JP6973347B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナ装置に関する。
物流や商品の管理のために、例えば特許文献1に開示されるようなRFID(Radio Frequency Identification)タグを管理対象に取り付けることが行われている。
特開2007−243296号公報
RFIDタグは、様々な管理対象に取り付けられることが想定されるため、小型化しておくことが望ましいと考えられる。よって、RFIDタグに設けられ、外部と無線通信を行うアンテナも小型することが考えられる。しかしながら、アンテナの小型化を行うと、アンテナ利得や通信可能な周波数帯域が狭まることが考えられる。
すなわち、本発明者は、従来技術では、アンテナの小型化を行った場合にアンテナ特性の劣化を抑制することが困難であることを見出した。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ、アンテナの小型化を実現する技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち本発明の一側面に係るアンテナ装置は、第1のアンテナ素子と、地板と、前記地板と対向して設けられ、電波を放射する放射板と、前記地板および前記放射板の側方に設けられ、前記放射板と前記地板とを短絡させる短絡板と、を有する第2のアンテナ素子と、を備え、前記第1のアンテナ素子は、前記地板と前記放射板との間に設けられ、前記放射板は、前記第1のアンテナ素子から発せられた電波を受けて、前記電波を放射する。
当該構成によれば、第1のアンテナ素子から放射される電波と、第2のアンテナ素子から放射される電波との重ね合わせによりアンテナ利得が向上する。
また、当該構成によれば、第1のアンテナ素子は、第2のアンテナ素子に収容される構成となっている。よって、アンテナ装置の低背化が実現される。すなわち、当該構成は、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ、アンテナの小型化を実現することができる。
上記一側面に係るアンテナ装置において、前記放射板は、切り欠き部分を有し、前記放射板が設けられる位置から前記第1のアンテナ素子を見た場合、前記第1のアンテナ素子は、前記切り欠き部分の奥側に設けられてもよい。
当該構成によれば、放射板が切り欠き部分を有することにより、放射板の電流経路長は
長く形成される。よって、アンテナ装置から放射される電波は、所定の周波数において共振すると共に、共振周波数とは別の周波数において副共振することとなる。すなわち、広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上することとなる。よって、当該構成によれば、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ、アンテナの小型化を実現することができる。
上記一側面に係るアンテナ装置において、前記地板と接触する導体を更に備えてもよい。
当該構成によれば、第1のアンテナ素子から放射される電波は第2のアンテナ素子の放射板方向へ集中的に放射されることとなる。よって、第1のアンテナ素子から放射される電波と、第2のアンテナ素子から放射される電波との重ね合わせによりアンテナ利得が向上する。また、当該構成によれば、アンテナ素子から放射される電波は、所定の周波数において共振すると共に、共振周波数とは別の周波数において副共振することとなる。すなわち、広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上することとなる。
上記一側面に係るアンテナ装置において、前記放射板の大きさは、前記地板の大きさよりも小さくてもよい。
当該構成は、第1のアンテナ素子から放射される電波と、第2のアンテナ素子から放射される電波との重ね合わせによりアンテナ利得が向上する構成であるため、第2のアンテナ素子を小面積化した場合であっても、小面積化によるアンテナ特性の劣化は相対的に低減される。すなわち、当該構成は、アンテナ素子を小面積化し、アンテナ装置を小型化しつつも、アンテナ装置のアンテナ特性の劣化を抑制できる構成である。また、当該構成によれば、アンテナが設置される部材の材料やサイズなどの条件が異なっても、アンテナ利得の特性がより安定する。よって、当該構成は、アンテナが設置される部材の材料やサイズなどの条件に関わらず利用が可能となる。
上記一側面に係るアンテナ装置において、前記地板は、系外の電子機器の筐体に固定され、前記地板は、前記電子機器から着脱可能であってもよい。
当該構成であれば、アンテナ装置は、目的に応じて電子機器から着脱させることができる。すなわち、当該構成は、利便性の高い構成である。
上記一側面に係るアンテナ装置において、前記電子機器は第2の導体を含み、前記地板と前記第2の導体とが、電気的に接続されてもよい。
当該構成によれば、第1のアンテナ素子からの放射される電波が第2のアンテナ素子の放射板方向へ集中的に放射されることとなる。よって、第1のアンテナ素子から放射される電波と、第2のアンテナ素子から放射される電波とのアンテナ利得が向上する。また、当該構成によれば、アンテナ素子から放射される電波は、所定の周波数において共振すると共に、共振周波数とは別の周波数において副共振することとなる。すなわち、広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上することとなる。
上記一側面に係るアンテナ装置において、前記地板は、前記電子機器の筐体へ巻きつけられることにより、固定されてもよい。
当該構成であれば、アンテナ装置は、電子機器から容易に着脱可能である。すなわち、当該構成は、利便性の高い構成である。
上記一側面に係るアンテナ装置において、前記第1のアンテナ素子を介して送受信され
る信号の処理を行う素子が実装される基板を更に備え、前記基板は、前記第2のアンテナ素子の内側であって、前記素子が実装される実装面の裏面が前記地板の表面と接するように設けられ、前記第1のアンテナ素子は、前記素子と一体に形成されてもよい。
当該構成によれば、基板、基板に実装される素子、及び第1のアンテナ素子は、第2のアンテナ素子に収容される構成となる。よって、アンテナ装置の低背化が実現される。
また、当該構成によれば、第1のアンテナ素子と所定の素子とは一体に形成されているため、所定の素子と、第1のアンテナ素子とを基板に実装する手間が一度で済む。よって、当該構成は、製造コストを節減することができる。
本発明によれば、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ、アンテナの小型化を実現する技術を提供することができる。
図1は、アンテナ装置の斜視図の一例を模式的に例示する。 図2は、アンテナ装置の断面図の一例を模式的に例示する。 図3は、放射板の板厚方向であって、ショート壁が上部に位置する角度から見た場合の放射板の切り欠き部分の概要の一例を示している。 図4は、アンテナ装置の動作の概要を示すフローチャートの一例を模式的に例示する。 図5は、従来のアンテナ素子から放射された電波と、本実施形態に係るアンテナ装置から放射された電波の強度の測定結果の比較の一例を示している。 図6は、アンテナ装置の断面の一例を模式的に例示する。 図7は、アンテナ装置の断面の一例を模式的に例示する。 図8は、アンテナ装置の断面の一例を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 適用例
図1、図2を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、アンテナ装置1の斜視図の一例を模式的に例示する。そして、図2は、図1におけるA−A矢印断面図の一例を模式的に例示する。アンテナ装置1は、アンテナ素子10と、ブースターアンテナ20を備える。
ブースターアンテナ20は、電波を放射する放射板21と、地板22と、放射板と地板22とを短絡させるショート壁23と、を備える。また、アンテナ素子10は、ブースターアンテナ20の内部に設けられる。また、放射板21は、所定の切り欠き部分を有し、アンテナ素子10の上部に位置するように設けられる。
すなわち、上記のようなアンテナ装置1であれば、アンテナ素子10から放射される電波と、ブースターアンテナ20の放射板21から放射される電波との重ね合わせによりアンテナ利得が向上する。
また、上記のようなアンテナ装置1であれば、アンテナ素子10が、ブースターアンテナ20に収容される構成となっている。よって、アンテナ装置1の低背化が実現される。すなわち、上記のようなアンテナ装置1は、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ、アンテナの小型化を実現することができる。
§2 構成例
次に、本実施形態に係るアンテナ装置の一例について説明する。本実施形態に係るアンテナ装置は、例えば、UHF(Ultra High Frequency)帯の周波数の電波の送受信を行うことのできる装置である。ただし、アンテナ装置が送受信することのできる電波の周波数帯域は、UHF帯に限られない。
図1、図2に示されるように、アンテナ装置1は、アンテナ素子10と、ブースターアンテナ20を備える。ここで、アンテナ素子10は、本発明の「第1のアンテナ素子」の一例である。また、ブースターアンテナ20は、本発明の「第2のアンテナ素子」の一例である。
ブースターアンテナ20は、電波を放射する放射板21と、地板22と、放射板21と地板22とを短絡させるショート壁23と、を備える。放射板21は、地板22と対向して設けられる。また、ショート壁23は、放射板21及び地板22の側方に設けられ、放射板21と地板22とを短絡させる。また、ブースターアンテナ20は、図示しないが、外部の機器から給電と通信用の電波が放射される。また、放射板21、地板22及びショート壁23は、板状の導体であればよく、例えば銅板により形成される。ブースターアンテナ20は、いわゆるPIFA(Planar Inverted−F Antenna)である。また、放射板21、地板22及びショート壁23によって囲まれる区域27は、空気によって充たされている。ここで、放射板21は、本発明の「放射板」の一例である。また、地板22は、本発明の「地板」の一例である。また、ショート壁23は、本発明の「短絡板」の一例である。
図3は、放射板21の板厚方向であって、ショート壁23が上部に位置する方向から見た場合の放射板21の切り欠き部分の概要の一例を示している。図3に示されるように、放射板21には、第1の切り欠き部分24と、第2の切り欠き部分25と、が設けられる。第1の切り欠き部分24は、放射板21の左上部からショート壁23に沿って放射板21を切り欠いている。そして、第2の切り欠き部分25は、第1の切り欠き部分24の終端部分26から、第1の切り欠き部分24の切り欠き方向とは垂直な方向であって、ショート壁23へ向かう方向とは反対の方向へ放射板21を切り欠いている。すなわち、放射板21に第1の切り欠き部分24及び第2の切り欠き部分25が設けられることにより、ブースターアンテナ20の電流経路長は長く形成されることとなる。
また、アンテナ装置1は、基板12を備える。基板12は、ブースターアンテナ20の内側であって、部品が実装される実装面の裏面が地板22の表面と接するように地板22に固定される。ただし、基板の実装面の裏面は絶縁体によってコーティングされていてもよい。基板の材料は、例えばガラスエポキシ樹脂であってもよい。また、基板12には、基板上に実装される部品同士を電気的に接続する配線パターンが設けられている。
また、アンテナ装置1は、アンテナ素子10を介して送受信されるRF(Radio Frequency)信号の処理を行うRFIC11を備える。そして、アンテナ素子10は、RFIC11の上面に一体となって形成されている。そして、アンテナ素子10及びRFIC11は、基板12の上に実装される。すなわち、アンテナ素子10は、ブースターアンテナ20の内部に設けられる。また、放射板21は、アンテナ素子10の上部に位置することとなる。
また、アンテナ素子10は、放射板21の板厚方向であって、ショート壁23が上部に位置する角度から見た場合、第1の切り欠き部分24の終端部分26より左側の第1の切り欠き部分24の奥側に位置することとなる。
また、アンテナ装置1は、センサ素子13を備える。センサ素子13は、基板12の上に実装される。
また、アンテナ装置1は、ブースターアンテナ20を収容する筐体2を備える。筐体2を形成する材料は、例えば絶縁体である合成プラスチックである。そして、アンテナ装置1の地板22は、筐体2の内壁へ、例えば接着剤により固定される。ただし、筐体2への固定手段は、接着剤に限定されず、ネジやナットによって地板22が筐体2へ固定されてもよい。また、3Dプリンタによってアンテナ装置1の少なくとも一部が筐体2の上に形成されてもよい。また、地板22は、筐体2の少なくとも一部に接触していればよい。
§3 動作例
次に、アンテナ装置1の動作例を説明する。図4は、センサ素子13から出力された信号が、アンテナ装置1を介して系外へ送信される動作の概要を示すフローチャートの一例を模式的に例示する。
(ステップS101)
ステップS101では、センサ素子13において検出対象の物理量が検出される。そして、当該物理量に関する信号は、センサ素子13から出力され、基板12に設けられた配線パターンを介してRFIC11へ送信される。
(ステップS102)
ステップS102では、RFIC11においてセンサ素子13から受信した信号がRF信号へ変調される。そして、RF信号はアンテナ素子10へ送信される。
(ステップS103)
ステップS103では、アンテナ素子10において、RFIC11から受信したRF信号に従い、電波が放射される。アンテナ素子10から放射された電波は、ブースターアンテナ20の放射板から放射される電波と重なり、さらに系外へ放射される。
上記の動作例では、センサ素子13から出力された出力信号を電波に変換し、アンテナ素子10から放射していたが、アンテナ素子10から放射される電波の基となる信号は、センサ素子13から出力された出力信号に限られないのは勿論のことである。
図5は、従来のアンテナ素子から放射された電波と、本実施形態に係るアンテナ素子10から発せられた電波を受けたブースターアンテナ20から放射された電波の強度の測定結果の比較の一例を示している。図5より、本実施形態に係るアンテナ素子10から発せられた電波を受けたブースターアンテナ20から放射された電波は、従来のアンテナ素子から放射された電波よりもアンテナ利得が向上していることが認められる。また、従来のアンテナ素子では、放射される電波の共振ピークが1つであるのに対し、本実施形態に係るアンテナ装置1では、複数の共振ピークが認められる。また、それら複数の共振ピークの間はおおよそ30MHz離れている。すなわち、本実施形態に係るアンテナ装置1では、広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上することとなる。
また、図5に示されるように、本実施形態に係るアンテナ装置1では、アンテナ素子10が設置される部材の材料やサイズが異なっていても、アンテナ利得特性がより安定して
いることが認められる。よって、本実施形態に係るアンテナ装置1は、アンテナ素子10が設置される部材の材料やサイズなどの条件に関わらず利用が可能となる。
[作用・効果]
上記のようなアンテナ装置1であれば、アンテナ素子10から放射される電波の進行方向にブースターアンテナ20の放射板21が位置している。よって、アンテナ素子10から放射される電波とブースターアンテナ20から放射される電波との重なりによりアンテナ利得が向上する。
また、上記のようなアンテナ装置1であれば、放射板21に第1の切り欠き部分24及び第2の切り欠き部分25が設けられている。よって、放射板21の電流経路長は長く形成されることとなる。よって、アンテナ装置1から放射される電波は、図5に示されるように、所定の周波数において共振すると共に、共振周波数とは別の周波数において副共振することとなる。すなわち、広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上することとなる。
また、上記のようなアンテナ装置1であれば、アンテナ素子10は、ブースターアンテナ20に収容される構成となっている。よって、アンテナ装置1の低背化が実現される。すなわち、上記のようなアンテナ装置1であれば、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ、アンテナの小型化を実現することができる。
また、上記のようなアンテナ装置1は、アンテナ素子10を介して送受信されるRF信号の処理を行うRFIC11、センサ素子13、そしてRFIC11及びセンサ素子13が実装される基板12を備える。よって、上記のようなアンテナ装置10では、RFIC11、センサ素子13、あるいは基板12により、アンテナ利得の低下やインピーダンスミスマッチなどのアンテナ特性を劣化させる影響が発生する虞がある。しかしながら、上記のようなアンテナ装置1は、広帯域の周波数においてアンテナ利得が高まっているため、RFIC11、センサ素子13、あるいは基板12により、アンテナ利得の低下やインピーダンスミスマッチなどのアンテナ特性を劣化させる影響が発生した場合であっても、これらの影響を相対的に低減させる。また、RFIC11、センサ素子13や基板12は、電磁波や熱を発するが、これらの電磁波や熱によって生じるノイズがアンテナ特性に及ぼす影響も、相対的に低減されることとなる。すなわち、アンテナ素子10の周囲にRFIC11やセンサ素子13、基板12が設けられる場合であっても、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ、アンテナの小型化を実現することができる。
また、上記のようなアンテナ装置1であれば、アンテナ素子10あるいはブースターアンテナ20を介して受信した電波を直流電力に変換し、基板12に実装されるRFIC11やセンサ素子13へ給電を行うことができる。換言すれば、上記のようなアンテナ装置1は、RFIC11やセンサ素子13を動作させるためのバッテリーを備えなくともよい。よって、アンテナ装置1の小型化が実現される。
また、上記のようなアンテナ装置1は、アンテナ素子10がRFIC11の上面に一体となって形成されている。よって、RFIC11とアンテナ素子10とを基板12に実装する手間が一度で済む。よって、上記のようなアンテナ装置1は、製造コストを節減することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以
下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
図6は、アンテナ装置1Aの断面の一例を模式的に例示する。アンテナ装置1Aは、アンテナ装置1と同様の構成要件を備え、同様の動作を行う。アンテナ装置1Aとアンテナ装置1との違いは、アンテナ装置1Aの場合、基板12がブースターアンテナ20の外側に設けられる点である。基板12は、センサ素子13が実装される実装面の裏面が地板22の表面と接するように地板22に固定される。
また、アンテナ素子10及びRFIC11は、ブースターアンテナ20の内側であって、地板22の表面上に固定される。そして、RFIC11と基板12に設けられる配線パターンとは電気的に接続される。
[作用・効果]
上記のようなアンテナ装置1Aであれば、アンテナ素子10と基板12との距離は離れることとなる。よって、アンテナ装置1Aは、基板12や基板12に実装されるセンサ13により、アンテナの利得の低下やインピーダンスミスマッチなどのアンテナ特性を劣化させる影響を低減させることができる。また、基板12や基板12に実装されるセンサ素子13から発せられる熱や電磁波によって生じるノイズが、アンテナ素子10から放射される電波に及ぼす影響は低減される。すなわち、アンテナ装置1のアンテナ特性の劣化は抑制される。
<4.2>
図7は、アンテナ装置1Bの断面の一例を模式的に例示する。アンテナ装置1Bは、アンテナ装置1に加え、銅板3を備える。ここで、銅板3は、本発明の「導体」の一例である。銅板3は、地板22と筐体2との間に設けられる。また、放射板21の大きさは、地板22よりも小さくし、アンテナ装置1Bを小型化している。
[作用・効果]
上記のようなアンテナ装置1Bであれば、アンテナ素子10から放射される電波はブースターアンテナ20の放射板方向へ集中的に放射されることとなる。よって、アンテナ素子10から放射される電波と、ブースターアンテナ20から放射される電波との重ね合わせによりアンテナ利得が向上する。また、図5に示されるように、アンテナ装置1が厚さ200mmの銅板に接して設けられる場合、アンテナ素子から放射される電波は、所定の周波数において共振すると共に、共振周波数とは別の周波数において副共振し、さらにより広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上する傾向があることが認められる。よって、上記のアンテナ装置1Bは、放射板21を地板22よりも小さくしているが、アンテナの特性の劣化は抑制される。すなわち、上記のアンテナ装置1Bは、ブースターアンテナ20の放射板21を小面積化しつつ、アンテナ特性の劣化の抑制を実現している。
<4.3>
図8は、アンテナ装置1Cの断面の一例を模式的に例示する。アンテナ装置1Cは、アンテナ装置1と同様の構成要件を備え、同様の動作を行う。アンテナ装置1Cとアンテナ装置1との違いは、アンテナ装置1Cの場合、アンテナ素子10がRFIC11の上面にRFIC11と一体となって形成されていない点である。アンテナ装置1Cの場合、アンテナ素子10は、RFIC11とは別に、基板12の上に直接プリントされることにより形成される。
[作用・効果]
上記のようなであれば、アンテナ素子10の製造コストを低減することができる。また、基板12の実装面からアンテナ素子10の上面までの高さが抑制されるため、アンテナ素子10を収容するブースターアンテナ20を低背化することができる。すなわち、アンテナ装置1Cの小型化が実現される。
<その他変形例>
また、上記の実施形態に係るアンテナ装置1は、筐体2を備えず、電子機器の筐体に着脱可能な手段を備えていてもよい。着脱可能な手段とは、例えば電子機器の筐体と嵌合して係止する構成や接着剤などでもよい。また、アンテナ装置1は、アンテナ装置1を構成する部品の寸法が調整されることにより、アンテナ利得が向上する周波数帯域が調整されてもよい。このようなアンテナ装置1であれば、例えば電子機器を使用するユーザが複数の外国に赴く場合であって、国ごとに使用される周波数が異なる場合、ユーザは、自身が赴く国において使用される周波数帯域におけるアンテナ特性が高くなるように寸法が調整されたアンテナ装置1を選択し、電子機器の筐体に取り付けることができる。よって、このようなアンテナ装置1は、利便性の高い装置である。
また、アンテナ装置1を取り付ける電子機器が銅板などの導体を含んでいる場合、アンテナ装置1は、地板22と電子機器の銅板とが電気的に接続された状態で電子機器に固定されてもよい。ここで、電子機器が含む銅板は、本発明の「第2の導体」の一例である。このような場合、アンテナ素子10から放射される電波がブースターアンテナ20の放射板21方向へ集中的に放射されることとなる。よって、アンテナ素子10から放射される電波と、ブースターアンテナ20から放射される電波との重ね合わせによりアンテナ利得が向上する。また、当該構成によれば、アンテナ素子10から放射される電波は、所定の周波数において共振すると共に、共振周波数とは別の周波数において副共振することとなる。すなわち、広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上することとなる。
また、アンテナ装置1の地板22は銅箔により形成されてもよい。そして、アンテナ装置1は、地板22が電子機器の筐体に巻きつけられることにより固定されてもよい。このようなアンテナ装置1は、電子機器から容易に着脱可能である。すなわち、当該構成は、利便性の高い構成である。また、地板22が電子機器の筐体に巻きつけられることにより固定される場合であって、地板22の表面に部品が露出している場合、電子機器の筐体の表面が当該部品の外形に合わせて凹むように形成されていてもよい。
また、上記のアンテナ装置において、放射板21の大きさは、地板22の大きさよりも大きくてもよい。このようなアンテナ装置であれば、アンテナ素子10から放射される電波と、ブースターアンテナ20から放射される電波との重ね合わせによりアンテナ利得が向上する。
また、アンテナ装置1の地板22が固定される筐体2の周囲は、盛り上がっていてもよい。このようなアンテナ装置1であっても、アンテナ特性は向上することとなる。
また、放射板21、地板22及びショート壁23によって囲まれる区域27は、空気以外の固形の誘電体によって充たされていてもよい。このようなアンテナ装置であれば、装置の外部から装置の内部へ圧力が加わった場合であっても、アンテナ装置の形状の保持を容易に行うことができ、形状の変化によるアンテナ特性の劣化を抑制することができる。
また、放射板21に設けられる切り欠き部分の形状は、上記の形状に限定されない。切り欠き部分の形状は、例えばT字型、I字型、あるいはコの字型であってもよい。このような切り欠き部分の形状であっても、ブースターアンテナ20の電流経路長は長く形成されることとなる。よって、上記のアンテナ装置から放射される電波は、所定の周波数にお
いて共振すると共に、共振周波数とは別の周波数において副共振することとなる。すなわち、広帯域の周波数においてアンテナ利得が向上することとなる。
また、上記の実施形態では、アンテナ素子10が、RFIC11の上面に一体となって形成される一例を示したが、アンテナ素子10が、例えば基板12に実装される他の素子の内部に一体となって形成されていてもよい。
また、アンテナ素子10は、励振素子であっても非励振素子であってもよい。
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<付記1>
第1のアンテナ素子(10)と、
地板(22)と、前記地板(22)と対向して設けられ、電波を放射する放射板(21)と、前記地板(22)および前記放射板(21)の側方に設けられ、前記放射板(21)と前記地板(22)とを短絡させる短絡板(23)と、を有する第2のアンテナ素子(20)と、を備え、
前記第1のアンテナ素子(10)は、前記地板(22)と前記放射板(21)との間に設けられ、
前記放射板(21)は、前記第1のアンテナ素子(10)から発せられた電波を受けて、前記電波を放射する、
アンテナ装置(1、1A、1B、1C)。
<付記2>
前記放射板(21)は、切り欠き部分(24、25、26)を有し、
前記放射板(21)が設けられる位置から前記第1のアンテナ素子を見た場合、前記第1のアンテナ素子(10)は、前記切り欠き部分(24、25、26)の奥側に設けられる、
付記1に記載のアンテナ装置(1、1A、1B、1C)。
<付記3>
前記地板(22)と接触する導体(3)を更に備える、
付記1又は2に記載のアンテナ装置(1B)。
<付記4>
前記放射板(21)の大きさは、前記地板(22)の大きさよりも小さい、
付記3に記載のアンテナ装置(1B)。
<付記5>
前記地板(22)は、系外の電子機器の筐体に固定され、
前記地板(22)は、前記電子機器から着脱可能である、
付記1から4のうち何れか1項に記載のアンテナ装置(1、1A、1B、1C)。
<付記6>
前記電子機器は第2の導体を含み、
前記地板(22)と前記第2の導体とが、電気的に接続される、
付記5に記載のアンテナ装置(1、1A、1B、1C)。
<付記7>
前記地板(22)は、前記電子機器の筐体へ巻きつけられることにより、固定される、
付記5又は6に記載のアンテナ装置(1、1A、1B、1C)。
<付記8>
前記第1のアンテナ素子(10)を介して送受信される信号の処理を行う素子が実装される基板(12)を更に備え、
前記基板(12)は、前記第2のアンテナ素子(20)の内側であって、前記素子が実装される実装面の裏面が前記地板(22)の表面と接するように設けられ、
前記第1のアンテナ素子(10)は、前記素子と一体に形成される、
付記1から7のうち何れか1項に記載のアンテナ装置(1、1B)。
1、1A、1B、1C・・・アンテナ装置
2・・・筐体
3・・・銅板
10・・・アンテナ素子
11・・・RFIC
12・・・基板
13・・・センサ素子
20・・・ブースターアンテナ
21・・・放射板
22・・・地板
23・・・ショート壁
24・・・第1の切り欠き部分
25・・・第2の切り欠き部分
26・・・終端部分
27・・・区域

Claims (6)

  1. 第1のアンテナ素子と、
    地板と、前記地板と対向して設けられ、電波を放射する放射板と、前記地板および前記放射板の側方に設けられ、前記放射板と前記地板とを短絡させる短絡板と、を有する第2のアンテナ素子と、を備え、
    前記第1のアンテナ素子は、前記地板と前記放射板との間に設けられ、
    前記放射板は、前記第1のアンテナ素子から発せられた電波を受けて、前記電波を放射し、
    前記地板は、系外の電子機器の筐体へ巻きつけられることにより固定され、
    前記地板は、前記電子機器から着脱可能である、
    アンテナ装置。
  2. 前記放射板は、切り欠き部分を有し、
    前記放射板が設けられる位置から前記第1のアンテナ素子を見た場合、前記第1のアンテナ素子は、前記切り欠き部分の奥側に設けられる、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記地板と接触する導体を更に備える、
    請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記放射板の大きさは、前記地板の大きさよりも小さい、
    請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記電子機器は第2の導体を含み、
    前記地板と前記第2の導体とが、電気的に接続される、
    請求項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1のアンテナ素子を介して送受信される信号の処理を行う素子が実装される基板を更に備え、
    前記基板は、前記第2のアンテナ素子の内側であって、前記素子が実装される実装面の裏面が前記地板の表面と接するように設けられ、
    前記第1のアンテナ素子は、前記素子と一体に形成される、
    請求項1からのうち何れか1項に記載のアンテナ装置。
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