発明者らは、高色純度を薄膜で実現する着色樹脂組成物について鋭意検討したところ、緑色画素の透過率のピーク波長を520〜530nmとし、ピーク波長の半値幅を狭くすることにより、薄膜で高色純度を達成できることを見出した。
すなわち、本発明の着色樹脂組成物は、C.I.ピグメントグリーン59と、金属含有ポルフィリン化合物と、バインダー樹脂とを含み、前記金属含有ポルフィリン化合物の吸収極大波長が570〜605nmである。C.I.ピグメントグリーン59は、透過率のピークが520nmであることから、種々の色材の中からC.I.ピグメントグリーン59を選択することによって特異的に緑色画素の透過率のピーク波長を前記範囲にすることができる。C.I.ピグメントグリーン7(ピーク波長500nm)やC.I.ピグメントグリーン58(ピーク波長550nm)などの色材の場合には、ピーク波長を所望の範囲にすることが困難となる。このため、色純度を高めるためには画素を厚膜に形成する必要があり、画素欠けが発生しやすい。また、C.I.ピグメントイエロー185は波長500nm以下の短波長側の光の透過を抑制し、金属含有ポルフィリン化合物は波長550nm以上の長波長側の光の透過を抑制することから、これらのいずれかをC.I.ピグメントグリーン59と組み合わせることにより、ピーク波長の半値幅を狭くすることができ、色純度を高めることができる。C.I.ピグメントイエロー185は、波長500nmを超える光の透過率と波長500nm以下の光の透過率との差が大きいことから、他の黄色画素色材に対して色純度の向上効果が極めて高い。また、ポルフィリンの極大吸収が400〜500nmであることに対して、金属含有ポルフィリンは金属により吸収波長が長波長化することから、金属を含有しないポルフィリンに対して色純度の向上効果が極めて高い。C.I.ピグメントイエロー185および金属含有ポルフィリン化合物を組み合わせることにより、ピーク波長の半値幅をより狭くすることができ、色純度をより高めることができる。
金属含有ポルフィリン化合物は、570〜605nmの範囲に吸収極大波長を有することが好ましい。570nm以上に吸収極大波長を有することにより、C.I.ピグメントグリーン59の透過率のピークである波長520nmの光の透過率を維持することができ、明るさをより向上させることができる。一方、605nm以下に吸収極大波長を有することにより、化学構造上着色樹脂組成物からのブリードアウトを抑制することができる。吸収極大波長は中心金属に依存し、例えば、金属としてCo、Cu、Ni、Pbを用いることにより、吸収極大波長を570〜605に容易に調整することができる。かかる金属含有ポルフィリン化合物としては、例えば、山田化学工業(株)製特定波長吸収色素 FDG−005、FDG−006、FDG−007、FDG−024、FDR−001などを用いることができる。
金属含有ポルフィリン化合物の吸収極大波長は、金属含有ポルフィリン化合物をジエチレングリコールメチルエチルエーテル(EDM)で1000000倍に希釈した液について、分光光度計を用いて吸収スペクトルを測定することにより求めることができる。
金属含有ポルフィリン化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。かかる構造を有することにより、吸収極大波長を前述の好ましい範囲に容易に調整することができる。
一般式(1)中、Z1〜Z8は、それぞれ独立して、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、又は、水素原子を表し、前記アルキル基及び前記アルコキシ基の水素原子の一部又は全部はハロゲンで置換されていてもよい。ただし、Z1とZ2、Z3とZ4、Z5とZ6及びZ7とZ8の2つの基はそれぞれ互いに異なる。バインダー樹脂や有機溶剤との相溶性の観点から、アルキル基およびアリール基の炭素数は1〜6が好ましく、アルコキシ基の炭素数は1〜10が好ましい。
Z1とZ2、Z3とZ4、Z5とZ6及びZ7とZ8の2つの基の組み合わせのうち、いずれか一方は、それぞれ独立して、2位、4位及び6位のうちの少なくとも1つに、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基若しくは3フッ化メチル基を有するフェニル基、または、水素原子の一部若しくは全部がハロゲンで置換された炭素数1〜10のアルコキシ基もしくは炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、バインダー樹脂との相溶性をより向上させることができる。炭素数1〜10のアルキル基としては、t−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
一般式(1)中、Mは2〜4価の金属またはオキシ金属を表す。Cu、Pd、Ni、Coが好ましく、吸収極大波長を前述の好ましい範囲に容易に調整することができる。
一般式(1)で表される金属含有ポルフィリン化合物としては、例えば、特開2014−130763号公報に記載されたテトラアザポルフィリン化合物や、山田化学工業(株)製特定波長吸収色素FDG−005(Pd)、FDG−006(Co)、FDG−007(Cu)(以上商品名)などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
着色材としてC.I.ピグメントグリーン59とC.I.ピグメントイエロー185を含み、金属含有ポルフィリン化合物を含まない場合においては、C.I.ピグメントグリーン59とC.I.ピグメントイエロー185の合計含有量100重量部に対して、C.I.ピグメントグリーン59の含有量は50〜99重量部、C.I.ピグメントイエロー185の含有量は1〜50重量部が好ましい。C.I.ピグメントグリーン59の含有量を50重量部以上、C.I.ピグメントイエロー185の含有量を50重量部以下とすることにより、着色樹脂組成物の硬化物の表面平滑性を向上させることができる。一方、C.I.ピグメントグリーン59の含有量を99重量部以下、C.I.ピグメントイエロー185の含有量を1重量部以上とすることにより、より薄膜で色純度を高めることができる。
着色材としてC.I.ピグメントグリーン59と金属含有ポルフィリン化合物を含み、C.I.ピグメントイエロー185を含まない場合においては、C.I.ピグメントグリーン59と金属含有ポルフィリン化合物の合計含有量100重量部に対して、C.I.ピグメントグリーン59の含有量は90〜99重量部、金属含有ポルフィリン化合物の含有量は1〜10重量部が好ましい。C.I.ピグメントグリーン59の含有量を90重量部以上、金属含有ポルフィリン化合物の含有量を10重量部以下とすることにより、着色樹脂組成物の硬化物の表面平滑性を向上させることができる。一方、C.I.ピグメントグリーン59の含有量を99重量部以下、金属含有ポルフィリン化合物の含有量を1重量部以上とすることにより、より薄膜で色純度を高めることができる。
着色材としてC.I.ピグメントグリーン59とC.I.ピグメントイエロー185と金属含有ポルフィリン化合物を含む場合においては、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントイエロー185および金属含有ポルフィリン化合物の合計含有量100重量部に対して、C.I.ピグメントグリーン59の含有量は50〜98重量部、C.I.ピグメントイエロー185の含有量は1〜49重量部、金属含有ポルフィリンの含有量は1〜10重量部が好ましい。C.I.ピグメントグリーン59の含有量を50重量部以上とすることにより、着色樹脂組成物の硬化物の表面平滑性を向上させることができ、98重量部以下とすることにより、より薄膜で色純度を高めることができる。また、C.I.ピグメントイエロー185の含有量を1重量部以上とすることにより、より薄膜で色純度を高めることができ、49重量部以下とすることにより、着色樹脂組成物の硬化物の表面平滑性を向上させることができる。金属含有ポルフィリンの含有量を1重量部以上とすることにより、より薄膜で色純度を高めることができ、10重量部以下とすることにより、着色樹脂組成物の硬化物の表面平滑性を向上させることができる。
本発明の着色樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で、着色材として、C.I.ピグメントグリーン59と、C.I.ピグメントイエロー185および/または金属含有ポルフィリンとともに、さらに他の着色材を含んでもよい。他の着色材としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58や、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、211、213、218、220、221、228、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16などの顔料が挙げられる。これらの中でも、コントラストを高くする観点から、C.I.ピグメントイエロー129、138、139、150とC.I.ピグメントブルー15:3、16が好ましい。
本発明の着色樹脂組成物において、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントイエロー185、金属含有ポルフィリンおよび他の着色材を含む着色材の合計含有量は、着色樹脂組成物の硬化物の強度の観点から、固形分中80重量%以下が好ましい。
なお、着色樹脂組成物中の着色材は、着色樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥した着色樹脂組成物膜を用いて、レーザーラマン(例えば、HOLIBA Jobin Yvon製Ramanor T−64000)分析や、FT−IR(例えば、SPECTR−TECH社製FT−IR MICROSCOPE)分析を行い、標本と比較することにより同定することができる。また、必要に応じて、遠心分離、濾過、GPC分取等採取法、NMRなどを組み合わせることにより、高精度に同定することができる。また、金属を含む場合は、LDI−MS分析により金属を検出することができる。
本発明の着色樹脂組成物において、バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の形態や各成分を保持する作用を奏する。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂や、高分子分散剤等が挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。これらの中でも、安定性の面からアクリル樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸の重合体や、不飽和カルボン酸と他のエチレン性不飽和化合物の共重合体などが挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体が好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル;スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン;末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコーンなどのマクロモノマーなどが挙げられる。
アクリル樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有することが好ましく、着色樹脂組成物が感光性を有する場合の感度を向上させることができる。エチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。エチレン性不飽和基をアクリル樹脂の側鎖に導入する方法としては、アクリル樹脂がカルボキシル基や水酸基などを有する場合には、これらにエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどを付加反応させる方法、イソシアネートを利用してエチレン性不飽和基を有する化合物を付加させる方法などが挙げられる。
側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル樹脂としては、例えば、ダイセル・オルネクス(株)製、“サイクロマー”(登録商標)P(ACA)Z250(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル45重量%溶液)、アルカリ可溶性カルド樹脂などが挙げられる。
バインダー樹脂の重量平均分子量Mwは、着色樹脂組成物を硬化してなる硬化膜の強度を向上させる観点から、3千以上が好ましく、9千以上がより好ましい。一方、着色樹脂組成物の安定性を向上させる観点から、20万以下が好ましく、10万以下がより好ましい。なお、ここでいうMwとは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した標準ポリスチレン換算値を指す。
高分子分散剤としては、例えば、“DISPERBYK”(登録商標)−102、103、106、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、161、162、163、164、166、167、168、170、171174、180、182、2000、2001、2050、2070、2150、6919、21116(以上、商品名、ビックケミー)等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明の着色樹脂組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、現像性を向上させる観点から、固形分中1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。一方、色純度をより向上させる観点から、固形分中99重量%以下が好ましく、95重量%以下がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、さらに、有機溶剤、密着改良剤、界面活性剤、分散剤、反応性モノマー、光重合開始剤、連鎖移動剤、増感剤、重合禁止剤などを含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物に有機溶剤を含むことにより、基板上に塗布するために適した流動特性を得ることができる。有機溶剤としては、例えば、アセテート系溶剤、(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、脂肪族エステル系溶剤、脂肪族アルコール類溶剤、ケトン系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられる。アセテート系溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点247℃)、ベンジルアセテート(沸点214℃)、エチルベンゾエート(沸点213℃)、メチルベンゾエート(沸点200℃)、マロン酸ジエチル(沸点199℃)、2−エチルヘキシルアセテート(沸点199℃)、2−ブトキシエチルアセテート(沸点192℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点188℃)、シュウ酸ジエチル(沸点185℃)、アセト酢酸エチル(沸点181℃)、シクロヘキシルアセテート(沸点174℃)、3−メトキシ−ブチルアセテート(沸点173℃)、アセト酢酸メチル(沸点172℃)、エチル−3−エトキシプロピオネート(沸点170℃)、2−エチルブチルアセテート(沸点162℃)、イソペンチルプロピオネート(沸点160℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、酢酸ペンチル(沸点150℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)などが挙げられる。(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点124℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点133℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点193℃)、モノエチルエーテル(沸点135℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃、EDM)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(202℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点133℃)、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル(沸点153℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)などが挙げられる。脂肪族エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル(沸点77℃)、酢酸ブチル(沸点126℃)、酢酸イソペンチル(沸点142℃)などが挙げられる。脂肪族アルコール系溶剤としては、例えば、ブタノール(沸点118℃)、3−メチル−2−ブタノール(沸点112℃)、3−メチル−3−メトキシブタノール(沸点174℃)などが挙げられる。ケトン系溶剤としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが挙げられる。炭化水素系溶剤としては、例えば、キシレン(沸点144℃)、エチルベンゼン(沸点136℃)、ソルベントナフサ(石油留分:沸点165〜178℃)などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。これらの中でも、フタロシアニン顔料の安定性の点からアセテート系溶剤を主溶剤とすることが好ましく、さらにポルフィリンの溶解性の観点から(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤を、有機溶剤中の30重量%以下含有することが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における有機溶剤の含有量は、塗布性を向上させる観点から樹脂組成物中の40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。一方、乾燥特性を向上させる観点から、95重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に密着改良剤を含むことにより、着色樹脂組成物からなる塗膜の基板との密着性を向上させることができる。密着改良剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物における密着改良剤の含有量は、相溶性を向上させる観点から、固形分中10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に界面活性剤を含むことにより、着色樹脂組成物の塗布性、および着色樹脂組成物からなる塗布膜の表面平滑性を向上させることができる。界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物における界面活性剤の含有量は、塗布性および塗布膜の表面平滑性を向上させる観点から、0.001重量%以上が好ましい。一方、塗布性を向上させる観点から、1重量%以下が好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に分散剤を含むことにより、分散安定性を向上させることができる。分散剤としては、例えば、顔料骨格のアルキルアミン変性体やカルボン酸誘導体、スルホン酸誘導体などの顔料誘導体などが挙げられ、シナジストとして顔料の湿潤や微細顔料の安定化に有効である。これらを2種以上含んでもよい。これらの中でも、有機顔料のスルホン酸誘導体がより好ましく、微細顔料の分散安定性をより向上させることができる。
本発明の着色樹脂組成物に反応性モノマーおよび光重合開始剤を含むことにより、感光性を付与することができる。さらに連鎖移動剤および/または増感剤を含むことにより、感度を向上させることができる。
反応性モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートなどのオリゴマー、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ジシクロペンタンジエニルジアクリレートまたはこれらのアルキル変性物、アルキルエーテル変性物やアルキルエステル変性物などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物における反応性モノマーの含有量は、現像時の表面荒れを抑制する観点から、固形分中10重量%以上が好ましく、相溶性の観点から、固形分中80重量%以下が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アントラキノン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、オキシムエステル化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物、チタネート等の無機系光重合開始剤が挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
より具体的には、ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノンが挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン、“イルガキュア”(登録商標)369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン)、同379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン)などが挙げられる。アントラキノン系化合物としては、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノンなどが挙げられる。イミダゾール系化合物としては、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などが挙げられる。ベンゾチアゾール系化合物としては、2−メルカプトベンゾチアゾールが挙げられる。ベンゾオキサゾール系化合物としては、2−メルカプトベンゾオキサゾールが挙げられる。トリアジン系化合物としては、4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。オキシムエステル化合物としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](“IRGACURE”(登録商標)OXE01、BASF(株)製)、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−、1−(O−アセチルオキシム)(“IRGACURE”OXE03)、“IRGACURE”OXE04、“アデカアークルズ”(登録商標)NCI−930、“アデカアークルズ”NCI−831、“アデカアークルズ”N−1919などが挙げられる。これらの中でも、高感度の点からオキシムエステル系開始剤が好ましく、さらに酸素遮断時の輝度低下抑制からNCI−831が好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、現像時の表面荒れを抑制する観点から、固形分中0.1重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。一方、相溶性の観点から、固形分中10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、昭和電工(株)製“カレンズ”(登録商標)MT PE−1(ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート))、昭和電工(株)製“カレンズ”MT NR−1(1,3,5トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン))、昭和電工(株)製“カレンズ”MT BD−1(1,4ビス(3メルカプトブチリルオキシ)ブタン)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物における連鎖移動剤の含有量は、バインダー樹脂との相溶性を向上させる観点から、固形分中10重量%以下が好ましい。
増感剤としては、例えば、チオキサントン系増感剤、芳香族または脂肪族の第3級アミンなどが挙げられる。より具体的には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン(“KAYACURE”(登録商標)DETX−S(日本化薬(株))等が挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物における増感剤の含有量は、固形分中10重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に重合禁止剤を含むことにより、安定性を向上させることができる。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ヒドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコールなどが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物における重合禁止剤の含有量は、安定性を向上させる観点から、固形分中0.0001重量%以上が好ましく、0.005重量%以上がより好ましい。一方、感度を向上させる観点から、固形分中1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましい。
次に、本発明の着色樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の着色樹脂組成物は、C.I.ピグメントグリーン59と、C.I.ピグメントイエロー185および/または金属含有ポルフィリン化合物と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを分散機により分散して顔料分散液を調製した後、必要に応じてその他の成分を添加して混合することによって製造することが好ましい。顔料分散液と、その他の成分を混合した希釈ワニスとを混合して着色樹脂組成物を製造することがより好ましい。着色樹脂組成物が分散剤を含む場合には、顔料分散液調製時に分散剤を添加することが好ましい。
分散機としては、例えば、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、3本ロールミル、アトライター等が挙げられる。これらの中でも、分散効率に優れるビーズミルが好ましい。ビーズミルに用いられる分散ビーズとしては、例えば、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、ガラスビーズが挙げられる。これらの中でも、ジルコニアビーズが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタ基板について説明する。本発明のカラーフィルタ基板は、本発明の着色樹脂組成物の硬化物から形成された緑色画素を有する。透明な基板上に、樹脂ブラックマトリクスと、赤色、緑色および青色の画素を有するカラーフィルタ基板が好ましく、少なくとも緑色の画素が本発明の着色樹脂組成物の硬化物から形成される。さらに、必要に応じてオーバーコート膜を有してもよく、オーバーコート膜の上に、透明導電膜を有してもよい。
透明な基板としては、例えば、ガラス基板、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などのプラスチック板やフィルムなどが挙げられる。光線透過率が高く、機械的強度、寸法安定性に優れることからガラス基板が好ましく、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどの透明ガラス基板がより好ましい。
樹脂ブラックマトリクスを形成する材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのバインダー樹脂と黒色顔料を含有する材料が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック7、カーボンブラック、黒鉛、酸化鉄、酸化マンガン、チタンブラックなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよいし、他の色の顔料をさらに含有してもよい。黒色顔料は表面処理されたものであってもよい。樹脂ブラックマトリクスの厚みは0.5〜2μmが好ましい。
少なくとも緑色画素は本発明の着色樹脂組成物の硬化物から形成され、赤色画素および青色画素は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのバインダー樹脂と顔料を含有する着色樹脂組成物の硬化物から形成されることが好ましい。
赤色画素に使用される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、255、256、257、258,260、261、264、266、267、268、269、273、274などの赤色顔料、C.I.ピグメントイエロー12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185などの黄色顔料、C.I.ピグメントオレンジ13、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71などのオレンジ色顔料などが挙げられる。
青色画素に使用される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64などの青色顔料、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40、50などの紫色顔料、アシッドレッド59、289、特開2011−032298に示された色材等が挙げられる。
オーバーコート膜としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素含有ポリイミド樹脂、ポリイミドシロキサン樹脂などからなる膜などが挙げられる。
カラーフィルタ基板の画素中の着色材は、カラーフィルタ基板から画素に接する他の層を表面研磨により除去し、画素サンプルをマニュピュレーターで採取した後に、着色樹脂組成物中の着色材の分析と同様に同定することができる。
透明導電膜としては、例えば、ITO等の金属酸化物薄膜が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ基板は、さらに、固定されたスペーサーを有してもよい。固定されたスペーサーとは、カラーフィルタ基板の特定の場所に固定され、液晶表示装置を作製した際に対向基板と接するものをいう。固定されたスペーサーにより、対向基板との間に一定のギャップが保持され、このギャップに液晶化合物が充填される。固定されたスペーサーを有することにより、液晶表示装置の製造工程において球状スペーサーを散布する行程や、シール剤内にロッド状のスペーサーを混練りする工程を省略することができる。
本発明のカラーフィルタ基板において、緑色画素における波長490〜570nmの間の透過スペクトルのピークの半値幅は、51〜65nmが好ましい。表示装置の緑色画素のスペクトルは、カラーフィルタの緑色画素のスペクトルとバックライトのスペクトルの掛け合わせにより表され、表示装置の緑色画素の490nmから570nmの間のピークの半値幅(D FWHM)と相関を有する。表示装置の緑色の色純度を一定の値にする場合、カラーフィルタの緑色画素の490nmから570nmの間のピークの半値幅(CF FWHM)が狭い高色純度画素とバックライトの490nmから570nmの間のピークの半値幅(BL FWHM)が広い低演色バックライトの組み合わせと、CF FWHMが広い低色純度画素とBL FWHMが狭い高演色バックライトの組み合わせが挙げられるが、後者の方が、緑色画素を薄くすることができるために、表示装置の色純度が同じ場合に明るさ(D Y)を向上させることができる。このため、画素の波長490〜570nmの間の透過スペクトルのピークの半値幅を51nm以上とすることにより、表示装置の明るさ(D Y)を向上させることができる。一方、上記ピークの半値幅を65nm以下とすることにより、レーザーバックライトのような高価な光源を使わずに、色純度をより向上させることができる。
カラーフィルタ基板における緑色画素について、大塚電子(株)製顕微分光測定器“LCF−100MA”を用いて380〜780nmの透過スペクトルを測定することにより、490〜570nmの間のピーク波長(CF Tmax)およびその半値幅(CF FWHM)を測定することができる。
例えば、前述の本発明の着色樹脂組成物の硬化物を用い、画素膜厚を後述する好ましい範囲とすることにより、ピークの半値幅を容易に上記範囲に調整することができる。
本発明のカラーフィルタ基板の緑色画素において、CIE1931規格で定義されたC光源における色度は、x=0.150〜0.230、y=0.640〜0.700が好ましい。ここで、画素の色度とは、CIE1931で定義された色度を指す。表示装置の緑色画素の色純度を一定の値にする場合、カラーフィルタの緑色画素のスペクトルの490nmから570nmの間のピークの半値幅(CF FWHM)が狭い高色純度画素とバックライトの490nmから570nmの間のピークの半値幅(BL FWHM)が広い低演色バックライトの組み合わせと、CF FWHMが広い低色純度画素とBL FWHMが狭い高演色バックライトの組み合わせが挙げられるが、後者の方が、緑色画素を薄くすることができるために、表示装置の色純度が同じ場合に明るさ(D Y)を向上させることができる。このため、C光源における画素の色度がx=0.150〜0.230、y=0.640〜0.700であると、表示装置の明るさ(D Y)をより向上させることができる。
カラーフィルタ基板における緑色画素について、大塚電子(株)製顕微分光測定器“LCF−100MA”を用いて380〜780nmの透過スペクトルを測定することにより、CIE1931規格に基づく、C光源における色度x(CF x)、y(CF y)、明るさ(CF Y)を測定することができる。
例えば、前述の本発明の着色樹脂組成物の硬化物を用い、画素膜厚を後述する好ましい範囲とすることにより、色度を容易に上記範囲に調整することができる。
本発明のカラーフィルタ基板における画素の膜厚は、表面平滑性の観点から1.5μm以上が好ましく、C光源における透過スペクトルのピーク半値幅や色度を前述の好ましい範囲に調整し、画素欠けを抑制する観点から3μm以下が好ましく、2.6μm以下がより好ましい。
本発明のカラーフィルタ基板における画素の幅は、100μm以上が好ましい。ここで、画素の幅とは、画素の中で一番狭い部分の幅を指す。表示装置の画素欠けは、ストライプパターンが太い方が生じにくいことから、画素幅を100μm以上とすることにより、画素欠けをより抑制することができる。本発明のカラーフィルタ基板は、テレビ用途などの画素幅が比較的大きい表示装置に好ましく用いることができる。
次に、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法について、透明な基板上に、樹脂ブラックマトリクスと、赤色、緑色および青色の画素を有するカラーフィルタ基板を例に説明する。
まず、着色樹脂組成物を基板上に塗布する。塗布方法としては、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法などを用いて基板に着色樹脂組成物を塗布する方法、基板を着色樹脂組成物中に浸漬する方法、着色樹脂組成物を基板に噴霧する方法などが挙げられる。
着色樹脂組成物を透明基板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより、着色樹脂組成物の塗膜を形成することが好ましい。
次に、着色樹脂組成物が感光性を有する場合には、着色樹脂組成物の塗膜上にマスクを設置し、紫外線等により選択的に露光を行う。光源としては、例えば、超高圧水銀灯、ケミカル灯、高圧水銀灯などが挙げられる。露光機としては、プロキシミティ、ミラープロジャクション、レンズスキャン等の方式が挙げられる。これらの中でも、精度の観点からレンズスキャン方式が好ましい。
その後、アルカリ性現像液により現像を行い、パターンを形成する。アルカリ性現像液に用いるアルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ類等が挙げられる。
その後、得られたパターンを加熱処理することによって、着色樹脂組成物を硬化させ、樹脂ブラックマトリクスまたは画素を形成する。加熱処理は、空気中、窒素雰囲気中、真空中などで行うことができる。加熱温度は、150〜350℃が好ましく、180〜250℃がより好ましい。加熱時間は、0.5〜5時間が好ましく、連続的に加熱しても段階的に加熱してもよい。ブラックマトリクスと3〜6原色の各画素について、前記パターニング工程を順次行う。
次に、本発明の表示装置について説明する。本発明の表示装置は、本発明のカラーフィルタ基板とバックライトを有することが好ましい。
バックライトはカラーフィルタ基板に概白色の光を入射させる機能を有する。バックライトの構成としては、例えば、青色LEDに蛍光体がチップ化された白色光を発光する素子を画面全体にならべた構成や、青色LEDと色変換フィルムを組み合わせることにより青色光を白色光に変換する構成などが挙げられる。前者の構成を有するバックライトとしては、例えば、青色LEDと無機蛍光体がチップ化された発光ダイオードとして、(「NS2W364F」、商品名、日亜化学(株)製)や、「NSSW703B−HG」、商品名、日亜化学(株)製)などが挙げられる。
バックライトの材料としては、例えば、青色LEDとYAG蛍光体からなる二波長(白色)LED、青色LEDとβ−サイアロン、KSF蛍光体からなる三波長(白色)LEDなどの無機蛍光体や、特開2002−348568号公報に記載のピリジンーフタルイミド、特開2007−273440号公報に記載のクマリン誘導体、特開2002−317175号公報に記載のペリレン誘導体、特開2011−241160号公報に記載のローダミン誘導体、特開2011−241160号公報に記載のジピロメテン誘導体などの有機蛍光体などが挙げられる。無機蛍光体としては、β−サイアロンとKSF蛍光体を組み合わせたものが、波長490〜570nmにおける発光スペクトルのピークの半値幅が狭いことから好ましく用いられる。有機蛍光体としては、ジピロメテン誘導体が、波長490〜570nmにおける発光スペクトルのピークの半値幅が狭く、寿命が長いことから好ましく用いられる。
バックライトの波長490〜570nmにおける強度のピークの波長は、510〜530nmが好ましい。ピークの波長が510nm以上であると、青色との色分離がしやすく、530nm以下であると、赤色との色分離がしやすい。
バックライトの波長490〜570nmにおける強度のピークの半値幅は、31〜50nmが好ましい。ピークの半値幅が31nm以上であると、輝度を向上させることができ、50nm以下であると、色純度をより向上させることができる。
バックライトの光度は、表示装置の視認性の観点から、8,000nit以上が好ましく、10,000nit以上がより好ましく、15,000nit以上がさらに好ましい。一方、着色材の光安定性の観点から、1000,00nit以下が好ましく、50,000nit以下がより好ましく、30,000nit以下がさらに好ましい。
バックライトの波長490〜570nmにおける強度のピークの波長(BL Emax)およびその半値幅(BL FWHM)は、BL Lが10000nitになる出力で発光したバックライトの発光スペクトルを、大塚電子(株)製LCD評価装置LCD−720を用いて測定することにより測定することができる。
色変換フィルムは、入射光を入射光の波長よりも長波長の光に変換するフィルムである。下記一般式(5)で表される化合物を含む色変換組成物からなることが好ましい。
一般式(5)中、Xは、C−R7またはNを表す。R1〜R9は、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、アミド基、隣接置換基との間に形成される縮合環または脂肪族環を表す。前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニ基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、アミド基、ホスフィンオキシド基の水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
色変換組成物は、前記一般式(5)で表される化合物とともに、樹脂を含有することが好ましい。
色変換フィルムの膜厚は200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
バックライトを有する本発明の表示装置において、発光スペクトルの490〜570nmの間のピークの半値幅(D FWHM)は30nm以下が好ましい。
ピークの半値幅を30nm以下にする方法としては、例えば、青色LEDと色変換フィルムを張り合わせたバックライトと本発明のカラーフィルタ基板を組み合わせる方法などが挙げられる。 本発明の表示装置の緑色画素の色度は、x=0.160〜0.183、y=0.690〜0.790が好ましい。表示装置の緑色画素の色度がx=0.160〜0.183、y=0.690〜0.790であると、BT.2020カバー率を向上させることができる。BT.2020カバー率は、(x、y)座標系において定義された3点(Red(0.708、0.292)、Green(0.170、0.797)、Blue(0.131、0.046))で囲まれる領域の面積を100%として、Green(0.170、0.797)の座標を本発明の表示装置における緑色画素の色度の座標に置換した際のRed、Green、Blueで囲まれる領域との重なりの面積割合を指す。xが0.160以上であると、定義されたGreen(0.170、0.797)とBlue(0.131、0.046)を結ぶ線分の内側に入るため、カバー率を大きくすることができ、xが0.183以下であると、Green(0.170、0.797)とRed(0.708、0.292)を結ぶ線分の内側に入るため、カバー率を大きくすることができる。また、yが0.690以上であると、カバー率を大きくすることができ、0.790以下であると、明るさ(D Y)を向上させることができる。
例えば、前述の本発明のカラーフィルタ基板と、好ましいバックライトとを組み合わせることにより、色度を容易に上記範囲に調整することができる。より具体的には、C.I.ピグメントイエロー185を増量することによりx(D x)を大きくすることができ、金属含有ポルフィリンを増量することによりD xを小さくすることができる。また、バックライトの波長490〜570nmにおけるピーク波長をより短波長側にすることによりD xを小さくすることができ、長波長側にすることによりD xを大きくすることができる。
本発明の表示装置をBL Lが10000nitになる出力で発光させ、緑色画素の発光スペクトルを、大塚電子(株)製LCD評価装置LCD−720を用いて測定することにより、色度(D x)(D y)を測定することができる。
次に、本発明の表示装置の製造方法について、液晶表示装置を例に説明する。まず、対向基板は、薄膜トランジスタ(TFT)素子、走査線、信号線および透明電極を有する駆動素子基板上に、液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜を設け、対向基板を得る。本発明のカラーフィルタ基板に液晶配向のためのラビング処理を施し、前述の対向基板と対向させ、シール材を用いて貼合せる。次に、シール部に設けられた注入口から、対向基板とカラーフィルタ基板の間のギャップに液晶化合物を注入した後に、注入口を封入する。次に、バックライトを取り付け、ICドライバ等を実装することにより、液晶表示装置を得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。まず、実施例における評価方法を説明する。
(金属含有ポルフィリン化合物およびポルフィリン化合物の吸収極大波長の測定)
後述する金属含有ポルフィリン化合物およびポルフィリン化合物を、それぞれジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EDM)で1000000倍に希釈し、紫外可視近赤外分光光度計((株)島津製作所製UV−3600Plus)を用いて吸収スペクトルを測定することにより、吸収極大波長を測定した。
(カラーフィルタ基板における緑色画素の波長490〜570nmの間の透過スペクトルのピーク波長、ピーク波長の半値幅、色度および明るさの測定)
各実施例および比較例により得られたカラーフィルタ基板の緑色画素について、大塚電子(株)製顕微分光測定器LCF−100MA”を用いて380〜780nmの透過スペクトルを測定し、CIE1931規格に基づく、C光源における490〜570nmの間のピーク波長(CF Tmax)およびその半値幅(CF FWHM)と、色度xy(CF x、CF y)、明るさ(CF Y)を測定した。
(カラーフィルタ基板における緑色画素の膜厚の測定)
各実施例および比較例により得られたカラーフィルタ基板の緑色画素のうち、前述の方法により透過スペクトルを測定した箇所について、(株)東京精密製膜厚計“サーフコム”1400Dを用いて膜厚を測定した。
(カラーフィルタ基板における緑色画素幅の測定方法)
各実施例および比較例により得られたカラーフィルタ基板の緑色画素について、大塚電子(株)製LCD評価装置LCD−7200を用いて最小幅を測定した。
(カラーフィルタ基板の緑色画素欠けの評価)
各実施例および比較例により得られたカラーフィルタ基板の緑色画素を、Nikon製顕微鏡OPTIPHOT 300を用いて、倍率50倍の条件で5cm×5cmの視野を観察し、欠け面積の割合から下記基準により画素欠けを評価した。
◎:欠け面積が0%
○:欠け面積が0%を超え0.01%以下
○:欠け面積が0.01%を超え0.1%以下
△:欠け面積が0.1%を超え1%以下
×:欠け面積が1%を超える。
(カラーフィルタ基板における緑色画素の表面平滑性の評価)
各実施例および比較例により得られたカラーフィルタ基板の緑色画素のうち、前述の方法により透過スペクトルを測定した箇所について、(株)東京精密製膜厚計“サーフコム”(登録商標)1400Dを用いて、基準長さ0.05mmについて、JIS B0601(2013年)に規定される算術平均粗さRaを測定し、以下基準により表面平滑性を評価した。
◎:5nm以下
○:5nmを超え10nm以下
×:10nmを超える。
(バックライトの波長490〜570nmにおける発光スペクトルのピーク波長およびピーク波長の半値幅の測定)
後述するバックライトの発光スペクトルを、大塚電子(株)製LCD評価装置LCD−720を用いて測定し、バックライトの波長490nm〜570nmにおけるピーク波長(BL Emax)およびその半値幅(BL FWHM)を測定した。
(表示装置における緑色画素の波長490〜570nmにおける発光スペクトルのピーク波長、ピーク波長の半値幅、色度および輝度の測定)
各実施例および比較例1〜11により得られた表示装置を、BL Lが10000nitになる出力で発光させ、緑色画素の発光スペクトルを、大塚電子(株)LCD評価装置LCD−720を用いて測定し、緑色画素の波長490〜570nmにおけるピーク波長(D Emax)およびその半値幅(D FWHM)、色度(D x)(D y)、輝度(D L)を測定した。前述の方法により測定した表示装置の輝度(D L)を、後述する比較例1の輝度を100%としたときの百分率から表示装置の明るさ(D Y)(単位%)を算出した。なお、ここで算出した明るさを、連続点灯前の明るさとした。
(表示装置の寿命の評価)
各実施例および比較例1〜11により得られた表示装置を500時間連続点灯した後、緑表示を点灯し、大塚電子(株)LCD評価装置LCD−7200を用いて、前述の方法により明るさ(D Y)を測定した。前述の方法により算出した連続点灯前の明るさに対する連続点灯後の明るさの比の百分率((500時間連続点灯後の明るさ/連続点灯前の明るさ)×100)から、下記基準により寿命を評価した。
◎:99.9%以上
○:99.0%を超え99.9%未満
×:99.0%未満。
(BT.2020カバー率の評価)
(x、y)座標系においてBT.2020の定義された3点(Red(0.708、0.292)、Green(0.170、0.797)、Blue(0.131、0.046))で囲まれる領域の面積を100%として、RedとBlueは定義された点のまま、Greenの座標を各実施例および比較例において測定された緑色画素の色度(D x、D y)に置換した際のRed、Green、Blueで囲まれる領域との重なりの面積割合を算出した。
(バックライト1:青色LED+YAG蛍光体の作製)
容積300mlのポリエチレン製容器を用いて、シリコーン樹脂OE−6630A/B(東レ・ダウコーニング(株)製)を47重量%、CeドープのYAG系蛍光体NYAG−02(Intematix社製、比重:4.8g/cm3、D50:7μm)を53重量%の比率で混合した。得られた混合液を、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(倉敷紡績(株)製)を用いて、1000rpmで20分間撹拌・脱泡してシート作製用樹脂液を得た。
得られたシート作製用樹脂液を、スリットダイコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム“セラピール”(登録商標)BLK(東レフィルム加工(株)製)上に塗布し、130℃で2時間加熱、乾燥して膜厚200μmの蛍光体シートを得た。得られた蛍光体シートを、ダイシング装置を用いて1mm角に小片化した。
小片化した蛍光体シート上に、ダイボンドペーストEN−4900GC(日立化成工業(株)製)を塗布した後、1mm角のフリップチップタイプ青色LEDチップが実装された基板に、チップ表面にダイボンドペースト塗布面が接触するようにシートを配置し、密着させた。密着させた蛍光体シートとチップ実装基板を、ホットプレートを用いて100℃で1分間加熱し、ダイボンドペーストを硬化させた。封止剤OE−6630A/B(東レ・ダウコーニング(株)製)を用いて封止し、バックライト1を得た。
得られたバックライト1を前述の方法により評価したところ、BL Emax=540nm、BL FWHM=113nmであった。
(バックライト2:青色LED+βサイアロン蛍光体+KSF蛍光体の作製)
容積300mlのポリエチレン製容器を用いて、シリコーン樹脂OE−6630A/B(東レ・ダウコーニング(株)製)を86重量%、βサイアロン蛍光体(デンカ(株)製 GR−240)を7重量%、KSF蛍光体(デンカ(株)製、RE−315)を7重量%の比率で混合した。得られた混合液を、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(倉敷紡績(株)製)を用いて、1000rpmで20分間撹拌・脱泡してシート作製用樹脂液を得た。
上記方法により得られたシート作製用樹脂液を用いたこと以外はバックライト1の作製と同様の方法により、バックライト2を得た。得られたバックライト2を前述の方法により評価したところ、BL Emax=540nm、BL FWHM=55nmであった。
(バックライト3:青色LED+βサイアロン蛍光体+KSF蛍光体の作製)
βサイアロン蛍光体として、デンカ(株)製 GR−240にかえてデンカ(株)製 GR−SW529Yを用いたこと以外はバックライト2の作製と同様の方法により、バックライト3を得た。得られたバックライト3を前述の方法により評価したところ、BL Emax=528nm、BL FWHM=48nmであった。
(バックライト4:青色LED+色変換フィルムの作製)
化合物G−1の合成
3,5−ジブロモベンズアルデヒド(3.0g)、4−t−ブチルフェニルボロン酸(5.3g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g)、炭酸カリウム(2.0g)をフラスコに入れ、窒素置換した。ここに脱気したトルエン(30mL)および脱気した水(10mL)を加え、4時間還流した。反応溶液を室温まで冷却し、有機層を、分液した後に飽和食塩水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3,5−ビス(4−t−ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(3.5g)を白色固体として得た。
3,5−ビス(4−t−ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(1.5g)と2,4−ジメチルピロール(0.7g)を反応溶液に入れ、脱水ジクロロメタン(200mL)およびトリフルオロ酢酸(1滴)を加えて、窒素雰囲気下、4時間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(0.85g)の脱水ジクロロメタン溶液を加え、さらに1時間撹拌した。反応終了後、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体(7.0mL)およびジイソプロピルエチルアミン(7.0mL)を加えて、4時間撹拌した後、さらに水(100mL)を加えて撹拌し、有機層を分液した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記構造を有する化合物G−1を0.4g得た(収率18%)。
化合物R−1の合成
4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ピロール300mg、2−メトキシベンゾイルクロリド201mgとトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、120℃で6時間加熱した。室温に冷却後、エバポレートした。エタノール20mlで洗浄し、真空乾燥した後、2−(2−メトキシベンゾイル)−3−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピロール260mgを得た。
次に、2−(2−メトキシベンゾイル)−3−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピロール260mg、4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ピロール180mg、メタンスルホン酸無水物206mgと脱気したトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、125℃で7時間加熱した。室温に冷却後、水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、エバポレートし、真空乾燥した。
次に、得られたピロメテン体とトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、ジイソプロピルエチルアミン305mg、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体670mgを加え、室温で3時間撹拌した。水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空乾燥した後、下記構造を有する赤紫色粉末R−1 0.27gを得た。
シリコーン樹脂OE−6630A/B(東レ・ダウコーニング(株)製)を100重量部、化合物G−1を0.20重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(倉敷紡績(株)製)を用いて、300rpmで1時間撹拌し、組成物を製造した。
得られた組成物を、バーコーターを用いて延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レフィルム加工(株)製“セラピール”BLK)に塗布し、120℃で5分間加熱、乾燥して平均膜厚10μmのコーティング層を形成した。その後、拡散フィルム“Texcell”(登録商標)TDF127(TEXCELL(株)製)を積層した後、60℃で1時間加熱して、色変換フィルムを得た。
得られた色変換フィルムに青色LEDを張り合わせ、色変換フィルムを用いたバックライト4を得た。得られたバックライト4を前述の方法により評価したところ、BL Emax=527nm、BL FWHM=31nmであった。
(着色材分散液の作製)
C.I.ピグメントグリーン59(DIC(株)製“FASTOGEN”(登録商標)Green C100)150g、高分子分散剤(ビックケミー製“BYK”(登録商標)−6919(以下BYK6919))75g、バインダーポリマー(ダイセル・オルネクス(株)製、“サイクロマー”(登録商標)P、(ACA)Z250、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル45重量%溶液(以下サイクロマー))100g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PMA)675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントグリーン59分散液(D−1)を作製した。
C.I.ピグメントイエロー185(BASF製“Paliotol”(登録商標)Yellow D1155)150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントイエロー185分散液(D−2)を作製した。
金属含有ポルフィリン(山田化学工業(株)製FDG−007 極大吸収波長 594nm (化学式(2))50g、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EDM) 950gを混合して、金属含有ポルフィリン分散液(D−3)を作製した。
金属含有ポルフィリン(山田化学(株)工業製FDG−005 極大収集波長 583nm (化学式(3))50g、EDM 950gを混合して、金属含有ポルフィリン分散液(D−4)を作製した。
無金属ポルフィリン(東京化成工業(株)製5−(4−カルボキシフェニル)−10,15,20,トリフェニルポルフィリン 極大収集波長 416nm 化学式(4))50g、EDM 950gを混合して、無金属ポルフィリン分散液(D−5)を作製した。
C.I.ピグメントグリーン7(大日精化(株)製シアニングリーン2GN)150g、BYK6919 75g、 サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントグリーン7分散液(D−6)を作製した。
C.I.ピグメントグリーン58(DIC(株)製“FASTOGEN”(登録商標)Green A110)150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントグリーン58分散液(D−7)を作製した。
C.I.ピグメントイエロー138(東洋インキSCホールディング(株)製“LIONOGEN”(登録商標)YELLOW1010)150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントイエロー138分散液(D−8)を作製した。
C.I.ピグメントイエロー150(ランクセス製Yellow Pigment E4GN)150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントイエロー150分散液(D−9)を作製した。
C.I.ピグメントイエロー129(BASF製“Irgazin”(登録商標) Yellow 5GLT)150g、BYK6919 75g、バインダーポリマー(ダイセル・オルネクス(株)製、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントイエロー129分散液(D−10)を作製した。
C.I.ピグメントグリーン36(BASF製“HELIOGEN”(登録商標) Green K9360))150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、C.I.ピグメントグリーン36分散液(D−11)を作製した。
(ブラックマトリクス用樹脂組成物の作製)
カーボンブラック(三菱化学(株)製MA100)150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、ブラックマトリクス用分散液(BMD−1)を作製した。
BMD−1 56.54、サイクロマー 3.14g、DPHAモノマー(日本化薬(株)製“カヤラッド”(登録商標)DPHA)2.64g、光重合開始剤((株)ADEKA製“アデカアークルズ”(登録商標)NCI−831(以下NCI−831))0.330g、界面活性剤(ビックケミー製“BYK”(登録商標)−333(以下BYK−333))0.04g、重合禁止剤(DIC(株)製ターシャリブチルカテコール(TBC))0.01gPMA37.30gを添加し、ブラックマトリクス用のブラックマトリクス用樹脂組成物1(BM−1)を作製した。
(赤色樹脂組成物の作製)
C.I.ピグメントレッド177(チバスペシャリティケミカル(株)製“クロモフタール”レッド(登録商標) A2B)150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、赤用分散液(RD−1)を作製した。
RD−1 56.54、サイクロマー 3.14g、DPHAモノマー 2.64g、光重合開始剤(NCI−831)0.330g、界面活性剤(BYK−333)0.04g、重合禁止剤(TBC)0.01gPMA37.30gを添加し、赤色樹脂組成物(R−2)を作製した。
(青色樹脂組成物の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6(DIC(株)製 EP193)150g、BYK6919 75g、サイクロマー 100g、PMA 675gを混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、青用分散液(BD−1)を作製した。
BD−1 29.02、サイクロマー 12.70g、DPHAモノマー 4.68g、光重合開始剤(NCI−930)0.585g、界面活性剤(BYK−333)0.04g、重合禁止剤(TBC)0.01g、PMA 52.96gを添加し、青色樹脂組成物(B−1)を作製した。
(評価用基板の作製)
無アルカリガラス上に、硬化後膜厚みが1.5μmになるようにブラックマトリクス用樹脂BK−1を塗布し、真空乾燥した後、5μm幅のストライプ状フォトマスクを介して、i線40mJ/cm2で露光し、0.3重量%テトラメチルアンモニウム水溶液で50秒間現像を行い、230℃30分間加熱硬化を行い、ブラックマトリクスを形成した。この上に赤色樹脂組成物 R−2を膜厚2.5μmになるように塗布し、真空乾燥した後、50μm幅のストライプ状フォトマスクを介して、i線40mJ/cm2で露光し、0.3重量%テトラメチルアンモニウム水溶液で50秒間現像を行い、230℃30分間加熱硬化を行った。さらにこの上に青色樹脂組成物 B−1を膜厚2.5μmになるように塗布し、真空乾燥した後、50μm幅のストライプ状フォトマスクを介して、i線40mJ/cm2で露光し、0.3重量%テトラメチルアンモニウム水溶液で50秒間現像を行い、230℃30分間加熱硬化を行い、画素ピッチ50μmの赤色画素と青色画素の形成された基板を作製した。
比較例1
(着色樹脂組成物の作製)
前記C.I.ピグメントグリーン59分散液(D−1) 56.54g、サイクロマー 3.14g、DPHAモノマー 2.64g、光重合開始剤(NCI−831)0.330g、界面活性剤(BYK−333)0.04g、重合禁止剤(TBC)0.01g、PMA 37.30gを添加し、C.I.ピグメントグリーン59の比較着色樹脂組成物1(H−1)を作製した。配合比は表1に記載した。
(カラーフィルタ基板の作製)
赤色画素と青色画素の形成された評価用基板上に、比較着色樹脂組成物(H−1)を塗布した後、90℃で10分間加熱乾燥を行った。得られた着色樹脂組成物塗布膜に、50μm幅のネガ用フォトマスクを介して、100mJ/cm2の露光を行った後、0.3重量%のテトラメチルアンモニウム水溶液で現像を行うことにより、所望のパターンを形成した。続いて、230℃で30分間加熱硬化を行った。なお、着色樹脂組成物は、表示装置における色度y(D y)が0.740になる膜厚に塗布した。ただし、あらかじめ着色樹脂組成物から2〜20μmの複数の膜厚の着色樹脂組成物塗布膜を作製して表示装置における色度y(D y)が0.740になる膜厚を算出した。
次に、透明電極を形成し、緑色画素、青色画素および赤色画素を有するカラーフィルタ基板を得た。
得られたカラーフィルタ基板について、前述の方法により評価したところ、CF x=0.105、CF y=0.676、CF Y=10.8、CF Tmax=515nm、CF FWHM=42nmであった。また、画素の膜厚は7.82μmと厚く、画素欠けが発生した。その他の評価結果をあわせて表5に示す。
(表示装置の作製)
無アルカリガラス上にTFT素子、透明電極等を形成し、アレイ基板を作製した。前記方法により得られたカラーフィルタ基板とアレイ基板に、それぞれポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理を行った。アレイ基板にマイクロロッドを練り込んだシール剤を印刷し、ビーズスペーサーを散布した後、アレイ基板とカラーフィルタ基板を貼り合わせた。シール部に設けられた注入口からネマティック液晶(JNC(株)製“LIXON”(登録商標)JC−5007LA)を注入した後、液晶セルの両面に偏光フィルムを偏光軸が垂直になるようにして貼り合わせ、液晶パネルを得た。この液晶パネルに、バックライト光源としてBL1を取り付け、TABモジュール、プリント基板等を実装し、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、前述の方法により評価したところ、D Emax=520nm、D FWHM=36nm、D x=0.137、D y=0.740であった。このときのD Yを100%とした。その他の評価結果をあわせて表8に示す。
実施例1〜7、比較例2〜11
着色樹脂組成物の含有量比率を表1〜2に記載のとおりに変更したこと以外は比較例1と同様にして、実施着色組成物(J−1〜7)と比較着色組成物(H−2〜11)とを作製した。組成物の配合比は表3〜4に示した。
着色樹脂組成物の種類と画素膜厚を表5〜6に記載のとおりに変更したこと以外は比較例1と同様にして、カラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
実施例8〜9
バックライト光源をBL2に変更し、画素膜厚を表6に記載のとおりに変更したこと以外は実施例5〜6と同様にして、カラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
実施例10〜11
バックライトをBL3に変更し、画素膜厚を表6に記載のとおりに変更したこと以外は実施例5〜6と同様にして、カラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
実施例12〜13
バックライトをBL4に変更し、画素膜厚を表6に記載のとおりに変更したこと以外は実施例5〜6と同様にして、カラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
実施例14
フォトマスクの線幅を100μmに変更してカラーフィルタを形成し、対応するTFT基板も100μmピッチに変更したこと以外は実施例6と同様にして、カラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
比較例12〜22
画素膜厚を表7に記載のとおりに変更したこと以外は比較例1〜11と同様にして、カラーフィルタ基板を作製した。
各実施例および比較例に用いた着色樹脂組成物の組成を表1〜4に、カラーフィルタ基板の評価結果を表5〜7に、表示装置の評価結果を表8〜9に示す。
着色材としてC.I.ピグメントグリーン59だけを用いた比較例1のカラーフィルタは、D y=0.740とするためには画素膜厚を厚くする必要があり、画素欠けが多いものであった。また、着色材として、C.I.ピグメントグリーン59を用いなかった比較例3〜4や、C.I.ピグメントイエロー185および金属含有ポルフィリン化合物をいずれも用いなかった比較例2、5は、D y=0.740とするためには画素膜厚を厚くする必要があり、画素欠けが多いものであった。その他、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントイエロー185および金属含有ポルフィリン化合物をいずれも用いなかった比較例6〜11も、D y=0.740とするためには画素膜厚を厚くする必要があり、画素欠けが発生するものであった。これに対して、実施例1〜7はいずれも画素欠けが抑制されていた。
実施例1〜7に対し、カラーフィルタ基板の緑色画素の波長490〜570nmの間の透過スペクトルのピークの半値幅(CF FWHM)が51〜65nmである実施例8〜13は、表示装置の色純度(D y)が同じであるにも関わらず、表示装置の明るさ(D Y)がより優れていた。
実施例1〜9に対して、C光源におけるカラーフィルタ基板の緑色画素の色度が、x=0.150〜0.230、y=0.640〜0.700である実施例10〜13は、表示装置の色純度(D y)が同じであるにも関わらず、表示装置の明るさ(D Y)がより優れていた。
実施例2〜4、6、7、9、11、13〜14に比べて、表示装置の色度が、x=0.160〜0.183、y=0.690〜0.790の実施例1、5、8、10、12は、BT.2020カバー率がより優れていた。
実施例6に対し、画素幅を100μmにした実施例14は、同じ着色樹脂組成物を使っているにも関わらず、画素欠けがさらに抑制されていた。
実施例10に対し、D FWHMが30nm以下である実施例12は、表示装置の色純度(D y)が同じであるにも関わらず、表示装置の明るさ(D Y)がより優れていた。実施例11に対する実施例13についても同様のことが言える。
実施例5、8に対して、波長490〜570nmにおける強度のピークの波長が510〜530nmの範囲にあるバックライトと組み合わせた実施例10、12は、表示装置の色純度(D y)が同じであるにも関わらず、画素膜厚をより薄くすることができ、表示装置の明るさ(D Y)がより優れていた。実施例6、9と実施例11、13についても同様のことが言える。
実施例5、8、10、12は同じ着色樹脂組成物でありかつ、液晶表示装置の色純度(D y)が同じであるにも関わらず、490〜570nmにおける強度の半値幅が31〜60nmであるバックライトと組み合わせた実施例8、10、12は、緑色画素をより薄膜に形成することができ、表示装置の明るさ(D Y)がより優れていた。実施例6、9、11、13についても同様のことが言える。
実施例5〜6、8〜11に対して、長寿命な色変換フィルムを用いた実施例12〜13の表示装置は、寿命がより向上した。