以下、本発明の原料処理装置およびシート製造装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のシート製造装置(第1実施形態)の構成を示す概略側面図である。図2および図3は、それぞれ、図1に示すシート製造装置が備える原料処理装置の構成を示す概略側面図である。図4は、図2中の矢印A方向から見た図である。図5および図6は、それぞれ、図1に示すシート製造装置が備える原料処理装置の袋体の交換過程を順に示す概略側面図である。図7は、図1に示すシート製造装置が備える原料処理装置の切換部の作動と加振部の作動との関係を示すタイミングチャートである。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をx軸、y軸およびz軸とする。また、x軸とy軸を含むxy平面が水平となっており、z軸が鉛直となっている。また、各軸の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」と言う。また、図1〜図3、図5および図6中(図8〜図11、図15および図16についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言うことがある。
図1に示すように、本発明の原料処理装置1は、繊維を含む原料M1(繊維含有原料)を解繊して解繊物M3を生成する解繊部13と、解繊物M3を第1選別物M4−1と第2選別物M4−2とに選別する選別部14と、第1選別物M4−1(解繊物M3)に含まれるダスト(不要解繊物)M4−3を、第1選別物M4−1(解繊物M3)から分離する分離部29としての機能を有するメッシュベルト151(第1ウェブ形成部15)と、メッシュベルト151(分離部29)で分離されたダストM4−3を捕捉する捕捉部3と、を備えている。
図2に示すように、捕捉部3は、通気性を有する袋体4であって、空気(気体)GSとともにダストM4−3が流入する流入口41を有し、流入口41を介して流入したダストM4−3を捕集する少なくとも1つ(本実施形態では1つ)の袋体4と、袋体4の内部を袋体4の外部に対して陽圧にする圧力調整部(吸引部)5と、袋体4に振動を付与する加振部6と、を備えている。
捕捉部3では、袋体4にダストM4−3が捕集されていくに従って、袋体4の内側の面43にダストM4−3が徐々に付着していく。この場合、袋体4に目詰まりが生じて、圧力調整部5による袋体4内の陽圧の程度が低下する。その結果、ダストM4−3を十分に捕集するのが困難となるおそれがある。
そこで、本発明によれば、後述したように、加振部6を作動させた際、その加振部6からの振動により、袋体4の内側の面43に付着したダストM4−3を剥離させる、すなわち、脱落させることができる(図3参照)。これにより、袋体4の目詰まりを防止することができ、よって、袋体4内を十分に陽圧に維持することができる。そして、ダストM4−3をより長期的に安定して捕捉することができる。
なお、捕捉部3は、本実施形態では管244の下流側に配置されているが(図1参照)、これに限定されず、管246の下流側等に配置されていてもよい。
本発明のシート製造装置(古紙再生装置)100は、原料処理装置1を備え、ダストM4−3が分離された状態の解繊物M3からシートSを製造するよう構成されている。
このような本発明によれば、前述した原料処理装置1の利点を享受しつつ、解繊物M3からシートS(紙)を製造する(再生する)ことができる。
図1に示すように、シート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部210と、ストック部220と、回収部27とを備えている。また、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236とを備えている。その他、シート製造装置100は、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263とを備えている。
また、本実施形態では、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、回収部27と、加湿部231と、加湿部232と、加湿部235と、ブロアー261と、ブロアー262とは、原料M1に対して、シートSの製造に適した処理する原料処理装置1として構成されている。なお、原料処理装置1の構成は、これに限定されず、例えば、原料供給部11、粗砕部12、選別部14、加湿部231、加湿部232、加湿部235およびブロアー261のうちの少なくとも1つが省略された構成となっていてもよい。
さらに、この原料処理装置1では、回収部27と、ブロアー262とは、ダストM4−3を捕捉する捕捉部3として構成されている。
なお、シート製造装置100が備える各部(例えば、原料処理装置1の圧力調整部5、加振部6の振動体61、切換部8等)の作動は、制御部28によって制御されている。また、この制御部28は、シート製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。この外部機器は、例えば、シート製造装置100とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、シート製造装置100とネットワーク(例えばインターネット)を介して接続されている場合等がある。
また、シート製造装置100では、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、第1ウェブ形成工程と、分断工程と、混合工程と、ほぐし工程と、第2ウェブ形成工程と、シート形成工程と、切断工程とがこの順に実行される。
以下、各部の構成について説明する。
原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程を行なう部分である。この原料M1としては、繊維(セルロース繊維)を含むシート状材料である。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。また、原料M1は、織布、不織布等、形態は問わない。また、原料M1は、例えば、紙、古紙を解繊して製造された(再生された)リサイクルペーパーや、合成紙のユポ紙(登録商標)であってもよいし、リサイクルペーパーでなくてもよい。また、本実施形態では、原料M1は、使用済みの古紙である。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を大気中(空気中)等の気中で粗砕する粗砕工程を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート(ホッパー)122とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルター(図示せず)を有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式(または温風気化式)の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管(流路)241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2を気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、ローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。
また、解繊部13は、ローターの回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ(気流)を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4−1と、第1選別物M4−1よりも大きい第2選別物M4−2とに選別される。第1選別物M4−1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっている。その平均長さは、1μm以上3000μm以下、断面50μm2以下であるのが好ましい。一方、第2選別物M4−2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4−1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4−2として選別される。
第1選別物M4−1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4−2は、ドラム部141に接続されている管(流路)243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側(下流側)が管241に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4−2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4−2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4−1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4−1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト(分離ベルト)151と、3つの張架ローラー152と、吸引部(サクション機構)153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4−1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4−1は、下流側に搬送される。
第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
なお、第1選別物M4−1には、例えば、メッシュベルト151に堆積せずに通過し得る解繊物M3や、その他、塵や埃等のダストM4−3が含まれているおそれがある。ダストM4−3は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。そして、このようなダストM4−3は、後述する回収部27に回収されることとなる。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃等のダストM4−3を空気ごと吸引することができる。
また、吸引部153は、管(流路)244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引されたダストM4−3は、回収部27に回収される。
回収部27には、管(流路)245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃等のダストM4−3が除去されたものとなる。また、ダストM4−3は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4−1を加湿することができ、よって、第1選別物M4−1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161により、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程を行なう部分である。この混合部17は、樹脂供給部171と、管(流路)172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部182とを接続しており、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、樹脂P1は、後の工程で繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
なお、樹脂供給部171から供給されるものとしては、樹脂P1の他に、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤、シートSの紙力を増強するための紙力増強剤等が含まれていてもよい。または、予めそれらを樹脂P1に含ませた(複合化した)ものを樹脂供給部171から供給してもよい。
また、管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、細分体M6と樹脂P1とが混合される。また、ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐすほぐし工程を行なう部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
また、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト(分離ベルト)191と、張架ローラー192と、吸引部(サクション機構)193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、管(流路)246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
なお、加湿部231〜加湿部236までに加えられる水分量(合計水分量)は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成するシート形成工程を行なう部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、カレンダーローラー203の間で第2ウェブM8を加熱せずに(樹脂P1を溶融させずに)加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、モーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、加熱ローラー204の間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、樹脂P1が溶融して、この溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部210に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、モーター(図示略)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部210が配置されている。切断部210は、シートSを切断する切断工程を行なう部分である。この切断部210は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部220に蓄積される。
前述したように、シート製造装置100は、原料処理装置1を備えている。そして、この原料処理装置1は、主として、原料M1を粗砕する粗砕部12と、原料M1が粗砕された粗砕片M2を解繊して解繊物M3を生成する解繊部13と、解繊物M3を第1選別物M4−1と第2選別物M4−2とに選別する選別部14と、第1選別物M4−1からダストM4−3を分離するメッシュベルト151(分離部29)を有する第1ウェブ形成部15と、メッシュベルト151によって分離されたダストM4−3を捕捉する捕捉部3と、を備えている。粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15とについては、前述している。ここでは、捕捉部3について説明する。
図2、図3に示すように、捕捉部3は、ダストM4−3を捕集する袋体4と、袋体4の内部を袋体4の外部に対して陽圧にする圧力調整部(吸引部)5と、袋体4に振動を付与する加振部6と、袋体4および加振部6を収納する収納ケース7と、袋体4に対するダストM4−3の流入(図2に示す状態)・流入停止(図3に示す状態)を切り換える切換部8とを備えている。
袋体4は、その内側にダストM4−3を捕集する捕集空間42を有する集塵袋である。袋体4(捕集空間42)の最大容積としては、特に限定されず、例えば、1.5L以上15L以下であるのが好ましく、5L以上10L以下であるのがより好ましい。
なお、シート製造装置100では、袋体4は、収納ケース7とともに、前記回収部27として構成されている。
袋体4は、管244が気密的に接続され、空気GSとともに管244を通過してきたダストM4−3が流入する流入口41を有している。そして、袋体4は、流入口41を介して流入したダストM4−3を捕集することができる(図2参照)。
また、袋体4は、通気性を有するものとなっている。これにより、流入口41を介して流入した空気GSは、そのまま袋体4を通過することができる(図2参照)。袋体4の通気性は、例えば、フラジール形法による測定値で、30cm3/cm2・s以上であるのが好ましく、50cm3/cm2・s以上150cm3/cm2・s以下であるのがより好ましい。
このように袋体4は、空気GSの通過を許可するが、ダストM4−3の通過を阻止して、ダストM4−3を捕捉するフィルターとして機能する。
袋体4は、可撓性を有する材料で構成されており、その材料としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン等のような樹脂材料、竹や麻等のような植物繊維材料等が挙げられる。
前述したように、捕捉部3は、袋体4を収納する収納ケース7を備えている。収納ケース7は、原料処理装置1内で固定して設けられ、袋体4よりも硬質の箱体で構成されている。この収納ケース7により、袋体4を安定して保護することができ、よって、例えば、袋体4が不本意に押圧されるのを防止することができる。仮に袋体4が不本意に押圧された場合、袋体4が押し込まれて変形し、その際、袋体4内のダストM4−3が袋体4から管244に戻される、すなわち、逆流するおそれがある。これに対し、捕捉部3では、収納ケース7によって袋体4が不本意に押圧されるのが防止されている。これにより、ダストM4−3の逆流を防止することができ、よって、ダストM4−3を捕捉した状態を維持することができる。
なお、収納ケース7は、袋体4を収納した際、その袋体4の位置を固定する固定部が設けられているのが好ましい。
また、収納ケース7は、上側に位置する天板71と、下側に位置する底板72と、天板71と底板72との間に位置する側壁板73とを有している。
側壁板73には、管244が気密的に接続される接続口731が形成されている。この接続口731は、側壁板73の厚さ方向に貫通した貫通孔で構成されている。そして、接続口731に接続された管244は、収納ケース7の内側に突出し、この突出した部分が袋体4の流入口41に接続される。
天板71には、管245が気密的に接続される接続口711が形成されている。この接続口711は、天板71の厚さ方向に貫通した貫通孔で構成されている。
また、管245には、接続口711側の部分に、フィルター25が設置されているのが好ましい。
前述したように、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。本実施形態では、圧力調整部5は、ブロアー262で構成されている。このブロアー262の作動により、袋体4の内部と、袋体4の外部(収納ケース7と袋体4との間の空間)とに圧力差を生じさせることができる。これにより、袋体4が膨張して捕集空間42が十分に形成されるとともに、この捕集空間42にダストM4−3を流入させることができる。
なお、ブロアー262としては、特に限定されず、例えば、流量が1m3/min以上のものを用いるのが好ましく、2m3/min以上10m3/min以下のものを用いるのがより好ましい。
また、圧力調整部5は、本実施形態では袋体4の外側からの吸引によって袋体4の内部を陽圧にするよう構成されているが、これに限定されず、袋体4の内側への加圧によって袋体4の内部を陽圧にするよう構成されていてもよい。
ところで、ダストM4−3は、袋体4に流入した際、空気GSに乗って袋体4の内側の面43に衝突し、そのまま内側の面43に付着した状態となる。また、この内側の面43に付着したダストM4−3には、さらに、ダストM4−3が衝突して、重なっていくこととなる(図2参照)。このような状態は、前記フィルターとして機能する袋体4の目詰まりの原因となり、前記フィルターとしての機能を維持するのが困難となるおそれがある。この場合、ダストM4−3を袋体4に流入させて、ダストM4−3を効果的に捕捉することが困難となる。
そこで、捕捉部3(原料処理装置1)では、このような不具合を解消するよう構成されている。以下、この構成および作用について説明する。
図3に示すように、加振部6は、袋体4に振動を付与するものであり、収納ケース7内に支持された振動体61と、振動体61からの振動を袋体4に伝達する振動伝達板62とを有している。
加振部6は、振動伝達板62に接しつつ振動する振動体61を有している。これにより、振動体61からの振動を、振動伝達板62を介すことで、袋体4のより広い表面に伝達させることができる。そして、このような振動により、袋体4の内側に付着したダストM4−3を剥離させ、袋体4の下部(底部)側にダストM4−3を脱落させることができる。よって、袋体4の目詰まりを低減することができる(図3参照)。これにより、袋体4のフィルター効果を持続させ、ダストM4−3をより長期的に捕捉し続けることができる。また、振動体61は、シート製造装置100の稼動中、稼働停止に関わらず、袋体4との位置関係(振動体61の姿勢)が維持されているため、袋体4に振動を安定して付与することができる。なお、袋体4から剥離したダストM4−3は、袋体4の下部(底部)に堆積していく。
本実施形態では、振動体61は、モーター613が内蔵された振動体本体611と、振動体本体611に揺動可能に支持された振動ヘッド612とを有する構成となっている。なお、振動体61は、このような構成に限定されない。
振動ヘッド612は、モーター613の作動により単振動する(揺動する)ことができる。この振動は、振動伝達板62を介して、袋体4に伝達する。なお、この振動の周波数は、特に限定されないが、例えば、20Hz以上200Hz以下であるのが好ましく、60Hz上120Hz以下であるのがより好ましい。また、振幅は、1mm以上10mm以下であるのが好ましく、1mm以上3mm以下であるのがより好ましい。
図3(図2についても同様)に示すように、加振部6は、袋体4に接して設けられている。そして、振動を袋体4に伝達する振動伝達板62は、袋体4よりも硬質の硬質体で構成されている。図4に示すように、振動伝達板62は、枠体63と、枠体63の中央部に架設された梁部材64と、枠体63の両側(図中の左右両側)をそれぞれ固定、支持する支持部材65とを有し、袋体4側から支持部材65、枠体63、梁部材64の順に重ねられた積層板である。
袋体4は、前述したように可撓性を有するものである。このため、袋体4の可撓性の程度によっては、振動体61が袋体4の外側の面44に直接的に接した状態で振動しても、その振動が袋体4に伝達しづらくなるおそれがある。そこで、袋体4よりも硬質の振動伝達板62を介して、振動体61からの振動を袋体4に伝達させる構成にすることにより、その伝達を効率よく行なうことができる。
枠体63は、その中央部に貫通して形成され、袋体4側と、その反対側(振動体61側)とに開口した開口部631が形成されている。このように、振動伝達板62は、枠体63が、貫通して形成された開口部631(貫通孔)を有する構成となっている。これにより、袋体4は、振動伝達板62が設置された部分での通気性が損なわれるのを低減することができる。
梁部材64は、開口部631をまたぐように、枠体63に接合された板部材である。図3に示すように、この梁部材64には、振動体61の振動ヘッド612が当接する。そして、この当接状態で振動体61が作動することにより、振動体61からの振動が、梁部材64、枠体63、支持部材65を順に経て、袋体4にまで伝達することができる。
各支持部材65は、開口部631を介して、枠体63の両側にそれぞれ配置されている。各支持部材65は、枠体63を袋体4の外側の面44に対して固定、支持する板部材である。
このような構成の振動伝達板62では、例えば、下記の態様となっているのが好ましい。
第1態様としては、枠体63、梁部材64および各支持部材65が弾性体となっている態様が挙げられる。
第2態様としては、枠体63および梁部材64が弾性体となっており、各支持部材65が剛体をなっている態様が挙げられる。
第3態様としては、枠体63および梁部材64が剛体となっており、各支持部材65が弾性体をなっている態様が挙げられる。
そして、各態様では、いずれも、振動伝達板62の少なくとも一部が弾性を有している。これにより、振動体61から振動で振動伝達板62が袋体4側に押圧されても、復元することができ、よって、振動体61が作動している間、袋体4に振動を継続的に伝達させることができる。
図3に示すように、振動伝達板62は、袋体4の流入口41が開口している側、すなわち、x方向正側を袋体4の正面側としたとき、正面側と反対側、すなわち、x方向負側となる袋体4の背面側に配置されているのが好ましい。
ダストM4−3は、袋体4に流入して内側の面43に付着する際、内側の面43のうち、ダストM4−3の進行方向前方に位置する部分、すなわち、袋体4の背面側の部分に付着する傾向にある。そのため、袋体4の内側の面43に付着したダストM4−3と同様に、振動伝達板62が袋体4の背面側に位置していることにより、当該付着したダストM4−3を、振動伝達板62を介して伝達された振動で、迅速かつ十分に離脱させることができる。
また、振動伝達板62は、流入口41よりも重力方向において高い位置に配置されているのが好ましい。
前述したように、収納ケース7の天板71の接続口711には、管245が接続されている。そして、この管245の途中に設置されたブロアー262が作動した際には、袋体4内のダストM4−3は、内側の面43のうち、流入口41よりも高い部分に優先的に付着する傾向にある。そのため、振動伝達板62が流入口41よりも高い位置に配置されていることにより、内側の面43の前記高い部分に付着したダストM4−3を、振動伝達板62を介して伝達された振動で、迅速かつ十分に離脱させることができる。振動伝達板62を介して伝達された振動により内側の面43の前記高い部分に付着したダストM4−3は、袋体4の下部(底部)に落下させることができる。
なお、振動伝達板62の配置位置は、本実施形態で述べた位置に限定されない。
また、ダストM4−3を十分に捕捉した袋体4は、新たな、すなわち、未使用状態の空の袋体4に交換される。この場合、図5、図6に示すように、振動伝達板62は、袋体4に対して着脱自在に装着されるのが好ましい。これにより、振動伝達板62を未使用状態の袋体4に装着して、再利用することができ、よって、経済的であり、環境保護の観点からも好ましい。
なお、ダストM4−3が収容された使用済みの袋体4は、流入口41に蓋(図示せず)を装着して、そのまま廃棄される。これにより、例えば、袋体4を交換した作業者が、袋体4内のダストM4−3を吸い込むのをより低減することができ、よって、より衛生的な廃棄が可能となる。
また、袋体4には、振動伝達板62の装着箇所を示すマーカー(図示せず)が付されているのが好ましい。これにより、袋体4に対し、振動伝達板62を正確な位置に装着することができる。
振動伝達板62は、袋体4に対して着脱自在に装着されるのに限定されず、例えば、振動伝達板62の構成材料によっては、袋体4とともに交換、廃棄されてもよい。これにより、袋体4を交換する際、振動伝達板62の着脱作業を省略することができ、その分、袋体4の交換作業を迅速に行うことができる。
捕捉部3は、流入口41へのダストM4−3の流入を許可する第1状態(図2参照)と、流入口41へのダストM4−3の流入を停止する第2状態(図3参照)とに切り換える切換部8を備えている。この切換部8は、管245の途中であって、ブロアー262よりも上流側に配置されている。なお、切換部8としては、特に限定されず、例えば、ソレノイドバルブ等を用いることができる。
図7に示すように、第1状態と第2状態とが繰り返される。そして、加振部6は、第2状態で、袋体4に振動を付与する、すなわち、加振する。また、第1状態では、加振部6は、袋体4に対する振動を停止する、すなわち、加振を停止する。
例えば、第1状態で加振を行なった場合、ダストM4−3は、内側の面43から剥離しても内側の面43に再付着してしまうおそれがある。そのため、加振を行なう際には、ダストM4−3の流入を一旦停止することにより、ダストM4−3が内側の面43に付着するのを低減することができる。
<第2実施形態>
図8は、本発明の原料処理装置(第2実施形態)が備える袋体を示す斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の原料処理装置およびシート製造装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、袋体の外形形状および流入口の形成位置が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態では、袋体4は、膨張時の外形形状が直方体(または立方体)をなす。これにより、袋体4の外側の面44は、x方向正側に臨む第1面441と、x方向負側に臨む第2面442と、y方向正側に臨む第3面443と、y方向負側に臨む第4面444と、z方向正側に臨む第5面445と、z方向負側に臨む第6面446とに分けられる。流入口41は、第1面441に形成されている。
そして、流入口41は、袋体4の流入口41が開口している側、すなわち、第1面441を正面側としたとき、正面(第1面441)の中心からy方向正側にズレた箇所(シフトした箇所)に位置している。これにより、空気GSとともにダストM4−3が流入口41から流入した際、これらは、袋体4内でz軸回りの旋回流RFを形成する。旋回流RFは、第5面445側から見たとき、反時計回りに旋回する。この旋回流RFにより、袋体4内の内側の面43に沿うようにダストM4−3が回旋することでより効果的にフィルターを作用させることができる。また、例えば、袋体4の内側の面43に付着したダストM4−3を剥離し易い状態とすることができる。
<第3実施形態>
図9は、本発明の原料処理装置(第3実施形態)が備える袋体を示す斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の原料処理装置およびシート製造装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、袋体の流入口の形成位置が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
図9に示すように、流入口41は、袋体4の流入口41が開口している側、すなわち、第1面441を正面側としたとき、正面(第1面441)の中心からy方向負側にズレた位置(シフトした位置)に設けられて(位置して)いる。これにより、空気GSとともにダストM4−3が流入口41から流入した際、これらは、袋体4内でz軸回りの旋回流RFを形成する。旋回流RFは、第5面445側から見たとき、時計回りに旋回する。この旋回流RFにより、袋体4内の内側の面43に沿うようにダストM4−3が回旋することでより効果的にフィルターを作用させることができる。また、例えば、袋体4の内側の面43に付着したダストM4−3を剥離し易い状態とすることができる。このように本実施形態では、旋回流RFは、その旋回方向が前記第2実施形態での旋回流RFの旋回方向と反対となっているが、前記第2実施形態と同様の効果を得る。
<第4実施形態>
図10は、本発明の原料処理装置(第4実施形態)が備える袋体を示す斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の原料処理装置およびシート製造装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、袋体の外形形状が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
図10に示すように、本実施形態では、袋体4は、膨張時の外形形状が円筒体をなす。これにより、袋体4の外側の面44は、z軸回りの全方向に臨む第1面447と、z方向正側に臨む第2面448と、z方向負側に臨む第3面449とに分けられる。流入口41は、第1面447に形成されている。また、本実施形態では、流入口41は、x方向正側に管状に突出している。
そして、流入口41は、袋体4の流入口41が開口している側、すなわち、図10ではx方向正側を正面側としたとき、正面の中心からy方向正側にズレた位置(シフトした位置)に設けられて(位置して)いる。これにより、空気GSとともにダストM4−3が流入口41から流入した際、これらは、袋体4内でz軸回りの旋回流RFを形成する。旋回流RFは、第2面448側から見たとき、反時計回りに旋回する。この旋回流RFにより、袋体4内の第1面447の内側に沿うようにダストM4−3が回旋することでより効果的にフィルターを作用させることができる。また、例えば、袋体4の内側の面43に付着したダストM4−3を剥離し易い状態とすることができる。
<第5実施形態>
図11は、本発明の原料処理装置(第5実施形態)が備える袋体を示す斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の原料処理装置およびシート製造装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、振動伝達板の構成が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
図11に示すように、振動伝達板62は、枠体63の開口部631の内側に2つの梁部材64が一体的に形成されている。また、2つの梁部材64のうちの一方の梁部材64は、x方向に沿って延在し、他方の梁部材64は、y方向に沿って延在しており、互いに交差している。なお、各梁部材64の延在方向は、このような方向に限定されない。
このような構成の振動伝達板62により、例えば、袋体4への振動伝達効率を向上させることができる。
<第6実施形態>
図12は、本発明の原料処理装置(第6実施形態)が備える袋体を示す概略平面図である。
以下、この図を参照して本発明の原料処理装置およびシート製造装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、捕捉部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図12に示すように、捕捉部3は、袋体4の背面側、すなわち、x方向負側の部分(以下「背面部45」と言う)に張力を付与する張力付与部9を備えている。張力付与部9は、背面部45を挟持する一対のクリップ91を有している。そして、各クリップ91が背面部45を挟持した状態で、各クリップ91同士を離間する方向に移動させることにより、背面部45に張力が付与される。この背面部45には、振動体61が接している。これにより、振動伝達板62が省略されていても、袋体4には、振動が伝達される。
なお、振動伝達板62は、本実施形態では省略されているが、これに限定されず、背面部45に設置されていてもよい。
<第7実施形態>
図13および図14は、それぞれ、本発明の原料処理装置(第7実施形態)の構成を示す概略平面図である。図15は、図13中のB−B線断面図である。図16は、図14中のC−C線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の原料処理装置およびシート製造装置の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、捕捉部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図13、図14に示すように、捕捉部3は、袋体4を2つ備えている。以下では、2つの袋体4のうちの一方の袋体4を「第1袋体4A」と言い、他方の袋体4を「第2袋体4B」と言う。
また、収納ケース7内は、仕切り部74によって2つの空間に分けられており、各空間に第1袋体4Aおよび第2袋体4Bがそれぞれ加振部6とともに収納されている。
また、管244は、分岐部244aで2つに分岐しており、第1袋体4Aと第2袋体4Bとに接続されている。
切換部8は、捕捉部3にて、第1袋体4A(2つの袋体4のうちの一方の袋体4)が加振されていない第1状態としたときに、第2袋体4B(他方の袋体4)が加振されている第2状態とするように作動する第1態様(図13参照)と、第1袋体4A(一方の袋体4)が加振されている第2状態としたときに、第2袋体4B(他方の袋体4)が加振されていない第1状態とするように作動する第2態様(図14参照)とが繰り返される。
このような構成により、図13に示す状態(第1態様)では、第1袋体4AでダストM4−3を捕捉している間に、第2袋体4BでのダストM4−3の付着を解消することができる。また、図14に示す状態(第2態様)では、第2袋体4BでダストM4−3を捕捉している間に、第1袋体4AでのダストM4−3の付着を解消することができる。これにより、ダストM4−3の捕捉を連続的に行ないつつ、ダストM4−3の付着も解消することができる。
図13、図14に示すように、切換部8は、第1袋体4Aおよび第2袋体4Bに対して上流側に配置されている。本実施形態では、切換部8は、第1袋体4A側の第1切換部8Aと、第2袋体4B側の第2切換部8Bとで構成されている。第1切換部8Aと第2切換部8Bとは、同じ構成であるため、以下、第1切換部8Aについて、代表的に説明する。
第1切換部8Aは、カム部材81と、カム部材81をz軸回りに回転支持する軸部材82と、カム部材81のカム面811に沿って移動する摺動部材83と、摺動部材83に連結されたシャッター部材84とを有している。また、図15、図16に示すように、第1切換部8Aは、軸部材82の一方側に連結されたモーター85と、軸部材82の他方側に連結された遮光板86と、遮光板86によって遮光される透過型センサー87とを有している。
カム部材81は、楕円形をなす板状の部材である。このカム部材81の外周面は、カム面811となっている。
軸部材82は、カム部材81の2つの焦点のうち、1つの焦点に接続されている。
摺動部材83は、棒状をなし、その一端がカム面811に当接している。そして、カム部材81が回転した際に、摺動部材83は、カム面811上を摺動することができる。これにより、摺動部材83は、x方向に沿って往復動することができる。
シャッター部材84は、摺動部材83の他端側に連結されている。そして、シャッター部材84は、摺動部材83がx方向に沿って往復動した際に、第1袋体4Aの流入口41に対して、接近、離間することができる。図13に示すように、シャッター部材84が第1袋体4Aの流入口41から離間した状態では、流入口41が開放し、流入口41へのダストM4−3の流入が可能となる、すなわち、第1袋体4Aが加振されていない第1状態となる。図14に示すように、シャッター部材84が第1袋体4Aの流入口41に接近した状態では、流入口41が覆われ、流入口41へのダストM4−3の流入が停止する、すなわち、第1袋体4Aが加振されている第2状態となる。
図15、図16に示すように、モーター85は、軸部材82に連結され、この軸部材82を回転させることができる。なお、モーター85への印加電圧を変更することにより、軸部材82(カム部材81)の回転数を調整することができる。
軸部材82のモーター85と反対側には、遮光板86が連結されている。遮光板86は、円板で構成され、その中心部に軸部材82が連結されている。また、遮光板86の一部には、貫通孔861が形成されている。
透過型センサー87は、光L87を発光する発光素子871と、光L87を受光する受光素子872とを有している。図15に示すように、光L87が遮光板86によって遮光された場合には、制御部28は、第1状態と判断することができる。図16に示すように、光L87が遮光板86の貫通孔861を通過して受光素子872で受光された場合には、制御部28は、第2状態と判断することができる。なお、発光素子871は、例えば、発光ダイオード等で構成されているのが好ましい。受光素子872は、例えば、フォトダイオード等で構成されているのが好ましい。
なお、袋体4の設置数は、本実施形態では2つであったが、これに限定されず、3つ以上であってもよい。
第1切換部8Aおよび第2切換部8Bは、それぞれ、本実施形態ではカム構造を有するものであるが、これに限定されず、例えば、リンク構造等を有するものであってもよい。
切換部8は、図示の構成のものに限定されず、例えば、管244の分岐部244aに設けたソレノイドバルブで構成されていてもよい。
<第8実施形態>
図17は、本発明の原料処理装置(第8実施形態)の構成を示す概略平面図である。
以下、この図を参照して本発明の原料処理装置およびシート製造装置の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、切換部の配置位置が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図17に示すように、本実施形態では、切換部8(第1切換部8A、第2切換部8B)は、第1袋体4Aおよび第2袋体4Bに対して下流側に配置されている。
また、収納ケース7は、空気GSが管245に向かって流出する流出口75を有している。この流出口75は、第1袋体4A側と第2袋体4B側とにそれぞれ設けられている。
そして、第1切換部8Aのシャッター部材84は、第1袋体4A側の流出口75に対し、接近、離間することができる。このシャッター部材84が第1袋体4A側の流出口75から離間した状態では、第1袋体4AへのダストM4−3の流入が可能となる、すなわち、第1状態となる。これに対し、シャッター部材84が第1袋体4A側の流出口75に接近した状態では、この流出口75が覆われ、第1袋体4AへのダストM4−3の流入が停止する、すなわち、第2状態となる(図17参照)。
これと同様に、第2切換部8Bのシャッター部材84は、第2袋体4B側の流出口75に対し、接近、離間することができる。このシャッター部材84が第2袋体4B側の流出口75から離間した状態では、第2袋体4BへのダストM4−3の流入が可能となる、すなわち、第1袋体4Aが加振されていない第1状態となる(図17参照)。これに対し、シャッター部材84が第2袋体4B側の流出口75に接近した状態では、この流出口75が覆われ、第2袋体4BへのダストM4−3の流入が停止する、すなわち、第1袋体4Aが加振されている第2状態となる。
以上、本発明の原料処理装置およびシート製造装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、原料処理装置およびシート製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の原料処理装置およびシート製造装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。