JP6978910B2 - 金属接合用樹脂組成物、金属樹脂複合体およびその製造方法 - Google Patents

金属接合用樹脂組成物、金属樹脂複合体およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、金属接合用樹脂組成物、金属樹脂複合体およびその複合体の製造方法に関し、金属部材と樹脂部材の接合性に優れた金属接合用樹脂組成物、これを金属と接合した樹脂複合体およびその製造方法に関する。
近年の自動車部品や民生部品では軽量化やリサイクル等の環境面から、金属を使用していた部品の樹脂化や、樹脂製品の小型化等が進んでいる。一方、ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、寸法精度、難燃性に優れることから、各種の機器部品に広く用いられている。
近年、電気電子機器部品や自動車部品等では、樹脂部材と、アルミニウムや鉄などの金属部材とが複合化された金属樹脂複合体が使用されることも多い。樹脂部材の金属部材との複合化は樹脂部材の強度向上の他、静電防止、熱伝導性、電磁波シールド性の観点からも有利である。
このような金属樹脂複合体を製造する方法として、金型内に金属部材を挿入し、その金型内に樹脂を射出成形することにより金属と樹脂を一体化する、金属インサート成形と呼ばれる手法がある。
しかし、金属にポリカーボネート樹脂を接合することは従来から言われているように決して容易ではなく、金属インサート成形では、十分な金属−ポリカーボネート樹脂間の接合強度を得ることが難しいという課題がある。この課題を解決するため、例えば、特許文献1では、グラフトポリエチレン等の低融点のポリオレフィン系樹脂を添加したポリカーボネート樹脂を金型内に挿入した金属部材にインサート成形する方法が提案されている。
さらに、特許文献2では、ポリカーボネート樹脂に特定のポリカーボネートオリゴマーを特定量配合する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、十分な接合強度を得るためには、金型温度をポリカーボネート樹脂のガラス転移温度近傍に設定する必要があり、成形時の冷却時間を長く取る必要がある、または離型時に樹脂部が変形し易いという問題がある。
特許文献3には、ゴムまたはトリアジンチオールを添加したポリカーボネート樹脂を、表面にトリアジンチオール処理を施した金属部材にインサート成形する方法が提案されている。しかしながら、その実施例にあるように、樹脂の添加剤と類似の化学薬液による金属の化学的な前処理が必要となり、工程が煩雑になるという問題がある。
特表2015−512804公報 特開2017−19165号公報 特開平8−25409号公報
本発明は、上記課題を解決することを目的(課題)とするものであって、強固な接合強度を有する金属樹脂複合体が可能な金属接合用樹脂組成物、金属樹脂複合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、下記手段<1>、<5>及び<8>により、好ましくは<2>〜<4>、<6>〜<7>及び<9>により、上記課題は解決しうることを見出した。
<1> ポリカーボネート樹脂(A)を含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)が350mm以上であることを特徴とする金属接合用樹脂組成物。
<2> 樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ポリカーボネート樹脂(A)以外の他の樹脂(B)を30質量部以上、リン系可塑剤(C)を24質量部以上含有する<1>に記載の金属接合用樹脂組成物。
<3> ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が22000以下である<1>又は<2>に記載の金属接合用樹脂組成物。
<4> 樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)が380mm以上である<1>ないし<3>のいずれかに記載の金属接合用樹脂組成物。
<5> <1>ないし<4>のいずれかに記載の樹脂組成物を、凹凸を有する金属の表面に接合した金属樹脂複合体。
<6> 金属表面の凹凸が、開口径が0.01〜1000μm、深さが0.05〜1000μmである<5>に記載の金属樹脂複合体。
<7> 金属表面の凹凸がレーザー処理によって形成されたものである<5>または<6>に記載の金属樹脂複合体。
<8> <1>ないし<4>のいずれかに記載の樹脂組成物を、凹凸表面を有する金属の凹凸を有する面に接合することを特徴する金属樹脂複合体の製造方法。
<9> 樹脂組成物を金属の凹凸を有する面に接合する前に、金属と樹脂が接合する領域の少なくとも一部を加熱することを特徴とする<8>に記載の金属樹脂複合体の製造方法。
本発明の金属接合用樹脂組成物は、従来からの難題であったポリカーボネート樹脂を金属と接合するという課題を解決して、金属との強固な接合強度を達成でき、金属と接合した金属ポリカーボネート樹脂複合体は高度な接合強度を有し、接合面の気密性にも優れる。また、本発明の金属樹脂複合体の製造方法によれば、一般的な射出成形と同程度の冷却時間で成形でき、且つ離型時の樹脂部の変形の懸念がなく、金属の化学的な前処理を行わなくても強固な接合が可能である。
実施例で作製した金属樹脂複合体の概略図である。図(a)は複合体を上から見た図であり、図(b)は側面から見た図である。 実施例において、金属樹脂複合体の気密性を評価する際に使用した金属樹脂複合体の形状を示す図である。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明の金属接合用樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)を含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)が350mm以上であることを特徴とする。このような流動長を有することで、ポリカーボネート樹脂と金属との強固な接合強度を達成できる。樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)は380mm以上であることが好ましい。なお、樹脂組成物の流動長は、2mm厚のバーフロー流動長であり、その測定の具体的方法の詳細は実施例に記載する通りである。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明の金属接合用樹脂組成物が含有するポリカーボネート樹脂(A)としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。また、難燃性向上の為に、上述した芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物や、シロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有ポリマー、またはそのオリゴマーを用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)の好ましい例としては、ジヒドロキシ化合物として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とを併用したポリカーボネート樹脂が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)は、1種の繰り返し単位からなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。
また、ポリカーボネート樹脂(A)は、複数のポリカーボネート樹脂を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは22000以下である。粘度平均分子量を22000以下とすることにより、得られる樹脂組成物の流動性や成形性を向上させることができ、金属表面の凹凸内に侵入して接合強度をより向上することができる。ポリカーボネート樹脂(A)のMvは、より好ましくは21500以下であり、好ましくは12000以上、より好ましくは14000以上、さらに好ましくは15000以上である。粘度平均分子量が10000より低いものを用いると、得られる接合用部材が機械的強度の低いものとなりやすい。
なお、前記したように、ポリカーボネート樹脂(A)は複数のポリカーボネート樹脂を混合した混合物であってもよく、Mvの異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、Mvが上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。ポリカーボネート樹脂(A)の上記好ましいMvは、ポリカーボネート樹脂混合物の場合には、その混合物から測定されるMvを意味する。
なお、本発明において、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ粘度計を用いて、温度20℃にて、ポリカーボネート樹脂のメチレンクロライド溶液の粘度を測定し極限粘度([η])を求め、次のSchnellの粘度式から算出される値である。
[η]=1.23×10−4Mv0.83
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)及び溶融法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、溶融法で製造したポリカーボネート樹脂に、末端のOH基量を調整する後処理を施したポリカーボネート樹脂も好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂(A)は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーのMvは、通常1500以上、好ましくは2000以上であり、また、通常9500以下、好ましくは9000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(A)(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下、さらには20質量%以下、特には10質量%以下とすることが好ましい。
[ポリカーボネート樹脂(A)以外の他の樹脂(B)]
本発明の金属接合用樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)以外の他の樹脂(B)を含有することが好ましく、その含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し30質量部以上が好ましい。他の樹脂(B)を含有することで、樹脂組成物の流動長を350mm以上とすることが容易となる。他の樹脂(B)の含有量の上限は、好ましくは、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、80質量部以下であり、より好ましくは70質量部以下、特には60質量部以下が好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)以外の他の樹脂(B)としては、スチレン系樹脂あるいは熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましい。
<スチレン系樹脂(B1)>
本発明の金属接合用樹脂組成物は、スチレン系樹脂(B1)を含有することで、樹脂組成物の流動長を350mm以上とすることが容易となる。
ここでスチレン系樹脂(B1)としては、芳香族ビニル単量体(b1)単独、または芳香族ビニル単量体(b1)と必要に応じて共重合可能な他のビニル単量体(b2、b4)及びゴム質重合体(b3)より選ばれる1種以上を重合して得られる樹脂であることが好ましい。
スチレン系樹脂(B1)に用いられる芳香族ビニル単量体(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導体が挙げられ、特にスチレンが好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの芳香族ビニル単量体(b1)と共重合可能な他のビニル単量体としては、シアン化ビニル単量体(b2)が好ましく、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。
また、共重合可能な、シアン化ビニル単量体(b2)以外のその他の単量体(b4)としては、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸のアリールエステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル;フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸及びその無水物が挙げられる。好ましくは、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルである。
これらのその他の単量体(b4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、芳香族ビニル単量体(b1)と共重合可能なゴム質重合体(b3)としては、ガラス転移温度が10℃以下のゴムが好ましい。このようなゴム質重合体の具体例としては、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン・プロピレンゴム、シリコンゴム、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム(IPN型ゴム)等が挙げられ、好ましくは、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」と「メタアクリレート」の一方又は双方をさし、「(メタ)アクリル」「(メタ)アクリロ」についても同様である。
ジエン系ゴムとしては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体及びブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと非共役ジエンの共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル共重合体、ブタジエン−スチレン−(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル共重合体等が挙げられる。
上記の(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
ブタジエン−(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル共重合体又はブタジエン−スチレン−(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル共重合体における(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルの割合は、ゴム質重合体の量の30質量%以下であることが好ましい。
アクリル系ゴムとしては、例えば、アクリル酸アルキルエステルゴムが挙げられ、ここで、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8である。アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等が挙げられる。アクリル酸アルキルエステルゴムには、任意に、エチレン性不飽和単量体が用いられていてもよい。そのような化合物の具体例としては、ジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。アクリル系ゴムとしては、更に、コアとして架橋ジエン系ゴムを有するコア−シェル型重合体が挙げられる。
これらのゴム質重合体(b3)についても、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
スチレン系樹脂(B1)は、上記した芳香族ビニル単量体成分(b1)50〜100質量%、シアン化ビニル単量体成分(b2)0〜30質量%、ゴム質重合体成分(b3)0〜30質量%、その他の単量体成分(b4)0〜30質量%からなることが好ましく、芳香族ビニル単量体成分(b1)50〜80質量%、シアン化ビニル単量体成分(b2)10〜30質量%、ゴム質重合体成分(b3)5〜25質量%、その他の単量体成分(b4)0〜20質量%からなることがより好ましく、芳香族ビニル単量体成分(b1)55〜70質量%、シアン化ビニル単量体成分(b2)15〜25質量%、ゴム質重合体成分(b3)10〜25質量%、その他の単量体成分(b4)0〜5質量%からなることがさらに好ましい。
本発明で用いられるスチレン系樹脂(B1)の具体例としては、例えば、スチレンの単独重合体、スチレンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、スチレンと(メタ)アクリロニトリルと他の共重合可能な単量体との共重合体、また、ゴムの存在下スチレンを重合してなるグラフト共重合体、ゴムの存在下スチレンと(メタ)アクリロニトリルとをグラフト重合してなるグラフト共重合体等が好ましく挙げられる。
さらに、具体的には、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(AS樹脂)、スチレン−無水マレイン酸系共重合体(SMA樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム系共重合体(ASA樹脂)、スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体(SBS樹脂)、水添スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレン系共重合体(SEPS)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン系共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン系共重合体(AES樹脂)及びスチレン−IPN型ゴム共重合体等の樹脂、又は、これらの混合物が挙げられる。また、さらにシンジオタクティックポリスチレン等のように立体規則性を有するものであってもよい。また、上記のスチレンに代えて、広く芳香族ビニル系モノマーを用いることができる。
これらの中でも、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム系共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン系共重合体(AES樹脂)が好ましく、中でもアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(AS樹脂)が好ましく、特にはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体(ABS樹脂)が好ましい。
これらスチレン系樹脂(B1)の製造方法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の公知の方法が挙げられるが、いずれであってもよい。
また、スチレン系樹脂(B1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
スチレン系樹脂(B1)を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは30質量部以上であり、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下である。スチレン系樹脂体(B1)の含有量が80質量部を超えると強度が不満足となりやすく、30質量部未満では流動性改良効果が不十分となりやすい。
[熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)]
本発明の金属接合用樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)を含有することでも、樹脂組成物の流動長を350mm以上とすることが容易となる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)としては、ジカルボン酸類又はその反応性誘導体からなるジカルボン酸成分と、ジオール類又はそのエステル誘導体からなるジオール成分とを主成分とする縮合反応により得られる重合体又は共重合体であるが、好ましくは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、これを脂肪族ジオールを主とするアルコールと重縮合反応させて得られる熱可塑性ポリエステル樹脂を用いる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−タ−フェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等が挙げられ、これらの置換体(例えば、5−メチルイソフタル酸などのアルキル基置換体など)や反応性誘導体(例えばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルなどのアルキルエステル誘導体など)等を用いることもできる。
これらのうち、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びそれらのアルキルエステル誘導体がより好ましく、テレフタル酸及びそのアルキルエステル誘導体が特に好ましい。これら芳香族ジカルボン酸は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、該芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等の1種以上併用することも可能である。
ジオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トランス−又はシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環族ジオール類;p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族ジオール類等を挙げることができ、これらの置換体も使用することができる。
これらのうち、耐熱性、寸法安定性等の点から、脂肪族ジオールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。
ジオールは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、ジオール成分として、分子量400〜6,000の長鎖ジオール類、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の1種以上を上記ジオ−ル類と併用して共重合させてもよい。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)には、パラヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸や、その他のカルボン酸、上記ジオール以外のアルコールを共重合させることができ、本発明ではこのような共重合樹脂を用いることもできる。しかしながら、このような共重合成分は少量であるのが好ましく、熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)の80質量%以上、更には90質量%以上が、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールからの成分であるのが好ましい。また芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールは、それぞれその80モル%以上、更には90モル%以上を1種類の化合物が占めるのが好ましい。
このような熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)の好ましい具体例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらは共重合成分を含有していてもよい。本発明では、これらのなかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いるのが好ましく、また両者を併用するのも好ましい。なお併用する場合には、その比率はPET:PBT=1:1〜1:8(質量比)が好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)としては、特にポリブチレンテレフタレートが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)の分子量としては、フェノールとテトラクロロエタンの混合溶媒(質量比=50/50)中、30℃で測定される固有粘度(IV)が0.4〜2.0であることが好ましい。固有粘度が0.4未満のものを用いたのでは樹脂組成物の機械的強度が劣り、逆に2.0を超えるものでは成形性が低下する傾向がある。熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)の好ましい固有粘度は0.6〜1.2である。
熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは30質量部以上であり、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下である。熱可塑性ポリエステル樹脂(B2)の含有量が80質量部を超えると強度が不満足となりやすく、30質量部未満では流動性改良効果が不十分となりやすい。
ポリカーボネート樹脂(A)以外の他の樹脂(B)として、スチレン系樹脂あるいは熱可塑性ポリエステル樹脂以外に、その他の樹脂(ただし、エラストマーを除く)をさらに用いる場合には、その含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、30質量部未満が好ましく、さらには20質量部未満、中でも10質量部未満であることが好ましい。
[リン系可塑剤(C)]
また、本発明の金属接合用樹脂組成物は、リン系可塑剤(C)を含有することが好ましく、その含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し24質量部以上が好ましい。リン系可塑剤(C)をこのような量で含有することにより、樹脂組成物の流動長を350mm以上とすることが容易となる。
リン系可塑剤(C)としては、縮合リン酸エステル及びホスファゼン系化合物を好ましく挙げることができる。
縮合リン酸エステルとしては、フェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、クレジル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・クレジル・レゾルシン・ポリホスフェート、キシリル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル−p−tert−ブチルフェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、クレジル・キシリル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピルフェニル・レゾルシンポリホスフェート等が好ましい例として挙げられる。
また、フェニル・ビスフェノール・ポリホスフェート、クレジル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・クレジル・ビスフェノール・ポリホスフェート、キシリル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル−p−tert−ブチルフェニル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ビスフェノールポリホスフェート、クレジル・キシリル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピルフェニル・ビスフェノールポリホスフェート等が好ましい例として挙げられる。
ホスファゼン化合物としては、例えば、環状フェノキシホスファゼン化合物、鎖状フェノキシホスファゼン化合物および架橋フェノキシホスファゼン化合物が挙げられる。
リン系可塑剤(C)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは24質量部以上であり、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。リン系可塑剤(C)の含有量が24質量部未満では流動性改良効果が不十分となりやすく、60質量部を超えると強度が不満足となりやすい。
[その他添加剤]
本発明の金属接合用樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、離型剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、染料、難燃剤、耐衝撃改良剤(エラストマーを含む)、強化充填材、帯電防止剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤は一種または二種以上を配合してもよい。
本発明の金属接合用樹脂組成物の製造方法としては、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。
なお、ガラス繊維等の繊維状の強化充填材を用いる場合には、押出機のシリンダー途中のサイドフィーダーから供給することも好ましい。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常230〜280℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュー構成の選定が望ましい。
[金属樹脂複合体]
本発明の金属樹脂複合体は、上記した樹脂組成物が、表面に凹凸を有する金属部材に、金属部材の凹凸を有する面側で接合していることを特徴とする。
本発明の金属樹脂複合体は、樹脂組成物からなる部材(樹脂部材)が、金属部材と前記凹凸を有する面側の表面で接していることが好ましい。しかしながら、後述するとおり、金属部材の表面の凹凸化処理によって、微粒子等が固定化される場合や、金属部材の表面にプライマー層を設ける場合、かかる処理等の後の表面に樹脂部材を設ける態様も、金属部材と前記凹凸を有する凹凸を有する面側で接している態様に含まれる。
また、本発明では、樹脂部材が金属部材の凹凸を有する面側全てで接している必要はなく、凹凸を有する面側の一部で接していてもよいことは言うまでもない。
金属部材を構成する金属としては、アルミニウム、鉄、銅、マグネシウム、錫、ニッケル、亜鉛等の各種金属、およびこれらの金属を含む合金が挙げられる。この中でも、金属部材が、アルミニウム、鉄、銅およびマグネシウムの少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウムを含むことがより好ましい。アルミニウムとしては、純Alおよび各種のAl合金が挙げられる。鉄としては、鉄、鋼、ステンレス等の鉄および各種の鉄合金が挙げられる。マグネシウムとしては、純マグネシウムおよびマグネシウム合金が挙げられる。
また、金属部材は、そのすべてが金属で構成されているものの他、金属以外の部位で構成された部材の凹凸側の表面を金属、例えばニッケル、クロム、亜鉛、金等によりメッキされた部材であってもよい。
金属部材の形状としては、特に制限はないが、平板、曲板、板状、棒状、筒状、塊状、シート状、フィルム状等、あるいは所望する特定の形状に製作されたものが好ましく挙げられる。凹凸化処理前の原料金属部材面の形状は特に制限はなく、単一の平面や曲面に限定されず、段状部や凹部、凸部等、各種の形状を有していてもよい。
金属部材の厚さとしては、特に制限はないが、0.05〜100mmの範囲であることが好ましく、0.1〜50mmであることがより好ましく、0.12〜10mmであることがさらに好ましい。特に、アルミニウム板および鉄板の場合の厚みは、それぞれ、0.1〜50mmであることが好ましく、0.2〜40mmであることがより好ましい。上記厚さは、金属部材が平板状の場合は、その厚さをいい、また、平板状以外の場合は、金属部材のうち、樹脂部材と凹凸を有する面側で接している金属部位のうち、最も薄い厚さが上記範囲であることが好ましい。
金属部材は、少なくとも樹脂部材(樹脂組成物)と接する面には、凹凸を有する。前記凹凸は、金属部材の凹凸化処理(粗面化処理ともいう)を施すことによって形成することができる。このような凹凸化処理により、金属部材が微細な凹凸形状の表面を有するものとすることができる。
金属部材の表面に微細な凹凸を形成する凹凸化処理としては、特に限定されず、各種の公知の方法が採用可能であるが、例えば、化成処理や化学薬液処理(化学エッチング又は、ケミカルエッチング)、レーザー処理(レーザーエッチング)、ブラストエッチング等による加工が挙げられる。かかる処理を施すことにより、金属部材の表面には微細な凹凸が形成され、この微細な凹凸構造の凹部に上記した樹脂組成物が侵入し、その凹部壁の奥まで侵入して、そのまま固化し凹部から抜けなくなって固定されることにより、強固な接合強度を発現させることができると考えられる。
また、凹凸化処理は、エッチング法だけでなく、金属部材の表面に、金属酸化物やセラミックス等の微粒子、例えば、酸化チタン、酸化シリコン微粒子を粉体または、各種溶媒に粉体を分散したものを固定化し、物理的に凸部を形成することにより凹凸化してもよい。微粒子の数重量平均粒子径(D50)は10nm〜1mmが好ましく、20nm〜500μmがより好ましく、30nm〜200μmがさらに好ましい。
化成処理や化学エッチングは、金属の種類に応じて種々の方法が知られており、公知の方法を用いることができる。
金属部材がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合、酸性水溶液および/または塩基性水溶液によるエッチング、あるいは、表面に酸化皮膜を形成した後、酸化皮膜を除去し、次いでアンモニア、ヒドラジン、水溶性アミン化合物等により処理する方法等が好ましく挙げられる。また、アルミニウムに対して施す一般的な表面処理法であるアルマイト処理によれば、酸を用いてアルミニウムを陽極で電気分解させることにより、凹凸構造を形成することが可能である。
レーザーによる凹凸化は、金属部材の表面に対して、レーザー光を照射して、金属表面を溝掘加工および溶融させ再凝固させる条件にて加工することにより形成される。例えば、ある走査方向についてレーザースキャニング加工した後、同じ走査方向あるいはクロスする方向にレーザースキャニングすることを複数回繰り返すことにより形成される。
レーザースキャニングの条件には、出力、スキャン速度、スキャン周波数、スキャン回数、ハッチング幅(処理ピッチ)、パターニング形状等があり、これらの組み合わせで、所望する凹部と凸部から微細な凹凸表面を形成することができる。
また加工に使用するレーザーの種類は、固体レーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーの各種波長のものを適宜選択すればよく、発振形態も連続波、パルス波を期待する凹凸形状に合わせて選択することができる。また連続波を用いた場合には、より複雑な凹凸構造とすることが可能である。
本願では特にレーザー処理による凹凸化が最も望ましい。化学エッチングの場合と比較して、レーザー処理の場合の方が、凹凸の開口径及び、深さを大きくしやすい特徴がある。本接合方法においては、ポリカーボネート樹脂が凹凸内部に十分に浸入、固化することが重要であるから、樹脂の流動性の違いにより、限定されるものではないが、開口径及び、または深さが大きい方が望ましい。
ブラストエッチングとしては、インペラー(羽根車)の遠心力を利用してブラスト材を投射するショットブラスト処理、エアーコンプレッサーを用いて圧縮空気によりブラスト材を投射するエアーブラスト処理があり、どちらも金属部材の表面に凹凸形状を付与することが可能である。ブラスト材として、珪砂、アルミナ、アルミカットワイヤー、スチールグリッド、スチールショットなどの材料が挙げられる。
また、樹脂粒や金属粒などの砥粒を混入した水を金属部材の表面に向けて加工エアーとともに数十m/秒〜約300m/秒程度の速度で高圧噴射せしめ、エッチング処理するウェットブラストエッチング法等でも可能である。
また、他の方法として、金属メッキ(例えば、亜鉛メッキ)した上で、メッキ金属(亜鉛)の融点よりも高い温度まで加熱し、メッキ層の金属(亜鉛)の一部または殆どを蒸発させることにより、表面が粗面化された金属部材を得ることも可能である。
上記で例示した凹凸化処理(粗面化処理)は、単独または複数を組み合わせて用いる。組み合わせ方法によっては、凹凸構造の最適化やコスト低減などの効果を見出せる場合もある。
金属部材表面の凹凸は、開口径が0.01μm以上、1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上、また、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは300μm以下、特に好ましくは200μm以下である。深さは0.05μm以上、1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは、0.5μm以上、またより好ましくは500μm以下、さらに好ましくは300μm以下である。これ以上大きいと、凹凸部に流入する樹脂量が多すぎて、固化するのに時間を要して接合することができにくくなりやすい。またこれ以下だと、本発明の樹脂組成物を用いても、凹凸内に浸入させることが難しくなる傾向にある。
また、開口部と開口部の間隔は、0.01μm〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上、500μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上、200μm以下である。開口部と開口部の間隔は、単位面積あたりの樹脂のアンカー数に関係し、これ以上でも、以下でも十分なアンカー効果を得ることができにくく、接合強度が低くなりやすい。
凹凸形状は、開口径及び、または深さ、開口部と開口部の間隔が重要である。図示していないが、凹み部があれば、凸部もあり、また巨視的な凹凸部だけでなく、微視的に凹凸も存在していることもある。
上記した表面に凹凸を有する金属部材は、シランカップリング剤により表面処理することも有用である。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えばメトキシ基、エトキシ基、シラノール基等を有する化合物が挙げられ、シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ウレイドアミノプロピルエトキシシランなどが好ましく挙げられる。特に、アルミニウム基体、鉄基体とシランカップリング剤は、Al−O−SiやFe−O−Siの結合を形成して強固に結合し、また、樹脂組成物とシランカップリング剤の有機官能基が反応して強固に結合し、より強固な結合が達成できる。
また、必須ではないが、トリアジンチオール誘導体を含む溶液を用いた湿式法により、凹凸化処理した金属表面にトリアジンチオール誘導体の被膜を形成しておくことで、化学結合による一層の接合強度向上を達成できる。
金属部材と樹脂部材の接合において、凹凸によるアンカー効果だけでなく、極性基を有効に作用させて化学結合を形成することも好ましい。例えば、酸性および塩基性官能基としてCO基、COO−基、NH基などを付与するため、凹凸化処理した金属表面に対して、オゾン処理、プラズマ処理、火炎処理、コロナ放電処理、化学薬液処理などを施すことも有用である。
さらに、金属部材上には、プライマー層を設けることも好ましい。プライマー層に用いる材料としては、アクリル系材料、エポキシ系材料、ウレタン系材料、ポリアミド系材料等を用いることが好ましい。プライマー層に用いる材料の市販品としては、例えば東亞合成社製、「アロンメルトPPET」等が好ましく例示される。
本発明の金属樹脂複合体は、ISO19095に準拠した引張用治具を用いて、引張速度5mm/分、チャック間距離80mmの条件で測定した引張強度を、好ましくは1000N以上とすることができる。この強度では、樹脂部材が母材破壊し、樹脂が金属凹凸部(5mm×10mm領域)に70%以上残存する現象がみられる場合が多い。この残存量を求める方法は限定されないが、該当領域を写真撮影し、2値化等の方法により算出することが可能である。また、本発明の金属樹脂複合体は、上記引張試験を行ったとき、引張により母材破壊する高い引張強度を達成することもできる。
[金属樹脂複合体の製造方法]
金属樹脂複合体を製造するには、前記した樹脂組成物を、凹凸表面を有する金属の凹凸を有する面に接合することにより製造できる。
金属部材に樹脂組成物を接合するには、各種の成形法によって可能である。使用する成形機としては、金属部材と樹脂組成物との金属樹脂複合体が形成できれば特に限定されず、例えば、射出成形機、押出成形機、加熱プレス成形機、圧縮成形機、トランスファーモールド成形機、注型成形機等の種々の成形機を使用できるが、これらの中でも射出成形機が特に好ましい。
射出成形法の場合、具体的には、金属部材を射出成形金型のキャビティ部にインサートし、樹脂組成物を金型に射出するインサート成形法により製造するのが好ましい。具体的には、成形用の金型を用意し、その金型を開いてその一部に金属部材を設置(インサート)し、その後、金型を閉じ、樹脂組成物の少なくとも一部が金属部材の凹凸形状を形成した面に接するように、金型内に樹脂組成物を射出して固化させる。その後、金型を開き、離型することにより、金属樹脂複合体を得ることができる。
インサートされる金属部材の大きさは、目的の金属樹脂複合体の大きさ、構造等によって、適宜決めればよい。インサートされる金属部材は、得られる金属樹脂複合体の全体にわたる必要はなく、金属樹脂複合体の一部分であってもよい。
インサート成形時に、溶融した樹脂組成物の温度と金属部材の温度を可能な限り近くすることが接合強度を向上させる上で好ましい。特に方法は限定されないが、金属部材を予め加熱しておくことが望ましい。また加熱方法は特に限定されないが、例えば金属部材をインサート成形する前に誘導加熱や、赤外線加熱、ホットプレート、加熱炉、レーザー等で加熱したものをインサートする方法、金属部材を金型にインサート後に金属部材における樹脂組成物との接合領域付近をハロゲンランプ、ドライヤー等で外部から加熱する方法、金型内部に配置したカートリッジヒーター等で加熱する方法等が挙げられる。特に、樹脂組成物との接合領域のみを局所的に加熱することが有用である。なお、「局所的に加熱」とは、加熱手段によっては、接合領域を含んだ周辺まで加熱されるが金属部材の接合領域より遠い部分は加熱しないことを含む。
加熱温度は高いほどよいが、通常100〜350℃、好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは130〜200℃である。
加熱温度は100℃以上とすることにより、金型温度との差異を大きくでき、加熱の効果がより効果的に発揮され、350℃以下とすることにより、昇温時間を短縮できるため、成形サイクルが向上する傾向にあり、また、樹脂の滞留が発生しにくくなり、成形上、好ましい。
金属樹脂複合体を得る方法として、上記以外に、レーザー溶着法や、振動溶着法、超音波溶着法など、金属部材もしくは樹脂部材(樹脂組成物)、またはそのいずれも加熱することで複合化する方法を選択することも可能である。複合体の形状やコスト等により最適な方法を選択すればよい。特にレーザー溶着法は、局所領域の溶着が可能であり、かつ局所加熱も兼ねることができるため好ましい。
このようにして得られる、本発明の金属樹脂複合体の大きさ、形状、厚み等は特に限定されるものではなく、板状(円板、多角形など)、柱状、箱形状、椀形状、トレイ状などいずれでもよい。また複合体の全ての部分が均一な厚みである必要はなく、また、複合体には補強リブ等が設けられていてもよい。
本発明の金属樹脂複合体は、金属部材と樹脂部材が強固に接合し、かつ、機械的強度に優れるため、一般家電製品を始め、OA機器(複写機、プリンター、ファクシミリ等)や各種携帯端末(携帯電話等)やパソコン等の電気電子部品(ハウジング、ケース、カバー等)、自動車等の車両用部品(車両用構造部品、あるいは例えばブレーキペダル等)、機械部品、自転車その他部品の材料として、好適に用いられる。
以下、実施例を示して本発明について、更に具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
以下の実施例及び比較例に使用した各成分は以下の表1の通りである。
Figure 0006978910
(実施例1〜7、参考例8〜15、比較例1〜4)
[アルミニウム板の凹凸化処理]
<レーザー処理>
波長1062nmのファイバーレーザー(オムロン社製、「MX−Z2000H」)を用いて、厚さが1.5mmのアルミニウム(JIS A1050)板上に凹凸化を施した。出力は20Wの範囲で、加工したい領域に横方向、縦方向、及び斜め方向に、それぞれ130μm間隔でレーザースキャニングした後、さらに横方向、及び縦方向に65μm間隔でレーザースキャニングした。得られたアルミニウム板の表面をレーザー顕微鏡(「KEYENCE VK−X100」)の対物レンズ10倍で観察し、表面粗さを計測したところ、十点平均粗さRzは134μmであった。また、得られたアルミニウム板表面の断面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「S−4800」)を用いて100倍で観察し、10カ所の凹凸部を計測し、平均することにより開口径及び深さを計測したところ、開口径130μm、深さ100μmであった。
<化学処理>
厚さが1.5mmのアルミニウム板(JIS A1050)に、脱脂後、混酸(塩酸および硫酸その他成分)からなる水溶液(関東化学株式会社製、アルミエッチング液)により化学薬液処理(ケミカルエッチング)し、洗浄工程を経て凹凸表面を有するアルミニウム板を得た。得られたアルミニウム板の表面をレーザー顕微鏡(「KEYENCE VK−X100」)の対物レンズ10倍で観察し、表面粗さを計測したところ、十点平均粗さRzは62μmであった。
[樹脂ペレット製造]
上記表1に記したC1成分以外の各成分を、後記表2以下に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(「TEX30α」)に上流のフィーダーより供給し、さらにC1成分をバレルの途中より供給しながら、回転数250rpm、吐出量40kg/時間、バレル温度260℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、樹脂組成物のペレットを得た。
[流動長(バーフロー流動長)の測定]
上述の製造方法で得られたペレットを、80℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製の射出成形機(「NEX80III」、型締め力80T)と、樹脂流動部が螺旋状であり、その厚みが2mm、幅20mmである金型を用い、シリンダー温度240℃、金型温度40℃、射出圧力100MPaの条件で射出成形し、その流動長(バーフロー流動長、単位:mm)を測定した。
[試験片の作製]
上述の製造方法で得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製の射出成形機(「NEX80III」、型締め力80T)を用いて、シリンダー温度240℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、ISO多目的試験片(4mm厚)を成形した。
[耐熱性評価(DTUL)]
耐熱性評価として、上述の方法で得たISO多目的試験片(4mm厚)を用い、ISO75−1に準拠し、荷重1.8MPaの条件で、荷重撓み温度(DTUL、単位:℃)を測定した。
ISO19095に準拠し、上記で得られたアルミニウム板(レーザー処理またはケミカルエッチング処理品)を、長さ45mm×幅12mm×厚み1.5mmの大きさに切断し、金型キャビティ内に装着した。
装着したアルミニウム板の凹凸表面側へ、上記で得られた樹脂組成物のペレットを120℃で4時間乾燥したものを用い、図1に示すように、アルミニウム板と樹脂組成物の接合面積が長さ5mm×幅10mmとなるようにインサート成形(長さ45mm×幅10mm×厚3mm)し、図1に示すようなアルミニウム板(金属部材)1と樹脂組成物(樹脂部材)2が結合した金属樹脂複合体を成形した。
インサート成形は、射出成形機としてファナック社製「ファナックα−100」を用い、シリンダー温度270℃、金型温度60℃、射出速度30mm/秒、充填時間0.58秒、保圧110MPa、保圧時間6秒、冷却時間40秒の条件で行った。
表2中、局所加熱「有」のものについては、樹脂の射出前に、金型に予め配置したカートリッジヒーター(120V、350W)で金属表面の接合領域を120秒間加熱し、金属表面の接合領域の温度が90℃になった後に、射出成形して金属樹脂複合体を得た。
[接合強度評価]
得られた金属樹脂複合体を用い、ISO19095に準拠し、接合性の評価を行った。
測定は、引張試験機(インストロン社製、「5544型」)を使用し、接合して一体化されたアルミニウム板1と樹脂組成物部分2とを、ISO19095に準拠した治具に挟み込み、その長軸方向の両端をクランプで挟み、引張速度5mm/分、チャック間距離80mmの条件で引張って、接合強度を評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:樹脂部材が母材破壊した。樹脂は金属凹凸部に100%残存した。
B:樹脂部材の一部が破壊したが、樹脂は金属表面凹凸部に70%以上100%未満残存した。
C:金属表面凹凸部に樹脂が残存せず、界面で剥離した。
上記A、B、Cの内、A及びBは実用上問題のないレベルと判断できる。
[気密性の評価]
接合面の気密性の評価を次の通り行った。
図2(上図は上面図、下図は断面図)に示すように、表面に前記した凹凸化処理が施された、外径55mm、厚み2mmのアルミニウム(JIS A1050)製の円板の中心部に、内径20mmの穴を設けたドーナツ状のアルミニウム円板の内周側の上表面に、前記と同様のインサート成形をして、重ね幅2mmで樹脂組成物を接合し、ISO19095に準拠した試験片を製造した。
東洋精機社製「ボトル耐圧試験機」を使用し、専用の治具にセットし、まず治具槽内を水で満たした後、25℃の水中に浸漬させた。次に治具槽内に送水を開始し、溶着体内部圧力を196kPa刻みで昇圧し、溶着部から圧力が抜けた時点(圧力低下した時点)を破壊最大圧力(耐圧強度、単位:MPa)とした。装置は、株式会社東洋精機製「ボトル耐圧試験機」を使用した。なお、この装置の耐圧強度の測定限界は2.0MPaである。
評価基準は、以下の通りである。
A:耐圧強度が、2.0MPa以上
B:耐圧強度が、1.0MPa以上2.0MPa未満
C:耐圧強度が、1.0MPa未満
結果を以下の表2に示す。
Figure 0006978910
上記結果から明らかな通り、本発明の樹脂組成物を用いて成形された金属樹脂複合体は、樹脂組成物(樹脂部材)とアルミニウム部材(金属部材)の接合性に優れ、接合面の気密性も優れることが分かる(実施例1〜15)。特に、樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)を380mm以上とし、さらに局所加熱を施すことにより、接合強度がより向上した(実施例1〜7)。また局所加熱をしない場合においても、流動長(2mmtバーフロー)を380mm以上とすることで、実用上において十分と判断される接合強度評価(B)が得られた。
これに対し、ポリカーボネート樹脂が流動長350mmを満たさない比較例(比較例1〜4)は接合強度が悪く、局所加熱した場合(比較例1〜3)でも十分な接合強度を得られなかった。
本発明の金属樹脂複合体は、ポリカーボネート樹脂部材と金属部材が強固に接合するため、一般家電製品、OA機器、電気電子製品、自動車等の車両用部品、機械部品等の部品の材料として、好適に用いられる。
1:アルミニウム部材
2:樹脂組成物部材

Claims (5)

  1. 粘度平均分子量が22000以下であるポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、スチレン系樹脂を30質量部以上80質量部以下、リン系可塑剤(C)を24質量部以上60質量部以下含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)が350mm以上である樹脂組成物と、レーザー処理によって形成された凹凸を有し、樹脂組成物と接合する領域の少なくとも一部を加熱した金属の表面とを接合した金属樹脂複合体
  2. 樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)が380mm以上である請求項1に記載の金属樹脂複合体
  3. 金属表面の凹凸が、開口径が0.01〜1000μm、深さが0.05〜1000μmである請求項に記載の金属樹脂複合体。
  4. 粘度平均分子量が22000以下であるポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、スチレン系樹脂を30質量部以上80質量部以下、リン系可塑剤(C)を24質量部以上60質量部以下含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物の流動長(2mmtバーフロー)が350mm以上である樹脂組成物を、レーザー処理によって形成された凹凸表面を有する金属の凹凸を有する面に、樹脂組成物との接合領域の金属表面の少なくとも一部を加熱した後、接合することを特徴する金属樹脂複合体の製造方法。
  5. 加熱する温度が100〜350℃である請求項4に記載の金属樹脂複合体の製造方法。
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