JP2020159083A - 横型ブラインド - Google Patents

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貴俊 植松
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貴俊 植松
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Abstract

【課題】操作コードを設けずに、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行うようボトム把持操作型の横型ブラインドを提供するとともに、ボトムレールの上下動を抑制しつつ比較的に低コストでスラットの傾動操作に係る高遮蔽を実現するボトム把持操作型の横型ブラインドを提供することにある。【解決手段】本発明の横型ブラインドは、複数本の昇降コード10L,10R,10Mを複数段のスラット4の前後に配設してボトムレール8を吊下支持し、各スラット4を支持するラダーコード9の下端を係止する係止部材83L,83M,83Rがボトムレール8に対し相対回動可能に設けられる。本発明の横型ブラインドは、スラット4の昇降をボトムレール8の把持操作で行うボトム操作機構(巻取パイプ50、ボトムレール8の自重降下を防止する制動手段、付勢手段として機能する定荷重化ユニット6、及び係止部材83L,83M,83R)を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行う横型ブラインドに関する。
一般的に、手動操作の横型ブラインドは、昇降コードを用いてヘッドボックスから吊り下げられるラダーコードに支持された多数段のスラットを昇降させたり、チルト操作棒等を用いて多数段のスラットをチルト(傾動)させたりすることによって、室内に取り込む日射量の調整が可能となっている。
つまり、ラダーコードの下端にボトムレールが配置され、ボトムレールに取着された昇降コードをヘッドボックス内への引き込み及びヘッドボックスからの引き出しを行うことによって、ボトムレールを昇降させることによりスラットを昇降させることができる。
ただし、従来の横型ブラインドでは、大別して、ボトムレールに一端が取着された昇降コードの他端をヘッドボックス内で案内してヘッドボックス外部へと導出し、その外部に導出された昇降コードを操作コードとしてスラットの昇降を手引き操作する形態とするか、或いはヘッドボックス内に昇降コードの巻き取り又は巻き戻し可能とする巻取軸を設け、この巻取軸の軸中心に駆動軸を相対回転不能に貫通させておき、この駆動軸の回転を操作する操作プーリーに操作コードを掛装し、この操作コードの操作で駆動軸を回転させてスラットの昇降を行う形態とするものとなっている。
ヘッドボックス外部に導出された昇降コードを操作コードとしてスラットの昇降を手引き操作する横型ブラインドにおいては、昇降コードの移動を阻止可能とするストッパー装置の解除操作でボトムレールを自重降下させるようになっており、チルト操作棒を用いて多数段のスラットを傾動操作することができる。
また、昇降コードの巻き取り又は巻き戻し可能とする巻取軸に対し相対回転不能に貫通させた駆動軸を回転操作する横型ブラインドにおいては、操作コードを用いて多数段のスラットの昇降操作と傾動操作を兼ねる構成とするものや、スラットの傾動操作についてはチルト操作棒を用いて駆動軸を回転させる構成とするものもある。
ところで、従来の横型ブラインドでは、スラットの前後方向の略中央に昇降コードを挿通するための挿通孔を設けるのが一般的であるが、横型ブラインドの一種として、スラットからの光漏れを防ぐためスラットに対し昇降コード用の挿通孔を設けないようにして、複数本の昇降コードをスラットの前後(室内側と室外側)に配設したものがある。更に、スラットを傾動操作したときの遮蔽状態を高めるために、当該スラット傾角の大小変化に応じて、当該スラットの前後に垂下する昇降コードの間隔を小大変化させるよう駆動する駆動機構をヘッドボックス内に設けたものもある(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−44422号公報
上述したように、従来の横型ブラインドでは、大別して、昇降コードの移動をヘッドボックスから引き出し、引き出された昇降コードを操作コードとして手引き操作する形態とするか、或いはヘッドボックス内に昇降コードの巻き取り又は巻き戻し可能とする巻取軸を設け、この巻取軸の軸中心に駆動軸を相対回転不能に貫通させておき、この駆動軸の回転を操作する操作プーリーに操作コードを掛装して、この操作コードの操作で駆動軸を回転させて昇降コードの移動を行う形態とするものとなっている。
一方で、このような操作コードを設けずに、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行いたいという要望がある。尚、操作コードを用いるように構成された従来の横型ブラインドでは、ボトムレールを把持して操作しようとしても、手放すとその自重で降下してしまうため、ボトムレールの把持操作ができるようにはなっていない。
尚、ヘッドボックス外部に導出された昇降コードを操作コードとしてスラットの昇降を手引き操作する横型ブラインドにおいては、昇降コードの移動を阻止可能とするストッパー装置の解除操作でボトムレールを自重降下させるようになっており、この場合、ボトムレールが下限位置にあるときにはラダーコードにテンションが残り昇降コードにはテンションが残らなくなる。すると、ボトムレールが下限位置にあるときにチルト操作棒を用いて傾動操作し遮蔽状態にしたい場合に、ラダーコードの移動に起因してボトムレールが上下動してしまい、十分に遮蔽状態とならないという問題が生じる。
また、ボトムレールが下限位置にあるときにラダーコードにも昇降コードにもテンションが残るように構成しても、やはりラダーコードの移動に起因してボトムレールが上下動してしまい、十分に遮蔽状態とならないという問題が生じることがある。
特に、操作コードを設けずに、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行うよう横型ブラインドを構成するには、ボトムレールが下限位置にあるときも、ラダーコード及び昇降コードの双方にテンションが残るように構成する必要がある。
従って、操作コードを設けずに、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行うようボトム把持操作型の横型ブラインドを構成するにあたり、ボトムレールが下限位置にあるときにチルト操作棒を用いて傾動操作し遮蔽状態にしたい場合に、ラダーコードの移動に起因してボトムレールが上下動し十分に遮蔽状態とならないことが起こりうるという第1の問題がある。
また、ボトム把持操作型の横型ブラインドを構成するにあたり、スラットからの光漏れを防ぐべく複数本の昇降コードをスラットの前後(室内側と室外側)に配設すると、ボトムレールが下限位置にあるときにチルト操作棒を用いて傾動操作し遮蔽状態にしようとしても、昇降コードに残るテンションに起因して、ボトムレールの直上に位置するスラット群が十分に遮蔽状態とならないという第2の問題が生じる。
この第2の問題を解決するために特許文献1に開示されるように、当該スラット傾角の大小変化に応じて、当該スラットの前後に垂下する昇降コードの間隔を小大変化させるよう駆動する駆動機構をヘッドボックス内に設けると、スラットの昇降や傾動の操作に係る装置の複雑化、又はコストが増大するという新たな問題が生じるため、上記の第1及び第2の問題を解決するための別の技法が求められる。
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、操作コードを設けずに、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行うようボトム把持操作型の横型ブラインドを提供するとともに、ボトムレールの上下動を抑制しつつ比較的に低コストでスラットの傾動操作に係る高遮蔽を実現するボトム把持操作型の横型ブラインドを提供することにある。
本発明による一態様の横型ブラインドは、ヘッドボックスから吊下されるラダーコードにより複数段のスラットを支持し、ヘッドボックスから垂下される複数本の昇降コードを当該複数段のスラットの前後に配設してボトムレールを吊下支持する横型ブラインドであって、前記ラダーコードの下端を係止する係止部材が前記ボトムレールに対し相対回動可能に設けられていることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記係止部材が前記ボトムレール内に相対回動可能に収容され、前記ボトムレールは、前記複数本の昇降コードにおける前後方向の間隔が前記係止部材の相対回動に応じて変化するように、前記複数本の昇降コードが前記係止部材と係合して吊下支持されていることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記係止部材は、前記ラダーコードを介するスラットの傾動操作に応じて前記ボトムレールに対し相対回動するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記係止部材は、傾動操作に係る前記複数段のスラットにおけるスラット傾角の大小変化に応じて、前記複数段のスラットの前後に垂下する昇降コードの間隔を小大変化させるよう案内する案内部位を有することを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記複数本の昇降コードの各下端が、前記係止部材を介して前記ボトムレールの底部の前後方向中央部に取着されていることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記ラダーコードの下端の係止位置を調節可能とするコード調節機構を更に備えることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記係止部材は、複数のラダーコードの各々に対し設けられ、当該係止部材を前記ボトムレールに対し同期して相対回動可能に軸支するボトム軸が前記ボトムレールに設けられていることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記ボトム軸の回転操作により当該複数段のスラットの傾動を可能とするチルト操作部が、前記ボトムレールに設けられていることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記ボトムレールが最下限位置にあるときに前記ラダーコード及び前記昇降コードに前記ボトムレールによるテンションが付加されていることを特徴とする。
更に、本発明による一態様の横型ブラインドは、ヘッドボックスから吊下されるラダーコードにより複数段のスラットを支持し、ヘッドボックスから垂下される複数本の昇降コードを当該複数段のスラットの前後に配設してボトムレールを吊下支持する横型ブラインドであって、前記スラットの昇降を前記ボトムレールの把持操作で行うボトム操作機構を備えることを特徴とする。
また、本発明による一態様の横型ブラインドにおいて、前記ボトム操作機構は、前記複数本の昇降コードを巻き取り、或いは巻き戻すための巻取手段と、前記ボトムレールの自重降下を防止する制動手段と、前記ボトムレールが自動上昇しない範囲内で前記複数本の昇降コードを巻き上げる方向に前記巻取手段を付勢する付勢手段と、前記ボトムレールに対し相対回動可能に支持され、前記ラダーコードの下端を係止する係止部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、操作コードを設けずに、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行うようボトム把持操作型の横型ブラインドを構成することができる。また、ボトム把持操作型の横型ブラインドとして、ボトムレールの上下動を抑制しつつ比較的に低コストでスラットの傾動操作に係る高遮蔽を実現することができる。
本発明による第1実施形態の横型ブラインドの概略構成を示す正面図である。 本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおけるボトムレールの概略構成を示す斜視図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおけるボトムレールの概略構成を示すA‐A’及びB‐B’断面図である。 (a),(b)は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおけるボトムレールの動作を概略的に示す断面図である。 本発明による第2実施形態の横型ブラインドの概略構成を示す正面図である。 本発明による第2実施形態の横型ブラインドにおけるボトムレールの概略構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の横型ブラインドを説明する。尚、本願明細書中、図1に示す横型ブラインドの正面図に対して、図示上方及び図示下方をそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を横型ブラインドの左側、及び、図示右方向を横型ブラインドの右側と定義して説明する。また、図1に示す横型ブラインドの正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
〔第1実施形態〕
(全体構成)
図1は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドの概略構成を示す正面図である。本実施形態の横型ブラインドは、ヘッドボックス1の左右両側及びその中央から吊下支持するラダーコード9を介して多数段のスラット4が吊下支持され、そのラダーコード9の下端に、本発明に係るボトムレール8が吊下支持されている(詳細は後述する)。ヘッドボックス1は、複数のブラケット7を介して天井面等の取付面へ固定される。
また、ヘッドボックス1の左右両側におけるラダーコード9の室外側縦糸に併設して昇降コード10L,10Rがスラット4の後縁に沿って垂下されるとともに、ヘッドボックス1の左右方向中央側におけるラダーコード9の室内側縦糸に併設して昇降コード10Mがスラット4の前縁に沿って垂下され、各昇降コード10L,10R,10Mの下端に、本発明に係るボトムレール8が取着されている(詳細は後述する)。尚、各昇降コード10L,10R,10Mは、ラダーコード9の縦糸に対しスラット4の所定段おきに編み込まれている。従って、本実施形態の横型ブラインドでは、最大傾動時(つまり全閉又は逆全閉回動時)のスラット4からの光漏れを防止するため、スラット4には昇降コード10L,10R,10Mの各々を挿通するための挿通孔は設けられていない。ただし、スラット4の後縁に沿って垂下される昇降コード10L,10Mについては、これらを係合させる切欠き(図示せず)をスラット4に設けてもよく、このような切欠きはスラット4の最大傾動時に隠れるため、スラット4から光漏れが生じるおそれはない。
また、本実施形態の横型ブラインドは、操作コードを設けずに、スラット4の昇降をボトムレール8の把持操作で行うようボトム把持操作型の横型ブラインドとして構成される。このため、本実施形態の横型ブラインドでは、ボトムレール8の左右方向の略中央部にハンドル8aが取り付けられ、スラット4の昇降は、利用者によるハンドル8aを用いたボトムレール8の昇降によって操作される。
ヘッドボックス1は、その内部に、スラット傾動用の駆動軸13と、スラット昇降用の駆動軸14と、巻取ドラム50及びチルトドラム51、並びに伝達部材52を各々回転可能に支持する本例では3個の支持部材5と、1個の定荷重化ユニット6と、操作軸11の回転をスラット傾動用の駆動軸13に伝達するギヤユニット(駆動ギヤ12a及び被動ギヤ12b)と、チルト操作棒3の回転を操作軸11に伝達する操作部2と、を備える。
各支持部材5に回転可能に支持される巻取ドラム50には、左右方向に延びる多角柱状(本例では六角柱状)の駆動軸14が相対回転不能に貫通されている。そして、各巻取ドラム50は、駆動軸14と一体となって回転する円錐台状を有し、それぞれ下端をボトムレール8に取着した昇降コード10L,10R,10Mの各々の上端を巻き取り、或いは巻き戻し可能となっている。尚、各巻取ドラム50の基端部には、巻取ドラム50に巻き取られている昇降コードの移動に抵抗を付与することで、ボトムレール8の自重降下を防止するブレーキ機構が制動手段として設けられている(図示せず)。ただし、この制動手段は駆動軸14の回転に対し所定の制動力を付与するものとしてもよい。
定荷重化ユニット6は、スラット4の昇降をボトムレール8の把持操作で行うために設けられ、スラット4の全昇降範囲においてハンドル8の操作負荷がほぼ一定となる所定の荷重内(定荷重化レンジ)に収まるように、スラット4の昇降状態に関わらず駆動軸14に対しほぼ一定の回転トルクを付与する機能を有し、これにより、ボトムレール8が自重降下しない範囲内で各巻取ドラム50が昇降コードを巻き上げる方向に付勢される。ただし、スラット4の昇降をボトムレール8の把持操作で行うよう構成するには、各巻取ドラム50による昇降コードの巻き上げを可能とする付勢手段を駆動軸14に設ければよく、ハンドル8の操作負荷をほぼ一定にすることを意図しないときは定荷重化ユニット6を設ける代わりに、ボトムレール8が自動上昇しない範囲内で昇降コードを巻き上げる方向に各巻取ドラム50を付勢するぜんまいバネやスプリングモーターを設ける構成としてもよい。
各支持部材5に回転可能に支持されるチルトドラム51には、駆動軸14が非係合で相対回転可能に貫通されている。そして、各チルトドラム51は、駆動軸13の回転が伝達部材52を介して伝達されるように構成され、それぞれ下端をボトムレール8に取着したラダーコード9の各々の上端を取着している。伝達部材52は、各チルトドラム51の軸部に対しギヤ機構で噛合するよう構成され、左右方向に延びる多角柱状(本例では六角柱状)の駆動軸13が相対回転不能に貫通されている。このため、駆動軸13が回転すると伝達部材52が回転し、伝達部材52の回転が各チルトドラム51に伝達する。
スラット傾動用の駆動軸13の一端側には被動ギヤ12bが設けられ、被動ギヤ12bは、駆動ギヤ12aと噛合するよう構成される。駆動ギヤ12aには操作軸11が相対回転不能に貫通されている。ただし、ギヤユニット(駆動ギヤ12a及び被動ギヤ12b)を省略し、駆動軸13と操作軸11とを1本の駆動軸とすることも可能である。また、ヘッドボックス1の右端側には操作部2が設けられ、操作部2からチルト操作棒3が吊下されている。操作部2はチルト操作棒3の回転を操作軸11に伝達する機能を有する。従って、チルト操作棒3を正逆回転操作することで操作軸11が正逆回転し、ギヤユニット(駆動ギヤ12a及び被動ギヤ12b)を介して駆動軸13が正逆回転する。駆動軸13の回転は各チルトドラム51に伝達されるため、チルト操作棒3の回転操作でラダーコード9に支持される各スラット4を傾動させることができる。尚、操作部2には各スラット4の傾動状態を保持するよう駆動軸11の回転を制動するブレーキ機構が設けられている(図示せず)。
従って、本実施形態の横型ブラインドは、チルト操作棒3の操作で各スラット4を傾動可能とした上で、ボトムレール8の自重降下を防止するよう制動しながら各巻取ドラム50に対し昇降コードを巻き上げる方向に付勢する手段が設けられているため、上述した巻取パイプ50、ボトムレール8の自重降下を防止する制動手段、付勢手段として機能する定荷重化ユニット6、及び係止部材83L,83M,83Rがボトム操作機構として機能し、ボトムレール8の把持操作でスラット4の昇降高さを任意位置で停止させるボトム把持操作型の横型ブラインドとして構成される。
ところで、このようなボトム把持操作型の横型ブラインドを構成するにあたり、ボトムレール8が下限位置にあるときにチルト操作棒3を用いて傾動操作し遮蔽状態にしたい場合に、ラダーコード9の移動に起因してボトムレール8が上下動してしまい、十分に遮蔽状態とならないことが起こりうるという第1の問題がある。
また、スラット4からの光漏れを防ぐべく複数本の昇降コード10L,10R,10Mをスラット4の前後(室内側と室外側)に配設すると、ボトムレール8が下限位置にあるときにチルト操作棒3を用いて傾動操作し遮蔽状態にしようとしても、昇降コード10L,10R,10Mに残るテンションに起因して、ボトムレール8の直上に位置するスラット群が十分に遮蔽状態とならないという第2の問題が生じる。
そこで、本実施形態の横型ブラインドでは、上記の第1及び第2の問題を解決するため、ボトムレール8に工夫を設けており、以下、図2乃至図4を参照しながら詳細に説明する。図2は、本実施形態の横型ブラインドにおけるボトムレール8の概略構成を示す斜視図であり、図3(a),(b)は、それぞれ図2におけるA‐A’及びB‐B’断面図である。
(ボトムレール)
まず、図2及び図3に示すように、ボトムレール8は、ボトムフレーム80、ボトムキャップ81、ボトム軸82、本例では3個の係止部材83L,83M,83R、及び、コード止め部材84を備える。
ボトムフレーム80は、ボトム軸82及び各係止部材83L,83M,83Rを収容して上方が開口した形状を有し、本例では図示するような略H字状の断面形状で左右方向に延在するアルミダイキャストで成形され、錘部材として機能する。
ボトム軸82は、略円形の外形を持つ図3に示す断面形状で左右方向に延在するアルミダイキャストで成形されている。ボトム軸82の左右方向両端には円柱軸を持つ丸軸部82aが固着されている。そして、ボトムフレーム80の左右方向両端には合成樹脂材料で成形されたボトムキャップ81が固着され、各ボトムキャップ81の左右方向両端部に形成される軸受部81aによりボトム軸82の左右方向両端に固着される丸軸部82aが相対回転可能に支持されている。
図2に示すように、ボトム軸82上には、ヘッドボックス1から鉛直方向にそれぞれ垂下する昇降コード10L,10R,10M、及び各昇降コードに併設して垂下するラダーコード9の各垂下位置に対応する位置で、それぞれ係止部材83L,83M,83Rが固定して配設されている。各係止部材83L,83M,83Rは、概ね2枚の円板を並設し軸固定した形状を有し、この2枚の円板間で、対応する昇降コード10L,10R,10M、及びラダーコード9が案内される。係止部材83L,83RのA‐A’断面を図3(a)に示しており、係止部材83MのB‐B’断面を図3(b)に示している。
図3(a),(b)にそれぞれ示すように、各係止部材83L,83M,83Rの側面上には、それぞれ対応する昇降コード10L,10R,10Mを相対移動可能に係合する係合ピン83aが固定されている。例えば、図3(a)に示すように、ヘッドボックス1から垂下する昇降コード10Lの下端は、係止部材83Lに設けられる係合ピン83aに対し相対移動可能に係合された上で、ボトムフレーム80の底部の前後方向中央部に設けられた係止孔8bを経て結び玉等で係止される。同様に、昇降コード10Rの下端は、係止部材83Rに設けられる係合ピン83aに対し相対移動可能に係合された上で、ボトムフレーム80の底部の前後方向中央部に設けられた係止孔8bを経て結び玉等で係止される。そして、図3(b)に示すように、ヘッドボックス1から垂下する昇降コード10Mの下端は、係止部材83Mに設けられる係合ピン83aに対し相対移動可能に係合された上で、ボトムフレーム80の底部の前後方向中央部に設けられた係止孔8bを経て結び玉等で係止される。
一方、各ラダーコード9の下端については、それぞれの板状のコード止め部材84に係止される。各コード止め部材84は左右方向に所定長に延びる板状体で構成され、図3(a),(b)ではそれぞれ概略的に図示しているが、対応する各ラダーコード9の下端の係止位置を調節可能とし、コード調節機構として機能する。そして、各コード止め部材84はボトム軸82に穿設された係止溝82bで係止され抜け止めされる。
尚、ボトムフレーム80の下方には前後方向に一対の脚部8cが左右方向に延在して設けられ、各昇降コードの結び玉を隠し床面に対し安定載置することもできるようにしている。
従って、ボトムレール8は、複数本の昇降コード10L,10R,10Mにおける前後方向の間隔が係止部材83L,83M,83Rのボトムレール8に対する相対回動に応じて変化するように、複数本の昇降コード10L,10R,10Mが係止部材83L,83M,83Rにおける係合ピン83aと係合して吊下支持されている。即ち、係合ピン83aは、係止部材83L,83M,83Rが、当該傾動操作に係る複数段のスラット4におけるスラット傾角の大小変化に応じて、複数段のスラット4の前後に垂下する昇降コード10L,10R,10Mの間隔を小大変化させるよう案内する案内部位として機能する。
このように構成されたボトムレール8では、ボトムレール8が下限位置にあるときに、その自重で、常に、昇降コード10L,10R,10M及びラダーコード9にテンションが加わるようになるが、チルト操作棒3を用いてスラット4を傾動操作するとボトム軸82もボトムフレーム80に対し相対回転するようになるため、ボトムレール8が上下動しなくなり、上述した第1の問題を解決し、高遮蔽状態とすることができるようになる。
また、チルト操作棒3を用いてスラット4を傾動操作すると、ボトム軸82の回転に伴って各係止部材83L,83M,83Rも回転し、各係止部材83L,83M,83Rに設けられる係合ピン83aの位置も回転移動するため、結果として昇降コード10L,10R,10Mにテンションが残っている場合でも係合ピン83aに誘導されて、各ラダーコード9の縦糸間の距離を狭める妨げとはならないように作用する。このため、昇降コード10L,10R,10Mにテンションが残っている場合でもボトムレール8の直上に位置するスラット群が十分に遮蔽状態となり、上述した第2の問題を解決し、高遮蔽状態とすることができるようになる。
このボトムレール8の動作について、図4を参照して説明する。図4(a),(b)は、ボトムレール8の動作を概略的に示す断面図である。具体的には、図4(a)はスラット4が水平状態にあるときのボトムレール8の状態を示しており、図4(b)はスラット4が傾動状態にあるときのボトムレール8の状態を示している。尚、図4では、昇降コード10L(10R)用の係止部材83L(83R)を実線で示し、昇降コード10Mについては重ねて破線で示している。尚、図4(a),(b)では、各昇降コード10L,10R,10Mがスラット4の所定段おきにラダーコード9の縦糸に対し編み込まれており、本発明に係る趣旨を分かりやすくするために正確ではないが、各昇降コード10L,10R,10Mにテンションが残っているとして図示している。
まず、図4(a)に示すように、ラダーコード9の各横糸9aに支持されるスラット4が水平状態にあるとき、ボトムレール8が下限位置で床面FLに対し所定高さhにあるとする。この状態で、チルト操作棒3を用いてスラット4を傾動操作すると、図4(b)に示すように、ボトム軸82の回転に伴って各係止部材83L,83M,83Rも回転し、各係止部材83L,83M,83Rに設けられる係合ピン83aの位置も回転移動する。各昇降コード10L,10R,10Mは、それぞれの係合ピン83aに対し相対移動可能に係合されているため、結果として昇降コード10L,10R,10Mにテンションが残っている場合でも係合ピン83aに誘導されて、各ラダーコード9の縦糸間の距離を狭める妨げとはならないように作用する。このため、昇降コード10L,10R,10Mにテンションが残っている場合でもボトムレール8の直上に位置するスラット群が十分に遮蔽状態となる。また、ボトム軸82がボトムフレーム80に対し相対回転するため、ボトムレール8が上下動しなくなり、ボトムレール8が床面FLに対し所定高さhで維持され、高遮蔽状態が維持される。
従って、本実施形態の横型ブラインドによれば、操作コードを設けずに、スラット4の昇降をボトムレール8の把持操作で行うようボトム把持操作型の横型ブラインドを構成することができる。また、ボトム把持操作型の横型ブラインドとして、ボトムレール8の上下動を抑制しつつ比較的に低コストでスラット4の傾動操作に係る高遮蔽を実現することができるようになる。
〔第2実施形態〕
(全体構成)
図5は、本発明による第2実施形態の横型ブラインドの概略構成を示す正面図である。また、図6は、本実施形態に係るボトムレール8の概略構成を示す斜視図である。尚、上述と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図5及び図6に示す第2実施形態の横型ブラインドは、図1及び図2に示すものと比較して、ボトムレール8側でスラット4の傾動操作を行うようにボトムレール8にチルト操作部85を設け、図1に示す操作部2、チルト操作棒3、操作軸11、ギヤユニット(駆動ギヤ12a及び被動ギヤ12b)、駆動軸13、及び伝達部材52の設置を省略した点で相違しているが、その他の構成は同様である。
図5に示す第2実施形態の横型ブラインドは、ボトムレール8にチルト操作部85を更に設け、ボトムレール8が下限位置にあるときに(即ち、ラダーコード9にテンションが残っているときに)、ボトムレール8側でスラット4の傾動操作を行うようにしたものであり、ボトムレール8に係るその他の構成及び動作は、第1実施形態と同様であることから、以下、図6を参照して、チルト操作部85について詳細に後述する。
図6に示すように、本実施形態に係るボトムレール8は、その一端側のボトムキャップ81に、チルト操作部85を設けている。ただし、チルト操作部85は、ボトムレール8の左右方向両端側に設けてもよいし、ボトムレール8の左右方向中央に設ける構成とすることも可能である。チルト操作部85は、ダイヤル86、及び本体ケース87を備える。
ダイヤル86は、ボトム軸82の丸軸部82aに固定される中心軸を有し、ダイヤル86の回転でボトム軸82が回転するように構成されている。また、ダイヤル86には、ボトム軸82の丸軸部82aの回転を支持するボトムキャップ81の軸受部81aに対し、摩擦を生じさせ、各スラット4の傾動状態を保持するよう制動するゴム材等のブレーキ部86aが設けられている。
本体ケース87は、本例ではボトムフレーム80に倣う形状を有し、ダイヤル86を収容し回転可能に支持してボトムキャップ81の側面に固着されている。尚、本体ケース87には、収容したダイヤル86を外部から回転操作可能とする開口部87aが設けられ、特に、本例では、ボトムレール8の正面及び背面から、更には上面及び下面から、ダイヤル86の回転操作ができるように、本体ケース87の前後及び上下に開口部87aが設けられている。
尚、本例では、ボトム軸82が回転操作するために、回転式のダイヤル86とする例を説明したが、上下又は前後等でスライドさせてボトム軸82が回転操作するようスライドギヤで噛合させる構造としてもよい。
このように構成されたチルト操作部85を有するボトムレール8は、ボトムレール8が下限位置にあるときに(即ち、ラダーコード9にテンションが残っているときに)、ボトムレール8側でスラット4の傾動操作を行うことができるようになり、操作性の向上を図ることができる。
尚、図5及び図6に示す第2実施形態の例では、図1に示す操作部2、チルト操作棒3、操作軸11、ギヤユニット(駆動ギヤ12a及び被動ギヤ12b)、駆動軸13、及び伝達部材52の設置を省略したものとしているが、図1に示す第1実施形態の横型ブラインドに対してチルト操作部85を有するボトムレール8を適用した構成とすることもできる。ただし、この場合には、チルト操作部85側のチルト操作時に、上述した操作部2に設けている各スラット4の傾動状態を保持するよう駆動軸11の回転を制動するブレーキ機構が働かないようにするために、駆動軸11又は駆動軸13上で該ブレーキ機構が働かないようにするクラッチ機構を設けるようにするのが好適である。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、第2実施形態については、複数のラダーコード9の各々に対し設けられるそれぞれの係止部材83L,83M,83Rが同期してボトムレール8に対し相対回動可能とするよう、係止部材83L,83M,83Rを固着するボトム軸82をボトムレール8に設けられる必要があるが、第1実施形態については、ボトム軸82を用いることなく、係止部材83L,83M,83R自体が、それぞれボトムレール8に対し相対回動可能とするよう構成することもできる。
従って、本発明は、上述した各実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
本発明によれば、操作コードを設けずに、スラットの昇降をボトムレールの把持操作で行うようボトム把持操作型の横型ブラインドを構成することができるので、横型ブラインドに有用である。
1 ヘッドボックス
2 操作部
3 チルト操作棒
4 スラット
5 支持部材
6 定荷重化ユニット
7 ブラケット
8 ボトムレール
8a ハンドル
9 ラダーコード
10L,10R,10M 昇降コード
11 操作軸
12a 駆動ギヤ
12b 被動ギヤ
13 スラットの傾動用の駆動軸
14 スラットの昇降用の駆動軸
50 巻取ドラム
51 チルトドラム
52 伝達部材
80 ボトムフレーム
81 ボトムキャップ
82 ボトム軸
82a 丸軸部
83L,83M,83R 係止部材
83a 係合ピン
84 コード止め部材
85 チルト操作部
86 ダイヤル
87 本体ケース

Claims (11)

  1. ヘッドボックスから吊下されるラダーコードにより複数段のスラットを支持し、ヘッドボックスから垂下される複数本の昇降コードを当該複数段のスラットの前後に配設してボトムレールを吊下支持する横型ブラインドであって、
    前記ラダーコードの下端を係止する係止部材が前記ボトムレールに対し相対回動可能に設けられていることを特徴とする横型ブラインド。
  2. 前記係止部材が前記ボトムレール内に相対回動可能に収容され、
    前記ボトムレールは、前記複数本の昇降コードにおける前後方向の間隔が前記係止部材の相対回動に応じて変化するように、前記複数本の昇降コードが前記係止部材と係合して吊下支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の横型ブラインド。
  3. 前記係止部材は、前記ラダーコードを介するスラットの傾動操作に応じて前記ボトムレールに対し相対回動するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の横型ブラインド。
  4. 前記係止部材は、傾動操作に係る前記複数段のスラットにおけるスラット傾角の大小変化に応じて、前記複数段のスラットの前後に垂下する昇降コードの間隔を小大変化させるよう案内する案内部位を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の横型ブラインド。
  5. 前記複数本の昇降コードの各下端が、前記係止部材を介して前記ボトムレールの底部の前後方向中央部に取着されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の横型ブラインド。
  6. 前記ラダーコードの下端の係止位置を調節可能とするコード調節機構を更に備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の横型ブラインド。
  7. 前記係止部材は、複数のラダーコードの各々に対し設けられ、当該係止部材を前記ボトムレールに対し同期して相対回動可能に軸支するボトム軸が前記ボトムレールに設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の横型ブラインド。
  8. 前記ボトム軸の回転操作により当該複数段のスラットの傾動を可能とするチルト操作部が、前記ボトムレールに設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の横型ブラインド。
  9. 前記ボトムレールが最下限位置にあるときに前記ラダーコード及び前記昇降コードに前記ボトムレールによるテンションが付加されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の横型ブラインド。
  10. ヘッドボックスから吊下されるラダーコードにより複数段のスラットを支持し、ヘッドボックスから垂下される複数本の昇降コードを当該複数段のスラットの前後に配設してボトムレールを吊下支持する横型ブラインドであって、
    前記スラットの昇降を前記ボトムレールの把持操作で行うボトム操作機構を備えることを特徴とする横型ブラインド。
  11. 前記ボトム操作機構は、
    前記複数本の昇降コードを巻き取り、或いは巻き戻すための巻取手段と、
    前記ボトムレールの自重降下を防止する制動手段と、
    前記ボトムレールが自動上昇しない範囲内で前記複数本の昇降コードを巻き上げる方向に前記巻取手段を付勢する付勢手段と、
    前記ボトムレールに対し相対回動可能に支持され、前記ラダーコードの下端を係止する係止部材と、を備えることを特徴とする、請求項10に記載の横型ブラインド。
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