JP6329867B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents
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Description
このノズルJ2(図13参照)によれば、この突起120により、シート面105に沿って流れる燃料はサック室106の中央に集められるため、結果的に、サック室106に流入する際の燃料流れの剥離によって生じるキャビテーションの位置はサック内壁110から遠ざかる。
ノズルボディには、燃料を噴射する複数の噴孔が形成されている。
ニードルは、ノズルボディの内周に軸方向に移動可能となるように収容される。
シート面は、ノズルボディの内壁の一部であって、軸方向先端に向かって縮径するテーパ状を呈し、ニードルに設けられたシート部が離着するシート位置を有する。
サック室は、シート面よりも先端側に接続するノズルボディの内壁に囲まれて形成される空間であって、噴孔が接続している。
噴孔の入口の開口は、サック室を形成する内壁に設けられている。
また、サック室を形成する内壁とシート面とは、シート面からサック室を形成する内壁に向かって縮径するように設けられたノズルボディの軸方向に垂直な平面、もしくはシート面よりもテーパ比が大きなテーパ面でなる接続面によって接続されている。
そして、接続面の径方向内側端は、径方向において噴孔の入口の開口の位置と同じ位置、もしくは、噴孔の入口の開口の位置より径方向外側に位置している。
このため、噴孔の入口の開口付近での燃料流れの剥離を低減でき、噴孔内でのキャビテーション発生を抑制できる。
このため、サック室内で生じたキャビテーションが噴孔内に侵入するのを抑制することができる。
〔実施例1の構成〕
実施例1の燃料噴射ノズル1(以下、ノズル1と呼ぶ。)の構成を、図1〜図3を用いて説明する。
ノズル1は、開弁して燃料を噴射するものであり、ノズル1を開弁駆動または閉弁駆動するアクチュエータ(図示せず。)とともに燃料噴射弁を構成する。そして、燃料噴射弁は、例えば、内燃機関(図示せず。)に搭載され、100MPaを超える高圧の燃料を気筒内に直接噴射するために用いられる。
そして、燃料噴射弁は、例えば、燃料を高圧化して吐出する燃料供給ポンプ(図示せず。)、および、燃料供給ポンプから吐出された燃料を高圧状態で蓄圧する蓄圧容器(図示せず。)とともに蓄圧式の燃料供給装置を構成し、蓄圧容器から高圧の燃料を分配されて気筒内に噴射する。
ノズルボディ3の内周は、軸方向に長い円筒状をなし先端が閉じられている。また、ノズルボディ3の内周の一部は、局部的に径方向に拡大され、噴射すべき燃料が一時的に溜まる燃料溜まり5をなす。
なお、ノズルボディ3には、蓄圧容器から受け入れた燃料を燃料溜まり5に導くための燃料通路8が、別途、燃料溜まり5に接続している。
シート面11は、ノズルボディ3の内壁面の一部であり、軸方向先端に向かって縮径するテーパ状を呈し、ニードル2に設けられたシート部13が離着するシート位置15を有する面である。
すなわち、ノズルボディ3の先端近傍の内壁は、軸方向先端側ほど小径となる円錐面でなるシート面11を有し、シート位置15はこのシート面11上に設けられている。
また、円錐面17a、17b同士の交線18a、および円錐面17b、17c同士の交線18bは軸αに垂直な円であり、交線18bがシート部13として機能し、シート位置15は円形である。
噴孔4は、ノズルボディ3の周方向に複数個並んで設けられており、サック内壁20には複数の開口4aが周方向に例えば等間隔に設けられている。
本実施例のノズル1では、サック内壁20とシート面11とが、以下に説明する接続面25により接続されている。
接続面25は、シート面11の先端から先端に向かって縮径してサック内壁20の後端に接続する面である。
接続面25はシート面11よりも大きいテーパ比で先端に向かって縮径するテーパ面でなっている。すなわち、サック室12の後端の内径はシート面11の先端径よりも小さくなっており、その間が上述の接続面25で接続されている。
そして、接続面25の径方向内側端25aは、径方向において開口4aの位置と同じ位置、もしくは開口4aの位置より径方向外側に位置している。
本実施例の接続面25は、シート面11の先端(径方向内側端)とサック内壁20の後端(円筒面21の後端)とを接続するテーパ面である。
言い換えると、接続面25のテーパ角は、シート面11のテーパ角よりも大きい。
さらに言い換えると、ノズルボディ3の軸βに垂直な平面を平面Hと仮定した場合に、平面Hに対する接続面25の傾斜角θ1は、平面Hに対するシート面11の傾斜角θ2よりも小さい(図3参照)。
S1≦S2≦S3
を満たしている(図3参照)。
なお、流路面積S1は、シート面11と交線18aとの間に形成される燃料の流れに垂直な環状の面の面積であり、流路面積S2は、シート面11と接続面25との境界とニードル2との間に形成される燃料の流れに垂直な環状の面の面積であり、流路面積S3は、接続面25とサック内壁20との境界とニードル2との間に形成される燃料の流れに垂直な環状の面の面積である。
本実施例の作用効果を図6を用いて説明する。
ニードル2がリフトすると、燃料はまずシート面11に沿って先端へ向かって流れる。
その後、接続面25に到達すると、θ1がθ2よりも小さいために、シート面11を沿う流れが径方向内側へ曲げられる。そして、燃料は接続面25にガイドされながらサック室12の径方向中心へ向かうようにサック室12へ流れ込む。
この結果、開口4a付近での燃料流れの剥離を低減でき、噴孔4内でのキャビテーション発生を抑制できる。
このため、サック室12内で生じたキャビテーションが噴孔4内に侵入するのを抑制することもできる。
また、サック室12内のキャビテーション発生位置は、サック内壁20近傍である。
すなわち、接続面25は、従来のノズルJ2(図13参照)の場合のような突起120とは異なっている。ノズルJ2では、燃料が突起120を回り込む際にキャビテーションを生じて噴孔107に入り込むような現象は生じていたが、本実施例では、そのような現象は生じない。
これによれば、絞り部26を接続面25とニードル2との間に形成してしまうことによる、最小絞り面積の縮小を防ぐことができる。
実施例2のノズル1を実施例1とは異なる点を中心に図7を用いて説明する。なお、実施例1と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、サック室12がテーパサック型である。すなわち、サック内壁20がテーパ面であり、このテーパ面上に開口4aが形成されている。
本実施例によっても、実施例1と同様の作用効果を奏する。
実施例3のノズル1を実施例1とは異なる点を中心に図8を用いて説明する。なお、実施例1と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
実施例1では、先端部2bの外周面が、円錐面17a〜17cからなっていたが、本実施例では円錐面17b、17cからなっている。そして、円錐面17cを有する円錐台形の頂部がニードル2の先端をなしている。
このため、絞り部26を接続面25とニードル2との間に形成してしまうことはない。
本実施例によっても、実施例1と同様の作用効果を奏する。
参考例のノズル1を実施例1とは異なる点を中心に図9を用いて説明する。なお、実施例1と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
なお、図9では、ニードル2の描画を省略している。
すなわち、シート面11の先端(径方向内側端)と接続面25の後端との間にシート面11の先端と同径の円筒面29が形成されている。
加えて、本参考例によれば、シート面11を砥石Tで研磨する場合に、円筒面29の内側に砥石Tを逃がすことができるため、砥石Tの偏磨耗を避けることができる。
実施例4のノズル1を実施例1とは異なる点を中心に図10を用いて説明する。なお、実施例1と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、接続面25が、ノズルボディ3の軸βに垂直な平面である。すなわち、シート面11の先端から径方向内側に向かって形成された平面である。
本実施例においても、実施例1と同様の作用効果を奏する。
実施例5のノズル1を実施例1とは異なる点を中心に図11を用いて説明する。なお、実施例1と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、接続面25が2段のテーパ状の曲面からなっている。
軸方向後端側が径方向外側に凸の曲面であり、軸方向先端側が径方向内側に凸の曲面となっている。
本実施例によっても実施例1と同様の作用効果を奏する。
また、軸方向後端側を径方向外側凸の曲面とすることで、参考例における円筒面29と同様に、砥石Tを逃がす効果も奏することができる。
2 ニードル
3 ノズルボディ
4 噴孔
4a 噴孔の入口の開口
11 シート面
12 サック室
13 シート部
15 シート位置
25 接続面
Claims (5)
- 燃料を噴射する複数の噴孔(4)が形成されたノズルボディ(3)と、
前記ノズルボディ(3)の内周に軸方向に移動可能となるように収容されるニードル(2)と、
前記ノズルボディ(3)の内壁の一部であって、軸方向先端に向かって縮径するテーパ状を呈し、前記ニードル(2)に設けられたシート部(13)が離着するシート位置(15)を有するシート面(11)と、
前記シート面(11)よりも先端側において前記ノズルボディ(3)の内壁に囲まれて形成される空間であって、前記噴孔(4)が接続するサック室(12)と、
前記サック室(12)を形成する内壁(20)に設けられる前記噴孔(4)の入口の開口(4a)と
を備える燃料噴射ノズルであって、
前記サック室(12)を形成する内壁(20)は、軸方向に延びる円筒面(21)、およびこの円筒面(21)の先端に接続する半球面(22)を有し、前記ノズルボディ(3)の内周先端を袋状に閉じており、
前記サック室(12)を形成する内壁(20)と前記シート面(11)とは、前記シート面(11)から前記サック室(12)を形成する内壁(20)に向かって縮径するように設けられた前記ノズルボディ(3)の軸方向に垂直な平面、もしくは前記シート面(11)よりもテーパ比が大きなテーパ面でなる接続面(25)によって接続されており、
前記接続面(25)の径方向内側端(25a)は、径方向において前記開口(4a)の位置(Y)と同じ位置、もしくは前記開口(4a)の位置(Y)より径方向外側に位置していることを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 燃料を噴射する複数の噴孔(4)が形成されたノズルボディ(3)と、
前記ノズルボディ(3)の内周に軸方向に移動可能となるように収容されるニードル(2)と、
前記ノズルボディ(3)の内壁の一部であって、軸方向先端に向かって縮径するテーパ状を呈し、前記ニードル(2)に設けられたシート部(13)が離着するシート位置(15)を有するシート面(11)と、
前記シート面(11)よりも先端側において前記ノズルボディ(3)の内壁に囲まれて形成される空間であって、前記噴孔(4)が接続するサック室(12)と、
前記サック室(12)を形成する内壁(20)に設けられる前記噴孔(4)の入口の開口(4a)と
を備える燃料噴射ノズルであって、
前記サック室(12)を形成する内壁(20)は、テーパ面であり、このテーパ面上に前記開口(4a)が形成され、
前記サック室(12)を形成する内壁(20)と前記シート面(11)とは、前記シート面(11)から前記サック室(12)を形成する内壁(20)に向かって縮径するように設けられた前記ノズルボディ(3)の軸方向に垂直な平面、もしくは前記シート面(11)よりもテーパ比が大きなテーパ面でなる接続面(25)によって接続されており、
前記接続面(25)の径方向内側端(25a)は、径方向において前記開口(4a)の位置(Y)と同じ位置、もしくは前記開口(4a)の位置(Y)より径方向外側に位置していることを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 請求項1または2に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
前記ニードル(2)の全リフト領域において、前記噴孔(4)へ流入する燃料の最大流量を規定する絞り部(26)が、前記シート面(11)と前記ニードル(2)との間に形成されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射ノズルにおいて、
前記ニードル(2)の全リフト領域において、前記接続面(25)と前記ニードル(2)とが径方向に対向しないことを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射ノズルにおいて、
前記接続面(25)と前記シート面(11)との間に、前記シート面(11)の径方向内側端から軸方向先端側に向かって延びる円筒面(21)が形成されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
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