JP6970478B1 - ウナギ料理の製造方法およびウナギ料理 - Google Patents

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【課題】焼き上がりの美観を向上させることができるとともに料理を納める容器を小型化することができるウナギの調理方法、ウナギ料理の製造方法、ウナギの加熱済み切り身およびウナギ料理を提供する。【解決手段】ウナギの調理方法は、開き身100を用意する工程、切り身101a〜101iを用意する工程、切り身101a〜101iを焼く工程および焼き上がった切り身101a〜101iを盛り付ける工程で構成されている。開き身100を用意する工程は、生のウナギから中骨および内蔵を取り出して身を開いた開き身100を得る。切り身101a〜101iを用意する工程は、ウナギの中骨方向に開き身100を9分割した切り身101a〜101iを得る。切り身101a〜101iを焼く工程は、切り身101a〜101iを串打ちすることなくそのままの切り身の状態で焼く。【選択図】 図1

Description

本発明は、ウナギ料理の製造方法およびウナギ料理に関する。
従来から、ウナギは主にかば焼きまたは白焼きとして親しまれている。例えば、下記特許文献1には、捌いたウナギに対して頭部から尾に至る中骨方向に沿って中骨方向に直交する方向に切り込みを入れることで火の通りを良くするかば焼きの加工方法が開示されている。
特開2009−106248号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたかば焼きの加工方法においては、切り込みを入れないかば焼きと同様に多少のふっくらした盛り上がりを呈しつつも基本的には略平板状に焼き上がるため、食欲をそそる美観に欠けるという問題がある。特に、お弁当のように料理が冷えた場合においては、ふっくらした美観も衰えてより美観が低下するという問題がある。また、焼き上がったウナギは、生の状態に比べて身が収縮して大きさ一回り小さくはなるが、盛り付けには重箱または比較的に大きな弁当箱などの容器が必要であり、容器の保管または料理の運搬に相応のスペースが必要になるという問題もある。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、焼き上がりの美観を向上させることができるとともに料理を納める容器を小型化することができるウナギ料理の製造方法およびウナギ料理を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、ウナギの中骨および内蔵がそれぞれ取り除かれて開かれた開き身を中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さで切断して複数の切り身を得る切り身工程と、切り身を串打ちすることなくそのままの状態で加熱して火を通す加熱工程と、火が通された切り身を飯上に載せる盛り付け工程とを含み、加熱工程は、切り身における皮とは反対側の身の表面がウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びて盛り上がるとともに皮側が反った形状に形成されるまで切り身にタレを付けずに素焼きするものであり、盛り付け工程は、素焼きにした複数の切り身の全部または一部について反った皮側を飯上に載せて盛り付けることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、ウナギの調理方法は、ウナギの身を中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さで切断した切り身を串打ちすることなくそのままの状態で加熱して火を通すことで、皮とは反対側の身の表面がウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びた盛り上がった形状に形成している。これにより、本発明に係るウナギの調理方法によれば、焼き上がりの美観、さらには冷えた際の美観を向上させることができるとともに、平面視における大きさが小さく収縮することで料理を納める容器を小型化することができる。また、本発明に係るウナギの調理方法によれば、ウナギの身が少なくとも1/3以下の長さの切り身にされることで身に含まれる脂質が加熱によってより多く減少するため、冷えたウナギを食する際の独特の臭みまたは脂っこさを抑えることもできる。したがって、本発明に係るウナギの調理方法は、ウナギ弁当、特に、ウナギ自身のうま味が顕著に現れる白焼き(タレを付けずに素焼きしたウナギ)が適している。また、本発明に係るウナギの調理方法によれば、切り身の切断面も加熱によって硬化するため、加熱された切り身を切断した場合に比べて切り身から脂またはうま味成分が漏出することを抑えることもできる。また、本発明に係るウナギの調理方法によれば、ウナギ一匹を分離せずに焼く場合に比べて焼き時間も短くすることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記ウナギ料理の製造方法において、盛り付け工程は、ウナギの腹部の切り身を二つ折りにして飯上に盛り付けることにある。このように構成した本発明の他の特徴によれば、ウナギ料理の製造方法は、ウナギの腹部の切り身を二つ折りにして飯上に盛り付けているため、加熱されることで他の部位の切り身101d〜101iよりも腹部Fの厚さがかなり薄くなる腹部の切り身を小スペースでボリューム感を出すことができる。
また、本発明の他の特徴は、前記ウナギ料理の製造方法において、盛り付け工程は、切り身を弁当箱に詰めた飯上に盛り付けるものであり、ウナギ料理は、ウナギ弁当であることにある。
また、本発明は、ウナギ料理の製造方法の発明として実施できるばかりでなく、ウナギ料理の発明、ウナギの調理方法およびウナギの加熱済み切り身としても実施できるものである。
具体的には、ウナギ料理は、ウナギの加熱済みの複数の切り身が飯上に載置されたウナギ料理であって、切り身は、ウナギの中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さの平面視で方形状に形成された皮付きの身片であり、かつ、すべての側面が直接火が通された加熱面に形成されているとともに皮とは反対側の身の表面がウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びて盛り上がるとともに皮側が反った形状に形成されたタレが付けられていない素焼きの切り身であって、この素焼きの複数の切り身の全部または一部について反った皮側が飯上に載せられているとよい。これによれば、ウナギ料理は、ウナギ料理の製造方法の発明と同様の作用効果を期待することができる。
この場合、ウナギ料理は、切り身は、ウナギの腹部の切り身が二つ折りの状態で飯上に盛り付けられているとよい。
これらの場合、ウナギ料理は、切り身が弁当箱に詰めた飯上に盛り付けられたウナギ弁当であるとよい。
また、ウナギの調理方法は、ウナギの中骨および内蔵がそれぞれ取り除かれて開かれた開き身を中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さで切断して切り身を得る切り身工程と、切り身を串打ちすることなくそのままの状態で加熱して火を通す加熱工程とを含むとよい。これによれば、ウナギ料理の調理方法は、ウナギ料理の製造方法の発明と同様の作用効果を期待することができる。
この場合、前記ウナギの調理方法において、切り身工程は、開き身を中骨方向の長さの1/5以下の長さで切断した切り身を得るとよい。これによれば、ウナギの調理方法は、切り身工程においてウナギの開き身を中骨方向の長さの1/5以下の長さで切断した切り身を得ているため、身の表面をより盛り上がった形状に形成することができる。この場合、ウナギの開き身を中骨方向の長さの1/8以下の長さに切断して切り身を得ると更によい。また、これらの場合、切り身工程においては、すべての切り身を均等な長さとなるように開き身を切断してもよいが、一部の切り身の長さを異ならせてもよい。この場合、切り身工程においては、ウナギの尾を含む切り身が他の切り身よりも長い長さに形成することで、加熱時における加熱ムラを抑えることができ尾の反りも抑えることができる。
また、これらの場合、前記ウナギの調理方法において、加熱工程は、切り身を焼くとよい。これによれば、ウナギの調理方法は、加熱工程において切り身を焼いているため、かば焼きまたは白焼きを作ることができる。ここで、かば焼きは、切り身に対してタレを付けながら焼いたものであり、白焼きは切り身にタレを付けずに素焼きしたものである。また、加熱工程は、炭、ガスまたは電気などを利用して焼くことができる。
また、これらの場合、前記ウナギの調理方法において、加熱工程は、切り身を皮側から焼いた後に身側から焼くとよい。これによれば、ウナギの調理方法は、加熱工程において切り身を皮側から焼いた後に身側から焼くことで、身の表面を美観良く盛り上がった形状に形成することができる。
また、これらの場合、前記ウナギの調理方法において、加熱工程は、切り身を下方に空間を有する網上に載せた状態で加熱するとよい。これによれば、ウナギの調理方法は、加熱工程において切り身を下方に空間を有する網上に載せた状態で加熱するため、切り身から脂質を効果的に除去することができ、冷えたウナギを食する際の独特の臭みをより効果的に抑えることもできる。また、本発明に係るウナギの調理方法によれば、切り身をより収縮させることができるため、平面視における大きさが小さく収縮することで料理を納める容器をより小型化することができる。この場合、ウナギは、身側を上方に向けるよりは下方に向けることで脂を落とすことができる。
また、ウナギの加熱済み切り身は、ウナギの皮付きの切り身に火が通されたウナギの加熱済み切り身であって、切り身は、ウナギの中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さの平面視で方形状に形成された皮付きの身片であり、かつ、すべての側面が直接火が通された加熱面に形成されているとともに皮とは反対側の身の表面がウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びて盛り上がった形状に形成されているとよい。これによれば、ウナギの加熱済み切り身は、ウナギ料理の製造方法の発明と同様の作用効果を期待することができる。
この場合、ウナギの加熱済み切り身は、切り身は、ウナギの腹部が同腹部の中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さに切断されているとよい。ここで、腹部は、ウナギの胴体における内蔵が収容されていた部分である。これによれば、ウナギの加熱済み切り身は、腹部の厚さを薄く焼き上げることができ、弁当箱、重箱または丼などの容器内に収容し易くすることができる。
また、これらの場合、ウナギの加熱済み切り身は、切り身は、ウナギの尾を含む切り身が他の切り身よりも長い長さに切断されているとよい。これによれば、ウナギの加熱済み切り身は、複数の切り身を同時に加熱する際において尾を含む切り身の焼き過ぎを防止することができる。
本発明に係るウナギの調理方法およびウナギ料理の製造方法の主要な工程の流れを示すフローチャートである。 本発明に係るウナギの調理方法、ウナギ料理の製造方法およびウナギの加熱済み切り身に使用されるウナギの開き身の外観構成を示す写真画像である。 本発明に係るウナギの調理方法、ウナギ料理の製造方法およびウナギの加熱済み切り身に使用されるウナギの開き身の外観構成の概略を示す平面図である。 図3に示す開き身を中骨方向に9分割した切り身の外観構成の概略を示す平面図である。 図1に示す第3工程において切り身を焼く焼き器の構成の概略を示す模式図である。 図1に示す第3工程において焼いた切り身の実際の状態を示す写真画像である。 図6に示す焼き上がった切り身を弁当箱内の飯上に配置した状態を示す写真画像である。
以下、本発明に係るウナギの調理方法、ウナギ料理の製造方法およびウナギの加熱済み切り身の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、ウナギの調理方法およびウナギ料理の製造方法の主要な工程の流れを示すフローチャートである。
(ウナギ料理の製造工程)
まず、作業者は、第1工程として、ウナギの開き身100を用意する。具体的には、作業者は、図2および図3にそれぞれ示すように、生のウナギの中骨および内蔵をそれぞれ取り除いて身を開いて開き身100を得る。ここで、生のウナギとは、生きているウナギまたは絞められたウナギである。また、開き身100は、ウナギの背側から包丁を入れて切り開いた所謂背開きでもよいし、ウナギの腹側から包丁を入れて切り開いた所謂背開きでもよい。本実施形態においては、作業者は、背開きの開き身100を得る。
本実施形態においては、作業者は、背開きの開き身100を得る。なお、作業者は、開き身100を直接自分が生のウナギを捌いて得てもよいし、開き身100自体を市場から入手してもよい。また、開き身100は、ウナギの頭部が付いていてもよいが頭部を切り落としておいた方が後工程の作業性を良好にすることができる。
次に、作業者は、第2工程として、切り身101a〜101iを用意する切り身工程を行う。具体的には、作業者は、図4に示すように、開き身100を中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さで開き身100を中骨方向に交わる方向に切断して切り身101a〜101iを得る。この場合、作業者は、開き身100を中骨方向の長さの1/5以下の長さで開き身100を中骨方向に直交する幅方向に切断するとよい。本実施形態においては、作業者は、開き身100を中骨方向の長さ方向に9分割して9つの切り身101a〜101iを用意した。この場合、9つの切り身101a〜101iのうちのウナギの尾を含む切り身101iは、他の切り身101a〜101hよりも長い長さに形成している。
また、作業者は、ウナギの開き身100における腹部Fをどう腹部Fの中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さに切断するとよい。ここで、腹部Fは、ウナギの内蔵が収容されていた部分であり、開き身100において身102が直接露出した部分よりも白く現れる部分である。本実施形態においては、腹部Fを中骨方向の長さにおいて3分割して3つの切り身101a〜101cを形成した。これにより、腹部Fを中骨方向に少なくとも1/3以下の長さに分割することで腹部Fの厚さを薄く焼き上げることができ、後述する弁当箱301内に収容し易くなる。
次に、作業者は、第3工程として、切り身101a〜101iを焼いて加熱する加熱工程を行う。この第3工程における加熱工程は、図5に示すように、作業者が焼き器200を用いて切り身101a〜101iを焼く工程である。この場合、焼き器200の熱源201としては、炭またはガスなどによる直火で食材を加熱するタイプでもよいし電気ヒータによって食材を加熱するタイプであってもよい。また、この焼き器200は、切り身101a〜101iの下方に空間を有して切り身101a〜101iを焼く過程で切り身101a〜101iから染み出る脂Oが下方に落ちる金網202および脂Oを受ける受け皿203をそれぞれ備えている。
作業者は、焼き器200における熱源201に対向配置した金網202上に9つの切り身101a〜101iをそれぞれ載せて焼く。この場合、作業者は、切り身101a〜101iに串を通す串打ちをしないそのままの切り身の状態で金網202上に載置して焼く。また、作業者は、切り身101a〜101iにおける身102が露出していない皮103側から焼いた後、切り身101a〜101iをひっくり返して身102側を焼く。
この加熱工程によって切り身101a〜101iは、図6に示すように、身102の表面がウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びた盛り上がった形状に焼き上がる。また、焼き上がった切り身101a〜101iは、身102が収縮して全体として大きさが一回り小さくなる。
この場合、焼き上がった切り身101a〜101iは、身102の表面のほか、中骨方向の両側の切断面を含むすべての側面に火が直接通された加熱面に形成される。これにより、焼き上がった切り身101a〜101iは、ウナギの開き身100または中骨方向の長さの1/3以上の長さの大きさの切り身で焼いた従来の焼き上がりの切り身に比べて、身102の収縮量および身102の膨らみ量が大きいとともに身102から漏出する脂Oの量が多く焼き上がる。
次に、作業者は、第4工程として、焼き上がった切り身101a〜101iを盛り付ける。具体的には、作業者は、図7に示すように、予め炊いておいた飯300を弁当箱301に詰めた後、この飯300上に焼き上がった切り身101a〜101iを載せる。ここで、弁当箱301は、杉の薄板を平面視で楕円状に丸めて成形したワッパで構成されている。なお、弁当箱301は、木材が以外の材料、例えば、樹脂材を用いて形成してもよいことは当然である。
作業者は、切り身101a〜101iの身102側を上方、すなわち、皮103側を飯300側に向けた姿勢で飯300上に載置する。ここで、切り身101a〜101iは、身102側に凸状に反った形状に焼き上がっているため、焼き目の付いた切り身101a〜101iの皮103が飯300に密着して直ちにふやけてしまうことを抑制することができる。作業者は、弁当箱301内の飯300を覆うように切り身101a〜101iを敷き詰めてウナギ料理が完成する。そして、作業者は、切り身101a〜101iを盛り付けた後、弁当箱301の蓋を閉じてウナギ弁当として完成させることができる。
なお、作業者は、ウナギ一匹分を弁当箱301内に敷き詰めてもよいし、一匹のウナギの一部を弁当箱301内に敷き詰めてもよい。また、作業者は、弁当箱301内に切り身101a〜101iを全面に敷き詰めない状態、すなわち、弁当箱301内の飯300の一部が露出するように飯300上の一部に切り身101a〜101iを配置してもよい。
また、作業者は、切り身101a〜101iの全部または一部について皮103側を上方、すなわち、身102側を飯300側に向けた姿勢で飯300上に載置することもできる。また、作業者は、弁当箱301内に詰めた飯300が温かい状態で切り身101a〜101iを配置してもよいが、飯300が冷めた状態で切り身101a〜101iを配置するとよい。また、作業者は、焼き上げた切り身101a〜101iが温かい状態で飯300上に盛り付けることで切り身101a〜101iから染み出る脂Oを飯300に染み込ませることができるほか、焼き上げた切り身101a〜101iが冷めた状態で飯300上に盛り付けることで切り身101a〜101iから染み出る脂Oを飯300への付着を抑制することができる。なお、図7においては、切り身101a〜101iの符号「101」として示している。
上記作動からも理解できるように、上記実施形態によれば、ウナギ料理の製造方法によれば、ウナギの身を中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さで切断した切り身101a〜101iを串打ちすることなくそのままの状態で加熱して火を通すことで、皮103とは反対側の身102の表面がウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びた盛り上がった形状に形成している。これにより、本発明に係るウナギの調理方法によれば、焼き上がりの美観、さらには冷えた際の美観を向上させることができるとともに、平面視における大きさが小さく収縮することで料理を納める容器を小型化することができる。また、本発明に係るウナギの調理方法によれば、ウナギの身が少なくとも1/3以下の長さ切り身101a〜101iにされることで身102に含まれる脂質が加熱によってより多く減少するため、冷えたウナギを食する際の独特の臭みまたは脂っこさを抑えることもできる。また、本発明に係るウナギの調理方法によれば、切り身101a〜101iの切断面も加熱によって焼き目が付いて硬化した加熱面となっているため、加熱された切り身を切断した場合に比べて切り身101a〜101iから脂またはうま味成分が漏出することを抑えることもできる。また、本発明に係るウナギの調理方法によれば、ウナギ一匹を分離せずに焼く場合に比べて焼き時間も短くすることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、第2工程における切り身工程においてウナギの開き身100を中骨方向(長手方向)に直交する幅方向に切断して切り身101a〜101iを成形した。しかし、第2工程における切り身工程において作業者は、前記幅方向に代えてまたは加えてウナギの開き身100を中骨方向に切断して切り身101a〜101iを成形してもよい。
また、上記実施形態においては、第2工程における切り身工程において開き身100を中骨方向の長さ方向に9分割して9つの切り身101a〜101iを用意した。これにより、身102の表面をより盛り上がった形状に形成することができる。しかし、切り身工程は、ウナギの開き身100を中骨方向の長さの1/3以下、より好ましくは1/5以下、更に好ましく1/8以下の長さに切断して切り身を得るとよい。
また、上記実施形態においては、作業者は、9つの切り身101a〜101iのうちのウナギの尾を含む切り身101iを他の切り身101a〜101hよりも長い長さに形成した。これにより、作業者は、切り身101a〜101iを同時に加熱する際における切り身101iの焼き過ぎまたは尾の反りも抑えることができる。しかし、作業者は、切り身工程においては、すべての切り身101a〜101iを均等な長さとなるように開き身100を切断することもできる。
また、上記実施形態においては、作業者は、腹部Fを中骨方向の長さにおいて中骨方向に少なくとも1/3以下の長さで3分割して3つの切り身101a〜101cを形成した。これにより、腹部Fを中骨方向に少なくとも1/3以下の長さに分割することで腹部Fの厚さを薄く焼き上げることができ、切り身同士を重ねたり、切り身101a〜101cを折ったり、または切り身101a〜101cを切断し易くなり弁当箱301内に収容し易くなる。しかし、腹部Fは、少なくとも1/3以下の長さで均等にまたは不均等に分割されていればよいため、例えば、4つ、5つまたはそれ以上に分割することもできる。
また、腹部Fの切り身101a〜101cは、加熱されることで他の部位の切り身101d〜101iよりも腹部Fの厚さがかなり薄くなる(痩せる)ため、弁当箱301内に収容する際に2つ折りすることで小スペースでボリューム感を出すこともできる。一方、作業者は、少なくとも1/3以上の長さに分割して切り身を得てもよい。これによれば、腹部Fが焼き上がった際の収縮を抑えることができる。
また、上記実施形態においては、第3工程における加熱工程において切り身101a〜101iにおける皮103側から焼いた後に身102側を焼いて切り身101a〜101iの全体に火を通した。しかし、作業者は、切り身101a〜101iにおける身102側から焼いた後に皮103側を焼いて切り身101a〜101iの全体に火を通してもよいし、切り身101a〜101iの両面を同時に焼いて切り身101a〜101iの全体に火を通してもよい。
また、上記実施形態においては、第3工程における加熱工程において切り身101a〜101iを焼いて火を通した。しかし、第3工程における加熱工程は、切り身101a〜101iに火を通すことができればよい。したがって、第3工程における加熱工程は、焼く調理法に代えてまたは加えて切り身101a〜101iを煮たりまたは蒸したりすることもできる。
また、上記実施形態においては、第3工程における加熱工程において焼き器200は切り身101a〜101iの下方に空間を有して切り身101a〜101iを焼く過程で切り身101a〜101iから染み出る脂Oが下方に落ちる金網202を備えて構成した。これにより、加熱工程においては、切り身101a〜101i内に含まれる脂Oを効果的に除去することができる。この場合、焼き器200は、金網202に代えて切り身101a〜101iから染み出る脂Oを受ける溝または傾斜面を有した鉄板または陶板を備えて構成することもできる。また、焼き器200は、切り身101a〜101iから染み出る脂の量を抑えたい場合には、切り身101a〜101iを載置する部分が平坦な平板面に形成して切り身101a〜101iから染み出た脂Oに切り身101a〜101iが浸漬されるよう鉄板または陶板を備えて構成することもできる。
また、上記実施形態においては、第3工程における加熱工程において作業者は切り身101a〜101iに格別の調味料を付けずに素焼きした所謂白焼きを行った。しかし、作業者は、切り身101a〜101iに対してタレを付けて加熱、すなわち、かば焼きを行ってよい。
また、上記実施形態においては、第4工程における盛り付け工程において白焼きした切り身101a〜101iをそのまま飯300上に配置した。しかし、作業者は、白焼きした切り身101a〜101iに対してタレなどの調味料を付けて盛り付けてもよい。また、作業者は、焼き上がった切り身101a〜101iを飯300ではなく弁当箱301または皿などの容器上に直接配置してもよい。すなわち、本発明に係るウナギの調理方法によって得た切り身101a〜101iは、うな重、うな丼またはひつまぶしのほかにウナギ単体または他の料理の材料として使用することができる。
また、上記実施形態においては、本発明に係る技術をウナギに適用した例について説明した。しかし、本発明に係る技術は、ハモまたはアナゴにも適用することができる。
O…切り身の脂、F…腹部、
100…開き身、101a〜101i…切り身、102…身、103…皮、
200…焼き器、201…熱源、202…金網、203…受け皿、
300…飯、301…弁当箱。

Claims (4)

  1. ウナギの中骨および内蔵がそれぞれ取り除かれて開かれた開き身を中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さで切断して複数の切り身を得る切り身工程と、
    前記切り身を串打ちすることなくそのままの状態で加熱して火を通す加熱工程と、
    前記火が通された切り身を飯上に載せる盛り付け工程とを含み、
    前記加熱工程は、
    前記切り身における皮とは反対側の身の表面がウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びて盛り上がるとともに皮側が反った形状に形成されるまで前記切り身にタレを付けずに素焼きするものであり、
    前記盛り付け工程は、
    前記素焼きにした複数の切り身の全部または一部について前記反った皮側を前記飯上に載せて盛り付け、かつ前記ウナギの腹部の切り身を二つ折りにして前記飯上に盛り付けることを特徴とするウナギ料理の製造方法。
  2. 請求項1に記載したウナギ料理の製造方法において、
    前記盛り付け工程は、
    前記切り身を弁当箱に詰めた飯上に盛り付けるものであり、
    前記ウナギ料理は、ウナギ弁当であることを特徴とするウナギ料理の製造方法。
  3. ウナギの加熱済みの複数の切り身が飯上に載置されたウナギ料理であって、
    前記切り身は、
    前記ウナギの中骨方向の長さの少なくとも1/3以下の長さの平面視で方形状に形成された皮付きの身片であり、かつ、すべての側面が直接火が通された加熱面に形成されているとともに皮とは反対側の身の表面が前記ウナギの中骨方向および同中骨方向に直交する幅方向にそれぞれ凸状に丸みを帯びて盛り上がるとともに皮側が反った形状に形成されたタレが付けられていない素焼きの切り身であって、この素焼きの複数の切り身の全部または一部について前記反った皮側が前記飯上に載せられており、かつ前記ウナギの腹部の切り身が二つ折りの状態で前記飯上に盛り付けられていることを特徴とするウナギ料理。
  4. 請求項3に記載したウナギ料理において、
    前記切り身が弁当箱に詰めた飯上に盛り付けられたウナギ弁当であることを特徴とするウナギ料理。
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おうちで生うなぎで*簡単『うなぎの蒲焼』 BY もんもん09 [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピ, JPN6021029074, 2 August 2013 (2013-08-02), ISSN: 0004609766 *
自宅のコンロでウナギの蒲焼 - YOUTUBE, JPN6021029072, 4 August 2019 (2019-08-04), ISSN: 0004609768 *
釣り上げた「ウナギ、ナマズ、ギギ」を捌いて「蒲焼き」にする冒険 - [沖縄冒険日誌]しままや〜, JPN6021029073, 26 July 2020 (2020-07-26), ISSN: 0004609767 *

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