JP6975393B2 - 多心ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、多心ケーブルに関する。
従来、火災の検知のために、火災検知線が用いられている(例えば、特許文献1参照)。火災検知線は、鋼線からなる導体と、導体の周囲を覆う低融点の絶縁体と、を有する一対の火災検知用電線を撚り合わせた対撚線を有し、対撚線をジャケットで覆うように構成されている。
従来、火災検知線は、温度上昇の検知対象となるケーブルに沿うように配置される。例えば、非接触給電に用いられる多心ケーブルでは、多心ケーブルと多心ケーブルを収容する筐体との間に、火災検知線が設けられる。
特開昭58−86695号公報
しかしながら、上述の配置構造では、ケーブルと火災検知線の両方をそれぞれ布設する必要があるため、布設作業に手間がかかるという課題がある。例えば、非接触給電に用いられる多心ケーブルでは、筐体内に多心ケーブルを収容した後に、当該多心ケーブルに沿うように、筐体内に火災検知線を配置する必要があり、筐体内への布設作業に非常に手間がかかる。
また、筐体内に敷設される多心ケーブルでは、例えば、非接触で給電することに使用される場合、多心ケーブル内に配置される電線には、大電流が流される。この多心ケーブルでは、大電流が流されているときに過電流等が発生することにより、ケーブル内の温度が上昇して火災に至ることを防止したい。
そこで、本発明は、筐体内への布設作業が容易であり、且つケーブル内の温度上昇も検知することが可能な多心ケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、第1導体及び前記第1導体の周囲を覆う第1絶縁体を有する一対の熱検知用電線を撚り合わせた対撚線を含む熱検知線と、第2導体及び前記第2導体の周囲を覆う第2絶縁体を有する複数本の電線と、前記熱検知線及び前記複数本の電線を一括して覆うシースと、を備え、前記熱検知線は、前記複数本の電線の周囲の温度が90℃以上に上昇したときに、前記第1導体同士が互いに近づこうとする力によって前記第1導体同士が接触し、ケーブル内の温度上昇を検知する、多心ケーブルを提供する。
本発明によれば、筐体内への布設作業が容易であり、且つケーブル内の温度上昇も検知することが可能な多心ケーブルを提供できる。
(a)は本発明の一実施の形態に係る多心ケーブルのケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図であり、(b)は熱検知線のケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 多心ケーブルの外観を示す斜視図である。 多心ケーブルを筐体の溝に収容した際の断面図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1(a)は、本実施の形態に係る多心ケーブルのケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図であり、図1(b)は熱検知線のケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図2は、多心ケーブルの外観を示す斜視図である。図3は、多心ケーブルを筐体の溝に収容した際の断面図である。
図1乃至3に示すように、多心ケーブル1は、熱検知線2と、複数本の電線3と、熱検知線2及び複数本の電線3を一括して覆うシース4と、を備えている。
この多心ケーブル1は、非接触によって電力を供給するために用いられるものであり、筐体10の溝11に収容され使用される。この例では、筐体10は、平行に配置された一対の側壁12と、側壁12の端部同士を連結する側壁12と垂直な底壁13とを有しており、全体として断面視で時計回り方向に90度回転させたコの字状に形成されている。一対の側壁12と底壁13とに囲まれ、底壁13と反対側に開口する断面視で矩形状の空間が、溝11である。
(熱検知線2)
熱検知線2は、一対の熱検知用電線21を撚り合わせた対撚線22と、対撚線22の周囲に螺旋状に巻き付けられた押さえ巻きテープ23と、押さえ巻きテープ23の周囲を覆うジャケット24と、を有している。
対撚線22を構成する熱検知用電線21は、鋼線や銅線等からなる第1導体211と、第1導体211の周囲を覆う第1絶縁体212と、を有している。第1導体211としては、剛性が後述する第2導体31よりも高く、曲げたときに直線状に戻ろうとする力が第2導体31よりも大きい鋼線からなるものを用いるとよい。第1導体211として用いる鋼線としては、ステンレス鋼(SUS)からなる鋼線や、炭素鋼からなるピアノ線、あるいは、その他合金からなる鋼線を用いることができる。本実施の形態では、直径0.9mmのステンレス鋼からなる単線の鋼線を第1導体211として用いた。
第1絶縁体212としては、ケーブル内の温度上昇時に溶融させるため、比較的低融点の絶縁性樹脂が用いられる。より具体的には、ケーブル内の温度が過電流等によって上昇したときの熱により電線3の第2絶縁体32(後述する)が溶融するよりも前に、第1絶縁体212が溶融するように(換言すれば、上述した温度上昇時の熱により電線3の機能が失われるよりも前に、第1導体211が短絡することによって過電流等の発生によるケーブル内の温度上昇が検知されるように)、第1絶縁体212の融点は、電線3の第2絶縁体32の融点(例えば105℃以上)よりも低くされる。本実施の形態では、第1絶縁体212の融点を90℃程度に設定した。
熱検知線2では、ケーブル内の温度(電線3の周囲の温度)が第1絶縁体212の融点(本実施の形態では90℃程度)以上で第2絶縁体32の融点より低い温度に上昇し、このときの熱により第1絶縁体212が溶融すると、対撚線22を構成する2本の第1導体211が接触し、電気的に短絡する。この2本の第1導体211の短絡を検知することで、過電流等による多心ケーブル1内の温度上昇を検知することができる。特に、鋼線からなる第1導体211である場合は、剛性が高く、曲げたときに直線状に戻ろうとする力が大きい(例えば、第2導体31よりも大きい)ため、鋼線以外からなる第1導体211と比較して、対撚線22を構成する2本の第1導体211は、常に互いに近づこうとする力をかけやすくすることができる。そのため、第1絶縁体212が溶融したときに、対撚線22を構成する2本の第1導体211が接触しやすくなり、電気的に短絡しやすくなる。
なお、熱検知線2の周囲の温度が上昇することで、2本の第1導体211が短絡する前に、第1絶縁体212が軟化して2本の第1導体211同士の距離が近づき、2本の第1導体211間の抵抗値や静電容量が変化する。よって、2本の第1導体211間の抵抗値や、静電容量を測定することで、2本の第1導体211が短絡するよりも前に、熱検知線2の周囲の温度が上昇していることを検知してもよい。
第1絶縁体212は、絶縁性樹脂組成物からなる層を複数積層した多層構造とされてもよい。本実施の形態では、第1絶縁体212は、第1導体211の周囲を覆う内層絶縁体212aと、内層絶縁体212aの周囲を覆う外層絶縁体212bと、からなる2層構造とされている。ただし、これに限らず、第1絶縁体212は、1層構造であってもよいし、3層以上の多層構造であってもよい。絶縁樹脂組成物は、後述する樹脂を含むものからなる。また、各層を構成する樹脂組成物は、その各々が異なることでもよい。
内層絶縁体212a(第1導体211に最も近い層)及び外層絶縁体212bの融点は、上述のように、電線3の第2絶縁体32の融点よりも低い。本実施の形態では、内層絶縁体212aの融点と、外層絶縁体212bの融点を同程度とし、約90℃に設定した。本実施の形態では、内層絶縁体212aは、ポリエチレン系の樹脂、あるいはEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)からなる樹脂を主成分(ベース樹脂)とする樹脂組成物で構成されるとよい。また、本実施の形態では、外層絶縁体212bは、PVC(ポリ塩化ビニル)からなる樹脂を主成分とする樹脂組成物で構成されているとよい。上述した樹脂組成物で内層絶縁体212a及び外層絶縁体212bが構成されていることにより、上述した多心ケーブル1内の温度上昇を検知する作用が発現しやすくなる。また、内層絶縁体212aの融点は、外層絶縁体212bの融点よりも高くしてもよい。この場合、多心ケーブル1内の温度上昇を段階的に検知することもできる。
また、外層絶縁体212bは、第1絶縁体212を構成する各絶縁性樹脂よりも融点が高い粒子状物質を含んだ樹脂組成物で構成されていてもよい。第1絶縁体212を3層以上の多層構造とする場合、粒子状物質は、最も第1導体211に近い層(ここでは内層絶縁体212a)以外の少なくとも1つの層に含まれているとよい。
本発明者らは、熱検知線2の周囲の温度が上昇した際に、溶融した第1絶縁体212が薄く残ってしまい、2本の導体2の短絡が生じにくくなる場合があることを見出した。第1絶縁体212の外層絶縁体212bに融点の高い粒子状物質を含むことで、熱検知線2の周囲の温度が上昇した際に、第1導体211が互いに近づこうとする力によりに粒子状物質が押し込まれて薄く残った第1絶縁体212を損傷させ、第1導体211同士の短絡を発生させやすくすることが可能になる。粒子状物質が絶縁性であると、第1導体211間に粒子状物質が噛み込まれて短絡が発生しないおそれがあるため、粒子状物質としては、導電性のものを用いることが望ましい。粒子状物質としては、例えばカーボン粒子を用いることができる。
対撚線22の周囲に巻き付けられる押さえ巻きテープ23としては、例えば、ポリエステルテープ等の樹脂テープを用いることができる。押さえ巻きテープ23は、その幅方向の一部が重なり合うように、対撚線22の周囲に螺旋状に巻き付けられる。
ジャケット24は、対撚線22を保護する保護層としての役割を果たすものである。第1絶縁体212が溶融する前にジャケット24が溶融してしまわないように、ジャケット24の融点は、第1絶縁体212の融点よりも高いことが望ましい。ジャケット24は、絶縁性樹脂からなり、非充実押出成型(所謂チューブ押出成型)により形成されている。
また、本実施の形態では、ジャケット24は、弾性体からなる。本実施の形態では、熱検知線2は、多心ケーブル1のケーブル中心に配置されている。多心ケーブル1を溝11に収容する際には、多心ケーブル1を筐体10の溝11内に押圧することによって多心ケーブル1を溝11に収容する。そして、多心ケーブル1を押圧する際に、多心ケーブル1内の電線3は、ケーブル中心に配置された熱検知線2に押し付けられる。このとき、熱検知線2のジャケット24は、電線3が押し付けられるときの力によって弾性変形し、シース4内の電線3は、熱検知線2の周方向や径方向(多心ケーブル1のケーブル長手方向に垂直な断面において、熱検知線2の周囲に沿った方向や熱検知線2の外径に沿った方向)に互いに動くことができるようになる。そのため、多心ケーブル1の外形が溝11の形状や寸法に応じて変形することができる。これにより、多心ケーブル1は、その外径が太くなったとしても筐体10の溝11に入れやすくすることができる。
このように、熱検知線2のジャケット24は、弾性変形をして、多心ケーブル1を溝11に収容する際の作業性を向上させる役割を果たす。また、ジャケット24は、多心ケーブル1を溝11に収容した後に、電線3からの押し付ける力が緩和されることによって形状が復元する。このときのジャケット24の復元力により、シース4内の電線3が元の位置(溝11に収容する前の位置)に動くように作用する。これにより、溝11に収容された多心ケーブル1は、変形する前の外形に復元されて溝11内に保持たされることになる。このように、熱検知線2のジャケット24は、電線3を介してシース4を筐体10(溝11の内壁)へと押し付け、多心ケーブル1を溝11内に保持する役割も果たす。
ジャケット24の外周面には、全ての電線3が直接接触している。ジャケット24としては、外力により形状が変化する弾力性のある材質からなるものを用いるとよく、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂やウレタン樹脂からなる樹脂組成物を用いることができる。
(電線3)
電線3は、複数の素線を集合撚りした撚線導体からなる第2導体31と、第2導体31を覆う第2絶縁体32と、をそれぞれ有している。6本の電線3としては、同じ構造のものが用いられる。本実施の形態では、第2導体31に用いる素線として、すずめっき軟銅線を用いた。第2導体31に用いる素線の外径は、0.15mm以上0.32mm以下とするとよい。これは、素線の外径が0.15mm未満であると断線が発生しやすく、0.32mmを超えると第2絶縁体32を薄くした際に第2絶縁体32を突き抜けて飛び出してしまうおそれがあるためである。
素線の撚り合わせ方法として、同心撚りと呼ばれる方法が知られているが、この方法で第2導体31を形成した場合、素線が安定した状態で撚り合されてしまい、多心ケーブル1を溝11内に収容する際の外力により第2導体31の形状が変化しにくくなってしまう。そのため、多心ケーブル1を溝11内に収容する際の外力により第2導体31の形状が変化しやすくなるように、第2導体31としては、集合撚りにより形成されたものを用いる。本実施の形態では、0.26mmの素線を134本集合撚りすることで、外径が約3.5mm(3.0mm以上4.0mm以下)であり、導体断面積が7mm2以上8mm2以下の第2導体31を形成した。
多心ケーブル1内の導体部分の断面積を増やすために、各電線3の第2絶縁体32は、できるだけ薄いことが望ましい。より具体的には、第2絶縁体32の厚さは、第2導体31に用いる素線の外径の1/2倍以上1倍以下であるとよい。第2絶縁体32の厚さを素線外径の1/2未満とした場合、多心ケーブル1を溝11内に収容する際の外力により素線が第2絶縁体32を突き破ってしまうおそれがあり、素線外径の1倍を超えると、電線3が大径となり多心ケーブル1全体の大径化につながってしまう。本実施の形態では、第2絶縁体32の厚さを約0.2mm(素線の外径の約0.77倍)とした。
より大容量の電力供給を可能とするため、電線3の外径に対する第2導体31の外径の割合は、80%以上とするとよい。また、第2絶縁体32が薄すぎると、上述のように素線が第2絶縁体32を突き破る等の不具合が生じるため、電線3の外径に対する第2導体31の外径の割合は、95%以下とするとよい。また、非接触によって大容量の電力供給を可能とするため、複数の電線3では、各々の第2導体31に同じ大きさの電流を供給するとよい。
第2絶縁体32としては、薄肉成型が可能であり、熱検知線2のジャケット24を弾性変形しやすくするためにジャケット24よりも硬く、外圧に強い(多心ケーブル1を溝11内に収容する際の外力によって変形しにくい)材質のものを用いるとよく、例えば、ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(プリフッ化ビニリデン)等のフッ素樹脂や、ポリイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を用いることができる。より好ましくは、第2絶縁体32として、表面の滑りがよいフッ素樹脂を用いるとよく、これにより、外力が加わった際にシース4内で電線3がより動きやすくなり、多心ケーブル1の溝11への挿入がより容易になる。
第2絶縁体32は、非充実押出成型(所謂チューブ押出成型)により形成されている。これにより、第2絶縁体32が素線に密着されず、第2絶縁体32内で素線が互いに動くことができるようになり、外力が加わった際に電線3の断面形状が変形し易くなる。よって、多心ケーブル1の溝11への挿入がより容易になる。
(集合体6)
熱検知線2の外周には、複数の電線3が螺旋状に撚り合されている。以下、熱検知線2の周囲に複数の電線3を撚り合わせたものを集合体6と呼称する。
集合体6に用いる電線3の本数が1本乃至3本の場合、外力により多心ケーブル1が変形しにくくなる。そこで、多心ケーブル1では、集合体6に用いる電線3の本数は4本以上としている。本実施の形態では、集合体6に用いる電線3の本数を、外径が最も細くなり、かつ、全ての電線3の導体抵抗の総和を最も低くすることが可能な6本とした。
集合体6において、ケーブル周方向に隣り合う電線3同士は、互いに接触している。また、全ての電線3は、熱検知線2に接触している。熱検知線2の外径は、ケーブル周方向に6本の電線3を隙間なく配置した際に全ての電線3と接触できる外径に適宜調整される。本実施の形態では、熱検知線2の外径を電線3の外径と略同等とした。より具体的には、熱検知線2及び電線3の外径を、約4.1mmとした。集合体6の外径は、11mm〜13mm程度となる。
また、本実施の形態では、集合体6を構成する各電線3がシース4の内周面に接触するように設けられており、集合体6の周囲には、押さえ巻き用のテープが巻き付けられていない。これは、テープを巻き付けると、当該テープが電線3の移動を規制する役割を果たしてしまい、多心ケーブル1を溝11に挿入する際の作業性が低下してしまうおそれがあるためである。なお、製造の都合上、電線3を撚り合わせた状態で保持する必要がある場合には、集合体6の周囲に、糸(樹脂製の糸や綿糸など)を螺旋状に巻き付けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、熱検知線2と複数本の電線3との間、及び電線3とシース4との間には、スフ糸等の介在が配置されていない。これは、昇温により介在が燃えてしまうことを抑制し、かつ外力が加わった際に電線3が熱検知線2の周方向や外径方向に動くことができるスペース(後述する空気層5)を確保するためである。
(シース4)
集合体6の周囲には、シース4が設けられている。本実施の形態に係る多心ケーブル1では、シース4は、非充実押出成型(所謂チューブ押出成型)により形成されている。シース4は、長手方向に沿った中空部41を有する中空円筒状に形成されており、この中空部41内に、熱検知線2及び電線3が配置されている。これにより、多心ケーブル1では、各電線3が、シース4と密着しておらず、シース4内で互いに動くことができるようになっている。
より詳細には、多心ケーブル1は、ケーブル周方向に隣り合う電線3の間であって、当該電線3同士の接触部の周囲(径方向内方及び外方)に形成される谷間部分に、空気層5(隙間、空隙)を有している。空気層5を有することにより、外力が加わった際に空気層5の部分に電線3が移動したり、シース4が変形して空気層5の部分へと入り込んだりすることが可能になり、多心ケーブル1の外径が変化し易くなる。その結果、多心ケーブル1を溝11に挿入する際の作業性が向上する。
また、上述のように、本実施の形態では、押さえ巻き用のテープを省略しており、電線3のそれぞれがシース4の内周面に直接接触する構造となっている。シース4は、できるだけ電線3を径方向内方に押さえつけないように設けられていることが望ましく、電線3とシース4の接触面積はできるだけ小さい(断面視において点接触している)ことが望ましい。
シース4の厚さは、0.6mm以上1.0mm以下とすることが望ましい。これは、シース4の厚さが0.6mm未満であると、外傷への耐力や絶縁性能等が低下してしまい、シース4の厚さが1.0mmより大きいと、多心ケーブル1の大径化につながってしまうためである。
さらに、シース4を非充実押出成型により形成し、かつシース4の厚さを1.0mm以下と薄くすることで、図2に示されるように、電線3の位置でシース4が凸となるように、シース4の外表面に凹凸を生じさせることができる。これにより、筐体10の溝11内に多心ケーブル1を挿入する際に、多心ケーブル1を筐体10の溝11内へ押圧しやすくなるとともに、多心ケーブル1と筐体10(溝11の内面)との接触面積を小さくすることができ、多心ケーブル1の溝11への挿入がより容易になる。本実施の形態では、シース4として、厚さ0.8mmのポリ塩化ビニルからなるものを用いた。多心ケーブル1の全体の外径は、約13.2mm(13mm以上14mm以下)とした。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る多心ケーブル1では、鋼線からなる第1導体211及び第1導体211の周囲を覆う第1絶縁体212を有する一対の熱検知用電線21を撚り合わせた対撚線22を含む熱検知線2と、第2導体31及び第2導体31の周囲を覆う第2絶縁体32を有する複数本の電線3と、熱検知線2及び複数本の電線3を一括して覆うシース4と、を備え、第1絶縁体212の融点が、第2絶縁体32の融点より低く、熱検知線2の周囲に複数本の電線3が螺旋状に撚り合わされている。
非接触給電に用いる多心ケーブル1では、周方向に複数本の電線3を配置するため、ケーブル中心にデッドスペースが存在する。このケーブル中心に熱検知線2を配置することで、デッドスペースを有効利用し、熱検知線2を内蔵した多心ケーブル1を実現することが可能になる。これにより、多心ケーブル1と別に熱検知線を設ける必要がなくなり、布設作業の作業性が向上する。
また、多心ケーブル1に熱検知線2を内蔵することで、なんらかの理由で電線3に過電流が流れ、多心ケーブル1が昇温した際に、当該昇温を熱検知線2により速やかに(リアルタイムで)検知することが可能になり、過電流による火災の発生を抑制することが可能になる。本実施の形態では、全ての電線3が熱検知線2に接触しており、各電線3と熱検知線2の距離が等しくなっているため、いずれかの電線3で過電流が発生している場合であっても、当該過電流による発熱を熱検知線2により精度よく検知することが可能である。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]第1導体(211)及び前記第1導体(211)の周囲を覆う第1絶縁体(212)を有する一対の熱検知用電線(21)を撚り合わせた対撚線(22)を含む熱検知線(2)と、第2導体(31)及び前記第2導体(31)の周囲を覆う第2絶縁体(32)を有する複数本の電線(3)と、前記熱検知線(2)及び前記複数本の電線(3)を一括して覆うシース(4)と、を備え、前記熱検知線(2)は、前記複数本の電線(3)の周囲の温度が90℃以上に上昇したときに、前記第1導体(211)同士が互いに近づこうとする力によって前記第1導体(211)同士が接触し、ケーブル内の温度上昇を検知する、多心ケーブル(1)。
[2]前記熱検知線(2)は、前記複数本の電線(3)の外径と同等の外径を有してケーブル中心に配置されている、[1]に記載の多心ケーブル(1)。
[3]前記複数本の電線(3)は、ケーブル中心に配置された前記熱検知線(2)の周囲に配置され、前記第2絶縁体(32)が前記熱検知線(2)に接触している、[1]または[2]に記載の多心ケーブル(1)。
[4]前記複数本の電線(3)は、6本であり、前記熱検知線(2)の周囲に前記6本の電線が螺旋状に撚り合わされている、[3]に記載の多心ケーブル(1)。
[5]前記第1絶縁体(212)は、絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂よりも融点が高い粒子状物質と、を含む樹脂組成物からなる、[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の多心ケーブル(1)。
[6]前記第2絶縁体(32)は、フッ素樹脂からなる、[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の多心ケーブル(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、チューブ押出成形によりジャケット24を形成したが、これに限らず、ジャケット24を省略してもよい。この場合、対撚線22の周囲に巻き付けられた押さえ巻きテープ23が、対撚線22を保護する保護層としての役割を果たすことになる。
また、第1絶縁体212を多層構造とする場合、各層の融点を異ならせてもよい。これにより、熱検知線2の周囲の温度が上昇した際に、各層が温度に応じて順次溶融していくことになり、第1導体211間の距離を温度に応じて段階的に変化させることが可能になる。その結果、2本の第1導体211間の抵抗値や、静電容量を測定することで、熱検知線2の周囲の温度の上昇を段階的に検知することが可能になる。
さらに、上記実施の形態では、電線3を6本用いる場合について説明したが、電線3を4本、5本、あるいは7本以上用いてもよい。電線3の使用本数を4本あるいは5本とする場合、熱検知線2の外径を電線3の外径よりも小さくし、電線使用本数を7本以上とする場合、熱検知線2の外径を電線3の外径よりも大きくするとよい。
さらにまた、上記実施の形態では、コの字状に形成された筐体10を用いる場合を説明したが、筐体10の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、一部が楕円形状となっていたり、多角形状となっていたりしてもよい。
1…多心ケーブル
2…熱検知線
21…熱検知用電線
211…第1導体
212…第1絶縁体
212a…内層絶縁体
212b…外層絶縁体
22…対撚線
23…押さえ巻きテープ
24…ジャケット
3…電線
31…第2導体
32…第2絶縁体
4…シース
41…中空部
5…空気層
6…集合体

Claims (5)

  1. 第1導体及び前記第1導体の周囲を覆う第1絶縁体を有する一対の熱検知用電線を撚り合わせた対撚線を含む熱検知線と、
    第2導体及び前記第2導体の周囲を覆う第2絶縁体を有する複数本の電線と、
    前記熱検知線及び前記複数本の電線を一括して覆うシースと、を備え、
    前記シースは、その外表面に凹凸を有し、
    前記第1絶縁体は、多層構造で構成され、前記第1導体に最も近い層以外の少なくとも1つの層が、絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂よりも融点が高い粒子状物質と、を含む樹脂組成物からなり、
    前記熱検知線は、前記複数本の電線の周囲の温度が90℃以上でかつ前記第2絶縁体の融点より低い温度に上昇したときに、前記第1導体同士が互いに近づこうとする力によって前記第1導体同士が接触し、ケーブル内の温度上昇を検知する、
    多心ケーブル。
  2. 前記熱検知線は、前記複数本の電線の外径と同等の外径を有してケーブル中心に配置されている、
    請求項1に記載の多心ケーブル。
  3. 前記複数本の電線は、ケーブル中心に配置された前記熱検知線の周囲に配置され、前記第2絶縁体が前記熱検知線に接触している、
    請求項1または2に記載の多心ケーブル。
  4. 前記複数本の電線は、6本であり、
    前記熱検知線の周囲に前記6本の電線が螺旋状に撚り合わされている、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多心ケーブル。
  5. 前記第2絶縁体は、フッ素樹脂からなる、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の多心ケーブル。
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