以下、客自身の操作により注文を受けるセルフモードと店員の操作により注文を受ける店員モードとを、簡単に遷移できるオーダ端末の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、ここでは、客から注文を受けた飲食物を調理し提供する飲食店に構築されたセルフオーダ方式の注文管理システムを例に実施形態について説明する。
図1は、セルフオーダ方式の注文管理システム10を示す概略図である。注文管理システム10は、オーダステーション11、厨房端末12、伝票プリンタ13、POS(Point Of Sales)端末14、無線アクセスポイント15及び複数台のセルフオーダ端末16を含む。また注文管理システム10は、LAN(Local Area Network)17を含み、このLAN17に、オーダステーション11、厨房端末12、伝票プリンタ13、POS端末14及び無線アクセスポイント15を接続している。一方、各セルフオーダ端末16は、無線アクセスポイント15と無線通信を行うための通信手段として、無線ユニット164(図4を参照)を備えており、各セルフオーダ端末16は、無線アクセスポイント15を介してオーダステーション11等とデータ通信を可能としている。
オーダステーション11は、セルフオーダ端末16で受けた客の注文に関するデータを管理するための注文管理装置として機能する。オーダステーション11は、メニューテーブル18とオーダテーブル19とを備える。
メニューテーブル18は、客に提供される飲食メニューの品目毎に生成されたメニューレコード18R(図2参照)を記憶する。
図2は、メニューレコード18Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図2に示すようにメニューレコード18Rは、メニューコード、メニュー名称、価格、分類コード、メニュー画像等のデータ項目を含む。メニューコードは、飲食メニューの品目を個々に識別するために品目毎に設定された一意のコードである。メニュー名称及び価格は、飲食メニューの品目を表す名称及び1品当たりの値段である。分類コードは、飲食メニューの品目を分類するための項目(例えば和食、洋食、中華、デザート類、ドリンク類等)を識別するために項目毎に設定された一意のコードである。メニュー画像は、飲食メニューの品目を撮影した画像である。
オーダテーブル19は、客が飲食するための客席用テーブル、いわゆる食卓毎に、その食卓に着いた客の注文内容等を示すオーダレコード19R(図3を参照)を記憶する。
図3は、オーダレコード19Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図3に示すようにオーダレコード19Rは、テーブルNo.、人数、パターンNo.、開始時刻、オーダ品目データ、合計金額、会計済フラグ等のデータ項目を含む。テーブルNo.は、食卓を個々に識別するために食卓毎に設定された一意のコードである。人数は、1つの食卓に着いた客の人数である。パターンNo.は、飲食店が客に提供する注文のオプション、例えば飲み放題、食べ放題等を個々に識別するためにオプション毎に設定された一意のコードである。開始時刻は、食卓に着いた客から最初に注文を受けた時刻である。
オーダ品目データは、客から注文を受けた飲食メニューの品目毎に生成されるデータである。オーダ品目データは、メニューコード、メニュー名称、価格、点数、金額、オーダ種別、担当者No.等を含む。点数は、同一品目の注文点数である。金額は、価格に注文点数を乗算して得られた金額である。オーダ種別は、セルフオーダ端末16において、セルフモードで受けた注文のオーダ品目データなのか、店員モードで受けた注文のオーダ品目データなのかを識別するための情報である。担当者No.は、店員を識別するために店員毎に設定された一意のコードである。
セルフモードで受けた注文のオーダ品目データの場合、オーダ種別は、例えば“0”となる。また、担当者No.も“0”となる。店員モードで受けた注文のオーダ品目データの場合、オーダ種別は、例えば“1”となる。また、担当者No.は、その店員に割り当てられた担当者No.となる。
合計金額は、客から注文を受けた品目の合計金額である。会計済フラグは、当該オーダレコード19Rによって管理される客の会計が済んでいるか否かを識別するフラグである。本実施形態において、会計フラグは、未会計の状態を“0”とし、会計済の状態を“1”とする。
図1に説明を戻す。
厨房端末12は、厨房に設置され、その厨房の調理担当者に客の注文内容を通知する端末である。例えば厨房端末12は、ディスプレイを備えており、客から注文を受けた品目の種類と点数とを一覧にした画面をディスプレイに表示させる。例えば厨房端末12は、プリンタを備えており、客から注文を受けた品目の種類と点数とを記述した注文受付票をプリントアウトする。なお、厨房端末12は、1台に限定されるものではない。厨房が和食用、洋食用、中華用等に分かれている場合、厨房毎に厨房端末12が設置されていてもよい。
伝票プリンタ13は、オーダステーション11の制御の下に、客が注文した品目の明細を、その客が着いている食卓のテーブルNo.とともに印刷した注文伝票を発行する。
POS端末14は、通常、会計場に設置される。POS端末14は、オーダテーブル19に記憶されたオーダレコード19Rのデータを基に、飲食を終えた客の会計を処理する。例えばPOS端末14は、注文伝票に印刷されているテーブルNo.の読取手段を備えている。POS端末14は、読取手段によってテーブルNo.を読み取ると、そのテーブルNo.のオーダレコード19Rをオーダステーション11から取得する。POS端末14は、そのオーダレコード19Rに含まれるデータと客の支払いデータとで会計を処理し、レシートを発行する。
セルフオーダ端末16は、食卓毎に用意される。セルフオーダ端末16は、基本的には、その食卓に着いた客自身の操作によってその客の注文を受け、その注文に関するデータをオーダステーション11に無線通信を利用して送信することが可能なタブレット型の情報端末である。すなわちセルフオーダ端末16は、客自身が操作して注文を行うモード、いわゆるセルフモードを有する。またセルフオーダ端末16は、店員が操作して客のオーダを入力するモード、いわゆる店員モードも有する。
セルフオーダ端末16は、セルフモードのときには、当該セルフオーダ端末16が用意されている食卓に着いた客が注文を行う場合にのみ利用される。これに対して店員モードのときには、セルフオーダ端末16は、当該セルフオーダ端末16が用意されている食卓以外の食卓に着いた客の注文を受けることが可能となる。すなわち店員は、他の食卓又は予備として用意されているセルフオーダ端末16であっても、店員モードとすることにより、そのセルフオーダ端末16を利用して客の注文を受けることができる。
図4は、セルフオーダ端末16の要部回路構成を示すブロック図である。セルフオーダ端末16は、プロセッサ161、メインメモリ162、補助記憶デバイス163、無線ユニット164、タッチパネル165、コネクタ166及びシステムバス167を備える。そしてセルフオーダ端末16は、システムバス167に、プロセッサ161、メインメモリ162、補助記憶デバイス163、無線ユニット164、タッチパネル165及びコネクタ166を直接または信号入出力回路を介して接続し、プロセッサ161と他の部との間のデータ通信を可能にしている。
セルフオーダ端末16は、プロセッサ161、メインメモリ162及び補助記憶デバイス163と、これらを接続するシステムバス167とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ161は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ161は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、セルフオーダ端末16としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ162は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ162は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ162は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ162は、プロセッサ161が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ162は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ161によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス163は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス163として使用される。補助記憶デバイス163は、プロセッサ161が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ161での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス163は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
無線ユニット164は、無線を利用して無線アクセスポイント15との間で双方向のデータ通信を行う。
タッチパネル165は、セルフオーダ端末16の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。すなわちタッチパネル165は、プロセッサ161の制御により、種々の画面を表示することができる。またタッチパネル165は、その画面上のタッチ操作を検知し、その操作情報をプロセッサ161に与えることができる。
コネクタ166は、セルフオーダ端末専用のドッキングステーションと電気的に接続する。セルフオーダ端末16は、駆動電源としてバッテリを搭載しており、ドッキングステーションと接続することによりバッテリを充電することができる。ドッキングステーションは、例えば食卓毎にそれぞれ設置されている。
かかる構成のセルフオーダ端末16は、補助記憶デバイス163の記憶領域の一部をテーブルNo.の記憶部168としている。この記憶部168には、当該セルフオーダ端末16が設置された食卓のテーブルNo.が予め設定されている。
図5乃至図7は、セルフオーダ端末16のプロセッサ161が、制御プログラムに従って実行する処理手順の要部を示す流れ図である。制御プログラムは、メインメモリ162又は補助記憶デバイス163に記憶されている。また、図8〜図12は、セルフオーダ端末16のタッチパネル165に表示される種々の画面例である。以下、図5乃至図12を用いて、セルフオーダ端末16の動作を説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であり、同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び画面例は特に限定されるものではない。
プロセッサ161は、Act1として、モードフラグMFとスタートフラグSFとを、いずれも“0”にリセットする。モードフラグMFは、セルフオーダ端末16がセルフモードで動作中なのか店員モードで動作中なのかを識別する1ビットの情報である。本実施形態では、セルフモードで動作中のときモードフラグMFは“0”となり、店員モードで動作中のとき“1”となる。スタートフラグSFは、セルフモードにおいて、最初のオペレーションである人数入力が行われる前なのか行われた後なのかを識別する1ビットの情報である。本実施形態では、人数入力が行われる前のときスタートフラグSFは“0”となり、人数入力が行われると“1”となる。モードフラグMF及びスタートフラグSFは、いずれもメインメモリ162に記憶されている。
プロセッサ161は、Act2として、タッチパネル165にトップ画面を表示させる。トップ画面は、食卓に着いた客の人数を入力するためのテンキーボタン及び確定ボタンの画像を含む。またトップ画面は、記憶部168に記憶されているテーブルNo.の表示エリア、いわゆるテーブルNo.エリアを含む。その他のレイアウトは特に限定されるものではない。例えば「いらっしゃいませ。注文を開始する場合には、人数を入力した後、確定ボタンにタッチしてください」等のメッセージが表示されてもよい。
このように、各食卓に用意されたセルフオーダ端末16は、初期状態ではセルフモードに設定されており、タッチパネル165にトップ画面が表示されている。そこで、着席した食卓に用意されたセルフオーダ端末16を利用して自ら注文を行う客は、先ず、トップ画面に表示されたテンキーボタンをタッチして人数を入力し、続いて確定ボタンをタッチする。なお、人数の入力と確定ボタンのタッチ操作は、客を食卓まで案内した店員が行ってもよい。
トップ画面を表示させたプロセッサ161は、Act3として人数が入力されたか否かを確認する。プロセッサ161は、テンキーボタンによる置数の後に確定ボタンがタッチされると、置数された値を人数とする。人数が入力されていない場合(Act3、NO)、プロセッサ161は、Act4としてモード切替が指令されたか否かを確認する。プロセッサ161は、テーブルNo.エリアが例えば3秒以上長押しされた場合に、モード切替が指令されたと判定する。モード切替が指令されていない場合(Act4、NO)、プロセッサ161は、Act3に戻る。ここにプロセッサ161は、Act3及びAct4の処理により、人数が入力されるか、モード切替が指令されるのを待ち受ける。
プロセッサ161は、Act3及びAct4の待ち受け状態において、人数が入力されたことを検知した場合(Act3、YES)、Act5としてその人数を人数エリアに書き込む。人数エリアは、メインメモリ162の揮発性領域に形成されている。またプロセッサ161は、Act6としてスタートフラグSFを“1”にセットする。さらにプロセッサ161は、Act7としてタッチパネル165の画面をトップ画面から基本メニュー画面SC1(図8を参照)に切り替える。
図8は、基本メニュー画面SC1の一例である。基本メニュー画面SC1は、ヘッダ領域A1と、タブ領域A2と、メニュー領域A3と、コマンド領域A4とを含む。ヘッダ領域A1は、電波受信状態を示す記号A11、バッテリの残容量を示す記号A12、テーブルNo.エリアA13、ガイダンスエリアA14、店員呼出ボタンA15等が表示される領域である。テーブルNo.エリアA13には、記憶部168に記憶されているテーブルNo.が表示される。ガイダンスエリアA14には、基本メニュー画面SC1に対する操作ガイダンスが適宜表示される。
タブ領域A2は、上段の第1タブ領域A21と下段の第2タブ領域A22とに区分される。第1タブ領域A21には、「おすすめ」、「おつまみ」、「お飲み物」、「お食事」というように、品目のおおまかな分類項目、いわゆる大分類項目が割り当てられた複数のタブが表示される。第2タブ領域A22には、第1タブ領域A21の中から選択された1つのタブに表記されている大分類項目に属する飲食メニュー品目の詳細な分類項目、いわゆる小分類項目が表記された複数のタブが表示される。因みに、図8に示される基本メニュー画面SC1は、第1タブ領域A21で大分類項目「お飲み物」のタブが選択された場合であり、第2タブ領域A22には、「ビール」、「日本酒」、「焼酎」、「サワー」、「カクテル」等の小分類項目が表記されたタブが表示されている。
メニュー領域A3には、第2タブ領域A22の中から選択された1つのタブに表記されている小分類項目に属する飲食メニュー品目に対応したメニューボタンA31,A32,A33,A34,A35が表示される。各メニューボタンA31,A32,A33,A34,A35には、それぞれ対応した品目のメニュー名称、価格、メニュー画像等が表記される。因みに、図8に示される基本メニュー画面SC1は、第2タブ領域A22で小分類項目「ビール」が表記されたタブが選択された場合であり、メニュー領域A3には、小分類項目「ビール」に属する飲食メニューの5つの品目に対するメニューボタンA31,A32,A33,A34,A35が表示されている。なお、メニュー領域A3に表示されるメニューボタンの数やレイアウトは、図8に示すものに限定されないのは言うまでもない。
コマンド領域A4には、トップボタンA41、注文ボタンA42、履歴ボタンA43、会計ボタンA44及び送信ボタンA45の各画像が表示される。トップボタンA41は、トップ画面への切り替えを指令するためのボタンである。注文ボタンA42は、注文開始を指令するためのボタンである。履歴ボタンA43は、注文の履歴確認を指令するためのボタンである。会計ボタンA44は、会計を指令するためのボタンである。送信ボタンA45は、注文データの送信を指令するためのボタンである。
基本メニュー画面SC1を確認した客は、先ず、注文ボタンA42にタッチする。続いて客は、第1タブ領域A21または第2タブ領域A22のタブを操作して、注文を行う飲食メニュー品目に対応したメニューボタンをメニュー領域A3に表示させ、そのメニューボタンをタッチする。なお客は、注文を行う前に例えば人数の誤りに気付いた場合、トップボタンA41をタッチする。そうすると、タッチパネル165の画面がトップ画面に戻るので、人数を入力し直すことができる。
客は、一度に注文する品目毎に、メニューボタンをタッチする操作を繰り返す。そして必要なメニューボタンをタッチし終えると、客は、送信ボタンA45をタッチする。以上の操作により、セルフオーダによる注文が完了する。なお、追加注文を行う場合の操作も同様である。飲食を終えると、客は会計ボタンA44をタッチして、会計場に向かう。
基本メニュー画面SC1を表示させたプロセッサ161は、Act8としてトップボタンA41がタッチされたか否かを確認する。トップボタンA41がタッチされていない場合(Act8、NO)、プロセッサ161は、Act9として注文ボタンA42がタッチされたか否かを確認する。注文ボタンA42がタッチされていない場合(Act9、NO)、プロセッサ161は、Act10としてモード切替が指令されたか否かを確認する。プロセッサ161は、テーブルNo.エリアA13が例えば3秒以上長押しされた場合に、モード切替が指令されたと判定する。モード切替が指令されていない場合(Act10、NO)、プロセッサ161は、Act8に戻る。ここにプロセッサ161は、Act8、Act9及びAct10の処理により、トップボタンA41又は注文ボタンA42がタッチされるか、モード切替が指令されるのを待ち受ける。
プロセッサ161は、Act8乃至Act10の待ち受け状態において、トップボタンA41がタッチされたことを検知した場合(Act8、YES)、Act2に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面を基本メニュー画面SC1からトップ画面に戻す。そしてプロセッサ161は、Act3以降の処理を前述したのと同様に実行する。
プロセッサ161は、Act8乃至Act10の待ち受け状態において、注文ボタンA42がタッチされたことを検知した場合には(Act9、YES)、Act11としてセルフオーダ処理を実行する。すなわちプロセッサ161は、メニュー領域A3に表示されたメニューボタンA31〜A35の入力を受け付け、メニューボタンA31〜A35が入力されると、そのメニューボタンA31〜A35に表記されている品目のメニューコードをオーダエリアに書き込む。オーダエリアは、メインメモリ162の揮発性領域に形成されている。
プロセッサ161は、Act12として送信ボタンA45がタッチされたか否かを確認する。プロセッサ161は、送信ボタンA45がタッチされるまで、セルフオーダ処理を繰り返す。
プロセッサ161は、送信ボタンA45がタッチされたことを検知すると(Act12、YES)、Act13としてオーダ送信処理を実行する。すなわちプロセッサ161は、オーダエリア内のメニューコードと、人数エリア内の人数と、記憶部168に記憶されているテーブルNo.とで、オーダデータを生成する。そしてプロセッサ161は、無線ユニット164を制御して、オーダデータを無線送信する。
無線送信されたオーダデータは、無線アクセスポイント15で受信され、オーダステーション11に送られる。オーダステーション11は、オーダデータを基にオーダレコード19Rを生成する。このとき、オーダデータの中に飲み放題、食べ放題等のオプションメニューが含まれていたならば、オーダステーション11は、該当するパターンNo.をオーダレコード19Rに含ませる。またオーダステーション11は、オーダ品目データのオーダ種別を、客自身の操作により受けた注文を表わす情報とする。オーダステーション11は、オーダレコード19Rをオーダテーブル19に登録する。
さらにオーダステーション11は、オーダレコード19Rのデータを基に注文伝票の印字データを生成する。そしてオーダステーション11は、この印字データを伝票プリンタ13に出力する。伝票プリンタ13は、注文伝票を印字発行する。
また、オーダステーション11は、オーダレコード19Rのデータを基に調理指示データを生成する。そしてオーダステーション11は、この調理指示データを厨房端末12に出力する。厨房端末12は、客の注文内容を調理担当者に通知するための出力処理を行う。
オーダ送信処理を終えたプロセッサ161は、Act14として注文ボタンA42がタッチされたか否かを確認する。注文ボタンA42がタッチされていない場合(Act14、NO)、プロセッサ161は、Act15として会計ボタンA44がタッチされたか否かを確認する。会計ボタンA44がタッチされていない場合(Act15、NO)、プロセッサ161は、Act14に戻る。ここにプロセッサ161は、Act14及びAct15の処理により、注文ボタンA42がタッチされるか会計ボタンA44がタッチされるのを待ち受ける。
プロセッサ161は、Act14及びAct15の待ち受け状態において、注文ボタンA42がタッチされたことを検知した場合(Act14、YES)、Act11に戻る。すなわちプロセッサ161は、セルフオーダ処理及びオーダ送信処理を再度実行する。
プロセッサ161は、Act14及びAct15の待ち受け状態において、会計ボタンA44がタッチされたことを検知した場合(Act15、YES)、Act16として無線ユニット164を制御して、会計コマンドをオーダステーション11に宛てて無線送信する。会計コマンドには、記憶部168に記憶されているテーブルNo.が含まれる。会計コマンドを送信し終えると、プロセッサ161は、Act17としてスタートフラグSFを“0”にリセットする。その後、プロセッサ161は、Act2に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面をトップ画面に戻す。
会計コマンドを受信したオーダステーション11は、オーダテーブル19を検索する。そしてオーダステーション11は、会計コマンドに含まれるテーブルNo.がセットされたオーダレコード19Rを検出し、このオーダレコード19Rの会計済フラグを、会計済を示す“1”とする。
以上で、セルフオーダを行う客に対するセルフオーダ端末16の動作説明を終了する。続いて、セルフオーダを行わない客に対するセルフオーダ端末16の動作説明を行う。
店員は、食卓に着いた客から注文の申し出を受けた場合、その食卓あるいは別の食卓に用意されているセルフオーダ端末16を手に取る。そして店員は、タッチパネル165に表示されているトップ画面又は基本メニュー画面SC1のテーブルNo.エリアを長押しして、セルフモードから店員モードへの切り替えを指令する。
プロセッサ161は、Act3及びAct4の待ち受け状態においてモード切替が指令された場合(Act4、YES)、あるいはAct8乃至Act10の待ち受け状態においてモード切替が指令されたことを検知した場合には(Act10、YES)、Act18としてモードフラグMFを“1”にセットする。その後、プロセッサ161は、図6のAct21へと進む。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面を設定画面SC2(図9を参照)とする。
図9は、設定画面SC2の一例である。設定画面SC2は、ヘッダ領域A1と、ボタン領域A5とを含む。ヘッダ領域A1には、電波受信状態を示す記号A11と、バッテリの残容量を示す記号A12と、テーブルNo.エリアA13と、ガイダンスエリアA14とが表示される。ただし、テーブルNo.エリアA13にはテーブルNo.が表示されていない。
ボタン領域A5には、設定ボタン群A51と、決定ボタンA52と、戻るボタンA53とが表示される。設定ボタン群A51は、第1新規ボタンA511、第2新規ボタンA512、基本情報変更ボタンA513、店員使用ボタンA514、SE(サービスエンジニア)設定ボタンA515を含む。
第1新規ボタンA511は、記憶部168に記憶されているテーブルNo.をクリアしないで、当該セルフオーダ端末16を初期状態にするボタンである。第2新規ボタンA512は、記憶部168に記憶されているテーブルNo.をクリアしつつ、当該セルフオーダ端末16を初期状態にするボタンである。基本情報変更ボタンA513は、当該セルフオーダ端末16に設定されている基本情報を変更するモードを有効にするボタンである。店員使用ボタンA514は、店員モードとなったセルフオーダ端末16の動作開始を指令するボタンである。SE設定ボタンA515は、サービスエンジニアによる設定モードを有効にするボタンである。
設定画面SC2を確認した店員は、店員モードとなったセルフオーダ端末16の動作開始を指令する。具体的には店員は、店員使用ボタンA514にタッチし、続いて決定ボタンA52にタッチする。そして、客からのオーダを待つ。なお、店員が店員モードでの操作を取り止める場合には、戻るボタンA53にタッチする。
設定画面SC2を表示させたプロセッサ161は、Act22として決定ボタンA52がタッチされたか否かを確認する。決定ボタンA52がタッチされていない場合(Act22、NO)、プロセッサ161は、Act23として戻るボタンA53がタッチされたか否かを確認する。戻るボタンA53がタッチされていない場合(Act23、NO)、プロセッサ161は、Act22に戻る。ここにプロセッサ161は、Act22及びAct23の処理において、決定ボタンA52がタッチされるか、戻るボタンA53がタッチされるのを待ち受ける。
プロセッサ161は、Act22及びAct23の待ち受け状態において、戻るボタンA53がタッチされたことを検知した場合(Act23、YES)、Act24としてモードフラグMFを“0”にリセットする。次いでプロセッサ161は、Act25としてスタートフラグSFを調べる。トップ画面から店員モードに入った場合、スタートフラグSFは“0”にリセットされている。一方、基本メニュー画面SC1から店員モードに入った場合には、スタートフラグSFは“1”にセットされている。プロセッサ161は、スタートフラグSFが“0”にリセットされている場合(ST25、NO)、Act2に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面をトップ画面とする。これに対し、スタートフラグSFが“1”にセットされていた場合には(ST25、YES)、プロセッサ161は、Act7に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面を基本メニュー画面SC1とする。
プロセッサ161は、Act22及びAct23の待ち受け状態において、決定ボタンA52がタッチされたことを検知した場合には(Act22、YES)、Act26として決定ボタンA52の前に店員使用ボタンA514がタッチされていたか否かを確認する。店員使用ボタンA514以外のボタンがタッチされていた場合(Act26、NO)、プロセッサ161は、そのタッチされていたボタンに応じた処理を実行する。
決定ボタンA52の前に店員使用ボタンA514がタッチされていた場合(Act26、YES)、プロセッサ161は、Act27として、タッチパネル165の画面を情報入力画面CS3(図10を参照)とする。
図10は、情報入力画面SC3の一例である。情報入力画面SC3は、ヘッダ領域A1と、表示入力領域A6とを含む。ヘッダ領域A1には、電波受信状態を示す記号A11と、バッテリの残容量を示す記号A12と、テーブルNo.エリアA13と、ガイダンスエリアA14とが表示される。ただし設定画面SC2と同様に、テーブルNo.エリアA13にはテーブルNo.が表示されていない。
表示入力領域A6には、客の基本情報を表示する表示エリアA61と、文字入力ボタン群A62と、決定ボタンA63と、戻るボタンA64とが表示されている。表示エリアA61は、テーブルNo.枠611、人数枠612、パターンNo.枠613、時間枠614、担当者No.枠615及び金額表示の選択項目616に区分されている。文字入力ボタン群A62は、テンキーボタンA621、入力確定ボタンA622、全削除ボタンA623、一文字削除ボタンA624等を含む。
情報入力画面SC3を確認した店員は、文字入力ボタン群A62を操作して、表示エリアA61のテーブルNo.枠611に客が着席している食卓のテーブルNo.を入力する。
情報入力画面SC3を表示させたプロセッサ161は、Act28としてテーブルNo.が入力されたか否かを確認する。テーブルNo.が入力されていない場合(Act28、NO)、プロセッサ161は、Act29として戻るボタンA64がタッチされたか否かを確認する。戻るボタンA64がタッチされていない場合(Act29、NO)、プロセッサ161は、Act28に戻る。ここにプロセッサ161は、Act28及びAct29の処理により、テーブルNo.が入力されるか戻るボタンA64がタッチされるのを待ち受ける。
プロセッサ161は、Act28及びAct29の待ち受け状態において、戻るボタンA64がタッチされたことを検知した場合(Act29、YES)、Act21に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面を設定画面SC2とする。
プロセッサ161は、Act28及びAct29の待ち受け状態において、テーブルNo.が入力されたことを検知した場合には(Act28、YES)、Act30としてそのテーブルNo.を含む問合せコマンドを生成する。そしてプロセッサ161は、無線ユニット164を制御して、問合せコマンドをオーダステーション11に宛てて無線送信する。
問合せコマンドを受信したオーダステーション11は、オーダテーブル19を検索する。そしてオーダステーション11は、問合せコマンドに含まれているテーブルNoがセットされており、かつ会計済フラグが未会計を示すオーダレコード19Rの有無を判定する。該当するオーダレコード19Rが存在しない場合、オーダステーション11は、データ無しを通知する応答コマンドを問合せ元のセルフオーダ端末16に宛てて送信するように制御する。これに対し、該当するオーダレコード19Rが存在する場合には、オーダステーション11は、データ有を通知する応答コマンドを問合せ元のセルフオーダ端末16に宛てて送信するように制御する。このデータ有を通知する応答コマンドには、該当するオーダレコード19Rの人数、パターンNo.、開始時刻等が含まれる。
問合せコマンドを送信したセルフオーダ端末16のプロセッサ161は、Act31として応答コマンドを待ち受ける。そしてデータ有を通知する応答コマンドを受信した場合には(Act31、YES)、プロセッサ161は、Act32としてその応答コマンドに含まれる人数、パターンNo.、開始時刻等の管理情報を店員エリアに書き込む。店員エリアは、メインメモリ162の揮発性領域に形成されている。またプロセッサ161は、Act33として、その人数、パターンNo.、開始時刻を、表示エリアA61の人数枠612、パターンNo.枠613、時間枠614にそれぞれ表示させる。
これに対しデータ無しの応答コマンドを受信した場合には(Act31、NO)、プロセッサ161は、Act34としてパターンNo.として“0”を店員エリアに書き込む。
テーブルNo.を入力した店員は、表示エリアA61に人数、パターンNo.及び時間が表示されたか否かを確認する。これらの情報が表示された場合、店員は、文字入力ボタン群A62の各キーを操作して担当者No.枠A615に担当者No.を入力し、決定ボタンA63をタッチする。表示エリアA61に人数等が表示されない場合には、店員は、文字入力ボタン群A62の各キーを操作して、人数枠A612に客の人数を入力する。また、客が飲み放題、食べ放題等のオプションメニューを希望する場合には、パターンNo.枠A613に該当するパターンNo.を入力する。さらに店員は、担当者No.枠A615に担当者No.を入力したならば、決定ボタンA63をタッチする。
Act33又はAct34の処理を終えると、プロセッサ161は、Act35として決定ボタンA63がタッチされたか否かを確認する。決定ボタンA63がタッチされていない場合(Act35、NO)、プロセッサ161は、Act36として戻るボタンA64がタッチされたか否かを確認する。戻るボタンA64がタッチされていない場合(Act36、NO)、プロセッサ161は、Act35に戻る。ここにプロセッサ161は、Act35及びAct36の処理により、決定ボタンA63がタッチされるか戻るボタンA64がタッチされるのを待ち受ける。
プロセッサ161は、Act35及びAct36の待ち受け状態において、戻るボタンA64がタッチされたことを検知した場合(Act36、YES)、Act21に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面を設定画面SC2とする。
プロセッサ161は、Act35及びAct36の待ち受け状態において、決定ボタンA63がタッチされたことを検知した場合には(Act35、YES)、Act37としてタッチパネル165にメニュー画面を表示させる。具体的にはプロセッサ161は、Act32又はAct34の処理で店員エリアに書き込まれたパターンNo.に対応したメニュー画面をタッチパネル165に表示させる。
図11は、パターンNo.が“0”のときに表示されるメニュー画面、すなわち基本メニュー画面SC4の一例である。基本メニュー画面SC4は、図8に示した基本メニュー画面SC21と略同様である。ただし、テーブルNo.エリアA13には、記憶部168に記憶されているテーブルNo.ではなく、店員エリアに書き込まれたテーブルNo.が表示される。また、店員呼出ボタンA15に代えて、注文取消ボタンA16が表示される。さらに、コマンド領域A4の各ボタンA41〜A45のうち、注文ボタンA42と送信ボタンA45とが入力可能となっており、トップボタンA41、履歴ボタンA43及び会計ボタンA44は、入力不能となっている。
一方、図12は、例えばAパターンの飲み放題に相当するパターンNo.が表示エリアA61に表示されていたときのメニュー画面SC5の一例である。メニュー画面SC5は、ヘッダ領域A1と、コマンド領域A4については図11に示した基本メニュー画面SC4と同様である。タブ領域A2には、飲み放題を示すタグA23が表示される。メニュー領域A3には、飲み放題の対象となる各飲料のメニューボタン群A35が表示される。
メニュー画面SC4又はメニュー画面SC5を確認した店員は、先ず、注文ボタンA42をタッチする。続いて店員は、客が注文する飲食メニュ−品目のメニューボタンをタッチする。客が注文する全ての飲食メニュ−品目のメニューボタンをタッチし終えると、店員は、送信ボタンA44をタッチする。なお、客が途中で注文の取消を申し出た場合には、店員は、注文取消ボタンA16をタッチする。
メニュー画面SC4又はメニュー画面SC5を表示させたプロセッサ161は、図7のAct41として注文ボタンA42がタッチされるのを待ち受ける。そして注文ボタンA42がタッチされたことを検知したならば(Act41、YES)、プロセッサ161は、店員オーダ処理を実行する。すなわちプロセッサ161は、メニュー領域A3に表示されたメニューボタンA31〜A35の入力を受け付け、メニューボタンA31〜A35が入力されると、そのメニューボタンA31〜A35に表記されている品目のメニューコードをオーダエリアに書き込む。オーダエリアは、メインメモリ162の揮発性領域に形成されている。
プロセッサ161は、Act43として送信ボタンA44がタッチされたか否かを確認する。送信ボタンA44がタッチされていない場合(Act43、NO)、プロセッサ161は、Act44として注文取消ボタンA16がタッチされたか否かを確認する。注文取消ボタンA16がタッチされていない場合(Act44、NO)、プロセッサ161は、Act43に戻る。ここにプロセッサ161は、Act43及びAct44の処理により、送信ボタンA44がタッチされるか注文取消ボタンA16がタッチされるのを待ち受ける。
プロセッサ161は、Act43及びAct44の待ち受け状態において、注文取消ボタンA16がタッチされたことを検知した場合(Act44、YES)、Act45としてオーダエリア内の注文データをクリアする。そしてプロセッサ161は、Act27に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面を情報入力画面SC3とする。
プロセッサ161は、Act43及びAct44の待ち受け状態において、送信ボタンA44がタッチされたことを検知した場合には(Act43、YES)、Act46としてオーダ送信処理を実行する。すなわちプロセッサ161は、オーダエリア内のメニューコードと、店員エリア内の人数及びテーブルNo.とで、オーダデータを生成する。そしてプロセッサ161は、無線ユニット164を制御して、オーダデータを無線送信する。
無線送信されたオーダデータは、無線アクセスポイント15で受信され、オーダステーション11に送られる。オーダステーション11は、オーダデータに含まれるテーブルNo.を含みかつ会計済フラグが未会計を示すオーダレコード19Rの有無を判断する。
該当するオーダレコード19Rが存在しない場合、オーダデータは新規注文のデータである。オーダステーション11は、新規注文のオーダデータを基にオーダレコード19Rを生成する。このとき、オーダデータの中に飲み放題、食べ放題等のオプションメニューが含まれていたならば、オーダステーション11は、該当するパターンNo.をオーダレコード19Rに含ませる。またオーダステーション11は、オーダ品目データのオーダ種別を、店員の操作により受けた注文を表わす情報とする。オーダステーション11は、オーダレコード19Rをオーダテーブル19に登録する。またオーダステーション11は、注文伝票の印字データと調理指示データとを生成して、伝票プリンタ13と厨房端末12とに出力する。
一方、該当するオーダレコード19Rが存在する場合には、オーダデータは追加注文のデータである。オーダステーション11は、追加注文のオーダデータを基に、オーダテーブル19のオーダレコード19Rを更新する。またオーダステーション11は、注文伝票の印字データと調理指示データとを生成して、伝票プリンタ13と厨房端末12とに出力する。
オーダ送信処理を終えたプロセッサ161は、Act21に戻る。すなわちプロセッサ161は、タッチパネル165の画面を設定画面SC2とする。
ここに、セルフオーダ端末16のプロセッサ161は、タッチパネルと協働して、Act1、Act18及びAct24の処理により切替手段を構成する。またプロセッサ161は、Act11の処理により第1の注文手段を構成し、Act13の処理により第1の送信手段を構成する。
プロセッサ161は、タッチパネルと協働して、Act27及びAct28の処理により入力手段を構成する。またプロセッサ161は、Act42の処理により第2の注文手段を構成し、Act46の処理により第2の送信手段を構成する。
プロセッサ161は、タッチパネルと協働して、Act7及びAct37の処理により表示手段を構成する。そして、この表示手段は、第1の注文手段で注文データを受け付けるための注文画面(基本メニュー画面SC1)には、記憶部168で記憶したテーブル識別情報(テーブルNo.)を表示し、第2の注文手段で注文データを受け付けるための注文画面(メニュー画面SC4又はメニュー画面SC5)には、入力手段で入力されたテーブル識別情報(テーブルNo.)を表示する。
プロセッサ161は、Act30の処理により問合せ手段を構成し、Act32及びAct33の処理により処理手段を構成する。
このように本実施形態のセルフオーダ端末16においては、動作モードをセルフモードから店員モードに切り替える場合、店員は、先ず、トップ画面又は基本メニュー画面SC1のテーブルNo.エリアを長押しして、セルフモードから店員モードへの切り替えを指令する。そうすると、タッチパネル165に設定画面SC2が表示されるので、店員は店員使用ボタンA514にタッチし、続いて決定ボタンA52にタッチする。そうすると、タッチパネル165に情報入力画面SC3が表示されるので、店員は、タッチパネル165を操作して、注文する客の食卓に設定されたテーブルNo.を入力する。以上の操作を行うことにより、セルフオーダ端末16では、店員モードによる注文の受付が可能となる。
一方、店員モードによる注文が行われてオーダデータがオーダステーション11に送信されると、セルフオーダ端末16におけるタッチパネル165の画面は設定画面SC2に戻る。この設定画面SC2において、店員が戻るボタンA53をタッチすると、動作モードがセルフモードに戻る。
このように本実施形態のセルフオーダ端末16によれば、セルフモードから店員モードへと切り替える際に、セルフオーダ端末16の記憶部168にプリセットされているテーブルNo.を一旦解除する操作を行う必要はない。また、店員モードからセルフモードへと切り替える際に、上記記憶部168にテーブルNo.を設定し直す必要もない。したがって、セルフモードと店員モードとを簡単に遷移できるセルフオーダ端末16を提供することができる。
また、本実施形態のセルフオーダ端末16によれば、タッチパネル165に表示される画面のヘッダ領域A11にテーブルNo.が表示される。このテーブルNo.は、セルフモードで動作しているときには記憶部168に予め記憶されているテーブルNo.であり、店員モードで動作しているときには手入力されたテーブルNo.である。したがって店員は、自らが手入力したテーブルNo.が画面のヘッダ領域A11に表示されるので、手入力したテーブルNo.を容易に確認することができる。
また、本実施形態のセルフオーダ端末16によれば、店員モードにおいて入力されたテーブルNo.の未会計のオーダレコード19RにパターンNo.が登録されている場合、すなわち最初の注文でオプションメニューが含まれている場合、タッチパネル165に表示されるメニュー画面は、そのオプションメニューに対応したものとなる。したがって店員は、客から追加注文を受ける際に、オプションメニューを注文している客か否かを口頭で確認することなく、オプションメニューに応じた注文を受けることができる。
上述した実施形態は、以下のような変形実施が可能である。
前記実施形態では、動作モードをセルフモードから店員モードに切り替える際にテーブルNo.エリアを長押しすることで切替指令が発生する場合を示したが、切替指令が発生する操作は長押しに限定されるものではない。例えばテーブルNo.エリアに対するトリプルクリック等、通常の操作では行われない特別な操作が行われた場合に、切替指令が発生するようにしてもよい。また、特別な操作を行う対象がテーブルNo.エリアに限定されないのは言うまでもない。
前記実施形態では、プロセッサ161は、図6のAct35において決定ボタンA63がタッチされたことを検知すると、店員エリアに書き込んだパターンNo.に相当するメニュー画面をタッチパネル165に表示させた。他の実施形態としては、プロセッサ161は、決定ボタンA63がタッチされたことを検知したことに応じて店員エリアに書き込んだパターンNo.に相当するメニュー画面の種類を店員に報知するための処理を行う。この報知に対し、店員が承諾する旨の操作を行うと当該パターンNo.に相当するメニュー画面を表示させ、承諾しない旨の操作を行うと基本メニュー画面を表示させる。プロセッサ161が実行する処理手段を上記の如く構成することにより、オプションメニューを注文した客が追加注文の際にはオプションに含まれないメニューの注文するような場合には承認しない旨の操作を行えばよく、対応が容易となる。
前記実施形態では、図5のAct14及びAct15において、注文ボタンA42がタッチされるか会計ボタンA44がタッチされるのを待ち受けた。他の実施形態では、このAct14及びAct15の待ち受け状態において、さらにモード切替が指令されたか否かを確認し、モード切替が指令されたことを検知した場合にはモードフラグMFを“1”にセットして、図6のAct21へと進むようにしてもよい。こうすることにより、店員は、セルフモードによりオーダ送信処理を終えて会計待ち状態にあるセルフオーダ端末16を利用して、店員モードでの処理を行うことができるようになる。
前記実施形態では、スタートフラグSFを設けたが、他の実施形態としてはスタートフラグSFを省略してもよい。その場合、図6のAct24において、モードフラグMFを“0”にリセットした後、プロセッサ161は、Act2の処理に戻るようにすればよい。
前記実施形態では、飲食メニュー品目の注文を受けるためのセルフオーダ端末16を例示したが、必ずしも注文の対象は飲食メニュー品目に限定されるものではない。飲食メニュー品目以外の注文を受けるためのセルフオーダ端末にも、前記実施形態と同様に適用できるものである。
なお、セルフオーダ端末16の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがメインメモリ162または補助記憶デバイス163に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムがメインメモリ162または補助記憶デバイス163に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、セルフオーダ端末16が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このセルフオーダ端末16とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれることになる。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]客自身の操作により注文を受けるセルフモードと店員の操作により注文を受ける店員モードとを切り替える切替手段と、前記セルフモードにおいて、注文データを受け付ける第1の注文手段と、前記第1の注文手段で受け付けた注文データを、記憶部で記憶した識別情報と関連付けて注文管理装置へと送信する第1の送信手段と、前記店員モードに切り替わったことを条件に、前記識別情報の入力を受け付ける入力手段と、前記店員モードにおいて、注文データを受け付ける第2の注文手段と、前記第2の注文手段で受け付けた注文データを、前記入力手段で入力された識別情報と関連付けて前記注文管理装置へと送信する第2の送信手段と、を具備するオーダ端末。
[2]前記注文データを受け付けるための注文画面を表示する表示手段、をさらに具備し、前記表示手段は、前記第1の注文手段で前記注文データを受け付けるための前記注文画面には、前記記憶部で記憶した前記識別情報を表示し、前記第2の注文手段で前記注文データを受け付けるための前記注文画面には、前記入力手段で入力された前記識別情報を表示する、付記[1]記載のオーダ端末。
[3]前記入力手段で前記識別情報の入力を受け付けたことに応じて、前記注文管理装置に対して当該識別情報に関連付けられた管理情報の問合せを行う問合せ手段と、前記問合せに対して前記注文管理装置から応答された前記管理情報を処理する処理手段と、をさらに具備する付記[2]記載のオーダ端末。
[4]前記管理情報は、前記注文画面のパターンを特定するパターン情報を含み、前記処理手段は、前記第2の注文手段で前記注文データを受け付けるための前記注文画面のパターンを、前記パターン情報で特定されるパターンとする処理を含む、付記[3]記載のオーダ端末。
[5]前記入力手段は、さらに前記店員を識別する店員識別情報の入力を受け付け、前記第2の送信手段は、前記第2の注文手段で受け付けた注文データを、前記入力手段で入力された前記識別情報及び前記店員識別情報と関連付けて前記注文管理装置へと送信する、付記[1]記載のオーダ端末。
[6]注文管理装置との通信手段を備えたオーダ端末のコンピュータを、客自身の操作により注文を受けるセルフモードと店員の操作により注文を受ける店員モードと切り替える切替手段、前記セルフモードにおいて、注文データを受け付ける第1の注文手段、前記第1の注文手段で受け付けた注文データを、記憶部で記憶した識別情報と関連付けて前記注文管理装置へと送信する第1の送信手段、前記店員モードに切り替わったことを条件に、前記識別情報の入力を受け付ける入力手段、前記店員モードにおいて、注文データを受け付ける第2の注文手段、前記第2の注文手段で受け付けた注文データを、前記入力手段で入力された識別情報と関連付けて前記注文管理装置へと送信する第2の送信手段、として機能させるためのプログラム。