPを中心とする同心円状の複数の第1の境界線BL1によって複数の仮想的な環状領域(ただし、中心点CPを含む領域のみは円状領域)に分割され、さらに各環状領域が、径方向RDに延びる複数の第2の境界線BL2によって円周方向CDに並ぶ複数の仮想的な領域であるセグメントSEに分割されている。図4の上段には、一例として、セラミックス部材10に設定された3つのセグメントSEが示されている。
図4の上段に示すように、ヒータ電極層50は、複数のヒータ電極500を含んでいる。ヒータ電極層50に含まれる複数のヒータ電極500のそれぞれは、セラミックス部材10に設定された複数のセグメントSEの1つに配置されている。すなわち、本実施形態の静電チャック100では、複数のセグメントSEのそれぞれに、1つのヒータ電極500が配置されている。換言すれば、セラミックス部材10において、1つのヒータ電極500が配置された部分(主として該ヒータ電極500により加熱される部分)が、1つのセグメントSEとなる。本実施形態におけるヒータ電極500は、特許請求の範囲における内部電極に相当する。
図5は、1つのセグメントSEに配置された1つのヒータ電極500のXY断面構成を模式的に示す説明図である。図5に示すように、ヒータ電極500は、Z軸方向視で線状の抵抗発熱体であるヒータライン部502と、ヒータライン部502の両端部に接続されたヒータパッド部504とを有する。本実施形態では、ヒータライン部502は、Z軸方向視で、セグメントSE内の各位置をできるだけ偏り無く通るような形状とされている。他のセグメントSEに配置されたヒータ電極500の構成も同様である。
また、図4の下段に示すように、セラミックス部材10に配置されたドライバ51は、複数の導電領域(導電ライン)510を有している。複数の導電領域510は、個別導電領域510iと、共通導電領域510cと、を含んでいる。個別導電領域510iは、ビア53を介して1つのヒータ電極500に電気的に接続された導電領域510である。一方、共通導電領域510cは、ビア53を介して複数のヒータ電極500に電気的に接続された導電領域510である。図4の例では、共通導電領域510cは、3つのヒータ電極500のすべてに電気的に接続されている。
また、図2に示すように、静電チャック100には、複数の端子用孔Htが形成されている。図6は、本実施形態の静電チャック100における端子用孔Htの周辺部(図2におけるX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図であり、図7は、本実施形態の静電チャック100における端子用孔Htの一部分の周辺部のXZ断面構成をさらに拡大して示す説明図である。図6および図7には、静電チャック100に形成された複数の端子用孔Htの内の1つの端子用孔Htの周辺部の構成が代表的に示されているが、他の端子用孔Htの周辺部の構成も同様である。
図6および図7に示すように、端子用孔Htは、ベース部材20を上面S3から下面S4まで貫通する第1の貫通孔22と、接着部30を上下方向に貫通する第2の貫通孔32と、セラミックス部材10の下面S2側に形成された凹部12とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。本実施形態では、Z軸方向視での端子用孔Htの形状は、略円形である。また、図7に示すように、本実施形態では、端子用孔Htを構成する第1の貫通孔22の径(面方向における大きさ)、より詳細には、第1の貫通孔22における第2の貫通孔32との境界位置での径R1は、凹部12の径R5と等しい。すなわち、本実施形態のセラミックス部材10では、R1=R5の関係が満たされている。なお、本明細書において、ある部分の径と他の部分の径とが等しいとは、両者が実質的に等しい態様(具体的には、両者の差が、どちらか一方の径の10%以内である態様)を含む。
また、セラミックス部材10における凹部12内には、下側(下面S2側)に突出する凹部内凸部14が形成されている。Z軸方向における凹部内凸部14の頂面の位置は、セラミックス部材10の下面S2の位置より上側である。また、本実施形態では、Z軸方向視での凹部内凸部14の形状は、凹部12と同心であり、かつ、凹部12の径R5より径の小さい略円形である。そのため、凹部12における凹部内凸部14を除く部分は、Z方向視で環状の溝部16となっている。このように、凹部内凸部14の径R3は、凹部12の径R5より小さい。すなわち、本実施形態のセラミックス部材10では、R1=R5>R3の関係が満たされている。なお、Z軸方向視での凹部内凸部14の中心点は、後述する給電端子80の中心軸CLを延長した直線上に位置する。
また、凹部内凸部14の頂面には、導電性材料により構成された給電パッド70が形成されている。給電パッド70は、ビア54を介して、ドライバ51の導電領域510(個別導電領域510iまたは共通導電領域510c)に電気的に接続されている(図2参照)。本実施形態では、Z軸方向視での給電パッド70の形状は、凹部内凸部14と同心かつ同径の略円形である。すなわち、給電パッド70の径R2は、凹部内凸部14の径R3に等しい。そのため、本実施形態のセラミックス部材10では、R1=R5>R2=R3の関係が満たされている。なお、給電パッド70の径R2は、給電端子80との接合のために必要な最低限の大きさ(すなわち、後述する給電端子80における給電パッド70との接合部分の径R4に、接合のための接合しろを加えた大きさ)に設定されている。また、Z軸方向視での給電パッド70の中心点は、後述する給電端子80の中心軸CLを延長した直線上に位置する。
また、端子用孔Htには、給電端子80が収容されている。給電端子80の中心軸CLは、Z軸方向に略平行である。給電端子80は、第1の端子部分81と、第2の端子部分82と、第3の端子部分83とから構成されている。
給電端子80を構成する第1の端子部分81は、例えば金属等の導電性材料により形成されており、給電端子80の中心軸CLと同軸の柱状部材である。第1の端子部分81には、下面に開口すると共に該開口から上方向に延びる凹部811が形成されている。また、第1の端子部分81の上端部は、セラミックス部材10の凹部内凸部14の頂面に形成された給電パッド70に対向しており、例えば銀ろうを用いたろう付け等により給電パッド70に接合されている。これにより、給電端子80を構成する第1の端子部分81が、給電パッド70に電気的に接続される。第1の端子部分81の上端部、換言すれば、給電端子80における給電パッド70との接合部分の径R4は、給電パッド70の径R2より小さい。すなわち、本実施形態のセラミックス部材10では、R1=R5>R2=R3>R4の関係が満たされている。
給電端子80を構成する第2の端子部分82は、例えば金属等の導電性材料により形成されており、給電端子80の中心軸CLと同軸の柱状部材である。第2の端子部分82は、上端を構成する柱状の第1の凸部821と、下端を構成する柱状の第2の凸部822とを有する。第2の端子部分82の第1の凸部821は、第1の端子部分81に形成された凹部811に挿入され、ネジ止め等により第1の端子部分81に固定されている。これにより、第2の端子部分82が、第1の端子部分81に電気的に接続される。また、第2の端子部分82の第2の凸部822は、後述する第3の端子部分83に形成された第1の凹部831に挿入されている。第2の端子部分82は、例えば、バナナプラグ形状を有する端子であり、マルチコンタクト(登録商標)とも呼ばれる。
給電端子80を構成する第3の端子部分83は、例えば金属等の導電性材料により形成されており、給電端子80の中心軸CLと同軸の柱状部材である。第3の端子部分83には、上面に開口すると共に該開口から下方向に延びる第1の凹部831と、下面に開口すると共に該開口から上方向に延びる第2の凹部832とが形成されている。上述したように、第3の端子部分83の第1の凹部831には、第2の端子部分82の第2の凸部822が挿入されている。これにより、第3の端子部分83が、第2の端子部分82に電気的に接続される。また、第3の端子部分83の第2の凹部832には、電源と電気的に接続されたマルチコンタクト(不図示)が挿入される。これにより、給電端子80を構成する第3の端子部分83が電源に電気的に接続される。
このような構成の給電端子80は、上述したように、給電パッド70およびビア54を介して、ドライバ51の導電領域510(個別導電領域510iまたは共通導電領域510c)に電気的に接続され、さらにビア53を介して、ヒータ電極500に電気的に接続されている。
また、端子用孔Htには、第1の絶縁管91と、第2の絶縁管92と、固定部材93とが配置されている。
第1の絶縁管91は、例えばアルミナ等の絶縁材料により形成されており、中空部914を有する管状部材である。第1の絶縁管91の中空部914には、給電端子80の少なくとも一部分(本実施形態では、第1の端子部分81の全体と第2の端子部分82における上側の一部分)と、給電パッド70と、凹部内凸部14の少なくとも一部分(本実施形態では、凹部内凸部14の全体)とが収容されている。第1の絶縁管91は、特許請求の範囲における絶縁管に相当する。
また、第1の絶縁管91は、上側の端部を構成する第1の部分911と、下側の端部を構成する第2の部分912とから構成されている。図7に示すように、第1の絶縁管91の第1の部分911の径は、セラミックス部材10に形成された凹部12の径R5と略同一である。また、第1の部分911における中空部914の径は、セラミックス部材10に形成された凹部内凸部14の径R3と略同一である。第1の絶縁管91の第1の部分911は、中空部914に凹部内凸部14が挿入された状態で、セラミックス部材10の凹部12(より詳細には、上述した環状の溝部16)に挿入されている。そのため、第1の絶縁管91は、面方向への移動が規制された状態(すなわち、面方向に位置決めされた状態)となっている。なお、第1の絶縁管91の第1の部分911の中空部914と給電端子80を構成する第1の端子部分81の上端部との間の空間74には、接着剤(不図示)が充填されており、これによってこの箇所が絶縁封止されている。また、第1の絶縁管91の第2の部分912の径は、第1の部分911の径より小さくなっている。
第2の絶縁管92は、例えばフッ素樹脂等の絶縁材料により形成されており、中空部924を有する管状部材である。第2の絶縁管92は、端子用孔Htを構成するベース部材20の第1の貫通孔22の内周面に、接着等によって固定されている。第2の絶縁管92の中空部924には、給電端子80の一部分(本実施形態では、第2の端子部分82における下側の一部分と第3の端子部分83における上側の一部分)と、第1の絶縁管91の第2の部分912における下側の一部分とが収容されている。
固定部材93は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の絶縁材料により形成されており、中空部934を有する管状部材である。固定部材93の中空部934には、第2の絶縁管92における下側の一部分と、給電端子80の一部分(本実施形態では、第3の端子部分83における下側の一部分)とが収容されている。固定部材93の中空部934に収容された第3の端子部分83は、ネジ止め等によって固定部材93の中空部934に固定されている。また、固定部材93は、ネジ止め等によって、端子用孔Htを構成するベース部材20の第1の貫通孔22の内周面に固定されている。
このような構成の静電チャック100において、電源(不図示)から給電端子80、給電パッド70、ビア54、ドライバ51の導電領域510(個別導電領域510iおよび共通導電領域510c)およびビア53を介して、ヒータ電極500に電圧が印加されると、ヒータ電極500が発熱する。これにより、ヒータ電極500が配置されたセグメントSEが加熱され、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(ひいては、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)が実現される。
A−3.静電チャック100の製造方法:
次に、本実施形態における静電チャック100の製造方法の一例を説明する。図8は、静電チャック100の製造方法の一例を示すフローチャートである。また、図9および図10は、静電チャック100の製造方法の一例を概略的に示す説明図である。図9および図10には、静電チャック100における給電パッド70の周辺部分の製造方法が概略的に示されている。図9には、後述する焼成工程におけるセラミックス部材10の収縮量が設計値通りであったケースが示されており、図10には、該収縮量が設計値からずれたケースが示されている。
はじめに、焼成前のセラミックス部材10を作製する(S110)。焼成前のセラミックス部材10の内部には、ヒータ電極500を形成するための第1の導電性材料が配置され、焼成前のセラミックス部材10の下面S2に形成された凹部12には、給電パッド70を形成するための第2の導電性材料が配置されている。このような構成の焼成前のセラミックス部材10は、例えば、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートにビア孔の形成やメタライズペーストの充填および印刷等の加工を行い、これらのセラミックスグリーンシートを熱圧着し、必要により切断等の加工を行うことにより作製することができる。
次に、作製された焼成前のセラミックス部材10を焼成する(S120)。これにより、焼成後のセラミックス部材10が得られる。図9および図10のA欄には、焼成工程直後のセラミックス部材10における給電パッド70の周辺部分の構成が示されている。焼成後のセラミックス部材10の内部には、上述した第1の導電性材料から形成されたヒータ電極500が配置され、焼成後のセラミックス部材10の下面S2に形成された凹部12には、上述した第2の導電性材料から形成された給電パッド70が配置される。このように、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、セラミックス部材10と給電パッド70とが同時焼成される。なお、焼成工程の後に、セラミックス部材10の表面の研磨が行われるとしてもよい。
ここで、焼成前のセラミックス部材10を焼成する際には、セラミックス部材10が収縮する。焼成に伴うセラミックス部材10の収縮量が設計値通りであった場合には、図9のA欄に示すように、焼成後のセラミックス部材10において、面方向における給電パッド70の中心点が、Z軸方向に平行な所定の仮想軸VL上に位置する。この仮想軸VLは、給電端子80の中心軸CLが位置すべき軸である(図9のC欄参照)。一方、焼成に伴うセラミックス部材10の収縮量が設計値からずれた場合には、図10のA欄に示すように、焼成後のセラミックス部材10において、面方向における給電パッド70の中心点が、上述した仮想軸VLの位置からずれる。本実施形態の静電チャック100の製造方法では、焼成に伴うセラミックス部材10の収縮量のずれの最大値を想定し、セラミックス部材10の収縮量のずれが最大値となった場合にも、少なくとも仮想軸VLを中心とした径R2(=径R3)の円形領域に給電パッド70が形成されるように、焼成前のセラミックス部材10における給電パッド70を形成するための第2の導電性材料の形成範囲が、余裕を持たせた大きさに設定されている。なお、上述したように、上記径R2は、給電パッド70と給電端子80との接合のために必要な最低限の大きさ(すなわち、後述する給電端子80における給電パッド70との接合部分の径R4に、接合のための接合しろを加えた大きさ)に設定されている。
次に、セラミックス部材10における下面S2において、上述した仮想軸VLを中心とした所定の大きさの中空柱状領域P1に存在するセラミックス部材10の一部分および給電パッド70の一部分を除去する(S130)。図9および図10のA欄に示すように、中空柱状領域P1の中空部分の内径は、上述した径R2(=径R3)に等しい値に設定される。また、本実施形態では、図9および図10のA欄およびC欄に示すように、中空柱状領域P1の径R5は、端子用孔Htを構成する第1の貫通孔22における第2の貫通孔32との境界位置での径R1に等しい値に設定される。
図9および図10のB欄に示すように、S130の除去工程を行うことにより、セラミックス部材10の下面S2における凹部12の径と深さとが拡張される。具体的には、凹部12の径が、中空柱状領域P1の径R5と同一となる。また、S130の除去工程を行うことにより、凹部12内に、下側(下面S2側)に突出する凹部内凸部14が形成され、その結果、凹部内凸部14を取り囲む環状の溝部16が形成される。また、S130の除去工程を行うことにより、給電パッド70における不要な部分が除去され、給電パッド70の大きさが、給電端子80との接合のために必要な最低限の大きさとなる。また、図9および図10のB欄に示されたセラミックス部材10の構成が、ビア54の位置を除いて互いに同一であることから明らかなように、S130の除去工程を行うことにより、焼成に伴うセラミックス部材10の収縮量に関わらず、所定の位置の仮想軸VLを基準として、同一の位置に、同一の大きさの凹部12、凹部内凸部14および給電パッド70が形成されることとなる。
次に、給電パッド70に、給電端子80を構成する第1の端子部分81を、ろう付け等により接合する(S140)。図9および図10のC欄に示すように、接合工程中の第1の端子部分81は、その中心軸CLの位置が上述した仮想軸VLに一致した状態とされる。この状態では、給電端子80を構成する第1の端子部分81の中心軸CLを延長した直線が、Z軸方向視での給電パッド70の中心点および凹部内凸部14の中心点を通ることとなる。その後、第1の端子部分81に、第2の端子部分82(図6および図7参照)をネジ止め等により接合する。
次に、セラミックス部材10の下面S2に、第1の絶縁管91を配置する(S150)。このとき、図9および図10のC欄に示すように、第1の絶縁管91は、第1の部分911の先端部が、セラミックス部材10の下面S2に形成された凹部12(より詳細には、環状の溝部16)に挿入されるように配置される。これにより、第1の絶縁管91は、その中心軸CLの位置が上述した仮想軸VLに一致し、かつ、面方向への移動が規制された状態(すなわち、面方向に位置決めされた状態)となる。また、第1の絶縁管91の中空部914内に給電端子80が収容される。これにより、給電端子80は、面方向への移動が規制された状態(すなわち、面方向に位置決めされた状態)となる。
次に、セラミックス部材10に、ベース部材20を、接着部30を介して接合する(S160)。なお、ベース部材20の第1の貫通孔22内には第2の絶縁管92が収容されており、この第2の絶縁管92は接着等によりベース部材20に接合されている(図6参照)。そのため、ベース部材20の接合完了時には、ベース部材20の第1の貫通孔22に収容された第2の絶縁管92の中空部924内に、第2の端子部分82等が収容された状態となる。
次に、その他の部材を組み付ける(S170)。具体的には、例えば、第3の端子部分83を第2の絶縁管92の中空部924内に挿入して第2の端子部分82に取り付け、さらに固定部材93をベース部材20の第1の貫通孔22内に挿入してベース部材20にネジ止め等で固定する(図6参照)。以上の工程により、上述した構成の静電チャック100が製造される。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、セラミックス部材10と、ベース部材20とを備える。セラミックス部材10は、Z軸方向に略直交する略平面状の吸着面S1と、吸着面S1とは反対側の下面S2とを有する。セラミックス部材10の下面S2には、凹部12が形成されている。ベース部材20は、上面S3と、上面S3とは反対側の下面S4とを有し、上面S3がセラミックス部材10の下面S2に対向するように配置されている。ベース部材20には、セラミックス部材10に形成された凹部12に連通すると共に、上面S3から下面S4まで貫通する第1の貫通孔22が形成されている。また、本実施形態の静電チャック100は、セラミックス部材10の内部に配置されたヒータ電極500と、セラミックス部材10の凹部12内に配置され、ヒータ電極500と電気的に接続された給電パッド70と、給電パッド70に接合された給電端子80と、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置されてセラミックス部材10とベース部材20とを接着する接着部30とを備える。接着部30には、ベース部材20の第1の貫通孔22と連通して、給電端子80が収容された端子用孔Htを第1の貫通孔22と共に構成する第2の貫通孔32が形成されている。また、本実施形態の静電チャック100では、セラミックス部材10における凹部12内に、下面S2側に突出する凹部内凸部14が形成されており、給電パッド70は、凹部内凸部14の表面(頂面)に配置されている。また、本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向に直交する面方向の径に関し、端子用孔Htを構成する第1の貫通孔22における第2の貫通孔32との境界位置での径R1(以下、便宜上、「端子用孔Htの径R1」ともいう)と、給電パッド70の径R2と、凹部内凸部14の径R3と、給電端子80における給電パッド70との接合部分である第1の端子部分81の径R4(以下、便宜上、「給電端子80の径R4」ともいう)とは、R1>R2=R3>R4という関係を満たす。本実施形態の静電チャック100は、このような構成であるため、以下に詳述するように、給電端子80の径R4に対して給電パッドの径R2が必要以上に大きくなることを抑制することができ、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性を向上させることができる。
図11は、比較例の静電チャック100における給電パッド70の周辺部分の構成を概略的に示す説明図である。上述したように、焼成前のセラミックス部材10を焼成する際には、セラミックス部材10が収縮する。この収縮量の違いに応じて、セラミックス部材10における給電パッド70の位置(面方向の位置)が異なり得る。図11の(1)〜(3)の各欄に示す比較例では、セラミックス部材10における給電パッド70の位置が互いに異なっている。
図11に示す比較例の静電チャック100では、セラミックス部材10の下面S2に形成された凹部12内に、さらに深さの深い凹部内凹部13が形成されており、給電パッド70は、凹部内凹部13の表面(底面)に配置されている。このような構成の比較例の静電チャック100におけるセラミックス部材10は、以下のように製造される。はじめに、焼成前のセラミックス部材10が作製される。焼成前のセラミックス部材10の下面S2には凹部が形成され、該凹部の表面には給電パッド70を形成するための導電性材料が配置されている。次に、焼成前のセラミックス部材10が焼成される。これにより、焼成後のセラミックス部材10と、上述した導電性材料から形成された給電パッド70とが得られる。
ここで、比較例の静電チャック100では、セラミックス部材10の焼成時の収縮に伴う給電パッド70の位置ずれが発生しても給電端子80を給電パッド70に確実に接合できるように、給電パッド70の径R2が、給電端子80との接合のために必要な最低限の大きさ(すなわち、給電端子80の径R4に、接合のための接合しろを加えた大きさ)より大きく設定されている。図11の(1)欄には、給電パッド70の位置が設計値通りであった場合における給電パッド70と給電端子80との位置関係が示されており、図11の(2)欄には、給電パッド70の位置が設計値から図の右方向にずれた場合における給電パッド70と給電端子80との位置関係が示されており、図11の(3)欄には、給電パッド70の位置が設計値から図の左方向にずれた場合における給電パッド70と給電端子80との位置関係が示されている。このように、比較例の静電チャック100では、セラミックス部材10における給電パッド70の位置ずれ量にかかわらず、給電端子80を給電パッド70に確実に接合できるように、給電端子80の径R4に対して給電パッドの径R2が必要以上に大きくされている。
次に、セラミックス部材10における下面S2において、所定の仮想軸VLを中心とした所定の大きさの中空柱状領域P2に存在するセラミックス部材10の一部分が除去される。図11の(1)〜(3)の各欄に示すように、この除去工程を行うことにより、セラミックス部材10の下面S2における凹部の径が拡張され、凹部12内に凹部内凹部13が形成された状態となる。
次に、給電パッド70に、給電端子80を構成する第1の端子部分81が接合される。この接合の際には、給電端子80の第1の端子部分81の中心軸CLの位置が仮想軸VLに一致した状態となる。その後、第1の端子部分81に、給電端子80を構成する他の端子部分がネジ止め等により接合される。次に、セラミックス部材10の下面S2に、絶縁管(不図示)が配置される。このとき、絶縁管の先端部は、セラミックス部材10の下面S2に形成された凹部12(より詳細には、凹部12の内、凹部内凹部13を除いた部分)に挿入されるように配置され、これにより、絶縁管は、その中心軸の位置が仮想軸VLに一致し、かつ、面方向への移動が規制された状態(すなわち、面方向に位置決めされた状態)となる。また、絶縁管の中空部内に給電端子80が収容される。これにより、給電端子80は、面方向への移動が規制された状態(すなわち、面方向に位置決めされた状態)となる。以降は、上述した実施形態の100の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
このように、図11に示す比較例の静電チャック100では、給電端子80の径R4に対して給電パッドの径R2が必要以上に大きくされているため、それに伴い端子用孔Htの径R1も大きくなる。セラミックス部材10におけるZ軸方向視で端子用孔Htと重なる部分は、他の部分と比較して、ベース部材20との間の熱伝達に関する条件が異なるため、温度特異点(周辺と比べて温度が急激に変化する領域)となりやすい。そのため、図11に示す比較例の静電チャック100では、端子用孔Htの径R1が大きくなることに伴って、セラミックス部材10における温度特異点が大きくなり、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、静電チャック100に保持されるウェハWの温度分布の制御性)が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態の静電チャック100では、図7に示すように、給電パッド70の径R2が、給電端子80の径R4よりは大きいが、セラミックス部材10の凹部12内に形成された凹部内凸部14の径R3と等しくなっている(R2=R3)。すなわち、本実施形態の静電チャック100では、給電端子80を給電パッド70に確実に接合させることができる範囲で、給電パッド70の径R2が必要以上に大きくなることを回避することができる。そのため、本実施形態の静電チャック100では、給電パッド70の径R2が必要以上に大きくなることに伴って端子用孔Htの径R1が必要以上に大きくなることを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、端子用孔Htの径R1が必要以上に大きくなることに伴ってセラミックス部材10における温度特異点が大きくなることを抑制することができ、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、静電チャック100に保持されるウェハWの温度分布の制御性)が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向に直交する面方向の径に関し、凹部12の径R5は、端子用孔Htの径R1と等しくなっている(R5=R1)。そのため、凹部12の径R5が端子用孔Htの径R1より小さい構成(すなわち、端子用孔Htの径R1が凹部12の径R5より大きい構成)と比較して、端子用孔Htの径R1が必要以上に大きくなることを効果的に抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、静電チャック100に保持されるウェハWの温度分布の制御性)が低下することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100は、さらに、第1の絶縁管91を備える。第1の絶縁管91は、絶縁材料により形成され、中空部914を有する管状部材である。第1の絶縁管91は、中空部914に給電端子80の少なくとも一部分と給電パッド70と凹部内凸部14の少なくとも一部分とが収容されるように、端子用孔Ht内に配置されている。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、第1の絶縁管91と凹部内凸部14とが係合することによって第1の絶縁管91の面方向における位置を適切な位置にすることができ、その結果、第1の絶縁管91の中空部914内に収容された給電端子80の面方向における位置を適切な位置にすることができる。
また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、焼成前のセラミックス部材10を作製する工程(S110)を備える。焼成前のセラミックス部材10の内部には、第1の導電性材料が配置され、焼成前のセラミックス部材10の下面S2に形成された凹部12の底面には、第2の導電性材料が配置される。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、焼成前のセラミックス部材10を焼成する工程(S120)を備える。この焼成工程により、(焼成後の)セラミックス部材10と、上記第1の導電性材料から形成されたヒータ電極500と、上記第2の導電性材料から形成された給電パッド70とが得られる。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、セラミックス部材10における下面S2において、Z軸方向に平行な所定の仮想軸VLを中心とした所定の大きさの中空柱状領域P1に存在するセラミックス部材10の一部分および給電パッド70の一部分を除去する工程(S130)を備える。この除去工程により、凹部12の径と深さとが拡張され、また、凹部12内に下面S2側に突出する凹部内凸部14が形成される。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、上記仮想軸VLに給電端子80の中心軸CLの位置が一致した状態で、給電端子80における給電パッド70に対向する部分である第1の端子部分81を給電パッド70に接合する工程(S140)と、接着部30を介してセラミックス部材10とベース部材20とを接合する工程(S160)とを備える。
このように、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、焼成工程(S120)に伴いセラミックス部材10における給電パッド70の位置ずれが発生しても、上記所定の仮想軸VLを中心とした所定の大きさの中空柱状領域P1に存在するセラミックス部材10の一部分および給電パッド70の一部分を除去する工程(S130)が行われることにより、給電パッド70の径R2が凹部内凸部14の径R3と同じである状態、すなわち、給電パッド70の径が必要以上に大きくない状態が形成される。そのため、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、給電端子80を給電パッド70に確実に接合させることができる範囲で、給電パッド70の径R2が必要以上に大きくなることを回避することができる。従って、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、給電パッド70の径R2が必要以上に大きくなることに伴って端子用孔Htの径R1が必要以上に大きくなることを抑制することができ、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、静電チャック100に保持されるウェハWの温度分布の制御性)が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、Z軸方向に直交する面方向において、中空柱状領域P1の外径は、端子用孔Htを構成する第1の貫通孔22における第2の貫通孔32との境界位置での径R1(端子用孔Htの径R1)と同一である。中空柱状領域P1の外径は、凹部12の径R5に等しい。そのため、本実施形態の静電チャック100では、凹部12の径R5が端子用孔Htの径R1より小さい構成(すなわち、端子用孔Htの径R1が凹部12の径R5より大きい構成)と比較して、端子用孔Htの径R1が必要以上に大きくなることを効果的に抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、静電チャック100に保持されるウェハWの温度分布の制御性)が低下することを効果的に抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、面方向の径に関し、凹部12の径R5は、端子用孔Htを構成する第1の貫通孔22における第2の貫通孔32との境界位置での径R1に等しい(R5=R1)という関係が満たされているが、径R5は径R1と等しくなくてもよく、例えば、径R5が径R1より小さいとしてもよい。
また、上記実施形態では、ドライバ51のZ軸方向における位置に関し、ドライバ51の全体が同一位置にある(すなわち、ドライバ51が単層構成である)としているが、ドライバ51の一部が異なる位置にある(すなわち、ドライバ51が複数層構成である)としてもよい。また、上記実施形態では、各ヒータ電極500はドライバ51を介して給電端子80に電気的に接続されているが、各ヒータ電極500がドライバ51を介さずに給電端子80に電気的に接続されるとしてもよい。
また、上記実施形態における給電端子80の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、給電端子80が3つの部分(第1の端子部分81、第2の端子部分82、第3の端子部分83)から構成されているが、給電端子80は、2つまたは4つの部分から構成されていてもよいし、一体部材であってもよい。
また、上記実施形態では、静電チャック100が、給電端子80の少なくとも一部分を収容する中空部914を有する第1の絶縁管91を備えているが、必ずしも静電チャック100が第1の絶縁管91を備える必要はない。
また、上記実施形態におけるセグメントSEの設定態様(セグメントSEの個数や、個々のセグメントSEの形状等)は、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、各セグメントSEが吸着面S1の円周方向CDに並ぶように複数のセグメントSEが設定されているが、各セグメントSEが格子状に並ぶように複数のセグメントSEが設定されてもよい。また、例えば、上記実施形態では、静電チャック100の全体が複数のセグメントSEに仮想的に分割されているが、静電チャック100の一部分が複数のセグメントSEに仮想的に分割されていてもよい。また、静電チャック100において、必ずしもセグメントSEが設定されている必要はない。
また、上記実施形態におけるセラミックス部材10に配置されたヒータ電極500の数は、任意に設定可能であり、1つでもよいし、複数でもよい。なお、セラミックス部材10に非常に多くの(例えば100個以上の)ヒータ電極500が配置された構成では、それに伴ってヒータ電極500への給電のための給電端子80の個数が非常に多くなり、端子用孔Htの個数が非常に多くなりやすいため、そのような構成に本発明を適用すると特に効果的である。
また、上記実施形態の静電チャック100の各部材(セラミックス部材10、ベース部材20、接着部30等)の形成材料は、あくまで一例であり、種々変更可能である。
また、上記実施形態において、各ビアは、単数のビアにより構成されてもよいし、複数のビアのグループにより構成されてもよい。また、上記実施形態において、各ビアは、ビア部分のみからなる単層構成であってもよいし、複数層構成(例えば、ビア部分とパッド部分とビア部分とが積層された構成)であってもよい。
また、上記実施形態では、セラミックス部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、セラミックス部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。また、上記実施形態の静電チャック100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態における静電チャック100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、上記実施形態では、第1の絶縁管91を用いて給電端子80を構成する第1の端子部分81の位置決めが行われているが、例えば治具を用いる等の他の方法により第1の端子部分81の位置決めが行われるとしてもよい。
また、上記実施形態では、除去工程(S130)における中空柱状領域P1の外径R5は、端子用孔Htを構成する第1の貫通孔22における第2の貫通孔32との境界位置での径R1に等しいとしているが、径R5は径R1と等しくなくてもよく、例えば、径R5が径R1より小さいとしてもよい。
また、本発明は、内部電極としてのヒータ電極500と電気的に接続された給電パッド70に関係する構成に限られず、セラミックス部材10の内部に配置された他の内部電極(例えば、チャック電極40)と電気的に接続された給電パッドに関係する構成に対しても、同様に適用可能である。
また、本発明は、セラミックス部材10とベース部材20とを備え、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、セラミックス部材と、ベース部材と、セラミックス部材とベース部材とを接着する接着部と、セラミックス部材に配置された内部電極と、内部電極に電気的に接続された給電パッドと、給電パッドに接合された給電端子とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャック等)にも適用可能である。