以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1又は調光式スクリーン100)を説明する。尚、本願明細書中、図1等に示す遮蔽装置の正面図に対して、図示上方及び図示下方をスクリーン4の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を遮蔽装置の左側、及び、図示右方向を遮蔽装置の右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、図1に示す遮蔽装置の正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とし、遮蔽装置の前後方向と称するときは、図1の正面図における図示面に対して垂直な方向を云う。
〔第1実施形態〕
(遮蔽装置の構成)
まず、図1乃至図5を参照して、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)の構成を説明する。図1は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)の概略構成を示す正面図であり、図2は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)の概略構成を示す側面透視図である。図3は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における操作プレート6周辺の概略構成を示す分解斜視図である。また、図4(a),(b),(c)は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における操作プレート6の動作説明図である。そして、図5(a),(b),(c)は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の動作説明図である。
図1及び図2に示す遮蔽装置(ロールスクリーン1)は、取付フレーム2の両端に支持部材2a,2bが固定され、その支持部材2a,2bから延びる固定軸11によって、支持部材2a,2b間に円筒状の巻取パイプ9が回転可能に支持される。
巻取パイプ9の右端部には操作プーリー10が設けられ、この操作プーリー10に掛装される無端状の操作コード3が垂下されている。そして、操作コード3の操作により巻取パイプ9を回転操作可能となるよう構成されており、操作コード3が掛装される操作プーリー10の表面は高摩擦性の表面形状を有する。尚、この操作コード3をボールチェーンで構成し、このボールチェーンが掛装される操作プーリー10の表面を、そのボールチェーンのボール部に適合する形状の凹凸を有するように構成することもできる。
支持部材2aと操作プーリー10との間には、操作プレート6が巻取パイプ9に対して相対回動可能に設けられている。操作プレート6の下方には、支持部材2a,2b間に延びる円筒状の支持軸7の一端が取着されている。尚、操作プレート6の具体的な構成及び動作については詳細に後述する。
また、支持部材2bと巻取パイプ9の左端部との間には、支持プレート8が巻取パイプ9に対して相対回動可能に設けられ、支持プレート8の下方にて支持軸7の他端が取着されている。本実施形態の支持プレート8の形状は、後述するコード案内部12,13が設けられていない点を除き、操作プレート6の形状とほぼ同様となっている。ただし、支持プレート8の外形形状は、巻取パイプ9に対して相対回動可能とし、支持軸7の他端を取着する形態であれば、操作プレート6の外形形状とは異なる形状としてもよい。
巻取パイプ9は、スクリーン4の一辺を取着して巻き取り可能に吊下支持しており、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5を介して折り返されたスクリーン4の他辺は支持軸7に取着されている。そして、巻取パイプ9と支持軸7との間で垂下されるスクリーン4の下端部には、ウェイトバー5の両端部で回転可能に支持されるローラー15が挿通されている。従って、スクリーン4はウェイトバー5の重量に基づいて張設される。
そして、操作コード3を操作して巻取パイプ9をスクリーン巻取り方向へ回転させるとウェイトバー5が上昇し、巻取パイプ9をスクリーン巻戻し方向へ回転させるとウェイトバー5が下降する。
また、巻取パイプ9内において、その左端側にはスクリーン4の巻上時の操作力を軽減するスプリングモーター、右端側にはスクリーン4の自重降下を防止するストッパー装置等が収容されている(図示せず)。
スクリーン4は、光を一部透過させる透過部4bと、光を遮る遮光部4aとが例えば縞状に交互に形成され、このスクリーン4が二重に重ね合わされた状態で吊下支持されているため、操作コード3の操作により、前後のスクリーン4を上下方向に相対移動させて、透過部4bと遮光部4aとの重なり具合を調整することにより、採光量が調節可能となっている。
次に、図1及び図2とともに、図3を参照して、操作プレート6及びその周辺の具体的な構成について説明する。操作プーリー10は、支持部材2aから延びる固定軸11に対し回転軸とするための透孔が設けられ、この固定軸11によって、操作プーリー10の回転に伴い巻取パイプ9が回転可能に支持される。操作プーリー10の左端側には巻取パイプ9の右端内周面に嵌合する嵌合部25が設けられる。また、操作プーリー10の左端部は巻取パイプ9内に収容されるストッパー装置に連結され、操作プーリー10の入力回転は許容し、巻取パイプ9からの回転は阻止するようになっている(図示せず)。
操作プーリー10の右端部には略円柱状の回動支持部24が設けられ、該回動支持部24よりもわずかに大きい径の丸孔状の回動受部23が、操作プレート6に設けられている。従って、操作プレート6は、操作プーリー10及び巻取パイプ9に対して、相対回動可能に支持される。尚、操作プレート6を一定角度以上の相対回動を阻止することが可能な構成としてもよい。
操作プレート6の下方には、支持軸7を支持可能な孔部22が設けられている。支持軸7はリベット等の保持部材21により支持軸7の一端を取着可能であり、支持部材2a,2b間に延びるよう保持される。支持軸7は、操作プレート6に対して回転可能に取着してもよいし、回転不能に取着してもよい。回転可能且つ回転位置で保持できるラチェット機構等を設ければスクリーン4の下限状態におけるウェイトバー5の高さを微調整することができる。
また、操作プーリー10に掛装する操作コード3が操作プーリー10から外れず滑りを生じないよう、コードカバー20が、固定軸11(又は支持部材2a)に対して回転不能に固定されている(図1参照)。
操作プレート6の左端面上には、図示する例では円柱状に延びる2本のコード案内部12,13が設けられる。コード案内部12は、操作プーリー10から垂下される無端状の操作コード3の一方(前側)をコード案内部12の上方から垂下されるよう案内し、コード案内部13は、操作プーリー10から垂下される無端状の操作コード3の他方(後側)をコード案内部13の上方、且つコード案内部12の下方から垂下されるよう案内する(図2参照)。
このように構成された操作プレート6は、操作コード3の操作時には、相対移動可能な二重のスクリーン4の間隔が離れるよう振り子動作するように構成されている。そして、二重のスクリーン4の操作時の間隔が、静止時の間隔より大きくなるよう構成されている。
図4を参照して、操作プレート6の動作について説明する。まず、図4(a)を参照するに、操作プレート6は、操作プーリー10及び巻取パイプ9に対して相対回動可能に支持され、ウェイトバー5の静止時では、操作プレート6にはスクリーン4等の自重で安定化するようになっている。次に、図4(b)を参照するに、ウェイトバー5を静止状態から上昇させるよう操作コード3を操作すると、巻取パイプ9にスクリーン4が巻き取られる。このとき、操作プレート6が振り子動作し、二重のスクリーン4の操作時の間隔d2が、静止時の間隔d1より大きくなるよう構成されている。同様に、図4(c)を参照するに、ウェイトバー5を静止状態から下降させるよう操作コード3を操作すると、巻取パイプ9に巻き取られていたスクリーン4が下降するとき、操作プレート6が振り子動作し、二重のスクリーン4の操作時の間隔d3が、静止時の間隔d1より大きくなるよう構成されている。従って、上昇又は下降操作時に二重のスクリーン4が高摩擦を避けて相対移動するため、スクリーン4を痛めるおそれが無いようになっている。
更に、第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)では、スクリーン4の上部と下部でそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能とする調光切替機構が設けられている。以下、図1乃至図5を参照して、第1実施形態のロールスクリーン1における調光切替機構について説明する。
(調光切替機構)
第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構は、図1及び図2に示すように、主に、3本の切替コード31a,31b,31cと、切替操作グリップ30から構成される。
3本の切替コード31a,31b,31cは、紐状の形態を有し、それぞれ取付フレーム2の左端側、中央及び右端側のそれぞれの垂下窓部2eから、二重のスクリーン4間で垂下させてスクリーン4の略中間高さにある固定部33に一端を取着している。この固定部33の中間高さ位置で、スクリーン4は、上部4Bと下部4Aとに区分される。
3本の切替コード31a,31b,31cの各他端は、取付フレーム2内で各プーリー2fにより取付フレーム2の右端側へと案内され、取付フレーム2の右端側の窓部2cから導出片2dを経て取付フレーム2の外部(室内側)へと導出され、下方に垂下される。
そして、導出片2dを経て垂下される3本の切替コード31a,31b,31cの各他端は、切替操作グリップ30に連結して取着される。
尚、本例では、3本の切替コード31a,31b,31cとして説明するが、複数本の切替コードであれば、2本でもよいし、4本以上でもよい。
この切替操作グリップ30を引っ張ることで、3本の切替コード31a,31b,31cを移動させ、スクリーン4の上部4Bと下部4Aとでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となっている。尚、切替操作グリップ30を手放した時に、スクリーン4等の自重でその調節した状態が変化しないよう、取付フレーム2内には、3本の切替コード31a,31b,31cに対してその移動をロック可能なストッパー装置32が設けられている(図3参照)。
以下、図5を参照して、第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の動作を詳細に説明する。まず、図5(a)は、スクリーン4全体を遮光状態とした様子を示しており、即ち、スクリーン4の上部4Bと下部4Aは、いずれも遮光状態となるよう二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aが互い違いの状態にある。例えばウェイトバー5が下限位置にあるときに、図5(a)に示すような「全遮光状態」となるよう、巻取パイプ9又は支持軸7でスクリーン4の各端部を取着する位置を調整して設定することができる。図5(a)に示す状態では、3本の切替コード31a,31b,31cは、取付フレーム2の垂下窓部2eから垂下し室外側のスクリーン4の固定部33に各一端を取着しているが、3本の切替コード31a,31b,31cの各他端を取着している切替操作グリップ30は、引張りによる切替操作が行われていない状態にある。
図5(a)に示す全遮光状態から、隣接する透過部4b及び遮光部4aを1ピッチとして、操作コード3を操作して巻取パイプ9により、透過部4bの高さ、即ち約半ピッチだけ巻取ることで、前後のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aの位置を略同一状態にすることができ、このとき前後のスクリーン4の透過部4bの位置が一致して、二重のスクリーン4の全体で採光状態とすることができる。
二重のスクリーン4の全体で採光状態とした状態から、切替操作グリップ30を所定量(例えば、透過部4bの高さ、即ち約半ピッチ分)だけ引っ張ると、3本の切替コード31a,31b,31cが移動して固定部33の位置が引き上げられる。即ち、スクリーン4の上部4Bの吊下状態は変更されないが、背面側のスクリーン4の下部4Aの吊下位置が上昇する。そして、スクリーン4の下部4Aについて、二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aが互い違いの状態になるときに切替操作グリップ30を手放すと、ストッパー装置32によるロック動作が働いて、その状態が維持される。図5(b)は、このときの状態を示しており、室外側のスクリーン4は固定部33の近傍で生地弛みが生じ(図示A)、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となり、即ち、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とすることができる。
また、図5(a)に示す全遮光状態から、切替操作グリップ30を所定量(例えば半ピッチ分)だけ引っ張ると、3本の切替コード31a,31b,31cが移動して固定部33の位置が引き上げられる。即ち、スクリーン4の上部4Bの吊下状態は変更されないが、スクリーン4の下部4Aの吊下位置が上昇する。そして、スクリーン4の下部4Aについて、前後のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aがそれぞれ一致する状態になるときに切替操作グリップ30を手放すと、ストッパー装置32によるロック動作が働いて、その状態が維持される。図5(c)は、このときの状態を示しており、室外側のスクリーン4は固定部33の近傍で生地弛みが生じ(図示B)、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となり、即ち、スクリーン4の上部4Bを遮光状態とし、スクリーン4の下部4Aを採光状態とすることができる。
尚、透過部4bと遮光部4aの各高さ方向幅は、互いに異なるものとすることができる。そして、上記のように、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とする場合や、その逆とする場合以外にも、操作コード3を用いた操作による巻取パイプ9の巻取量や、切替操作グリップ30を用いた操作による切替コード31a,31b,31cの移動量の組み合わせで、スクリーン4の上部4Bと下部4Aで多岐に亘る採光・遮光状態でそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
また、3本の切替コード31a,31b,31cは、取付フレーム2の垂下窓部2eから垂下し室外側のスクリーン4の固定部33に各一端を取着しているが、これは、ウェイトバー5を上限まで移動させるために巻取パイプ9によりスクリーン4を巻き取る際にも悪影響を与えない。即ち、巻取パイプ9は、スクリーン4の巻取りと一緒に3本の切替コード31a,31b,31cも巻き取ることができ、そして、巻取パイプ9によりスクリーン4を巻き戻した場合も、3本の切替コード31a,31b,31cは、室外側のスクリーン4の固定部33の吊下状態に復帰する。
以上のように、第1実施形態のロールスクリーン1によれば、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となる。また、それぞれ異なる採光量とするスクリーンの上部と下部の位置を容易に調整することができる。
〔第2実施形態〕
(遮蔽装置の構成)
次に、図6及び図7を参照して、本発明による第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)の構成を説明する。図6は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)の概略構成を示す正面図であり、図7(a),(b),(c)は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の動作説明図である。尚、第1実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図7に示す第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)は、調光切替機構の構成及び動作が異なる点を除き、第1実施形態とほぼ同様に構成することができる。このため、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能とする、第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の構成及び動作を主に説明する。
(調光切替機構)
第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構は、図6及び図7に示すように、主に、3本の位置決めテープ51a,51b,51cと、無端状の切替操作コード56を掛装し、支持軸7を回転操作可能とする切替プーリー55から構成される。
3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、それぞれ薄く幅広のテープ状の形態で構成され、取付フレーム2の室外側側面における左端側、中央及び右端側のそれぞれの取付部54に一端を取着し、二重のスクリーン4間で垂下させてスクリーン4の略中間高さにある固定部53に他端を取着している。この固定部53の中間高さ位置で、スクリーン4は、上部4Bと下部4Aとに区分される。
尚、本例では、3本の位置決めテープ51a,51b,51cとして説明するが、複数本の位置決めテープであれば、2本でもよいし、4本以上でもよい。
支持軸7は、略筒状の形態で構成され、操作プレート6及び支持プレート8に対して回転可能に支持されている。また、操作プレート6の右端面側には、支持軸7と連結し、支持軸7を回転操作可能とする切替プーリー55が設けられている。切替プーリー55は、無端状の切替操作コード56を掛装しており、切替操作コード56の操作により支持軸7を回転操作可能となっている。切替操作コード56が掛装される切替プーリー55の表面は高摩擦性の表面形状を有する。尚、この切替操作コード56をボールチェーンで構成し、このボールチェーンが掛装される切替プーリー55の表面を、そのボールチェーンのボール部に適合する形状の凹凸を有するように構成することもできる。
支持軸7は、室外側のスクリーン4における隣接する透過部4b及び遮光部4aを1ピッチとして、略半ピッチ分から1ピッチ分を余巻可能に構成されている。好適には、ウェイトバー5が下限位置にある時に、支持軸7は、略半ピッチ分から1ピッチ分を余巻した状態で室外側のスクリーン4の端部を吊下支持するよう構成する。
そして、切替操作コード56を引いて、支持軸7を巻戻し方向に回転させることで、例えば余巻から半ピッチ分を巻戻すことで、室外側のスクリーン4の上部4Bを固定部53の近傍で生地弛みを生じさせることができる。
したがって、この切替操作コード56を引くことで支持軸7を巻戻し方向に回転させ、スクリーン4の上部4Bと下部4Aとでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となっている。尚、切替操作コード56を手放した時に、スクリーン4等の自重でその調節した状態が変化しないよう、支持軸7内には、当該支持軸7の回転をロック可能なストッパー装置(図示せず)が設けられている。
以下、図7を参照して、第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の動作を詳細に説明する。まず、図7(a)は、スクリーン4全体を遮光状態とした様子を示しており、即ち、スクリーン4の上部4Bと下部4Aは、いずれも遮光状態となるよう二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aが互い違いの状態にある。例えばウェイトバー5が下限位置にあるときに、図7(a)に示すような「全遮光状態」となるよう、巻取パイプ9又は支持軸7でスクリーン4の各端部を取着する位置を調整して設定することができる。図7(a)に示す状態では、3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、取付フレーム2の室外側側面における取付部54から垂下し室外側のスクリーン4の固定部53に各一端を取着している。また、ウェイトバー5が下限位置にある時に、支持軸7は、略半ピッチ分から1ピッチ分を余巻した状態で室外側のスクリーン4の端部を吊下支持しており(図示C)、切替操作コード56は、その引き操作による切替操作が行われていない状態にある。
図7(a)に示す全遮光状態から、切替操作コード56を所定量(例えば半ピッチ分)だけ引いて、支持軸7を巻戻し方向に回転させると、支持軸7は余巻からその所定量分を巻戻し、室外側のスクリーン4の上部4Bは下方に引き下げられる。即ち、スクリーン4の下部4Aの吊下状態は3本の位置決めテープ51a,51b,51cの吊下支持により変更されないが、スクリーン4の上部4Bの吊下位置が下降する。そして、スクリーン4の上部4Bについて、前後のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aがそれぞれ一致する状態になるときに切替操作コード56を手放すと、図示しないストッパー装置によるロック動作が働いて、その状態が維持される。図7(b)は、このときの状態を示しており、室外側のスクリーン4は固定部53の近傍で生地弛みが生じ(図示D)、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となり、即ち、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とすることができる。
また、図7(a)に示す全遮光状態から、隣接する透過部4b及び遮光部4aを1ピッチとして、操作コード3を操作して巻取パイプ9により半ピッチだけ巻取ることで、前後のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aの位置を略同一状態にすることができ、このとき前後のスクリーン4の透過部4bの位置が一致して、二重のスクリーン4の全体で採光状態とすることができる。
二重のスクリーン4の全体で採光状態とした状態から、切替操作コード56を所定量(例えば半ピッチ分)だけ引いて、支持軸7を巻戻し方向に回転させると、支持軸7は余巻から半ピッチ分を巻戻し、室外側のスクリーン4の上部4Bは下方に引き下げられる。即ち、スクリーン4の下部4Aの吊下状態は3本の位置決めテープ51a,51b,51cの吊下支持により変更されないが、スクリーン4の上部4Bの吊下位置が下降する。そして、スクリーン4の上部4Bについて、二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aが互い違いの状態になるときに切替操作コード56を手放すと、図示しないストッパー装置によるロック動作が働いて、その状態が維持される。図7(c)は、このときの状態を示しており、室外側のスクリーン4は固定部53の近傍で生地弛みが生じ(図示E)、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となり、即ち、スクリーン4の上部4Bを遮光状態とし、スクリーン4の下部4Aを採光状態とすることができる。
尚、透過部4bと遮光部4aの各高さ方向幅は、互いに異なるものとすることができる。そして、上記のように、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とする場合や、その逆とする場合以外にも、操作コード3を用いた操作による巻取パイプ9の巻取量や、切替操作コード56を用いた操作による支持軸7の余巻の巻戻し量の組み合わせで、スクリーン4の上部4Bと下部4Aで多岐に亘る採光・遮光状態でそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
また、3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、取付フレーム2の室外側側面における取付部54から垂下し室外側のスクリーン4の固定部53に各一端を取着しているが、これは、ウェイトバー5を上限まで移動させるために巻取パイプ9によりスクリーン4を巻き取る際にも悪影響を与えない。即ち、巻取パイプ9は、スクリーン4の巻取りと一緒に3本の位置決めテープ51a,51b,51cも巻き取ることができ、そして、巻取パイプ9によりスクリーン4を巻き戻した場合も、3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、室外側のスクリーン4の固定部53の吊下状態に復帰する。
以上のように、第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)によれば、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となる。また、それぞれ異なる採光量とするスクリーンの上部と下部の位置を容易に調整することができる。
また、第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)のときは、スクリーン4の下部4Aの上昇によってスクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節していた。このため、ウェイトバー5の位置もこれに併せて上昇する点で、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とするときの遮光性が問題となる場合には、第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)のように構成するのが好適である。第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)によれば、スクリーン4の上部4Bの下降によってスクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節するため、ウェイトバー5の位置を不変とすることができ、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とするときの遮光性を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
(遮蔽装置の構成)
次に、図8乃至図10を参照して、本発明による第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)の構成を説明する。図8は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)の概略構成を示す正面図であり、図9は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における操作プレート6周辺の概略構成を示す分解斜視図である。また、図10(a),(b),(c)は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の動作説明図である。尚、第1及び第2実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図8に示す第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)は、調光切替機構の構成及び動作が異なる点を除き、第1及び第2実施形態とほぼ同様に構成することができる。このため、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能とする、第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の構成及び動作を主に説明する。
(調光切替機構)
第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構は、図8乃至図10に示すように、主に、3本の切替コード31a,31b,31cと、切替操作グリップ30と、3本の位置決めテープ51a,51b,51cと、支持軸7を上下方向に移動可能に案内する案内枠体34から構成される。
3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、それぞれ薄く幅広のテープ状の形態で構成され、取付フレーム2の室外側側面における左端側、中央及び右端側のそれぞれの取付部54に一端を取着し、二重のスクリーン4間で垂下させてスクリーン4の略中間高さにある固定部53に他端を取着している。この固定部53の中間高さ位置で、スクリーン4は、上部4Bと下部4Aとに区分される。
3本の切替コード31a,31b,31cは、それぞれ取付フレーム2の左端側、中央及び右端側のそれぞれの垂下窓部2eから二重のスクリーン4間で垂下させて、後述する案内枠体34内に収容される支持軸7上に一端を取着している。
3本の切替コード31a,31b,31cの各他端は、取付フレーム2内で各プーリー2fにより取付フレーム2の右端側へと案内され、取付フレーム2の右端側の窓部2cから導出片2dを経て取付フレーム2の外部(室内側)へと導出され、下方に垂下される。
そして、導出片2dを経て垂下される3本の切替コード31a,31b,31cの各他端は、切替操作グリップ30に連結して取着される。
尚、本例では、3本の切替コード31a,31b,31c及び3本の位置決めテープ51a,51b,51cとして説明するが、それぞれ複数本の切替コード及び位置決めテープであれば、2本でもよいし、4本以上でもよい。
支持軸7は、スクリーン4の一端を取着可能とする略直方体状の形態で構成され、支持軸7を上下方向に移動可能に案内する案内枠体34内に収容されている。操作プレート6及び支持プレート8に対して回転不能に支持されている。案内枠体34は、上部に開口部を有する略コの字状の断面形状を有する。尚、支持軸7及び案内枠体34の各形状は、案内枠体34によって支持軸7を上下方向に移動可能に案内する形態であれば他の形態とすることができ、例えば、案内枠体34は、支持軸7を上下方向に移動可能に案内するよう収容した後、支持軸7が案内枠体34から飛び出すことが無いよう当該移動を規制する形態とするか、又は当該移動を規制する部材を設けてもよい。
本実施形態では、切替操作グリップ30を引っ張ることで、3本の切替コード31a,31b,31cを移動させ、これにより支持軸7を案内枠体34内で上下方向に移動させることで、スクリーン4の上部4Bと下部4Aとでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となっている。尚、切替操作グリップ30を手放した時に、スクリーン4等の自重でその調節した状態が変化しないよう、取付フレーム2内には、3本の切替コード31a,31b,31cに対してその移動をロック可能なストッパー装置32が設けられている(図9参照)。
図9に示すように、操作プレート6周辺の構成として、巻取パイプ9が、スクリーン4(即ち前側スクリーン4F)の一辺を取着して巻き取り可能に吊下支持しており、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5を介して折り返されたスクリーン4(即ち後側スクリーン4R)の他辺は、案内枠体34の外壁を経て、案内枠体34内に収容される支持軸7上の取着部7aに取着されている。
支持軸7は、ウェイトバー5とは別の第2の錘部材として構成され、案内枠体34内に収容された状態で、調光切替操作が行われていないときには(即ち、切替コード31a,31b,31cの引き操作が無いときには)、その案内枠体34内の底面に位置する。このため、スクリーン4(即ち後側スクリーン4R)の他辺を取着する支持軸7は、余長Lを有した状態で、案内枠体34の外壁を経て、スクリーン4(即ち後側スクリーン4R)を吊下支持している。この余長Lは、室外側のスクリーン4における隣接する透過部4b及び遮光部4aを1ピッチとして、略半ピッチ分から1ピッチ分に相当するよう構成されている。好適には、ウェイトバー5が下限位置にある時に、支持軸7は、略半ピッチ分から1ピッチ分を余長Lとした状態で室外側のスクリーン4の端部を吊下支持するよう構成する。
尚、巻取パイプ9と支持軸7との間で垂下されるスクリーン4の下端部には、ウェイトバー5の両端部で回転可能に支持されるローラー15が挿通されている。従って、スクリーン4はウェイトバー5の重量に基づいて張設される。
このように二重のスクリーン4を吊下支持するために、支持軸7の重量をウェイトバー5と同等とするか、又はそれ以上の重さとするのが好適である。
図9に示す例では、操作プレート6の下方にて、案内枠体34を支持可能な孔部22が2つ設けられ、案内枠体34に設けられた2つの保持受部34aに対して、リベット等の2つ保持部材21によりそれぞれ案内枠体34を支持部材2a,2b間にて回転不能に支持している。案内枠体34を支持部材2a,2b間にて回転不能に支持することができる者であれば、その他の手段を用いてもよい。
そして、切替操作グリップ30を操作することで、3本の切替コード31a,31b,31cの移動で支持軸7を案内枠体34内で上方に移動させることができ、或いは支持軸7を案内枠体34内で下方に移動させることができる(図示F)。
以下、図10を参照して、第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)における調光切替機構の動作を詳細に説明する。まず、図10(a)は、スクリーン4全体を遮光状態とした様子を示しており、即ち、スクリーン4の上部4Bと下部4Aは、いずれも遮光状態となるよう二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aが互い違いの状態にある。例えばウェイトバー5が下限位置にあるときに、図10(a)に示すような「全遮光状態」となるよう、巻取パイプ9又は支持軸7でスクリーン4の各端部を取着する位置を調整して設定することができる。図10(a)に示す状態では、3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、取付フレーム2の室外側側面における取付部54から垂下し室外側のスクリーン4の固定部53に各一端を取着している。また、ウェイトバー5が下限位置にある時に、支持軸7は、略半ピッチ分から1ピッチ分を余長Lとした状態で上下方向に移動可能に室外側のスクリーン4の端部を吊下支持している(図示F)。図10(a)に示す状態では、3本の切替コード31a,31b,31cは、取付フレーム2の垂下窓部2eから垂下し支持軸7に各一端を取着しているが、3本の切替コード31a,31b,31cの各他端を取着している切替操作グリップ30は、引張りによる切替操作が行われていない状態にある。
また、図10(a)に示す全遮光状態から、切替操作グリップ30を所定量(例えば半ピッチ分)だけ引っ張ると、3本の切替コード31a,31b,31cが移動して(図示G)、支持軸7は余長Lからその所定量分を垂下し、室外側のスクリーン4の上部4Bは下方に引き下げられる。即ち、スクリーン4の下部4Aの吊下状態は3本の位置決めテープ51a,51b,51cの吊下支持により変更されないが、スクリーン4の上部4Bの吊下位置が下降する。そして、スクリーン4の上部4Bについて、二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aがそれぞれ一致する状態になるときに切替操作グリップ30を手放すと、ストッパー装置32によるロック動作が働いて、その状態が維持される。図10(b)は、このときの状態を示しており、室外側のスクリーン4は固定部53の近傍で生地弛みが生じ(図示H)、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となり、即ち、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とすることができる。
また、図10(a)に示す全遮光状態から、隣接する透過部4b及び遮光部4aを1ピッチとして、操作コード3を操作して巻取パイプ9により半ピッチだけ巻取ることで、前後のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aの位置を略同一状態にすることができ、このとき前後のスクリーン4の透過部4bの位置が一致して、二重のスクリーン4の全体で採光状態とすることができる。
二重のスクリーン4の全体で採光状態とした状態から、切替操作グリップ30を所定量(例えば半ピッチ分)だけ引っ張ると、3本の切替コード31a,31b,31cが移動して(図示I)、支持軸7は余長からその所定量分を垂下し、室外側のスクリーン4の上部4Bは下方に引き下げられる。即ち、スクリーン4の下部4Aの吊下状態は3本の位置決めテープ51a,51b,51cの吊下支持により変更されないが、スクリーン4の上部4Bの吊下位置が下降する。そして、スクリーン4の上部4Bについて、二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aが互い違いの状態になるときに切替操作グリップ30を手放すと、ストッパー装置32によるロック動作が働いて、その状態が維持される。図10(c)は、このときの状態を示しており、室外側のスクリーン4は固定部53の近傍で生地弛みが生じ(図示J)、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となり、即ち、スクリーン4の上部4Bを遮光状態とし、スクリーン4の下部4Aを採光状態とすることができる。
尚、透過部4bと遮光部4aの各高さ方向幅は、互いに異なるものとすることができる。そして、上記のように、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とする場合や、その逆とする場合以外にも、操作コード3を用いた操作による巻取パイプ9の巻取量や、切替操作グリップ30を用いた操作による支持軸7の余長の引き出し量の組み合わせで、スクリーン4の上部4Bと下部4Aで多岐に亘る採光・遮光状態でそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
また、3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、取付フレーム2の室外側側面における取付部54から垂下し室外側のスクリーン4の固定部53に各一端を取着しているが、これは、ウェイトバー5を上限まで移動させるために巻取パイプ9によりスクリーン4を巻き取る際にも悪影響を与えない。即ち、巻取パイプ9は、スクリーン4の巻取りと一緒に3本の位置決めテープ51a,51b,51cも巻き取ることができ、そして、巻取パイプ9によりスクリーン4を巻き戻した場合も、3本の位置決めテープ51a,51b,51cは、室外側のスクリーン4の固定部53の吊下状態に復帰する。
以上のように、第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)によれば、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となる。また、それぞれ異なる採光量とするスクリーンの上部と下部の位置を容易に調整することができる。
また、第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)のときは、スクリーン4の下部4Aの上昇によってスクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節していた。このため、ウェイトバー5の位置もこれに併せて上昇する点で、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とするときの遮光性が問題となる場合には、第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)のように構成するのが好適である。第3実施形態のロールスクリーン1によれば、スクリーン4の上部4Bの下降によってスクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節するため、ウェイトバー5の位置を不変とすることができ、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とするときの遮光性を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
(遮蔽装置の構成)
次に、図11及び図12を参照して、本発明による第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)の構成を説明する。図11(a),(b)は、それぞれ本発明による第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)の概略を示す正面図及び側面図である。図12(a),(b)は、それぞれ本発明による第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)の動作を説明する正面図及び側面図である。尚、他の実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図11に示す第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)は、前述したロールスクリーン1とは異なり、スクリーン4を昇降させる巻取機構は設けられておらず、単に取付フレーム2から2枚のスクリーン4が二重に重ね合わされた状態で吊下支持されている。この2枚のスクリーン4は、それぞれ、光を一部透過させる透過部4bと、光を遮る遮光部4aとが例えば縞状に交互に形成されている。
より具体的に、この二重のスクリーン4について説明する。二重のスクリーン4のうち室外側のスクリーン4の上端は、支持パイプ60に巻付け可能に取着され、生地押さえ64aが取付フレーム2の室外側側面に設けられた取付部64に係止して固定されており、当該室外側のスクリーン4の下端は、この生地の自重又はウェイトにより垂下されている。
また、二重のスクリーン4のうち室内側のスクリーン4の上端は、取付フレーム2内の支持パイプ60に取着され、当該室内側のスクリーン4の下端は、この生地の自重又はウェイトにより垂下されている。支持パイプ60は、取付フレーム2の両端に設けられた支持部材2a,2bから延びる固定軸によって支持されている。特に、支持パイプ60は、室内側のスクリーン4における隣接する透過部4b及び遮光部4aを1ピッチとして、少なくとも略半ピッチ分から1ピッチ分を余巻可能に構成され、この余巻量の巻取り又は巻戻しが可能な回転量で回転可能に支持部材2a,2b間に支持される。
このようにして、第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)では、二重のスクリーン4が取付フレーム2から吊下支持されるよう構成しているが、第1実施形態と同様に、1枚のスクリーン4を前述したようなウェイトバー5を介して折り返し、その両端部を取付フレーム2から同様に吊下支持するようにしてもよい。
支持パイプ60の右端部には、支持パイプ60を回転操作可能とする切替プーリー55が設けられ、本例では支持部材2a内に収容される。切替プーリー55には、切替操作コード56が掛装され、切替操作コード56の各末端には切替操作グリップ30が取着されて垂下されている。尚、このような切替操作コード56は、切替操作グリップ30を用いずに無端状のコードで構成してもよく、或いは無端状のボールチェーンで構成し、このボールチェーンが掛装される切替プーリー55の表面を、そのボールチェーンのボール部に適合する形状の凹凸を有するように構成することもできる。
この第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)においても、スクリーン4の上部と下部でそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能とする調光切替機構が設けられている。以下、調光切替機構について説明する。
(調光切替機構)
第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)における調光切替機構は、図11に示すように、主に、2本の位置決めテープ51a,51bと、切替操作コード56を掛装し、支持パイプ60を所定回転量だけ回転操作可能とする切替プーリー55から構成される。
2本の位置決めテープ51a,51bは、それぞれ薄く幅広のテープ状の形態で構成される。位置決めテープ51a,51bの各上端は、巻付け等で長さを調整可能な固定部材54aに取着され、この固定部材54aを取付フレーム2の室外側側面における左端側及び右端側のそれぞれの取付部54に係止することで取付フレーム2に取着される。また、位置決めテープ51a,51bの各下端は、二重のスクリーン4間で垂下させて室内側のスクリーン4の略中間高さにある固定部53に取着している。尚、固定部53は、室外側のスクリーン4に対して設けてもよい。この固定部53の中間高さ位置で、スクリーン4は、上部4Bと下部4Aとに区分される。
また、本例では、2本の位置決めテープ51a,51bとして説明するが、複数本の位置決めテープであればよい。
そして、支持パイプ60は、当該スクリーン4の余巻量の巻取り又は巻戻しが可能な回転量で回転可能に支持部材2a,2b間に支持され、この支持パイプ60に対して相対回転不能に切替プーリー55が設けられている。したがって、切替操作コード56を介して支持パイプ60を所定回転量だけ回転操作可能となっている。支持パイプ60を所定回転量だけ回転操作可能とする構成は、例えば、切替プーリー55の軸方向の面、及びこの面と対向する支持部材2aの面のそれぞれに突起部を設け、それぞれの突起部が当接するか否かで切替プーリー55の回転量を規制し、これに伴い支持パイプ60の回転量を規制するよう構成することができる。
そして、切替操作コード56を引いて、支持パイプ60を巻戻し方向に回転させることで、例えば余巻から半ピッチ分を巻戻すことで、室外側のスクリーン4の上部4Bを固定部53の近傍で生地弛みを生じさせることができる。
したがって、この切替操作コード56を引くことで支持パイプ60を巻戻し方向に回転させ、スクリーン4の上部4Bと下部4Aとでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となっている。尚、切替操作コード56を手放した時に、スクリーン4等の自重でその調節した状態が変化しないよう、支持パイプ60内には、当該支持パイプ60の回転をロック可能なストッパー装置(図示せず)又は摺動抵抗が設けられている。
以下、図11及び図12を参照して、第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)における調光切替機構の動作を詳細に説明する。まず、図11(a),(b)は、スクリーン4全体を遮光状態とした様子を示しており、即ち、スクリーン4の上部4Bと下部4Aは、いずれも遮光状態となるよう二重のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aが互い違いの状態にある。例えば二重のスクリーン4の下端が下限位置にあるときに、図11に示すような「全遮光状態」となるよう、支持パイプ60及び取付部64でスクリーン4の各上端を取着する位置を調整して設定することができる。また、図11に示す状態では、2本の位置決めテープ51a,51bは、取付フレーム2の室外側側面における取付部54から垂下し室内側のスクリーン4の固定部53に各一端を取着している。また、支持パイプ60は、略半ピッチ分から1ピッチ分を余巻した状態で室内側のスクリーン4の端部を吊下支持しており、切替操作コード56は、その引き操作による切替操作が行われていない状態にある。
図11に示す全遮光状態から、切替操作コード56を所定量(例えば半ピッチ分)だけ引いて、支持パイプ60を巻戻し方向に回転させると、支持パイプ60は余巻からその所定量分を巻戻し、室内側のスクリーン4の上部4Bは下方に引き下げられる。即ち、スクリーン4の下部4Aの吊下状態は2本の位置決めテープ51a,51bの吊下支持により変更されないが、室内側のスクリーン4の上部4Bの吊下位置が下降する。そして、スクリーン4の上部4Bについて、前後のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aがそれぞれ一致する状態になるときに切替操作コード56を手放すと、図示しないストッパー装置によるロック動作が働いて、その状態が維持される。図12(a),(b)は、このときの状態を示しており、室内側のスクリーン4は固定部53の近傍で生地弛みが生じ、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となり、即ち、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とすることができる。
また、図12(a),(b)に示す状態から、隣接する透過部4b及び遮光部4aを1ピッチとして、操作コード3を操作して支持パイプ60により半ピッチだけ巻取ることで、前後のスクリーン4のそれぞれの透過部4b及び遮光部4aの位置を互い違いにすることができ、二重のスクリーン4の全体で全遮光状態(即ち、図11に示す状態)とすることができる。
尚、透過部4bと遮光部4aの各高さ方向幅は、互いに異なるものとすることができる。そして、上記のように、スクリーン4の上部4Bを採光状態とし、スクリーン4の下部4Aを遮光状態とする場合や、その逆とする場合以外にも、操作コード3を用いた操作による支持パイプ60の巻取量で、スクリーン4の上部4Bと下部4Aで多岐に亘る採光・遮光状態でそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
以上のように、第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)によれば、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となる。また、それぞれ異なる採光量とする二重のスクリーン4の上部と下部の位置を容易に調整することができる。
更に、第1乃至第4実施形態の遮蔽装置を組み合わせた更なる実施形態の遮蔽装置とすることができる。例えば、第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)において、第1実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)のような複数の切替コードにより切替操作可能とする構成や、第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)において、第3実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)のような生地予長分を操作する構成とすることもできる。或いはまた、第2実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)において、第4実施形態の遮蔽装置(調光式スクリーン100)のような2枚のスクリーン4からなる二重のスクリーン4で構成し、それぞれ2枚のスクリーン4を余巻又は巻取可能に構成することができる。
総括するに、本発明に係る遮蔽装置(上記の例では、ロールスクリーン1又は調光式スクリーン100)は、吊下された二重のスクリーン4のうち第1スクリーンを所定量で上下動可能に該第1スクリーンの上端を取着する第1の生地取着手段(上記の例では、巻取パイプ9又は支持パイプ60)と、二重のスクリーン4のうち第2スクリーンの上端を取着する第2の生地取着手段(上記の例では、支持軸7又は取付フレーム2の取付部64に取着する生地押さえ64a)と、これらの第1の生地取着手段及び第2の生地取着手段を支持する取付支持手段(上記の例では、取付フレーム2)と、第1スクリーン及び第2スクリーンのうちいずれか一方のスクリーン上の所定位置を固定部33(又は固定部53)として取付支持手段から吊下支持する吊下支持手段(上記の例では、切替コード31a,31b,31c又は切替テープ51a,51b,51c)と、固定部33(又は固定部53)より上部と下部に位置する当該二重のスクリーン4の採光量を異なる状態となるよう調節可能に操作する切替操作手段(上記の例では、切替操作グリップ30又は切替操作コード56)とを備えるように構成される。
これにより、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節可能となり、それぞれ異なる採光量とするスクリーン4の上部と下部の位置を容易に調整することができる。尚、第1乃至第3実施形態のように、この二重のスクリーン4を、当該第1スクリーンの下端を所定の錘部材(例えば、ウェイトバー5)を介して折り返し、当該第2スクリーンの上端とするよう構成することができ、当該第1の生地取着手段として、二重のスクリーン4を昇降可能とするよう当該第1スクリーンを巻取可能な巻取パイプ9により構成することができる。そして、この巻取パイプ9による巻取りを操作可能とする操作手段(上記の例では、操作コード3)を設けることで、二重のスクリーン4の昇降操作と、当該二重のスクリーン4の採光量を異なる状態となるよう調節可能にする切替操作とを独立して行うことができる。
また、第1実施形態のように、当該吊下支持手段を、固定部33を吊下支持する複数の切替コード31a,31b,31cで構成した際には、当該切替操作手段として、当該取付支持手段の一部から垂下させて連結する切替操作グリップ30を備えるよう構成することができる。これにより、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節する際の操作性を向上させることができる。
一方、第2実施形態のように、当該吊下支持手段を、一端を固定部53に取着し、他端を当該取付支持手段に取着する複数の位置決めテープ51a,51b,51cで構成した際には、当該第2の生地取着手段(上記の例では、支持軸7)は、スクリーン4を所定量で余巻可能に構成する。そして、当該切替操作手段として、当該余巻されているスクリーン4の巻戻しを可能とする操作機構(上述の例では、切替プーリー55)と、該操作機構を作動させ当該採光量を異なる状態となるよう調節可能に操作する切替操作コード56とを備えるよう構成することができる。これにより、ウェイトバー5の位置を不変とした状態で、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
或いはまた、第3実施形態のように、当該吊下支持手段を、一端を固定部53に取着し、他端を当該取付支持手段に取着する複数の位置決めテープ51a,51b,51cで構成した際に、当該第2の生地取着手段(上記の例では、支持軸7)は、当該取付支持手段に支持される案内枠体34を利用して当該スクリーン4を垂下方向に所定長で移動可能に吊下支持する可動機構として構成することができる。この場合、当該切替操作手段を、当該可動機構に一端を取着して吊下支持する複数の切替コード31a,31b,31cと、当該取付支持手段の一部から垂下させて連結する切替操作グリップ30とを備えるよう構成することができる。これにより、ウェイトバー5の位置を不変とした状態で、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
また、第1乃至第3実施形態のように、このような吊下支持手段(上記の例では、切替コード31a,31b,31c、又は位置決めテープ51a,51b,51c)は、当該第1の生地取着手段(上記の例では、巻取パイプ9)によるスクリーン4の巻取り操作時に、該スクリーン4と共に巻取り可能に構成するのが好適である。これにより、スクリーン4の巻取り操作に悪影響を与えることなく、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
或いはまた、第4実施形態のように、当該二重のスクリーン4を第1スクリーン及び第2スクリーンとして個別に垂下して、第1の生地取着手段として、当該二重のスクリーン4の採光量を調節可能な当該所定回転量で第1スクリーンを巻取可能にする支持パイプ60を構成することで、スクリーン4の上部4Bと下部4Aでそれぞれ異なる採光量となるよう調節することができる。
そして、各実施形態において、吊下支持手段(上記の例では、切替コード31a,31b,31c、又は位置決めテープ51a,51b,51c)は、当該二重のスクリーン4の間を挿通して、固定部33,53を吊下支持するよう構成するのが好適である。これにより、吊下支持手段(上記の例では、切替コード31a,31b,31c、又は位置決めテープ51a,51b,51c)を外部から視認できなくなるので、美観を保つことができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、各実施形態において、室内側と室内側を特定して説明したが、室内側と室内側を逆向きに設置してもよい。
また、支持部材2a,2bや操作プレート6及び支持プレート8の外形形状、コード案内部12,13の形状、巻取パイプ9及び支持軸7(或いは案内枠体34)の形状等、本発明の作用・効果を生じさせる限りにおいて様々な形状とすることができる。また、切替コード31a,31b,31cは、紐状のものとして説明したが、テープ状のものでもよい。同様に、位置決めテープ51a,51b,51cは、テープ状のものとして説明したが、紐状のものでもよい。
また、特定の実施形態において、操作プレート6及び支持プレート8を利用した振り子動作する形態のロールスクリーン1について説明したが、操作プレート6及び支持プレート8を利用せず、巻取パイプ9及び支持軸7(或いは案内枠体34)を支持部材2a,2b間にて直接支持して、当該振り子動作をしない形態のロールスクリーンについても、二重のスクリーン4を上下方向に相対移動可能とする形態であれば、本発明に係る調光切替機構を適用することができる。