JP7226168B2 - 複合部材の製造方法及び複合部材 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態に係る複合部材1を示す斜視図である。図1に示されるように、複合部材1は、複数の部材が接合により一体化された部材である。例えば、複合部材1は、金属部材2と被膜3と樹脂部材4とを備える。金属部材2は、一例として板状の部材である。被膜3は、金属部材2と樹脂部材4との間に介在し、それぞれの表面に直接接触する。図1では、樹脂部材4は、金属部材2の表面の一部又は全部に被膜3を介して接合しており、重ね継手構造を有する。金属部材2の材料は、銅、アルミニウム、鉄、チタン又はこれらの合金などの金属である。樹脂部材4の材料は、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、液晶ポリマー、ポリプロピレン、アクリルニトリルブタジエンスチレンなどの樹脂である。
複合部材1の製造方法に用いる装置概要を説明する。最初に、金属部材2の表面5にブラスト加工を行う装置を説明する。ブラスト加工装置は、重力式(吸引式)のエアブラスト装置、直圧式(加圧式)のエアブラスト装置、遠心式のブラスト装置など、何れのタイプを用いてもよい。本実施形態に係る製造方法は、一例として、いわゆる直圧式のエアブラスト装置を用いる。図3は、複合部材1の製造方法に用いるブラスト加工装置10の概念図である。ブラスト加工装置10は、処理室11、噴射ノズル12、貯留タンク13、加圧室14、圧縮気体供給機15及び集塵機(不図示)を備える。
上記実施形態に係る金属部材2及び樹脂部材4として、板状部材を例として示したが、形状に限定されることはなく、互いに接触可能なあらゆる形状を採用することができる。上記実施形態に係る樹脂部材4は、金属部材2の表面5の一部に接触していたが、金属部材2の表面5全てに接触していてもよい。
射出成形は、インサート成形に限定されるものではなく、アウトサート成形であってもよい。
最初にブラスト加工工程(S12)を実行する前の金属部材2の酸化膜6の厚さを計測した。オージェ電子分光法(AES:Auger electron spectroscopy)を用いて金属部材2の酸化膜6の深さ方向分析を行った。金属部材2として、銅を用いた。酸化物/金属の界面付近では酸化物と金属成分が同時に検出されるためにこれらをスペクトル合成法によって分離して、酸化膜6の厚さを求めた。ブラスト加工を実行する前の酸化膜6の厚さは72nmであった。次に、図3~図6に示されるブラスト加工装置を用いてブラスト加工工程(S12)を実行後、金属部材2の酸化膜6の厚さを計測した。砥粒の中心粒径が600μm以上710μm以下の噴射材を用いた場合、酸化膜6の厚さは13nmであった。砥粒の中心粒径が64μm以上60μm以下の噴射材を用いた場合、酸化膜6の厚さは9nmであった。このため、少なくとも710μm以下の噴射材を用いることで、金属部材2の酸化膜6を13nm以下に薄くできることが確認された。なお、パフ研磨を実行した場合、酸化膜6の厚さは16nmであった。陽極酸化法を実行した場合、酸化膜6の厚さは68nmであった。
実施例1及び比較例1~3を用意して剪断強度を確認した。
[実施例1]
図3~図6に示されるブラスト加工装置を用いてブラスト加工工程(S12)を実行した。金属部材2は、銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。ブラスト加工には、材料がホワイトアルミナ、砥粒中心粒径が63μm以上76μm以下の噴射材を用いた。ブラスト圧は1.0MPaとした。続いて、表面処理工程(S14)を実行した。表面処理工程(S14)として、コロナ放電処理を実行した。続いて被膜形成工程(S16)を実行した。ブラスト加工された銅板をトリアジンチオール誘導体の○℃の溶液に○分間浸漬させた。続いて、接合工程(S18)を実行した。図6及び図7に示される金型20を用いて、金属部材2に樹脂部材4を接合させた。樹脂部材4は、縦、横、厚さが10mm×46mm×3.0mmとなるように設定した。樹脂部材4の材料は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を用いた。樹脂部材4として、成分の異なる3つのPPSを用意した。出射時において、金型温度は160℃、出射速度は20mm/s、出射圧力は63MPa以上93MPa以下、出射時間は0.66sとした。保持時において、保持圧力は80MPa、保持時間は8sとした。金属部材2と樹脂部材4との重なりは6mmとした。
[比較例1~3]
比較例1は、金属部材2として、ブラスト加工工程(S12)及び被膜形成工程(S16)を実行していない銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。接合工程(S18)は実施例1と同一とした。
比較例2は、金属部材2として、ブラスト加工工程(S12)を実行せず、実施例1と同一の被膜形成工程(S16)を実行した銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。接合工程(S18)は実施例1と同一とした。
比較例3は、金属部材2として、実施例1と同一のブラスト加工工程(S12)を実行し、被膜形成工程(S16)を実行していない銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。接合工程(S18)は実施例1と同一とした。
上記条件で作成された実施例1及び比較例1~3の剪断強度を測定した。剪断強度は、ISO 19096に準拠した試験方法で測定した。測定結果を図12に示す。
実施例2、実施例3及び比較例4~6を用意して剪断強度を確認した。
[実施例2]
図3~図6に示されるブラスト加工装置を用いてブラスト加工工程(S12)を実行した。金属部材2は、銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。ブラスト加工前の金属部材2の酸化膜6の厚さは、72nm以上であった。ブラスト加工には、材料がホワイトアルミナ、砥粒中心粒径が64μm以上710μm以下の噴射材を用いた。ブラスト圧は1.0MPaとした。続いて、表面処理工程(S14)を実行した。表面処理工程(S14)として、コロナ放電処理を実行した。続いて被膜形成工程(S16)を実行した。ブラスト加工された銅板をトリアジンチオール誘導体の○℃の溶液に○分間浸漬させた。続いて、接合工程(S18)を実行した。図6及び図7に示される金型20を用いて、金属部材2に樹脂部材4を接合させた。樹脂部材4は、縦、横、厚さが10mm×46mm×3.0mmとなるように設定した。樹脂部材4の材料は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を用いた。樹脂部材4として、成分の異なる3つのPPSを用意した。出射時において、金型温度は160℃、出射速度は20mm/s、出射圧力は63MPa以上93MPa以下、出射時間は0.66sとした。保持時において、保持圧力は80MPa、保持時間は8sとした。金属部材2と樹脂部材4との重なりは6mmとした。なお、金属部材2の酸化膜6の厚さは、9nm以上13nm以下となった。
[実施例3]
実施例2において、ブラスト加工に用いた噴射材は、砥粒中心粒径が710μmより大きく、1000μm以下である。実施例2のそれ以外の条件は実施例1と同一の条件とした。なお、金属部材2の酸化膜6の厚さは、16nm以上72nm未満となった。
[比較例4~6]
比較例4は、金属部材2として、実施例1と同一のブラスト加工工程(S12)を実行し、被膜形成工程(S16)を実行していない銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。接合工程(S18)は実施例2と同一とした。なお、金属部材2の酸化膜6の厚さは、9nm以上13nm以下となった。
比較例6は、金属部材2として、ブラスト加工工程(S12)を実行せず、実施例1と同一の被膜形成工程(S16)を実行した銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。接合工程(S18)は実施例2と同一とした。なお、金属部材2の酸化膜6の厚さは、ブラスト加工工程(S12)を実行していないため、72nm以上のままであった。
比較例6は、金属部材2として、ブラスト加工工程(S12)及び被膜形成工程(S16)を実行していない銅板(日本工業規格JIS:C1020)を用いた。接合工程(S18)は実施例1と同一とした。なお、金属部材2の酸化膜6の厚さは、ブラスト加工工程(S12)を実行していないため、72nm以上のままであった。
上記条件で作成された実施例2、実施例3及び比較例4~6の剪断強度を測定した。剪断強度は、ISO 19096に準拠した試験方法で測定した。測定結果を図13に示す。接合性の欄における接合強度の「◎」は従来の接合強度に比べて著しく増大したことを示し、「○」は「◎」に比べて接合強度は高くないものの、従来の接合強度に比べて増大したことを示し、「×」は従来の接合強度と同等であることを示す。
Claims (6)
- 金属部材と樹脂部材とを接合した複合部材の製造方法であって、
前記金属部材の表面を構成する酸化膜をブラスト加工するブラスト加工工程と、
ブラスト加工された前記金属部材の前記酸化膜に対して、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、エポキシ基、水酸基、及びアルキル基のうちの少なくとも1つの官能基を有するトリアジンチオール誘導体を含む結合剤を供給し、前記トリアジンチオール誘導体とブラスト加工された前記金属部材の表面に存在する官能基とを結合させた被膜を形成する被膜形成工程と、
前記被膜の前記トリアジンチオール誘導体と前記樹脂部材の表面に存在する官能基とを結合させる接合工程と、
を含み、
前記ブラスト加工工程で用いられる砥粒の粒子径は、30μm以上1000μm以下であり、
前記被膜形成工程は、前記結合剤を含む洗浄液を供給することによって、前記金属部材の表面を洗浄しながら前記被膜を形成する、
複合部材の製造方法。 - 前記ブラスト加工工程で用いられる砥粒の粒子径は、30μm以上710μm以下である、請求項1に記載の複合部材の製造方法。
- 前記ブラスト加工工程の後、かつ、前記被膜形成工程の前に、水酸基、カルボニル基、及びカルボキシル基のうちの少なくとも1つの官能基を前記酸化膜に導入する表面処理工程を含む、請求項1又は2に記載の複合部材の製造方法。
- その表面を構成する酸化膜が凹凸を有し、かつ、前記酸化膜の厚さが9nm以上13nm以下である金属部材と、
第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、エポキシ基、水酸基、及びアルキル基のうちの少なくとも1つの官能基を有するトリアジンチオール誘導体を含み、前記トリアジンチオール誘導体と前記金属部材の表面に存在する官能基とが結合し、前記酸化膜を覆う被膜と、
その表面に存在する官能基と前記被膜の前記トリアジンチオール誘導体とが結合した樹脂部材と、
を備える、複合部材。 - 金属部材と樹脂部材とを接合した複合部材の製造方法であって、
前記金属部材の表面を構成する酸化膜をブラスト加工するブラスト加工工程と、
ブラスト加工された前記金属部材の前記酸化膜に対して、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、エポキシ基、水酸基、及びアルキル基のうちの少なくとも1つの官能基を有するトリアジンチオール誘導体を含む結合剤を供給し、前記トリアジンチオール誘導体とブラスト加工された前記金属部材の表面に存在する官能基とを結合させた被膜を前記酸化膜上に形成する被膜形成工程と、
前記被膜の前記トリアジンチオール誘導体と前記樹脂部材の表面に存在する官能基とを結合させる接合工程と、
を含み、
前記ブラスト加工工程で用いられる砥粒の粒子径は、30μm以上710μm以下である、
複合部材の製造方法。 - 前記ブラスト加工工程の後、かつ、前記被膜形成工程の前に、水酸基、カルボニル基、及びカルボキシル基のうちの少なくとも1つの官能基を前記酸化膜に導入する表面処理工程を含む、請求項5に記載の複合部材の製造方法。
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