JP2010180716A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御室からの燃料排出を規制してから弁部材が所定位置へ移動するまでの時間を短縮可能な燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】コマンドピストン25のリフトに合わせ、円筒部材52によって、制御室53が第1制御室54と第2制御室55とに区画されるように構成した。これにより、第2制御室55から第1制御室54への燃料の流れが制限されるため、第1制御室54と第2制御室55との間に圧力差が生じる。再び制御弁37のバルブ37aがオリフィスプレート41に当接すると、第1制御室54及び第2制御室55の圧力が同一になるが、第2制御室55の燃料圧力が相対的に高い状態で推移するため、第1及び第2制御室54、55の圧力は従来よりも大きくなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、油圧駆動される燃料噴射装置に関する。
従来、高圧ポンプから燃料噴射装置としてのインジェクタに燃料を供給する燃料供給システムが知られている。このようなシステムに用いられるインジェクタには、ニードル弁等で構成される弁部材を燃料圧力によってリフトさせる油圧駆動式のものがある。この種のインジェクタとしては、例えば、弁部材を構成するコマンドピストン及びニードル弁を一体に保持してなるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、特許文献1に開示されるインジェクタでは、噴孔とは反対側に配置される制御室の燃料圧力によって、弁部材の動きを制御する。具体的には、ECU等の制御装置によって制御弁を制御するのであるが、制御室からの燃料の排出を許容するように制御弁が開弁されると、制御室の燃料圧力が下降する。これによって、弁部材が制御室側へ移動し噴孔が開放されて、燃料が噴射される。一方、制御室からの燃料の排出を規制するように制御弁が閉弁されると、制御室の燃料圧力が上昇する。これによって、弁部材が噴孔側へ移動し噴孔が閉塞されて、燃料の噴射が停止される。
特開平9−32681号公報
しかしながら、噴孔の閉塞について見ると、制御弁を閉弁してから制御室の燃料圧力が上昇するまでに、ある程度の時間を要することから、噴孔が閉塞されるまでの時間が長くなってしまうという問題があった。つまり、制御室からの燃料排出を規制してから弁部材が所定位置へ移動するのに要する時間が長くなってしまっていた。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、制御室からの燃料排出を規制してから弁部材が所定位置へ移動するまでの時間を短縮可能な燃料噴射装置を提供することにある。
上述した目的を解決するためになされた請求項1に記載の燃料噴射装置では、軸方向へ移動可能な弁部材の基端側に、外郭構成部が、制御室を形成している。この制御室の燃料圧力により、弁部材が軸方向へ移動する。このとき、外郭構成部は、弁部材を移動可能に支持している。
また、弁部材の基端側にはプレート部が位置しており、制御室の燃料圧力が低下することによって、弁部材がプレート部側へ移動すると、区画手段が、プレート部の端面又は弁部材の端面に圧接し、制御室を第1制御室及び第2制御室に区画する。例えば、区画手段が弁部材側に設けられている場合、区画手段はプレート部の端面に圧接する。また例えば、区画手段がプレート部側に設けられている場合、区画手段は弁部材の端面に圧接する。
このようにして区画手段にて区画された第1制御室及び第2制御室にそれぞれ、第1流路及び第2流路が開口している。これら第1流路及び第2流路は、共にインレット側に接続されている。したがって、インレット側からの燃料は、第1流路を経由して第1制御室へ導かれる。また、第2流路を経由して第2制御室へ導かれる。また、排出流路は、アウトレット側に接続され、制御室に開口している。
つまり、制御室の燃料圧力が相対的に低くなった状態では、当該制御室が区画手段にて区画され、第1制御室と第2制御室とが形成される。この状態で排出流路からの燃料の排出が規制されると、インレットからの燃料によって第1制御室及び第2制御室の燃料圧力が上昇するのであるが、制御室全体の圧力が上昇する場合と比較して、区画手段にて区画されていることから、例えば第1制御室及び第2制御室のうち容積が小さい方の燃料圧力を迅速に上昇させることができる。これによって、制御室からの燃料排出を規制してから弁部材が所定位置へ移動するまでの時間を短縮することができる。
ところで、区画手段は、請求項2に示すように、付勢部材及び区画部材を有する構成とすることが例示される。このとき、区画部材は、プレート部の端面又は弁部材の端面に接触すると、当該端面に圧接するよう付勢部材によって付勢される。
例えば図4(a)に示すように、区画手段を、スプリング51及び円筒部材52で構成することが考えられる。円筒部材52は、コマンドピストン25が基端側へ移動することで、図4(b)に示すように、オリフィスプレート41に圧接し、その内部に第1制御室54を形成する。したがって、請求項4に示すように、区画部材は、円筒形状となっており、その内部に、第1制御室を形成することとしてもよい。
さらにまた、図4(b)に示す例では、円筒部材52の内部に形成される空間が第1制御室54となり、円筒部材52の外部に形成される空間が第2制御室55となる。このときは、コマンドピストン25が基端側へ移動するに連れて、第1制御室54の容積は減少する。この意味で、請求項5に示すように、区画部材の内部に形成される第1制御室は、弁部材の移動によって容積変化することとしてもよい。
なお、区画手段が付勢部材を有する構成においては、請求項3に示すように、区画部材が、プレート部の端面又は弁部材の端面に接触していない状態であっても、付勢部材によって付勢されていることとしてもよい。
例えば図6では、円筒部材521の基端側への摺動がコマンドピストン25の基端部に螺着されるネジ71によって規制されている。これにより、スプリング511は常時弾性変形した状態で保持される。また例えば図7では、円筒部材522の基端側にもスプリング72が配設されており、先端側のスプリング512と基端側のスプリング72とのバランスによって、円筒部材522の基端側への摺動が規制されている。これにより、スプリング512は、常時弾性変形した状態で保持される。
このようにすれば、付勢された状態の区画部材がプレート部の端面又は弁部材の端面に接触するため、区画部材を十分に圧接させることができる。その結果、第1制御室及び第2制御室の液密性を向上させることができ、区画後の制御室の圧力上昇に寄与する。
以下で、本発明の実施形態について説明する。特に、第1、第4実施形態と、第2、第3実施形態との差異は、後者が請求項3を具現化するものであるところにある。
本発明の実施形態の燃料噴射システムを示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態の燃料噴射装置を示す概略構成図である。 第1実施形態のインジェクタの特徴部分を示す部分拡大断面図である。 第1実施形態のインジェクタの特徴部分を説明するための説明図である。 燃料噴射装置の時間的な挙動を示す説明図である。 第2実施形態のインジェクタの特徴部分を示す部分拡大断面図である。 第3実施形態のインジェクタの特徴部分を示す部分拡大断面図である。 第4実施形態のインジェクタの特徴部分を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここで説明する燃料噴射システムは、内燃機関の各気筒へ燃料を噴射するためのシステムであり、その燃料として、ジメチルエーテル(Dimethyl ether、略称:DME)が用いられるDME用噴射系システムである。
(第1実施形態)
図1に示す燃料噴射システム1は、「燃料噴射装置」としてのインジェクタ10を含むものであり、インジェクタ10の他に、燃料タンク100、低圧ポンプとしてのフィードポンプ110、高圧ポンプ120、高圧コモンレール130、電子制御装置(以下「ECU」という)140等を具備している。
燃料タンク100には、燃料としてのDMEが、液体の状態で貯留されている。この燃料を汲み上げるのが、フィードポンプ110である。フィードポンプ110は高圧ポンプ120に接続されており、フィードポンプ110にて汲み上げられた燃料が、高圧ポンプ120にて高圧燃料とされ、高圧コモンレール130に蓄積される。
高圧コモンレール130は、その長手方向に並んだ供給口131及び複数(本形態では6つ)の吐出口132を有している。供給口131には高圧ポンプ120が接続されており、この供給口131から高圧燃料が高圧コモンレール130内に供給される。一方、複数の吐出口132にはそれぞれ、インジェクタ10が接続されている。各インジェクタ10は、各気筒に配置される。したがって、吐出口132は、内燃機関の気筒数分設けられている。なお、図1では、インジェクタ10を一つだけ示し、残りは省略した。
また、高圧コモンレール130はコモンレール圧力センサ133を有しており、高圧コモンレール130の燃料圧力に関する情報が、ECU140へ入力される。さらにまた、高圧コモンレール130は減圧弁134を有している。この減圧弁134は、コモンレール圧力センサ133からの情報に基づいて、ECU140にて制御される。なお、図1では、煩雑になることを避けるため、ECU140から減圧弁134への制御線は示していない。ここで減圧弁134がECU140によって開弁状態になると、蓄積された燃料の一部が燃料タンク100に戻されて、高圧コモンレール130の内部の燃料圧力が減少する。
ECU140は、上述したように高圧コモンレール130の減圧弁134を制御すると共に、高圧コモンレール130の内部圧力が一定圧力に達すると、インジェクタ10への通電を行い、インジェクタ10による燃料噴射制御を開始する。
インジェクタ10は、上述したように内燃機関の各気筒に搭載され、各気筒内に燃料を直接噴射するように構成されている。このインジェクタ10は、インレット11及びアウトレット12を有している。インレット11には、高圧コモンレール130の吐出口132が接続されており、アウトレット12は、所定圧力(本形態では、3MPa)以上になると開弁する背圧制御弁151を介して、高圧コモンレール130から燃料タンク100への燃料流路に合流している。
本形態は、インジェクタ10の構造に特徴を有するものである。そこで次に、図2に基づき、インジェクタ10の構造を説明する。
インジェクタ10は、その外郭を形成する部材として、ハウジング13と、弁ボディ14と、ハウジング13と弁ボディ14との間に介在するチップパッキン15と、これら部材を外側から締結するリテーニングナット16とを備えている。なお、ハウジング13、弁ボディ14、チップパッキン15及びリテーニングナット16が「外郭構成部」を構成する。
上述したところのインレット11及びアウトレット12は、ハウジング13に形成されている。インレット11から供給される燃料は、通路17を経由し、その後、分岐する。一方は、通路18を経由して弁ボディ14側へ導かれ、主として噴射に利用される。他方は、通路19を経由し、後述する油圧制御に利用される。
弁ボディ14の先端には、燃料を噴射する噴孔が設けられている(図2には示していない)。この弁ボディ14の内部には通路20が形成されており、チップパッキン15の内部には通路21が形成されている。これら通路は、インレット側から通路18、通路21、通路20という順序で接続され、これにより、燃料が弁ボディ14の先端へ導かれる。以下、適宜、弁ボディ14の側をインジェクタ10の「先端側」と記述する。
また、インジェクタ10は、その長手方向に亘り内部に収容される弁部材22を備えている。この弁部材22は、先端側からニードル23、カップリング部24、コマンドピストン25によって構成されている。ニードル23とコマンドピストン25とは、カップリング部24にて一体に保持されている。
さらにまた、インジェクタ10は、先端側とは反対側(以下適宜「基端側」と記述する)に、電磁弁部30を具備している。電磁弁部30は、ハウジング13に対し、ナット31で締結されている。電磁弁部30は、端子32、アーマチャ33、ボディ34、コップ型ストッパ35、コイル36、断面視T字状の制御弁37等で構成されている。
端子32は、コイル36へ通電するための端子である。したがって、この端子32を介して、ECU140(図1参照)により、内燃機関の運転条件に応じた制御弁駆動電流がコイル36に供給される。そして、この制御弁駆動電流の供給により、コイル36に励起吸引力が発生することになる。
アーマチャ33は、その中心部に、円筒状のコップ型ストッパ35を有している。コップ型ストッパ35は、先端側へ開口する形状であり、その内部には、スプリング38が配置されている。このスプリング38によって付勢されるのが、ボディ34に支持された制御弁37である。制御弁37は、制御弁駆動電流の供給によりコイル36に励起吸引力が発生すると、スプリング38の付勢力に抗して基端側へ移動する。
以上、基本構成を説明した。次に、特徴的構成について説明する。本形態の特徴的な構成は、油圧制御構成である。油圧制御構成は、図3に示すごとくである。図3は、図2中の記号Aで示した部分の部分拡大断面図である。
上述した制御弁37とコマンドピストン25との間には、オリフィスプレート41が設けられている。このオリフィスプレート41は、位置決めピン42によって軸周り方向の回動を規制された状態で固定される。制御弁37がスプリング38(図2参照)によって付勢されることは既に述べたが、スプリング38の付勢力によって制御弁37は、オリフィスプレート41に当接する。詳細には、制御弁37は、その当接部に、バルブ37aを有している。バルブ37aは、球体の一部を平面状に構成したものである。ここで、オリフィスプレート41が「プレート部」を構成する。
コマンドピストン25は、その基端側に、小径の小径部25aを有している。また、小径部25aは、その先端側に、ハウジング13に対して摺動する大径の摺動部25bを有している。小径部25aと摺動部25bとの接続部分には、段差面25cが形成されている。ここで、小径部25aには、スプリング51及び円筒部材52が配設されている。
スプリング51は、コイルスプリングであって、一端を段差面25cに係止され、他端を円筒部材52の端部に係止されている。円筒部材52は、小径部の外径よりも僅かに大きな内径を有する円筒形状であり、摺動可能に小径部25aに支持されている。
小径部25aの周囲は、燃料が充満する制御室53となっている。そして、この制御室53へ開口する通路が、オリフィスプレート41に形成されている。第1インオリフィス61、第2インオリフィス62、排出通路63である。
第1インオリフィス61及び第2インオリフィス62は、インレット11側(図2参照)の供給通路64に接続されている。これにより、インレット11からの燃料は、ハウジング13内部に形成された通路17、19、及びオリフィスプレート41内部に形成された供給通路64を経由し、インオリフィス61、62から、制御室53へ供給される。なお、インオリフィス61、62は、供給側の絞りとして機能する。
また、排出通路63は、アウトオリフィス65を経由して、ボディ34内部に形成された燃料室57へ開口している。したがって、制御弁37がコイル36の励起吸引力により基端側へ移動すると、排出通路63、アウトオリフィス65、燃料室57、燃料室57に接続された通路58、通路58に接続された通路59を経由して、最終的に、アウトレット12(図2参照)からリークされる。一方、制御弁37がスプリング38の付勢力によってオリフィスプレート41に当接しているときは、バルブ37aによってアウトオリフィス65が閉塞され、燃料は排出されない。なお、アウトオリフィス65は、排出側の絞りとして機能する。
ここで特に、図4(a)に示すように、コマンドピストン25が先端側に移動した閉弁状態(リフトしていない状態)では、インオリフィス61、62からの燃料は、共に制御室53へ供給される。
一方、図4(b)に示すように、コマンドピストン25が基端側に移動した状態(リフトした状態)では、円筒部材52がオリフィスプレート41の端面に圧接する。詳しくは、コマンドピストン25が所定位置までリフトすると、最初に、円筒部材52の一端がオリフィスプレート41に接触し、この状態からさらにコマンドピストン25がリフトすると、スプリング51が弾性変形し、その弾性変形による反力によって、円筒部材52がオリフィスプレート41側へ付勢されてオリフィスプレート41に圧接する。
このとき、円筒部材52は、制御室53を第1制御室54と第2制御室55とに区画する。本形態では、円筒部材52の内部空間を第1制御室54とし、円筒部材52の外部空間を第2制御室55とした。そして、インオリフィス61、62が制御室53に開口することは既に述べたが、図4(b)に示す状態では、第1インオリフィス61が第1制御室54に開口し、第2インオリフィス62が第2制御室55に開口する。ところで、アウトオリフィス65の流路面積は、2つのインオリフィス61、62を合わせた流路面積よりも大きく設定されている。
なお、本形態におけるスプリング51及び円筒部材52が「区画手段」を構成し、スプリング51が「付勢部材」を構成し、円筒部材52が「区画部材」を構成する。また、第1インオリフィス61が「第1供給流路」を構成し、第2インオリフィス62が「第2供給流路」を構成し、排出通路63及びアウトオリフィス65が「排出流路」を構成する。
次に、インジェクタ10の動作について説明する。ここでは、図4及び図5を参照しつつ説明することにする。なお、図5は、各部の時間的な挙動を示す説明図である。
まず、ECU140によってコイル36(図2参照)への通電が行われていないとき、制御弁37のバルブ37aは、オリフィスプレート41に当接しており、アウトオリフィス65を閉塞する。
この状態で、ECU140によってコイル36へ通電されると(図5中の時刻t1)、コイル36の励起吸引力によって、制御弁37のバルブ37aは、オリフィスプレート41から離間する(図5中の「バルブ挙動」参照)。するとアウトオリフィス65が開放され、制御室53が、排出通路63及びアウトオリフィス65を介して、低圧側の燃料室57に連通する。ここで、アウトオリフィス65の流路面積が相対的に大きく設定されているため、流入燃料より流出燃料が多くなり、時刻t1から、制御室53の圧力は低下し始める(図5中の「制御室圧力挙動」参照)。
そして、弁部材22(図2参照)を押し上げる力が先端側へ向かう力よりも大きくなると(図5中の時刻t2)、弁部材22は、基端側への移動を開始する。すなわち、弁部材22がリフトしはじめる(図5中の「ノズルリフト挙動」参照)。
図5中の時刻t3では、弁部材22が完全な開弁状態となり、このとき、コマンドピストン25は、図4(b)に示すように、基端側へ移動する。これにより、上述したように、制御室53が、第1制御室54と第2制御室55とに区画される。このときは、第2制御室55から第1制御室54への燃料の流れが制限されるため、第1制御室54と第2制御室55との間に圧力差が生じる。具体的には、第2制御室55の燃料圧力は従来の制御室の燃料圧力よりも大きくなり、第1制御室54の燃料圧力は従来の制御室の燃料圧力よりも小さくなる。
次に図5中の時刻t4にて、ECU140からコイル36への駆動電流供給が終了すると、再び制御弁37のバルブ37aが、スプリング38の付勢力によって、オリフィスプレート41に当接する。これにより、第1制御室54では、アウトオリフィス65が閉塞されたことで、その燃料圧力が上昇する。このとき、第1制御室54の容積は最小となっているため、燃料圧力は短時間のうちに上昇する。
そして、時刻t5において第1制御室54及び第2制御室55の圧力は同一になるが、円筒部材52によって区画された第2制御室55の燃料圧力は相対的に高い状態で推移するため、この時刻t5における第1及び第2制御室54、55の圧力は従来よりも大きくなる。
従来の構成では、時刻t4にて再び制御弁37のバルブ37aがスプリング38の付勢力によってオリフィスプレート41に当接した後、制御室の圧力が急激に上昇することはないため、図5中の時刻t7から弁部材22が先端側への移動を開始し、時刻t9で、噴孔が閉弁される。これに対し、本形態では、時刻t5における燃料圧力が従来よりも大きくなっているため、時刻t6(時刻t7よりも早い時刻)から弁部材22は先端側への移動を開始し、時刻t8(時刻t9よりも早い時刻)で、噴孔が閉弁される。つまり、従来は、ECU140からコイル36への駆動電流供給の終了時刻(時刻t4)から時刻t9までの時間が「閉弁時間」となっているのに対し、本形態では、時刻t4から時刻t8までの時間が「閉弁時間」となる。
以上詳述したように、本形態では、コマンドピストン25のリフトに合わせ、円筒部材52によって、制御室53が第1制御室54と第2制御室55とに区画されるように構成した。これにより、第2制御室55から第1制御室54への燃料の流れが制限されるため、第1制御室54と第2制御室55との間に圧力差が生じる。
ここで、再び制御弁37のバルブ37aがオリフィスプレート41に当接すると、時刻t5(図5参照)において第1制御室54及び第2制御室55の圧力が同一になるが、第2制御室55の燃料圧力が相対的に高い状態で推移するため、この時刻t5において、第1及び第2制御室54、55の圧力は従来よりも大きくなる。したがって、アウトオリフィス65を閉塞してから弁部材が所定位置(閉弁位置)へ移動するまでの時間を短縮することができる。
(第2実施形態)
本形態の油圧制御構成は、図6に示すごとくである。
図6に示すように、コマンドピストン251の基端部は、径が相対的に小さな小径部251aとなっている。ここで特に、小径部251aの基端面に、ネジ71が螺着されている。ネジ71は、その頭部71aが円筒形の平ネジである。そして頭部71aの外径が、小径部251aの外径よりも僅かに大きくなっている。
また、小径部251aには、円筒部材521が配置される。ここで円筒部材521の内径は軸方向の途中で変化しており、円筒部材521の内壁に、段差部521aが形成されている。かかる構成により、ネジ71の頭部71aが段差部521aに係合することで、円筒部材521の基端側への摺動が規制されることになる。本形態では、小径部251aにスプリング511及び円筒部材521を配置した後、ネジ71を螺着することにより、スプリング511が弾性変形した状態で、円筒部材521が組み付けられる。
本形態においても、上記形態と同様の効果が奏される。しかも、スプリング511が弾性変形した状態で組み付けられるため、円筒部材521は常に付勢された状態となっており、弁部材22が基端側へ移動した際、オリフィスプレート41に対し十分に圧接する。その結果、区画後の制御室の圧力上昇に寄与する。
なお、本形態におけるスプリング511及び円筒部材521が「区画手段」を構成し、スプリング511が「付勢部材」を構成し、円筒部材521が「区画部材」を構成する。
(第3実施形態)
本形態の油圧制御構成は、図7に示すごとくである。
本形態では、図7に示すように、円筒部材522の端部に径外方向へ張り出すフランジ部522aが設けられている。そして、このフランジ部522aとオリフィスプレート41との間に、スプリング72が配設されている。したがって、円筒部材522は、スプリング512によって基端側へ付勢されると共に、スプリング72によって先端側へ付勢される。本形態では、これら2つのスプリング72、512による付勢力を調整することにより、スプリング512が弾性変形した状態で円筒部材522が組み付けられる。
本形態においても、上記形態と同様の効果が奏される。しかも、スプリング512が弾性変形した状態で円筒部材522が組み付けられるため、円筒部材522は常に付勢された状態となっており、弁部材22が基端側へ移動した際、オリフィスプレート41に対し十分に圧接する。その結果、区画後の制御室の圧力上昇に寄与する。
なお、本形態におけるスプリング512、72及び円筒部材522が「区画手段」を構成し、スプリング512、72が「付勢部材」を構成し、円筒部材522が「区画部材」を構成する。
(第4実施形態)
本形態の油圧制御構成は、図8に示すごとくである。なお、図8は、油圧制御構成を模式的に示す模式図である。
本形態では、図8に示すように、円筒部材523がオリフィスプレート411の環状凹部411aに配設されている。環状凹部411aの深部には、スプリング513が配置されており、当該スプリング513が弾性変形すると、円筒部材523が先端側へ付勢される。したがって、弁部材22が基端側へ移動すると、円筒部材523が小径部252aの基端部に圧接する。これにより、制御室53が区画されることになる。その結果、本形態においても、上記形態と同様の効果が奏される。
なお、本形態におけるスプリング513及び円筒部材523が「区画手段」を構成し、スプリング513が「付勢部材」を構成し、円筒部材523が「区画部材」を構成する。
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施できる。
1:燃料噴射システム、10:インジェクタ(燃料噴射装置)、11:インレット、12:アウトレット、13:ハウジング、14:弁ボディ、15:チップパッキン、16:リテーニングナット、17、18、19、20、21:通路、22:弁部材、23:ニードル、24:カップリング部、25、251:コマンドピストン、25a、251a、252a:小径部、25b:摺動部、25c:段差面、30:電磁弁部、31:ナット、32:端子、33:アーマチャ、34:ボディ、35:コップ型ストッパ、36:コイル、37:制御弁、37a:バルブ、38:スプリング、41、411:オリフィスプレート(プレート部)、411a:環状凹部、42:ピン、51、511、512、513:スプリング(付勢部材)、52、521、522、523:円筒部材(区画部材)、521a:段差部、522a:フランジ部、53:制御室、54:第1制御室、55:第2制御室、57:燃料室、58、59:通路、61:インオリフィス(第1供給通路)、62:インオリフィス(第2供給通路)、63:排出通路、64:供給通路、65:アウトオリフィス、71:ネジ、71a:頭部、72:スプリング(付勢部材)、100:燃料タンク、110:フィードポンプ、120:高圧ポンプ、130:高圧コモンレール、131:供給口、132:吐出口、133:コモンレール圧力センサ、134:減圧弁、151:背圧制御弁

Claims (5)

  1. 軸方向へ移動可能に支持される弁部材と、
    前記弁部材を支持するとともに、前記弁部材を内部の燃料圧力により軸方向へ移動させる制御室を前記弁部材の基端側に形成する外郭構成部と、
    前記弁部材の基端側に位置するプレート部と、
    前記制御室の燃料圧力が低下することにより前記弁部材が前記プレート部側へ移動すると、前記プレート部の端面又は前記弁部材の端面に圧接し、前記制御室を第1制御室及び第2制御室に区画する区画手段と、
    インレット側に接続され、前記第1制御室に開口する第1供給流路と、
    インレット側に接続され、前記第2制御室に開口する第2供給流路と、
    アウトレット側に接続され、前記制御室に開口する排出流路と、
    を備えていることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射装置において、
    前記区画手段は、付勢部材及び区画部材を有し、
    前記区画部材は、前記プレート部の端面又は前記弁部材の端面に接触すると、当該端面に圧接するよう前記付勢部材によって付勢されることを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 請求項2に記載の燃料噴射装置において、
    前記区画部材は、前記プレート部の端面又は前記弁部材の端面に接触していない状態であっても、前記付勢部材によって付勢されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 請求項2又は3に記載の燃料噴射装置において、
    前記区画部材は、円筒形状となっており、その内部に、前記第1制御室を形成することを特徴とする燃料噴射装置。
  5. 請求項4に記載の燃料噴射装置において、
    前記区画部材の内部に形成される第1制御室は、前記弁部材の移動によって容積変化することを特徴とする燃料噴射装置。
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