JP6978001B2 - アミノ酸定量方法及びアミノ酸定量用キット - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ酸定量方法及びアミノ酸定量用キット等に関する。
L−アミノ酸(L-AA)は、生体内のタンパク質の構成成分として重要な役割を担っており、その種類は20種類である。L−アミノ酸の機能性に関し多くの研究がなされ、L−アミノ酸は、医薬品、加工食品、健康食品など様々な産業で使用されている。例えば、食品中の遊離のL−アミノ酸は、味、加熱後の香り、保存性、摂取後の生体調節機能等に関係しており、食品科学や栄養科学分野における重要な要素として注目されている。また、近年、疾病により血液中のL−アミノ酸濃度が変化することが見いだされ、血液中のアミノ酸濃度を測定することで、肺がん、胃がん、大腸がんなどのがん診断を可能とするバイオマーカーとしても活用されている。
また、アミノ酸には、L-アミノ酸の光学異性体であるD-アミノ酸(D-AA)が存在し、その種類は19種類である。D-アミノ酸は、生体内に存在するも、その生理機能が明確に分かっていなかった。しかし、近年、分析技術の進展により、D-アミノ酸が分析可能となり、例えば、D-セリンが、アルツハイマー患者の脳脊髄中で多くなっている、D-アスパラギン酸が、肌の老化と共に減少する、D-アラニンが、カニ、エビの甘味に関与していることなどが分かり、D-アミノ酸の生理機能が注目されている。その為、L体やD体のアミノ酸定量技術は、アミノ酸を使用する製品開発、品質管理、診断などの様々な分野で必要不可欠な技術となっている。
L-アミノ酸のアミノ酸定量技術として、アミノ酸を液体クロマトグラフィーで分離し、ニンヒドリンや蛍光誘導体化剤オルトフタルアルデヒドによる呈色反応で検出する方法が知られている。また、D-アミノ酸のアミノ酸定量技術として、D-アミノ酸を蛍光誘導体化剤オルトフタルアルデヒドとキラル誘導体化剤Nアシル−L−システインを加えてジアステレオマー蛍光誘導化し、液体クロマトグラフィーで分析するジアステレオマー法や2次元液体クロマトグラフィー法が知られている(非特許文献1)。しかし、該方法は、1検体の分析時間が2時間程度必要なため分析時間がかかり、多数の検体を測定するには不向きであるという問題点があった。
別のアミノ酸定量技術として、L-アミノ酸やD-アミノ酸に作用する酵素を利用するアミノ酸の測定方法が知られている(特許文献1、非特許文献1)。しかし、該方法は目的基質とするアミノ酸に対する選択性が低く、目的以外のアミノ酸にも反応する、また、20種類(D-アミノ酸の場合、19種類)のアミノ酸に対応する酵素がないという問題点があった。
アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)は、生体内のタンパク質合成に係る酵素であり、以下の反応式1及び2に従って、アミノアシルtRNAを産生する。20種類のL-アミノ酸(L-AA)に対し特異的な20種類のAARSが存在する。その為、標的とするアミノ酸及びtRNAに対する選択性が極めて高い酵素であるとされている。

Figure 0006978001
当該反応では、ピロリン酸(PPi)が産生されると共に、AARSにアデノシン三リン酸(ATP)、L-アミノ酸(L-AA)が1分子ずつ作用することで、アミノアシルアデニル酸(アミノアシルAMP)-AARS複合体という反応中間体を形成する。該複合体に於いて、アミノアシルAMPは、通常、AARSに強く結合しているため、tRNA又は求核剤(アミン類)を加えて複合体を分解しない限り上記のAARS反応は進まないとされている(特許文献2、非特許文献2〜3)。また、当該反応の反応式1において、多量のピロリン酸が産生された場合、反応式1の逆反応であるアミノアシルAMP-AARS複合体がピロリン酸により分解され、アミノ酸、AARS及びATPが産生されるATP-PPi交換反応が生じることが知られている(非特許文献4)。
このようなAARSが関与する反応(AARS反応)を利用したL-アミノ酸の定量技術がこれまで開発されてきた。例えば、以下の反応式3で示される反応に基づくアミノ酸の分析方法が特許文献3に記載されている。
Figure 0006978001
該方法に於いては、AARSがATP及びL-アミノ酸と結合する際に生じるピロリン酸を指標とすることによりL-アミノ酸を分析する。しかしながら、反応式3からも分かるように、当該方法ではAARSが1分子のL-アミノ酸とATPと反応し、1分子のアミノアシルAMPを産生するため、試料中のL-アミノ酸と同量かそれ以下のピロリン酸しか産生されない(非特許文献5、6、7)。
更に、反応式3では、AARSが触媒として機能してATP、L-アミノ酸が1分子ずつ反応することでアミノアシルAMPとピロリン酸が産生されるように表記されているが、特許文献3に記載の反応系にはtRNAが含まれていないので反応式2が進行せず、実際には、反応式1によってアミノアシルAMP-AARS複合体が形成されているものと考えられる(特許文献2、段落番号0013〜0016)。その結果、1分子のAARSから1分子のピロリン酸しか産生されないと考えられる。従って、ピロリン酸を測定することで試料中に含まれるL-アミノ酸の定量を可能とするには多量のAARSが必要とされることが、特許文献2の上記箇所に加えて、特許文献3の発明者自身によっても認められている(特許文献3の段落番号0046、非特許文献5)。
以上の結果、L-アミノ酸に対して産生されるピロリン酸の量が少ないため、該方法のアミノ酸の定量範囲は、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)法では300μM〜900μMとアミノ酸の高濃度領域で定量可能であり、また、アミノ酸低濃度領域の測定では、多段階酵素反応を用いた蛍光法による高感度分析を行うことによって初めて、1μM〜250μMの範囲での定量が可能となっている(非特許文献6、7、8)。
更に、反応式1と2のAARS反応に基づくL-アミノ酸の定量方法が上記の特許文献2に記載されている。即ち、前述の通りアミノアシルAMPは、通常、AARSに強く結合してアミノアシルAMP-AARS複合体を形成している。そこで、この方法では、アミノアシルAMP-AARS複合体分解試薬としてヒドロキシルアミンなどのアミン類(求核剤)を添加することで、AARSを再び反応可能な状態とし、その結果、少量のAARSでL-アミノ酸を定量することを特徴とする。該方法のアミノ酸の定量範囲は、5μM〜200μMであるとされている。
しかしながら、特許文献2に記載の方法は、該複合体分解試薬が複合体のL-アミノ酸と反応して化合物が産生される(例えば、特許文献2の段落番号0037に示されるように、該複合体分解試薬としてヒドロキシルアミンを使用した場合は、「アミノ酸ヒドロキサム酸」が産生される)ため、L-アミノ酸は再利用することが出来ず、その結果、試料中のL-アミノ酸と同等量の産生物であるピロリン酸しか得られない(特許文献2の段落番号0023)。さらに該方法は、AARS反応で生じたピロリン酸を多段階の酵素反応により検出しているため、煩雑であるとともに、血中の夾雑物やその他の外部要因により各酵素が影響を受けやすいことが懸念される。
このように、20種類のL-アミノ酸や19種類のD-アミノ酸を選択的に測定できるアミノ酸定量法に関する従来技術に於いては解決すべき課題が多くあり、より有効なアミノ酸定量法が求められている。
一方、別のAARS反応としては、例えば、以下の反応式4と5の反応が知られている。当該反応では、AARSにATP及びL-アミノ酸が1分子ずつ作用することで、アミノアシルAMP-AARS複合体を形成する。次いで該複合体にATP、GTP等を作用させることによって、医薬品や医薬品原料として期待されているジアデノシン四リン酸(Ap4A)等のジアデノシンポリリン酸(ApnA)及びアデノシングアノシンテトラリン酸(Ap4G)等が合成・製造されている(特許文献4、特許文献5、非特許文献9、非特許文献10)。
Figure 0006978001
これら公知文献には、AARSの種類によってApnAの合成能は異なり、例えば、Escherchia属のトリプトファンやアルギニンのAARSでは、反応式5の反応が進まずAp4Aが合成されないことが記載されている。また、当該反応の反応式4は、ピロリン酸の存在下では逆反応が促進され、アミノアシルAMP-AARS複合体からアミノ酸、AARS及びATPが産生される。その為、当該反応を進めるためには、逆反応を生じなくさせる必要があり、上記の公知文献に記載の技術では、反応式4で産生されるピロリン酸を分解するため、ピロリン酸を分解する無機ピロホスファターゼが使用されている。
更に、これら公知文献に記載された技術は、あくまで、ApnA及びAp4G等の合成・製造に関するものであって、アミノ酸の定量に関する技術的課題を解決することを目的とするものではない。実際に、これら公知文献には、上記の反応式4と5のAARS反応を活用したアミノ酸の定量については何ら言及されておらず、反応式5に於いて生じるアミノ酸及びAARSの再利用に関しても一切触れられていない。
AARSは、20種類のL-アミノ酸に対し特異的な20種類のAARSが存在することが知られている。このAARSが、D-アミノ酸に対し作用することは一部のAARSに関し報告されている(非特許文献11)。しかし、該文献は、AARSがD-アミノ酸に作用し、tRNAに受け渡すことに関するものであって、D-アミノ酸の定量に関する技術的課題を解決することを目的とするものではない。実際に、該文献には、上記の反応式4と5のAARS反応を活用したD-アミノ酸の定量については何ら言及されておらず、反応式5に於いて生じるD-アミノ酸及びAARSの再利用に関しても一切触れられていない。
特開2013−146264号公報 特許5305208号明細書 特開2011−50357号公報 特開2000−69990号公報 特許3135649号明細書
"化学と生物"、(日本)、2015年、Vol.53、p.192−197 "ヴォート 生化学(下)"、(日本)、第3版、1024−1029 J.Biol.Chem., 241, 839−845, 1966 "日本結晶学会誌"、(日本)、2010年、Vol.52、p.125−132 "広島市立大学情報科学研究科創造科学専攻 釘宮章光"[online]、 広島市立大ホームページ、[2016/01/13検索]、インターネット(URL:http://rsw.office.hiroshima-cu.ac.jp/Profiles/2/000129/profile.html) Analytical Biochem., 443, 22−26, 2013 Appl. Biochem. Biotechnol., 174, 2527−2536, 2014 J.Chem.Chem.Eng.6,397−400,2012 "東京医科大学雑誌"、(日本)、1993年、Vol.51、p.469−480 Agric. Biol. Chem., 53, 615−623, 1989 Biosci. Biotechnol. Biochem., 69, 1040−1041, 2005
本発明は、上記のL体及びD体のアミノ酸定量法に関する従来技術に於ける様々な問題点を解決し、AARSを用いて、測定対象のL体及び/又はD体のアミノ酸を選択的且つ簡便、高感度に定量する方法及びアミノ酸定量用キットを提供することを目的とする。
発明者らは、種々の検討を行った結果、AARSを用いて試料中のアミノ酸量を定量する方法に於いて、図1に示すように、一度形成させたアミノアシルAMP-AARS複合体からアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)及びアミノ酸(L-AA及び/又はD-AA)を遊離させ、それらを再度、アミノアシルAMP-AARS複合体の形成に利用することによって、最終的に、測定対象であるピロリン酸等の反応産生物が、試料中に含まれるアミノ酸より多くのモル数まで産生され得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]〜[7]の態様に関する。
[1]以下の各工程を含む工程(I):
(工程I−1)二価イオン又はポリアミンの存在下、試料中のL体及び/又はD体のアミノ酸(L-AA及び/又はD-AA)、該アミノ酸に対応するアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)、及び、アデノシン三リン酸(ATP)を反応させて、アミノアシルアデニル酸(アミノアシルAMP)とAARSから成る複合体(アミノアシルAMP-AARS複合体)を形成させる反応(反応1)を含む工程;
(工程I−2)反応1及び/又は反応3で形成されたアミノアシルAMP-AARS複合体とヌクレオチドを反応させて、該複合体からAARS及びアミノ酸(L-AA及び/又はD-AA)を遊離させる反応(反応2)を含む工程;
(工程I−3)反応2で遊離されたアミノ酸(L-AA及び/又はD-AA)及び/又はAARSを反応1において再利用することによってアミノアシルAMP-AARS複合体反応を形成させる反応(反応3)を含む工程;及び、
(工程I−4)工程I−2及び工程I−3を繰り返す工程、並びに、
工程(I)で生じた反応産生物の量を測定し、該反応産生物の測定量に基づきL体及び/又はD体のアミノ酸の量を決定することを含む工程(II)、
を含む、試料中のアミノ酸定量方法。
[2]イオン感応性電界効果トランジスタ、ガラス電極、又は、多電極電位計測計により電位変化を測定することによって、工程(I)で生じた反応産生物の量を測定する、[1]に記載のアミノ酸定量方法。
[3]吸光度法により吸光度変化を測定することによって、工程(I)で生じた反応産生物の量を測定する、[1]に記載のアミノ酸定量方法。
[4]工程(I)で生じる反応産生物として、ピロリン酸又は水素イオンの少なくとも何れか1つを測定する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のアミノ酸定量方法。
[5]工程(I)で生じた反応産生物のモル数が試料中のアミノ酸のモル数より多いことを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のアミノ酸定量方法。
[6]前処理として、試料中のL体又はD体のアミノ酸の何れか一方を除去することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のアミノ酸定量方法。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載のアミノ酸定量法を実施するためのアミノ酸定量用キットであって、ATP、ヌクレオチド及び該アミノ酸に対応するAARSを含む、アミノ酸定量用キット。
本発明に係るアミノ酸定量方法に於いては、形成されたアミノアシルAMP-AARS複合体からAARS及びアミノ酸(L体及び/又はD体のアミノ酸)を遊離させ、それらをアミノアシルAMP-AARS複合体の形成に繰り返し利用することによって、測定対象であるピロリン酸等の反応産生物を、試料中に含まれるアミノ酸より多くのモル数まで産生させることができる。その結果、従来技術に比べてより簡便な手段でこれら反応産生物を測定する場合であっても、従来技術の多段階酵素反応を用いた蛍光法などによる高感度分析のアミノ酸定量法のアミノ酸定量範囲と同等の範囲での定量が可能であり、このような高感度分析は不必要となる。また、同じ測定手段を用いる場合には、より低濃度範囲のアミノ酸の定量が可能である。更に、L体とD体のアミノ酸の両方を定量することが可能である。又、L体とD体のアミノ酸のいずれか一方のアミノ酸を除去した後、残ったアミノ酸をAARSにより測定することも可能である。
従って、本発明によって、AARSを用いた、測定対象のアミノ酸を選択的且つ簡便、高感度に定量する方法及びアミノ酸定量用キットを提供できる。
本発明の反応工程を示す図である。 L-アミノ酸を用いた各種AARS濃度によるピロリン酸の産生量を示す図である。 L-アミノ酸を用いた各種AARSの各種ATP濃度によるピロリン酸産生量を示す図である。 L-アミノ酸を用いた各種AARSの各種二価イオンによるピロリン酸産生量を示す図である。 L-アミノ酸を用いた各種AARSの各種二価イオンによるピロリン酸産生量を示す図である。 L-アミノ酸を用いた各種AARSの各種ヌクレオチドによるピロリン酸産生量を示す図である。 L-アミノ酸を用いた各種AARSの各種ヌクレオチドによるピロリン酸産生量を示す図である。 本発明と公知文献(非特許文献6、7)のAARS反応におけるピロリン酸産生量を示す図である。 求核剤添加と非添加におけるAARS反応におけるピロリン酸産生量の比較を示す図である。 AARSの温度依存性を示す図である。 モリブデンブルー法によるピロリン酸測定におけるL-アミノ酸での検量線を示す図である。 累積型ISFET電極による水素イオン濃度測定におけるL-アミノ酸での検量線を示す図である。 D-アミノ酸を用いた各種AARSの各種ATP濃度及び二価イオンによるピロリン酸産生量を示す図である。 モリブデンブルー法によるピロリン酸測定におけるD-アミノ酸での検量線を示す図である。 L-アミノ酸を除去後のD-アミノ酸の測定を示す図である。
本発明方法の反応1及び反応3では、アミノ酸、該アミノ酸に対応するAARS及びATPを反応させて、アミノアシルAMP-AARS複合体を形成させる。本発明方法に使用するAARSは、20種類のアミノ酸に対し特異的に作用するAARSを用いる。例えば、ヒスチジン(His)であれば、ヒスチジンに特異的に作用するAARS(HisRS)、セリン(Ser)であれば、セリンに特異的に作用するAARS(SerRS)、トリプトファン(Trp)であれば、トリプトファンに特異的に作用するAARS(TrpRS)などが挙げられる。また、本発明に使用するAARSは、ウシ、ラット、マウスなどの動物由来、Lupin seed、Phaseolus aurusなどの植物由来、Escherchia属、Thermus属、Thermotoga属、Saccharomyces属などの微生物由来など、生物由来のAARSであれば、いずれのAARSでも良く、特に取扱及び生産性の面の観点から、微生物由来のAARSが好ましい。また、組換え型AARSでも良く、合成したAARSでも良い。可溶性酵素が好ましいが、不溶性酵素に界面活性剤を組み合わせても良く、可溶化タンパクとの融合又は膜結合部分の削除等により不溶性酵素を可溶化させた酵素でも良い。AARSの公知のアミノ酸配列を利用でき、組換え型のAARSは、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%以上の同一性を有する配列を有し、AARS活性を有する蛋白質を使用しても良い。
本発明に使用するAARSの調製方法としては、当業者に公知の任意の方法・手段、例えば、AARSを含む対象物に加水し、粉砕機、超音波破砕機などで粉砕後、破砕した破砕物を遠心分離、濾過などで固形物を取り除いた抽出物、さらに当該抽出物をカラムクロマトグラフィーなどにより精製、単離したAARSなどを用いることができる。即ち、本発明の主な技術的特徴は、AARSを用いるアミノ酸定量方法に於いて、形成されたアミノアシルAMP-AARS複合体中からAARS及びアミノ酸を遊離させて、それらをアミノアシルAMP-AARS複合体の形成に繰り返し利用することによって、測定対象であるピロリン酸等の反応産生物を、試料中に含まれるアミノ酸より多くのモル数まで産生させることであり、AARSの調製方法は何ら限定されるものではない。
本発明に使用する試料に特に制限はなく、例えば、血液、生鮮食品、加工食品及び飲料などがあげられる。各試料中のアミノ酸濃度は、各アミノ酸により異なる。例えば、血液中のアミノ酸濃度は、グルタミン酸は、11〜44nmol/mL、メチオニンは、19〜33nmol/mL、トリプトファンは、41〜66nmol/mL、チロシンは、50〜83nmol/mL、セリンは、92〜162nmol/mL、ヒスチジンは、68〜97nmol/mL、リジンは、119〜257nmol/mL、グルタミンは、488〜733nmol/mL、アラニンは、240〜510nmol/mLなどである。生鮮食品中の遊離アミノ酸含量は、例えば、ニンニクでは、リジンは、5mg/100g、アルギニンは、136mg/100g、セリンは、6mg/100gなどである。トマトでは、グルタミンは、94mg/100g、プロリンは、106mg/100gなどである。乾燥シイタケでは、グルタミン酸は、386mg/100g、スレオニンは、268mg/100g、セリンは、46mg/100gなどである。また、果物のL体とD体のアミノ酸含量は、リンゴでは、L体のアスパラギンは、2071μmoL/L、D体のアスパラギンは、15μmoL/L、L体のアラニンは、105μmoL/L、D体のアラニンは、3μmoL/L、パイナップルでは、L体のアスパラギンは、3109μmoL/L、D体のアスパラギンは、25μmoL/L、L体のバリンは、202μmoL/L、D体のバリンは、2μmoL/などである。加工食品や飲料中の遊離アミノ酸含量は、例えば、醤油では、リジンは、213mg/100g、ヒスチジンは、104mg/100g、グルタミン酸は、782mg/100gなどである。煎茶では、セリンは、107mg/100g、アルギニンは、314mg/100g、グルタミン酸は、258mg/100gなどである。コーヒー生豆ロブスタ種の完熟では、リジンは、10mg/100g、ヒスチジンは、48mg/100g、セリンは、43mg/100gなどである。これら各試料中の予想されるアミノ酸濃度によって、適宜、希釈調製し、本発明の試料として使用できる。
本発明に使用する試料中のアミノ酸には、L体及びD体が混在してもよい。そのような場合には、例えば、本発明方法における前処理として、L体又はD体のアミノ酸の何れか一方を除去するのが好ましい。L体又はD体の何れか一方を除去する方法として、カラムクロマトグラフィー又は適当な酵素によるL体又はD体のアミノ酸の何れか一方を除去する等、当業者に公知の任意の方法が挙げられる。尚、生体試料には、L体及びD体が混在するが、哺乳類体内中の殆どのD体アミノ酸は、L体アミノ酸の0.1〜1.0%程度、果物では、D体アミノ酸は、L体アミノ酸の3.0%以下であり、生体試料中のD体アミノ酸含量は、L体アミノ酸の定量に影響を与えるほど含有していない。
当該反応に使用される反応液中のAARS濃度は、試料の種類、推定される試料中のアミノ酸濃度、ATP濃度、及び、反応時間・温度等の各種反応条件に応じて、当業者が適宜決められる。工程(I)の反応1における逆反応を出来るだけ抑えるためには、試料中のアミノ酸濃度が低濃度と予想される場合は、AARS濃度を高濃度とすることが好ましく、逆に試料中のアミノ酸濃度が高濃度と予想される場合は、AARS濃度は低濃度で良い。また、AARS濃度を高濃度することによって反応を短時間に完了させることが出来、逆に反応時間が長時間でも良い場合は、AARS濃度は低濃度で良い。例えば、Escherchia属、Thermus属、Thermotoga属などの微生物由来のAARSの濃度は、0.05μM以上、より好ましくは0.1μM以上、さらに好ましくは0.5μM以上、特に好ましくは1.0μM以上、最も好ましくは5.0μM以上とすることができる。いずれにしても、本発明方法では、AARSを繰り返し使用されるので、予想される試料中のアミノ酸量に対して、過剰量のAARSを添加する必要はない、という利点を有する。従って、AARS濃度の上限は、経済性なども考慮して当業者が適宜設定することが出来る。
本発明方法の反応1又は反応3ではAARSと共にATP、二価イオンを用いる。本発明に使用するATPは、ナトリウム塩、リチウム塩などが使用できる。当該反応に使用される反応液中のATPの濃度は、試料の種類、予想される試料中のアミノ酸濃度、AARS濃度、ヌクレオチド濃度、及び、反応時間・温度等の各種反応条件に応じて、当業者が適宜決められるが、予想される試料中のアミノ酸濃度に対して過剰となるようにATPを添加するのが好ましい。例えば試料が血液の場合、ATP濃度は、0.05mM以上、より好ましくは0.1mM以上、さらに好ましくは1.0mM以上、特に好ましくは5.0mM以上、最も好ましくは10.0mM以上とすることができる。ATP濃度の上限は、経済性なども考慮して当業者が適宜設定することが出来る。また、本発明に使用する二価イオンは、マグネシウム、マンガン、コバルト、カルシウムなどが使用できる。二価イオンは、AARSにより要求性が異なるため、使用するAARSに適した二価イオンを適宜使用すれば良いが、AARS共通に要求性のあるマグネシウムやマンガンの使用がより好ましい。さらには二価イオンと同様な作用をするスペルミン、スペリミジン、プトレッシンなどのポリアミンも使用できる。当該反応に使用される反応液中の二価イオンの濃度は、適宜決められるが、ATP濃度に対して同等以上に添加するのが好ましい。例えば、Escherchia属、Thermus属、Thermotoga属などの微生物由来のAARSにおけるATP:二価イオンの比率は、少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも1:3、さらに好ましくは少なくとも1:5、特に好ましくは少なくとも1:7、最も好ましくは少なくとも1:10とすることができる。
続いて、本発明方法の反応2では、反応1及び/又は反応3で形成させたアミノアシルAMP-AARS複合体に対しヌクレオチドを反応させ、該複合体を分解し、該複合体からAARS及びアミノ酸を遊離させる。当該反応に用いるヌクレオチドとしては、ATP、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン一リン酸(AMP)、グアノシン三リン酸(GTP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)などから任意に選択される一種又はそれらの組み合わせを使用できる。反応2に於いては、アミノアシルAMP-AARS複合体からのAARS及びアミノ酸の遊離と共に、使用するヌクレオチドに応じて、AMP、Ap4A、Ap3A、Ap4G及びAp3G等が生成される。当該反応に使用される反応液中のヌクレオチドの濃度は、試料の種類、予想される試料中のアミノ酸濃度、AARS濃度、ATP濃度及び反応時間・温度等の各種反応条件に応じて、当業者が適宜決められるが、AMP、Ap4A、Ap3A、Ap4G及びAp3G等の生成に於いて消費されるので、ヌクレオチドは試料中のアミノ酸濃度に対して過剰となるように添加するのが好ましい。例えば、試料が血液の場合、ヌクレオチド濃度は、0.05mM以上、より好ましくは0.1mM以上、さらに好ましくは1.0mM以上、特に好ましくは5.0mM以上、最も好ましくは10.0mM以上とすることができる。従って、本発明方法では、AARSを再び反応可能な状態とさせるために、特許文献2に記載されているようなアミン類等のアミノアシルAMP-AARS複合体分解試薬を添加する必要がなく、更に、遊離したアミノ酸が該試薬と反応することがないので、遊離したアミノ酸をアミノアシルAMP-AARS複合体の形成に再び利用することができる。
本発明方法の反応3では、反応2で遊離したアミノ酸及び/又はAARSを反応1において再び使用することによってアミノアシルAMP-AARS複合体反応を形成させる。更に、本発明方法の工程(I)において、当業者に公知の任意の方法によって、反応1又は3で生じたピロリン酸及び反応系中のAMPにホスホエノールピルビン酸とピルビン酸ジキナーゼとを反応させることによって産生されるATPを、アミノアシルAMP-AARS複合体形成及び該複合体からのAARS及びアミノ酸の遊離に再利用すること、及び/又は、反応2でヌクレオチドから生成されるAp4Aに対しAp4Aピロホスホヒドラーゼを作用させることによって産生されるADPを、反応2におけるヌクレオチドとして再利用することもできる。
その結果、前述のATPなどのヌクレオチド及び該アミノ酸に対応するAARSの組成等の反応条件において、工程(I)に於ける反応の結果、ピロリン酸及び/又は水素イオン等の夫々の反応産生物の各々について、試料中に含まれている測定対象のアミノ酸のモル数より多いモル数の分子が産生され得る。その結果、本発明方法では、従来技術より低濃度である1μM程度の極めて低いアミノ酸濃度から定量可能となる。従って、この点は従来技術と比較して本発明の顕著な効果といえる。
しかしながら、当該反応条件下で産生されるピロリン酸等の反応産生物が、試料中のアミノ酸のモル数以下の量であっても、該反応産生物に基づきアミノ酸の定量が可能であれば、ピロリン酸等の反応産生物が当該アミノ酸のモル数以上に産生される必要はない。従って、本発明の工程(I)に於いて産生されるピロリン酸や水素イオンの量は、工程(II)に於ける該反応産生物の適当な測定方法によってアミノ酸の定量が可能となる限り、特に限定されない。また、本発明方法の(工程I−4)に於ける、反応2(工程I−2)及び反応3(工程I−3)の繰り返しの回数についても、工程(II)に於ける該反応産生物の適当な測定方法によってアミノ酸の定量が可能となる限り、特に制限はない。
本発明方法の工程(I)における反応温度は、各反応が生じるような任意の温度で良い。例えば、Escherchia属のAARSの場合、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜65℃、最も好ましくは30〜60℃とすることが適している。Thermus属及びThermotoga属のAARSの場合では、好ましくは10〜100℃、より好ましくは、30〜98℃、最も好ましくは、50〜95℃とすることが適している。また、当該反応時間も試料中のアミノ酸とAARS反応が生じるような任意の時間で良いが、好ましくは1〜90分程度、より好ましくは5〜60分程度、さらに好ましくは、10〜30分程度であることが望ましい。さらに当該反応pHも試料中のアミノ酸とAARS反応が生じるような任意のpHで良い。例えば、Escherchia属、Thermus属及びThermotoga属のAARSの場合では、好ましくはpH4.0〜10.0、より好ましくはpH5.0〜9.8、最も好ましくはpH6.0〜9.5である。尚、反応pHは、当業者に公知の任意の緩衝剤などを使用して調整することが出来る。
本発明方法の工程(I)に含まれる各工程で使用する試薬・酵素等の各反応成分は、AARS反応が生じる添加方法である限り、当業者に公知の任意の手段・手順等で反応系に添加することができる。例えば、各成分を反応開始前に一度に反応系に予め添加するか、又は、AARS又はアミノ酸を最後に添加し反応させても良い。
本発明方法の工程(II)では、工程(I)で生じたピロリン酸、アデノシン一リン酸(AMP)及び水素イオン等の各反応産生物の夫々の量を測定し、該反応産生物の測定量に基づきアミノ酸の量を決定する。工程(II)は、測定方法等に応じて、工程(I)に於ける試料中のアミノ酸とAARSとの反応を、例えば、実施例に記載されているように、トリクロロ酢酸を反応系に添加する等の当業者に公知の任意の方法・手段で停止させた後、あるいは、工程(I)に於ける反応が進行中の任意の段階で適宜、実施することが出来る。
本発明の工程(I)で生じたピロリン酸量の測定には、当業者に公知の任意の方法・手段、例えば、モリブデン酸とピロリン酸を反応させ産生した青色の錯体の吸光度を測定するモリブデンブルー法、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、キサンチンオキシダーゼ又はキサンチンデヒドロゲナーゼを組みわせる方法、ルミノールと無機ピロホスファターゼ、ピルビン酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼを組み合わせ産生物の発光を測定する方法などのピロリン酸を測定できる酵素法などが使用できる。また、酵素反応などで酸化還元反応を起こし、その酸化還元反応に由来する電流値を検出する多電極電位計測計により電位変化を測定する測定方法などを使用することができる。さらに、当該反応で産生された水素イオンの測定には、水素イオンを検出するガラス電極やイオン感応性電界効果トランジスタにより電位変化を測定する測定方法などを使用することができる。当該反応で産生されたアデノシン一リン酸(AMP)の測定には、アデノシン一リン酸を検出する発光を利用したAMPセンサで測定するなどを使用することができる。本発明の工程(I)で生じたピロリン酸、水素イオン、AMPなどは、反応溶液から分離し、測定することができる。反応溶液からのピロリン酸、水素イオン、AMPなどの分離方法としては、測定に影響の無い方法であれば特に限定されないが、例えば、酸処理による除タンパク質、ペーパークロマトグラフィー分離、マイクロ流体デバイスでの分離などが挙げられる。本発明の主な技術的特徴は、AARSを用いるアミノ酸定量方法に於いて、形成されたアミノアシルAMP-AARS複合体中からAARS及びアミノ酸を遊離させて、これら化合物を、再度、該複合体の形成に繰り返し利用することにより、測定対象であるピロリン酸等の反応産生物を、試料中に含まれるアミノ酸より多くのモル数まで産生させることであり、反応産生物の量の測定方法は何ら限定されるものではない。
本発明は、上記の本発明方法を実施するための、試料中のアミノ酸定量に必要な前述の各成分を含む、アミノ酸定量用キットを提供する。当該キットは、安定化剤又は緩衝剤等の当業者に公知の他の任意成分を適宜含有させ、前記酵素等試薬成分の安定性を高めても良い。測定に影響の無い成分であれば特に限定されないが、例えば、牛血清アルブミン(BSA)、酸化防止剤、界面活性剤、又は、酵素と作用性のないアミノ酸類等を例示できる。また、当該キットの一例として前述のピロリン酸や水素イオンを測定するためのキットを挙げることが出来る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。
(AARSの調製)
[実施例1]
Thermus属及びThermotoga属由来のAARS配列をもつプラスミド(pET28b)で大腸菌BL21(DE3)pLys株を形質転換し、発現株として用いた。各発現株について、選択マーカーとしてカナマイシン、クロラムフェニコールを含むTB培地で37℃培養し、OD600が約0.6に到達後、IPTGを終濃度1mMとなるように添加し、25℃で一晩誘導培養を行った。培養終了後、集菌を行い、得られた菌体を超音波破砕し、無細胞抽出液を調製した。調製した無細胞抽出液を70℃、15分の熱処理を行った後、遠心分離を行った。得られた上清の一部を用いて電気泳動法により目的酵素の発現を確認した。次いで 残りの上清をHisタグカラム(商品名:TALON superflow、GEヘルスケア製)により夾雑タンパクを除去することにより、HisRS、SerRS、TrpRS、LysRSを得た。
[実施例2]
大腸菌K12由来のAARS配列をもつプラスミド(pET28b)で大腸菌BL21(DE3)pLys株を形質転換し、発現株として用いた。各発現株について、選択マーカーとしてカナマイシン、クロラムフェニコールを含むTB培地で37℃培養し、OD600が約0.6に到達後、IPTGを終濃度1mMとなるように添加し、IPTGを添加して25℃で一晩誘導培養を行った。培養終了後、集菌を行い、得られた菌体を超音波破砕し、無細胞抽出液を調製した。さらに遠心分離を行い、得られた上清の一部を用いて電気泳動法により目的酵素の発現を確認した。次いで残りの上清をHisタグカラム(商品名:TALON superflow、GEヘルスケア製)により夾雑タンパクを除去することにより、TyrRS、HisRS、SerRS、TrpRSを得た。
(L-アミノ酸を用いた各種AARS濃度によるピロリン酸の産生量:本発明方法の工程(I))
[実施例3]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-ヒスチジンを終濃度30μMとなるように30μL、HisRS(好熱菌由来)を終濃度0.1μMとなるように30μL添加し、70℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品(本発明品)1を調製した。
[実施例4]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-ヒスチジンを終濃度30μMとなるように30μL、HisRS(大腸菌由来)を終濃度0.12μM、又は、0.17μM、又は、0.21μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品2、3、4を調製した。
[実施例5]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-セリンを終濃度30μMとなるように30μL、SerRS(好熱菌由来)を終濃度0.05μM、又は、0.075μM、又は、0.1μMとなるように30μL添加し、70℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品5、6、7を調製した。
[実施例6]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-セリンを終濃度30μMとなるように30μL、SerRS(大腸菌由来)を終濃度0.12μM、又は、0.17μM、又は、0.21μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品8、9、10を調製した。
(モリブデンブルー法によるピロリン酸の測定:本発明方法の工程(II))
[実施例7]
調製した実施品1〜10の反応溶液150μLに1Mメルカプトエタノール15μL、発色液(2.5%モリブデン酸アンモニウム/5N硫酸)60μLを混合し、室温で20分間静置した後、580nmの吸光度を測定した。なお、L-アミノ酸の代わりに水を添加したサンプルの吸光値を、ブランクとして各サンプルの吸光値から差し引いた値から、反応溶液中のピロリン酸量を求めた。その結果、図2に示す通り、添加したアミノ酸が全て酵素反応に使用された場合に産生されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。従って、本発明の方法によれば、試料中に含まれるアミノ酸分子数より多くのモル数のピロリン酸が産生されることが示された。
(L-アミノ酸を用いた各種ATP濃度によるピロリン酸の産生量:本発明方法の工程(I))
[実施例8]
250mM HEPES−KOH(pH8)、6.3mM ATP、63.5mM MgCl2及び250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、それぞれにL-ヒスチジンを終濃度30μMとなるように30μL、HisRS(好熱菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、70℃、15分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品11及び12を調製した。
[実施例9]
250mM HEPES−KOH(pH8)、12.5mM ATP、125mM MgCl2及び250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、それぞれにL-チロシンを終濃度30μMとなるように30μL、TyrRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品13及び14を調製した。
(モリブデンブルー法によるピロリン酸の測定:本発明方法の工程(II))
[実施例10]
調製した実施品11〜14のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図3に示す通り、ATPの濃度の増加と共にピロリン酸の増加傾向が見られた。また、添加したアミノ酸が全て酵素反応に使用された場合に産生されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。従って、本発明の方法によれば、試料中に含まれるアミノ酸分子数より多くのモル数のピロリン酸が産生されることが示された。
(L-アミノ酸を用いた各種AARSの各種二価イオンによるピロリン酸産生量:本発明方法の工程(I))
[実施例11]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM MgCl2、又は、MnCl2、又は、CoCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-セリンを終濃度30μMとなるように30μL、SerRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品15〜17を調製した。
[実施例12]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM MgCl2、又は、MnCl2、又は、CoCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-チロシンを終濃度30μMとなるように30μL、TyrRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品18〜20を調製した。
[実施例13]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM MgCl2、又は、MnCl2、又は、CoCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-ヒスチジンを終濃度30μMとなるように30μL、HisRS(好熱菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、70℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品21〜23を調製した。
[実施例14]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM MgCl2、又は、MnCl2、又は、CoCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-セリンを終濃度30μMとなるように30μL、SerRS(好熱菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、70℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品24〜26を調製した。
(モリブデンブルー法によるピロリン酸の測定:本発明方法の工程(II))
[実施例15]
実施例11〜14で調製した実施品15〜26を、実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図4に示す通り、二価陽イオンの種類によって、同じAARSでもピロリン酸産生量が異なることが示された。また、AARSの種類によっても、二価イオンのピロリン酸産生量に対する影響は異なるが、MgやMnがAARS共通に要求性のある最適な二価イオンであることが示された。
(L-アミノ酸を用いた各種AARSの各種ヌクレオチドによるピロリン酸産生量:本発明方法の工程(I))
[実施例16]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液、又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM ADP、313mM MgCl2を含む反応溶液、又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM AMP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-トリプトファンを終濃度50μMとなるように30μL、TrpRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品27〜29を調製した。
[実施例17]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM ADP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-ヒスチジンを終濃度50μMとなるように30μL、HisRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品30及び31を調製した。
[実施例18]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM AMP、313mM MgCl2を含む反応溶液240μLを調製し、L-チロシンを終濃度50μMとなるように30μL、TyrRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品32及び33を調製した。
(モリブデンブルー法によるピロリン酸の測定:本発明方法の工程(II))
[実施例19]
実施例16〜18で調製した実施品27〜33を、実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図5に示す通り、ATPのみを添加した場合に比べ、ATPとADP、又は、ATPとAMPを添加した場合、ピロリン酸産生量が増加していた。このことから、ADPやAMPはAARS反応に用いられるヌクレオチドとして有効であることが示された。
(本発明と公知文献記載のAARS反応におけるピロリン酸の産生量の比較)
[比較例1]
非特許文献6記載の反応条件に従い、4.7μM HisRS(好熱菌由来)、50μM L-ヒスチジン、0.2mM ATP、5mM MgCl2、15mM HEPES−KOH(pH8)、10mM KClを含む反応液150μLを調製し、80℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、比較品1を調製した。
[比較例2]
非特許文献7記載の反応条件に従い、3.1μM SerRS(好熱菌由来)、50μM L-セリン、2mM ATP、5mM MgCl2、100mM Tris−HCl(pH8)、10mM KClを含む反応液150μLを調製し、80℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、比較品2を調製した。
[比較例3]
非特許文献6記載の反応条件に従い、4.5μM LysRS(好熱菌由来)、50μM L-リジン、0.2mM ATP、5mM MgCl2、15mM HEPES−KOH(pH8)、10mM KClを含む反応液150μLを調製し、80℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、比較品3を調製した。
[実施例20]
5.2μM HisRS(好熱菌由来)、50μM L-ヒスチジン、25.9mM ATP、259mM MgCl2、20mM HEPES−KOH(pH8)を含む反応液を150μL調製し、70℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品34を調製した。
[実施例21]
5.1μM SerRS(好熱菌由来)、50μM L-セリン、25.6mM ATP、256mM MgCl2、20mM HEPES−KOH(pH8)を含む反応液を150μL調製し、70℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品35を調製した。
[実施例22]
4.4μM LysRS(好熱菌由来)、50μM L-リジン、22mM ATP、220mM MgCl2、20mM HEPES−KOH(pH8)を含む反応液を150μL調製し、70℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品36を調製した。
[実施例23]
比較例1〜3及び実施例20〜22で得られた比較品1〜3及び実施品34〜36のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図6に示すように本発明の方法では、添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。一方、比較品は、理論値以下であった。このことから、従来のAARSを用いた測定法で産生されるピロリン酸の分子数はアミノ酸分子数より少ないが、本発明方法ではアミノ酸分子数より多くのピロリン酸が産生されることが示された。
(求核剤添加又は非添加におけるAARS反応によるピロリン酸の産生量の比較)
[比較例4]
1μM HisRS(好熱菌由来)、30μM L-ヒスチジン、2mM ATP、20mM MgCl2、400mM ヒドロキシルアミン(求核剤)、200mM HEPES−KOH(pH8)を含む反応液を150μL調製し、70℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、比較品4を調製した。
[実施例24]
1μM HisRS(好熱菌由来)、30μM L-ヒスチジン、2mM ATP、20mM MgCl2、200mM HEPES−KOH(pH8)、及び5μM SerRS(好熱菌由来)、30μM L-セリン、2mM ATP、6mM MgCl2、200mM HEPES−KOH(pH8)を含む反応液を150μL調製し、70℃で30分間酵素反応を行った。酵素反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品37及び38を調製した。
[実施例25]
比較例4及び実施例24で得られた比較品4、実施品37及び38のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図7に示すとおり、本発明の方法は添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生された。一方、比較品は、理論値以下だった。このことから、求核剤を使用した従来のAARSを用いた測定法では、産生されるピロリン酸の分子数はアミノ酸分子数より少ないが、本発明方法では、アミノ酸分子数より多くのピロリン酸が産生されることが示された。
(AARSの温度依存性)
[実施例26]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液120μLに、L-セリンを終濃度50μMとなるように15μL、SerRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加した酵素反応溶液を、10℃、30℃、40℃、45℃、50℃、60℃、70℃、80℃の各温度で30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図8に示すとおり、10℃から80℃の範囲でピロリン酸産生が認められ、特に30℃から60℃の範囲において良好なピロリン酸の産生が認められた。
[実施例27]
250mM HEPES−KOH(pH8)、12.5mM ATP、125mM MgCl2を含む反応溶液120μLに、L-ヒスチジンを終濃度30μMとなるように15μL、HisRS(好熱菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加した酵素反応溶液を、10℃、30℃、40℃、50℃、70℃、80℃、90℃、95℃の各温度で15分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図8に示すとおり、10℃から95℃の範囲で良好なピロリン酸の産生が認められた。
(モリブデンブルー法によるピロリン酸測定におけるアミノ酸検量線の作成)
[実施例28]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液120μLに、L-チロシンが終濃度0μM、30μM、70μM、100μMとなるように15μL添加した各サンプルを調製後、さらに各サンプルにTyrRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加し、50℃、30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図9に示すように添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。また、0〜100μM のアミノ酸濃度範囲においてアミノ酸濃度とピロリン酸量に相関関係(R=0.97)が認められ、L-チロシンの定量が可能であることが示された。
[実施例29]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液120μLに、L-セリンが終濃度0μM、60μM、100μM、150μM、200μM、250μM、300μMとなるように15μL添加した各サンプルを調製後、さらに各サンプルにSerRS(好熱菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加し、70℃、30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図9に示すように添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。また、0〜300μMのアミノ酸濃度範囲においてアミノ酸濃度とピロリン酸量に相関関係(R=0.99)が、認められ、L-セリンの定量が可能であることが示された。
[実施例30]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液120μLに、L-ヒスチジンが終濃度0μM、1.0μM、3.0μM、5.0μMとなるように15μL添加した各サンプルを調製後、さらに各サンプルにHisRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加し、50℃、30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図9に示すように添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。また、0〜5μMのアミノ酸濃度範囲においてアミノ酸濃度とピロリン酸量に相関関係(R=0.99)が認められ、L-ヒスチジンの定量が可能であることが示された。
[実施例31]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、313mM MgCl2を含む反応溶液120μLに、L-トリプトファン終濃度0μM、1.0μM、3.0μM、5.0μMとなるように15μL添加した各サンプルを調製後、さらに各サンプルにTrpRS(好熱菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加し、70℃、30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図9に示すように添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。また、0〜5μMのアミノ酸濃度範囲においてアミノ酸濃度とピロリン酸量に相関関係(R=0.99)が認められ、L-トリプトファンの定量が可能であることが示された。
(累積型ISFET電極による水素イオン濃度測定におけるアミノ酸検量線の作成)
[実施例32]
終濃度5μM TrpRS(好熱菌由来)、0μM、15μM、20μM、40μM、50μM L-トリプトファン、10mM ATP、100mM MgCl2、1mM HEPES−KOH(pH8)を反応組成物として含む各サンプルを100μL調製し、70℃で30分間反応させた。反応後、10分室温に静置した。
[実施例33]
終濃度5μM LysRS(好熱菌由来)、0μM、15μM、20μM、40μM、50μM L-リジン、10mM ATP、100mM MgCl2、1mM HEPES−KOH(pH8)を反応組成物として含む各サンプルを100μL調製し、実施例32と同様の処理を行った。
[実施例34]
終濃度5μM SerRS(好熱菌由来)、0μM、20μM、50μM、60μM L-セリン、10mM ATP、100mM MgCl2、1mM HEPES−KOH(pH8)を反応組成物として含む各サンプルを100μL調製し、実施例32と同様の処理を行った。
[実施例35]
生理活性反応測定装置(AMIS-101X、バイオエックス社製)を用いた測定を行った。累積型ISFETセンサは、参照電極内蔵AMISセンサー(AMIS-051)を使用した。AMIS-051のセンシング部A、Bに終濃度1mM HEPES−KOH(pH8)、200mM MgCl2、10mKClを含む溶液を各70μLずつ添加した。30℃で3分の予備加温を実施し、シグナルが安定した後、センシング部Aに、調製した測定対象物(実施例32〜34の各サンプル)を、センシング部Bに、アミノ酸の代わりに水を添加した以外は実施例32〜34の各サンプルと同じ組成の溶液を、30μL添加及び混合してシグナル変化量(センシング部Bからのシグナルと比較してのセンシング部Aのシグナル変化)を5秒ごとに250秒計測した。累積型ISFETセンサの累積回数は10回で計測した。その結果、図10に示す通り、各アミノ酸において検量線を作成でき、累積型ISFETセンサにおいてアミノ酸の定量が可能であることが示された。
(D-アミノ酸を用いた各種AARSの各種ATP濃度及び二価イオンによるピロリン酸産生量:本発明方法の工程(I))
[実施例36]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM MnCl2を含む反応溶液240μL、又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、50mM ATP、50mM MnCl2を含む反応溶液240μL、又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、62.5mM ATP、62.5mM MnCl2を含む反応溶液240μLを調製し、D-ヒスチジンを終濃度50μMとなるように30μL、HisRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、50℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品39〜41を調製した。
[実施例37]
250mM HEPES−KOH(pH8)、31.3mM ATP、31.3mM MnCl2を含む反応溶液240μL、又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、50mM ATP、50mM MnCl2を含む反応溶液240μL、又は、250mM HEPES−KOH(pH8)、62.5mM ATP、62.5mM MnCl2を含む反応溶液240μL調製し、D-トリプトファンを終濃度50μMとなるように30μL、TrpRS(好熱菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、70℃、30分間処理した。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品42〜44を調製した。
(モリブデンブルー法によるピロリン酸の測定:本発明方法の工程(II))
[実施例38]
実施例36、37で調製した実施品39〜44を、実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定したところ、図11に示す通り、ATP、MnCl2濃度の増加とともにピロリン酸の増加が認められた。また、添加したアミノ酸が全て酵素反応に使用された場合に産生されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。従って、本発明の方法によれば、試料中に含まれるアミノ酸分子数より多くのモル数のピロリン酸が産生されることが示された。
(モリブデンブルー法によるピロリン酸測定におけるD-アミノ酸での検量線の作成)
[実施例39]
250mM HEPES−KOH(pH8)、50mM ATP、50mM MnCl2を含む反応溶液120μLに、D-チロシンが終濃度0μM、3μM、5μM、10μMとなるように15μL添加した各サンプルを調製後、さらに各サンプルにTyrRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加し、40℃、30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図12に示すように、添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。また、0〜10μM のアミノ酸濃度範囲においてアミノ酸濃度とピロリン酸量に相関関係(R=0.96)が認められ、D-チロシンの定量が可能であることが示された。
[実施例40]
250mM HEPES−KOH(pH8)、50mM ATP、50mM MnCl2を含む反応溶液120μLに、D-ヒスチジンが終濃度0μM、30μM、50μM、80μM、100μM、150μMとなるように15μL添加した各サンプルを調製後、さらに各サンプルにHisRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように15μL添加し、40℃、30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように30μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図12に示すように、添加したアミノ酸が全て反応に使用された場合に産生されると推測されるピロリン酸量の理論値より多くのピロリン酸が産生されていた。また、0〜150μM のアミノ酸濃度範囲においてアミノ酸濃度とピロリン酸量に相関関係(R=0.99)が認められ、D-ヒスチジンの定量が可能であることが示された。
(L-アミノ酸を除去後のD-アミノ酸の測定)
[実施例41]
各終濃度が200mM HEPES−KOH(pH8)、0.5mM L−トリプトファン、0.5mM D−トリプトファン、25μM ピリドキサールリン酸、0.8U/mL トリプトファナーゼとなるように調製し、37℃で5分間反応させた。反応後、80℃、30分で熱処理し、遠心分離で沈殿を除去した。
[実施例42]
250mM HEPES−KOH(pH8)、50mM ATP、50mM MnCl2を
含む反応溶液240μLに、実施例41で調製したアミノ酸溶液を30μL添加した各サンプルを調製後、さらに各サンプルにTrpRS(大腸菌由来)を終濃度5μMとなるように30μL添加し、40℃、30分間反応させた。反応後、トリクロロ酢酸を終濃度4%となるように60μL添加し、反応を停止した。反応停止後、遠心分離で沈殿を除去し、実施品45を調製した。同様にして、アミノ酸として、夫々、0.5mM D-トリプトファン及び0.5mM L-トリプトファンのみを含み、トリプトファナーゼ処理をしていないアミノ酸溶液からAARS反応により産生されるピロリン酸産生量について測定するため、比較品5と比較品6を調製した。
[実施例43]
実施例42で得られた実施品45及び比較品5、6の上清中のピロリン酸を実施例7に記載のモリブデンブルー法により測定した。その結果、図13に示す通り、実施品45と比較品5がほぼ同等のピロリン酸産生量となった。このことから、D体とL体のトリプトファン混合液中のL−トリプトファンが、酵素処理によって除去できたと考えられた。従って、L-アミノ酸を除去することで、D体とL体のアミノ酸混合液中のD-アミノ酸を測定できることが示された。
以上の結果から、比較例1〜4のように、公知文献に記載された従来の方法では、AARS反応で産生されるピロリン酸を試料に含まれるアミノ酸のモル数より多く産生することが難しいが、本発明方法では、AARS及びアミノ酸を繰り返し反応に使用することで、反応産生物を増幅できることが示された。このことから、実施例3〜19、実施例36〜38に示されるように、本発明方法におけるAARS反応では、L体及びD体のアミノ酸の何れにおいても当該反応で産生されるピロリン酸をアミノ酸のモル数より多く産生させることができた。また、実施例26、27に示されるように、酵素反応温度によってピロリン酸の産生量は変化し、大腸菌及び好熱菌由来のAARSでは、10℃〜95℃で好適にAARS反応が起こることが分かった。更に、実施例28〜31、実施例39、40に示されるように、L体及びD体のアミノ酸の何れにおいても各AARSにおいてアミノ酸濃度に依存して直線的にピロリン酸が増加する、即ちアミノ酸濃度とピロリン酸量に相関関係があることが分かり、本発明のAARS反応により産生したピロリン酸について、簡便な方法であるモリブデンブルー法による各種アミノ酸の検量線が作成できることが確認された。また、実施例41〜43から、L体とD体のアミノ酸混合液の場合、片方のアミノ酸を除去後、残ったアミノ酸をAARSにより測定が可能であることが確認された。
以上のことから明らかなように、モリブデンブルー法等の簡便な方法を用いた場合でも、本発明の方法では1〜300μMの濃度範囲でアミノ酸の定量が可能であり、この範囲は従来技術の高感度分析のアミノ酸定量法のアミノ酸定量範囲の1〜250μMに匹敵するものであった。また、実施例35に示すように累積型ISFET電極により各種アミノ酸における検量線の作成ができた。そのアミノ酸定量範囲は、0〜20μMであり、従来技術のISFET電極によるアミノ酸定量範囲である300〜900μM(上記実施例で用いた累積型ISFET電極に換算すると90〜270μM)より格段に低い濃度範囲でアミノ酸の定量が可能であることが分かった。
このように、従来のAARSを用いたアミノ酸定量法では、産生されるピロリン酸等の量が少ないため多段階酵素反応を用いた蛍光法などによる高感度分析が必要であったが、本発明方法に於いて、形成されたアミノアシルAMP-AARS複合体からAARS及びアミノ酸を遊離し、再度それらをアミノアシルAMP-AARS複合体の形成に繰り返し利用することによって、試料中に少ないアミノ酸しか含まれていない場合であっても、多量のピロリン酸や水素イオンを産生させることができるため、多段階酵素反応を用いた蛍光法などによる高感度分析は不必要であることが分かった。従って、本発明によって、AARSを用いて測定対象のアミノ酸を選択的且つ簡便、高感度に定量する方法及びアミノ酸定量用キットを提供することが可能となった。

Claims (6)

  1. 以下の各工程を含む工程(I):
    (工程I−1)二価イオン又はポリアミンの存在下、試料中のL体及び/又はD体のアミノ酸(L-AA及び/又はD-AA)、該アミノ酸に対応するアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)、及び、アデノシン三リン酸(ATP)を反応させて、アミノアシルアデニル酸(アミノアシルAMP)とAARSから成る複合体(アミノアシルAMP-AARS複合体)を形成させる反応(反応1)を含む工程;
    (工程I−2)反応1及び/又は反応3で形成されたアミノアシルAMP-AARS複合体とヌクレオチドを反応させて、該複合体からAARS及びアミノ酸(L-AA及び/又はD-AA)を遊離させる反応(反応2)を含む工程;
    (工程I−3)反応2で遊離されたアミノ酸(L-AA及び/又はD-AA)及び/又はAARSを反応1において再利用することによってアミノアシルAMP-AARS複合体反応を形成させる反応(反応3)を含む工程;及び、
    (工程I−4)工程I−2及び工程I−3を繰り返す工程、並びに、
    工程(I)で生じた反応産生物の量を測定し、該反応産生物の測定量に基づきL体及び/又はD体のアミノ酸の量を決定することを含む工程(II)、
    を含む、試料中のアミノ酸定量方法であって、
    前記工程(I)に於ける反応開始時の反応液中のヌクレオチドの濃度が5〜50mMであることを特徴とする、前記方法。
  2. イオン感応性電界効果トランジスタ、ガラス電極膜、又は、多電極電位計測計により電位変化を測定することによって、工程(I)で生じた反応産生物の量を測定する、請求項1に記載のアミノ酸定量方法。
  3. 吸光度法により吸光度変化を測定することによって、工程(I)で生じた反応産生物の量を測定する、請求項1に記載のアミノ酸定量方法。
  4. 工程(I)で生じる反応産生物として、ピロリン酸又は水素イオンの少なくとも何れか1つを測定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミノ酸定量方法。
  5. 工程(I)で生じた反応産生物のモル数が試料中のアミノ酸のモル数より多いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミノ酸定量方法。
  6. 前処理として、試料中のL体又はD体のアミノ酸の何れか一方を除去することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアミノ酸定量方法。
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