JP6975691B2 - 免震装置の取出方法、及び、上部構造物の駆体拡張構造 - Google Patents

免震装置の取出方法、及び、上部構造物の駆体拡張構造 Download PDF

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本発明は、下部構造物と上部構造物との間隙から既設の免震装置を取り出すための免震装置の取出方法と、その方法で用いられる上部構造物の駆体拡張構造に関する。
図5は、下部構造物の駆体である基礎92と、上部構造物の駆体であるキャピタル93との間隙に設置された既設の免震装置91を示している。この免震装置91の周辺にジャッキ装置を設置し、そのジャッキ装置を作動させて上部構造物をジャッキアップすることにより、免震装置91を間隙から取り出せる状態となり、延いては免震装置91の交換を行うことができる。かかる手法は、例えば特許文献1に記載されている。
図5に示す例では、既存のキャピタル93をジャッキ装置で支持するための十分なスペースが無いため、図6のように増し打ちコンクリート95を打設することでキャピタル93を拡張し、その増し打ちコンクリート95をジャッキ装置97で支持している。この場合、増し打ちコンクリート95の内部に配置されたPC鋼棒96(緊張材の一例)を緊張させてプレストレスを導入することにより、既存のキャピタル93と増し打ちコンクリート95との間の摩擦力を高めて力を確実に伝達させることができる。かかる手法は、例えば特許文献2に記載されている。
このプレストレスの導入は、ポストテンション方式によって行われる。具体的には、増し打ちコンクリート95を打設する際、その増し打ちコンクリート95を貫通するように、シース管を内部に埋設しておき、増し打ちコンクリート95が固まった後でPC鋼棒96をシース管に挿入する。そして、図示しない引張用ジャッキ装置でPC鋼棒96を緊張させてプレストレスを導入した後、ナット99を締め付けてPC鋼棒96の両端部を固定する。PC鋼棒96の両端部に取り付けられた支圧板98は、ナット99の締め付けに応じて増し打ちコンクリート95の側面に圧接される。
ところで、施工現場によっては、既存の周辺設備の影響によりキャピタルの拡張に不都合を生じる場合がある。例えば、図6に破線で示したように、増し打ちコンクリート95の近傍にエレベータシャフト壁94(以下、「EVシャフト壁94」と呼ぶ)がある状況では、ナット99や引張用ジャッキ装置などを配置することができない。これに対し、EVシャフト壁94に貫通孔を設けてナット99などを反対側に突出させると、エレベータの使用に支障を来たす。また、ナット99などを配置できるように増し打ちコンクリート95の幅寸法を小さくすると、拡張面積が減るためにジャッキ装置97の設置に支障を来たしてしまう。
特開2008−163636号公報 特開2000−257273号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、既存の周辺設備の影響を減らして上部構造物の駆体を都合よく拡張できる免震装置の取出方法、及び、その方法で用いられる上部構造物の駆体拡張構造を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る免震装置の取出方法は、下部構造物と上部構造物との間隙から既設の免震装置を取り出すための免震装置の取出方法において、前記上部構造物の駆体の周囲に増し打ちコンクリートを打設することにより、前記上部構造物の駆体を拡張する拡張工程と、前記増し打ちコンクリートの内部に配置された緊張材を緊張させることにより、前記増し打ちコンクリートを前記上部構造物の駆体に圧接する圧接工程と、前記下部構造物と前記増し打ちコンクリートとの間隙にジャッキ装置を設置するジャッキ装置設置工程と、前記ジャッキ装置を作動させて前記上部構造物をジャッキアップし、前記免震装置を間隙から取り出す取出工程と、を備え、前記拡張工程では、前記増し打ちコンクリートを打設する際に、前記緊張材の一端部を内部に埋設しつつ前記緊張材の他端部を外部に配置しておき、前記圧接工程では、前記緊張材の両端部のうち前記他端部のみを操作して前記緊張材を緊張させるものである。
この方法では、増し打ちコンクリートを打設する際に緊張材の一端部を内部に埋設することから、その緊張材の一端部に対してナットや引張用ジャッキ装置を配置する必要がない。そのため、増し打ちコンクリートと既存の周辺設備との間に十分なスペースが無い場合であっても、その既存の周辺設備の影響を減らして上部構造物の駆体を都合よく拡張することができ、既設の免震装置を間隙から取り出すうえで有用となる。
前記拡張工程では、前記増し打ちコンクリートを打設する際に、前記緊張材の一端部を、その前記緊張材の一端部に取り付けられた支圧板とともに内部に埋設することが好ましい。支圧板を用いて緊張材の一端部に受圧面を形成することにより、増し打ちコンクリートの内部で緊張材の一端部を堅固に定着させることができる。
前記拡張工程では、前記緊張材の一端部を既存の周辺設備に設けた切り欠きに配置するものでもよい。これにより、緊張材の一端部を配置できる範囲が広がるため、緊張材の一端部をジャッキ装置の受圧面から離して配置したい場合などにおいて有用である。
また、本発明に係る上部構造物の駆体拡張構造は、下部構造物と上部構造物との間隙に設置された免震装置に接する前記上部構造物の駆体の周囲に打設された増し打ちコンクリートと、前記増し打ちコンクリートの内部に配置された緊張材とを備え、前記緊張材の緊張によって前記増し打ちコンクリートが前記上部構造物の駆体に圧接されているとともに、前記緊張材の一端部が前記増し打ちコンクリートの内部に埋設されたものである。
この構造では、緊張材の一端部が増し打ちコンクリートの内部に埋設されているため、その緊張材の一端部に対してナットや引張用ジャッキ装置を配置する必要がない。そのため、増し打ちコンクリートと既存の周辺設備との間に十分なスペースが無い場合であっても、その既存の周辺設備の影響を減らして上部構造物の駆体を都合よく拡張することができ、既設の免震装置を間隙から取り出すうえで有用となる。
既設の免震装置に接するキャピタルの周辺を示す(a)横断面図と(b)正面図 増し打ちコンクリートによって拡張したキャピタルの周辺を示す(a)横断面図と(b)正面図 増し打ちコンクリートに埋設されるPC鋼棒の一端部を示す断面図 別実施形態において拡張したキャピタルの周辺を示す(a)横断面図と(b)正面図 既設の免震装置に接するキャピタルの周辺を示す正面図 増し打ちコンクリートによって拡張したキャピタルの周辺を示す正面図
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、免震装置1は、下部構造物20と上部構造物30との間隙、より具体的には、下部構造物20の駆体である基礎2と、上部構造物30の駆体であるキャピタル3との間隙に設置されている。キャピタル3の周辺には、二つのエレベータシャフトEV1,EV2と、それらを区画するためのエレベータシャフト壁4(以下、「EVシャフト壁4」と呼ぶ)が設置されている。図1(a)は、既設の免震装置1に接するキャピタル3の周辺を示す横断面図であり、図1(b)のB−B断面に相当する。図1(b)は、そのキャピタル3の周辺を示す正面図であるが、EVシャフト壁4については図1(a)のA−A断面で示している。
免震装置1は、積層ゴム型の免震装置である。免震装置1は、柱状または筒状をなす胴体11と、胴体11の下端に形成された下側フランジ12と、胴体11の上端に形成された上側フランジ13とを備える。胴体11は、ゴムなどの弾性体と鋼板などの剛性体とを交互に積層して構成されている。但し、免震装置1の構造は、これに限定されるものではない。
免震装置の交換工事では、下部構造物20と上部構造物30との間隙から既設の免震装置1を取り出すとともに、それに代わる新たな免震装置を間隙内に設置することになる。免震装置1を間隙から取り出すためには、この免震装置1の周辺にジャッキ装置を設置し、そのジャッキ装置を作動させて上部構造物30をジャッキアップする必要がある。本実施形態では、既存のキャピタル3をジャッキ装置で支持するための十分なスペースが無いため、図1に破線で示すような増し打ちコンクリート5を打設することでキャピタル3を拡張しなければならない。
しかし、EVシャフト壁4の近傍に増し打ちコンクリート5が打設されるため、そのEVシャフト壁4と増し打ちコンクリート5との間には、後述する緊張材の端部や、それを固定するためのナット、緊張材を緊張させるための引張用ジャッキ装置などを配置するスペースが無い。それでいて、EVシャフト壁4に貫通孔を設けてナットなどをエレベータシャフトEV1,EV2に突出させると、エレベータの使用に支障を来たす。また、ナットなどを配置できるように増し打ちコンクリート5の幅寸法を小さくすると、拡張面積が減るためにジャッキ装置の設置に支障を来たす。つまり、既存の周辺設備であるEVシャフト壁4の影響により、キャピタル3の拡張に不都合を生じる状況となっている。
そこで、本実施形態では、EVシャフト壁4の影響を減らしてキャピタル3を都合よく拡張できるよう、以下に説明する方法により既設の免震装置1を間隙から取り出す。本実施形態の免震装置の取出方法は、図2に示すように、キャピタル3の周囲に増し打ちコンクリート5を打設することにより、キャピタル3を拡張する拡張工程と、増し打ちコンクリート5の内部に配置されたPC鋼棒6(緊張材の一例)を緊張させることにより、増し打ちコンクリート5をキャピタル3に圧接する圧接工程と、下部構造物20と増し打ちコンクリート5との間隙にジャッキ装置7を設置するジャッキ装置設置工程と、ジャッキ装置7を作動させて上部構造物30をジャッキアップし、免震装置1を間隙から取り出す取出工程と、を備える。
図2(a)は、増し打ちコンクリート5によって拡張したキャピタル3の周辺を示す横断面図であり、図2(b)のD−D断面に相当する。図2(b)は、その拡張したキャピタル3の周辺を示す正面図であるが、EVシャフト壁4、増し打ちコンクリート5、及び、増し打ちコンクリート5に取り付けられたPC鋼棒6などについては、図2(a)のC−C断面で示している。図示の都合上、図2(b)では、紙面に垂直な方向に沿って配置されたPC鋼棒6の図示を省略している。
既述のように、拡張工程では、キャピタル3の周囲に増し打ちコンクリート5を打設する。拡張工程の前に、既存のキャピタル3の外面に目荒らし処理を施してもよい。本実施形態では、キャピタル3の周囲を取り囲んで四角柱状に増し打ちコンクリート5を打設している。増し打ちコンクリート5を打設する際には、PC鋼棒6を挿入可能なシース管60を内部に埋設する。複数のシース管60のうち、後述するPC鋼棒6bが挿入されるシース管60については、増し打ちコンクリート5を貫通するようにして埋設される。本実施形態では、キャピタル3の四面を囲むようにして上下に三本ずつシース管60を埋設している。増し打ちコンクリート5を打設するまでの間、シース管60は配筋によって保持される。
また、拡張工程では、増し打ちコンクリート5を打設する際に、PC鋼棒6aの一端部(図2(b)右側の端部)を内部に埋設しつつPC鋼棒6aの他端部(図2(b)左側の端部)を外部に配置しておく。この配置は、全てのPC鋼棒6について適用する必要はなく、EVシャフト壁4の影響を受けるPC鋼棒、即ちEVシャフト壁4に端部を近接させて配置されるPC鋼棒6aに適用される。図2に示した範囲において、PC鋼棒6aは、EVシャフト壁4の影響を受けるPC鋼棒であり、PC鋼棒6bは、EVシャフト壁4の影響を受けないPC鋼棒である。PC鋼棒6aとPC鋼棒6bとの総称として「PC鋼棒6」と呼んでいる。PC鋼棒6aの一端部は、その他端部が配置される増し打ちコンクリート5の端部とは反対側の端部の近辺に配置されている。
EVシャフト壁4の影響を受けるPC鋼棒6aは、予めシース管60に挿入された状態で、その一端部が増し打ちコンクリート5に埋設される。したがって、本実施形態では、増し打ちコンクリート5を打設する際に、PC鋼棒6aの一端部を、そのPC鋼棒6aが挿入されるシース管60の一端部とともに内部に埋設する。また、本実施形態では、増し打ちコンクリート5を打設する際に、PC鋼棒6aの一端部を、そのPC鋼棒6aの一端部に取り付けられた支圧板8とともに内部に埋設する。支圧板8は、矩形の板材により形成されているが、形状は特に限定されない。更に、本実施形態では、増し打ちコンクリート5を打設する際に、PC鋼棒6aの一端部を、そのPC鋼棒6aの一端部に螺合されたナット9(固定具の一例)とともに内部に埋設する。
図3は、増し打ちコンクリート5に埋設されるPC鋼棒6aの一端部を示す断面図である。シース管60から突出したPC鋼棒6aの一端部には、支圧板8及びナット9が取り付けられている。PC鋼棒6aは、支圧板8に設けられた貫通孔に挿通されているとともにナット9で締結されている。支圧板8は、ナット9の締め付けによってシース管60の端面に密着している。このため、シース管60の内部への増し打ちコンクリート5の浸入が抑えられる。PC鋼棒6aの他端部及びPC鋼棒6bの両端部も、これと同様に構成されているが、増し打ちコンクリート5の外部に配置される点、及び、増し打ちコンクリート5が固まった後に支圧板8及びナット9を取り付け可能である点が、PC鋼棒6aの一端部と異なる。
PC鋼棒6aは、増し打ちコンクリート5を打設することにより、その増し打ちコンクリート5の内部に配置された状態となる。PC鋼棒6bは、PC鋼棒6aと同様に増し打ちコンクリート5を打設する際に予めシース管60に挿入しておいても構わないが、増し打ちコンクリート5が固まった後でシース管60に挿入することが可能である。増し打ちコンクリート5の内部にPC鋼棒6を配置した状態において、PC鋼棒6aの一端部は増し打ちコンクリート5の外部に露出せず、PC鋼棒6aの他端部及びPC鋼棒6bの両端部は増し打ちコンクリート5の外部に露出している。
既述のように、圧接工程では、増し打ちコンクリート5の内部に配置されたPC鋼棒6を緊張させることにより、増し打ちコンクリート5をキャピタル3に圧接する。PC鋼棒6の緊張は、図示しないセンターホールジャッキなどの引張用ジャッキ装置を用いて、PC鋼棒6の露出した端部を引っ張ることにより行われる。シース管60の内部にモルタルなどのグラウトを注入する場合は、それが固まる前にPC鋼棒6を緊張させる。PC鋼棒6を緊張させて増し打ちコンクリート5にプレストレスを導入することにより、既存のキャピタル3と増し打ちコンクリート5との間の摩擦力を高めて、双方を互いに強く接合させることができる。PC鋼棒6を緊張させたら、ナット9を締め付けてPC鋼棒6の端部を固定する。
圧接工程では、PC鋼棒6aの両端部のうち他端部のみを操作してPC鋼棒6aを緊張させる。PC鋼棒6aの一端部は増し打ちコンクリート5に埋設されているので、他端部のみを引っ張る操作でPC鋼棒6aを緊張できる。本実施形態ではEVシャフト壁4と増し打ちコンクリート5との間に十分なスペースが無いものの、PC鋼棒6aの一端部に対してナット9や引張用ジャッキ装置を配置せずに済むため、EVシャフト壁4の影響を減らしてキャピタル3を都合よく拡張できる。また、PC鋼棒6aをシース管60に挿入した状態で埋設しているため、緊張したPC鋼棒6aに生じる歪みによって増し打ちコンクリート5を傷めることがない。
本実施形態では、PC鋼棒6aの一端部を支圧板8とともに増し打ちコンクリート5に埋設しているため、その増し打ちコンクリート5の内部において、支圧板8の面により受圧面が形成される。その結果、PC鋼棒6aの一端部を堅固に定着させることができ、圧接工程でPC鋼棒6aを緊張させるうえで有用である。支圧板8は、ナット9を介してPC鋼棒6aに固定されるものに限らず、溶接など他の固定手段によりPC鋼棒6aに固定されるものや、PC鋼棒6aの一端部との一体成形によって固定されるものでもよい。かかる場合は、ナット9の省略が可能となるため、後述する切り欠き40のサイズを小さくできるなどの省スペースによる効果が得られる。
既述のように、ジャッキ装置設置工程では、下部構造物20と増し打ちコンクリート5との間隙にジャッキ装置7を設置する。図2(b)には一つのジャッキ装置7しか描いていないが、実際には、図2(a)のように複数のジャッキ装置7が設置される。本実施形態では、増し打ちコンクリート5の四隅の各々にジャッキ装置7を設置するとともに、そのジャッキ装置7と増し打ちコンクリート5との間にスペーサ71を介在させている。下部構造物20及び増し打ちコンクリート5の少なくとも一方とジャッキ装置7との間には、図示しない平板状のスライド具(例えば、一方を樹脂、他方をステンレスで形成された滑り板)を配置することが好ましい。これにより、地震などで小さな揺れが発生したときでもジャッキ装置7による支持状態を維持して、安全性を高めることができる。
既述のように、取出工程では、ジャッキ装置7を作動させて上部構造物30をジャッキアップし、免震装置1を間隙から取り出す。既設の免震装置1を取り出した後、それに代わる新たな免震装置を間隙内に設置することで、免震装置の交換が行われる。免震装置の交換を終えたら、ジャッキ装置7によるジャッキアップを解除し、新設した免震装置で荷重(軸力)を受けてからジャッキ装置7を撤去する。
上記のように、この免震装置1の取出方法は、下部構造物20と上部構造物30との間隙に設置された免震装置1に接するキャピタル3の周囲に打設された増し打ちコンクリート5と、その増し打ちコンクリート5の内部に配置されたPC鋼棒6とを備え、PC鋼棒6の緊張によって増し打ちコンクリート5がキャピタル3に圧接されているとともに、EVシャフト壁4の影響を受けるPC鋼棒6であるPC鋼棒6aの一端部が増し打ちコンクリート5の内部に埋設された、上部構造物30の駆体拡張構造(キャピタル拡張構造)を用いるものである。
図4は、本発明の別実施形態において、増し打ちコンクリート5により拡張したキャピタル3の周辺を示している。図4(a)及び(b)は、それぞれ図2(a)及び(b)に対応した図であり、以下に説明する構成の他は、前述の実施形態と同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。前述の実施形態で説明した部材と同一の部材には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
この実施形態では、図4に示すように、拡張工程において、PC鋼棒6aの一端部を、既存の周辺設備であるEVシャフト壁4に設けた切り欠き(空間)40に配置している。切り欠き40は、例えばEVシャフト壁4の表面を削ることにより設けられる。切り欠き40はEVシャフト壁4を貫通していないので、PC鋼棒6aの一端部はエレベータシャフトEV1,EV2に突出しない。打設された増し打ちコンクリート5は切り欠き40の内部にも充填されるため、PC鋼棒6aの一端部は増し打ちコンクリート5に埋設される。かかる方法によれば、PC鋼棒6aの一端部を配置できる範囲が広がり、施工現場の状況に応じて、より好ましい箇所にPC鋼棒6aの一端部を配置できる。
PC鋼棒6aの一端部は、増し打ちコンクリート5の内部に埋設されることから、図2(a)のように、ジャッキ装置7の受圧面と上下方向に重なる位置か、その近傍に配置される場合がある。しかし、角欠けや割れの発生を抑えるためには、増し打ちコンクリート5の端部近傍に応力を集中させないことが好ましい。かかる観点から、PC鋼棒6aの一端部(特には支圧板8)をジャッキ装置7による受圧面から離して配置したい、との要望があり、図4のように切り欠き40を利用することが考えられる。即ち、図4に示す例では、図2の場合と比べて、PC鋼棒6aの一端部をジャッキ装置7の受圧面から離して配置することができる。
前述の実施形態では、既設の免震装置1が接する下部構造物20の駆体が基礎2である例を示したが、これに限られず、床などの他の駆体であってもよい。また、既設の免震装置1が接する上部構造物30の駆体がキャピタル3である例を示したが、これに限られず、柱などの他の駆体であってもよい。
前述の実施形態では、緊張材としてPC鋼棒6を使用する例を示したが、これに限られず、例えばPC鋼線(PC鋼より線を含む)を使用することが可能である。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
1 免震装置
2 基礎(駆体の一例)
3 キャピタル(駆体の一例)
4 エレベータシャフト壁(EVシャフト壁)
5 増し打ちコンクリート
6 PC鋼棒
6a PC鋼棒
6b PC鋼棒
7 ジャッキ装置
8 支圧板
9 ナット
20 下部構造物
30 上部構造物
60 シース管

Claims (4)

  1. 下部構造物と上部構造物との間隙から既設の免震装置を取り出すための免震装置の取出方法において、
    前記上部構造物の駆体の周囲に増し打ちコンクリートを打設することにより、前記上部構造物の駆体を拡張する拡張工程と、
    前記増し打ちコンクリートの内部に配置された緊張材を緊張させることにより、前記増し打ちコンクリートを前記上部構造物の駆体に圧接する圧接工程と、
    前記下部構造物と前記増し打ちコンクリートとの間隙にジャッキ装置を設置するジャッキ装置設置工程と、
    前記ジャッキ装置を作動させて前記上部構造物をジャッキアップし、前記免震装置を間隙から取り出す取出工程と、を備え、
    前記拡張工程では、前記増し打ちコンクリートを打設する際に、前記緊張材の一端部を内部に埋設しつつ前記緊張材の他端部を外部に配置しておき、
    前記圧接工程では、前記緊張材の両端部のうち前記他端部のみを操作して前記緊張材を緊張させることを特徴とする、免震装置の取出方法。
  2. 前記拡張工程では、前記増し打ちコンクリートを打設する際に、前記緊張材の一端部を、その前記緊張材の一端部に取り付けられた支圧板とともに内部に埋設する請求項1に記載の免震装置の取出方法。
  3. 前記拡張工程では、前記緊張材の一端部を既存の周辺設備に設けた切り欠きに配置する請求項1または2に記載の免震装置の取出方法。
  4. 下部構造物と上部構造物との間隙に設置された免震装置に接する前記上部構造物の駆体の周囲に打設された増し打ちコンクリートと、前記増し打ちコンクリートの内部に配置された緊張材とを備え、前記緊張材の緊張によって前記増し打ちコンクリートが前記上部構造物の駆体に圧接されているとともに、前記緊張材の一端部が前記増し打ちコンクリートの内部に埋設されている、上部構造物の駆体拡張構造。
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