以下に本発明の実施の形態について詳細に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定して解釈されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の変更は当然あり得る。
本発明の光源ユニットは、光源、色変換フィルムおよび第1の反射フィルムを含み、光源、色変換フィルム、第1の反射フィルムの順で配置されてなる。以下、これらの構成について記載する。
<光源ユニットの構成>
色変換フィルムは、光源から入射された入射光の少なくとも一部をその入射光よりも長波長の光に変換する有機発光材料を含むものであることが好ましい。その有機発光材料は、500nm以上750nm以下の領域に発光波長ピークを有する有機発光材料である。
この光源ユニットでは、以下のような機構により、白色発光が可能となる。例えば、光源として青色光源を利用する場合を考える。このとき、光源から放出された青色光の少なくとも一部が色変換フィルム内において有機発光材料に吸収され、500nm以上750nm以下の領域に発光波長ピークを有する光に変換される。このとき有機発光材料が黄色に発光する材料であってもよく、緑色に発光する材料と赤色に発光する材料の両方を含んでいてもよい。光源から出た光は最終的に青色光と有機発光材料の発光との混合光となり、白色発光が可能となる。
ここで色変換フィルム上に、光源から放出された青色光を所定量反射する第1の反射フィルムを設けると、色変換フィルム内で長波長の光に変換されなかった青色光を色変換フィルム側に再び反射することができる。つまり、青色光を効率よく有機発光材料で長波長の光に変換することができるのである。
また、本発明の光源ユニットはさらに、光源および色変換フィルムから発光された光を所定量反射する反射層を、光源から出光した光が色変換フィルムへ向かって進行する方向とは逆向きに進行する光を反射するように有することが好ましい。第1の反射フィルムにより色変換フィルム側に光を反射するだけでは光源ユニットから出光される光量が低下するが、その反射された光を反射層により再度色変換フィルム側へ反射することにより、光源ユニットから出光される光量低下を抑制することができるためである。
光源と色変換フィルムの配置方法については特に限定されない。図1にその一例を示す。なお、図1においては反射層を有する構成を例示しているが、各構成において反射層を設けるかどうかは任意である。
図1(a)はいわゆる直下型の構成であり、基板2上に反射層3が配置されており、光源4は基板2に電気的に接続されている。色変換フィルム5は反射層3と対向するように配置され、色変換フィルム5上に第1の反射フィルム6が配置されている。光源4と色変換フィルム3の間は空気層でもよく、透明性の高い樹脂で充填されていてもよい。
図1(b)はいわゆるエッジライト型の構成であり、反射層3上に導光板7が配置され、導光板7上に色変換フィルム5が配置されている。導光板7は、光源4からの光が入射される入射面71を端面に有し、光源4から入射面71に入射した光の進行方向を、光源と直行する方向、すなわち色変換フィルム5の存在する方向に変更する。第1の反射フィルムは色変換フィルム5上に配置されている。
また、本発明の光源ユニットの別の実施形態として、図1(c)に示す構成のように、光源4と色変換フィルム5の間に、第2の反射フィルム8を有していてもよい。
本発明の光源ユニットは、このほかにも、拡散板、他の反射フィルム、偏光反射性フィルムなどの光学フィルムが挿入されてなることが好ましい。また、色純度を高める目的で、さらにカラーフィルターを含む構成を取っても良い。
<光源>
本発明の光源ユニットを構成する光源の種類は、後述の色変換フィルムに含まれる色変換材料が吸収可能な波長領域に発光を示すものであればいずれの光源でも用いることができる。例えば、熱陰極管、冷陰極管、無機エレクトロルミネッセンスなどの蛍光性光源、有機エレクトロルミネッセンス素子光源、LED光源、白熱光源などが挙げられ、特にLED光源が好ましい。ディスプレイや照明用途では、青色光の色純度を高められる点で、発光ピーク波長が400〜500nmの範囲ある青色LED光源がさらに好ましい。
光源は1種類の発光ピークを持つものでもよく、2種類以上の発光ピークを持つものでもよいが、ディスプレイや照明の色再現範囲の向上には、1種類の発光ピークを持つものが好ましい。また、発光ピークの異なる複数の光源を任意に組み合わせて使用することも可能である。
後述の有機発光材料の吸収スペクトルとの重なりを大きくする観点から、光源の発光ピーク波長の下限値はより好ましくは430nm以上であり、さらに好ましくは440nm以上であり、特に好ましくは450nm以上である。有機発光材料の吸収スペクトルとの重なりが大きいことにより有機発光材料の使用量をより削減することができる。
また、緑色光とのスペクトルの重なりを小さくするため、発光ピーク波長が500nm以下の領域に観測される発光を青色の発光として利用することが好ましい。その効果をより大きくする上で、光源の発光ピーク波長の上限値は、より好ましくは480nm以下であり、さらに好ましくは470nm以下であり、特に好ましくは465nm以下である。
さらに青色光の色純度を高めるためには、青色光の発光ピーク波長の半値幅が30nm以下であることが好ましく、25nm以下であることがより好ましい。
<色変換フィルム>
色変換フィルムの構成としては特に制限はないが、図2(a)に示すように基材9上に色変換層10が積層された構成が好ましい。
また図2(b)に示すように色変換層10の両面に基材9が積層された構成がより好ましい。さらに、図2(c)および(d)に示すように、色変換層10と各基材9との間、もしくは色変換層と対向する面の反対側の面にバリア層11を有していてもよい。
色変換フィルムは、少なくとも1種の有機発光材料を含有し、入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換層として機能する。
色変換フィルムは連続層であることが好ましい。ここで連続層とは分断されていない層であることをいう。例えば、ある層が同一平面内にパターニングされて存在している場合、それは分断された層であるため、本発明でいう連続層には該当しない。一方で、部分的に切れ目や窪みがあるが全体としては一体である構成であれば、連続層に該当する。
色変換フィルムの膜厚は特に制限はないが、フィルムの強靭性や成形の容易さの観点から、10μm以上1000μm以下であることが好ましい。一方で、耐熱性を高める観点からは、色変換フィルムの膜厚は200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。
色変換フィルムは、後述の色変換組成物を用いて作製することができる。
(有機発光材料)
本発明における有機発光材料とは、何らかの光が照射されたときに、その光とは異なる波長の光を発する材料のことをいう。
高効率な色変換を達成するためには、有機発光材料が量子収率の高い発光特性を示す材料が好ましい。
有機発光材料としては、例えば、
ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体;
フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピリジン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン等のヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体;
ボラン誘導体;
1,4−ジスチリルベンゼン、4,4’−ビス(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(スチルベン−4−イル)−N−フェニルアミノ)スチルベン等のスチルベン誘導体;
芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体;
クマリン6、クマリン7、クマリン153などのクマリン誘導体;
イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体;
インドシアニングリーン等のシアニン系化合物;
フルオレセイン・エオシン・ローダミン等のキサンテン系化合物やチオキサンテン系化合物;
ポリフェニレン系化合物、ナフタルイミド誘導体、フタロシアニン誘導体およびその金属錯体、ポルフィリン誘導体およびその金属錯体;
ナイルレッドやナイルブルー等のオキサジン系化合物;
ヘリセン系化合物;
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン等の芳香族アミン誘導体;および
イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びレニウム(Re)等の有機金属錯体化合物;
等が好適なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機発光材料は、色変換フィルムの中に少なくとも1種含まれていればよく、2種以上含まれていてもよい。
有機発光材料は、蛍光発光材料であっても、リン光発光材料であっても良いが、高い色純度を達成するためには、蛍光発光材料が好ましい。
これらの中でも、熱的安定性および光安定性が高いことから、縮合アリール環を有する化合物やその誘導体が好ましい。
また、溶解性や分子構造の多様性の観点からは、配位結合を有する化合物が好ましい。半値幅が小さく、高効率な発光が可能である点で、フッ化ホウ素錯体などのホウ素を含有する化合物も好ましい。
中でも、高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好である点で、ピロメテン誘導体が好ましい。より好ましくは、一般式(1)で表される化合物である。
XはC−R7またはNである。R1〜R9はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、および隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。
上記の全ての基において、水素は重水素であってもよい。以下に説明する化合物またはその部分構造においても同様である。
また、以下の説明において例えば炭素数6〜40の置換もしくは無置換のアリール基とは、アリール基に置換した置換基に含まれる炭素数も含めて6〜40であり、炭素数を規定している他の置換基もこれと同様である。
また、上記の全ての基において、置換される場合における置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとする具体的な置換基が好ましい。また、これらの置換基は、さらに上述の置換基により置換されていてもよい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは、水素原子または重水素原子が置換したことを意味する。
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、上記と同様である。
アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、好ましくは1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、3以上20以下の範囲である。
複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環、環状アミドなどの炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのエーテル結合を介して脂肪族炭化水素基が結合した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アルキルチオ基の炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基など、エーテル結合を介した芳香族炭化水素基が結合した官能基を示し、芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アリールエーテル基における芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンゾフェナントリル基、ベンゾアントラセニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾフルオランテニル基、ジベンゾアントラセニル基、ペリレニル基、ヘリセニル基などの芳香族炭化水素基を示す。
中でも、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基が好ましい。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは6以上40以下、より好ましくは6以上30以下の範囲である。
R1〜R9が置換もしくは無置換のアリール基の場合、アリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基がより好ましい。さらに好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基であり、フェニル基が特に好ましい。
それぞれの置換基がさらにアリール基で置換される場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基がより好ましい。特に好ましくは、フェニル基である。
ヘテロアリール基とは、例えば、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、カルボリニル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ジヒドロインデノカルバゾリル基、ベンゾキノリニル基、アクリジニル基、ジベンゾアクリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基などの、炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示す。ただし、ナフチリジニル基とは、1,5−ナフチリジニル基、1,6−ナフチリジニル基、1,7−ナフチリジニル基、1,8−ナフチリジニル基、2,6−ナフチリジニル基、2,7−ナフチリジニル基のいずれかを示す。ヘテロアリール基は置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上40以下、より好ましくは2以上30以下の範囲である。
R1〜R9が置換もしくは無置換のヘテロアリール基の場合、ヘテロアリール基としてはピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基が好ましく、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
それぞれの置換基がさらにヘテロアリール基で置換される場合、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基が好ましく、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる原子を示す。
カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられ、これら置換基はさらに置換されてもよい。
アミノ基とは、置換もしくは無置換のアミノ基である。置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基が挙げられる。アリール基、ヘテロアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリニル基が好ましい。これら置換基はさらに置換されてもよい。炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上50以下、より好ましくは6以上40以下、特に好ましくは6以上30以下の範囲である。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基などのアルキルシリル基や、フェニルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリナフチルシリル基などのアリールシリル基を示す。ケイ素上の置換基はさらに置換されてもよい。シリル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
シロキサニル基とは、例えばトリメチルシロキサニル基などのエーテル結合を介したケイ素化合物基を示す。ケイ素上の置換基はさらに置換されてもよい。
ボリル基とは、置換もしくは無置換のボリル基である。置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリールエーテル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基が挙げられ、中でもアリール基、アリールエーテル基が好ましい。
ホスフィンオキシド基とは、−P(=O)R10R11で表される基である。R10R11はR1〜R9と同様の群から選ばれる。
隣接置換基との間に形成される縮合環とは、任意の隣接する2置換基(例えば一般式(1)のR1とR2)が互いに結合して、共役または非共役の環状骨格を形成することをいう。縮合環の構成元素としては、炭素以外にも窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素から選ばれる元素を含んでいてもよい。また、縮合環がさらに別の環と縮合してもよい。
一般式(1)で表される化合物は、高い蛍光量子収率を示し、かつ、発光スペクトルのピーク半値幅が小さいため、効率的な色変換と高い色純度を達成することができる。
さらに、一般式(1)で表される化合物は、適切な置換基を適切な位置に導入することで、発光効率・色純度・熱的安定性・光安定性・分散性などのさまざまな特性・物性を調整することができる。
例えば、R1、R3、R4およびR6が全て水素の場合に比べ、R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基や置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合の方が、より良い熱的安定性および光安定性を示す。
R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基である場合、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基といった炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、さらに熱的安定性に優れることから、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。さらに濃度消光を防ぎ蛍光量子収率を向上させるという観点では、立体的にかさ高いtert−ブチル基がより好ましい。また合成の容易さ、原料入手の容易さという観点から、メチル基も好ましく用いられる。
R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアリール基である場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基が好ましく、さらに好ましくは、フェニル基、ビフェニル基であり、フェニル基が特に好ましい。
R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合、ヘテロアリール基としてはピリジル基、キノリニル基、チオフェニル基が好ましく、ピリジル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基である場合、バインダー樹脂や溶媒への溶解性が良好なため、好ましい。アルキル基としては、合成の容易さ、原料入手の容易さという観点から、メチル基が好ましい。
R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基または置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合、より良い熱的安定性および光安定性を示すため好ましく、R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基であることがより好ましく、置換もしくは無置換のフェニル基であることが特に好ましい。
複数の性質を向上させる置換基もあるが、全てにおいて十分な性能を示す置換基は限られている。特に高発光効率と高色純度の両立が難しい。そのため、複数種類の置換基を導入することで、発光特性や色純度などにバランスの取れた化合物を得ることが可能である。
特に、R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基の場合、例えば、R1≠R4、R3≠R6、R1≠R3またはR4≠R6などのように、複数種類の置換基を導入することが好ましい。ここで≠は、異なる構造の基であることを示す。色純度に影響を与えるアリール基と効率に影響を与えるアリール基を同時に導入することができるため、細やかな調節が可能となる。
中でも、R1≠R3またはR4≠R6であることが、発光効率と色純度をバランスよく向上させる点において、好ましい。色純度に影響を与えるアリール基を両側のピロール環にそれぞれ1つ以上導入し、それ以外の位置に効率に影響を与えるアリール基を導入することができるため、両方の性質を最大限に向上させることができる。R1≠R3またはR4≠R6である場合、耐熱性と色純度の点から、R1=R4およびR3=R6であることがより好ましい。
主に色純度に影響を与えるアリール基としては、電子供与性基で置換されたアリール基が好ましい。電子供与性基としては、アルキル基やアルコキシ基などが挙げられる。特に、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、メトキシ基がより好ましい。分散性の観点からは、tert−ブチル基、メトキシ基が特に好ましく、分子同士の凝集による消光を防ぐ。置換基の置換位置は特に限定されないが、光安定性を高めるには結合のねじれを抑える必要があるため、ピロメテン骨格との結合位置に対してメタ位またはパラ位に結合させることが好ましい。
主に効率に影響を与えるアリール基としては、tert−ブチル基、アダマンチル基、メトキシ基などのかさ高い置換基を有するアリール基が好ましい。
R1、R3、R4およびR6が、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基の場合、R1、R3、R4およびR6は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基であることが好ましい。このとき、それらは、それぞれ以下のAr−1〜Ar−6から選ばれることがより好ましい。この場合、R1、R3、R4およびR6の好ましい組み合わせとしては、表1−1〜表1−11に示すような組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
R2およびR5は、水素、アルキル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、アリール基が好ましいが、熱的安定性の観点から水素またはアルキル基が好ましく、発光スペクトルにおいて狭い半値幅を得やすい点で水素がより好ましい。
R8およびR9は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、フッ素、含フッ素アルキル基、含フッ素ヘテロアリール基または含フッ素アリール基が好ましく、光源に対して安定でより高い蛍光量子収率が得られることから、フッ素または含フッ素アリール基であることがより好ましい。合成の容易さから、フッ素であることがさらに好ましい。
ここで、含フッ素アリール基とはフッ素を含むアリール基であり、例えばフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基およびペンタフルオロフェニル基などがあげられる。含フッ素ヘテロアリール基とは、フッ素を含むヘテロアリール基であり、例えばフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基およびトリフルオロピリジル基などがあげられる。含フッ素アルキル基とは、フッ素を含むアルキル基であり、トリフルオロメチル基やペンタフルオロエチル基などがあげられる。
XはC−R7であることが、光安定性の観点から好ましい。
XがC−R7であるとき、一般式(1)で表される化合物の耐久性、すなわち発光強度の経時的な低下には、置換基R7が大きく影響する。すなわちR7が水素である場合、この水素の反応性が高く、容易に空気中の水分や酸素と反応してしまい分解を引き起こす。また、R7が例えばアルキル基のような分子鎖の運動の自由度が大きい置換基である場合は、確かに反応性は低下するが、組成物中で化合物同士が経時的に凝集し、結果的に濃度消光による発光強度の低下を招く。したがって、R7は剛直で、かつ運動の自由度が小さく凝集を引き起こしにくい基であることが好ましく、具体的には、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかであることが好ましい。
より高い蛍光量子収率を与え、より熱分解しづらい点、また光安定性の観点から、XがC−R7であり、R7が置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。アリール基としては、発光波長を損なわないという観点から、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましい。
さらに光安定性を高めるには、R7とピロメテン骨格の炭素−炭素結合のねじれを適度に抑える必要がある。過度にねじれが大きいと、光源に対する反応性が高まるなど、光安定性が低下する。このような観点から、R7としては、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基が好ましく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基であることがより好ましい。特に好ましくは、置換もしくは無置換のフェニル基である。
また、R7は適度にかさ高い置換基であることが好ましい。R7がある程度のかさ高さを有することで分子の凝集を防ぐことができ、発光効率や耐久性がより向上する。
このようなかさ高い置換基のさらに好ましい例としては、下記一般式(2)で表される構造が挙げられる。
rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基からなる群より選ばれる。kは1〜3の整数である。kが2以上である場合、rはそれぞれ同じでも異なっても良い。
すなわち、一般式(1)において、XがC−R7であり、R7が一般式(2)で表される基であることが好ましい。
より高い蛍光量子収率を与えられる点で、rは置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。アリール基の中でも特にフェニル基、ナフチル基が好ましい例として挙げられる。rがアリール基である場合、一般式(2)のkは1もしくは2であることが好ましく、分子の凝集をより防ぐ観点からkは2であることがより好ましい。さらに、rの少なくとも1つがアルキル基で置換されていることが好ましい。この場合のアルキル基としては、熱的安定性の観点からメチル基、エチル基およびtert−ブチル基が特に好ましい例として挙げられる。
また、蛍光波長や吸収波長を制御したり、溶媒との相溶性を高めたりする点では、rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基またはハロゲンであることが好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、メトキシ基がより好ましい。分散性の観点からは、tert−ブチル基、メトキシ基が特に好ましく、分子同士の凝集による消光を防ぐ。
また、一般式(1)で表される化合物の別の態様として、R1〜R7のうち少なくともひとつが電子吸引基であることが好ましい。特に、(1)R1〜R6のうち少なくともひとつが電子吸引基であること、(2)R7が電子吸引基であること、または(3)R1〜R6のうち少なくともひとつが電子吸引基であり、かつ、R7が電子吸引基であること、が好ましい。ピロメテン骨格に電子吸引基を導入することで、ピロメテン骨格の電子密度を大幅に下げることができる。これにより、酸素に対する安定性がより向上し、耐久性をより向上させることができる。
電子吸引基とは、電子受容性基とも呼称し、有機電子論において、誘起効果や共鳴効果により、置換した原子団から、電子を引き付ける原子団である。電子吸引基としては、ハメット則の置換基定数(σp(パラ))として、正の値をとるものが挙げられる。ハメット則の置換基定数(σp(パラ))は、化学便覧基礎編改訂5版(II−380頁)から引用することができる。
なお、フェニル基も正の値をとる例もあるが、本願の電子吸引基にフェニル基は含まれない。
電子吸引基の例として、例えば、−F(σp:+0.06)、−Cl(σp:+0.23)、−Br(σp:+0.23)、−I(σp:+0.18)、−CO2R12(σp:R12がエチル基の時+0.45)、−CONH2(σp:+0.38)、−COR12(σp:R12がメチル基の時+0.49)、−CF3(σp:+0.50)、−SO2R12(σp:R12がメチル基の時+0.69)、−NO2(σp:+0.81)等が挙げられる。R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のシクロアルキル基を表す。これら各基の具体例としては、上記と同様の例が挙げられる。
好ましい電子吸引基としては、フッ素、含フッ素アリール基、含フッ素ヘテロアリール基、含フッ素アルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のエステル基、置換もしくは無置換のアミド基、置換もしくは無置換のスルホニル基またはシアノ基が挙げられる。これらは化学的に分解しにくいからである。
より好ましい電子吸引性基としては、含フッ素アルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のエステル基またはシアノ基が挙げられる。濃度消光を防ぎ発光量子収率を向上させる効果につながるからである。特に好ましいのは、置換もしくは無置換のエステル基である。
一般式(1)で表される化合物の特に好ましい例の一つとして、R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基であって、さらにXがC−R7であり、R7が一般式(2)で表される基、特に好ましくはrが置換もしくは無置換のフェニル基である一般式(2)で表される基である場合が挙げられる。
また、一般式(1)で表される化合物の特に好ましい例の別の一つとして、R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、上述のAr−1〜Ar−6から選ばれ、さらにXがC−R7であり、R7が一般式(2)で表される基、より好ましくはrがtert−ブチル基、メトキシ基である一般式(2)で表される基、特に好ましくはrがメトキシ基である一般式(2)で表される基である場合が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の一例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物は、例えば特表平8−509471号公報や特開2000−208262号公報に記載の方法で製造することができる。すなわち、ピロメテン化合物と金属塩を塩基共存下で反応することにより目的とするピロメテン系金属錯体が得られる。
また、ピロメテン−フッ化ホウ素錯体の合成については、J. Org. Chem., vol.64, No.21, pp.7813-7819 (1999)、Angew. Chem., Int. Ed. Engl., vol.36, pp.1333-1335 (1997)などに記載されている方法を参考に製造することができる。例えば、下記一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物をオキシ塩化リン存在下、1,2−ジクロロエタン中で加熱した後、下記一般式(5)で表される化合物をトリエチルアミン存在下、1,2−ジクロロエタン中で反応させる方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。ここで、R1〜R9は上記説明と同様である。Jはハロゲンを表す。
さらに、アリール基やヘテロアリール基の導入の際は、ハロゲン化誘導体とボロン酸あるいはボロン酸エステル化誘導体とのカップリング反応を用いて炭素−炭素結合を生成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。同様に、アミノ基やカルバゾリル基の導入の際にも、例えば、パラジウムなどの金属触媒下でのハロゲン化誘導体とアミンあるいはカルバゾール誘導体とのカップリング反応を用いて炭素−窒素結合を生成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
色変換フィルムは、一般式(1)で表される化合物以外に、必要に応じてその他の化合物を適宜含有することができる。例えば、光源から一般式(1)で表される化合物へのエネルギー移動効率を更に高めるために、ルブレンなどのアシストドーパントを含有してもよい。また、一般式(1)で表される化合物の発光色以外の発光色を加味したい場合は、前述の有機発光材料を添加することができる。その他、有機発光材料以外でも、無機蛍光体、蛍光顔料、蛍光染料、量子ドットなどの公知の発光材料を組み合わせて添加することも可能である。
一般式(1)で表される化合物以外の有機発光材料の一例を以下に示すが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の光源ユニットに用いられる有機発光材料は、波長400nm以上500nm以下の範囲の光源を用いることによりピーク波長が500nm以上580nm以下の領域に観測される発光を呈する発光材料(以下「発光材料(a)」という)を含むことが好ましい。以後、ピーク波長が500nm以上580nm以下の領域に観測される発光を「緑色の発光」という。一般に、光源のエネルギーが大きいほど材料の分解を引き起こしやすいが、波長400nm以上500nm以下の範囲の光源は比較的小さい励起エネルギーであるため、色変換フィルム中の発光材料の分解を引き起こすことなく、色純度の良好な緑色の発光が得られる。
本発明の光源ユニットに含まれる色変換フィルムは、(a)波長400nm以上500nm以下の範囲の光源を用いることによりピーク波長が500nm以上580nm以下の発光を呈する発光材料、および(b)波長400nm以上500nm以下の範囲の光源または発光材料(a)からの発光のいずれかまたは両方により励起されることにより、ピーク波長が580nm以上750nm以下の領域に観測される発光を呈する発光材料(以下「発光材料(b)」という)、を含むことが好ましい。以後、ピーク波長が580nm以上750nm以下の領域に観測される発光を「赤色の発光」という。
波長400nm以上500nm以下の範囲の光源の一部は本発明の色変換フィルムを一部透過するため、発光ピークが鋭い青色LEDを光源に使用した場合、光源ユニットから放出される光は青・緑・赤の各色において鋭い形状の発光スペクトルを示す。これにより、色純度の良い白色光を得ることができる。
その結果、特にディスプレイにおいては色彩がいっそう鮮やかな、より大きな色域が効率的に作ることができる。
また、照明用途においては、現在主流となっている青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた白色LEDに比べ、特に緑色領域と赤色領域の発光特性が改善されるため、色再現性が向上し好ましい白色光源となる。
適度な励起エネルギーを有する波長400nm以上500nm以下の範囲の青色光を励起光として用いる場合、ピーク波長が500nm以上の領域に観測される発光を緑色の発光として利用すると、スペクトルの重なりが小さくなり、色再現性が向上するため、好ましい。その効果をより大きくする上で、有機発光材料(a)のピーク波長の下限値は、より好ましくは510nm以上であり、さらに好ましくは515nm以上であり、特に好ましくは520nm以上である。
また、赤色光とのスペクトルの重なりを小さくするため、ピーク波長が580nm以下の領域に観測される発光を緑色の発光として利用することが好ましい。その効果をより大きくする上で、有機発光材料(a)のピーク波長の上限値は、より好ましくは550nm以下であり、さらに好ましくは540nm以下であり、特に好ましくは530nm以下である。
さらに、ピーク波長が500nm以上580nm以下の領域に観測される発光を緑色の発光として利用する場合、ピーク波長が580nm以上の領域に観測される発光を赤色の発光として利用すると、スペクトルの重なりが小さくなり、色再現性が向上するため、好ましい。その効果をより大きくする上で、有機発光材料の発光ピーク波長の下限値は、より好ましくは620nm以上であり、さらに好ましくは630nm以上であり、特に好ましくは635nm以上である。
赤色光のピーク波長の上限は、可視域の上界付近である750nm以下であればよいが、700nm以下である場合、視感度が大きくなるため、より好ましい。その効果をより大きくする上で、有機発光材料のピーク波長の上限値は、さらに好ましくは680nm以下であり、特に好ましくは660nm以下である。
発光スペクトルの重なりを小さくし、色再現性を向上させるためには、青・緑・赤の各色の発光スペクトルの半値幅が小さいことが好ましい。特に、緑色光および赤色光の発光スペクトルの半値幅小さいことが、色再現性の向上のためには効果的である。
緑色光の発光スペクトルの半値幅としては、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、35nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが特に好ましい。
赤色光の発光スペクトルの半値幅としては、80nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることがさらに好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
発光スペクトルの形状に関しては特に制限されるものではないが、励起エネルギーの効率的な利用が可能であり、色純度も高くなることから、単一ピークであることが好ましい。ここで、単一ピークとは、ある波長領域で、最も強度の強いピークに対して、その強度の5%以上の強度を持つピークがない状態を示す。
発光材料(a)としては、クマリン6、クマリン7、クマリン153等のクマリン誘導体、インドシアニングリーン等のシアニン誘導体、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセインジアセテート等のフルオレセイン誘導体、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン誘導体、ジイソブチル−4,10−ジシアノペリレン−3,9−ジカルボキシレート等のペリレン誘導体、他にピロメテン誘導体、スチルベン誘導体、オキサジン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、アゾール誘導体、アントラセン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、芳香族アミン誘導体、有機金属錯体化合物等が好適なものとして挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの化合物の中でも、ピロメテン誘導体は高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好なので特に好適な化合物であり、中でも一般式(1)で表される化合物は、色純度の高い発光を示すことから好ましい。
発光材料(b)としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン等のシアニン誘導体、ローダミンB・ローダミン6G・ローダミン101・スルホローダミン101などのローダミン誘導体、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム−パークロレートなどのピリジン誘導体、N,N'−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,7,12−テトラフェノキシペリレン−3,4:9,10−ビスジカルボイミド等のペリレン誘導体、他にポルフィリン誘導体、ピロメテン誘導体、オキサジン誘導体、ピラジン誘導体、ナフタセンやジベンゾジインデノペリレン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、有機金属錯体化合物等が好適なものとして挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの化合物の中でも、ピロメテン誘導体は高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好なので特に好適な化合物であり、中でも一般式(1)で表される化合物は、色純度の高い発光を示すことから好ましい。
色変換フィルムにおける有機発光材料成分の含有量は、化合物のモル吸光係数、蛍光量子収率および励起波長における吸収強度、ならびに作製するシートの厚みや透過率にもよるが、通常はバインダー樹脂成分の100重量部に対して、1.0×10−4重量部〜30重量部であり、1.0×10−3重量部〜10重量部であることがさらに好ましく、1.0×10−2重量部〜5重量部であることが特に好ましい。
(バインダー樹脂)
色変換フィルムは、バインダー樹脂を含むことが好ましい。バインダー樹脂は、連続相を形成するものであり、成型加工性、透明性、耐熱性等に優れる材料であれば良い。バインダー樹脂の例としては、例えばアクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴム、シリコーンゲル等のオルガノポリシロキサン硬化物(架橋物)を含む)、ウレア樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、脂肪族エステル樹脂、芳香族エステル樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂などの公知のものが挙げられる。またこれらの共重合樹脂を用いても構わない。これらの樹脂を適宜設計することで、色変換フィルムに有用な樹脂が得られる。
これらの樹脂の中でも、透明性、耐熱性などの観点から、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはこれらの混合物を好適に用いることができる。
また、添加剤として塗布膜安定化のための分散剤やレベリング剤、フィルム表面の改質剤としてシランカップリング剤等の接着補助剤等を添加することも可能である。また、色変換材沈降抑制剤としてシリカ粒子やシリコーン微粒子等の無機粒子を添加することも可能である。
(その他の成分)
色変換フィルムは、有機発光材料とバインダー樹脂以外に、酸化防止剤、加工および熱安定化剤、紫外線吸収剤等の耐光性安定化剤、塗布膜安定化のための分散剤やレベリング剤、可塑剤、エポキシ化合物などの架橋剤、アミン・酸無水物・イミダゾールなどの硬化剤、シート表面の改質剤としてシランカップリング剤等の接着補助剤、色変換材沈降抑制剤としてシリカ粒子やシリコーン微粒子等の無機粒子およびシランカップリング剤などを含有することができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの酸化防止剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
加工および熱安定化剤としては、トリブチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリエチルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン等のリン系安定化剤を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの安定化剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
耐光性安定化剤としては、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの耐光性安定化剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
光源からの光や発光材料の発光を阻害しないため、これらの添加剤は可視域での吸光係数が小さいことが好ましい。具体的には、波長400nm以上800nm以下の波長域全域で、モル吸光係数εが1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。さらに好ましくは200以下であり、100以下であることが特に好ましい。
また、耐光性安定化剤としては、一重項酸素クエンチャーとしての役割を持つ化合物も好適に用いることができる。
一重項酸素クエンチャーは、酸素分子が光のエネルギーにより活性化してできた一重項酸素をトラップして不活性化する材料である。組成物中に一重項酸素クエンチャーが共存することで、発光材料が一重項酸素により劣化することを防ぐことができる。
一重項酸素は、ローズベンガルやメチレンブルーのような色素の三重項励起状態と、基底状態の酸素分子の間で電子とエネルギーの交換が起こることで生じることが知られている。
色変換フィルムは、含有される有機発光材料が光源により励起され、光源とは異なる波長の光を発光することで光の色変換を行う。この励起−発光のサイクルが繰り返されるため、生じた励起種と、組成物中に含まれる酸素との相互作用により一重項酸素が生成する確率は高まる。そのため、有機発光材料と一重項酸素の衝突確率も高まるため、有機発光材料の劣化が進みやすい。
有機発光材料は、無機発光材料と比べ一重項酸素の影響を受けやすい。特に一般式(1)で表される化合物は、ペリレン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体に比べて一重項酸素との反応性が高く、一重項酸素による耐久性への影響が大きい。
そこで、一重項酸素クエンチャーにより、発生した一重項酸素を速やかに不活性化させることで、量子収率および色純度に優れた一般式(1)で表される化合物の耐久性を向上させることができる。
一重項酸素クエンチャーとしての役割を持つ化合物としては、例えば、特定の、3級アミン、カテコール誘導体およびニッケル化合物を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの耐光性安定化剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
(基材)
基材としては、特に制限無く公知の金属、フィルム、ガラス、セラミック、紙等を使用することができる。具体的には、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅、鉄などの金属板や箔、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アラミド、シリコーン、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、熱可塑性フッ素樹脂で、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)などのプラスチックのフィルム、α−ポリオレフィン樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂およびこれらとエチレンの共重合樹脂からなるプラスチックのフィルム、前記プラスチックがラミネートされた紙、または前記プラスチックによりコーティングされた紙、前記金属がラミネートまたは蒸着された紙、前記金属がラミネートまたは蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。また、基材が金属板の場合、表面にクロム系やニッケル系などのメッキ処理やセラミック処理されていてもよい。
これらの中でも、色変換フィルムの作製のし易さや色変換フィルムの成形のし易さからガラスや樹脂フィルムが好ましく用いられる。また、フィルム状の基材を取り扱う際に破断などの恐れがないように強度が高いフィルムが好ましい。それらの要求特性や経済性の面で樹脂フィルムが好ましく、これらの中でも、経済性、取り扱い性の面でPET、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリプロピレンからなる群より選ばれるプラスチックフィルムが好ましい。また、色変換フィルムを乾燥させる場合や色変換フィルムを押し出し機により200℃以上の高温で圧着成形する場合は、耐熱性の面でポリイミドフィルムが好ましい。シートの剥離のし易さから、基材は、あらかじめ表面が離型処理されていてもよい。
基材の厚さは特に制限はないが、下限としては25μm以上が好ましく、38μm以上がより好ましい。また、上限としては5000μm以下が好ましく、3000μm以下がより好ましい。
また、後述の、異なる複数の熱可塑性樹脂が交互に11層以上積層されてなる積層フィルムを基材として用いることも好ましい。
色変換フィルムの乾燥は熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置を用いて行うことができる。色変換フィルムの加熱には、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置が用いられる。この場合、加熱条件は、通常、40〜250℃で1分〜5時間、好ましくは60℃〜200℃で2分〜4時間である。また、ステップキュア等の段階的に加熱硬化することも可能である。
色変換フィルムを作製した後、必要に応じて基材を変更することも可能である。この場合、簡易的な方法としてはホットプレートを用いて貼り替えを行なう方法や、真空ラミネーターやドライフィルムラミネーターを用いた方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
(バリア層)
色変換フィルムの基材にはバリア層が設けられていてもよい。バリア層としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウムなどの無機酸化物や、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化窒化ケイ素などの無機窒化物、またはこれらの混合物、またはこれらに他の元素を添加した金属酸化物薄膜や金属窒化物薄膜、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニルのけん化物等のポリビニルアルコール系樹脂などの各種樹脂から成る膜を挙げることができる。
(接着層)
色変換フィルムにおいてそれぞれの層の間には、必要に応じて接着層を設けても良い。接着層としては、色変換フィルムの発光および耐久性に過度な影響を与えないものであれば、特に制限無く公知の材料を用いることができる。強固な接着が必要な場合、光硬化材料や熱硬化材料、嫌気性硬化材料、熱可塑性材料を好ましく用いることができるが、中でも、熱硬化材料がより好ましく、特に、0℃〜150℃での硬化が可能である材料が好ましい。
接着層の厚みは特に制限はないが、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01μm以上25μm以下である。さらに好ましくは、0.05μm以上5μm以下であり、特に好ましくは、0.05μm以上1μm以下である。
(色変換組成物)
色変換フィルムの成型のために、色変換組成物を用いることができる。前述した有機発光材料、バインダー樹脂、溶媒等を所定量混合する。上記の成分を所定の組成になるよう混合した後、ホモジナイザー、自公転型攪拌機、3本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル等の撹拌・混練機で均質に混合分散することで、色変換組成物が得られる。混合分散後、もしくは混合分散の過程で、真空もしくは減圧条件下で脱泡することも好ましく行われる。また、ある特定の成分を事前に混合することや、エージング等の処理をしても構わない。エバポレーターによって溶媒を除去して所望の固形分濃度にすることも可能である。
色変換組成物に用いる溶媒は、流動状態の樹脂の粘度を調整でき、発光物質の発光および耐久性に過度な影響を与えないものであれば、特に限定されない。例えば、水、2−プロパノール、エタノール、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、アセトン、テルピネオール、テキサノール、メチルセルソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グライム、ジグライム、トリグライム等が挙げられ、これらの溶媒を2種類以上混合して使用することも可能である。
(色変換組成物を用いた色変換フィルムの作製方法)
上述した方法で作製した色変換組成物を基材上に塗布し、乾燥させる。塗布は、リバースロールコーター、ブレードコーター、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、キスコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、アプリケーター、ディップコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ナイフコーター等により行うことができる。色変換層の膜厚均一性を得るためにはスリットダイコーターで塗布することが好ましい。
<第1の反射フィルム>
本発明の光源ユニットを構成する第1の反射フィルムは、光源から発光された光を15%以上80%以下反射する必要がある。ここでいう光源から発光された光を15%以上80%以下反射するとは、第1の反射フィルムの入射角度10度での反射スペクトルにおいて上述の光源の発光帯域での平均反射率が15%以上80%以下であることとする。
光源の発光帯域とは、光源から放射される光の波長の強度分布において、最大強度を示すピークにおける、そのピーク強度の半分の強度を示す波長のうち短い方の波長から、光源ピーク強度の半分の強度を示す波長のうち長い方の波長までのことを指す。例えば、光源から発光された光のスペクトルが図6に示す形状である場合、最大強度を示すピークはPAであり、発光帯域はλX(nm)からλY(nm)までである。
また、ある帯域での平均反射率は、反射スペクトルにおいて当該帯域における反射率を1nm刻みで読みとり、読み取った値の総和を読み取った値の個数で除した値として算出する。
光源と色変換フィルムからなる従来の構成の場合、光源からの光は一部が色変換フィルムで光源からの入射光よりも長波長の光に変換されるものの、多くは変換されることなく光源から発光された光が色変換フィルムから透過し、光源ユニットから出光される。このため、色変換フィルムから色変換されることなく出光された光量と、色変換フィルムで長波長側の光へと変換された光量のバランスをとり所望の色調の光を得るためには、色変換フィルム中に含有させる色変換材料の量を増やす必要がある。
一方、本発明のように、光源から発光された光を15%以上80%以下反射する第1の反射フィルムを、光源、色変換フィルム、第1の反射フィルムの順番で設けることにより、色変換フィルムで色変換されずに透過してきた光を第1の反射フィルムで色変換フィルム側へ反射することができる。これにより、色変換フィルム内での色変換を再度行うことができ、色変換フィルムで色変換された光の光量を増大させることが容易となる。その結果、色変換フィルムから色変換されることなく出光された光量と、色変換フィルムで長波長側の光へと変換された光量のバランスをとるために必要となる色変換材料の含有量を抑制することが可能である。
第1の反射フィルムとしては、より好ましくは光源から発光された光を50%以上反射することであり、さらに好ましくは70%以上反射することである。光源から発光された光の反射率が高くなるに従い色変換フィルムでの変換効率が向上し、色変換材料の量を削減できるようになる。
一方、光源から発光された光の反射率が80%より大きい場合には、光源からの光がほとんど透過できないことで逆に光源からの光源から照射され色変換フィルムからそのまま出光される光量と、色変換フィルムで長波長側の光へと変換された光量のバランスをとることが難しくなる場合もある。
本発明の光源ユニットを構成する第1の反射フィルムは、色変換フィルムから出光した光を80%以上透過する必要がある。ここでいう色変換フィルムから出光された光を80%以上透過するとは、第1の反射フィルムの入射角度0度での透過スペクトルにおいて上述の色変換フィルムの出光帯域内での平均透過率が80%以上であることとする。すなわち、光源からの光を受けて色変換フィルムで長波長の光へと変換された光の短波長端から長波長端における透過率の平均値が80%以上であることを指す。
色変換フィルムで長波長の光へと変換された光の短波長端とは、色変換フィルムで長波長の光へと変換された光の波長の強度分布において、極大強度を示すピークのうち最も短波長側にあるものを選択し、そのピークにおいて、ピーク強度の半分の強度を示す波長のうち短い方の波長を指す。
色変換フィルムで長波長の光へと変換された光の長波長端とは、色変換フィルムで長波長の光へと変換された光の波長の強度分布において、極大強度を示すピークのうち最も長波長側にあるものを選択し、そのピークにおいて、ピーク強度の半分の強度を示す波長のうち長い方の波長を指す。
例えば、色変換フィルムから出光された光のスペクトルが図7に示す形状である場合、極大強度を示すピークのうち最も短波長側にあるものはPmin、最も短波長側にあるものはPmaxであり、出光帯域はλZ(nm)からλW(nm)までである。
また、ある帯域での平均透過率は、反射スペクトルにおいて当該帯域における透過率を1nm刻みで読みとり、読み取った値の総和を読み取った値の個数で除した値として算出する。
光源、色変換フィルム、第1の反射フィルムの順番で設けた際には、色変換フィルムで光源からの入射光が長波長の光に変換された後、第1の反射フィルムを通って光源ユニットから出光される。
ここで、第1の反射フィルムの、色変換フィルムから長波長の光に変換された光に対する反射率が高すぎる場合、色変換フィルムで長波長の光に変換された変換光は第1の反射フィルムで反射されて色変換フィルムや光源側へと戻り、結果として光源ユニットから出光される光量の低下をもたらす。
本発明では、第1の反射フィルムが、色変換フィルムから出光した光を80%以上透過することにより、色変換フィルムにて長波長の光に変換された光が光源ユニット内で損失することなく光源ユニットの外へ出光されるため、より効率的で輝度の高い光源ユニットとすることが容易となる。
第1の反射フィルムとしては、好ましくは色変換フィルムから出光した光を90%以上透過することであり、さらに好ましくは95%以上透過することである。色変換フィルムから出光した光の透過率が高くなるに従い、色変換フィルム中の色変換材料の含有量を減らしても高い輝度の光源ユニットとすることができ、輝度向上に加えて低コスト化の効果も得られるようになる。
このような第1の反射フィルムを得るための手法としては、第1の反射フィルムを構成する各層の厚みを制御することに加えて、表面への低屈折率層を設けることや、反射防止加工を施すこと等が挙げられる。
また、色変換フィルムから光源ユニットの外へ出光される光の光量を増大させるためには、色変換フィルムと第1の反射フィルムが空気を介さずして一体化されていることも好ましい。ここで空気を介さずして一体化されているとは、色変換フィルムと第1の反射フィルムが粘着層など機能層を介して貼りあわされたものや、第1の反射フィルムを基材として色変換材料を含む色変換層を設けて色変換フィルムとしたものを指し、その一例を図3に示す。
図3(a)は第1の反射フィルム6を基材として色変換層5を設けたものの例である。第1の反射フィルムや色変換フィルムの表面では、フィルムと空気との屈折率差に基づいた表面反射が生じ、結果として本来透過させたい光もわずかながら反射させてしまう。色変換フィルムと第1の反射フィルムを空気を介さずして一体化させることにより、この表面反射を抑制することができ、光源ユニットから出光する光の光量低下をより抑制することができる。
また、図3(b)に示すように、色変換フィルム5と第1の反射フィルム6との間に機能層12を有していてもよい。ここで第1の反射フィルムの屈折率をn1、色変換フィルムの屈折率をn2、機能層の屈折率をn3としたとき、機能層の屈折率n3がn1とn2の間であることが好ましい。n3がn1とn2の間であるとは、n3=n1である場合やn3=n2である場合は含まない。
ここでいう第1の反射フィルムおよび色変換フィルムの屈折率とは、フィルムの最表層となる層の面内平均屈折率を指す。この場合、機能層の屈折率の効果により、従来屈折率の異なる積層フィルムと色変換フィルムとの間での反射を抑制でき、光源からの光が効率的に透過するため輝度向上が容易となる。
本発明の光源ユニットにおいては、第1の反射フィルムの反射帯域の長波長端が、光源の発光帯域の長波長端よりも長波長側にあり、かつ色変換フィルムの出光帯域の短波長端よりも短波長側にあることが好ましい。
第1の反射フィルムの反射帯域の短波長端とは、第1の反射フィルムの反射スペクトルにおいて最大反射率の半分の反射率を示す波長のうち短い方の波長を指し、第1の反射フィルムの反射帯域の長波長端とは、第1の反射フィルムの反射スペクトルにおいて最大反射率の半分の反射率を示す波長のうち長い方の波長を指す。例えば、第1の反射フィルムの反射スペクトルが図8に示す形状である場合、短波長端はλU(nm)、短波長端はλV(nm)である。
たとえばモバイルディスプレイのように、光源ユニットの設計やそれを用いたディスプレイの使用方法によっては正面から見た際の輝度が重要となる。その場合、上記関係にあることで、色変換フィルムから出光した光を第1の反射フィルムでロスすることなく光源ユニットから出光させることができ、優れた正面輝度の向上効果が得られる。さらに、正面方向への指向性の高い光源からの光を効率的に第1の反射フィルムで色変換フィルムへ反射することができることから、色変換フィルムでの長波長の光への変換効率を向上させることができる。その結果として高い輝度を維持しつつ色変換フィルムに用いる色変換材料の使用量を削減することが可能となる。
<反射層>
本発明の光源ユニットにおいては、光源から出光した光が色変換フィルムへ向かって進行する方向とは逆向きに進行する光を反射するように配置されてなるように、さらに反射層を備えることが好ましい。第1の反射フィルムにより色変換フィルム側に光を反射するだけでは光源ユニットから出光される光量が低下するが、その反射された光を反射層により再度色変換フィルム側へ反射することにより、光源ユニットから出光される光量低下を抑制することができる。
この効果を十分得るため、反射層は光源および色変換フィルムから発光された光を30%以上反射することが好ましく、50%以上反射することがより好ましい。ここでいう光源および色変換フィルムから発光された光をX%以上反射するとは、反射層の入射角度10度での反射スペクトルにおいて上述の光源の発光および色変換フィルムにより長波長の光へと変換された光の発光帯域での平均反射率(以下、反射層の反射率)がX%以上であることとする。
より好ましくは反射層の反射率が80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。反射層の反射率が高くなるに従い、光源ユニットから出光される光量低下が抑制される。
本発明の光源ユニットにおいては、反射層の反射帯域の長波長端が、色変換フィルムの発光帯域の長波長端よりも長波長側にあり、かつ反射層の反射帯域の短波長端が光源の出光帯域の短波長端よりも短波長側にあることが好ましい。上記関係にあることにより、光源ユニットから出光される光量低下を抑制することができ、結果として高い輝度を維持しつつ色変換フィルムに用いる色変換材料の使用量を削減することが可能となる。
反射層としては、散乱性粒子を含有する樹脂からなる層や白色フィルム、異なる複数の熱可塑性樹脂が交互に11層以上積層されてなるフィルムであることが好ましい。
散乱性粒子を含有する樹脂からなる層を用いる場合、散乱性粒子としては金属酸化物又は金属窒化物が好ましい。これらは、高屈折率であり、反射率が高いため、効率よく光を散乱させることができる。
金属酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられ、中でも酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ア
ルミニウムが好ましく、紫外から青の光吸収が少ないことから酸化ジルコニウム、酸化ア
ルミニウムが特に好ましい。また、金属窒化物としては例えば窒化ガリウム、窒化ケイ素
等が挙げられ、中でも窒化ガリウムが好ましい。これらは、高屈折率であり、反射率が高
いため、本発明の効果が得られやすい。また、金属酸窒化物も同様に好ましい。これらは
1種のみを用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂としては例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
白色フィルムを用いる場合、反射率を高くするため、内部に粒子や気泡を含有する白色フィルムが好ましく使用される。内部に散乱性の粒子を含有する白色フィルムとは、例えば、熱可塑性樹脂等からなるフィルムに、有機粒子や無機粒子を含有させることによって白色を呈するようにしたフィルムである。内部に気泡を含有する白色フィルムとは、例えば、熱可塑性樹脂等からなるフィルムに、気泡を含有させることによって白色を呈するようにしたフィルムである。散乱性の粒子としては散乱性粒子を含有する樹脂からなる層に適用できるものと同様のものを使用することができる。
内部に気泡を有する白色フィルムは特に限定されるものではないが、多孔質の未延伸、あるいは二軸延伸ポリプロピレンフィルム、多孔質の未延伸あるいは延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが例として挙げられる。これらの製造方法等については、特開平8−262208号公報の〔0034〕〜〔0057〕、特開2002−90515号公報の〔0007〕〜〔0018〕、特開2002−138150号公報の〔0008〕〜〔0034〕等に詳細に開示されている。中でも特開2002−90515号公報に開示されている多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、あるいはポリエチレンナフタレートと混合及び/又は共重合した多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
白色フィルムは市販されているものを使用することもできる。例えば、“ルミラー(登録商標)”E20(東レ(株)製)、SY90、SY95(SKC製)、“テトロン(登録商標)”フィルムUXSP、UXJP(帝人デュポンフィルム(株)製)、“ルミラー(登録商標)”E60L、E6SL、E6SR、E6SQ、E6Z、E80A、E85D(東レ(株)製)、“テトロン(登録商標)”フィルムUX、UXE、UXS7、UXQ1(帝人デュポンフィルム(株)製)、Lumirex(登録商標)II(三菱樹脂(株)製)などが挙げられる。また、これら以外の構成である白色フィルムの例として、Optilon(登録商標) ACR3000、ACR3020(デュポン(株)製)、“MCPET(登録商標)”(古河電機工業(株)製)が挙げられる。
異なる複数の熱可塑性樹脂が交互に11層以上積層されてなるフィルムについては後述の第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムと同様の方法にて得ることができる。市販されているものとしては例えば、“ESRシリーズ(3M製)”がある。
<第2の反射フィルム>
本発明の光源ユニットは、図1(c)のごとく、光源と色変換フィルムとの間に、色変換フィルムから出光された光を30%以上反射し、かつ光源から発光された光を80%以上透過する第2の反射フィルムを含むことも好ましい。ここでいう光源から発光された光を80%以上透過するとは、第2の反射フィルムの入射角度0度での透過スペクトルにおいて上述の光源の発光帯域での平均透過率が80%以上であることとする。
第2の反射フィルムが光源から入射された光を80%以上透過することで、光源から入射された光が色変換フィルムに到達する光量が増大し、色変換フィルムから出光する光量を容易に高めることが可能となる。より好ましくは、光源から第2の反射フィルムに入射される入射光の、入射角度0度における透過率が85%以上であり、さらに好ましくは、90%以上である。
また第2の反射フィルムは、色変換フィルムから出光された光を30%以上反射することが好ましい。色変換フィルムから出光された光を30%以上反射するとは、第2の反射フィルムの入射角度10度での反射スペクトルにおいて上述の色変換フィルムの出光帯域内での平均反射率が30%以上であることとする。
本発明の光源ユニットにおいては、第2の反射フィルムの反射帯域の長波長端が、色変換フィルムの発光帯域の長波長端よりも長波長側にあることが好ましい。また、第2の反射フィルムの反射帯域の短波長端が光源の出光帯域の長波長端よりも長波長側にあり、かつ、色変換フィルムの出光帯域の短波長端よりも短波長側にあることが好ましい。上記関係にあることにより、光源からの発光を効率よく透過させ、かつ色変換フィルムから出光された光を効率よく反射することができるため、光源ユニットから出光される光量を増大することができ、結果として高い輝度のバックライトユニットを得ることができる。
色変換材料を含む色変換フィルムを用いた光源ユニットにおいて輝度が低下する原因の一つは、色変換フィルムからの光が等方的に発光することによる迷光でのロスである。特に、色変換フィルムから光源側に出光された光が光源ユニット内で迷光することがロスの主因となる。上記のような第2の反射フィルムを用いることで、色変換フィルムからの光を色変換フィルム直下にて反射することができ、光源側でのキャビティー内での迷光による輝度低下を抑制することが容易になる。
好ましくは、第2の反射フィルムの入射角度10度および60度での反射スペクトルにおいて上述の光源の発光帯域内での最大反射率が30%以上であることである。色変換フィルムから出光された光は等方的な発光であるため幅広い入射角度の光を反射することが好ましく、入射角度10度および60度で入射される光を反射できることで、輝度がさらに向上するのに有効なものとなる。
また、好ましくは、入射角度10度または60度での第2の反射フィルムの反射スペクトルにおいて、色変換フィルムの出光帯域における平均反射率が30%以上であることであり、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは90%以上である。色変換フィルムの出光帯域における平均反射率が大きくなるに従い、色変換フィルムより光源側に出光された光を視認側へと変換する効果が高くなり、より輝度の高い光源ユニットを得られるものである。
本発明の光源ユニットを構成する第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムは、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。熱可塑性樹脂は一般的に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂と比べて安価であり、かつ公知の溶融押出により簡便かつ連続的にシート化することができることから、低コストでこれらの反射フィルムを得ることが可能となる。
本発明の光源ユニットを構成する第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムは、異なる複数の熱可塑性樹脂が交互に11層以上積層されてなることが好ましい。ここでいう異なる複数の熱可塑性樹脂とは、フィルムの面内で任意に選択される直交する2方向および該面に垂直な方向のいずれかにおいて、屈折率が0.01以上異なることを指す。
また、ここでいう交互に積層されてなるとは、異なる熱可塑性樹脂からなる層が厚み方向に規則的な配列で積層されていることをいう。例えば、これらの反射フィルムが2種類の熱可塑性樹脂X、Yからなる場合、各々の層をX層,Y層と表現すれば、X(YX)n(nは自然数)のように積層されたものである。熱可塑性樹脂X、Y、Zからなる場合は、Z(XYZ)n(nは自然数)のように積層されたものである。このように光学的性質の異なる樹脂が交互に積層されることにより、各層の屈折率の差と層厚みとの関係より設計した波長の光を反射させることが出来る干渉反射を発現させることが可能となる。
また、積層する層数がそれぞれ10層以下の場合には、所望する帯域において高い反射率を得られない。積層する層数は好ましくは100層以上であり、より好ましくは200層以上であり、さらに好ましくは600層以上である。
また、前述の干渉反射は、層数が増えるほどより波長帯域を広げたり、高い反射率を達成できるようになり、所望する帯域の光を反射する反射フィルムが得られるようになる。層数に上限はないものの、総数が増えるに従い製造装置の大型化に伴う製造コストの増加や、フィルム厚みが厚くなることでのハンドリング性の悪化が生じるために、現実的には10000層以下が好ましい。
本発明では、図4に示すように、色変換フィルム5と第2の反射フィルム8が一体化されていることが好ましい。
両者が一体化されている場合、色変換フィルムと第2の反射フィルムとの間の空間が無くなる。これにより、迷光による光のロスを抑制することと、色変換フィルム表面の空気との間の反射をなくすことができ、輝度向上の効果が顕著になる。
本発明の光源ユニットを構成する第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどの鎖状ポリオレフィン、ノルボルネン類の開環メタセシス重合,付加重合,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。
これらの中で、強度・耐熱性・透明性および汎用性の観点から、特にポリエステルを用いることがより好ましい。これらは、共重合体であっても、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。
ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。
中でも高い屈折率を発現するテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムにおいては、熱可塑性樹脂が、例えば、上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体などを用いることが好ましい。
第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムにおいては、十分な反射率が得られ輝度向上性能がより向上する観点から、熱可塑性樹脂XからなるX層と熱可塑性樹脂YからなるY層の面内平均屈折率の差が0.03以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。面内平均屈折率の差が0.03より小さい場合には、十分な反射率が得られないために輝度向上性能が不足する場合がある。
この達成方法としては、熱可塑性樹脂Xが結晶性樹脂であり、熱可塑性樹脂Yが非晶性樹脂を用いることが挙げられる。この場合、これらの反射フィルムの製造における延伸、熱処理工程において容易に屈折率差を設けることが可能となる。
熱可塑性樹脂Xと熱可塑性樹脂Yの組み合わせとしては、各熱可塑性樹脂のSP値の差の絶対値が1.0以下であるような組み合わせが好ましい。SP値の差の絶対値が1.0以下であると層間剥離が生じにくくなる。
ここで、溶解パラメータ(SP値)は、一般的に用いられている、Poly.Eng.Sci.,vol.14,No.2,pp147−154(1974)などに記載のFedorsの推算法を用い、樹脂を構成するモノマーの種類と比率から算出される値である。複数種類の樹脂の混合物に関しても、同様の方法により算出できる。例えば、ポリメタクリル酸メチルのSP値は9.5(cal/cm3)0.5、ポリエチレンテレフタレート(PET)のSP値は10.7(cal/cm3)0.5、ビスフェノールA系エポキシ樹脂のSP値は10.9(cal/cm3)0.5と算出できる。
熱可塑性樹脂Xと熱可塑性樹脂Yが同一の基本骨格を供えた組み合わせからなることが好ましい。ここでいう基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことである。たとえば、熱可塑性樹脂Xとしてポリエチレンテレフタレートを用いる場合は、熱可塑性樹脂Yは高精度な積層構造が実現しやすい観点から、ポリエチレンテレフタレートと同一の基本骨格であるエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。熱可塑性樹脂Xと熱可塑性樹脂Yが同一の基本骨格を含む樹脂であると、積層精度が高く、さらに積層界面での層間剥離が生じにくくなるものである。
また、熱可塑性樹脂Xが結晶性、熱可塑性樹脂Yが非晶性であり、熱可塑性樹脂Xのガラス転移温度が熱可塑性樹脂Yのガラス転移温度よりも低いことも好ましい。この場合、積層フィルムにおいて結晶性樹脂を配向・結晶化させるのに適当な延伸温度で延伸したときに、結晶性樹脂と比べて非晶性樹脂の配向を抑制することができ、容易に屈折率差を設けることが可能となる。
なお、ここでいう結晶性樹脂とは、具体的には、JIS K7122(1999)に準じて示差走査熱量測定(以下、DSCと称することがある。)を行い、昇温速度20℃/分で樹脂を25℃から300℃の温度まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)し、その状態で5分間保持後、次いで25℃以下の温度となるように急冷し、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、融解ピークのピーク面積から求められる融解エンタルピー(ΔHm)が、15J/g以上である樹脂のことを指す。
また、非晶性樹脂とは、上記と同じ条件で求められる融解エンタルピー(ΔHm)が、5J/g以下の樹脂のことを指す。
上記の条件を満たすための熱可塑性樹脂の組合せの一例として、熱可塑性樹脂Xがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Yがスピログリコール由来のポリエステルを含んでなるポリエステルであることが好ましい。
スピログリコール由来のポリエステルとは、スピログリコールをジオール成分として用いたポリエステルであって、他のエステル構造単位との共重合体、スピログリコールを単一のジオール成分として用いたポリエステル、またはそれらを他のポリエステル樹脂とブレンドし、好ましくスピログリコール残基がポリエステル樹脂中の全ジオール残基の半数以上を占めるポリエステルのことを言う。スピログリコール由来のポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、フィルム製膜時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。
より好ましくは、熱可塑性樹脂Xがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Yがスピログリコールとシクロヘキサンジカルボン酸とが用いられたポリエステルであることが好ましい。スピログリコールとシクロヘキサンジカルボン酸とを用いて得たポリエステルであると、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとの面内屈折率差が大きくなるため、高い反射率が得られやすくなる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さく、接着性にも優れるため、製膜時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくい。
また、熱可塑性樹脂Xがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Yがシクロヘキサンジメタノール由来のポリエステルであることも好ましい。
シクロヘキサンジメタノール由来のポリエステルとは、シクロヘキサンジメタノールをジオール成分として用いたポリエステルであって、他のエステル構造単位との共重合体、シクロヘキサンジメタノールを単一のジオール成分として用いたポリエステル、またはそれらを他のポリエステル樹脂とブレンドし、好ましくはシクロヘキサンジメタノール残基がポリエステル樹脂中の全ジオール残基の半数以上を占めるポリエステルのことを言う。シクロヘキサンジメタノール由来のポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になることがなりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。
より好ましくは、少なくともひとつの熱可塑性樹脂がシクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体である。このようにすることにより、高い反射性能を有しながら、特に加熱や経時による光学的特性の変化が小さく、層間での剥離も生じにくくなる。シクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体は、ポリエチレンテレフタレートと非常に強く接着する。また、そのシクロヘキサンジメタノール基は幾何異性体としてシス体あるいはトランス体があり、また配座異性体としてイス型あるいはボート型もあるので、ポリエチレンテレフタレートと共延伸しても配向結晶化しにくく、高反射率で、熱履歴による光学特性の変化もさらに少なく、製膜時のやぶれも生じにくいものである。
本発明においては、色変換フィルムまたは積層フィルムが光源から離れて配置されていることが好ましい。色変換フィルムまたは積層フィルムが光源から離れていることによって、光源からの熱が色変換フィルムに伝わりにくくなり有機発光材料の劣化が抑制される。
<反射フィルムの製造方法>
次に、第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムの好ましい製造方法を、熱可塑性樹脂X,Yからなる積層フィルムを例にとり以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。また、本発明に用いる積層フィルムの積層構造は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段に記載の内容と同様の方法により簡便に実現できるものである。
熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。また、積層フィルム中に紫外線吸収剤を含む場合には、あらかじめ熱可塑性樹脂中に紫外線吸収剤を混練したペレットを準備し、熱可塑性樹脂と紫外線吸収剤とを押出機中にて混練する。
押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギアポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。
この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
また、熱可塑樹脂Xおよび熱可塑樹脂Yを、2台以上の押出機を用いて異なる流路から多層積層装置に送り込み、積層フィルムを作製することが好ましい。
多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、51個以上の微細スリットを有するフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。
このようにして所望の層構成に形成した溶融多層積層体をダイへと導き、上述と同様にキャスティングフィルムが得られる。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、二軸延伸することが好ましい。ここで、二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。
逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言う。通常は、ロールの周速差により延伸される。この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。特に、積層フィルムと色変換フィルムを含む積層部材を形成する際には、積層フィルムの最表層となる熱可塑性樹脂Xよりも低く、色変換フィルムの最表層となるフィルムの屈折率よりも高い屈折率となる樹脂をインラインコーティングすることが好ましい。
幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸をいう。通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸される。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。熱処理を行うことにより、成形用フィルムの寸法安定性が向上する。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/または直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
<光拡散フィルム>
本発明の光源ユニットは、色変換フィルムのいずれか一方または両方の面に光拡散フィルムが積層されていることが好ましい。光源からの光のムラを軽減し、光を均一に拡散させる効果があると同時に、後述のプリズムシートと同様に集光の効果を示し、正面方向の輝度向上に寄与するからである。また、光源からの発光の指向性を軽減し、有機発光材料からの発光を色変換フィルムの外部へ取り出しやすくすることによって、光源からの発光と有機発光材料からの発光の比率を、最適な状態に調整する効果もある。
光拡散フィルムは、モアレ防止や光沢抑制の目的でプリズムシートの上部に配置される上拡散フィルムと、透明度が高くプリズムシートの下部に配置される下拡散フィルムに分類される。ディスプレイや照明用途では一般的には下拡散フィルムのみが使用されるが、目的に応じて上拡散フィルムと組み合わせる構成をとっても良い。
光拡散フィルムとしては、例えば、ライトアップならびにケミカルマット((株)きもと製)、オパルス((株)恵和製)、Dシリーズ((株)ツジデン製)、CH/JS(SKC Haas Display Films製)などが挙げられる。
<プリズムシート>
本発明の光源ユニットは、色変換フィルムの光出射面に、プリズムシートが設けられていることが好ましい。光源側から照射された光を集光することにより正面方向の輝度を向上させるとともに、バックライトの明るさを均一にするからである。ここで光出射面とは、ディスプレイ用途においては表示面側のことを指し、照明用途においては発光面側のことを指す。
プリズムシートは一般的に光学用の透明PETフィルム上に、頂角90度の二等辺三角形形状やマイクロレンズ形状のプリズムパターンを形成した構造になっている。プリズムシートの使用枚数は1枚以上であれば特に制限はないが、正面輝度をより向上させるには2枚のプリズムシートを直交させて使用することが好ましい。前述の光拡散フィルムと組み合わせて使用することにより、正面輝度向上の効果がより強く発揮される。
プリズムシートとしては、例えば、BEFシリーズ(3M製)、ダイヤアート(三菱レイヨン(株)製)GTL5000・GTL6000シリーズ(五洋紙工(株)製)などが挙げられる。
本発明の光源ユニットは、ディスプレイ、照明、インテリア、標識、看板、などの用途に使用できるが、特にディスプレイや照明用途に好適に用いられる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。ただし、実施例1〜3は比較例に読み替える。
<有機発光材料>
下記の実施例および比較例において、化合物G−1、R−1は以下に示す化合物である。
<第1の反射フィルム、第2の反射フィルム、反射層の反射率の測定>
日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変透過付属装置を取り付け、入射角度φ=10度および60度における波長250〜800nmの絶対反射率を測定した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。サンプルを5cm×10cmで切り出し測定した。
第1の反射フィルムの反射スペクトルにおいて最大反射率の半分の反射率を示す波長のうち最も長い波長を第1の反射フィルムの反射帯域の長波長端とした。
第1の反射フィルムの反射スペクトルにおいての光源の発光帯域における反射率を1nm刻みで読みとった。読み取った値の総和を読み取った値の個数で除した値を第1の反射フィルムの光源の発光帯域における平均反射率とした。
第2の反射フィルムの反射スペクトルにおいて最大反射率の半分の反射率を示す波長のうち最も短い波長を第2の反射フィルムの反射帯域の短波長端とした。また、第2の反射フィルムの反射スペクトルにおいて最大反射率の半分の反射率を示す波長のうち最も長い波長を第2の反射フィルムの反射帯域の長波長端とした。
第2の反射フィルムの反射スペクトルにおいての色変換フィルムの出光帯域における反射率を1nm刻みで読みとった。読み取った値の総和を読み取った値の個数で除した値を第2の反射フィルムの色変換フィルムの出光帯域における平均反射率とした。
反射層の反射スペクトルにおいて光源の発光の短波長端から色変換フィルムから出光された光の長波長端までの値を1nm刻みで読み取った。読み取った値の総和を読み取った値の個数で除した値を反射層の、光源の発光帯域および色変換フィルムの出光帯域における平均反射率とした。
<第1の反射フィルムおよび第2の反射フィルムの透過率の測定>
反射フィルムの透過率は分光光度計(U−4100 Spectrophotomater(日立製作所製)に付属の積分球を用いた基本構成で、各実施例で作成した反射フィルムを測定することで得た。測定条件については、スリットは2nmとし、走査速度を600nm/分とした。また測定時の入射角度は0度とした。
第1の反射フィルムの透過スペクトルにおいての色変換フィルムの出光帯域における透過率を1nm刻みで読みとった。読み取った値の総和を読み取った値の個数で除した値を第1の反射フィルムの色変換フィルムの出光帯域における平均透過率とした。
第2の反射フィルムの透過スペクトルにおいての光源の発光帯域における透過率を1nm刻みで読みとった。読み取った値の総和を読み取った値の個数で除した値を第2の反射フィルムの光源の発光帯域における平均透過率とした。
<光源ユニットの色度および輝度測定>
輝度評価用に反射層、光源、色変換フィルム、第1の反射フィルム、第2の反射フィルム、導光板、プリズムシート、偏光反射フィルムを用いて図5(a)または図5(b)または図5(c)に示す構成とした場合の色度および輝度を、コニカミノルタセンシング株式会社製分光放射輝度計を用いて測定した。比較例1における輝度を100としたときの相対的な輝度を表2に記載した。
なお、図5(a)は、図1(b)に示すようないわゆるエッジライト型の構成の上に、プリズムシート13および偏光反射フィルム14を配置したものである。
図5(b)は図5(a)の構成において、導光板7と色変換フィルム5の間に第2の色変換フィルム8を配置したものである。
図5(c)は図5(a)の構成において、反射層8を設けないこととしたものである。
<色域の算出>
輝度測定によりで得られた発光スペクトルデータと、カラーフィルターの透過率のスペクトルデータから、カラーフィルターにより色純度を向上させた場合の(u’、v’)色空間における色域を算出した。また、算出された(u’、v’)色空間における色域の面積は、BT.2020規格の色域面積を100%とした場合の割合により評価した。この割合が高いほど色再現性が良好である。
(実施例1)
第1の反射フィルムは以下に示す方法にて得た。熱可塑性樹脂Aとして、融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして融点を持たない非晶性樹脂であるシクロヘキサンジメタノールを共重合したエチレンテレフタレート(PETG)を用いた。
準備した熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれ、2台の単軸押出機に投入し、280℃で溶融させて、混練した。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて計量しながら、スリット数11個で最表層厚みがフィルム厚みの5%となるように設計された積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に11層積層された積層体とした。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、スリット長さ、間隔は全て一定とした。
得られた積層体は、熱可塑性樹脂Aが6層、熱可塑性樹脂Bが5層であり、厚み方向に交互に積層された積層構造を有していた。口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さを口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さで割った値を2.5となるようにした。
得られたキャストフィルムを、130℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、フィルム長手方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。続いて、この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。該易接着層の屈折率は1.57であった。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、110℃の熱風で予熱後、130℃の温度でフィルム幅方向に4.5倍延伸した。ここでの延伸速度と温度は一定とした。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に2%の弛緩処理を、さらに100度まで急冷した後に幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、巻き取り第1の反射フィルムを得た。
この第1の反射フィルムは、反射帯域の長波長端464nmであり、光源の発光帯域(440〜460nm)における平均反射率が24%であり、かつ色変換フィルムの出光帯域(517〜662nm)における平均透過率が86%であった。
有機発光材料を含む色変換フィルムは以下の方法にて得た。バインダー樹脂としてアクリル樹脂(SP値=9.5(cal/cm3)0.5)を用い、バインダー樹脂100重量部に対して、発光材料(a)として化合物G−1を0.12重量部、発光材料(b)として化合物R−1を0.01重量部、溶剤としてトルエンを400重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK−400”(クラボウ製)を用い、300rpmで20分間撹拌・脱泡して色変換組成物を得た。
次に、得られた色変換組成物をスリットダイコーターを用いて、PETフィルム“ルミラー”U48(東レ(株)製、厚さ50μm)上に厚み35μmで塗布し、100℃で60分加熱、乾燥することで色変換フィルムを作製した。
この色変換フィルムは、発光帯域が440〜460nmである光源の光を入射したときの出光帯域が517〜662nmであり、緑色のピーク波長は528nm、赤色のピーク波長は641nmであった。
市販のタブレット端末(Amazon社製Kindle FireHDX 7”)を分解し、反射層、光源、導光板、プリズムシートを取り出した。これらと、偏光反射フィルム(DBEF−D2−280(3M社製))、得られた第1の反射フィルム、色変換フィルムを用い、図5(a)に示す構成の光源ユニットを作製した。第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表1に示す。
第1の反射フィルムを用いない比較例1と比較し、色変換層の厚みが薄いにもかかわらず光源ユニットの色度は同じとなっている。つまり、色変換フィルムでの色変換が効率良く行われていることがわかった。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例2)
熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を51層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層数を50層としたことと、色変換層の厚みを33μmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた第1の反射フィルムは、反射帯域の長波長端が465nmであり、光源の発光帯域(440〜460nm)における平均反射率が36%であり、かつ色変換フィルムの出光帯域(517〜662nm)における平均透過率が90%であった。
第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。実施例1と比較し、色変換層の厚みが薄いにもかかわらず光源ユニットの色度は同じとなっている。つまり、色変換フィルムでの色変換がより効率良く行われていることがわかった。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例3)
熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を101層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層数を100層としたことと、色変換層の厚みを30μmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた第1の反射フィルムは、反射帯域の長波長端が469nmであり、光源の発光帯域(440〜460nm)における平均反射率が51%であり、かつ色変換フィルムの出光帯域(517〜662nm)における平均透過率が90%であった。
第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。実施例2と比較し、色変換層の厚みが薄いにもかかわらず光源ユニットの色度は同じとなっている。つまり、色変換フィルムでの色変換がより効率良く行われていることがわかった。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例4)
熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を301層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層数を300層としたことと、色変換層の厚みを25μmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた第1の反射フィルムは、反射帯域の長波長端が472nmであり、光源の発光帯域(440〜460nm)における平均反射率が78%であり、かつ色変換フィルムの出光帯域(517〜662nm)における平均透過率が90%であった。
第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。実施例3と比較し、色変換層の厚みが薄いにもかかわらず光源ユニットの色度は同じとなっている。つまり、色変換フィルムでの色変換がより効率良く行われていることがわかった。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例5)
色変換フィルム作成時の基材として実施例4で作製した第1の反射フィルムを用いたこと以外は、実施例4と同様の操作を行った。第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。実施例4と同様に色変換フィルムでの色変換が効率良く行われていることがわかった。また色変換フィルムと第1の反射フィルムを一体化したことにより実施例4よりも輝度が向上した。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例6)
反射層を用いず、図5(c)に示す光源ユニットを作製したこと以外は、実施例4と同様の操作を行った。第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。実施例4と同様に色変換フィルムでの色変換は効率良く行われたが、輝度は低下してしまった。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例7)
反射層を以下に示す方法により作製した。シリコーン樹脂(SCR−1016−A/B(信越化学工業製))100重量部に対して、二酸化チタン(JR−301(テイカ株式会社製))を15重量部、溶剤としてトルエンを5重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK−400”(クラボウ製)を用い、300rpmで20分間撹拌・脱泡して反射層作製用樹脂組成物を得た。得られた反射層作製用樹脂組成物をスリットダイコーターを用いて、PETフィルム“ルミラー”U48(東レ(株)製、厚さ50μm)上に厚み50μmで塗布し、100℃で60分加熱、乾燥することで反射層つきPETフィルムを得た。光源の発光帯域および第1の反射フィルムの出光帯域における平均反射率を測定したところ80%であった。
この反射層つきPETフィルムを反射層として使用したこと以外は実施例4と同様の操作を行った。第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。実施例4と同様に色変換フィルムでの色変換は効率良く行われた。輝度は実施例4と比較すると劣るものであったが、光源ユニットとしては十分使用できるものであったまた、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例8)
第2の反射フィルムとして、熱可塑性樹脂Aとして、融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、また熱可塑性樹脂Bとして融点を持たない非晶性樹脂であるスピログリコール25mol%、シクロヘキサンジカルボン酸30mol%共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用い、かつ熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を301層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層厚みを300層とした反射フィルムを作製した。第2の反射フィルムは、反射帯域が493〜811nmであり、色変換フィルムの出光帯域内での平均反射率が94%であり、かつ光源の発光帯域内での平均透過率が91%であった。
得られた第1の反射フィルム、第2の反射フィルム、色変換フィルムを用いて図5(b)に示す構成の光源ユニットを作製したこと以外は実施例4と同様の操作を行った。第1の反射フィルム、第2の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。
実施例4と同様に色変換フィルムでの色変換が効率良く行われていることが確認できた。また、第2の反射フィルムがあることにより輝度は実施例4よりも向上した。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例9)
色変換フィルム作製用の基材に実施例7で作製した第2の反射フィルムを用いて実施例4と同様の操作にて色変換フィルムを作製した。得られた色変換フィルムの色変換層側に接着剤を介して実施例4で作製した第1の反射フィルムを貼り合わせることにより第1の反射フィルム/色変換層/第2の反射フィルムの構成の色変換フィルムを得た。この色変換フィルムを用いて図5(b)に示す構成の光源ユニットを作製したこと以外は実施例4と同様の操作を行った。第1の反射フィルム、第2の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。第2の反射フィルムも一体化したことにより実施例7よりもさらに輝度が向上した。また、得られた光源ユニットは色域に優れるものであった。
(実施例10)
光源の発光波長帯域が450〜470nmであり、発光ピーク波長が460nmのものを用いたことと、色変換フィルムの膜厚を21μmとしたこと以外は実施例4と同様の操作を行った。第1の反射フィルム、色変換フィルムならびにこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。実施例4と比較し色変換フィルムでの色変換がさらに効率良く行われることがわかった。また、得られた光源ユニットは輝度、色域ともに実施例4より優れるものであった。
(比較例1)
第1の反射フィルムを用いないことと、色変換フィルムの厚みを38μmとしたこと以外は実施例4と同様の操作を行った。色変換フィルムおよび光源ユニットの評価結果を表2に示す。
(比較例2)
熱可塑性樹脂Aとして、融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いたことと、色変換フィルムの厚みを15μmとしたこと以外は実施例4と同様の操作を行った。
得られた第1の反射フィルムは、反射帯域の長波長端が472nmであり、光源の発光帯域(440〜460nm)における平均反射率が98%であり、かつ色変換フィルムの出光帯域(517〜662nm)における平均透過率が90%であった。
第1の反射フィルム、色変換フィルムおよびこれらを用いた光源ユニットの評価結果を表2に示す。色変換フィルムでの色変換は効率良く行われたが、第1の反射フィルムの光源の発光帯域での反射率が高すぎることから光源からの発光ユニットから出光される光量が大幅に減少し、十分な輝度の光源ユニットにはならなかった。
(比較例3)
反射帯域が318〜1215nm、反射帯域での平均反射率が70%である第1の反射フィルムを用いたことと、色変換フィルムの厚みを20μmとしたこと以外は、比較例2と同様の操作を行った。第1の反射フィルム、色変換フィルムおよびこれらを含む光源ユニットの評価結果を表2に示す。光源の発光帯域での反射率は十分に高いため色変換フィルムでの色変換は効率良く行われたが、色変換フィルムの出光帯域での反射率も高いことから光源ユニットから出光する光量が大幅に低下し、光源ユニットの輝度は著しく低下した。