JP6968773B2 - 弁機構 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系の高圧配管と低圧配管との間に設けられる弁機構に関する。
従来、内燃機関の燃料供給系の高圧配管と低圧配管との間に設けられる弁機構として、例えば高圧燃料ポンプの弁機構(定残圧弁)がある。弁機構には、高圧配管内の圧力が所定圧よりも高くなると開弁し、高圧配管内の燃料を低圧配管内へ噴射するように逃がして高圧配管内の圧力を減圧させるものがある。このような高圧配管内の燃料を低圧配管内へ逃がす弁機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の弁機構は、ばねによって弁体が弁座に付勢された構造であり、高圧配管内が所定の圧力以上になったときにばねの付勢力に打勝ち開弁する。弁機構が開弁したとき、燃料は弁座の上流側に形成された高圧配管に繋がる高圧通路から、弁座と弁体との隙間を通り高圧通路よりも流路断面積が拡大された緩和空間に噴射される。緩和空間に噴射された燃料は、高圧通路よりも流路断面積が小さく形成された下流側のオリフィスを通り、このオリフィスよりも流路断面積が大きい低圧通路(低圧配管)へ送られる。
一般的には、燃料が高圧通路から弁座と弁体の隙間を通り低圧通路に噴射されると、高圧通路内と低圧通路内との圧力差が大きいためキャビテーションが発生する。この点、特許文献1の弁機構は弁座と弁体との下流側に緩和空間を備え、この緩和空間の出口側にオリフィスを備えているので、緩和空間内の圧力を高圧通路内と低圧通路内の中間圧にすることで、高圧通路内と緩和空間内との圧力差が小さくなり緩和空間内でのキャビテーションが抑制される。
特開2012−12950号公報
しかし、下流側オリフィスの絞り径が極めて小さい場合には、流路の必要な流量が確保できず速やかな燃料圧力の制御が難しくなり、緩和空間と低圧通路の圧力差が大きくなるため下流側オリフィスの下流の低圧通路でキャビテーションが発生し得る。反対に流量を大きくするために下流側にあるオリフィスの絞り径を大きくすれば、緩和空間内の圧力が下がり高圧通路内と緩和空間内との圧力差が大きくなり緩和空間内におけるキャビテーションの発生が避けられなくなる。弁座面より下流で発生したキャビテーションが、より下流に配置されたオリフィスの入口部分及び周辺の部品に直撃するようなことになればエロージョンの発生により、下流側オリフィスの入口部分及び周辺の部品が摩耗する虞がある。下流側オリフィス(下流側絞り)の入口及び周辺部品の摩耗により流量特性の変化を引き起こし、高精度な燃料圧制御の妨げとなり得る。
かかる従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、流路の必要な流量を確保すると共に、エロージョンに起因する下流側絞りの入口等の摩耗による流量特性の変化を防ぐことができる弁機構を提供することにある。
[1]本発明に係る弁機構は、
内燃機関に燃料を供給する燃料供給系の高圧配管と低圧配管との間に設けられる弁機構であって、
前記弁機構の内部には前記燃料が前記高圧配管から前記低圧配管へ流れる流路が設けられ、
前記弁機構は弁体と、前記弁体に当接する弁座面と、前記弁体を前記弁座面に付勢する付勢部材とを前記流路内に備え、
前記弁体と前記付勢部材とは前記流路内の前記弁座面よりも前記高圧配管側の領域である高圧側流路の内部に配置されており、
前記弁機構は前記流路内の前記弁座面よりも前記低圧配管側の領域である低圧側流路内に流路断面積を小さくする低圧側絞りを備え、
前記弁機構は前記弁座面と前記低圧側絞りとの間に流路断面積が拡大された緩和空間が配置されており、
前記低圧側流路は前記弁座面から前記緩和空間までを接続する噴出通路を備え、
前記噴出通路は該噴出通路を構成する流路内壁面が延在する方向である噴出方向と直交する平面によって切断された噴出通路断面が円形となる形状であり、
前記低圧側絞りは該低圧側絞りを構成する流路内壁面が延在する方向である低圧側絞り方向と直交する平面によって切断される断面が円形となる形状であり、
前記低圧側絞りが前記低圧側絞り方向と直交する平面によって切断される断面のうち最小断面積を持つ断面は低圧側絞り最小断面であり、
前記噴出方向と平行であり前記噴出通路断面の中心を通る直線である噴出中心線は、前記低圧側絞り最小断面を避けるように配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、弁機構の内部には燃料が高圧配管から低圧配管へ流れる流路が設けられ、この流路内に弁体、弁座面、弁体を弁座面に付勢する付勢部材を備えている。弁座面よりも高圧配管側の領域である高圧側流路の内部に弁体及び付勢部材が配置されている。キャビテーションは弁座面よりも下流側の低圧側流路で発生するが、低圧側流路内に弁体及び付勢部材が配置されていないので、弁体及び付勢部材にはキャビテーションの泡が直撃することがなく、エロージョンの影響を防ぐことができる。
さらに、弁機構は、低圧側流路内の低圧配管側に流路断面積を小さくする低圧側絞りを備え、弁座面と低圧側絞りとの間に流路断面積が拡大された緩和空間が配置され、低圧側流路は弁座面から緩和空間までを接続する噴出通路を備えている。噴出通路からの燃料の噴出方向と平行であり噴出通路断面の中心を通る直線である噴出中心線は、低圧側絞り最小断面を避けるように配置されている。このため、キャビテーションの泡は、低圧側絞り最小断面を避けるようにして噴出通路から噴射されるように発生する。このように、低圧側絞りにキャビテーションの泡が直撃しないように噴出通路を配置したので、キャビテーションの泡が低圧側絞りに直撃することがなく、エロージョンに起因する摩耗を防ぎ、流量特性の変化を防ぐことができる。
[2]また、本発明の弁機構において、
前記緩和空間は前記噴出方向に延在するとともに、
前記噴出中心線と交わる壁部を備え、
前記低圧側流路は前記緩和空間から前記低圧側絞り最小断面へと続く接続通路を備え、
前記接続通路は前記緩和空間の前記噴出方向と直交する面であり前記噴出中心線と前記壁部とが交わる交点を含む壁交差面よりも前記高圧側流路側で前記緩和空間に開口していることが好ましい。
かかる構成によれば、緩和空間は噴出方向に延在するとともに、噴出中心線と交わる壁部を備えるので、噴射中心線に沿って噴射されたキャビテーションによって発生した泡は緩和空間である程度消えた後に、残った泡も壁部に衝突して消滅する。接続通路は、緩和空間の噴出方向と直交する面であり噴出中心線と壁部とが交わる交点を含む壁交差面よりも高圧側流路側で緩和空間に開口しているので、キャビテーションの泡が消滅した燃料が接続通路から低圧側絞りへ流れる。この結果、低圧側絞りに泡が達することを防ぐことができ、低圧側絞りの磨耗を防ぐことができる。
[3] また、本発明の弁機構において、
前記弁機構は前記緩和空間を画定する空間部材を備え、
前記低圧側絞りは略円筒形状の配管部材の内部に形成されており、
前記配管部材は前記空間部材に開口する挿入孔に、前記略円筒形状の中心線が前記噴出方向と角度を持った状態で挿入されて固定されていることが好ましい。
例えば、キャビテーションの発生によるエロージョンに起因する下流側オリフィスの入口部分等の摩耗対策として、緩和空間を燃料の噴出方向に延長し、さらに低圧配管に繋がる配管とすることが考えられる。このような構成とすることで、キャビテーションの泡は噴射方向に延長された配管内で消えてゆくので、低圧側絞りを設ける必要性も小さくなるからである。しかし、エンジンルーム内のレイアウト上、緩和空間を燃料の噴射方向に延長できないことがある。
かかる構成によれば、配管部材は緩和空間を画定する空間部材に開口する挿入孔に、略円筒形状の中心線が噴出方向と角度を持った状態で挿入されて固定されているので、噴出通路からの燃料の噴出方向に沿って緩和空間と配管部材とが直線状に並ばない。このため、エンジンルーム内のスペースが噴出通路からの噴出方向に余裕がない場合であっても、低圧側絞りよりも低圧配管側の配管部材を噴出方向と角度を持たせて配置することで、レイアウトの自由度を高めることができる。また低圧絞りが形成された配管部材を、緩和空間を画定する空間部材に開口する挿入孔に挿入するだけであるので、低圧側絞りと緩和空間を備えた組立体の形成も容易にできる。
図1は本発明に係る弁機構が配置される燃料供給系統の構成図である。 図2Aは本発明に係る弁機構の断面図である。 図2Bは図2Aの弁機構の要部拡大図である。 図2Cは低圧側絞り部分の断面図である。 図2Dは噴出通路部分の断面図である。 図3Aは弁体が弁座面に当接した状態を示す図である。 図3Bは弁体が弁座面から若干離れた状態を示す図である。 図3Cは弁体が弁座面から大きく離れた状態を示す図である。 図4は本発明に係る弁機構の作用図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は燃料供給系統1を模式的に表した構成図である。図1に示すように、弁機構50は、例えば、ガソリンエンジン等の車両用の内燃機関の燃料供給系統1に用いられている。燃料供給系統1は、燃料タンク2、低圧ポンプ3、燃料配管4、流体ポンプ10、燃料レール5、インジェクタ6、高圧配管7、弁機構50及び低圧配管9を備えている。
燃料タンク2には、低圧ポンプ3が設けられている。低圧ポンプ3には、燃料配管4を介して流体ポンプ10が接続されている。流体ポンプに10には、高圧通路11が形成されている。流体ポンプ10の高圧通路11には、燃料レール5が接続されている。燃料レール5には、高圧配管7を介して弁機構50が接続されている。弁機構50には、低圧配管9を介して流体ポンプ10が接続されている。高圧通路11又は燃料レール5には、圧力センサ(不図示)が設けられている。
燃料タンク2は、燃料を貯留するものである。低圧ポンプ3は、燃料タンク2に貯留された燃料を燃料配管4に送るものである。流体ポンプ10は、燃料配管4からの低圧の燃料を加圧し、高圧となった燃料を高圧通路11に吐出するものである。燃料レール5は、高圧通路11からの高圧の燃料をインジェクタ6に送るものである。
弁機構50は、燃料レール5内の燃料の圧力が所定値を超えたときに、燃料レール5に接続される高圧配管7の燃料を低圧配管9に逃がすものである。弁機構50は、ソレノイド51の磁力により開閉する電磁駆動式の弁であり、制御部(不図示)により開閉が制御されている。圧力センサ(不図示)は、高圧通路11及び燃料レール5内の燃料の圧力を計測するものである。
次に、燃料の流れを説明する。燃料タンク2に貯留された燃料は、低圧ポンプ3により燃料配管4を介して流体ポンプ10に送られる。流体ポンプ10に送られた燃料は、昇圧され、高圧通路11から燃料レール5に送られ、さらにインジェクタ6からエンジンの各気筒内に噴射される。
圧力センサ(不図示)により燃料レール5内の燃料が所定値よりも高圧になったことが検知されると、制御部(不図示)によりソレノイド51が励磁されて弁機構50が開く。燃料レール5に接続される高圧配管7内の燃料は、弁機構50から低圧配管9に排出される。低圧配管9に排出された燃料は、流体ポンプ10に戻される。
次に流体ポンプ10について説明する。流体ポンプ10は、ポンプ本体12、低圧通路13、加圧室14、吐出連通路15、高圧通路11、低圧の空間16、プランジャ20及び弁部材30、40、41を備えている。
次に弁部材としての吸入弁30について説明する。ポンプ本体12には、燃料配管4が接続された低圧通路13が形成されている。低圧通路13と加圧室14とは連通しており、この連通部分に吸入弁30が設けられている。
吸入弁30は、吸入弁用ソレノイド31の磁力により開閉する電磁駆動式の弁であり、制御部(不図示)により開閉が制御されている。
次に、加圧室14及びプランジャ20について説明する。プランジャ20は、当該プランジャ20の先端部が加圧室14に突出するように、ポンプ本体12に進退可能に設けられている。流体ポンプ10の近傍にカム21が回転可能に設けられている。プランジャ20は、プランジャ付勢部材22によりカム21の方向へ付勢されている。プランジャ20は、タペット23を介してカム21に接されており、軸方向に往復移動される。
次に弁部材としての吐出弁40について説明する。ポンプ本体12には、加圧室14から高圧通路11にいたる吐出連通路15に、吐出弁40が設けられている。吐出弁40は、吐出弁座部、吐出弁体、吐出付勢部材(不図示)を備え、吐出付勢部材により吐出弁体が吐出弁座部に付勢されている。
加圧室14内の燃料の圧力が所定値以上の大きさになると、加圧室14内の燃料の圧力によって吐出弁体を押す力が吐出付勢部材の付勢力と高圧通路11内の燃料の圧力によって吐出弁体52を押す力との総力に勝り、吐出弁40が開く。
次に弁部材としてのリリーフ弁41について説明する。ポンプ本体12には、高圧通路11と当該高圧通路11よりも低圧の空間16とを連通する連通部分に高圧通路11から低圧の空間16へ流体を開放するリリーフ弁41が設けられている。
リリーフ弁41は、弁座面及びリリーフ孔が形成されたリリーフ弁座部、リリーフ弁体、リリーフ付勢部材(不図示)を備え、リリーフ付勢部材によりリリーフ弁体が弁座面に付勢されている。
高圧通路11の燃料の圧力が所定値以上の大きさになると、高圧通路11内の燃料の圧力によってリリーフ弁体を押す力がリリーフ付勢部材の付勢力に勝り、リリーフ弁41が開く。
次に弁機構50について説明する。図1〜図2Dに示すように、弁機構50は、ソレノイド51と、弁本体部52と、第1支持部53と、第2支持部54と、空間部材55と、第3支持部56と、第4支持部57と、配管部材58とを備えている。
弁本体部52はカプラー部59を備えており、このカプラー部59の端子59aから給電することでソレノイド51が励磁される。弁本体部52は、高圧配管7に接続されている。ソレノイド51は第1支持部53と第2支持部54とによって支持されている。第2支持部54の内径側には第3支持部56が摺動可能に支持されており、弁体軸部61は第3支持部に固定されている。
空間部材55は、第2支持部54に接続されている。配管部材58は、略円筒形状の空間部材55に接続されている。低圧配管9は、配管部材58に接続されている。
弁機構50の内部には、燃料が高圧配管7から低圧配管9へ流れる流路60が設けられている。弁機構50には、弁体軸部61と、弁体62と、軸部ばね座63と、弁座部材64と、弁座面65と、付勢部材66とが、流路60内に備えられている。
弁体軸部61の先端部には、弁体62が設けられている。弁体軸部61の基端部には、軸部ばね座63が設けられている。弁本体部52には、流路60の入口から付勢部材66を支持するばね支持部67が設けられている。弁座部材64には、弁体62に当接する弁座面65が形成されている。弁体62は、軸部ばね座63及び弁体軸部61を介して付勢部材66によって弁座面65に付勢されている。
弁体62と付勢部材66とは、流路60内の弁座面65よりも高圧配管7側の領域である高圧側流路60aの内部に配置されている。
図2A、図2B及び図2Cに示すように、弁機構50は、流路60内の弁座面65よりも低圧配管9側の領域である低圧側流路60b内に、流路断面積を小さくする低圧側絞り71を備えている。低圧側絞り71は、配管部材58の内部に形成されている。低圧側絞り71は該低圧側絞り71を構成する流路内壁面が延在する方向である低圧側絞り方向Xと直交する平面によって切断される断面が円形となる形状である。
低圧側絞り71が低圧側絞り方向Xと直交する平面によって切断される断面のうち最小断面積S1を持つ断面は低圧側絞り最小断面71aである。
図2A、図2B及び図2Dに示すように、弁機構50は、弁座面65と低圧側絞り71との間に流路断面積が拡大された緩和空間72が配置されている。緩和空間72は、空間部材55によって画定されている。低圧側流路60bは、弁座面65から緩和空間72までを接続する噴出通路73を備えている。噴出通路73は該噴出通路73を構成する流路内壁面が延在する方向である噴出方向Yと直交する平面によって切断された噴出通路断面が円形となる形状である。
噴出方向Yと平行であり噴出通路73の断面の中心を通る直線である噴出中心線C1は、低圧側絞り最小断面71aを避けるように配置されている。低圧側絞り71の緩和空間72側の開口は、噴出中心線C1上から離れて配置されている。配管部材58は略円筒形状の空間部材55に開口する挿入孔55aに、略円筒形状の中心線C2が噴出方向Yと角度を持った状態で挿入されて固定されている。低圧側絞り方向Xは、噴出方向Yと直交している。
緩和空間72は、噴出方向Yに延在しており、噴出中心線C1と交わる壁部74を備えている。低圧側流路60bは、緩和空間72から低圧側絞り最小断面71aへと続く接続通路75を備えている。接続通路75は緩和空間72の噴出方向Yと直交する面であり噴出中心線C1と壁部74とが交わる交点P1を含む壁交差面よりも高圧側流路60a側で緩和空間72に開口している。
次に噴出通路73の最小断面積について説明する。図3Aに示すように、弁体62は弁座面65に当接しており、弁機構50は閉じた状態である。弁体62が弁座面65に当接している位置は高圧側基準面77である。流路60の内、高圧側基準面77よりも上流側が高圧側流路60aであり、高圧側基準面77よりも下流側が低圧側流路60bである。
弁座面65は全体として略円錐形に窪んだ形状であり、当該略円錐形の窪みの底部に噴出通路73が連続するよう形成されている。噴出通路73は、噴出方向Yと直交する平面による切断面が円形となる略直線状の貫通孔である。噴出通路73の大きさは、例えばφ65[μm]である。なお、実施形態では、噴出通路73の開口の大きさをφ65[μm]としたが、これに限定されず、φ50[μm]、φ80[μm]、φ100[μm]等としてもよい。
図3Bに示すように、弁体62の動作量が小さい場合は、弁体62と弁座面65との隙間68が、流路60の最小断面積S2(最小流路面積)となる。図3Cに示すように、弁体62の動作量が大きい場合は、噴出通路73の最小断面積の位置73aが、流路60の最小断面積S2(最小流路面積)となる。このように、弁体62の作動量によって(弁体62の開きによって)、流路60の最小断面積S2の位置が変動する。
図2A〜図3Cに示すように、低圧側絞り71の最小断面積S1を、流路60の最小断面積S2よりも大きく設定すれば、弁機構50内部を流れる流体の流量を大きく減少させることがない。このため、高圧配管7内部の流体の圧力を速やかに減少させることができる。
次に以上に述べた弁機構50の作用を説明する。図4に示すように、弁体62が弁座面65から離れ、弁機構50が開弁する。高圧側流路60a内の燃料が噴出通路73から緩和空間72へ噴射される。緩和空間72ではキャビテーションが発生し、燃料は矢印(1)のように壁交差面76に向って流れる。このとき、低圧側絞り71があるため、緩和空間72の圧力は、低圧配管9(図2A参照)に接続される配管部材内の圧力より大きく保たれ、高圧側流路60a内と緩和空間72内の圧力差が小さくなる。このため、キャビテーションの気泡の到達距離が短くなり、気泡が壁交差面76に到達する前に消滅する。または、壁交差面76への気泡の到達を抑制することができる。
壁交差面76に到達した燃料を含む緩和空間72内の燃料は、矢印(2)のように低圧側絞り71に流れ、さらに矢印(3)のように配管部材58内へ流れる。
なお、緩和空間72内の圧力が高くなるほど、キャビテーションの気泡の到達距離が短くなる。例えば、高圧側流路60a内の圧力を35[MPa]とした場合には、緩和空間72内の圧力を2[MPa]以上に設定することで、噴出通路73から壁交差面76までの距離を3[mm]とすることで気泡の到達を抑制することができる。
なお、実施形態では、高圧側流路60a内の圧力、緩和空間72内の圧力、噴出通路73から壁交差面76までの距離を前述のようにしたが、これに限定されず、高圧側流路60a内の圧力を8[MPa]、15[MPa]、40[MPa]等にし、緩和空間72内の圧力を0.5[MPa]、1[MPa]、1.5[MPa] 、3[MPa]等にしてもよく、これらの圧力の大きさに合わせて噴出通路73から壁交差面76までの距離を適宜調整することは差し支えない。
以上のように、本実施形態によれば、弁座面65よりも高圧配管7側の領域である高圧側流路60aの内部に弁体62及び付勢部材66が配置されている。キャビテーションは弁座面65よりも下流側の低圧側流路60bで発生するが、低圧側流路60b内に弁体62及び付勢部材66が配置されていないので、弁体62及び付勢部材66にはキャビテーションの泡が直撃することがなく、エロージョンの影響を防ぐことができる。
さらに、弁機構50では、噴出通路73からの燃料の噴出方向Yと平行であり噴出通路73断面の中心を通る直線である噴出中心線C1は、低圧側絞り最小断面71aを避けるように配置されている。このため、キャビテーションの泡は、低圧側絞り最小断面71aを避けるようにして噴出通路73から噴射されるように発生する。このように、低圧側絞り71にキャビテーションの泡が直撃しないように噴出通路73を配置したので、キャビテーションの泡が低圧側絞り71に直撃することがなく、エロージョンに起因する摩耗を防ぎ、流量特性の変化を防ぐことができる。
さらに、緩和空間72は噴出方向Yに延在するとともに、噴出中心線C1と交わる壁部74(壁交差面76)を備えるので、噴射中心線C1に沿って噴射されたキャビテーションによって発生した泡は緩和空間72である程度消えた後に、残った泡も壁部74に衝突して消滅する。接続通路75は、緩和空間72の噴出方向Yと直交する面であり噴出中心線C1と壁部74とが交わる交点を含む壁交差面76よりも高圧側流路60a側で緩和空間72に開口しているので、キャビテーションの泡が消滅した燃料が接続通路75から低圧側絞り71へ流れる。この結果、低圧側絞り71に泡が達することを防ぐことができ、低圧側絞り71の磨耗を防ぐことができる。
さらに、配管部材58は緩和空間72を画定する空間部材55に開口する挿入孔55aに、略円筒形状の中心線が噴出方向Yと角度を持った状態で挿入されて固定されているので、噴出通路73からの燃料の噴出方向Yに沿って緩和空間72と配管部材58とが直線状に並ばない。このため、エンジンルーム内のスペースが噴出通路73からの噴出方向に余裕がない場合であっても、低圧側絞り71よりも低圧配管9側の配管部材58を噴出方向Yと角度を持たせて配置することで、レイアウトの自由度を高めることができる。また低圧絞り71が形成された配管部材58を、緩和空間72を画定する空間部材55に開口する挿入孔55aに挿入するだけであるので、低圧側絞り71と緩和空間72を備えた組立体の形成も容易にできる。
なお、実施形態では、噴射方向Yと配管部材58の低圧側絞り方向Xとのなす角度を90°としたが、これに限定されず、噴射方向Yと配管部材58の低圧側絞り方向Xとのなす角度を、10°、30°、60°、120°、150°、170°等としてもよい。
また、実施形態では、低圧側絞り71の最小断面積S1を流路60の最小断面積S2よりも大きく設定したが、低圧側絞り71の最小断面積S1を流路60の最小断面積S2と等しく設定してもよく、さらには低圧側絞り71の最小断面積S1を流路60の最小断面積S2よりも小さく設定してもよい。
また、実施形態では、噴出通路73を断面円形状の略直線上の貫通孔としたが、これに限定されず、噴出通路73の入口部分及び途中部分の断面積(流路面積)よりも出口部分の断面積(流路面積)を大きく設定することや、逆に設定するなど、噴出通路73の断面積を噴射方向Yに沿って変えてもよい。
1…燃料供給系統、7…高圧配管、9…低圧配管、50…弁機構、55…空間部材、55a…挿入孔、58…配管部材、60…流路、60a…高圧側流路、60b…低圧側流路、62…弁体、65…弁座面、66…付勢部材、71…低圧側絞り、71a…低圧側絞り最小断面、72…緩和空間、73…噴出通路、74…壁部、75…接続通路、76…壁交差面、P1…交点、X…低圧側絞り方向、Y…噴出方向、C1…噴出中心線、S1…低圧側絞りの最小断面積、S2…流路の最小断面積。

Claims (3)

  1. 内燃機関に燃料を供給する燃料供給系の高圧配管と低圧配管との間に設けられる弁機構であって、
    前記弁機構の内部には前記燃料が前記高圧配管から前記低圧配管へ流れる流路が設けられ、
    前記弁機構は弁体と、前記弁体に当接する弁座面と、前記弁体を前記弁座面に付勢する付勢部材とを前記流路内に備え、
    前記弁体と前記付勢部材とは前記流路内の前記弁座面よりも前記高圧配管側の領域である高圧側流路の内部に配置されており、
    前記弁機構は前記流路内の前記弁座面よりも前記低圧配管側の領域である低圧側流路内に流路断面積を小さくする低圧側絞りを備え、
    前記弁機構は前記弁座面と前記低圧側絞りとの間に流路断面積が拡大された緩和空間が配置されており、
    前記低圧側流路は前記弁座面から前記緩和空間までを接続する噴出通路を備え、
    前記噴出通路は該噴出通路を構成する流路内壁面が延在する方向である噴出方向と直交する平面によって切断された噴出通路断面が円形となる形状であり、
    前記低圧側絞りは該低圧側絞りを構成する流路内壁面が延在する方向である低圧側絞り方向と直交する平面によって切断される断面が円形となる形状であり、
    前記低圧側絞りが前記低圧側絞り方向と直交する平面によって切断される断面のうち最小断面積を持つ断面は低圧側絞り最小断面であり、
    前記噴出方向と平行であり前記噴出通路断面の中心を通る直線である噴出中心線は、前記低圧側絞り最小断面を避けるように配置されていることを特徴とする弁機構。
  2. 請求項1に記載の弁機構であって、
    前記緩和空間は前記噴出方向に延在するとともに、
    前記噴出中心線と交わる壁部を備え、
    前記低圧側流路は前記緩和空間から前記低圧側絞り最小断面へと続く接続通路を備え、
    前記接続通路は前記緩和空間の前記噴出方向と直交する面であり前記噴出中心線と前記壁部とが交わる交点を含む壁交差面よりも前記高圧側流路側で前記緩和空間に開口していることを特徴とする弁機構。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の弁機構であって、
    前記弁機構は前記緩和空間を画定する空間部材を備え、
    前記低圧側絞りは略円筒形状の配管部材の内部に形成されており、
    前記配管部材は前記空間部材に開口する挿入孔に、前記略円筒形状の中心線が前記噴出方向と角度を持った状態で挿入されて固定されていることを特徴とする弁機構。
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