JP6970341B2 - インバータ制御装置 - Google Patents

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この発明はインバータ、とくに直流電圧を三相の交流電圧へ変換するインバータを制御する技術に関する。
省エネルギー化の観点から、負荷への電力供給にインバータが採用される場合が増加している。インバータで負荷の駆動を行う場合、矩形波を呈する電圧が負荷に印加される。負荷が誘導性の場合、かかる電圧を用いた負荷の駆動は、後述する原因により急峻なサージ電圧の発生を招来し、正弦波を呈する電圧を用いて駆動する場合と比べ、負荷の内部で高電圧が発生する。
かかる高電圧を考慮すると、負荷の内部での絶縁性を高めることが望ましい。例えば誘導性の負荷としてモータを例に採ると、巻線間で高電圧が発生するので、モータの巻線同士、あるいは巻線と他部との間の絶縁性を高めることが望まれる。
サージ電圧が発生する一因として、インバータと負荷とを接続するケーブルにおける電圧の反射が挙げられる。
例えば非特許文献1では、インバータの出力電圧の立ち上がり時間(波頭長)及びケーブルの長さと、サージ電圧との関係について言及する。ケーブルが長いほど、また波頭長が短いほど、モータに印加されるサージ電圧は大きい。
非特許文献2では、パルス状の電圧がケーブルを介してモータに印加される場合のサージ電圧について言及する。非特許文献2では、最初のパルス状の電圧によってサージ電圧の振動が収まっていない状況で、更にパルス状の電圧が印加されると、新たに発生するサージ電圧の振動が先の振動に重畳し、印加された電圧の2倍の電圧が発生することが示される。
非特許文献3ではサージ電圧が発生する他の要因として、インバータの出力電圧のオーバーシュートの他、モータでの回路共振を挙げる。但し、オーバーシュートはサージの要因としては反射、共振よりも寄与が小さい。
非特許文献4では集中巻きモータのコイル1つ分の等価回路及びそのインピーダンスの周波数特性が紹介される。これによればモータでの共振に起因したサージ電圧は概ね数百kHz程度の共振周波数を有すると見られる。
特許文献1は、最初のパルス状の電圧によるサージと次のパルス状の電圧のサージとが加算されることによる過電圧を、防ぐ技術を提案する。パルス幅が小さくなりやすいインバータの過変調時において、デッドタイムの長さが調整される。具体的には最初のパルス状の電圧によるサージ電圧が一定値以下になってから、次のパルス状の電圧が印加される。
例えば特許文献2では、ケーブルによる反射の影響が無く、モータでの回路共振のみに起因するサージ電圧を抑制する技術を紹介する。具体的には、サージ電圧のリンギングを打ち消すように、パルス状の電圧を追加して印加する。
特許文献3では、モータの共振によるサージ電圧の対策の例として、電動機系全ての電気的共振の周期T1のサージについて言及する。インバータの出力電圧の立ち上がりを二段階に設定する。一段目の立ち上がりから時間遅れT0の後に二段目の立ち上がりを行う。ここで望ましくはT0=T1/2に設定する。これにより、一段目の立ち上がりによるサージ成分と、二段目の立ち上がりによるサージ成分とがキャンセルされる。
後述するスイッチング速度に関し、特許文献4,5を挙げる。
特許第5633650号公報 特許第5574771号公報 特開2011−166878号公報 特開2004−096318号公報 特開2016−1233200号公報
奥山、藤井、「インバータサージの挙動解析」、富士時報、富士電機株式会社、平成8年11月、第69巻、第11号、p.598(44)−602(48) R.kerkman, D.Leggate, G.Skibinski, "Interaction of Drive Modulation & Cable Parameters on AC Motor Transients", IEEE Transactions on Industry Applications, 1997, Vol.33, No3, pp.722-731 脇本、「インバータ駆動モータにおける部分放電メカニズムと絶縁性能向上に関する研究」、名古屋大学工学研究科博士論文、名古屋大学附属図書館、平成28年3月25日 辻、外5名、「インバータサージの伝搬と電動機内電圧の解析」、電気学会論文誌D、電気学会、平成18年9月1日、第126巻、第6号、p.771−777
ケーブルでの反射に起因するサージ電圧を低減するために、サージを吸収するケーブルも提案されている。しかしかかるケーブルはコストが非常に高い。
インバータと負荷とを接続するケーブルを短くすることも一法である。しかし、一般にケーブルを短くすることは、負荷とインバータとが離れている装置を想定すると、実際的な対応ではない。
他法として、波頭長を長くすることも考えられる。波頭長はインバータに採用されるスイッチング素子のスイッチング速度に依存する。但し波頭長が短いほどスイッチング損失が削減される。よってインバータの発熱を抑制し、インバータの効率が高める観点では波頭長は短い方が望ましい。例えばSiCやGaNを材料としたスイッチング素子は、スイッチング速度の高速化のみならず、装置の小型化にも適する。
しかも、非特許文献1に示された例では、波頭長が20nSecの場合はケーブル長が1.5m程度の長さですら、サージ電圧の最大値は直流母線の電圧の2倍の大きさになることが示される。よってインバータの損失削減を指向すると、短いケーブルを使用してしてもサージ電圧が高まってしまう。
デッドタイムは通常、インバータにおいてスイッチング素子を介した短絡を防ぐために要求される時間である。よって特許文献1で提案される技術では、短絡防止用の時間よりも長くなる。デッドタイムの増大は負荷(例えばモータ)の制御特性の劣化を招来する。
特許文献2で提案された技術では、パルス状の電圧を追加するための機能が必要となる。更に、このような追加はスイッチング回数の増加を招来し、スイッチング損失が増大する。
電源電圧の波高値あるいは実効値が変化する場合は電源電圧の絶対値が一定値以上のときのみ、換言するとサージ電圧によって部分放電が発生する可能性が大きいときのみ、パルス状の電圧を追加することで通常時のスイッチング損失増加を防ぐことは可能であろう。しかし商用電源のように電源電圧の波高値あるいは実効値がほぼ一定の場合にかかる技術を採用すると、スイッチング損失の増大は避けられない。
特許文献3で提案された技術が奏功するには、T0=T1/2を正確に設定する必要がある。しかし実際には周期T1が短い場合、その設定を満たすことは困難であろう。特許文献3では時間遅れT0の調整を、インバータのスイッチング周波数で行うとしている。しかしながらスイッチング周波数を自由に設定することも容易ではない。また周期T1を、ケーブルを被覆する絶縁材の誘電材の厚みや材質を変えて調整することが提案されている。しかし、1〜2m程度の長さのケーブルにおいて、その絶縁材を変えても周期T1を大きく調整することは実際的ではないであろう。
非特許文献1で示される様に、ケーブルの遅延時間をTkとすると、反射に起因するサージ電圧は周期4Tkで変動する波形を呈する。つまりサージ電圧を抑制すべくケーブルを短くするほど、ケーブルの反射によるサージ電圧の周波数成分は、高くなる。ケーブル1m当たりの遅延時間が6.6nSec/mであり、ケーブルの長さが2mであれば、サージ電圧の周期は50nSec(周波数に換算すると20MHz)程度となる。
他方、非特許文献4で例示されるように、共振に起因するサージ電圧の周波数は数百kHzであり、サージ電圧は、その要因に依存して大きく異なる周波数成分を有する。
図11は一相分のコイルの相電圧の波形を模式的に示すグラフである。インバータからパルス状の電圧Vxが印加されたとき、負荷の内部のサージ電圧Vyは、反射を要因とする電圧成分Vy1(よってその変動する周波数は高い)と、共振を要因とする電圧成分(よってその変動する周波数は低い)Vy2とが重畳した波形を呈する。
このように、サージ電圧は周波数成分が大きく異なるサージ成分を有するので、特許文献2、3のように特定の周期に注目した技術では、サージ電圧の抑制は不十分である。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、大幅なインバータの損失の増大を伴わずに、サージ電圧を低減する技術を提供することを目的とする。かかる技術により、例えば負荷としてモータを採用した場合、その絶縁性能を高める必要性が低下する。
この発明にかかるインバータ制御装置は、直流電圧(Vdc)を三相の交流電圧(Vu,Vv,Vw)に変換して前記交流電圧を出力する電圧形のインバータ(4)を制御する。装置(6)である。ここで前記インバータ(4)は、前記直流電圧が印加される第1の直流母線(LH)及び第2の直流母線(LL)の間で相互に並列に接続される3つの電流経路(Lu,Lv,Lw)を備え、前記第1の直流母線の電位は前記第2の直流母線の電位よりも高く、前記電流経路の各々が、接続点(Pu,Pv,Pw)と、前記第1の直流母線と前記接続点との間に接続され、導通時には前記第1の直流母線から前記接続点に電流を流す上アーム側スイッチ(Qup,Qvp,Qwp)と、前記接続点と前記第2の直流母線との間に接続され、導通時には前記接続点から前記第2の直流母線に電流を流す下アーム側スイッチ(Qun,Qvn,Qwn)と、前記上アーム側スイッチの各々に対して逆並列に接続された上アーム側ダイオード(Dup,Dvp,Dwp)と、前記下アーム側スイッチの各々に対して逆並列に接続された下アーム側ダイオード(Dun,Dvn,Dwn)とを有する。
この発明にかかるインバータ制御装置の第1の態様は、前記上アーム側スイッチ及び前記下アーム側スイッチの導通/非導通を、スイッチング速度を制御して行わせる制御信号(Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn)を生成する制御信号生成部(63)を備える。
そして、(i)一の前記上アーム側スイッチ(Qup)に対応する前記制御信号(Sup)は、前記一の前記上アーム側スイッチ(Qup)を非導通から導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記上アーム側スイッチ(Qvp,Qwp)に対応する二つの前記制御信号(Svp,Swp)が前記二つの前記上アーム側スイッチの非導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御;(ii)一の前記上アーム側スイッチ(Qup)に対応する前記制御信号(Sup)は、前記一の前記上アーム側スイッチ(Qup)を導通から非導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記上アーム側スイッチ(Qvp,Qwp)に対応する二つの前記制御信号(Svp,Swp)が前記二つの前記上アーム側スイッチの導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御;(iii)一の前記上アーム側スイッチ(Qup)に対応する前記制御信号(Sup)は、他の二つの前記上アーム側スイッチ(Qvp,Qwp)に対応する二つの前記制御信号(Svp,Swp)が前記二つの前記上アーム側スイッチの非導通に対応する場合において、前記一の前記上アーム側スイッチを非導通から導通とするときの前記スイッチング速度を、前記二つの前記制御信号が前記二つの前記上アーム側スイッチを非導通から導通とするときの前記スイッチング速度よりも遅くする速度制御;(iv)一の前記上アーム側スイッチQup)に対応する前記制御信号(Sup)は、他の二つの前記上アーム側スイッチ(Qvp,Qwp)に対応する二つの前記制御信号(Svp,Swp)が前記二つの前記上アーム側スイッチの導通に対応する場合において、前記一の前記上アーム側スイッチを導通から非導通とするときの前記スイッチング速度を、前記二つの前記制御信号が前記二つの前記上アーム側スイッチを導通から非導通とするときの前記スイッチング速度よりも遅くする速度制御;(v)一の前記下アーム側スイッチ(Qun)に対応する前記制御信号(Sun)は、前記一の前記下アーム側スイッチ(Qun)を導通から非導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記下アーム側スイッチ(Qvn,Qwn)に対応する二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチの導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御;(vi)一の前記下アーム側スイッチQun)に対応する前記制御信号(Sun)は、前記一の前記下アーム側スイッチ(Qun)を非導通から導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記下アーム側スイッチ(Qvn,Qwn)に対応する二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチの非導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御;(vii)一の前記下アーム側スイッチ(Qun)に対応する前記制御信号(Sun)は、他の二つの前記下アーム側スイッチ(Qvn,Qwn)に対応する二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチの導通に対応する場合において前記一の前記下アーム側スイッチを導通から非導通とするときの前記スイッチング速度を、前記二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチを導通から非導通とするときの前記スイッチング速度よりも遅くする速度制御;及び(viii)一の前記下アーム側スイッチ(Qun)に対応する前記制御信号(Sun)は、他の二つの前記下アーム側スイッチ(Qvn,Qwn)に対応する二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチの非導通に対応する場合において前記一の前記下アーム側スイッチを非導通から導通とするときの前記スイッチング速度を、前記二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチを非導通から導通とするときの前記スイッチング速度よりも遅くする速度制御、の少なくともいずれかに従って前記スイッチング速度を制御する。
例えば前記速度制御(i)〜(iv)の少なくともいずれか一つを、全ての前記上アーム側スイッチ(Qup,Qvp,Qwp)の前記スイッチング速度の制御に用いる。
例えば前記速度制御(v)〜(viii)の少なくともいずれか一つを、全ての前記下アーム側スイッチ(Qun,Qvn,Qwn)の前記スイッチング速度の制御に用いる。
例えばこの発明にかかるインバータ制御装置は前記交流電圧についての指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を受けて、前記指令値に基づいて、前記上アーム側スイッチ及び前記下アーム側スイッチのスイッチングパターン(P)を決定するパターン決定部(62)をさらに備え、前記パターン決定部(62)は、所定周期のキャリア(C)を発生するキャリア発生器(62a)と、前記指令値(Vu*,Vv*,Vw*)と前記キャリアとの比較を行って前記スイッチングパターン(P)を決定する比較器(62b)とを有する。
この発明にかかるインバータ制御装置の第2の態様は、その第1の態様であって、前記スイッチングパターン(P)には二相変調方式が採用される。
例えば前記制御信号生成部(63)は、前記指令値(Vu*,Vv*,Vw*)のうちのいずれが最大であるか、もしくは最小であるかの判断結果(M)を得る判断部(63a)と、前記スイッチングパターン(P)に基づいて、前記上アーム側スイッチ(Qup,Qvp,Qwp)の導通/非導通及び前記下アーム側スイッチ(Qun,Qvn,Qwn)の導通/非導通の、少なくともいずれかを決定する原制御信号(Su,Sv,Sw)を生成する原制御信号生成部(63b)と、前記判断結果に基づいて、前記原制御信号から前記制御信号(Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn)の波形を決定する波形決定器(63c)とを有する。
この発明にかかるインバータ制御装置によれば、大幅なインバータの損失の増大を伴わずに、サージ電圧を低減する。特に第2の態様によれば、全てのスイッチングにおいてスイッチング速度を遅くする場合と比較して、スイッチング速度を遅くすることにより増加するスイッチング損失が1/4となる。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態にかかる制御装置及びその制御対象となるインバータを示す回路図である。 第1の実施の形態および第2の実施の形態における制御装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態における諸量を示すグラフである。 キャリア周期区間における原制御信号と相電圧とを、領域毎に示す波形図である。 第1の実施の形態の効果を示すグラフである。 第2の実施の形態における諸量を示すグラフである。 キャリア周期区間における原制御信号と相電圧とを、領域毎に示す波形図である。 キャリア周期区間における原制御信号と相電圧とを、領域毎に示す波形図である。 第2の実施の形態の効果を示すグラフである。 第2の実施の形態の効果を示すグラフである。 一相分のコイルの相電圧の波形を模式的に示すグラフである。 サージ電圧が重畳する波形を模式的に分解して示す波形図である。 図4の領域Z1における部分を拡大して示す波形図である。
本実施の形態の詳細な説明に先立ち、サージ電圧の低減には負荷に印加される相電圧の低減が望ましいことを説明する。以下、誘導性の負荷としてモータを例に採って説明する。
非特許文献3で例示されるように、放電を防ぐべき場所の絶縁は、同相のコイル同士での絶縁(以下「同相内絶縁」)、相が異なるコイル同士での絶縁(以下「相間絶縁」)、コイルとコア(ケース)との間での絶縁(以下「対地絶縁」)に分類できる。
相間絶縁及び対地絶縁のいずれに要求される耐圧も、同相内絶縁に要求される耐圧よりも高い。しかし相間絶縁、対地絶縁には絶縁紙が採用され(例えばコイルに採用される導線のエナメル被覆が38μmであるのに対して、絶縁紙の厚さは0.5mm程度に選定される)、高い耐圧が実現されるので、コイルに印加される電圧が上昇する際に最初に放電する場所は同相のコイル同士の間である。
特に、インバータのスイッチング速度の向上につれ、同一コイルの巻き始めの導線と、それに接触する導線間での放電を最も考慮すべきである。かかる事情は分布巻モータでも集中巻モータでも同様である。そしてこのことは、各相のコイル入力−中性点間の電圧を低減すれば、モータの絶縁特性を向上できる事を意味する。
よって以下の実施の形態ではコイル入力と中性点間の電圧を低減することに着目し、サージ電圧を低減する。
第1の実施の形態.
図1は、この実施の形態及び第2の実施の形態にかかる制御装置6及びその制御対象となるインバータ4を示す回路図である。
インバータ4は電圧形インバータであり、直流電圧Vdcを三相の交流電圧Vu,Vv,Vwに変換し、これを三相負荷5へ出力する。三相負荷5は誘導性負荷であり、例えばモータである。制御装置6はインバータ4を制御する。直流電圧Vdcは、一対の直流母線LH,LLの間に印加される。直流母線LHの電位は直流母線LLの電位よりも高い。
インバータ4は接続点Pu,Pv,Pwを有する。インバータ4は、直流電圧Vdcに対してパルス幅変調に基づくスイッチングパターンでスイッチングを行って、接続点Pu,Pv,Pwから交流電圧Vu,Vv,Vwを出力する。
インバータ4は、各相に対応する3つの電流経路Lu,Lv,Lwを備える。電流経路Lu,Lv,Lwは直流母線LH,LLの間で相互に並列に接続される。
電流経路Luは、接続点Puと、上アーム側のスイッチQupと、下アーム側のスイッチQunとを有している。電流経路Lvは、接続点Pvと、上アーム側のスイッチQvpと、下アーム側のスイッチQvnとを有している。電流経路Lwは、接続点Pwと、上アーム側のスイッチQwpと、下アーム側のスイッチQwnとを有している。
スイッチQup,Qvp,Qwpは導通時には直流母線LHからそれぞれ接続点Pu,Pv,Pwに電流を流す。スイッチQun,Qvn,Qwnは導通時にはそれぞれ接続点Pu,Pv,Pwから直流母線LLに電流を流す。接続点Pu,Pv,Pwからは三相負荷5に交流電圧Vu,Vv,Vwが印加され、三相電流iu,iv,iwが出力される。スイッチQup,Qvp,Qwp,Qun,Qvn,Qwnは、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタで実現される。
スイッチQup,Qvp,Qwpに対して、それぞれ上アーム側のダイオードDup,Dvp,Dwpが逆並列に接続される。スイッチQun,Qvn,Qwnに対してそれぞれ下アーム側のダイオードDun,Dvn,Dwnが逆並列に接続される。なお、「逆並列」とは、二つの素子が並列に接続されており、かつ二つの素子の導通方向が相互に反対である態様を示す。
スイッチQzp,Qznにはそれぞれ制御信号Szp,Sznが入力される(但し、zはu,v,wを代表する。以下同様)。制御信号Szpの活性/非活性に応じてスイッチQzpがそれぞれ導通/非導通となり、制御信号Sznの活性/非活性に応じてスイッチQznがそれぞれ導通/非導通となる。換言すると、制御信号Szp,Sznの活性はスイッチQzp,Qznの導通に対応し、制御信号Szp,Sznの非活性はスイッチQzp,Qznの非導通に対応する。但し、同じ電流経路においては、制御信号Szpと制御信号Sznとは相互に排他的に活性となるよう制御され、スイッチQzpとスイッチQznとは相互に排他的に導通する。制御信号Szp,Sznに基づいたインバータ4の動作それ自身は公知であり、よって詳細な説明は省略する。
また、制御信号Szp,Sznの波形に依存して、スイッチQzp,Qznの導通/非導通を遅延させることができることも、公知である。例えば制御信号Szpが所定の閾値よりも大きいときにスイッチQzpが非導通から導通となる場合について言えば、制御信号Szpの波形の立ち上がりが緩いほど、制御信号Szpの活性化の開始からスイッチQzpが導通するまでの遅延時間を長くすることができる。
制御装置6は、直流電圧Vdcと、三相電流iu,iv,iwと、三相負荷5の回転角周波数についての指令値たる回転角速度指令ω*とに基づいて、制御信号Szp,Sznを生成する。
図2は本実施の形態および第2の実施の形態における制御装置6の構成を示すブロック図である。制御装置6は、指令値作成部61、パターン決定部62、制御信号生成部63とを有する。
指令値作成部61は、直流電圧Vdcと、三相電流iu,iv,iwと、回転角速度指令ω*とに基づいて、交流電圧Vu,Vv,Vwについての指令値Vu*,Vv*,Vw*を作成する。かかる機能を果たす構成は公知であるので、ここではその説明を省略する。
パターン決定部62は、指令値Vu*,Vv*,Vw*を受けて、これらに基づいて、上アーム側のスイッチQup,Qvp,Qwp及び下アーム側のスイッチQun,Qvn,QwnのスイッチングパターンPを決定する。かかる機能を果たす構成は公知であるので、その構成は、後述する動作を説明する上で必要な程度に留める。
パターン決定部62はキャリア発生器62aと、比較器62bとを有する。キャリア発生器62aは所定周期のキャリアCを発生する。キャリアCは例えば三角波である。
比較器62bは、指令値Vu*,Vv*,Vw*とキャリアCとの比較を行って、スイッチングパターンPを決定する。
制御信号生成部63は、指令値Vu*,Vv*,Vw*の大小関係及びスイッチングパターンPに基づいて、スイッチング速度を制御して制御信号Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnを生成する。かかるスイッチング速度の制御(以下「速度制御」と称す)は、例えば制御信号Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの波形の立ち上がりを制御することで実現できる。あるいは特許文献3,4で示される技術を用いてもよい。
制御信号生成部63は、最大相/最小相判断部63aと、原制御信号生成部63bと、波形決定器63cとを有する。最大相/最小相判断部63aは、指令値Vu*,Vv*,Vw*のうちのいずれが最大であるか、もしくは最小であるかの判断結果Mを得る。判断結果Mは指令値Vu*,Vv*,Vw*の内のどれが最大であるかのみの情報を有してもよいし、どれが最小であるかのみの情報を有してもよいし、どれが最大でどれが最小であるかについての情報を有してもよい。
原制御信号生成部63bは、スイッチングパターンPに基づいて原制御信号Su,Sv,Swを生成する。原制御信号Su,Sv,Swは、スイッチQup,Qvp,Qwpの導通/非導通と、スイッチQun,Qvn,Qwnの導通/非導通との少なくともいずれかを決定する。例えば原制御信号Su,Sv,Swは、指令値Vu*,Vv*,Vw*でパルス幅変調された波形である。以下では原制御信号Su,Sv,SwがスイッチQup,Qvp,Qwpの導通/非導通を決定する場合を例に採って説明する。
波形決定器63cは、判断結果Mに基づいて、原制御信号Su,Sv,Swから制御信号Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの波形を決定する。具体的には判断結果Mに依存して、原制御信号Su,Sv,Swの波形を修正して制御信号Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの波形を得る。制御信号Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,SwnはそれぞれスイッチQup,Qvp,Qwp,Qun,Qvn,Qwnのスイッチングを制御する。
図3は第1の実施の形態における諸量を示すグラフである。具体的には、キャリアC及び指令値Vu*,Vv*,Vw*を重ねて最上段に示し、下方に向かって順次に原制御信号Su,Sv,Sw及び(サージ電圧がない理想的な)相電圧Vunを示す。交流電圧Vu,Vv,Vwの中性点を想定し、当該中性点を基準としたときの交流電圧Vuが相電圧Vunである。図中では、中性点の電位を基準電位(0V)としている。
指令値Vu*,Vv*,Vw*は三相の交流電圧Vu,Vv,Vwの指令値であるので、互いに120度ずつずれた正弦波形を呈する。ここでは指令値Vv*が指令値Vu*よりも120度進相であり、指令値Vw*が指令値Vv*よりも120度進相である場合を例にとって説明する。
図3では、時間的な領域Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6を、この順に繰り返して想定することができる。具体的には、これらの領域において下記の特徴が示される:
領域Z1においてはVv*<Vu*<Vw*;
領域Z2においてはVv*<Vw*<Vu*;
領域Z3においてはVw*<Vv*<Vu*;
領域Z4においてはVw*<Vu*<Vv*;
領域Z5においてはVu*<Vw*<Vv*;
領域Z6においてはVu*<Vv*<Vw*。
そしてキャリアCと指令値Vz*との比較により原制御信号Szが得られる。但し原制御信号Szは、キャリアCの値が指令値Vz*よりも小さいときに高電位を採り、キャリアCの値が指令値Vz*以上のときに低電位を採る二値信号の波形を呈する。本実施の形態では指令値Vz*の最大値および最小値が、それぞれキャリアCの最大値1および最小値(−1)と一致する場合を示した。
原制御信号Szを制御信号Szpとして採用し、原制御信号Szと排他的な信号を制御信号Sznとして採用すれば、サージ電圧を無視すれば、図3の最下段に示される波形を相電圧Vunが呈することになる。
よってスイッチングパターンPを、キャリアCの一周期における、原制御信号Szの二値信号のパターンとして捉えることができる。以下、キャリアCの一周期の区間を、その隣接する最小値同士の間の区間として把握して考察する。
当該区間(以下「キャリア周期区間」と称す)においてスイッチングパターンPは、領域Z1においては、以下の様に遷移する。但し、原制御信号Szが高電位を採ることを記号Hで、低電位を採ることを記号Lで、それぞれ示し、ある時点における原制御信号Su,Sv,Swの状態を一纏めにして丸括弧で示した。矢印は当該状態が時間の経過に伴って順次に変遷することを示す:(Su,Sv,Sw)=(H,H,H)→(H,L,H)→(L,L,H)→(L,L,L)→(L,L,H)→(H,L,H)→(H,H,H)。
同様にして、キャリア周期区間においてスイッチングパターンPは、以下の様に遷移する:
領域Z2において、(Su,Sv,Sw)=(H,H,H)→(H,L,H)→(H,L,L)→(L,L,L)→(H,L,L)→(H,L,H)→(H,H,H);
領域Z3において、(Su,Sv,Sw)=(H,H,H)→(H,H,L)→(H,L,L)→(L,L,L)→(H,L,L)→(H,H,L)→(H,H,H);
領域Z4において、(Su,Sv,Sw)=(H,H,H)→(H,H,L)→(L,H,L)→(L,L,L)→(L,H,L)→(H,H,L)→(H,H,H);
領域Z5において、(Su,Sv,Sw)=(H,H,H)→(L,H,H)→(L,H,L)→(L,L,L)→(L,H,L)→(L,H,H)→(H,H,H);
領域Z6において、(Su,Sv,Sw)=(H,H,H)→(L,H,H)→(L,L,H)→(L,L,L)→(L,L,H)→(L,H,H)→(H,H,H)。
よってキャリア周期区間におけるスイッチングパターンPについては、上記の領域において下記の特徴が示される。但し、原制御信号Suが低電位を採る期間が、原制御信号Svが低電位を採る期間に含まれ、かつ原制御信号Svが低電位を採る期間が、原制御信号Swが低電位を採る期間に含まれることを、Sw⊃Sv⊃Suとして記載する。
領域Z1においてはSv⊃Su⊃Sw;
領域Z2においてはSv⊃Sw⊃Su;
領域Z3においてはSw⊃Sv⊃Su;
領域Z4においてはSw⊃Su⊃Sv;
領域Z5においてはSu⊃Sw⊃Sv;
領域Z6においてはSu⊃Sv⊃Sw。
図4は、キャリア周期区間における原制御信号Su,Sv,Swと、サージ電圧を考慮した相電圧Vun,Vvn,Vwnとを領域Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6毎に示す波形図である。図4に示された相電圧Vun,Vvn,Vwnは、原制御信号Su,Sv,Swをそれぞれ制御信号Sup,Svp,Swpとして採用し、原制御信号Su,Sv,Swと反対の遷移を行う信号をそれぞれ制御信号Sun,Svn,Swnとして採用した場合の波形を呈する。
相電圧Vunにおけるサージ電圧は、サージ電圧を無視したときの相電圧Vunの変動量が大きいほど顕著である。具体的には領域Z1における(Su,Sv,Sw)=(H,L,H)→(L,L,H)への遷移の時点や、その逆方向に遷移する時点でのサージ電圧は、(Su,Sv,Sw)=(L,L,H)→(L,L,L)への遷移の時点や、その逆方向に遷移する時点でのサージ電圧よりも大きい。
領域Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6を通して見たときの相電圧Vunの最大値Vmaxは領域Z2,Z3において発生する。より詳細には、これらの領域Z2,Z3において原制御信号Suが低電位から高電位へと立ち上がる遷移に伴って発生するサージ電圧が、最大値Vmaxを与える。これは、領域Z2,Z3はいずれも指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*よりも大きいことと、当該遷移の時点においてサージ電圧を無視したときの相電圧Vunの変動量が大きいことに起因する。これは観点を変えれば、接続点Pu,Pv,Pwの全てが直流母線LLに接続されている状態から接続点Puのみが直流母線LHに接続される状態への遷移(上述の表記を採用すれば(Su,Sv,Sw)=(L,L,L)→(H,L,L))によって、最大値Vmaxが与えられる、と見ることができる。図4では、このように相電圧Vunの最大値Vmaxを与える原制御信号Suの立ち上がりには、上向きの矢印を付記した。
また、領域Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6を通して見たときの相電圧Vunの最小値Vminは領域Z5,Z6において発生する。より詳細には、これらの領域Z5,Z6において原制御信号Suが高電位から低電位へと立ち下がる遷移に伴って発生するサージ電圧が、最小値Vminを与える。これは、領域Z5,Z6はいずれも指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*よりも小さいことと、当該遷移の時点においてサージ電圧を無視したときの相電圧Vunの変動量が大きいことに起因する。これは観点を変えれば、接続点Pu,Pv,Pwの全てが直流母線LHに接続されている状態から接続点Puのみが直流母線LLに接続される状態への遷移(上述の表記を採用すれば(Su,Sv,Sw)=(H,H,H)→(L,H,H))によって、最小値Vminが与えられる、と見ることができる。図4では、このように相電圧Vunの最小値Vminを与える原制御信号Suの立ち下がりには、下向きの矢印を付記した。
同様のことが、相電圧Vvn,Vwnについても言える。よって相電圧Vvnの最大値を与える原制御信号Svの立ち上がりには上向きの矢印を付記し、相電圧Vvnの最小値を与える原制御信号Svの立ち下がりには下向きの矢印を付記した。原制御信号Swについても同様である。
図12はサージ電圧が重畳する波形を模式的に分解して示す波形図である。相電圧Vznが最大値Vmaxに到達する場合の波形を波形L0とする。波形L0は3つの波形L1,L2,L3に分解して考えることができる。
波形L1はケーブルサージがなくモータ単体の共振もない状態での相電圧Vznの波形である。モータは分布定数回路で表現されるので、スイッチQzpの導通によって相電圧Vznが上昇しても、中性点の電圧は瞬時には上昇せず、波形L1は一旦急激に上昇して極大値を採ってから減衰し、その後に極大値の2/3の値で安定する。
波形L2はモータケーブルによるサージを示し、波形L3はモータ単体の共振によるサージを示す。
図13は図4の領域Z1における部分を拡大して示す波形図である。リンギングLaは波形L1,L3を反映し、リンギングLbは波形L0に相当する。リンギングLbにより、モータの相間入力電圧はリンギングLa,Lbともに発生しない場合の2倍程度にも達する。
上述のことから、サージ電圧の低減には、全てのスイッチQzp,Qznについてスイッチング速度を低下させる必要はない。原制御信号Szの二値間の遷移のうち、上向きの矢印を付記した立ち上がりと、下向きの矢印を付記した立ち下がりに対応したスイッチングの速度を低下させれば足りる。
キャリア周期区間において原制御信号Su,Sv,Swの二値間の遷移は合計して6個ある。これらのうち、相電圧Vun,Vvn,Vwnのいずれかにおいてピークを採らせるサージ電圧を発生させる遷移(以下「サージ遷移」と称す)は2個である。例えば領域Z2では原制御信号Suの立ち上がりおよび原制御信号Svの立ち下がりが、それぞれ相電圧Vunの最大値と相電圧Vvnの最小値を与える。よって、サージ電圧の低減のために制御信号Szp,Sznの全ての遷移を緩やかにする場合と比較して、サージ遷移に対応するスイッチング速度を遅く(遷移を緩やかに)することは、スイッチング速度を遅くすることにより増加するスイッチング損失を1/3にする。
相電圧Vznの最大値を与えるスイッチングを行うスイッチだけについて、あるいは最小値を与えるスイッチングを行うスイッチだけについて、スイッチング速度を低下させるだけでも、サージ電圧の低減に効果がある。
まず上アーム側のスイッチについて、領域の相違に着目して下記の二通りのやり方での速度制御が提案される:
(ia)上アーム側のスイッチQupが接続される接続点Puから出力される交流電圧Vuの指令値Vu*が、他の二つの交流電圧Vv,Vwの指令値Vv*,Vw*のいずれよりも大きい場合(これは領域Z2,Z3に対応する)において、それ以外の場合よりも、スイッチQupが非導通から導通となるときのスイッチング速度を遅くする;
(iia)上アーム側のスイッチQupが接続される接続点Puから出力される交流電圧Vuの指令値Vu*が、他の二つの交流電圧Vv,Vwの指令値Vv*,Vw*のいずれよりも小さい場合(これは領域Z5,Z6に対応する)において、それ以外の場合よりも、スイッチQupが導通から非導通となるときのスイッチング速度を遅くする。
上記(ia)により相電圧Vunの最大値を抑制することができ、上記(iia)により相電圧Vunの最小値を抑制することができる。上記(ia)(iia)のいずれか一方を採用してもよいし、両方を採用してもよい。
上記(ia)については、スイッチQupが非導通から導通となるときにはスイッチQvp,Qwpが非導通であるので、(ia)に代えて次の速度制御を採用しても良い:
(ib)制御信号Supは、スイッチQupを非導通から導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svp,SwpがスイッチQvp,Qwpの非導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする。
上記(iia)については、スイッチQupが導通から非導通となるときにはスイッチQvp,Qwpが導通しているので、(iia)に代えて次の速度制御を採用しても良い:
(iib)制御信号Supは、スイッチQupを導通から非導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svp,SwpがスイッチQvp,Qwpの導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする。
また、上アーム側のスイッチについて、同じ領域での相の相違に着目して下記の二通りのやり方での速度制御が提案される:
(iiia)指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも大きい場合において、スイッチQupが非導通から導通となるときのスイッチング速度を、他の二つの上アーム側のスイッチQvp,Qwpが非導通から導通となるときのスイッチング速度よりも遅くする;
(iva)指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも小さい場合において、スイッチQupが導通から非導通となるときのスイッチング速度を、スイッチQvp,Qwpが導通から非導通となるときのスイッチング速度よりも遅くする。
上記(iiia)により相電圧Vunの最大値を抑制することができ、上記(iva)により相電圧Vunの最小値を抑制することができる。上記(iiia)(iva)のいずれか一方を採用してもよいし、両方を採用してもよい。
上記(iiia)については、スイッチQupが非導通から導通となるときにはスイッチQvp,Qwpが非導通であるので、(iiia)に代えて次の速度制御を採用しても良い:
(iiib)制御信号Supは、制御信号Svp,SwpがスイッチQvp,Qwpの非導通に対応する場合においてスイッチQupを非導通から導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svp,SwpがそれぞれスイッチQvp,Qwpを非導通から導通とするときのスイッチング速度よりも遅くする。
上記(iva)については、スイッチQupが導通から非導通となるときにはスイッチQvp,Qwpが導通しているので、(iva)に代えて次の速度制御を採用しても良い:
(ivb)制御信号Supは、制御信号Svp,SwpがスイッチQvp,Qwpの導通に対応する場合においてスイッチQupを導通から非導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svp,SwpがそれぞれスイッチQvp,Qwpを導通から非導通とするときのスイッチング速度よりも遅くする。
同様にして、下アーム側のスイッチについて、下記の四通りのやり方での速度制御が提案される:
(va)指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも大きい場合において、それ以外の場合よりも、スイッチQunが導通から非導通となるときのスイッチング速度を遅くする;
(via)指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも小さい場合において、それ以外の場合よりも、スイッチQunが非導通から導通となるときのスイッチング速度を遅くする;
(viia)指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも大きい場合において、スイッチQunが導通から非導通となるときのスイッチング速度を、他の二つの前記下アーム側のスイッチQvn,Qwnが導通から非導通となるときのスイッチング速度よりも遅くする;
(viiia)指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも小さい場合において、スイッチQunが非導通から導通となるときのスイッチング速度をスイッチQvn,Qwnが非導通から導通となるときのスイッチング速度よりも遅くする。
(ib)〜(ivb)で(ia)〜(iva)を代替するのと同様に、下記の(vb)〜(viiib)で(va)〜(viiia)を代替することができる:
(vb)制御信号Sunは、スイッチQunを導通から非導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svn,SwnがスイッチQvn,Qwnの導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする;
(vib)制御信号Sunは、スイッチQunを非導通から導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svn,SwnがスイッチQvn,Qwnの非導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする;
(viib)制御信号Sunは、制御信号Svn,SwnがスイッチQvn,Qwnの導通に対応する場合においてスイッチQunを導通から非導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svn,SwnがそれぞれスイッチQvn,Qwnを導通から非導通とするときのスイッチング速度よりも遅くする;
(viiib)制御信号Sunは、制御信号Svn,SwnがスイッチQvn,Qwnの非導通に対応する場合においてスイッチQunを非導通から導通とするときのスイッチング速度を、制御信号Svn,SwnがそれぞれスイッチQvn,Qwnを非導通から導通とするときのスイッチング速度よりも遅くする。
結局、(ia)〜(viiia)のいずれの速度制御を採用しても、相電圧Vunのサージ電圧の抑制に効果がある。また(ib)〜(viiib)のいずれの速度制御を採用しても、相電圧Vunのサージ電圧の抑制に効果がある。
なお、制御信号Szpが活性の期間(スイッチQzpの導通に対応する期間)と、スイッチQzpに電流が流れる期間とが常に一致しているとは限らない。三相負荷5が誘導性である場合には、三相負荷5が擬似的な電流源となっており、スイッチQzpは、その導通時において、直流母線LHから接続点Pzへと上述したように電流を流すとは限らないからである。
ただしこのような状況においても、スイッチQzpに逆並列に接続されたダイオードDzpが、接続点Pzから直流母線LHへ電流を流して、両者間を短絡する。よって制御信号SzpがスイッチQzpの導通に対応している期間においては、スイッチQzpに電流が流れるか否かを問わず、接続点Pzと直流母線LHとが短絡する。他方、制御信号Szpが非活性の期間(スイッチQzpの非導通に対応する期間)においてはスイッチQzpにもダイオードDzpにも電流が流れない。したがって、(ib)〜(ivb)の速度制御を行って相電圧Vunのサージ電圧が抑制される。
(ia)(iiia)(va)(viia) (ib)(iiib)(vb)(viib)の速度制御は適宜に相を読み替えて相電圧Vvn,Vwnの最大値を抑制する速度制御として理解することができ、上記(iia)(iva)(via)(viiia)(iib)(ivb)(vib)(viiib)の速度制御は適宜に相を読み替えて相電圧Vvn,Vwnの最小値を抑制する速度制御として理解することができる。
(1b)〜(viiib)は、(1a)〜(viiia)とは異なり、指令値Vu*,Vv*,Vw*同士の大小比較は直接には必要とされない。
速度制御それ自身は波形決定器63cによって、制御信号Szpの立ち上がりや立ち下がりを原制御信号Szの二値間の遷移を緩やかにすることで、あるいは制御信号Sznの立ち上がりや立ち下がりを原制御信号Szの二値間の遷移を反対方向にしつつ緩やかにすることで、実現される。同様に、この際、上記(ia)〜(viiia)の場合分けは、判断結果Mと原制御信号Szによって行える。上記(ib)〜(viiib)の場合分けには判断結果Mは必須ではなく、原制御信号Szによって行える。
以上のように、本実施の形態によれば、サージ電圧の抑制を、その最大値あるいは最小値の少なくともいずれか一つについて行い、それ以外のサージ電圧を抑制しないので、大幅なインバータの損失の増大を伴わない。
図5は本実施の形態の効果を示す波形図である。図5も図4と同様に、キャリア周期区間における原制御信号Su,Sv,Swと、サージ電圧を考慮した相電圧Vun,Vvn,Vwnとを領域Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6毎に示す。但し図5で付記された最小値Vmin及び最大値Vmaxは、図4で示されたそれぞれの値を示す。
原制御信号Su,Sv,Swにおいて上向きの矢印及び下向きの矢印が追加されたタイミングで上記の速度制御が行われることにより、相電圧Vun,Vvn,Vwnのいずれの波形も、最小値Vmin及び最大値Vmaxには至らないことが視認できる。
第2の実施の形態.
図6は第2の実施の形態における諸量を示すグラフである。具体的には、キャリアC及び指令値Vu*,Vv*,Vw*を重ねて最上段に示し、下方に向かって順次に原制御信号Su,Sv,Sw及び(サージ電圧がない理想的な)相電圧Vunを示す。
本実施の形態において指令値Vv*が指令値Vu*よりも120度進相であり、指令値Vw*が指令値Vv*よりも120度進相である場合を例にとって説明する。但し、第1の実施の形態とは異なり、第2の実施の形態ではいわゆる二相変調方式として周知の変調方式がスイッチングパターンPに採用される。即ち指令値Vz*は、正弦波を、当該正弦波のピークを採る位相を中央とした60度の位相の範囲において当該ピークの値へと歪ませた波形を呈する。指令値Vz*の最大値および最小値は、それぞれキャリアCの最大値1および最小値(−1)と一致する。
図6では、時間的な領域Z1a,Z1b,Z2a,Z2b,Z3a,Z3b,Z4a,Z4b,Z5a,Z5b,Z6a,Z6bを、この順に繰り返して想定することができる。具体的には、これらの領域において下記の特徴が示される:
領域Z1a,Z1bにおいてはVv*<Vu*<Vw*;
領域Z2a,Z2bにおいてはVv*<Vw*<Vu*;
領域Z3a,Z3bにおいてはVw*<Vv*<Vu*;
領域Z4a,Z4bにおいてはVw*<Vu*<Vv*;
領域Z5a,Z5bにおいてはVu*<Vw*<Vv*;
領域Z6a,Z6bにおいてはVu*<Vv*<Vw*。
本実施の形態でも原制御信号Szは、キャリアCの値が指令値Vz*よりも小さいときに高電位を採り、キャリアCの値が指令値Vz*以上のときに低電位を採る二値信号の波形を呈する。
原制御信号Szを制御信号Szpとして採用し、原制御信号Szと排他的な信号を制御信号Sznとして採用すれば、サージ電圧を無視すれば、図7の最下段に示される波形を相電圧Vunが呈することになる。
本実施の形態でもスイッチングパターンPを、キャリア周期区間における、原制御信号Szの二値信号のパターンとして捉えることができる。
図7は、キャリア周期区間における原制御信号Su,Sv,Swと、サージ電圧を考慮した相電圧Vun,Vvn,Vwnとを領域Z1a,Z1b,Z2a,Z2b,Z3a,Z3b毎に示す波形図である。図8は、キャリア周期区間における原制御信号Su,Sv,Swと、サージ電圧を考慮した相電圧Vun,Vvn,Vwnとを領域Z4a,Z4b,Z5a,Z5b,Z6a,Z6b毎に示す波形図である。
図7及び図8に示された相電圧Vun,Vvn,Vwnは、原制御信号Su,Sv,Swをそれぞれ制御信号Sup,Svp,Swpとして採用し、原制御信号Su,Sv,Swと反対の遷移を行う信号をそれぞれ制御信号Sun,Svn,Swnとして採用した場合の波形を呈する。
原制御信号Szの二値間の遷移のうち、サージ遷移となるものについて、第1の実施の形態と同様にして上向きの矢印と下向きの矢印を付記した。
指令値Vu*,Vv*,Vw*の間での大小関係について、領域Z1a,Z1bは領域Z1と、領域Z2a,Z2bは領域Z2と、領域Z3a,Z3bは領域Z3と、領域Z4a,Z4bは領域Z4と、領域Z5a,Z5bは領域Z5と、領域Z6a,Z6bは領域Z6と、それぞれ同じ特徴を示す。
従って、本実施の形態においても、第1の実施の形態で示された(ia)〜(viiia),(ib)〜(viiib)のいずれの速度制御をも採用することができ、サージ電圧を低減することができる。但し、本実施の形態では、下記の特徴がある:
領域Z6b,Z1aにおいてはVv*,Vu*<Vw*=1
領域Z1b,Z2aにおいてはVw*,Vu*>Vv*=−1;
領域Z2b,Z3aにおいてはVw*,Vv*<Vu*=1;
領域Z3b,Z4aにおいてはVu*,Vv*>Vw*=−1;
領域Z4b,Z5aにおいてはVu*,Vw*<Vv*=1;
領域Z5b,Z6aにおいてはVv*,Vw*>Vu*=−1。
よってキャリア周期区間において原制御信号Szが低電位を採る期間がないことをSz=φで、高電位を採る期間がないことをSz=Φで、それぞれ示すと、本実施の形態では下記の特徴がある。
領域Z1aにおいてはSv⊃Su,Sw=φ;
領域Z1bにおいてはSu⊃Sw,Sv=Φ;
領域Z2aにおいてはSw⊃Su,Sv=Φ;
領域Z2bにおいてはSv⊃Sw,Su=φ;
領域Z3aにおいてはSw⊃Sv,Su=φ;
領域Z3bにおいてはSv⊃Su,Sw=Φ;
領域Z4aにおいてはSu⊃Sv,Sw=Φ;
領域Z4bにおいてはSw⊃Su,Sv=φ;
領域Z5aにおいてはSu⊃Sw,Sv=φ;
領域Z5bにおいてはSw⊃Sv,Su=Φ;
領域Z6aにおいてはSv⊃Sw,Su=Φ;
領域Z6bにおいてはSu⊃Sv,Sw=φ。
よってスイッチングパターンPは第1の実施の形態とは異なり、サージ遷移はキャリア周期区間において1つしか存在しない。例えば領域Z1aでのサージ遷移は原制御信号Svの立ち下がりのみであり、領域Z1bでのサージ遷移は原制御信号Svの立ち下がりのみである。
第1の実施の形態で説明されたように、サージ遷移に対応するスイッチングのみスイッチング速度を遅くすれば、サージ電圧の低減に足りる。しかも、本実施の形態によれば、サージ遷移に対応するスイッチングの全てのスイッチング速度を遅くしても、スイッチング速度を遅くすることにより増加するスイッチング損失は、全てのスイッチングのスイッチング速度を遅くする場合の1/4となる。
なお、(ia)の速度制御を実行する場合、領域Z2b,Z3aでは指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも大きいものの、スイッチQupが非導通から導通となるスイッチングそれ自体が存在しない。しかし領域Z2a,Z3bでは指令値Vu*が指令値Vv*,Vw*のいずれよりも大きく、かつスイッチQupが非導通から導通となるスイッチングが存在する。よって二相変調方式においても(ia)の速度制御を採用することができる。(iia)〜(viiia),(ib)〜(viiib)の速度制御についても同様である。
図9及び図10は本実施の形態の効果を示す波形図である。図9も図7と同様に、キャリア周期区間における原制御信号Su,Sv,Swと、サージ電圧を考慮した相電圧Vun,Vvn,Vwnとを領域Z1a,Z1b,Z2a,Z2b,Z3a,Z3b毎に示す。図10も図8と同様に、キャリア周期区間における原制御信号Su,Sv,Swと、サージ電圧を考慮した相電圧Vun,Vvn,Vwnとを領域Z4a,Z4b,Z5a,Z5b,Z6a,Z6b毎に示す。但し図9、図10で付記された最小値Vmin及び最大値Vmaxは、図7、図8で示されたそれぞれの値を示す。
原制御信号Su,Sv,Swにおいて上向きの矢印及び下向きの矢印が追加されたタイミングで上記の速度制御が行われることにより、相電圧Vun,Vvn,Vwnのいずれの波形も、最小値Vmin及び最大値Vmaxには至らないことが視認できる。
第1の実施の形態でも、第2の実施の形態でも、(ia)〜(iva)の速度制御の少なくともいずれか一つ、または(ib)〜(ivb)の速度制御の少なくともいずれか一つを、上アーム側のスイッチQzpに用いることができる。同様に、(iva)〜(viiia)の速度制御の少なくともいずれか一つ、または(ivb)〜(viiib)の速度制御の少なくともいずれか一つを、下アーム側のスイッチQznに用いることができる。
原制御信号SzがスイッチQznの導通/非導通を決定する場合も、上記説明と類似して、制御信号Szp,Sznが得られることは明白である。
なお、上述の速度制御はデッドタイムを変更せずに行うことができる。デッドタイムはスイッチQzp,Qznのスイッチング以外にこれらを駆動するドライブ回路の伝播遅延誤差なども考慮して決められる。スイッチQzp,Qzに採用されるパワー素子が高速化している場合はデッドタイムはほぼドライブ回路の伝播遅延誤差とマージン率により決まる。
上アーム側のスイッチQzpのスイッチング速度を遅らした場合と下アーム側のスイッチQznのスイッチング速度を遅らした場合とでは、スイッチング損失の増加は異なる。たとえば電圧指令値が大きく、上アーム側のスイッチQzpが非導通から導通となる時にスイッチング速度を遅らした場合は、当該スイッチングの損失は増加するが、その際に下アーム側のスイッチQznのスイッチング速度を遅らせても、損失はほとんど変わらない。
4 インバータ
6 制御装置
62 パターン決定部
62a キャリア発生器
62b 比較器
63 制御信号生成部
63a 最大相/最小相判断部
63b 原制御信号生成部
63c 波形決定器
C キャリア
Dun,Dvn,Dwn,Dup,Dvp,Dwp ダイオード
LH,LL 直流母線
Lu,Lv,Lw 電流経路
M 判断結果
P スイッチングパターン
Pu,Pv,Pw 接続点
Qun,Qvn,Qwn,Qup,Qvp,Qwp スイッチ
Su,Sv,Sw 原制御信号
Sun,Svn,Swn,Sup,Svp,Swp 制御信号
Vdc 直流電圧
Vu,Vv,Vw 交流電圧
Vu*,Vv*,Vw* 指令値

Claims (6)

  1. 直流電圧(Vdc)を三相の交流電圧(Vu,Vv,Vw)に変換して前記交流電圧を出力する電圧形のインバータ(4)を制御する装置(6)であって、
    前記インバータ(4)は、
    前記直流電圧が印加される第1の直流母線(LH)及び第2の直流母線(LL)の間で相互に並列に接続される3つの電流経路(Lu,Lv,Lw)を備え、
    前記第1の直流母線の電位は前記第2の直流母線の電位よりも高く、
    前記電流経路の各々が、
    接続点(Pu,Pv,Pw)と、
    前記第1の直流母線と前記接続点との間に接続され、導通時には前記第1の直流母線から前記接続点に電流を流す上アーム側スイッチ(Qup,Qvp,Qwp)と、
    前記接続点と前記第2の直流母線との間に接続され、導通時には前記接続点から前記第2の直流母線に電流を流す下アーム側スイッチ(Qun,Qvn,Qwn)と、
    前記上アーム側スイッチの各々に対して逆並列に接続された上アーム側ダイオード(Dup,Dvp,Dwp)と、
    前記下アーム側スイッチの各々に対して逆並列に接続された下アーム側ダイオード(Dun,Dvn,Dwn)と
    を有し、
    前記装置は、
    前記上アーム側スイッチ及び前記下アーム側スイッチの導通/非導通を、スイッチング速度を制御して行わせる制御信号(Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn)を生成する制御信号生成部(63)
    を備え、
    (i)一の前記上アーム側スイッチ(Qup)に対応する前記制御信号(Sup)は、前記一の前記上アーム側スイッチ(Qup)を非導通から導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記上アーム側スイッチ(Qvp,Qwp)に対応する二つの前記制御信号(Svp,Swp)が前記二つの前記上アーム側スイッチの非導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御;
    (ii)一の前記上アーム側スイッチ(Qup)に対応する前記制御信号(Sup)は、前記一の前記上アーム側スイッチ(Qup)を導通から非導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記上アーム側スイッチ(Qvp,Qwp)に対応する二つの前記制御信号(Svp,Swp)が前記二つの前記上アーム側スイッチの導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御
    (v)一の前記下アーム側スイッチ(Qun)に対応する前記制御信号(Sun)は、前記一の前記下アーム側スイッチ(Qun)を導通から非導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記下アーム側スイッチ(Qvn,Qwn)に対応する二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチの導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御;
    (vi)一の前記下アーム側スイッチ(Qun)に対応する前記制御信号(Sun)は、前記一の前記下アーム側スイッチ(Qun)を非導通から導通とする前記スイッチング速度を、他の二つの前記下アーム側スイッチ(Qvn,Qwn)に対応する二つの前記制御信号(Svn,Swn)が前記二つの前記下アーム側スイッチの非導通に対応する場合において、それ以外の場合よりも遅くする速度制御、
    の少なくともいずれかに従って前記スイッチング速度を制御する、インバータ制御装置。
  2. 前記速度制御(i)、(ii)の少なくともいずれか一つを、全ての前記上アーム側スイッチ(Qup,Qvp,Qwp)の前記スイッチング速度の制御に用いる,請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 前記速度制御(v)、(vi)の少なくともいずれか一つを、全ての前記下アーム側スイッチ(Qun,Qvn,Qwn)の前記スイッチング速度の制御に用いる,請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記交流電圧についての指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を受けて、前記指令値に基づいて、前記上アーム側スイッチ及び前記下アーム側スイッチのスイッチングパターン(P)を決定するパターン決定部(62)
    をさらに備え、
    前記パターン決定部(62)は、
    所定周期のキャリア(C)を発生するキャリア発生器(62a)と、
    前記指令値(Vu*,Vv*,Vw*)と前記キャリアとの比較を行って前記スイッチングパターン(P)を決定する比較器(62b)と
    を有する、請求項1〜3のいずれか一つに記載のインバータ制御装置。
  5. 前記スイッチングパターン(P)には二相変調方式が採用される、請求項4記載のインバータ制御装置。
  6. 前記制御信号生成部(63)は、
    前記指令値(Vu*,Vv*,Vw*)のうちのいずれが最大であるか、もしくは最小であるかの判断結果(M)を得る判断部(63a)と、
    前記スイッチングパターン(P)に基づいて、前記上アーム側スイッチ(Qup,Qvp,Qwp)の導通/非導通及び前記下アーム側スイッチ(Qun,Qvn,Qwn)の導通/非導通の、少なくともいずれかを決定する原制御信号(Su,Sv,Sw)を生成する原制御信号生成部(63b)と、
    前記判断結果に基づいて、前記原制御信号から前記制御信号(Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn)の波形を決定する波形決定器(63c)と
    を有する、請求項4または請求項5に記載のインバータ制御装置。
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