JP6969748B2 - 新規脂肪族ポリカーボネート、および、該ポリカーボネートを含むバインダー樹脂組成物 - Google Patents

新規脂肪族ポリカーボネート、および、該ポリカーボネートを含むバインダー樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、新規な脂肪族ポリカーボネート、および、それを含むバインダー樹脂組成物に関する。
近年、導電性粒子、セラミック、ガラス、蛍光体等の無機物をバインダー樹脂に分散させペーストとした後、成形、焼結することで、様々な形状の製品が製造されている。例えば、導電性粒子として金属微粒子を分散させた金属インクは、基板上への回路形成等に用いられ、セラミックを分散させたセラミックペーストはグリーンシートに成形した後、積層セラミックコンデンサの製造等に用いられる。
従来、バインダー樹脂としては、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル等が用いられてきたが、これらのバインダー樹脂は脱脂温度が300℃以上と高く、また、残留炭素が多いため、成形体等の製造において多大なエネルギーが必要であった。さらに、酸素と反応してしまう無機微粒子を扱う場合、非酸化性雰囲気下で脱脂することが好ましいが、この場合、脱脂に必要な温度はより高温になるか、一旦酸化性雰囲気下で脱脂後、還元性雰囲気下で焼結するという2段階プロセスを採用する必要があった。そこで、より低温で、非酸化性雰囲気下でも酸化性雰囲気下と同じ様に脱脂可能なバインダー樹脂が望まれていた。
その様な要求に対し、二酸化炭素とエポキシドとから製造されるポリカーボネートは、非酸化性雰囲気下であっても分解温度が200〜250℃と低く、これを低温分解バインダー樹脂として用いた金属ペースト、セラミックペースト、ガラスペースト等が検討されてきた(例えば特許文献1〜3)。
国際公開第2012/128028号 特開平5−24934号公報 特開2011−178606号公報
しかしながら、近年のさらなる省エネ化の要求や、あるいは例えば、フレキシブルデバイスの様に、プラスチック基板上に金属ペーストを使用して回路を形成しようとした場合、ほとんどのプラスチック基板の耐熱温度がバインダー樹脂の分解温度よりもさらに低いため、回路を形成することができないといった問題があり、より低い温度でも脱脂可能なバインダー樹脂が望まれていた。
本発明者らは、鋭意検討した結果、側鎖において、ブレンステッド酸を有機塩基で中和した構造、すなわち、側鎖に有機オニウム塩構造を有する脂肪族ポリカーボネートが低温で熱分解する性質を持つことを見出し、これをバインダー樹脂として用いると、低温(好ましくは220℃以下)でも十分に脱脂が可能であることを見いだし、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
式(1):
Figure 0006969748
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、Aはブレンステッド酸の共役塩基、HBは有機オニウムイオンを示す)で表される構成単位を含む脂肪族ポリカーボネート。
項2.
式(1)におけるHBが有機アミン化合物の共役酸である項1に記載の脂肪族ポリカーボネート。
項3.
前記有機アミン化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、及び7−メチル1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンからなる群より選択される少なくとも1種である、項2に記載の脂肪族ポリカーボネート。
項4.
式(1)におけるAがカルボン酸の共役塩基(COO)である、式(1’):
Figure 0006969748
で表される構成単位を含む、項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネート。
項5.
脂肪族ポリカーボネートが、さらに式(2):
Figure 0006969748
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示す。R〜Rのうち2つの基は、これらが結合する炭素原子とともに互いに結合して置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族環を形成していてもよい。Xは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、エーテル結合含有基、エステル結合含有基、又はアリル基を示す。)
で表される構成単位を含む、項1〜4のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネート。
項6.
式(1)で表される構成単位の含有量が0.01モル%〜30モル%であることを特徴とする項1〜5のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネート。
項7.
窒素雰囲気下における熱重量測定分析において、95%分解温度が220℃以下(より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下、よりさらに好ましくは175℃以下、170℃以下、又は165℃以下)である項1〜6のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネート。(より好ましくは、当該95%分解温度条件を満たし且つ5%分解温度が150℃以下である脂肪族ポリカーボネート、又は当該95%分解温度条件を満たし且つ50%分解温度が190℃以下である脂肪族ポリカーボネートであり、さらに好ましくは、当該95%分解温度条件を満たし且つ50%分解温度が190℃以下であり5%分解温度が150℃以下である脂肪族ポリカーボネート。)
項8.
項1〜7のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネートを含有するバインダー樹脂組成物。
本発明の脂肪族ポリカーボネートをバインダー樹脂として用いれば、大幅な省エネが可能になるのみならず、耐熱性の低い樹脂基板上での焼成も可能になる。
図1は、実施例1で得られた脂肪族ポリカーボネート、並びに、比較例1及び比較例2で得られた脂肪族ポリカーボネートのTG曲線である。
本発明にかかる、脂肪族ポリカーボネートは、式(1):
Figure 0006969748
(式中、R、R、及びRは、同一または異なって、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示し、Aはブレンステッド酸の共役塩基、HBは有機オニウムイオンを示す。)で表される構成単位を含む脂肪族ポリカーボネートを含む。
前記の通り、R1、R2及びR3は、同一又は異なっている。つまり、R1、R2及びR3が全て同一でもよく、R1及びR2が同一でR3は異なっていてもよく、R及びRが同一でRは異なっていてもよく、R1、R2及びR3が全て異なっていてもよい。
1、R2及びR3で示されるアルキル基の炭素数は、1〜10であり、好ましくは1〜4である。前記アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖状の置換又は非置換のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。前記アルキル基は、例えば、アルコキシ基、エステル基、シリル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、アリール基、ハロゲン原子等から選択される1又は2以上の置換基で置換されたものであってもよい。
また、R1、R2及びR3で示されるアリール基の炭素数は、6〜20であり、好ましくは6〜14である。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。前記アリール基は、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等)、別のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アルコキシ基、エステル基、シリル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子等から選択される1又は2以上の置換基で置換されたものであってもよい。
特に制限はされないが、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。中でも、R1、R2及びR3は全て水素原子であることが好ましい。
前記ブレンステッド酸の共役塩基Aとしては、カルボキシラート、アルコキシド、フェノキシド、スルホナート、スルフィナート、スルフェナート、イミデート、ホスホナート、ホスフィナートなどの共役塩基が挙げられ、カルボキシラート(COO)が特に好ましい。
前記有機オニウムイオンHBとしては、有機オキソニウムイオン、有機スルホニウムイオン、有機ホスホニウムイオン、有機アルソニウムイオン、アミニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、グアニジウムイオン、アミジニウムイオンなどが挙げられ、アミニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、グアジニウムイオン、アミジニウムイオンなどの有機アミンイオンが好ましく、アミニウムイオン、グアニジウムイオン、アミジニウムイオンが特に好ましい。より具体的には、以下のアミジニウムイオン:
Figure 0006969748
又は以下のアミニウムイオン:
Figure 0006969748
又は以下のグアニジウムイオン:
Figure 0006969748
が好ましく例示される。これらの中でも、当該アミジニウムイオン又は当該グアニジウムイオンが特に好ましい。
本発明の脂肪族ポリカーボネートは、式(1)で表される構成単位のみにより構成されるものであってよいが、式(1)で表される構成単位以外に、式(2):
Figure 0006969748
(式中、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示す。R4〜R6のうち2つの基は、これらが結合する炭素原子とともに互いに結合して置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族環を形成していてもよい。Xは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、エーテル結合含有基、エステル結合含有基、又はアリル基を示す。)
で表される構成単位を含んでいることが好ましい。
前記の通り、R、R及びRは、同一又は異なっている。つまり、R、R及びRが全て同一でもよく、R及びRが同一でRは異なっていてもよく、R及びRが同一でRは異なっていてもよく、R、R及びRが全て異なっていてもよい。
4、R5及びR6で示されるアルキル基の炭素数は、1〜10であり、好ましくは1〜4である。前記アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖状の置換又は非置換のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。前記アルキル基は、例えば、アルコキシ基、エステル基、シリル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、アリール基、ハロゲン原子等から選択される1又は2以上の置換基で置換されたものであってもよい。
また、R4、R5及びR6で示されるアリール基の炭素数は、6〜20であり、好ましくは6〜14である。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。前記アリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の別のアリール基、アルコキシ基、エステル基、シリル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子等から選択される1又は2以上の置換基で置換されたものであってもよい。
前記Xは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(特に直鎖又は分岐鎖状アルキル基)、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、エーテル結合含有基、エステル結合含有基、又はアリル基である。前記Xは、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、又はエチル基がより好ましい。
4〜R6のうち2つの基が互いに結合して、当該2つの基が結合する炭素原子とともに形成される、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族環としては、例えば、3〜8員環の脂肪族環が好ましく挙げられ、3〜8員環の非置換の飽和若しくは不飽和の脂肪族環がより好ましく、より具体的には、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環等が好ましく挙げられる。
Xで示されるアルキル基は直鎖又は分岐鎖状であってよく、その炭素数は、1〜10であり、好ましくは1〜4である。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基等がより好ましい。
前記ハロアルキル基の炭素数は、1〜10であり、好ましくは1〜4である。前記ハロアルキル基としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基の炭素数は、3〜12であり、好ましくは5〜10である。前記シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロへプチル基等が挙げられる。
前記エーテル結合含有基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基(例えば、アリルオキシ基)、炭素数6〜20のアリールオキシ基、トリアルキルシリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基)等で置換された炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、より具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、アリルオキシメチル基等が挙げられる。
前記エステル結合含有基としては、炭素数1〜4のアシルオキシ基、ベンジルオキシカルボキシ基等で置換された炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、アセトキシメチル基、ブチリロキシメチル基等が挙げられる。
中でも、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。特に、R4、R5及びR6は全て水素原子であることが好ましい。また、中でも、Xは、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、特にメチル基又はエチル基であることが好ましい。
本発明の脂肪族ポリカーボネートが、式(1)で表される構成単位以外に、式(2) で表される構成単位を含んでいる場合、特に制限はされないが、R1及びRが同じであり、R及びRが同じであり、R及びRが同じであることが好ましい。
なお、本発明の脂肪族ポリカーボネートは、本発明の効果を損なわない範囲で、式(1)で表される構成単位及び式(2) で表される構成単位以外に他の構成単位を含んでもよく、あるいは、式(1)で表される構成単位のみからなるもの、若しくは式(1)で表される構成単位及び式(2) で表される構成単位のみからなるもの、であってもよい。
本発明の脂肪族ポリカーボネートの製造方法としては、エポキシドと二酸化炭素とを金属触媒存在下で重合させる方法が挙げられる。
前記脂肪族ポリカーボネートにおいて、式(1)で表される構造を有する脂肪族ポリカーボネートを製造するために用いられるエポキシドとしては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、イミド酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基などが炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、アリル基、トリオキサビシクロ[2,2,2]オクチル基等の保護基により保護されていることが好ましい(末端に存在するOH基を保護することが好ましい)。このことから分かるように、式(1)におけるAは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、イミド酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基からHが脱離したものであることが好ましい。
このようなエポキシドの中でも、カルボキシ基が保護基により保護されているエポキシドが特に好ましい。そのようなエポキシドとしては、例えば、2−オキシラニル酢酸メチル、3−オキシラニルプロピオン酸メチル、2−オキシラニル酢酸ベンジル、3−オキシラニルプロピオン酸ベンジル、2−オキシラニル酢酸アリル、3−オキシラニルプロピオン酸アリル、2−オキシラニル酢酸tert−ブチル、3−オキシラニルプロピオン酸tert−ブチル、2−オキシラニル酢酸オキサビシクロ[2,2,2]オクチル、3−オキシラニルプロピオン酸オキサビシクロ[2,2,2]オクチル等が挙げられる。これらのエポキシドを二酸化炭素と共重合させて、カルボキシ基が保護されたカルボキシ基含有脂肪族ポリカーボネートの前駆体(被保護カルボキシル基含有脂肪族ポリカーボネート)を得た後に、適切な脱保護反応を行い、さらに、カルボキシ基を有機塩基で中和することにより、式(1)で表される構成単位を有する脂肪族ポリカーボネートが得られる。なかでも、合成の容易さの観点から、エポキシドとして2-オキシラニル酢酸ベンジルを用い、水素添加反応により脱保護し、有機溶媒中で有機塩基で中和する方法が好ましい。なお、この場合、式(1)のAがカルボン酸の共役塩基である、式(1’)で表される構成単位を有する脂肪族ポリカーボネートが製造される。
式(2)で表される構成単位を有する脂肪族ポリカーボネートを製造するために用いられるエポキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−ドデセンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキサンオキシド、3−フェニルプロピレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシド、3−ナフチルプロピレンオキシド、3−フェノキシプロピレンオキシド、3−ナフトキシプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3−ビニルオキシプロピレンオキシドおよび3−トリメチルシリルオキシプロピレンオキシド等が挙げられ、中でも、高い反応性を有する観点から、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが特に好ましい。
前記金属触媒としては、例えば、亜鉛系触媒、アルミニウム系触媒、クロム系触媒、コバルト系触媒等が挙げられる。これらの中でも、エポキシドと二酸化炭素との重合反応において、高い重合活性を有することから、亜鉛系触媒またはコバルト系触媒が好ましく用いられる。
亜鉛系触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛触媒;一級アミン、2価のフェノール(ベンゼンジオール)、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸等の化合物と亜鉛化合物とを反応させることにより得られる有機亜鉛触媒等が挙げられる。これらの有機亜鉛触媒の中でも、より高い重合活性を有することから、亜鉛化合物と脂肪族ジカルボン酸と脂肪族モノカルボン酸とを反応させて得られる有機亜鉛触媒が好ましく、酸化亜鉛とグルタル酸と酢酸とを反応させて得られる有機亜鉛触媒がより好ましい。
前記コバルト系触媒としては、例えば、式(3):
Figure 0006969748
(式中、R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族基、又は置換もしくは非置換の芳香族複素環基であるか、又は2個のR7もしくは2個のR8が互いに結合して置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族環を形成してもよく;R9、R10及びR11は、同一又は異なって、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換の芳香族基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアシル基、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換の芳香族オキシカルボニル基、置換もしくは非置換のアラルキルオキシカルボニル基であるか、又は隣り合う炭素原子上のR10とR11とが互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族環又は置換もしくは非置換の芳香環を形成してもよく;Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、CF3SO3 -、p-CH364SO3 -、BF4 -、NO2 -、NO3 -、OH-、PF6 -、BPh4 -、SbF6 -、ClO4 -、OTf-、OTs-、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及び芳香族オキシドからなる群より選択されるアニオン性配位子である)
で表されるコバルト錯体を用いることができる。
式(3)で表されるコバルト錯体のなかでも、式(4):
Figure 0006969748
(式中、R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族基、又は置換もしくは非置換の芳香族複素環基であるか、又は2個のR7もしくは2個のR8が互いに結合して置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族環を形成してもよく;複数のR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換もしくは非置換の芳香族基、又はハロゲン原子であり、Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、CF3SO3 -、p-CH364SO3 -、BF4 -、NO2 -、NO3 -、OH-、PF6 -、BPh4 -、SbF6 -、ClO4 -、OTf-、OTs-、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及び芳香族オキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である)
で表されるコバルト錯体が好ましい。
式(4)で表されるコバルト錯体の中で、好適な具体例として、次の式(4-1)〜(4-5)で表されるコバルト錯体が挙げられる。
Figure 0006969748
前記重合反応に用いられる金属触媒の使用量は、重合反応の進行を促進する観点から、エポキシド100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、使用量に見合う効果を得る観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
前記重合反応は、必要に応じて、金属触媒に加えて、助触媒の存在下で行ってもよい。助触媒としては、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムクロリド(PPNCl)、ピペリジン、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムフルオリド(PPNF)、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムペンタフルオロベンゾエート(PPNOBzF5)、テトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド(nBu4NCl)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマイド(nBu4NBr)、テトラ-n-ブチルアンモニウムアイオダイド(nBu4NI)、テトラ-n-ブチルアンモニウムアセテート(nBu4NOAc)、テトラ-n-ブチルアンモニウムナイトレート(nBu4NO3)、トリエチルホスフィン(Et3P)、トリ-n-ブチルホスフィン(nBu3P)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)、ピリジン、4-メチルピリジン、4-ホルミルピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルイミダゾール、N-エチルイミダゾール、N-プロピルイミダゾール等が挙げられる。これらのなかでは、PPNCl、PPNF、PPNOBzF5及びnBu4NClが好ましく、高い反応活性を有する観点から、PPNCl及びPPNFがより好ましい。
助触媒の使用量は、金属触媒1モルに対して、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.3〜5モル、さらに好ましくは0.5〜1.5モルである。
前記重合反応には、必要に応じて反応溶媒を用いてもよい。反応溶媒としては、特に限定されず、種々の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、エチルクロリド、トリクロロエタン、1-クロロプロパン、2-クロロプロパン、1-クロロブタン、2-クロロブタン、1-クロロ-2-メチルプロパン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
反応溶媒の使用量は、反応を円滑に進行させる観点から、エポキシド100質量部に対して、100〜10000質量部が好ましい。
エポキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で重合反応させる方法としては、特に限定されないが、例えば、オートクレーブに、エポキシド、金属触媒、及び必要により助触媒、反応溶媒等を仕込み、混合した後、二酸化炭素を圧入して、反応させる方法が挙げられる。
前記重合反応において用いられる二酸化炭素の使用量は、エポキシド1モルに対して、好ましくは1〜10モル、より好ましくは1〜5モル、さらに好ましくは1〜3モルである。
前記重合反応において用いられる二酸化炭素の使用圧力は、特に限定されないが、反応を円滑に進行させる観点から、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.2MPa以上、さらに好ましくは0.5MPa以上であり、使用圧力に見合う効果を得る観点から、好ましくは20MPa以下、より好ましくは10MPa以下、さらに好ましくは5MPa以下である。
前記重合反応における重合反応温度は、特に限定されない。反応時間短縮の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上であり、副反応を抑制し、収率を向上させる観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。
重合反応時間は、重合反応条件により異なるために一概には決定できないが、例えば、1〜40時間程度であることが好ましい。
かくして得られる脂肪族ポリカーボネートにおいて、式(1)で表される構成単位の含有量は、脂肪族ポリカーボネートを構成する全構成単位中、熱分解後の残留炭素を低減する観点から、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。また、分解温度を低下させる観点から、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、さらに好ましくは0.5モル%以上、よりさらに好ましくは1モル%以上である。かかる観点から、式(1)で表される構成単位の含有量は、脂肪族ポリカーボネートを構成する全構成単位中、好ましくは0.01〜30モル%、より好ましくは0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜20モル%、よりさらに好ましくは1〜10モル%である。
なお、上述の通り、本発明の脂肪族ポリカーボネートは、本発明の効果を損なわない範囲で、式(1)で表される構成単位以外に他の構成単位を含んでもよく、このような構成単位としては、例えば式(2)で表される構成単位が挙げられる。また、式(1)で表される構成単位において、「−AHB」が「−A」である構成単位も例示できる。つまり、より具体的には、当該構成単位は、式(1a):
Figure 0006969748
(式中、R、R及びRは前記に同じであり、Aはブレンステッド酸基を示す)で表される構成単位である。
ここで、Aで示されるブレンステッド酸基としては、その共役塩基Aがカルボキシラート、アルコキシド、フェノキシド、スルホナート、スルフィナート、スルフェナート、イミデート、ホスホナート、ホスフィナートなどの共役塩基となる基が好ましく、より具体的には、カルボキシル基(−COOH)、ヒドロキシル基(−OH)、2,3,若しくは4−ヒドロキシフェニル基(−C−OH)、スルホン基(−SOH)、スルフィノ基(−SOH)、スルフェン基(−SOH)、イミド酸基、ホスホン基(−P(=O)(OH))、ホスフィン基(−P(=O)(OH)H)などが好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。Aがカルボキシル基であるとき、当該構成単位は、式(1a’):
Figure 0006969748
(式中、R、R及びRは前記に同じ)
で表される構成単位である。
本発明の脂肪族ポリカーボネートは、例えば、式(1)で表される構成単位のみからなるもの、式(1)で表される構成単位及び式(1a)で表される構成単位のみからなるもの、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位のみからなるもの、又は式(1)で表される構成単位、式(1a)で表される構成単位、及び式(2)で表される構成単位のみからなるもの、であってもよい。
なお、本発明の脂肪族ポリカーボネートに、式(1)で表される構成単位及び式(1a)で表される構成単位が含まれる場合(特に好ましくは、式(1)で表される構成単位及び式(1a)で表される構成単位のみからなる場合)、式(1a)で表される構成単位中の「A」と式(1)で表される構成単位中の「A」は互いに独立していても同じ(つまり「A」=「A」)であってもよく、同じであることが好ましい。すなわち、(1)で表される構成単位中のブレンステッド酸の共役塩基「A」は、式(1a)で表される構成単位中のブレンステッド酸「A」の共役塩基であることが好ましい。
また、本発明の脂肪族ポリカーボネートに、式(1)で表される構成単位及び式(1a)で表される構成単位が含まれる場合において、脂肪族ポリカーボネートに含まれる式(1)で表される構成単位及び式(1a)で表される構成単位の全量(モル%)を100とした時、式(1)で表される構成単位の量は30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましい。また、60以上、70以上、80以上、90以上、又は95以上であってもよい。特に「A」と「A」が同じ(つまり、「A」=「A」)である場合には、当該式(1)で表される構成単位の量を示す数値は中和度を表しているということもできる。
また、各構成単位の含有量については、実施例の「脂肪族ポリカーボネート中の式(1)で表される構成単位の含有量」に記載の方法で式(1)で表される構成単位の含有量を求めることができ、さらに中和度等の情報を加えて算出することで、その他の構成単位の含有量も求められる。
前記脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量の下限は、好ましくは3000、より好ましくは5000、さらに好ましくは8000、よりさらに好ましくは10000、特に好ましくは100000であり、上限は、好ましくは2000000、より好ましくは1000000、特に好ましくは500000である。脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量が3000以上の場合、ペーストの粘度がバインダー樹脂として用いるのに好ましい。また、脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量が2000000以下の場合、脂肪族ポリカーボネートの前記溶媒への溶解性が好ましく、取り扱い性が良好である。なお、質量平均分子量は、次のようにして求めた値である。
脂肪族ポリカーボネート濃度が0.5質量%のクロロホルム溶液を調製し、高速液体クロマトグラフを用いて測定する。測定後、同一条件で測定した質量平均分子量が既知のポリスチレンと比較することにより、質量平均分子量を算出する。用いた脂肪族ポリカーボネートが式(1)のAを含む側鎖を中和する前の脂肪族ポリカーボネートである場合には、樹脂中の当該側鎖を含有する構成単位(すなわち、式(1)で表される構成単位)の割合及び構成単位の分子量に基づいて、中和後の脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量に換算することができる。
また、測定条件は、以下の通りである。
カラム:GPCカラム(昭和電工株式会社の商品名、Shodex K-804L)
カラム温度:40℃
溶出液:クロロホルム
流速:1.0mL/min
本発明の脂肪族ポリカーボネートは、前記の如く、有機オニウム塩構造を側鎖に有しており、当該構造を有することにより、熱分解温度が低温である。より詳細には、本発明の脂肪族ポリカーボネートは、窒素雰囲気下における熱重量分析測定において、95%分解温度が220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましく、175℃以下、170℃以下、又は165℃以下であることがよりさらに好ましい。当該温度以下において、本発明の脂肪族ポリカーボネートを、熱分解することが可能である。
またさらに、5%分解温度が150℃以下であると好ましく、145℃以下であるとより好ましく、140℃以下であるとさらに好ましく、135℃以下であるとよりさらに好ましい。またさらに、50%分解温度が190℃以下であると好ましく、170℃以下であるとより好ましく、165℃以下であるとさらに好ましく、160℃以下であるとよりさらに好ましく、155℃以下であると特に好ましい。なお、上記95%分解温度条件を満たすと共に上記5%分解温度条件を満たす脂肪族ポリカーボネート、又は上記95%分解温度条件を満たすと共に上記50%分解温度条件を満たす脂肪族ポリカーボネートが中でも好ましく、上記95%分解温度条件を満たすと共に上記50%分解温度条件及び5%分解温度条件を満たす脂肪族ポリカーボネートが特に好ましい。
熱分解温度は、式(1)で表される構成単位の含有量、またはA、HBの構造の組み合わせにより調整することができる。なお、5%分解温度は10℃/minで昇温したときに質量減少が5%となった温度、50%分解温度は10℃/minで昇温したときに質量減少が50%となった温度、95%分解温度は10℃/minで昇温したときに質量減少が95%となった温度、である。
本発明の脂肪族ポリカーボネートは、焼結後の残留炭素が少なく、低温(好ましくは220℃以下)での脱脂処理が可能であるため、成形体の製造に用いるバインダー樹脂として有用である。バインダー樹脂として本発明の脂肪族ポリカーボネートを用いることにより、脱脂工程の大幅な省エネが可能になるのみならず、耐熱性があまり高くない基板への適用も可能である。
本発明のバインダー樹脂組成物は、本発明の脂肪族ポリカーボネートそのものであってもよいし、例えば、本発明の脂肪族ポリカーボネートを溶解可能な溶媒に溶解させて製造したものであってもよい。また、本発明のバインダー樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の脂肪族ポリカーボネート以外の他の脂肪族ポリカーボネートを含有してもよい。当該他の脂肪族ポリカーボネートは、バインダー樹脂として用い得ることが公知であるものが好ましい。
本発明のバインダー樹脂組成物は、例えば、脂肪族ポリカーボネートを溶解可能な溶媒に本発明の脂肪族ポリカーボネートを溶解させて、得ることができる。
脂肪族ポリカーボネートを溶解可能な溶媒としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ターピネオール、ターピネオールアセテート、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、テキサノール、イソホロン、乳酸ブチル、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ベンジルアルコール、フェニルプロピレングリコール、クレゾール、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート等が挙げられる。なかでも、適度に沸点が高く、焼結時に均一に揮発しやすいという観点から、N−メチル−2−ピロリドン、ターピネオール、ターピネオールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テキサノール、及びプロピレンカーボネートが好ましい。なお、これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒の混合量は、得られるバインダーのハンドリングのし易さの観点から、用いる全脂肪族ポリカーボネート100質量部に対して、好ましくは100〜2000質量部、より好ましくは200〜1500質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
本発明のバインダー樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、密着促進剤、界面活性剤、可塑剤、保存安定剤、消泡剤等が挙げられる。
密着促進剤としては、アミン系シランカップリング剤、グリシジル系シランカップリング剤等が挙げられる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン系界面活性剤、脂肪酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、ポリエーテルポリオール、フタル酸エステル等が挙げられる。保存安定剤としては、アミン化合物、カルボン酸化合物、リン化合物、硫黄化合物、トリアゾール系化合物等が挙げられる。消泡剤としては、疎水性シリカ、ポリアルキレン誘導体、ポリエーテル誘導体等が挙げられる。
バインダー樹脂組成物における添加剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対し、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。
以下に、製造例、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例等で得られたポリカーボネートの物性は以下の方法により測定した。
〔脂肪族ポリカーボネート中の式(1)で表される構成単位の含有量〕
1H−NMRにより樹脂中の構成単位の組成比を分析し、脂肪族ポリカーボネート中のカルボキシ基含有割合を式(1)で表される構成単位の含有量とする。
本実施例では、脂肪族ポリカーボネートを重クロロホルム中、25℃で1H−NMRを測定し、5.0ppm付近に現れるカーボネート基に隣接するメチン基由来のピークの積分値(A)と、2.8ppm付近に現れるカルボキシ基に隣接するメチレン基由来のピークの積分値(B)を求め、以下の計算式よりカルボキシ基含有割合を算出する。
カルボキシ基含有割合(モル%)=B/(2×A)×100
また、カルボキシ基含有割合が小さいとき、上記方法では算出が困難な場合がある。その場合は、カルボキシ基が保護されたカルボキシ基含有脂肪族ポリカーボネート前駆体からカルボキシ基含有脂肪族ポリカーボネートを得る工程で、カルボキシ基の量は変化しないとみなし、前駆体を重クロロホルム中、25℃で1H−NMRを測定し、保護基に含まれる基7.3〜7.4ppm付近に現れるフェニル基由来のピークの積分値(C)と、保護基を含まない構成単位に含まれる基1.3〜1.4ppm付近に現れるメチル基由来のピークの積分値(D)を求め、以下の計算式よりカルボキシ基含有割合を算出する。
カルボキシ基含有割合(モル%)=5×D/(3×C+5×D)×100
これにより得られるカルボキシ基含有割合と、その含有量に対して反応させた有機塩基の割合から式(1)で表される構成単位の含有量を算出する。
〔脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量(Mw)〕
脂肪族ポリカーボネート濃度が0.5質量%のクロロホルム溶液を調製し、高速液体クロマトグラフを用いて測定する。測定後、同一条件で測定した質量平均分子量が既知のポリスチレンと比較することにより、質量平均分子量を算出する。また、測定条件は、以下の通りである。
カラム:GPCカラム(昭和電工株式会社の商品名、Shodex K-804L)
カラム温度:40℃
溶出液:クロロホルム
流速:1.0mL/min
〔脂肪族ポリカーボネートの5%分解温度、50%分解温度、及び95%分解温度〕
リガク社製Thermo plus EVO2/TG-DTAを用い、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で室温から400℃まで昇温して、熱分解挙動を測定する。熱分解温度は、試験加熱開始前の質量を基準に、各質量減少温度を読み取る。
具体的には、分解前質量をW、分解中の質量をWとしたとき、(W−W)/W×100=5(%)となる温度が5%分解温度であり、(W−W)/W×100=50(%)となる温度が50%分解温度であり、(W−W)/W×100=95(%)となる温度が95%分解温度である。
[製造例1](コバルト触媒の製造)
攪拌機、ガス導入管を備えた0.2L容3つ口フラスコに、(S,S)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(Aldrich社より購入)5.0g(8.3mmol)、安息香酸1.04g(8.5mmol)、ジクロロメタン100mLを仕込み、空気を導入しながら12時間攪拌し反応させた。揮発分を減圧留去した後、得られた個体を冷ヘキサン100mLで洗浄し、前記式(4−2)で表されるコバルト錯体を茶色固体として得た(収量5.8g、収率98.5%)
[製造例2](2−オキシラニル酢酸ベンジルの製造)
Figure 0006969748
攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた1L容の四つ口フラスコに、3-ブテン酸51.3g(0.59mol)、ピリジン117.9g(1.49mol)、及びジクロロメタン752gを仕込んだ。次に、反応容器を氷水浴で10℃以下まで冷却し、窒素雰囲気下、滴下ロートからクロロギ酸ベンジル106.7g(0.62mol)を2.5mL/minの速度で添加し、内温が20℃を超えないように8時間攪拌して反応させた。その後、析出した固体をろ過で除去し、ろ液を飽和塩化アンモニア水で洗浄し、過剰のピリジンを除去した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、ジクロロメタンを留去した。残留する黄色液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=40/1(v/v)、Rf値0.33)で精製し、3-ブテン酸ベンジルを薄黄色液体として得た(収量74.4g、収率72.3%)。
Figure 0006969748
攪拌機、窒素ガス導入管、温度計を備えた1L容の四つ口フラスコに、3-ブテン酸ベンジルエステル37.6g(0.21mol)及びジクロロメタン528gを仕込み、反応容器を氷水浴で5℃以下まで冷却し、窒素雰囲気下、70%m-クロロ過安息香酸100g(0.40mol)を10回に分けて加えた。内温が20℃を超えないように18時間攪拌して反応させた。その後、内温が5℃以下になるまで冷却し、生じた固体をろ過で除去し、得られたろ液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、及び飽和重曹水を添加し、未反応のm-クロロ過安息香酸を消費させた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、ジクロロメタンを留去した。残留する黄色液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1(v/v)、Rf値0.31)で精製し、2-オキシラニル酢酸ベンジルを薄黄色液体として得た(収量37.8g、収率92.0%)。
(実施例1)(脂肪族ポリカーボネートの製造)
Figure 0006969748
1L容のオートクレーブに製造例1より得られたコバルト触媒を0.031g(0.032mmol),ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムクロリド0.020g(0.024mmol)を仕込み、プロピレンオキシド5.0mL(71mmol)、製造例2で得られたエポキシド(2-オキシラニル酢酸ベンジル)0.42mL(2.1mmol)を仕込んだ。次に、攪拌下、二酸化炭素を加え、反応系内が1.5MPaとなるまで二酸化炭素を充填した。その後、25℃で21時間重合反応を行なった。反応終了後、脱圧し、内容物をメタノールに注ぎ白色固体を析出させた。得られた白色固体を減圧乾燥してポリカーボネート6.0gを得た。得られたポリカーボネートの質量平均分子量は11300であり、ベンジルエステル基の導入量は2mol%であった。
得られたポリカーボネートの構造は、H−NMRにより同定した。
Figure 0006969748
Figure 0006969748
次に、攪拌機、ガス導入管、温度計を備えた1L容の四つ口フラスコに、前記で得られたポリカーボネート4.7g、10%パラジウム炭素1.2g、酢酸エチル20mL、メタノール10mLを仕込み、反応容器内を水素で置換し、水素1気圧下、40℃で20時間攪拌して反応させた。固体をろ過で除去し、得られたろ液を濃縮し、ろ液をメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを乾燥させ、カルボキシ基含有ポリカーボネートを4.1g得た。得られたポリカーボネートの質量平均分子量は9000であった。
得られたポリカーボネートの構造は、H−NMR及び13C−NMRにより同定した。
Figure 0006969748
次に、前記で得られたカルボキシ基含有ポリカーボネート50mgを塩化メチレン2mLに溶解させ、そこに1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン1.4mg(2mol%)を加え、室温で30分攪拌した。得られた溶液を濃縮し、乾燥させ、側鎖が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンで中和されたポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの質量平均分子量は9000であり、5%熱分解温度は120℃、50%分解温度は144℃、95%熱分解温度は161℃であった。
なお、上記の通り、前駆体においてベンジルエステル基(保護基)の導入量は2mol%であり、よって脱保護基により得られたカルボキシル基の導入率も2mol%であり、従って、中和により得られるカルボン酸の共役塩基(COO)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンの有機オニウムイオンを側鎖に含む構成単位の含有量も2mol%である。(中和度100%)
なお、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンの構造式は次の通りである。
Figure 0006969748
(実施例2)
中和に用いる有機アミンを1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン1.4mg(2mol%)から1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)1.0mg(2mol%)に変えた以外は、実施例1と同様の反応を行い、側鎖がDABCOで中和されたポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの質量平均分子量は9000であり、5%熱分解温度は131℃、50%分解温度は190℃、95%分解温度は219℃であった。
なお、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの構造式は次の通りである。
Figure 0006969748
(実施例3)
中和に用いる有機アミンを1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン1.4mg(2mol%)から7−メチル1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン1.4mg(2mol%)に変えた以外は、実施例1と同様の反応を行い、側鎖が7−メチル1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンで中和されたポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの質量平均分子量は9100であり、5%熱分解温度は130℃、50%分解温度は144℃、95%分解温度は155℃であった。
なお、7−メチル1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの構造式は次の通りである。
Figure 0006969748
(実施例4)
中和に用いる7−メチル1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの添加量を1.4mg(2mol%)から0.7mg(1mol%)に変えた以外は、実施例3と同様の反応を行い、側鎖が2mol%のうち1mol%のみ7−メチル1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンで中和されたポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの質量平均分子量は9100であり、5%熱分解温度は138℃、50%分解温度は150℃、95%分解温度は156℃であった。(中和度50%)
(比較例1)
エポキシドをプロピレンオキシドのみを用いて、実施例1と同様の条件で重合を行ない、ポリプロピレンカーボネートを得た。得られたポリプロピレンカーボネートの質量平均分子量は61000であり、5%熱分解温度は204℃、50%分解温度は217℃、95%分解温度は289℃であった。
(比較例2)
側鎖のカルボン酸を中和しない以外は、実施例1と同様の反応を行い、ポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの質量平均分子量は9100であり、5%熱分解温度は157℃、50%分解温度は176℃、95%分解温度は236℃であった。
(比較例3)
比較例1のポリカーボネートに1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを添加したところ、室温でも速やかに分解が起こった。
実施例1で得られた脂肪族ポリカーボネートと比較例1及び2で得られた脂肪族ポリカーボネートとについて、熱分解挙動を測定した。測定により得られたTG曲線を図1に示す。実施例1で得られた脂肪族ポリカーボネートでは、熱分解温度が大きく下がっていることが確認できた。
実施例と比較例より、ポリカーボネートの側鎖に酸部位を導入し、さらにそれを中和することにより、熱分解温度を大幅に下げることができることがわかった。また実施例と比較例3から、通常ポリカーボネートを速やかに分解してしまう強い有機塩基を加えても、本発明の脂肪族ポリカーボネートは分解されず、保存安定性に優れていることが分かった。
本発明を用いることにより、低温(好ましくは220℃以下)での焼成が可能になり、脱バインダー工程の大幅な省エネが可能になるのみならず、プラスチック基板上での適用も可能になる。

Claims (7)

  1. 式(1):
    Figure 0006969748
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、Aカルボン酸の共役塩基(COO 、HBは有機オニウムイオンを示す。)で表される構成単位を含む脂肪族ポリカーボネート。
  2. 式(1)におけるHBが有機アミン化合物の共役酸である請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート。
  3. 前記有機アミン化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、及び7−メチル1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の脂肪族ポリカーボネート。
  4. 脂肪族ポリカーボネートが、さらに式(2):
    Figure 0006969748
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示す。R〜Rのうち2つの基は、これらが結合する炭素原子とともに互いに結合して置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族環を形成していてもよい。Xは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、エーテル結合含有基、エステル結合含有基、又はアリル基を示す。)
    で表される構成単位を含む、請求項1〜のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネート。
  5. 式(1)で表される構成単位の含有量が0.01モル%〜30モル%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネート。
  6. 窒素雰囲気下における熱重量測定分析において、95%分解温度が220℃以下である請求項1〜のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネート。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の脂肪族ポリカーボネートを含有するバインダー樹脂組成物。
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