以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の遮蔽装置における各実施例の速度調整装置を説明する。尚、本願明細書中、図1に示す遮蔽装置として構成される横型ブラインドの正面図に対して、図示上方及び図示下方を遮蔽材(スラット)の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を横型ブラインドの左側、及び、図示右方向を横型ブラインドの右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、図1に示す横型ブラインドの正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
〔遮蔽装置〕
図1は、本発明による一実施形態の遮蔽装置として構成される横型ブラインドの概略構成を示す正面図である。本実施形態の横型ブラインドは、ヘッドボックス1の左右両端部の近傍及び略中央部から吊下するラダーコード2を介して多数段のスラット3が支持され、そのラダーコード2の下端にボトムレール4が吊下支持されている。
また、ヘッドボックス1の左右両端部の近傍から、それぞれ室外側のラダーコード2に併設して昇降コードC1,C3が垂下され、ヘッドボックス1の略中央部から、室内側のラダーコード2に併設して昇降コードC2が垂下される。その昇降コードC1,C2,C3の下端にボトムレール4が取着されている。
ヘッドボックス1内にはラダーコード2及び昇降コードC1,C2,C3を支持する支持部材5が配設され、この支持部材5には六角棒状の駆動軸13が挿通されている。
支持部材5にはチルトドラム51が回転可能に支持され、このチルトドラム51に駆動軸13が相対回転不能に挿通されている。従って、駆動軸13が回転されると、当該チルトドラム51が回転し、ラダーコード2により吊下支持された多数段のスラット3の角度が同位相で調節されるようになっている。尚、支持部材5には、ボトムレール4に一端をそれぞれ取着する昇降コードC1,C2,C3の各他端をヘッドボックス1内の長手方向へ案内するよう転向させる転向滑車52を設けるのが好適である。
ヘッドボックス1内の右端側には、チルト操作グリップ10に一端を取着したチルト操作棒9を垂下するチルト窓部11が形成されている。このチルト窓部11を介して、チルト操作棒9の他端は、ヘッドボックス1内のギヤ機構12に連結されている。また、ギヤ機構12は駆動軸13を連結しており、チルト操作棒9の回転が駆動軸13の回転へと伝達するよう構成されている。従って、チルト操作グリップ10を回転操作することで、駆動軸13にその回転を伝達し、支持部材5を介してラダーコード2により吊下支持された多数段のスラット3の角度を調節することができる。
ボトムレール4に一端を取着する昇降コードC1,C2,C3の各他端は、支持部材5を介してヘッドボックス1内の右端側に案内され、ヘッドボックス1内のストッパー装置15を介した後、ヘッドボックス1内に設置される本発明に係る速度調整装置6に挿通されると、コード出口14から垂下されて、コードイコライザー8に連結される。
図1に示す例では、コード出口14から垂下される複数の昇降コードC1,C2,C3の各末端を連結するコードイコライザー8の下端には操作コード7の一端が取着されている。操作コード7の他端はボトムレール4に取着されている。
ただし、複数の昇降コードC1,C2,C3の垂下に係る変形例として、複数の昇降コードC1,C2,C3の各末端をコード出口14から垂下せずに、チルト操作棒9内に案内しその下端部において、つまみに接続される構成とすることもできる。
図1に示す例では、操作コード7やコードイコライザー8、或いは複数の昇降コードC1,C2,C3を操作してコード出口14から昇降コードC1,C2,C3をヘッドボックス1から引き出せば、ボトムレール4が引き上げられて、スラット3が上昇する。従って、昇降コードC1,C2,C3は、スラット3及びボトムレール4の上昇に伴う牽引を行う牽引コードとして作用する。
昇降コードC1,C2,C3の引出し操作を停止すれば、ストッパー装置15が作動して、スラット3及びボトムレール4の自重降下が防止される。また、ストッパー装置15の作動を解除すれば、スラット3及びボトムレール4はその自重に基づいて下降する。
このように、ストッパー装置15の作動解除でボトムレール4及びスラット3の自重でスラット3を自重降下させ、昇降コードC1,C2,C3を直接的に引くことでスラット3の上昇させる構成の横型ブラインドでは、そのスラット3の下降を円滑にかつ適当な速度で行い得るよう速度調整装置6を設けるのが好適である。
速度調整装置6は、速度調整対象のコード(図1に示す例では昇降コードC1,C2,C3)の移動速度を制限してスラット3の移動速度を一定値以下に制動する装置である。
仮に、速度調整装置6を設置しない場合、下降操作時にコード出口14から垂下される昇降コードC1,C2,C3等から手を放すと、ストッパー装置15の作動解除でボトムレール4及びスラット3の自重により自由落下することになり、その際の下降音やボトムレール4の床面との衝突音が操作者に不快感を生じさせる。このため、本実施形態のように、速度調整装置6を設けることで、下降時のみ減速して制動力を働かせ減速して降下させることができる。
尚、スラット3の上昇操作時にも一定の制動力が働いてしまうと、その際の手引き負荷が増大してしまう点や、当該一定の制動力が常時働くことになるため、コード劣化の要因になる点でも好ましくない。
このため、速度調整装置6は、速度調整対象のコード(図1に示す例では昇降コードC1,C2,C3)について、その一方向の移動のみ制動力を生じさせ、尚且つ、他方向の移動時における当該コードの負荷を軽減可能となっている。
また、速度調整装置6は、各実施例について詳細に後述するが、一対のローラーが昇降コードC1,C2,C3を挟み込み、その昇降コードC1,C2,C3の移動方向に応じて昇降コードC1,C2,C3に対する狭圧/非狭圧の状態を切り替えるようになっており、その一対のローラーにおけるいずれか一方又は双方のローラーの回転軸(ローラー軸)に対し制動トルクを発生させるブレーキ部が設けられている(後述する実施例では一方のローラー軸に対してのみブレーキ部が設けられる)。
そして、速度調整装置6は、スラット3の下降時には、速度調整装置6が備えるブレーキ部によって円滑にかつ適当な速度で行い得るよう当該昇降コードの移動に対し高摩擦となる制動力を発生させるとともに、スラット3の上昇時には、当該昇降コードの移動に対し低摩擦となるほぼ制動力の発生がゼロとなるよう円滑操作可能に構成されている。
特に、本発明に係る速度調整装置6では、遠心ブレーキ式の構造を有し、一対のローラーにおける一方のローラー(ドライブローラー)に設けられるピニオンギアを、制動トルクを発生させるブレーキ部の一部を構成する外歯付きキャリアにおける上方へ突出する円筒部位の外周側に位置する外歯車に噛み合わせるようになっている。
このため、遠心ブレーキによる制動トルクの設定範囲が、ピニオンギアをその外歯付きキャリアにおける上方へ突出する円筒部位の外周側に位置させることができ、制動トルクの設定範囲の自由度を高めることが可能となっている。以下、詳細に、本発明に係る各実施例の速度調整装置6について説明する。
〔実施例1の速度調整装置〕
図2は、本発明に係る実施例1の速度調整装置6の斜視図である。また、図3は、その本発明に係る実施例1の速度調整装置6の分解斜視図である。図2及び図3に示すように、本発明に係る実施例1の速度調整装置6は、整列部材60、ケース61、スライダー62、コイルスプリングSP、アイドルローラー63、ドライブローラー64、外歯付キャリア65、環状プレート66、太陽歯車付ウェイトホルダー67、ウェイト68及びベース69を備える。外歯付キャリア65、環状プレート66、太陽歯車付ウェイトホルダー67及びウェイト68は、ドライブローラー64の回転に対し制動トルクを発生させるブレーキ部6aとして構成される。
まず、整列部材60は、概ね4つの縦壁で囲まれて上下に貫通する空洞部601を内側に持つ略四角箱状に構成され、この空洞部601に、ケース61の上部に位置するスライダー収容部611を貫通係合させ、ケース61の下部に位置するブレーキ収容部612の上部に載置される。整列部材60にて左右方向に対向する各縦壁には、それぞれ略四角孔状のコード挿通孔602,603が設けられている。そして、整列部材60がケース61に載置された状態では、各コード挿通孔602,603によって昇降コードC1,C2,C3を確実に分離させてコード同士が絡み合うことが無いよう、本例では図2に示すように昇降コードC1,C2,C3を、ケース61のスライダー収容部611の左右方向の各壁部に設けられるコード挿通孔614に対し案内させるようになっている。尚、コード挿通孔602,603を利用して昇降コードC1,C2,C3をコード挿通孔614に分離案内させる配列は、図示する例に限定する必要はなく用途によって変更可能である。
ケース61は、スライダー62とコイルスプリングSPとを収容するスライダー収容部611、及び、ブレーキ部6aを収容するブレーキ収容部612が連なって下方が開口した箱状の形状を有している。尚、ケース61のブレーキ収容部612の内周壁には、内周ギヤ612aが形成されている(図6(a)参照)。また、ケース61におけるブレーキ収容部612の下端は四隅に嵌合受部615を持つ略四角板状に形成され、同じく四隅に嵌合突起片693を持つ略四角板状に形成されるベース69により、ケース61のそれぞれの嵌合受部615とベース69のそれぞれの嵌合突起片693が嵌合して、蓋着されるようになっている。尚、前述したように、ケース61には、昇降コードC1,C2,C3を挿通可能なコード挿通孔614がスライダー収容部611の左右方向の各壁部に設けられている。
ところで、ケース61におけるスライダー収容部611の上面には、略左右方向に延び僅かに前後方向に屈曲するハの字溝613が形成されており、ハの字溝613におけるそれぞれの溝が、スライダー62に収容されるアイドルローラー63及びドライブローラー64の上側の各ローラー軸631,641をその溝形状に沿って移動可能に軸支するようになっている。
特に、本例では、アイドルローラー63のローラー軸631についてはケース61、スライダー62及びベース69の各溝で支持するようになっているが、ドライブローラー64のローラー軸641についてはベース69では支持されずケース61及びスライダー62で支持するようになっている。即ち、ドライブローラー64のローラー軸641は速度調整装置6にて片側軸支され、アイドルローラー63のローラー軸631は当該速度調整装置6にて両側軸支されており、これにより小型化に寄与させている。
尚、本例では、図1にも示すように、ローラー軸641の上方軸支を補強する軸支補強部611aがケース61におけるスライダー収容部611の上面に多層状に形成され、ハの字溝613として、ローラー軸641を支持する溝は、スライダー収容部611の上面自体に形成される溝と、軸支補強部611aに形成される溝の複数点支持としている。ただし、軸支補強部611aは、単にスライダー収容部611の上面の厚みを増大させて軸支補強する構造としてもよい。
一方、スライダー62は、左右の縦壁と天壁及び底壁で囲まれて前後方向に貫通する空洞部620を内側に持つ略四角箱状に構成され、アイドルローラー63のローラー部632及びドライブローラー64のローラー部642を空洞部620で収容し、各ローラー部632,642の上側の各ローラー軸631,641については当該天壁にそれぞれ前後方向に延びるよう形成される一対の天壁溝621によって軸支し、各ローラー部632,642の下側の各ローラー軸631,641については一対の天壁溝621に平行して当該底壁にそれぞれ前後方向に延びるよう形成される一対の下壁溝622によって軸支している。これにより、スライダー62は、上記のハの字溝613とは交差する方向となる前後方向で、アイドルローラー63及びドライブローラー64を移動可能に軸支するようになっている。
また、スライダー62がケース61におけるスライダー収容部611に収容された状態では、そのスライダー収容部611の内壁に一端を係止するコイルスプリングSPの他端がスライダー62の係合凹部623に係合するよう載置され、圧縮バネによるコイルスプリングSPによって、常に、スライダー62は、ケース61におけるスライダー収容部611内で一方向(図示左方向)に付勢された状態で左右方向に相対移動(相対スライド移動)可能となっている。
そして、スライダー62の左右の縦壁にはそれぞれ、コード挿通孔624が形成されている。従って、スライダー62がケース61におけるスライダー収容部611に収容された状態では、ケース61におけるコード挿通孔614と、スライダー62のコード挿通孔624とが互いに、左右・前後・上下に相対的にずれることなく配設される状態となり、ケース61におけるコード挿通孔614を通じスライダー62のコード挿通孔624を介して挿通される昇降コードC1,C2,C3は、いずれもスライダー62内で、アイドルローラー63のローラー部632及びドライブローラー64のローラー部642に挟み込まれた状態になる。
そして、スライダー62によりスライド可能に軸支されるアイドルローラー63及びドライブローラー64は、ケース61のハの字溝613と協働して、その昇降コードC1,C2,C3の移動方向に応じて昇降コードC1,C2,C3に対する狭圧/非狭圧の状態を切り替えることができるようになる(詳細は後述する)。
アイドルローラー63は、ローラー軸631を軸芯とするローラー部632を有している。ローラー部632より上部のローラー軸631は、スライダー62の一方の天壁溝621とケース61のハの字溝613の一方の溝に軸支され、ローラー部632より下部のローラー軸631は、スライダー62の一方の底壁溝622に軸支された後、ブレーキ部6aとして構成される外歯付キャリア65、環状プレート66、太陽歯車付ウェイトホルダー67及びウェイト68と干渉することなく、これら各部材の中空部を経て、ベース69の略中央で円状に隆起する隆起部691に設けられる上記のケース61のハの字溝613の一方の溝に対応する湾曲溝692に軸支される。
ドライブローラー64は、ローラー軸641を軸芯とするローラー部642と、ローラー部642より下方にて、当該ローラー軸641を軸芯とするピニオンギア644と、を備える。実施例1に係るドライブローラー64では、ローラー部642をアイドルローラー63のローラー部632より大径化させているが、これはピニオンギア644と噛合させる外歯付キャリア65の外歯車652との位置関係によるものであり、随意、各ローラー部642,632の径を調節して設計することができる。
ドライブローラー64のローラー部642より上部のローラー軸641は、スライダー62の他方の天壁溝621とケース61上面及び軸支補強部611aにおけるハの字溝613の他方の溝に軸支され、ローラー部642とピニオンギア644との間のローラー軸641は、スライダー62の他方の底壁溝622に軸支される。また、ピニオンギア644の下面は外歯付キャリア65における略円板状のキャリア本体651の平面部分で移動可能に支持される。
尚、本例では、ドライブローラー64のローラー部642の周面にローレットが刻設され、アイドルローラー63のローラー部632の周面にはローレットが刻設されず平周面としているが、ローラー部632の周面にもローレットを刻設してもよい。また、ドライブローラー64及びアイドルローラー63の各軸部には適宜、ワッシャー(図示せず)を介在させることができる。
ブレーキ部6aは、本例ではブレーキ量を多段階で調節可能な遠心ブレーキ構造となっており、外歯付キャリア65、環状プレート66、太陽歯車付ウェイトホルダー67及びウェイト68によって構成される。特に、ブレーキ部6aは、ピニオンギア644の回転に基づく制動トルク増幅機能と、遠心ブレーキによる制動トルクを多段階で調節可能とする制動トルク調節機能を有するように構成される。
外歯付キャリア65は、略円板状のキャリア本体651の中央に中空部を有し下方に突出する円筒部654が設けられ、該中空部と連なる中空部を有しキャリア本体651から上方へ突出する円筒部位の外周面に外歯車652が形成されている。この外歯車652がドライブローラー64のピニオンギア644と噛合される。そして、ピニオンギア644は外歯車652と噛合した状態でケース61のブレーキ収容部612に収容される。また、外歯付キャリア65の略円板状のキャリア本体651の下面には、キャリア本体651から下方へ突出する部分の円筒部654の外周上で所定間隔に対称配置される複数(本例では4つ)の遊星歯車653が回転可能に支持されている。
各遊星歯車653は、太陽歯車付ウェイトホルダー67における太陽歯車672と、ケース61のブレーキ収容部612の内周壁に形成される内周ギヤ612aと互いに歯合するようになっている(図6(a)参照)。
そして、外歯付キャリア65の下方に突出する円筒部654の内周面が、ベース69の略中央で円状に隆起する隆起部691の外周壁に係合して回転可能に支持され、外歯車652の中心部を中心軸として回転(公転)することが可能となっている。従って、ドライブローラー64のピニオンギア644の回転が外歯車652に伝達されることにより、外歯付キャリア65が回転し、これに伴い外歯付キャリア65のキャリア本体651に回転可能に支持された各遊星歯車653が回転することで、ピニオンギア644の回転を太陽歯車付ウェイトホルダー67に回転伝達することが可能となる。
太陽歯車付ウェイトホルダー67は、略円筒状のホルダー本体671の下方外周から放射状に突出する突出片673が本例では8つ形成されており、この突出片673が形成されている上方の略円筒状のホルダー本体671の外周面に、太陽歯車672が形成されている。ホルダー本体671の内周面は、外歯付キャリア65の下方に突出する円筒部654の外周面に係合して回転可能に支持され、太陽歯車672の中心部を中心軸として回転(公転)することが可能となっている。
(制動トルク増幅機能)
遠心力は、回転半径が大きいほど、回転速度が大きいほど、質量(ウェイト68自体の重さや個数)が重くなるほど増大するが、実施例1の速度調整装置6では、図6(a)に示すように、ピニオンギア644の回転は、外歯付キャリア65を介して太陽歯車付ウェイトホルダー67へ回転半径を増加させて回転伝達するようになっているため、制動トルクを増幅する作用が生じ、これにより効率の良い制動力を発生させることができる。
略円筒状のホルダー本体671の下方外周から放射状に突出するように形成される本例では8つの突出片673は、8つの凹部を形成することになり、この8つの凹部にそれぞれ略台形板状のウェイト68を配置することができ、従って、8つの突出片673はケース61におけるブレーキ収容部612の内壁と協働して各ウェイト68を保持することができる。
(制動トルク調節機能)
即ち、実施例1の速度調整装置6は、このウェイト68を配置する個数を調節可能とすることで、ピニオンギア644にかかる遠心ブレーキによる制動トルクを調節することができ、ウェイト68を全く配置しない場合を含み本例では合計9段階の調節ができるようになっている。太陽歯車付ウェイトホルダー67にて配置可能とするウェイト68の最大個数を増加(突出片673の数の増加)で、より細かい多段階の遠心ブレーキによる制動トルクの調節が可能となる。
尚、外歯付キャリア65と太陽歯車付ウェイトホルダー67との間には、環状プレート66を介在させている。環状プレート66は、太陽歯車付ウェイトホルダー67における8つの突出片673の先端を含むホルダー本体671の外周径より僅かに縮径した円板形状の中央に、太陽歯車付ウェイトホルダー67における太陽歯車672を含むホルダー本体671の外周径より僅かに拡径してホルダー本体671を挿通する中空部を持つ形状を有している。このため、環状プレート66は、外歯付キャリア65と太陽歯車付ウェイトホルダー67とを係合させたときに、各遊星歯車653の傾きを防止するとともに、各遊星歯車653とウェイト68との干渉を防ぐ機能を有する。
(コード移動検知機能)
また、実施例1の速度調整装置6は、スライダー62によりケース61に対しスライド可能に軸支されるアイドルローラー63及びドライブローラー64による一対のローラー部632,642が、ケース61のハの字溝613により各軸が案内されるようになっているため、昇降コードC1,C2,C3の移動の有無及び移動方向を検知することができる。そして、昇降コードC1,C2,C3が一方向に移動する際には一対のローラー部632,642により当該昇降コードC1,C2,C3を狭圧し、昇降コードC1,C2,C3が他方向に移動する際には一対のローラー部632,642による狭圧状態を緩和して(非狭圧として)当該昇降コードC1,C2,C3を挟み込むようになっている。
即ち、本実施形態の例では、アイドルローラー63及びドライブローラー64による一対のローラー部632,642が、スライダー62の天壁溝621及び底壁溝622にそれぞれ軸支され、尚且つケース61のハの字溝613により案内されるようになっているため、図4(a)に示すように、昇降コードC1,C2,C3が左方向(ボトムレール4によるレール支持側)に移動する際には、スライダー62も同方向にスライド移動し、一対のローラー部632,642の間の距離が狭まるよう案内されることで一対のローラー部632,642が狭圧して当該昇降コードC1,C2,C3を挟み込むようになる。
一方、図4(b)に示すように、昇降コードC1,C2,C3が右方向(操作側)に移動する際には、スライダー62が右方向(操作側)にスライド移動し、一対のローラー部632,642の間の距離が離れるよう案内されることで一対のローラー部632,642による狭圧状態を緩和して(非狭圧として)当該昇降コードC1,C2,C3を挟み込むようになる。従って、図4(a)及び図4(b)に示す例では、スライダー62がケース61に対しΔdだけ相対移動している。
この実施例1の速度調整装置6の動作について図5を参照して説明する。図5では、その動作の理解を高めるために、図4に示す平面図に対応付けた配置で速度調整装置6を簡略図示している。尚、昇降コードC1,C2,C3の配列や位置、及び速度調整装置6の配置角度は、上下・前後に傾けて配置するなど任意である。
(スラット下降時)
まず、図5(a)に示すように昇降コードC1,C2,C3の移動によってスラット3を下降させるときには、図4(a)に示したように、この昇降コードC1,C2,C3の移動に起因して、スライダー62も同方向にスライド移動し、一対のローラー部632,642の間の距離が狭まるよう案内されることで一対のローラー部632,642が狭圧して当該昇降コードC1,C2,C3を挟み込み、昇降コードC1,C2,C3の一方向の移動速度を制限可能とする狭圧状態となる。
これにより、図5(a)に示すように、昇降コードC1,C2,C3(或いは操作コード7やコードイコライザー8)の引き操作を停止しストッパー装置15の作動が解除されてスラット3が自重降下する時には、速度調整装置6における一対のローラー部632,642の間の距離が近接して狭圧状態、即ち高摩擦状態となり、制動力を生じさせ、スラット3の下降を円滑にかつ適当な速度で行うことが実現される。
(スラット上昇時)
一方、図5(b)に示すように昇降コードC1,C2,C3の移動によってスラット3を上昇させるときには、図4(b)に示したように、昇降コードC1,C2,C3の移動に起因して、一対のローラー部632,642による狭圧状態を緩和して(非狭圧として)当該昇降コードC1,C2,C3を挟み込むようになる。
これにより、図5(b)に示すように、昇降コードC1,C2,C3(或いは操作コード7やコードイコライザー8)の引き操作に基づくスラット3の上昇時には、速度調整装置6における一対のローラー部632,642の間の距離が離間して解放状態、即ち非狭圧状態となり、スラット3のスムーズな上昇が実現される。
これにより、速度調整対象のコード(本例では昇降コードC1,C2,C3)について、その一方向の移動のみ制動力を生じさせ、尚且つ、他方向の移動時における当該コードの負荷を軽減することができ、コード劣化の増大や操作性の悪化を抑制することができる。
(制動トルクの設定範囲の自由度の拡大)
ところで、実施例1の速度調整装置6では、上述した制動トルク増幅機能、制動トルク調節機能、及びコード移動検知機能に加えて、従来技法とは異なり、ドライブローラー64に、図6(a)に示すように外歯付きキャリア65における上方へ突出する円筒部位の外周側にピニオンギア644を位置させて、ピニオンギア644の歯数の自由度を高めることで、制動トルクの設定範囲の自由度の拡大を実現する構造となっている。
一方、実施例1の速度調整装置6におけるドライブローラー64及び外歯付きキャリア65の代わりに、図6(b)に示す比較例として示す従来技法のようなドライブローラー64a及び内歯付きキャリア65aを用いる構成は、内歯付きキャリア65aの内周側にドライブローラー64aのピニオンギア644を位置させる遠心ブレーキ式の構造であるため、ピニオンギア644の設定可能な歯数が制限されてしまい、結果として、制動トルクの設定範囲の自由度を大きく取れないものとなる。
即ち、実施例1の速度調整装置6では、図7(a)の概略的な平面図及び図7(b)の概略的な側面図で示すように、ドライブローラー64とブレーキ部6aの一部を構成する外歯付きキャリア65との位置関係は、外歯付きキャリア65における上方へ突出する円筒部位の外周面に形成される外歯車652にピニオンギア644を噛合させており、ピニオンギア644の歯数は外歯付きキャリア65の大きさには左右されない。尚、図4から理解されるように、アイドルローラー63及びドライブローラー64による一対のローラー部632,642は、スライダー62の天壁溝621及び底壁溝622にそれぞれ余裕をもって軸支され、尚且つケース61のハの字溝613により余裕をもって案内されるようになっているため、随意、各ローラー部642,632の径を調節して設計し、ピニオンギア644の歯数を増減させることができる。このため、制動トルクの設定範囲の自由度を大きく取れるようになる。
一方、図6(b)の比較例に対応する速度調整装置では、図8(a),(b)のそれぞれ概略的な平面図及び側面図で示すように、ドライブローラー64aとブレーキ部6aの一部を構成する内歯付きキャリア65aとの位置関係は、内歯付きキャリア65aにおける下方へ突出する円筒部654の内周面に形成される内歯車652aにピニオンギア644を噛合させており、ピニオンギア644の歯数は内歯付きキャリア65aにおける下方へ突出する円筒部654の内周面の大きさに制限される。特に、図8(a)から理解されるように、ピニオンギア644の直径が、内歯付きキャリア65aにおける下方へ突出する円筒部654の内径の略半値となっている関係から、ピニオンギア644の歯数を、図8(a)に図示する状態から増やす(即ち、増速させる)ことが困難であり、結果として、制動トルクの設定範囲の自由度を大きく取れないものとなる。
従って、実施例1の速度調整装置6のように、外歯付きキャリア65における上方へ突出する円筒部位の外周面に形成される外歯車652にピニオンギア644を噛合させる構造とすることで、上述した制動トルク増幅機能、制動トルク調節機能、及びコード移動検知機能に加えて、制動トルクの設定範囲の自由度の拡大を実現することができる。
〔実施例2の速度調整装置〕
図9(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例2の速度調整装置6におけるドライブローラー64とブレーキ部6aの一部を構成する外歯付きキャリア65との位置関係を概略的に示す平面図及び側面図である。尚、実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
実施例2の速度調整装置6は、図9(a),(b)に示すドライブローラー64と外歯付きキャリア65の形状が図7(a),(b)に示す実施例1のものと異なる点を除き、その他の形状は実施例1とほぼ同様に構成することができる。このため、図9を参照して、実施例2の速度調整装置6に係るドライブローラー64と外歯付きキャリア65について説明する。
実施例2に係るドライブローラー64は、実施例1と同様に、ローラー軸641を軸芯とするローラー部642と、ローラー部642より下方にて、当該ローラー軸641を軸芯とするピニオンギア644と、を備えているが、実施例2に係るピニオンギア644は、実施例1のものと比較して歯数を増加(図示する例では約2倍の大径化)させている点で相違する。
また、実施例2に係る外歯付キャリア65は、実施例1と同様に、略円板状のキャリア本体651の中央に中空部を有し下方に突出する円筒部654が設けられ、該中空部と連なる中空部を有しキャリア本体651から上方へ突出する円筒部位の外周面に外歯車652が形成され、キャリア本体651の下面にて複数(本例では4つ)の遊星歯車653が回転可能に支持されている構造を有しているが、実施例2に係る外歯車652は、実施例1のものと比較して歯数を減少(図示する例では約1/2倍の小径化)させている点で相違する。
即ち、図9(a),(b)に示すドライブローラー64と外歯付きキャリア65を持つ実施例2の速度調整装置6は、ピニオンギア644の回転を内歯付きキャリア65aの回転へと伝達させる速度を、図7に示す実施例1、及び図8に示す比較例よりも増速させることができる(図示する例では約4倍の増速化)。
従って、実施例1,2から理解されるように、ドライブローラー64とブレーキ部6aの一部を構成する外歯付きキャリア65との位置関係として、外歯付きキャリア65における外歯車652にピニオンギア644を噛合させる構造とすることで、制動トルクの設定範囲の自由度を大きく取れるようになる。
〔実施例3の速度調整装置〕
図10(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例3の速度調整装置6におけるドライブローラー64及びアイドルローラー63とブレーキ部6aの一部を構成する外歯付きキャリア65との位置関係を概略的に示す平面図及び側面図である。尚、実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
上述した実施例1,2の速度調整装置6では、ローラー軸631を軸芯とするローラー部632を有するアイドルローラー63については、ブレーキ部6aとして構成される外歯付キャリア65、環状プレート66、及び太陽歯車付ウェイトホルダー67の各中空部を経て配置することを想定して説明したが、図10(a),(b)に示すように、アイドルローラー63を外歯付キャリア65の外側(図示を省略するが、環状プレート66、及び太陽歯車付ウェイトホルダー67についてもその外側)に配置する構造としてもよい。
即ち、ドライブローラー64及び外歯付きキャリア65との位置関係は、図7に示す実施例1と同様に配置する。一方、アイドルローラー63についても、図10(a),(b)に示すように、外歯付キャリア65の外側(図示を省略するが、環状プレート66、及び太陽歯車付ウェイトホルダー67についてもその外側)に配置する。
実施例3の速度調整装置6においても、基本構造は実施例1と同様に構成することができ、アイドルローラー63におけるローラー部632より上部のローラー軸631は、スライダー62の一方の天壁溝621とケース61のハの字溝613の一方の溝に軸支され、ローラー部632より下部のローラー軸631は、スライダー62の一方の底壁溝622に軸支された後、実施例3ではブレーキ部6aとして構成される外歯付キャリア65、環状プレート66、太陽歯車付ウェイトホルダー67及びウェイト68と干渉することなく、これら各部材の外側を経ることになるが、ベース69に設ける湾曲溝692に軸支される。
このため、実施例3の速度調整装置6は、上述した図2及び図3に示す実施例1の速度調整装置6と比較して、ケース61の上部に位置するスライダー収容部611の形状(或いはスライダー収容部611に収容されるスライダー62の形状等)が、図10(a)に示すように、前後方向へより延長させた形状となり、昇降コードC1,C2,C3の挿通位置が前後方向へ相対的に偏った位置形状となるものの、基本構造は実施例1の速度調整装置6と同様に形成することができる。
尚、各ローラー部642,632の径は、随意、調節して設計することができるが、図10(b)に示すように、実施例3の速度調整装置6ではアイドルローラー63とドライブローラー64を近接配置させることが容易に実現され、各ローラー部642,632の径を不必要に大径化させる必要もないことから、実施例3の速度調整装置6の装置全体として、実施例1の速度調整装置6と比較しても極端に大型化することなく構成することができる。
従って、実施例3の速度調整装置6のように、アイドルローラー63についても、外歯付キャリア65、環状プレート66、及び太陽歯車付ウェイトホルダー67の外側に配置しても、外歯付きキャリア65における上方へ突出する円筒部位の外周面に形成される外歯車652にピニオンギア644を噛合させる構造とすることができ、上述した制動トルク増幅機能、制動トルク調節機能、及びコード移動検知機能に加えて、制動トルクの設定範囲の自由度の拡大を実現することができる。
〔実施例4の速度調整装置〕
図11(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例4の速度調整装置6におけるドライブローラー64及びスライダー63と、アイドルローラー63を不要としブレーキ部6aの一部を構成する外歯付きキャリア65との位置関係を概略的に示す平面図及び側面図である。尚、実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
上述した実施例1乃至3の速度調整装置6では、ケース61におけるスライダー収容部611の上面に形成されるハの字溝613を利用し、そのハの字溝613のそれぞれに対しドライブローラー64のローラー軸641、及びアイドルローラー63のローラー軸631をスライダー62によりスライド可能に軸支している。そして、上述した実施例1乃至3の速度調整装置6では、ドライブローラー64のローラー部642及びアイドルローラー63のローラー部632で昇降コードC1,C2,C3を挟み込み、昇降コードC1,C2,C3の移動方向に応じて昇降コードC1,C2,C3に対する狭圧/非狭圧の状態を切り替えるようにしている。
一方、図11(a),(b)に示す実施例4の速度調整装置6では、図10に示す実施例3と対比すると容易に理解されるが、アイドルローラー63を不要とし、このためケース61におけるスライダー収容部611の上面には、ドライブローラー64のローラー軸641を支持する1つの湾曲溝613a(実施例1乃至3における一対のハの字溝613の片方に相当する)が形成され、この湾曲溝613aに対しドライブローラー64のローラー軸641をスライダー62によりスライド可能に軸支している。ドライブローラー64及び外歯付きキャリア65との位置関係は、図10に示す実施例3と同様に配置している(即ち、この位置関係に関しては実施例1,2と同様である)。
そして、スライダー62の左右の縦壁にはそれぞれコード挿通孔624が形成されているが、実施例4の速度調整装置6におけるスライダー62には、図11(a),(b)に示すように、その左右の縦壁に形成されるコード挿通孔624の一辺に連なって、左右方向に延在するコード案内壁625が形成されている。そして、ドライブローラー64のローラー部642及びスライダー62のコード案内壁625で昇降コードC1,C2,C3を挟み込み、昇降コードC1,C2,C3の移動方向に応じて昇降コードC1,C2,C3に対する狭圧/非狭圧の状態を切り替えるようにしている。
このように、スライダー62のコード案内壁625を利用することでアイドルローラー63を不要とすることができ、実施例4の速度調整装置6においても、上述した制動トルク増幅機能、制動トルク調節機能、及びコード移動検知機能に加えて、制動トルクの設定範囲の自由度の拡大を実現することができる。
〔実施例5の速度調整装置〕
図12(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例5の速度調整装置6におけるドライブローラー64A及びアイドルローラー63と、スライダー62を不要としドライブローラー64Aと一体となってブレーキ部6aの一部を構成するキャリア65Aとの位置関係を概略的に示す平面図及び側面図である。
上述した実施例1乃至3の速度調整装置6では、ケース61におけるスライダー収容部611の上面に形成されるハの字溝613を利用し、そのハの字溝613のそれぞれに対しドライブローラー64のローラー軸641、及びアイドルローラー63のローラー軸631をスライダー62によりスライド可能に軸支している。そして、上述した実施例1乃至3の速度調整装置6では、ドライブローラー64のローラー部642及びアイドルローラー63のローラー部632で昇降コードC1,C2,C3を挟み込み、昇降コードC1,C2,C3の移動方向に応じて昇降コードC1,C2,C3に対する狭圧/非狭圧の状態を切り替えるようにしている。
一方、図12(a),(b)に示す実施例5の速度調整装置6では、図10に示す実施例3と対比すると容易に理解されるが、上述した実施例1乃至3に係るドライブローラー64をドライブローラー64A(ピニオンギア644を有していない)に置き換え、上述した実施例1乃至3に係る外歯付きキャリア65をキャリア65A(外歯車652を有していない)に置き換え、ドライブローラー64Aをキャリア65Aに一体化させている。
キャリア65A(外歯車652を有していない)は、そのキャリア本体651から下方へ突出する部分の円筒部654の外周上で所定間隔に対称配置される複数(本例では4つ)の遊星歯車653が回転可能に支持されている点は上述した実施例1乃至3に係る外歯付きキャリア65と同様である。
また、図12(a),(b)に示す実施例5の速度調整装置6では、スライダー62を不要とし、このためケース61のハの字溝613(及び図3に示すベース69の湾曲溝692)の形成も不要として、ケース61(及びベース69)に対し、ドライブローラー64Aのローラー軸641、及びアイドルローラー63のローラー軸631を回転可能に軸支して、ドライブローラー64Aのローラー部642及びアイドルローラー63のローラー部632で昇降コードC1,C2,C3を挟み込むようになっている。
そして、ドライブローラー64Aのローラー部642内には、昇降コードC1,C2,C3の一方向の移動(本例ではレール支持側となる左側から操作側となる右側)に対応するローラー部642の一方向の回転(図12(a)で左回り)を許容し、ローラー部642の他方向の回転(図12(a)で右回り)は阻止するワンウェイクラッチ643が組み込まれている。ただし、このワンウェイクラッチ643の設置は必須ではない。即ち、アイドルローラー63のローラー軸631については、上述の実施例と同様に、湾曲溝613a(実施例1乃至3における一対のハの字溝613の片方に相当する)によりスライド可能に軸支させている。この湾曲溝613aの作用で、昇降コードC1,C2,C3の一方向の移動(本例ではレール支持側となる左側から操作側となる右側)に対しては低摩擦となり、昇降コードC1,C2,C3の他方向の移動に対しては高摩擦となって、キャリア65Aに基づく所望の制動力が働くためである。
このように、実施例5の速度調整装置6では、スライダー62を不要としドライブローラー64Aのローラー軸641、及びアイドルローラー63のローラー軸631を回転可能に軸支しても、好適にはワンウェイクラッチ643が組み込まれたドライブローラー64Aをキャリア65Aに一体化させることで、上述した制動トルク増幅機能、制動トルク調節機能、及びコード移動検知機能に加えて、制動トルクの設定範囲の自由度の拡大を実現することができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した実施形態の例では、引き操作に係るコードとして移動する昇降コードを速度変換対象とした横型ブラインドの例に説明したが、遮蔽材を移動させるためのコードの移動により、遮蔽材の開閉方向のうち一方向を速度調整する機構的な自動操作とし他方向を手動操作として遮蔽材の開閉を可能とする横型ブラインド、プリーツスクリーン、ローマンシェード、縦型ブラインドアコーディオンカーテン、或いはロールスクリーン等の遮蔽装置であれば、本発明に係る速度調整装置6を適用することができる。